説明

トナー補給装置および画像形成装置

【課題】
トナー収容器の破損を防ぎつつ、トナー収容器に衝撃を付与することができるトナー補給装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】
トナーを収容しながら回転するトナー収容器211を備えるトナー補給装置20に、トナー収容器211の外壁面に臨む衝撃付与部材24と、トナー収容器211に着脱自在に設けられ、衝撃付与部材24と接触して該衝撃付与部材24を持ち上げた後、該衝撃付与部材24から離間して該衝撃付与部材24を落下させて、該衝撃付与部材24とトナー収容器211とを衝突させる駆動源側連結部221とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー補給装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置の分野では、現像装置にトナーを補給するトナー補給装置として、回転型トナー補給装置が一般に知られている。回転型トナー補給装置は、有底円筒状のトナー収容器を軸線まわりに回転させることで、該トナー収容器内のトナーを、該トナー収容器に形成されたトナー排出口から排出するトナー補給装置である。この回転型トナー補給装置は、トナー収容器が回転することにより、トナーの凝集を防ぎつつ、トナーホッパや現像装置内にトナーを円滑に補給することができる。
【0003】
ただし、凝集力の強い小粒径トナーを用いた場合、トナー収容器の内壁面にトナーが付着して排出されずにトナー収容器内に残ることがある。このような問題を解決するために、特許文献1,2では、トナー収容器の側壁部に外側から衝撃を付与する機構を設けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−95631号公報
【特許文献2】特開平8−314258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1,2に記載の機構は、トナー収容器の側壁部の外壁面に、弾性力によって圧接する衝撃付与部材を備えている。この衝撃付与部材は、トナー収容器の回転時において、トナー収容器に形成される突起部に接触すると、トナー収容器の径方向外方に持ち上げられ、その後、突起部と衝撃付与部材とが離間したときに、弾性力によって、トナー収容器の径方向内方に落下し、トナー収容器の側壁部に衝突する。これにより、トナー収容器に衝撃が付与され、トナー収容器の内壁面に付着したトナーを効率良く排出することができ、トナーを無駄なく使用することができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1,2に記載の衝撃付与部材は、トナー収容器の側壁部に圧接しており、トナー収容器の回転時には、上記の落下の瞬間を除いて、常に、トナー収容器の側壁部の外周面を摺動している。したがって、トナー収容器の回転時のほとんどの時間中、トナー収容器の側壁部に摩擦が生じているので、摩擦によってトナー収容器が破損してしまう場合がある。トナー収容器が破損してしまった場合、トナー収容器にトナーが残存していても、新たなトナー収容器に交換する他なく、トナーを無駄なく使用するという目的を達成することができなくなってしまう。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためのものであり、トナー収容器の破損を防ぎつつ、トナー収容器に衝撃を付与することができるトナー補給装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、トナーを収容しながら回転するトナー収容器であって、収容されたトナーを外部に排出可能な開口が形成されるトナー収容器と、
前記トナー収容器外において、前記トナー収容器の外壁面に臨んで設けられる衝撃付与部材と、
前記トナー収容器に着脱自在に設けられる持上げ部材であって、前記トナー収容器に装着時には、該トナー収容器とともに回転し、前記衝撃付与部材と接触して該衝撃付与部材を持ち上げた後、該衝撃付与部材から離間して該衝撃付与部材を落下させ、該衝撃付与部材と前記トナー収容器とを衝突させる持上げ部材とを備えることを特徴とするトナー補給装置である。
【0009】
また本発明は、前記衝撃付与部材は、
前記トナー収容器と接触可能に設けられる第1棒状部と、
前記持上げ部材と接触可能に設けられ、前記第1棒状部に連なる第2棒状部であって、前記第1棒状部よりも短く形成される第2棒状部とを含み、
前記第1棒状部と前記第2棒状部とが連なる部分を中心として角変位可能に構成され、
前記持上げ部材は、前記衝撃付与部材と接触可能に設けられる突起部であって、前記トナー収容器に装着時には、該トナー収容器とともに回転し、前記第2棒状部と接触して前記衝撃付与部材を角変位させることで前記第1棒状部を持ち上げた後、前記第2棒状部から離間して前記衝撃付与部材を角変位させることで前記第1棒状部を落下させ、該第1棒状部と前記トナー収容器とを衝突させる突起部を有することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記衝撃付与部材は、前記トナー収容器の回転中心軸線を含む一平面に対して垂直な角変位中心軸線まわりに角変位するように構成され、
前記第2棒状部は、前記角変位中心軸線に対して垂直に延びて形成され、
前記持上げ部材は、前記トナー収容器に装着時に、前記トナー収容器の前記回転中心軸線方向一端部に臨むように形成される基部を含み、
前記突起部は、前記トナー収容器の前記回転中心軸線方向一端部と前記基部との間において、前記トナー収容器の前記回転中心軸線方向一端部に向かって前記基部から突出して形成され、前記持上げ部材の前記トナー収容器への装着時には、前記トナー収容器とともに、前記回転中心軸線まわりに回転することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記持上げ部材は、前記突起部を複数有し、前記トナー収容器が1回転するときに、前記衝撃付与部材と前記トナー収容器とを複数回衝突させることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、現像装置を備える電子写真方式の画像形成装置において、
前記現像装置にトナーを供給するためのトナー補給装置として、前記トナー補給装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、トナー収容器に対して着脱自在な持上げ部材によって、衝撃付与部材を持ち上げるので、衝撃付与部材の持ち上げの際、トナー収容器には、衝撃付与部材との間で摩擦が生じない。これによって、トナー収容器を破損し難くしつつ、トナー収容器に衝撃を付与することができる。
【0014】
また本発明によれば、衝撃付与部材は、第1棒状部と第2棒状部とから構成され、第2棒状部と持上げ部材の突起部とが接触することにより、衝撃付与部材が角変位し、第2棒状部に連なる第1棒状部が持ち上げられる。このとき、第1棒状部は第2棒状部よりも長く形成されるので、第1棒状部の移動量は、第2棒状部の移動量よりも大きくなる。したがって、突起部の高さが低くても、第1棒状部の持ち上げられる高さを充分に高くすることができ、突起部を低く形成することが可能となり、突起部を低くすることで、突起部の剛性を高め、持上げ部材を破損し難くすることができる。
【0015】
また本発明によれば、衝撃付与部材は、トナー収容器の回転中心軸線を含む一平面に対して垂直な角変位中心軸線まわりに角変位するように構成され、第2棒状部は、この角変位中心軸線に対して垂直に延びて形成される。そして、持上げ部材の突起部は、トナー収容器の回転中心軸線方向一端部と基部との間において、トナー収容器に向かって基部から突出して形成され、トナー収容器とともに、回転中心軸線まわりに回転する。したがって、突起部は、第2棒状部が延びる方向に対して垂直な方向から、該第2棒状部に接触することになり、第2棒状部と突起部との接触面積が小さくなる。これによって、第2棒状部と突起部との間の摩擦を小さくし、第2棒状部を含む衝撃付与部材を破損し難くすることができる。
【0016】
また本発明によれば、トナー収容器が1回転するときに、衝撃付与部材とトナー収容器とを複数回衝突させることができる。
【0017】
また本発明によれば、前記トナー補給装置のトナー収容器内のトナーは、衝撃付与部材によってトナー収容器に衝撃が付与されることで、流動性が高められているので、良好な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】画像形成装置10の構成を示す模式図である。
【図2】トナー補給装置20の構成を示す図であり、
【図3】筺体23を除いたときのトナー補給装置20の側面を示す図であ
【図4】トナー補給装置20を引き出して駆動力伝達部22から補給装置本体部21を脱離させたときの様子を示す図である。
【図5】補給装置本体部21の分解斜視図である。
【図6】衝撃付与部材24と駆動源側連結部221とを拡大して示す図である。
【図7】駆動源側連結部221が衝撃付与部材24を持ち上げるときの様子を説明するための図である。
【図8】駆動源側連結部221が衝撃付与部材24を持ち上げるときの様子を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
はじめに、本発明の実施形態であるトナー補給装置20を備える画像形成装置10について説明する。図1は、画像形成装置10の構成を示す模式図である。画像形成装置10は、電子写真方式によって、記録用紙などの記録媒体の表面に画像を形成して、印刷物を得る装置である。画像形成装置10は、記録媒体を供給する記録媒体供給部50と、原稿などから画像情報を読み取るスキャナ43と、スキャナ43が読み取った画像情報や画像形成装置10の外部の装置から入力された画像情報に基づいて、供給された記録媒体に画像を形成する電子写真プロセス部60とを備える。電子写真プロセス部60は、感光体ドラム44と、帯電部45と、露光ユニット46と、現像ユニット70と、転写部48と、クリーニング部49と、定着ユニット51とを含む。
【0020】
感光体ドラム44は、円筒状や円柱状の導電性基体と、この導電性基体の表面に形成される感光層とを含み、図示しない回転駆動源によって、導電性基体の軸線回りに回転可能に設けられる。導電性基体は、たとえばアルミニウムから形成される。感光層は、光を照射されることで導電性を示す材料であり、たとえば有機感光層が用いられる。有機感光層は、電荷発生物質を含む電荷発生層と電荷輸送物質を含む電荷輸送層とが積層されたものであってもよいし、電荷発生物質と電荷輸送物質とを1つの層に含むものであってもよい。
【0021】
帯電部45は、感光体ドラム44の表面を所定の極性および電位に帯電させる装置である。帯電部45としては、ブラシ型帯電装置、ローラ型帯電装置、コロナ放電装置、イオン発生装置などを用いることができ、本実施形態では、たとえば、ローラ型帯電装置が用いられる。
【0022】
露光ユニット46は、レーザ光を出射する装置であり、露光ユニット46から出射された光は、帯電部45と現像ユニット70との間を通過して感光体ドラム44の表面に照射される。帯電状態にある感光体ドラム44の表面にレーザ光が照射されることによって、その表面に、画像情報に対応する静電潜像が形成される。露光ユニット46としては、たとえば、レーザ照射部および複数の反射ミラーを備えるレーザスキャニングユニット(LSU)を用いることができる。また、露光ユニット46としては、LED(Light Emitting Diode)アレイ、液晶シャッタと光源とを適宜組み合わせたユニットなどを用いてもよい。
【0023】
現像ユニット70は、トナー補給装置20と、トナーホッパ13と、現像装置47とを含む。トナー補給装置20は、トナーホッパ13および現像装置47よりも鉛直方向上方(以下では、「鉛直方向上方Y1」と称し、これとは反対の方向を、「鉛直方向下方Y2」と称し、2つの方向を合わせて、「鉛直方向Y」と称する)に配置され、未使用のトナーを収容する。トナー補給装置20は、画像形成装置10が備える図示しない回転駆動源に接続される回転型のトナー補給装置であり、現像装置47内のトナーが消費されて少なくなると、未使用のトナーをトナーホッパ13へ供給する。トナー補給装置20の詳細については後述する。
【0024】
トナーホッパ13は、トナー補給装置20の鉛直方向下方Y2において、現像装置47に隣接して設けられる。トナーホッパ13は、トナー補給装置20から供給されたトナーを攪拌して、現像装置47へ供給する。
【0025】
現像装置47は、感光体ドラム44上に形成された静電潜像をトナーによって現像することで、感光体ドラム44上にトナー像を形成する装置である。現像装置47は、現像槽、現像ローラ、搬送スクリュー、およびトナー濃度検知センサを備える。現像槽は、その内部空間にトナーを収容する。現像槽内には、現像ローラおよび搬送スクリューが、回転可能に支持される。現像槽は、感光体ドラム44に臨む位置に開口部が形成され、この開口部を挟んで感光体ドラム44に対向する位置に、現像ローラが設けられる。
【0026】
現像ローラは、感光体ドラム44との最近接部において感光体ドラム44表面の静電潜像にトナーを供給する部材である。トナーの供給のときには、現像ローラ表面に、トナーの帯電電位とは逆極性の電位が現像バイアス電圧(現像バイアス)として印加される。これによって、現像ローラ表面のトナーが静電潜像に円滑に供給される。現像バイアスの値を変更することによって、静電潜像に供給されるトナー量(トナー付着量)を制御することができる。
【0027】
搬送スクリューは、現像ローラ周辺にトナーを供給する部材である。搬送スクリューによって、トナーは攪拌搬送されて、帯電した状態で現像ローラに供給される。
【0028】
トナー濃度検知センサは、現像槽の底面に設けられる。トナー濃度検知センサは、現像槽中のトナー濃度を検知する。トナー濃度検知センサとしては、一般的なトナー濃度検知センサを使用でき、たとえば、透過光検知センサ、反射光検知センサ、透磁率検知センサなどが挙げられる。これらの中でも、透磁率検知センサが好ましい。
【0029】
トナー濃度検知センサは、トナー濃度制御部に電気的に接続される。トナー濃度制御部は、トナー濃度検知センサによるトナー濃度値が所定の設定値よりも低くなると、トナー補給装置20に接続される回転駆動源が作動し、トナー補給装置20内のトナーがトナーホッパ13へ供給される。
【0030】
転写部48は、感光体ドラム44の表面に圧接するローラ部材であり、図示しない回転駆動源によって軸線回りに回転可能に設けられる。感光体ドラム44上に担持されて搬送されるトナー像は、転写部48と感光体ドラム44との圧接部において、後述する記録媒体供給部50から供給される記録媒体に転写される。
【0031】
クリーニング部49は、感光体ドラム44から記録媒体へトナー像が転写された後に、感光体ドラム44の表面に残留するトナーや転写の際に付着した紙粉などを除去し、感光体ドラム44の表面を清浄化する部材である。クリーニング部49としては、たとえば、トナーを掻き取るための板状部材と、掻き取ったトナーを回収する容器状部材とが用いられる。
【0032】
記録媒体供給部50は、記録媒体を収容する収容部と、記録媒体を搬送する搬送ローラとを含む。収容部に収容される記録媒体は、搬送ローラによって、感光体ドラム44と転写部48との圧接部に送給され、トナー像が転写された後、定着ユニット51に送給される。記録媒体としては、普通紙、カラーコピー用紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート、葉書などがある。
【0033】
定着ユニット51は、加熱ローラおよび加圧ローラを含む。加熱ローラは、所定の定着温度となるように制御される。加圧ローラは、加熱ローラに圧接するローラである。加熱ローラは、加圧ローラとともに記録媒体を加熱しながら挟持することにより、トナー像を構成するトナーを溶融させて記録媒体上に定着させる。トナー像が定着した記録媒体は、画像形成装置10の外部に搬送され、画像形成動作が完了する。
【0034】
次に、トナー補給装置20について詳細に説明する。図2は、トナー補給装置20の構成を示す図であり、図3は、筺体23を除いたときのトナー補給装置20の側面を示す図であり、図4は、トナー補給装置20を引き出して駆動力伝達部22から補給装置本体部21を脱離させたときの様子を示す図であり、図5は、補給装置本体部21の分解斜視図である。
【0035】
トナー補給装置20は、トナー収容器211、連結部212、支持部材213、および支持台214を有する補給装置本体部21と、駆動源側連結部221、回転軸部材222、ギア223、および押しばね224を有する駆動力伝達部22と、2つのガイド部材231を有する筺体23と、衝撃付与部材24とを備える。
【0036】
筺体23は、補給装置本体部21の一部、駆動源側連結部221、回転軸部材222、および押しばね224を収容する内部空間が形成され、鉛直方向下方Y2の端部が開放される箱状部材である。ギア223は、筺体23の外側に配置される。筺体23の、所定の一方向(以下では、X1方向と称する)端部となる壁部23aには、第1貫通孔23aaが形成され、X1方向とは反対の方向(以下では、X2方向と称する)の端部となる壁部23bには、第2貫通孔23baが形成される。第1貫通孔23aaは、補給装置本体部21が挿通可能な大きさの孔であり、トナー補給装置20の使用時には、補給装置本体部21のX1方向端部が挿通されている。第2貫通孔23baは、回転軸部材222が挿通される孔であり、第2貫通孔23baにおいて、回転軸部材222の周りには、図示しない軸受が設けられる。
【0037】
トナー収容器211は、周壁部211aと2つの底壁部211b,211cとによって内部空間を形成する略円筒状の部材であり、その内部空間にトナーを収容する。トナー収容器211の中心軸線Sは、X1方向およびX2方向に延びている。周壁部211aには、トナーを排出するための開口部であるトナー排出口211aaが形成される。
【0038】
周壁部211aは、内径が50mm〜150mmであり、外径が52mm〜154mmであり、中心軸線S方向における長さが400mm〜600mmである。トナー排出口211aaは、周壁部211aの中心軸線S方向における中央部に形成される。トナー排出口211aaの形状は正方形状であり、この正方形状の一辺の長さは10mm〜25mmである。
【0039】
周壁部211aの内壁面には、中心軸線Sに向かって、5mm〜10mm程度突出するトナー搬送突起部211abが形成される。トナー搬送突起部211abは、周壁部211aの内壁面において、中心軸線Sを中心として螺旋状に形成されている。この螺旋の進む方向は、トナー排出口211aaよりもX1方向側の部分と、トナー排出口211aaよりもX2方向側の部分とで、互いに逆になっている。後述するように、トナー収容器211は、中心軸線Sまわりの回転方向Gに、画像形成装置10が備える図示しない回転駆動源によって、5rpm〜15rpmで回転するように構成されており、トナー搬送突起部211abは、トナー収容器211が回転するときに、トナー収容器211内のトナーをトナー排出口211aaに向けて搬送する。
【0040】
底壁部211bは、周壁部211aのX1方向端部に固定され、底壁部211cは、周壁部211aのX2方向端部に固定される。底壁部211b,211cは、直径50mm〜150mmの円盤状の部材であり、この円盤の中心軸線と、周壁部211aの中心軸線Sとは一致する。
【0041】
周壁部211aおよび底壁部211b,211cは、ポリエチレン、ポリプロピレン、HIPS樹脂(ハイインパクトポリスチレン樹脂)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂)などの材料から形成される。周壁部211aおよび底壁部211b,211cは、これらの材料から一体成形されてもよい。
【0042】
底壁部211cには、連結部212が形成される。連結部212は、底壁部211cのX2方向側の面に形成され、X1方向に退避する凹部であり、この凹部は、X1方向に見たときの形状が略L字状である。
【0043】
支持部材213は、略円筒状のトナー収容器211を、トナー収容器211の中心軸線Sを回転軸線として回転可能に支持する、トナー収容器211よりも径が大きな略円筒状の部材であり、支持台214に着脱可能に構成される。中心軸線S方向における支持部材213の長さは、100mm〜150mmであり、支持部材213は、トナー収容器211の周壁部211aの中心軸線S方向中央部を支持する。トナー補給装置20の使用時には、支持部材213は支持台214に装着されている。支持部材213には、その鉛直方向下部に、トナー排出口211aaと同じ形状・大きさの第1連通口213aが形成される。第1連通口213aは、トナー収容器211が回転することでトナー排出口211aaが鉛直方向下方Y2に位置したときに、トナー排出口211aaと連通するように形成される。
【0044】
支持台214は、支持部材213が装着可能に構成される装着部214aと、装着部214aの鉛直方向下部に固定される略矩形平板状の台座部214bとを含む。台座部214bは、X1方向およびX2方向に長く延び、トナーホッパ13の鉛直方向上方Y1に配置される。台座部214bには、第1連通口213aと同じ形状・大きさの第2連通口214baが形成される。第2連通口214baは、支持台214に支持部材213が装着されているときに、第1連通口213aと連通するように形成される。
【0045】
ギア223は、画像形成装置10が備える回転駆動源と係合し、5rpm〜15rpmで回転する。回転軸部材222は、円柱状の部材であり、ギア223が回転するときに円柱の中心軸線まわりの回転方向Gに回転するように、ギア223に接続される。この円柱の中心軸線は、トナー収容器211の中心軸線Sと一致する。
【0046】
駆動源側連結部221は、ねじ等で回転軸部材222に接続される基部221aと、基部221aからX1方向に突出する連結用突起部221bとを有する。連結用突起部221bは、X2方向に見たときの形状が、連結部212と同じく略L字状である。トナー補給装置20の使用時には、連結用突起部221bのX1方向端部が、連結部212に嵌合し、これによって、トナー収容器211が駆動源側連結部221に装着される。駆動源側連結部221の基部221aは、回転軸部材222に接続されるので、回転軸部材222が回転するのに伴って、駆動源側連結部221も回転し、その結果、トナー収容器211も回転する。駆動源側連結部221については、衝撃付与部材24とともに、後に詳述する。
【0047】
押しばね224は、コイルスプリングからなり、壁部23bと駆動源側連結部221との間において、回転軸部材222が挿通される。押しばね224は、回転軸部材222および駆動源側連結部221の回転を阻害することなく、駆動源側連結部221が壁部23bから離間するように、X1方向へのばね力を付与する。これによって、駆動源側連結部の連結用突起部221bが連結部212に嵌合する際に、駆動源側連結部221が連結部212によって押されて、駆動源側連結部221に接続される回転軸部材222、および、回転軸部材222に接続されるギア223が、X2方向に移動してしまうのを防いでいる。
【0048】
2つのガイド部材231は、補給装置本体部21、より詳細には、支持台214の台座部214bを、X1方向およびX2方向に移動可能に支持する。2つのガイド部材231は、壁部23bから、第1貫通孔23aaを通って、筺体23の外部まで、X1方向に延びて設けられる。
【0049】
上述したように、第1貫通孔23aaは、補給装置本体部21が挿通可能な大きさであり、トナー補給装置20の非使用時には、補給装置本体部21をX1方向に引くことで、図4に示すように、連結部212と駆動源側連結部221との嵌合状態を解除し、駆動力伝達部22から補給装置本体部21を脱離させて、補給装置本体部21を、第1貫通孔23aaから引き出すことができる。補給装置本体部21を引き出した後は、支持台214から、トナー収容器211および支持部材213を取り外して、新たなトナー収容器211に交換することができる。トナー収容器211の交換後は、補給装置本体部21をX2方向に押すことで、補給装置本体部21を押し入れることができる。このとき、連結部212と駆動源側連結部221とが嵌合して、トナー収容器211が駆動源側連結部221に装着され、トナー補給装置20が使用可能となる。
【0050】
以上のように構成されるトナー補給装置20によれば、補給装置本体部21の連結部212と、画像形成装置10が備える回転駆動源とが、駆動力伝達部22を介して連結される。これによって、連結部212が形成される略円筒状のトナー収容器211は、その中心軸線Sまわりに回転する。トナー収容器211が回転すると、トナー収容器211のトナー排出口211aaが鉛直方向下方Y2に位置したときに、トナー排出口211aa、第1連通口213a、および第2連通口214baが連通し、このときに、トナー収容器211に収容されるトナーは、トナー排出口211aa、第1連通口213a、および第2連通口214baを経て、トナーホッパ13へ供給される。トナー収容器211内のトナーが無くなったときには、補給装置本体部21をX1方向に引き出して、トナー収容器211を新たなトナー収容器211へと交換することができる。
【0051】
次に、衝撃付与部材24および駆動源側連結部221について説明する。衝撃付与部材24は、図2に示すように、トナー収容器211の外壁面に臨んで設けられる。図6に、この衝撃付与部材24と駆動源側連結部221とを拡大して示す。
【0052】
衝撃付与部材24は、第1棒状部24aと、第2棒状部24bと、接続部24cと、支持軸部材24dとを含む。接続部24cは、略円筒状の部材であり、円柱状の支持軸部材24dが挿通される。支持軸部材24dは、その中心軸線Sが、トナー収容器211の中心軸線Sを含む鉛直面に対して垂直な線となるように、その中心軸線S方向両端部が筺体23に固定される。第1棒状部24aおよび第2棒状部24bは、接続部24cの側面にそれぞれ垂直に連なり、延びる方向が互いに直交する略直方体棒状の部材であり、第2棒状部24bは第1棒状部24aよりも短く形成される。第1棒状部24aと第2棒状部24bとの長さの比率は、たとえば、2〜5:1である。なお、本発明の他の実施形態としては、第1棒状部24aおよび第2棒状部24bは、円柱状であってもよい。
【0053】
第1棒状部24a、第2棒状部24b、および接続部24cは、ポリエチレン、ポリプロピレン、HIPS樹脂、ABS樹脂などの樹脂材料や、アルミニウム、SUSなどの金属材料から形成され、これらの材料から一体成形されることが好ましい。
【0054】
本実施形態では、第1棒状部24aの、接続部24cから遠い側の端部には、衝突部24aaが形成される。衝突部24aaは、剛性が高く比重の大きい、アルミニウム、SUSなどの金属材料から形成される、半球状の部材である。なお、本発明の他の実施形態としては、衝突部24aaを、上記樹脂材料や、ゴムなどの弾性材料から形成してもよい。
【0055】
第1棒状部24a、第2棒状部24b、および接続部24cは、支持軸部材24dの中心軸線Sまわりに角変位可能に構成されている。そして、第1棒状部24aは、角変位可能な範囲内において、端部に形成される衝突部24aaが、トナー収容器211の周壁部211aの外壁面に接触可能に設けられている。また、第2棒状部24bは、角変位可能な範囲内において、トナー収容器211の底壁部211cが装着される駆動源側連結部221に接触可能に設けられている。より詳細には、第2棒状部24bは、後述する駆動源側連結部221の持上げ突起部221cに接触して乗り上げることが可能に設けられており、第2棒状部24bが持上げ突起部221cに乗り上げている状態では、第1棒状部24aの衝突部24aaは、周壁部211aの外壁面から離間し、第1棒状部24aの衝突部24aaが周壁部211aの外壁面に接触している状態では、第2棒状部24bは、持上げ突起部221cから離間する。
【0056】
駆動源側連結部221は、円盤状の基部221aと、基部221aの主面から突出する略L字状の連結用突起部221bと、基部221aの同一主面から突出する持上げ突起部221ca,221cb,221cc,221cdとを有する。持上げ突起部221ca〜221cdについて、総称する場合には、持上げ突起部221cと称する。
【0057】
持上げ突起部221ca〜221cdは、同一形状に形成される所定の厚さの部材である。持上げ突起部221cの厚さ、すなわち、突出する方向における長さは、連結用突起部221bよりも小さい。したがって、トナー収容器211を駆動源側連結部221に装着したとき、基部221aおよび持上げ突起部221cは、トナー収容器211から離間する。このとき、基部221aの中心軸線とトナー収容器211の中心軸線Sとは一致し、駆動源側連結部221は、中心軸線Sまわりの回転方向Gに回転する。
【0058】
持上げ突起部221ca〜221cdは、それぞれ、傾斜部Mと平坦部Nとを有する。平坦部Nは、基部221aの中心軸線を中心とする1/12円環状部分であり、各持上げ突起部221ca〜221cdの平坦部Nは、基部221aの中心軸線を中心とする同心円に沿って、等間隔に離間して配置される。傾斜部Mは、基部221aの主面と平坦部Nとを滑らかに接続する部分である。傾斜部Mは、基部221aの回転方向Gにおいて、平坦部Nの下流側に形成される。持上げ突起部221cの傾斜部Mと、回転方向Gにおける下流側においてこの持上げ突起部221cに隣接する他の持上げ突起部221cの平坦部Nとの間の距離Lは、衝撃付与部材24の第2棒状部24bの幅Lと同程度であり、たとえば、距離Lは、幅Lの1倍〜2倍程度である。
【0059】
傾斜部Mおよび平坦部Nを含む持上げ突起部221cは、ポリエチレン、ポリプロピレン、HIPS樹脂、ABS樹脂などの樹脂材料から形成される。持上げ突起部221cは、基部221aと一体成形されることが好ましい。なお、本発明の他の実施形態としては、持上げ突起部221cを金属材料から形成してもよい。
【0060】
また、本発明の他の実施形態としては、持上げ突起部221cの数は、1〜3個であってもよいし、5個以上であってもよい。さらに、平坦部Nは、1/12円環状でなくてもよく、たとえば矩形状であってもよい。
【0061】
このように形成される持上げ突起部221cは、基部221aがトナー収容器211とともに回転するときに、衝撃付与部材24と接触して該衝撃付与部材24を持ち上げた後、該衝撃付与部材24から離間して該衝撃付与部材24をトナー収容器211に向けて落下させ、該衝撃付与部材24とトナー収容器211とを衝突させる機能を有する。より詳細には、駆動源側連結部221は、衝撃付与部材24の第1棒状部24aを鉛直方向上方Y1に持ち上げるための持上げ部材であり、駆動源側連結部221の持上げ突起部221cが回転方向Gに回転することで、第2棒状部24bが持上げ突起部221cに乗り上げ、それによって、第2棒状部24bを含む衝撃付与部材24全体が中心軸線Sまわりに角変位し、その結果、第1棒状部24aが鉛直方向上方Y1に持ち上げられる。その後、持上げ突起部221cが回転方向Gにさらに進むことで持上げ突起部221cが第2棒状部24bから離間し、それによって、第1棒状部24aが自重によって落下し、トナー収容器211と衝突する。
【0062】
図7および図8を用いて、駆動源側連結部221が衝撃付与部材24を持ち上げるときの様子をより詳しく説明する。図7(a)および図8(a)は、図6の線A−Aを切断面線とするときの断面図であり、図7(b)および図8(b)は、図6の線B−Bを切断面線とするときの断面図である。
【0063】
図7(b)に示すように、衝突部24aaがトナー収容器211の周壁部211aに接している状態では、第2棒状部24bは、持上げ突起部221cから離間している。この状態のとき、第2棒状部24bは、基部221aと底壁部211cとの間において、底壁部211cからも離間している。
【0064】
基部221aが回転方向Gに回転すると、持上げ突起部221caは、図7(a)に示す状態から、回転方向G下流側へ移動する。これによって、図8(a)に示すように、第2棒状部24bが持上げ突起部221caの傾斜部Mの上へ乗り上げる。第2棒状部24bは、中心軸線Sに対して垂直に延びており、中心軸線Sは、トナー収容器211の中心軸線Sを含む鉛直面に対して垂直な線であるので、持上げ突起部221caは、第2棒状部24bが延びる方向に対して垂直な方向から、該第2棒状部24bに接触することになる。たとえば、図8(a)に示すように、略直方体棒状の第2棒状部24bの角部と、持上げ突起部221caの傾斜部Mとが接触して、該傾斜部M上に第2棒状部24bが乗り上げる。したがって、第2棒状部24bと傾斜部Mとの接触面積は小さい。
【0065】
第2棒状部24bが傾斜部M上に乗り上げると、図8(b)に示すように、衝撃付与部材24全体が中心軸線Sまわりに角変位して、第1棒状部24aが持ち上げられる。このとき、第1棒状部24aが持ち上げられ過ぎると、第1棒状部24aがトナー収容器211とは反対側に落下してしまうので、持上げ突起部221cの高さは、第1棒状部24aが反対側に落下しない程度の高さに設定される。さらに、基部221aと底壁部211cとの間隔は、衝撃付与部材24が充分に角変位できる大きさであり、かつ、第2棒状部24bが傾斜部Mに乗り上げたときの勢いで第1棒状部24aが反対側に落下してしまわないような大きさに設定される。
【0066】
持上げ突起部221caの回転方向G下流側への移動に伴い、持上げ突起部221caの傾斜部Mによって、第1棒状部24aは徐々に持ち上げられ、第2棒状部24bが持上げ突起部221caの平坦部Nに乗り上げると、衝撃付与部材24の角変位が止まり、第1棒状部24aは所定の高さとなる。持上げ突起部221caがさらに回転方向G下流側へ移動する一定の期間、この高さが維持される。
【0067】
持上げ突起部221caの平坦部Nが第2棒状部24bから離間すると、第1棒状部24aは、自重によって落下し、トナー収容器211の周壁部211aの外壁面に衝突する。衝突による振動で、トナー収容器211の内壁面に固着したトナーは、該内壁面から脱落し、トナー排出口211aaから排出可能になる。このようにして、トナー補給装置20は、トナー収容器211内に残るトナーの量を少なくし、トナーを無駄なく使用することができる。また、トナー補給装置20は、振動によって、トナー収容器211内のトナーの流動性を高めることもできる。
【0068】
なお、持上げ突起部221caから離間した後、第2棒状部24bは、持上げ突起部221cbに乗り上げることになる。本実施形態では、4つの持上げ突起部221ca〜221cdがあるので、トナー収容器211が1回転するごとに、衝撃付与部材24をトナー収容器211に4回衝突させることができる。
【0069】
以上のように構成されるトナー補給装置20では、衝撃付与部材24は、トナー収容器211によって持ち上げられるのではなく、駆動源側連結部221の持上げ突起部221cによって持ち上げられる。したがって、衝撃付与部材24の持ち上げの際、トナー収容器211には、衝撃付与部材24との間で摩擦が生じない。さらに、本実施形態では、隣接する持上げ突起部221c間の距離Lは、第2棒状部24bの幅Lと同程度(第2棒状部24bの幅Lの1倍〜2倍)であるので、衝撃付与部材24は、トナー収容器211に衝突した瞬間以外は、ほとんどトナー収容器211から離間していることになり、トナー収容器211との間で摩擦が生じ難い。このように、トナー補給装置20は、衝撃付与部材24とトナー収容器211との間での摩擦の発生を少なくすることができるので、トナー収容器211を破損し難くしつつ、トナー収容器211に充分な衝撃を付与して、トナー収容器211内のトナーを無駄なく使用することができる。
【0070】
そして、トナー収容器211と駆動源側連結部221とは、着脱自在に構成されており、衝撃付与部材24と接触する駆動源側連結部221がたとえ破損しても、新たな駆動源側連結部221に交換することができるので、トナー収容器211を交換することなく、トナー収容器211内のトナーを使い切ることができる。
【0071】
また、本実施形態では、衝撃付与部材24は、第1棒状部24aと第2棒状部24bとから構成され、第2棒状部24bと駆動源側連結部221の持上げ突起部221cとが接触することにより、衝撃付与部材24が角変位し、第2棒状部24bに連なる第1棒状部24aが持ち上げられる。このとき、第1棒状部24aは第2棒状部24bよりも長く形成されるので、第1棒状部24aの移動量は、第2棒状部24bの移動量よりも大きくなる。したがって、持上げ突起部221cの高さが低くても、第1棒状部24aの持ち上げられる高さを充分に高くすることができ、持上げ突起部221cを低く形成することが可能となり、持上げ突起部221cを低く形成することで、持上げ突起部221cの剛性を高め、持上げ突起部221cを破損し難くすることができる。これにより、駆動源側連結部221の交換の頻度を低くすることができる。
【0072】
さらに、本実施形態では、衝撃付与部材24は、トナー収容器211の中心軸線Sを含む一平面に対して垂直な中心軸線Sまわりに角変位するように構成され、第2棒状部24bは、この中心軸線Sに対して垂直に延びて形成される。そして、駆動源側連結部221の持上げ突起部221cは、トナー収容器211の底壁部211cと基部221aとの間において、トナー収容器211に向かって突出して形成され、トナー収容器211とともに、中心軸線Sまわりに回転する。したがって、持上げ突起部221caは、第2棒状部24bが延びる方向に対して垂直な方向から、該第2棒状部24bに接触することになり、第2棒状部24bと持上げ突起部221caとの接触面積が小さくなる。これによって、第2棒状部24bと持上げ突起部221caとの間の摩擦を小さくし、第2棒状部24bを破損し難くすることができる。
【0073】
また、本実施形態では、持上げ突起部221cには平坦部Nが形成される。平坦部Nにより、トナー収容器211の回転時における一定期間中は、衝撃付与部材24の角変位が止まり、衝撃付与部材24が常には角変位しなくなるので、衝撃付与部材24を破損し難くすることができる。すなわち、衝撃付与部材24とトナー収容器211との接触期間を少なくするために隣接する持上げ突起部221c間の距離Lと第2棒状部24bの幅Lとを同程度にし、かつ、平坦部Nを設けない場合、トナー収容器211の回転時におけるほとんどの時間中、衝撃付与部材24は角変位することになり、接続部24cと支持軸部材24dとの間の摩擦によって生じる摩擦熱が大気中に拡散し難くなり、衝撃付与部材24が破損するおそれがあるが、本実施形態では、それを防ぐことができる。本実施形態では、衝撃付与部材24は、まず、中心軸線Sまわりの一方向へ角変位し、次に、平坦部Nによって、一定期間角変位が止まり、その後、平坦部Nから離間して、中心軸線Sまわりの逆方向へ角変位して、トナー収容器211に衝突することになる。よって、角変位が止まっている一定期間中に、接続部24cと支持軸部材24dとの間の摩擦熱を大気中に拡散することができ、衝撃付与部材24の破損を防ぐことができる。
【0074】
以上のように、本発明に係るトナー補給装置20は、トナー補給時にトナー収容器211に充分な振動を与え、トナーを無駄なく使用することができるとともに、トナー収容器211、駆動源側連結部221、および衝撃付与部材24の破損を防ぎ、トナー補給装置20についてのメンテナンスの頻度を低くすることができる。また、トナー収容器211に振動が与えられると、トナー収容器211内のトナーの流動性が向上するので、トナー補給装置20を備える画像形成装置10によれば、良好な画像を形成することができる。
【符号の説明】
【0075】
10 画像形成装置
13 トナーホッパ
20 トナー補給装置
21 補給装置本体部
22 駆動力伝達部
23 筺体
24 衝撃付与部材
24a 第1棒状部
24b 第2棒状部
47 現像装置
70 現像ユニット
211 トナー収容器
211a 周壁部
211aa トナー排出口
211b,211c 底壁部
221 駆動源側連結部
221c 持上げ突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを収容しながら回転するトナー収容器であって、収容されたトナーを外部に排出可能な開口が形成されるトナー収容器と、
前記トナー収容器外において、前記トナー収容器の外壁面に臨んで設けられる衝撃付与部材と、
前記トナー収容器に着脱自在に設けられる持上げ部材であって、前記トナー収容器に装着時には、該トナー収容器とともに回転し、前記衝撃付与部材と接触して該衝撃付与部材を持ち上げた後、該衝撃付与部材から離間して該衝撃付与部材を落下させ、該衝撃付与部材と前記トナー収容器とを衝突させる持上げ部材とを備えることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項2】
前記衝撃付与部材は、
前記トナー収容器と接触可能に設けられる第1棒状部と、
前記持上げ部材と接触可能に設けられ、前記第1棒状部に連なる第2棒状部であって、前記第1棒状部よりも短く形成される第2棒状部とを含み、
前記第1棒状部と前記第2棒状部とが連なる部分を中心として角変位可能に構成され、
前記持上げ部材は、前記衝撃付与部材と接触可能に設けられる突起部であって、前記トナー収容器に装着時には、該トナー収容器とともに回転し、前記第2棒状部と接触して前記衝撃付与部材を角変位させることで前記第1棒状部を持ち上げた後、前記第2棒状部から離間して前記衝撃付与部材を角変位させることで前記第1棒状部を落下させ、該第1棒状部と前記トナー収容器とを衝突させる突起部を有することを特徴とする請求項1に記載のトナー補給装置。
【請求項3】
前記衝撃付与部材は、前記トナー収容器の回転中心軸線を含む一平面に対して垂直な角変位中心軸線まわりに角変位するように構成され、
前記第2棒状部は、前記角変位中心軸線に対して垂直に延びて形成され、
前記持上げ部材は、前記トナー収容器に装着時に、前記トナー収容器の前記回転中心軸線方向一端部に臨むように形成される基部を含み、
前記突起部は、前記トナー収容器の前記回転中心軸線方向一端部と前記基部との間において、前記トナー収容器の前記回転中心軸線方向一端部に向かって前記基部から突出して形成され、前記持上げ部材の前記トナー収容器への装着時には、前記トナー収容器とともに、前記回転中心軸線まわりに回転することを特徴とする請求項2に記載のトナー補給装置。
【請求項4】
前記持上げ部材は、前記突起部を複数有し、前記トナー収容器が1回転するときに、前記衝撃付与部材と前記トナー収容器とを複数回衝突させることを特徴とする請求項2または3に記載のトナー補給装置。
【請求項5】
現像装置を備える電子写真方式の画像形成装置において、
前記現像装置にトナーを供給するためのトナー補給装置として、請求項1〜4のいずれか1つに記載のトナー補給装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−83834(P2013−83834A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224309(P2011−224309)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】