説明

トリアゾロピリミジン化合物の凍結乾燥組成物

本発明は、トリアゾロピリミジン化合物、またはその水和物、あるいは化合物Iの医薬上許容される塩またはその水和物の凍結乾燥組成物;該凍結乾燥組成物の調製に有用な溶液;かかる組成物の調製方法;同一物の再構成方法;かかる組成物を含有するキット;ならびに、癌の治療のための組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、合衆国法典第35巻第119条(e)下で2005年12月16日に出願された米国特許出願シリアル番号60/751,131の優先権の利益を主張し、その全体を出典明示により本明細書の一部とする。
【0002】
本発明は、抗癌剤として有用な、トリアゾロピリミジン化合物またはその医薬上許容される塩の凍結乾燥組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
式(I)のトリアゾロピリミジン化合物(「化合物I」)またはその医薬上許容される塩は、US 2005/0090508でZhangらによって開示され、その開示は、その全体を出典明示により本明細書の一部とする。化合物Iは、以下の構造:
【化1】

[式中:
は、
【化2】

であり;
は、基:
【化3】

の部分であり;
nは、2、3、または4の整数であり;
Xは、F、ClまたはBrであり;
Yは、O、S、CHまたはNRであり;
Qは、−NRまたは−OHから選択され;
およびLは、各々独立して、H、F、Cl、Br、またはCFであり;
は、CFまたはCであり;
およびRは、各々独立して、Hまたは(C−C)アルキルであり;
およびRは、各々独立して、Hまたは(C−C)アルキルであるか;あるいは、RおよびRは、各々が結合する窒素原子と一緒になって結合し、1−2個の窒素原子、0−1個の酸素原子または0−1個の硫黄原子を含有する4〜6員の飽和複素環を所望により形成してもよく、4〜6員の飽和複素環は、1種または複数のRで所望により置換されていてもよく;および
は、(C−C)アルキルである]
を有する。
【0004】
式(I)のトリアゾロピリミジン化合物は、β−チュブリンのビンカ部位で結合し、さらにそれらは、タキサンと同様であって、ビンカ部位物質とは異なる多数の特性を有する。特に、これらの化合物は、パクリタキセルおよびドセタキセルと同様の手法にて、低い化合物:チュブリンのモル比でGTPの存在下において、微小管関連タンパク質(MAP)−富化チュブリンの重合を促進する。トリアゾロピリミジン化合物はまた、適当な実験条件下でGTPの非存在、活性すなわちタキサンの特性において、高純度のチュブリンの重合を誘発する。これらの化合物は、膜トランスポーターMDR(P−糖タンパク質)、MRP、およびMXRを過剰発現する株を含む、培養中の多数のヒト癌細胞株に対し強い細胞傷害性であるため、パクリタキセルおよびビンクリスチンに耐性である細胞株に対し活性となる。特に、トリアゾロピリミジン化合物のこの種の代表例は、高い水溶性を有し、水性溶液で処方されうる。トリアゾロピリミジン化合物の代表例は、静脈内または経口投与される場合、肺および結腸癌のヒト腫瘍異種移植片、黒色腫、ならびに膠芽細胞種を有する無胸腺マウスにおける抗癌剤として活性である。
【0005】
特に、(Ia)の構造を有する式(I)の化合物(「化合物Ia」)は、タキサンまたは他の微小管活性化合物に耐性であるモデルを含む、ヒト非小細胞肺癌(NSCLC)、結腸癌、乳癌、黒色腫、および膠芽細胞種のインビトロ異種移植モデルにおいて広範な抗腫瘍活性を有することが示されている。化合物Iaは、5−クロロ−6−{2,6−ジフルオロ−4−[3−(メチルアミノ)プロポキシ]フェニル}−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル][1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミンであり、以下の構造:
【化4】

を有する。
【0006】
化合物Iの物理的および化学的特性は、いくつかの機構による経口および液体剤形の処方の成功への挑戦をもたらす。例えば、化合物Iは、二量化し、組成物中に含まれる酸と付加物を形成してもよい。具体例として、化合物Iaは、スキーム1に示されるように二量化する(得られた生成物は、以下、「二量体」と称される)。
【化5】

【0007】
さらに、化合物Iは、カルボン酸と反応させ、付加物を形成してもよい。例えば、化合物Iaのアミド付加物は、以下に示すように化合物Iaおよびコハク酸を水分子の消失と組み合わせることによって形成される(生成物は、以下、「付加物」と称される)。
【化6】

【0008】
化合物Iaのコハク酸塩二水和物塩は、高度の結晶化度、十分な溶解度、および安定度を有することを見出し、下記の構造:
【化7】

を有する。
板状晶癖を有する結晶性白色〜灰白色粉末であり、化学量論的(5.83%)2モルの水を含有する、5〜100%の範囲の相対湿度の安定な二水和物である。化合物Iaの好ましい塩は、コハク酸塩二水和物塩である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、特定のトリアゾロピリミジン化合物の好ましくない物理化学的特性を克服する、化合物Iの凍結乾燥組成物、またはその水和物、あるいは化合物Iの医薬上許容される塩またはその水和物を提供する。得られた新規組成物は、より優れた安定性プロファイルを提供し、非経口および経口経路を介する投与に適当であってもよい。
【0010】
本発明の他の態様および利点は、以下の詳細な説明から明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
定義
化合物Iなる語は、特に明記しない限り、以下の式:
【化8】

[式中:
は、
【化9】

であり;
は、基:
【化10】

の部分であり;
nは、2、3、または4の整数であり;
Xは、F、ClまたはBrであり;
Yは、O、S、CHまたはNRであり;
Qは、−NRまたは−OHから選択され;
およびLは、各々独立して、H、F、Cl、Br、またはCFであり;
は、CFまたはCであり;
およびRは、各々独立して、Hまたは(C−C)アルキルであり;
およびRは、各々独立して、Hまたは(C−C)アルキルであるか;あるいは、RおよびRは、各々が結合する窒素原子と一緒になって結合し、1−2個の窒素原子、0−1個の酸素原子または0−1個の硫黄原子を含有する4〜6員の飽和複素環を所望により形成してもよく、4〜6員の飽和複素環は、1種または複数のRで所望により置換されていてもよく;および
は、(C−C)アルキルである]
を有する化合物をいう。
【0012】
化合物Iaなる語は、5−クロロ−6−{2,6−ジフルオロ−4−[3−(メチルアミノ)プロポキシ]フェニル}−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル][1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミンをいい、以下の構造:
【化11】

を有する。
【0013】
アルキルなる語は、1〜3個の炭素原子の直鎖または分岐鎖アルキル部を意味する。(C−C)アルキルには、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルが含まれる。
【0014】
アルカリ金属水酸化物なる語には、水酸化リチウム、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムが含まれる。
【0015】
アルカリ金属炭酸塩なる語には、炭酸リチウム、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムが含まれる。
【0016】
アルカリ金属水素化物なる語には、水素化リチウム、水素化カリウムまたは水素化ナトリウムが含まれる。
【0017】
強塩基なる語は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ金属水素化物(例えば、水素化ナトリウム)を意味する。
【0018】
本明細書に用いられるフェニルは、6員の炭素芳香族環をいう。
【0019】
本明細書に用いられるシクロアルキルは、1種または複数の(C−C)アルキルで所望により置換されていてもよい6〜8個の炭素原子を有する飽和炭素環式単環式環を意味する。非限定的代表例には、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが含まれる。
【0020】
本明細書に用いられる、飽和複素環は、1−2個の窒素原子、0−1個の酸素原子または0−1個の硫黄原子を含有する4〜6員環であり、該環は、1種または複数の(C−C)アルキルで所望により置換されていてもよい。非限定的代表例には、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、アゼチジンおよびN−メチル−ピペラジンが含まれる。
【0021】
本明細書に用いられる、「投与する」、「投与すること」、または「投与」なる語は、
動物に化合物または化合物の医薬上許容される塩または組成物を直接投与することまたは動物に化合物のプロドラッグ誘導体もしくは類似体または化合物の医薬上許容される塩または組成物を投与することをいい、動物の体内で同量の活性化合物を形成しうる。
【0022】
本明細書に用いられる、「動物」なる語には、限定するものではないが、ヒト、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、サル、チンパンジー、ヒヒ、またはアカゲザルが含まれる。一の実施態様において、動物は哺乳類である。別の実施態様において、動物はヒトである。
【0023】
本明細書に用いられる、「有効量」なる語は、動物に投与する場合、動物が罹患しているかまたは罹患しやすい病態を予防するか、少なくとも一部改善するか、あるいは治療するのに有効である、化合物または化合物の医薬上許容される塩の量をいう。
【0024】
本明細書に用いられる、「担体」なる語は、担体、賦形剤、および希釈剤を包含するであろう。
【0025】
本明細書に用いられる「医薬上許容される塩」なる語は、本発明の化合物の酸性および塩基性窒素原子の塩をいう。「医薬上許容される塩」なる語はまた、本発明の化合物の水和物またはその医薬上許容される塩を含む。典型的な塩には、限定するものではないが、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、塩酸塩、臭化物、臭化水素酸塩、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、過リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、過クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酸性酒石酸塩、アスコルビン酸塩、ゲンチシン酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩(glucaronate)、サッカラート、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、リンゴ酸塩、パルミチン酸塩、アスパラギン酸塩、フタル酸塩、およびパモ酸塩が含まれる。好ましい化合物Iaの医薬上許容される塩には、コハク酸塩、酢酸塩、メシラート、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、L−アスパラギン酸塩、R−(−)−マンデル酸塩、硫酸塩、またはパルミチン酸塩が含まれ、各上記塩は、無水物または水和物であってもよい。特に好ましい化合物Iaの医薬上許容される塩は、コハク酸塩二水和物である。本明細書に用いられる「医薬上許容される塩」なる語はまた、カルボン酸官能基などの酸性官能基、および塩基を有する本発明の化合物の塩をいう。典型的な塩基には、限定するものではないが、ナトリウム、カリウム、およびリチウムを含むアルカリ金属の水酸化物;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;アルミニウムおよび亜鉛などの他の金属の水酸化物;アンモニア;非置換またはヒドロキシル−置換モノ−、ジ−、またはトリ−アルキルアミンなどの有機アミン、ジシクロヘキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N−メチル、N−エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミンまたはトリ−(2−ヒドロキシエチル)アミンなどのモノ−、ビス−、またはトリス−(2−OH−(C−C)−アルキルアミン);N−メチル−D−グルカミン;モルホリン;チオモルホリン;ピペリジン;ピロリジン;ならびに、アルギニン、リジンなどのアミノ酸などが含まれる。
【0026】
本明細書に用いられる「医薬上許容される酸」なる語は、毒物学的観点から医薬用途における使用に許容され、活性成分と不利に相互作用しない任意の有機および無機酸をいう。典型的な酸には、限定するものではないが、硫酸、クエン酸、桂皮酸、酢酸、シュウ酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、リン酸、イソニコチン酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、オレイン酸、タンニン酸、パントテン酸、重酒石酸、アスコルビン酸、ゲンチシン酸、グリコール酸、グルコン酸、グルカロン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、ピルビン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、ナフタレンスルホン酸、プロピオン酸、アスパラギン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸、パルミチン酸、1,2−ベンゼンジカルボン酸、糖酸、パモ酸、および同様に知られている許容される酸が含まれる。好ましい医薬上許容される酸には、酢酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、ベンゼンスルホン酸、L−アスパラギン酸、R−(−)−マンデル酸、硫酸、またはパルミチン酸が含まれる。
【0027】
本発明のさらなる説明
本発明は、保存条件下で改善された有効性保持および安定性を有する化合物Iを含有する凍結乾燥組成物を提供する凍結乾燥前組成物を提供する。特に、本発明の凍結乾燥前組成物を用いて、化合物Iaを含有する凍結乾燥組成物は、25℃または40℃で176日間保存した後、最初の有効性の95%以上を保持することを見出した。本発明はまた、非経口送達または送達の他の経路に適当な化合物Iまたはその医薬上許容される塩の再構成組成物を提供する。
【0028】
化合物I(化合物Iaを含む)またはその医薬上許容される塩の合成は、米国公開番号2005/0090508に開示されている。化合物およびその合成の該出願公開によって、出典明示により本明細書の一部とする。
【0029】
化合物Iまたは化合物Iaのコハク酸塩二水和物塩などのその医薬上許容される塩の凍結乾燥前溶液は、化合物Iまたはその医薬上許容される塩を有機溶媒、水性溶媒またはその混合物から選択される適当な溶媒で溶解することによって形成される。溶媒は、十分に揮発性であり、商業用凍結乾燥機中で用いられる典型的な温度および圧力条件下で除去される。さらに、適当な溶媒中の化合物Iの溶解度は、濃縮される物質を製造するには十分高く、薬剤の実用化を認可するのに十分である。典型的には、凍結乾燥前溶液中の化合物Iまたはその医薬上許容される塩の濃度は、約1mg/mL〜約100mg/mL、または最大溶解限度の範囲であり、どちらか低量な方は、好ましくは2mg/mL〜50mg/mL、より好ましくは5mg/mL〜20mg/mLであり、約1〜約200mgの化合物Iの投与量を調製するのに適当である、化合物Iまたはその医薬上許容される塩の凍結乾燥形態を提供する。典型的な溶媒には、水、アセトニトリル、エタノール、イソプロパノール、t−ブチルアルコール、DMSO、またはその混合物が含まれる。化合物Iaのコハク酸塩二水和物塩を溶解するための好ましい溶媒は、水を含む。
【0030】
低量の個々の溶媒が、提供される範囲の総溶媒量を得るために混合物を提供するために選ばれうるけれども、これらの溶媒またはその混合物は、約30%〜約49%、〜約50%、〜約60%、〜約70%、〜約80%、〜約90%、〜約95%、〜約99%Wt/Volの量で存在する。
【0031】
特定の実施態様において、凍結乾燥前溶液は、充填剤をさらに含有する。これらの薬剤は、選択された溶媒またはその混合物を考慮して当業者によって容易に選択されうる。特に、糖またはポリオールなどの典型的な水溶性充填剤の溶解度は、有機溶媒の存在によって減少する。これらの実施態様において、有機溶媒および水の混合物を用い、組成物を適当な濃度の薬剤と有効濃度の添加物のバランスをとるために調整した。適当な充填剤には、マンニトール、デキストロース、デキストラン、またはスクロースなどの糖質が含まれる。所望により、ポリビニルピロリドン、デンプン、ラクトース、トレハロースまたはヒドロキシエチルデンプンなどの充填剤は、上記の糖質に加えて用いられうる。2種または複数の充填剤の組み合わせがまた、用いられうる。充填剤は、凍結乾燥前溶液中約0.5%〜約10%Wt./Vol.の範囲、例えば、約1%、約2%、約4%、約6%、約8%Wt./Vol.で用いられうる。
【0032】
特定の実施態様において、凍結乾燥前溶液は、本発明の凍結乾燥された化合物Iまたは化合物Iaの安定性を高めるための医薬上許容される酸をさらに含有する。医薬上許容される塩の添加が、上記の二量体および付加物などの、不純物の形成を抑制および/または最小限に抑えることができると見出された。望ましくは、本発明の凍結乾燥された化合物Iまたは化合物Iaは、種々の保存条件下で長時間95%以上の有効性を保持する。
【0033】
例えば、医薬上許容される酸を約7.0、約6.5、約6.0、約5.5、約5.0、約4.5、約4.0、約3.5、約3.0、約2.5、約2.0、約1.5、または約1.0のように、約8.5以下にそのpH値を調整する凍結乾燥前溶液に加えるのに都合がよい。溶液のpH値は、好ましくは2.0〜6.0、より好ましくは約2.5〜約4.0の範囲である。これは、分解物の形成(例えば、二量体および酸付加物)が最小限である、化合物Iaのコハク酸塩二水和物塩の最大安定性の最も好ましいpH範囲である。
【0034】
溶液のpHを、適当な無機酸(例えば、HCl)または有機酸(例えば、酢酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、ベンゼンスルホン酸、L−アスパラギン酸、R−(−)−マンデル酸、硫酸、またはパルミチン酸)、あるいは、必要に応じて、塩基を用いて調整しうる。その後、凍結乾燥前溶液を、凍結乾燥法をさらされている。
【0035】
凍結乾燥法は、製造推奨設定を用いて種々の源から入手できるような、商業用凍結乾燥機を用いて実施されうる。望ましくは、凍結乾燥された生成物が約2重量%以下の溶媒または希釈剤を含有できるように生成物を凍結乾燥する。一例において、生成物は、約20℃で充填され、約−35℃〜約30℃で凍結され、約−30℃以下で少なくとも1時間保持され、次いで、コンデンサーを凍結し、チャンバー中の真空を150mTorrに減少させる。凍結溶液は、棚温度を約25℃に上昇し、約6〜約19時間保持することによって、または生成物が0℃以上に達するまで熱処理される。あるいは、凍結溶液は、−40℃〜−5℃の温度をサイクルし、−20℃に戻すことによって熱処理されうる。その後、コンデンサーを起動することができ、真空を(例えば、〜100mTorr)に調整し、棚温度を+10℃に上昇する。所望により、生成物温度が+10℃に達する場合、生成物は再乾を受ける。棚温度が約40℃に達する場合、かかる再乾が開始しうる。再乾は、一晩(例えば、約12〜18時間)、または最大約24時間圧力、例えば、約100mTorr下で実施される。あるいは、該工程は、より短いかまたはより長い時間実施されうる。適当には、凍結乾燥は、凍結乾燥された化合物Iまたはその医薬上許容される塩における固体の最終重量の約2重量%以下の量の残留溶媒を有する生成物をもたらす。第2工程に加えてまたは別法として、他の製造技法は、得られた凍結乾燥物質における残留溶媒をさらに減少させるために用いられうる。かかる製造技法には、窒素スイープ(nitrogen sweep)が含まれる。
【0036】
有利には、本発明の凍結乾燥された化合物Iは、種々の保存条件下で長時間95%以上の有効性を保持する。したがって、凍結乾燥組成物は、対象にデリバリーするための種々の剤形を調製するのに適当であり、液体および経口剤形の処方に特に有利である。
【0037】
再構成のための凍結乾燥された化合物Iまたはその医薬上許容される塩を調製する場合、適当な溶媒が選択される。再構成のための有効な溶媒は、生体適合性であり、比較的少量で十分な量の薬剤を溶解し、体液注射または静脈内注射溶液での希釈中薬剤の沈殿を阻害する。一の実施態様において、非経口的に許容される両親媒性化合物を、水、有機溶媒またはその混合物で合する。適当な両親媒性化合物の例として、ポリソルベート20、60または80、PEG−35ヒマシ油(例えば、Cremophor EL)などのエトキシ化油、Solutol HSなどの脂肪酸−PEG エステル、ビタミンEトロフェロールプロピレングリコールコハク酸塩(ビタミンE TPGS)、スクロース−脂肪酸エステル、胆汁塩、リン脂質、およびリン脂質と胆汁塩の組み合わせが挙げられる。両親媒性物質の濃度は、再構成溶媒中2重量/容量%〜100重量/容量%の範囲でありうる。あるいは、特定の実施態様において、両親媒性物質は、凍結乾燥前処方において化合物Iまたはその医薬上許容される塩と組み合わされうる。かかる実施態様において、再構成は、水または水および有機溶媒の組み合わせを用いて達成されうる。
【0038】
化合物Iまたはその医薬上許容される塩が、本発明にしたがって再構成される場合、再構成された処方は、約0.05mg/mL、約2.5mg/mL、約5mg/mLまたは約10mg/mL〜最大約50mg/mLの化合物Iの濃度を含有しうる。濃縮物は、1部の希釈剤に対し最大約1部の濃縮物で希釈剤と合することができ、約1mg/mL、約5mg/mL、約10mg/mL、約20mg/mL〜最大約25mg/mLの化合物Iの濃度を有する組成物を得る。本発明はまた、共溶媒濃縮物におけるより低濃度の化合物Iを有する組成物、ならびに一部の濃縮物が、検出が最低水準まで下がった化合物Iの濃度を有する化合物I組成物に対し一部以上の希釈剤、例えば、約1:1.5、1:2、1:3、1:4または1:5 v/vなどの割合の濃縮物:希釈物と合する組成物を包含する。適当な希釈剤は、デリバリー経路を考慮して当業者によって容易に選択されうる。例えば、希釈剤は、水性、主として水性、例えば、グルコース溶液、セイライン、緩衝食塩水、0.9%塩化ナトリウム注射、5%ブドウ糖注射、乳酸加リンガー液、または非水性でありうる。
【0039】
本発明の再構成された組成物は、非経口剤形を製造するために用いられうる。かかる剤形は、直接注射または静脈注の無菌注射液の添加のいずれかによる投与に適当でありうる。
【0040】
本発明の組成物は、局部のキットの形態で製造されうる。かかるキットは、水性医薬組成物を調製するのに適当でありうる。典型的には、本発明の凍結乾燥された化合物Iまたはその医薬上許容される塩の組成物を有する少なくとも第1の容器およびその生理学上許容される溶媒を有する所望の第2の容器を含有するであろう。他の要素には、バイアル、攪拌機、フタ、再構成、混合、保存および/または、使用上の注意が含まれうる。所望により、凍結乾燥または再構成された化合物Iまたはその医薬上許容される塩と投与計画で投与される他の活性成分はまた、提供されうる。本発明はまた、一個体の哺乳類の治療経路を含有する医薬包装を含み、ここで、包装は、化合物Iまたはその医薬上許容される塩および1種または複数の上記のキット要素を含有する。
【0041】
以下の実施例は、本発明の説明である。本発明は、本明細書に記載のパーセンテージ、成分および技法を限定するものではない。
【実施例】
【0042】
実施例1〜4は、本発明の事例的凍結乾燥組成物を提供する。
【0043】
実施例1
5mg強度バイアルを、化合物Iaのコハク酸塩二水和物を用いて2mg/mLバルク溶液から凍結乾燥した。活性成分単独の濃度は、強い凍結乾燥ケークを製造するには十分ではないので、40mg/mLのマンニトールを充填剤として利用し、バルク溶液のpHは約4.9にした。凍結乾燥物は、良い物理的特性を保持した。2.46mLの水で2mg/mLに再構成する場合、pHは、凍結乾燥前のバルク溶液のpHと同一である、約4.9であった。再構成された溶液は、室温で保存され、時間=0、18、24、42、および66時間でアッセイし、強度の喪失および分解することなく少なくとも66時間安定であることを示し、再構成後3日間の使用期間を示した。しかしながら、凍結乾燥バイアルの圧縮安定性研究は、40℃で10週後、二量体(5.7%)およびコハク酸付加物(2.5%)両方を形成したことを示す。
【0044】
実施例2
100mg強度バイアルを、化合物Iaのコハク酸塩二水和物塩の20mg/mL水性溶液を8重量/容量マンニトールで凍結乾燥することで調製し、pHは、適量の塩酸を用いて約3.1に調整した。全量は、20mm栓を有する10mLバイアルを用いて(5%過剰量の)バイアル当たり5.25mLであった。凍結乾燥物質は、25℃で76日間保存後および40℃で140日間保存後に最初の有効性の95%以上を保持することが見出された。
【0045】
実施例3
凍結乾燥前溶液は、20mg/mL化合物Ia、0.4mg/mL付加物、および3.4%マンニトールであった。マンニトール量は、ほぼ等張な溶液を得るために選択された。バルク溶液のpHは、塩酸で約3に調整された。バイアル当たりの充填量は5.3mLであり、100mg化合物Iaおよび2mgの付加物のラベル表示に対し6%過剰量を得た。バイアル当たりの成分量および総バッチ数量を表1に要約する。
【表1】

【0046】
各凍結乾燥バイアルは、5.1mLのWFI(注射用水)で再構成され、20mg/mLの化合物Iaおよび0.4mg/mLの付加物で5mLの送達可能量を得る。
【0047】
凍結乾燥工程は、以下のとおりである:
A.凍結乾燥機棚上で充填トレイを装着する。バイアル中に熱電温度計を挿入し、凍結乾燥機棚を−35℃に冷却し続ける;
B.生成物の温度が−30℃に達する;
C.少なくとも1時間<=−30℃の温度で保持する;
D.コンデンサーを凍結する;
E.チャンバーの真空を150mTorrにする;
F.1時間で棚温度を+25℃に上昇する。19時間、または生成物が0℃以上に達するまで該温度で保持する;
G.1時間で棚温度を+40℃に上昇し、12時間該温度で保持する;
H.1時間で棚温度を25℃に上昇する;および
I.窒素で真空とし、ストッパーバイアルで遮断する。
【0048】
凍結乾燥物質は、25℃/60% RH(相対温度)で6月後および40℃/75% RHで3月後に最初の有効性の95%以上を保持することを見出された。
【0049】
実施例4
20mg/バイアルの処方強度は、4%マンニトールおよび0.2%塩酸を有する10mg/mL化合物Ia溶液から調製された。
(得られた溶液のpHは、約3.0であった)。充填容量は、バイアル当たり2.12mLであり、6%過剰量を得る。濾過後、溶液は、凍結乾燥のために5mLフリントバイアル中に充填される。組成物および単位充填量は、表2に示されている。
【表2】

【0050】
凍結乾燥工程は、以下のとおりである:
1.適当な容器中の活性成分の重量を量る;
2.工程1における容器にマンニトールを加える;
3.工程2における容器に35−45℃で80%必要WFIを加える;
4.工程3における容器に、HClを加える;
5.WFIで適量〜最終重量にする;
6.溶液を形成するまで混合する;
7.溶液を25℃+/−5℃に冷却し、重量を量り、必要に応じて、適量にする;
8.pHを測定し、記録する;
9.生物学的負荷(bioburden)試料を得る;
10.0.45μフィルターに通してプレフィルターする;
11.0.2Φ滅菌フィルターに通してそれを無菌で濾過する;
12.各滅菌前5mLバイアル中に2.12mLを充填する;
13.製造過程の有効性試料を得る;
14.凍結乾燥製法を開始する;
A.20℃にて凍結乾燥機上で充填トレイを装着する。バイアル中に熱電温度計を挿入し、凍結乾燥機棚を−35℃以下に冷却する;
B.生成物の温度が240分かけて−30℃に達する;
C.生成物を少なくとも1時間<=−30℃の温度で保持する;
D.コンデンサーを−50℃に凍結する;
E.チャンバー中の真空を200μBarにする;
F.1時間で棚温度を+25℃に上昇し、生成物が15℃に達するまで該温度で保持する。1時間15℃で保持する;
G.1時間で棚温度を+40℃を上昇し、16時間該温度で保持する;
H.1時間で棚温度を25℃に上昇する;および
I.窒素で真空を約500mBarにし、ストッパーバイアルで遮断する;ならびに
15.アルミニウムキャップでバイアルを圧縮密封する。
【0051】
各凍結乾燥バイアルを、5.3mLの容量を得るために5.2mLの滅菌水で再構成することができ、その5.0mLは、注射用に回収されうるかまたは静脈注射用混合調剤でさらに希釈されうる。凍結乾燥物質は、25℃/60% RHで18月後および40℃/75% RHで6月後に最初の有効性の95%以上を保持することが見出された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結乾燥された化合物I、またはその水和物、あるいは化合物Iの医薬上許容される塩またはその水和物を調製するのに適当な組成物であって、
(a)以下の構造:
【化1】

[式中:
は、
【化2】

であり;
は、基:
【化3】

の部分であり;
nは、2、3、または4の整数であり;
Xは、F、ClまたはBrであり;
Yは、O、S、CHまたはNRであり;
Qは、−NRまたは−OHから選択され;
およびLは、各々独立して、H、F、Cl、Br、またはCFであり;
は、CFまたはCであり;
およびRは、各々独立して、Hまたは(C−C)アルキルであり;
およびRは、各々独立して、Hまたは(C−C)アルキルであるか;あるいは、RおよびRは、各々が結合する窒素原子と一緒になって結合し、1−2個の窒素原子、0−1個の酸素原子または0−1個の硫黄原子を含有する4〜6員の飽和複素環を形成してもよく、4〜6員の飽和複素環は、1種または複数のRで置換されていてもよく;および
は、(C−C)アルキルである]
を有する、化合物Iまたはその水和物、あるいは化合物Iの医薬上許容される塩またはその水和物;
(b)充填剤;
(c)該凍結乾燥された化合物Iまたはその水和物、あるいは化合物Iの医薬上許容される塩またはその水和物の安定性を高めるための有効量の医薬上許容される酸;および
(d)溶媒
を含む組成物。
【請求項2】
該化合物Iが、以下の構造:
【化4】

を有する化合物Iaである、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
該組成物が、約2.0〜約6.0の範囲のpHを有する、請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
該組成物が、約2.5〜約5.0の範囲でのpHを有する、請求項1または2記載の組成物。
【請求項5】
該組成物が、約2.7〜約4.0の範囲のpHを有する、請求項1または2記載の組成物。
【請求項6】
該組成物が、約1mg/mL〜約100mg/mLの該化合物I、該化合物Iaまたはその医薬上許容される塩を含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
該組成物が、約1%〜約10%wt/volの該充填剤を含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
該充填剤が糖質である、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
該糖質が、マンニトール、デキストロース、デキストラン、またはスクロースである、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
該糖質が、マンニトールである、請求項8記載の組成物。
【請求項11】
該医薬上許容される塩が、コハク酸塩二水和物である、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
(c)における該医薬上許容される酸が、塩酸、酢酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、ベンゼンスルホン酸、L−アスパラギン酸、R−(−)マンデル酸、硫酸、またはパルミチン酸である、請求項1〜11のいずれか1項記載の組成物。
【請求項13】
(a)における該医薬上許容される塩が、コハク酸塩、酢酸塩、メシル酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、L−アスパラギン酸塩、R−(−)−マンデル酸塩、硫酸塩またはパルミチン酸塩である、請求項1〜11のいずれか1項記載の組成物。
【請求項14】
(a)における該医薬上許容される塩が、コハク酸塩、フマル酸塩、または(R)−(−)−マンデル酸塩である、請求項1〜11のいずれか1項記載の組成物。
【請求項15】
(a)における該医薬上許容される塩が、コハク酸塩二水和物である、請求項1〜11のいずれか1項記載の組成物。
【請求項16】
化合物I、またはその水和物、あるいは化合物Iの医薬上許容される塩またはその水和物の凍結乾燥処方の調製方法であって、請求項1〜15のいずれか1項記載の組成物を凍結乾燥する工程を含む方法。
【請求項17】
化合物Ia、またはその水和物、あるいは化合物Iaの医薬上許容される塩またはその水和物の凍結乾燥組成物の調製方法であって、
(a)約2.0〜約5.0の範囲のpHを有し、約1mg/mL〜約50mg/mLの化合物Iaまたはその水和物、あるいは化合物Iaの医薬上許容される塩または水和物、約1%〜約10%マンニトール、および水を含む医薬組成物を調製し;および
(b)該組成物を凍結乾燥し、該凍結乾燥組成物を形成する工程を含む方法。
【請求項18】
請求項1記載の溶液を凍結乾燥することによって得られうる、化合物I、またはその水和物、あるいは化合物Iの医薬上許容される塩またはその水和物の凍結乾燥組成物。
【請求項19】
該化合物Iが化合物Iaであり、該医薬上許容される塩がコハク酸塩二水和物である、請求項18記載の凍結乾燥組成物。
【請求項20】
液体形態で送達するための、化合物I、またはその水和物、あるいは化合物Iの医薬上許容される塩またはその水和物を調製する方法であって、化合物Iまたは請求項18または請求項19記載のその医薬上許容される塩の凍結乾燥組成物を非経口的に許容される溶媒で再構成し、化合物Iまたはその医薬上許容される塩の液体剤形を形成する工程を含む方法。
【請求項21】
該非経口的に許容される溶媒が水を含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
該化合物Iが化合物Iaであり、該医薬上許容される塩がコハク酸塩二水和物である、請求項20記載の方法。
【請求項23】
請求項20〜22のいずれか1項記載の方法にしたがって得られうる、化合物I、またはその水和物、あるいは化合物Iの医薬上許容される塩またはその水和物の液体剤形。
【請求項24】
該化合物Iが化合物Iaであり、該医薬上許容される塩がコハク酸塩二水和物である、請求項23記載の液体剤形。
【請求項25】
化合物I、またはその水和物、あるいは化合物Iの医薬上許容される塩またはその水和物の保存性を高める方法であって、約2.0〜約5.0の範囲のpHを有し、約1mg/mL〜約50mg/mLの化合物I、またはその水和物、あるいは化合物Iの医薬上許容される塩またはその水和物、約1%〜約10%マンニトール、および水を含む組成物を凍結乾燥する工程を含む方法。
【請求項26】
該化合物Iが化合物Iaであり、該医薬上許容される塩がコハク酸塩二水和物である、請求項25記載の方法。
【請求項27】
請求項18記載の、凍結乾燥された化合物I、またはその水和物、あるいは化合物Iの医薬上許容される塩またはその水和物の容器を含むキット。
【請求項28】
請求項19記載の、凍結乾燥された化合物Ia、またはその水和物、ありは化合物Iaの医薬上許容される塩またはその水和物の容器を含むキット。
【請求項29】
その再構成のために非経口的に許容される溶媒をさらに含む、請求項27または28記載のキット。
【請求項30】
請求項23または24記載の、有効量の化合物Iもしくは化合物Ia、またはその水和物、あるいは化合物Iもしくは化合物Iaの医薬上許容される塩またはその水和物の液体剤形を投与することによってそれを必要とする哺乳類における癌性腫瘍細胞の増殖または関連疾患を治療または抑制する方法。
【請求項31】
組織を含有するチュブリンにおけるチュブリン重合を促進する方法であって、組織を含有する該チュブリンを有効量の請求項23または24記載の化合物Iもしくは化合物Ia、またはその水和物、あるいは化合物Iもしくは化合物Iaの医薬上許容される塩またはその水和物の液体剤形を接触させることを含む方法。
【請求項32】
組織を含有するチュブリンにおける微小管を安定化する方法であって、組織を含有する該チュブリンを有効量の請求項23または請求項24記載の化合物Iもしくは化合物Ia、またはその水和物、あるいは化合物Iもしくは化合物Iaの医薬上許容される塩またはその水和物の液体剤形と接触させることを含む方法。
【請求項33】
治療を必要とする哺乳類において多剤耐性(MDR)を示すかまたはMDRのため耐性である腫瘍の治療または予防方法であって、有効量の請求項23または24に記載の化合物Iもしくは化合物Ia、またはその水和物、あるいは化合物Iもしくは化合物Iaの医薬上許容される塩またはその水和物を該哺乳類に投与することを含む方法。
【請求項34】
有効量の請求項23または24に記載の化合物Iもしくは化合物Ia、またはその水和物、あるいは化合物Iもしくは化合物Iaの医薬上許容される塩またはその水和物を投与することによってそれを必要とする哺乳類における癌性腫瘍細胞の増殖および関連疾患を治療または抑制する方法。

【公表番号】特表2009−519952(P2009−519952A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545856(P2008−545856)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/047977
【国際公開番号】WO2007/075452
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】