説明

デュプレクサの低域側フィルタ、デュプレクサの高域側フィルタ及びデュプレクサ

【課題】低域側フィルタ11と高域側フィルタ12とを備えたデュプレクサにおいて、高域側フィルタ12の通過周波数帯域におけるアイソレーション特性を改善すること。
【解決手段】圧電基板10上に形成され、低域側フィルタ11及び高域側フィルタ12の一方のフィルタと他方のフィルタとから入出力ポート14に対して夫々信号の送信と受信とを行うデュプレクサの低域側フィルタ11において、夫々弾性波共振子5からなる直列腕及び並列腕により低域側11フィルタを構成して、入出力ポート14及び低域側フィルタポート15の少なくとも一方に近接する位置まで伸びると共に接地されたシールド電極50を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯端末などに用いられるデュプレクサに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の双方向無線通信機能を持つ装置やこの種の装置を通信端末とする無線通信システムでは、当該通信端末が持つ1本の共通のアンテナにより信号を送受信するために、送信側フィルタと受信側フィルタとを備えたデュプレクサ(弾性波共用器)において、図20に示すように、送信信号の周波数と受信信号の周波数とに差を持たせると共に、送信側フィルタと受信側フィルタとの間を流れる信号レベルを抑えてアイソレーション特性が良好となるようにして、送信信号と受信信号とを分離している。
【0003】
このデュプレクサは、具体的には例えば図21(a)に示すように、送信入力ポート15から図示しないアンテナポートに対して送信信号を送信するための低域(送信)側フィルタ11と、アンテナポートを介して受信出力ポート16に受信信号を受信する高域(受信)側フィルタ12と、を備えている。各々のフィルタ11、12は、直列腕のSAW(Surface Acoustic Wave)共振子200及び並列腕のSAW共振子201により各々ラダー型フィルタを構成しており、例えば互いに異なる圧電基板10a、10b上に形成されている。この図21中17、18は接地用電極である。尚、このデュプレクサには、受信信号が送信側フィルタ11に回り込まないように、図示しない移相器が設けられている。
【0004】
このデュプレクサにおいて信号の送受信を行うと、図21(b)に示すように、各々のフィルタ11、12では例えば圧電基板10の上方領域あるいは内部領域を介して複数のSAW共振子200、201を跨ぐように、容量結合C1〜C3、C4〜C9が夫々形成されることになる。そのため、例えば送信側フィルタ11に形成される容量結合C1〜C3によって、後述の図4にも示すように、受信側フィルタ12の通過周波数帯域におけるアイソレーション特性が劣化してしまう。
【0005】
また、例えば図22(a)に示すように、デュプレクサを小型化するためにフィルタ11、12を1枚の圧電基板10上に形成した場合には、フィルタ11、12が近接配置されることになる。そのため、図22(b)に示すように、既述の容量結合C1〜C9に加えて、フィルタ11、12間において生じる容量結合C10〜C21の影響が大きくなるので、更に受信側フィルタ12の通過周波数帯域におけるアイソレーション特性が劣化してしまう。尚、この図22(b)では、並列腕(SAW共振子)201の描画を省略している。
【0006】
更にまた、従来のデュプレクサでは次のような問題もあった。つまり、受信側フィルタ12の通過帯域の2倍の周波数信号(2倍周波数信号)が、当該受信側フィルタ12の後段側のデバイスにおける高調波の信号レベルの増大の要因となることから、前記2倍周波数における減衰量を大きくする要請がある。このため、図23に示すように、受信側フィルタ12の通過帯域よりも高域側例えば1500MHz付近に生じる減衰極3の位置を調整する機能が要求されている。例えばこの減衰極3の位置を低域側に移動させる方法としては、例えば接地用電極17、18に接続されたパッケージ側の引き回し電極やボンディングワイヤ、あるいは装置の外部においてこれらの接地用電極17、18に接続される電極の長さなどを調整することにより、これらの電極のインダクタ成分を増加させる方法が知られている。しかし、この方法では例えばデュプレクサの後段側に接続されるデバイスに応じてパッケージを作製する必要があるので、パッケージの作製に時間やコストがかかってしまうし、またバンプにより接地用電極17、18を接地する場合にはこのバンプのインダクタ成分を増加させるのは困難である。また、減衰極3の位置を低域側に移動させる方法としては、並列腕201の容量を増加させたり、直列腕200の容量を減少させたりする方法も知られているが、これらの方法ではフィルタ11、12の通過周波数帯域における挿入損失が大きくなってしまう。
【0007】
特許文献1には、表面波フィルタにおいて減衰特性を改善するにあたり、橋絡容量Cを適宜設定する技術が記載されているが、上記の課題については記載されていない。また、特許文献2には、デュプレクサにおいてアイソレーション特性を改善する構成が記載されているが、減衰極3については検討されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2005/101657号(段落0010、0012及び図10)
【特許文献2】国際公開第2006/016544号(図14)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、デュプレクサの低域側フィルタあるいは高域側フィルタにおいて、高域側フィルタの通過周波数帯域におけるアイソレーション特性を改善することのできるデュプレクサの低域側フィルタ、デュプレクサの高域側フィルタ及びデュプレクサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の低域側フィルタは、
圧電基板上に形成され、低域側フィルタ及び高域側フィルタの一方のフィルタと他方のフィルタとから入出力ポートに対して夫々信号の送信と受信とを行うデュプレクサの低域側フィルタにおいて、
入出力ポートと、この入出力ポートに対して信号の送信及び受信のいずれか一方を行う低域側フィルタポートと、の間に設けられた弾性波共振子と、
前記入出力ポート及び前記低域側フィルタポートの少なくとも一方のポートとの間において容量結合が形成されるように、当該一方のポートに近接配置されると共に接地された第1のシールド電極と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
上記の低域側フィルタの具体的な態様としては、以下のような構成であっても良い。前記第1のシールド電極は、前記低域側フィルタと高域側フィルタとの間の領域に配置されている構成。前記第1のシールド電極は、前記低域側フィルタに設けられた第1の接地用電極に接続されている構成。前記第1のシールド電極には、弾性波共振子が介設されている構成。前記低域側フィルタは、直列腕をなす弾性波共振子と並列腕をなす弾性波共振子とを含む送信側フィルタである構成。
【0012】
本発明の高域側フィルタは、
圧電基板上に形成され、低域側フィルタ及び高域側フィルタの一方のフィルタと他方のフィルタとから入出力ポートに対して夫々信号の送信と受信とを行うデュプレクサの高域側フィルタにおいて、
入出力ポートと、この入出力ポートに対して信号の送信及び受信のいずれか一方を行う高域側フィルタポートと、の間に設けられた弾性波共振子と、
前記入出力ポート及び前記低域側フィルタの低域側フィルタポートの少なくとも一方のポートとの間において容量結合が形成されるように、前記低域側フィルタに対向する領域に形成され、当該一方のポートに近接配置されると共に接地された第2のシールド電極と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
上記の高域側フィルタの具体的な態様としては、以下の構成としても良い。前記第2のシールド電極は、前記高域側フィルタに設けられた第2の接地用電極に接続されている構成。前記第2のシールド電極には、弾性波共振子が介設されている構成。前記高域側フィルタは、直列腕をなす弾性波共振子と並列腕をなす弾性波共振子とを備えたフィルタと、縦結合共振器型フィルタと、の一方を含む受信側フィルタである構成。
【0014】
本発明のデュプレクサは、
圧電基板上に各々形成された低域側フィルタと高域側フィルタとを備え、低域側フィルタ及び高域側フィルタの一方のフィルタと他方のフィルタとから入出力ポートに対して夫々信号の送信と受信とを行うデュプレクサにおいて、
上記低域側フィルタと、上記高域側フィルタと、の少なくとも一方を備えたことを特徴とする。前記低域側フィルタと高域側フィルタとは、同じ圧電基板上に形成されていても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、低域側フィルタと高域側フィルタの一方のフィルタと他方のフィルタとから入出力ポートに対して夫々信号の送信と受信とを行うデュプレクサの低域側フィルタあるいは高域側フィルタにおいて、前記入出力ポート及び低域側フィルタの低域側フィルタポートの少なくとも一方のポートとの間において容量結合が形成されるように、当該一方のポートに近接配置されると共に接地されたシールド電極を配置している。そのため、例えば入出力ポートと送信入力ポートとの間などにおいて生じる容量結合を小さく抑えることができるので、高域側フィルタの通過周波数帯域において良好なアイソレーション特性を得ることができる。また、シールド電極と、このシールド電極が近接配置された入出力ポート及び低域側フィルタポートの少なくとも一方と、の間では容量結合が生じることから、後述のシミュレーションの結果からも分かるように、低域側フィルタ及び高域側フィルタの通過周波数帯域よりも高域側に生じる減衰極の位置を低域側に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係るデュプレクサの構成例を示した平面図である。
【図2】上記のデュプレクサにおける作用を模式的に示した模式図である。
【図3】上記のデュプレクサにより構成される電気回路の一例を示した模式図である。
【図4】上記のデュプレクサにおいて得られるアイソレーション特性を示す特性図である。
【図5】上記のデュプレクサにおいて得られる周波数特性を示した特性図である。
【図6】上記のデュプレクサの他の例を概略的に示した概略図である。
【図7】上記のデュプレクサの他の例を概略的に示した平面図である。
【図8】上記のデュプレクサの他の例を概略的に示した平面図である。
【図9】上記のデュプレクサの他の例を概略的に示した平面図である。
【図10】上記のデュプレクサの他の例を概略的に示した平面図である。
【図11】上記のデュプレクサの他の例を概略的に示した平面図である。
【図12】上記のデュプレクサの他の例を概略的に示した概略図である。
【図13】上記のデュプレクサの他の例を概略的に示した概略図である。
【図14】本発明の実施例で得られた結果を示す特性図である。
【図15】本発明の実施例で得られた結果を示す特性図である。
【図16】本発明の実施例で得られた結果を示す特性図である。
【図17】本発明の実施例で得られた結果を示す特性図である。
【図18】本発明の実施例で得られた結果を示す特性図である。
【図19】本発明の実施例で得られた結果を示す特性図である。
【図20】デュプレクサの周波数特性を模式的に示した特性図である。
【図21】従来のデュプレクサを示した概略図である。
【図22】従来のデュプレクサを示した概略図である。
【図23】従来のデュプレクサにて得られる特性を概略的に示した概略図である。
【図24】本発明のデュプレクサの他の例を示した概略図である。
【図25】本発明のデュプレクサの他の例を示した概略図である。
【図26】本発明のデュプレクサの他の例を示した概略図である。
【図27】本発明のデュプレクサの他の例を示した概略図である。
【図28】本発明のデュプレクサの他の例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態であるデュプレクサ(弾性波共用器)について、図1を参照して説明する。このデュプレクサは、例えばタンタル酸リチウム(LiTaO3)やニオブ酸リチウム(LiNbO3)あるいは水晶などの圧電体からなる圧電基板10上に形成されており、信号の送受信を行う共通の入出力ポート14と、入出力ポート14に対して信号を送信する送信回路である送信(低域)側フィルタ11と、この入出力ポート14を介して信号を受信する受信回路である受信(高域)側フィルタ12と、を備えている。そして、信号路30を介して入出力ポート14とフィルタ11、12とが夫々接続されている。これらのフィルタ11、12は、弾性波の伝搬方向(図1中左右方向)において夫々左側及び右側に配置されている。尚、判別しやすいように、フィルタ11、12などにはハッチングを付してある。
【0018】
このデュプレクサは、例えば圧電基板10の全面に例えばアルミニウムからなる金属膜を形成し、次いでフォトリソグラフィーによりフィルタ11、12や後述のシールド電極50の周囲の領域の金属膜を例えばエッチングすることにより形成されている。従って、フィルタ11、12やシールド電極50は、同じ膜厚例えば0.1〜1μm程度となっている。
【0019】
次に、本発明の送信側フィルタ11について説明する。この送信側フィルタ11は、例えば中心周波数が836.5MHzの送信信号をフィルタ処理して、装置内の図示しない送信処理部から入出力ポート14に送信するためのフィルタであり、SAW(Surface Acoustic Wave)共振子(弾性波共振子)5をラダー型に接続したフィルタにより構成されている。
この図1では、SAW共振子5を模式的に示しているが、このSAW共振子5は、交差指状電極であるIDT(インターディジタルトランスデューサ)電極と、弾性波の伝搬方向に沿ってIDT電極の両側に配置された2つの反射器(いずれも図示せず)と、から構成されている。
【0020】
この送信側フィルタ11におけるSAW共振子5の具体的な配置レイアウトについて、以下に詳述する。送信側フィルタ11では、各々がSAW共振子5からなる複数例えば3つの直列腕31a〜31cが奥側の入出力ポート14側から手前側に向かってこの順番で配置されており、これらの直列腕31a〜31cは、受信側フィルタ12に近接する位置において、直列信号路33を介して直列に接続されている。そして、直列信号路33は、直列腕31cの手前側に伸び出して、図示しない送信処理部から信号が入力される送信入力ポート(低域側フィルタポート)15をなしている。
【0021】
ここで、これらの直列腕31a〜31cを接続する直列信号路33について、奥側から手前側に向かって、直列腕31aの入出力ポート14側、直列腕31aと直列腕31bとの間、直列腕31bと直列腕31cとの間及び直列腕31cの送信入力ポート15側を夫々直列信号路33a〜33dと呼ぶこととすると、直列信号路33b及び直列信号路33cには、圧電基板10の端部領域へと伸びる並列信号路34a、34bの一端側が夫々接続されている。そして、これらの並列信号路34a、34bの他端側には、夫々SAW共振子5からなる並列腕32a、32bが介設されており、当該他端側は互いに相対向するようにL字型に屈曲して接続されている。この並列信号路34a、34bの接続部位は第1の接地用電極17をなし、例えばボンディングワイヤやバンプなどにより圧電基板10が搭載されるモジュール基板に形成された接地ポート(いずれも図示せず)に接続されて接地されている。
【0022】
この第1の接地用電極17には、当該第1の接地用電極17から圧電基板10の長手方向(弾性波の伝搬方向)における端部領域へと側方側に伸びると共に、送信側フィルタ11の側方位置及び奥側を回り込んで既述の入出力ポート14に側方側から近接するように概略L字型に形成された第1のシールド電極50が接続されている。この第1のシールド電極50と入出力ポート14との間の離間寸法Lは、狭すぎると帯域内における挿入損失が大きくなり、広すぎるとアイソレーション特性の改善効果が小さくなることから、例えば10〜100μm好ましくは50μmに設定されている。また、入出力ポート14に近接する第1のシールド電極50の幅寸法Wは、例えば100μmに設定されている。
【0023】
次に、受信側フィルタ12について説明する。この受信側フィルタ12は、周波数が例えば881.5MHzの受信信号をフィルタ処理(周波数選択)して装置内の図示しない受信処理部に出力するフィルタであり、この例では、送信側フィルタ11と同様に直列信号路43及び並列信号路44によりSAW共振子5を直列及び並列に接続したラダー型のフィルタにより構成されている。この実施の形態では、受信側フィルタ12は、複数例えば4つの直列腕41及び4つの並列腕42が直列信号路43及び並列信号路44を介して接続されたT型8段のフィルタとして構成されている。
【0024】
この受信側フィルタ12においても送信側フィルタ11と同様に、直列腕41及び並列腕42について、奥側から手前側に向かって夫々直列腕41a〜41d、並列腕42a〜42dと呼ぶこととし、また直列信号路43及び並列信号路44についても奥側から手前側に向かって夫々直列信号路43a〜43e、並列信号路44a〜44dとする。並列信号路44b、44cは、一端側が夫々直列信号路43c、43dに接続されており、他端側が夫々並列腕42b、42cを介してL字型に屈曲して互いに接続されて、当該接続部位が接地用電極18aをなしている。また、並列信号路44a、44dは、一端側が夫々直列信号路43b、43eに接続されており、他端側が夫々並列腕42a、42dを介して伸び出して夫々接地用電極18b、18cをなしている。これらの接地用電極18a〜18cは、いずれか1つが第2の接地用電極を構成すると共に、ボンディングワイヤやバンプなどを介してモジュール基板に形成された接地ポート(いずれも図示せず)に各々接続されている。そして、直列信号路43eは、入出力ポート14にて受信される信号を受信側フィルタ12を介して図示しない受信処理部に出力する受信出力ポート16をなしている。尚、受信側フィルタ12と入出力ポート14との間には、送信側フィルタ11から入出力ポート14に向けて送信される信号が受信側フィルタ12へ回り込まないように、図示しない移相器が介設されている。また、この受信側フィルタ12としては、例えばアンバランス(不平衡)信号をバランス(平衡)信号に変換する縦結合共振器型フィルタを用いても良い。
【0025】
次に、上述の実施の形態の作用について説明する。送信用の信号は、送信入力ポート15から送信側フィルタ11を介して入出力ポート14に送られて、図示しないアンテナから送波される。一方、当該アンテナで受信した信号は、入出力ポート14及び図示しない移相器を経て、受信側フィルタ12を介して受信出力ポート16に出力され、図示しない信号処理部に送られる。
【0026】
この時、例えば送信側フィルタ11の直列信号路33a〜33dにおいては、既述の図21(b)に示したように、第1のシールド電極50を配置していない場合には、直列信号路33a、33d間、直列信号路33a、33c間及び直列信号路33b、33d間において、複数の直列腕31a〜31dを跨るように、例えば圧電基板10の上方領域あるいは内部領域を介して、容量結合C1〜C3が夫々形成されることになる。しかし、既述のように、第1のシールド電極50の端部位置を入出力ポート14の側方に近接するように配置しているので、図2(a)、(b)に示すように、例えば入出力ポート14(直列信号路33a)と直列信号路33d(送信入力ポート15)との間に形成される容量結合C1は、部分的にこの第1のシールド電極50により吸収されるので、いわば部分的に第1のシールド電極50によりアースされるので、容量結合C1が小さく抑えられることになる。従って、受信側フィルタ12の通過周波数帯域におけるアイソレーション特性が既述の図21や図22に示す従来例よりも改善されることになる。このデュプレクサにおいて実際に得られたアイソレーション特性を図4に示すと、高域側のアイソレーション特性が従来のデュプレクサよりも1〜2dB程度改善されていることが分かる。従って、特許請求の範囲の第1のシールド電極50と入出力ポート14とを「近接配置」させるとは、このように高域側のアイソレーション特性が改善される程度に配置することであり、つまり離間寸法Lを既述のように設定することである。尚、図2では容量結合C1だけを描画しているが、実際には容量結合C2、C3についても同様に小さく抑えられることになる。
【0027】
また、第1のシールド電極50の端部位置を入出力ポート14に近接させていることから、これらの第1のシールド電極50と入出力ポート14との間には、図3に示すように容量結合Cg1が形成されることになる。そのため、この容量結合Cg1の大きさに応じて、既述の図23に示した減衰極3が低域側に移動(シフト)することになる。この減衰極3について、実際に得られた特性を図5に示すと、本発明では、従来のデュプレクサよりも1447MHzから1338MHzに100MHz程度移動していることが分かる。また、減衰極3を高域側に移動させる方法としては例えば直列共振子の容量を上げる方法、並列共振子の容量を下げる方法、並列共振子に接続されるパッケージやワイヤのインダクタンス成分を少なくする方法などの従来から知られている手法を用いることができるので、この手法と上記の容量結合Cg1の大きさ即ち第1のシールド電極50と入出力ポート14との間の離間寸法Lを調整する方法とを組み合わせることによって、減衰極3の位置を例えば−500MHz〜+500MHz程度の範囲に亘って任意の位置に移動させることができることになる。そのため、このデュプレクサの後段側に接続されるデバイスにおける高調波の信号レベルを小さくすることができる。
【0028】
上述の実施の形態によれば、直列信号路33及び並列信号路34により複数のSAW共振子5を直列及び並列に接続して送信側フィルタ11を構成すると共に、入出力ポート14との間に容量結合Cg1が形成されるように、並列信号路34の端部に形成された第1の接地用電極17から入出力ポート14に近接する位置まで伸びるように第1のシールド電極50を配置している。そのため、例えば入出力ポート14と送信入力ポート15との間などの直列信号路33間において生じる容量結合C1〜C3を小さく抑えることができるので、この送信側フィルタ11を備えたデュプレクサでは、受信側フィルタ12の通過周波数帯域において良好なアイソレーション特性を得ることができる。
【0029】
また、第1のシールド電極50と、この第1のシールド電極50が近接配置された入出力ポート14と、の間では容量結合Cg1が生じることから、上記の図5の実験結果や後述のシミュレーションの結果からも分かるように、送信側フィルタ11及び受信側フィルタ12の通過周波数帯域よりも高域側に生じる減衰極3の位置を低域側に移動させることができる。そのため、減衰極3の位置を高域側に移動させるための従来から知られている手法とこの容量結合Cg1の大きさの調整とを組み合わせることにより、減衰極3の位置を任意に移動させることができるので、例えばデュプレクサの後段側のデバイスにおける高調波の信号レベルを小さく抑えることができる。従って、デュプレクサの後段に接続されるデバイスの種類毎にパッケージを作製する必要がなくなり、デュプレクサ(送信側フィルタ11)の変更だけで当該後段のデバイスの様々な品種に対応できるので、パッケージの作製に要する時間やコストを抑えることができる。
この時、後述のシミュレーションの結果からも分かるように、第1のシールド電極50を用いることにより、通過周波数帯域における挿入損失を小さく抑えながらも、上記のようにアイソレーション特性の改善や減衰極3の移動を行うことができる。
【0030】
上記の例では、第1のシールド電極50を第1の接地用電極17から入出力ポート14に近接するように配置したが、例えば図6(a)に示すように、第1の接地用電極17から送信入力ポート15に近接するように配置しても良い。第1のシールド電極50と送信入力ポート15との間の離間寸法をL1とすると、この離間寸法L1は例えば10〜100μm好ましくは50μmに設定される。この場合にも同様に容量結合C1〜C3が小さく抑えられることになり、また同図(b)に示すように第1のシールド電極50と送信入力ポート15との間に容量結合Cg2が形成されるので、当該容量結合Cg2により、同様に減衰極3が低域側に移動する。
【0031】
また、図7に示すように、第1のシールド電極50を入出力ポート14と送信入力ポート15との両方に近接するように配置しても良い。この時においても、既述の離間寸法L、L1は既述の例と同様の寸法に調整される。この場合には、容量結合C1〜C3がより一層小さく抑えられるので、更にアイソレーション特性が改善される。そして、減衰極3についても、Cg1、Cg2により一層低域側に移動する。
【0032】
上記の各例においては、並列腕32a、32b間の並列信号路34a、34bを互いに接続させて共通の第1の接地用電極17を配置したが、この第1の接地用電極17を並列腕32a、32b毎に個別に設けても良い。その場合には、図8に示すように2つの第1の接地用電極17、17から入出力ポート14及び送信入力ポート15に夫々伸びるように2つの第1のシールド電極50、50を配置しても良いし、いずれか一方の第1の接地用電極17から入出力ポート14及び送信入力ポート15の少なくとも一方に伸びるように第1のシールド電極50を配置しても良い。
【0033】
また、送信側フィルタ11の直列信号路33を受信側フィルタ12に近接するように配置したが、図9に示すように並列腕32を受信側フィルタ12に近接させて配置しても良い。この場合には、第1のシールド電極50はフィルタ11、12間の領域に配置されることになる。また、この図9では、第1のシールド電極50は、入出力ポート14及び送信入力ポート15の両方に近接するように配置されており、既述の離間寸法L、L1は、例えば夫々10〜100μm、10〜100μmに設定されている。そのため、この例では、容量結合C1〜C3に加えて、既述の図22(b)に示す容量結合C10〜C21についても小さく抑えることができ、従って更にアイソレーション特性を改善することができる。また、前述と同様にCg1、Cg2により、減衰極3を下げることができる。この例においても、第1のシールド電極50を入出力ポート14と送信入力ポート15との一方に近接配置しても良い。
【0034】
また、上記の例では、第1のシールド電極50を第1の接地用電極17に接続したが、例えば圧電基板10が配置されるモジュール基板に設けられた接地ポート(いずれも図示せず)に例えばボンディングワイヤなどを介して直接接続しても良い。その場合には、第1のシールド電極50を第1の接地用電極17から離間させると共に、入出力ポート14及び送信入力ポート15の少なくとも一方に近接するように、圧電基板10の手前側または奥側に配置しても良い。
【0035】
更に、図10に示すように、送信側フィルタ11と受信側フィルタ12との間の領域に、受信側フィルタ12の接地用電極18cから入出力ポート14及び送信入力ポート15の少なくとも一方に伸びるように第2のシールド電極51を配置しても良い。この例では、第2のシールド電極51は入出力ポート14及び送信入力ポート15の両方に近接配置されており、既述の離間寸法L、L1は、例えば夫々10〜100μm、10〜100μmに設定されている。この場合においても、上記の容量結合C1〜C21を小さく抑えることができるので、高域側のアイソレーション特性が改善されると共に減衰極3が低域側に移動する。この場合には、第2のシールド電極51を接地用電極18a〜18cの少なくとも一つに接続しても良いし、または第1のシールド電極50と同様にモジュール基板に設けられた接地ポートに直接接続しても良い。また、第2のシールド電極51と接地用電極18a〜18cとを接続しない場合には、この第2のシールド電極51を入出力ポート14及び送信入力ポート15の少なくとも一方に近接配置しても良い。
【0036】
また、図11に示すように、上記の図1、図6〜9のいずれかの送信側フィルタ11と、図10の受信側フィルタ12と、を組み合わせてデュプレクサを構成しても良い。その場合には、アイソレーション特性を更に改善することができ、また減衰極3についても前述と同様に下げることができる。
【0037】
更にまた、既述の第1のシールド電極50及び第2のシールド電極51の少なくとも一方において、図12(a)に示すように、例えば入出力ポート14及び送信入力ポート15の少なくとも一方に近接する位置にSAW共振子5を介設させても良い。この場合には、同図(b)に示すように、フィルタ11、12の通過周波数帯域よりも高域側に新たな減衰極4が形成されることになる。この例では、第1のシールド電極50と送信入力ポート15との間にSAW共振子5を介設しており、このSAW共振子5によって1.8GHz付近に減衰極4が形成されている。この減衰極4により、フィルタ11、12の通過周波数帯域の整数倍の高調波の信号レベルを減衰させることができる。
【0038】
また、入出力ポート14及び送信入力ポート15の少なくとも一方にシールド電極50、51を近接配置するにあたり、例えば図13に示すように相対向する入出力ポート14(送信入力ポート15)及びシールド電極50(51)の端部を互い違いに櫛歯状となるように形成して、インターデジタルキャパシタで容量結合Cg1を形成しても良い。更に、第2のシールド電極51を配置するにあたり、この第2のシールド電極51を例えば圧電基板10の手前側の領域を介して左側の送信側フィルタ11に向かって伸び出させることによって、送信入力ポート15に近接配置しても良い。この場合において、第2のシールド電極51を更に送信側フィルタ11の手前側及び左側の領域を介して入出力ポート14に近接する位置まで引き回しても良い。
【0039】
また、上記の例ではフィルタ11、12を同じ圧電基板10上に配置したが、既述の図21に示すように、夫々別の圧電基板10a、10b上に配置しても良い。更に、送信(低域)側フィルタ11及び受信(高域)側フィルタ12において、夫々信号の送信及び受信を行ったが、夫々信号の受信を行う受信側フィルタ、信号の送信を行う送信側フィルタとしても良い。
【実施例】
【0040】
次に、上記のシールド電極50によって得られる周波数特性を確認するために行ったシミュレーションについて説明する。
先ず、従来のデュプレクサの電気回路を図14(a)に示す基本回路としてシミュレーションを行った。この時、デュプレクサにおいて生じる容量結合C1〜C21については、高域側のアイソレーション特性の劣化に大きく関与していると考えられる容量結合C1だけをシミュレーションに用いた。そして、本発明の電気回路については、図14(b)に示すように、この基本回路に容量結合Cg1を加えてシミュレーションを行った。尚、この同図中100は既述の図示しない接地ポートと接地用電極17、18とを接続する電気配線から構成されるインダクタンス成分である。
【0041】
この基本回路について得られた特性を図15に示す。この図15において(a)はアイソレーション特性図、(b)は減衰極3を確認するために広範囲(0.1〜4GHz)に亘って周波数特性を示した特性図、(c)は(b)の通過周波数帯域を拡大した図、(d)は(c)の通過周波数帯域において減衰量が0dB付近の領域を拡大して示した図である。以下の図16〜図19についても同様である。また、本発明について得られたシミュレーション結果を図16に示す。この図16において、図15に示した基本回路の結果をグレーの線(細線)で示す。この図16から、本発明では高域側のアイソレーション特性が3.5dB程度改善され、減衰極3が200MHz程度低域側に移動していることが分かる。この時、図16(d)に示すように、通過周波数帯域では挿入損失が増えて特性が劣化しているが、その劣化の程度は小さく抑えられていることが分かった。
【0042】
次に、比較例1〜3として、シールド電極50を用いずに(容量結合Cg1を形成せずに)、従来の手法により本発明で得られた特性が得られるか確認を行ったシミュレーションについて説明する。先ず、比較例1として、減衰極3の位置が本発明で得られた結果と同じ位置となるように、並列腕32の容量成分を調整した。この時の結果を図17に示すと、高域側のアイソレーション特性については本発明と同程度の結果となったが、低域側のアイソレーション特性が本発明よりも0.35dB程度劣化していた。また、図17(d)に示すように、通過周波数帯域における挿入損失が大きくなっていた。尚、この図17についても、図15で得られた基本回路の特性をグレーの線で示している。以下の図18及び図19についても同様である。
【0043】
次に、比較例2として、同様に減衰極3の位置が本発明で得られた結果と同じ位置となるように、接地用電極17に接続される配線のインダクタンス成分を調整した。その結果を図18に示すと、本発明よりも高域側のアイソレーション特性が1.6dB程度劣化していた。
【0044】
また、比較例3として、比較例2と同様にして減衰極3の位置を本発明の結果と同じ位置に設定すると共に、直列腕31の容量成分を調整することにより、高域側のアイソレーション特性が本発明の結果と同じ程度となるように調整した。その結果、図19に示すように、低域側のアイソレーション特性が0.2dB程度劣化していた。また、通過周波数帯域における挿入損失が大きくなっていた。
【0045】
以上の結果から、本発明により挿入損失の劣化(増大)を抑えながら高域側のアイソレーション特性を改善でき、また減衰極3の位置を低域側に移動させることができることが分かった。この理由としては、容量結合Cg1によって高域側のアイソレーション特性の劣化に大きく影響している容量結合C1を減少させているためだと考えられる。
【0046】
既述の受信側フィルタ12として、アンバランス(不平衡)信号をバランス(平衡)信号に変換する縦結合共振器型フィルタを用いても良いことは既に述べたが、この場合の受信側フィルタ12の具体的構成について図24を参照して説明する。この例では、縦結合共振器型フィルタに既述のラダー型のフィルタを組み合わせた受信側フィルタ12を示しており、送信側フィルタ11としては図1のラダー型のフィルタを配置している。尚、この図24において既述の図1と同じ構成の部位については同じ符号を付して説明を省略する。また、この図24においては、既述のSAW共振子5をIDT電極5a及びこのIDT電極5aにおける弾性波の伝搬方向両側に配置された反射器5b、5bとして描画している。
【0047】
この図24の受信側フィルタ12において、入出力ポート14から直列腕41a、41bを介して手前側に向かって伸びる直列信号路43cには、2つの縦結合共振器型フィルタ100、100が並列に接続されている。即ち、これら縦結合共振器型フィルタ100、100は、夫々弾性波の伝搬方向に沿って並ぶ3つのIDT電極101と、これら3つのIDT電極101を両側から挟むように配置された反射器102、102と、を備えている。夫々の縦結合共振器型フィルタ100、100の両端側におけるIDT電極101の奥側のバスバー101aには、各々既述の直列信号路43cが接続されている。
【0048】
また、これらの縦結合共振器型フィルタ100、100の両端側のIDT電極101の手前側のバスバー101a同士は、互いに接続されて接地用電極18aをなしている。そして、夫々の縦結合共振器型フィルタ100、100の中央側のIDT電極101、101において、奥側のバスバー101aには夫々接地用電極18c、18cが接続され、手前側のバスバー101aには夫々受信出力ポート16、16が接続されている。これらの接地用電極18a、18cは、ボンディングワイヤやバンプなどを介してモジュール基板に形成された接地ポート(いずれも図示せず)に各々接続されている。既述の直列信号路43c及び接地用電極18aは、これらの接地用電極18c、受信出力ポート16及び反射器102から離間するように配置されている。
【0049】
この受信側フィルタ12では、これらの受信出力ポート16、16を介して、入出力ポート14から図示しない受信処理部に対して信号がバランス(平衡)出力されることになる。このような構成の受信側フィルタ12を用いた場合においても、既述の例と同様に、容量結合C1〜C3が低減されると共に、減衰極3の位置を低域側に移動させることができる。
【0050】
この縦結合共振器型フィルタ100を用いた場合でも、第1のシールド電極50を例えば図6〜図9のように配置しても良い。図25には、図6と同様に、第1のシールド電極50を第1の接地用電極17から送信入力ポート15に向かって近接配置した例を示している。
【0051】
また、例えば図26に示すように、既述のように受信側フィルタ12の接地用電極18a、18b、18cの少なくとも1つの接地用電極18から入出力ポート14及び送信入力ポート15の少なくとも一方に伸びる第2のシールド電極51を配置しても良い。更に、入出力ポート14と縦結合共振器型フィルタ100との間にラダー型のフィルタ(直列腕41a、41b及び並列腕42a)を介設したが、図27に示すように、入出力ポート14と縦結合共振器型フィルタ100とを直接接続しても良い。更にまた、縦結合共振器型フィルタ100を用いるにあたって、当該縦結合共振器型フィルタ100及び受信出力ポート16を夫々2つ配置することによってバランス出力できるように受信側フィルタ12を構成したが、図28に示すように、縦結合共振器型フィルタ100及び受信出力ポート16を夫々1つ配置してアンバランス出力するようにしても良い。
【符号の説明】
【0052】
3 減衰極
5 弾性波共振子
10 圧電基板
11 送信側フィルタ
12 受信側フィルタ
14 入出力ポート
15 送信入力ポート
16 受信出力ポート
33 直列信号路
50 シールド電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板上に形成され、低域側フィルタ及び高域側フィルタの一方のフィルタと他方のフィルタとから入出力ポートに対して夫々信号の送信と受信とを行うデュプレクサの低域側フィルタにおいて、
入出力ポートと、この入出力ポートに対して信号の送信及び受信のいずれか一方を行う低域側フィルタポートと、の間に設けられた弾性波共振子と、
前記入出力ポート及び前記低域側フィルタポートの少なくとも一方のポートとの間において容量結合が形成されるように、当該一方のポートに近接配置されると共に接地された第1のシールド電極と、を備えたことを特徴とする低域側フィルタ。
【請求項2】
前記第1のシールド電極は、前記低域側フィルタと高域側フィルタとの間の領域に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の低域側フィルタ。
【請求項3】
前記第1のシールド電極は、前記低域側フィルタに設けられた第1の接地用電極に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の低域側フィルタ。
【請求項4】
前記第1のシールド電極には、弾性波共振子が介設されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の低域側フィルタ。
【請求項5】
前記低域側フィルタは、直列腕をなす弾性波共振子と並列腕をなす弾性波共振子とを含む送信側フィルタであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の低域側フィルタ。
【請求項6】
圧電基板上に形成され、低域側フィルタ及び高域側フィルタの一方のフィルタと他方のフィルタとから入出力ポートに対して夫々信号の送信と受信とを行うデュプレクサの高域側フィルタにおいて、
入出力ポートと、この入出力ポートに対して信号の送信及び受信のいずれか一方を行う高域側フィルタポートと、の間に設けられた弾性波共振子と、
前記入出力ポート及び前記低域側フィルタの低域側フィルタポートの少なくとも一方のポートとの間において容量結合が形成されるように、前記低域側フィルタに対向する領域に形成され、当該一方のポートに近接配置されると共に接地された第2のシールド電極と、を備えたことを特徴とする高域側フィルタ。
【請求項7】
前記第2のシールド電極は、前記高域側フィルタに設けられた第2の接地用電極に接続されていることを特徴とする請求項6に記載の高域側フィルタ。
【請求項8】
前記第2のシールド電極には、弾性波共振子が介設されていることを特徴とする請求項6または7に記載の高域側フィルタ。
【請求項9】
前記高域側フィルタは、直列腕をなす弾性波共振子と並列腕をなす弾性波共振子とを備えたフィルタと、縦結合共振器型フィルタと、の一方を含む受信側フィルタであることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか一つに記載の高域側フィルタ。
【請求項10】
圧電基板上に各々形成された低域側フィルタと高域側フィルタとを備え、低域側フィルタ及び高域側フィルタの一方のフィルタと他方のフィルタとから入出力ポートに対して夫々信号の送信と受信とを行うデュプレクサにおいて、
請求項1ないし5のいずれか一つに記載の低域側フィルタと、請求項6ないし9のいずれか一つに記載の高域側フィルタと、の少なくとも一方を備えたことを特徴とするデュプレクサ。
【請求項11】
前記低域側フィルタと高域側フィルタとは、同じ圧電基板上に形成されていることを特徴とする請求項10に記載のデュプレクサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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