説明

データ転送装置、データ転送制御方法、データ転送制御プログラム及び記録媒体

【課題】本発明は、複数のデータ転送制御部から印刷部側に画像データを同期転送する複合装置、プリンタ装置等のデータ転送装置、データ転送制御方法、データ転送制御プログラム及び記録媒体に関する。
【解決手段】複合装置1は、同期をとって送信する必要のある画像データを複数の転送制御部7a、7bから印刷処理部8に送信する場合に、各転送制御部7a、7bが受信した基準信号Ksを相互に基準信号入力・転送回路30a、30b及び基準信号転送路11を通して比較基準信号Kshとして送受信し、該基準信号Ksと該比較基準信号Kshの時間差を検出して、該時間差であるスキュー値に基づいて印刷処理部8へのデータ送信タイミングを調整する。したがって、印刷処理部8と各転送制御部7a、7bとの間にスキューがある場合にも、該スキューを考慮した画像データの転送を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ転送装置、データ転送制御方法、データ転送制御プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、複数のデータ転送制御部から印刷部側に画像データを同期転送する複合装置、プリンタ装置等のデータ転送装置、データ転送制御方法、データ転送制御プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複写装置、プリンタ装置、複合装置、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像処理装置においては、データ(画像データ等)を高速かつ適切に転送することが重要であり、スキャナ部で読み取られた画像データ、外部記憶部(例えば、ハードディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード等)から読み取られた画像データ、コンピュータ等の外部装置から入力された画像データ等の入力画像データに対して各種画像処理を施して、一旦RAM(Random Access Memory)やハードディスク等の一時保管メモリに保管し、該一時保管メモリに保管した画像データを再度必要な画像処理(スキャナγ補正、フィルタ処理、地肌除去、色補正、プリンタγ補正、中間調処理等)を施して、プリンタ部に送って記録出力に供したり、ネットワークを介してコンピュータ等に転送したり、ファクシミリ送信に供する等の各種出力処理を行う。
【0003】
そして、近年、複合装置、プリンタ等の画像処理装置においては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の画像処理用チップとメモリとの間のデータ通信等において、高速データ通信を実現するために、要求と応答が分離され、応答を待たずに次の要求を発行できる高速な転送を行うスプリットトランザクションのバスであるPCI(Peripheral Component Interconnect) Express(以下、PCIeという。)が用いられるようになってきている。PCIeのような高速シリアルバスにおいては、特定の確率でビット化けによるパケット転送エラーが発生する。そして、PCIeの場合、PCIeの規格によると、ビット化けによるパケット転送エラーが発生した場合、再送(リトライ)を行い、データを保証することとなっている。
【0004】
一方、コピー処理や転送処理等においては、入力される画像データを所定の処理時間内に転送処理を完了する必要があり、この処理時間をオーバーすると、データ通信を適切に行うことができなくなる。例えば、スキャナ部で原稿の画像の読み取りが始まると、予め設定されている速度で読み取りデータがスキャナ部から入力されるため、この入力画像データをスキャナ部での読み取りに間に合うように、所定の短い時間間隔でデータを送信する必要がある。すなわち、所定の短い周期で一定量のデータを必ず転送し終わらないといけないという同期転送の制約がある。
【0005】
そして、従来、データの送信側と受信側の各チップに共通の基準信号を分配し、基準信号の所定サイクル毎に、同期信号をトレーニングパターンとして出力して、送信側と受信側の論理的同期をとる技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、従来、受信側にテストパターンを送信して、バスの各ビットにおける最も遅い遅延時間を検知確定し、該最も遅い遅延時間に合わせて出力データを送信する技術が提案されている(特許文献2参照)。
【0007】
また、複数のデータ転送側から1つの印刷部(データ受信側)に印刷データを送信する場合、例えば、1つの送信側からCMYKを1つの印刷部に送信し、その他の色信号であるP1、P2等をもう1つの送信側から同じ印刷部に送信する場合、1つの画像を印刷するための印刷データであるため、2つの送信側が同期して印刷データを印刷部に送信する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来技術にあっては、複数の送信側から関連するデータを同期させて1つの受信側に送信する場合のタイミングずれを、適切に解消することができず、改良の必要があった。
【0009】
すなわち、複数の送信側から同期取る必要のあるデータを受信側に送信する場合、複数の送信側から受信側にデータを送信するデータ通信経路において、配線長やばらつき等によって遅延差(スキュー)が生じる。
【0010】
ところが、特許文献1記載の従来技術にあっては、同期信号をトレーニングパターンとして送信側と受信側に出力して同期を取っているため、この従来技術を用いて、複数の送信側に同期信号を分配して同期を取った場合、分配する同期信号自体にスキューが存在すると、同期信号がずれを含むことになり、送信側から出力するデータ自体のスキューを補正することができず、改良の必要があった。
【0011】
また、特許文献2記載の従来技術にあっては、受信側にテストパターンを送信して、バスの各ビットにおける最も遅い遅延時間を検知確定し、該最も遅い遅延時間に合わせて出力データを送信しているため、テストパターン自体にスキューが含まれていると、適切にスキュー補正を行うことができず、改良の必要があった。
【0012】
そこで、本発明は、複数の送信側と受信側との間の同時データ送信上のスキューを適切に調整してデータ送信を行い、受信側でのデータずれを適切に防止することのできるデータ転送装置、データ転送制御方法、データ転送制御プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記目的を達成するために、同期をとって送信する必要のあるデータを複数の送信側から該同期用の同期信号を送信してくる受信側に送信する場合に、各送信側が受信した同期信号を相互に比較同期信号として送受信し、該同期信号と比較同期信号の時間差を検出して、該時間差に基づいて受信側へのデータ送信タイミングを調整することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の送信側と受信側との間で同期させてデータ送信する上でのスキューを適切に調整してデータ送信を行うことができ、受信側でのデータずれを適切に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例を適用した複合装置の要部ブロック構成図。
【図2】印刷処理部の処理データ数が転送制御部の出力チャネルと同じ場合の印刷処理部と転送制御部の構成図。
【図3】複合装置の要部ブロック構成図。
【図4】印刷処理部と転送制御部との間の画像データを基準信号の関係を示す図。
【図5】転送制御部間での基準信号の転送を示す図。
【図6】転送制御部間での基準信号の転送を示す図。
【図7】スキュー計測回路の回路図。
【図8】転送制御部の基準信号入力/転送回路を示す図。
【図9】ディレイ回路を含む転送制御部の回路図。
【図10】ディレイ回路の回路図。
【図11】転送制御部の各部におけるクロックと基準信号及び比較基準信号を示す図。
【図12】スキュー差が小さい場合の転送制御部の各部におけるクロックと基準信号及び比較基準信号を示す図。
【図13】第2実施例のスキュー計測回路の回路図。
【図14】第2実施例のディレイ回路の回路図。
【図15】第2実施例の転送制御部の各部におけるクロックと基準信号及び比較基準信号を示す図。
【図16】第3実施例のスキュー計測回路の回路図。
【図17】比較基準信号が大きい場合の転送制御部の各部におけるクロックと基準信号及び比較基準信号を示す図。
【図18】第3実施例の転送制御部の各部におけるクロックと基準信号及び比較基準信号を示す図。
【図19】第4実施例の転送制御部のブロック図。
【図20】スキュー判定回路のブロック図。
【図21】第5実施例の転送制御部の要部ブロック図。
【図22】第6実施例の転送制御部の要部ブロック図。
【図23】スキュー計測回路のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0017】
図1〜図12は、本発明のデータ転送装置、データ転送制御方法、データ転送制御プログラム及び記録媒体の第1実施例を示す図であり、図1は、本発明のデータ転送装置、データ転送制御方法、データ転送制御プログラム及び記録媒体の第1実施例を適用した複合装置1の要部ブロック構成図である。
【0018】
図1において、複合装置1は、画像入力部2、画像処理部3、メモリ制御・コントローラ部4、メモリ5、CPU(Central Processing Unit )6、転送制御部7及び印刷部8等を備えており、上記各部は、汎用バス9によって接続されている。複合装置1は、画像の読み取り、記録出力、送受信等のいわゆるコピー機能、ファックス機能、プリンタ機能、スキャナ機能等を備えている。
【0019】
画像入力部2は、原稿の画像を読み取ってデジタル画像データを出力するスキャナ部、ネットワーク等を介してコンピュータ等から画像データを受信するネットワークインタフェース等であり、入力される画像データを画像処理部3に出力する。
【0020】
画像処理部3は、例えば、画像処理ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で構成され、画像入力部2からのデジタル画像データを受け取るインターフェイスを備えている。画像処理部3は、画像入力部2からのデジタル画像データに対して、各種画像処理、例えば、画像入力部2がスキャナである場合に、原稿画像データを読み取る際の信号劣化の補正処理やシェーディング補正、スキャナγ補正、MTF補正等を施す。
【0021】
メモリ制御・コントローラ部4には、メモリ5が接続されており、メモリ制御・コントローラ部4は、CPU6の制御下で、画像データの流れを制御するとともに、メモリ5への画像データの書き込み及びメモリ5からの画像データの読み出しを制御する。
【0022】
また、メモリ制御・コントローラ部4は、画像入力部2から入力されたRGB等の画像データを、印刷用のCMYKデータ等の印刷用データに変換し、変換後の画像データをメモリ5に格納する。
【0023】
メモリ5は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、バックアップされたRAM(Random Access Memory)等で構成され、メモリ制御・コントローラ部4の制御下で、画像データ等が書き込まれ、また、読み出される。メモリ5は、複合装置1のプログラム等を記憶していてもよい。
【0024】
CPU6は、メモリ5または図示しないROM等に格納されているプログラムに基づいて、メモリ5または図示しないRAMをワークメモリとして利用しつつ、複合装置1の各部を制御して、複合装置1としての機能を実行させるとともに、本発明の画像データ転送制御処理を実行する。
【0025】
転送制御部7には、印刷処理部8が接続されており、転送制御部7及び印刷処理部8は、それぞれ半導体チップ、例えば、ASICによって構成されている。
【0026】
印刷処理部(受信手段)8は、ライン単位またはページ単位で用紙に画像形成する図示しない印刷部に搭載されており、転送制御部7から転送されてきた画像データに基づいて印刷部を制御して、画像を印刷処理する。印刷処理部8は、転送制御部7から適切に画像データの転送を受けるために、転送制御部7に基準信号Skを転送制御部7に出力する。
【0027】
転送制御部7は、印刷処理部8からの基準信号Skによって転送タイミングの調整を行って、メモリ5の印刷用の画像データを印刷処理部8に転送する。
【0028】
通常、転送制御部7は、4個のDMACを搭載して出力チャネル数が4であって、印刷処理部8の4色印刷の印刷処理能力である場合には、印刷処理部8と転送制御部7とは、図2に示すように、ASIC数が1対1で構成されており、この場合には、転送制御部7は、印刷処理部8からの基準信号Skに基づいて、CMYKの4色の画像データを適切に印刷処理部8に転送することができる。
【0029】
ところが、本実施例の複合装置1は、印刷処理部8の印刷処理能力が、1つの転送制御部7の出力チャネル数である4を超える色数、例えば、図3に示すように、CMYKの他に、P1、P2色を加えた6色印刷の印刷処理能力を有している。
【0030】
そこで、本実施例の転送制御部7として、図3に示すように、2つの転送制御部(送信手段)7a、7bを搭載しており、転送制御部7a及び転送制御部7bは、ASICによって構成されている。なお、図3では、転送制御部7a、7bを、要求と応答が分離されていて、応答を待たずに次の要求を発行できるPCI(Peripheral Component Interconnect) Express(以下、PCIeという。)のスプリットトランザクションバスのチップセット10によって、メモリ制御・コントローラ4、メモリ5及びCPU6と接続されている場合が示されている。
【0031】
そして、転送制御部7a、7bから印刷処理部8への画像データの転送は、図4に示すように、印刷処理部8から基準信号(同期信号)Ksをそれぞれの転送制御部7a及び転送制御部7bに送信し、転送制御部7a及び転送制御部7bが基準信号Ksに同期させて印刷用の画像データを転送する。
【0032】
印刷処理部8から2つの転送制御部7a、7bへ基準信号Ksを送信するが、基準信号Ksの送信経路での遅延差(スキュー)によって転送制御部7aと転送制御部7bが出力する印刷データの同期ずれが発生して、印刷品質が悪化するおそれがある。
【0033】
そこで、本実施例の複合装置1は、図5及び図6に示すように、転送制御部7a、7bに入力した基準信号Ksをもう一方の転送制御部7a、7bに転送する基準信号転送路11が形成されており、転送制御部7a、7bとの間で、相互に入力された基準信号Ksを他方に転送する。なお、図5及び図6においては、説明を分かりやすくするために、内部接続線を省略している。すなわち、印刷処理部8から転送制御部7a及び転送制御部7bに基準信号Ksが入力されると、図5に示すように、転送制御部7bに入力した基準信号Ksを、基準信号転送路11を介して転送制御部7aに転送して比較基準信号(比較同期信号)Kshとして入力し、また、図6に示すように、転送制御部7bに入力された基準信号Ksを、基準信号転送路11を介して転送制御部7aに転送して比較基準信号Kshとして入力する。
【0034】
そして、転送制御部7a及び転送制御部7bは、それぞれ、基準信号Ksと比較基準信号Kshの遅延差(スキュー)を計測するスキュー計測回路(時間差検出手段)20a、20bを備えており、スキュー計測回路20a、20bは、図7に示すように、OR回路21a、21bとカウンタ22a、22bを備えている。OR回路21a、21bには、印刷処理部8から直接送られてくる基準信号Ksと、他方の転送制御部7a、7bから転送されてくる比較基準信号Kshが入力され、基準信号Ksと比較基準信号KshのOR出力をカウンタ22a、22bに出力する。すなわち、OR回路21a、21bは、基準信号Ksと比較基準信号Kshのいずれかが入力されると、検知信号をカウンタ22a、22bに出力する。
【0035】
カウンタ22a、22bには、OR回路21a、21bからの検知信号の他に、クロック(内部クロック)CLKが入力され、カウンタ22a、22bは、OR回路21a、21bから検出信号が入力されると、スキューとしてクロックCLKのカウントを開始して、次にOR回路21a、21bから検出信号が入力されると、カウントを終了して、カウント値をスキュー値として保持する。
【0036】
そして、転送制御部7a及び転送制御部7bは、図8に示すように、基準信号入力・転送回路30a、30bを備えており、基準信号入力・転送回路30a、30bは、基準信号入力バッファ31a、31b、基準信号用バッファ32a、32b、内部バッファ33a、33b、比較信号用バッファ34a、34b及び入出力バッファ35a、35b等を備えている。基準信号入力バッファ31a、31bは、印刷処理部8からの基準信号用の信号線に接続され、その出力が、基準信号用バッファ32a、32bに接続されている。基準信号用バッファ32a、32bは、その出力が、スキュー計測回路20a、20bのOR回路21a、21bの一方側入力端子に接続されているとともに、内部バッファ33a、33bに接続され、内部バッファ33a、33bは、その出力が、比較信号用バッファ34a、34b及び入出力バッファ35a、35bに接続されている。比較信号用バッファ34a、34bは、その入力に、上記内部バッファ33a、33bが接続されているとともに、入出力バッファ35a、35bが接続され、比較信号用バッファ34a、34bの出力は、スキュー計測回路20a、20bのOR回路21a、21bの他方側入力端子に接続されている。入出力バッファ35a、35bは、相互に基準信号転送路11で接続されており、内部バッファ33a、33bからの基準信号Ksを、基準信号転送路11を通して相手の入出力バッファ35a、35bに相互に比較基準信号Kshとして送信して、相手入出力バッファ35a、35bから送られてきた比較基準信号Kshを比較信号用バッファ34a、34bに出力する。
【0037】
すなわち、基準信号入力・転送回路30a、30bは、基準信号入力バッファ31a、31bに印刷処理部8から基準信号Ksが直接入力されると、基準信号用バッファ32a、32bを介してスキュー計測回路20a、20bのOR回路21a、21bの一方側入力端子に該基準信号Ksを入力させるとともに、内部バッファ33a、33bを介して入出力バッファ35a、35bに送り、入出力バッファ35a、35bから比較基準信号Kshとして基準信号転送路11を介して他方の転送制御部7a、7bの入出力バッファ35a、35bに転送する。基準信号入力・転送回路30a、30bは、入出力バッファ35a、35bに比較基準信号Kshが入力されると、比較信号用バッファ34a、34bを介してOR回路21a、21bの他方側入力端子に入力させる。上記基準信号入力/転送回路30a、30b及び基準信号転送路11は、信号受信手段、転送手段及び転送信号受信手段として機能している。
【0038】
また、図8に示すように、スキュー計測回路20a、20bは、そのカウンタ22a、22bがCPU6に接続されており、CPU6は、カウンタ22a、22bのカウンタ値であるスキュー値を取得して、転送制御部7a、7bからの画像データの転送タイミングを制御する。そして、カウンタ22a、22bのカウンタ値は、所定時間保持されて、図示しない特定の信号(例えば、リセット信号、保持クリア信号)によって0クリアされる。
【0039】
そして、転送制御部7a、7bは、図9に示すように、それぞれディレイ回路40a、40bを搭載しており、ディレイ回路40a、40bは、画像データの出力タイミングを調整する。
【0040】
ディレイ回路40a、40bは、図10に示すように、画像データを遅延(ディレイ)させる複数(図10では、5個)のシフトレジスタ41〜45と各シフトレジスタ41〜45の出力する画像データ及び先頭のシフトレジスタ41へ入力される画像データが入力されるセレクタ46等を備えており、セレクタ46には、CPU6から選択信号が入力される。シフトレジスタ41〜45には、クロックCLKが入力され、シフトレジスタ41〜45は、クロックCLKに同期して、入力される画像データを後段のシフトレジスタ42〜45及びセレクタ46に出力する。セレクタ46は、CPU6からの選択信号に基づいて、未遅延の画像データ及び各シフトレジスタ41〜45による遅延画像データから選択した画像データを印刷処理部8に送信する。シフトレジスタ41〜45は、フリップフロップの数によってそのシフト量が設定される。したがって、ディレイ回路40a、40b及びCPU6は、全体として出力調整手段として機能する。
【0041】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の複合装置1は、画像データを2つの転送制御部7a、7bから同期を必要とする画像データを印刷処理部8に転送する際に、適切に同期をとって転送する。
【0042】
すなわち、複合装置1は、画像入力部2から入力されたカラー画像データを画像処理部3で必要な画像処理を施した後、メモリ制御・コントローラ4で印刷用の画像データ(CMYK等)に変換してメモリ5に保存し、メモリ5から読み出して、転送制御部7の転送制御部7a、7bに転送する。
【0043】
転送制御部7a、7bは、メモリ5から転送されてきた印刷用の画像データを、印刷処理部8に転送するが、このとき、印刷処理部8から送られてくる基準信号Ksに同期して画像データを転送する。ところが、印刷処理部8から転送制御部7aに基準信号Ksを送信する送信経路と印刷処理部8から転送制御部7bに基準信号Ksを送信する送信経路と上の送信時間差(スキュー)があると、転送制御部7aと転送制御部7bから印刷処理部8に送信する画像データに時間差が発生して画像品質が劣化する。
【0044】
そこで、本実施例では、印刷処理部8から各転送制御部7a、7bに送信されてきた基準信号Ksを他方の転送制御部7a、7bに比較基準信号Kshとして転送して、各転送制御部7a、7bが、基準信号Ksと比較基準信号Kshの時間差をスキュー計測回路20a、20bで計測し、この計測した時間差(スキュー)に基づいて、各転送制御部7a、7bから印刷処理部8に送信する画像データのタイミングを、CPU6の制御下で、ディレイ回路40a、40bによって調整している。
【0045】
すなわち、図5に示したように、転送制御部7aは、印刷処理部8から送信されてきた基準信号Ksを、スキュー計測回路20aに入力させるとともに、基準信号転送路11を介して他方の転送制御部7bに比較基準信号Kshとして転送し、逆に、転送制御部7bは、図6に示したように、印刷処理部8から送信されてきた基準信号Ksを、スキュー計測回路20bに入力させるとともに、基準信号転送路11を介して他方の転送制御部7aに比較基準信号Kshとして転送する。このとき、転送制御部7a及び転送制御部7bは、図8に示したように、印刷処理部8から送信されてきた基準信号Ksを、基準信号入力・転送回路30a、30bを介して、スキュー計測回路20a、20bに入力するとともに、他方の転送制御部7a、7bに転送する。
【0046】
上記基準信号Ks及び比較基準信号Kshの転送制御部7a、7bにおける信号波形は、図11のように示され、図11において、最上段は、クロックCLKの波形であって、Ks1a、Ks1bは、基準信号Ksが基準信号入力・転送回路30a、30bの基準信号入力バッファ31a、31bに入力されたときの信号波形である。なお、本実施例で用いている基準信号Ksは、所定期間(図1では、5クロックCLKの間)だけHiとなる信号である。図11では、印刷処理部8から転送制御部7aと転送制御部7bに基準信号Ksを送信する送信経路上で、(Ks1a−Ks1b)だけのスキューが発生していることを示している。
【0047】
図11において、Ks2a、Ks2bは、基準信号Ksがスキュー計測回路20a、20bのOR回路21a、21bに入力されたときの信号波形であり、転送制御部7a、7bの基準信号入力・転送回路30a、30bの基準信号入力バッファ31a、31bに入力されてからスキュー計測回路20a、20bのOR回路21a、21bに入力されるまでに所定時間経過していることを示している。
【0048】
さらに、図11において、Ks3a、Ks3bは、転送制御部7a、7bのスキュー計測回路20a、20bのOR回路21a、21bに、他方の転送制御部7a、7bから転送されてきた比較基準信号Kshが入力されたときの信号波形であり、印刷処理部8から直接送信されてきた基準信号Ksと他の転送制御部7a、7bから転送されてきた比較基準信号Kshとの間に、Tabで示す時間差が発生している。
【0049】
そして、図11において、ORaは、転送制御部7aのOR回路21aからカウンタ22aに出力される基準信号Ksと比較基準信号KshのOR出力波形であり、図11では、9クロックCLKの間だけHiの出力となっていて、この期間をカウンタ22aがカウントする。ORbは、転送制御部7bのOR回路21bからカウンタ22bに出力される基準信号Ksと比較基準信号KshのOR出力波形であり、図11では、7クロックCLKの間だけHiの出力となっていて、この期間をカウンタ22bがカウントする。
【0050】
上述のように、基準信号Ks及び比較基準信号Kshは、所定時間だけHiとなる信号であり、カウンタ22a、22bは、OR回路21a、21bから入力される基準信号Ksと比較基準信号KshのOR出力信号がHiである期間をカウントする。上述のように、転送制御部7aのカウンタ22aは、9クロックCLKをカウントし、転送制御部7bのカウンタ22bは、7クロックCLKをカウントしている。
【0051】
すなわち、上記基準信号Ks及び比較基準信号Kshの送信おいて、印刷処理部8から直接転送制御部7aに基準信号KSを送信する経路と転送制御部7bに送信する経路における遅延差がスキューとなり、転送制御部7aと転送制御部7bとの間で比較基準信号Kshを送信する経路は、同じ信号系を送信するため、遅延差は生じない。
【0052】
そして、OR回路21a、21bのHiのOR出力は、LowからHiに早く変化する基準信号Ksまたは比較基準信号Kshで始まって、HiからLowに遅く変化する基準信号Ksまたは比較基準信号Kshで終了する。
【0053】
したがって、印刷処理部8から転送制御部7a、7bでの遅延が小さい方の転送制御部7a、7bのOR回路21a、21bのOR出力のHi期間が長くなり、遅延が大きい方の転送制御部7a、7bのOR回路21a、21bのOR出力のHi期間が短かくなる。この2つの転送制御部7a、7bのOR回路21a、21bのOR出力のLowからHiに変化するタイミング差が転送制御部7a、7bのデータ転送におけるスキューとなり、さらに、OR回路21a、21のOR出力のHiからLowに変化するタイミング差が、転送制御部7a、7bのデータ転送におけるスキューとなるため、OR回路21a、21bの変化の差異は、2倍のスキューの差を含んでいることになる。
【0054】
したがって、それぞれの転送制御部7a、7bのカウンタ22a、22bのカウント値の差、図11の場合、9クロックCLK−7クロックCLK=2クロックCLKの1/2、すなわち、1クロックCLKが基準信号Ksのスキューとなる。
【0055】
また、基準信号Ksのスキューの差が小さい場合としては、図12に示すような場合があり、図12の場合、それぞれの転送制御部7a、7bのカウンタ22a、22bのカウント値の差は、7clk−6clk=1clkで、基準信号Ksのスキューは、1/2clkとなる。
【0056】
この場合のスキュー計測においては、他方の転送制御部7a、7bを介して転送される基準信号転送路11が同じであるため、同時に測定することができない。
【0057】
したがって、2回にわたる測定が必要であり、測定は、OR回路21a、21bのOR処理の結果をカウントするため、2回測定する間隔は、別々であっても適切に計測することができる。
【0058】
そして、上記スキュー計測処理において、カウンタ22a、22bに保持されているカウント値をCPU6が読み取り、読み取った2つのカウント値のうち、どちらの値が小さいかにより、基準信号Ksを受け取るタイミングが遅いか早いかを判断する。CPU6は、スキュー値と転送制御部7a、7bの基準信号の受信タイミングが早いか遅いかを知ることができ、基準信号Ksによるスキューの補正を行うために、印刷処理部8に送信するする画像データのタイミングずれを調整する。
【0059】
CPU6は、ディレイ回路40a、40bのセレクタ46に対して、このタイミングずれをなくす選択信号を出力して、ディレイ回路40a、40bの遅延量を設定する。
【0060】
すなわち、CPU6は、転送制御部7a、7bのうち、基準信号Ksが早く届いた方の転送制御部7a、7bに対して、基準信号Ksが遅く届いた方の転送制御部7a、7bよりも上記スキュー値だけ画像データ送信タイミングを遅くする遅延量となる選択信号を出力する。
【0061】
例えば、図11の場合、スキュー値が1クロックCLKであるので,遅延量として1クロックCLKだけ、早い方の転送制御部7aに設定し、遅いほうの転送制御部7bに対しては、遅延量を0に設定する。すなわち、CPU6は、転送制御部7aのディレイ回路40aには、最初にシフトレジスタ41の出力画像データをセレクタ46に選択させて印刷処理部8に出力させ、転送制御部7bのディレイ回路40bには、最初のシフトレジスタ41に入力される画像データをセレクタ46に選択させて印刷処理部8に出力させる。
【0062】
また、図12のように、波形のスキュー値1/2の場合は,遅延設定0として、クロックのサイクル単位レベルでのスキューはないため、転送制御部7a、7bの双方とも遅延0に設定して、画像データを出力させる。
【0063】
このように、本実施例の複合装置1は、同期をとって送信する必要のあるデータを複数の転送制御部7a、7bから該同期用の基準信号Ksを送信してくる印刷処理部8に、画像データを送信する場合に、各転送制御部7a、7bが受信した基準信号Ksを相互に基準信号入力・転送回路30a、30b及び基準信号転送路11によって比較基準信号Kshとして送受信し、該基準信号Ksと該比較基準信号Kshの時間差を検出して、該時間差であるスキュー値に基づいて印刷処理部8へのデータ送信タイミングを調整している。
【0064】
したがって、印刷処理部8から各転送制御部7a、7bに送信する基準信号Ksにスキューがある場合にも、該スキューを求めて、該スキューを考慮した画像データの転送を行うことができ、印刷処理部8で受信画像データがずれるのを防止して、印刷性能を向上させることができる。
【0065】
また、本実施例の複合装置1は、CPU6が、各転送制御部7a、7bのスキュー計測回路20a、20bの計測したスキューに基づいてディレイ回路40a、40bのディレイを調整している。
【0066】
したがって、転送制御部7a、7bを統一した簡単な構成とすることができ、安価に印刷処理部8で受信画像データがずれるのを防止して、印刷性能を向上させることができる。
【実施例2】
【0067】
図13〜図15は、本発明の第2実施例を示す図であり、図13は、本発明の第2実施例を適用した複合装置のスキュー計測回路の回路ブロック図である。
【0068】
なお、本実施例は、上記第1実施例の複合装置1と同様の複合装置に適用したものであり、本実施例の説明においては、第1実施例と同様の構成部分には、同一符号を付すとともに、図示しない部分についても同様の構成部分については、第1実施例の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
【0069】
本実施例は、クロックCLKの1/2のサイクルのスキューに対しても補正可能とするものである。
【0070】
そこで、本実施例の複合装置1は、転送制御部7aと転送制御部7bに、図13に示すスキュー計測回路50a、50bと図14に示すディレイ回路60a、60bをそれぞれ搭載している。
【0071】
図13において、スキュー計測回路50aは、転送制御部7aに搭載され、スキュー計測回路50bは、転送制御部7bに搭載されている。
【0072】
スキュー計測回路50a、50bは、OR回路51a、51b、カウンタ52a、52b、カウンタ53a、53b、保持回路54a、54b及びセレクタ55a、55bを備えており、カウンタ52a、52bには、クロックCLKが、カウンタ53a、53bには、反転回路56a、56bを介して反転クロックCLKが入力される。
【0073】
OR回路51a、51bは、第1実施例の場合と同様に、印刷処理部8から直接送られてくる基準信号Ksと、他の転送制御部7a、7bを介して送られてくる比較基準信号Kshとが入力され、基準信号Ksと比較基準信号KshのOR出力をカウンタ52a、52bとカウンタ53a、53bに出力する。
【0074】
カウンタ52a、52bは、OR回路51a、51bからOR出力がHiの期間をクロックCLKによりカウントし、カウント結果をセレクタ55a、55b及び保持回路54a、54bに出力する。
【0075】
カウンタ53a、53bは、OR回路51a、51bからのOR出力がHiの期間を反転クロックCLKによりカウントし、カウント結果を保持回路54a、54bに出力する。
【0076】
保持回路54a、54bは、カウンタ52a、52bがクロックCLKによってOR出力がHiの期間をカウントしたカウント値と、カウンタ53a、53bがクロックCLKによってOR出力がHiの期間をカウントしたカウント値とを保持して、セレクタ55a、55bに出力する。
【0077】
セレクタ55a、55bは、CPU6からのセレクタ信号に応じて選択的に、カウンタ52a、52bのカウント値、保持回路54a、54bの保持するカウンタ値をCPU6に出力する。
【0078】
CPU6は、カウンタ52a、52bのカウンタ値と保持回路54a、54bの保持するカウンタ値に基づいてスキューを求めてディレイ回路60a、60bを制御する。
【0079】
ディレイ回路60a、60bは、図14に示すように、フリップフロップの数によってそのシフト量が設定される複数(図14では、10個)のシフトレジスタ61a〜70a、61b〜70bとセレクタ71a、71bを備えており、シフトレジスタ61a〜65a、61b〜65bには、クロックCLKが、シフトレジスタ66a〜70a、66b〜70bには、反転回路72a、72bによって反転された反転クロックCLKが入力される。
【0080】
シフトレジスタ61a、61b及びシフトレジスタ66a、66bには、転送対象の画像データが入力され、シフトレジスタ61a、61b及びシフトレジスタ66a、66bへ入力される未遅延の画像データは、セレクタ71a、71bにも入力される。シフトレジスタ61a〜64a、61b〜64bは、前段から入力される画像データをクロックCLKに基づいて後段にシフトさせて出力させるとともに、セレクタ71a、71bにも出力し、最後段のシフトレジスタ65a、65bは、前段のシフトレジスタ64a、64bから入力される画像データをクロックCLKに基づいてシフトさせてセレクタ71a、71bに出力する。
【0081】
シフトレジスタ65a〜70a、65b〜70bは、前段から入力される画像データを反転クロックCLKに基づいて後段にシフトさせて出力させるとともに、セレクタ71a、71bにも出力し、最後段のシフトレジスタ70a、70bは、前段のシフトレジスタ69a、69bから入力される画像データを反転クロックCLKに基づいてシフトさせてセレクタ71a、71bに出力する。
【0082】
セレクタ71a、71bは、CPU6からの選択信号に基づいて未遅延の画像データと各シフトレジスタ61a〜70a、61b〜70bによって遅延された画像データを選択して、印刷処理部8に送信する。
【0083】
すなわち、本実施例の複合装置1は、図15に示すように、転送制御部7a、7bの各部におけるクロックCLKと基準信号及び比較基準信号は、第1実施例の場合と同様であるが、ORaに示すように、転送制御部7aのカウンタ52aがクロックCLKでカウントするOR回路51aのHiのOR出力期間が正転カウントとして示すように、7クロックCLKであった場合、反転クロックCLKによってOR回路51aのHiのOR出力期間をカウントするカウンタ53aのカウンタ値は、反転カウントとして示すように、8クロックCLKである。また、ORbに示すように、転送制御部7bのカウンタ52bがクロックCLKでカウントするOR回路51bのHiのOR出力期間が正転カウントとして示すように、7クロックCLKであった場合、反転クロックCLKによってOR回路51bのHiのOR出力期間をカウントするカウンタ53bのカウンタ値は、反転カウントとして示すように、6クロックCLKである。
【0084】
したがって、CPU6により正転クロックCLKと反転クロックCLKに対してスキューの算出を行うと、正転クロックCLKでのスキュー値は、7clk−7clk=0からスキューは、0となり、反転クロックCLKでのスキュー値は、8clk−6clk=2からスキューは、その1/2であるので、1となる。そして、CPU6は、スキュー値として、正転クロックCLKのスキュー値と反転クロックCLKのスキュー値のうち大きい方のスキュー値を設定する。上記の場合、反転クロックCLKで1clkのスキューを設定することになる。
【0085】
そして、複合装置1は、図14に示したディレイ回路6a、60bにおいて、正転クロックCLKと反転クロックCLKに基づいて設定して、早い方の転送制御部7a、7bのディレイ回路60a、60bのセレクタ71a、71bで、上記算出したスキュー(例えば、1クロックCLK)の画像データを選択して印刷処理部8に送信する。
【0086】
このように、本実施例の複合装置1は、基準信号Ksと比較基準信号Kshの時間差をクロックCLKと反転クロックCLKによって計測して、倍の精度で時間差を計測している。
【0087】
したがって、転送制御部7a、7bから印刷処理部8に転送する画像データのスキュー調整を動作周波数であるクロックCLKの周波数の1/2のサイクルで調整することができ、より一層高精度にスキュー調整して、印刷性能をより一層向上させることができる。
【実施例3】
【0088】
図16〜図18は、本発明の第3実施例を示す図であり、図16は、本発明の第3実施例を適用した複合装置のスキュー計測回路の回路ブロック図である。
【0089】
なお、本実施例は、上記第1実施例の複合装置1と同様の複合装置に適用したものであり、本実施例の説明においては、第1実施例と同様の構成部分には、同一符号を付すとともに、図示しない部分についても同様の構成部分については、第1実施例の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
【0090】
本実施例は、比較基準信号Kshの基準信号転送路11での遅延が大きく、基準信号KsがHiからLowに変化した後に、比較基準信号KshがOR回路に入力される場合にも、適切にスキュー値を求めて、遅延制御する。
【0091】
そこで、本実施例の複合装置1は、転送制御部7aと転送制御部7bに、図16に示すスキュー計測回路70a、70bをそれぞれ搭載している。
【0092】
図16において、スキュー計測回路70aは、転送制御部7aに搭載され、スキュー計測回路70bは、転送制御部7bに搭載されている。
【0093】
スキュー計測回路70a、70bは、OR回路81a、81b、OR回路82a、82b、アンド回路83a、83b、アンド回路84a、84b、シフトレジスタ85a、85b、シフトレジスタ86a、86b、反転回路87a、87b及びカウンタ88a、88bを備えており、シフトレジスタ85a、85b及びシフトレジスタ86a、86bには、クロックCLKが入力される。
【0094】
OR回路81a、81bは、第1実施例の場合と同様に、印刷処理部8から直接送られてくる基準信号Ksと、シフトレジスタ85a、85bの出力のフィードバックが入力され、OR出力をアンド回路83a、83bに出力する。OR回路82a、82bは、他の転送制御部7a、7bを介して送られてくる比較基準信号Kshが反転されて入力されるとともに、シフトレジスタ86a、86bの出力のフィードバックが入力され、これらのOR出力をアンド回路84a、84bに出力する。
【0095】
アンド回路83a、83bには、さらに、Hi「1」固定信号と反転回路87a、87bの出力が入力され、これらのアンド出力をシフトレジスタ85a、85bを介してカウンタ88a、88bに出力するとともに、シフトレジスタ85a、85bを介してOR81a、81bにフィードバックさせる。
【0096】
アンド回路84a、84bには、さらに、Hi「1」固定信号と所定タイミングに「0」となるクリア信号が入力され、これらのアンド出力をシフトレジスタ86a、86b及び反転回路87a、87bを介してアンド回路83a、83bに出力するとともに、シフトレジスタ86a、86bを介してOR82a、82bにフィードバックさせる。
【0097】
カウンタ88a、88bは、シフトレジスタ85a、85bからのHiのアンド回路83a、83bのアンド出力期間をクロックCLKでカウントする。
【0098】
すなわち、本実施例の複合装置1は、図17に示すように、転送制御部7a、7bの各部におけるクロックCLKと基準信号及び比較基準信号は、第1実施例の場合と同様であって、ORaに示すように、基準信号Ksと比較基準信号Kshとの遅延量、すなわち、比較基準信号Kshが基準信号転送路11を送られてくる差異の遅延量が、基準信号Ksが「1」である期間よりも長いと、上記第1実施例と第2実施例の場合、基準信号KsがOR回路21aの出力が一旦HiからLowに落ちた後、比較基準信号Kshが入力されることで、再度Hiとなるが、第1実施例と第2実施例の場合には、このLowとなる期間TLについては、カウンタ22a等でカウントすることができず、正確なスキュー値を算出することができない。すなわち、第1実施例及び第2実施例の場合には、図17のORaの白丸部分をカウンタ22a等でカウントしているため、Lowになった部分では、カウントすることができない。
【0099】
ところが、本実施例のスキュー計測回路80a、80bは、図18に示すように、ORaを修正ORaとして、カウンタ88a、88bに入力させ、正確なスキュー値を算出することができる。
【0100】
すなわち、スキュー計測回路80a、80bは、OR回路81a、81bに基準信号Ksが入力されると、HiのOR出力によってアンド回路83a、83bがHiのアンド出力をシフトレジスタ85a、85bを介して、図18に修正ORaとして示すように、カウンタ88a、88bに出力して、カウンタ88a、88bがHiの期間のカウントを開始し、このHiのアンド出力が実施例85a、85bを介してOR回路81a、81bにフィードバックして、カウンタ88a、88bへの入力をHiに維持する。
【0101】
その後、OR回路82a、82bに比較基準信号Kshが入力されて、さらに、この比較基準信号KshがHiからLowに変化すると、アンド回路84a、84bからシフトレジスタ86a、86b及び反転回路87a、87bを介してLowの信号としてアンド回路83a、83bに入力されて、修正ORa信号をLowにする。
【0102】
カウンタ88a、88bがこの修正ORa信号がHiの期間をクロックCLKでカウントとすることで、図18に黒丸で示す期間をカウントすることができ、比較基準信号Kshの基準信号転送路11での遅延が大きく、基準信号KsがHiからLowに変化した後に、比較基準信号KshがOR回路に入力される場合にも、適切にスキュー値を求めて、遅延制御する。
【0103】
このように、本実施例の複合装置1は、比較基準信号Kshの基準信号転送路11での遅延が大きく、基準信号KsがHiからLowに変化した後に、比較基準信号KshがOR回路に入力される場合にも、適切にスキュー値を求めて、遅延制御することができる。
【実施例4】
【0104】
図19及び図20は、本発明の第4実施例を示す図であり、図19は、本発明の第4実施例を適用した複合装置の転送制御部の回路ブロック図である。
【0105】
なお、本実施例は、上記第1実施例の複合装置1と同様の複合装置に適用したものであり、本実施例の説明においては、第1実施例と同様の構成部分には、同一符号を付すとともに、図示しない部分についても同様の構成部分については、第1実施例の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
【0106】
本実施例は、転写制御部が、カウンタ値の差分からスキュー値を求めてデータ転送タイミングを調整する
そこで、本実施例の複合装置1は、図19に示すように、スキュー計測回路20a、20b、転送制御部90a、90b及びディレイ回路40a、40bを備えている。
【0107】
スキュー計測回路20a、20bは、第1実施例のスキュー計測回路20a、20bと同じであり、OR回路21a、21bで基準信号Kshと比較基準信号KshのOR出力をカウンタ22a、22bでスキュー値をカウントして、スキュー判定回路100a、100bに出力する。なお、スキュー計測回路としては、第1実施例のスキュー計測回路20a、20bに限るものではなく、上記第2実施例のスキュー計測回路50a、50bまたは第3実施例のスキュー計測回路80a、80bであってもよい。
【0108】
そして、スキュー判定回路100a、100bは、スキュー判定回路100aについて、図20に示すように、カウンタ値送受信回路101a、101b、カウンタ値差分算出回路102a、102b及び差分値判定回路103a、103bを備えており、図20には、転送制御部90aのスキュー判定回路100aについて示している。以下の説明では、スキュー判定回路100aについて説明するが、転送制御部90bのスキュー判定回路100bも同様の構成であって、同様の動作を行う。
【0109】
カウンタ値送受信回路101aには、スキュー計測回路20aからカウンタ値であるスキュー値が入力されるとともに、転送制御部90bのスキュー計測回路20bがカウントしたカウンタ値であるスキュー値がスキュー判定回路100bのカウンタ値送受信回路101bから送信されてくる。カウンタ値送受信回路101aは、スキュー計測回路20aから入力されるスキュー値を転送制御部90bのスキュー判定回路100bのカウンタ値送受信回路101bに送信し、転送制御部90bのスキュー判定回路100bからのスキュー値をカウンタ値差分算出回路102aに出力する。したがって、転送制御部90a及び転送制御部90bは、ASICで構成されているが、これらの信号を送受信するための外部端子を備えている。
【0110】
カウンタ値差分算出回路102aには、転送制御部90bのスキュー判定回路100bから送信されてきたスキュー値がカウンタ値送受信回路101aを介して入力されるとともに、自己のスキュー計測回路20aのカウントしたカウンタ値であるスキュー値が入力され、双方のスキュー値の差分を算出して差分値判定回路103aに出力する。
【0111】
差分値判定回路103aは、差分が「0」であるか、すなわち、双方のスキュー値が同じであるか否かと、差分が「0」でないときには、いずれのスキュー値が大きいかの大小関係を判定して、判定結果をディレイ回路40aに出力する。
【0112】
ディレイ回路40a、40bは、スキュー判定回路100a、100bからのスキュー判定結果に応じた画像データのディレイを行う。
【0113】
すなわち、本実施例の複合装置1は、転送制御部90a、90bは、印刷処理部8から直接送られてくる基準信号Ksと他の転送制御部90a、90bを介して送られてくる比較基準信号Kshの時間差をスキュー計測回路20a、20bでスキュー値として計測し、それぞれのスキュー計測回路20a、20bの計測したスキュー値の差分をスキュー判定回路100a、100bで判定して、ディレイ回路40a、40bによって画像データの転送タイミングを調整する。
【0114】
このように、本実施例の複合装置1は、各転送制御部90a、90bが、スキュー計測回路20a、20bの検出した時間差(スキュー)を、相互に通信して、該スキューに基づいてディレイ回路40a、40bのディレイ調整を行うことで、画像データの送信タイミングを調整するスキュー判定回路100a、100bを内蔵している。
【0115】
したがって、CPU6から設定を行うことなく、転送制御部90a、90bのみによって、画像データのスキュー調整を行うことができる。
【実施例5】
【0116】
図21は、本発明の第5実施例を適用した複合装置の転送制御部の要部ブロック図である。
【0117】
なお、本実施例は、上記第1実施例の複合装置1と同様の複合装置に適用したものであり、本実施例の説明においては、第1実施例と同様の構成部分には、同一符号を付すとともに、図示しない部分についても同様の構成部分については、第1実施例の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
【0118】
本実施例は、転写制御部が2つよりも多い場合の各転送制御部間でのスキューを計測するものであり、図21では、転写制御部が3つの場合を示している。
【0119】
図21において、複合装置1は、3つの転送制御部110、120、130を備えており、印刷処理部8からそれぞれに直接送られてくる基準信号Ksと他の転送制御部110、120、130を介して転送されてくる比較基準信号Kshに基づいて、相互のスキューを計測する。
【0120】
そこで、各転送制御部110、120、130は、それぞれ2つのスキュー計測回路111、112、スキュー計測回路121、122及びスキュー計測回路131、132を搭載しており、各スキュー計測回路111〜132は、全て同じ回路構成であって、第1実施例から第3実施例のスキュー計測回路20a、20b、50a、50b、80a、80bと同様である。
【0121】
図21には、印刷処理部8から直接基準信号Ksを受信する信号系路については図示が省略されており、転送制御部110、120、130の相互間で転送する比較基準信号Kshの信号系路(相互接続手段)L11、L12と真ん中の転送制御部120にのみ、2つのスキュー計測回路121とスキュー計測回路122相互で基準信号Ksを交換する信号系路(内部相互接続手段)L13が示されている。
【0122】
複合装置1は、転送制御部110のスキュー計測回路111と転送制御部120のスキュー計測回路121が信号系路L11によって接続され、転送制御部120のスキュー計測回路122と転送制御部130のスキュー計測回路132が信号系路L12で接続されている。そして、転送制御部120のスキュー計測回路121とスキュー計測回路122が信号系路L13で接続されている。
【0123】
複合装置1は、転送制御部110と転送制御部120との間のスキュー値を、信号系路L11によって接続されているスキュー計測回路111とスキュー計測回路121によって求め、転送制御部120と転送制御部130との間のスキュー値を、信号系路L12によって接続されているスキュー計測回路122とスキュー計測回路132によって求める。
【0124】
CPU6は、この2つのスキュー値から転送制御部110と転送制御部130とのスキュー値を算出することができる。
【0125】
例えば、スキュー測定結果のスキュー値の大小関係が、転送制御部110>転送制御部120、転送制御部120>転送制御部130であると、転送制御部110>転送制御部120>転送制御部130となる。なお、>は、基準信号Ksの転送速度が、早い(スキュー値小)>遅い(スキュー値大)を意味する。
【0126】
逆に、スキュー測定結果のスキュー値の大小関係が、転送制御部110<転送制御部120、転送制御部120<転送制御部130であると、転送制御部110<転送制御部120<転送制御部130となる。
【0127】
ところが、スキュー測定結果のスキュー値の大小関係が、転送制御部110>転送制御部120、転送制御部120<転送制御部130であると、転送制御部110<転送制御部120、転送制御部120>転送制御部130のように、順番に並んでいないときには、転送制御部110と転送制御部130とのスキュー値の大小関係が不明となる。
【0128】
ところが、本発明の複合装置は、真ん中の転送制御部120の2つのスキュー計測回路121とスキュー計測回路122を接続する信号系路L13が設けられており、この信号系路L13を介して、転送制御部110のスキュー計測回路111と転送制御部130のスキュー計測回路132との接続を行って比較基準信号Kshを転送する。
【0129】
すなわち、スキュー計測回路111からスキュー計測回路132へは、スキュー計測回路111→信号系路L11→スキュー計測回路121→信号系路L13→スキュー計測回路122→信号系路L12→スキュー計測回路132へと比較基準信号Kshを転送し、スキュー計測回路132からスキュー計測回路111へは、逆の経路によって比較基準信号Kshを転送する。
【0130】
この場合、スキュー計測回路121とスキュー計測回路122との信号系路L13が、その信号転送方向によって別経路となる場合には、基準信号Ksのスキュー以外のこの部分での遅延差異を加味する必要があり、設計開発時に遅延差を少なく開発することが必要である。
【0131】
なお、本実施例の複合装置1においては、スキュー計測回路111とスキュー計測回路121との間と、スキュー計測回路122とスキュー計測回路132との間を同時に双方向で2回、及び、スキュー計測回路132からスキュー計測回路122とスキュー計測回路121を介してスキュー計測回路111の間で同時に双方向に2回の総計4回の計測を行うことで、全ての転送制御部110〜130の間のスキューをすることができる。
【0132】
このように、本実施例の複合装置1は、3つの転送制御部110、120、130を備えており、各転送制御部110、120、130が、2個のスキュー計測回路111、112、スキュー計測回路121、122、スキュー計測回路131、132を備えていて、相隣接する転送制御部110、120、130のスキュー計測回路111、121、122、132が直列双方向通信で転送基準信号Kshを送受信する信号系路L11、L12で接続されているとともに、該直列接続されている中間の転送制御部120の備えている2つのスキュー計測回路121、122同士が転送基準信号Kshを相互通信するL13で接続されており、各転送制御部110、120、130のスキュー計測回路111、121、122、132が、信号系路L11、L12または該信号系路L11、L12と信号系路L13で送受信する比較基準信号Kshと基準信号Ksに基づいて時間差であるスキューを検出している。
【0133】
したがって、3つ以上の転写制御部110、120、130等が同期して印刷処理部8に画像データを転送する場合にも、各転送制御部110、120、130間でのスキューを適切に計測することができ、画像データを、同期をとって適切に印刷処理部8に送信することができる。
【実施例6】
【0134】
図22及び図23は、本発明の第6実施例を示す図であり、図22は、本発明の第6実施例を適用した複合装置の転送制御部の回路ブロック図である。
【0135】
なお、本実施例は、上記第1実施例の複合装置1と同様の複合装置に適用したものであり、本実施例の説明においては、第1実施例と同様の構成部分には、同一符号を付すとともに、図示しない部分についても同様の構成部分については、第1実施例の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
【0136】
本実施例は、転写制御部が2つよりも多い場合の各転送制御部間でのスキューを各転送制御部が1つのスキュー計測回路を備えるだけで計測するものであり、図22では、転写制御部が3つの場合を示している。
【0137】
図22において、複合装置1は、3つの転送制御部140、150、160を備えており、印刷処理部8からそれぞれに直接送られてくる基準信号Ksと他の転送制御部140、150、160を介して転送されてくる比較基準信号Kshに基づいて、相互のスキューを計測する。
【0138】
そこで、各転送制御部140、150、160は、それぞれ1つのスキュー計測回路141、スキュー計測回路151及びスキュー計測回路161を搭載しており、各スキュー計測回路141〜161は、全て同じ回路構成であって、図23に示すように、セレクタ171、OR回路172、カウンタ173及び保持部174を備えている。
【0139】
各転送制御部140、150、160は、信号系路(相互接続手段)L21、L22、L23によってスキュー転送回路141、151、161が相互に接続されている。なお、図22においては、転送制御部140〜160相互間での比較基準信号Kshの転送用の信号系路L21、L22、L23のみ示されているが、印刷処理部8からの基準信号Ksの信号系路については、記載が省略されている。
【0140】
各スキュー計測回路141、151、161は、図23に示すように、そのセレクタ171によって入力信号を選択し、OR回路172でセレクタ171において選択した信号のOR処理を行ってOR出力をカウンタ173に出力する。
【0141】
カウンタ173は、OR出力がHiの期間のクロックCLK数をカウントして、保持部174に出力する。
【0142】
保持部174は、少なくともセレクタ171で選択される信号の組み合わせの数(3つ)分、カウンタ173のカウンタ値を保持する機能を有し、カウンタ173のカウンタ値を保持する。
【0143】
本実施例の複合装置1は、複数の転送制御部140〜160及び該転送制御部140〜160に搭載する各スキュー計測回路141、151、161を同じ構成とすることができ、構成を簡略化しつつ、全ての転送制御部140〜160の間のスキュー値を求めて画像データの転送制御を行うことができる。
【0144】
この場合、各転送制御部140〜160がそれぞれ1つのスキュー計測回路141、151、161を搭載しているため、転送制御部140と転送制御部150、転送制御部150と転送制御部160、転送制御部160と転送制御部140の間でのスキューをそれぞれ接続して2回ずつ計測する必要があるため、総計6回計測することで、全ての転送制御部140〜160の間のスキュー値を求めることができる。
【0145】
このように、本実施例の複合装置1は、転送制御部140〜160が3つ以上備えており、各転送制御部140〜160は、同じ構成のスキュー計測回路141、151、161を1つのみ搭載している。各スキュー計測回路141、151、161は、信号系路L21、L22、L23によって相互に接続されており、各スキュー計測回路141、151、161が、印刷処理部8から直接送信されてくる基準信号Ksと該信号系路L21、L22、L23によって他の転送制御部140、150、160から送信されてくる比較基準信号Kshの1つを選択するセレクタ171を備えている。そして、各スキュー計測回路141、151、161は、セレクタ171の選択した基準信号Ksと比較基準信号Kshの時間差スキューを検出している。
【0146】
したがって、3つ以上転送制御部140、150、160から印刷処理部8に画像データを同期させて転送する場合に、各転送制御部140、150、160に1つのスキュー計測回路141、151、161のみを搭載するだけで、各転送制御部140、150、160間のスキューを計測することができ、安価かつ簡単な構成で、画像データを、同期をとって適切に印刷処理部8に送信することができる。
【0147】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明は、複数の転送制御部から印刷処理部にデータ転送する複合装置、複写装置、プリンタ装置等のデータ転送装置、データ転送制御方法、データ転送制御プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【符号の説明】
【0149】
1 複合装置
2 画像入力部
3 画像処理部
4 メモリ制御・コントローラ部
5 メモリ
6 CPU
7 転送制御部
7a、7b 転送制御部
8 印刷部
9 汎用バス
20a、20b スキュー計測回路
21a、21b OR回路
22a、22b カウンタ
30a、30b 基準信号入力・転送回路
31a、31b 基準信号入力バッファ
32a、32b 基準信号用バッファ
33a、33b 内部バッファ
34a、34b 比較信号用バッファ
35a、35b 入出力バッファ
40a、40b ディレイ回路
41〜45 シフトレジスタ
46 セレクタ
50a、50b スキュー計測回路
51a、51b OR回路
52a、52b カウンタ
53a、53b カウンタ
54a、54b 保持回路
55a、55b セレクタ
60a、60b ディレイ回路
61a〜70a、61b〜70b シフトレジスタ
71a、71b セレクタ
81a、81b OR回路
82a、82b OR回路
83a、83b アンド回路
84a、84b アンド回路
85a、85b シフトレジスタ
86a、86b シフトレジスタ
87a、87b 反転回路
88a、88b カウンタ
90a、90b 転送制御部
100a、100b スキュー判定回路
101a、101b カウンタ値送受信回路
102a、102b カウンタ値差分算出回路
103a、103b 差分値判定回路
110、120、130 転送制御部
111、112、121、122、131、132 スキュー計測回路
140、150、160 転送制御部
141、151、161 スキュー計測回路
171 セレクタ
172 OR回路
173 カウンタ
174 保持部
Ks 基準信号
Ksh 比較基準信号
【先行技術文献】
【特許文献】
【0150】
【特許文献1】特開2006−50102号公報
【特許文献2】特許台3966511号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同期をとって送信する必要のあるデータを送信する複数の送信手段と、
複数の前記送信手段とそれぞれ通信路で接続され該各送信手段に前記データの同期を取るための同期信号を出力して該各送信手段から該データを受信する受信手段と、
各前記送信手段から前記受信手段への前記データの送信タイミングを調整するデータ出力調整手段と、
を備え、
前記各送信手段は、前記受信手段から送られてくる前記同期信号を受信する信号受信手段と、
前記信号受信手段の受信した前記同期信号を他の前記送信手段に転送同期信号として転送する転送手段と、
他の前記送信手段の前記転送手段から転送されてくる転送同期信号を受信する転送信号受信手段と、
前記信号受信手段の受信した前記同期信号と前記転送信号受信手段の受信した前記転送同期信号の時間差を検出する時間差検出手段と、
を備え、
前記出力調整手段が、前記時間差検出手段の検出した時間差に基づいて前記送信手段から前記受信手段に送信する前記データの出力タイミングを調整することを特徴とするデータ転送装置。
【請求項2】
前記時間差検出手段は、内部クロックと該内部クロックの反転クロックを用いて前記同期信号と前記転送同期信号の時間差を検出することを特徴とする請求項1記載のデータ転送装置。
【請求項3】
前記同期信号は、所定時間ハイ状態を継続するパルス状信号であり、
前記時間差検出手段は、前記同期信号と前記転送同期信号が連続してハイの状態となっている時間または該同期信号がハイからローとなった後にハイの該転送同期信号が入力される場合に、該同期信号がローとなった時間を含めて該同期信号と該転送同期信号がハイの状態の時間に基づいて前記時間差を検出することを特徴とする請求項1または請求項2記載のデータ転送装置。
【請求項4】
前記各送信手段は、前記時間差検出手段の検出した時間差を相互に通信する送受信手段を備え、
前記出力調整手段は、前記各送信手段が内蔵していて、前記送受信手段で交換した時間差に基づいて前記受信手段に送信する前記データの出力タイミングを調整することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のデータ転送装置。
【請求項5】
前記データ転送装置は、
前記送信手段を、3つ以上備えており、
前記送信手段は、前記信号受信手段、前記転送手段及び前記時間差検出手段を搭載する時間差計測デバイスをそれぞれ2個備えており、相隣接する該送信手段と該信号受信手段で該時間差計測デバイスを直列双方向通信で前記転送同期信号を送受信する相互接続手段で接続されているとともに、該直列接続されている中間の該送信手段の備えている2つの該時間差計測デバイス同士が前記転送同期信号を相互通信する内部相互接続手段で接続されており、
前記送信手段の前記時間差計測デバイスの前記時間差検出手段は、前記相互接続手段または該相互接続手段と前記内部相互接続手段で送受信する前記転送同期信号と前記同期信号に基づいて前記時間差を検出することを特徴とする請求項1記載のデータ転送装置。
【請求項6】
前記データ転送装置は、
前記送信手段を、3つ以上備えており、
前記送信手段は、同じ構成の前記信号受信手段、前記転送手段及び前記時間差検出手段が1つの時間差計測デバイスとして構成されており、
前記各送信手段は、該各送信手段の前記時間差計測デバイスを相互に接続する相互接続手段を備え、
前記各時間差計測デバイスは、前記同期信号と前記相互接続手段によって他の前記送信手段から送信されてくる前記転送同期信号の1つを選択する選択手段を備え、
前記時間差検出手段は、前記選択手段の選択した同期信号と前記転送同期信号の時間差を検出することを特徴とする請求項1記載のデータ転送装置。
【請求項7】
同期をとって送信する必要のあるデータを送信する複数の送信処理ステップと、
複数の前記送信処理ステップとそれぞれ通信路で接続され該各送信処理ステップに前記データの同期を取るための同期信号を出力して該各送信処理ステップから該データを受信する受信処理ステップと、
各前記送信処理ステップから前記受信処理ステップへの前記データの送信タイミングを調整するデータ出力調整処理ステップと、
を有し、
前記各送信処理ステップが、前記受信処理ステップから送られてくる前記同期信号を受信する信号受信処理ステップと、
前記信号受信処理ステップの受信した前記同期信号を他の前記送信処理ステップに転送同期信号として転送する転送処理ステップと、
他の前記送信処理ステップの前記転送処理ステップから転送されてくる転送同期信号を受信する転送信号受信処理ステップと、
前記信号受信処理ステップの受信した前記同期信号と前記転送信号受信処理ステップの受信した前記転送同期信号の時間差を検出する時間差検出処理ステップと、
を有し、
前記出力調整処理ステップが、前記時間差検出処理ステップで検出された時間差に基づいて前記送信処理ステップから前記受信処理ステップに送信する前記データの出力タイミングを調整することを特徴とするデータ転送制御方法。
【請求項8】
コンピュータに、
同期をとって送信する必要のあるデータを送信する複数の送信処理と、
複数の前記送信処理とそれぞれ通信路で接続され該各送信処理に前記データの同期を取るための同期信号を出力して該各送信処理から該データを受信する受信処理と、
各前記送信処理から前記受信処理への前記データの送信タイミングを調整するデータ出力調整処理と、
を実行させ、
前記各送信処理として、前記受信処理から送られてくる前記同期信号を受信する信号受信処理と、
前記信号受信処理の受信した前記同期信号を他の前記送信処理に転送同期信号として転送する転送処理と、
他の前記送信処理の前記転送処理から転送されてくる転送同期信号を受信する転送信号受信処理と、
前記信号受信処理の受信した前記同期信号と前記転送信号受信処理の受信した前記転送同期信号の時間差を検出する時間差検出処理と、
を実行させ、
前記出力調整処理として、前記時間差検出処理で検出された時間差に基づいて前記送信処理から前記受信処理に送信する前記データの出力タイミングを調整させることを特徴とするデータ転送制御プログラム。
【請求項9】
請求項8記載のデータ転送プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−56883(P2011−56883A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211256(P2009−211256)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】