説明

トラクタ

【課題】伝動ギヤの支持構造を工夫することにより、入力軸の傾きを防止し、PTOクラッチの作動油圧の低下を防止することが可能なトラクタを提供する。
【解決手段】トラクタのトランスミッションは、PTO伝動経路Aと走行伝動経路Bとを有しており、該PTO伝動経路Aの前PTO伝動軸31には、副変速装置23の低速段の際に走行伝動経路Bを形成する伝動ギヤユニット40が嵌挿される。該伝動ギヤユニット40は、両端部がベアリング47,48によってミッションケース7に対して回転自在に支持されている。これにより、伝動ギヤユニット40から前PTO伝動軸31に荷重がかかることを防止し、該前PTO伝動軸31の傾きを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば作業機等を取付けた状態で農作業に用いられるトラクタに係り、詳しくは、走行伝動経路とPTO伝動経路とを有し、エンジンからの動力を分岐して駆動車軸及び動力取出し軸にそれぞれ伝達するトラクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農作業等に用いられるトラクタに搭載されるトランスミッションには、エンジンからの動力を、走行するために駆動車軸に伝達する走行伝動経路と、例えばロータリ耕耘装置等の作業機を駆動するための動力取出し軸に伝達するPTO伝動経路とに分岐するものがある(例えば、特許文献1参照)。近年、このようなトラクタのトランスミッションにおいては、トラクタの機能性を向上させるため、走行変速装置の多段化やPTO伝動経路上にクラッチを配置するインディペンデントPTOの装備等が行われており、これに伴いトランスミッションの肥大化を防止するための工夫も検討されている。
【0003】
そこで、このようなトランスミッションでは、PTO伝動経路を構成するPTOクラッチの入力軸上に走行伝動経路を構成する伝動ギヤを配置することで、伝動軸の配置を省略し、これによりトランスミッションの肥大化の防止を図ることが考えられている。
【0004】
【特許文献1】特開2008−128325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記PTOクラッチの入力軸上に伝動ギヤが配置される構成のトランスミッションにおいて、この伝動ギヤによって動力伝達される変速段に変速された際には、該伝動ギヤに反力が生じ、PTOクラッチの入力軸に荷重がかかり、該入力軸に傾きが生じてしまう。このとき、PTOクラッチに、例えば摩擦多板式の油圧クラッチが用いられ、クラッチ側の軸部分とケース側部分との間をシールするシールリングが配置されている場合、上記入力軸に傾きが生じることにより、シールリングが損傷し、PTOクラッチの作動油圧の低下を招くという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、伝動ギヤの支持構造を工夫することにより、入力軸の傾きを防止し、PTOクラッチの作動油圧の低下を防止することが可能なトラクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る本発明は(例えば図1乃至図3参照)、エンジンからの動力を分岐して駆動車軸及び動力取出し軸(30)にそれぞれ伝達する走行伝動経路(B)とPTO伝動経路(A)とをケース(7)内に収納するトランスミッション(6)を備えたトラクタ(1)において、
前記PTO伝動経路(A)に介在し、摩擦多板式の油圧クラッチからなるPTO油圧クラッチ(27)と、
前記PTO油圧クラッチ(27)に動力を伝達するPTOクラッチ入力軸(31)と、
前記PTO油圧クラッチ(27)に隣接し、かつ前記PTOクラッチ入力軸(31)に嵌挿して配置され、前記走行伝動経路(B)を形成する伝動ギヤ(40)と、を備え、
前記伝動ギヤ(40)は、前記エンジンからの動力が入力される入力歯車(40b)及び前記駆動車軸に向けて動力が出力される出力歯車(40c)が設けられると共に、前記PTOクラッチ入力軸(31)が嵌挿されるスリーブ(40a)を有し、
前記スリーブ(40a)の両端部がそれぞれベアリング(47,48)によって前記ケース(7)に対して回転自在に支持されてなる、
ことを特徴とするトラクタ(1)にある。
【0008】
請求項2に係る本発明は(例えば図3参照)、前記スリーブ(40a)の前記PTO油圧クラッチ(27)側の端部を回転自在に支持する前記ベアリング(48)近傍にあって、他のベアリング(49)により前記PTOクラッチ入力軸(31)を回転自在に支持し、
前記2個のベアリング(48,49)を共通するベアリングホルダ(50)で支持してなる、
請求項1記載のトラクタ(1)にある。
【0009】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る本発明によると、伝動ギヤのスリーブの両端部がそれぞれベアリングによってケースに対して回転自在に支持されているので、PTOクラッチ入力軸に荷重がかかることを防止し、PTOクラッチ入力軸の傾きを防止することができ、PTO油圧クラッチの作動油圧の低下を防止することができる。これにより、PTO伝動経路を構成するPTOクラッチ入力軸上に走行伝動経路を構成する伝動ギヤを良好に配置することができ、伝動軸を省略することができて、トランスミッションの肥大化の防止を図ることができる。
【0011】
請求項2に係る本発明によると、スリーブのPTO油圧クラッチ側の端部を回転自在に支持するベアリング及びPTOクラッチ入力軸を回転自在に支持するベアリングの2個のベアリングをケースに対して支持する共通のベアリングホルダを備えているので、伝動ギヤのスリーブを確実にケースに対して支持させることができ、PTOクラッチ入力軸の傾きを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に関する実施の形態を図1乃至図6に沿って説明する。
【0013】
トラクタ1は、図1に示すように、前輪2と、後輪3と、該前輪2及び後輪3により支持された走行機体4とで構成されている。該走行機体4は、前部のボンネット5の内部に収納されたエンジン(図示せず)と、該エンジンの下方から後方に延びて配置されるミッションケース(ケース)7と、該エンジンの後方側に配設されると共にキャビン9に覆われた運転部8とを備えて構成されている。該運転部8には、座席シート(図示せず)、走行操作機器であるステアリングホイール11、その他各種の操作レバーなどが配置されている。
【0014】
一方、走行機体4の後部には、例えばロータリ耕耘装置などの作業機15が昇降リンク機構16を介して装着されている。また、該作業機15に動力を伝達するためのPTO軸(動力取出し軸)30(図2参照)が備えられている。
【0015】
上記ミッションケース7の内部には、図2に示すように、エンジンからの動力を接断する主クラッチ機構20が備えられると共に、該主クラッチ機構20を介して伝達された動力を作業機15を駆動するためのPTO軸30に伝達するPTO伝動経路A、及び同じく主クラッチ機構20を介して伝達された動力を駆動車軸(図示せず)に伝達する走行伝動経路Bを有するトランスミッション6が備えられている。
【0016】
上記PTO伝動経路Aには、摩擦多板式の油圧クラッチからなり、エンジンからPTO軸30への接断を行い得るPTO油圧クラッチ27と、常時噛合式の歯車変速装置からなるPTO変速装置26とが備えられており、走行変速状態の影響を受けない独立した動力取り出し軸、つまり、インディペンデントPTO仕様のPTO伝動経路Aを構成している。
【0017】
上記走行伝動経路Bは、摩擦多板式の油圧クラッチからなり、4段の変速を行い得る主変速装置21と、摩擦多板式の油圧クラッチからなり、走行動力の正逆転切換えを行い得る前後進切換え装置22と、常時噛合式の歯車変速装置からなり、3段の変速を行い得る副変速装置23と、摩擦多板式の油圧クラッチからなり、高低2段の変速を行い得る高低変速装置24とが備えられており、これら主変速装置21、副変速装置23、及び高低変速装置24による変速の組み合わせによって24段の横行変速が可能になると共に、前後進切換え装置22による前後進切換えが可能となっている。
【0018】
また、主変速装置21、副変速装置23、及び高低変速装置24によって変速された走行動力は、前車軸及び後車軸に伝動される。該前車軸への動力伝動経路には、前車軸に伝達する動力を高低に変速又は接断する倍速伝動装置25が設けられており、該倍速伝動装置25による動力の変速又は接断によって、旋回時における前輪倍速駆動や四駆・二駆の切換えを行い得るようになっている。さらに、倍速伝動装置25は、摩擦多板式の油圧クラッチからなり、滑らかな変速や接断が可能となっている。
【0019】
ついで、本発明の要部となる、PTO油圧クラッチ27及び副変速装置23について図3に沿って詳しく説明する。
【0020】
上記PTO油圧クラッチ27は、図3に示すように、クラッチドラム27a、ハブ部材27b、ピストン27c、リターンスプリング27d、外摩擦板27e及び内摩擦板27f等で構成されている。
【0021】
クラッチドラム27aは、後PTO伝動軸32を被覆するように円筒形状に形成されたボス部と、ドラム状に形成されたドラム部とを有して構成されている。該クラッチドラム27aのボス部は、内周面に後PTO伝動軸32と係合するためのスプラインが形成されており、後PTO伝動軸32と係合し、該後PTO伝動軸32と一体回転するように構成されている。また、ドラム部の内周面には、略々中空円板状に形成された外摩擦板27eが軸方向移動自在に、かつ、該ドラム部に対して回転不能に配設されている。さらに、ドラム部の内周面には、該外摩擦板27eの軸方向上流側に、該外摩擦板27eの軸方向上流側への移動を規制するためのクラッチプレート27gが配設されている。そして、クラッチドラム27aには、ボス部の外周面の一部と、ドラム部内周面の一部とでシリンダ部が形成されている。
【0022】
また、クラッチドラム27aのボス部の軸方向下流側端部とミッションケース7との間には、シールリング45,46が配設されており、これらシールリング45,46によってシールされて、後述する作動油室43に連通する作動油路27hが形成されている。
【0023】
上記ピストン27cは、概ね上記クラッチドラム27aの形状に合わせて軸方向上流側に内包される形状に形成されており、上述のシリンダ部に対向して該クラッチドラム27aに対して軸方向に摺動自在に配設されている。該シリンダ部と該ピストン27cとの間には、シールリング38,39が配設されており、これらシールリング38,39によってシールされて作動油室43が形成されている。また、該ピストン27cは、径方向外周側で軸方向上流側の端部が外摩擦板27eを押圧するための押圧部として形成されており、つまり上記作動油室43の油圧に基づき外摩擦板27eを押圧し得るように構成されている。
【0024】
一方、リターンスプリング27dは、コイル状のスプリングからなり、上述したクラッチドラム27aのボス部の一部を覆うように縮設されている。また、リターンスプリング27dは、該ピストン27cをクラッチドラム27aに対して軸方向下流側に付勢している。
【0025】
ハブ部材27bは、前PTO伝動軸(PTOクラッチ入力軸)31を被覆するように円筒形状に形成されたハブボス部と、ドラム状のハブドラム部とによって構成されている。上記ハブ部材27bのハブボス部は、内周面に前PTO伝動軸31と係合するためのスプラインが形成されており、前PTO伝動軸31と係合し、該前PTO伝動軸31と一体回転するように構成されている。また、ハブボス部は、該ハブボス部に嵌挿して配置されたベアリング49によってミッションケース7に対して回転自在に支持されている。つまり、前PTO伝動軸31が該ハブボス部を介してベアリング49によってミッションケース7に対して回転自在に支持されている。
【0026】
上記ハブ部材27bのハブドラム部は、該ハブドラム部の外周面に、スプラインが形成されており、このスプラインに係合して、略々中空円板状に形成された内摩擦板27fが、図3に示すように、上記外摩擦板27eと交互となるように、軸方向移動自在、かつ、ハブドラム部に対して回転不能に配設されている。
【0027】
上記副変速装置23は、上記前PTO伝動軸31及び後PTO伝動軸32と平行に配置されると共に、ミッションケース7に対して回転自在に支持された副変速入力軸34と副変速出力軸33とを備えている。該副変速入力軸34は、上記主変速装置21から前後進切換え装置22を介して伝達された(つまり、エンジンからの)動力が伝達されている。また、副変速入力軸34は、該副変速入力軸34と一体に回転するように構成されたギヤ34aと、副変速出力軸33のギヤ33dと噛合うと共に回転自在に支持されたギヤ34bとを有している。さらに、該ギヤ34bの近傍には、シンクロメッシュ方式により該ギヤ34bと係合、離脱可能なシフト部材37が、副変速入力軸34の軸方向に移動自在に配置されている。
【0028】
上記副変速出力軸33は、副変速装置23によって変速された動力を上記高低変速装置24に向けて(つまり、駆動車軸に向けて)出力している。また、上記ギヤ34aと噛合うと共に回転自在に支持されたギヤ33bと、該ギヤ33bと一体に形成されるギヤ33aと、後述する伝動ギヤユニット40のギヤ40cと噛合うと共に回転自在に支持されたギヤ33cと、上記ギヤ34bと噛合うと共に副変速出力軸33と一体に回転するように構成されたギヤ33dとを有している。さらに、ギヤ33bと33cとの間には、シンクロメッシュ方式により該ギヤ33b,33cとそれぞれ選択的に係合、離脱可能なシフト部材36が、副変速出力軸33の軸方向移動自在に配置されている。
【0029】
また、副変速装置23には、低速段に変速された際に伝動経路を形成する伝動ギヤユニット(伝動ギヤ)40が備えられている。該伝動ギヤユニット40は、上記前PTO伝動軸31に嵌挿して回転自在となるように配置されたスリーブ部40aと、該スリーブ部40aと一体回転するように固定されると共に上記ギヤ33aに噛合うギヤ40bと、該スリーブ部40aに一体に形成されると共に上記ギヤ33cと噛合うギヤ40cとによって構成されている。上記スリーブ部40aは、軸方向上流側端部において、ベアリング47によってミッションケース7に対して回転自在に支持されており、軸方向下流側端部において、ベアリング48によってミッションケース7に対して回転自在に支持されている。これによって、副変速装置23が低速段とされ、伝動ギヤユニット40に動力が伝達されてスリーブ部40aに荷重が加わった際にも、該スリーブ部40aに挿通された前PTO伝動軸31に影響を与えることなく動力伝達することができる。
【0030】
さらに、上記のように構成された副変速装置23は、副変速操作手段(図示せず)によって副変速装置23の低速段とする操作が行われると、上記シフト部材36が軸方向上流側へ移動され、上記ギヤ33cが副変速出力軸33と一体に回転するようになる。すると、上記主変速装置21から前後進切換え装置22を介して副変速入力軸34に入力された動力は、ギヤ34aを介してギヤ33bに伝達され、該ギヤ33bと一体に回転するギヤ33aを介して伝動ギヤユニット40のギヤ40bに伝達される。ギヤ40bに伝達された動力は、ギヤ40cから出力され、ギヤ33cを介して副変速出力軸33に伝達され、上記高低変速装置24に向けて出力される。つまり、伝動ギヤユニット40は、ギヤ40bにエンジンからの動力が入力され、ギヤ40cから駆動車軸に向けて動力が出力される。
【0031】
また、伝動ギヤユニット40の軸方向下流側端部を回転自在に支持するベアリング48、及び上記ハブ部材27bのハブボス部を介して前PTO伝動軸31を回転自在に支持するベアリング49は、これらベアリング48,49の外周側を覆うように配置されたベアリングホルダ50(図4ないし図6参照)によってミッションケース7に対して固定されている。
【0032】
ベアリングホルダ50は、図4に示すように、ベアリング48,49の外周面に沿って形成されたホルダ部50aと、該ホルダ部50aをミッションケース7に対して固定するフランジ部50bとによって構成されている。該フランジ部50bは、ホルダ部50aに対して対称となる両側に延びるように形成されており、1つの取付孔50cを有する部分と2つの取付孔50d,50eを有する部分とで構成されている。また、ベアリングホルダ50は、図5及び図6に示すように、該取付孔50c,50d,50eのそれぞれがボルト51,52,53によってミッションケース7に対して固定されている。
【0033】
以上のように本発明に係るトラクタ1によると、伝動ギヤユニット40のスリーブ部40aの両端部がそれぞれベアリング47,48によってミッションケース7に対して回転自在に支持されているので、前PTO伝動軸31に荷重がかかることを防止し、前PTO伝動軸31の傾きを防止することができ、クラッチドラム27aのボス部の軸方向下流側端部とミッションケース7との間に配設されたシールリング45,46が破損することを防いで、PTO油圧クラッチ27の作動油圧の低下を防止することができる。これにより、PTO伝動経路Aを構成する前PTO伝動軸31上に走行伝動経路Bを構成する伝動ギヤユニット40を良好に配置することができ、伝動軸を省略することができて、トランスミッション6の肥大化の防止を図ることができる。
【0034】
また、スリーブ部40aのPTO油圧クラッチ27側の端部を回転自在に支持するベアリング48及び前PTO伝動軸31を回転自在に支持するベアリング49の2個のベアリング48,49をミッションケース7に対して支持する共通のベアリングホルダ50を備えているので、伝動ギヤユニット40のスリーブ部40aを確実にミッションケース7に対して支持させることができ、前PTO伝動軸31の傾きを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施の形態に係るトラクタを示す側面図。
【図2】トランスミッションを示す展開断面図。
【図3】副変速装置部分を示す展開断面図。
【図4】ベアリングホルダを示す斜視図。
【図5】トランスミッションのベアリングホルダ部分を示す前方斜視図。
【図6】トランスミッションのベアリングホルダ部分を示す側方斜視図。
【符号の説明】
【0036】
1 トラクタ
6 トランスミッション
7 ケース(ミッションケース)
27 PTO油圧クラッチ
30 動力取出し軸(PTO軸)
31 PTOクラッチ入力軸(前PTO伝動軸)
40 伝動ギヤ(伝動ギヤユニット)
40a スリーブ(スリーブ部)
40b 入力歯車(ギヤ)
40c 出力歯車(ギヤ)
47,48,49 ベアリング
50 ベアリングホルダ
A PTO伝動経路
B 走行伝動経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンからの動力を分岐して駆動車軸及び動力取出し軸にそれぞれ伝達する走行伝動経路とPTO伝動経路とをケース内に収納するトランスミッションを備えたトラクタにおいて、
前記PTO伝動経路に介在し、摩擦多板式の油圧クラッチからなるPTO油圧クラッチと、
前記PTO油圧クラッチに動力を伝達するPTOクラッチ入力軸と、
前記PTO油圧クラッチに隣接し、かつ前記PTOクラッチ入力軸に嵌挿して配置され、前記走行伝動経路を形成する伝動ギヤと、を備え、
前記伝動ギヤは、前記エンジンからの動力が入力される入力歯車及び前記駆動車軸に向けて動力が出力される出力歯車が設けられると共に、前記PTOクラッチ入力軸が嵌挿されるスリーブを有し、
前記スリーブの両端部がそれぞれベアリングによって前記ケースに対して回転自在に支持されてなる、
ことを特徴とするトラクタ。
【請求項2】
前記スリーブの前記PTO油圧クラッチ側の端部を回転自在に支持する前記ベアリング近傍にあって、他のベアリングにより前記PTOクラッチ入力軸を回転自在に支持し、
前記2個のベアリングを共通するベアリングホルダで支持してなる、
請求項1記載のトラクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−120511(P2010−120511A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−295772(P2008−295772)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】