説明

トイレ装置

【課題】電源ONした直後から短時間で使用可能で、しかも省エネ効果の高いトイレ装置を提供する。
【解決手段】人体局部を洗浄する洗浄ノズル7と、洗浄ノズルを収納する収納部4と、洗浄中に洗浄水を加熱する温水ヒータ5と、便蓋2の開閉検知を行う便蓋開閉検知手段3と、制御部4を備え、前記制御部4は便蓋2の開状態を検知すると電源をONし、便蓋2の閉状態及び洗浄ノズル7が収納部4に収納されたことを検知すると電源をOFFすることにより、節電による省エネ効果と、使用するときに電源スイッチをONした直後から使用者が素早く人体局部洗浄をすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ装置の制御に関し、特に洗浄ノズル収納時、洗浄ノズルの原点復帰を行い、その後電源OFFするトイレ装置の制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のトイレ装置は、省エネルギーを図る構成として図4に示すように、商用電源1とトイレ装置の電源回路14との間に電源スイッチ8を配設し、トイレ装置の未使用時にはこの電源スイッチ8をOFFするようにしている。
【0003】
また、この電源スイッチ8がONしてトイレ装置に電源が供給され、所要の手段が洗浄のための予備動作を開始する、即ち使用する前に洗浄ノズルの原点復帰を行うように構成されている。
【特許文献1】特開2000−120136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、図4のように電源スイッチ8をOFFにすると、消費電力は完全にゼロになって完全な節電効果が得られるが、その電源スイッチ8をOFFする前に洗浄ノズルの原点復帰を行っていない為、次回トイレ装置を使用するときは電源スイッチ8をONした後、所要の手段が洗浄のための予備動作を開始する、即ち洗浄ノズルの原点復帰を行う為、洗浄ノズルの原点復帰が完了するまでの間、人体局部を洗浄することができないという課題を有していた。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、人体局部洗浄後に洗浄ノズルの原点復帰を行い、その後電源スイッチ8をOFFすることで、次回トイレ装置を使用するときに電源スイッチ8をONした後に洗浄ノズルの原点復帰する必要が無く、使用者に素早く人体局部洗浄ができるトイレ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明のトイレ装置は、人体局部を洗浄する洗浄ノズルと、前記洗浄ノズルを収納する収納部と、洗浄中に洗浄水を加熱する温水ヒータと、便蓋の開閉検知を行う便蓋開閉検知手段と、制御部を備え、前記制御部は便蓋の開状態を検知すると電源をONし、便蓋の閉状態及び洗浄ノズルが前記収納部に収納されたことを検知すると電源をOFFすることとしたものである。
【0007】
これによって、節電による省エネ効果と、次回トイレ装置を使用するときに電源をONした直後から使用者は素早く人体局部洗浄ができることとなる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のトイレ装置は、節電による省エネ効果と、次回使用するときに電源をONした直後から素早く人体局部洗浄ができるトイレ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の発明は、人体局部を洗浄する洗浄ノズルと、洗浄ノズルを収納する収納部と、洗浄中に洗浄水を加熱する温水ヒータと、便蓋の開閉検知を行う便蓋開閉検知手段と、制御部を備え、前記制御部は便蓋の開状態を検知すると電源をONし、便蓋の閉状態及び洗浄ノズルが収納部に収納されたことを検知すると電源をOFFすることにより、節電による省エネ効果と、次回トイレ装置を使用するときに電源スイッチをONした直後から使用者に素早く人体局部洗浄をすることができる。
【0010】
第2の発明は、特に、第1の発明のトイレ装置の便座内部に輻射式発熱体を配設することにより、電源スイッチをONした後、短時間で便座を適温まで昇温することで、直ぐに着座することができ、使用者は素早く人体局部洗浄をすることができる。
【0011】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明のトイレ装置に便蓋を駆動させる便蓋駆動手段を備え、使用後に洗浄ノズルは収納部に収納された後、便蓋駆動手段は便蓋閉状態とすることにより、トイレ装置の電源がOFFすることとなり、使い勝手よく節電することができる。
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるトイレ装置のブロック図を示すものである。
【0014】
図1において、洗浄ノズル7は人体局部を洗浄するときに洗浄水を局部に向けて噴射するものであり、洗浄以外のときは収納部6に収納されているものである。温水ヒータ5は人体局部洗浄時、洗浄ノズル7に供給する洗浄水を瞬間的に所定の温度まで加熱するものである。便蓋開閉検知手段3は便蓋の開閉検知を行い、それによって商用電源1をトイレ装置に供給したり遮断したりする電源スイッチ3aを設けたものでもある。便蓋2が開状態を検知している時は電源スイッチがONしてトイレ装置に電源が供給される。また、便蓋2が閉状態を検知している時は、制御部4からの制御により電源スイッチ3aをOFFにすることができるようになっており、洗浄ノズル7が収納部6に完全に収納されたら電源スイッチ3aをOFFする構成とされている。
【0015】
以上のように構成されたトイレ装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0016】
まず、使用者が便蓋2を開動作することで、便蓋開閉検知手段3の内部に設けられた電源スイッチがONしてトイレ装置に電源が供給される。そして、使用者が人体局部洗浄を行った後、洗浄ノズル7が収納部6に収納する時に洗浄ノズル7が収納部6に確実に収まった状態の原点復帰を行うことで、次回トイレ装置を使用するときに電源をONした直後から使用者は素早く人体局部洗浄をすることができる。
【0017】
また、制御部4は人体局部洗浄後、洗浄ノズル7が収納部6に収納されて便蓋2が閉状態になった場合は、便蓋開閉検知手段3の内部に設けられた電源スイッチ3aをOFFすることで、トイレ装置に対して電源供給は遮断されるので待機電力をゼロになり、完全な節電効果が得られる。
【0018】
また、ヒータ5は人体局部洗浄時、洗浄ノズル7の供給する洗浄水を瞬間的に所定の温度まで加熱するので、トイレ装置に電源が供給された直後に使用しても快適な使用状態が得られるため、トイレ装置の使用しないときは常に電源を遮断しておくことができ、使い勝手良く節電効果を確保できる。
【0019】
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態のトイレ装置のブロック図を示すものである。
【0020】
図2は、図1に示す構成のトイレ装置において、便座内部に便座ヒータとして輻射式発熱体であるランプヒータ8を配設してあり、ランプヒータ8は使用者が便座に着座して冷たいと感じなくなる温度(例えば35℃など)にまで昇温する時間を、電源を供給してから数秒という短時間で便座を暖めることができるように構成されている。
【0021】
なお、実施の形態1と同一符号のものは同一構造を有するものとし、再度の説明は省略する。
【0022】
以上のように構成されたトイレ装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0023】
使用者が便蓋2を開動作することで、便蓋開閉検知手段3内部に設けられた電源スイッチがONしてトイレ装置に電源が供給される。そして、トイレ装置に電源がONした直後からランプヒータ8をONしても数秒で快適な便座温度まで昇温することができるため、トイレ装置の使用しないときは常に電源を遮断しておくことができ、使い勝手良く節電効果を確保できる。
【0024】
(実施の形態3)
図3は、本発明の第3の実施の形態のトイレ装置のブロック図を示すものである。
【0025】
図3は、図2に示す構成のトイレ装置に便蓋2を駆動させる便蓋駆動手段9を備えたものであり、便蓋駆動手段9は人体局部洗浄後、洗浄ノズル7が収納部6に収納された後、便蓋2を駆動して閉状態にするように構成されている。
【0026】
なお、実施の形態1または2と同一符号のものは同一構造を有するものとし、再度の説明は省略する。
【0027】
以上のように構成されたトイレ装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0028】
使用者が人体局部洗浄を行った後、洗浄ノズル7が収納部6に収納する時に洗浄ノズル7の原点復帰を行い。その後、便蓋駆動手段9は便蓋2を駆動して閉状態にする。そして、制御部4は便蓋開閉検知手段3の内部に設けられた電源スイッチをOFFすることで、トイレ装置に対して電源供給は遮断されるので待機電力をゼロにでき、完全な節電効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上のように、本発明にかかるトイレ装置は、洗浄ノズルの原点復帰後電源をOFFすることで、待機電力をゼロにすることが可能となるので、パソコン等の終了作業の伴う機器等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態1におけるトイレ装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態2におけるトイレ装置のブロック図
【図3】本発明の実施の形態3におけるトイレ装置のブロック図
【図4】従来のトイレ装置のブロック図
【符号の説明】
【0031】
1 商用電源(電源)
2 便蓋
3 便蓋開閉検出手段
4 制御部
5 温水ヒータ
6 収納部
7 洗浄ノズル
8 ランプヒータ(輻射式発熱体)
9 便蓋駆動手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体局部を洗浄する洗浄ノズルと、前記洗浄ノズルを収納する収納部と、洗浄中に洗浄水を加熱する温水ヒータと、便蓋の開閉検知を行う便蓋開閉検知手段と、制御部を備え、前記制御部は便蓋の開状態を検知すると電源をONし、便蓋の閉状態及び洗浄ノズルが前記収納部に収納されたことを検知すると電源をOFFするトイレ装置。
【請求項2】
便座内部に輻射式発熱体を配設した請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項3】
便蓋を駆動させる便蓋駆動手段を備え、使用後に洗浄ノズルは収納部に収納された後、前記便蓋駆動手段は便蓋閉状態とする請求項1または2に記載のトイレ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−316413(P2006−316413A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−137025(P2005−137025)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】