説明

データ・サービスの課金情報を収集するための装置及びその課金方法

データ・サービスの課金情報を収集するための装置及びその課金方法である。収集装置は、プロトコル・タイプによりワイヤレス・ネットワークにおけるゲートウェイ・サービス・ノードから受信されたサービス・データを分類して、該分類されたデータを、対応のプロトコル・タイプのプロトコル処理モジュールに送り; 該モジュールからサービス・データを受信して、該データを前記ノードに送るためのプロトコル配分処理モジュールと、該モジュールからの分類されたデータを受信し、該データの課金情報を得て課金システムに送り、該データをパケット交換された領域ネットワークに透過的に送信し; 該領域ネットワークからサービス・データを受信し、サービス・データの課金情報を得て課金システムに送り、そして該サービス・データをプロトコル配分処理モジュールに透過的に送信するための少なくとも1つのプロトコル処理モジュールと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス・ネットワークにおけるパケット・データ・サービスの課金情報を収集するための技術に関し、特に、パケット・データ・サービスの課金情報を収集するための装置及びその課金方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス・ネットワークは、それらの早い開発速度でもって、パケット・ベースのネットワークに基づいてデータ・サービスを提供するために利用可能である。ワイヤレス・パケット・ベースのネットワークとインターネットとの一体化は、ワイヤレス・データ・サービスの開発に対して良好な基礎を形成してきた。同時に、持続時間に基づく音声サービスへの課金のようなワイヤレス・ネットワークにおけるサービス課金の伝統的な方式は、もはやデータ・サービスの需要を満足することができない。従って、データ・サービスの課金方式が当該技術分野において焦点となってきている。
【0003】
データ・サービスの課金方式は、量ベースの課金方式、内容ベースの課金方式、応用ベースの課金方式、そして持続時間ベースの課金方式を含む。例えば、マルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)は、内容によって課金され、すなわち、フローの量に無関係に各メッセージ片によって課金される。もう1つの例では、ストリーム・メディア・ビデオ・サービスは、フローの実際の量に従って課金され得、もしくは内容によっても課金され得る。
【0004】
しかしながら、現在では、課金情報の収集点は、概して、サービングGPRSサボート・ノード(SGSN)、ゲートウェイGPRSサポート・ノード(GGSN)、ワイヤレス・アクセス・プロトコル・ゲートウェイ(WAP GW)、及びサービス・サーバを含め、種々の装置に関わる。代表的には、サービスの量の課金情報は、SGSNまたはGGSNにおいて収集され、それは、サービス・コントロール・ポイント(SCP)に送られるかまたは価格控除及び荷役料金(ターミナル・チャージ)のために他の課金装置に送られる。他方、内容、応用または持続時間の課金情報は、サービス・サーバにおいて収集されて、SCPに送られるかまたは価格控除及び荷役料金(ターミナル・チャージ)のために他の課金装置に送られる。
【0005】
結果として、課金システムは、複数の収集点から送られてくる課金情報を受信しなければならず、このことは、課金システムのための課金において困難性を生じ得、度重なる課金も生じ得る。
【0006】
度重なる課金の原因は、以下の通りである。GGSNが収集する量の課金情報は、データ・サービスの国際移動加入者アイデンティティ(IMSI)、移動加入者ISDN番号(MSISDN)、及びアクセス・ポイント・ネーム(APN)だけを含み、サービス・クラスには関わらず、すなわち、それは、データ・サービスを識別するためにあるユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)に関わらない。データ・サービスのサービス・クラスは、どの種類の課金方式が課金のためのサービス・データに適用されるべきであるかを識別するために、課金システムのためのインジケータとして用いられる。サービス・データの内容、応用、または持続時間の課金情報がサービス・サーバにおいて収集されてしまい、それが、収集された情報に基づいて課金されてしまったとき、量ベースの課金は、このサービス・クラスのサービス・データ上では、再度行われるべきではない。しかしながら、GGSNがこのサービス・データのサービス・クラスをピックアップできないので、それは、内容、応用または持続時間に基づいて課金されてしまったデータ・サービスに対して量ベースの課金をさらに行うであろう。従って、内容、応用または持続時間に基づいて課金されてしまったデータ・サービスは、第2の時間の間課金される。
【0007】
従って、ワイヤレス・ネットワークにおける収集装置内で異なったサービス・クラスのデータ・サービスの課金情報に対して統一された収集を如何に履行するかに関する解決法が切に必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述に鑑みて、本発明は、サービス・データの課金情報が収集装置によってすべて収集されて、対応の方式により課金のために課金システムに送られ得るような、データ・サービスの課金情報の収集装置を提供するものである。
【0009】
他方、本発明は、種々のサービス・クラスのデータ・サービスに如何に課金するか及び度重なる課金を如何に阻止するかに関する問題を解決することができる、ワイヤレス・ネットワークにおけるデータ・サービスのための課金方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的に基づいて、本発明により提供される技術的機構は、以下のように履行される。
【0011】
データ・サービスの課金情報を収集するためにワイヤレス・ネットワークにおいて適用される収集装置であって、該収集装置は、プロトコル配分処理モジュール及び1つまたは複数のプロトコル処理モジュールを備え、その各々は、プロトコル・タイプに対応する。ここに、
前記プロトコル配分処理モジュールは、サービスのプロトコル・タイプによりワイヤレス・ネットワークにおけるゲートウェイ・サービス・ノードから受信されたサービス・データを分類して、該分類されたサービス・データを、対応のプロトコル・タイプのプロトコル処理モジュールに送り; 前記1つまたは複数のプロトコル処理モジュールからサービス・データを受信し、そしてサービス・データをゲートウェイ・サービス・ノードに送り;
前記1つまたは複数のプロトコル処理モジュールは、プロトコル配分処理モジュールからの分類されたサービス・データを受信し、サービス・データの課金情報を得て該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをパケット交換された領域ネットワークに透過的に送信し; パケット交換された領域ネットワークからサービス・データを受信し、サービス・データの課金情報を得て該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをプロトコル配分処理モジュールに透過的に送信する。
【0012】
前記収集装置は、ワイヤレス・ネットワークのゲートウェィ・サービス・ノードと、パケット交換される領域ネットワークとの間のGiインターフェース上に位置する。
【0013】
収集装置は、ワイヤレス・ネットワークのゲートウェィ・サービス・ノードに、または、ワイヤレス・ネットワークのワイヤレス・アプリケーション・プロトコル・ゲートウェィに一体化される。
【0014】
前記プロトコル処理モジュールは、
プロトコル配分処理モジュールからのハイパー・テキスト・トランスファー・プロトコル(HTTP)サービス・データを受信し、サービス・データの課金情報を得て該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをパケット交換された領域ネットワークに透過的に送信し; パケット交換された領域ネットワークからHTTPサービス・データを受信し、サービス・データの課金情報を得て該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをプロトコル配分処理モジュールに透過的に送信する、ためのハイパー・テキスト・トランスファー・プロトコル(HTTP)処理モジュール、
または/及び
プロトコル配分処理モジュールからのワイヤレス・アプリケーション・プロトコル(WAP)サービス・データを受信し、サービス・データの課金情報を得て該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをパケット交換された領域ネットワークに透過的に送信し; パケット交換された領域ネットワークからWAPサービス・データを受信し、サービス・データの課金情報を得て該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをプロトコル配分処理モジュールに透過的に送信する、ためのワイヤレス・アプリケーション・プロトコル(WAP)処理モジュール、
または/及び
プロトコル配分処理モジュールからの送信制御プロトコル/インターネット・プロトコル(TCP/IP)サービス・データを受信し、サービス・データの課金情報を得て該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをパケット交換された領域ネットワークに透過的に送信し; パケット交換された領域ネットワークからTCP/IPサービス・データを受信し、サービス・データの課金情報を得て該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをプロトコル配分処理モジュールに透過的に送信する、ための送信制御プロトコル/インターネット・プロトコル(TCP/IP)処理モジュール、
または/及び
プロトコル配分処理モジュールからの実時間プロトコル/実時間セッション・プロトコル(RTP/RTSP)サービス・データを受信し、サービス・データの課金情報を得て該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをパケット交換された領域ネットワークに透過的に送信し; パケット交換された領域ネットワークからRTP/RTSPサービス・データを受信してサービス・データの課金情報を得、該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをプロトコル配分処理モジュールに透過的に送信する、ための実時間プロトコル/実時間セッション・プロトコル(RTP/RTSP)処理モジュール、
を備える。
【0015】
課金情報は、少なくとも、サービス・データを受信するための時刻及び日付と、サービス・データを受信するための移動ステーション(MS)の番号及びパスワードと、サービス・データによって採用されるプロトコル・タイプと、サービス・データのインターネット・プロトコル(IP)ポート番号と、アクセス・ポイント・ネーム(APN)と、サービスの品質(QoS)と、アップリンクまたはダウンリンクのサービス・データの送信されるバイトとを含む。
【0016】
プロトコル処理モジュールがHTTP処理モジュールであるとき、前記課金情報は、さらに、ユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)を含む。
【0017】
プロトコル・タイプによるサービス・データの前記分類は、サービス・データのIPポート番号に従って分類を行うことを含む。
【0018】
ワイヤレス・ネットワークにおけるデータ・サービスのための課金方法であって、該方法は、
A. 受信されたサービス・データのプロトコル・タイプを決定し、かつサービス・データのプロトコル・タイプについて、受信されたサービス・データを分類し、
B. それぞれ、プロトコル・タイプに従って分類されてしまった受信されたサービス・データの課金情報を得、かつ該得られた課金情報を課金のために課金システムに送る、
ことを含む。
【0019】
サービス・データの前記プロトコル・タイプは、HTTP、または/及びWAP、または/及びTCP/IP、または/及びRTP/RTSPである。
【0020】
課金情報は、サービス・データを受信するための時刻及び日付と、サービス・データを受信するための移動ステーション(MS)の番号及びパスワードと、サービス・データによって採用されるプロトコル・タイプと、サービス・データのインターネット・プロトコル(IP)ポート番号と、アクセス・ポイント・ネーム(APN)と、サービスの品質(QoS)と、アップリンクまたはダウンリンクのサービス・データの送信されるバイトとを含み、そして
プロトコル処理モジュールがHTTP処理モジュールであるとき、前記課金情報は、さらに、URLを含む。
【0021】
ステップBにおける課金システムにサービス・データの課金情報を送る前記手順は、
サービス・データにアクセスすることを望むMSがプリペイド・ユーザであるか否かを決定し、もし、プリペイド・ユーザならば、課金のためにプリペイド課金システムにサービス・データの課金情報を転送し、もし、プリペイド・ユーザでないならば、課金のために実時間課金システムにサービス・データの課金情報を転送することを含む。
【0022】
ステップBにおける課金の前記手順は、
サービス・データが課金情報に従って課金されたか否かを決定し、もし、課金情報に従って課金されたならば、この課金情報にそれ以上の処理を実行せず、もし、課金情報に従って課金されなかったならば、課金情報に従ってサービス・データのための課金を行うことを含む。
【発明の効果】
【0023】
上述のことから分かるように、本発明によれば、データ・サービスの課金情報を収集するための装置は、GGSN及びパケット・ベースのネットワーク間に追加される。収集される課金情報は、データ・サービスの量及び持続時間並びにサービス・データのサービス・クラスのような、サービス・データの量、内容、持続時間及び応用(アプリケーション)の課金方式の全ての情報を含む。データ・サービスの課金情報の収集装置は、そのプロトコル・タイプに従ってサービス・データを分類し、異なったプロトコル処理モジュールにおいて異なったプロトコル・タイプのサービス・データを処理し、課金のために異なったサービス・データの課金データ・レコード(CDR)情報を得、そしてCDR情報に基づいてプリペイド課金システムまたは実時間課金システムにおける対応のデータ・サービスを課金する。従って、本発明の収集装置及び方法は、対応の課金方式において課金するために課金システムに情報を送るように、データ・サービスの課金情報の均一な収集を履行することができる。
【0024】
本発明の装置によって収集される課金情報は、サービス・データのサービス・クラスを含むので、たとえ、課金システムが、他のサービス・サーバによって収集された内容の課金情報に基づいてサービスに課金してしまったとしても、課金システムは、なお、サービス・データのサービス・クラスを分別することができ、そして本発明の装置によって収集された課金情報に基づいてサービス・データを認識することができ、従って、それ以上の課金は行われない。結果的に、現存するワイヤレス・ネットワークに度重なる課金を行うという問題も、本発明によって解決することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の目的、技術的解決法及び利点を明瞭にするために、本発明のさらなる詳細な説明が添付図面を参照して以下に与えられる。
【0026】
本発明において、データ・サービスの課金情報を収集するための装置が、GGSNと、パケット交換される領域ネットワーク(PS domain network)との間に接続されている。図1は、本発明によるワイヤレス・ネットワークにおけるサービス・データの量情報を収集するためのシステム・アーキテクチャを示す図である。図1に示されるように、移動ステーション(MS)は、ベース・ステーション・サブシステム(BSS)を介してSGSNにアクセスする。移動交換センタ(MSC)、HLR、及び設備アイデンティティ・レジスタ(EIR)の助けにより、SGSNは、どのGGSNがMSによりアクセスされるべきかの決定を行って、該アクセスを行い、GGSNは、どのパケット交換される領域ネットワークがMSによってアクセスされるべきかをHLRを介して決定し、適切なパケット交換される領域ネットワークにMSのためのアクセスを履行する。このシステムの外側インターフェースは、種々のサービス・サーバから成り、サービス・サーバは、種々のクラスのサービス・データの、内容、持続時間または応用課金情報を収集するために、異なった点において、例えば、GGSNまたはSGSNにおいて配置され得る。データ・サービスの課金情報がこのMSのために収集されるとき、PROXY装置が、GGSNのGiインターフェースと、パケット交換される領域ネットワークとの間に追加され、ここに、PROXY装置は、MSがアクセスするサービス・データのCDR情報を収集する。CDR情報によれば、サービス・データのクラスに関する正確な分別(デファレンシエーション)が作られ得、そしてサービス・データの課金情報が得られるであろう。CDR情報に関する分析を通して得られるサービス・データ・クラス及びその課金情報は、課金動作のための実時間課金システムまたはプリペイド(前払い)課金システムに送られる。MSC、HLR、及びEIRのSGSNとの相互動作は、信号送信(signaling)システム第7(SS7)によって行われ、HLR及びSCPのGGSNとの相互動作は、SS7を介して履行され、プリペイド課金システム(prepaid charging system)及び実時間課金システム(real-time charging system)のPROXY装置との相互動作は、IPを用いて行われ、SGSN及びGGSN間の相互動作は、IPバックボーン(IP Backbone)に基づいている。
【0027】
PROXY装置の詳細な構造は、図2に示されており、プロトコル配分処理モジュール(protocol distribution processing module)200、HTTP処理モジュール201、WAP処理モジュール203、TCP/IP処理モジュール205、RTP/RTSP処理モジュール207、及びプロトコル処理モジュール209を備えている。
【0028】
パケット交換される領域ネットワークからのサービス・データは、プロトコル・タイプのIPポート番号に従って、異なったプロトコル処理モジュールに送られ、例えば、INTERNET202からのサービス・データは、HTTP処理モジュール201に送られ、WAP GW204からのサービス・データは、WAP処理モジュール203に送られ、APP(アプリケーション)サーバ206からのサービス・データは、TCP/IP処理モジュール205に送られ、そして、ストリーム・メディア・サーバ208からのサービス・データは、RTP/RTSP処理モジュール207に送られる。異なったプロトコル・モジュールは、それぞれ、対応のプロトコル・タイプのサービス・データのための処理を行い、そのサービス・データのCDR情報を得る。その後、サービス・データは、プロトコル配分処理モジュール200及びGGSN210を介して適切なMSに透過的(トランスペアレント)に送信される。MSがプリペイド加入者であるとき、サービス・データの得られたCDR情報は、プリペイド課金システムに送られ、MSが実時間で課金される加入者であるとき、サービス・データの得られたCDR情報は、実時間の課金システムに送られる。
【0029】
MSからのサービス・データは、GGSN210を介してプロトコル配分処理モジュール200に送られ、該モジュール200は、サービス・データのプロトコル・タイプのIPポート番号に従って処理するためにその対応のプロトコル処理モジュールにサービス・データを配分し、適切なパケット交換される領域ネットワークにその対応のプロトコル処理モジュールを介してサービス・データを透過的に送信する前に、サービス・データのCDR情報を得る。プリペイド課金システムまたは実時間課金システムは、次に、サービス・データのCDR情報に従ってMSのための課金を行う。
【0030】
収集装置のプロトコル配分モジュールにおいて、異なったアプリケーション・レイヤ・プロトコルに基づくサービス・データは、サービス・データのプロトコルにおいて運ばれるIPポート番号を通して識別され得、例えば、HTTPのポート番号は、80である。
【0031】
HTTPまたはWAPがアプリケーション・レイヤ・トランスファ・プロトコルとして用いられるとき、サービス・データの訪問されたURLは、サービス・クラスのアイデンティティとしてPROXY装置において収集され得る。例えば、HTTPのURLが、www.mmsc.com.cn としてセットされるとき、サービス・データのサービス・クラスは、MMSサービスのデータとして認識され、かつ量ベースの課金システムは、MMSサービスのモード(方式)によってサービス・データを課金し; HTTPのURLが、www.kjava.com.cn としてセットされるとき、サービス・データのサービス・クラスは、KJAVAサービスのデータとして認識され、かつ量ベースの課金システムは、KJAVAサービスのモード(方式)によってサービス・データを課金する。
【0032】
装置の物理的な搬体(キャリア)は、ミニコンピュータまたはワークステーション、等であって良い。PROXY装置は、GGSNに一体化されて良いが、Giインターフェースのデータ・ストリームがPROXY装置を介して透過的に送信され得るように、GGSNとINTERNETとの間のGiインターフェース上に位置されなければならない。PROXY装置も、WAP GWに一体化され得る。
【0033】
図3は、本発明におけるPROXY装置によりサービス・データに量ベースで課金するフローチャートであるが、該図3に示されるように、特定の手順は、以下のステップを含む。
【0034】
ステップ300: サービス・データの量に関する統計量を収集するとき、IPレイヤの送信ポート番号についてサービス・データの送信レイヤのベアラ(bearer)・プロトコルを決定する;
【0035】
ステップ301〜302: サービス・データのポート番号がPORT1であるならば、すなわち、サービス・データの送信レイヤのベアラ・プロトコルがRTP/RTSPプロトコルであるならば、サービス・データのCDR情報は、RTP/RTSP処理モジュールによってピックアップされ、次に、ステップ309が実行される。CDR情報は、サービス・データの送信がスタートしたときの日付及び時刻と、サービス・データを受信しかつ送るためのMSISDNと、IMSIと、サービス・データ送信制御プロトコル/ユーザ・データグラム・プロトコル(TCP/UDP)のトランスポート・プロトコルと、サービス・データを受信しかつ送るためのMSのIPアドレス及びポート番号と、APNと、認可されたQoSと、送信されるバイトのアップリンク番号と、送信されるバイトのダウンリンク番号と、を含む。
【0036】
ステップ303〜304: サービス・データのポート番号がPORT2であるならば、すなわち、サービス・データの送信レイヤのベアラ・プロトコルが、HTTPプロトコルであるならば、サービス・データのCDR情報は、HTTP処理モジュールによって抽出され、そして、ステップ309が実行される。CDR情報は、サービス・データの送信がスタートしたときの日付及び時刻と、サービス・データを受信しかつ送るためのMSISDNと、IMSIと、サービス・データ−HTTPのトランスポート・プロトコルと、URLと、GGSN IPアドレスと、SGSN IPアドレスと、送信されるバイトのアップリンク番号と、送信されるバイトのダウンリンク番号と、を含む。
【0037】
ステップ305〜306: サービス・データのポート番号がPORT3であるならば、すなわち、サービス・データの送信レイヤのベアラ・プロトコルが、WAPプロトコルであるならば、サービス・データのCDR情報は、RTP/RTSP処理モジュールによって取り込まれ、そして、次に、ステップ309が実行される。CDR情報は、ステップ301及び302における情報と同じである。
【0038】
ステップ307〜308: サービス・データのポート番号がPORT4であるならば、すなわち、サービス・データの送信レイヤのベアラ・プロトコルが、もう1つのプロトコルであるならば、サービス・データのCDR情報は、他の処理モジュールによってピックアップされ、そして、次に、ステップ309に行く。CDR情報は、ユーザの需要に従って構成され得る。
【0039】
ステップ309: サービス・データを受信しかつ送るためのMSがプリペイド・ユーザであるか否かを決定し、プリペイド・ユーザであるならば、ステップ310に行き、そうでないならば、ステップ311に行く。
【0040】
ステップ310: PROXY装置は、該PROXY装置とプリペイド課金システムとの間の実時間インターフェースを介してプリペイド課金システムにサービス・データのCDR情報を伝達する。プリペイド課金システムは、CDR情報に従ってサービス・データを受信しかつ送るMSのために課金を履行し、ステップ312に行く。
【0041】
ステップ311: PROXY装置は、該PROXY装置と実時間課金システムとの間の実時間インターフェースを介して実時間課金システムにサービス・データのCDR情報を転送する。実時間課金システムは、CDR情報に従ってサービス・データを受信しかつ送るMSのために課金を達成し、ステップ312に行く。
【0042】
実時間課金システムまたはプリペイド課金システムは、サービス・データのプロトコル・タイプに従って異なった課金方式(モード)をプリセットする。実時間課金システムまたはプリペイド課金システムが、DR情報についてMSによって受信されかつ送信されるサービス・データを課金するとき、課金システムは、CDR情報から受信されかつ送られたサービス・データのプロトコル・タイプを学習し、それにより、このプロトコル・タイプのサービス・データがどの課金方式(モード)を課金されるべきかを知って、それをこの方式によって課金する。例えば、HTTPサービスは、メッセージのピース(断片)によって課金される。MSがサービス・データを受信するもしくは送るとき、PROXY装置は、サービス・データを取得し、そして、サービス・データのプロトコル・タイプを含むサービス・データのCDR情報を収集する。サービス・データのプロトコルがHTTPであると仮定すると、実時間課金システムまたはプリペイド課金システムにサービス・データのCDR情報を送った後、実時間またはプリペイド課金システムは、CDR情報からサービス・データのクラスを学習し、そして、サービス・データがプリセットに従ってメッセージのピースによって課金されるべきであるということを知る。次に、課金システムは、量ベースの課金勘定(ビル)ではなくむしろサービス・データによって発生される内容ベースの課金勘定(ビル)に従って課金するであろう。
【0043】
実時間課金システムまたはプリペイド課金システムは、また、サービス・クラスまたはサービス・データのURLに従って異なった課金方式(モード)をプリセットし得る。PROXY装置によって収集されたサービス・データのCDR情報が課金システムに送られるとき、実時間またはプリペイド課金システムは、CDR情報に従って課金を行うであろう。サービス・データのクラスが内容ベースの課金として限定されるとき、サービス・データは、発生された内容ベースの課金勘定(ビル)に従って課金され; サービス・データのクラスが量ベースの課金として限定されるとき、サービス・データは、発生された量ベースの課金勘定(ビル)に従って課金される。
【0044】
サービス・サーバが或るサービス・データの情報を収集して、実時間またはプリペイド課金システムにおける価格を控除した場合には、実時間またはプリペイド課金システムは、PROXY装置によって取得されたサービス・データが、PROXY装置によって収集されたサービス・データのCDR情報に従ってサービス・サーバによって取得されたサービス・データと同じであるということに気づき、そして、PROXY装置によって取得されたサービス・データに対する価格をもはや控除しないであろう。
【0045】
実時間またはプリペイド課金システムが、いかにして、異なったサービス・データを課金するかは、前以ってセットされるものであり、本発明は、サービス・データを収集するための装置を単に提供するだけである。収集装置は、サービス・データのための課金情報を集めて、CDR情報を形成する。サービス・データのCDR情報は、実時間またはプリペイド課金システムによって必要とされるサービス・データのすべての課金情報を含み、それは、実時間課金システムが同じサービス・データを2回課金するのを阻止する。
【0046】
実時間課金システムは、サービス・データの価格を実時間で計算して、或る時間後にその価格を課金し、他方、プリペイド課金システムは、プリペイドされた金銭でもって前以ってプリペイド・ユーザのための口座(account)をセットして記憶し、そしてその口座からサービス・データの価格を控除するもしくは差し引く(deduct)。
【0047】
ステップ312: サービス・データ・フローに従って適切なMSに対して控除または荷役料金(ターミナル・チャージ)を行う間、PROXY装置は、GGSN及びSGSNを介して適切なMSに送られるサービス・データを透過的に送信する。
【0048】
以後、この発明のための一実施形態を説明し、例えば、MSがHTTPプロトコルにより、www.sina.com.cn/entertainment.html をブラウズ(閲覧)するとき、PROXY装置にアクセスするIPポートの番号はIPレイヤを介して80として検出され、従って、サービス・データのプロトコル・タイプはHTTPであるということが知られ、そしてHTTPプロトコルに対する量ベースの課金レート(charging rate)が採用される。もし、それがURLに基づく課金として限定されるならば、課金は、特定のアクセスされたURLのレートに従って行われるであろう。もし、それがQoSに基づく課金として限定されるならば、課金レートは、QoSと共に変わる。
【0049】
本発明は、サービス・データに対して正確に課金することを可能とし、このことは、サービス・データに対する課金需要に叶うものであり、かつ現存のワイヤレス・ネットワークにおいてサービス・データに対する度重なる課金を阻止するための解決法を提供し、従って、ネットワークのオペレータに対してパケット・データ・サービスを良好に促進し、ユーザの消費を奨励し、そして一層の企業利益を創成する。本発明は、データ・サービスの種々のクラスに対して1つだけまたは2、3のAPNによる正確な課金に対する解決法を提供する。プリペイド・ユーザのサービス・データに関しては、本発明は、SCPとのインターフェース上に支援(サポート)を提供することにより、実時間の控除並びにプリペイド課金方式における課金の問題を解決する。本発明により提供される装置は、拡張可能なものとして特徴付けられ、応用(アプリケーション)レイヤ・プロトコルの新しいタイプが加えられたとき、プロトコル配分処理モジュールのようなモジュールには何等変更が行われず、新しいプロトコル・タイプのための処理及び収集モジュールだけが加えられる。
【0050】
上述の内容は、本発明の好適な実施形態を説明するためだけにあり、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。本発明の精神及び原理から逸脱することなく行なわれるいかなる変更、均等物置換、または改良は、本発明の保護範囲によって包摂されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明によるワイヤレス・ネットワークにおけるサービス・データの量情報を収集するためのシステム・アーキテクチャを示す図である。
【図2】本発明によるPROXY装置の詳細構造を示す図である。
【図3】本発明による、PROXY装置によってサービス・データ上への量ベースの課金を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
200 プロトコル配分処理モジュール
201 HTTP処理モジュール
202 INTERNET
203 WAP処理モジュール
204 WAP GW
205 TCP/IP処理モジュール
206 APP(アプリケーション)サーバ
207 RTP/RTSP処理モジュール
208 ストリーム・メディア・サーバ
209 プロトコル処理モジュール
210 GGSN

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ・サービスの課金情報を収集するためにワイヤレス・ネットワークにおいて適用される収集装置であって、プロトコル配分処理モジュール及び1つまたは複数のプロトコル処理モジュールを備え、その各々は、プロトコル・タイプに対応し、ここに、
前記プロトコル配分処理モジュールは、サービスのプロトコル・タイプによりワイヤレス・ネットワークにおけるゲートウェイ・サービス・ノードから受信されたサービス・データを分類して、該分類されたサービス・データを、対応のプロトコル・タイプのプロトコル処理モジュールに送り; 前記1つまたは複数のプロトコル処理モジュールからサービス・データを受信し、そしてサービス・データをゲートウェイ・サービス・ノードに送り;
前記1つまたは複数のプロトコル処理モジュールは、プロトコル配分処理モジュールからの分類されたサービス・データを受信し、サービス・データの課金情報を得て該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをパケット交換された領域ネットワークに透過的に送信し; パケット交換された領域ネットワークからサービス・データを受信し、サービス・データの課金情報を得て該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをプロトコル配分処理モジュールに透過的に送信する、
ものである収集装置。
【請求項2】
前記収集装置は、ワイヤレス・ネットワークのゲートウェィ・サービス・ノードと、パケット交換される領域ネットワークとの間のGiインターフェース上に位置する請求項1に記載の収集装置。
【請求項3】
収集装置は、ワイヤレス・ネットワークのゲートウェィ・サービス・ノードに、または、ワイヤレス・ネットワークのワイヤレス・アプリケーション・プロトコル・ゲートウェィに一体化される請求項1に記載の収集装置。
【請求項4】
前記プロトコル処理モジュールは、
プロトコル配分処理モジュールからのハイパー・テキスト・トランスファー・プロトコル(HTTP)サービス・データを受信し、サービス・データの課金情報を得て該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをパケット交換された領域ネットワークに透過的に送信し; パケット交換された領域ネットワークからHTTPサービス・データを受信し、サービス・データの課金情報を得て該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをプロトコル配分処理モジュールに透過的に送信する、ためのハイパー・テキスト・トランスファー・プロトコル(HTTP)処理モジュール、
または/及び
プロトコル配分処理モジュールからのワイヤレス・アプリケーション・プロトコル(WAP)サービス・データを受信し、サービス・データの課金情報を得て該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをパケット交換された領域ネットワークに透過的に送信し; パケット交換された領域ネットワークからWAPサービス・データを受信し、サービス・データの課金情報を得て該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをプロトコル配分処理モジュールに透過的に送信する、ためのワイヤレス・アプリケーション・プロトコル(WAP)処理モジュール、
または/及び
プロトコル配分処理モジュールからの送信制御プロトコル/インターネット・プロトコル(TCP/IP)サービス・データを受信し、サービス・データの課金情報を得て該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをパケット交換された領域ネットワークに透過的に送信し; パケット交換された領域ネットワークからTCP/IPサービス・データを受信し、サービス・データの課金情報を得て該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをプロトコル配分処理モジュールに透過的に送信する、ための送信制御プロトコル/インターネット・プロトコル(TCP/IP)処理モジュール、
または/及び
プロトコル配分処理モジュールからの実時間プロトコル/実時間セッション・プロトコル(RTP/RTSP)サービス・データを受信し、サービス・データの課金情報を得て該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをパケット交換された領域ネットワークに透過的に送信し; パケット交換された領域ネットワークからRTP/RTSPサービス・データを受信してサービス・データの課金情報を得、該課金情報を課金システムに送り、そして該サービス・データをプロトコル配分処理モジュールに透過的に送信する、ための実時間プロトコル/実時間セッション・プロトコル(RTP/RTSP)処理モジュール、
を備える請求項1に記載の収集装置。
【請求項5】
課金情報は、少なくとも、サービス・データを受信するための時刻及び日付と、サービス・データを受信するための移動ステーション(MS)の番号及びパスワードと、サービス・データによって採用されるプロトコル・タイプと、サービス・データのインターネット・プロトコル(IP)ポート番号と、アクセス・ポイント・ネーム(APN)と、サービスの品質(QoS)と、アップリンクまたはダウンリンクのサービス・データの送信されるバイトとを含む請求項1に記載の収集装置。
【請求項6】
プロトコル処理モジュールがHTTP処理モジュールであるとき、前記課金情報は、さらに、ユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)を含む請求項5に記載の収集装置。
【請求項7】
プロトコル・タイプによるサービス・データの前記分類は、サービス・データのIPポート番号に従って分類を行うことを含む請求項1に記載の収集装置。
【請求項8】
ワイヤレス・ネットワークにおけるデータ・サービスのための課金方法であって、
A. 受信されたサービス・データのプロトコル・タイプを決定し、かつサービス・データのプロトコル・タイプについて、受信されたサービス・データを分類し、
B. それぞれ、プロトコル・タイプに従って分類されてしまった受信されたサービス・データの課金情報を得、かつ該得られた課金情報を課金のために課金システムに送る、
ことを含む方法。
【請求項9】
サービス・データの前記プロトコル・タイプは、HTTP、または/及びWAP、または/及びTCP/IP、または/及びRTP/RTSPである請求項8に記載の方法。
【請求項10】
課金情報は、サービス・データを受信するための時刻及び日付と、サービス・データを受信するための移動ステーション(MS)の番号及びパスワードと、サービス・データによって採用されるプロトコル・タイプと、サービス・データのインターネット・プロトコル(IP)ポート番号と、アクセス・ポイント・ネーム(APN)と、サービスの品質(QoS)と、アップリンクまたはダウンリンクのサービス・データの送信されるバイトとを含み、そして
プロトコル処理モジュールがHTTP処理モジュールであるとき、前記課金情報は、さらに、URLを含む請求項8に記載の方法。
【請求項11】
ステップBにおける課金システムにサービス・データの課金情報を送る前記手順は、
サービス・データにアクセスすることを望むMSがプリペイド・ユーザであるか否かを決定し、もし、プリペイド・ユーザならば、課金のためにプリペイド課金システムにサービス・データの課金情報を転送し、もし、プリペイド・ユーザでないならば、課金のために実時間課金システムにサービス・データの課金情報を転送することを含む請求項8に記載の方法。
【請求項12】
ステップBにおける課金の前記手順は、
サービス・データが課金情報に従って課金されたか否かを決定し、もし、課金情報に従って課金されたならば、この課金情報にそれ以上の処理を実行せず、もし、課金情報に従って課金されなかったならば、課金情報に従ってサービス・データのための課金を行うことを含む請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−511936(P2007−511936A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537037(P2006−537037)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【国際出願番号】PCT/CN2004/001224
【国際公開番号】WO2005/043811
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(504277388)▲ホア▼▲ウェイ▼技術有限公司 (220)
【Fターム(参考)】