デバイス電源管理システム、デバイス電源管理プログラム、記憶媒体
【課題】 複数のデバイスの電源を落とす際に、効率よく、かつ他の装置の影響を受けないように、電源を落とすこと。
【解決手段】 電源システムの容量を越えないように複数のデバイスグループに分割する手段と、デバイスに対して他の装置からの電源断命令を拒絶させるようにする手段と、デバイスグループ毎に電源を落とす手段と、によって課題を解決する。
【解決手段】 電源システムの容量を越えないように複数のデバイスグループに分割する手段と、デバイスに対して他の装置からの電源断命令を拒絶させるようにする手段と、デバイスグループ毎に電源を落とす手段と、によって課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイス電源管理システムに関し、ネットワーク機器の電源管理に関する。
【背景技術】
【0002】
電気設備のメンテナンスの前に、大量デバイスの電源を遠隔操作で一度に確実に落とすことが出来れば、効率がよい。
【0003】
しかし、電気機器に電源を投入したときに、突入電流(またはインラッシュカレント)と呼ばれる一時的な大電流が流れることがある。複写機などのデバイスの電源を入れる際にも、突入電流が発生し(図2)、電源システムに影響を与える。同様に、デバイスの電源を一度に落とす際にも、急激な電源断では、突入電流が発生する場合があり、電源システムに影響を与える可能性がある。
【0004】
なお、図2は、あるデバイスにおいて一時的に電流が急上昇することを表している。
【0005】
この解決策として、電源を落とす際に、時間をずらして個々に電源を落とす方法が考えられる。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−238373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、時間をずらして1台ずつ電源を落とすようにすると、大量のデバイスに対して電源を落とすには時間が掛かってしまい、効率が良くない。
【0008】
例えば、図3に示したように、管理装置PC301からデバイスDEV301に対して、電源断命令を出し、デバイスDEV301から電源断終了通知を受けて、次の電源断対象デバイスDEV302に電源断命令を出す。これをDEV303、DEV304と順にすべての電源断対象デバイスについて行うと、デバイス台数分処理に時間がかかってしまう。
【0009】
また、時間をずらして電源を落とそうとしても、別の装置からの操作が出来てしまえば、同時に電源を落とされてしまう可能性がある。
【0010】
例えば、図4に示したように、管理装置PC402がデバイスPC401〜PC404の電源を管理しているときに、別の管理装置PC401からデバイスPC403、PC403の電源を操作されてしまうと、予期せぬタイミングでデバイスの電源が落とされてしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明のデバイス電源管理システムは、電源装置と情報ネットワークに接続されたデバイス管理装置と、前記デバイス管理装置で管理される複数デバイスとで構成されたデバイス電源管理システムであって、電源を落とす対象のデバイスから電源情報を取得する手段と、前記デバイスを電源システムの容量を越えないように複数のデバイスグループに分割する手段と、前記デバイスに対して、他の装置からの電源断命令を拒絶させるようにする手段と、デバイスグループ毎に電源を落とす手段と、によって課題を解決する。
【発明の効果】
【0012】
突入電流の影響を回避しつつ、効率よく電源を落とすことが可能となる。
【0013】
さらに、他の装置から電源を切られるという問題を回避可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の電源管理システムの構成を表す図
【図2】ピーク電流(突入電流)の表す図
【図3】デバイスに対して1台ずつ電源を落とす手順を表す図
【図4】他の機器から電源を落とされてしまう可能性を表す図
【図5】本発明のフローチャート
【図6】デバイスのピーク電流(突入電流)、電源位置情報を持つ一覧
【図7】電源システムが最大電流を越えないように計算するフローチャート
【図8】デバイスが各電源システムから電源の供給を受けることを表す図
【図9】電源システムが最大電流を越えないようなグループ分けを行うことを表す図
【図10】図5に記載の本発明のフローチャートに加え、強制電源断処理を追加したフローチャート
【図11】電源管理装置であるコンピュータの内部構造
【図12】電源管理対象デバイスの内部構造
【図13】デバイス側での電源断要求に対する処理を表すフローチャート
【図14】デバイス側での電源断要求に対する強制終了可能な処理を表すフローチャート
【図15】ID取得要求に対するデバイス側での処理を表すフローチャート
【図16】電源断不可のデバイスが残った旨を表示する画面
【図17】デバイス毎の表
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0016】
図1のコンピュータPC101上には、本発明に関わる電源管理ソフトウェアがインストールされているものとする。例えば、図11のハードディスクHDD101にインストールされる。
【0017】
PC101の電源管理ソフトウェアは、電源断対象のデバイスの一覧を持つ。
【0018】
ここでいう電源断対象のデバイスの一覧とは図6のような一覧のことである。
【0019】
前記一覧はPC101上の記憶領域に保持されている。例えば、図11のハードディスクHDD101に保持されている。
【0020】
電源断対象となるデバイスの一覧に含まれる情報は、電源断の通信に必要な情報であり、IPアドレスなどのデバイスと通信するための情報を含むものとする。
【0021】
この一覧は、予めユーザに入力されてもよい。または、電源管理ソフトウェアがネットワークを介して、SNMP、SLPなどのプロトコルによって、ネットワーク上に存在するデバイスを探索して、そのデバイスから取得した情報をPC101上の記憶領域に保持し、その一覧からユーザに選択させてもよい。または、前記探索されたデバイスをすべて対象にしてもよい。
【0022】
また、本電源管理ソフトウェアは、対象となるデバイスに電力を供給する電源システムの配置、各電源の最大定格電流を情報として持つものとする。図9において、対象となるデバイスに電力を供給する電源システムの例を示す。図9においては、電源システムがAからCまでのブロックに分かれており、ブロックそれぞれに、最大定格電流を持つことを表している。
【0023】
電源管理ソフトウェアにおいて、電源断のための動作が開始されると(図5のステップS501)、図5のステップS502において、予め作成された電源断の対象となるデバイスのリストをPC101の記憶領域から取得する。
【0024】
ステップS503において、リスト上のデバイスに対して、ネットワーク(図1のNet101)を介して、SNMP、SLPなどのプロトコルで、電源管理に必要な情報を取得する。
【0025】
前記電源管理に必要な情報とは、図6にあるようなデバイスのピーク時電流(突入電流)、電源位置情報である。
【0026】
ステップS503で取得した情報と、図9で示した電源システムの情報からステップS504で同時に電源断を行うデバイスのグループを決定する(図7)。
【0027】
その際、ピーク電流(突入電流)合計が電源システムの最大定格電流を越えないように同時に電源断を行うデバイスのグループを決定する。
【0028】
例えば、図8のように、電源AからデバイスA、デバイスH、デバイスEが電力の供給を受ける場合、ステップS503で取得したデバイスA、デバイスH、デバイスEの電流の情報からそれらの和を計算する。図9で示した電源システムの最大定格電流と比較する。電源システムの最大定格電流を超える場合には、同時に電源断を行わないように分割する。電源システムBにおいても、同様に、最大定格電流に応じて分割する。電源システムCにおいても同様に最大定格電流に応じて分割する。
【0029】
最後に全電源システムで分割したデバイスグループを同時実行していいものを1つのグループとして、電源断のスケジュールに登録する。
【0030】
上記のステップS504のデバイスグループに分割する手順を図7で説明する。
【0031】
はじめに、1つの電源システムに接続されたデバイスの一覧を取得する(S702)。
【0032】
次に、ピーク電流(突入電流)の合計値を格納する変数「i」を初期化する(S703)。
【0033】
前記デバイスの一覧を参照するインデックス「n」を「1」に初期化する(S704)。
【0034】
前記デバイスを格納するデバイスグループを参照するインデックス「m」を「1」に初期化する(S705)。前記「i」に前記「n」番目のデバイスのピーク電流を加算する(S706)。「i」が電源システムの最大定格電流を超過したかどうか判断する(S707)。ステップS707で「i」が電源システムの最大定格電流を超過したと判断された場合には、「m」に「1」を加算し、「i」を初期化し(S708)、S709に移行する。ステップS707で「i」が電源システムの最大定格電流を超過しないと判断された場合には、「m」番目のグループに「n」番目のデバイスを追加する(S709)。ステップS709の次に、「n」に1を加算する(S710)。次に「n」番目のデバイスがあるか判断(S711)し、「n」番目のデバイスがない場合には、終了する。ステップS711で「n」番目のデバイスがある場合には、ステップS706に移行する。
【0035】
上記の処理を各電源システムについて行う。異なる電源システムであれば、同時に電源断しても問題ないので、各電源システムから1つのグループを集めて同じグループとする。前記同一グループは、同時間に電源断を行うデバイスグループとする。
【0036】
例えば、図17の表TAB1701から電源AのグループにあるデバイスA、デバイスH、デバイスEのピーク時電流の和を計算すると、図17のTAB1703にあるように合計が410となり、電源Aの最大定格電流(TAB1702)を越えてしまう。そこで、デバイスA、デバイスHの2つとデバイスEを別のグループとすることで最大定格電流を越えることがなくなる。同様に電源B、電源Cについても最大定格電流を越えるので、デバイスF、デバイスBの2つとデバイスIを別グループに分け、デバイスG、デバイスDの2つとデバイスCを別グループに分ける。
【0037】
デバイスA、デバイスH、デバイスF、デバイスB、デバイスG、デバイスDは別電源のため、同グループとして同時に電源断することができる。同様に残りのデバイスE、デバイスI、デバイスCを同グループとして同時に電源断することができる。
【0038】
したがって、この場合には2回にわけて電源断を行うことになる。
【0039】
S504で同一時間に電源断を行うデバイスグループが確定したら、S505で未処理のデバイスからIDを取得する。
【0040】
ここで、IDを取得されたデバイスは一定時間内、他の機器からの情報を受け付けないようにする。
【0041】
ここでのデバイスの処理について図15を用いて説明する。デバイスが管理装置(図1)のPC101からID取得要求を受けると(S1501)、ステップS1502において、既にIDを取得しているか否かをチェックし、既にIDを発行していない場合には、IDを発行する(S1503)。ステップS1502において、既にIDを発行していると判断された場合には、セットされたタイマー値をチェックし(S1508)、一定時間経過している場合には、タイマーをクリアし(S1509)、IDを発行する(S1503)。ステップS1508で一定時間経過していないと判断された場合には、終了し、次のID取得要求を待つ。ステップS1503でIDを発行したら、発行したIDをデバイス内の記憶領域に保持し(S1504)、タイマー値を取得し(S1505)、タイマーをセットし(S1506)、処理を終了する(S1507)。
【0042】
ステップS1505で取得するタイマー値は、管理装置に保持された値であって、予めユーザに入力された値でもよく、プログラムで予め決められた値でもよい。
【0043】
ステップS506で、すべてのデバイスについて、IDを取得したかをチェックし、すべて取得していれば、S508へ進む。ステップS506ですべてIDを取得していなければ、ステップS507で取得できなかったデバイスを含むグループの電源処理対象から一旦除外する。
【0044】
次に、ステップS508では、デバイスグループ毎に電源断を行う。電源断を行うプロトコルは予めデバイスと電源管理ソフトウェアの入ったPC101との間で取り決められている。例えばSNMPのMIBやSLPの属性で定義された電源断に相当する値でPC101からデバイスDev101、Dev102、Dev103に対して電源断命令が送信される。その際、S505で取得されたデバイスIDも同時に送られる。
【0045】
ここで図13を用いて、デバイス側の処理の説明を行う。
【0046】
電源断命令を受け取ったDev101、Dev102、Dev103は、電源断命令とIDを内部で解釈する(S1302)。
【0047】
Dev101は受け取ったIDが正規な値かチェックを行う(S1303)。IDは一定の長さであって、数字、アルファベットなどの文字列でよい。
【0048】
次に、IDがそのデバイスで発行された値であれば、電源断命令を実行し(S1304)、Dev101は電源を落とす。電源断の命令は、図1のPC101から図12のネットワークN102を通して、図12のデバイス101内部のネットワークボードNIC1201で取得される。さらに、コントローラCON1201でDEV101が持つIDと照合し、DEV101が持つIDと一致すれば、コントローラCON1201のマイクロプロセッサMPU1201は電源断命令を解釈し、電源POW1201に電源断命令を行う。もしくは、NICネットワークボードNIC1201のマイクロプロセッサMPU1202で電源断を解釈し、コントローラCON1201を介さずに、電源POW1201に電源断命令を行う。
【0049】
電源断が実行されたら、電源断される直前にデバイスDEV101からPC101に、電源断を行った旨を通知する(S1305)。
【0050】
PC101は、デバイスDEV101に対して、実際に電源断されているか否かを通信を試みて、チェックする。通信ができなければ、電源断されたと判断する。
【0051】
グループ内のデバイスがすべて電源断されたら、同様に、次のデバイスグループについて、電源断を行う。
【0052】
一定時間経過しても、デバイスグループ内すべてのデバイスの電源断が実行されなければ、デバイスの電源断が終了していないデバイスグループを記憶し、次のデバイスグループの電源断を行う。
【0053】
ステップS508で、1つのデバイスグループに対して、電源断を行った後、次のデバイスグループについて、電源断を実行し、すべてのデバイスグループに対して、電源断を行う。
【0054】
S509で処理の終っていないグループがあるかチェックする。
前記処理の終っていないグループは、S507で除外されたデバイスグループ、S508で、処理がすべて一定時間内に終らなかったデバイスグループである。
【0055】
S509で、すべて処理が終っていれば、S511で電源断動作が完了となる。
【0056】
S509で、処理が終っていないデバイスグループが残っている場合には、S510に移行し、一定時間経過していれば、ユーザに未処理のデバイスがある旨を表示して、終了とする。
【0057】
例えば、図16は、管理装置PC101の出力装置でユーザに未処理のデバイスがある旨を表示する画面WIN1601を表している。
【0058】
ステップS510の判断で一定時間経過していなければ、S505のステップから再度処理を行う。
【実施例2】
【0059】
実施例2は、図10のステップS611、S612と図14のS1407に関する処理以外は、実施例1と同じである。
【0060】
図10のように、ステップS610で一定時間経過していた場合、ステップS611で強制終了させるか否かを判断し、デバイスを強制終了させることも可能である。強制終了させるか否かは予めユーザに選択あせておくことも可能である。また、S611の時点でユーザに選択させることも可能である。
【0061】
ここでのデバイスの処理は図14に書いた。図13との違いは、発行されたIDが正規のIDであるどうかをチェック後、正規でないと判断された場合に、S1407で強制停止命令が否かを判断する。強制停止名命令はプロトコル上強制停止に相当する値が管理装置とデバイスの間で予め取り決められているものとする。
【0062】
ステップS1407で強制終了と判断された場合には、電源断を実行する(S1404)。
【0063】
また、ステップS1407で強制終了でないと判断された場合には、次の電源断要求受信待ちとなる(S1401)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイス電源管理システムに関し、ネットワーク機器の電源管理に関する。
【背景技術】
【0002】
電気設備のメンテナンスの前に、大量デバイスの電源を遠隔操作で一度に確実に落とすことが出来れば、効率がよい。
【0003】
しかし、電気機器に電源を投入したときに、突入電流(またはインラッシュカレント)と呼ばれる一時的な大電流が流れることがある。複写機などのデバイスの電源を入れる際にも、突入電流が発生し(図2)、電源システムに影響を与える。同様に、デバイスの電源を一度に落とす際にも、急激な電源断では、突入電流が発生する場合があり、電源システムに影響を与える可能性がある。
【0004】
なお、図2は、あるデバイスにおいて一時的に電流が急上昇することを表している。
【0005】
この解決策として、電源を落とす際に、時間をずらして個々に電源を落とす方法が考えられる。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−238373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、時間をずらして1台ずつ電源を落とすようにすると、大量のデバイスに対して電源を落とすには時間が掛かってしまい、効率が良くない。
【0008】
例えば、図3に示したように、管理装置PC301からデバイスDEV301に対して、電源断命令を出し、デバイスDEV301から電源断終了通知を受けて、次の電源断対象デバイスDEV302に電源断命令を出す。これをDEV303、DEV304と順にすべての電源断対象デバイスについて行うと、デバイス台数分処理に時間がかかってしまう。
【0009】
また、時間をずらして電源を落とそうとしても、別の装置からの操作が出来てしまえば、同時に電源を落とされてしまう可能性がある。
【0010】
例えば、図4に示したように、管理装置PC402がデバイスPC401〜PC404の電源を管理しているときに、別の管理装置PC401からデバイスPC403、PC403の電源を操作されてしまうと、予期せぬタイミングでデバイスの電源が落とされてしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明のデバイス電源管理システムは、電源装置と情報ネットワークに接続されたデバイス管理装置と、前記デバイス管理装置で管理される複数デバイスとで構成されたデバイス電源管理システムであって、電源を落とす対象のデバイスから電源情報を取得する手段と、前記デバイスを電源システムの容量を越えないように複数のデバイスグループに分割する手段と、前記デバイスに対して、他の装置からの電源断命令を拒絶させるようにする手段と、デバイスグループ毎に電源を落とす手段と、によって課題を解決する。
【発明の効果】
【0012】
突入電流の影響を回避しつつ、効率よく電源を落とすことが可能となる。
【0013】
さらに、他の装置から電源を切られるという問題を回避可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の電源管理システムの構成を表す図
【図2】ピーク電流(突入電流)の表す図
【図3】デバイスに対して1台ずつ電源を落とす手順を表す図
【図4】他の機器から電源を落とされてしまう可能性を表す図
【図5】本発明のフローチャート
【図6】デバイスのピーク電流(突入電流)、電源位置情報を持つ一覧
【図7】電源システムが最大電流を越えないように計算するフローチャート
【図8】デバイスが各電源システムから電源の供給を受けることを表す図
【図9】電源システムが最大電流を越えないようなグループ分けを行うことを表す図
【図10】図5に記載の本発明のフローチャートに加え、強制電源断処理を追加したフローチャート
【図11】電源管理装置であるコンピュータの内部構造
【図12】電源管理対象デバイスの内部構造
【図13】デバイス側での電源断要求に対する処理を表すフローチャート
【図14】デバイス側での電源断要求に対する強制終了可能な処理を表すフローチャート
【図15】ID取得要求に対するデバイス側での処理を表すフローチャート
【図16】電源断不可のデバイスが残った旨を表示する画面
【図17】デバイス毎の表
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0016】
図1のコンピュータPC101上には、本発明に関わる電源管理ソフトウェアがインストールされているものとする。例えば、図11のハードディスクHDD101にインストールされる。
【0017】
PC101の電源管理ソフトウェアは、電源断対象のデバイスの一覧を持つ。
【0018】
ここでいう電源断対象のデバイスの一覧とは図6のような一覧のことである。
【0019】
前記一覧はPC101上の記憶領域に保持されている。例えば、図11のハードディスクHDD101に保持されている。
【0020】
電源断対象となるデバイスの一覧に含まれる情報は、電源断の通信に必要な情報であり、IPアドレスなどのデバイスと通信するための情報を含むものとする。
【0021】
この一覧は、予めユーザに入力されてもよい。または、電源管理ソフトウェアがネットワークを介して、SNMP、SLPなどのプロトコルによって、ネットワーク上に存在するデバイスを探索して、そのデバイスから取得した情報をPC101上の記憶領域に保持し、その一覧からユーザに選択させてもよい。または、前記探索されたデバイスをすべて対象にしてもよい。
【0022】
また、本電源管理ソフトウェアは、対象となるデバイスに電力を供給する電源システムの配置、各電源の最大定格電流を情報として持つものとする。図9において、対象となるデバイスに電力を供給する電源システムの例を示す。図9においては、電源システムがAからCまでのブロックに分かれており、ブロックそれぞれに、最大定格電流を持つことを表している。
【0023】
電源管理ソフトウェアにおいて、電源断のための動作が開始されると(図5のステップS501)、図5のステップS502において、予め作成された電源断の対象となるデバイスのリストをPC101の記憶領域から取得する。
【0024】
ステップS503において、リスト上のデバイスに対して、ネットワーク(図1のNet101)を介して、SNMP、SLPなどのプロトコルで、電源管理に必要な情報を取得する。
【0025】
前記電源管理に必要な情報とは、図6にあるようなデバイスのピーク時電流(突入電流)、電源位置情報である。
【0026】
ステップS503で取得した情報と、図9で示した電源システムの情報からステップS504で同時に電源断を行うデバイスのグループを決定する(図7)。
【0027】
その際、ピーク電流(突入電流)合計が電源システムの最大定格電流を越えないように同時に電源断を行うデバイスのグループを決定する。
【0028】
例えば、図8のように、電源AからデバイスA、デバイスH、デバイスEが電力の供給を受ける場合、ステップS503で取得したデバイスA、デバイスH、デバイスEの電流の情報からそれらの和を計算する。図9で示した電源システムの最大定格電流と比較する。電源システムの最大定格電流を超える場合には、同時に電源断を行わないように分割する。電源システムBにおいても、同様に、最大定格電流に応じて分割する。電源システムCにおいても同様に最大定格電流に応じて分割する。
【0029】
最後に全電源システムで分割したデバイスグループを同時実行していいものを1つのグループとして、電源断のスケジュールに登録する。
【0030】
上記のステップS504のデバイスグループに分割する手順を図7で説明する。
【0031】
はじめに、1つの電源システムに接続されたデバイスの一覧を取得する(S702)。
【0032】
次に、ピーク電流(突入電流)の合計値を格納する変数「i」を初期化する(S703)。
【0033】
前記デバイスの一覧を参照するインデックス「n」を「1」に初期化する(S704)。
【0034】
前記デバイスを格納するデバイスグループを参照するインデックス「m」を「1」に初期化する(S705)。前記「i」に前記「n」番目のデバイスのピーク電流を加算する(S706)。「i」が電源システムの最大定格電流を超過したかどうか判断する(S707)。ステップS707で「i」が電源システムの最大定格電流を超過したと判断された場合には、「m」に「1」を加算し、「i」を初期化し(S708)、S709に移行する。ステップS707で「i」が電源システムの最大定格電流を超過しないと判断された場合には、「m」番目のグループに「n」番目のデバイスを追加する(S709)。ステップS709の次に、「n」に1を加算する(S710)。次に「n」番目のデバイスがあるか判断(S711)し、「n」番目のデバイスがない場合には、終了する。ステップS711で「n」番目のデバイスがある場合には、ステップS706に移行する。
【0035】
上記の処理を各電源システムについて行う。異なる電源システムであれば、同時に電源断しても問題ないので、各電源システムから1つのグループを集めて同じグループとする。前記同一グループは、同時間に電源断を行うデバイスグループとする。
【0036】
例えば、図17の表TAB1701から電源AのグループにあるデバイスA、デバイスH、デバイスEのピーク時電流の和を計算すると、図17のTAB1703にあるように合計が410となり、電源Aの最大定格電流(TAB1702)を越えてしまう。そこで、デバイスA、デバイスHの2つとデバイスEを別のグループとすることで最大定格電流を越えることがなくなる。同様に電源B、電源Cについても最大定格電流を越えるので、デバイスF、デバイスBの2つとデバイスIを別グループに分け、デバイスG、デバイスDの2つとデバイスCを別グループに分ける。
【0037】
デバイスA、デバイスH、デバイスF、デバイスB、デバイスG、デバイスDは別電源のため、同グループとして同時に電源断することができる。同様に残りのデバイスE、デバイスI、デバイスCを同グループとして同時に電源断することができる。
【0038】
したがって、この場合には2回にわけて電源断を行うことになる。
【0039】
S504で同一時間に電源断を行うデバイスグループが確定したら、S505で未処理のデバイスからIDを取得する。
【0040】
ここで、IDを取得されたデバイスは一定時間内、他の機器からの情報を受け付けないようにする。
【0041】
ここでのデバイスの処理について図15を用いて説明する。デバイスが管理装置(図1)のPC101からID取得要求を受けると(S1501)、ステップS1502において、既にIDを取得しているか否かをチェックし、既にIDを発行していない場合には、IDを発行する(S1503)。ステップS1502において、既にIDを発行していると判断された場合には、セットされたタイマー値をチェックし(S1508)、一定時間経過している場合には、タイマーをクリアし(S1509)、IDを発行する(S1503)。ステップS1508で一定時間経過していないと判断された場合には、終了し、次のID取得要求を待つ。ステップS1503でIDを発行したら、発行したIDをデバイス内の記憶領域に保持し(S1504)、タイマー値を取得し(S1505)、タイマーをセットし(S1506)、処理を終了する(S1507)。
【0042】
ステップS1505で取得するタイマー値は、管理装置に保持された値であって、予めユーザに入力された値でもよく、プログラムで予め決められた値でもよい。
【0043】
ステップS506で、すべてのデバイスについて、IDを取得したかをチェックし、すべて取得していれば、S508へ進む。ステップS506ですべてIDを取得していなければ、ステップS507で取得できなかったデバイスを含むグループの電源処理対象から一旦除外する。
【0044】
次に、ステップS508では、デバイスグループ毎に電源断を行う。電源断を行うプロトコルは予めデバイスと電源管理ソフトウェアの入ったPC101との間で取り決められている。例えばSNMPのMIBやSLPの属性で定義された電源断に相当する値でPC101からデバイスDev101、Dev102、Dev103に対して電源断命令が送信される。その際、S505で取得されたデバイスIDも同時に送られる。
【0045】
ここで図13を用いて、デバイス側の処理の説明を行う。
【0046】
電源断命令を受け取ったDev101、Dev102、Dev103は、電源断命令とIDを内部で解釈する(S1302)。
【0047】
Dev101は受け取ったIDが正規な値かチェックを行う(S1303)。IDは一定の長さであって、数字、アルファベットなどの文字列でよい。
【0048】
次に、IDがそのデバイスで発行された値であれば、電源断命令を実行し(S1304)、Dev101は電源を落とす。電源断の命令は、図1のPC101から図12のネットワークN102を通して、図12のデバイス101内部のネットワークボードNIC1201で取得される。さらに、コントローラCON1201でDEV101が持つIDと照合し、DEV101が持つIDと一致すれば、コントローラCON1201のマイクロプロセッサMPU1201は電源断命令を解釈し、電源POW1201に電源断命令を行う。もしくは、NICネットワークボードNIC1201のマイクロプロセッサMPU1202で電源断を解釈し、コントローラCON1201を介さずに、電源POW1201に電源断命令を行う。
【0049】
電源断が実行されたら、電源断される直前にデバイスDEV101からPC101に、電源断を行った旨を通知する(S1305)。
【0050】
PC101は、デバイスDEV101に対して、実際に電源断されているか否かを通信を試みて、チェックする。通信ができなければ、電源断されたと判断する。
【0051】
グループ内のデバイスがすべて電源断されたら、同様に、次のデバイスグループについて、電源断を行う。
【0052】
一定時間経過しても、デバイスグループ内すべてのデバイスの電源断が実行されなければ、デバイスの電源断が終了していないデバイスグループを記憶し、次のデバイスグループの電源断を行う。
【0053】
ステップS508で、1つのデバイスグループに対して、電源断を行った後、次のデバイスグループについて、電源断を実行し、すべてのデバイスグループに対して、電源断を行う。
【0054】
S509で処理の終っていないグループがあるかチェックする。
前記処理の終っていないグループは、S507で除外されたデバイスグループ、S508で、処理がすべて一定時間内に終らなかったデバイスグループである。
【0055】
S509で、すべて処理が終っていれば、S511で電源断動作が完了となる。
【0056】
S509で、処理が終っていないデバイスグループが残っている場合には、S510に移行し、一定時間経過していれば、ユーザに未処理のデバイスがある旨を表示して、終了とする。
【0057】
例えば、図16は、管理装置PC101の出力装置でユーザに未処理のデバイスがある旨を表示する画面WIN1601を表している。
【0058】
ステップS510の判断で一定時間経過していなければ、S505のステップから再度処理を行う。
【実施例2】
【0059】
実施例2は、図10のステップS611、S612と図14のS1407に関する処理以外は、実施例1と同じである。
【0060】
図10のように、ステップS610で一定時間経過していた場合、ステップS611で強制終了させるか否かを判断し、デバイスを強制終了させることも可能である。強制終了させるか否かは予めユーザに選択あせておくことも可能である。また、S611の時点でユーザに選択させることも可能である。
【0061】
ここでのデバイスの処理は図14に書いた。図13との違いは、発行されたIDが正規のIDであるどうかをチェック後、正規でないと判断された場合に、S1407で強制停止命令が否かを判断する。強制停止名命令はプロトコル上強制停止に相当する値が管理装置とデバイスの間で予め取り決められているものとする。
【0062】
ステップS1407で強制終了と判断された場合には、電源断を実行する(S1404)。
【0063】
また、ステップS1407で強制終了でないと判断された場合には、次の電源断要求受信待ちとなる(S1401)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源装置と情報ネットワーク(Net101)に接続されたデバイス管理装置(PC101)と、前記デバイス管理装置で管理される複数デバイス(Dev101、Dev102、Dev103)とで構成されたデバイス電源管理システムであって、電源を落とす対象のデバイス(Dev101、Dev102、Dev103)から電源情報を取得する手段と、前記デバイスを電源システム(Pow101)の容量を越えないように複数のデバイスグループに分割する手段と、前記デバイス(Dev101、Dev102、Dev103)に対して、他の装置からの電源断命令を拒絶させるようにする手段と、デバイスグループ毎に電源を落とす手段と、を有することを特徴とするデバイス電源管理システム。
【請求項2】
前記デバイスグループ毎に電源を落とす手段の後には、一定時間電源を落とせない場合には、電源を落とせない旨をユーザに通知する手段を有することを特徴とする請求項1に記載のデバイス電源管理システム。
【請求項3】
前記デバイスグループ毎に電源を落とす手段の後には、一定時間電源を落とせない場合には、強制的に電源を落とす手段を有することを特徴とする請求項1に記載のデバイス電源管理システム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のデバイス電源管理システムをコンピューターにより管理するためのデバイス電源管理プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のデバイス電源管理プログラムをコンピューターにより読み出し可能な形で記憶した記憶媒体。
【請求項1】
電源装置と情報ネットワーク(Net101)に接続されたデバイス管理装置(PC101)と、前記デバイス管理装置で管理される複数デバイス(Dev101、Dev102、Dev103)とで構成されたデバイス電源管理システムであって、電源を落とす対象のデバイス(Dev101、Dev102、Dev103)から電源情報を取得する手段と、前記デバイスを電源システム(Pow101)の容量を越えないように複数のデバイスグループに分割する手段と、前記デバイス(Dev101、Dev102、Dev103)に対して、他の装置からの電源断命令を拒絶させるようにする手段と、デバイスグループ毎に電源を落とす手段と、を有することを特徴とするデバイス電源管理システム。
【請求項2】
前記デバイスグループ毎に電源を落とす手段の後には、一定時間電源を落とせない場合には、電源を落とせない旨をユーザに通知する手段を有することを特徴とする請求項1に記載のデバイス電源管理システム。
【請求項3】
前記デバイスグループ毎に電源を落とす手段の後には、一定時間電源を落とせない場合には、強制的に電源を落とす手段を有することを特徴とする請求項1に記載のデバイス電源管理システム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のデバイス電源管理システムをコンピューターにより管理するためのデバイス電源管理プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のデバイス電源管理プログラムをコンピューターにより読み出し可能な形で記憶した記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
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【図14】
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【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−211601(P2010−211601A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−58014(P2009−58014)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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