説明

データ処理システム、データ処理装置、データ処理方法及びプログラム

【課題】 データ処理装置でこれから処理しようとするデータが所望するデータであるかをユーザが確認しやすいように、データの示す画像をデータ処理装置の表示手段で表示することを目的とする。
【解決手段】 データ処理装置は、外部装置で動作しているアプリケーションプログラムのデータと、当該データのうち前記アプリケーションプログラムで開いているページのページ番号とを前記外部装置から受信する。そして、データ処理装置は、受信したデータのうち受信したページ番号に対応するページの画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
データ処理装置がデータを処理する前に当該データの示す画像を表示する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユーザは、ノートPCなどの情報処理装置で開いているアプリケーションプログラムのデータを印刷したいと思ったとき、印刷されるデータが所望のものであるかを確認したい。ユーザがそれを確認する方法として、ユーザが所望のページを指定することにより、情報処理装置がユーザにより指定されたページの画像を表示する技術がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−177905
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザは、情報処理装置で開いているアプリケーションプログラムのデータをデータ処理装置で処理させたい場合、データ処理装置で処理されるデータが所望するものであるかを確認したい。例えば、データ処理装置がそのデータを処理する前に、ユーザはデータ処理装置の表示手段においてデータの示す画像をプレビューしたい。
【0005】
しかしながら、データ処理装置が情報処理装置からアプリケーションプログラムのデータを受信して、そのデータの示す画像を先頭ページから表示してしまうと、ユーザはそれが所望のデータであるかを確認しにくい。ユーザとしては、アプリケーションプログラムで開いているページと同じページの画像がデータ処理装置で表示された方が、それが所望のデータであるかを判断しやすい。
【0006】
そこで、本発明では、データ処理装置でこれから処理しようとするデータが所望するデータであるかをユーザが確認しやすいように、データの示す画像をデータ処理装置の表示手段で表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係わるデータ処理システムは、情報処理装置とデータ処理装置とを含むデータ処理システムであって、前記情報処理装置は、前記情報処理装置で動作しているアプリケーションプログラムのデータと、当該データのうち前記アプリケーションプログラムで開いているページのページ番号とを前記データ処理装置に送信する送信手段を有し、前記データ処理装置は、前記アプリケーションプログラムのデータと、当該データのうち前記アプリケーションプログラムで開いているページのページ番号とを前記情報処理装置から受信する受信手段と、前記受信手段で受信したデータのうち前記受信手段で受信したページ番号に対応するページの画像を表示する表示手段と、前記表示手段で画像を表示した後、ユーザの指示に従い、前記受信手段で受信したデータを処理するデータ処理手段とを有する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係わるデータ処理装置は、外部装置と通信可能なデータ処理装置であって、前記外部装置で動作しているアプリケーションプログラムのデータと、当該データのうち前記アプリケーションプログラムで開いているページのページ番号とを前記外部装置から受信する受信手段と、前記受信手段で受信したデータのうち前記受信手段で受信したページ番号に対応するページの画像を表示する表示手段と、前記表示手段で画像を表示した後、ユーザの指示に従い、前記受信手段で受信したデータを処理するデータ処理手段とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明に係わるデータ処理方法は、情報処理装置で動作しているアプリケーションプログラムのデータと、当該データのうち前記アプリケーションプログラムで開いているページのページ番号とを前記情報処理装置からデータ処理装置に送信する送信工程と、前記送信工程で送信されるデータのうち前記送信工程で送信されるページ番号に対応するページの画像を前記データ処理装置の表示手段に表示する表示工程と、前記表示手段で画像を表示した後、ユーザの指示に従い、前記送信工程で送信されるデータを前記データ処理装置で処理するデータ処理工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、データ処理装置でこれから処理しようとするデータが所望するデータであるかをユーザが確認しやすいように、データの示す画像をデータ処理装置の表示手段で表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を適用可能なデータ処理システムの構成を示す図である。
【図2】データ処理装置100と情報処理装置150の構成を示す図である。
【図3】情報処理装置150の機能構成を示す図である。
【図4】情報処理装置150で実行される情報処理を示すフローチャートである。
【図5】情報処理装置150とデータ処理装置100との間の無線通信において通信接続を確立するためのネゴシエーションを示すシーケンス図である。
【図6】情報処理装置150の表示部253にて表示される画面の一例を示すである。
【図7】データ処理装置100で実行されるデータ処理を示すフローチャートである。
【図8】表示部202に表示されるプレビュー画像の一例を示す図である。
【図9】ページを指定するための画面の一例を示す図である。
【図10】1ページ前後のページのプレビュー画像を示す図である。
【図11】最終ページを指定するための画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を用いて、本発明を実施するための形態を説明する。図1は、本発明を適用可能なデータ処理システムの構成を示す図である。図1では、データ処理装置の一例として複数の機能を備えるMFP(Multi Function Peripheral)を挙げ、データ処理装置と通信可能な情報処理装置の一例としてノートPCを挙げる。
【0013】
近年、個人の座席が固定されておらず個人が自由に空いている席を使用することができるフリーアドレスのオフィスを導入するケースがある。このオフィス形態のメリットは、個人が資料を自分の座席に置くことができないため必要最低限の物しか持たなくなることであり、省スペースを実現できることである。個人には一人一台ノート型パーソナルコンピュータ(ノートPC)等が与えられ、紙の資料はできるだけ電子化され、各個人はネットワーク経由でどの座席からも電子化された資料を参照することができる。
【0014】
一方、このようなオフィス形態では、ユーザの座席は固定でないため、ユーザの使用するデータ処理装置も固定ではなくなる。資料を印刷したい場合には、ユーザがノートPCをプリンタの所定の場所に置くだけで簡単に印刷の作業を行えるのが望ましい。特に、ノートPCで開いているアプリケーションプログラムで使用中のデータを印刷する場合、非常に直感的な操作でデータを印刷できるのが望ましい。
【0015】
そこで、下記では、ユーザが情報処理装置をデータ処理装置の所定の場所に置くだけで、データ処理装置がアプリケーションプログラムのデータを処理する一例を説明する。
【0016】
データ処理装置100は通信部110と操作部111とを備える。通信部110はデジタルカメラ、携帯電話、ノートPC等の外部装置と通信を行うためのものである。情報処理装置150はデータ処理装置100と同様に通信部(不図示)を備える。データ処理装置100と情報処理装置150との間の通信は無線通信であっても有線通信であっても構わないが、本実施形態では、ユーザにとって直感的に接続が可能な無線通信を例にとって説明を行う。ユーザが情報処理装置150を手に持って、それを通信部110に近づけることにより、データ処理装置100と情報処理装置150との通信が可能になる。
【0017】
操作部111はタッチパネルとキーから構成され、操作画面を表示したり、ユーザからの指示を受け付けたりする。また、操作部111はデータ処理装置100の状態を示す状態画面や画像データの示す画像をプレビューするプレビュー画面も表示する。
【0018】
図2はデータ処理装置100と情報処理装置150の構成を示す図である。図2は主にデータ処理装置100のコントローラの構成を説明するブロック図となっている。データ処理装置100は、自身の持っている機能に応じて、読み取り制御部、スキャナエンジン等も含んでいるが、ここでは省略する。
【0019】
CPU200はROM(Read Only Memory)206から読み出したプログラムに従って、データ処理装置100の動作を制御する。例えばCPU200は読み出したプログラムに従ってRAM203やHDD(不図示)等の記憶手段へのデータの書き込みや記憶手段からのデータの読み出しを制御する。
【0020】
操作部111は設定部201と表示部202とから構成される。設定部201はハードキーや液晶タッチパネルキーなどであり、ユーザからのキー入力を受け付ける。表示部202は液晶パネルなどであり、様々な操作画面を表示したり、プレビュー画像生成部204の生成するプレビュー画像を表示したりする。なお、設定部201と表示部202と同一の液晶タッチパネルに一体化されていてもいいし、別々の物であっても良い。
【0021】
RAM(Random Access Memory)203はCPU200のワークエリアとして使用されたり、画像データを蓄積するためのエリアとして使用されたりする。
【0022】
通信部110は情報処理装置150が接近したことを検知し、情報処理装置150との間で制御データや画像データを通信する。
【0023】
プレビュー画像生成部204は、情報処理装置150から受信した画像データからプレビュー画像データを生成する。プレビュー画像データの生成方法は後述する。画像処理部205は、スキャナエンジン(不図示)から受け取った画像データや印刷対象となるデータに対して画像処理を施す。印刷部208は、画像処理部205によって生成された画像データに基づいて画像を印刷する。
【0024】
通信媒体207は近距離無線通信である。ただし、通信媒体207はUSBやLANなどの有線通信であっても構わない。
【0025】
CPU250はROM(Read Only Memory)252から読み出したプログラムに従って、情報処理装置150の動作を制御する。例えばCPU250は読み出したプログラムに従ってRAM251やHDD(不図示)等の記憶手段へのデータの書き込みや記憶手段からのデータの読み出しを制御する。RAM(Random Access Memory)251はCPU250のワークエリアとして使用されたり、画像データを蓄積するためのエリアとして使用されたりする。
【0026】
表示部253はディスプレイ装置などであり、様々なアプリケーションプログラムの画面を表する。操作部254はキーボードやマウスなどであり、ユーザからのキー入力を受け付ける。通信部255はデータ処理装置100との間で制御データや画像データを通信する。
【0027】
図3は、情報処理装置150の機能構成を示す図である。それぞれはCPU250が所定のプログラムを実行することにより実現される。通信ネゴシエーション部301はデータ処理装置100との間で通信接続を確立するためのネゴシエーションを実行する。アプリケーション選択部302はプレビュー対象となるアプリケーションプログラムを選択する。ページナンバー取得部303は、アプリケーションプログラムが開いているアプリケーションデータのうち当該アプリケーションプログラムが開いているページの番号を取得する。なお、アプリケーションデータは、アプリケーションプログラムの種類に応じて、文書であったり、表であったり、図であったりする。送信部304はアプリケーションプログラムが開いているアプリケーションデータとアプリケーションプログラムが開いているページの番号とをデータ処理装置100に送信する。
【0028】
図4は、情報処理装置150で実行される情報処理を示すフローチャートである。特に、アプリケーションプログラムの選択と当該アプリケーションプログラムの開いているページ番号の取得に関するものである。CPU250が所定のプログラムを実行することにより、この情報処理は実行される。
【0029】
S400では、情報処理装置150は、データ処理装置100の通信部110の上に置かれたかどうかを判断する。通信部110の上に置かれたと判断した場合には、S401に進む。S401では、情報処理装置150はデータ処理装置100との間で通信接続を確立するためのネゴシエーションを行う。これは通信ネゴシエーション部301の動きに相当する。
【0030】
図5は、情報処理装置150とデータ処理装置100との間の無線通信において通信接続を確立するためのネゴシエーションを示すシーケンス図である。情報処理装置150が通信部110の上に置かれると、情報処理装置150はデータ処理装置100に接続要求を送信する。接続要求の送信はデータ処理装置100からの応答があるまで繰り返される。データ処理装置100は情報処理装置150から接続要求を受け取ると、接続要求を認識したことを示す応答(接続要求認識応答)を情報処理装置150に送信する。情報処理装置150は、接続要求の認識の応答をデータ処理装置100から受信すると、接続を認識したことを示す応答(接続認識応答)をデータ処理装置100に送信する。これにより、データ処理装置100と情報処理装置150との間の通信接続がなされる。
【0031】
S402では、情報処理装置150は、情報処理装置150において開かれているアプリケーションプログラムが存在するか否かを判断する。開かれているアプリケーションプログラムが存在すると判断した場合にはS403に進む。S403では、情報処理装置150は、情報処理装置150で動作している1または複数のアプリケーションプログラムから、一つのアプリケーションプログラムを選択し、それをプレビュー対象のアプリケーションプログラムとする。これは、アプリケーション選択部302の動きに相当する。
【0032】
以下、図6を用いてアプリケーションプログラムの選択方法を説明する。図6は、情報処理装置150の表示部253にて表示される画面の一例を示すである。図6の(A)は、情報処理装置150にて開かれているアプリケーションプログラムが一つしかなく、そのアプリケーションプログラムAのウィンドウがユーザによって選択されていることを示している。アプリケーションプログラムAのウィンドウが選択されていることはそのウィンドウのバーが濃くなっていることで示されている。この場合、アプリケーション選択部302はアプリケーションプログラムAを選択する。なお、アプリケーションプログラムAのウィンドウが選択されていない場合でも、開かれているアプリケーションプログラムがアプリケーションプログラムAだけであるので、アプリケーション選択部302はアプリケーションプログラムAを選択する。
【0033】
図6(B)及び図6(C)は、情報処理装置150で開かれているアプリケーションプログラムが複数存在する場合を示している。図6(B)は、アプリケーションプログラムAとアプリケーションプログラムBの二つが開かれていて、かつアプリケーションプログラムAのウィンドウが選択されていることを示す。この場合、アプリケーション選択部302は、開かれている複数のアプリケーションプログラムのうち、ユーザによって選択されているアプリケーションプログラムを優先して選択する。つまり、アプリケーション選択部302はアプリケーションプログラムAを選択する。
【0034】
図6(C)は、アプリケーションプログラムAとアプリケーションプログラムBの二つが開かれていて、かつ、どちらのアプリケーションプログラムもユーザによって選択されていないことを示す。この場合、アプリケーション選択部302は、最後にユーザによって選択されていたアプリケーションプログラムを優先的に選択する。図6(C)では、アプリケーションプログラムAのウィンドウがアプリケーションプログラムBのウィンドウよりも上になっていることから、アプリケーション選択部302はアプリケーションプログラムAを選択する。
【0035】
S404では、情報処理装置150は、S403で選択したアプリケーションプログラムが現在開いているアプリケーションデータのうち当該アプリケーションプログラムが現在開いているページの番号をアプリケーションプログラムから取得する。これは、ページナンバー取得部303の動きに相当する。
【0036】
S405では、情報処理装置150は、S403で選択したアプリケーションプログラムが現在使用中のアプリケーションデータ及びS404で取得したページ番号をデータ処理装置100に送信する。これは、送信部304の動きに相当する。
【0037】
アプリケーションデータから印刷のための画像データを生成するプリンタドライバは通常、情報処理装置150側にインストールされているが、本実施形態では、プリンタドライバはデータ処理装置100側にもインストールされている。こうすることにより、ユーザがプリンタドライバを情報処理装置150にインストールしていない場合であっても、情報処理装置150を通信部110に置くことにより、印刷などの処理がデータ処理装置100のプリンタドライバによって実行される。よって、本実施形態では、アプリケーションデータが開かれているページのページ番号と共に情報処理装置150からデータ処理装置100へ送信される。
【0038】
つぎに、アプリケーションデータ及びページ番号を受信したデータ処理装置100で実行されるデータ処理を説明する。図7は、データ処理装置100で実行されるデータ処理を示すフローチャートである。特に、プレビュー画像の生成及びユーザにより指定されたページの印刷に関するものである。CPU250がROM206に格納されている所定のプログラムを実行することにより、このデータ処理は実行される。
【0039】
S700では、データ処理装置100は、情報処理装置150からアプリケーションデータ及びページ番号を受信する。
【0040】
S701では、データ処理装置100は、S700で受信したアプリケーションデータをもとにプレビュー画像データをプレビュー画像生成部204に生成させ、そのプレビュー画像データが示すプレビュー画像を表示部202に表示させる。ここでは、プレビュー画像生成部204は、最初に、受信したページ番号のページのプレビュー画像データを生成し、つぎに、そのページの前後のページを近い順にプレビュー画像データを生成する。例えば、現在開かれているページが45ページであった場合、45ページ、44ページ、46ページ、43ページ、47ページ等の順番にプレビュー画像データを生成する。これは、現在開かれているページまたはその周辺が印刷される可能性が高いためである。そして、データ処理装置100は、S700で受信したページ番号に対応するページのプレビュー画像を表示部202に表示させる。情報処理装置150のアプリケーションで開いているページと同じページのプレビュー画像が表示部202に表示されるため、ユーザは所望のデータであるかを容易に確認することができる。
【0041】
図8は、表示部202に表示されるプレビュー画像の一例を示す図である。現在開かれているページのプレビュー画像801が中央に表示され、前のページのプレビュー画像802と後ろのページのプレビュー画像803とがそれぞれ左右にカバーフローライクに表示される。プレビュー画像801の下にはページ番号も表示される。図8では、設定部201は、印刷キー804、BOXキー809、転送キー810等のタブで構成されている。
【0042】
ユーザがBOXキー809を押下すると、データ処理装置100は、情報処理装置150から受信したアプリケーションデータをHDDなどの記憶手段に格納する。ユーザが転送キー810を押下した場合には、データ処理装置100はアプリケーションデータを所定のファイルサーバ等にFTP転送する。ユーザが印刷キー804を押下した場合には、データ処理装置100は「すべて」キー805、「現在のページ」キー806、「ページ指定」キー807及びプロパティキー808を表示部202にて表示する。
【0043】
S702以降は、印刷キー804が押下されたと仮定する。
【0044】
S702では、データ処理装置100は、「現在のページ」キー806が押下されたかどうかを判断する。「現在のページ」キー806が押下されたと判断した場合には、S703に進む。S703では、データ処理装置100は、表示部202の中央にプレビュー画像が表示されているページのみ印刷する。具体的には、画像処理部205が、アプリケーションデータのうち該当するページの部分に印刷のための画像処理を施し、印刷部208はそれによって生成された画像データに基づいて画像を印刷する。「現在のページ」キー806が押下された時点で、全ページのプレビュー画像の生成が終了していなかった場合には、プレビュー画像生成部204はそれ以降、プレビュー画像データを生成しなくても良い。
【0045】
S704では、データ処理装置100は、「すべて」キー805が押下されたかどうかを判断する。「すべて」キー805が押下されたと判断した場合には、S705に進む。S705では、データ処理装置100は、全てのページを印刷する。画像処理部205は、アプリケーションデータの全ページに印刷のための画像処理を施し、印刷部208はそれによって生成された画像データに基づいて画像を印刷する。「すべて」キー805が押下された時点で、全ページのプレビュー画像の生成が終了していなかった場合にも、プレビュー画像生成部204はそれ以降、プレビュー画像データを生成しなくても良い。
【0046】
S706では、データ処理装置100は、「ページ指定」キー807が押下されたかどうかを判断する。「ページ指定」キー807が押下されたと判断した場合には、S707に進む。
【0047】
S707では、データ処理装置100は、ページを指定するための画面を表示部202にて表示するとともに、ユーザにより指定されたページのプレビュー画像を表示部202にて表示する。
【0048】
図9はページを指定するための画面の一例を示す図である。図9の例では、ユーザは表示部202のタッチパネルを触ることにより、印刷したいページを指定することができる。例えば、CPU200は、ユーザが901に対応する部分を触ったことを検知すると、1ページ前のページのプレビュー画像を表示部202に表示させる。図10(A)は、1ページ前のページのプレビュー画像を示す。1001は、44ページのプレビュー画像である。プレビュー画像1001の下にはページ番号も表示されている。プレビュー画像生成部204は、情報処理装置150から受信したページ番号に近いページからプレビュー画像データを生成しているため、前後のページのプレビュー画像は比較的早く表示することができる。一方、CPU200が、ユーザが902に対応する部分を触ったことを検知すると、1ページ後ろのページのプレビュー画像を表示部202に表示させる。図10(B)は、1ページ後ろのページのプレビュー画像を示す。1002は、46ページのプレビュー画像である。プレビュー画像1002の下にはページ番号も表示されている。このほか、ユーザはキー903を押下して、ページを前後に移ることも可能である。
【0049】
ユーザは先頭ページを決定したら、「決定」キー905を押下する。つぎに、データ処理装置100は、最終ページを指定するための画面を表示部202にて表示する。図11は、最終ページを指定するための画面の一例を示す図である。ここでは、先頭ページは45ページになっている。ここから、ユーザはタッチパネルを操作して、最終ページを指定する。
【0050】
S708では、データ処理装置100は、「決定キー」1101が押下されたかどうかを判断する。「決定」キー1101が押下されたと判断した場合には、S709に進む。S709では、データ処理装置100はユーザによって指定されたページを印刷する。画像処理部205は、アプリケーションデータのうちユーザにより指定されたページの部分に印刷のための画像処理を施し、印刷部208はそれによって生成された画像データに基づいて画像を印刷する。
【0051】
ユーザがプリンタドライバを利用した場合、印刷したいページを確認するためには、プリンタドライバの画面を一旦終了させて、再度アプリケーションプログラムの画面でページを確認する必要があった。上記のデータ処理によれば、ユーザはデータ処理装置100の表示部202にてプレビュー画像を確認しながら、印刷したいページを指定することができる。
【0052】
図9において、ユーザは入力ボックス904にて直接ページ数を指定することで、プレビュー画像を確認することなくページを指定することも可能である。ただし、この場合、ユーザは予め印刷したいページのページ数を知っておく必要がある。また、プレビュー画像が表示されているページから非常に離れたページをユーザが指定した場合、プレビュー画像生成部204はその指定されたページのプレビュー画像データを未だ生成できていない可能性がある。このような場合には、プレビュー画像生成部204は一旦、指定されたページのプレビュー画像データを生成してから、それまで生成していた順番に戻って続きのページのプレビュー画像データを生成することになる。
【0053】
S710では、データ処理装置100は、プロパティキー808が押下されたと判断する。そして、S711では、データ処理装置100は、両面印刷の指定や画質の選択をユーザが行うための設定画面を表示する。ユーザはそこで所望の印刷設定を指定する。
【0054】
図7のS702以降では、印刷キー804が押下されたと仮定したが、転送キー810が押下された場合も、同様な処理を行う。この場合、データ処理装置100は、ユーザが希望するページのプレビュー画像を表示部202にて表示しつつ、ユーザの所望のページに該当するデータをHDDなどの記憶手段に格納したり、所定のファイルサーバ等にFTP転送したりする。
【0055】
以上説明したように、ユーザは情報処理装置150を通信部110に置くだけで、情報処理装置150で開いているアプリケーションプログラムに関して印刷等の処理を直感的に行うことができる。その際、ユーザはプレビュー画像を確認することにより、所望のアプリケーションデータであるかを確認することができる。また、ユーザはページ送りをしながらそれぞれのページのプレビュー画像を確認しつつ、印刷等の処理を行いたいページを指定することができる。
【0056】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0057】
100 データ処理装置
110 通信部
111 操作部
150 情報処理装置
200 CPU
201 設定部
202 表示部
203 RAM
204 プレビュー画像生成部
205 画像処理部
206 ROM
207 通信媒体
208 印刷部
250 CPU
251 RAM
252 ROM
253 表示部
254 操作部
255 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置とデータ処理装置とを含むデータ処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記情報処理装置で動作しているアプリケーションプログラムのデータと、当該データのうち前記アプリケーションプログラムで開いているページのページ番号とを前記データ処理装置に送信する送信手段を有し、
前記データ処理装置は、
前記アプリケーションプログラムのデータと、当該データのうち前記アプリケーションプログラムで開いているページのページ番号とを前記情報処理装置から受信する受信手段と、
前記受信手段で受信したデータのうち前記受信手段で受信したページ番号に対応するページの画像を表示する表示手段と、
前記表示手段で画像を表示した後、ユーザの指示に従い、前記受信手段で受信したデータを処理するデータ処理手段とを有する、
ことを特徴とするデータ処理システム。
【請求項2】
前記データ処理手段は、前記受信手段で受信したデータを印刷することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
前記情報処理装置で動作している1または複数のアプリケーションプログラムのうち、データを送信する対象のアプリケーションプログラムを選択する選択手段を有し、
前記送信手段は、前記選択手段で選択したアプリケーションプログラムのデータを送信することを特徴とする請求項1または2に記載のデータ処理システム。
【請求項4】
前記情報処理装置で動作しているアプリケーションプログラムが1つである場合、前記選択手段は、当該アプリケーションプログラムを選択することを特徴とする請求項3に記載のデータ処理システム。
【請求項5】
前記情報処理装置で動作している1または複数のアプリケーションプログラムのうち、ウィンドウがユーザにより選択されているアプリケーションプログラムを選択することを特徴とする請求項3に記載のデータ処理システム。
【請求項6】
前記情報処理装置で動作している1または複数のアプリケーションプログラムうち、いずれのウィンドウもユーザにより選択されていない場合、ユーザにより最後に選択されていたアプリケーションプログラムを選択することを特徴とする請求項5に記載のデータ処理システム。
【請求項7】
前記表示手段で表示する画像の画像データを生成する生成手段を有し、
前記生成手段は、前記受信手段で受信したページ番号に対応するページの画像データを生成した後、前記受信手段で受信したページ番号の前後のページから近い順に画像データを生成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のデータ処理システム。
【請求項8】
前記表示手段で表示する画像のページを設定する設定手段を有し、
前記表示手段は、前記設定手段で設定されたページに対応する画像を表示することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のデータ処理システム。
【請求項9】
前記設定手段はタッチパネルであることを特徴とする請求項8に記載のデータ処理システム。
【請求項10】
前記表示手段と前記設定手段は一体化しており、ユーザは画像を見ながらページを設定できることを特徴とする請求項9に記載のデータ処理システム。
【請求項11】
前記表示手段で表示する画像の画像データを生成する生成手段を有し、
前記生成手段は、前記設定手段で設定されたページに対応する画像の画像データを生成していなかった場合、前記設定手段で設定されたページに対応する画像の画像データを優先的に生成することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載のデータ処理システム。
【請求項12】
外部装置と通信可能なデータ処理装置であって、
前記外部装置で動作しているアプリケーションプログラムのデータと、当該データのうち前記アプリケーションプログラムで開いているページのページ番号とを前記外部装置から受信する受信手段と、
前記受信手段で受信したデータのうち前記受信手段で受信したページ番号に対応するページの画像を表示する表示手段と、
前記表示手段で画像を表示した後、ユーザの指示に従い、前記受信手段で受信したデータを処理するデータ処理手段とを有することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項13】
データ処理方法であって、
情報処理装置で動作しているアプリケーションプログラムのデータと、当該データのうち前記アプリケーションプログラムで開いているページのページ番号とを前記情報処理装置からデータ処理装置に送信する送信工程と、
前記送信工程で送信されるデータのうち前記送信工程で送信されるページ番号に対応するページの画像を前記データ処理装置の表示手段に表示する表示工程と、
前記表示手段で画像を表示した後、ユーザの指示に従い、前記送信工程で送信されるデータを前記データ処理装置で処理するデータ処理工程とを有することを特徴とするデータ処理方法。
【請求項14】
請求項13に記載のデータ処理方法をコンピュータに実行させるための、前記コンピュータにより読み取り可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−128734(P2011−128734A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284566(P2009−284566)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】