説明

トリガースイッチ

【課題】切替レバーの特に回動軸のあたりに水分が侵入しないように防水加工を施したことにより、切替レバーからの水分の侵入を防ぐことができるトリガースイッチを提供する。
【解決手段】トリガースイッチは、ケースの上部位置に組込まれており、切替接片を備えた切替レバーの操作によりモータの正転・逆転を制御する切替操作部と、ケースの下部位置に組込まれており、摺動回路基板に設けてある接触子と摺動する摺動子がトリガーレバーの操作に連動して動くように制御する摺動操作部と、を備えたトリガースイッチであって、前記ケースの外側に配置されている切替レバーの連結部分に相当する本体部と、該本体部が組込まれるケースの頂面壁との間を水分が浸入しないような防水手段を施したことである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトリガースイッチに関し、詳しくは、ブラシレスモーター搭載電動工具等に使用されるトリガースイッチにおいて、正逆切替レバーの切替により水分が内部に侵入するのを防止する構造にすること及びトリガーレバーの引き込み動作で摺動する電極部分に水分が付着しても漏電、腐食の発生を防止する構造のトリガースイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術における正逆切替レバーを備えたトリガースイッチは、図12、図13及び図14に示すように、箱状に形成された内部に摺動接点機構を組み込み、外部のトリガーレバー11からの摺動操作を伝達する摺動操作部15を備え、且つ側面を開口にしたケース12と、ケース12の側面の開口面を塞ぐと共に、内側側面に摺動回路基板13を搭載したカバー14と、手の指で操作できるトリガーレバー11と、ケース12の上部位置にモータの正逆回転を切替える切替操作部25とを備えた構成になっている。
【0003】
切替操作部25は、ケース12の上部位置に設けてある切替レバー収納室22に切替レバー26を収納した構成となっている。
【0004】
切替レバー26は、台形状に形成された本体部27の上端部に上方向に突出形成した切替ノブ28を備え、略中心位置に切替レバー26が回動自在な中心軸となる回動軸29、後端部の側面に切替の信号を発生させる導電性金属部材で形成された切替接片31を装着する接片部30を備え、先端部にオシボバネ32とオシボ33を備えた構成になっている。
【0005】
切替レバー収納室22は、切替レバー26を回動自在に収納するもので、回動軸29を回動軸係合孔23に係合させ、本体部27を含む切替ノブ28をケース12の外に位置させ、切替接片31を装着した接片部30は収納室22内に配置される。
【0006】
摺動操作部15は、棒状に形成し自由端部に、Oリング38及び外部パッキン39を取付け、トリガーレバー11を取り付けることができる摺動軸41と、この摺動軸41の基部側であって側面に平行に2つの摺動子42、43を配置してモータの回転速度を制御する速度制御部44を設けた構造になっている。
摺動軸41は、Oリング38及び外部パッキン39を取り付け、その先端側をトリガーレバー11に取り付け、Eリング59を差し込むことでトリガーレバー11から外れない構成になっている。
【0007】
速度制御部44は、摺動軸41に連結され、摺動軸41に連動する回転制御摺動子42及びスイッチ摺動子43を備え、且つ回転制御摺動子42及びスイッチ摺動子43に弾性接触するための接触子45、46、47、48を備えた摺動回路基板13とから大略構成されている。
【0008】
摺動回路基板13は、表面に切替操作部25の切替接片31と接触する切替接触子34a、34bと、速度制御部44に備えてある摺動子42、43と摺動する接触子45、46、47、48を備えた構成になっている。
摺動回路基板13に配設されている接触子45、46、47、48は、平行且つ整列状態で配設され、上部位置に帯状で抵抗体を構成する可変接触子45、この可変接触子45と平行で且つ同一長さに導電性部材で形成された摺動接触子46、この摺動接触子46と平行で且つ寸足らずの導電性部材で形成された制御接触子47、この制御接触子47と平行で且つ同一長さに導電性部材で形成された補助接触子48からなる。
【0009】
このような構成の切替操作部25においては、図15に示すように、切替レバー26の回動軸29をケース12の回動軸係合孔23に係合させ、切替接片31を摺動回路基板13の切替接触子34a、34bに対向させた状態にしておき、切替ノブ28の操作で切替接片31が切替接触子34a、34bを導通状態にすることで、切替信号を発生させる。
【0010】
又、摺動回路基板13に配設された接触子45、46、47、48に対して、摺動接触子46及び可変接触子45の両者にブラシが接触するように回転制御摺動子42が当接されることで可変接触子45の抵抗体を変化させることでモータへの回転制御を行う。
同時に、制御接触子47及び補助接触子48の両者にブラシが接触するようにスイッチ摺動子43が当接されることで、補助スイッチとして機能する。
回転制御摺動子42及びスイッチ摺動子43は、導電性部材であって板部材の略中間位置で折り曲げ、折り曲げた側を二股形状にした端子を並列に2個形成し、その二股形状に形成した端子の先端部を更に外方向に折り曲げて更に内側方向に折り曲げて接点となし、折り曲げた基部側の基端部寄りの位置に穴を開けて速度制御部44に設けてあるボスに係合した構造となっている。
このような構造をした速度制御部44においては、摺動操作部15が復帰バネ49に抗してトリガーレバー11で操作されると回転制御摺動子42及びスイッチ摺動子43が摺動回路基板13の接触子45、46、47、48に接触する。
【特許文献1】特許出願2007−222700
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来技術で説明した正逆切替レバーを配置する切替操作部においては、ケースの切替レバー収納室の回動軸係合孔に切替レバーの回動軸を係合させる構造においては、外部からの水分の侵入に対する防護手段が何らされていないために、切替レバーの回動軸あたりから切替レバーの切替により水分が内部に浸入し、その侵入した水分が摺動回路基板に配設されている接触子に伝播して誤動作を起こす起因になるという問題がある。
又、摺動回路基板の接触子は、可動接片(回転制御摺動子、スイッチ摺動子)が摺動するため電極または電極上部に抵抗体を塗るだけの為、水分が侵入することで電極間にて漏電し、腐食の発生を促進させ誤動作を起こすという問題がある。
【0012】
従って、モータの正転及び逆転を切替える正逆切替スイッチにおいて、切替える際に発生する水分の侵入を防ぐ構造、及び摺動回路基板の接触子において水分が浸入しても接点間にて漏電を軽減させ腐食の発生を抑制し、誤動作を無くす構造に解決しなければならない課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本願発明のトリガースイッチは、次に示す構成にすることである。
【0014】
(1)トリガースイッチは、
ケースの上部位置に組込まれており、切替接片を備えた切替レバーの操作によりモータの正転・逆転を制御する切替操作部と、
ケースの下部位置に組込まれており、摺動回路基板に設けてある接触子と摺動する摺動子がトリガーレバーの操作に連動して動くように制御する摺動操作部と、
を備えたトリガースイッチであって、
前記ケースの外側に配置されている切替レバーの連結部分に相当する本体部と、該本体部が組込まれるケースの頂面壁との間を水分が浸入しないような防水手段を施したことを特徴とするトリガースイッチ。
(2)前記防水手段は、前記本体部及び前記頂面壁を含んで覆うように被せる防水用パッキンであることを特徴とする(1)に記載のトリガースイッチ。
(3)前記防水手段は、前記本体部が組込まれる前記頂面壁との間にゴム状の樹脂を充填したことを特徴とする(1)に記載のトリガースイッチ。
(4)前記防水手段は、前記本体部及び前記頂面壁を含んで覆うことに加えて、前記トリガーレバーをガイドする上部レバーガイド部を覆い、且つ前記トリガーレバーと連動する摺動操作部を形成する摺動軸を覆う外部パッキンを兼ね備えた防水用パッキンであることを特徴とする(1)に記載のトリガースイッチ。
(5)前記防水手段は、前記本体部及び前記頂面壁を含んで覆うことに加えて、前記トリガーレバーをガイドする上部レバーガイド部を覆うと共に、前記トリガーレバーをガイドする下部レバーガイド部を覆い、且つ前記トリガーレバーと連動する摺動操作部を形成する摺動軸を覆う外部パッキンを兼ね備えた防水用パッキンであることを特徴とする(1)に記載のトリガースイッチ。
【0015】
(6)トリガースイッチは、
ケースの上部位置に組込まれており、切替接片を備えた切替レバーの操作によりモータの正転・逆転を制御する切替操作部と、
ケースの下部位置に組込まれており、摺動回路基板に設けてある接触子と摺動する摺動子がトリガーレバーの操作に連動して動くように制御する摺動操作部と、
を備えたトリガースイッチであって、
前記摺動回路基板の接触子に水分が付着しないような防滴手段を施したことを特徴とするトリガースイッチ。
(7)前記防滴手段は、前記接触子に低抵抗の抵抗膜を施したことである(6)に記載のトリガースイッチ。
(8)前記防滴手段は、前記接触子の間にスリットを施したことである(6)に記載のトリガースイッチ。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るトリガースイッチは、正逆切替レバーの特に回動軸のあたりに水分が侵入しないように防水加工を施したことにより、正逆切替レバーからの水分の侵入を防ぐことができる。
又、切替レバーの部位からの水分の侵入を防ぐことに加えて、トリガーレバーに連動する摺動操作部への水分の侵入も防ぐようにしたことにより、略完全に外部からの水分の侵入を防止すること及び組立て性を容易にすることができる。
又、摺動回路基板に配設されている接触子に対して低抵抗の抵抗体で完全に覆うようにすることで、例え接触子に水分が付着しても接触子の接点間による漏電による腐食の発生を抑制することができる。
更に、摺動回路基板に配設されている接触子の間にスリットを入れることで水分の付着を抑制することができ、接点間にて漏電を無くし腐食の発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本願発明に係るトリガースイッチの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
本発明に係るトリガースイッチを備えた電動工具用スイッチは、図1、図2及び図3に示すように、箱状に形成された内部に摺動接点機構(速度制御部)を組み込み、外部のトリガーレバー11からの摺動操作を伝達する摺動操作部15を備え、且つ側面を開口にしたケース12と、ケース12の側面の開口面を塞ぐと共に、内側側面に摺動回路基板13を搭載したカバー14と、手の指で操作できるトリガーレバー11と、ケース12の上部位置にモータの正逆回転を切替える切替操作部25と、切替操作部25のうち切替レバーの上部面とケースの頂面とをカバーするように取り付けるラバーで生成された防水用パッキン16とを備えた構成になっている。
【0019】
ケース12は、側面を開口にした箱型形状に形成し、図2において、手前側にトリガーレバー11をガイドするための上部位置に設けた上部レバーガイド部17及びこの上部レバーガイド部17と同じ形状であって鉛直方向の下部位置に設けた下部レバーガイド部18を設け、内部においては上部レバーガイド部17と下部レバーガイド部18とで挟まれた奥行き方向に摺動操作部15を形成する速度制御部を収納する速度制御部収納室19、速度制御部収納室19の上部位置に切替操作部を構成する切替レバーのうち回動軸を回動軸係合孔23に組み合わせて収納する回動軸収納室21、この回動軸収納室21に遮蔽部材を介して連続して設けた切替操作部を構成する切替レバーのうち接片部を収納する接片部収納室22からなる。
【0020】
カバー14は、図2及び図3に示すように、内側側面壁に長方形状の摺動回路基板13を装着する基板装着部24を備えた構成になっている。
【0021】
切替操作部25を構成する切替レバー26は、図2に示すように、台形状に形成された本体部27の上端部に上方向に突出形成した切替ノブ28を備え、略中心位置に切替レバー26が回動自在な中心軸となる回動軸29、後端部の側面に切替の信号を発生させる導電性金属部材で形成された切替接片31を装着する接片部30を備え、後端部にオシボバネ32とオシボ33を備えた構成になっている。
【0022】
回動軸収納室21は、切替レバー26の回動軸29を回動軸係合孔23に係合させる部屋であって、回動軸29よりも一段高く形成された本体部27及び本体部27に連設されている切替レバー26をケース12の外に位置させる。
接片部収納室22は、切替レバー26の切替接片31を備えた接片部30を収納する部屋であって、この部屋の中で切替接片31がカバー14に装着されている摺動回路基板13に配設されている切替接触子34a、34bと対向させた状態に配置され、切替ノブ28の操作により切替接片31が切替接触子34a、34bに接触する。
【0023】
防水用パッキン16は、図1、図2及び図4に示すように、ラバーで形成され、切替レバー26の外部に出ている部分の本体部27を貫通させて覆う四角形状の係合部35を備え、底が開口に形成して回動軸収納室21の頂面壁36を覆う大きさに形成した部屋防水部37とからなる。
【0024】
摺動操作部15は、棒状に形成し自由端部に、Oリング38及び外部パッキン39を取付け、トリガーレバー11を取り付けることができる摺動軸41と、この摺動軸41の基部側であって側面に平行に2つの摺動子42、43を配置してモータの回転速度を制御する速度制御部44を設けた構造になっている。
摺動軸41は、Oリング38及び外部パッキン39を取り付け、その先端側をトリガーレバー11に取り付け、Eリング59を差し込むことでトリガーレバー11から外れない構成になっている。
【0025】
速度制御部44は、摺動軸41に連結され、摺動軸41に連動する回転制御摺動子42及びスイッチ摺動子43を備え、且つ回転制御摺動子42及びスイッチ摺動子43に弾性接触するための接触子45、46、47、48を備えた摺動回路基板13とから大略構成されている。
【0026】
摺動回路基板13は、表面に切替操作部25の切替接片31と接触する切替接触子34a、34bと、速度制御部44に備えてある摺動子42、43と摺動する接触子45、46、47、48を備えた構成になっている。
摺動回路基板13に配設されている接触子45、46、47、48は、平行且つ整列状態で配設され、上部位置に帯状で抵抗体を構成する可変接触子45、この可変接触子45と平行で且つ同一長さに導電性部材で形成された摺動接触子46、この摺動接触子46と平行で且つ寸足らずの導電性部材で形成された制御接触子47、この制御接触子47と平行で且つ同一長さに導電性部材で形成された補助接触子48からなる。
【0027】
このような構成の切替操作部25においては、切替レバー26の回動軸29をケース12の回動軸係合孔23に係合させ、切替接片31を摺動回路基板13の切替接触子34a、34bに対向させた状態にしておき、切替ノブ28の操作で切替接片31が切替接触子34a、34bを導通状態にすることで、切替信号を発生させる。
【0028】
又、摺動回路基板13に配設された接触子45、46、47、48に対して、摺動接触子46及び可変接触子45の両者にブラシが接触するように回転制御摺動子42が当接されることで可変接触子45の抵抗体を変化させることでモータへの回転制御を行う。
同時に、制御接触子47及び補助接触子48の両者にブラシが接触するようにスイッチ摺動子43が当接されることで、補助スイッチとして機能する。
回転制御摺動子42及びスイッチ摺動子43は、導電性部材であって板部材の略中間位置で折り曲げ、折り曲げた側を二股形状にした端子を並列に2個形成し、その二股形状に形成した端子の先端部を更に外方向に折り曲げて更に内側方向に折り曲げて接点となし、折り曲げた基部側の基端部寄りの位置に穴を開けて速度制御部44に設けてあるボスに係合した構造となっている。
このような構造をした速度制御部44においては、摺動操作部15が復帰バネ49に抗してトリガーレバー11で操作されると回転制御摺動子42及びスイッチ摺動子43が摺動回路基板13の接触子45、46、47、48に接触して摺動する。
【0029】
さて、本願発明の防水手段である防水用パッキン16であるが、特に図2及び図4に示すように、切替レバー26の本体部27に係合部35を貫通させ、外部に露出している本体部27の周囲を覆うようにし、且つケース12の回動軸収納室21を形成する頂面壁36に部屋防水部37で覆うようにして装着する。
このように防水用パッキン16を装着する構成にすると、切替レバー26での切替操作をした際に切替レバー26の本体部27が防水用パッキン16で覆われているため、本体部27とケース12の頂面壁36との隙間からの水分の侵入を防止することが可能になる。
【0030】
次に、防水用パッキンの第1の変形例について、図5を参照して説明する。
第1の変形例の防水用パッキンは、図5に示すように、切替レバー26の本体部27とケース12側の頂面壁36との隙間にシリコン性の接着剤51を充填させることで本体部27の動く部分とケース12の頂面壁36との隙間をなくすことができ、水分等の侵入を阻止することが可能となる。
【0031】
次に、防水用パッキンの第2の変形例について、図6及び図7を参照して説明する。
第2の変形例の防水用パッキン16Aは、図6及び図7に示すように、切替レバー26の部分の防水に加えて、トリガーレバー11で摺動する摺動操作部15の部分からの水分の浸入を阻止する構造のラバーで形成された防水用パッキン16Aであり、上部に切替レバー26の本体部27に貫通して覆うレバー係合部52を設け、更に、トリガーレバー11をガイドする上部レバーガイド部17を貫通させて覆うガイド係合部53を備え、更に、その下部位置に摺動操作部15の摺動軸41を貫通させるための外部パッキンを兼用させた摺動操作パッキン54を備えた構成にする。
このような防水用パッキン16Aにおいては、図7に示すように、本体部27にレバー係合部52を貫通させ、同時にガイド係合部53に上部レバーガイド部17を貫通させ、更に摺動軸41に摺動操作パッキン54を係合させてカバー14とケース12で形成された略全体を覆うようにすることで、動く部分からの水分の侵入を防ぐことに加えてケース12とカバー14の接合部分も覆うことができるため、略完全な形での水分の侵入を阻止することができる。
【0032】
次に、防水用パッキンの第3の変形例について、図8及び図9を参照して説明する。
第3の変形例の防水用パッキン16Bは、図8及び図9に示すように、切替レバー26の部分の防水に加えて、トリガーレバー11で摺動する摺動操作部15の部分からの水分の浸入を阻止する構造のラバーで形成された防水用パッキンであり、上部に切替レバー26の本体部27に貫通して覆うレバー係合部52を設け、更に、トリガーレバー11をガイドする上部レバーガイド部17を貫通させて覆う上部ガイド係合部55を備え、更に、その下部位置に摺動操作部15の摺動軸41を貫通させるための外部パッキンを兼用させた摺動操作パッキン54を備え、更に、その下部位置にトリガーレバー11をガイドする下部レバーガイド部18を貫通させて覆う下部ガイド係合部56を備えた構成にする。
【0033】
このような防水用パッキン16Bにおいては、図9に示すように、本体部27にレバー係合部52を貫通させ、同時に上部レバーガイド部17に上部ガイド係合部55を貫通させ、更に摺動軸41に摺動操作パッキン54を係合させ、更に下部レバーガイド部18に下部ガイド係合部56を貫通させてカバー14とケース12で形成された略全体を覆うようにすることで、動く部分からの水分の侵入を防ぐことに加えてケース12とカバー14の接合部分も覆うことができるため、略完全な形での水分の侵入を阻止することができる。
【0034】
次に、水分の防止対策として、水分が侵入しても誤動作等がしないような工夫を施した第4の変形例について、図10を参照して説明する。
第4の変形例の水分の侵入対策は、図10に示すように、摺動回路基板に設けてある接触子に低抵抗の抵抗膜57、例えばカーボンで形成された導電性部材の膜を塗布する構成にする。
このようにすることで、侵入してきた水分の付着を防止することができ、水分の付着に伴い発生する電気分解といった現象を抑制できる。
【0035】
次に、水分の防止対策として、水分が侵入しても誤動作等がしないような工夫を施した第5の変形例について、図11を参照して説明する。
第5の変形例の水分の侵入対策は、図11に示すように、摺動回路基板に設けてある接触子の間にスリット58を設けた構成にする。
このようにすることで、侵入してきた水分が接触子に届かないため、電気分解といった現象を抑制でき、漏電等をなくし腐食の発生を抑えることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0036】
正逆切替レバーの特に回動軸のあたりに水分が侵入しないように防水加工を施したことにより、切替レバーからの水分の侵入を防ぐことができるトリガースイッチを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係るトリガースイッチに防水用パッキンを施した様子を示した斜視図である。
【図2】同、トリガースイッチの内部構造を示した分解斜視図である。
【図3】同、カバーに装着した摺動回路基板を示した平面図である。
【図4】同、トリガースイッチの防水用パッキンの部分を断面にして示した断面図である。
【図5】同、変形例で、接着剤で防水加工を施した様子を示した斜視図である。
【図6】同、変形例で、摺動操作部にも防水加工を施す防水用パッキンを示した斜視図である。
【図7】同、摺動操作部にも防水加工を施す防水用パッキンを装着した様子を示した斜視図である。
【図8】同、変形例で、摺動操作部にも防水加工を施す防水用パッキンを示した斜視図である。
【図9】同、摺動操作部にも防水加工を施す防水用パッキンを装着した様子を示した斜視図である。
【図10】同、変形例で、基板の接触子に低抵抗の抵抗膜を施した様子を示す説明図である。
【図11】同、変形例で、基板の接触子間にスリットを設けた様子を示す説明図である。
【図12】従来技術におけるトリガースイッチの斜視図である。
【図13】従来技術におけるトリガースイッチの内部構造を示した分解斜視図である。
【図14】従来技術におけるカバーに装着した摺動回路基板を示した平面図である。
【図15】従来技術におけるトリガースイッチの防水用パッキンの部分を断面にして示した断面図である。
【符号の説明】
【0038】
11 トリガーレバー
12 ケース
13 摺動回路基板
14 カバー
15 摺動操作部
16 防水用パッキン
16A 防水用パッキン
16B 防水用パッキン
17 上部レバーガイド部
18 下部レバーガイド部
19 速度制御部収納室
21 回動軸収納室
22 接片部収納室
23 回動軸係合孔
24 基板装着部
25 切替操作部
26 切替レバー
27 本体部
28 切替ノブ
29 回動軸
30 接片部
31 切替接片
32 オシボバネ
33 オシボ
34a 切替接触子
34b 切替接触子
35 係合部
36 頂面壁
37 部屋防水部
38 Oリング
39 外部パッキン
41 摺動軸
42 回転制御摺動子
43 スイッチ摺動子
44 速度制御部
45 可変接触子
46 摺動接触子
47 制御接触子
48 補助接触子
49 復帰バネ
51 接着剤
52 レバー係合部
53 ガイド係合部
54 摺動操作パッキン
55 上部ガイド係合部
56 下部ガイド係合部
57 抵抗膜
58 スリット
59 Eリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースの上部位置に組込まれており、切替接片を備えた切替レバーの操作によりモータの正転・逆転を制御する切替操作部と、
ケースの下部位置に組込まれており、摺動回路基板に設けてある接触子と摺動する摺動子がトリガーレバーの操作に連動して動くように制御する摺動操作部と、
を備えたトリガースイッチであって、
前記ケースの外側に配置されている切替レバーの連結部分に相当する本体部と、該本体部が組込まれるケースの頂面壁との間を水分が浸入しないような防水手段を施したことを特徴とするトリガースイッチ。
【請求項2】
前記防水手段は、前記本体部及び前記頂面壁を含んで覆うように被せる防水用パッキンであることを特徴とする請求項1に記載のトリガースイッチ。
【請求項3】
前記防水手段は、前記本体部が組込まれる前記頂面壁との間にゴム状の樹脂を充填したことを特徴とする請求項1に記載のトリガースイッチ。
【請求項4】
前記防水手段は、前記本体部及び前記頂面壁を含んで覆うことに加えて、前記トリガーレバーをガイドする上部レバーガイド部を覆い、且つ前記トリガーレバーと連動する摺動操作部を形成する摺動軸を覆う外部パッキンを兼ね備えた防水用パッキンであることを特徴とする請求項1に記載のトリガースイッチ。
【請求項5】
前記防水手段は、前記本体部及び前記頂面壁を含んで覆うことに加えて、前記トリガーレバーをガイドする上部レバーガイド部を覆うと共に、前記トリガーレバーをガイドする下部レバーガイド部を覆い、且つ前記トリガーレバーと連動する摺動操作部を形成する摺動軸を覆う外部パッキンを兼ね備えた防水用パッキンであることを特徴とする請求項1に記載のトリガースイッチ。
【請求項6】
ケースの上部位置に組込まれており、切替接片を備えた切替レバーの操作によりモータの正転・逆転を制御する切替操作部と、
ケースの下部位置に組込まれており、摺動回路基板に設けてある接触子と摺動する摺動子がトリガーレバーの操作に連動して動くように制御する摺動操作部と、
を備えたトリガースイッチであって、
前記摺動回路基板の接触子に水分が付着しないような防滴手段を施したことを特徴とするトリガースイッチ。
【請求項7】
前記防滴手段は、前記接触子に低抵抗の抵抗膜を施したことである請求項6に記載のトリガースイッチ。
【請求項8】
前記防滴手段は、前記接触子の間にスリットを施したことである請求項6に記載のトリガースイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−176949(P2010−176949A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16541(P2009−16541)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(301040796)佐鳥エス・テック株式会社 (26)
【出願人】(000137292)株式会社マキタ (1,210)
【Fターム(参考)】