説明

トリガ制御装置およびその方法

【課題】トリガのエラーを防ぐトリガ制御装置およびその方法を提供する。
【解決手段】トリガ制御装置10は、トリガ信号12を発信し、データ収集ホスト11に対応した機能を実行させるブルートゥース通信モジュール101と、ブルートゥース通信モジュール101と電気的に接続され、トリガ信号12の発信を制御する制御モジュール102と、ブルートゥース通信モジュール101と電気的に接続され、必要な電源を供給する電源供給モジュール103と、ブルートゥース通信モジュール101、制御モジュール102および電源供給モジュール103を収納し、データ収集ホスト11の接続部に接続されるハウジング20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリガ制御技術に関し、特に、ブルートゥース(登録商標)通信方式を利用し、データ収集ホストに対するトリガ制御を行う装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
データ収集ホストは、様々なデータへアクセスするために用い、トリガ制御装置と組み合わせて用いることが多い。よく見かけるデータ収集ホストとしては、バーコード・リーダーまたは携帯端末機がある。トリガ制御装置は、主にコンビニエンスストアの店員がデータ収集ホストの各機能を操作するために用いる。例えば、バーコード・リーダーは、バーコード(barcode)を読み取るために用い、数字1234を表すバーコードを読み取ると、1234を表すデジタルデータを受信する。また、携帯端末機は、バーコード・リーダーと似た機能を有し、一般にオペレーティング・ソフトウェアおよび記憶媒体が内蔵されている。そして、データ収集を行う際、記憶媒体の中にデータを記憶し、計算および管理を行うとともに、コンピュータでデータを比較したり、システムからデータを出力したりすることができるため、在庫の棚卸、出荷の確認などの作業を行うのに非常に適している。
【0003】
従来のデータ収集ホストに装着する手持ち式トリガ制御装置は、データ収集ホストをトリガし、データ収集を行うために、データ収集ホストのインタフェースに直接接続する必要があった。一般に、トリガ制御装置およびデータ収集ホストの本体には、連動手段(通信用配線など)を有する開口が設けられている。トリガ制御装置は、この連動手段によりデータ収集ホストと通信し、様々なデータ収集を行う。
【0004】
しかし、上述した従来の方式では、長期間使用した場合に連動手段が損壊してトリガにエラーが発生する虞があった。さらに、トリガ制御装置およびデータ収集ホストのそれぞれに設けられた開口から水、塵などが浸入してしまう虞もあった。
【0005】
そのため、上述した問題点を解決するため、従来技術には、赤外線通信方式または磁気感応方式を利用してデータ収集ホストをトリガし、所望の機能を実行するものがあった。
【0006】
しかし、トリガ制御装置のデータ収集ホストは、様々な状況や機能の必要に応じ、着脱および交換が頻繁に行われる。そのため、トリガ制御装置とデータ収集ホストとの間で着脱が頻繁に行われ、赤外線を受信する透明窓が磨耗して透過率が低下し、トリガのエラーまたは不良が発生する虞があった。
【0007】
さらに磁気感応方式でトリガを行う従来技術の場合、赤外線通信方式および通信配線で発生していた接触不良の問題を解決することができたが、依然として使用環境の影響を受け、データ収集ホストの感応に失敗したりデータ収集ホストにエラーが発生したりする虞があった。
【0008】
そのため、トリガ制御装置とデータ収集ホストとの間でトリガが失敗することを防ぐトリガ制御装置およびその方法が求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、接触不良または環境の影響によるトリガのエラーを防ぐトリガ制御装置およびその方法を提供することにある。
【0010】
本発明のもう一つの目的は、防水および防塵効果が高いトリガ制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、結合するデータ収集ホストに対応した機能を実行させるトリガ制御装置であって、トリガ信号を発信し、前記データ収集ホストに対応した機能を実行させるブルートゥース通信モジュールと、前記ブルートゥース通信モジュールと電気的に接続され、前記トリガ信号の発信を制御する制御モジュールと、前記ブルートゥース通信モジュールと電気的に接続され、必要な電源を供給する電源供給モジュールと、前記ブルートゥース通信モジュール、前記制御モジュールおよび前記電源供給モジュールを収納し、前記データ収集ホストの接続部に接続されるハウジングと、を備えることを特徴とするトリガ制御装置が提供される。
【0012】
また、前記ハウジングは、握持構造を有することが好ましい。
【0013】
また、前記制御モジュールは、起動信号を出力し、前記トリガ信号の発信を制御するキースイッチを有することが好ましい。
【0014】
本発明の第2の形態によれば、データ収集ホストとトリガ制御装置とを結合するトリガ制御方法であって、前記トリガ制御装置に内蔵したブルートゥース通信モジュールにより、前記トリガ制御装置と前記データ収集ホストとの通信を行うステップと、前記トリガ制御装置の制御モジュールにより、前記ブルートゥース通信モジュールからのトリガ信号の発信を制御するステップと、前記データ収集ホストが前記トリガ信号を受信すると、対応した機能を実行するステップと、を含むことを特徴とするトリガ制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明のトリガ制御装置およびその方法は、トリガ制御装置およびデータ収集ホストに通信配線用の開口を設ける必要がないため、防水および防塵効果が高い上、ブルートゥース通信を利用した無線トリガ方式により、データ収集ホストの作動が安定し、接触不良の問題やブルートゥース通信信号にノイズが入り難く、仕様環境の影響によりエラーが発生する虞もない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態によるデータ収集ホストを示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるトリガ制御装置をデータ収集ホストに接続するときの状態を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態によるデータ収集ホストの制御方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態によるデータ収集ホストを示す機能ブロック図である。本実施形態のトリガ制御装置は、対応した機能を実行するために、データ収集ホストに結合させる。図1に示すように、トリガ制御装置10は、対応する機能を実行するためにデータ収集ホスト11をトリガさせる。トリガ制御装置10は、ブルートゥース通信モジュール101、制御モジュール102および電源供給モジュール103を収納するハウジング20を少なくとも含む。制御モジュール102は、ブルートゥース通信モジュール101と電気的に接続され、電源供給モジュール103は、ブルートゥース通信モジュール101と電気的に接続され、トリガ制御装置10に必要な電源を供給する。ハウジング20は、ブルートゥース通信モジュール101、制御モジュール102および電源供給モジュール103を収納するために用いる。
【0019】
実際には、トリガ制御装置10の制御モジュール102により、ブルートゥース通信モジュール101からのトリガ信号12の発信を制御する。データ収集ホスト11がトリガ信号12を受信すると、対応した機能を実行する。図2は、本発明の一実施形態によるトリガ制御装置をデータ収集ホストへ接続するときの状態を示す模式図である。図2に示すように、トリガ制御装置10は、ブルートゥース通信モジュール202、制御モジュール201、電源供給モジュール203およびハウジング20を含む。図2に示すように、ハウジング20は、図2に示す態様だけに限定されるわけではなく、ユーザが握持可能な構造である限り他の態様にしてもよい。トリガ制御装置10のハウジング20は、接続部22またはその他の接続方式により、データ収集ホスト21の結合部213に対応するように接続してもよい。また、接続部22は爪部でもよい。ハウジング20には、制御モジュール201、ブルートゥース通信モジュール202および電源供給モジュール203が収納されている。本実施形態では、制御モジュール201はキースイッチを含んでもよく、電源供給モジュール203は充電式電池モジュールでもよく、データ収集ホスト21は、スキャン機能を実行するスキャンモジュール211でもよい。トリガ制御装置10は、充電式電池モジュールにより電源が供給されているが、他の実施形態では、変圧器を介して商用電源に接続された電源が供給されたり、或いは商用電源を利用して充電式電池モジュールが充電されたりしてもよい。
【0020】
実際には、前述のキースイッチをユーザが押圧することによりブルートゥース通信モジュール202を制御する。例えば、スイッチが押圧されるとトリガ信号が発信され、スイッチが押圧されないときにはトリガ信号が発信されない。データ収集ホスト21は、トリガ信号を受信すると、選択的に対応した機能を実行する。例えば、「スキャン」と表示されたキースイッチをユーザが押す場合、ブルートゥース通信モジュール202は、ブルートゥースプロトコルに準拠したトリガ信号を発信し、データ収集ホスト21がトリガ信号を受信すると、スキャンモジュール211がデータスキャンを実行する。
【0021】
他の実施形態では、データ収集ホスト21の中のスキャンモジュールを画像キャプチャモジュールに代え、画像キャプチャを実行してもよい。なお、当業者に知られているように、本発明の機能はデータスキャンまたは画像キャプチャだけに限定されるわけではなく、データ収集に関するその他の機能を実行してもよい。データ収集ホスト21が実行する機能は、ユーザ自らが設定することができる。即ち、本実施形態のデータ収集ホスト21は、予め設定さえしておけば如何なる機能でも実行することができる。
【0022】
図3は、本発明の一実施形態によるデータ収集ホストの制御方法を示す流れ図である。本実施形態のトリガ制御方法は、データ収集ホストにトリガ制御装置を結合させる。ステップS30において、トリガ制御装置に内蔵したブルートゥース通信モジュールにより、トリガ制御装置とデータ収集ホストとの通信を行う。続いて、ステップS31において、トリガ制御装置の制御モジュールにより、ブルートゥースモジュールからのトリガ信号の発信を制御する。最後に、ステップS32において、データ収集ホストがトリガ信号を受信すると、対応した機能を実行する。
【0023】
本発明のトリガ制御装置およびその方法は、ブルートゥース通信方式により、トリガ制御装置からトリガ制御装置が結合されたデータ収集ホストへトリガ信号を送信し、データ収集ホストが対応する機能を実行する。さらに、トリガ制御装置とデータ収集ホストとの間には開口または連動手段が全く存在しないため、従来技術のように環境の影響によるトリガのエラーが起きない上、トリガ制御装置の防水および防塵効果を高くすることができる。
【0024】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0025】
10 トリガ制御装置
11 データ収集ホスト
12 トリガ信号
20 ハウジング
21 データ収集ホスト
22 接続部
101 ブルートゥース通信モジュール
102 制御モジュール
103 電源供給モジュール
201 制御モジュール
202 ブルートゥース通信モジュール
203 電源供給モジュール
211 スキャンモジュール
213 結合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結合するデータ収集ホストに対応した機能を実行させるトリガ制御装置であって、
トリガ信号を発信し、前記データ収集ホストに対応した機能を実行させるブルートゥース通信モジュールと、
前記ブルートゥース通信モジュールと電気的に接続され、前記トリガ信号の発信を制御する制御モジュールと、
前記ブルートゥース通信モジュールと電気的に接続され、必要な電源を供給する電源供給モジュールと、
前記ブルートゥース通信モジュール、前記制御モジュールおよび前記電源供給モジュールを収納し、前記データ収集ホストの接続部に接続されるハウジングと、を備えることを特徴とするトリガ制御装置。
【請求項2】
前記ハウジングは、握持構造を有することを特徴とする請求項1に記載のトリガ制御装置。
【請求項3】
前記制御モジュールは、起動信号を出力し、前記トリガ信号の発信を制御するキースイッチを有することを特徴とする請求項1に記載のトリガ制御装置。
【請求項4】
データ収集ホストとトリガ制御装置とを結合するトリガ制御方法であって、
前記トリガ制御装置に内蔵したブルートゥース通信モジュールにより、前記トリガ制御装置と前記データ収集ホストとの通信を行うステップと、
前記トリガ制御装置の制御モジュールにより、前記ブルートゥース通信モジュールからのトリガ信号の発信を制御するステップと、
前記データ収集ホストが前記トリガ信号を受信すると、対応した機能を実行するステップと、を含むことを特徴とするトリガ制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−40026(P2011−40026A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217301(P2009−217301)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(507028952)亞旭電腦股▲ふん▼有限公司 (44)
【Fターム(参考)】