説明

データ表示装置及び表示媒体並びにプログラム

【課題】表示媒体としての電子ペーパーをその本体装置から取り外して使用したとしてもデータの漏洩を適切に防止できるようにする。
【解決手段】電子ペーパー2がバインダ部から取り外される状態であることを検出した際に、この電子ペーパー2に表示されているデータのうち、その全部又は一部分のデータの表示を消去する。電子ペーパー2の表示領域内に表示されている1ページ分の表示データのうち、図中、一点鎖線で囲んだ矩形範囲内のデータ(グラフや表)は、秘匿対象のデータであることを示すと共に、電子ペーパー2の取り外し時にその範囲内のデータの表示が消去されるデータである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペーパーにデータを表示するデータ表示装置及び電子ペーパーを構成する表示媒体並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、データを表示する電子ペーパ(表示媒体)にあっては、表示メモリ性を有していて電源が切られた状態であっても一度書き込んだ表示を長時間保持することが可能であるほか、低消費電力で、薄くて持ち運びが可能であるというメリットを有しているため、複写機やスキャナなどでその表示内容が容易に読み取られてしまうという問題がある。
そこで、従来では、電子ペーパーにセンサを設けて、複写機に伏せてコピーしようとしたり、複写機の強い光を感知したりしたら即座に像を全面消去するようにした技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009‐244345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した先行技術の電子ペーパーにあっては、不正複写を防止するためにデータ表示を全面消去するものであり、複写行為をセンサにより検知してデータの表示を消去するためには、電源回路、表示制御回路、全体制御回路、各種センサなどを必要とするものであった。
ところで、電子ペーパーは、上述したように電源が切られても表示内容がそのまま保持されるため、例えば、電源部や制御部などを備えた本体装置から電子ペーパー(表示媒体)を取り外して(分離して)持ち出して使用することもできるようになる。
【0005】
このように本体装置から電子ペーパーを取り外して使用する場合に、この取り外した状態では電子ペーパーの表示内容を消去したり、変更したりすることができないために、例えば、持ち出し先で閲覧している最中にその背後から個人データや機密データが盗み見されてしまったり、電子ペーパーを置き忘れてしまったりする危険性があり、セキュリティ対策上、大きな問題となる。
【0006】
本発明の課題は、表示媒体としての電子ペーパーをその本体から取り外して使用したとしてもデータの漏洩を適切に防止できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、
表示媒体としての電子ペーパーにデータを表示するデータ表示装置であって、
前記電子ペーパーを取り外し可能に保持する保持手段と、
前記保持手段により取り付けられている前記電子ペーパーに表示データが表示されている状態において、前記保持手段から前記電子ペーパーが取り外される状態かを検出する検出手段と、
前記検出手段により電子ペーパーが取り外される状態であることが検出された際に、該電子ペーパーに表示されている表示データのうち、少なくともその一部分のデータの表示を消去する表示制御手段と、
を具備したことを特徴とする。
【0008】
請求項1に従属する発明として、
前記検出手段は、前記電子ペーパーが取り外されるに先立ってその電子ペーパーの保持状態の解除を指示する解除操作が行われた際に、電子ペーパーが取り外される状態であることを検出する、
ようにしたことを特徴とする、請求項2記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項1に従属する発明として、
前記保持手段は、前記電子ペーパーに電力を供給して電気的に接続する接続部を有し、前記接続部は、電源端子を含む複数の端子を有し、電子ペーパーが電気的に接続されて取り付けられている状態においてその電子ペーパーの取り外しが開始されてから取り外されるまでの間、電子ペーパーへの電力供給が維持されるように前記電源端子を信号端子よりも電子ペーパーの取り外し方向に長く形成し、
前記検出手段は、前記接続部内の信号端子と前記電子ペーパーとの接続が解除された際に、その電子ペーパーが取り外される状態であることを検出する、
ようにしたことを特徴とする、請求項3記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項1〜3のいずれかに従属する発明として、
前記表示制御手段は、前記電子ペーパーに表示されていた表示データのうち、予め決められている範囲内の表示データを秘匿対象のデータとして消去する、
ようにしたことを特徴とする、請求項4記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項1〜3のいずれかに従属する発明として、
前記電子ペーパーに表示されていた表示データの中から前記秘匿対象のデータを任意に指定する指定手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記電子ペーパーに表示されていた表示データのうち、前記指定手段により指定された秘匿対象のデータの表示を消去する、
ようにしたことを特徴とする、請求項5記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項1〜5のいずれかに従属する発明として、
前記電子ペーパーに内蔵された不揮発性記憶部と、
前記秘匿対象として消去する表示データを暗号化して前記不揮発性記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
を更に備える、
ようにしたことを特徴とする、請求項6記載の発明であってもよい。
【0013】
請求項6に従属する発明として、
前記記憶制御手段は、秘匿対象として消去する表示データを暗号化して前記電子ペーパー内の不揮発性記憶部に記憶させると共に、その暗号化又は復号化用のキーを該不揮発性記憶部に記憶させる、
ようにしたことを特徴とする、請求項7記載の発明であってもよい。
【0014】
請求項1〜7のいずれかに従属する発明として、
前記電子ペーパーに内蔵された不揮発性記憶部と、
前記秘匿対象として消去する表示データを前記電子ペーパー内の不揮発性記憶部に記憶させると共に、前記電子ペーパーに表示されている表示データのうち、どの範囲内のデータの表示を消去するかを示す消去範囲を前記不揮発性記憶部に記憶させる第2の前記記憶制御手段と、
を更に備える、
ようにしたことを特徴とする、請求項8記載の発明であってもよい。
【0015】
請求項1〜8のいずれかに従属する発明として、
前記保持手段から取り外された前記電子ペーパーが取り付けられた場合に、前記表示制御手段は、前記消去した表示データを該電子ペーパーに再表示させる、
ようにしたことを特徴とする、請求項9記載の発明であってもよい。
【0016】
請求項1〜9のいずれかに従属する発明として、
前記電子ペーパーに内蔵された不揮発性記憶部と、
前記秘匿対象として消去する表示データを識別する識別子を前記不揮発性記憶部に記憶させる第3の記憶制御手段と、
を更に備える、
ようにしたことを特徴とする、請求項10記載の発明であってもよい。
【0017】
また、上述した課題を解決するために請求項11記載の発明は、
データを表示する電子ペーパーを構成する表示媒体であって、
前記電子ペーパーを取り外し可能に保持するデータ表示装置に対して電気的に接続される接続部と、
前記電子ペーパーの表示面に貼り付けられていて光の透過及び遮蔽を制御する光制御シートと、
を備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項11に従属する発明として、
前記光制御シートは、反射型の液晶パネルシートである、
ことを特徴とする、請求項12記載の発明であってもよい。
【0019】
請求項11に従属する発明として、
前記光制御シートは、前記データ表示装置に前記電子ペーパーが取り付けられて該データ表示装置から電力供給を受けている状態では光を透過し、前記データ表示装置から前記電子ペーパーが取り外されて電力供給が遮断された状態では光を遮蔽する、
ようにしたことを特徴とする、請求項13記載の発明であってもよい。
【0020】
また、上述した課題を解決するために請求項14記載の発明は、
コンピュータに対して、
表示媒体としての電子ペーパーを取り外し可能に保持する保持手段により取り付けられている前記電子ペーパーに表示データが表示されている状態において、前記保持手段から前記電子ペーパーが取り外される状態かを検出する機能と、
前記電子ペーパーが取り外される状態であることが検出された際に、該電子ペーパーに表示されている表示データのうち、少なくともその一部分のデータの表示を消去する機能と、
を実現させるためのプログラム、であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、表示媒体としての電子ペーパーをその本体装置から取り外して使用したとしてもデータの漏洩を適切に防止することができ、電子ペーパーの持ち運び中や閲覧中に盗み見られる心配もなく、セキュリティ上有益なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】データ表示装置として適用した電子ペーパー装置の全体を概略的に示した外観図。
【図2】電子ペーパー2の概略正面図。
【図3】電子ペーパー2の表示領域内の表示データを具体的に例示した図。
【図4】電子ペーパー装置の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図5】電源投入に伴って実行開始される電子ペーパー装置の動作概要を示したフローチャート。
【図6】図5の動作に続くフローチャート。
【図7】第2実施形態における電子ペーパー2を説明するための図。
【図8】第2実施形態において電子ペーパー2の表示面の一部分に反射型液晶パネルシート5を貼り付けた部分における電子ペーパー2と液晶パネルシート5の作動状態を模式的に説明するための図。
【図9】第2実施形態において、電源投入に伴って実行開始される電子ペーパー装置の動作概要を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(実施形態1)
以下、図1〜図6を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、データ表示装置として適用した電子ペーパー装置の全体を概略的に示した外観図である。
電子ペーパー装置は、例えば、データを閲覧するデータベースセンタ(DBセンタ)などに設置されたもので、全体が略長方形の薄型の電子ペーパーを立て置きするスタンドタイプのデータ表示装置である。この電子ペーパー装置は、その本体装置(ベースユニット)1と、表示媒体としての電子ペーパー2を備え、この本体装置1には電子ペーパー2が取り外し可能に保持されている。
【0024】
本体装置1は、電子ペーパー(表示媒体)2を保持するバインダ部1aと、このバインダ部1aを支持するスタンド台1bと、電源ボタン1c、解除ボタン1d、表示開始ボタン1e、表示切替ボタン1fなどの各種操作ボタンのほか、後述する電源回路、表示制御回路、全体制御回路などを構成する各種の電子部品(図示省略)を有し、更に外部機器としてのパーソナルコンピュータ(PC)3にケーブル接続されている。PC3は、データベース(DB)4に格納されている表示データ(各種の売上データなど)を、このDB4から取得して電子ペーパー装置に転送すると、電子ペーパー装置は、この表示データを電子ペーパー2に表示させるようにしている。
【0025】
バインダ部1aは、電子ペーパー(表示媒体)2を取り外し可能(抜き差し可能)に保持するもので、電子ペーパー2が電気的に接続される差込型の接続部1gと電子ペーパー2の一端部を挟み持つ挟持部1hを有している。この挟持部1hには、電子ペーパー2の一端部を挟み持った状態でロックするロック機構(図示省略)が備えられており、このロック状態のまま電子ペーパー2をその抜き取り方向に引っ張っても取り外せないようにしているが、解除ボタン1dが操作された際には、その操作に応答してそのロック状態を解除するようになっている。電源ボタン1cは、電源をオン/オフさせるボタンである。
【0026】
この解除ボタン1dは、バインダ部1aに保持されている電子ペーパー2を取り外す際に、それに先立って操作されるもので、本体装置1は、解除ボタン1dが操作されると、つまり、電子ペーパー2がバインダ部1aから取り外される状態であることを検出すると、電子ペーパー2に表示されている表示データを所定の条件でその全部又は一部の表示を消去するようにしている。すなわち、電子ペーパー2が取り外されるに先立って解除ボタン1dが操作されてから電子ペーパー2が実際に取り外されるまでの時間を利用して、電子ペーパー2に表示されている表示データの全部又は一部の表示を消去するようにしている。表示開始ボタン1eは、電子ペーパー2にデータを表示すべきことを指示するボタンである。また、表示切替ボタン1fは、次のページの表示データに切り替え表示させることを指示するボタンである。
【0027】
図2は、電子ペーパー2の概略正面図である。
電子ペーパー2は、電気泳動現象を利用したマイクロカプセル方式の電子ペーパーで、図示しないが、対向する一対の電極の間に、着色された荷電粒子(荷電体)が充填された媒体が多数配置され、この一対の電極間に電圧が印加されると、この媒体内の荷電粒子が印加された電圧に応じた方向に移動することで表示を行う構成となっている。この電子ペーパー2の一端部(図中、左端部)の中央部分には、バインダ部1a側の接続部1gに電気的に接続される差込型の接続部2aが設けられている。なお、この接続部2aの上部及び下部は、本体装置1側の挟持部1hによって挟み持たれる被保持領域となっており、その他の略全域は、有効な表示領域となっている。
【0028】
この表示領域内の表示データは、上述したように本体装置1のバインダ部1aから取り外される際に、所定の条件でその全部又は一部が消去される。なお、図中、矢印方向は、バインダ部1aに保持されている電子ペーパー2を取り外す際の抜き取り方向(右方向)を示している。本体装置1は、電子ペーパー2の表示内容に秘匿すべきデータが含まれていることを検出した場合やユーザ操作により秘匿すべき範囲内のデータが指定された場合を条件として、電子ペーパー2を構成する一対の電極の間に所定電圧を印加して単色表示(全面黒表示あるいは全面白表示)させることにより表示内容を消去するようにしている。また、電子ペーパー2の一隅部(図中、左上隅部)には、読み書きが可能な不揮発性のメモリチップ2bが内蔵されており、本体装置1は、電子ペーパー2に表示されている各種のデータの中から秘匿すべきデータの秘匿範囲を指定する際に、その秘匿データを暗号化して電子ペーパー2のメモリチップ2bに書き込むようにしている。なお、この暗号化は、データを表示する際やデータを消去する際に行うようにしてもよい。
【0029】
図3は、電子ペーパー2の表示領域内の表示データを具体的に例示した図である。
ここで、電子ペーパー2の表示領域内に表示されている1ページ分の表示データのうち、図中、一点鎖線で囲んだ矩形範囲内のデータは、消去範囲(秘匿範囲)内の表示データ(グラフや表)を示している。すなわち、消去範囲(秘匿範囲)内の表示データは、秘匿対象のデータであることを示すと共に、電子ペーパー2の取り外し時にその範囲内のデータの表示が消去されるデータであることを示している。この消去範囲(秘匿範囲)内の表示データは、暗号化されて電子ペーパー2のメモリチップ2bに書き込まれる。その際、暗号化されたデータとその暗号キーのほか、消去範囲(秘匿範囲)も併せてメモリチップ2bに書き込むようにしている。
【0030】
なお、消去範囲(秘匿範囲)は、二点座標(例えば、左上座標と右下座標)によって示すように、例えば、図示の例では、左上座標(50、1000)、右下座標(120、1900)となる。また、秘匿範囲内のデータを除く全ての表示データは、電子ペーパー2が取り外された後においても表示されたままとなる。このメモリチップ2bは、電子ペーパー2が取り外されて電力が遮断された後においてもその記憶内容を保持する不揮発性のメモリで、電子ペーパー2が再度取り付けられた際に、本体装置1は、メモリチップ2b内の暗号化データ(暗号化されたデータ)をその暗号キーをそのまま使用して、復号化することにより元の秘匿範囲内に配置表示されるようにしている。
【0031】
図4は、電子ペーパー装置の基本的な構成要素を示したブロック図である。
電子ペーパー装置の本体装置1は、電源回路、表示制御回路、全体制御回路などを構成する各種の電子部品を備えたもので、制御部11を中核として動作する。制御部11は、電源部(例えば、商用電源)12からの電力供給によって動作し、記憶部13内の各種のプログラムに応じてこの電子ペーパー装置の全体動作を制御する中央演算処理装置やメモリ(図示省略)などを有している。記憶部13は、例えば、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリなどの2以上を組み合わせた構成で、プログラム記憶部M1、データ記憶部M2などを有している。
【0032】
プログラム記憶部M1は、図5及び図6に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているほか、それに必要となる各種のデータが記憶されている。データ記憶部M2は、電子ペーパー2に表示させるデータを記憶保存する領域である。操作部14、電源ボタン1c、解除ボタン1dなどの各種ボタンを備えた操作部であり、制御部1は、この操作部14からの入力操作信号に応じた処理を行う。PC接続部15は、PC3にケーブル接続されるUSB(Universal Serial Bus)インターフェースである。電子ペーパー接続部16は、上述したバインダ部1a内の接続部1gを有する構成で、電源端子及び信号端子を有し、電子ペーパー2に電力を供給したり、表示データを入力したりする。
【0033】
次に、本実施形態における電子ペーパー装置の動作概念を図5及び図6に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードに従った動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0034】
図5及び図6は、電子ペーパー装置の動作概要を示したフローチャートで、電源投入に伴って実行開始される。
先ず、制御部11は、電子ペーパー接続部16をアクセスして電子ペーパー2が接続されているかを調べ(図5のステップA1)、電子ペーパー2が接続されるまで待機状態となるが、電子ペーパー2が接続されると(ステップA1でYES)、表示開始ボタン1eの操作待ち状態となる(ステップA2)。ここで、表示開始ボタン1eが操作されると(ステップA2でYES)、PC3に対して表示データの転送を要求し、それに応答してPC3側から送信される表示データ(画像データ)を受信取得する(ステップA3)。この場合、PC3側では、DB4から読み出した表示データを暗号キーと共に電子ペーパー装置に対して送信し、電子ペーパー装置の制御部11は、この表示データ及び暗号キーを取得して、その表示データを電子ペーパー2に表示させる(ステップA4)。
【0035】
このように表示データが電子ペーパー2に表示されている状態において、ユーザ(視認者)はその中に秘匿すべきデータ(例えば、個人データや機密データ)が含まれていることを確認すると、その秘匿範囲を指定して秘匿すべきことを指示する秘匿指示操作を行う。なお、この場合の秘匿指示操作は、PC3側のキーボードやマウス操作で行うようにしているが、操作部14に秘匿指示ボタン、カーソルボタンを設けるようにしてもよく、また、PC3側で行うか電子ペーパー装置側で行うかを任意に選択できるようにしてもよい。ここで、制御部11は、秘匿指示操作が行われたかを調べたり(ステップA5)、表示データに秘匿範囲が付加されているかを調べたりする(ステップA6)。なお、表示データに付加されている秘匿範囲は、PC3側で予め付加されたもので、PC3側から表示データを取得する際に、この表示データに付加されている秘匿範囲をも併せて取得するようにしている。
【0036】
いま、秘匿指示操作が行われなかった場合であり(ステップA5でNO)、かつ表示データに秘匿有りを示すデータが付加されていなかった場合には(ステップA6でNO)、後述するステップA10に移るが、秘匿指示操作が行われた場合(ステップA5でYES)や秘匿範囲が付加されている場合には(ステップA6でYES)、次のステップA7に移り、表示データ内に秘匿データが有ることを示すために秘匿フラグをオンさせる。そして、秘匿範囲内のデータを暗号キーを使用して暗号化する(ステップA8)。この場合、秘匿指示操作が行われた秘匿範囲に該当する部分のデータ、表示データに付加されていた秘匿範囲に該当する部分のデータを暗号化するが、この秘匿範囲が1ページ分の全領域であれば、1ページ分の表示データを全て暗号化する。これによって暗号化した暗号化データを暗号キー及び秘匿範囲と共に、電子ペーパー2のメモリチップ2b内に書き込む(ステップA9)。
【0037】
この状態において、解除ボタン1dが操作されたかを調べたり(ステップA10)、表示切替ボタン1fが操作されたかを調べたり(ステップA11)、電源ボタン1cによる電源オフ操作が行われたかを調べたりしながら操作待ち状態となる(ステップA12)。ここで、電源オフ操作が行われたときには(ステップA12でYES)、この時点で図5及び図6のフローの終了となるが、表示切替ボタン1fが操作されたときには(ステップA11でYES)、電子ペーパー2のメモリチップ2bの記憶内容をクリアすると共に、上述の秘匿フラグをオフする(ステップA13)。そして、次の表示データを指定してその転送をPC3に対して要求した後(ステップA14)、上述のステップA3に戻り、PC3側から表示データ及び暗号キーを受信取得し、その表示データを電子ペーパー2に表示させる(ステップA4)。以下、同様に秘匿範囲内の表示データを暗号化して電子ペーパー2のメモリチップ2b内に書き込む処理が行われる(ステップA7〜A9)。
【0038】
いま、解除ボタン1dが操作されたときには(ステップA10でYES)、図6のフローに移り、挟持部1hのロック機構を作動させて電子ペーパー2の保持状態(ロック状態)を解除させる(ステップA15)。これによって電子ペーパー2は、本体装置(ベースユニット)1から取り外し(抜き取り)可能な状態となる。この状態において、秘匿フラグがオンされているかを調べ(ステップA16)、秘匿フラグがオンされていれば(ステップA16でYES)、電子ペーパー2に表示されている1ページ分の表示データのうち、メモリチップ2bに記憶されている秘匿範囲内に該当する部分のデータの表示を消去する(ステップA17)。この場合、秘匿範囲に該当する部分に所定電圧を印加して単色表示(全面黒表示あるいは全面白表示)させることにより秘匿範囲に該当する部分のデータの表示を消去する。
【0039】
その後、電子ペーパー接続部16をアクセスして電子ペーパー2が接続されているかを調べ(ステップA18)、電子ペーパー2が接続されるまで待機状態となる。いま、電子ペーパー2が接続されていれば(ステップA18でYES)、挟持部1hのロック機構を作動させて電子ペーパー2を保持するロック状態にした後(ステップA19)、秘匿フラグがオンされているかを調べ(ステップA20)、秘匿フラグがオフされていれば(ステップA20でNO)、表示データ内に秘匿対象のデータが含まれていない場合であるから、図5のステップA10に移って、操作待ち状態となる。
【0040】
また、秘匿フラグがオンされていれば(ステップA20でYES)、電子ペーパー2のメモリチップ2bから暗号キー、暗号化データ、秘匿範囲をそれぞれ読み出し取得し(ステップA21)、この暗号化データをその暗号キーで復号化した後(ステップA22)、電子ペーパー2に表示されている1ページ分の表示のうち、その秘匿範囲に該当する部分に復号化データを配置表示させる(ステップA23)。これによって電子ペーパー2の表示内容は元の状態に復元されることになる。その後、図5のステップA10に移り、操作待ち状態となるが、この状態において、表示切替ボタン1fが操作されたときには(ステップA10でYES)、上述と同様の動作を繰り返すことにより、次の表示データを指定して電子ペーパー2に表示させる。
【0041】
以上のように、第1実施形態において制御部11は、バインダ部1aに電子ペーパー2が取り外し可能に保持されている状態において、この電子ペーパー2がバインダ部1aから取り外される状態であることを検出した際に、この電子ペーパー2に表示されているデータのうち、その全部又は一部分のデータの表示を消去するようにしたので、電子ペーパー2をその本体装置1から取り外して使用したとしてもデータの漏洩を適切に防止することができ、持ち運び中や閲覧中に盗み見られる心配もなく、電子ペーパー2の不正持ち出しを間接的に防止することもでき、セキュリティ上有益なものとなる。
【0042】
電子ペーパー2の保持の解除を指示する解除ボタン1dが操作された際に、電子ペーパー2が取り外される状態であることを検出するようにしたので、電子ペーパー2が取り外されるに先立って解除ボタン1dが操作されてから電子ペーパー2が実際に取り外されるまでの時間を利用して、電子ペーパー2に表示されているデータの表示を消去することができる。
【0043】
電子ペーパー2に表示されていた表示データのうち、予めPC3側で付加された秘匿範囲内のデータの表示を消去するようにしたので、電子ペーパー2の取り外し時には、秘匿対象のデータを適切に消去することができる。
【0044】
電子ペーパー2に表示されていた表示データの中から秘匿対象のデータがユーザ操作により任意に指定された場合に、その指定範囲内のデータを秘匿対象として消去するようにしたので、電子ペーパー2の取り外しに先立って、必要に応じてデータの表示を適切に消去することができる。
【0045】
秘匿対象として消去する表示データを暗号化して、電子ペーパー2に内蔵されたメモリチップ2bに書き込むようにしたので、電子ペーパー2を再接続させる際に、取り外し元の電子ペーパー装置に再接続せず、他の電子ペーパー装置に接続したとしてもメモリチップ2b内の暗号化データを復号化することで、他の電子ペーパー装置でも電子ペーパー2への再表示が可能となる。この場合、他の電子ペーパー装置と電子ペーパー2との間でID認証などを条件とするようにしてもよい。
【0046】
秘匿対象として消去する表示データを暗号化して、電子ペーパー2に内蔵されたメモリチップ2bに書き込むと共に、その暗号キーをメモリチップ2bに書き込むようにしたので、取り外し元の電子ペーパー装置に接続しなくても他の電子ペーパー装置に接続したとしてもメモリチップ2b内の暗号化データを容易に復号化することができる。
【0047】
秘匿対象として消去する表示データを電子ペーパー2内のメモリチップ2bに書き込むと共に、電子ペーパー2に表示されているデータのうち、どの範囲内のデータの表示を消去するかを示す消去範囲(秘匿範囲)をメモリチップ2bに記憶させるようにしたので、電子ペーパー2を再接続には、この消去範囲(秘匿範囲)内のデータを元の位置に配置表示させることができる。
【0048】
電子ペーパー2が取り付けられた場合に、その取り外し時に消去した表示データを再表示させるようにしたので、電子ペーパー2が取り付けるだけで容易に表示内容を復元することができる。
【0049】
なお、上述した第1実施形態においては、電子ペーパー2が取り外されるに先立って解除ボタン1dが操作されてから電子ペーパー2が実際に取り外されるまでの時間を利用して、電子ペーパー2に表示されている表示データの表示を消去するようにしたが、電子ペーパー2の取り外しが開始されてから実際に取り外されるまでの間、電子ペーパー2への電力供給を維持するようにすれば、その時間を利用して、電子ペーパー2に表示されている表示データの表示を消去することができる。この場合、電子ペーパー接続部16内の電源端子を信号端子よりも電子ペーパー2の抜き差し方向に長く形成し、電子ペーパー接続部16内の信号端子と電子ペーパー2との接続が解除された際に、その電子ペーパー2が取り外される状態であることを検出するようにしてもよい。これによって電子ペーパー2を抜き取る(引き抜く)だけで秘匿対象のデータの表示を消去することができる。
【0050】
また、電子ペーパー2に表示されているデータのうち、秘匿範囲内のデータを暗号化する場合には、共通鍵暗号方式又は公開鍵暗号方式のいずれかを採用するようにしてもよい。そして、共通鍵暗号方式を採用した場合には、その暗号化に使用した暗号化用のキーを、また、公開鍵暗号方式を採用する場合には復号化用のキー(秘密鍵又は公開鍵)を電子ペーパー2のメモリチップ2bに書き込むようにすればよい。
【0051】
上述した第1実施形態においては、電子ペーパー2に表示されているデータのうち、秘匿範囲内のデータを暗号化して、その暗号化データなどを電子ペーパー2のメモリチップ2bに書き込むようにしたが、電子ペーパー2に表示されているデータを識別する識別子(例えば、データ管理No.など)をメモリチップ2bに書き込むようにしてもよい。この場合、電子ペーパー2が再接続された際に、そのメモリチップ2bから表示データを識別する識別子を読み出し、この識別子に該当する表示データを読み出して電子ペーパー2に再表示させるようにすればよい。このように識別子をメモリチップ2bに記憶するようにすれば、データの表示の消去時や再表示時の処理の簡素と共にメモリチップ2bも小容量で足りる。
【0052】
また、上述した第1実施形態においては、電子ペーパー2が取り付けられた際にその取り外し時に消去した表示データを再表示させる場合に、メモリチップ2bから暗号化データと暗号キーを読み出して再表示させるようにしたが、電子ペーパー装置側に保持した暗号キーと電子ペーパー2側に保持した暗号キーとを照合する認証処理を実行し、その結果、両者が一致することを条件として、復号化処理を行って再表示させるようにしてもよい。
【0053】
(実施形態2)
以下、この発明の第2実施形態について図7〜図9を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、電子ペーパー2がバインダ部1aから取り外される状態であることを検出した際に、この電子ペーパー2に表示されているデータの表示を消去するようにしたが、この第2実施形態においては、電子ペーパー2の表示面の一部分に、光の透過及び遮蔽を制御する光制御シートを貼り付け、電子ペーパー2に表示されている表示データの一部分を、この光制御シートで遮蔽したり透過したりするようにしたものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0054】
図7は、第2実施形態における電子ペーパー2を説明するための図である。
第2実施形態の電子ペーパー2は、上述したように本体装置1に電気的に接続される接続部2aを有するほか、電子ペーパー2の表示面内の所定領域に光の透過及び遮蔽を制御する光制御シートとして反射型液晶パネルシート5を貼り付けた構成となっている。この反射型液晶パネルシート5は、本体装置1から電力供給を受けている状態では光を透過し、本体装置1から電子ペーパー2が取り外されることにより電力供給が遮断された状態では光を遮蔽するTN(Twisted Nematic型)液晶のパネルシートである。なお、図示の例では、電子ペーパー2の下端から略2/3領域に反射型液晶パネルシート5を貼り付け固定するようにしているが、この液晶パネルシート5の貼り付け領域は、秘匿対象のデータが表示される可能性の高い領域として予め決められた部分である。
【0055】
図8は、第2実施形態において電子ペーパー2の表示面の一部分に反射型液晶パネルシート5を貼り付けた部分における電子ペーパー2と液晶パネルシート5の作動状態を模式的に説明するための図である。なお、図中、矢印方向は、電子ペーパー2の表示面をユーザの見る方向を示している。
反射型液晶パネルシート5は、対向する一対の基板間のTN液晶と呼ばれる液晶分子の配向を90度ねじれるようにするもので、電圧が印加されている状態で液晶分子は、基板に対して垂直方向に揃って並び、光は液晶層を通過する透過状態となるが、電圧が印加されなくなると、液晶分子は基板に対して平行方向に揃って並び、光は液晶層で遮断される状態となる。電子ペーパー2においては、上述したように、対向する一対の電極の間に、着色された荷電粒子(荷電体)が媒体内に充填されている状態において、この一対の電極間に電圧が印加されると、この媒体内の荷電粒子が印加された電圧に応じた方向に移動することで表示を行うが、その表示内容は反射型液晶パネルシート5による光の透過や遮蔽により見えたり、見えなくなったりする。
【0056】
図9は、第2実施形態における電子ペーパー装置の動作概要を示したフローチャートで、電源投入に伴って実行開始される。
先ず、制御部11は、電子ペーパー接続部16をアクセスして電子ペーパー2が接続されているかを調べ(ステップB1)、電子ペーパー2が接続されるまで待機状態となるが、電子ペーパー2が接続されているときには(ステップB1でYES)、表示開始ボタン1eの操作待ち状態となる(ステップB2)。ここで、表示開始ボタン1eが操作されると(ステップB2でYES)、電子ペーパー2に貼り付けられている反射型液晶パネルシート5に対する電力供給を開始して、この反射型液晶パネルシート5を透過状態とした後に、PC3に対して表示データの転送を要求し、それに応答してPC3側から送信される表示データ(画像データ)を取得して(ステップB3)、電子ペーパー2に表示させる(ステップB4)。
【0057】
このように電子ペーパー2に表示データが表示されている状態において、制御部11は、表示切替ボタン1fが操作されたかを調べたり(ステップB5)、電源ボタン1cによる電源オフ操作が行われたかを調べたり(ステップB7)、電子ペーパー接続部16をアクセスして電子ペーパー2が取り外されたかを調べたりする(ステップB8)。ここで、電源オフ操作が行われたときには(ステップB7でYES)、この時点で図9のフローの終了となるが、表示切替ボタン1fが操作されたときには(ステップB5でYES)、次の表示データを指定してPC3にその転送を要求した後(ステップB6)、上述のステップB3に戻り、その転送要求に応答してPC3側から送信される表示データを取得し、電子ペーパー2に表示させる(ステップB4)。
【0058】
また、電子ペーパー2が取り外されたときには(ステップB8でYES)、電子ペーパー2への電力供給を遮断した後に、電子ペーパー接続部16をアクセスして電子ペーパー2が接続されたかを調べながら待機状態となる(ステップB9)。いま、電子ペーパー2が接続されたときには(ステップB9でYES)、上述のステップB3に移り、電子ペーパー2の反射型液晶パネルシート5に対する電力供給を開始した後に、PC3側から送信される表示データ(画像データ)を取得して、電子ペーパー2に表示させる(ステップB4)。以下、上述の動作を繰り返す。
【0059】
以上のように、第2実施形態における電子ペーパー2は、本体装置1に電気的に接続される接続部2aを有するほか、電子ペーパー2の表示面内の所定領域に光の透過及び遮蔽を制御する光制御シートとして反射型液晶パネルシート5を貼り付けた構成としたので、接続部2aを介して本体装置に電気的に接続されたか否かに応じて反射型液晶パネルシート5を、光を透過する状態と光を遮蔽する状態に切り替えることができ、電子ペーパー2をその本体装置1から取り外して使用したとしてもデータの漏洩を適切に防止することができ、持ち運び中や閲覧中に盗み見られる心配もなく、電子ペーパー2の不正持ち出しを間接的に防止することもでき、セキュリティ上有益なものとなる。
【0060】
なお、上述した第2実施形態においては、電子ペーパー2の表示面の一部分に反射型液晶パネルシート5貼り付けるようにしたが、表示面全体に反射型液晶パネルシート5を貼り付けるようにしてもよい。
また、上述した第2実施形態においては、光の透過及び遮蔽を制御する光制御シートとして反射型液晶パネルシート5を例示したが、これに限らず、任意である。
【0061】
なお、上述した各実施形態における電子ペーパー装置は、スタンドタイプを例示したが、ブック型のように両開きタイプであってもよく、また、壁掛タイプであってもよいなど、その全体形状は問わない。また、スタンド台1bに各種のボタンとして、電源ボタン1c、解除ボタン1d、表示開始ボタン1e、表示切替ボタン1fを備えるようにしたが、これらのボタンをPC3側のキーボードを兼用するようにしてもよい。
【0062】
また、上述した各実施形態においては、電気泳動現象を利用したマイクロカプセル方式の電子ペーパー2を示したが、液晶方式などの電子ペーパー2であってもよい。
また、上述した各実施形態においては、表示専用機としての電子ペーパー装置に適用したが、データ表示装置を備えた各種の電子機器、例えば、携帯電話機、卓上電子計算機、パーソナルコンピュータ(ノートパソコンなど)、PDA、デジタルカメラ、音楽プレイヤーなどであってもよい。
【0063】
その他、上述した各実施形態において示した“装置”や“部”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 本体装置(ベースユニット)
1a バインダ部
1b スタンド台
1c 電源ボタン
1d 解除ボタン
2 電子ペーパー
2a 接続部
2b メモリチップ
3 パーソナルコンピュータ(PC)
4 データベース(DB)
5 反射型液晶パネルシート
11 制御部
13 記憶部
14 操作部
15 PC接続部
16 電子ペーパー接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示媒体としての電子ペーパーにデータを表示するデータ表示装置であって、
前記電子ペーパーを取り外し可能に保持する保持手段と、
前記保持手段により取り付けられている前記電子ペーパーに表示データが表示されている状態において、前記保持手段から前記電子ペーパーが取り外される状態かを検出する検出手段と、
前記検出手段により電子ペーパーが取り外される状態であることが検出された際に、該電子ペーパーに表示されている表示データのうち、少なくともその一部分のデータの表示を消去する表示制御手段と、
を具備したことを特徴とするデータ表示装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記電子ペーパーが取り外されるに先立ってその電子ペーパーの保持状態の解除を指示する解除操作が行われた際に、電子ペーパーが取り外される状態であることを検出する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載のデータ表示装置。
【請求項3】
前記保持手段は、前記電子ペーパーに電力を供給して電気的に接続する接続部を有し、前記接続部は、電源端子を含む複数の端子を有し、電子ペーパーが電気的に接続されて取り付けられている状態においてその電子ペーパーの取り外しが開始されてから取り外されるまでの間、電子ペーパーへの電力供給が維持されるように前記電源端子を信号端子よりも電子ペーパーの取り外し方向に長く形成し、
前記検出手段は、前記接続部内の信号端子と前記電子ペーパーとの接続が解除された際に、その電子ペーパーが取り外される状態であることを検出する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載のデータ表示装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記電子ペーパーに表示されていた表示データのうち、予め決められている範囲内の表示データを秘匿対象のデータとして消去する、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のデータ表示装置。
【請求項5】
前記電子ペーパーに表示されていた表示データの中から前記秘匿対象のデータを任意に指定する指定手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記電子ペーパーに表示されていた表示データのうち、前記指定手段により指定された秘匿対象のデータの表示を消去する、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のデータ表示装置。
【請求項6】
前記電子ペーパーに内蔵された不揮発性記憶部と、
前記秘匿対象として消去する表示データを暗号化して前記不揮発性記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のデータ表示装置。
【請求項7】
前記記憶制御手段は、秘匿対象として消去する表示データを暗号化して前記電子ペーパー内の不揮発性記憶部に記憶させると共に、その暗号化又は復号化用のキーを該不揮発性記憶部に記憶させる、
ようにしたことを特徴とする請求項6記載のデータ表示装置。
【請求項8】
前記電子ペーパーに内蔵された不揮発性記憶部と、
前記秘匿対象として消去する表示データを前記電子ペーパー内の不揮発性記憶部に記憶させると共に、前記電子ペーパーに表示されている表示データのうち、どの範囲内のデータの表示を消去するかを示す消去範囲を前記不揮発性記憶部に記憶させる第2の前記記憶制御手段と、
を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のデータ表示装置。
【請求項9】
前記保持手段から取り外された前記電子ペーパーが取り付けられた場合に、前記表示制御手段は、前記消去した表示データを該電子ペーパーに再表示させる、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のデータ表示装置。
【請求項10】
前記電子ペーパーに内蔵された不揮発性記憶部と、
前記秘匿対象として消去する表示データを識別する識別子を前記不揮発性記憶部に記憶させる第3の記憶制御手段と、
を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のデータ表示装置。
【請求項11】
データを表示する電子ペーパーを構成する表示媒体であって、
前記電子ペーパーを取り外し可能に保持するデータ表示装置に対して電気的に接続される接続部と、
前記電子ペーパーの表示面に貼り付けられていて光の透過及び遮蔽を制御する光制御シートと、
を備えたことを特徴とする表示媒体。
【請求項12】
前記光制御シートは、反射型の液晶パネルシートである、
ことを特徴とする請求項11記載の表示媒体。
【請求項13】
前記光制御シートは、前記データ表示装置に前記電子ペーパーが取り付けられて該データ表示装置から電力供給を受けている状態では光を透過し、前記データ表示装置から前記電子ペーパーが取り外されて電力供給が遮断された状態では光を遮蔽する、
ようにしたことを特徴とする請求項11記載の表示媒体。
【請求項14】
コンピュータに対して、
表示媒体としての電子ペーパーを取り外し可能に保持する保持手段により取り付けられている前記電子ペーパーに表示データが表示されている状態において、前記保持手段から前記電子ペーパーが取り外される状態かを検出する機能と、
前記電子ペーパーが取り外される状態であることが検出された際に、該電子ペーパーに表示されている表示データのうち、少なくともその一部分のデータの表示を消去する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−145682(P2012−145682A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2844(P2011−2844)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】