説明

データフローを転送する方法および装置、データフローを受信する方法、データフローを受信する通信装置、ならびにコンピュータプログラム

【課題】高いスループットでの基地局と移動端末との間のデータ転送を可能にする。
【解決手段】無線セルラ通信ネットワークにおいて、第1の通信装置(第2の基地局)によってデータフローを第2の通信装置(移動端末)に転送する方法であって、第1の通信装置によってデータフローを少なくとも2つのスプリットに分割し、第1の無線通信装置は無線チャネルを通して第1のスプリットを第2の通信装置に転送し、少なくとも1つの第3の通信装置(第1の基地局)を経由して、少なくとも1つの第2のスプリットを第2の通信装置に転送する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、第1の通信装置がデータフローを第2の通信装置に転送する方法および装置に関する。
【0002】
無線セルラ通信ネットワークでは、1つの送信器が1つの無線チャネルを経由して1つの受信器にデータを転送する。受信器が送信器から離れるように移動中である場合、ネットワークは、別の送信器を経由して受信器にデータをルーティングし、これら2つの送信器間のハンドオーバを可能にする。
【0003】
符号分割多元接続方式を使用する無線セルラ通信ネットワークでは、ソフトハンドオーバと呼ばれるハンドオーバの特定の一変形が開発された。このような状況では、同じデータが、複数の受信器を含む移動端末の近傍の複数の異なる送信器によって送信される。移動端末は、複数の送信器から受信した信号のエネルギーを結合して、受信信号の品質を向上させる。
【0004】
サイト選択ダイバーシチ送信(Site Selection Diversity Transmission)と呼ばれるソフトハンドオーバの一変形では、移動端末は、どの送信器がデータを送信できるかを選択することができる。受信器に到達するために必要なパワーレベルが最小である最良の送信器のみが信号を送信するため、干渉レベルが低減する。複数の送信器を経由する独立したフェージングの場合、SSDTは、ハンドオーバエリア内での信号レベルのフェージングおよび劣化を回避するために有効な技法となり得る。
【0005】
SSDTでは、複数の送信器にわたるデータのスケジューリングが、無線ネットワークコントローラ(Radio Network Controller)と呼ばれる中央エンティティによって制御されることが必要である。無線ネットワークコントローラは、送信器がデータを使用する必要がない場合であっても、データを各送信器に送信する。この方法は、RNCと複数の送信器との間に著しいオーバーヘッドを生じさせる。ここで、審議中の第三世代プロジェクト/ロングタームエボリューション(Third Generation Project/Long Term Evolution)3GPP/LTEネットワーク内(ネットワークがもはやRNCのような中央エンティティに対応しない)では、SSDTはそのままでは適用できないことに留意する必要がある。
【0006】
さらに、従来の無線セルラ通信ネットワークでは、送信器と受信器との間で転送されるデータは、転送データの機密性を保証するために暗号化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第02/052787号パンフレット
【0008】
本発明は、従来の無線セルラ通信ネットワークよりも高いスループットでの基地局と移動端末との間のデータ転送を可能にする無線セルラ通信ネットワークを提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、従来の無線セルラ通信ネットワークによって提供されるセキュリティレベルよりも高いセキュリティレベルでの基地局と移動端末との間のデータ転送を可能にする、無線セルラ通信ネットワークを提供することを目的とする。
【0010】
そのために、本発明は、無線セルラ通信ネットワークにおいて、第1の通信装置によってデータフローを第2の通信装置に転送する方法であって、第1の通信装置および第2の通信装置は無線チャネルを通してリンクされる方法において、方法は、第1の通信装置によって実行される複数のステップとして、
−データフローを少なくとも2つのスプリットに分割するステップと、
−無線チャネルを通して第1のスプリットを第2の通信装置に転送するステップと、
−少なくとも1つの第3の通信装置を経由して、少なくとも1つの第2のスプリットを第2の通信装置に転送するステップであって、第3の通信装置は、無線セルラ通信ネットワークの第1の基地局であるステップと
を含むことを特徴とする方法に関する。
【0011】
本発明は、無線セルラ通信ネットワークにおいて、第1の通信装置によってデータフローを第2の通信装置に転送する装置であって、第1の通信装置および第2の通信装置は無線チャネルを通してリンクされる、装置において、装置は第1の通信装置内に含まれ、装置は、
−データフローを少なくとも2つのスプリットに分割する手段と、
−無線チャネルを通して第1のスプリットを第2の通信装置に転送する手段と、
−少なくとも1つの第3の通信装置を経由して、少なくとも1つの第2のスプリットを第2の通信装置に転送する手段であって、第3の通信装置は、無線セルラ通信ネットワークの第1の基地局である手段と
を備えることを特徴とする装置にも関する。
【0012】
したがって、第1の通信装置と第2の通信装置との間で転送されるデータフローは、第1の通信装置および第2の通信装置の間における分割のスループットと、第2の通信装置および第3の通信装置の間における分割のスループットとの、両方の恩恵を受けることができるため、より高いスループットで伝達することができる。
【0013】
さらに、データフローを複数の異なる通信装置によって転送される複数のスプリットに分割することにより、本発明は、従来の無線セルラ通信ネットワークによって提供されるセキュリティレベルよりも高いセキュリティレベルでの基地局と移動端末との間でのデータ転送を可能にする無線セルラ通信ネットワークを提供する。
【0014】
こういった各スプリットを受信できるエリア内にある移動端末のみが、完全なデータフローを取得することができる。
【0015】
別の移動端末がスプリットの一部のみを取得した場合、その移動端末はデータフローを回復することができない。
【0016】
第1の実施形態によれば、第1の通信装置は無線セルラ通信ネットワークの第2の基地局であり、第2の通信装置は移動端末である。
【0017】
したがって、第2の基地局と移動端末との間で伝達されるデータフローのスループットは、第1の基地局と移動端末との間で利用可能な追加のスループットを使用することによって拡張することができる。データフローの分割は第2の基地局によって実現され、外部ノードを必要としない。
【0018】
特定の一特徴によれば、第1の通信装置は、
−移動端末から、複数の基地局によって転送される信号についての測定報告を受信し、
−測定報告から、データフローをより多数またはより少数のスプリットに分割する必要があるか否かを判断する。
【0019】
したがって、移動端末と他の基地局との間で追加のスループットが利用可能な場合(第2の基地局が移動端末から受信する測定報告から決定することができる)、他の複数の基地局との追加のスプリットを使用して、データフローのスループットをさらに拡張することができる。
【0020】
特定の一特徴によれば、データフローをより多数のスプリットに分割する必要がある場合、第1の通信装置は、
−第2の基地局と、第3の基地局との間にリンクを確立し、ここで、第3の基地局は、移動端末によって報告される測定値が所与の値よりも大きな信号を転送したものであり、
−第3の基地局から、第3の基地局と移動端末との間の無線チャネルに関連する情報を取得し、
−無線チャネルに関連する情報を移動端末に転送し、
−データフローを増加した数のスプリットに分割し、
−第3の基地局を経由し、確立されたリンクを通して、追加スプリットを移動端末に転送する。
【0021】
したがって、第3の基地局と移動端末との間で利用可能な追加のスループットは、第1の通信装置と移動端末との間のデータフローのスループットの拡張に有効に使用される。
【0022】
移動端末には、第3の基地局との間に確立すべき無線チャネルの詳細が通知され、移動端末は、確立された新しい無線チャネルを経由して追加のデータパケットを受信する準備ができる。
【0023】
特定の一特徴によれば、データフローをより少数のスプリットに分割する必要がある場合、第1の通信装置は、
−第2の基地局と第1の基地局との間のリンクを解放し、
−移動端末に、第1の基地局と移動端末との間の無線チャネルに関連する情報を転送し、
−データフローを減少した数のスプリットに分割する。
【0024】
したがって、第1の基地局と移動端末との間に確立された無線チャネルが、(例えばセル過負荷によって、または無線状況の消滅によって)もはや追加のスループットをもたらさない場合、移動端末はそれ以上、第1の基地局との間に確立された無線チャネルを維持しない。移動端末の消費電力が改善されるとともに、処理資源およびメモリの使用が改善される。移動端末の電池の寿命を延ばすことができる。
【0025】
さらに、第1の基地局と第2の基地局との間のリンクは、第1の通信装置と移動端末との間のデータフローに追加のスループットをもはやもたらさない場合、解放される。第1および第2の基地局の両方の消費が、電力、処理能力、およびメモリに関して改善される。
【0026】
特定の一特徴によれば、第1の通信装置は、
−第2の基地局と第1の基地局との間のリンクを解放する前に、第1の基地局からパケットを受信し、
−受信したパケットを移動端末に転送する。
【0027】
したがって、第2の基地局が第1の基地局を経由して移動端末に送信したデータパケットが、移動端末と第1の基地局との間の無線チャネルが解放されつつあるときに移動端末によって受信されない場合、データパケットは失われず、少なくとも1つの別の無線チャネルを経由して第2の基地局によって移動端末に送信される。スプリット数の低減は、データ損失をもたらさない。
【0028】
特定の一特徴によれば、第1の通信装置は、
−第4の基地局から、第2の基地局と第4の基地局との間にリンクを確立する要求、および、別の移動端末との無線チャネルを確立する要求を表すメッセージを受信し、
−第2の基地局と第4の基地局との間にリンクを確立し、
−第2の基地局と上記別の移動端末との間の無線チャネルに関連する情報を決定し、
−第2の基地局と上記別の移動端末との間に無線チャネルを確立し、
−第2の基地局と上記別の移動端末との間の無線チャネルに関連する情報を、第4の基地局に転送する。
【0029】
したがって、第4の基地局と別の移動端末との間のデータフローのスループットを、第2の基地局と別の移動端末との間に確立される無線チャネルのスループットを使用して効率的に拡張することができる。
【0030】
さらに、第2の基地局は、無線資源および無線チャネルに関連する情報に含まれる関連パラメータの使用を、仮にその無線資源を第4の基地局によって別の移動端末に提供する必要がある場合であっても、単独で決定することができる。この完全に分散したメカニズムは、無線資源の管理に関連する複数の基地局間のあらゆる衝突に対して非常に堅牢である。
【0031】
特定の一特徴によれば、第1の通信装置は、
−第2の基地局と第4の基地局との間のリンクを通して、第4の基地局からデータを受信し、
−第2の基地局と上記別の移動端末との間に確立された無線チャネルを通して、第4の基地局から受信したデータを転送する。
【0032】
したがって、別の移動端末は、第4の基地局から、第2の基地局を経由して、追加のデータパケットを効率的に受信することができる。移動端末と第4の基地局との間のデータフローの下りリンクスループットは、効率的に向上する。
【0033】
特定の一特徴によれば、第1の通信装置は、
−第2の基地局と上記別の移動端末との間に確立された無線チャネルを通して、上記別の移動端末からデータを受信し、
第2の基地局と第4の基地局との間のリンクを通して、上記別の移動端末から受信したデータを転送する。
【0034】
したがって、第4の基地局は、別の移動端末から、第2の基地局を経由して、追加のデータパケットを効率的に受信することができる。移動端末と第4の基地局との間のデータフローの上りリンクスループットは、効率的に向上する。
【0035】
特定の一特徴によれば、第1の通信装置は、
−第4の基地局から、第2の基地局と第4の基地局との間のリンクを解放する要求を表すメッセージを受信し、
−第4の基地局から受信したデータを、第2の基地局と上記別の移動端末との間に確立される無線チャネルを通して、上記別の移動端末に送信することを停止し、
−第2の基地局と上記別の移動端末との間の無線チャネルを通して転送されたデータが、移動端末によって肯定応答されていないかどうかをチェックし、
−データが肯定応答されていない場合、データを第4の基地局に転送する。
【0036】
したがって、第2の基地局が第4の基地局から受信するデータであって、(例えばカバレッジ不足またはセル過負荷の場合に)第2の基地局と別の移動端末との間に確立される無線チャネルを介して別の移動端末に伝達することができないものを、それでも、第4の基地局によって、少なくとも1つの別の無線チャネルを経由して移動端末に伝達することができる。
【0037】
さらに、第2の基地局のセルの容量は、(例えばカバレッジ不足のために)移動端末が適切に受信できないデータパケットを、別の移動端末に送信することによって、浪費されなくなる。この容量は、第2の基地局が他のデータパケットをさらに別の移動端末に送信するために使用することができる。第2の基地局のセルの容量は増大する。
【0038】
特定の一特徴によれば、第1の通信装置は、
−第2の基地局と第4の基地局との間のリンクを解放し、
−第2の基地局と上記別の移動端末との間の無線チャネルを解放する。
【0039】
したがって、移動端末の消費電力が改善され、処理資源およびメモリの使用が改善される。第2の基地局のセルの容量は増大し、第1の基地局と第4の基地局とをリンクする通信ネットワークの容量も増大する。
【0040】
第2の実施形態によれば、第1の通信装置は移動端末であり、第2の通信装置は無線セルラ通信ネットワークの第2の基地局である。
【0041】
したがって、移動端末と第2の基地局との間で伝達されるデータフローのスループットは、第1の基地局と第2の基地局との間で利用可能な追加のスループットを使用することによって拡張することができる。データフローの分割は移動端末によって実現され、外部ノードを必要としない。
【0042】
第2の実施形態の特定の一特徴によれば、第1の通信装置は、
−複数の基地局によって転送された複数の信号を測定し、
−第2の基地局に、測定を表す測定報告を転送する。
【0043】
したがって、移動端末は、他の基地局を通過する追加スプリットを使用することにより、第2の基地局が、移動端末と基地局との間でのデータフローに対してスループットの追加を達成できるか否かを知るのを助けることができる。
【0044】
第2の実施形態の特定の一特徴によれば、第1の通信装置は、
−移動端末と第3の基地局との間にセットアップすべき無線チャネルに関連する情報を含むメッセージを受信し、
−移動端末と第3の基地局との間に無線チャネルを確立し、
−データフローを増加した数のスプリットに分割し、
−第3の基地局を経由し、確立された無線チャネルを通して、追加スプリットを第2の基地局に転送する。
【0045】
したがって、移動端末は、第3の基地局と移動端末との間で利用可能な追加のスループットから効率的に恩恵を受けて、移動端末と第2の基地局との間のデータフローのスループットを拡張することができる。
【0046】
第2の実施形態の特定の一特徴によれば、第1の通信装置は、
−移動端末と第1の基地局との間に確立される無線チャネルの解放を要求するメッセージを受信し、
−移動端末と第1の基地局との間に確立された無線チャネルを解放し、
−データフローを減少した数のスプリットに分割する。
【0047】
したがって、移動端末の消費電力が改善され、処理資源およびメモリの使用が改善される。第1の基地局のセルの容量は増大する。
【0048】
第2の実施形態の特定の一特徴によれば、第1の基地局と移動端末との間の無線チャネルを解放する前に、第1の通信装置は、
−移動端末と第1の基地局との間の無線チャネルを通して転送されたデータが、第1の基地局によって肯定応答されていないかどうかをチェックし、
−別の無線チャネルを通して、肯定応答されていないデータを第2の基地局に転送する。
【0049】
したがって、移動端末が第1の基地局を経由して第2の基地局に送信したデータパケットが、移動端末と第1の基地局との間の無線チャネルが解放されつつあるときに第2の基地局によって受信されない場合、データパケットは失われず、少なくとも1つの別の無線チャネルを経由して移動端末によって第2の基地局に送信される。スプリット数の低減はデータ損失をもたらさない。
【0050】
第1および第2の実施形態の一特徴によれば、データフローは複数のデータパケットに分解され、各スプリットは複数の異なるデータパケットに分解され、各データパケットに、データフロー内におけるデータパケットの順番を表す情報が記される。
【0051】
したがって、第1の通信装置および第2の通信装置が受信したデータパケットは、複数の無線チャネルを介しての反復に関係なく、または並列した複数の無線チャネルを介してのパケットの交差に関係なく、順番に並べ替えることができる。データフローの向上したスループットは、ビデオアプリケーションまたはスピーチアプリケーション等、順番の影響を受けやすいアプリケーションに対して堅牢である。
【0052】
本発明は、無線セルラ通信ネットワークにおいて、第1の通信装置によってデータフローを第2の通信装置から受信する方法であって、第1の通信装置および第2の通信装置は無線チャネルを通してリンクされる、方法において、第1の通信装置によって実行される複数のステップとして、
−無線チャネルを通して、第2の通信装置からデータフローの第1のスプリットを受信するステップと、
−第3の通信装置を経由して、第2の通信装置から、データフローの第2のスプリットを受信するステップであって、第3の通信装置は無線セルラ通信ネットワークの第1の基地局である、ステップと、
−2つのスプリットからデータフローを再構築するステップと
を含むことを特徴とする方法にも関する。
【0053】
本発明は、無線セルラ通信ネットワークにおいて、第2の通信装置からデータフローを受信する第1の通信装置であって、第1の通信装置および第2の通信装置は無線チャネルを通してリンクされる、第1の通信装置において、第1の通信装置は、
−無線チャネルを通して第2の通信装置からデータフローの第1のスプリットを受信する手段と、
−第3の通信装置を経由して第2の通信装置からデータフローの第2のスプリットを受信する手段であって、第3の通信装置は無線セルラ通信ネットワークの第1の基地局である、手段と、
−2つのスプリットからデータフローを再構築する手段と
を備えることを特徴とする、第1の通信装置にも関する。
【0054】
したがって、第1の通信装置と第2の通信装置との間で転送されるデータフローは、第1の通信装置および第2の通信装置の間の分割のスループットと、第2の通信装置および第3の通信装置の間の分割のスループットとの、両方から恩恵を受けることができるため、より高いスループットで伝達することができる。
【0055】
さらに、データフローを、複数の異なる通信装置によって転送される複数のスプリットに分割することにより、本発明は、従来の無線セルラ通信ネットワークによって提供されるセキュリティレベルよりも高いセキュリティレベルで、基地局と移動端末との間でのデータ転送を可能する無線セルラ通信ネットワークを提供する。
【0056】
これらの各スプリットを受信できるエリア内にある移動端末のみが、完全なデータフローを取得することができる。
【0057】
別の移動端末が複数のスプリットの一部しか取得しない場合、データフローを回復することはできない。
【0058】
特定の一特徴によれば、データフローは複数のデータパケットに分解され、各データパケットに、データフロー内におけるデータパケットの順番を表す情報が記され、データフローは、データフロー内におけるデータパケットの順番を表す情報を使用して再構築される。
【0059】
したがって、第1の通信装置が複数の異なるスプリットから受信する、1つの同じデータフローの複数のデータパケットは、複数の無線チャネルを介しての反復に関係なく、または並列した複数の無線チャネルを介してのパケットの交差に関係なく、順番に並べ替えることができる。データフローの向上したスループットは、ビデオアプリケーションまたはスピーチアプリケーション等、順番の影響を受けやすいアプリケーションに対して堅牢である。
【0060】
第1の実施形態によれば、第1の通信装置は無線セルラ通信ネットワークの第2の基地局であり、第2の通信装置は移動端末である。
【0061】
したがって、1つの移動端末との間で確立された複数の異なるスプリットを介して第2の基地局が受信する1つの同じデータフローの複数のデータパケットは、複数の無線チャネルを介しての反復に関係なく、または並列した複数の無線チャネルを介してのパケットの交差に関係なく、順番に並べ替えることができ、前記無線チャネルは他の複数の基地局との間で確立される。データフローの向上したスループットは、ビデオアプリケーションまたはスピーチアプリケーション等、順番の影響を受けやすいアプリケーションに対して堅牢である。
【0062】
第2の実施形態によれば、第1の通信装置は移動端末であり、第2の通信装置は無線セルラ通信ネットワークの第2の基地局である。
【0063】
したがって、第2の基地局との間で確立された複数の異なるスプリットを介して1つの移動端末が受信する、1つの同じデータフローの複数のデータパケットは、複数の無線チャネルを介しての反復に関係なく、または並列した複数の無線チャネルを介してのパケットの交差に関係なく、順番に並べ替えることができ、前記無線チャネルは他の複数の基地局との間で確立される。データフローの向上したスループットは、ビデオアプリケーションまたはスピーチアプリケーション等、順番の影響を受けやすいアプリケーションに対して堅牢である。
【0064】
さらに別の態様によれば、本発明は、プログラム可能な装置に直接ロード可能とすることができ、前記コンピュータプログラムがプログラム可能な装置で実行されると、本発明による方法のステップを実施する命令またはコードの部分を含むコンピュータプログラムに関する。
【0065】
コンピュータプログラムに関連する特徴および利点は、本発明による方法および装置に関連して上述したものと同じであるため、ここで繰り返さない。
【0066】
本発明の特徴は、実施形態例の以下の説明を読むことからさらに明らかになるであろう。前記説明は添付図面を参照して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明が実施される無線セルラ通信ネットワークの構造を表す図である。
【図2】本発明による基地局の構造を表す図である。
【図3】本発明による無線通信システムの移動端末の構造を表す図である。
【図4】本発明による基地局に含まれるモジュールを表す図である。
【図5】本発明による移動端末の無線インタフェースに含まれるモジュールを表す図である。
【図6】本発明による基地局によって実行される第1のアルゴリズムである。
【図7】本発明による基地局によって実行される第2のアルゴリズムである。
【図8】本発明による移動端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1は、本発明が実施される無線セルラ通信ネットワークの構造を表す図である。
【0069】
セルラ通信ネットワークでは、サーバAGWが、通信ネットワークを通して複数の基地局BS1〜BS4に接続される。通信ネットワークは、専用有線ネットワーク、公衆交換網のような公衆網、IPベースのネットワーク、無線ネットワーク、非同期転送モードネットワーク、または上記ネットワークの組み合わせであってよい。
【0070】
通信ネットワークは、必要な場合に基地局BS1〜BS4を互いに接続できるようにするとともに、移動端末TEへ転送されるべきデータフローの少なくとも1つのスプリット(split)の基地局BS間での転送を可能にし、かつ/または、移動端末TEによって転送されたデータフローの少なくとも1つのスプリットの基地局BS間での転送を可能にする。
【0071】
図1では、1つのみのサーバAGWが示されるが、より多数のサーバAGWを本発明において使用できることを理解することができる。
【0072】
同様に、4つのみの基地局BS1〜BS4が示されるが、より多数の基地局BSを本発明において使用できることを理解することができる。
【0073】
3GPPにおいて現在審議中のロングタームエボリューション(Long Term Evolution)(LTE)ネットワークでは、サーバAGWはアクセスゲートウェイという名称を有し、少なくとも1つのモビリティ管理エンティティ(Mobility Management Entity)(MME)および1つのユーザプレーンエンティティ(User Plane Entity)(UPE)を含む。汎用パケット無線サービスネットワークでは、サーバAGWはサービングGPRSサポートノード(Serving GPRS Support Node)(SGSN)という名称を有する。モバイルIPネットワークでは、サーバAGWはフォーリンエージェント(Foreign Agent)(FA)という名称を有する。GSMネットワークでは、サーバAGWはビジターロケーションレジスタ(Visitor Location Register)(VLR)およびモバイル交換センタ(Mobile Switching Centre)(MSC)を含む。
【0074】
各基地局BS1〜BS4は、図1に示されていない少なくとも1つのセルを管理する。基地局BSのセルとは、基地局BSが転送した信号が、所定値よりも上のパワーレベルで移動端末TEによって受信されるエリアである。
【0075】
図1では、1つのみの移動端末TEが示されるが、より多数の移動端末TEが無線セルラ通信ネットワーク内にあることを理解することができる。
【0076】
各基地局BS、例として基地局BS1は、自身が管理するセル内で、他の基地局BSのセルを識別する情報を含む監視リストを転送することができる。移動端末TEは、こういったセル内で転送される信号を監視し、その移動端末TEをハンドリングする基地局BS1に測定報告を送信する。
【0077】
基地局BSは、サーバAGWから移動端末TEに転送すべきデータフローを受信する際、かつ/または、移動端末TEによって転送されたデータフローをサーバAGWに転送する際、移動端末TEをハンドリングする。
【0078】
データフローを移動端末TEに転送する必要がある場合、データフローは、サーバAGWから、その移動端末TEをハンドリングする基地局BSに転送される。データフローが移動端末TEによって転送される場合、データフローは、その移動端末TEをハンドリングする基地局BSからサーバAGWに転送される。そのデータフローはFL(TE)と記される矢印で示される。
【0079】
本発明によれば、移動端末TEをハンドリングする基地局BSは、移動端末TEに転送すべきデータフローを少なくとも2つの部分に分割する。第1のスプリット(split)は、移動端末TEをハンドリングする基地局BSによって、その基地局BSの無線インタフェースを通して移動端末TEに直接転送される。少なくとも1つの第2のスプリットは、移動端末TEをハンドリングする基地局BSによってネットワークインタフェースを通して、かつ少なくとも1つの経由基地局(via base station)BSを経由して移動端末TEに転送される。
【0080】
本発明によれば、移動端末TEは少なくとも2つのスプリットを受信し、データフローを再構築する。
【0081】
本発明によれば、移動端末TEは、その移動端末TEをハンドリングする基地局BSに転送すべきデータフローを少なくとも2つの部分に分割する。
【0082】
本発明によれば、移動端末TEをハンドリングする基地局BSは、移動端末TEによって転送されたデータフローの少なくとも2つのスプリットを受信する。第1のスプリットは、移動端末TEから、その移動端末TEをハンドリングする基地局BSによって、その無線インタフェースを通して直接受信される。少なくとも第2のスプリットは、移動端末TEから、少なくとも1つの経由基地局BSを通して、その移動端末TEをハンドリングする基地局BSによって受信される。移動端末TEをハンドリングする基地局BSは、データフローを再構築する。
【0083】
図1は、基地局BS1が移動端末TEをハンドリングする一例を開示する。
【0084】
基地局BS1は、移動端末TEに転送すべき矢印FL(TE)で表されるデータフローを受信する。基地局BS1は、移動端末TEに転送すべきデータフローFL(TE)を3つのスプリットに分割する。矢印FL1(TE)で表される第1のスプリットは、基地局BS1によって無線インタフェースを通して移動端末TEに直接転送される。矢印FL2a(TE)で表される第2のスプリットは、基地局BS1によって基地局BS2に転送され、基地局BS2は、無線インタフェースを通して矢印FL2b(TE)で表されるスプリットを移動端末TEに転送する。矢印FL3a(TE)で表される第3のスプリットは、基地局BS1によって基地局BS3に転送され、基地局BS3は、無線インタフェースを通して矢印FL3b(TE)で表されるスプリットを移動端末TEに転送する。
【0085】
移動端末TEは3つのスプリットを受信し、データフローを再構築する。
【0086】
移動端末TEは、基地局BS1に転送すべきデータフローを、矢印FL1(TE)で表される第1の部分、矢印FL2b(TE)で表される第2の部分、および矢印FL3b(TE)で表される第3の部分に分割する。
【0087】
基地局BS2は、矢印FL2a(TE)で表されるように、受信したスプリットを基地局BS1に転送する。
【0088】
基地局BS3は、矢印FL3a(TE)で表されるように、受信したスプリットを基地局BS1に転送する。
【0089】
移動端末TEをハンドリングする基地局BS1は、移動端末TEによって転送されたデータフローの3つのスプリットを受信する。基地局BS1はデータフローを再構築して、矢印FL(TE)で表されるようにサーバ10に転送する。
【0090】
図2は、本発明による基地局の構造を表す図である。
【0091】
各基地局BSは、例えば、バス201によって互いに接続される構成要素と、図6および図7に開示されるプログラムによって制御されるプロセッサ200とに基づく構造を有する。
【0092】
バス201は、プロセッサ200を、読み取り専用メモリROM202、ランダムアクセスメモリRAM203、ネットワークインタフェース206、および無線インタフェース205にリンクする。
【0093】
メモリ203は、変数を受け取ることを意図するレジスタと、その基地局BSの1つまたは複数のセルの隣接セルとして既知であるセルのようなセルを識別する情報と、隣接セルを管理する基地局BSの識別子と、コネクションと、隣接セルを管理する基地局BSとの各通信リンクのセキュリティ情報と、図6および図7に開示されるアルゴリズムに関連するプログラムの命令とを含む。
【0094】
プロセッサ200は、ネットワークインタフェース206および無線インタフェース205の動作を制御する。
【0095】
読み取り専用メモリ202は、基地局BSに電源が投入されたときにランダムアクセスメモリ203に転送される、図6および図7に開示されるアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含む。
【0096】
基地局BSは、ネットワークインタフェース206を通して通信ネットワークに接続される。例として、ネットワークインタフェース206は、DSL(デジタル加入者回線)モデムまたはISDN(統合デジタルサービス通信網)インタフェース等である。
【0097】
このようなインタフェースを通して、基地局BSは、サーバAGWと、および無線セルラ通信ネットワークのその他の基地局BSと、情報を交換する。
【0098】
無線インタフェース205を通して、基地局BSは、セルを識別する情報の監視リストを転送するとともに、移動端末TEから測定報告を受信する。
【0099】
無線インタフェース205は1つのアンテナBSantに接続され、アンテナBSantは、移動端末TEから/移動端末TEへの電波を収集および放射するために使用される。
【0100】
図2では、1つのみのアンテナBSantが示されるが、より多数のアンテナBSantを本発明において使用できることを理解することができる。
【0101】
無線インタフェース205は、1つまたは複数の移動端末TEに転送すべき少なくとも2つの信号を同時に送信する手段を備え得る。これはたとえば、多入力多出力(MIMO)を使用して、または、送信ビーム整形技法(transmit beamforming technique)を使用して、または複数の送信モジュール(たとえば複数の異なる周波数帯で動作するもの)を使用してなされる。
【0102】
無線インタフェース205は、1つまたは複数の移動端末TEによって転送された少なくとも2つの信号を同時に受信する手段を備え得る。これはたとえば、MIMOを使用して、または受信ビーム整形技法(receive beamforming technique)を使用して、または複数の受信モジュール(たとえば複数の異なる周波数帯で動作するもの)を使用してなされる。
【0103】
図3は、本発明による無線通信システムの移動端末の構造を表す図である。
【0104】
各移動端末TEは、例えば、バス301によって互いに接続された構成要素と、図8に開示されるプログラムによって制御されるプロセッサ300とに基づく構造を有する。
【0105】
バス301は、プロセッサ300を読み取り専用メモリROM302、ランダムアクセスメモリRAM303、および無線インタフェース305にリンクする。
【0106】
メモリ303は、変数を受け取ることを意図されるレジスタと、図8に開示されるアルゴリズムに関連するプログラムの命令とを含む。
【0107】
読み取り専用メモリ302は、移動端末TEに電源が投入されたときにランダムアクセスメモリ303に転送される、図8に開示されるアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含む。
【0108】
無線インタフェース305は、基地局BSによって下りチャネルを通して転送された信号を検出し測定し受信する手段と、無線セルラ通信システムの上りチャネルを通して測定報告を送信する手段とを備える。
【0109】
無線インタフェース305は1つのアンテナTEAntに接続され、アンテナTEAntは、基地局BSから/基地局BSへの電波を収集し放射するために使用される。
【0110】
図3では、1つのみのアンテナTEAntが示されるが、より多数のアンテナTEAntを本発明において使用できることを理解することができる。
【0111】
無線インタフェース305は、複数の異なる基地局BSに転送すべき少なくとも2つの信号を同時に送信する手段を含み得る。これはたとえば、MIMOを使用して、または送信ビーム整形技法を使用して、または複数の送信モジュール(たとえば複数の異なる周波数帯で動作するもの)を使用してなされる。
【0112】
無線インタフェース305は、複数の異なる基地局BSによって転送された少なくとも2つの信号を同時に受信する手段を含み得る。これはたとえば、MIMOを使用して、または受信ビーム整形技法を使用して、または複数の受信モジュール(たとえば複数の異なる周波数帯で動作するもの)を使用してなされる。
【0113】
無線インタフェース305については図5を参照してより詳細に開示する。
【0114】
図4は、本発明による基地局に含まれるモジュールを表す図である。
【0115】
基地局BSは、移動端末TEに転送すべきデータフローをN個(複数)のスプリットに分割するスプリッタ/コンバイナ410を備える。あるスプリットは、他のスプリット内に含まれるデータとは異なるデータを含み、このデータはデータフローの複数の異なる部分に対応する。より厳密には、データフローは複数のデータパケットに分解され、各スプリットは複数の異なるデータパケットに分解され、各データパケットには、スプリッタ410によってデータフロー内におけるそのデータパケットの順番を表す情報が記される。
【0116】
データフロー内におけるデータパケットの順番を表す情報は、例として、タイムスタンプまたはシーケンス番号である。
【0117】
実現の一変形形態では、基地局BSのプロセッサ200が、スプリッタ/コンバイナ410に代わって、データフローを分割するタスクかつ/またはスプリットを結合するタスクを実行する。
【0118】
基地局BSは、他の基地局BSとのデータの転送および/または受信を可能にするM個のX2トンネルを確立するM個のX2トンネルモジュール4201〜420Mと、基地局BSとサーバAGWとの間でデータを交換することができるS1トンネルを確立するS1トンネルモジュール450とを備える。
【0119】
X2トンネルは、3GPP TS 36.424という名称の仕様書に開示されるものと同じである。S1トンネルは、3GPP TS 36.414という名称の仕様書に開示されるものと同じである。
【0120】
X2トンネルモジュール420のそれぞれを通して、1つのスプリットが送信され、かつ/または受信される。
【0121】
図4に示すものを補うものとして、1つのX2トンネルモジュール420を通って転送されず、かつ/または受信されないN−M個のスプリットは、それぞれN−M個の無線モジュール430M+1〜430Nを備える無線インタフェース205の1つの無線モジュール430を通して、基地局BSによって直接転送され、かつ/または受信される。
【0122】
モジュール430のそれぞれは、送信器Txbおよび受信器Rxbを備える。
【0123】
例として、各無線モジュールは、無線リンク制御(RLC)スタックおよび媒体アクセス制御(MAC)スタックを含む。これらスタックは、送信器Txb上の下りリンクデータパケットのセグメント化およびスケジューリングと、受信器Rxbによって受信されるべき上りリンクデータパケットの送信認可のスケジューリングとを担当する。これらは、移動端末TEとの間に確立される物理リンクPHYの瞬間品質に適合するように、かつ、基地局BSと無線チャネルをすでに確立している他の移動端末TEと無線チャネル容量を共有するように、可変転送フォーマットである変調符号化方式(Modulation and Coding Scheme)(MCS)を使用してなされる。
【0124】
基地局BSは無線資源制御RRCbプロトコルモジュールを備える。無線資源制御RRCbプロトコルモジュールは、移動端末TEの無線資源制御RRCtプロトコルモジュールにどのようにデータを分割するかを指示することにより、本発明に従って伝送方式を構成するために使用される。
【0125】
移動端末TEのRRCtプロトコルモジュールについては図5においてさらに説明する。
【0126】
実現の一変形形態では、基地局BSのプロセッサ200は、無線資源制御RRCbプロトコルモジュールのタスクを実行する。
【0127】
データのスプリットが、基地局BSによってハンドリングされない移動端末TEから1つの受信モジュールRxbを通して受信される場合、データのスプリットは、その基地局BSと移動端末TEをハンドリングする基地局BSとの間に確立されるX2トンネル420を通して、移動端末TEをハンドリングする基地局BSに転送される。
【0128】
本発明によれば、各経由基地局(via base station)BSは、X2トンネルを通して品質指標情報をスプリッタ/コンバイナ410に定期的に送信する。スプリッタ/コンバイナ410は、移動端末TEに送信すべきデータフローの各パケットを、個々にどのX2トンネルを通してルーティングすべきかを、各経由基地局BSによって転送される品質指標情報を使用して、パケット単位で判断し、複数の異なるスループットを有する複数の異なる分割を実現することが可能になる。
【0129】
品質指標情報は、例として、経由基地局BSによって移動端末TEに伝達されつつあるデータのスプリットの達成可能なスループットである。これは、経由基地局BSと移動端末TEとの間に確立される、無線チャネルの容量または品質の解析から導出され得る。例えば、移動端末TEによって経由基地局BSに報告されるチャネル品質指標(Channel Quality Indicators)(CQI)から導出でき、かつ/または、基地局BSから受信したが、まだ移動端末TEに伝達されていないデータパケットを含む経由基地局BSのFIFOの状態(満杯、拡大中、安定、収縮中、空)から導出でき、および/または、経由基地局BSと移動端末TEとの間に確立される無線チャネルによって使用されるセルの負荷から導出できる。
【0130】
チャネル品質指標は、例として、3GPP/LTE(第三世代プロジェクト/ロングタームエボリューション)システムにおいて移動端末TEによって基地局BSに転送されるものである。CQIは、所与の時間/周波数位置(電波チャンク(radio chunk))において基地局BSによって送信され移動端末TEによって観測される、パイロット信号のSINRレベルを与える。CQI情報は、通常、送信器と受信器との間に確立される無線チャネルによってサポートされるすべての電波チャンクに提供される。
【0131】
例として、セルの負荷は、そのセルで、その経由基地局BSの他の無線チャネルを経由して他の移動端末TEに伝達中のスループットに依存する。
【0132】
図5は、本発明による移動端末の無線インタフェースに含まれるモジュールを表す図である。
【0133】
無線インタフェース305は、スプリッタ510を使用して、移動端末TEをハンドリングする基地局BSに転送すべきデータフローをK個の独立したスプリットに分割する。あるスプリットは、他のスプリットに含まれるデータとは異なるデータを含み、データフローの複数の異なる部分に対応する。
【0134】
各スプリットは、5201〜520Kと記される送信モジュールTxtのそれぞれに向けて方向付けられる。送信モジュールTxtは、基本的に、1つまたは複数のFIFO(先入れ先出し)バッファを含む。FIFOは、通常、限られたサイズを有し、送信器Txtによって送信されるべきデータを含む。FIFO長は、一定の送信インターバルで、その送信インターバル中に送信モジュールTxtによって送信されるデータ量だけ低減する。逆に、FIFO長は、送信器Txがデータをスプリッタから受信する都度、増大する。
【0135】
各送信器Txtは、肯定応答(ARQ)を使用した反復によって任意の送信エラーを解消する無線リンク制御RLC(図5には示さず)と、スケジューラによって他の送信器からの干渉による任意の送信エラーを最小にする媒体アクセス制御MAC機能と、さらに物理リンクPHYの瞬間リンク品質に従って動的変調符号化方式を使用して転送フォーマットを最適化する手段とを含む。
【0136】
本発明によれば、送信器Txtは、定期的に品質指標情報をスプリッタ510に送信する。スプリッタ510は、サービスを提供している基地局BSに転送すべきデータフローの各パケットを、個々に、どの送信器Txtにルーティングすべきかを、すべての送信器Txtからの品質指標情報を使用して、パケット単位で判断し、複数の異なるスループットを有する複数の異なる分割の実現を可能にする。
【0137】
例として、非制限的に、品質指標情報は、FIFO状態(満杯、拡大中、安定、収縮中、空)であり、または、物理リンクPHYの推定無線リンク品質であり、または、送信器Txtと、対応する受信器Rxb(移動端末TEをハンドリングする基地局BSまたは経由基地局BSのもの)との間の物理リンクPHYを介して達成可能なデータレートであり、または、物理リンクPHYの負荷指標である。
【0138】
例として、物理リンクPHYの負荷指標は、物理リンクPHYが確立された基地局BSによって与えられているスループットである。
【0139】
無線インタフェース305は、移動端末TEをハンドリングする基地局BSによって直接に、または他の基地局BSを経由して、転送されたL個のスプリットを結合するコンバイナ530を備える。
【0140】
各受信器Rxt5401〜540Lは、1つのスプリットを基地局BSの所与の送信器Txbから受信する。各受信器Rxt5401〜540Lは、物理リンクPHYの受信品質に寄与するなんらかのRLC/MAC/PHY制御シグナリングを、(例えば、効率的なパワー制御、スケジューリング、MCS、またはARQのために)その送信器Txbと交換し得る。各受信器Rxtは受信データをコンバイナ530に送る。コンバイナ530は、データソースTxbから送信され、様々な受信器Rxtを通して受信されたデータを収集し、宛先への単一のデータフローを生成する。
【0141】
無線インタフェース305は無線資源制御RRCtプロトコルモジュールを備え、無線資源制御RRCtプロトコルモジュールは、移動端末TEをハンドリングする基地局BSの無線資源制御RRCbプロトコルモジュールに従って本発明による伝送方式を構成するために使用される。
【0142】
好ましい実施態様では、KはLに等しく、経由基地局BS(移動端末TEをハンドリングする基地局BSに送信し転送すべきデータスプリットの送信先となるもの)は、経由基地局BS(移動端末TEに転送されるデータスプリットの送信元であるもの)と同じである。
【0143】
実現の一変形形態では、移動端末TEのプロセッサ300は、スプリッタ510および/またはコンバイナ530に代わってデータフローを分割するタスク、かつ/またはスプリットを結合するタスクを実行する。
【0144】
実現の一変形形態では、移動端末TEのプロセッサ300は、無線資源制御RRCtプロトコルモジュールのタスクを実行する。
【0145】
図6は、本発明による基地局によって実行される第1のアルゴリズムである。
【0146】
より厳密には、本アルゴリズムは、各基地局BSのプロセッサ200によって実行される。
【0147】
ステップS600において、プロセッサ200は、測定報告が無線インタフェース205を通して受信されたか否かをチェックする。
【0148】
各移動端末TEは、複数の異なる基地局BSの測定チャネル内で転送される信号の品質測定値を、定期的に、または要求に応じて(すなわち特定の事象後に)、測定する。
【0149】
こういった測定報告は、複数の基地局BSの複数のセルを識別する情報を含み、移動端末TEによってその移動端末TEをハンドリングする基地局BSに報告される。
【0150】
品質測定値は、基地局BSによって送信され移動端末TEによって観測される、パイロット信号のSINRレベルを与える。
【0151】
測定報告が受信された場合、プロセッサ200はステップS601に移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS640に移る。
【0152】
ステップS601において、プロセッサ200は、測定報告を送信した移動端末TEに無線チャネルを追加する必要があるか否かをチェックする。
【0153】
例として、無線チャネルは、別の基地局BSによって転送された信号の品質が、移動端末TEを現在ハンドリング中の基地局BSによって転送された信号の品質よりも高い場合、または、その基地局BSもしくは別のセル内の別の基地局BSによって転送される信号が所与の閾値よりも高い場合、追加する必要がある。
【0154】
無線チャネルは、移動端末TEと基地局BSとの間の下りリンクチャネルおよび/または上りリンクチャネルで構成される。
【0155】
測定報告を送信した移動端末TEに無線チャネルを追加する必要がある場合、プロセッサ200はステップS602に移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS620に移る。
【0156】
ステップS602において、プロセッサ200は、別の基地局BSによって制御されるセル内に無線チャネルをセットアップする必要があるか否かをチェックする。
【0157】
別の基地局BSのセル内に無線チャネルをセットアップする必要がある場合、プロセッサ200はステップS603に移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS610に移る。
【0158】
ステップS603において、プロセッサ200は、上記別の基地局BSへのX2トンネルセットアップ要求メッセージの転送を命令する。
【0159】
X2トンネルセットアップ要求メッセージは、上記別の基地局BSに、移動端末TEをハンドリングする基地局BSとのリンクまたはユーザプレーンインタフェース(X2トンネル)を確立するとともに、上記別の基地局BSのセル内で上記別の基地局BSと移動端末TEとの間に別の無線チャネル(RLC/MAC/PHY)を確立するように要求する。
【0160】
次のステップS604において、プロセッサ200は、ネットワークインタフェース206を通して、上記別の基地局BSによって決定されたチャネル情報の受信を検出する。チャネル情報は、少なくとも、上記別の基地局BSのセル内の移動端末TEの識別子C−RNTI(セル無線ネットワーク一時識別情報:Cell Radio Network Temporary Identity)と、セットアップすべき無線チャネルを識別する情報とである。
【0161】
次のステップS605において、プロセッサ200は、移動端末TEへのチャネルセットアップメッセージの転送を命令する。チャネルセットアップメッセージは、C−RNTIと、ステップS604において受信したセットアップすべき無線チャネルを識別する情報と、セルの識別子とを含む。新しい無線チャネルが、上記別の基地局BSと移動端末TEとの間に確立される。
【0162】
例として、非制限的に、セットアップ無線チャネルを識別する情報は、上りリンクチャネルおよび下りリンクチャネル内の信号の転送に使用される二重モードおよび/または周波数帯を含む。ならびに/あるいは、移動端末TEから/移動端末TEへの上りリンクおよび下りリンク内の信号の転送に使用されるコードまたはタイムスロットを含む。
【0163】
次のステップS606において、プロセッサ200は、スプリッタ/コンバイナ410に、移動端末TEへのデータフローを少なくとも2つの部分に分割するように命令する。第1のスプリットは、移動端末TEをハンドリングする基地局BSによって直接、無線インタフェース205を通して移動端末TEに転送される。第2のスプリットは、移動端末TEをハンドリングする基地局BSにより、品質測定値が正確であった信号を転送した上記別の基地局BSを通して、移動端末TEに転送される。
【0164】
したがって、上記別の基地局BSは経由基地局BSである。
【0165】
移動端末TEは少なくとも2つのスプリットを受信し、データフローを再構築する。
【0166】
次のステップS607において、プロセッサ200は、スプリッタ/コンバイナ410に、移動端末TEによって転送されたデータフローの少なくとも2つの受信スプリットからの、基地局BSに送信されたデータフローの再構築を開始するように命令する。第1のスプリットは、移動端末TEをハンドリングする基地局BSが、移動端末TEから直接受信する。第2のスプリットは、移動端末TEから、経由基地局BSを通して、移動端末TEをハンドリングする基地局BSによって受信される。移動端末TEをハンドリングする基地局BSは、データフローを再構築し、サーバAGWに転送する。
【0167】
その後、プロセッサ200はステップS600に戻る。
【0168】
ステップS610において、プロセッサ200は、移動端末TEをハンドリングする基地局BSのセル内でセットアップすべき新しい無線チャネルについてのチャネル情報を決定する。チャネル情報は、少なくとも、基地局BSのセル内の移動端末TEの識別子C−RNTIと、セットアップすべき無線チャネルを識別する情報とである。
【0169】
次のステップS611において、プロセッサ200は、移動端末TEへのチャネルセットアップメッセージの転送を命令する。チャネルセットアップメッセージは、C−RNTIと、セルの識別子と、セットアップすべき無線チャネルを識別する情報とを含む。基地局BSおよび移動端末TEは、新しい無線チャネルを確立する。
【0170】
次のステップS612において、プロセッサ200は、スプリッタ/コンバイナ410に、移動端末TEに転送すべきデータフローを少なくとも2つの部分に分割するように命令する。少なくとも1つのスプリットは、基地局BSと移動端末TEとの間に確立された無線チャネルを通して、移動端末TEをハンドリングする基地局BSによって直接転送される。
【0171】
次のステップS613において、プロセッサ200は、スプリッタ/コンバイナ410に、移動端末TEによって転送されたデータフローの少なくとも2つの受信スプリットからの、移動端末TEによって基地局BSに送信されたデータフローの再構築を開始するように命令する。少なくとも1つのスプリットは、移動端末TEをハンドリングする基地局BSが、基地局BSと移動端末TEとの間に確立された無線チャネルを通して、移動端末TEから直接受信する。
【0172】
その後、プロセッサ200はステップS600に戻る。
【0173】
ステップS620において、プロセッサ200は、測定報告を送信した移動端末TEについて、無線チャネルを除去すべきか否かをチェックする。
【0174】
1つの基地局BSと移動端末TEとの間にすでに確立されている無線チャネルについて、基地局BSによって転送された信号の測定品質が所与の閾値よりも低い場合、無線チャネルを除去すべきである。
【0175】
除去すべき無線チャネルは、端末とその移動端末TEをハンドリングする基地局BSとの間に確立された無線チャネルであるか、または、端末とその移動端末TEをハンドリングしない基地局BSとの間に確立された無線チャネルである。
【0176】
測定報告を送信した移動端末TEについて無線チャネルを除去すべき場合、プロセッサ200はステップS621に移る。除去すべきではない場合、プロセッサ200はステップS600に戻る。
【0177】
ステップS621において、プロセッサ200は、移動端末TEへのチャネル解放メッセージの転送を命令する。チャネル解放メッセージは、測定品質が所与の閾値よりも低い信号を転送した基地局BSのセルの識別子を含む。
【0178】
次のステップS622において、プロセッサ200は、移動端末TEからチャネル解放確認メッセージを受信する。
【0179】
次のステップS623において、プロセッサ200は、別の基地局BSのセル内の無線チャネルを解放する必要があるか否かをチェックする。
【0180】
別の基地局BSのセル内の無線チャネルを解放する必要がある場合、プロセッサ200はステップS630に移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS624に移る。
【0181】
次のステップS624において、プロセッサ200は、スプリッタ/コンバイナ410に、移動端末TEに転送すべきデータフローのスプリット数を減少させるとともに、解放すべき無線チャネルへのデータフローの分割を停止するように命令する。
【0182】
次のステップS625において、プロセッサ200は、スプリッタ/コンバイナ410に、解放される無線チャネルから受信されたデータパケットの使用(移動端末TEによって転送されたデータフローを再構築するための使用)を停止するように命令する。
【0183】
その後、プロセッサ200はステップS600に戻る。
【0184】
ステップS630において、プロセッサ200は、スプリッタ/コンバイナ410に、移動端末TEをハンドリングする基地局BSと、上記別の基地局BS(測定品質が所与の閾値よりも低い信号を転送したもの)との間のX2トンネル内で転送すべきスプリットへのデータフローの分割を停止するように命令する。
【0185】
次のステップS631において、プロセッサ200は、上記別のBS(測定品質が所与の閾値よりも低い信号を転送したもの)へのチャネル除去要求メッセージの転送を命令する。
【0186】
上記別の基地局BSは、上記別の基地局BSと上記別の基地局BSのセル内の移動端末TEとの間の無線チャネル(RLC/MAC/PHY)を解放する。上記別の基地局BSは、移動端末TEをハンドリングする基地局BSと、上記別の基地局BS(測定品質が所与の閾値よりも低い信号を転送したもの)との間のX2トンネルを解放する。
【0187】
次のステップS632において、プロセッサ200は、スプリッタ/コンバイナ410に、解放されたX2トンネルを通して受信したデータパケットの使用(移動端末TEによって転送されたデータフローを再構築するための使用)を停止するように命令する。移動端末TEをハンドリングする基地局BSは、データフローをサーバAGWに転送する。
【0188】
その後、プロセッサ200はステップS600に戻る。
【0189】
ステップS640において、プロセッサ200は、X2トンネルセットアップ要求メッセージが、別の移動端末TEをハンドリングする別の基地局BSから受信されたか否かをチェックする。
【0190】
X2トンネルセットアップ要求メッセージが別の基地局BSから受信された場合、プロセッサ200はステップS641に移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS650に移る。
【0191】
ステップS641において、プロセッサ200は、上記別の移動端末TEをハンドリングする上記別の基地局BSとのX2トンネルを確立する。
【0192】
次のステップS642において、プロセッサ200は、基地局BSと、受信されたX2トンネルセットアップ要求メッセージ内で識別された基地局BSのセル内の上記別の移動端末TEとの間に、無線チャネル(RLCスタック、MACスタック、Txtモジュール、およびRxtモジュール)を確立する。
【0193】
同ステップにおいて、プロセッサ200は、確立された無線チャネルに関連するチャネル情報を決定する。チャネル情報は、少なくとも、基地局BSのセル内の上記別の移動端末TEの識別子C−RNTIと、セットアップ無線チャネルを識別する情報とである。
【0194】
例として、非制限的に、確立された無線チャネルに関連するチャネル情報は、上りリンク信号および下りリンク信号に使用される二重モードおよび/または周波数帯を含む。ならびに/あるいは、上記別の移動端末TEから/上記別の移動端末TEへの上りリンク信号および下りリンク信号の転送に使用されるコードまたはタイムスロットも含む。
【0195】
次のステップS643において、プロセッサ200は、上記別の移動端末TEをハンドリングする上記別の基地局BSへの決定されたチャネル情報の転送を命令する。
【0196】
その後、プロセッサ200はステップS600に戻る。
【0197】
ステップS650において、プロセッサ200は、X2トンネル解放要求メッセージが、別の移動端末TEをハンドリングする別の基地局BSから受信されたか否かをチェックする。
【0198】
X2トンネル解放要求メッセージが別の基地局BSから受信された場合、プロセッサ200はステップS651に移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS600に戻る。
【0199】
ステップS651において、プロセッサ200は、基地局BSと上記別の移動端末TEとの間の無線チャネルを通して上記別の移動端末TEに転送されたパケットのいずれかが、上記別の移動端末TEによってまだ肯定応答されて(acknowledge)いないかどうかをチェックする。
【0200】
いずれかのパケットが上記別の移動端末TEによってまだ肯定応答されていない場合、プロセッサ200はステップS652に移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS653に移る。
【0201】
ステップS652において、プロセッサ200は、肯定応答されていないパケットを、上記別の基地局BSとの間に確立されたX2トンネルを通して、未送信を示す情報と共に転送するように、上記の基地局BSに命令する。
【0202】
次のステップS653において、プロセッサ200は、上記別の移動端末TEをハンドリングする上記別の基地局BSとのユーザプレーンインタフェース(X2トンネル)の解放を命令する。
【0203】
次のステップS654において、プロセッサ200は、基地局BSと、基地局BSのセル内の上記別の移動端末TEとの間の無線チャネル(RLCスタック、MACスタック、Txbモジュール、およびRxbモジュール)を解放する。
【0204】
その後、プロセッサ200はステップS600に戻る。
【0205】
図7は、本発明による基地局によって実行される第2のアルゴリズムである。
【0206】
より厳密には、本アルゴリズムは、各基地局BSのプロセッサ200によって、図6を参照して開示したアルゴリズムと並列して実行される。
【0207】
ステップS700において、プロセッサ200は、基地局BSと移動端末TEとの間に確立された無線チャネルを通して転送されたパケットが、基地局BSによって受信されたか否かをチェックする。
【0208】
基地局BSと移動端末TEとの間に確立された無線チャネルを通して転送されたパケットが、基地局BSによって受信される場合、プロセッサ200はステップS701に移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS710に移る。
【0209】
ステップS701において、プロセッサ200は、無線インタフェース205を通して受信パケットの肯定応答を転送するように命令する。
【0210】
次のステップS702において、プロセッサ200は、基地局BSが、受信パケットを転送した移動端末TEをハンドリングする基地局BSであるか否かをチェックする。
【0211】
その基地局BSが、受信パケットを転送した移動端末TEをハンドリングする基地局BSである場合、プロセッサ200はステップS715に移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS703に移る。
【0212】
ステップS703において、プロセッサ200は、ステップS700において受信したパケットを、移動端末TEをハンドリングする基地局BSとの間に確立されたX2トンネルを通して、移動端末TEをハンドリングする基地局BSに転送するように命令する。
【0213】
その後、プロセッサ200はステップS700に戻る。
【0214】
ステップS710において、プロセッサ200は、パケットがX2トンネルを通して受信されたか否かをチェックする。
【0215】
パケットがX2トンネルを通して受信された場合、プロセッサ200はステップS711に移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS720に移る。
【0216】
ステップS711において、プロセッサ200は、基地局BSが移動端末TEをハンドリングする基地局BSであるか否かをチェックする。
【0217】
基地局BSが移動端末TEをハンドリングする基地局BSである場合、プロセッサ200はステップS712に移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS713に移る。
【0218】
ステップS713において、プロセッサ200は、基地局BSと移動端末TEとの間に確立された無線チャネルを通して移動端末TEに受信パケットを転送するように命令する。
【0219】
その後、プロセッサ200はステップS700に戻る。
【0220】
ステップS712において、プロセッサ200は、受信パケットが、図6のステップS652において開示される別の基地局BSによって返送されたパケットであるか否かをチェックする。返送されたパケットは、未送信を示す情報と共に返送されている。
【0221】
受信パケットが返送パケットである場合、プロセッサ200はステップS721に移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS715に移る。
【0222】
ステップS715において、プロセッサ200は、移動端末TEによって転送されたデータフローの少なくとも2つの受信スプリットからの、基地局BSに転送されたデータフローの再構築を、スプリッタ/コンバイナ410に命令する。第1のスプリットは、移動端末TEをハンドリングする基地局BSが、移動端末TEから直接受信する。第2のスプリットは、移動端末TEから、経由基地局BSという名称の上記別の基地局BSを通して、移動端末TEをハンドリングする基地局BSによって受信される。移動端末TEをハンドリングする基地局BSは、ステップS716において、データフローを再構築し、S1トンネルという名称のリンクを通してサーバAGWに転送する。
【0223】
その後、プロセッサ200はステップS700に戻る。
【0224】
ステップS720において、プロセッサ200は、データパケットがサーバAGWから受信されたか否かをチェックする。
【0225】
データがサーバAGWから受信された場合、プロセッサ200はステップS721に移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS700に戻る。
【0226】
ステップS721において、プロセッサ200は、基地局BSと移動端末TEとの間に確立された無線チャネル、および、移動端末TEと無線チャネルを確立した他の1つまたは複数の基地局BSと確立されたX2トンネルのうち、いずれの経路においてパケットを転送すべきかを決定するように、スプリッタ/コンバイナ410に命令する。そのために、スプリッタ/コンバイナ410は、その制御下にあるすべてのFIFOからの品質指標情報のような品質指標情報を使用して、パケット単位で、いずれの経路にパケットを転送する必要があるかを決定する。
【0227】
次のステップS722において、プロセッサ200は、スプリッタ/コンバイナ410が、X2トンネルを通してパケットを転送する必要があると判断したか否かをチェックする。
【0228】
スプリッタ/コンバイナ410により、パケットを、X2トンネルを通して転送する必要があると判断された場合、プロセッサ200はステップS724に移る。そうでない場合、プロセッサ200はステップS723に移る。
【0229】
ステップS723において、プロセッサ200は、基地局BSと移動端末TEとの間に確立された無線チャネルを通してのパケットの転送を命令する。
【0230】
その後、プロセッサ200はステップS700に戻る。
【0231】
ステップS723において、プロセッサ200は、ステップS721において識別されたX2トンネルを通してのパケットの転送を命令する。
【0232】
その後、プロセッサ200はステップS700に戻る。
【0233】
図8は、本発明による移動端末によって実行されるアルゴリズムの一例である。
【0234】
より厳密には、本アルゴリズムは、各移動端末TEのプロセッサ300によって実行される。
【0235】
ステップS800において、プロセッサ300は、その移動端末TEをハンドリングする基地局BSへの測定報告の転送を命令する。
【0236】
各移動端末TEは、複数の異なる基地局BSの測定チャネル内で転送される信号の品質測定値を、定期的に、または要求に応じて(すなわち特定の事象後に)、測定する。
【0237】
こういった測定報告は、複数の基地局BSの複数のセルを識別する情報を含み、移動端末TEによって、その移動端末TEを現在ハンドリングしている基地局BSに報告される。
【0238】
一変形では、移動端末TEは、常に、その移動端末TEをハンドリングする基地局BSと確立された1つの無線チャネルを通して、その移動端末TEをハンドリングする基地局BSに測定報告を転送する。
【0239】
別の変形では、移動端末TEは、移動端末TEが任意の複数の基地局BSと確立した複数の無線チャネルのうち最高の品質を有する無線チャネルを通して、その移動端末TEをハンドリングする基地局BSに測定報告を転送する。
【0240】
品質測定値は、通常、基地局BSによって送信され移動端末TEによって観測される、パイロット信号のSINRレベルを与える。
【0241】
次のステップS801において、プロセッサ300は、チャネルセットアップメッセージが無線インタフェース305を通して受信されたか否かをチェックする。チャネルセットアップメッセージは、C−RNTI、セルの識別子、およびセットアップ中の無線チャネルを識別する情報を含む。
【0242】
例として、非制限的に、セットアップ中の無線チャネルに関連するチャネル情報は、上りリンク信号および下りリンク信号に使用される二重モードおよび/または周波数帯を含む。ならびに/あるいは、移動端末TEから/移動端末TEへの上りリンク信号および下りリンク信号の転送に使用されるコードまたはタイムスロットも含む。
【0243】
チャネルセットアップメッセージは、好ましくは、移動端末TEをハンドリングする基地局BSによって転送される。チャネルセットアップメッセージは、無線チャネルがセットアップされた別の基地局BSによって転送されてもよい。
【0244】
チャネルセットアップメッセージが受信された場合、プロセッサ300はステップS802に移る。そうでない場合、プロセッサ300はステップS810に移る。
【0245】
ステップS802において、プロセッサ300は、チャネルセットアップメッセージにおいて識別されるセル内に新しい無線チャネルを確立し、受信したメッセージ内に含まれるC−RNTIと、セットアップすべき無線チャネルを識別する情報とを使用する。
【0246】
次のステップS803において、プロセッサ300は、移動端末TEをハンドリングする基地局BSに転送すべきデータフローを少なくとも2つの部分に分割するように、スプリッタ510に命令する。第1のスプリットは、移動端末TEをハンドリングする基地局BSに直接転送される。第2のスプリットは、ステップS802において無線チャネルがセットアップされた上記別の基地局BSを通して、移動端末TEをハンドリングする基地局BSに転送される。
【0247】
次のステップS804において、プロセッサ300は、コンバイナ530に、移動端末TEが受信したデータフローの少なくとも2つの受信スプリットから、移動端末TEに送信されたデータフローの再構築を開始するように命令する。第1のスプリットは、移動端末TEが、その移動端末TEをハンドリングする基地局BSから直接受信する。第2のスプリットは、ステップS802において無線チャネルがセットアップされた上記別の基地局BSを通して、移動端末TEをハンドリングする基地局BSから、移動端末TEによって受信される。
【0248】
ステップS805において、プロセッサ300は、移動端末TEをハンドリングする基地局BSへのチャネルセットアップ確認メッセージの転送を命令する。
【0249】
一変形では、移動端末TEは、常に、その移動端末TEをハンドリングする基地局BSとの間に確立された1つの無線チャネルを通して、その移動端末TEをハンドリングする基地局BSにチャネルセットアップ確認メッセージを転送する。
【0250】
別の変形では、移動端末TEは、その移動端末TEが任意の複数の基地局BSとの間に確立した複数の無線チャネルのうち最高の品質を有する無線チャネルを通して、その移動端末TEをハンドリングする基地局BSにチャネルセットアップ確認を転送する。
【0251】
さらに別の変形では、移動端末TEは、ステップS802において確立された無線チャネルを通して、その移動端末TEをハンドリングする基地局BSにチャネルセットアップ確認を転送する。
【0252】
その後、プロセッサ300はステップS800に戻る。
【0253】
ステップS810において、プロセッサ300は、チャネル除去メッセージが無線インタフェース305を通して受信されたか否かをチェックする。チャネルセットアップメッセージは、C−RNTIと、セルの識別子と、解放すべき無線チャネルを識別する情報とを含む。
【0254】
チャネル除去メッセージが受信された場合、プロセッサ300はステップS811に移る。そうでない場合、プロセッサ300はステップS820に移る。
【0255】
ステップS811において、プロセッサ300は、スプリッタ510に、解放すべき無線チャネルを通して転送されるべき部分のデータフローの分割を停止するように命令する。
【0256】
ステップS812において、プロセッサ300は、削除すべき無線チャネルを通して移動端末TEによって転送されたパケットのいずれかが、無線チャネルを削除する必要がある基地局BSによってまだ肯定応答されていないかどうかをチェックする。
【0257】
パケットのいずれかが基地局BSによってまだ肯定応答されていない場合、プロセッサ300はステップS813に移る。そうでない場合、プロセッサ300はステップS815に移る。
【0258】
次のステップS813において、プロセッサ300は、別の無線チャネルを選択する。例として、移動端末TEとその移動端末TEをハンドリングする基地局BSとの間の無線チャネルを選択する。
【0259】
ステップS814において、プロセッサ300は、ステップS813において選択された無線チャネルを通して、移動端末TEをハンドリングする基地局BSに、肯定応答されていないパケットを転送するように命令する。
【0260】
次のステップS815において、プロセッサ300は無線チャネル(RLCスタック、MACスタック、Txtモジュール、およびRxtモジュール)の解放を命令する。
【0261】
次のステップS816において、プロセッサ300は、コンバイナ530に、解放された無線チャネルを通して受信されたデータパケットの使用(移動端末TEに送信されたデータフローを再構築するための使用)を停止するように命令する。
【0262】
その後、プロセッサ300はステップS800に戻る。
【0263】
ステップS820において、プロセッサ300は、データパケットを、移動端末TEをハンドリングする基地局BSに転送する必要があるか否かをチェックする。
【0264】
データパケットを転送する必要がある場合、プロセッサ300はステップS821に移る。必要がない場合、プロセッサ300はステップS830に移る。
【0265】
ステップS821において、プロセッサ300は、スプリッタ510に、1つの無線チャネル(それを通してパケットを転送する必要があるもの)を選択するように命令する。
【0266】
そのために、スプリッタ510は、その制御下にあるすべてのFIFOからの品質指標情報のような品質指標情報を使用して、どの無線チャネルを通してパケットを転送する必要があるかを、パケット単位で判断する。
【0267】
例として、スプリッタ510は、FIFO長が所与の閾値よりも低い、最良の品質指標情報を有する無線チャネルを選択する。
【0268】
次のステップS822において、パケットは、選択された無線チャネルを通して、移動端末TEをハンドリングする基地局BSへの信号の送信をハンドリングする送信器Txtに転送される。対応するFIFOの長さは、データパケットのサイズだけ増加される。適応パケットが受信器Rxbによって肯定応答されると、対応するFIFOの長さはデータパケットのサイズだけ減少される。
【0269】
その後、プロセッサ300はステップS800に戻る。
【0270】
ステップS830において、プロセッサ300は、パケットが無線インタフェース305を通して受信されたか否かをチェックする。
【0271】
ステップS830において、パケットが受信された場合、プロセッサはステップS831に移る。受信されない場合、プロセッサ300はステップS800に戻る。
【0272】
ステップS831において、プロセッサ300は、その無線チャネル(それを通してパケットを受信したもの)が確立された基地局BSに、受信パケットの肯定応答を転送するように命令する。
【0273】
次のステップS832において、プロセッサ300は、コンバイナ530に、受信パケットを使用してデータフローを再構築するように命令する。
【0274】
その後、プロセッサ300はステップS800に戻る。
【0275】
当然ながら、本発明の範囲から逸脱せずに多くの変更を上述した本発明の実施形態に行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線セルラ通信ネットワークにおいて、第1の通信装置によってデータフローを前記第2の通信装置に転送する方法であって、
前記第1の通信装置および前記第2の通信装置は、無線チャネルを通してリンクされる
方法において、
前記方法は、前記第1の通信装置によって実行される複数のステップとして、
−前記データフローを少なくとも2つのスプリットに分割するステップと、
−前記無線チャネルを通して第1のスプリットを前記第2の通信装置に転送するステップと、
−少なくとも1つの第3の通信装置を経由して少なくとも1つの第2のスプリットを前記第2の通信装置に転送するステップであって、前記第3の通信装置は、無線セルラ通信ネットワークの第1の基地局である、ステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の通信装置が前記無線セルラ通信ネットワークの第2の基地局であり、前記第2の通信装置が移動端末であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
−前記移動端末から、複数の基地局によって転送される信号についての測定報告を受信するステップと、
−前記測定報告から、前記データフローをより多数またはより少数のスプリットに分割する必要があるか否かを判断するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記データフローをより多数のスプリットに分割する必要がある場合、
−前記第2の基地局と第3の基地局との間にリンクを確立するステップであって、前記第3の基地局は、移動端末によって報告される測定値が所与の値よりも大きなものとなる信号を転送したものである、ステップと、
−前記第3の基地局から、前記第3の基地局と前記移動端末との間の無線チャネルに関連する情報を取得するステップと、
−前記無線チャネルに関連する情報を前記移動端末に転送するステップと、
−前記データフローを増加した数のスプリットに分割するステップと、
−前記第3の基地局を経由し前記確立されたリンクを通して、追加スプリットを前記移動端末に転送するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記データフローをより少数のスプリットに分割する必要がある場合、
−前記第2の基地局と前記第1の基地局との間の前記リンクを解放するステップと、
−前記移動端末に、前記第1の基地局と前記移動端末との間の前記無線チャネルに関連する情報を転送するステップと、
−前記データフローを減少した数のスプリットに分割するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
−前記第2の基地局と第1の基地局との間の前記リンクを解放する前に、前記第1の基地局からパケットを受信するステップと、
−前記受信したパケットを前記移動端末に転送するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
−第4の基地局から、前記第2の基地局と前記第4の基地局との間にリンクを確立する要求および別の移動端末との無線チャネルを確立する要求を表すメッセージを受信するステップと、
−前記第2の基地局と前記第4の基地局との間にリンクを確立するステップと、
−前記第2の基地局と前記別の移動端末との間の前記無線チャネルに関連する情報を決定するステップと、
−前記第2の基地局と前記別の移動端末との間に前記無線チャネルを確立するステップと、
−前記第2の基地局と前記別の移動端末との間の前記無線チャネルに関連する情報を前記第4の基地局に転送するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
−前記第2の基地局と前記第4の基地局との間の前記リンクを通して、前記第4の基地局からデータを受信するステップと、
−前記第2の基地局と前記別の移動端末との間に確立された前記無線チャネルを通して、前記第4の基地局から受信した前記データを転送するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
−前記第2の基地局と前記別の移動端末との間に確立された前記無線チャネルを通して、前記別の移動端末からデータを受信するステップと、
−前記第2の基地局と前記第4の基地局との間の前記リンクを通して、前記別の移動端末から受信した前記データを転送するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
−前記第4の基地局から、前記第2の基地局と前記第4の基地局との間のリンクを解放する要求を表すメッセージを受信するステップと、
−前記第4の基地局から受信したデータを、前記第2の基地局と前記別の移動端末との間に確立される前記無線チャネルを通して前記別の移動端末に送信することを停止するステップと、
−前記第2の基地局と前記別の移動端末との間の前記無線チャネルを通して転送されたデータが、前記移動端末によって肯定応答されていないかどうかをチェックするステップと、
−データが肯定応答されていない場合、前記データを前記第4の基地局に転送するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
−前記第2の基地局と前記第4の基地局との間の前記リンクを解放するステップと、
−前記第2の基地局と前記別の移動端末との間の前記無線チャネルを解放するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の通信装置が移動端末であり、前記第2の通信装置が、前記無線セルラ通信ネットワークの第2の基地局であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
−複数の基地局によって転送された信号を測定するステップと、
−前記第2の基地局に、前記測定を表す測定報告を転送するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
−前記移動端末と前記第3の基地局との間にセットアップすべき無線チャネルに関連する情報を含むメッセージを受信するステップと、
−前記移動端末と前記第3の基地局との間に前記無線チャネルを確立するステップと、
−前記データフローを増加した数のスプリットに分割するステップと、
−前記第3の基地局を経由し前記確立された無線チャネルを通して追加スプリットを前記第2の基地局に転送するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
−前記移動端末と前記第1の基地局との間に確立される前記無線チャネルの解放を要求するメッセージを受信するステップと、
−前記移動端末と前記第1の基地局との間に確立された前記無線チャネルを解放するステップと、
−前記データフローを減少した数のスプリットに分割するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、前記第3の基地局と前記移動端末との間の前記無線チャネルを解放する前に実行されるステップとして、
−前記移動端末と前記第1の基地局との間の前記無線チャネルを通して転送されたデータが、前記第1の基地局によって肯定応答されていないかどうかをチェックするステップと、
−別の無線チャネルを通して、前記肯定応答されていないデータを前記第2の基地局に転送するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記データフローが複数のデータパケットに分解されることを特徴とし、かつ、
各スプリットが複数の異なるデータパケットに分解され、各データパケットに、前記データフロー内における前記データパケットの順番を表す情報が記されることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
無線セルラ通信ネットワークにおいて、第1の通信装置によってデータフローを前記第2の通信装置から受信する方法であって、
前記第1の通信装置および第2の通信装置は無線チャネルを通してリンクされる
方法において、
前記方法は、前記第1の通信装置によって実行される複数のステップとして、
−前記無線チャネルを通して前記第2の通信装置から前記データフローの第1のスプリットを受信するステップと、
−第3の通信装置を経由して前記第2の通信装置から前記データフローの第2のスプリットを受信するステップであって、前記第3の通信装置は前記無線セルラ通信ネットワークの第1の基地局である、ステップと、
−前記2つのスプリットから前記データフローを再構築するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
前記データフローが複数のデータパケットに分解され、各データパケットに、前記データフロー内における前記データパケットの順番を表す情報が記されることを特徴とし、かつ、
前記データフローが、前記データフロー内での前記データパケットの順番を表す前記情報を使用して再構築されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の通信装置が前記無線セルラ通信ネットワークの第2の基地局であり、前記第2の通信装置が移動端末であることを特徴とする、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の通信装置が移動端末であり、前記第2の通信装置が前記無線セルラ通信ネットワークの第2の基地局であることを特徴とする、請求項18または19に記載の方法。
【請求項22】
無線セルラ通信ネットワークにおいて、第1の通信装置によってデータフローを前記第2の通信装置に転送する装置であって、
前記第1の通信装置および前記第2の通信装置は、無線チャネルを通してリンクされる
装置において、
前記装置は前記第1の通信装置内に含まれ、
前記装置は、
−前記データフローを少なくとも2つのスプリットに分割する手段と、
−前記無線チャネルを通して第1のスプリットを前記第2の通信装置に転送する手段と、
−少なくとも1つの第3の通信装置を経由して、少なくとも1つの第2のスプリットを前記第2の通信装置に転送する手段であって、前記第3の通信装置は、無線セルラ通信ネットワークの第1の基地局である、手段と
を備えることを特徴とする装置。
【請求項23】
無線セルラ通信ネットワークにおいて、前記第2の通信装置からデータフローを受信する第1の通信装置であって、
前記第1の通信装置および第2の通信装置は、無線チャネルを通してリンクされる
第1の通信装置において、
前記第1の通信装置は、
−前記無線チャネルを通して前記第2の通信装置から前記データフローの第1のスプリットを受信する手段と、
−第3の通信装置を経由して前記第2の通信装置から前記データフローの第2のスプリットを受信する手段であって、前記第3の通信装置は前記無線セルラ通信ネットワークの第1の基地局である、手段と、
−前記2つのスプリットから前記データフローを再構築する手段と
を備えることを特徴とする、第1の通信装置。
【請求項24】
プログラム可能な装置に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがプログラム可能な装置で実行されると、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法のステップを実施する命令またはコードの部分を含む、コンピュータプログラム。
【請求項25】
プログラム可能な装置に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがプログラム可能な装置で実行されると、請求項17〜20のいずれか一項に記載の方法のステップを実施する命令またはコードの部分を含む、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−246966(P2009−246966A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−75455(P2009−75455)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(503163527)ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
【Fターム(参考)】