説明

トポイソメラーゼI阻害剤のための予測マーカー

本発明は、概して、癌療法および癌予防の分野に関する。より具体的には、本発明は、概して、癌の処置におけるトポイソメラーゼI(トポI)阻害剤の有効性を予測するための診断マーカーに関する。より具体的には、本発明は、癌の処置におけるトポイソメラーゼI(トポI)阻害剤の有効性、いくつかの実施形態では、カンプトセシン(CPT)またはトポテカンおよびイリノテカン等のCTP類似体およびその誘導体等のトポイソメラーゼI阻害剤に対する腫瘍細胞の感受性または耐性のレベルを識別および判断するために使用可能である方法、機械、コンピュータシステム、コンピュータ可読媒体、およびキットに関する。より具体的には、本発明は、トポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化の存在、いくつかの実施形態では、トポイソメラーゼIポリペプチドの残基セリン10(S10)におけるリン酸化を判断するために使用可能である方法、機械、コンピュータシステム、コンピュータ可読媒体、およびキットに関し、リン酸化の存在、具体的には、トポIポリペプチドのセリン10におけるリン酸化は、癌がトポI阻害剤に対して非反応であり得ることを示し、一方、リン酸化の非存在、具体的には、残基セリン10(S10)におけるリン酸化の非存在は、癌がトポI阻害剤に対して反応し得ることを示す。本発明の他の態様は、リン酸−セリン10トポイソメラーゼI抗体および他のタンパク質結合部分、ならびにその使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2008年3月31日に出願された米国仮特許出願第61/072,490号の35U.S.C119(e)に基づく優先権を主張し、この仮特許出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、癌療法および癌予防の分野に関する。より具体的には、本発明は、概して、癌の処置におけるトポイソメラーゼI(トポI)阻害剤の有効性と、トポイソメラーゼI阻害剤に対する生体試料の感受性または耐性のレベルとを予測するための診断マーカーに関する。
【背景技術】
【0003】
癌の化学療法に関連する主な問題のうちの1つは、同一の組織構造を有する個々の対象が、所定の薬剤または所定の治療プロトコルに同じように反応しないことにある。反応範囲は、乳癌等の化学療法感受性腫瘍であっても大きく変動し得る。薬剤投与量、薬剤の組み合わせ、および投与スケジュール、対象の年齢および状態、腫瘍局在性等の多くの薬物感受性の決定因子が周知であるが、所定の腫瘍の固有の感受性は、依然として評価するのが困難な重要な要因である。
【0004】
処置の有効性を改善する戦略の1つとして、薬剤処置を腫瘍細胞の感受性の関数として個別化することが挙げられる。対象における薬剤の有効性の程度を予測する方法は、具体的には、薬剤および化学療法薬剤群に対する腫瘍細胞(生検中に採取される)の体外または生体外試験に基づく。このような戦略は、体内の化学療法感受性の予測が良好でなく、時間を要し、手動的であり、かつ費用が掛かるといういくつかの制限を有する。新しい癌のサブタイプの識別によって、より特異的で、より有効で、およびより毒性の低い治療の提供が見込まれる。この腫瘍サブセットは、一般的に使用される化学療法剤に対して難治性であるため、予後不良に関連する(Sorlie, et al., 2001, Proc Natl Acad Sci U S A 98:10869/非特許文献1)。治療目的を有効に標的とされ得る難治性癌に関連する具体的な分子経路における識別について、これまでほとんど進歩していない。
【0005】
ヒトのトポイソメラーゼI(トポI)は、種々のDNAトランスアクションに関与する必須かつ普遍的な酵素である。新しい種類の抗癌剤(カンプトセシン、本明細書において「CPT」とも呼ばれる)の標的としてのトポIの識別により、癌療法に関連するトポI構造−機能が急速に開発された。2つのCPT類似体であるトポテカンおよびイリノテカンは、現在、小細胞肺癌(SCLC)、結腸、および卵巣癌、ならびに乳癌および子宮頸癌を含むいくつかの難治性癌における診療に使用されている。しかしながら、大部分の癌薬物のように、全ての患者が反応するとは限らず、この場合、患者の約30%だけがトポI阻害剤に反応する。トポIタンパク質レベルは、大部分の固形腫瘍において高く、そのため、トポIレベルは、予測マーカーとして使用不可能である。加えて、トポIは、CPTの特異的な標的であるが、トポIの発現プロファイルは、予後指数を提供しない。臨床前研究に基づいて、これらの薬物に対する臨床的耐性が、(1)腫瘍における薬物の不十分な蓄積、または(2)トポIの翻訳後修飾の結果であり得ることが考えられる。トポIが、ユビキチンプロテアソーム経路(UPP)によりCPTに応答して細胞においてユビキチン化および分解することが実証されている。重要なことは、UPP媒介分解の速度が、癌細胞が異なると変動し、CPT感受性に相関することである。しかしながら、CPTに応答するトポIのプロテアソーム分解に依存するユビキチン化の機構は、理解されていない。
【0006】
一般的に使用される化学療法剤に対して難治性または無反応性である(具体的には、乳癌、肺癌、卵巣癌、脳癌、結腸癌、および前立腺癌等の上皮細胞癌において)腫瘍サブセットの満足な処置であって、対象が呈する無反応性を克服する処置が、本技術分野において大いに必要とされる。このような処置は、個体、特に、癌が特に一般的であり、かつ女性の個体において乳癌の発生率の高い高齢の個体の健康に劇的な影響を及ぼし得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Sorlie, et al., 2001, Proc Natl Acad Sci U S A 98:10869
【発明の概要】
【0008】
本発明は、概して、癌の処置におけるトポイソメラーゼI(トポI)阻害剤の有効性を予測するための診断マーカーに関する。具体的には、本発明の一態様は、癌の処置におけるトポイソメラーゼI(トポI)阻害剤の有効性を判断するための方法に関する。具体的には、発明者は、トポIが、DNA−PKによりS10においてリン酸化し、BRAC1/BARD1ヘテロ2量体およびその後続の分解によってそのユビキチン化することを本明細書において発見した。発明者は、トポIのリン酸化の存在、具体的には、セリン10(S10)上のトポIのリン酸化の存在が、迅速なトポI分解と、カンプトセシン(CPT)またはトポテカンおよびイリノテカン等のCTP類似体およびその誘導体等のトポI阻害剤に対する耐性とを示すことを発見した。したがって、本発明の一態様は、セリン10上のトポIのリン酸化の検出、すなわち、CTPおよびその類似体等のトポI阻害剤による薬物有効性の予後決定因子としての、癌を患っている対象からの生体試料におけるリン酸−トポI−S10の検出に関する。
【0009】
本発明の一態様は、トポイソメラーゼI阻害剤が癌を患っている対象に有効であるかを判断するための方法および組成物に関する。本発明の一態様は、トポIポリペプチドのリン酸化の存在を判断するための方法に関し、トポIポリペプチドのリン酸化の存在は、このような癌を患っている対象が、非リン酸化トポIポリペプチドを含む癌を患っている対象に比べて、トポI阻害剤に対して無反応(または、非反応)であり得ることを示す。本態様および本明細書に開示する全ての他の態様の一実施形態では、リン酸化は、トポIポリペプチドのセリン残基のリン酸化であり、トポIポリペプチドのセリン残基のリン酸化の存在は、癌が、トポI阻害剤に対して無反応(または非反応)であり得ることを示す。本態様および本明細書に開示する全ての他の態様の別の実施形態では、リン酸化は、トポIポリペプチドのセリン10(S10)残基のリン酸化であり、トポIポリペプチドのセリン10残基(S10)のリン酸化の存在は、癌を患っている対象が、対応する残基がリン酸化されない対象に比べて、トポI阻害剤に対して無反応(または非反応)であり得ることを示す。本態様および本明細書に開示する全ての他の態様の別の実施形態では、トポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化の欠如の検出、具体的には、セリン10(S10)上のトポIポリペプチドのリン酸化の特定の欠如は、このような癌がトポI阻害剤に対して反応し得ることを示す。
【0010】
いくつかの実施形態では、トポIポリペプチドのセリン10残基(S10)のリン酸化の一存在は、癌を患っている対象が、対応する残基がリン酸化されない対象に比べて、トポI阻害剤に対して無反応(または非反応)であり得ることを示す。本発明の一態様は、対象におけるS10トポIポリペプチドのリン酸化のレベルを格付けするステップに関する。例えば、リン酸−S10トポIポリペプチドのレベルは、非リン酸S10トポIポリペプチドに比べて、4つのレベルに分類または格付け可能であり、この場合、例えば、レベル1は、約0%レベルのリン酸−S10トポIポリペプチドであり、対象が、トポI阻害剤に完全に反応し得ることを示し、レベル2は、約10〜25%レベルのリン酸−S10トポIポリペプチドであり、対象が、トポI阻害剤に対して部分的に反応し得ることを示し、レベル3は、25〜50%のレベルのリン酸−S10トポIポリペプチドであり、対象が、トポI阻害剤に対して非反応であり得ることを示し、レベル4は、50%を上回る、例えば、少なくとも50%、または少なくとも約60%または少なくとも約70%または少なくとも約80%または少なくとも約90%または少なくとも約100%のリン酸−S10トポIポリペプチドの任意のレベルであり、対象が、トポI阻害剤に対して完全に無反応であり得ることを示す。言い換えると、対象がトポI阻害剤に対して反応する可能性は、非リン酸S10トポIポリペプチドの程度に比べて、リン酸−S10トポIポリペプチドの程度で格付け可能であり、これは、4つのレベル、つまり、グレード1(0〜10%)、2(10〜25%)、3(25〜50%)、または4(>50%)で格付け可能であり、この場合、レベル1は、対象がトポI阻害剤に対して反応し得ることを示し、レベル2は、レベル1に比べて、対象がトポI阻害剤に対して部分的に反応し得る(すなわち、約50%以下の反応)ことを示し、レベル3は、対象が、レベル1に分類される対象に比べて、トポI阻害剤に対して非反応であり得ること(すなわち、対象は、約10%以下のトポI阻害剤の有効性を有する)ことを示し、レベル4は、レベル1に分類された対象に比べて、トポI阻害剤に対して完全に非反応であり得ること(すなわち、対象は、約5%または約2%以下のトポI阻害剤の有効性を有する)ことを示す。他の実施形態では、4を上回るレベルの分類を使用することが可能であり、例えば、少なくとも5、または少なくとも6、または少なくとも7、または少なくとも8、または少なくとも9のレベルまたは9を上回る異なる分類レベルを使用することが可能である。
【0011】
いくつかの実施形態では、対象が一定の既定の閾値レベルを上回って識別される場合、対象は、トポI阻害剤に対して非反応である得ると識別され得る。いくつかの実施形態では、既定の閾値レベルは、約レベル3であり、この場合、リン酸−S10トポIポリペプチドの%(全トポIポリペプチドからの)は、約25%以上であり、対象は、3未満(すなわち、25%未満)の閾値レベルを有する対象に比べて、トポI阻害剤に対して非反応であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、対象がトポI阻害剤に対して非反応であり得るかを識別するための既定の閾値レベルは25%以上であり、この場合、全トポIポリペプチドに対して25%以上(すなわち、約少なくとも30%または少なくとも約40%または少なくとも約50%または少なくとも約60%以上)の%のリン酸−S10トポI阻害剤を有する対象は、トポI阻害剤に対して非反応であると識別され、一方、全トポIポリペプチドに対して25%未満(すなわち、約20%または約10%または約5%または約2%未満)の%のリン酸−S10トポI阻害剤を有する対象は、トポI阻害剤に対して反応するまたは部分的に反応すると識別される。
【0012】
本発明の別の態様は、対象における癌を処置するための方法に関し、本方法は、対象からの癌細胞を含む生体対象におけるトポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化のレベルを測定するステップと、トポIポリペプチドのリン酸化のレベルを検出するステップであって、具体的には、トポIポリペプチドのセリン10(S10)のリン酸化のレベルを検出するステップとを含み、トポIポリペプチドが、例えば残基S10においてリン酸化される場合、癌は、トポイソメラーゼI阻害剤に対して非反応であると識別される。癌細胞は、一実施形態において、対象から採取され、本明細書に説明する方法、キット、機械、ならびにコンピュータシステムおよびコンピュータ可読媒体によって試験される。
【0013】
トポイソメラーゼI阻害剤に対して反応し得ると識別される対象は、CPT、またはトポテカンおよびイリノテカン等のその類似体等であるがこれらに限定されない治療的に有効な量のトポI阻害剤によって、単独で、または他の治療薬および/もしくは抗癌薬と組み合わせて処置可能である。
【0014】
いくつかの実施形態では、トポI阻害剤は、例えば、CPT、またはトポテカンおよびイリノテカン等のその類似体および誘導体に限られない化学療法薬剤であり、これらの用語は、本明細書において定義される。本発明の別の態様は、癌に罹患する対象または癌を発現する危険性を有する対象を処置および/または予防するための方法であって、トポIポリペプチド(リン酸−トポI)のリン酸化の存在を判断するステップを含む方法を提供し、特定の実施形態では、本方法は、トポIポリペプチド(リン酸(phosphor)−S10−トポI)のセリン10(S10)残基におけるリン酸化の存在を判断するステップを含む。他の実施形態では、方法、キット、機械、コンピュータシステム、およびコンピュータ可読媒体を使用して、生体試料におけるトポIポリペプチドのリン酸化状態、具体的には、リン酸−トポIの存在、より具体的には、生体試料におけるリン酸−S10−トポIポリペプチドの存在を判断する。
【0015】
一実施形態では、当業者に既知である任意の手段を使用して、トポIポリペプチドのリン酸化状態、具体的には、対象の癌におけるリン酸−S10トポIポリペプチドの存在を判断することが可能である。したがって、本発明は、任意の体内検出方法、任意の生体外検出方法、または任意の体外検出方法を使用して、トポIポリペプチドのリン酸化状態、具体的には、癌を患っている対象におけるリン酸−S10トポIポリペプチドの存在を判断することを包含する。いくつかの実施形態では、本方法は、当業者に一般に知られている高スループット自動免疫組織化学方法である。別の実施形態では、体内検出方法は、例えば、対象に対する抗リン酸−S10トポI抗体等の標識抗体であるがこれに限定されないものを対象に投与することによって、トポIポリペプチドのリン酸化状態、具体的には、対象に存在する癌におけるリン酸−S10トポIポリペプチドの存在を判断することができ、標識抗体には、例えば、ルシフェラーゼ抗リン酸−S10トポI抗体等の放射性標識、または蛍光標識、または生物発光標識、または代替として、放射性標識ヌクレオチドが含まれ、検出モジュール、例えば、MRI、CAT走査、または他の体内撮像機械等の体内撮像カメラまたは機械を使用して、対象における抗リン酸−S10トポI抗体の存在を判断し、一実施形態では、検出モジュールからの出力データは、本明細書に開示するコンピュータシステムもしくはコンピュータ可読媒体を使用して分析され、または代替実施形態では、検出モジュールの出力データは、本明細書に説明する機械の比較モジュールに接続されるストレージモジュールによって受信される。
【0016】
別の実施形態では、リン酸−S10トポIポリペプチドの存在等のトポIポリペプチドのリン酸化状態を、対象から採取した生体試料において判断することができ、生体試料は、生体試料におけるリン酸−S10トポIポリペプチドの存在等のトポIポリペプチドのリン酸化状態を判断する検出モジュールに配置され、検出モジュールの出力データは、本明細書に説明する機械の比較モジュールに接続されるストレージモジュールによって受信されるか、または代替実施形態では、検出モジュールの出力データは、本明細書に開示するコンピュータシステムおよびコンピュータ可読媒体によって分析される。
【0017】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示する方法、キット、機械、コンピュータシステム、およびコンピュータ可読媒体によってトポI阻害剤に対して非反応であると識別される対象には、トポI阻害剤以外の化学療法剤を含む医薬組成物が投与される。代替実施形態では、対象には、トポI阻害剤と、トポI阻害剤に対する対象の感受性を増加させる薬剤(本明細書において「トポI阻害剤感受性薬剤」と呼ばれる)とが投与可能であり、トポI阻害剤感受性薬剤は、トポIポリペプチドの脱リン酸化を増加させることが可能であり、具体的には、トポIポリペプチドセリン10(S10)の脱リン酸化を増加させることが可能である。別の実施形態では、トポI阻害剤感受性薬剤は、例えば抗リン酸−S10トポI抗体または拮抗薬または2−モリホリン−4−イル−ベンゾ[h]クロメン−4−オンとしても既知であるNU7026等であるがこれに限定されないDNA−PKの阻害剤ならびにその誘導体および類似体等のトポIポリペプチドのリン酸化を阻害する拮抗薬であることが可能である。したがって、本発明の一態様は、トポI阻害剤感受性薬剤と実質的に同時に、トポI阻害剤に対して非反応であると識別された対象にトポI阻害剤を同時投与するステップに関する。いくつかの実施形態では、トポI阻害剤を含むこのような医薬組成物は、単独で、またはトポI阻害剤(すなわち、トポIポリペプチド上のS10の脱リン酸化を増加させる薬剤等のトポI阻害剤感受性薬剤および/または抗リン酸−S10トポI抗体もしくはDNA−PKの拮抗薬等のS10上のトポIリン酸化を阻害する薬剤)に対する対象の感受性を増加させる薬剤を含む医薬組成物の投与と実質的に同時、投与前、もしくは投与後に投与可能である。
【0018】
本発明の一態様および本明細書に説明する全ての他の態様では、機械を使用して、生体試料におけるトポIポリペプチドのリン酸化状態を判断することができ、例えば、対象からの生体試料に関するデータを入手するための機械は、生体試料を保持する生体試料容器と、トポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化の存在を検出するように、例えば、出力データ、いくつかの実施形態では、コンピュータ可読媒体フォーマットの出力データを生成する生体試料におけるリン酸−S10トポIを検出するように構成される判断モジュールと、判断モジュールからの出力データを格納するように構成されるストレージ機器と、判断モジュールからの出力データを、格納された参照データおよび対照データ等のストレージ機器上に格納されるデータと比較するように適合される比較モジュールと、クライアントコンピュータにおいてユーザのために読み出されたコンテンツのページを表示するためのディスプレイモジュールとを備え、読み出されたコンテンツは、 (i)トポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化の存在または非存在であって、例えば、読み出されたコンテンツは、リン酸−S10トポIの存在または非存在であることと、(ii)トポイソメラーゼIのリン酸化の非存在、例えばリン酸−S10トポIの非存在と、(iii)リン酸−S10トポIポリペプチドの存在等のトポイソメラーゼIのリン酸化の存在と、(iv)対象が、陰性リン酸化状態を有する癌を患っている対象よりも、トポI阻害剤に対してより非反応であり得ることを示す陽性試験結果(すなわち、陽性S10トポIリン酸化状態等の陽性リン酸化状態)と、(v)対象が、陽性リン酸化を有する癌を患っている対象よりも、トポI阻害剤に対してより反応し得ることを示す陰性試験結果(すなわち、陰性S10トポIリン酸化状態等の陰性リン酸化状態)のうちの任意の1つまたは組み合わせを含む。
【0019】
本発明の一態様は、対象がトポI阻害剤に対して反応するかを判断するために使用可能であるコンピュータシステムである。このようなある実施形態では、コンピュータシステムは、判断モジュールに接続され、生物標本に関する判断モジュールからの出力データを入手するように構成され、判断モジュールは、トポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化の存在、例えば、対象内における、または対象から入手された生体試料におけるリン酸−S10トポIポリペプチドの存在を判断するように構成され、コンピュータシステムは、判断モジュールからの出力データならびに参照データを格納するように構成される(a)ストレージ機器を備え、ストレージ機器は、(b)比較モジュールに接続され、比較モジュールは、一実施形態では、ストレージ機器上に格納される出力データを、格納された参照データと比較するように適合され、代替実施形態では、出力データをそれ自体を比較するように適合され、比較モジュールは、報告データを生成し、クライアントコンピュータ上でユーザのために読み出されたコンテンツ(すなわち、比較モジュールからの報告データ)のページを表示するための(c)ディスプレイモジュールに接続され、読み出されたコンテンツは、(i)トポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化の存在または非存在であって、例えば、読み出されたコンテンツは、リン酸−S10トポIの存在または非存在であることと、(ii)トポイソメラーゼIのリン酸化の非存在、例えばリン酸−S10トポIの非存在と、(iii)リン酸−S10トポIポリペプチドの存在等のトポイソメラーゼIのリン酸化の存在と、(iv)対象が、陰性リン酸化状態を有する癌を患っている対象よりも、トポI阻害剤に対してより非反応であり得ることを示す陽性試験結果(すなわち、陽性S10トポIリン酸化状態等の陽性リン酸化状態)と、(v)対象が、陽性リン酸化を有する癌を患っている対象よりも、トポI阻害剤に対してより反応し得ることを示す陰性試験結果(すなわち、陰性S10トポIリン酸化状態等の陰性リン酸化状態)であるのうちの任意の1つまたは組み合わせを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、比較モジュールは、ストレージ機器上に格納された出力データを、それ自体または格納された参照データと比較し、陽性試験結果を示す陽性S10トポIリン酸化状態(すなわち、リン酸−S10トポIポリペプチドの存在)を計算し、報告データを生成して、対象が、陰性リン酸化状態を有する癌を患っている対象よりも、トポI阻害剤に対してより非反応であり得ることを示し、比較モジュールからの報告データは、ディスプレイモジュールから読み出され、ディスプレイモジュール上に表示される。
【0021】
本発明の一態様および本明細書に説明する全ての他の態様では、コンピュータ可読媒体を使用して、癌を患っている対象または癌の危険性のある対象からトポIポリペプチドのリン酸化状態を判断することができ、例えば、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ上で方法を実装するために判断モジュールおよび比較モジュールを含むソフトウェアモジュールを規定するために、コンピュータ可読命令がその上に記録され、上記方法は、 リン酸−S10トポIポリペプチドの存在または非存在等のトポIポリペプチドのリン酸化の存在または非存在を測定した判断モジュールから参照データおよび出力データを格納するように構成されるストレージ機器と、報告データを生成する比較モジュールであって、ストレージ機器上に格納されたデータを比較するように、例えば、判断モジュールからの出力データを、それ自体または代替として参照データと比較するように適合される比較モジュールと、クライアントコンピュータ上において、ユーザのための、比較モジュールからの報告データである読み出されたコンテンツのページを表示するためのディスプレイモジュールとを備え、読み出されたコンテンツは、(i)トポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化の存在または非存在であって、例えば、読み出されたコンテンツは、リン酸−S10トポIの存在または非存在であることと、(ii)トポイソメラーゼIのリン酸化の非存在、例えばリン酸−S10トポIの非存在と、(iii)リン酸−S10トポIポリペプチドの存在等のトポイソメラーゼIのリン酸化の存在と、(iv)対象が、陰性リン酸化状態を有する癌を患っている対象よりも、トポI阻害剤に対してより非反応であり得ることを示す陽性試験結果(すなわち、陽性S10トポIリン酸化状態等の陽性リン酸化状態)と、(v)対象が、陽性リン酸化を有する癌を患っている対象よりも、トポI阻害剤に対してより反応し得ることを示す陰性試験結果(すなわち、陰性S10トポIリン酸化状態等の陰性リン酸化状態)のうちの任意の1つまたは組み合わせを含む。
【0022】
また、本発明の別の態様は、トポイソメラーゼI阻害剤に対して非反応である癌の可能性を識別する方法であって、少なくとも1つの癌細胞においてトポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化のレベルを測定するステップであって、リン酸化の存在は、トポイソメラーゼIのリン酸化の非存在が検出される癌に比べて、トポイソメラーゼ阻害剤に対してより非反応であり得る癌を識別するステップを含む方法に関する。
【0023】
本発明の別の態様は、対象における癌を処置するための方法であって、 (i)対象から入手した癌細胞を含む生体試料においてトポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化のレベルを測定するステップと、(ii)トポイソメラーゼIポリペプチドのレベルを検出するステップであって、トポイソメラーゼIポリペプチドがリン酸化される場合、癌は、トポイソメラーゼI阻害剤に対して非反応であると識別されるか、またはトポイソメラーゼIポリペプチドがリン酸化されない場合、癌は、トポイソメラーゼI阻害剤に対して反応し得るものとして識別されるステップと、(iii)トポイソメラーゼI阻害剤以外の抗癌剤を対象に投与するステップであって、癌は、トポイソメラーゼI阻害剤に対して非反応であると識別されるステップとを含む方法に関する。
【0024】
いくつかの実施形態では、トポI阻害剤は、配列番号2のトポIポリペプチドまたはその変異体の拮抗薬であり、トポIポリペプチドの拮抗薬は、トポIポリペプチドの遺伝子発現および/または生物活性を阻害する当業者に一般に知られる任意の薬剤であり、例えば、抗体、抗体フラグメント、小分子、ペプチド、タンパク質、アンチセンス核酸、リボソーム、PNA、siRNA、オリゴヌクレオチド、アプタマーおよびペプチドアプタマー、ならびにこれらの誘導体およびフラグメント等の薬剤が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本発明の方法に有用なトポIポリペプチドの拮抗薬は、核酸ベースの阻害剤、核酸構造体、ペプチドベースの阻害剤、またはそれをコード化するトポIポリペプチドもしくはポリヌクレオチドの小分子阻害剤であることが可能である。いくつかの実施形態では、核酸阻害剤は、例えば、siRNA分子またはアンチセンス構造体等のRNAi(RNA干渉)薬剤であり得る。例示的トポI阻害剤は、本明細書に開示され、CPT、またはトポテカンおよびイリノテカン等のその類似体が含まれるが、これらに限定されない。本発明が、トポ阻害剤に何を使用するかにかかわらず、対象がトポI阻害剤に対して反応することを判断するための方法、キット、機械、コンピュータシステム、およびコンピュータ可読媒体を提供することが包含される。いくつかの実施形態では、トポI阻害剤は、治療的および予防的抗癌処置を含む抗癌処置として使用されるが、しかしながら、トポI阻害剤は、トポI阻害剤の使用が所望される非癌性の病気または疾患の処置、例えば、細胞死が所望の結果である任意の処置戦略に使用可能である。
【0025】
本発明の別の態様は、配列番号1のリン酸化セリン残基もしくは配列番号4上のリン酸化セリン残基、または配列番号2のアミノ酸配列のポリペプチドのセリン10(S10)に対して特異親和性を有して結合する単離抗リン酸−S10トポI抗体を提供する。
【0026】
本発明の別の態様は、トポI阻害剤に対する対象または癌もしくは癌細胞の感受性を増加させるための方法であって、トポI阻害剤の有効量と、トポI阻害剤感受性薬剤(すなわち、トポI阻害剤に対する癌細胞の感受性を増加させる薬剤)との有効量の組み合わせを、対象または癌細胞に投与するステップを含み、トポI阻害剤感受性薬剤には、例えば、トポIポリペプチドのS10の脱リン酸化を増加させる薬剤、および/または抗リン酸−S10トポI抗体もしくはDNA−PKの拮抗薬等のS10上のトポIリン酸化を阻害する薬剤が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0027】
いくつかの実施形態では、開示される方法、キット、機械、コンピュータシステム、およびコンピュータ可読媒体は、対象がトポI阻害剤に対して反応し得るかを判断するのに有用であり、トポI阻害剤は、癌の処置に使用され、本発明は、SCLC癌、結腸癌、卵巣癌、または難治性癌、例えば、乳癌もしくは子宮頸癌から成る群から選択可能である腫瘍等であるがこれらに限定されない癌の予防および/または処置に有用である。他の実施形態では、本明細書に開示する方法での処置に有用である癌は、トポI阻害剤により処置可能な任意の癌であるか、またはトポI阻害剤による処置が望ましく、 消化管癌、胃癌、扁平上皮細胞癌(SCC)、頭頸部癌、肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)および小細胞肺癌(SCLC)、リンパ腫、肉腫、原発性および転移性黒色腫、胸腺腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、神経系の癌、脳癌、骨髄癌、骨癌、腎臓癌、子宮癌、子宮頸癌、結腸癌、網膜癌、皮膚癌、膀胱癌、結腸癌、食道癌、精巣癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、膵臓癌、性器−膀胱癌、消化管癌、歯肉癌、舌癌、腎臓癌、鼻咽頭癌、胃癌、子宮内膜癌および腸腫瘍細胞癌、前立腺癌、卵巣癌、乳癌、および膵臓癌等の腺癌から成る群における任意の癌から選択可能である。具体的には、癌は、乳癌、例えば、トリプルネガティブサブタイプの乳癌である。一実施形態では、トポI阻害剤は、癌の処置に使用される。いくつかの実施形態では、癌は、上皮性起源であり、例えば、癌は、消化管癌、前立腺癌、卵巣癌、乳癌、頭頸部癌、肺癌、小細胞肺癌、神経系の癌、腎臓癌、網膜癌、皮膚癌、肝臓癌、膵臓癌、性器−膀胱癌、および膀胱癌であるが、これらに限定されない。
【0028】
本発明のいくつかの態様では、対象がトポI阻害剤に対して反応すると識別される場合、本明細書に開示するトポI阻害剤を含む医薬組成物は、単独で、または1つ以上の他の治療剤とともに投与可能である。例えば、癌の処置では、医薬組成物は、例えば、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、温熱療法、免疫療法、外科的切除、および当業者に一般に知られる代替の癌療法等の抗癌療法の投与と実質的に同時に、または投与後に投与可能である。このような抗癌療法は、本明細書に開示する医薬組成物の投与前、投与中、または投与後に投与可能である。いくつかの実施形態では、抗癌療法は、対象に1回または複数回投与される。
【0029】
本明細書に説明する任意の方法または組成物が、任意の他の方法または組成物について実装可能であることが想定される。他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明から明白になる。しかしながら、本発明の精神および範囲内における種々の変更および修正が、この詳細な説明から明らかになることから、詳細な説明および具体的な例が、本発明の具体的な実施形態を示す一方で、例証のみとして提供されることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1A】Ku70/80がトポIと会合することを示す。図1Aは、HeLa細胞核溶解物を、グルタチオンセファロースビーズに結合されるGSTおよびGST−トポIで培養し、PBSによる広範な洗浄後、吸着質を高塩濃度緩衝液(350mMおよび500mM NaClを含むPBS)で溶出したことを示す。吸着質をSDS−PAGEおよび銀染色で分析した。タンパク質バンドを切断し、質量分析によるタンパク質識別のためにゲル内消化を行った。
【図1B】Ku70/80がトポIと会合することを示す。図1Bは、グルタチオンビーズに結合されるGSTおよびGST−トポIを精製Ku−DNA−PK複合体(Ku70/80ヘテロ2量体を含有する)で培養し、吸着質を標示抗体(indicated antibody)による免疫ブロット法で分析したことを示す。トポIGSTに直接結合するタンパク質を判断するために、グルタチオンビーズに結合されるGST−Ku70およびGST−Ku80をトポIタンパク質で培養した。
【図1C】Ku70/80がトポIと会合することを示す。図1Cは、抗トポIによる免疫ブロット分析で吸着質を分析したことを示す。
【図1D】Ku70/80がトポIと会合することを示す。図1Dは、トポIの特異的Ku70結合領域を、トポIフラグメントの培養により判断したことを示す。
【図1E】Ku70/80がトポIと会合することを示す。図1Eは、精製Ku−DNA−PK複合体によるグルタチオンビーズへの結合を示し、抗Ku70抗体による免疫ブロット法により吸着質を分析した。
【図2A】トポIがKu−DNA−PK複合体およびBRCA1と会合することを示す。図2Aは、HeLa細胞溶解物を、抗Ku70、抗Ku80、抗DNA−PKにより免疫沈降させたことを示す。
【図2B】トポIがKu−DNA−PK複合体およびBRCA1と会合することを示す。図2Bは、抗トポIによるHeLa細胞溶解物の免疫沈降と、抗Ku−80による免疫ブロット法とを示す。
【図2C】トポIがKu−DNA−PK複合体およびBRCA1と会合することを示す。図2Cは、抗トポIによるHeLa細胞溶解物の免疫沈降と、抗Ku−70による免疫ブロット法とを示す。
【図2D】トポIがKu−DNA−PK複合体およびBRCA1と会合することを示す。図2Dは、抗BRCA1またはPIRS(対照)によるHeLa細胞溶解物の免疫沈降と、抗トポIによる免疫ブロット法とを示す。
【図2E】トポIがKu−DNA−PK複合体およびBRCA1と会合することを示す。図2Eは、抗HAによるHeLa細胞溶解物を発現するHA−BRCA1の免疫沈降と、抗BRCA1による免疫ブロット法とを示す。沈殿物を標示抗体による免疫ブロット法で分析した。
【図3A】DNA−PKがトポIをリン酸化することを示す。精製GST−トポI(5μg;左レーン)を、[γ−32P]ATPまたは冷却ATPを含有するキナーゼ緩衝剤(20mM Tris−HCl、pH7.4、10mM MgClおよび10mM MnCl)中でDNA−PKにより30℃で30分間培養した。図3Aは、反応生成物のSDS−PAGE分析とオートラジオグラフィー(左レーン)とを示す。また、図3Aは、トポIの非存在における同一の反応の対照(右レーン)としての比較も示す。図3Aに示すGST−トポIタンパク質バンド(左レーン)を小片に切断し、トリプシン消化のために処理した。トリプシン消化されたトポIペプチドを質量分析により分析した。
【図3B】DNA−PKがトポIをリン酸化することを示す。精製GST−トポI(5μg;左レーン)を、[γ−32P]ATPまたは冷却ATPを含有するキナーゼ緩衝剤(20mM Tris−HCl、pH7.4、10mM MgClおよび10mM MnCl)中でDNA−PKにより30℃で30分間培養した。図3Bは、リン酸ペプチドをIMACカラムにより濃縮してからLC−MS−MS(Q−Star,ABI)により分析したことを示す。
【図4A】BRCA1がトポIユビキチン化のE3リガーゼであることを示す。700ngのトポIを、ユビキチン化緩衝剤(10mM HEPES(pH7.9)、0.5mM EDTA、5mM MgCl、2mM NaF、2mM ATP、60mM KCl、1uM ユビキチン)中で、200nM E1−His(E1)、5μM UbcH5c−His(E2)、および200ngのBRCA1−Flag/BARD1で培養し、37℃で30分間培養した。図4Aは、抗ユビキチン抗体を使用する免疫ブロット分析を示す。グルタチオンビーズに結合されるGST−トポIをDNA−PKでリン酸化した。キナーゼ反応を停止し、リン酸化トポIの一部を子牛の腸ホスホリラーゼ(CIP)で脱リン酸化した。リン酸化および脱リン酸化の両方のトポIをキット(Boston Biochemical, Cambridge, MA)を使用してユビキチン化し、反応を停止し、ビーズを洗浄し、SDS−PAGE緩衝剤中でビーズを沸騰させてトポIを希釈した。
【図4B】BRCA1がトポIユビキチン化のE3リガーゼであることを示す。700ngのトポIを、ユビキチン化緩衝剤(10mM HEPES(pH7.9)、0.5mM EDTA、5mM MgCl、2mM NaF、2mM ATP、60mM KCl、1uM ユビキチン)中で、200nM E1−His(E1)、5μM UbcH5c−His(E2)、および200ngのBRCA1−Flag/BARD1で培養し、37℃で30分間培養した。図4Bは、抗ユビキチンによる希釈したトポIの免疫ブロット法分析を示す。GenePorter2キット(Genelantis)を使用して一時的トランスフェクションによりHeLa細胞においてGFP−トポIを発現した。一時的トランスフェクションの同一の方法を使用して、BARD1およびBRCA1を過剰発現した。GFP−トポIの発現およびBARD1の過剰発現ならびGFP−トポI単体の発現により陰性対照を確立した。
【図4C】BRCA1がトポIユビキチン化のE3リガーゼであることを示す。700ngのトポIを、ユビキチン化緩衝剤(10mM HEPES(pH7.9)、0.5mM EDTA、5mM MgCl、2mM NaF、2mM ATP、60mM KCl、1uM ユビキチン)中で、200nM E1−His(E1)、5μM UbcH5c−His(E2)、および200ngのBRCA1−Flag/BARD1で培養し、37℃で30分間培養した。図4Cは、抗トポI抗体を使用する免疫ブロット法によるGFP−トポI分解の細胞融解物の分析を示す。
【図4D】BRCA1がトポIユビキチン化のE3リガーゼであることを示す。700ngのトポIを、ユビキチン化緩衝剤(10mM HEPES(pH7.9)、0.5mM EDTA、5mM MgCl、2mM NaF、2mM ATP、60mM KCl、1uM ユビキチン)中で、200nM E1−His(E1)、5μM UbcH5c−His(E2)、および200ngのBRCA1−Flag/BARD1で培養し、37℃で30分間培養した。図4Dは、図4Cからの溶離試料1、2、および3中のトポIの%を示す。
【図5A】BRCA1依存ユビキチン化およびBT474細胞におけるトポIのプロテアソーム分解を示す。図5Aは、ウイルス形質導入により送達されたshRNAによるBRCA1のサイレンシングをBT474細胞が受けたことを示す。
【図5B】BRCA1依存ユビキチン化およびBT474細胞におけるトポIのプロテアソーム分解を示す。図5Bは、BRCA1によりサイレンスされたおよびサイレンスされないBT474細胞の抗トポIによる免疫ブロット分析を示し、2時間および6時間のCPTによる処置を示す。図5Aおよび図5Bにおけるタンパク質レベルを、抗βアクチンによる細胞溶解物の免疫ブロット分析により判断した。
【図5C】BRCA1依存ユビキチン化およびBT474細胞におけるトポIのプロテアソーム分解を示す。図5Cは、0時間、3時間、および6時間のCPTによる処理後の(図5B)、対照細胞と比べたsiRNA処置siBRCA1細胞における%トポI発現レベルの定量化を示す。
【図6A】S10A突然変異体をDNA−PKによりリン酸化しないことを示す。精製GST−トポI(5μg;左レーン)およびGST−トポIS10A(突然変異体)(右レーン)を、[γ−32P]ATPまたは冷却ATPを含有するキナーゼ緩衝剤(20mM Tris−HCl、pH7.4、10mM MgClおよび10mM MnCl)中で、30℃で30分間培養した。図6Aは、反応生成物のSDS−PAGE分析およびオートラジオグラフィーを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象からの生体試料に関するデータを入手するための機械であって、
a.前記生体試料を保持するための生体試料容器と、
b.前記生体試料におけるトポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化の存在を検出するように構成される判断モジュールと、
c.前記判断モジュールから出力されたデータを格納するように構成されるストレージ機器と、
d.前記ストレージ機器上に格納される前記データを対照データと比較するように適合される比較モジュールと、
e.クライアントコンピュータ上にユーザのために読み出されたコンテンツのページを表示するためのディスプレイモジュールであって、
(i)前記読み出されたコンテンツが、トポイソメラーゼIポリペプチドの存在であり、および/または
(ii)前記読み出されたコンテンツが、前記トポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化の存在または非存在であり、および/または
(iii)前記読み出されたコンテンツが、トポイソメラーゼIのリン酸化の非存在であり、前記対象がトポイソメラーゼI阻害剤に対して反応し得るという信号であり、および/または
(iv)前記読み出されたコンテンツが、トポイソメラーゼIのリン酸化の存在であり、前記対象がトポイソメラーゼI阻害剤に対して非反応であり得る信号である、前記ディスプレイモジュールと、
を備える前記機械。
【請求項2】
前記判断モジュールが、トポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化のレベルを測定する、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記判断モジュールが、前記トポイソメラーゼIポリペプチドのセリン10(S10)のリン酸化のレベルを測定する、請求項1に記載の機械。
【請求項4】
リン酸化のレベルが、タンパク質結合部分を使用して測定される、請求項2または3に記載の機械。
【請求項5】
前記判断モジュールが、前記生体試料を少なくとも1つのタンパク質結合部分と接触させる、請求項4に記載の機械。
【請求項6】
前記タンパク質結合部分が、抗体;組み換え抗体、キメラ抗体、3重体、中心体、タンパク質結合剤、小分子、組み換えタンパク質、ペプチド、アプタマー、アビマー、およびこれらの誘導体またはフラグメントから成る群から選択される、請求項5に記載の機械。
【請求項7】
前記判断モジュールが、免疫ブロット分析、免疫組織化学的分析;ELISA、イソ型に特異的な化学的もしくは酵素的開裂、タンパク質配列、または質量分析から成る群から選択される方法を使用して、トポイソメラーゼIのリン酸化の存在を検出する、請求項6に記載の機械。
【請求項8】
前記生体試料が、癌または少なくとも1つの癌細胞を含む、請求項1に記載の機械。
【請求項9】
前記癌細胞が、癌幹細胞である、請求項8に記載の機械。
【請求項10】
前記生体試料が、組織試料、腫瘍試料、生検試料、生体外培養試料、生体外培養腫瘍試料、外科的に解離した組織試料、血液試料、血漿試料、癌試料、リンパ液試料、原発腹水料から成る群から選択される、請求項1に記載の機械。
【請求項11】
前記癌が、小細胞肺癌(SCLC)、結腸癌、卵巣癌、乳癌、および子宮頸癌から成る群から選択される、請求項8に記載の機械。
【請求項12】
前記癌が、難治性癌である、請求項8に記載の機械。
【請求項13】
前記癌が、消化管癌、前立腺癌、卵巣癌、乳癌、扁平上皮細胞癌(SCC)、頭部の扁平上皮細胞癌(SCC)、頸部、肺、および食道の扁平上皮細胞癌、頭頸部癌、肺癌、非小細胞肺癌、神経系の癌、脳癌、骨髄癌、骨癌、腎臓癌、網膜癌、皮膚癌、膀胱癌、結腸癌、食道癌、精巣癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、膵臓癌、性器−膀胱癌、消化管癌、歯肉癌、舌癌、腎臓癌、鼻咽頭癌、胃癌、子宮内膜癌、ならびに腸腫瘍細胞癌の群から選択される、請求項8に記載の機械。
【請求項14】
前記乳癌が、トリプルネガティブサブタイプ乳癌;またはエストロゲン受容体(ER)、前記プロゲステロン受容体(PR)の発現を欠く、およびHer−2発現を欠く癌である、請求項11に記載の機械。
【請求項15】
トポイソメラーゼI阻害剤が、カンプトセシン(CPT)またはその類似体もしくは模倣剤である、請求項1に記載の機械。
【請求項16】
CPTの類似体が、トポテカンおよびイリノテカンから成る群から成る、請求項1に記載の機械。
【請求項17】
前記対象が、癌を患っているか、または癌を患っている可能性のあると認められる対象である、請求項1に記載の機械。
【請求項18】
前記対象が、ヒト対象である、請求項1に記載の機械。
【請求項19】
生物標本に関するデータを入手するためのコンピュータシステムであって、
(a)リン酸化情報を受信するように構成される判断モジュールであって、前記リン酸化情報が、
(i)トポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化のレベル、または
(ii)トポイソメラーゼIのセリン10(S10)上のリン酸化が存在するか否か、
を含む、前記判断モジュールと、
(b)前記判断モジュールからの出力されたデータを格納するように構成されるストレージ機器と、
(c)前記ストレージ機器上に格納された前記データを参照データと比較し、かつ読み出されたコンテンツを提供するように適合される比較モジュールと、
(d)前記ユーザのために前記読み出されたコンテンツのページを表示するためのディスプレイモジュールであって、
(v)前記読み出されたコンテンツが、トポイソメラーゼIポリペプチドの存在であり、および/または
(vi)前記読み出されたコンテンツが、前記トポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化の存在または非存在であり、および/または
(vii)前記読み出されたコンテンツが、トポイソメラーゼIのリン酸化の非存在であり、前記対象がトポイソメラーゼI阻害剤に対して反応し得るという信号であり、および/または
(viii)前記読み出されたコンテンツが、トポイソメラーゼIのリン酸化の存在であり、前記対象がトポイソメラーゼI阻害剤に対して非反応であり得る信号である、前記ディスプレイモジュールと、
を備える、前記コンピュータシステム。
【請求項20】
前記判断モジュールが、トポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化のレベルを測定する、請求項19に記載のコンピュータシステム。
【請求項21】
前記判断モジュールが、前記トポイソメラーゼIポリペプチドのセリン10(S10)のリン酸化のレベルを測定する、請求項19に記載のコンピュータシステム。
【請求項22】
リン酸化のレベルが、タンパク質結合部分を使用して測定される、請求項20または21に記載のコンピュータシステム。
【請求項23】
前記判断モジュールが、前記生体試料を少なくとも1つのタンパク質結合部分と接触させる、請求項22に記載のコンピュータシステム。
【請求項24】
前記タンパク質結合部分が、抗体;組み換え抗体、キメラ抗体、3重体、中心体、タンパク質結合剤、小分子、組み換えタンパク質、ペプチド、アプタマー、アビマー、およびこれらの誘導体またはフラグメントから成る群から選択される、請求項23に記載のコンピュータシステム。
【請求項25】
前記判断モジュールが、免疫ブロット分析、免疫組織化学的分析;ELISA、イソ型に特異的な化学的もしくは酵素的開裂、タンパク質配列、または質量分析から成る群から選択される方法を使用して、トポイソメラーゼIのリン酸化の存在を検出する、請求項24に記載のコンピュータシステム。
【請求項26】
前記生体試料が、癌または少なくとも1つの癌細胞を含む、請求項19に記載のコンピュータシステム。
【請求項27】
トポイソメラーゼI阻害剤が、カンプトセシン(CPT)またはその類似体もしくは模倣剤である、請求項19に記載のコンピュータシステム。
【請求項28】
CPTの類似体が、トポテカンおよびイリノテカンから成る群から成る、請求項27に記載のコンピュータシステム。
【請求項29】
前記対象が、癌を患っているか、または癌を患っている可能性のあると認められる対象である、請求項19に記載のコンピュータシステム。
【請求項30】
前記対象が、ヒト対象である、請求項19に記載のコンピュータシステム。
【請求項31】
コンピュータ上で方法を実装するために判断モジュールおよび比較モジュールを含むソフトウェアモジュールを規定するために、コンピュータ可読命令がその上に記録されるコンピュータ可読媒体であって、前記方法が、
(a)トポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化情報に関するデータを格納するステップであって、前記リン酸化情報が、
(i)トポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化のレベル、または
(ii)前記判断モジュールからの出力されたトポイソメラーゼIのセリン10(S10)上のリン酸化が存在するか否か、
を含む、前記ステップと、
(b)前記ストレージ機器上に格納される前記データを参照データと、前記比較モジュールで比較し、読み出されたコンテンツを提供するステップと、
(c)前記ユーザのために前記読み出されたコンテンツを表示するステップであって、トポイソメラーゼIポリペプチドの前記リン酸化レベルは、プロファイルであり、前記プロファイルは、トポイソメラーゼI阻害剤に対する癌の反応性を示し、トポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化の検出の非存在は、トポイソメラーゼI阻害剤に対して反応し得る癌を示し、10%を上回るリン酸化の存在は、前記癌がトポイソメラーゼI阻害剤に対して無反応であり得ることを示すステップと、
を含む方法である、前記コンピュータ可読媒体。
【請求項32】
前記判断モジュールが、トポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化のレベルを測定する、請求項31に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項33】
前記判断モジュールが、前記トポイソメラーゼIポリペプチドのセリン10(S10)のリン酸化のレベルを測定する、請求項31に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項34】
前記リン酸化のレベルが、タンパク質結合部分を使用して測定される、請求項32および33に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項35】
前記判断モジュールが、前記生体試料を少なくとも1つのタンパク質結合部分と接触させる、請求項34に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項36】
前記タンパク質結合部分が、抗体;組み換え抗体、キメラ抗体、3重体、中心体、タンパク質結合剤、小分子、組み換えタンパク質、ペプチド、アプタマー、アビマー、およびこれらの誘導体またはフラグメントから成る群から選択される、請求項35に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項37】
前記判断モジュールが、免疫ブロット分析、免疫組織化学的分析;ELISA、イソ型に特異的な化学的もしくは酵素的開裂、タンパク質配列、または質量分析から成る群から選択される方法を使用して、トポイソメラーゼIのリン酸化の存在を検出する、請求項31に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項38】
前記生体試料が、癌または少なくとも1つの癌細胞を含む、請求項31に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項39】
トポイソメラーゼI阻害剤が、カンプトセシン(CPT)またはその類似体もしくは模倣剤である、請求項31に記載のコンピュータシステム。
【請求項40】
CPTの類似体が、トポテカンおよびイリノテカンから成る群から成る、請求項39に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項41】
前記対象が、癌を患っているか、または癌を患っている可能性のあると認められる対象である、請求項31に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項42】
前記対象が、ヒト対象である、請求項31に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項43】
トポイソメラーゼI阻害剤に対して反応する癌の可能性を識別するための請求項1に記載の機械の使用であって、前記機械がトポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化の非存在をそのディスプレイモジュールから表示する場合に、癌がトポイソメラーゼI阻害剤に対して反応し得る、前記使用。
【請求項44】
トポイソメラーゼI阻害剤に対して反応する癌の可能性を識別するための請求項1に記載の機械の使用であって、前記機械がトポイソメラーゼIポリペプチド上のセリン10(S10)のリン酸化の非存在をそのディスプレイモジュールから表示する場合に、癌がトポイソメラーゼI阻害剤に対して反応し得る、前記使用。
【請求項45】
トポイソメラーゼI阻害剤に対して反応する癌の可能性を識別するための請求項19に記載のコンピュータシステムの使用であって、前記機械がトポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化の非存在をそのディスプレイモジュールから表示する場合に、癌がトポイソメラーゼI阻害剤に対して反応し得る、前記使用。
【請求項46】
トポイソメラーゼI阻害剤に対して反応する癌の可能性を識別するための請求項19に記載のコンピュータシステムの使用であって、前記機械がトポイソメラーゼIポリペプチド上のセリン10(S10)のリン酸化の非存在をそのディスプレイモジュールから表示する場合に、癌がトポイソメラーゼI阻害剤に対して反応し得る、前記使用。
【請求項47】
トポイソメラーゼI阻害剤に対して反応する癌の可能性を識別するための請求項31に記載のコンピュータ可読媒体の使用であって、前記機械がトポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化の非存在をそのディスプレイモジュールから表示する場合に、癌がトポイソメラーゼI阻害剤に対して反応し得る、前記使用。
【請求項48】
トポイソメラーゼI阻害剤に対して反応する癌の可能性を識別するための請求項31に記載のコンピュータ可読媒体の使用であって、前記機械がトポイソメラーゼIポリペプチド上のセリン10(S10)のリン酸化の非存在をそのディスプレイモジュールから表示する場合に、癌がトポイソメラーゼI阻害剤に対して反応し得る、前記使用。
【請求項49】
トポイソメラーゼI阻害剤に対して非反応である癌の可能性を識別する方法であって、少なくとも1つの癌細胞におけるトポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化のレベルを測定するステップを含み、リン酸化の存在がトポイソメラーゼIのリン酸化の非存在が検出される癌に比べて、トポイソメラーゼ阻害剤に対してより非反応であり得る前記癌を識別する、前記方法。
【請求項50】
対象における癌を処置するための方法であって、
(i)前記対象から入手した癌細胞を含む生体試料におけるトポイソメラーゼIポリペプチドのリン酸化のレベルを測定するステップと、
(ii)トポイソメラーゼIポリペプチドのレベルを検出するステップであって、前記トポイソメラーゼIポリペプチドがリン酸化される場合、前記癌は、トポイソメラーゼI阻害剤に対して非反応であるものとして識別されるか、または前記トポイソメラーゼIポリペプチドがリン酸化されない場合、前記癌は、トポイソメラーゼI阻害剤に対して反応し得るものとして識別されるステップと、
(iii)トポイソメラーゼI阻害剤以外の抗癌剤を対象に投与するステップであって、前記癌は、トポイソメラーゼI阻害剤に対して非反応であると識別されるステップと、
を含む、前記方法。
【請求項51】
前記トポイソメラーゼIポリペプチドの前記リン酸化が、トポイソメラーゼIポリペプチドのセリン10(S10)のリン酸化である、請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
前記トポイソメラーゼI阻害剤が、カンプトセシン(CPT)またはその類似体もしくは模倣剤である、請求項49または50に記載の方法。
【請求項53】
CPTの類似体が、トポテカンおよびイリノテカンから成る群から成る、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記対象が、ヒトである、請求項49または50に記載の方法。
【請求項55】
リン酸化トポイソメラーゼIに対して特異親和性を有するタンパク質結合部分であって、前記リン酸化トポイソメラーゼIが、前記セリン10(S10)アミノ酸残基においてリン酸基を含む、タンパク質結合部分。
【請求項56】
前記タンパク質結合部分が、抗体またはそのフラグメントである、請求項55に記載のタンパク質結合部分。
【請求項57】
前記タンパク質結合部分が、抗体;組み換え抗体、キメラ抗体、3重体、中心体、タンパク質結合剤、小分子、組み換えタンパク質、ペプチド、アプタマー、アビマー、およびこれらの誘導体またはフラグメントから成る群から選択される、請求項55に記載のタンパク質結合部分。
【請求項58】
請求項49または50に記載の方法に従って、トポイソメラーゼI阻害剤に対して非反応である癌の可能性を識別するための、請求項55に記載のタンパク質結合部分の使用。
【請求項59】
請求項55に記載の前記タンパク質結合部分を含む、キット。

【公表番号】特表2011−523031(P2011−523031A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503102(P2011−503102)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2009/038981
【国際公開番号】WO2009/124064
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
2.WINDOWS
3.ウィンドウズ
4.Linux
5.UNIX
6.JAVA
7.イーサネット
8.PENTIUM
【出願人】(309020703)ボストン メディカル センター コーポレーション (4)
【Fターム(参考)】