説明

データ再生装置、データ記録システム、データ再生方法、及びデータ再生プログラム

【課題】データ記録の際、ユーザの利便性を向上させること。
【解決手段】データの再生を行う再生部34と、ポータブル再生記録装置2との間で通信を行う通信部35と、再生部34により再生されたデータを前記データ記録装置に記録させる際、前記データ記録装置に記録する記録データを特定する記録データ特定情報と前記データの再生及び記録を停止する停止指示情報とを通信部35を介してポータブル再生記録装置2から受信すると、記録データ特定情報に基づいて、記録データ特定情報に対応するデータの再生が終了したか否かを判別し、記録データ特定情報に対応するデータの再生が終了したと判別した場合、再生部34によるデータの再生を停止させ、データの記録の停止を実行する記録停止実行指示情報をポータブル再生記録2に通信部34を介して送信させるオーディオ装置制御部31と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ再生装置、データ記録システム、データ再生方法、及びデータ再生プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光情報記録媒体であるMD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)等の楽曲データ(データ)の再生を行うデータ再生装置と、当該データの記録を行うデータ記録装置と、を備えたデータ記録システムが知られている。
当該データ記録システムにおいて、再生装置で実行されるデータ再生動作と記録装置で実行されるデータ記録動作とを同期させる技術が知られている。また、記録するデータを再生装置側でプログラム再生してプログラム順に記録する技術も知られている。
【0003】
また、録音動作の一時停止の直前に所定時間の無音情報の録音を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、4極のステレオミニプラグケーブルを介して音楽機器と外部機器とが通信接続された可変量調整システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。当該可変量調整システムでは、音量やイコライザ等の可変量を4極のステレオミニプラグケーブルを介して制御することにより、当該可変量を音楽機器、外部機器の両機器で共に設定できる。
【特許文献1】特開平5−114276号公報
【特許文献2】特開2006−339848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術では、ユーザによりデータの記録停止指示の入力があると、データの記録停止が即実行されていた。したがって、ユーザは、所望するデータの記録が終了するのを待った上で、記録停止指示の入力を行う必要があった。すなわち、データ記録の際、ユーザの利便性が悪いという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、データ記録の際、ユーザの利便性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明のデータ再生装置は、
外部から入力されるデータを再生し、当該再生したデータをデータ記録装置に送信するデータ再生装置であって、
前記データの再生を行う再生部と、
前記データ記録装置との間で通信を行う第1の通信部と、
前記再生部により再生されたデータを前記データ記録装置に記録させる際、前記データ記録装置に記録する記録データを特定する記録データ特定情報と前記データの再生及び記録を停止する停止指示情報とを前記第1の通信部を介して前記データ記録装置から受信すると、前記記録データ特定情報に基づいて、前記記録データ特定情報に対応するデータの再生が終了したか否かを判別し、前記記録データ特定情報に対応するデータの再生が終了したと判別した場合、前記再生部による前記データの再生を停止させ、前記データの記録の停止を実行する記録停止実行指示情報を前記データ記録装置に前記第1の通信部を介して送信させる第1の制御部と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のデータ再生装置において、
前記記録データ特定情報は、
前記再生部により再生されるデータ数、及び/または、前記データの付加情報に基づく情報である。
【0008】
請求項3に記載の発明のデータ記録システムは、
請求項1に記載のデータ再生装置と、
前記データ再生装置と通信接続されたデータ記録装置と、を備え、
前記データ記録装置は、
データを記録媒体に記録させる記録部と、
前記記録媒体に記録する記録データを特定する記録データ特定情報と前記データの再生及び記録を停止する停止指示情報とを受け付ける指示部と、
前記データ再生装置との間で通信を行う第2の通信部と、
前記第2の通信部を介して、前記指示部により受け付けられた記録データ特定情報と前記停止指示情報とを前記データ記録装置に送信させ、前記データ記録装置から前記データの記録の停止を実行する記録停止実行指示情報を受信すると、前記記録部による前記データの記録を停止させる第2の制御部と、を備える。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のデータ記録システムにおいて、
前記第1の制御部は、
前記記録データ特定情報に対応するデータの再生が終了していないと判別した場合、前記第1の通信部を介して、前記記録データ特定情報に対応するデータの記録を継続する継続指示情報を前記データ記録装置に送信させ、
前記第2の制御部は、
前記第2の通信部を介して、前記継続指示情報を前記データ記録装置から受信すると、前記記録部に前記記録データ特定情報に対応するデータの記録を継続させる。
【0010】
請求項5に記載の発明のデータ再生方法は、
データの再生を行う再生部により再生されたデータを当該データの記録を行うデータ記録装置に記録させる際、前記データ記録装置に記録する記録データを特定する記録データ特定情報と前記データの再生及び記録を停止する停止指示情報とを前記データ記録装置との間で通信を行う通信部を介して前記データ記録装置から受信すると、前記記録データ特定情報に基づいて、前記記録データ特定情報に対応するデータの再生が終了したか否かを判別し、前記記録データ特定情報に対応するデータの再生が終了したと判別した場合、前記再生部による前記データの再生を停止させ、前記データの記録の停止を実行する記録停止実行指示情報を前記データ記録装置に前記通信部を介して送信させる制御工程と、を含む。
【0011】
請求項6に記載の発明のデータ再生プログラムは、
コンピュータを、
データの再生を行う再生部、
前記データの記録を行うデータ記録装置との間で通信を行う通信部、
前記再生部により再生されたデータを前記データ記録装置に記録させる際、前記データ記録装置に記録する記録データを特定する記録データ特定情報と前記データの再生及び記録を停止する停止指示情報とを前記通信部を介して前記データ記録装置から受信すると、前記記録データ特定情報に基づいて、前記記録データ特定情報に対応するデータの再生が終了したか否かを判別し、前記記録データ特定情報に対応するデータの再生が終了したと判別した場合、前記再生部による前記データの再生を停止させ、前記データの記録の停止を実行する記録停止実行指示情報を前記データ記録装置に前記通信部を介して送信させる制御部、として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、データの記録の際、ユーザの利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明に係る一実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0014】
先ず、図1を参照して、本実施の形態のデータ記録システム1を説明する。
データ記録システム1は、楽曲データをオーディオ装置3の再生部34で再生させ、当該再生した楽曲データをポータブル再生記録装置2の記録部14に記録させるシステムである。
データ記録システム1は、データ記録装置としてのポータブル再生記録装置2と、データ再生装置としてのオーディオ装置3と、コマンド用ケーブル41と、音声用ケーブル42と、を備えて構成される。
【0015】
先ず、ポータブル再生記録装置2について説明する。ポータブル再生記録装置2は、オーディオ装置3からデータとしての楽曲データの供給を受ける。そして、当該楽曲データをメモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記録部14の記録媒体に記録する。
【0016】
ポータブル再生記録装置2は、第2の制御部としてのCPU11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、14と、音声処理部15と、第2の通信部としての通信部16と、音声データ入力端子17と、表示部18と、指示部19と、音声出力部20と、を備えて構成される。
【0017】
CPU11は、ポータブル再生記録装置2を中央制御する。CPU11は、ROM12に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM13に展開し、RAM13に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0018】
CPU11は、後述する楽曲データ記録停止プログラムとの協働により、通信部16を介して、指示部19により受け付けられた記録データ特定情報をオーディオ装置3に送信させる。また、オーディオ装置3から楽曲データの記録停止実行指示情報を受信すると記録を停止する指示を受信すると、記録部14による楽曲データの記録を停止させる。ここで、記録停止実行指示情報とは、楽曲データの記録を停止させるための指示情報のことをいう。
【0019】
ROM12は、不揮発性メモリであり、楽曲データ記録停止プログラムを記憶する。RAM13は、揮発性のメモリであり、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0020】
記録部14は、磁気記憶媒体を備えたHDD等により構成される。記録部14は、再生部34で再生された楽曲データを磁気記憶媒体に記録する。
【0021】
音声処理部15は、高速のマイクロプロセッサであり、CDの楽曲データを、MP3(MPEG-1 Audio Layer-3)方式やWMA(Windows Media(登録商標) Audio)への圧縮/伸張の処理、エラー訂正符号化の処理、EFM(Eight to Fourteen Modulation)変調処理等の各種デジタル信号処理を施す。
【0022】
通信部16は、コマンド送受信部16Aと、コマンド入出力端子16Bと、を備えて構成される。コマンド送受信部16Aは、コマンド入出力端子16Bを介してオーディオ装置3と情報の送受信を行う。具体的には、コマンド送受信部16Aは、指示部19により受け付けられた記録データ特定情報及び停止指示情報をコマンド入出力端子16Bを介してオーディオ装置3に送信する。また、オーディオ装置3から記録停止実行指示指示を、コマンド入出力端子16Bを介して受信する。
【0023】
表示部18は、TFT(Thin Film Transistor)液晶素子や有機EL(Electro Luminescence)素子を用いたFPD(Flat Panel Display)から構成される。表示部18は、CPU11から入力される表示情報に基づいて画面表示を行う。
【0024】
指示部19は、各種入力キー等を備え、ユーザからの各種情報の入力を各種入力キーから受け付け、その情報をCPU11に出力する。
【0025】
音声出力部20は、信号変換回路、アンプ等を備え、音声信号をイヤホン等(図示省略)に出力する。具体的には、オーディオ装置3より受信された楽曲データが、音声出力部20において、信号変換回路によりアナログの音声信号に変換され、その音声信号がアンプにより増幅されてイヤホン等から音声出力される。
【0026】
次に、オーディオ装置3について説明する。オーディオ装置3はCDなどの楽曲データを再生するオーディオ再生装置である。オーディオ装置3は、第1の制御部としてのオーディオ装置制御部CPU31と、ROM32と、RAM33と、再生部34と、第1の通信部としての通信部35と、指示部36と、音声出力端子37と、を備えて構成される。
【0027】
オーディオ装置制御部31は、マイコン等により構成され、オーディオ装置3を中央制御する。オーディオ装置制御部31は、ROM32に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM33に展開し、RAM33に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する
【0028】
オーディオ装置制御部31は、後述する楽曲データ再生停止プログラムとの協働により、再生部34により再生された楽曲データをポータブル再生記録装置2に記録させる際、記録データ特定情報と停止指示情報とを通信部35を介してポータブル再生記録装置2から受信すると、記録データ特定情報に基づいて、記録データ特定情報に対応する楽曲データの再生が終了したか否かを判別する。そして、記録データ特定情報に対応する楽曲データの再生が終了したと判別した場合、再生部34による楽曲データの再生を停止させ、記録停止実行情報をポータブル再生記録装置2に通信部35を介して送信させる。
ここで、停止指示情報とは、ユーザにより指示部14を介して指示された楽曲データの再生及び記録を停止するための情報のことをいう。記録データ特定情報とは、記録データを特定する情報のことをいう。記録データとは、ユーザが記録したいと所望する楽曲データのことをいう。記録データ特定情報の例としては、終了予約モードの設定情報、再生されるデータの数としての曲数設定情報、データの付加情報としての検索情報等が挙げられる。記録データ特定情報に対応する楽曲データとは、終了予約モードの設定情報に対応する楽曲データ、曲数設定情報に対応する楽曲データ、検索情報に対応する楽曲データのことをいう。終了予約モードの設定情報、曲数設定情報、検索情報については後述する。
【0029】
再生部34は、外部から入力されるデータとしてのCD34Aに記録された楽曲データの再生を行う。再生部34は、光学ピックアップ及びサーボモータ等から構成される公知の光学読取機構を適用する。
【0030】
通信部35は、コマンド入出力端子35Aと、コマンド送受信部35Bと、を備えて構成される。コマンド送受信部35Bは、コマンド入出力端子35Aを介してポータブル再生記録装置2と情報の送受信を行う。具体的には、コマンド送受信部35Aは、記録データ情報特定情報及び停止指示情報をコマンド入出力端子35Aを介してポータブル再生記録装置2から受信する。また、記録データ特定情報に対応する楽曲データの再生が終了した後、記録停止実行指示情報をコマンド入出力端子35Bを介してポータブル再生記録装置2に送信する。
【0031】
指示部36は、各種入力キー等を備え、ユーザからの各種情報の入力を各種入力キーから受け付け、その情報をオーディオ装置制御部31に出力する。
【0032】
音声出力端子37は、図示しないD/A変換器により変換されたアナログ音声データを出力する。
【0033】
コマンド用ケーブル41、音声用ケーブル42は、ポータブル再生記録装置2とオーディオ装置3とを通信接続する。コマンド用ケーブル41を介して、記録データ情報や記録及び再生を停止する指示の送受信が行われる。音声用ケーブル42を介して、オーディオ装置3からポータブル再生記録装置2へ楽曲データの送信が行われる。
【0034】
次に、図2及び図3を参照して、データ記録システム1の動作を説明する。図2に楽曲データ記録停止処理の流れを示す。図3に楽曲データ再生停止処理の流れを示す。
【0035】
先ず、図2を参照して、ポータブル再生記録装置2で実行される楽曲データ記録停止処理を説明する。楽曲データ記録停止処理は、記録データ特定情報を受け付け、当該記録データ特定情報をオーディオ装置3に送信する処理である。
【0036】
例えば、ポータブル再生記録装置2において楽曲データ記録停止処理の実行指示が指示部19を介して入力されたこと等をトリガとして、ROM13から読み出されて適宜RAM12に格納された楽曲データ記録停止プログラムと、CPU11との協働により楽曲データ記録停止処理が実行される。
【0037】
予め、再生部34にCD34Aがセットされており、楽曲データの再生が実行されているものとする。また、ポータブル再生記録装置2とオーディオ装置3とがコマンド用ケーブル41及び音声用ケーブル42を介して通信接続されているものとする。
【0038】
先ず、楽曲データの記録が開始される(ステップS101)。すなわち、再生部34により再生された楽曲データが、音声用ケーブル42を介して記録部14に記録される。そして、指示部19を介して入力された記録データ特定情報が受け付けられる(ステップS102)。ここで、送信される記録データ情報には、ユーザの設定による、終了予約モードの設定情報、曲数設定情報、検索情報が含まれる。
【0039】
終了予約モードの設定情報とは、楽曲データの再生を終了予約する設定情報のことをいう。例えば、ユーザが記録データとして現在再生中の楽曲データまでを記録したいとする。この場合、ユーザによりポータブル再生記録装置2の指示部19を介して終了予約モードが設定される。
【0040】
曲数設定情報とは、記録データの曲数に関する設定情報のことをいう。例えば、ユーザが記録データとして記録したい楽曲データの曲数が3曲であったとする。この場合、ユーザによりポータブル再生記録装置2の指示部19を介して「3曲」が設定される。
【0041】
検索情報とは、記録データのジャンル、アーティスト名、楽曲名、又は楽曲データの終わりを特定するための無音部分を検索するための情報のことをいう。例えば、ユーザが記録データとして記録したい楽曲データの曲名が「ABC」であったとする。この場合、ユーザにより「ABC」が指示部19を介して設定される。
【0042】
ステップS102の実行後、指示部19を介して入力された楽曲データの停止指示情報が受け付けられる(ステップS103)。そして、記録データ特定情報及び停止指示情報がオーディオ装置3に送信される(ステップS104)。
【0043】
ステップS104の実行後、通信部16を介して、オーディオ装置3より記録停止実行指示情報が受信されたか否かが判別される(ステップS105)。記録停止実行指示情報が受信されていないと判別された場合(ステップS105;NO)、ステップS105に移行される。記録停止実行指示情報が受信されたと判別された場合(ステップS105;YES)、楽曲データの記録停止が実行される(ステップS106)。すなわち、楽曲データの記録部14への記録が停止される。ステップS106の実行後、楽曲データ記録停止処理は終了する。
【0044】
次いで、図3を参照して、楽曲データ再生停止処理を説明する。楽曲データ再生停止処理は、記録データの再生が終了した後に、記録停止指示をポータブル再生記録装置2に送信するとともに、再生部34の楽曲データの再生を停止させる処理である。
【0045】
例えば、オーディオ装置3において、通信部35を介して記録データ特定情報及び停止指示情報が受信開始されたこと等をトリガとして、ROM32から読み出されて適宜RAM33に展開された楽曲データ再生停止プログラムと、オーディオ装置制御部31との協働により楽曲データ再生停止処理が実行される。
【0046】
予め、再生部34により、楽曲データの再生が実行されているとする。また、当該再生された楽曲データは音声用ケーブル42を介して記録部14に記録されているものとする。
【0047】
先ず、通信部35を介して記録データ特定情報及び停止指示情報が受信される(ステップS201)。そして、記録データ情報の中に終了予約モード設定情報が有るか否かが判別される(ステップS202)。記録データ特定情報の中に終了予約モード設定情報がないと判別された場合(ステップS202;NO)、楽曲データの再生が停止される(ステップS203)。すなわち、再生部34による楽曲データの再生が停止される。
【0048】
ステップS202において、記録データ特定情報の中に終了予約モード設定情報があると判別された場合(ステップS202;YES)、記録データ特定情報の中に曲数設定情報があるか否かが判別される(ステップS204)。曲数設定情報があると判別された場合(ステップS204;YES)、曲数設定情報の楽曲データの再生が終了したか否かが判別される(ステップS205)。例えば、「3曲」の曲数設定情報の場合、「3曲」の楽曲データの再生が終了したか否かが判別される。ここで、楽曲データの再生が終了したか否かの判別は、TOC(Table Of Contents)情報に基づいて、楽曲データの最初と最後のアドレスを判別することにより行われる。
【0049】
曲数設定情報の楽曲データの再生が終了していないと判別された場合(ステップS205;NO)、ステップS205に移行される。曲数設定情報の楽曲データの再生が終了したと判別された場合(ステップS205;YES)、ステップS203に移行される。
【0050】
ステップS204において、記録データ特定情報の中に曲数設定情報がないと判別された場合(ステップS204;NO)、記録データ特定情報の中に検索情報があるか否かが判別される(ステップS206)。記録データ特定情報の中に検索情報がないと判別された場合(ステップS206;NO)、再生中の楽曲データの再生が終了したか否かが判別される(ステップS207)。楽曲データの再生が終了したか否かの判別は、TOC情報に基づいて、楽曲データの最初と最後のアドレスを判別することにより行われる。
【0051】
ステップS207において、再生中の楽曲データの再生が終了していないと判別された場合(ステップS207;NO)、ステップS207に移行される。再生中の楽曲データの再生が終了したと判別された場合(ステップS207;YES)、ステップS203に移行される。
【0052】
ステップS206において、記録データ特定情報の中に検索情報があると判別された場合(ステップS206;YES)、検索情報に合致する楽曲データがあるか否かが判別される(ステップS208)。例えば、ユーザが記録データとして記録したい楽曲データの曲名が「ABC」であったとする。この場合、「ABC」と合致する楽曲データの検索が実行される。検索は楽曲データのタグ情報又はメタデータを用いて実行される。メタデータは、例えば、オーディオ装置3内のI/F(インターフェース)(図示省略)と通信接続されたPC(Personal Computer)等より取得される。このとき、検索の条件として、検索情報の一部分の文字を含んだ情報を検索することとしてもよい。例えば、ユーザにより記録データの検索情報として「A」が設定されたとする。この場合、「A」と「ABC」とは、一部分の文字「A」が合致する。すなわち、「A」が検索情報として設定された場合であっても、楽曲名の「ABC」を検索することとしてもよい。つまり、検索情報の検索は、検索情報の完全一致に限定されないこととしてもよい。
【0053】
ステップS208において、検索情報に合致する楽曲データがあると判別された場合(ステップS208;YES)、検索情報に合致する楽曲データの再生が終了したか否かが判別される(ステップS209)。楽曲データの再生が終了したか否かの判別は、TOC情報に基づいて、楽曲データの最初と最後のアドレスを判別することにより行われる。
【0054】
ステップS209において、検索情報に合致する楽曲データの再生が終了していないと判別された場合(ステップS209;NO)、ステップS209に移行される。検索情報に合致する楽曲データの再生が終了したと判別された場合(ステップS209;YES)、ステップS203に移行される。
【0055】
ステップS208において、検索情報に合致する楽曲データがないと判別された場合(ステップS208;NO)、現在再生中の楽曲データの再生が終了したか否かが判別される(ステップS210)。楽曲データの再生が終了したか否かの判別は、TOC情報に基づいて、楽曲データの最初と最後のアドレスを判別することにより行われる。
【0056】
現在再生中の楽曲データの再生が終了していないと判別された場合(ステップS210;NO)、ステップS210に移行される。現在再生中の楽曲データの再生が終了したと判別された場合(ステップS210;YES)、ステップS203に移行される。
【0057】
ステップS203の実行後、通信部35を介してポータブル再生記録装置2に記録停止実行指示情報が送信される(ステップS203)。(ステップ211)。ステップS211の実行後、楽曲データ再生停止処理は終了する。
【0058】
以上、本実施の形態によれば、オーディオ装置制御部31は、記録データ特定情報と停止指示情報が受け付けられると、記録データ特定情報に基づいて、再生中の楽曲データ、曲数設定情報の楽曲データ、及び検索情報に合致する楽曲データの再生が終了したか否かを判別する。当該楽曲データの再生が終了したと判別した場合、再生部34によるデータの再生を停止させ、記録停止実行指示情報を通信部35を介してポータブル再生記録装置2に送信させる。これにより、ユーザは、記録データ記録が終了するまで待った上で、記録停止指示の入力を行う必要がない。したがって、データ記録の際、ユーザの利便性を向上させることができる。また、記録データの途中で記録が停止することがないので、記録データを再度、記録する必要がない。したがって、ユーザの作業負担を低減することができる。
【0059】
また、ユーザにより指示部14を介して停止指示情報の入力が行われると、再生中の楽曲データ、曲数設定情報の楽曲データ、又は検索情報に合致する楽曲データの再生が終了したときに、楽曲データの再生及び記録を自動的に停止することができる。
【0060】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係るデータ記録システム1の一例であり、これに限定されるものではない。
【0061】
例えば、楽曲データ再生停止処理のステップS205,S207、S209、S210において、楽曲データの再生が終了していないと判別された場合、通信部35を介して、再生中の楽曲データ、曲数設定情報の楽曲データ、又は検索情報に合致する楽曲データの記録を継続する継続指示情報をポータブル再生記録装置2に送信させることとしてもよい。この場合、ポータブル再生記録装置2のCPU11は、通信部16を介して、継続指示情報をオーディオ装置3から受信すると、再生中の楽曲データ、曲数設定情報の楽曲データ、又は検索情報に合致する楽曲データの記録を継続させる。
【0062】
また、上記実施の形態では、記録部14をHDDとしたが、フラッシュメモリ等の半導体メモリを備える構成としてもよく、半導体メモリを搭載したメモリカード、USB(Universal Serial Bus)メモリで構成することとしてもよい。
【0063】
また、コマンド用ケーブル41、音声用ケーブル42の2つのケーブルを用いる構成としたが、1つのケーブルを用いる構成としてもよい。この場合、例えば、左音声端子、右音声端子、音声信号用GND端子、制御信号用端子より構成される4端子ケーブルが用いられる。
【0064】
また、オーディオ装置3で再生するデータをCDに記録された楽曲データとしたが、これに限定されるものではない。例えば、MD、DVD、半導体メモリを搭載したメモリカード等に記録されたデータの再生や、オーディオ装置3に内蔵されているHDDやメモリに記録されたデータであってもよい。また、チューナーから入力されるデータを再生することとしてもよく、このときデータの再生終了の判別は無音部の検知により行う。
【0065】
その他、上記実施の形態における、データ記録システム1の細部構成及び詳細動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係るデータ記録システム1の構成例である。
【図2】楽曲データ記録停止処理を示すフローチャートである。
【図3】楽曲データ再生停止処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
1 データ処理システム
2 ポータブル再生記録装置
3 オーディオ装置
11 CPU
12,32 RAM
13,33 ROM
14 記録部
15 音声処理部
16,35 通信部
17 音声データ入力端子
18 表示部
19,36 指示部
20 音声出力部
31 オーディオ装置制御部
34 再生部
37 音声出力端子
41 コマンド用ケーブル
42 音声用ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを再生し、当該再生したデータをデータ記録装置に送信するデータ再生装置であって、
前記データの再生を行う再生部と、
前記データ記録装置との間で通信を行う第1の通信部と、
前記再生部により再生されたデータを前記データ記録装置に記録させる際、前記データ記録装置に記録する記録データを特定する記録データ特定情報と前記データの再生及び記録を停止する停止指示情報とを前記第1の通信部を介して前記データ記録装置から受信すると、前記記録データ特定情報に基づいて、前記記録データ特定情報に対応するデータの再生が終了したか否かを判別し、前記記録データ特定情報に対応するデータの再生が終了したと判別した場合、前記再生部による前記データの再生を停止させ、前記データの記録の停止を実行する記録停止実行指示情報を前記データ記録装置に前記第1の通信部を介して送信させる第1の制御部と、
を備えたデータ再生装置。
【請求項2】
前記記録データ特定情報は、
前記再生部により再生されるデータ数、及び/または、前記データの付加情報に基づく情報である請求項1に記載のデータ再生装置。
【請求項3】
請求項1に記載のデータ再生装置と、
前記データ再生装置と通信接続されたデータ記録装置と、を備え、
前記データ記録装置は、
データを記録媒体に記録させる記録部と、
前記記録媒体に記録する記録データを特定する記録データ特定情報と前記データの再生及び記録を停止する停止指示情報とを受け付ける指示部と、
前記データ再生装置との間で通信を行う第2の通信部と、
前記第2の通信部を介して、前記指示部により受け付けられた記録データ特定情報と前記停止指示情報とを前記データ記録装置に送信させ、前記データ記録装置から前記データの記録の停止を実行する記録停止実行指示情報を受信すると、前記記録部による前記データの記録を停止させる第2の制御部と、
を備えたデータ記録システム。
【請求項4】
前記第1の制御部は、
前記記録データ特定情報に対応するデータの再生が終了していないと判別した場合、前記第1の通信部を介して、前記記録データ特定情報に対応するデータの記録を継続する継続指示情報を前記データ記録装置に送信させ、
前記第2の制御部は、
前記第2の通信部を介して、前記継続指示情報を前記データ記録装置から受信すると、前記記録部に前記記録データ特定情報に対応するデータの記録を継続させる請求項3に記載のデータ記録システム。
【請求項5】
データの再生を行う再生部により再生されたデータを当該データの記録を行うデータ記録装置に記録させる際、前記データ記録装置に記録する記録データを特定する記録データ特定情報と前記データの再生及び記録を停止する停止指示情報とを前記データ記録装置との間で通信を行う通信部を介して前記データ記録装置から受信すると、前記記録データ特定情報に基づいて、前記記録データ特定情報に対応するデータの再生が終了したか否かを判別し、前記記録データ特定情報に対応するデータの再生が終了したと判別した場合、前記再生部による前記データの再生を停止させ、前記データの記録の停止を実行する記録停止実行指示情報を前記データ記録装置に前記通信部を介して送信させる制御工程と、
を含むデータ再生方法。
【請求項6】
コンピュータを、
データの再生を行う再生部、
前記データの記録を行うデータ記録装置との間で通信を行う通信部、
前記再生部により再生されたデータを前記データ記録装置に記録させる際、前記データ記録装置に記録する記録データを特定する記録データ特定情報と前記データの再生及び記録を停止する停止指示情報とを前記通信部を介して前記データ記録装置から受信すると、前記記録データ特定情報に基づいて、前記記録データ特定情報に対応するデータの再生が終了したか否かを判別し、前記記録データ特定情報に対応するデータの再生が終了したと判別した場合、前記再生部による前記データの再生を停止させ、前記データの記録の停止を実行する記録停止実行指示情報を前記データ記録装置に前記通信部を介して送信させる制御部、
として機能させるデータ再生プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−234744(P2008−234744A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−70910(P2007−70910)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】