説明

データ記録/再生装置および方法、並びにディスク状記録媒体

【課題】記録密度が標準的なものと、高密度のものとで、エラー訂正符号化のバーストエラー訂正能力を切り替え、それによって、高記録密度でも信頼性を保持する。
【解決手段】選択回路66は、ディスクIDに基づいてパリティ生成回路65aおよびパリティ生成回路65bの何れかを選択する。パリティ生成回路65aが選択された場合には、(8×130)バイトのデータシンボルの2次元配列に対して、横方向の130バイト毎に〔146、130、17〕のリード・ソロモン符号の符号化を行い、16バイトのパリティを生成する。パリティ生成回路65bが選択された場合には、(16×130)バイトのデータシンボルの2次元配列に対して、横方向の130バイト毎に〔146、130、17〕のリード・ソロモン符号の符号化を行い、16バイトのパリティを生成する。エラー訂正符号を行うデータブロックのサイズを切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、異なるフォーマットのデータ記録媒体、特に、異なるセクタサイズのデータ記録媒体の間の信号処理を簡単化できるデータ記録/再生装置および方法、並びにディスク状記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの外部記憶装置として、大容量、高速アクセスの利点から光ディスクドライブが注目され、既に、CD−ROM(またはCD−I(CD Interactive) )ドライブ、MO(イレーザブルディスクの一つである光磁気ディスク)ドライブの採用は、急速に拡がりつつある。これら以外にも、ディスク直径が2.5インチのMD(ミニディスク;イレーザブルディスク)も提案されている。さらに、映像記憶媒体として、DVD(ディジタル・ビデオ・ディスク)が開発されつつある。
【0003】
DVDは、CDと同一の直径の再生専用ディスク、またはMOディスクあるいは相変化型ディスクとされた記録/再生可能な光ディスクであって、MPEG等で圧縮した映像情報を再生、または記録/再生できるディスクである。DVDでは、レーザ光の短波長化の進展と、対物レンズのNAの増大と共に、ディジタル変調およびエラー訂正符号化の処理の改良によって、記録密度がより一層、向上され、単層ディスクの場合でも、データ記憶容量が約3.7Gバイトと膨大なものである。CD、MDが当初は、ディジタルオーディオディスクとして開発され、その後、コンピュータの外部記憶媒体としても利用されるのと同様に、より大容量のDVDもコンピュータの外部記憶媒体として利用されることが期待されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
DVDの例のように、技術の進歩により記録媒体の高密度化が進み、そして、それがあるレベル以上実現可能となると、新しい記録媒体や、記録/再生装置が開発される。既存の記録媒体と、新たな高密度記録媒体の間の互換性を考慮して、記録/再生される信号フォーマットを同一にすると、媒体上の欠陥(ゴミ、傷等)によって生じるデータエラーのバイト数が増大し、信頼性が低下する問題がある。
【0005】
CD等の既存の光ディスクでは、レーザの波長を635nmとし、対物レンズのNAを0.52とすると、約0.3μm/ビットの線密度が可能である。この場合、トラックピッチか例えば0.84μmとされる。一方、近い将来に実用化されるであろう高密度光ディスクにおいて、レーザの波長を青色レーザの440nmとし、対物レンズのNAを0.6とすると、約0.18μm/ビットの線密度が可能である。すなわち、1ビットのディスク媒体上の長さが60%程度に縮小する。このことは、既存の光ディスクにおいて500バイト相当の媒体の欠陥が高密度光ディスクでは、833バイト相当の欠陥になることを意味する。このことは、エラーレートが増大するというよりは、バーストエラー長が増大する結果をもたらす。
【0006】
そこで、高密度光ディスクに関するエラー訂正符号化、記録/再生される信号フォーマットを既存のものと異ならせることが考えられるが、その結果、新たにハードウエアを開発、設計する必要が生じ、また、互換性が損なわれる。
【0007】
この発明の目的は、既存のデータ記録媒体と、高密度のデータ記録媒体というように、記録密度の異なる複数のデータ記録媒体に対し、ハードウエアの規模が小さく、アクセス性を良好とできるデータ記録/再生装置および方法、並びにディスク媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、この発明は、記録媒体に対してディジタルデータを記録するデータ記録装置において、
データの複数シンボルが2次元配列されたブロックを形成し、ブロックの第1の方向にエラー訂正符号化を行うエラー訂正符号化手段と、
ブロックの第2の方向にエラー訂正符号化されたデータを記録媒体に記録する記録手段とを有し、
エラー訂正符号化手段は、
第1のデータ量のブロック毎にディジタルデータに対し、エラー訂正符号化を行う第1のエラー訂正符号化処理手段と、
第1のデータ量より多い第2のデータ量のブロック毎にディジタルデータに対し、エラー訂正符号化を行う第2のエラー訂正符号化処理手段と、
記録媒体におけるディジタルデータの記録密度として記録密度情報が第1の記録密度を示すときは、第1のエラー訂正符号化処理手段の出力をディジタルデータとして選択し、記録密度情報が第2の記録密度を示す時は、第2のエラー訂正符号化処理手段の出力をディジタルデータとして選択する選択手段とを有する
ことを特徴とするデータ記録装置である。また、この発明は、上述のように、ディジタルデータを記録する記録方法である。
【0009】
この発明は、データの複数シンボルが2次元配列されたブロックの第1の方向にエラー訂正符号化がなされ、
第1のデータ量と第1のデータ量より多い第2のデータ量の一方にブロックのデータ量が設定可能とされ、記録媒体におけるディジタルデータの記録密度として記録密度情報が第1の記録密度を示す時に、第1のデータ量のブロック毎にエラー訂正符号化を行い、記録密度情報が第1の記録密度より高い第2の記録密度を示す時には、第2のデータ量のブロック毎にエラー訂正符号化を行い、
ブロックの第2の方向にエラー訂正符号化されたデータが記録された記録媒体からデータを再生するデータ再生装置において、
記録媒体からディジタルデータを読出す読出し手段と、
読み出されたディジタルデータの記録密度を示す記録密度情報を検出する記録密度検出手段と、
エラー訂正符号化されたディジタルデータのエラー訂正復号化を行い、ディジタルデータを出力するエラー訂正復号化手段とを有し、
エラー訂正復号化手段は、
第1のデータ量のブロック毎にエラー訂正符号化ディジタルデータに対し、エラー訂正復号化を行う第1のエラー訂正復号化処理手段と、
第2のデータ量のブロック毎にエラー訂正符号化ディジタルデータに対し、エラー訂正復号化を行う第2のエラー訂正復号化処理手段と、
記録密度情報が第1の記録密度を示す時は、第1のエラー訂正復号化処理手段の出力をディジタルデータとして選択し、記録密度情報が第2の記録密度を示す時は、第2のエラー訂正復号化処理手段の出力をディジタルデータとして選択する選択手段とを有することを特徴とするデータ再生装置である。また、この発明は、上述のように、ディジタルデータを再生する再生方法である。
【0010】
この発明は、複数の記録トラックを有し、複数の記録トラックへのアクセスに際し、角速度一定で回転駆動されるディスク状記録媒体であって、
データの複数シンボルが2次元配列され、第1のデータ量を有するブロックの第1の方向にエラー訂正符号化がなされ、ブロックの第2の方向にエラー訂正符号化された第1のディジタルデータが記録された第1の記録トラックと、
第1のデータ量よりも多い第2のデータ量を有するブロックの第1の方向にエラー訂正符号化がなされ、ブロックの第2の方向にエラー訂正符号化された第2のディジタルデータが記録され、第1の記録トラックよりも記録密度が高い第2の記録トラックとを有することを特徴とするディスク状記録媒体である。
この発明は、半径方向位置によって規定される少なくとも2つの記録領域に分割され、
一方の記録領域には、データの複数シンボルが2次元配列され、第1のデータ量を有するブロックの第1の方向にエラー訂正符号化がなされ、ブロックの第2の方向にエラー訂正符号化された第1のディジタルデータが記録され、
一方の記録領域よりも記録密度が高い他方の記録領域には、第1のデータ量よりも多い第2のデータ量を有するブロックの第1の方向にエラー訂正符号化がなされ、ブロックの第2の方向にエラー訂正符号化された第2のディジタルデータが記録されることを特徴とするディスク状記録媒体である。
この発明は、複数の記録層を有し、
一方の記録層には、データの複数シンボルが2次元配列され、第1のデータ量を有するブロックの第1の方向にエラー訂正符号化がなされ、ブロックの第2の方向にエラー訂正符号化された第1のディジタルデータが記録され、
一方の記録層よりも記録密度が高い他方の記録層には、第1のデータ量よりも多い第2のデータ量を有するブロックの第1の方向にエラー訂正符号化がなされ、ブロックの第2の方向にエラー訂正符号化された第2のディジタルデータが記録されることを特徴とするディスク状記録媒体である。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、データの記録密度が異なる場合に、高密度の場合では、ブロックサイズを標準密度の場合と比して大きくするので、高密度の場合でも、標準密度の場合と同等のバーストエラー訂正を行なうことが可能となり、データ記録媒体としての信頼性を向上することができる。また、この発明は、CAVのディスクや二つの異なる記録密度のディスクを記録/再生できるディスクドライブの実現、二つの異なる記録密度の領域が設けられたマルチセッションディスクの実現等を可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、この発明による光ディスク記録/再生システムの一実施の形態の概略的構成を示す。なお、本システムは、光ディスク記録系54と、光ディスク再生系55から成る。1で示す入力端子から記録すべきディジタルデータ例えばコンピュータデータが供給される。この入力ディジタルデータは、記録/再生されるデータの単位であるセクタ毎に区切られ、必要に応じてセクタに対してデータシンクおよびヘッダが付加されたものである。
【0013】
入力ディジタルデータがエラー訂正符号のエンコーダ、記録処理回路等を含む記録系54に供給され、記録系54からの記録データが図示しないが、ドライブ回路を介して光ピックアップに供給され、光ディスク20に記録される。図中、ディスク20のTOCで示す領域は、TOC(Table of Contents) 情報が記録された領域であり、ここに、ディスクIDが記録される。ディスク20が収納されたカートリッジ59aは、ディスク20を保護するためのものである。このカートリッジ59aには、半導体メモリ59bが設けられており、ここにディスクIDを記憶させてもよい。
【0014】
光ディスク20としては、WO(ライト・ワンス)、MO、相変化型等の記録/再生可能な光ディスクが使用される。また、この発明は、光ディスク20のドライブ装置に対して適用できるのは勿論のこと、CD−ROM等の再生専用ディスクのマスタリングシステムに対しても適用できる。この発明の一実施の形態は、光ディスク20として、記録密度が異なる2種類のものを選択的に使用することを許容するか、または、現行のディスクのみならず、将来その出現が見込まれる高密度光ディスクに対応可能とするものである。
【0015】
光ディスク20から読み取られた再生データが図示しないが再生アンプ、クロック抽出回路等を経て再生系55に供給される。再生系55には、再生処理回路、エラー訂正符号のデコーダ等が含まれる。再生系55から出力端子16に、光ディスク20の再生データが取り出される。
【0016】
図1における光ディスク記録系54の一例について、図2を参照して説明する。フォーマット化されたデータが半導体メモリ(RAM)21に書込まれる。メモリ21に関連してパリティ生成回路65a、65bが選択回路66を介して設けられている。また、メモリ21を制御するメモリ制御回路67がメモリ21に接続されている。
【0017】
これらのメモリ制御回路67、TOCジェネレター25および選択回路66には、キーボード56からユーザーのキー操作によって、CPU57に発生したディスクIDが供給される。選択回路66は、このディスクIDに基づいてパリティ生成回路65aおよびパリティ生成回路65bの何れかを選択し、メモリ21と接続する。そして、このパリティ生成回路65aが選択された場合には、図4Aにおける(8×130=1040)バイトのデータシンボルの2次元配列に対して、横方向の130バイト毎に〔146、130、17〕のリード・ソロモン符号の符号化を行い、16バイトのパリティを生成する。また、パリティ生成回路65bが選択された場合には、図4Bにおける(16×130=2080)バイトのデータシンボルの2次元配列に対して、横方向の130バイト毎に〔146、130、17〕のリード・ソロモン符号の符号化を行い、16バイトのパリティを生成する。
【0018】
このようにディスクIDに応答してメモリ制御回路67、選択回路66の制御を切り換えることによって、エラー訂正符号を行うデータブロックのブロックサイズを切り換えることができる。
【0019】
そして、パリティが付加された図4A若しくは図4Bに示すデータブロックが、スイッチング回路24を介してディジタル変調回路26に供給される。スイッチング回路24は、エラー訂正符号化出力とTOCデータ発生回路25からのTOCデータとを切り換えてディジタル変調回路26に供給する。ディジタル変調回路26は、例えば1バイト(8ビット)のデータシンボルを16ビットのコードワードに、予め定められたテーブルに従ってマッピングすることによって、直流分の少ない変調出力を生成する。勿論、CDにおけるEFM、8ビットのデータシンボルを15ビットのコードワードに変換する8−15変調、等をディジタル変調として採用することができる。ディジタル変調回路26の出力がシンク付加回路27に供給される。シンク付加回路の出力がドライブ回路を介して光ピックアップに供給され、光ディスク20に記録される。これらのシンクとしては、変調されたデータ中に現れることがない、特異なビットパターンものが使用される。
【0020】
次に、データのブロックサイズを変更して、エラー訂正復号化を行い、記録された記録媒体を再生する再生系55の一例を図3に示す。再生データがシンク分離回路31に供給され、図示しないが、シンクと対応するシンク検出信号がシンク分離回路31から発生し、これらのシンク検出信号がタイミング生成回路に供給され、再生データと同期したセクタパルス等の種々のタイミング信号が生成される。シンク分離回路31に対して、ディジタル復調回路32が接続される。ディジタル変調回路26と逆の処理によって、コードワードがデータシンボルに戻されたデータが復調回路32から発生する。
【0021】
ディジタル復調回路32の出力データがTOC抽出回路33を介して半導体メモリ(RAM)35に書き込まれる。TOC抽出回路33は、ディスク装着時の初期状態で読み取られたTOCデータを抽出する。抽出されたTOCデータがTOCデコーダ34に供給される。TOCデコーダ34によって、TOCデータが復号され、種々の制御情報がCPU58に供給される。その1つとしてディスクIDも得られる。
【0022】
メモリ35にメモリ制御回路37が結合される。また、選択回路69を介して、エラー訂正回路68a若しくは68bがメモリ35に結合される。この選択回路69は、CPU58からのディスクIDによって、エラー訂正回路68aおよび68bの何れか一方をメモリ35に結合する。そして、エラー訂正回路68aが選択された場合には、図4Aにおける(8×130=1040)バイトのデータシンボルの2次元配列に対して、横方向の130バイト毎に〔146、130、17〕のリード・ソロモン符号の符号化を行い、16バイトのパリティを生成し、1040バイトの2次元配列の各行に付加した図4Aに示すデータブロックのエラー訂正がなされる。
【0023】
また、エラー訂正回路68bが選択された場合には、図4Bにおける(16×130=2080)バイトのデータシンボルの2次元配列に対して、横方向の130バイト毎に〔146、130、17〕のリード・ソロモン符号の符号化を行い、16バイトのパリティを生成し、2080バイトの2次元配列の各行に付加した図4Bに示すようなデータブロックに対するエラー訂正がなされる。メモリ35から読出され、エラー訂正処理がなされたデータが出力端子16に取り出される。
【0024】
このようにディスクIDに応答してメモリ制御回路37、選択回路69の制御を切り換えることによって、エラー訂正を行うデータブロックのブロックサイズを切り換えることが可能となる。
【0025】
図4Aは、標準密度の光ディスク用のブロック構成を示す。(8×130=1040)バイトのデータシンボルの2次元配列に対して、横方向の130バイト毎に〔146,130,17〕のリード・ソロモン符号の符号化を行い、16バイトのパリティを生成する。(1040=1024+16)バイトであり、データシンボルの量が略1Kバイトである。このリード・ソロモン符号は、同一の符号系列(146バイト)内の8バイトエラーまでを訂正できる。また、光ディスク等のデータ記録媒体に対しては、縦方向に順次データを記録し、また、同様の順序で再生する。従って、図4Aのデータ構成では、斜線で示すように、(8×8)バイトを超えるバーストエラーが発生すると、エラー訂正不可能となる。
【0026】
図4Bは、高密度の光ディスク用のブロック構成を示す。(16×130=2080)バイトのデータシンボルの2次元配列に対して、横方向の130バイト毎に〔146,130,17〕のリード・ソロモン符号の符号化を行い、16バイトのパリティを生成する。(2080=2048+32)バイトであり、データシンボルの量が略2Kバイトである。このリード・ソロモン符号は、同一の符号系列(146バイト)内の8バイトエラーまでを訂正できる。また、光ディスク等のデータ記録媒体に対しては、縦方向に順次データを記録し、また、同様の順序で再生する。従って、図4Bのデータ構成では、斜線で示すように、(16×8)バイトを超えるバーストエラーが発生すると、エラー訂正不可能となる。
【0027】
このように、ブロックサイズを大きくすることによって、バーストエラーに対するエラー訂正能力を向上することができる。従って、高密度光ディスク用のエラー訂正符号のブロックサイズを標準密度のものに比して大きくすることによって、信頼性の向上を図ることができる。
【0028】
さらに、この発明は、同一の光ディスク中に、異なる記録密度の領域を設ける場合に対しても適用できる。図5Aに示すように、ディスクの内周側の領域Raの記録密度に比して、外周側の領域Rbの記録密度が高い場合には、領域Raのエラー訂正符号化のインターリーブ長(またはブロックサイズ)に比して、領域Rbのエラー訂正符号化のインターリーブ長(またはブロックサイズ)を大きくするようになされる。
【0029】
また、CAVのディスクのように角速度一定で回転駆動してディスク上のディジタルデータがアクセスされるディスクでは、外周側のトラックに比べ、内周側のトラックとこのトラックをアクセスするヘッドとの相対線速度が遅くなり、内周側の記録密度が必然的に高くなる。このような場合には、内周側でのブロックサイズを外周側でのブロックサイズより大きくするようになされる。すなわち、内周側では記録密度が高くなるので、内周側でのバーストエラー長に比較して外周側のバーストエラー長が長くなるが、内周側でのブロックサイズを外周側でのブロックサイズに比べて大きくすることによって、バーストエラー長の長くなる内周側でのバーストエラー訂正能力を高められる。また、比較的記録密度の低い外周側では、内周側のブロックサイズと比べ、外周側でのブロックサイズを小さくすることによって、書換え単位のデータの前後に他のデータの記録を禁止する領域が短くなり、内周側に合わせたブロックサイズを用いるのに比較して、実質的な記録密度を増加することができる。
【0030】
さらに、この発明は、多層光ディスクにおいて、各層の記録密度が異なる場合に対しても適用できる。図5Bに示すように、多層例えば2層光ディスクは、ディスクの厚み方向にデータ記録層LaおよびLbが形成され、光ピックアップOPのフォーカスを各記録層に合わせることによって、各層の記録/再生を可能としている。例えば読み取り側に近い記録層Lbの方が記録層Laに比して、記録密度を高くしている場合には、各記録層に対するエラー訂正符号化の処理が上述したように切り替えられる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明による光ディスク記録/再生システムの一実施の形態の全体的なブロック図である。
【図2】図1中の記録系の一例のブロック図である。
【図3】図1中の再生系の一例のブロック図である。
【図4】この発明の一実施の形態の説明に用いる略線図である。
【図5】この発明の応用例を説明するための略線図である。
【符号の説明】
【0032】
57 CPU
65a,65b パリティ生成回路
66,69 選択回路
37,67 メモリ制御回路
68a,68b エラー訂正回路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に対してディジタルデータを記録するデータ記録装置において、
データの複数シンボルが2次元配列されたブロックを形成し、上記ブロックの第1の方向にエラー訂正符号化を行うエラー訂正符号化手段と、
上記ブロックの第2の方向にエラー訂正符号化されたデータを記録媒体に記録する記録手段とを有し、
上記エラー訂正符号化手段は、
第1のデータ量のブロック毎に上記ディジタルデータに対し、エラー訂正符号化を行う第1のエラー訂正符号化処理手段と、
上記第1のデータ量より多い第2のデータ量のブロック毎に上記ディジタルデータに対し、エラー訂正符号化を行う第2のエラー訂正符号化処理手段と、
記録媒体におけるディジタルデータの記録密度として記録密度情報が第1の記録密度を示すときは、上記第1のエラー訂正符号化処理手段の出力を上記ディジタルデータとして選択し、上記記録密度情報が第2の記録密度を示す時は、上記第2のエラー訂正符号化処理手段の出力を上記ディジタルデータとして選択する選択手段とを有する
ことを特徴とするデータ記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ記録装置において、
上記記録密度情報を入力する記録密度入力手段を更に有することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項3】
請求項1に記載のデータ記録装置において、
上記記録媒体より上記記録密度情報を検出する記録密度検出手段を更に有することを特徴とするデータ記録装置。
【請求項4】
データの複数シンボルが2次元配列されたブロックの第1の方向にエラー訂正符号化がなされ、
第1のデータ量と上記第1のデータ量より多い第2のデータ量の一方に上記ブロックのデータ量が設定可能とされ、記録媒体におけるディジタルデータの記録密度として記録密度情報が第1の記録密度を示す時に、上記第1のデータ量のブロック毎に上記エラー訂正符号化を行い、上記記録密度情報が上記第1の記録密度より高い第2の記録密度を示す時には、上記第2のデータ量のブロック毎に上記エラー訂正符号化を行い、
上記ブロックの第2の方向にエラー訂正符号化されたデータが記録された記録媒体からデータを再生するデータ再生装置において、
記録媒体からディジタルデータを読出す読出し手段と、
上記読み出されたディジタルデータの記録密度を示す記録密度情報を検出する記録密度検出手段と、
上記エラー訂正符号化されたディジタルデータのエラー訂正復号化を行い、ディジタルデータを出力するエラー訂正復号化手段とを有し、
上記エラー訂正復号化手段は、
上記第1のデータ量のブロック毎に上記エラー訂正符号化ディジタルデータに対し、エラー訂正復号化を行う第1のエラー訂正復号化処理手段と、
上記第2のデータ量のブロック毎に上記エラー訂正符号化ディジタルデータに対し、エラー訂正復号化を行う第2のエラー訂正復号化処理手段と、
上記記録密度情報が上記第1の記録密度を示す時は、上記第1のエラー訂正復号化処理手段の出力を上記ディジタルデータとして選択し、上記記録密度情報が上記第2の記録密度を示す時は、上記第2のエラー訂正復号化処理手段の出力を上記ディジタルデータとして選択する選択手段とを有することを特徴とするデータ再生装置。
【請求項5】
記録媒体に対してディジタルデータを記録するデータ記録方法において、
データの複数シンボルが2次元配列されたブロックを形成し、上記ブロックの第1の方向にエラー訂正符号化を行い、
上記ブロックの第2の方向にエラー訂正符号化されたデータを記録媒体に記録し、
第1のデータ量と上記第1のデータ量より多い第2のデータ量の一方に上記ブロックのデータ量が設定可能とされ、
記録媒体におけるディジタルデータの記録密度として記録密度情報が第1の記録密度を示す時に、上記第1のデータ量のブロック毎に上記エラー訂正符号化を行い、上記記録密度情報が上記第1の記録密度より高い第2の記録密度を示す時には、上記第2のデータ量のブロック毎に上記エラー訂正符号化を行うことを特徴とするデータ記録方法。
【請求項6】
データの複数シンボルが2次元配列されたブロックの第1の方向にエラー訂正符号化がなされ、
第1のデータ量と上記第1のデータ量より多い第2のデータ量の一方に上記ブロックのデータ量が設定可能とされ、記録媒体におけるディジタルデータの記録密度として記録密度情報が第1の記録密度を示す時に、上記第1のデータ量のブロック毎に上記エラー訂正符号化を行い、上記記録密度情報が上記第1の記録密度より高い第2の記録密度を示す時には、上記第2のデータ量のブロック毎に上記エラー訂正符号化を行い、
上記ブロックの第2の方向にエラー訂正符号化されたデータが記録された記録媒体からデータを再生するデータ再生方法において、
記録媒体からディジタルデータを読出し、
上記読み出されたディジタルデータの記録密度を示す記録密度情報を生成し、
上記記録密度情報が上記第1の記録密度を示す時には、上記第1のデータ量のブロック毎に上記エラー訂正符号化ディジタルデータのエラー訂正復号化を行い、上記記録密度情報が上記第1の記録密度より高い第2の記録密度を示す時には、上記第2のデータ量のブロック毎に上記エラー訂正符号化ディジタルデータのエラー訂正復号化を行うことを特徴とするデータ再生方法。
【請求項7】
複数の記録トラックを有し、上記複数の記録トラックへのアクセスに際し、角速度一定で回転駆動されるディスク状記録媒体であって、
データの複数シンボルが2次元配列され、第1のデータ量を有するブロックの第1の方向にエラー訂正符号化がなされ、上記ブロックの第2の方向にエラー訂正符号化された第1のディジタルデータが記録された第1の記録トラックと、
上記第1のデータ量よりも多い第2のデータ量を有するブロックの上記第1の方向に上記エラー訂正符号化がなされ、上記ブロックの上記第2の方向にエラー訂正符号化された第2のディジタルデータが記録され、上記第1の記録トラックよりも記録密度が高い第2の記録トラックとを有することを特徴とするディスク状記録媒体。
【請求項8】
半径方向位置によって規定される少なくとも2つの記録領域に分割され、
一方の記録領域には、データの複数シンボルが2次元配列され、第1のデータ量を有するブロックの第1の方向にエラー訂正符号化がなされ、上記ブロックの第2の方向にエラー訂正符号化された第1のディジタルデータが記録され、
上記一方の記録領域よりも記録密度が高い他方の記録領域には、上記第1のデータ量よりも多い第2のデータ量を有するブロックの上記第1の方向に上記エラー訂正符号化がなされ、上記ブロックの上記第2の方向にエラー訂正符号化された第2のディジタルデータが記録されることを特徴とするディスク状記録媒体。
【請求項9】
複数の記録層を有し、
一方の記録層には、データの複数シンボルが2次元配列され、第1のデータ量を有するブロックの第1の方向にエラー訂正符号化がなされ、上記ブロックの第2の方向にエラー訂正符号化された第1のディジタルデータが記録され、
上記一方の記録層よりも記録密度が高い他方の記録層には、上記第1のデータ量よりも多い第2のデータ量を有するブロックの上記第1の方向に上記エラー訂正符号化がなされ、上記ブロックの上記第2の方向にエラー訂正符号化された第2のディジタルデータが記録されることを特徴とするディスク状記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−196176(P2006−196176A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−70385(P2006−70385)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【分割の表示】特願平8−150128の分割
【原出願日】平成8年5月22日(1996.5.22)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】