説明

データ通信システム、撮像装置、データ受信装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラム

【課題】ビデオカメラ等の撮影データに併せて環境情報を取得して環境情報に基づく様々な関連情報を提供することを可能とした装置および方法を提供する。
【解決手段】撮像装置において、撮影データに併せて撮影場所を示す位置情報、時間情報、その他の様々な環境情報を取得して撮影データとともに記録しネットワークを介して出力する。受信装置は、環境情報に基づく表示情報、例えば、位置情報に基づく地図情報や都市名、あるいは観光情報などの詳細情報、また、位置および時間情報に基づく天候情報などをデータベースやサーバから取得して表示する。本構成により、撮影データに対応する様々な関連情報の取得、表示が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ通信システム、撮像装置、データ受信装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。さらに、詳細には、例えばビデオカメラやスチルカメラなどの撮像装置において取得した撮影データをインターネット等のネットワークを介して受信装置に転送し再生する構成において、撮影データに併せて各種の環境情報を送信して、受信側で環境情報を提示する処理や、環境情報に基づく新たなデータの取得および出力を行なうデータ通信システム、撮像装置、データ受信装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、多くのユーザがビデオカメラやスチルカメラを利用した撮影を行なっている。これらのカメラ(撮像装置)によって撮影されたデータは、カメラに装着された記録媒体、例えばHDD(Hard Disk Drive)やDVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、磁気テープなどに記録される。再生を行なう場合は、例えばTVなどの再生装置とカメラをケーブル接続してこれらの記録媒体に記録されたデータを出力して再生するという処理が一般的である。
【0003】
しかし、例えば、旅行や遊園地に行って撮影を行なう場合や、パーティーなどに参加してカメラを用いて様々な撮影を行なう場合など、撮影されている生の映像を遠隔地にいる人々に見せたいという場合もある。
【0004】
ブロードバンドインターネットの普及により、PCなどを用いて、映像・音声をストリーミング受信して再生することが容易であり、また、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像装置においても、802.11gなどの無線LANやethernetなどの有線LANに接続するネットワークI/Fを持ち、映像・音声をストリーミング送信する機能が開発されており、これらの機能を適用することで、カメラ撮影データのネットワークを介した送信、受信側でのストリーミング再生が実現される。
【0005】
しかし、このようなストリーミング再生処理において、データ受信および再生を行なう受信側の装置では、受信する映像や音声は視聴することができても、データ送信側の撮像装置のユーザが今どこで撮影しているのか、またこれはどこで・どんな状況で撮影したものなのか、といった情報(環境情報)を知ることができない。
【0006】
例えば、撮影データの撮影位置などの情報(環境情報)が得られれば、例えばインターネットに接続された地図情報提供サーバから撮影地点の地図などを得ることも可能となる。撮影情報に対する属性情報を含めて記憶したり、送信する構成を開示した従来技術としては、例えば特許文献1(特開2001−292385)がある。この特許文献1には、十分な品質のストリーミング映像を受信できない際にもその映像の関連情報は表示できるよう、ストリーミングデータに関連情報の再生時間などを含めて送り、予め与えられたシナリオ(どのタイミングでどの画像を出すかなど)に従って、その関連情報を表示する構成について開示している。
【0007】
しかし、この特許文献1に記載の構成は、事前に決められたシナリオを与えて表示させる方法であり、受信側のユーザがインターネットなどから欲しい情報を取得して表示できるものではない。
【0008】
また、特許文献2(特開2003−37837)や、特許文献3(特開2006−108959)は、携帯電話によるTV電話時に、自身の位置情報を相手の機器に表示するために、GPS(Global Positioning System)から得た位置情報をストリーミングに含めて送信し、受信側で基地局から地図をダウンロードする方法や、GPSから得た位置情報を地図に変換してからストリーミングに含めて送信し、受信側で表示する方法などが挙げられている。しかし、これらは位置情報だけを直接伝えているもので、上記同様、受信側のユーザが選択的に、インターネットなどを経由して詳細な情報を取得して表示できる構成とはなっていない。
【特許文献1】特開2001−292385号公報
【特許文献2】特開2003−37837号公報
【特許文献3】特開2006−108959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたものであり、例えばビデオカメラやスチルカメラなどの撮像装置において取得した撮影データをインターネット等のネットワークを介して受信装置に転送し再生する構成において、撮影データに併せて各種の環境情報を転送して、受信側で環境情報を提示する処理や、環境情報に基づく新たなデータの取得および出力を行なうことを可能としたデータ通信システム、撮像装置、データ受信装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の側面は、
撮像装置および受信装置間でデータ通信を行なうデータ通信システムであり、
前記撮像装置は、
撮影情報の取得を行なう撮影情報取得部と、
環境情報の取得を行なう環境情報取得部と、
前記撮影情報取得部の取得した撮影情報と、前記環境情報取得部の取得した環境情報とを前記受信装置に対して送信するデータ送信部とを有し、
前記受信装置は、
前記撮像装置から受信する環境情報に基づく環境情報対応表示情報を生成する環境情報対応表示情報生成部と、
前記撮像装置から受信する撮影情報と、前記環境情報対応表示情報とに基づく合成表示情報を生成する映像合成部と、
前記映像合成部の合成した表示情報を出力する映像出力部と、
を有する構成であることを特徴とするデータ通信システムにある。
【0011】
さらに、本発明のデータ通信システムの一実施態様において、前記撮像装置における前記環境情報取得部は、位置情報、時間、温度、湿度、風向、風速、気圧、紫外線量、これらのいずれかの情報を環境情報として取得する構成であることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明のデータ通信システムの一実施態様において、前記受信装置は、さらに、前記撮像装置から受信する環境情報に対応する詳細情報を、データベースまた外部サーバから取得する処理を実行する環境情報対応情報取得部を有し、前記映像合成部は、環境情報対応情報取得部の取得した環境情報対応詳細情報を含む合成表示情報を生成する処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明のデータ通信システムの一実施態様において、前記受信装置の前記映像合成部は、前記撮像装置から受信する環境情報に対応する詳細情報をジャンル別に選択可能とした詳細情報要求用のアイコンを設定した表示情報を生成する構成であることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明のデータ通信システムの一実施態様において、前記受信装置は、前記アイコンの指定情報を入力し、該アイコン指定情報に基づいて指定されたアイコンによって特定されるジャンルに対応する詳細情報を、データベースまた外部サーバから取得する処理を実行する環境情報対応情報取得部を有することを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明の第2の側面は、
撮影情報の取得を行なう撮影情報取得部と、
環境情報の取得を行なう環境情報取得部と、
前記撮影情報取得部の取得した撮影情報と、前記環境情報取得部の取得した環境情報とを前記受信装置に対して送信するデータ送信部と、
を有することを特徴とする撮像装置にある。
【0016】
さらに、本発明の撮像装置の一実施態様において、前記環境情報取得部は、位置情報、時間、温度、湿度、風向、風速、気圧、紫外線量、これらのいずれかの情報を環境情報として取得する構成であることを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明の撮像装置の一実施態様において、前記データ送信部は、前記環境情報を撮影情報の送信データであるストリーミングデータ内に含めて送信する処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明の撮像装置の一実施態様において、前記データ送信部は、前記環境情報を撮影情報の送信データとは異なるシグナリングメッセージに含めて送信する処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0019】
さらに、本発明の第3の側面は、
ネットワークを介してデータ受信を行い再生データの生成を行なうデータ受信装置であり、
撮像装置から撮影情報および環境情報を受信するデータ受信部と、
前記環境情報に基づく環境情報対応表示情報を生成する環境情報対応表示情報生成部と、
前記撮像装置から受信する撮影情報と、前記環境情報対応表示情報とに基づく合成表示情報を生成する映像合成部と、
前記映像合成部の合成した表示情報を出力する映像出力部と、
を有することを特徴とするデータ受信装置にある。
【0020】
さらに、本発明のデータ受信装置の一実施態様において、前記データ受信部は、撮像装置から、位置情報、時間、温度、湿度、風向、風速、気圧、紫外線量、これらのいずれかの環境情報を受信し、前記環境情報対応表示情報生成部は、撮像装置から受信する位置情報、時間、温度、湿度、風向、風速、気圧、紫外線量、これらのいずれかの環境情報に基づく環境情報対応表示情報を生成する処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0021】
さらに、本発明のデータ受信装置の一実施態様において、前記データ受信装置は、さらに、前記撮像装置から受信する環境情報に対応する詳細情報を、データベースまた外部サーバから取得する処理を実行する環境情報対応情報取得部を有し、前記映像合成部は、環境情報対応情報取得部の取得した環境情報対応詳細情報を含む合成表示情報を生成する処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0022】
さらに、本発明のデータ受信装置の一実施態様において、前記映像合成部は、前記撮像装置から受信する環境情報に対応する詳細情報をジャンル別に選択可能とした詳細情報要求用のアイコンを設定した表示情報を生成する構成であることを特徴とする。
【0023】
さらに、本発明のデータ受信装置の一実施態様において、前記データ受信装置は、前記アイコンの指定情報を入力し、該アイコン指定情報に基づいて指定されたアイコンによって特定されるジャンルに対応する詳細情報を、データベースまた外部サーバから取得する処理を実行する環境情報対応情報取得部を有することを特徴とする。
【0024】
さらに、本発明の第4の側面は、
撮像装置におけるデータ処理方法であり、
撮影情報取得部において撮影情報の取得を行なう撮影情報取得ステップと、
環境情報取得部において環境情報の取得を行なう環境情報取得ステップと、
データ送信部において前記撮影情報取得部の取得した撮影情報と、前記環境情報取得部の取得した環境情報とを前記受信装置に対して送信するデータ送信ステップと、
を有することを特徴とするデータ処理方法にある。
【0025】
さらに、本発明の第5の側面は、
ネットワークを介してデータ受信を行い再生データの生成を行なうデータ受信装置におけるデータ処理方法であり、
データ受信部において撮像装置から撮影情報および環境情報を受信するデータ受信ステップと、
環境情報対応表示情報生成部において前記環境情報に基づく環境情報対応表示情報を生成する環境情報対応表示情報生成ステップと、
映像合成部において前記撮像装置から受信する撮影情報と、前記環境情報対応表示情報とに基づく合成表示情報を生成する映像合成ステップと、
映像出力部において前記映像合成部の合成した表示情報を出力する映像出力ステップと、
を有することを特徴とするデータ処理方法にある。
【0026】
さらに、本発明の第6の側面は、
撮像装置においてデータ処理を実行させるコンピュータ・プログラムであり、
撮影情報取得部において撮影情報の取得を行なわせる撮影情報取得ステップと、
環境情報取得部において環境情報の取得を行なわせる環境情報取得ステップと、
データ送信部において前記撮影情報取得部の取得した撮影情報と、前記環境情報取得部の取得した環境情報とを前記受信装置に対して送信させるデータ送信ステップと、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
【0027】
さらに、本発明の第7の側面は、
ネットワークを介してデータ受信を行い再生データの生成を行なうデータ受信装置においてデータ処理を実行させるコンピュータ・プログラムであり、
データ受信部において撮像装置から撮影情報および環境情報を受信させるデータ受信ステップと、
環境情報対応表示情報生成部において前記環境情報に基づく環境情報対応表示情報を生成させる環境情報対応表示情報生成ステップと、
映像合成部において前記撮像装置から受信する撮影情報と、前記環境情報対応表示情報とに基づく合成表示情報を生成させる映像合成ステップと、
映像出力部において前記映像合成部の合成した表示情報を出力させる映像出力ステップと、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
【0028】
なお、本発明のコンピュータ・プログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、CDやFD、MOなどの記憶媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なコンピュータ・プログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0029】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づく、より詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一実施例の構成では、例えばビデオカメラ等の撮像装置において、撮影データに併せて、撮影場所を示す位置情報、時間情報、その他温度、湿度などの様々な環境情報を取得して撮影データとともに記録し、ネットワークを介して出力する。受信側の受信装置では、受信環境情報に基づく様々な表示情報、例えば、位置情報に基づく地図情報や都市名などの表示情報、あるいは観光情報などの詳細情報、また、位置および時間情報に基づく天候情報などをデータベースやサーバから取得して表示する。本構成により、撮影データのみならず、撮影データに対応する様々な関連情報を効率的に取得して表示することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本発明のデータ通信システム、撮像装置、データ受信装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラムの詳細について説明する。本発明は、ビデオカメラやスチルカメラなどの撮像装置において取得した撮影データをインターネット等のネットワークを介して受信装置に転送し再生するとともに、撮影データに併せて各種の環境情報を取得して転送し、受信側で環境情報を提示する処理や、環境情報に基づく新たなデータの取得および出力を行なうものである。
【0032】
なお、以下の実施例では、撮像装置の一例としてデジタルビデオカメラを適用した例を示し、デジタルビデオカメラから受信装置に送信するデータは、デジタルビデオカメラが撮影中のデータを撮影しながら送信して受信側において再生するストリーミング再生処理例について説明するが、撮像装置はデジタルスチルカメラであってもよく、また、ネットワークを介して転送するデータは、撮影後に撮像装置の記録媒体(例えばDVD、HDD、フラッシュメモリ、磁気テープ等)に記録済みのデータを再生したデータであってもよい。
【0033】
まず、図1を参照して、本発明の一実施例に係るデータ通信システムのシステム構成例を示す。本実施例は、図1に示すようにあるユーザA10が撮像装置101を用いて撮影を行い、撮影データをネットワーク102を介して受信側のユーザB20の受信装置103に送信し、入出力手段(例えば入力手段を持つTV)104において撮影データの再生を行なう構成例である。
【0034】
撮像装置101はいわゆるデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどであり、撮像した映像・音声を磁気テープやHDDなどの記憶装置に適切なコーデックを用いてエンコードするなどして記録する装置である。さらに撮像装置101は、IEEE802.11gなどの無線LANやethernet(イーサネット(登録商標))などの有線LANへ接続するためのネットワークI/Fを持ち、撮像中や再生中の映像・音声、記憶装置に記録されている映像・音声を、MPEG4やH.264/AVCなどのネットワークに適したコーデックを用いてエンコードし、ストリーミング送信する。なお、撮像装置の詳細な構成例については後段で説明する。
【0035】
一方、受信装置103は、同様にネットワークI/Fを持ち、撮像装置101からのストリーミングデータを受信してデコードし、その映像・音声を入出力手段104に出力する。なお、図では、受信装置103、入出力手段104を個別に示しているが、これらは1つの装置として構成してもよい。すなわち、表示機能・再生機能と、受信機能を持つ1つの装置としてもよい。
【0036】
撮像装置101と受信装置103は、インターネットなどのネットワーク102にて接続され、ネットワーク102を介したデータ送受信を行なう。撮像装置101において撮像中または再生中の映像、または磁気テープやHDDなどの記憶装置に記録されていた映像・音声データがネットワーク102を介してストリーミング送信される。
【0037】
さらに、撮像装置101は、映像、音声データの撮影データの他、環境情報を取得し、取得した環境情報を撮影データに併せて記憶装置に記録するとともに、ネットワーク102を介して送信する処理を実行する。環境情報とは、撮像装置101の現在位置や、データ記録を実際に行った場所といった「位置情報(緯度・経度)」や、「時間」、「温度」、「湿度」、「風向」、「風速」、「気圧」、「紫外線量」といった情報である。
【0038】
撮像装置101はこれらの環境情報を取得する各種センサ類が備えられている。例えば、GPS、時計、温度計、湿度計、風速、空気圧センサ、紫外線センサ、タイマなどのセンサを備えており、これらのセンサ取得情報を撮影データに対応させて記録するとともに、送信を行なう。なお、これらの環境情報は、撮像装置101のセンサから取得するばかりでなく、例えば、撮像装置101の通信可能な無線LANのアクセスポイントなどから取得する構成としてもよい。
【0039】
撮像装置101は、撮影データの送信の際にこれらの環境情報をデータ受信側に対して送信する。なお、これらの「環境情報」は、映像・音声のストリーミング自身に含めるか、もしくはシグナリングのメッセージなどによって、撮像装置101から受信装置103に送られる。なおこの環境情報の送信処理は、予め規定した一定間隔ごとに行なう設定としてもよいし、センシング情報に変化が確認された場合に送信する構成としてもよい。
【0040】
受信装置103は、撮像装置101から撮影データである映像、音声データからなるストリーミングデータとともに、その撮影データに対応する「環境情報」を受信する。すなわち、上述した撮像装置101の現在位置や、データ記録を実際に行った場所といった「位置情報(緯度・経度)」や、「時間」、「温度」、「湿度」、「風向」、「風速」、「気圧」、「紫外線量」といった情報である。受信装置103は、これらの情報を入出力手段104に出力してディスプレイに表示する。
【0041】
さらに、受信装置103は、図2に示すように、必要に応じて、撮像装置101から受信した「環境情報」をもとに、自身が持つデータベース121や、インターネット上のサーバ122などからより詳細な情報(地図、天気、観光情報など)を取得し、ストリーミング受信している映像・音声と併せて出力する。データベース121には、各種の環境情報に対応する詳細情報、例えば地図データや観光情報などが格納されている。また、インターネット上のサーバ122としては、専用のサーバを利用する構成としても、既存の情報提供サーバ、検索エンジンを利用する構成としてもよい。受信装置103は、データベース121、あるいはサーバ122から、撮像装置101から受信した「環境情報」に対応する詳細な情報、例えば、地図、天気、観光情報などを取得し、ストリーミング受信している映像・音声と併せて入出力手段104に出力する。
【0042】
受信装置103が実行する「環境情報」に基づく詳細情報を取得する処理には、複数の処理態様がある。例えば以下の処理構成に従った処理を行なう。
(a)受信装置103が撮像装置101から「環境情報」を受信したことを条件として、データベース121または外部サーバ122に対して、取得環境情報に基づく検索を実行して、検索結果を入出力手段104に出力する構成。
(b)入出力手段104のディスプレイに表示可能な詳細情報の候補をアイコンなどで表示し、ユーザからアイコン操作に基づく詳細情報取得リクエストを受領して、このリクエストの受領に基づいて指定された環境情報に基づく検索を実行して、検索結果を入出力手段104に出力する構成。
(c)受信装置103が、撮像装置101からの「環境情報」の受信を条件として、データベース121またはサーバ122にアクセスし、「環境情報」に対して、その時点で提供可能な情報のジャンル(「地図」「観光」「グルメ」など)のリストを作成し、その提供可能なジャンルのアイコンを入出力手段104のディスプレイに表示する。(もしくは、提供できる情報を違う色で表示する設定としてもよい。)次に、ユーザB20がその提供可能なジャンルのアイコンから、見たいジャンル(例えば「観光」)を選択すると、その選択情報を入力し、受信装置103は再度データベース121やサーバ122をアクセスして、選択された環境情報に対応する詳細情報を取得して、入出力手段104のディスプレイに表示する。
これらの処理のいずれか、またはこれらの処理の組み合わせに基づく処理が実行される。
【0043】
入出力手段104のディスプレイに表示されるデータ例について、図3を参照して説明する。図3に示す表示データ例は、上記(c)の処理例に従った表示データ例である。入出力手段104のディスプレイには、ストリーミングデータ表示領域201、環境情報表示領域202、環境情報対応詳細情報表示領域203が設定される。
【0044】
ストリーミングデータ表示領域201には、撮像装置101から受信する撮影データであるストリーミングデータが表示される。環境情報表示領域202には撮像装置101から受信するストリーミングデータに対応する環境情報に基づいて生成される環境情報対応表示情報211と、環境情報に対応する詳細情報のジャンル指定用のアイコン212が表示される。
【0045】
アイコン212は、撮像装置101から受信するストリーミングデータに対応する環境情報に対応する詳細情報のジャンルを指定するためのアイコンである。これらのアイコンは、データベース121あるいはサーバ122から詳細情報が取得可能である場合と、不可能な場合とで、異なる表示態様で表示される。図に示す例では、[地図]、[ショッピング]、[グルメ]、[観光]、[今日のイベント]の各ジャンルの指定アイコンを示しているが、これらのアイコン中、[地図]、[ショッピング]、[グルメ]、[観光]は、これらのジャンルに対応する詳細情報を取得可能であり、[今日のイベント]については、このジャンルに対応する詳細情報の取得が不可能である。[地図]、[ショッピング]、[グルメ]、[観光]のアイコンと、[今日のイベント]のアイコンでは、異なる表示態様、例えば表示色が異なる態様、あるいは輝度の異なる態様で表示する。この表示の差異によって、ユーザB20は、詳細情報の取得可否を判別することができる。なお、詳細情報の取得が不可能なジャンル対応アイコンは非表示とする設定でもよい。
【0046】
さらに、図3に示す例では、[観光]アイコン221をユーザが指定した状態であり、既に観光に関する詳細情報が環境情報対応詳細情報203としてディスプレイに表示された例を示している。このユーザ選択アイコンである[観光]アイコン221も、他のアイコンとは異なる表示態様、例えば表示色の変更や、点滅などを行い、選択中のアイコンであることが識別可能な設定とされる。
【0047】
これらの表示情報の生成は、受信装置103において実行される。例えば、図3に示す環境情報対応表示情報211は、受信装置103が撮像装置101から受信する環境情報に基づいて生成して表示する情報である。受信装置103は、撮像装置101から受信する様々な環境情報に基づいて、様々な表示情報を生成する。この環境情報対応表示情報の生成処理例について図4を参照して説明する。
【0048】
例えば図4に示すように、
撮像装置から取得する環境情報が、位置情報、すなわち、緯度、経度情報などの位置情報である場合、受信装置103は、データベース121またはサーバ122から緯度、経度情報に基づく地図や、地名/国名情報などを取得して環境情報対応表示情報として表示する。図3に示す例では、[ミラノ/イタリア]が、環境情報としての[位置情報]に対応する環境情報対応表示情報である。
【0049】
また、撮像装置から取得する環境情報が、時刻情報である場合は、受信装置103は、その受信した時刻情報そのものを環境情報対応表示情報として表示する。図3に示す例では、[2005年6月17日]が、環境情報としての[時刻情報]に対応する環境情報対応表示情報である。
【0050】
さらに、撮像装置から取得する環境情報が位置情報である場合は、地図や、地名/国名情報の他、受信装置103は、データベース121またはサーバ122から緯度、経度情報に基づいて得られる地点の天候情報を取得して、取得した天候情報を環境情報対応表示情報として表示する。図3に示す例では、[天候:くもり]が、環境情報としての[位置情報]に対応する環境情報対応表示情報として表示される。
【0051】
また、撮像装置から取得する環境情報が、温度情報である場合、受信装置103は、その受信した温度情報そのものを環境情報対応表示情報として表示する。図3に示す例では、[気温:21℃]が、環境情報としての[温度情報]に対応する環境情報対応表示情報である。さらに、環境情報としての[温度情報]に対応する環境情報対応表示情報としては、平年との温度差などの情報表示を行ってもよい。
【0052】
また、撮像装置から取得する環境情報が、方位情報である場合には、カメラの向いている方角情報を表示する処理、地図をカメラの向きに合わせて回転表示するなどの表示情報の生成を行って入出力手段104に出力する。
【0053】
このように、受信装置103は、撮像装置101から受信する環境情報、すなわち「位置情報」、「時間」、「温度」、「湿度」、「風向」、「風速」、「気圧」、「紫外線量」といった環境情報に基づいてデータベース121、サーバ122から環境情報対応の情報を取得して、入出力手段104に出力する環境情報対応表示情報を生成し出力する。
【0054】
以下、具体的な環境情報に基づく環境情報対応表示情報、および環境情報対応詳細情報の取得、表示処理例について説明する。
【0055】
[処理例1:撮像記録中の映像・音声をストリーミングする場合]
撮像装置101のユーザA10は、電車に乗りながら車外の風景を撮像・記録している。
撮像装置101は、車内の無線LANにてインターネットに接続されているとともに、撮像装置101に備えられたGPSにより位置情報を取得し、撮影データおよび環境情報(GPS取得情報)を記憶手段に記録している。さらに、撮像装置101は撮像している映像・音声および環境情報(位置情報)を、インターネットを経由して自宅にストリーミング送信する。
【0056】
自宅にある受信装置103では、ストリーミング映像・音声とともに受信した位置情報を用いて、データベース121またはサーバ122から詳細な地図データなどを取得し、電車が今いる地点の地図や、その移動の軌跡情報を取得または生成して、入出力手段104のディスプレイに刻一刻と表示する。
【0057】
このようなデータの表示を行なうことで、自宅にいる受信装置103側のユーザB20、例えば家族が、地図を選択して拡大・縮小などを指示すると、データベース121またはサーバ122から所望の地図が取得され、より詳しい現在地を知ることもできる。
【0058】
[処理例2:再生中の映像・音声をストリーミングする場合]
撮像装置101のユーザA10は、現在時刻の数分〜数時間前に撮像装置101を利用してサーキットのスタンドからカーレースを撮像・記録した。そのときに、無線LANアクセスポイントから位置情報、その場の温度・湿度などの環境情報を取得して撮影データに対応する環境情報として、撮像装置101の記憶手段に記録した。なお、記録された環境情報には時刻情報も含まれる。
【0059】
ユーザA10は、レースが終わったので、その場ですぐに、撮像したレースを、無線LAN経由で友人宅にストリーミング送信する。このとき、撮像した映像・音声だけでなく、位置情報・温度・湿度・時刻情報などの環境情報も併せて送信する。
【0060】
受信装置103は、ユーザA10の撮像装置101から送信されるストリーミング映像・音声を出力手段104のディスプレイに表示する。さらに、ストリーミングデータに併せて受信する環境情報に基づく環境情報対応表示情報、すなわち、位置情報に基づく地名情報や、温度、湿度、時刻情報を環境情報対応表示情報として生成して入出力手段104に表示する。
【0061】
さらに、図3を参照して説明したように、環境情報に対応する詳細情報のジャンルを指定するためのアイコンの表示を実行する。例えば、
「天候」
「タイヤコンディション」
などのアイコンを表示する。
【0062】
ストリーミングデータの再生を行ない、データを視聴しているユーザB20は、ジャンル指定アイコンを選択して、さらに各ジャンルに対応する環境情報対応詳細情報を見ることができる。
【0063】
例えば、ユーザB20が、ジャンル指定アイコン[天候]を指定すると、ジャンル指定情報が受信装置103に入力され、受信装置103は、ジャンル[天候]に対応する環境情報詳細情報をデータベース121またはサーバ122から取得して、入出力手段104に出力する。例えば、受信装置103は、撮像装置101から受信した環境情報としての位置、時間情報に基づくデータベースやサーバ検索を実行して、そのときの天候はどうだったかといった環境情報対応詳細情報を取得して、入出力手段104に出力し表示を行なう。
【0064】
さらに、ユーザB20が、ジャンル指定アイコン[タイヤコンディション]を指定すると、ジャンル指定情報が受信装置103に入力され、受信装置103は、ジャンル[タイヤコンディション]に対応する環境情報詳細情報をデータベース121またはサーバ122から取得して、入出力手段104に出力する。例えば、受信装置103は、撮像装置101から受信した環境情報としての位置、時間情報に基づくデータベースやサーバ検索を実行して、そのときの天候を取得し、さらにその天候に対応する最適なタイヤの種類情報(例えばメーカー、型番)等を環境情報対応詳細情報として取得して、入出力手段104に出力し表示を行なう。
【0065】
[処理例3:記録されている映像・音声をストリーミングする場合]
撮像装置101のユーザA10は旅行に行き、ヨーロッパ各地を転々として撮像した。そのとき、撮像装置101に備えられたGPSにより位置情報を取得して撮影データとともに位置情報を併せて撮像装置内の記憶手段に記録した。記録される環境情報は、位置情報と時刻情報を含む。後日、ユーザA10は、撮像装置101をストリーミングサーバとしてネットワークに接続した状態で設置し、両親にメールでそのURL、すなわち撮像装置内の記憶手段に格納したコンテンツにアクセスするためのURLを通知する。
【0066】
両親宅にある受信装置103からその通知されたURLにアクセスすると、撮像装置101のコンテンツにアクセスされ、コンテンツのストリーミング再生(ダウンロード再生)が開始される。撮影コンテンツには、映像・音声に対応する環境情報、すなわち位置情報が対応付けられており、映像・音声データとともに、撮影された時刻情報、位置情報が環境情報として送られる。
【0067】
受信装置103は、撮像された映像の表示に併せて、環境情報として取得した時刻を環境情報対応表示情報として表示する。さらに、表示シーンが切り替わるごとにそのシーンが記録された観光地の名前、地図、観光情報などを切り替え表示する。これらの情報は、環境情報としての位置情報に基づいてデータベース、サーバから取得する。さらに、図3を参照して説明した環境情報に対応する詳細情報のジャンルを指定するためのアイコンの表示を実行する。例えば、「グルメ」、「ショッピング」、「イベント」などのジャンル指定アイコンの表示を行ない、ユーザによるアイコンの選択がなされた場合は、その選択アイコンに対応するジャンルの詳細情報をデータベース、サーバから取得して環境情報対応詳細情報として表示する。
【0068】
このように受信装置103は、撮像装置101から受信する環境情報に基づいて、データベースやサーバから様々な情報の取得処理を行い、これらを
環境情報対応表示情報、あるいは、
環境情報対応詳細情報、
として入出力手段104に出力し、入出力手段104のディスプレイに表示する。
【0069】
次に、図5を参照して、撮像装置と、受信装置および入出力装置と、サーバおよびデータベースとの間で実行される処理シーケンスの一例について説明する。まず、ステップS101において、撮像装置は、撮影データと環境情報を受信装置に送信する。受信装置は、ステップS102において、撮像装置から受信した環境情報に基づく表示情報、すなわち、環境情報対応表示情報をサーバやデータベースから取得するため、受信した環境情報に基づくデータ検索を実行し、ステップS103においてサーバやデータベースから検索結果としての情報を取得する。
【0070】
受信装置および入出力装置は、ステップS104において、サーバやデータベースから取得した検索結果に基づいて、環境情報対応表示情報を生成して、ディスプレイに出力する。この表示情報には、環境情報対応詳細情報を取得するためのアイコン、すなわち、図3を参照して説明したジャンル対応のアイコンが含まれる。
【0071】
ステップS105において、ユーザがディスプレイに表示されたアイコンを指定して特定のジャンルに対応する詳細情報の取得をリクエストすると、受信装置は、ステップS106において、その指定ジャンルに対応する環境情報対応詳細情報をサーバやデータベースから取得するため、詳細情報取得のためのデータ検索を実行し、ステップS107においてサーバやデータベースから検索結果としての情報を取得する。
【0072】
さらに、ステップS108において、受信装置および入出力装置は、サーバやデータベースから取得した検索結果に基づいて、環境情報対応詳細情報を生成して、ディスプレイに出力する。この表示情報は、例えば、図3に示す環境情報対応詳細情報表示領域203に表示される観光情報などである。
【0073】
なお、撮像装置からの環境情報を受け取った受信装置が、さらに受信装置自身においても環境情報を取得する構成として、撮像装置と受信装置の両方の環境情報を用いて、より詳細な情報を取得し表示する構成としてもよい。例えば、受信装置が自身の位置情報を取得し、この位置情報と、撮像装置の位置情報を適用し、受信装置のある場所から撮像装置のある場所(撮像した場所)への行き方(経路・運賃・時刻表などの情報)や、これら2点間の時差、気温差などといったものを環境情報に基づく表示情報として生成して出力する。
【0074】
最後に、本発明の処理を実行する情報処理装置の構成について、図6、図7を参照して説明する。図6はデータ送信機器の一例としてのデジタルビデオカメラ、図7は、データ受信機器の一例としての受信ボックスの構成例を示す図である。なお、図7に示す受信ボックスは出力手段と一体とした構成例である。
【0075】
まず、図6を参照して、ビデオカメラ300の構成について説明する。ビデオカメラ300は、撮影処理に際して、撮影情報取得部としての映像入力部(カメラ)301から映像を入力し、音声入力部(マイク)303から音声を入力し、それぞれの入力情報である撮像情報(撮像データ)、音声情報(音声データ)をビデオエンコーダ302、オーディオエンコーダ304においてエンコード処理を実行して、制御部305の制御の下、記録管理部306を介して、磁気テープ、HDD、DVDなどの記憶装置と307に記録する。
【0076】
さらに、環境情報取得部322は、例えばGPSなどのセンサ321から各種の環境情報を取得し、取得された環境情報が、撮影データに対応づけられて磁気テープ、HDD、DVDなどの記憶装置と307に記録される。なお、環境情報は、先に説明したように、「位置情報」、「時間」、「温度」、「湿度」、「風向」、「風速」、「気圧」、「紫外線量」といった環境情報であり、センサ321は、これらの環境情報を取得可能なセンサである。
【0077】
また、記憶装置307に記録されたデータの再生処理に際しては、記録管理部306が記憶装置307から音声およびビデオのエンコードデータを取得して、それぞれオーディオデコーダ313、ビデオデコーダ311においてデコード処理を実行し、音声データは、音声出力部(スピーカ)314を介して出力し、ビデオデータは、映像出力部(LCD)312を介して出力される。
【0078】
本発明の特徴の1つであるデータ送信処理について説明する。ビデオカメラ300は、撮影中のデータ、あるいは、記憶装置307に記録されたデータをネットワークI/F309を介して送信する処理を行なう。撮影データについては、ストリーミング映像・音声送信部308を介して、また環境情報に関しては環境情報送信部323によって、データ送信が行われる。例えば撮影データを送信する場合、ストリーミング映像・音声送信部3081は、オーディオエンコーダ304の生成した音声エンコードデータと、ビデオエンコーダ302の生成したビデオエンコードデータを入力して、これらのエンコードデータを格納したパケットを生成してネットワークI/F309を介して出力する。
【0079】
環境情報に関しては環境情報送信部323によって、データ送信が行われる。「環境情報」の送信処理は、前述したように、映像・音声のストリーミング自身に含めるか、もしくはシグナリングのメッセージなどを適用して別パケットで送信する構成としてもよい。また環境情報の送信処理は、予め規定した一定間隔ごとに行なう設定としてもよいし、センシング情報に変化が確認された場合に送信処理を行なう構成としてもよい。
【0080】
なお、例えば記憶装置307に記録されたデータの再生処理に併せて、再生データと環境情報を送信することも可能である。この場合は、記録管理部306が撮影情報取得部として機能し、記憶装置307から音声およびビデオのエンコードデータと環境情報を取得して、それぞれオーディオデコーダ313、ビデオデコーダ311においてデコード処理を実行するとともに、記録管理部306が記憶装置307から取得した音声およびビデオのエンコードデータを制御部305の制御の下、ストリーミング映像・音声送信部308に入力し、これらの入力データを格納したパケットを生成してネットワークI/F309を介して出力する。同様に記録管理部306が記憶装置307から取得した環境情報を制御部305の制御の下、環境情報送信部323に入力し、これらの入力データを格納したパケットを生成してネットワークI/F309を介して出力する。
【0081】
次に、図7を参照して、データ受信装置の一例としての受信ボックスの構成例について説明する。図7に示す受信ボックスは、通信手段と受信データの出力手段としての機能を持つ。
【0082】
受信ボックス400は、ネットワークI/F401を介して受信するデータについての再生処理を実行する場合、ストリーミング映像・音声受信部402は、ネットワークI/F401を介して受信するパケットの解析を実行して音声データ、ビデオデータの判別を実行して、それぞれのデータを制御部403の制御の下でビデオデコーダ404、オーディオデコーダ407に入力してデコード処理を実行し、音声データは、音声出力部408を介してスピーカなどによって出力する。
【0083】
ビデオデータは、映像合成部405において、環境情報に基づく情報、すなわち、
環境情報対応表示情報、
環境情報対応詳細情報、
これらの情報との合成処理が実行されて、映像出力部406に出力表示される。この表示データは、例えば図3を参照して説明した表示データである。
【0084】
環境情報受信部411は、撮像装置から撮影データに併せて送信される環境情報を受信し、環境情報対応表示情報生成部412において、環境情報対応表示情報が生成され、映像合成部405において撮影データとの合成された後、出力される。なお、環境情報対応表示情報生成部412において生成される環境情報対応表示情報は、図3の例では、環境情報表示領域202に表示されるデータであり、撮像装置から受信するストリーミングデータに対応する環境情報そのもののデータ、環境情報に基づいて生成される情報、さらに、環境情報に対応する詳細情報のジャンル指定用のアイコンなどである。
【0085】
環境情報対応情報取得部421は、例えばユーザ入力部420からの環境情報対応詳細情報の取得リクエストに応じて、例えば外部サーバから環境情報対応詳細情報を取得する。取得された環境情報対応詳細情報は、環境情報対応詳細情報生成部422に入力され、詳細情報に基づく表示情報(例えば図3に示す環境情報対応詳細情報表示領域203の観光情報)が生成され、映像合成部405において撮影データとの合成された後、出力される。
【0086】
なお、図7に示す受信ボックス400には示していないが、前述したように、受信装置自身においても環境情報を取得する構成としてもよく、この場合は、受信ボックス400に先に図6を参照して説明したと同様のGPSなどのセンサを備える構成とする。このような構成により、撮像装置と受信装置の両方の環境情報を用いたより詳細な情報の取得、表示が可能となる。
【0087】
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0088】
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0089】
例えば、プログラムは記録媒体としてのHDDやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0090】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するHDD等の記録媒体にインストールすることができる。
【0091】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【0092】
以上、説明したように、本発明の一実施例の構成によれば、例えばビデオカメラ等の撮像装置において、撮影データに併せて、撮影場所を示す位置情報、時間情報、その他温度、湿度などの様々な環境情報を取得して撮影データとともに記録し、ネットワークを介して出力する。受信側の受信装置では、受信環境情報に基づく様々な表示情報、例えば、位置情報に基づく地図情報や都市名などの表示情報、あるいは観光情報などの詳細情報、また、位置および時間情報に基づく天候情報などをデータベースやサーバから取得して表示する。本構成により、撮影データのみならず、撮影データに対応する様々な関連情報を効率的に取得して表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の一実施例に係るシステム構成例を示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係るシステム構成例および受信装置側の情報取得処理例を説明する図である。
【図3】出力手段の表示画面に表示される表示データ例について説明する図である。
【図4】環境情報および環境情報に基づく表示情報の対応について説明する図である。
【図5】通信および表示シーケンスについて説明する図である。
【図6】データ送信機器の一例としてのビデオカメラの構成例について説明する図である。
【図7】データ受信装置の一例としての受信ボックスの構成例について説明する図である。
【符号の説明】
【0094】
10 ユーザA
20 ユーザB
101 撮像装置
102 ネットワーク
103 受信装置
104 入出力手段
121 データベース
122 サーバ
201 、ストリーミングデータ表示領域
202 環境情報表示領域
203 環境情報対応詳細情報表示領域
300 ビデオカメラ
301 映像入力部
302 ビデオエンコーダ
303 音声入力部
304 オーディオエンコーダ
305 制御部
306 記録管理部
307 記憶装置
308 ストリーミング映像・音声送信部
309 ネットワークI/F
311 ビデオデコーダ
312 映像出力部
313 オーディオデコーダ
314 音声出力部
321 センサ
322 環境情報取得部
323 環境情報送信部
400 受信ボックス
401 ネットワークI/F
402 ストリーミング映像・音声受信部
403 制御部
404 ビデオデコーダ
405 映像合成部
406 映像出力部
407 オーディオデコーダ
408 音声出力部
411 環境情報受信部
412 環境情報対応表示情報生成部
420 ユーザ入力部
421 環境情報対応情報取得部
422 環境情報対応詳細情報生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置および受信装置間でデータ通信を行なうデータ通信システムであり、
前記撮像装置は、
撮影情報の取得を行なう撮影情報取得部と、
環境情報の取得を行なう環境情報取得部と、
前記撮影情報取得部の取得した撮影情報と、前記環境情報取得部の取得した環境情報とを前記受信装置に対して送信するデータ送信部とを有し、
前記受信装置は、
前記撮像装置から受信する環境情報に基づく環境情報対応表示情報を生成する環境情報対応表示情報生成部と、
前記撮像装置から受信する撮影情報と、前記環境情報対応表示情報とに基づく合成表示情報を生成する映像合成部と、
前記映像合成部の合成した表示情報を出力する映像出力部と、
を有する構成であることを特徴とするデータ通信システム。
【請求項2】
前記撮像装置における前記環境情報取得部は、位置情報、時間、温度、湿度、風向、風速、気圧、紫外線量、これらのいずれかの情報を環境情報として取得する構成であることを特徴とする請求項1に記載のデータ通信システム。
【請求項3】
前記受信装置は、さらに、
前記撮像装置から受信する環境情報に対応する詳細情報を、データベースまた外部サーバから取得する処理を実行する環境情報対応情報取得部を有し、
前記映像合成部は、
環境情報対応情報取得部の取得した環境情報対応詳細情報を含む合成表示情報を生成する処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のデータ通信システム。
【請求項4】
前記受信装置の前記映像合成部は、
前記撮像装置から受信する環境情報に対応する詳細情報をジャンル別に選択可能とした詳細情報要求用のアイコンを設定した表示情報を生成する構成であることを特徴とする請求項1に記載のデータ通信システム。
【請求項5】
前記受信装置は、
前記アイコンの指定情報を入力し、該アイコン指定情報に基づいて指定されたアイコンによって特定されるジャンルに対応する詳細情報を、データベースまた外部サーバから取得する処理を実行する環境情報対応情報取得部を有することを特徴とする請求項4に記載のデータ通信システム。
【請求項6】
撮影情報の取得を行なう撮影情報取得部と、
環境情報の取得を行なう環境情報取得部と、
前記撮影情報取得部の取得した撮影情報と、前記環境情報取得部の取得した環境情報とを前記受信装置に対して送信するデータ送信部と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
前記環境情報取得部は、位置情報、時間、温度、湿度、風向、風速、気圧、紫外線量、これらのいずれかの情報を環境情報として取得する構成であることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記データ送信部は、
前記環境情報を撮影情報の送信データであるストリーミングデータ内に含めて送信する処理を実行する構成であることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記データ送信部は、
前記環境情報を撮影情報の送信データとは異なるシグナリングメッセージに含めて送信する処理を実行する構成であることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項10】
ネットワークを介してデータ受信を行い再生データの生成を行なうデータ受信装置であり、
撮像装置から撮影情報および環境情報を受信するデータ受信部と、
前記環境情報に基づく環境情報対応表示情報を生成する環境情報対応表示情報生成部と、
前記撮像装置から受信する撮影情報と、前記環境情報対応表示情報とに基づく合成表示情報を生成する映像合成部と、
前記映像合成部の合成した表示情報を出力する映像出力部と、
を有することを特徴とするデータ受信装置。
【請求項11】
前記データ受信部は、撮像装置から、位置情報、時間、温度、湿度、風向、風速、気圧、紫外線量、これらのいずれかの環境情報を受信し、
前記環境情報対応表示情報生成部は、撮像装置から受信する位置情報、時間、温度、湿度、風向、風速、気圧、紫外線量、これらのいずれかの環境情報に基づく環境情報対応表示情報を生成する処理を実行する構成であることを特徴とする請求項10に記載のデータ受信装置
【請求項12】
前記データ受信装置は、さらに、
前記撮像装置から受信する環境情報に対応する詳細情報を、データベースまた外部サーバから取得する処理を実行する環境情報対応情報取得部を有し、
前記映像合成部は、
環境情報対応情報取得部の取得した環境情報対応詳細情報を含む合成表示情報を生成する処理を実行する構成であることを特徴とする請求項10に記載のデータ受信装置。
【請求項13】
前記映像合成部は、
前記撮像装置から受信する環境情報に対応する詳細情報をジャンル別に選択可能とした詳細情報要求用のアイコンを設定した表示情報を生成する構成であることを特徴とする請求項10に記載のデータ受信装置。
【請求項14】
前記データ受信装置は、
前記アイコンの指定情報を入力し、該アイコン指定情報に基づいて指定されたアイコンによって特定されるジャンルに対応する詳細情報を、データベースまた外部サーバから取得する処理を実行する環境情報対応情報取得部を有することを特徴とする請求項13に記載のデータ受信装置。
【請求項15】
撮像装置におけるデータ処理方法であり、
撮影情報取得部において撮影情報の取得を行なう撮影情報取得ステップと、
環境情報取得部において環境情報の取得を行なう環境情報取得ステップと、
データ送信部において前記撮影情報取得部の取得した撮影情報と、前記環境情報取得部の取得した環境情報とを前記受信装置に対して送信するデータ送信ステップと、
を有することを特徴とするデータ処理方法。
【請求項16】
ネットワークを介してデータ受信を行い再生データの生成を行なうデータ受信装置におけるデータ処理方法であり、
データ受信部において撮像装置から撮影情報および環境情報を受信するデータ受信ステップと、
環境情報対応表示情報生成部において前記環境情報に基づく環境情報対応表示情報を生成する環境情報対応表示情報生成ステップと、
映像合成部において前記撮像装置から受信する撮影情報と、前記環境情報対応表示情報とに基づく合成表示情報を生成する映像合成ステップと、
映像出力部において前記映像合成部の合成した表示情報を出力する映像出力ステップと、
を有することを特徴とするデータ処理方法。
【請求項17】
撮像装置においてデータ処理を実行させるコンピュータ・プログラムであり、
撮影情報取得部において撮影情報の取得を行なわせる撮影情報取得ステップと、
環境情報取得部において環境情報の取得を行なわせる環境情報取得ステップと、
データ送信部において前記撮影情報取得部の取得した撮影情報と、前記環境情報取得部の取得した環境情報とを前記受信装置に対して送信させるデータ送信ステップと、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
【請求項18】
ネットワークを介してデータ受信を行い再生データの生成を行なうデータ受信装置においてデータ処理を実行させるコンピュータ・プログラムであり、
データ受信部において撮像装置から撮影情報および環境情報を受信させるデータ受信ステップと、
環境情報対応表示情報生成部において前記環境情報に基づく環境情報対応表示情報を生成させる環境情報対応表示情報生成ステップと、
映像合成部において前記撮像装置から受信する撮影情報と、前記環境情報対応表示情報とに基づく合成表示情報を生成させる映像合成ステップと、
映像出力部において前記映像合成部の合成した表示情報を出力させる映像出力ステップと、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラム。

【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−99094(P2008−99094A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−279979(P2006−279979)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】