説明

デバーリング装置

【課題】本発明は、金属製品または非金属製品の成形または切断作業時に発生するバリを自動で除去するだけでなく、デバーリング作業時に発生する騒音及び異質物による作業空間汚染を最小化することができるデバーリング装置を提供するためのものである。
【解決手段】本発明に係るデバーリング装置は、ベースの上に設けられてデバーリング対象物を移送する移送経路を形成する移送モジュール、ベースの上のデバーリング対象物の移送経路の上に設けられてデバーリング対象物をデバーリングするデバーリングモジュール、及びベースの上に往復動可能に設けられて移送モジュール及びこの移送モジュールの上のデバーリング対象物が外部に露出することを選択的に遮断するだけでなく、デバーリングモジュールを用いたデバーリング対象物のデバーリング作業時に発生する粉塵及び騒音が外部に伝えられることを防止する遮断カバーを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデバーリング装置に関し、より詳しくは、金属製品または非金属製品の成形または切断作業時に発生するバリを自動で除去するだけでなく、デバーリング作業時に発生する騒音及び異質物による作業空間汚染を最小化するデバーリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、作業物のバリ(burr)を除去するために、従来には下記の特許文献1である韓国公開特許公報第10−2009−0132935号に開示された通り、ドリリング工具や紙やすりのような手工具を使用して作業者が直接手作業により除去(deburring)する方法が使われてきた。
さらに、内部形状が複雑な場合にはバリ(burr)を除去するための自動化設備を機構的に設計することに非常に難しい問題点があるので、通常、手作業によりバリの除去作業がなされてきた。
【0003】
このような手作業に依存してバリを除去する方式は、完成された製品の生産時間及び生産コストを増加させる問題点がある。
【0004】
また、バリの除去のための自動化設備が提示されていないので、手作業による除去によって製品製作工程費用の相当部分を占めるようになり、製作された製品の品質が一定でないという問題もある。
【0005】
一方、バリを除去する方式により自動化設備を導入する場合、ランダムに分散されているバリの正確な位置(座標)を指定してくれなければならないという問題点があり、これは自動化においてロボティックスを導入しなければならないので現実的に困難な問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2009−0132935号(2009年12月31日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、金属製品または非金属製品の成形または切断作業時に発生するバリを自動で除去するだけでなく、デバーリング作業時に発生する騒音及び異質物による作業空間汚染を最小化するデバーリング装置を提供することにある。
【0008】
本発明の解決課題は以上で言及されたものに限定されず、言及されていない他の解決課題は下記の記載から当業者に明確に理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的は、ベース上に設けられてデバーリング対象物を移送する移送経路を形成する移送モジュールと、前記ベースの上のデバーリング対象物の移送経路の上に設けられてデバーリング対象物をデバーリングするデバーリングモジュールと、前記ベースの上に往復動可能に設けられて移送モジュール及び該移送モジュールの上のデバーリング対象物が外部に露出することを選択的に遮断するだけでなく、前記デバーリングモジュールを用いたデバーリング対象物のデバーリング作業時に発生する粉塵及び騒音が外部に伝えられることを防止する遮断カバーとを備えているデバーリング装置により達成できる。
【0010】
ここで、前記遮断カバーが前記デバーリングモジュールの前後領域をカバー可能であり、複数のカバー片が重なり合うことが可能に連結された構造、またはシワ膜構造を有している。
【0011】
前記遮断カバーを移動させるための移送手段が、前記ベース及び遮断カバーに備えられ、かつ、ラックアンドピニオンギアユニット、リニアガイドユニット、シリンダユニットのうちから選択されたいずれか1つ以上で構成されている。
【0012】
前記遮断カバーが、透明または半透明材質によって形成されている。
【0013】
前記デバーリングモジュールが、内部空間を具備し、前記デバーリング対象物が進入する入口および排出される出口が設けられ、かつ、第1防音壁として機能するモジュール壁体と、前記モジュール壁体の内部空間に設けられ、かつ、第1駆動手段により回転可能な回転軸及び該回転軸の周方向に沿って互いに離隔するように設けられ、第2駆動手段により回転可能な複数のデバーリングホイールを含むデバーリングユニットと、前記モジュール壁体とデバーリングユニットとの間に設けられる第2防音壁とを有している。
【0014】
前記第2防音壁が前記移送モジュールの左右方向に各々設けられ、かつ、前記デバーリングユニットの回転半径と対応する形状の円弧面を有している。
【0015】
前記モジュール壁体および第2防音壁が、各々吸音可能な材質によって形成されている。
【0016】
前記デバーリングモジュールが、前記デバーリング対象物のデバーリング作業時に発生する異質物を吸入した後、外部に排出するようにモジュール壁体に設けられる複数の排出ダクトを更に有している。
【発明の効果】
【0017】
本発明の実施形態に従うデバーリング装置は、次のような効果を有する。
【0018】
第1に、3D(ディメンション)形状の金属製品または非金属製品の成形または切断作業時に発生するバリを自動で容易で、かつ、速かに除去することができる。
【0019】
第2に、ベースの上に往復動可能に設けられた遮断カバー、二重構造の第1及び第2防音壁によりデバーリング作業及びデバーリング対象物の移送時に発生する騒音を最小化することができる。
【0020】
第3に、モジュール壁体に排出ダクトを設けることで、デバーリング作業時に発生する異質物(粉塵、除去されたバリ(burr)等)を速かに外部に排出可能であり、これによって作業空間を清潔に維持可能であり、デバーリング作業の連続性を向上させることができる。
【0021】
本発明の効果は以上で言及されたものに限定されず、言及されていない他の効果は下記の記載から当業者に明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係るデバーリング装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るデバーリング装置におけるデバーリングモジュールの内部の一部構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るデバーリング装置を用いてデバーリングする過程を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るデバーリング装置を用いてデバーリングする過程を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るデバーリング装置の主要構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態をより詳細に説明する。
本発明は以下に開示される実施形態に限定されるものでなく、互いに異なる多様な形態に具現でき、単に本実施形態は本発明の開示が完全であるようにし、通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。
図面上で、同一符号は同一な要素を指し示す。
【0024】
図1は本発明の実施形態に係るデバーリング装置を示す斜視図であり、図2は本発明の実施形態に係るデバーリング装置におけるデバーリングモジュールの内部の一部構成を示す斜視図であり、図3及び図4は本発明の実施形態に係るデバーリング装置を用いてデバーリングする過程を示す図であり、図5は本発明の実施形態に係るデバーリング装置の主要構成を示す平面図である。
【0025】
これら図面に図示したように、本発明の望ましい一実施形態に係るデバーリング装置は、デバーリング作業時に発生する騒音及び異質物(粉塵、除去されたバリ(burr)を含む)などが外部に伝えられたり排出されることを最小化して、デバーリング作業空間上の作業環境を向上させるものであって、ベース100の上に設けられてデバーリング対象物200(以下、「対象物」という)を移送するように移送経路を形成する移送モジュール300、ベース100の上の対象物200の移送経路の上に設けられて対象物200をデバーリングするデバーリングモジュール400、及びベース100の上に往復動可能に設けられて移送モジュール300及び移送モジュール300の上の対象物200が外部に露出することを選択的に遮断する遮断カバー500を含む。
【0026】
まず、図1及び図2に示すように、移送モジュール300は、ベース100の上に設けられて対象物200を前後方向(図面上のX方向)に移送させるものであって、通常の移送ベルト、移送ローラ、リニア移動モジュールなどで適用可能である。
一方、このような移送モジュール300は、特定領域、具体的には後述するデバーリングモジュール400が設けられた領域では対象物200を前後方向でない左右方向(図面上のY方向)にも移送可能に備えられる。
このように、対象物200を左右方向に配置位置を変更するための構成には、シリンダ、ラックギアなどが適用可能である。
【0027】
一方、前述したように、移送モジュール300を通じて対象物200を前後方向だけでなく左右方向にも移送できるようになれば、対象物200の側面部のデバーリング作業が容易になる利点があり、これについては下記に具体的に説明する。
【0028】
図1乃至図3に示すように、デバーリングモジュール400は、ベース100の上の対象物200の移送経路の上に設けられて実質的に対象物200をデバーリングするものであって、内部空間を具備し、対象物200が進入する入口と排出する出口が設けられ、かつ、第1防音壁として機能するモジュール壁体410と、モジュール壁体410の内部空間に設けられ、かつ、第1駆動手段(図示せず)により回転可能な第1公転軸431及び第1公転軸431の周方向に沿って互いに離隔するように設けられ、第2駆動手段(図示せず)により回転可能な複数の第1デバーリングホイール432を含むデバーリングユニット430と、モジュール壁体410とデバーリングユニット430との間に設けられる第2防音壁440とを含む。
【0029】
モジュール壁体410はデバーリングモジュール400の外観を形成するものであって、一方には移送モジュール300に沿って移動する対象物200が内側に進入するように入口が形成され、他方にはデバーリング作業が完了した対象物200が後加工などのために外部に排出されるように出口が形成される。
このようなモジュール壁体410の一側には作業者がモジュール壁体410の内部空間に出入可能にドアが設けられており、また作業者が外部でデバーリングユニット430の動作を制御するように制御盤が設けられる。
【0030】
一方、図2に示すように、モジュール壁体410はデバーリングユニット430を用いたデバーリング作業時の騒音発生を最小化するように、即ち、モジュール壁体410の内側空間で発生する騒音がモジュール壁体410の外部に伝えられることを最小化するように第1防音壁として機能する。
ここで、モジュール壁体410は、作業騒音が周辺作業空間に伝えられることをより最小化するように吸音可能な材質及び構造からなることが望ましい。
【0031】
付け加えて、図1に示すように、モジュール壁体410の上側には対象物200のデバーリング作業時に発生する異質物(粉塵、除去されたバリ(burr)等)を吸入した後、外部に排出するように複数の排出ダクト411が更に設けられる。
具体的に、排出ダクト411には送風機(図示せず)が設けられ、送風機の吸入圧力により前述した異質物などは排出ダクト411に吸入された後、移動してから外部に排出される。
本実施形態では、モジュール壁体410の内部空間に対象物200が配置された状態でデバーリング作業時に送風機が駆動して異質物を外部に排出することができ、また現在進行中のデバーリングが完了した際に異質物排出作業が実施されることもできる。
【0032】
即ち、本実施形態は、デバーリング作業と同時、または一定の時間差を置いて自動で異質物除去作業を実施することによって、実質的にデバーリング作業がなされるモジュール壁体410の内部空間を清潔にして連続的な作業が可能であるように作業効率を増大させるだけでなく、作業者の人力による清掃作業を省略してデバーリング作業にかかる費用を低減することができる。
【0033】
図2乃至図5に示すように、デバーリングユニット430は、第1駆動手段(図示せず)により回転可能な回転軸431と、回転軸431の周方向に沿って互いに離隔するように設けられ、第2駆動手段(図示せず)により回転可能な複数の第1デバーリングホイール432を含む。
即ち、デバーリングユニット430は、第1デバーリングホイール432を回転させて対象物200に摩擦させることによって、対象物200の上面部のバリ(burr)を除去するようになる。
ここで、第1及び第2駆動手段(図示せず)には正逆回転を容易に制御できるサーボモータが適用されることが望ましい。
【0034】
一方、図3及び図4に示すように、デバーリングユニット430は、第1デバーリングホイール432によりデバーリングされない対象物200の死角地帯または側面部のバリ(Burr)を除去するための付加軸433を更に含む。
ここで、付加軸433は同様に第2デバーリングホイール434及び第2デバーリングホイール434を回転させるためのモータなどを含む。
以下、デバーリングユニット430についてより詳細に説明する。
【0035】
図3及び図4に示すように、デバーリングユニット430は、1つの回転軸、即ち、1つの第1公転軸431と、第1デバーリングホイール432が取り付けられた複数の第1自転軸436を具備し、対象物200の上部で上下、前後、または左右に駆動してバリ(Burr)を除去するように構成される。
このようなデバーリングユニット430の上下、前後、または左右駆動は、別途の制御部を通じて制御される。
ここで、第1公転軸431は複数の第1自転軸436が結合される中心となる部分であって、第1公転軸431が上下、前後、または左右に制御されることによって、第1自転軸436を含んだ第1デバーリングホイール432が対象物200の上部に接触してバリを除去するようになる。
【0036】
本実施形態では、第1公転軸431が上下、前後、または左右に移動及び回転方向が制御されることによって、第1デバーリングホイール432が対象物200の上部面をデバーリングするようになり、第1公転軸431は前述したように、第1自転軸436及び第1デバーリングホイール432のデバーリングを補完するために第1駆動手段の駆動を通じて時計方向または反時計方向に回転可能である。
【0037】
一方、第1デバーリングホイール432及び第2デバーリングホイール434は、一定以上の柔軟性を有する毛素材で形成されることによって、2D(ディメンション)及び3D形状の多様な製品に対しても均一にデバーリング可能である。
【0038】
本実施形態において、各々の第1自転軸436の回転方向は異なるように設定することができ、対象物200の均一なデバーリングのために互いに隣接した第1自転軸436は互いに回転方向が反対に設定されることが望ましい。
【0039】
図3及び図4に示すように、付加軸433は別途の第2デバーリングホイール434を具備して対象物200の側面部領域をデバーリングするものであって、必要によって複数個設けられる。
分かりやすく説明すると、毛素材で形成された第1デバーリングホイール432を用いてデバーリングするので、対象物200の側面部もある程度バリが除去されるが、より確実に側面部のバリを除去し、延いては死角地域をデバーリングするために、付加軸433及び第2デバーリングホイール434が必要である。
【0040】
本実施形態において、付加軸433は上下方向に所定の角度に駆動するように形成され、図3のタイプ1のようにブラシ(Brush)、即ち第2デバーリングホイール434を横方向に回転するように形成することもでき、また図3のタイプ2のように第2デバーリングホイール434を縦方向に回転するように形成することもできる。
即ち、第2デバーリングホイール434は付加軸433の第2自転軸435に結合されて回転し、1つ以上が取付できる。
このような第2自転軸435は、また付加軸433の回転により回転するようになり、第2自転軸435の回転方向は時計方向または反時計方向に制御可能である。
【0041】
本実施形態では、モジュール壁体410の内部に対象物200が配置された状態で第1デバーリングホイール432の回転により対象物200のバリを除去するようになるが、この際、対象物200の大きさや形状によって付加軸433及び付加軸433に設けられた第2デバーリングホイール434が対象物200の側面部にあまり密着してデバーリング作業を正しく遂行できない場合が発生する。
このような場合、移送モジュール300は制御部(図示せず)により左右方向に駆動されて対象物200の側面領域のデバーリング作業が容易であるように、対象物200の側面領域と付加軸433との間の距離を一定以上離隔させるようになる。
【0042】
次に、図2に示すように、モジュール壁体410とデバーリングユニット430との間には第2防音壁440が更に設けられる。
このような第2防音壁440は、モジュール壁体410と同様に、デバーリング作業時に発生する騒音をより減少するように設けられるものであり、吸音可能な材質からなる。
即ち、本発明は騒音防止のためにモジュール壁体410と第2防音壁440との二重壁構造が設けられており、これによって周辺作業空間への騒音伝達をより最小化することができる。
【0043】
このような第2防音壁440は、モジュール壁体410の内部空間で移送モジュール300の左右方向(図2のY方向)に各々設けられ、かつ、デバーリングユニット430、複数の第1デバーリングホイール432の回転半径と対応する形状の円弧面441を有するように形成されている。
これによって、複数の第1デバーリングホイール432の公転を制限せず、円滑な回転がなされるようにするとともに、デバーリング作業時に発生する騒音を一定以上吸音して周辺空間への拡散を最小化するようになる。
【0044】
付け加えて、第2防音壁440に一定以上の曲率を有する円弧面441が備えられることによって、デバーリング作業時に発生する騒音は円弧面441に接触した後、乱反射を発生させ、このような乱反射により騒音は徐々に相殺できる。
【0045】
図1に示すように、本実施形態では、ベース100の上に往復動可能に設けられて移送モジュール300及び移送モジュール300の上の対象物200が外部に露出することを選択的に遮断するだけでなく、モジュール壁体410の入口および出口に噴出される粉塵及び騒音が外部に伝えられることを最小化するように遮断カバー500が設けられる。
【0046】
具体的に、遮断カバー500は、デバーリングモジュール400の前後領域、即ちデバーリング作業前の領域とデバーリング作業後の領域をカバーするものであって、作業者の必要によって選択的にカバーまたは開放される。
分かりやすく説明すると、対象物200が移送モジュール300に沿って移動中であるとか、デバーリングモジュール400によりデバーリング作業中の時には遮断カバー500が移送モジュール300をカバーするように作動されることが望ましくて、移送モジュール300の修理またはデバーリング作業が実施されない時には遮断カバー500が一方に移送されて移送モジュール300を外部に対して開放させることが望ましい。
【0047】
一方、デバーリングユニット430などによるデバーリング作業時、対象物200から除去されたバリは、第1デバーリングホイール432の回転による遠心力により第2防音壁440の円弧面441を打撃するようになる。
以後、このようなバリ(burr)はラウンド付けた円弧面441の形状に沿ってモジュール壁体410の入口及び出口を通じてモジュール壁体410の外部に排出される。
【0048】
本実施形態では、デバーリング作業時、周辺作業空間に跳ねるバリにより作業者の安全事故が発生し、作業空間の汚染が発生する問題点を解決するために、遮断カバー500がモジュール壁体410の前後方向に配置された移送モジュール300をカバーするように設けられる。
したがって、前述したように、モジュール壁体410の入口及び出口側に排出されるバリが周辺作業空間に跳ねることを更に防止するようになる。
また、遮断カバー500は、デバーリング作業時に発生する騒音が外部に伝えられることを防止するようになる。
【0049】
即ち、本実施形態は、第2防音壁440に円弧面441を具備することによって、デバーリング作業時に発生する騒音を相殺して低減させることができ、また遮断カバー500がモジュール壁体410と連結されてモジュール壁体410の前後方向の移送モジュール300をカバーすることによって、円弧面441に沿って移動した後にモジュール壁体410の外部に排出されるバリが周辺作業空間に跳ねることを防止するようになる。
【0050】
図1に示すように、遮断カバー500を往復動させるための移送手段はベース100及び遮断カバー500に備えられ、移送手段にラックアンドピニオンギアユニット、リニアガイドユニット、シリンダユニットのうちから選択されたいずれか1つ以上が適用可能である。
一例として、このような移送手段にリニアガイドユニットが適用される場合、リニアガイドレールはベース100に移送モジュール300の進行方向に沿って長く延びるように設けられ、リニアガイドブロックはリニアガイドレールに沿って移動可能に遮断カバー500の下部に設けられる。
前述した他の移送手段もこれと類似の設置構造が適用されるので、以下、詳細な説明は省略する。
【0051】
一方、遮断カバー500の往復動時、遮断カバー500が占める領域を最小化するように、遮断カバー500は複数のカバー片510が重なり合うことが可能に連結された構造を有するか、シワ膜構造を有する。
具体的に、前者の場合、図1に示すように、遮断カバー500は複数のカバー片510が互いにリンク構造を通じて連結され、遮断カバー500の開放時には重なり合った状態で配置されてから、閉鎖時にはリンク運動により広げられた状態を有する。
後者の場合、関連図面に具体的に図示してはいないが、遮断カバー500は、広げまたは折畳が容易なシワ膜構造を有する。
【0052】
付け加えて、本実施形態では、遮断カバー500がデバーリングモジュール400側に移動して移送モジュール300の外部露出を制限する状態で、作業者が移送モジュール300及び移送モジュール300に沿って移送される対象物200の状態を肉眼で確認可能にすることが望ましい。
【0053】
このために、遮断カバー500は透明または半透明材質からなって、作業者の肉眼確認をより容易にすることができる。
また、遮断カバー500は全体的に不透明材質からなるとしても、部分的に透明または半透明の確認ウィンドウ(図示せず)を更に備えてもよい。
【0054】
本発明を添付図面と前述した望ましい実施形態を参照して説明したが、本発明はそれに限定されず、後述する特許請求範囲により限定される。
したがって、本技術分野の通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求範囲の技術的事項から逸脱しない範囲内で本発明を多様に変形及び修正することができる。
【符号の説明】
【0055】
100 ・・・ ベース
200 ・・・ 対象物
300 ・・・ 移送モジュール
400 ・・・ デバーリングモジュール
410 ・・・ モジュール壁体
411 ・・・ 排出ダクト
430 ・・・ デバーリングユニット
432 ・・・ 第1デバーリングホイール
433 ・・・ 付加軸
434 ・・・ 第2デバーリングホイール
440 ・・・ 第2防音壁
441 ・・・ 円弧面
500 ・・・ 遮断カバー
510 ・・・ カバー片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースの上に設けられてデバーリング対象物を移送する移送経路を形成する移送モジュールと、
前記ベースの上のデバーリング対象物の移送経路の上に設けられてデバーリング対象物をデバーリングするデバーリングモジュールと、
前記ベースの上に往復動可能に設けられて移送モジュール及び該移送モジュールの上のデバーリング対象物が外部に露出することを選択的に遮断するだけでなく、前記デバーリングモジュールを用いたデバーリング対象物のデバーリング作業時に発生する粉塵及び騒音が外部に伝えられることを防止する遮断カバーとを備えていることを特徴とするデバーリング装置。
【請求項2】
前記遮断カバーが前記デバーリングモジュールの前後領域をカバーすることができ、複数のカバー片が重なり合うことが可能に連結された構造、または、シワ膜構造を有していることを特徴とする請求項1に記載のデバーリング装置。
【請求項3】
前記遮断カバーを移動させるための移送手段が、前記ベース及び遮断カバーに備えられ、ラックアンドピニオンギアユニット、リニアガイドユニットおよびシリンダユニットのいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載のデバーリング装置。
【請求項4】
前記遮断カバーが透明または半透明材質によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のデバーリング装置。
【請求項5】
前記デバーリングモジュールが、
内部空間を具備し、前記デバーリング対象物が進入する入口および排出される出口が設けられ、かつ、第1防音壁として機能するモジュール壁体と、
前記モジュール壁体の内部空間に設けられ、かつ、第1駆動手段により回転可能な回転軸及び該回転軸の周方向に沿って互いに離隔するように設けられ、第2駆動手段により回転可能な複数のデバーリングホイールを含むデバーリングユニットと、
前記モジュール壁体とデバーリングユニットとの間に設けられる第2防音壁とを有していることを特徴とする請求項1に記載のデバーリング装置。
【請求項6】
前記第2防音壁が前記移送モジュールの左右方向に各々設けられ、かつ、デバーリングユニットの回転半径と対応する形状の円弧面を有していることを特徴とする請求項5に記載のデバーリング装置。
【請求項7】
前記モジュール壁体および第2防音壁が各々吸音可能な材質によって形成されていることを特徴とする請求項5に記載のデバーリング装置。
【請求項8】
前記デバーリングモジュールが、前記デバーリング対象物のデバーリング作業時に発生する異質物を吸入した後、外部に排出するようにモジュール壁体に設けられる複数の排出ダクトを更に有していることを特徴とする請求項5に記載のデバーリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−91150(P2013−91150A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−288483(P2011−288483)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【出願人】(512002482)コリア エアロスペイス インダストリーズ リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】KOREA AEROSPACE INDUSTRIES, LTD.
【Fターム(参考)】