説明

データ登録管理装置

【課題】例えばメモリ容量やCPUパワーが限られた携帯端末装置であっても、各種データを登録する時のユーザの操作性を向上することができるデータ登録管理装置を提供する。
【解決手段】データ登録管理装置100は、CCDカメラ101によって撮影されてデータメモリ102に記録された画像の特徴量を抽出する画像特徴量抽出部103と、画像内の文字を抽出し、認識する文字認識部104と、抽出された特徴量をコード受付部106によって受け付けられたデータ項目と対応づけて初期設定メモリ107に記録する初期設定部105と、データ項目に対応するコードを受け付けるコード受付部106と、認識された文字を含む画像の特徴量を初期設定メモリ107にあらかじめ記憶されている特徴量と比較し、最も類似している特徴量に対応づけられたデータ項目に文字を分類し、データメモリ102に記録するデータ登録部108とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種データを登録管理するデータ登録管理装置に関し、特にメモリ容量やCPU(Central Processing Unit)パワーが限られた携帯端末装置におけるデータ登録時の操作性を向上するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば携帯電話等に代表される携帯端末装置において様々な情報データを本体に入力し、登録管理する用途や要求が多くなっている。例えば、日々の体重や体温、血圧等の数値を携帯電話に入力し、ダイエットや健康の管理に利用している。このようなデータを入力する時の操作における操作性向上は重要な課題である。
【0003】
図8は従来の携帯端末装置の外観の構成を示す図である。この携帯端末装置は、操作部801と、表示部802と、スピーカー803と、マイク804とから構成されている。この携帯端末を代表とする従来の装置においてデータを入力する場合、操作部801の方向キー805で表示部802に表示されたメニューからデータ登録メニューを選択し、さらに登録項目を選択した後に、操作部801の0〜9までの数字キー等で数字や文字を入れるという操作が一般的になっている。しかしながら、このような携帯端末での操作においては、入力の都度にキーを押すという操作が必要であり、体重や体温、血圧等の日常的に入力が必要な場合には、メニュー選択、入力項目選択、一文字毎の文字入力というように手間がかかり、結果、管理が継続しないという課題がある。
【0004】
このような問題を解決するために、例えば、端末が自動でデータ入力時の自装置の周辺を撮影した画像データを環境対象データとして記録し、操作の状況データとして、データの登録管理に利用するような技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許第3469561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1で提案されているような技術の場合には、大量の画像データを蓄積記録する必要があるために、例えばメモリ容量やCPUパワーが限られた携帯端末装置では利用は困難である。
【0006】
そこで、本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、例えばメモリ容量やCPUパワーが限られた携帯端末装置であっても、各種データを登録する時のユーザの操作性を向上することができるデータ登録管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るデータ登録管理装置は、被写体を撮影する撮影手段と、前記撮影手段によって撮影された前記被写体の画像内の文字を認識する文字認識手段と、前記撮影手段によって撮影された前記画像の特徴量を抽出する画像特徴量抽出手段と、前記文字認識手段によって認識された前記画像内の文字を、前記画像特徴量抽出手段によって抽出された前記画像の特徴量に基づいて分類し、記録するデータ登録手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
これによって、例えばCCD(Charge Coupled Devices)カメラやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ等の撮影手段で対象を撮影するだけで、必要なデータを分類して登録管理することができ、手間のかからない操作を実現することができる。
【0009】
ここで、前記画像特徴量抽出手段は、前記特徴量として色分布、輝度分布、および文字部分位置の少なくとも1つを抽出してもよい。
【0010】
また、前記画像特徴量抽出手段は、前記画像を2次元の所定の小領域に分割する画像分割部と、前記小領域に含まれる画素の輝度平均を算出する輝度平均算出部と、各前記小領域の輝度平均をベクトル化し、前記ベクトルを前記特徴量として出力する特徴ベクトル出力部を備えてもよい。
【0011】
これによって、特徴量を効率的に表すことができる。
また、前記データ登録管理装置は、さらに、データ項目を受け付けるデータ項目受付手段と、前記画像特徴量抽出手段によって抽出された前記特徴量と前記データ項目受付手段によって受け付けられた前記データ項目とを記憶する初期設定記憶手段と、前記画像特徴量抽出手段によって抽出された前記特徴量を前記データ項目受付手段によって受け付けられた前記データ項目と対応づけて前記初期設定記憶手段に記録する初期設定手段とを備えてもよい。
【0012】
ここで、前記データ登録手段は、前記文字認識手段によって認識された前記文字を含む画像の特徴量を、前記初期設定記憶手段にあらかじめ記憶されている前記特徴量と比較し、最も類似している特徴量に対応づけられたデータ項目に、前記文字を分類し、記録してもよい。
【0013】
これによって、膨大な画像データの比較を必要とせずに登録するデータの項目、種類を判別することができる。
【0014】
また、前記データ登録管理装置は、さらに、前記初期設定記憶手段にあらかじめ記憶されている前記特徴量に基づいて、画像撮影が行われる際に被写体の文字位置を合わせるための基準位置を決定する基準位置決定手段と、画像撮影が行われる際に、前記基準位置決定手段によって決定された前記基準位置を示す基準表示と現在撮影中の画像との合成画像を出力する制御手段と、前記制御手段から出力された前記合成画像を表示する表示手段とを備えてもよい。
【0015】
これによって、文字認識すべき文字位置の特定がしやすくなり、文字認識の精度が向上し、誤操作を低減することができる。
【0016】
なお、本発明は、このようなデータ登録管理装置として実現することができるだけでなく、このようなデータ登録管理装置が備える特徴的な手段をステップとするデータ登録管理方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るデータ登録管理装置によれば、例えばCCDカメラやCMOSカメラ等の撮影手段で対象を撮影するだけで、必要なデータを分類して登録管理することができ、各種データを登録する時の操作性を向上することができる。また、膨大な画像データの比較を行う必要がなく、大きなメモリ容量やCPUへの大きな負荷なく、実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の各実施の形態について、それぞれ図面を参照しながら説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るデータ登録管理装置の構成を示すブロック図である。
【0020】
データ登録管理装置100は、データを登録管理するための例えば携帯端末装置として実現される装置であり、図1に示すようにCCDカメラ101、データメモリ102、画像特徴量抽出部103、文字認識部104、初期設定部105、コード受付部106、初期設定メモリ107、データ登録部108、制御部109、表示部110、および通信処理部111を備えている。
【0021】
CCDカメラ101は、撮影手段であり、被写体(対象の計測機器等)を撮影して画像を取得する。データメモリ102は、データ記憶手段であり、画像や文字等のデータを記憶する。画像特徴量抽出部103は、CCDカメラ101によって撮影されてデータメモリ102に記録された画像の特徴量を抽出する。文字認識部104は、CCDカメラ101によって撮影されてデータメモリ102に記録された画像内の文字を抽出し、認識する。
【0022】
コード受付部106は、データ項目受付手段であり、使用者によって入力される例えば「体重」、「体温」、「血圧」等のデータ項目に対応するコードを受け付ける。初期設定部105は、画像特徴量抽出部103によって抽出された特徴量をコード受付部106によって受け付けられたデータ項目(コード)と対応づけて初期設定メモリ107に記録する。初期設定メモリ107は、初期設定において記録される特徴量とデータ項目とを記憶する初期設定記憶手段である。
【0023】
データ登録部108は、文字認識部104によって認識された文字を含む画像の特徴量を、初期設定メモリ107にあらかじめ記憶されている特徴量と比較し、最も類似している特徴量に対応づけられたデータ項目に、文字を分類し、データメモリ102に記録する。
【0024】
制御部109は、データ項目毎に、データメモリ102に記録された文字と記録された日時とを対応づけてグラフ化または図形化して出力する。表示部110は、例えば液晶表示装置等の表示装置であり、制御部109から出力されたグラフまたは図形を表示する。通信処理部111は、制御部109から出力される文字、データ項目を通信データとして遠隔にある他の端末や記録装置に送信する等、無線によりデータの送受信を行う。
【0025】
図2は、実施の形態1における画像特徴量抽出部の詳細な構成を示すブロック図である。
【0026】
画像特徴量抽出部103は、図2に示すように画像分割部201、輝度平均算出部202、画像2値化部203、画素ヒストグラム算出部204、文字部分位置決定部205、および特徴ベクトル出力部207を備えている。
【0027】
画像分割部201は、入力された画像を2次元の所定の小領域に分割する。輝度平均算出部202は、各小領域に含まれる画素の輝度平均を算出する。画像2値化部203は、各小領域の平均輝度の分布画像を2値化する。画素ヒストグラム算出部204は、2値化画像において、水平方向の軸と垂直方向の軸に対して投影される画素の画素値を計数する。文字部分位置決定部205は、画素ヒストグラム算出部204から入力された計数結果において、あらかじめ設定された閾値以上となる各軸上の区間で、中心から連続している部分を抜き出し、抜き出した区間を文字部分位置と決定する。特徴ベクトル出力部207は、各前記小領域の輝度平均をベクトル化し、前記ベクトルを前記特徴量として出力する。
【0028】
次に、上記のように構成されたデータ登録管理装置100の動作について説明する。具体的な動作として、ここでは健康データとして体重を登録管理する場合を例に説明する。
【0029】
まず使用者は、新しい項目のデータを入力する場合に、これから登録するデータの項目に関して初期設定を行う。初期設定として、まず表示部110に表示される操作メニューより、初期データ登録項目として「体重」を選択し、次に自分の体重を計測する体重計の画像をCCDカメラ101で撮影する。撮影された画像は、データメモリ102に記憶され、次に画像特徴量抽出部103が撮影された画像を読み出し、以下の処理を行う。
【0030】
まず、画像分割部201は、図3(a)に示す入力された画像を図3(c)に示すように2次元の小領域に分割し、各小領域の各軸における座標の最大値と最小値をその小領域の位置情報として輝度平均算出部202に出力する。図3の例では、垂直方向、水平方向の各軸であらかじめ設定された数で等分割した場合を示している。なお、ここでは画像分割部201の分割は、各軸で等しい分割としたが、例えば、画像の中心付近は細かく、周辺は大きくというように各軸で違う割合で分割してもよい。
【0031】
輝度平均算出部202は、画像分割部201から入力された位置情報に基づき、各領域内に含まれる輝度平均値を求め、特徴ベクトル出力部207に出力する。この時、各画素の輝度値は、入力画像がRGBカラー画像である場合には、例えばG成分の画素の輝度としてもよいし、RGBの各成分の輝度値を平均するとしてもよい。図3では、図3(b)に示すG成分の画素の輝度を用い、図3(d)に示すように各領域の輝度平均値を濃淡で示している。この濃淡の分布画像は、撮影された計測器毎に異なり、計測器の撮影画像の大まかな特徴を表していると考えられる。
【0032】
次に、画像2値化部203は、輝度平均算出部202から入力された図4(a)に示すような各領域の平均輝度の分布画像を図4(c)に示すように2値化し、画素ヒストグラム算出部204に出力する。この時、画像2値化部203は、図4(b)に示すように各輝度平均値毎に入力された濃淡の分布画像内の画素数をカウントし、全体画素数の割合で設定される輝度値を閾値として、それよりも輝度値が大きい画素の画素値を0(図4では白)、小さい画素の画素値を1(図4では黒)とすることで2値化を実行する。
【0033】
画素ヒストグラム算出部204は、画像2値化部203から入力された2値化画像において、水平方向の軸と垂直方向の軸に対して投影される画素の画素値を計数し、図4(d)、図4(e)に示すような各軸座標における画素値の計数結果を文字部分位置決定部205に出力する。
【0034】
次に、文字部分位置決定部205は、「計測値を表す文字は、画像の中心付近に水平に並んでいる」、「文字は輝度が低く、2値化画像で画素値が1になる」という仮定から、画素ヒストグラム算出部204から入力された計数結果において、図5(b)、図5(c)に示すようにあらかじめ設定された計数結果の平均値に対する割合で決められる閾値以上となる各軸上の区間で、中心から連続している部分を抜き出し、抜き出された区間の各軸における最小値(Xmin,Ymin)、最大値(Xmax,Ymax)を文字部分位置と決定し、文字位置情報として特徴ベクトル出力部207と文字認識部104に出力する。
【0035】
特徴ベクトル出力部207は、輝度平均算出部202と文字部分位置決定部205から入力される数値をベクトル化し、画像の特徴を表す特徴量として、初期設定部15に出力する。
【0036】
ベクトル化した結果得られる特徴ベクトルV(x)は、輝度平均算出部202からの入力値が、垂直方向でi番目、水平方向でj番目の小領域の平均輝度をP(i,j)、文字部分位置決定部205からの入力値を(Xmin,Ymin),(Xmin,Ymin)とした場合には、次の式1に示すように、(m×n+4)次元のベクトルで表現される。
【0037】
V(x)={0≦i≦m,0≦j≦n,P(i,j),Xmin,Ymin,Xmin,Ymin} (0≦x≦m×n+4) …(式1)
【0038】
これによって、画像の色分布や輝度分布、文字部分と背景部分の分布を特徴として数値に反映できる。
【0039】
次に、コード受付部106は、使用者によって入力される「体重」というデータ項目に対応するコードを受け付ける。このとき、使用者は、例えば携帯端末装置の操作部にあるボタンを押してコードを入力したり、十字キーで表示手段110上に表示されたデータ項目を選択したりすることで入力を行う。なお、データ項目が選択されるような場合は、コード受付部106が選択されたデータ項目をコードに変換する。
【0040】
最後に、初期設定部105は、画像特徴量抽出部103から入力される式1で表される特徴量を「体重」というデータ項目であるとして、初期設定メモリ107に記録し、初期設定を終了する。
【0041】
なお、使用者は、データ登録管理したい対象の計測機器毎に対して、上記の初期設定を行い、各画像の特徴ベクトルを初期設定メモリ107に登録することになる。
【0042】
次に、使用者が通常にデータを登録する場合の動作について説明する。
まず、使用者は、自分の体重を計測する体重計の画像をCCDカメラ101で撮影する。次に、撮影された画像は、初期設定時と同様にデータメモリ102に記憶され、画像特徴量抽出部103に入力される。次に、画像特徴量抽出部103は、上記に述べた初期設定時と同様にして画像内の文字位置を決定し、その文字位置情報を文字認識部104に出力する。文字認識部104は、入力された文字位置の画像を図4に示すように2値化画像に変換するとともに、初期設定時と同様にして垂直方向と水平方向の画素値のヒストグラムを作成し、各軸の中心に近い部分のピーク値から文字列の位置を決定する。次に、文字認識部104は、1文字毎の画像を切り出し、文字を対応する文字コードに置き換える。ここでは、体重計に表示された計測結果の数値に置き換えられることになる。文字コードに置き換える手法としては、既に提案されているテンプレートマッチングやベクトル量子化、ニューラルネットといった手法を用いる。次に、文字認識部104は、文字毎に前記置き換えられた文字コードをデータ登録部108に出力する。
【0043】
さらに、初期設定時と同様に画像特徴量抽出部103が撮影された画像の特徴を表す特徴量である特徴ベクトルを求め、データ登録部108に出力する。
【0044】
データ登録部108は、初期設定メモリ107に登録されている特徴ベクトルと画像特徴量抽出部103から入力される特徴ベクトルとの距離を求め、最も近いと判断される初期設定メモリ107上に登録されている特徴ベクトルに対応するデータ項目が現在入力されたデータ項目であると判断する。そして、データ登録部108は、現在入力されたデータ項目であると判断したデータ項目に対応させて、文字認識部104から入力される文字コードをデータメモリ102に記録する。なお、特徴ベクトル間の距離については、初期設定時に登録されている特徴ベクトルをVn(x)、画像特徴量抽出部103から入力される特徴ベクトルをU(x)とした場合には、次の式2で表されるユークリッド距離として表現される。
【0045】
【数1】

【0046】
以上のようにして、計測対象を撮影した画像から計測結果の数値を読み出し、対応するデータ項目の計測値として登録することが可能となる。
【0047】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2に係るデータ登録管理装置の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0048】
データ登録管理装置600は、実施の形態1の構成に加えて図6に示すように基準位置決定部601および基準位置メモリ602を備えている。
【0049】
基準位置決定部601は、初期設定メモリ107にあらかじめ記憶されている特徴量に基づいて、画像撮影が行われる際に被写体の文字位置を合わせるための基準位置を決定する。基準位置メモリ602は、基準位置決定部601によって決定された基準位置を記憶する。制御部603は、画像撮影が行われる際に、基準位置メモリ602に記憶された基準位置を示す基準表示と現在撮影中の画像との合成画像を出力する。
【0050】
次に、上記のように構成されたデータ登録管理装置600で使用者がデータを登録する際の動作について説明する。ここでは、初期設定が実施の形態1で述べた手順で実施されているものとする。
【0051】
まず、コード受付部106は、使用者によって入力される例えば「体重」というデータ項目に対応するコードを受け付ける。このとき、使用者は、例えば携帯端末装置の操作部にあるボタンを押してコードを入力したり、十字キーで表示手段110上に表示されたデータ項目を選択したりすることで入力を行う。
【0052】
コード受付部106は、受け付けたコードを基準位置決定部601に出力する。次に、基準位置決定部601は、初期設定メモリ107にアクセスし、入力されたコードに対応する特徴ベクトルから文字位置情報を読み出し、文字位置情報から文字領域が含まれる矩形領域を求める。そして、基準位置決定部601は、あらかじめ設定された撮影される画像サイズと表示部110の表示画面の画素数から矩形領域の表示画面上の位置を決定し、その位置を文字が存在する基準位置として、基準位置メモリ602に記録する。制御部109は、図7に示すようにCCDカメラ101で撮影する際に基準位置メモリ602から基準位置を読み出し、使用者に対象計測器(ここでは、体重計)の文字表示部分をあわせられるように表示画面上に基準位置に対応する矩形701を表示する。使用者は、その矩形701に対象計測器の表示部があうようにしてCCDカメラ101で撮影を行う。
【0053】
このことによって、あらかじめ文字認識するべき位置が決められるとともに、いつも同じサイズの画像として撮影でき、結果的に文字認識精度を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
上述のように、本発明に係るデータ登録管理装置は、大きなメモリやCPUの負荷なく、携帯端末装置のカメラでデータ登録対象を撮影するだけでデータを登録することができ、例えば携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末装置に用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態1に係るデータ登録管理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1における画像特徴量抽出部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1における画像分割部および輝度平均算出部の動作を説明するための図であり、(a)撮影されたカラー入力画像、(b)入力画像のG成分の画像、(c)小領域に分割された画像、(d)濃淡分布の画像、の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1における画像2値化部および画素ヒストグラム算出部の動作を説明するための図であり、(a)濃淡分布の画像、(b)平均輝度値と画素数との関係のグラフ、(c)濃淡分布の2値化画像、(d)水平方向に投影した画素値の計数結果、(e)垂直方向に投影した画素値の計数結果、の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1における文字部分位置決定部の動作を説明するための図であり、(a)濃淡分布の2値化画像、(b)水平方向に投影した画素値の計数結果、(c)垂直方向に投影した画素値の計数結果、の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係るデータ登録管理装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態2における基準位置に対応する矩形の表示例を示す図である。
【図8】従来の携帯端末装置の外観の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
100、600 データ登録管理装置
101 CCDカメラ
102 データメモリ
103 画像特徴量抽出部
104 文字認識部
105 初期設定部
106 コード受付部
107 初期設定メモリ
108 データ登録部
109、603 制御部
110 表示部
111 通信処理部
201 画像分割部
202 輝度平均算出部
203 画像2値化部
204 画素ヒストグラム算出部
205 文字部分位置決定部
207 特徴ベクトル出力部
601 基準位置決定部
602 基準位置メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段によって撮影された前記被写体の画像内の文字を認識する文字認識手段と、
前記撮影手段によって撮影された前記画像の特徴量を抽出する画像特徴量抽出手段と、
前記文字認識手段によって認識された前記画像内の文字を、前記画像特徴量抽出手段によって抽出された前記画像の特徴量に基づいて分類し、記録するデータ登録手段と
を備えることを特徴とするデータ登録管理装置。
【請求項2】
前記画像特徴量抽出手段は、前記特徴量として色分布、輝度分布、および文字部分位置の少なくとも1つを抽出する
ことを特徴とする請求項1記載のデータ登録管理装置。
【請求項3】
前記画像特徴量抽出手段は、
前記画像を2次元の所定の小領域に分割する画像分割部と、
前記小領域に含まれる画素の輝度平均を算出する輝度平均算出部と、
各前記小領域の輝度平均をベクトル化し、前記ベクトルを前記特徴量として出力する特徴ベクトル出力部を備える
ことを特徴とする請求項1記載のデータ登録管理装置。
【請求項4】
前記データ登録管理装置は、さらに、
前記撮影手段によって撮影された前記画像、および前記文字認識手段によって認識された前記文字を記憶するデータ記憶手段を備える
ことを特徴とする請求項1記載のデータ登録管理装置。
【請求項5】
前記データ登録管理装置は、さらに、
データ項目を受け付けるデータ項目受付手段と、
前記画像特徴量抽出手段によって抽出された前記特徴量と前記データ項目受付手段によって受け付けられた前記データ項目とを記憶する初期設定記憶手段と、
前記画像特徴量抽出手段によって抽出された前記特徴量を前記データ項目受付手段によって受け付けられた前記データ項目と対応づけて前記初期設定記憶手段に記録する初期設定手段とを備える
ことを特徴とする請求項1記載のデータ登録管理装置。
【請求項6】
前記データ登録手段は、前記文字認識手段によって認識された前記文字を含む画像の特徴量を、前記初期設定記憶手段にあらかじめ記憶されている前記特徴量と比較し、最も類似している特徴量に対応づけられたデータ項目に、前記文字を分類し、記録する
ことを特徴とする請求項5記載のデータ登録管理装置。
【請求項7】
前記データ登録管理装置は、さらに、
前記データ項目毎に、前記データ記憶手段に記録された文字と記録された日時とを対応づけてグラフ化または図形化して出力する制御手段と、
前記制御手段から出力されたグラフまたは図形を表示する表示手段とを備える
ことを特徴とする請求項6記載のデータ登録管理装置。
【請求項8】
前記データ登録管理装置は、さらに、
前記初期設定記憶手段にあらかじめ記憶されている前記特徴量に基づいて、画像撮影が行われる際に被写体の文字位置を合わせるための基準位置を決定する基準位置決定手段と、
画像撮影が行われる際に、前記基準位置決定手段によって決定された前記基準位置を示す基準表示と現在撮影中の画像との合成画像を出力する制御手段と、
前記制御手段から出力された前記合成画像を表示する表示手段とを備える
ことを特徴とする請求項1記載のデータ登録管理装置。
【請求項9】
被写体を撮影する撮影ステップと、
前記撮影ステップにおいて撮影された前記被写体の画像内の文字を認識する文字認識ステップと、
前記撮影ステップにおいて撮影された前記画像の特徴量を抽出する画像特徴量抽出ステップと、
前記文字認識ステップにおいて認識された前記画像内の文字を、前記画像特徴量抽出ステップにおいて抽出された前記画像の特徴量に基づいて分類し、記録するデータ登録ステップと
を含むことを特徴とするデータ登録管理方法。
【請求項10】
被写体を撮影する撮影ステップと、
前記撮影ステップにおいて撮影された前記被写体の画像内の文字を認識する文字認識ステップと、
前記撮影ステップにおいて撮影された前記画像の特徴量を抽出する画像特徴量抽出ステップと、
前記文字認識ステップにおいて認識された前記画像内の文字を、前記画像特徴量抽出ステップにおいて抽出された前記画像の特徴量に基づいて分類し、記録するデータ登録ステップとをコンピュータに実行させる
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−67321(P2008−67321A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−245998(P2006−245998)
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】