説明

データフレームの再送信減少方法及びこのための受信ノード

【課題】データフレームの再送信減少方法及びこのための受信ノードを提供する。
【解決手段】前記方法は、(a)K個のソースデータをイレージャーコーディング(Erasure Coding)技法によりエンコーディングしたN個のデータフレームを連続的に受信する段階と、(b)受信されたN個のデータフレームのエラーを検査する段階と、(c)検査結果、エラーのないデータフレームの個数(R)が前記ソースデータの個数(K)以上の場合、復旧可能を知らせるACKメッセージを送信し、エラーのないデータフレームの個数(R)がソースデータの個数(K)未満の場合、再送信を要請するデータフレームの個数(X)を含むACKメッセージを送信する段階と、を含むことによって、データフレームのうち一部にエラーのある場合にも再送信要請をすることなくデータを復元することができる効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ通信に関し、より詳しくは、データフレームの再送信を減少させるための方法及び受信ノードに関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE 802.15.3 WPAN(Wireless Personal Area Network)は、10メートル内外の無線環境でリアルタイムでマルチメディアのような高品質、大容量のデータ送信を目的に標準化された技術である。このようなIEEE 802.15.3は、極めて制限されたデータ送信を支援するIEEE 802.15.1の短所を克服し、マルチメディア送信の可能なデバイス間のアドホック(Ad-hoc)形態の連結を支援するために開発された。
【0003】
802.15.3 MAC(Media Access Control)で使われるACKnowledgeフレーム(ACK)政策には、ACKを使用しないNo-ACK、一つのデータフレームに一つのACKが使われるImmediate ACK(Imm-ACK)、複数個のデータフレームに一つのACKが使われるDelay ACK(Dly-ACK)を含む、総三つのACK政策がある。
【0004】
このうちDly-ACKは、受信ノードが複数個のデータフレームを連続的に受信した以後に一つのACKフレームを送信する方式であるため、受信されるデータフレームの各々に対してACKフレームを送信すべきImmediate ACK方法に比べてACKフレームによるオーバーヘッドを減少させることができるという長所がある。
【0005】
然しながら、連続的に受信されるデータフレームのうち一部データフレームにエラー(即ち、送信失敗)のある場合、受信ノードは、エラーのあるデータフレームの再送信を送信ノードに要請しなければならず、送信ノードから再送信されるデータフレームにより全体的なネットワーク性能が低下されるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、Dly-ACK方式によりデータフレームを送受信する場合において、送信ノードで送信したデータフレームのうち一部にエラーのある場合にも再送信要請をすることなくデータを復元することができる、データフレームの再送信減少方法及びこのための受信ノードを提供することを技術的課題にする。
【0007】
また、本発明の他の実施形態によれば、短時間内にデータ復元が可能であり、且つ不必要な帯域幅の浪費を減らすことができる、データフレームの再送信減少方法及びこのための受信ノードを提供することを技術的課題にする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記技術的課題を解決するための手段として、本発明は、(a)K個のソースデータをイレージャーコーディング(Erasure Coding)技法によりエンコーディングしたN個のデータフレームを連続的に受信する段階と、(b)上記受信されたN個のデータフレームのエラーを検査する段階と、(c)上記検査結果、エラーのないデータフレームの個数(R)が上記ソースデータの個数(K)以上の場合、復旧可能を知らせるACKメッセージを送信し、エラーのないデータフレームの個数(R)が上記ソースデータの個数(K)未満の場合、再送信を要請するデータフレームの個数(X)を含むACKメッセージを送信する段階と、を含む、データフレームの再送信減少方法を提供する。
【0009】
本発明の一実施形態で、上記再送信を要請するデータフレームの個数(X)は、K-R<X<N-Rを満たし、ここで、Nは上記エンコーディングされたデータフレームの個数、Rは上記エラーのないデータフレームの個数、Kは上記ソースデータの個数を含むことができる。
【0010】
この実施形態で、上記再送信を要請するデータフレームの個数(X)は、次の数式:

を満たす最小の値を導出するα値により決定され、Nは上記エンコーディングされたデータフレームの個数、Rは上記エラーのないデータフレームの個数、Kは上記ソースデータの個数、pはデータフレームの受信失敗率を含むことができる。ここで、受信失敗率(p)はデータフレームの送信されるチャネル状態によって決定されることができる。
【0011】
本発明の一実施形態で、上記(c)段階は、エラーのないデータフレームの個数(R)が上記ソースデータの個数(K)以上の場合、上記エラーのないデータフレームだけで上記ソースデータを復元する段階を含むことができる。
【0012】
本発明の他の実施形態で、上記(c)段階は、上記送信したACKメッセージに基づく受信されたデータフレーム及び上記エラーのないデータフレームから上記ソースデータを復元する段階をさらに含むことができる。
【0013】
上記技術的課題を達成するための他の手段として、本発明は、K個のソースデータをイレージャーコーディング(Erasure Coding)技法によりエンコーディングしたN個のデータフレームを連続的に受信する通信モジュールと、上記受信されたN個のデータフレームのエラーを検査するエラー検査モジュールと、上記検査結果、エラーのないデータフレームの個数(R)が上記ソースデータの個数(K)以上の場合、復旧可能を知らせるACKメッセージを送信し、エラーのないデータフレームの個数(R)が上記ソースデータの個数(K)未満の場合、再送信を要請するデータフレームの個数(X)を含むACKメッセージを送信する制御モジュールと、を含む、データフレームの再送信減少のための受信ノードを提供する。
【0014】
本発明の一実施形態で、上記再送信を要請するデータフレームの個数(X)は、K-R<X<N-Rを満たし、ここで、Nは上記エンコーディングされたデータフレームの個数、Rは上記エラーのないデータフレームの個数、Kは上記ソースデータの個数を含むことができる。
【0015】
この実施形態で、上記再送信を要請するデータフレームの個数(X)は、次の数式:

を満たす最小の値を導出するα値により決定され、Nは上記エンコーディングされたデータフレームの個数、Rは上記エラーのないデータフレームの個数、Kは上記ソースデータの個数、pはデータフレームの受信失敗率を含むことができる。ここで、受信失敗率(p)はデータフレームの送信されるチャネル状態によって決定されることができる。
【0016】
本発明の一実施形態で、上記受信ノードは、エラーのないデータフレームの個数(R)が上記ソースデータの個数(K)以上の場合、上記エラーのないデータフレームだけで上記ソースデータを復元するデコーダーをさらに含むことができる。
【0017】
本発明の他の実施形態で、上記受信ノードは、上記受信されたデータフレーム及び上記エラーのないデータフレームから上記ソースデータを復元するデコーダーをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一実施形態によれば、Erasure Coding技法によりデータをコーディングするため、送信ノードで送信したデータフレームのうち一部にエラーのある場合にも再送信要請をすることなくデータを復元することができる効果がある。
【0019】
また、本発明の他の実施形態によれば、データフレームの再送信を要請する場合にも復元に必要な最小限のデータフレームを送信要請するため、短時間内にデータ復元が可能であり、且つ不必要な帯域幅の浪費を減らすことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る受信ノードを含む全体システムの構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るデータフレームの再送信減少方法を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係るイレージャーコーディングを説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明の多様な実施形態をより詳細に説明する。然しながら、本発明の実施形態は、多様な形態に変形されることができ、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。本発明の実施形態は、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。従って、図面に示す構成要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張されることができるという点を留意しなければならない。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係るデータフレーム再送信を減少のための受信ノードを含む全体システムの構成図である。図1を参照すれば、全体システムは大いに送信ノード100と受信ノード110を含み、送信ノード100はエンコーダー101、制御モジュール102、及び第1の通信モジュール103を含むことができ、受信ノード110は第2の通信モジュール111、エラー検査モジュール112、制御モジュール113、及びデコーダー114を含むことができる。一方、図3は、本発明の一実施形態に係るイレージャーコーディングを説明するための概念図である。
【0023】
図1を参照すれば、送信ノード100のエンコーダー101は、K個のソースデータをイレージャーコーディング(Erasure Coding)技法によりエンコーディングしてN個のデータフレームを生成することができる(ここで、K≦N)。生成されたN個のデータフレームは制御モジュール102に伝達されることができる。ここで、'イレージャーコーディング技法'は、K個のソースデータに付加的なビットを添加して新たなN個のデータフレームを生成する方式である。生成されたN個のデータフレームは、'送信グループ(Transmission Group)'のことを指すことができる。以下、図3を参照して'イレージャーコーディング技法'を説明する。
【0024】
図1及び図3を参照すれば、送信ノード100で送信しようとするソースデータの個数をK個とすれば、送信ノード100のエンコーダー101を経ながらN個のデータフレーム101aが生成されることができる。生成されたN個のデータフレーム101aは、第1の通信モジュール103を介して受信ノード110に送信されることができる。この時、チャネル105の状態によってN個のデータフレーム101aのうち一部は送信過程で損失されることができ、受信ノード110は、N個のデータフレーム101aのうち実際R個のデータフレーム112aのみを成功的に受信することができる。通常的なコーディングと異なって、本発明の一実施形態であるイレージャーコーディング技法による場合、受信ノード110のデコーダー114は、実際受信されたR個のデータフレーム112aだけでK個のソースデータを完全に復元することができる。このように、本願発明の一実施形態によれば、イレージャーコーディング技法によることによって、送信ノード100で送信したデータフレームのうち一部にエラーのある場合にも再送信要請をすることなくデータを復元することができる効果がある。
【0025】
また、図1を参照すれば、送信ノード100の制御モジュール102は、エンコーダー101から伝達されたN個のデータフレーム101aを第1の通信モジュール103に伝達することができる。一方、本発明の一実施形態によれば、Dly-ACK方式を適用するために、制御モジュール102は、第1の通信モジュール103を介して'Dly-ACKフレーム'を受信ノード110に送信することができる。'Dly-ACKフレーム'は、受信ノード110にDly-ACK方式によりデータを送信することを知らせると共に、受信ノード110が有するバッファー情報(例えば、バッファーの大きさ)を要請するフレームである。
【0026】
一方、'Dly-ACKフレーム'に応答して受信ノード110からACKフレームが受信されれば、送信ノード100の制御モジュール102は、ACKフレームに含まれた受信ノード110のバッファー情報に基づき、ソースデータを一度に送信するバースト(burst)の大きさを決定するようになり、これに基づいてエンコーダー101はK個のソースデータから一定の数(ここではN個)のデータフレームを生成することができる。以後、N個のデータフレームは、連続的に受信ノード110に送信されることができる。一方、N個のデータフレームのうち最後のフレームは、該当バースト(burst)が終わることを知らせる情報と共に、次のバースト送信要請を知らせる情報を含むことができる。
【0027】
最後に、送信ノード100の第1の通信モジュール103は、制御モジュール102の制御下にN個のデータフレーム101aをチャネル105を介して受信ノード110に送信する。
【0028】
一方、受信ノード110の第2の通信モジュール111は、送信ノード100から送信されるN個のデータフレームを連続的に受信し、制御モジュール113の制御下に、受信されたN個のデータフレームをエラー検査モジュール112に伝達することができる。
【0029】
受信ノード110のエラー検査モジュール112は、制御モジュール113の制御下に第2の通信モジュール111から伝達されたN個のデータフレームをエラー検査モジュール112内部のバッファー(図示せず)に格納すると共に、N個のデータフレームのエラーを検査することができる。検査結果は制御モジュール113に伝達されることができる。一実施例として、データフレームのエラーを検査する方法には、パリティ(parity)符号検査、チェックサム(checksum)検査、巡回冗長検査(CRC;Cyclic Redundancy Check)などが使われることができる。このうち巡回冗長検査(CRC)は、パリティ符号検査やチェックサム検査とは異なって複数のビットのエラーが一度に出る場合にもエラーを検出することができ、他の方法よりオーバーヘッドも少ない方である。本発明の一実施形態によれば、巡回冗長検査(CRC)を使用してデータフレームのエラーを検査するが、必ずこれに限定されるものではなく、パリティ(parity)符号検査やチェックサム(checksum)検査も使用可能であることはもちろんである。
【0030】
受信ノード110の制御モジュール113は、エラーのないデータフレームの個数(R)がソースデータの個数(K)以上の場合、復旧可能を知らせるACKメッセージを第2の通信モジュール111を介して送信ノード100に送信し、エラーのないデータフレームの個数(R)がソースデータの個数(K)未満の場合、再送信を要請するデータフレームの個数(X)を含むACKメッセージを第2の通信モジュール111を介して送信ノード100に送信することができる。また、制御モジュール113は、エラー検査モジュール112に伝達されたデータフレームを上位階層であるデコーダー114に伝達することができる。
【0031】
一方、再送信を要請するデータフレームの個数(X)は、下記の数式1を満たすことができる。
【0032】
[数1]
K-R<X<N-R
ここで、Nはエンコーディングされたデータフレームの個数、Rはエラーのないデータフレームの個数、Kはソースデータの個数を含むことができる。
【0033】
または、再送信を要請するデータフレームの個数(X)は、下記の数式2を満たす最小の値で決定されることができる。
【0034】
[数2]
F(α)≧K−R
【0035】
即ち、数式2を満たす最小の値を導出させるα値により決定されることができ、送信失敗されたN-R個のデータフレームを、各々、導出されたαの確率で再送信する。即ち、平均的には(N-R)α個のデータフレームが再送信される。
【0036】
ここで、F(α)は、αの確率で再送信した時、期待される受信成功フレーム個数を示し、下記数式3により計算されることができる。
【0037】
【数3】

ここで、Nはエンコーディングされたデータフレームの個数、Rはエラーのないデータフレームの個数、Kはソースデータの個数、pはデータフレームの受信失敗率を含むことができる。一方、受信失敗率(P)はチャネル105の状態によって変更されることができる。
【0038】
一方、受信ノード110のデコーダー114は、制御モジュール113から伝達されたデータフレームをソースデータに復元する。一実施形態によれば、デコーダー114は、エラーのないデータフレームの個数(R)がソースデータの個数(K)以上の場合、エラーのないデータフレームだけでソースデータを復元することができる。他の実施形態によれば、デコーダー114は、エラーのないデータフレームの個数(R)がソースデータの個数(K)未満の場合、追加に受信されたデータフレーム及び受信されたエラーのないデータフレームからソースデータを復元することができる。
【0039】
エラーのないデータフレームだけでソースデータを復元することができる。
【0040】
図2は、本発明の一実施形態に係るデータフレームの再送信減少方法を説明するフローチャートである。
【0041】
以下、図1ないし図3を参照して本発明の実施形態に係る動作を詳細に説明する。
【0042】
図1ないし図3を参照すれば、段階200で、送信ノード100の制御モジュール102は'Dly-ACKフレーム'を受信ノード110に送信することができる。'Dly-ACKフレーム'は、受信ノード110にDly-ACK方式によりデータを送信することを知らせると共に、受信ノード110が有するバッファー情報(例えば、バッファーの大きさ)を要請するフレームである。
【0043】
以後、段階201で、受信ノード110の制御モジュール113は、受信ノード110のバッファー情報を含むACKフレームを生成して送信ノード100に送信することができる。
【0044】
段階202で、送信ノード100の制御モジュール102は、ACKフレームに含まれた受信ノード110のバッファー情報に基づき、ソースデータを一度に送信するバースト(burst)の大きさを決定するようになり、これに基づいてエンコーダー101は'イレージャーコーディング'技法によりK個のソースデータをエンコーディングしてN個のデータフレームを生成することができる。
【0045】
段階203で、送信ノード100の制御モジュール102は、チャネル105を介して受信ノード110でエンコーディングされたN個のデータフレームを連続的に送信することができる。
【0046】
段階204で、受信ノード110のエラー検査モジュール112は、エンコーディングされたN個のデータフレームのエラーを検査することができる。検査結果は、受信ノード110の制御モジュール113に伝達されることができる。本発明の一実施形態によれば、エラー検査モジュール112は、巡回冗長検査(CRC)を使用してフレームのエラーを検査するが、必ずこれに限定されるものではなく、パリティ(parity)符号検査やチェックサム(checksum)検査も使用可能であることはもちろんである。
【0047】
次の段階205で、受信ノード110の制御モジュール113は、エラー検査モジュール112から伝達されたエラー検査結果に基づき、成功的に受信されたデータフレームの数(R)(即ち、エラーのないデータフレーム)がソースデータの個数(K)以上かどうかを判断することができる。判断結果、成功的に受信されたデータフレームの数(R)がソースデータの個数(K)以上の場合は段階206に、未満の場合は段階208に進行することができる。
【0048】
段階206で、成功的に受信されたデータフレームの数(R)(即ち、エラーのないデータフレーム)がソースデータの個数(K)以上であるため、受信ノード110のデコーダー114は、成功的に受信されたデータフレームだけでソースデータを復元することができる。このように、本願発明の一実施形態によれば、イレージャーコーディング技法によることによって、送信ノード100で送信したデータフレームのうち一部にエラーのある場合にも再送信要請をすることなくデータを復元することができる効果がある。
【0049】
以後、段階207で、エラーのないデータフレームの個数(R)がソースデータの個数(K)以上の場合、受信ノード110の制御モジュール113は、復旧可能を知らせるACKメッセージを第2の通信モジュール111を介して送信ノード100に送信する。
【0050】
一方、段階208で、成功的に受信されたデータフレームの数(R)(即ち、エラーのないデータフレーム)がソースデータの個数(K)未満の場合、受信ノード110の制御モジュール113は、再送信を要請するデータフレームの個数(X)を下記の数式1に基づいて決定することができる。
【0051】
一方、再送信を要請するデータフレームの個数(X)は、下記の数式1を満たすことができる。
【0052】
[数1]
K-R<X<N-R
ここで、Nはエンコーディングされたデータフレームの個数、Rはエラーのないデータフレームの個数、Kはソースデータの個数を含むことができる。
【0053】
または、再送信を要請するデータフレームの個数(X)は、下記の数式2を満たす最小の値で決定されることができる。
【0054】
[数2]
F(α)≧K−R
【0055】
即ち、数式2を満たす最小の値を導出させるα値により決定されることができ、送信失敗されたN-R個のデータフレームを、各々、導出されたαの確率で再送信する。即ち、平均的には(N-R)α個のデータフレームが再送信される。
【0056】
ここで、F(α)は、αの確率で再送信した時、期待される受信成功フレーム個数を示し、下記数式3により計算されることができる。
【0057】
【数3】

ここで、Nはエンコーディングされたデータフレームの個数、Rはエラーのないデータフレームの個数、Kはソースデータの個数、pはデータフレームの受信失敗率を含むことができる。一方、受信失敗率(P)は、チャネル105の状態によって変更されることができる。
【0058】
ただし、チャネル105の状態がよくないため、最小限の要求条件(K-R)を満たさない場合は、送信過程で損失された全てのフレームの個数(N-R)をXに設定することができる。
【0059】
このように、データフレームの再送信を要請する場合にも復元に必要な最小限のデータフレームを送信要請するため、短時間内にデータ復元が可能であり、且つ不必要な帯域幅の浪費を減らすことができる効果がある。
【0060】
以後、段階209で、受信ノード110の制御モジュール113は、再送信を要請するデータフレームの個数(X)を含むACKフレームを送信ノード100に送信することができる。
【0061】
段階210で、送信ノード100の制御モジュール102は、再送信を要請した個数(X)のデータフレームを受信ノード110に送信することができる。
【0062】
以後、段階211で、受信ノード110のデコーダー114は、追加に受信されたデータフレーム及び段階203で受信されたエラーのないデータフレームからソースデータを復元することができる。
【0063】
最後に、段階212で、受信ノード110の制御モジュール113は、復旧可能を知らせるACKメッセージを第2の通信モジュール111を介して送信ノード100に送信することができる。
【0064】
本発明の詳細な説明では具体的な実施例について説明したが、本発明の範囲から外れない限度内で多様な変形が可能であることはもちろんである。従って、本発明の範囲は、説明された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びこの特許請求の範囲と均等なものにより定められるべきである。
【符号の説明】
【0065】
100 送信ノード
101 エンコーダー
101a エンコーディングされたK個のデータフレーム
102、113 制御モジュール
103 第1の通信モジュール
105 チャネル
111 第2の通信モジュール
112 エラー検査モジュール
112a エラーのないR個のデータフレーム
114 デコーダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)K個のソースデータをイレージャーコーディング(Erasure Coding)技法によりエンコーディングしたN個のデータフレームを連続的に受信する段階と、
(b)前記受信されたN個のデータフレームのエラーを検査する段階と、
(c)前記(b)段階における検査の結果、
エラーのないデータフレームの個数(R)が前記ソースデータの個数(K)以上の場合、復旧可能を知らせるACKメッセージを送信し、
エラーのないデータフレームの個数(R)が前記ソースデータの個数(K)未満の場合、再送信を要請するデータフレームの個数(X)を含むACKメッセージを送信する段階と
を含むデータフレームの再送信減少方法。
【請求項2】
前記再送信を要請するデータフレームの個数(X)は、
K-R<X<N-R
を満たし、ここで、Nは前記エンコーディングされたデータフレームの個数であり、Rは前記エラーのないデータフレームの個数であり、Kは前記ソースデータの個数である請求項1に記載のデータフレームの再送信減少方法。
【請求項3】
前記再送信を要請するデータフレームの個数(X)は、
次の数式:

を満たす最小の値を導出するα値により決定され、pはデータフレームの受信失敗率である請求項2に記載のデータフレームの再送信減少方法。
【請求項4】
前記(c)段階は、前記エラーのないデータフレームの個数(R)が前記ソースデータの個数(K)以上の場合、前記エラーのないデータフレームだけで前記ソースデータを復元する段階をさらに含む請求項1から3の何れか1項に記載のデータフレームの再送信減少方法。
【請求項5】
前記(c)段階は、送信した前記再送信を要請するデータフレームの個数(X)を含むACKメッセージに基づく受信されたデータフレーム及び前記エラーのないデータフレームから前記ソースデータを復元する段階をさらに含む請求項1から4の何れか1項に記載のデータフレームの再送信減少方法。
【請求項6】
K個のソースデータをイレージャーコーディング(Erasure Coding)技法によりエンコーディングしたN個のデータフレームを連続的に受信する通信モジュールと、
前記受信されたN個のデータフレームのエラーを検査するエラー検査モジュールと、
前記エラー検査モジュールによる検査の結果、
エラーのないデータフレームの個数(R)が前記ソースデータの個数(K)以上の場合、復旧可能を知らせるACKメッセージを送信し、
エラーのないデータフレームの個数(R)が前記ソースデータの個数(K)未満の場合、再送信を要請するデータフレームの個数(X)を含むACKメッセージを送信する制御モジュールと
を含むデータフレームの再送信減少のための受信ノード。
【請求項7】
前記再送信を要請するデータフレームの個数(X)は、
K-R<X<N-R
を満たし、ここで、Nは前記エンコーディングされたデータフレームの個数であり、Rは前記エラーのないデータフレームの個数であり、Kは前記ソースデータの個数である請求項6に記載のデータフレームの再送信減少のための受信ノード。
【請求項8】
前記再送信を要請するデータフレームの個数(X)は、
次の数式:

を満たす最小の値を導出するα値により決定され、pはデータフレームの受信失敗率である請求項7に記載のデータフレームの再送信減少のための受信ノード。
【請求項9】
前記エラーのないデータフレームの個数(R)が前記ソースデータの個数(K)以上の場合、前記エラーのないデータフレームだけで前記ソースデータを復元するデコーダーをさらに含む請求項6から8の何れか1項に記載のデータフレームの再送信減少のための受信ノード。
【請求項10】
送信した前記再送信を要請するデータフレームの個数(X)を含むACKメッセージに基づく受信されたデータフレーム及び前記エラーのないデータフレームから前記ソースデータを復元するデコーダーをさらに含む請求項6から8の何れか1項に記載のデータフレームの再送信減少のための受信ノード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−222809(P2012−222809A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−264007(P2011−264007)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【出願人】(505393131)高麗大学校産学協力団 (4)
【Fターム(参考)】