説明

デュアルグラフィックディスプレイ

【課題】第1、第2グラフィック画像を個別又は一緒にユーザに選択的に表示する利便性の高い表示装置の提供。
【解決手段】偏光フィルタアセンブリ2と、アセンブリを背面照射する偏光照射源3と、第1、第2グラフィック画像を夫々生成する第1、第2偏光5、6を選択的に提供する光源を起動する手段4とを備え、偏光フィルタアセンブリ2は互いに結合した第1、第2表示要素13、14を備え、第1、第2表示要素は夫々第1、第2偏光パターンを有し、第1、第2パターンは夫々第1、第2偏光5、6で照射されると第1、第2グラフィック画像を生成し、第1、第2表示要素13、14の第1、第2基板層16、17上に夫々第1、第2偏光パターンを提供する透明な第1、第2偏光層18、19を備え、第1表示要素13は偏光フィルタアセンブリ2を形成するために第1、第2偏光層18、19間のインターフェース15に沿って第2表示要素14に結合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デュアルグラフィック表示装置と、かかる装置を組み立てる方法とに関し、特に、2つの表示グラフィックを伴う表示領域を有する車載用表示装置に関する。このデュアルグラフィックは重複してもよく、グラフィックを抑制してもよく、又は表示装置のユーザに対して別個或いは一緒に表示してもよいように選択可能である。
【背景技術】
【0002】
車載用ディスプレイは近年、大型化するとともに、機能がより複雑化する傾向にある。しかし、実用的な車載用ディスプレイのサイズ及び複雑性には限度がある。自動車内のダッシュボード空間も、ますます貴重になりつつある。
【0003】
タッチ画面式カラー液晶ディスプレイなどのディスプレイのサイズ、複雑性及びコストを増やすよりも、コントロールの作動に応じてユーザに異なる表示グラフィックを提示するいくつかの安価な制御ボタン又は接触感知式制御領域をダッシュボード上に設ける方が、多くの用途で好ましい場合がある。
【0004】
そのため、例えば、隣接する表示画面と組み合わせて使用されてもよい制御ボタン又は制御領域の柔軟性及び機能性の向上に対するニーズが存在する。ボタン又は制御領域が作動したときに、表示されたグラフィックに変化が起こり、ユーザによるコントロール選択を表す。
【0005】
ある既知の手法では、ボタンに表示されたグラフィックを切り替えるために、異なる有色光を提供する光源が、異なるグラフィックと関連付けられた各種カラーフィルタと共に使用される。しかしながら、これにより、利用可能な色が制限され、2つのグラフィックが同一又は同様の色を有することができない。
【0006】
各々のグラフィックは、狭帯域の波長だけを通過させるその独自のカラーフィルタを有する。これらのフィルタは、通過する波長が重複しないように選択される。これらのグラフィックは、互いの上に配置され、重複する場合、各々のグラフィックは有色にならずに、通過した光を適量だけ減光してグラフィックの非重複部分が発する光度に合わせる中性濃度を有する半透明である。
【0007】
各々のグラフィックはその後、カラーフィルタのうちの1つに対応する異なる波長を各々有する2つの光源を使用して背面照射される。例えば、赤色光が赤色のグラフィックを照射し、青色光が青色のグラフィックを照射する。赤色のフィルタは赤色光を通過させるが、青色のフィルタは青色光を通過させない。その結果、赤色光だけが照射されると、赤色のグラフィックだけが見え、青色光だけが照射されると、青色のグラフィックだけが見える。白色のグラフィックを実現するために、カラーフィルタの後ろに蛍光層が塗布される。この蛍光層はその後、青色光によって励起され、白色に近い画像を生成する。
【0008】
別の既知の手法は、例えばモノクロ又はカラーLCD画面といったアクティブな表示画面をボタンに組み込むというものだが、この方法は高価である。
【0009】
別の既知の手法は、投影方法をディスプレイインジケータとして使用するというものだが、この手法だと、機械的な複雑性及びコストが増し、信頼性に関して長期的な懸念をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
第1のグラフィックの画像及び第2のグラフィックの画像を、個別或いは一緒にユーザに選択的に表示するための利便性の高い表示装置を提供することが、本発明の目的である。また、かかる表示装置を組み立てる方法を提供することも、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、第1のグラフィックの画像及び第2のグラフィックの画像を個別或いは一緒にユーザに選択的に表示するための表示装置が提供され、この表示装置は、偏光フィルタアセンブリと、前記アセンブリを背面照射して前記画像を生成するための偏光照射源と、第1のグラフィック画像を生成するための第1の偏光及び第2のグラフィック画像を生成するための第2の偏光を選択的に提供するために前記光源を起動する手段とを備え、偏光フィルタアセンブリは、第1の表示要素と第2の表示要素とを備え、前記第1及び第2の表示要素は互いに結合されており、第1の表示要素は第1の偏光パターンを有し、第2の表示要素は第2の偏光パターンを有し、前記第1及び第2の偏光パターンは、前記第1及び第2の偏光でそれぞれ照射されると、前記第1及び第2のグラフィック画像を生成し、
− 第1の表示要素は第1の基板層を備え、前記第1の基板層には、第1の偏光パターンを提供する第1の偏光層を備え、
− 第2の表示要素は第2の基板層を備え、前記第2の基板層には、第2の偏光パターンを提供する第2の偏光層を備え、
− 前記第1及び第2の基板層の各々は、前記偏光された照射の両方の偏光に対して実質的に透明又は半透明であり、
− 第1の表示要素は、前記偏光フィルタアセンブリを形成するために、第1の偏光層と第2の偏光層との間にあるインターフェースに沿って第2の表示要素に結合されている。
【0012】
本発明の文脈において、「グラフィック」という用語は、描画図案だけを意味することに限定されず、英数字記号を含め、表示装置のユーザに向けて表示領域に表示されるあらゆるタイプのグラフィカルアイテムも含む。
【0013】
第1及び第2の偏光の背面照射は、第1及び第2のグラフィック画像を異なる時期に表示することが所望される場合に、異なる時期に提供されてもよい。どちらのグラフィックも表示しない場合には、背面照射のスイッチをオフにしてもよい。しかしながら、2つのグラフィックの表示が互いに両立できる場合には、第1及び第2の偏光の両方を同時に提供してもよい。
【0014】
そのため、第1及び第2の表示要素は、第1及び第2の偏光パターンが第1の基板層と第2の基板層との間に挟まれるように接合されている。
【0015】
本発明の好適な実施形態では、第1のグラフィック画像及び第2のグラフィック画像が重複しており、個別に、すなわち一度に1つずつ、或いは交互にディスプレイのユーザに表示される。
【0016】
2つの偏光は、例えば、互いに直角な直線偏光であるなど、互いに直交するか、又は代替的には左円偏光及び右円偏光であるのが最も好ましい。各々の偏光パターンは、次いで、2つの偏光の光を吸収又は伝播する異なる偏光を有する領域から成る。本発明の好適な実施形態では、これらの領域は、両方の偏光を実質的に均等に伝播する実質的に透明又は半透明の領域を含む。
【0017】
第1及び第2の表示グラフィックが異なる色を有する表示装置を提供するために、光源の第1の偏光及び第2の偏光は、異なる色を有してもよい。第1及び第2の表示グラフィックはそれで対応する異なる色を有する。
【0018】
本発明の好適な実施形態において、第1及び第2の基板層は実質的に無偏光性である。
【0019】
本発明の好適な実施形態では、第1の表示要素が、例えば、超音波溶接、熱溶接、又は接着剤により、第1の偏光層と第2の偏光層との間にあるインターフェースに沿って第2の表示要素に接合されている。
【0020】
好ましくは、偏光フィルタアセンブリは、第1の偏光層と第2の偏光層との間にあるインターフェースに沿って延在する、第2の表示要素に第1の表示要素を接合するための接着層を備える。接着層は、隣接する偏光層の屈折率に屈折率整合しているのが好ましい。
【0021】
接着層はまた、偏光照射に対して実質的透明又は半透明であってよく、このような理由から、接着層も無偏光性であるのが好ましい。
【0022】
2つの偏光パターンのうち少なくとも1つは、少なくとも1つの無偏光性領域と少なくとも1つの偏光性領域とから成っていてもよい。各パターンの偏光性領域は、2つの偏光のうちの一方を実質的に通し、その偏光のうちのもう一方を実質的に遮る。無偏光性領域は、両方の偏光を通す。
【0023】
本発明の好適な実施形態では、第1及び第2の両偏光パターンが、少なくとも1つの無偏光性領域及び少なくとも1つの偏光性領域から成ってもよく、第1及び第2の偏光パターンの無偏光性領域は互いに重複する。そのため、重複する無偏光領域は、両方の偏光を通す。
【0024】
また、本発明によれば、第1のグラフィックの画像及び第2のグラフィックの画像を個別に或いは一緒にユーザに選択的に表示するための表示装置を組み立てる方法が提供され、表示装置は、偏光フィルタアセンブリと、第1の偏光及び第2の偏光を提供するための偏光照射源と、を備え、偏光フィルタアセンブリは、第1の表示要素と第2の表示要素とを備え、方法は、
i)第1の偏光層における、第1のグラフィックを保持する第1の偏光パターンを、第1の表示要素を形成するための、第1の偏光層を支持する実質的に透明又は半透明である第1の基板層上にプリントすることによって第1の表示要素を形成するステップと、
ii)第2の偏光層における、第2のグラフィックを保持する第2の偏光パターンを、第2の表示要素を形成するための、第2の偏光層を支持する実質的に透明又は半透明である第2の基板層上にプリントすることによって第2の表示要素を形成するステップと、
iii)第1の偏光層と第2の偏光層との間にあるインターフェースに沿って第1の表示要素及び第2の表示要素を結合することによって偏光フィルタアセンブリを組み立てるステップと、
iv)使用時に、前記第1の偏光が第1の偏光パターンから第1のグラフィック画像を生成し、前記第2の偏光が第2の偏光パターンから第2のグラフィック画像を生成するように、偏光照射源を偏光フィルタアセンブリの一方の側に配置して前記アセンブリを背面照射するステップと、
を含む。
【0025】
ステップiiiは、第1の偏光層と第2の偏光層との間にあるインターフェースに沿って第1の表示要素を第2の表示要素に接合するステップを含んでもよい。
【0026】
ステップiiiは、第1の偏光層と第2の偏光層との間にあるインターフェースに沿って接着層を塗布し、接着層を硬化させて第1の表示要素を第2の表示要素に接合するステップを含んでもよい。
【0027】
ここで本発明は、例示のみの目的で、かつ添付の図面を参照しながら、さらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の好適な実施形態にかかる、第1のグラフィックの画像及び第2のグラフィックの画像を個別に、又は一緒にいずれかでユーザに選択的に表示するための表示装置の概略断面図である。
【図2】第1のグラフィックを表す。
【図3】第2のグラフィックを表す。
【図4】第1のグラフィックと第2のグラフィックとの重複を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、最大2つのグラフィックをユーザに選択的に表示するための表示装置1の概略断面図を示す。グラフィックは、テキスト、数字記号又は装置のユーザにとって認識可能な任意の他のタイプの視覚的表示物であってもよい。
【0030】
図2及び図3はそれぞれ、「NORMAL」という第1のグラフィックの画像20及び「A/C」という第2のグラフィックの画像30の例を示す。表示装置1は、これらを個別に、すなわち1度に1つずつ表示するように配置されている。表示装置はまた、任意のグラフィックの表示を抑制してもよく、その場合、表示装置は空白の画像をユーザに提示する。
【0031】
図3は、表示グラフィック画像20、30が空間40においてどのように重なるかを示す。使用時、これらは一緒に示されないことになるが、グラフィックが相互に両立できる場合には、表示装置1はこれらを一緒に表示することもできる。
【0032】
表示装置は、偏光フィルタアセンブリ2と、画像20、30を生成するためにアセンブリ2を背面照射するための偏光照射源3と、第1のグラフィック画像20を生成するための第1の偏光5と第2のグラフィック画像30を生成するための第2の偏光6とを選択的に提供するために光源を起動するための手段4と、を備える。本実施例では、第1及び第2の偏光5、6が、固定直交偏光9、10を有する第1の光素子7及び第2の光素子8によってそれぞれ提供されるが、代替的に、単一の光源と、偏光を切り替えるための電子光学装置(図示せず)を設けることも可能であることになる。本実施例では、第1の偏光が、点9によって表される図面の紙面に入る、又は紙面から出る方向の直線偏光であり、第2の偏光は、両方向矢印10によって表される図面の平面の方向の直線偏光である。しかしながら、代替的に左右の円偏光を使用することも可能であることになる。
【0033】
光源3を起動するための手段4は、制御信号11を提供し、この信号は、光源でスイッチ12によって受け取られ、その後、表示グラフィック20、30のうちの一方が表示されるときに第1又は第2の光素子7、8を起動する。
【0034】
偏光フィルタアセンブリ2は、一体的なアセンブリ又は構造であるのが好ましい。本実施例において、アセンブリ2は、第1の表示要素13と第2の表示要素14とを備え、これらの表示要素はインターフェース15に沿って互いに結合されており、本実施例における結合は、屈折率整合した接着剤によって提供される。
【0035】
第1及び第2の表示要素13、14は、それぞれ第1の基板層16と第2の基板層17とを有する。基板層は、例えばポリカーボネート又はポリスチレンなど、厚さ約1mmの丈夫で透明なプラスチック製材料である。第1及び第2の基板層上には、第1の偏光層18に第1の偏光パターンが、そして第2の偏光層19に第2の偏光パターンがそれぞれ印刷される。これらのパターンは、第1及び第2の表示グラフィック20、30の形状と同じで、本実施例では、矩形であり、幅約20mm、長さ約45mmである。以下に詳述するとおり、各々の偏光パターンは、偏光性及び無偏光性の部分又は領域を備える。本実施例において、第1の偏光層18は光源3に対して第2の偏光層19の背後にあるが、この配置は逆であって同様に良好であろう。
【0036】
これらの偏光層がそれぞれ第1及び第2の偏光5、6によって背面照射されると、ユーザは対応する第1及び第2のグラフィック20、30のうちの一方を視認することができる。
【0037】
偏光層18、19は、偏光性領域に囲まれている透明領域から成る。本実施例では、「NORMAL」及び「A/C」を形成している文字及び記号の境界内の領域が透明であり、その周囲の領域は偏光性を持っている。しかしながら、この配置は逆であっても同様に良好である場合があり、その場合には、グラフィックが、暗い背景に明るい領域ではなく、明るい背景に暗くなる。
【0038】
アセンブリ2を背面照射するために第1の光素子7からの偏光5が使用されると、外部及び内部インターフェースでの反射によるわずかな損失を除き、この光はまず、本質的に妨げられることなく第2の基板17を通過する。光はその後、第2の偏光層19の透明かつ偏光した部分に当たり、本質的に妨げられることなく透明部分を通過する。第2の偏光層19の偏光性部分は、この光が第2の偏光層19も通過するように、第1の偏光5と平行に整列される。実際には、層における偏光領域の存在による追加損失は、透明部分又は透明領域に比して約3%であることが判明している。これは十分に小さいため、車載用途では、偏光層19の透明部分に、対応する補償を必要としない。しかしながら、透明領域は、所望されるのであれば、第2の偏光層19の全領域を通過した第1の偏光5からのすべての光のバランスを正確にとるために、補償中性密度を提供される可能性がある。
【0039】
この通過した光はその後、隣接する第1及び第2の偏光層18、19と接着層の屈折率を整合することによって最小化される内部インターフェースでの反射によるわずかな損失を除き、本質的に妨げられることなく、インターフェース接着層15を通過する。
【0040】
第1の偏光5はその後、通過して第1の偏光層18に至る。光が第1の偏光層18の透明かつ偏光した部分に当たると、この光の一部が、第1のグラフィック20を形成する透明な領域又は部分を妨げられることなく通過する。第1の偏光層18の周囲の偏光部分は、この光が第1の偏光層18によって遮断されるように、第1の偏光5と直角に整列される。実際には、光の約97%を遮断することが可能であることが判明している。その後、第1のグラフィック20の画像は、表示装置1のユーザに視認可能となる。
【0041】
アセンブリ2を背面照射するために第2の光素子8からの偏光6が使用されると、外部及び内部インターフェースでの反射によるわずかな損失を除き、この光はまず、本質的に妨げられることなく第2の基板17を通過する。光はその後、第2の偏光層19の透明かつ偏光した部分に当たる。第2の偏光層19の偏光性部分は、この光が第2の偏光層19によって遮断されるように、第2の偏光6と直角に整列される。実際には、光の約97%を遮断することが可能であることが判明している。光は第2の偏光層19の透明部分にも当たり、本質的に妨げられることなくこれらの透明部分を通過する。
【0042】
この通過した光はその後、隣接する第1及び第2の偏光層18、19と接着層の屈折率を整合することによって最小化される内部インターフェースでの反射によるわずかな損失を除き、本質的に妨げられることなく、インターフェース接着層15を通過する。
【0043】
第2の偏光6はその後、通過して第1の偏光層18に至る。光が第1の偏光層18の透明かつ偏光した部分に当たると、この光の一部が、第1のグラフィック20を形成する透明な領域又は部分を妨げられることなく通過する。第1の偏光層18の周囲の偏光部分は、この光が第1の偏光層18によっても通過されるように、第2の偏光6と平行に整列される。実際には、層における偏光領域の存在による追加損失は、透明部分又は透明領域に比して約3%であることが判明している。これは十分に小さいため、車載用途では、偏光層18の透明部分に、対応する補償を必要としない。しかしながら、透明領域は、所望されるのであれば、第1の偏光層18の全領域を通過した第2の偏光6からのすべての光のバランスを正確にとるために、補償中性密度を提供される可能性がある。その後、第2のグラフィック30の画像は、表示装置1のユーザに視認可能となる。
【0044】
上記の表示装置1は、以下のようにして製造されてもよい。第1の表示要素13が、実質的に透明又は半透明である第1の基板層16上で第1の偏光層18に第1の偏光パターンをプリントすることによって形成される。その結果、第1の基板層16が第1の偏光層を支持し、第1の偏光パターンが第1のグラフィックを保持する。同様に、第2の表示要素14が、実質的に透明又は半透明である第2の基板層17上で第2の偏光層19に第2の偏光パターンをプリントすることによって形成される。その後、第2の基板層17が第1の偏光層を支持し、第1の偏光パターンが第1のグラフィックを保持する。
【0045】
その後、第1の偏光層18と第2の偏光層19との間にあるインターフェース15に沿って、例えば、その後硬化させて表示要素13、14を結合する接着層15を塗布することにより、第1の表示要素13と第2の表示要素14とを結合することによって偏光フィルタアセンブリ2が組み立てられる。
【0046】
偏光照射3の光源がその後、アセンブリを背面照射するために偏光フィルタアセンブリ2の一方の側に配置され、使用時に、第1の偏光5が第1の偏光パターンから第1のグラフィック画像20を生成し、前記第2の偏光6が第2の偏光パターンから第2のグラフィック画像30を生成する。
【0047】
最後に、画像グラフィックのオン/オフ制御が、そして所望される場合は減光制御が、スイッチ12又は制御手段4など、照明光源3を起動するための制御要素によって提供される。
【0048】
図示されてはいないが、表示装置1は、押しボタンに組み込まれてもよく、又は、可動式でない場合、例えば、非可動ボタン、例えば、自動車のダッシュボードの連続表面に組み込まれている場合には、制御装置4にリンクされた接触感知層22を含んでもよい。これは、偏光フィルタアセンブリ2の最も外側に設けられた透明な酸化インジウムスズ(ITO)層などの電気素子又は容量素子であってもよい。
【0049】
それは、偏光照射5、6が、例えば、カラーフィルタ24、25によって、異なる色で色が付けられている場合に好ましい。表示されたグラフィックはその後、2つの色のうちの一方を各々が提示する。フィルタの代わりに、例えば、個別に、或いは組み合わせて起動されてもよい赤色、緑色、及び青色のLEDを有するLED装置など、選択可能な複数色の光源を使用することも可能となることになる。かかる光は、発せられたときに優先偏光を有してもよく、優先偏光は、偏光を改善するのに必要である。その後、各光源の光出口に単一の偏光子(図示せず)が提供されてもよい。
【0050】
同様に、より均一な照射を提供するために、カラーフィルタ24、25の代わりに、或いはカラーフィルタ24、25に加えて、光源3とアセンブリ2との間に1つもしくは複数の拡散フィルタ(図示せず)が存在してもよい。
【0051】
多数の先行技術手法と比較して、本発明はいくつかの利点を提示する。まず、任意の1つの構成要素を正確に位置決めする上で、システムの光学的配列は重要でない。このため、ボタンと光源3との間に相対的な動きが存在してもよい表示装置の偏光アセンブリ2を、車両のダッシュボード内の回路基板に搭載されているなど所定の位置に固定されている押しボタンに組み込むのがより容易である。
【0052】
また、接着剤層15の厚みも重要でなく、そのため、装置をより容易に製造できるようにする。
【0053】
グラフィックによって提示された色は、2つの偏光光源によってのみ制限される。
【0054】
そのため、本発明は、光の色ではなく偏光を使用して、可変ボタングラフィックを作成する方法を提供する。各々のグラフィックは異なる偏光を有し、例えば第1のグラフィックが水平偏光、第2のグラフィックが垂直偏光を有する。上記実施例では、グラフィックの偏光が、互いに公称90度である。このため、この偏光が、ユーザが着用しているかもしれないサングラスの偏光と互換性を持つように、これらの偏光は、垂直に対して45度に配向されるのが好ましい。或いは、左右の円偏光が、2つの偏光及び2つの偏光層の両方で使用されてもよい。光源の偏光を、表示されるグラフィックの偏光と同じになるように変えることにより、各々のグラフィックを個別に表示し、それらを切り替えることが可能となる。光の偏光を変えることは、様々な偏光を各々有し、個別に切り替えられる2つの光源を有することによって好都合に成し遂げられる。また、液晶層を使用して偏光を変更できる単一の光源を有することによって達成されてもよい。
【0055】
本発明の主な利点は、グラフィックが任意の色とすることができ、すなわち例えば2つの白いグラフィックなど同色とすることができるということである。上記の発明は、提供された光の色ではなく、提供された光の偏光を使用して表示されるグラフィックを選択するので、グラフィック表示を背面照射する目的で使用される偏光の色に応じて、異なる表示されるグラフィックは、同じ色であっても異なる色であってもよい。そのため、本発明は、異なる波長の発光ダイオード(LED)から成る白色LEDなど、広帯域幅の光源の使用を許容する。
【0056】
そのため、本発明は、第1のグラフィックの画像及び第2のグラフィックの画像を、個別に、又は一緒にユーザに選択的に表示するためのより利便性の高い表示装置を提供し、かかる表示装置を組み立てる便利な方法も提供する。
【符号の説明】
【0057】
1 表示装置
2 偏光フィルタアセンブリ
3 偏光照射源
4 制御装置
5 第1の偏光
6 第2の偏光
7 第1の光素子
8 第2の光素子
9、10 固定直交偏光9、10
11 制御信号
12 スイッチ
13 第1の表示要素
14 第2の表示要素
15 インターフェース接着層
16 第1の基板層
17 第2の基板層
18 第1の偏光層
19 第2の偏光層
20 第1グラフィック
22 接触感知層
24 カラーフィルタ
25 カラーフィルタ
30 第2のグラフィック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のグラフィックの画像及び第2のグラフィックの画像を個別或いは一緒に選択的にユーザに表示するための表示装置であって、
偏光フィルタアセンブリと、
前記アセンブリを背面照射して前記画像を生成するための偏光照射源と、
前記第1のグラフィック画像を生成するための第1の偏光及び前記第2のグラフィック画像を生成するための第2の偏光を選択的に提供するために前記光源を起動する手段と、を備え、
前記偏光フィルタアセンブリが第1の表示要素と第2の表示要素とを備え、前記第1及び第2の表示要素が互いに結合されており、前記第1の表示要素が第1の偏光パターンを有し、前記第2の表示要素が第2の偏光パターンを有し、前記第1及び第2の偏光パターンが、前記第1及び第2の偏光でそれぞれ照射されると前記第1及び第2のグラフィック画像を生成し、
− 前記第1の表示要素が第1の基板層を備え、前記第1の基板層には、前記第1の偏光パターンを提供する第1の偏光層を備え、
− 前記第2の表示要素が第2の基板層を備え、前記第2の基板層には、前記第2の偏光パターンを提供する第2の偏光層を備え、
− 前記第1及び第2の基板層の各々が、前記偏光された照射の両方の偏光に対して実質的に透明又は半透明であり、
− 前記第1の表示要素が、前記偏光フィルタアセンブリを形成するために、前記第1の偏光層と前記第2の偏光層との間にあるインターフェースに沿って前記第2の表示要素に結合されている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第1の表示要素は、前記インターフェースに沿って前記第2の表示要素に接合されている、請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記偏光フィルタアセンブリは、前記第1の表示要素を前記第2の表示要素に接合するために前記インターフェースに沿って延在する接着層を備える、請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記偏光層の両方の屈折率に前記接着層が屈折率整合した、請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
前記接着層が、前記偏光された照射に対して実質的に透明又は半透明である、請求項3又は4記載の表示装置。
【請求項6】
前記光源の前記第1の偏光と前記第2の偏光とが異なる色を有し、その結果前記第1及び第2の表示グラフィックが対応する異なる色を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記偏光パターンのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの無偏光性領域及び少なくとも1つの偏光性領域から成る、請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1及び第2の偏光パターンの両方は、少なくとも1つの無偏光性領域と少なくとも1つの偏光性領域とから成り、前記第1及び第2の偏光パターンの前記無偏光性領域は、互いに重複している、請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示装置は、作動したときに前記表示されたグラフィックの変化をもたらす制御ボタンの一部である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記表示装置は、作動したときに表示されたグラフィックの変化をもたらす接触感知式制御領域の一部である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
第1のグラフィックの画像及び第2のグラフィックを個別に、又は一緒にのいずれかでユーザに選択的に表示するための表示装置を組み立てる方法であって、前記表示装置が、偏光フィルタアセンブリと、第1の偏光及び第2の偏光を提供するための偏光照射源と、を備え、前記偏光フィルタアセンブリが、第1の表示要素と第2の表示要素とを備え、
i)第1の表示要素を形成するために、第1の偏光パターンを、実質的に透明又は半透明である第1の基板層上の第1の偏光層にプリントすることによって前記第1の表示要素を形成するステップであって、前記第1の基板層は前記第1の偏光層を支持し、前記第1の偏光パターンは前記第1のグラフィックを保持する、前記第1の表示要素を形成するステップと、
ii)第2の表示要素を形成するために、第2の偏光パターンを、実質的に透明又は半透明である第2の基板層上の第2の偏光層にプリントすることによって前記第2の表示要素を形成するステップであって、前記第2の基板層は前記第2の偏光層を支持し、前記第2の偏光パターンは前記第2のグラフィックを保持する、前記第2の表示要素を形成するステップと、
iii)前記第1の偏光層と前記第2の偏光層との間にあるインターフェースに沿って前記第1の表示要素と前記第2の表示要素とを結合することによって前記偏光フィルタアセンブリを組み立てるステップと、
iv)使用時に、前記第1の偏光が前記第1の偏光パターンから前記第1のグラフィック画像を生成し、前記第2の偏光が前記第2の偏光パターンから前記第2のグラフィック画像を生成するように、偏光照射源を前記偏光フィルタアセンブリの一方の側に配置して前記アセンブリを背面照射するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記ステップiiiは、前記インターフェースに沿って前記第1の表示要素を前記第2の表示要素に接合するステップを含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記ステップiiiは、前記インターフェースに沿って接着層を塗布し、前記接着層を硬化させて前記第1の表示要素を前記第2の表示要素に接合するステップを含む、請求項12記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−109348(P2013−109348A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−252361(P2012−252361)
【出願日】平成24年11月16日(2012.11.16)
【出願人】(505450755)ビステオン グローバル テクノロジーズ インコーポレイテッド (140)
【Fターム(参考)】