説明

トロンビン受容体アンタゴニストとしての新規なヘテロアリールペプチド模倣物

本発明は、血栓症、再狭窄、高血圧症、心不全、不整脈、炎症、狭心症、発作、アテローム性動脈硬化症、虚血性症状、血管新生および関連障害、癌ならびに神経変性障害と関連する疾患の処置のためにトロンビン受容体アンタゴニストとして有用な新規なヘテロアリールペプチド模倣化合物に関する。本発明の置換されたヘテロアリールペプチド模倣物を含んでなる製薬学的組成物およびトロンビン受容体により媒介される症状を処置する方法もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、引用することにより本明細書に組み込まれる、2002年12月23日に出願された仮特許出願60/436,130からの利益を請求する。
【0002】
本発明は、ある種の新規なトロンビン受容体アンタゴニスト、それらの合成、ならびに血栓症、再狭窄、高血圧症、心不全、不整脈、炎症、狭心症、発作、アテローム性動脈硬化症、虚血性症状、血管新生および関連障害、癌ならびに神経変性障害と関連する疾患の処置のためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
トロンビンは、止血および血栓症における重要なセリンプロテアーゼである。トロンビンの重要な作用の1つは、受容体活性化による細胞調節である。1991年にCoughlinによりクローン化された(非特許文献1)機能性ヒトトロンビン受容体(PAR−1)は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)スーパーファミリーのメンバーであることが見出された。受容体活性化は、N末端認識およびトランケーションされたN末端をさらすArg−41/Ser−42ペプチド結合でのタンパク質分解切断により起こるとみられる。受容体上のある部位を認識するための係留リガンドとして作用するSFLLRN(Ser−Phe−Leu−Leu−Arg−Asn)N末端を有するこの新しい受容体配列は、活性化および血小板凝集をもたらすシグナル伝達を引き起こすことができる。1991年以来、トロンビン受容体と多大な相同性を有する3つの他のプロテアーゼ活性化受容体、「PAR−2」(非特許文献2)、「PAR−3」(非特許文献3)および「PAR−4」(非特許文献4)がクローン化されている。トロンビン受容体(PAR−1)特異的抗体により誘導される血小板トロンビン受容体の遮断は、インビボで動脈血栓症に対する効能を示している(非特許文献5)。従って、トロンビン受容体(PAR−1)のアンタゴニストは、これらのプロテアーゼ活性化受容体を遮断するのに有用であり、そしてそのようなものとして心筋梗塞、発作、再狭窄、狭心症、アテローム性動脈硬化症および虚血性症状のような血小板により媒介される血栓性障害を処置するために用いることができる。
【0004】
トロンビン受容体(PAR−1)はまた、他の細胞タイプ:内皮、繊維芽細胞、腎臓、骨肉種、平滑筋、筋細胞、腫瘍およびニューロン/神経膠上でも同定されている。内皮細胞のトロンビン活性化は、P−セレクチンをアップレギュレーションして血管壁の炎症反応である多形核白血球接着を誘導する(非特許文献6)。繊維芽細胞において、トロンビン受容体(PAR−1)活性化は、増殖およびマイトジェンシグナルの伝達を誘導する(非特許文献7)。トロンビンは、骨芽細胞のその活性化によって骨芽細胞増殖に関与するとされている(非特許文献8)。トロンビンは、ニューロンの調節および退縮に関与するとされている(非特許文献9)。従って、これに関連して、本発明のアンタゴニスト化合物はまた、炎症、骨粗鬆症、血管新生および関連障害、癌、神経変性障害、高血圧症、心不全、不整脈、糸球体腎炎に対しても有用であることができる。
【0005】
特許文献1において、インドールおよびインダゾール尿素ペプトイドが、トロンビン受容体アンタゴニストとして開示されている。開示される化合物の一般構造は:
【0006】
【化1】

【0007】
である。
【0008】
特許文献2において、新規なインダゾールペプチド模倣化合物が、トロンビン受容体アンタゴニストとして開示されている。開示される化合物の一般構造は:
【0009】
【化2】

【0010】
である。
【0011】
特許文献3において、新規なインドールペプチド模倣化合物が、トロンビン受容体アンタゴニストとして開示されている。開示される化合物の一般構造は:
【0012】
【化3】

【0013】
である。
【0014】
特許文献4において、新規なベンズイミダゾロンペプチド模倣化合物が、トロンビン受容体アンタゴニストとして開示されている。開示される化合物の一般構造は:
【0015】
【化4】

【0016】
である。
【0017】
上記の国際出願に開示されるインドールに基づくペプチド模倣物はまた、非特許文献10にも記述されている。
【0018】
同様に、上記の国際出願に開示されるインドールおよびインダゾールに基づく化合物はまた、非特許文献11にもトロンビン受容体アンタゴニストとして記述されている。
【0019】
本発明の化合物は、以下の一般式(I)により表されるヘテロアリールペプチド模倣物の構造的に新規な種類である。
【特許文献1】国際公開第 01/00576号パンフレット
【特許文献2】国際公開第 01/00656号パンフレット
【特許文献3】国際公開第 01/00657号パンフレット
【特許文献4】国際公開第 01/00659号パンフレット
【非特許文献1】T.−K.Vu,Cell 1991,64,1057
【非特許文献2】S.Nystedt,Proc.Natl.Acad.Sci USA 1994,91,9208
【非特許文献3】H.Ishihara,Nature 1997,386,502
【非特許文献4】W.−F.Xu,Proc.Natl.Acad.Sci USA 1998,95,6642
【非特許文献5】J.J.Cook Circulation 1995,91,2961
【非特許文献6】Y.Sugama,J.Cell Biol.1992,119,935
【非特許文献7】D.T.Hung,J.Cell Biol.1992,116,827
【非特許文献8】D.N.Tatakis,Biochem.Biophys.Res.Commun.1991,174,181
【非特許文献9】K.Jalink,J.Cell.Biol.1992,118,411
【非特許文献10】Zhang,H−C et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.2001,11,2105−2109
【非特許文献11】Zhang,H−C et al.J.Med.Chem.2001,44,1021−1024
【発明の開示】
【0020】
本発明は、以下の一般式(I):
【0021】
【化5】

【0022】
[式中、
、AおよびAは、各々独立して、アラニン、β−アラニン、アルギニン、ホモアルギニン、シクロヘキシルアラニン、シトルリン、システイン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、2,4−ジアミノ酪酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、2,3−ジアミノプロピオン酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、グルタミン、グリシン、インダニルグリシン、リシン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、MeC(NH)−で置換されていてもよい)、バリン、メチオニン、プロリン、セリン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、ホモセリン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、テトラヒドロイソキノリン−3−COOH、トレオニン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、オルニチン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、MeC(NH)−で置換されていてもよい);およびフェニルアラニン、ヘテロアリールアラニン、ナフチルアラニン、ホモフェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファン、チロシン、アリールグリシン、ヘテロアリールグリシン、アリール−β−アラニンおよびヘテロアリール−β−アラニンよりなる群から選択される非置換のもしくは置換された芳香族アミノ酸よりなる群から選択されるD−もしくはL−アミノ酸であり、ここで、芳香族アミノ酸上の置換基は、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、アミノ、アミジノ、グアニジノ、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、アルキニルもしくはニトロの1つもしくはそれ以上から選択され;
およびRは、各々独立して、水素、C〜Cアルキル、ar(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ar(C〜C)アルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ar(C〜C)アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、ar(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ジar(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルコキシカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキルカルボニル、ヘテロアリールアミノカルボニル、ジヘテロアリールアミノカルボニルおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ジヘテロアリール(C〜C)アルキルアミノカルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルは、場合によりハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アミノおよびニトロの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよく;RおよびRは、pが1である場合にはAもしくはpが0である場合にはAのN末端に共有結合しており;
好ましくは、Rは水素であり;
好ましくは、Rは水素、C〜Cアルキル、アリールオキシカルボニル、ar(C〜C)アルコキシカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、ar(C〜C)アルキルカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、ar(C〜Cアルコキシ)カルボニルおよびヘテロシクリルカルボニルから選択され;
は水素もしくはC〜Cアルキルから選択され;好ましくは、Rは水素であり;
は非置換のもしくは置換されたアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C〜C)アルキルから選択され、ここで、アリール、arC〜Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C〜C)アルキル基上の置換基は、独立して、ハロゲン、ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルの1つもしくはそれ以上から選択され;
好ましくは、Rは非置換のもしくは置換されたアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくはヘテロアリールから選択され(ここで、アリール、アラルキル、シクロアルキルもしくはヘテロアリール基上の置換基は、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルから選択される1〜3個の置換基から選択され;
はアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキル−N−メチルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ(C〜C)アルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルケニル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択され;
好ましくは、Rはアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜CアルコキシC〜Cアルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択され;
XはNもしくはCであり;
YはN、Cもしくは−CO−であり;
ただし、YがNである場合には、XはCでありそしてXとYの間に二重結合があり;また、YがCである場合には、XはCでありそしてXとYの間に二重結合があり;そしてまた、Yが−CO−である場合には、XがNでありそしてXとYの間に単結合があり;
mは0、1、2もしくは3から選択される整数であり;
nは1もしくは2から選択される整数であり;
pは0もしくは1から選択される整数であり;好ましくは、pは0であり;
好ましくは、−N(R)−A−A−(A−R(R)の結合点は、コア複素環の5もしくは6位であり;より好ましくは、結合点は6位である]
により表される構造的に新規な化合物、ならびにその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物および製薬学的に許容しうる塩に関する。
【0023】
本発明の好ましい態様は、以下の一般式(II):
【0024】
【化6】

【0025】
[式中、
、AおよびAは、各々独立して、アラニン、β−アラニン、アルギニン、ホモアルギニン、シクロヘキシルアラニン、シトルリン、システイン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、2,4−ジアミノ酪酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、2,3−ジアミノプロピオン酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、グルタミン、グリシン、インダニルグリシン、リシン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、MeC(NH)−で置換されていてもよい)、バリン、メチオニン、プロリン、セリン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、ホモセリン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、テトラヒドロイソキノリン−3−COOH、トレオニン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、オルニチン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、MeC(NH)−で置換されていてもよい);およびフェニルアラニン、ヘテロアリールアラニン、ナフチルアラニン、ホモフェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファン、チロシン、アリールグリシン、ヘテロアリールグリシン、アリール−β−アラニンおよびヘテロアリール−β−アラニンよりなる群から選択される非置換のもしくは置換された芳香族アミノ酸よりなる群から選択されるD−もしくはL−アミノ酸であり、ここで、芳香族アミノ酸上の置換基は、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、アミノ、アミジノ、グアニジノ、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、アルキニルもしくはニトロの1つもしくはそれ以上から選択され;
およびRは、各々独立して、水素、C〜Cアルキル、ar(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ar(C〜C)アルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ar(C〜C)アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、ar(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ジar(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルコキシカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキルカルボニル、ヘテロアリールアミノカルボニル、ジヘテロアリールアミノカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジヘテロアリール(C〜C)アルキルアミノカルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルは、場合によりハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アミノおよびニトロの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよく;RおよびRは、pが1である場合にはAもしくはpが0である場合にはAのN末端に共有結合しており;
好ましくは、Rは水素であり;
好ましくは、Rは水素、C〜Cアルキル、アリールオキシカルボニル、ar(C〜C)アルコキシカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、ar(C〜C)アルキルカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、ar(C〜Cアルコキシ)カルボニルおよびヘテロシクリルカルボニルから選択され;
は水素もしくはC〜Cアルキルから選択され;好ましくは、Rは水素であり;
は非置換のもしくは置換されたアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C〜C)アルキルから選択され、ここで、アリール、arC〜Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C〜C)アルキル基上の置換基は、独立して、ハロゲン、ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルの1つもしくはそれ以上から選択され;
好ましくは、Rは非置換のもしくは置換されたアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくはヘテロアリールから選択され、ここで、アリール、アラルキル、シクロアルキルもしくはヘテロアリール基上の置換基は、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルから選択される1〜3個の置換基から選択され;
はアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキル−N−メチルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ(C〜C)アルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルケニル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択され;
好ましくは、Rはアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜CアルコキシC〜Cアルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択され;
mは0、1、2もしくは3から選択される整数であり;
nは1もしくは2から選択される整数であり;
pは0もしくは1から選択される整数であり;好ましくは、pは0であり;
好ましくは、−N(R)−A−A−(A−R(R)の結合点は、コア複素環の5もしくは6位であり;より好ましくは、結合点は6位である]
により表される構造的に新規な化合物、ならびにその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物および製薬学的に許容しうる塩に関する。
【0026】
本発明の別の好ましい態様は、以下の一般式(III):
【0027】
【化7】

【0028】
[式中、
、AおよびAは、各々独立して、アラニン、β−アラニン、アルギニン、ホモアルギニン、シクロヘキシルアラニン、シトルリン、システイン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、2,4−ジアミノ酪酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、2,3−ジアミノプロピオン酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、グルタミン、グリシン、インダニルグリシン、リシン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、MeC(NH)−で置換されていてもよい)、バリン、メチオニン、プロリン、セリン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、ホモセリン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、テトラヒドロイソキノリン−3−COOH、トレオニン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、オルニチン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、MeC(NH)−で置換されていてもよい);およびフェニルアラニン、ヘテロアリールアラニン、ナフチルアラニン、ホモフェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファン、チロシン、アリールグリシン、ヘテロアリールグリシン、アリール−β−アラニンおよびヘテロアリール−β−アラニンよりなる群から選択される非置換のもしくは置換された芳香族アミノ酸よりなる群から選択されるD−もしくはL−アミノ酸であり、ここで、芳香族アミノ酸上の置換基は、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、アミノ、アミジノ、グアニジノ、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、アルキニルもしくはニトロの1つもしくはそれ以上から選択され;
およびRは、各々独立して、水素、C〜Cアルキル、ar(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ar(C〜C)アルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ar(C〜C)アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、ar(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ジar(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルコキシカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキルカルボニル、ヘテロアリールアミノカルボニル、ジヘテロアリールアミノカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジヘテロアリール(C〜C)アルキルアミノカルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルは、場合によりハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アミノおよびニトロの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよく;RおよびRは、pが1である場合にはAもしくはpが0である場合にはAのN末端に共有結合しており;
好ましくは、Rは水素であり;
好ましくは、Rは水素、C〜Cアルキル、アリールオキシカルボニル、ar(C〜C)アルコキシカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、ar(C〜C)アルキルカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、ar(C〜Cアルコキシ)カルボニルおよびヘテロシクリルカルボニルから選択され;
は水素もしくはC〜Cアルキルから選択され;好ましくは、Rは水素であり;
は非置換のもしくは置換されたアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C〜C)アルキルから選択され、ここで、アリール、arC〜Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C〜C)アルキル基上の置換基は、独立して、ハロゲン、ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルの1つもしくはそれ以上から選択され;
好ましくは、Rは非置換のもしくは置換されたアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくはヘテロアリールから選択され、ここで、アリール、アラルキル、シクロアルキルもしくはヘテロアリール基上の置換基は、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルから選択される1〜3個の置換基から選択され;
はアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキル−N−メチルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ(C〜C)アルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルケニル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択され;
好ましくは、Rはアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜CアルコキシC〜Cアルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択され;
mは0、1、2もしくは3から選択される整数であり;
nは1もしくは2から選択される整数であり;
pは0もしくは1から選択される整数であり;好ましくは、pは0であり;
好ましくは、−N(R)−A−A−(A−R(R)の結合点は、コア複素環の5もしくは6位であり;より好ましくは、結合点は6位である]
により表される構造的に新規な化合物、ならびにその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物および製薬学的に許容しうる塩に関する。
【0029】
本発明のさらに別の好ましい態様は、以下の一般式(IV):
【0030】
【化8】

【0031】
[式中、
、AおよびAは、各々独立して、アラニン、β−アラニン、アルギニン、ホモアルギニン、シクロヘキシルアラニン、シトルリン、システイン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、2,4−ジアミノ酪酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、2,3−ジアミノプロピオン酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、グルタミン、グリシン、インダニルグリシン、リシン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、MeC(NH)−で置換されていてもよい)、バリン、メチオニン、プロリン、セリン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、ホモセリン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、テトラヒドロイソキノリン−3−COOH、トレオニン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、オルニチン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、MeC(NH)−で置換されていてもよい);およびフェニルアラニン、ヘテロアリールアラニン、ナフチルアラニン、ホモフェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファン、チロシン、アリールグリシン、ヘテロアリールグリシン、アリール−β−アラニンおよびヘテロアリール−β−アラニンよりなる群から選択される非置換のもしくは置換された芳香族アミノ酸よりなる群から選択されるD−もしくはL−アミノ酸であり、ここで、芳香族アミノ酸上の置換基は、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、アミノ、アミジノ、グアニジノ、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、アルキニルもしくはニトロの1つもしくはそれ以上から選択され;
およびRは、各々独立して、水素、C〜Cアルキル、ar(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ar(C〜C)アルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ar(C〜C)アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、ar(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ジar(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルコキシカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキルカルボニル、ヘテロアリールアミノカルボニル、ジヘテロアリールアミノカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジヘテロアリール(C〜C)アルキルアミノカルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルは、場合によりハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アミノおよびニトロの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよく;RおよびRは、pが1である場合にはAもしくはpが0である場合にはAのN末端に共有結合しており;
好ましくは、Rは水素であり;
好ましくは、Rは水素、C〜Cアルキル、アリールオキシカルボニル、ar(C〜C)アルコキシカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、ar(C〜C)アルキルカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、ar(C〜Cアルコキシ)カルボニルおよびヘテロシクリルカルボニルから選択され;
は水素もしくはC〜Cアルキルから選択され;好ましくは、Rは水素であり;
は非置換のもしくは置換されたアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C〜C)アルキルから選択され、ここで、アリール、arC〜Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C〜C)アルキル基上の置換基は、独立して、ハロゲン、ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルの1つもしくはそれ以上から選択され;
好ましくは、Rは非置換のもしくは置換されたアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくはヘテロアリールから選択され、ここで、アリール、アラルキル、シクロアルキルもしくはヘテロアリール基上の置換基は、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルから選択される1〜3個の置換基から選択され;
はアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキル−N−メチルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ(C〜C)アルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルケニル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択され;
好ましくは、Rはアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜CアルコキシC〜Cアルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択され;
mは0、1、2もしくは3から選択される整数であり;
nは1もしくは2から選択される整数であり;
pは0もしくは1から選択される整数であり;好ましくは、pは0であり;
好ましくは、−N(R)−A−A−(A−R(R)の結合点は、コア複素環の5もしくは6位であり;より好ましくは、結合点は6位である]
により表される構造的に新規な化合物、ならびにその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物および製薬学的に許容しうる塩に関する。
【0032】
本発明の例は、製薬学的に許容しうる担体および上記の化合物のいずれかを含んでなる製薬学的組成物である。本発明を説明するのは、上記の化合物のいずれかおよび製薬学的に許容しうる担体を混合することにより製造される製薬学的組成物である。本発明の例は、上記の化合物のいずれかおよび製薬学的に許容しうる担体を混合することを含んでなる製薬学的組成物を製造する方法である。
【0033】
本発明の例は、上記の化合物もしくは製薬学的組成物のいずれかの治療的に有効な量を患者に投与することを含んでなる処置を必要とする患者における動脈および/もしくは静脈血栓症、急性心筋梗塞、血栓溶解療法および/もしくは血管形成術後の再閉塞、炎症、不安定狭心症、発作、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、虚血性症状、高血圧症、心不全、不整脈、糸球体腎炎、骨粗鬆症、血管新生および関連障害、癌、神経変性障害ならびに様々な血管閉塞性障害から選択される障害(好ましくは、血小板により媒介される血栓性障害)を処置する方法である。好ましい態様として、化合物の治療的に有効な量は、約0.1mg/kg/日〜約300mg/kg/日である。
【0034】
また、本発明には、処置を必要とする患者における動脈および/もしくは静脈血栓症、急性心筋梗塞、血栓溶解療法および/もしくは血管形成術後の再閉塞、炎症、不安定狭心症、発作、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、虚血性症状、高血圧症、心不全、不整脈、糸球体腎炎、骨粗鬆症、血管新生および関連障害、癌、神経変性障害または様々な血管閉塞性障害から選択される障害(好ましくは、血小板により媒介される血栓性障害)用の薬剤の製造のための上記の化合物のいずれかの使用が包含される。
[発明の詳細な記述]
本発明は、以下の一般式(I):
【0035】
【化9】

【0036】
[式中、
、AおよびAは、各々独立して、アラニン、β−アラニン、アルギニン、ホモアルギニン、シクロヘキシルアラニン、シトルリン、システイン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、2,4−ジアミノ酪酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、2,3−ジアミノプロピオン酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、グルタミン、グリシン、インダニルグリシン、リシン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、MeC(NH)−で置換されていてもよい)、バリン、メチオニン、プロリン、セリン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、ホモセリン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、テトラヒドロイソキノリン−3−COOH、トレオニン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、オルニチン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、MeC(NH)−で置換されていてもよい);およびフェニルアラニン、ヘテロアリールアラニン、ナフチルアラニン、ホモフェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファン、チロシン、アリールグリシン、ヘテロアリールグリシン、アリール−β−アラニンおよびヘテロアリール−β−アラニンよりなる群から選択される非置換のもしくは置換された芳香族アミノ酸よりなる群から選択されるD−もしくはL−アミノ酸であり、ここで、芳香族アミノ酸上の置換基は、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、アミノ、アミジノ、グアニジノ、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、アルキニルもしくはニトロの1つもしくはそれ以上から選択され;
およびRは、各々独立して、水素、C〜Cアルキル、ar(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ar(C〜C)アルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ar(C〜C)アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、ar(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ジar(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルコキシカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキルカルボニル、ヘテロアリールアミノカルボニル、ジヘテロアリールアミノカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジヘテロアリール(C〜C)アルキルアミノカルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルは、場合によりハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アミノおよびニトロの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよく;RおよびRは、pが1である場合にはAのN末端にまたはpが0である場合にはAのN末端に共有結合しており;
好ましくは、Rは水素であり;
好ましくは、Rは水素、C〜Cアルキル、アリールオキシカルボニル、ar(C〜C)アルコキシカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、ar(C〜C)アルキルカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、ar(C〜Cアルコキシ)カルボニルおよびヘテロシクリルカルボニルから選択され;
は水素もしくはC〜Cアルキルから選択され;好ましくは、Rは水素であり;
は非置換のもしくは置換されたアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C〜C)アルキルから選択され、ここで、アリール、arC〜Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C〜C)アルキル基上の置換基は、独立して、ハロゲン、ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルの1つもしくはそれ以上から選択され;
好ましくは、Rは非置換のもしくは置換されたアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくはヘテロアリールから選択され、ここで、アリール、アラルキル、シクロアルキルもしくはヘテロアリール基上の置換基は、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルから選択される1〜3個の置換基から選択され;
はアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキル−N−メチルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ(C〜C)アルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルケニル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択され;
好ましくは、Rはアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜CアルコキシC〜Cアルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択され;
XはNもしくはCであり;
YはN、Cもしくは−CO−であり;
ただし、YがNである場合には、XはCでありそしてXとYの間に二重結合があり;また、YがCである場合には、XはCでありそしてXとYの間に二重結合があり;そしてまた、Yが−CO−である場合には、XはNでありそしてXとYの間に単結合があり;
mは0、1、2もしくは3から選択される整数であり;
nは1もしくは2から選択される整数であり;
pは0もしくは1から選択される整数であり;好ましくは、pは0であり;
好ましくは、−N(R)−A−A−(A−R(R)の結合点は、コア複素環の5もしくは6位であり;より好ましくは、結合点は6位である]
により表される構造的に新規な化合物、ならびにその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物および製薬学的に許容しうる塩に関する。
【0037】
式(I)の好ましい化合物は、下記のものである:
(1)Aがフェニルアラニン、シクロヘキシルアラニン、アラニン、β−アラニン、ヘテロアリールアラニン、ナフチルアラニン、ホモフェニルアラニン、アリールグリシン、ヘテロアリールグリシン、アリール−β−アラニンおよびヘテロアリール−β−アラニンよりなる群から選択される非置換のもしくは置換されたアミノ酸残基であり、ここで、アミノ酸上の置換基は、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、アミノ、アミジノ、グアニジノ、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、アルキニルもしくはニトロの1つもしくはそれ以上から選択される;
(2)より好ましくは、Aがフェニルアラニン、シクロヘキシルアラニンおよびヘテロアリールアラニンよりなる群から選択される非置換のもしくは置換されたアミノ酸残基であり、ここで、アミノ酸上の置換基は、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、アミノ、アミジノ、グアニジノ、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、アルキニルもしくはニトロの1つもしくはそれ以上から選択される;
(3)さらにより好ましくは、Aがフェニルアラニン、シクロヘキシルアラニンおよびヘテロアリールアラニンよりなる群から選択される非置換のアミノ酸残基である;
(4)最も好ましくは、Aがフェニルアラニンもしくはシクロヘキシルアラニンである;
(5)Aがアルギニン、ホモアルギニン、2,4−ジアミノ酪酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、2,3−ジアミノプロピオン酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、グルタミンおよびリシン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)よりなる群から選択されるアミノ酸である;
(6)好ましくは、Aがアルギニン、ホモアルギニン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、グルタミンおよびリシンよりなる群から選択されるアミノ酸である;
(7)より好ましくは、Aがアルギニンである;
(8)Rが水素である;
(9)Rが水素、C〜Cアルキル、アリールオキシカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、ar(C〜Cアルコキシ)カルボニルおよびヘテロシクリルカルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルは、場合によりハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよい;
(10)より好ましくは、RがC〜Cアルキルカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールアミノカルボニルおよびar(C〜Cアルコキシ)カルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルは、場合によりハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよい;
(11)最も好ましくは、Rがアセチル、Fmocおよびp−メトキシフェニルアミノカルボニルから選択される;
(12)Rが水素である;
(13)Rが置換されたアリールであり、ここで、アリール上の置換基は、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルから選択される1〜3個の置換基から選択される;
(14)より好ましくは、Rが置換されたアリールであり、ここで、アリール上の置換基は、1〜3個のハロゲン置換基である;
(15)最も好ましくは、Rが4−フルオロフェニルである;
(16)Rがアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜CアルコキシC〜Cアルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択される;
(17)好ましくは、RがC〜CアルキルアミノもしくはC〜Cシクロアルキルアミノである;
(18)mが1である;
(19)nが1である;
(20)pが0である;ならびに上記の(1)〜(20)の組み合わせ。
【0038】
本発明の好ましい態様は、以下の一般式(II):
【0039】
【化10】

【0040】
[式中、
、AおよびAは、各々独立して、アラニン、β−アラニン、アルギニン、ホモアルギニン、シクロヘキシルアラニン、シトルリン、システイン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、2,4−ジアミノ酪酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、2,3−ジアミノプロピオン酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、グルタミン、グリシン、インダニルグリシン、リシン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、MeC(NH)−で置換されていてもよい)、バリン、メチオニン、プロリン、セリン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、ホモセリン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、テトラヒドロイソキノリン−3−COOH、トレオニン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、オルニチン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、MeC(NH)−で置換されていてもよい);およびフェニルアラニン、ヘテロアリールアラニン、ナフチルアラニン、ホモフェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファン、チロシン、アリールグリシン、ヘテロアリールグリシン、アリール−β−アラニンおよびヘテロアリール−β−アラニンよりなる群から選択される非置換のもしくは置換された芳香族アミノ酸よりなる群から選択されるD−もしくはL−アミノ酸であり、ここで、芳香族アミノ酸上の置換基は、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、アミノ、アミジノ、グアニジノ、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、アルキニルもしくはニトロの1つもしくはそれ以上から選択され;
およびRは、各々独立して、水素、C〜Cアルキル、ar(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ar(C〜C)アルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ar(C〜C)アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、ar(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ジar(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルコキシカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキルカルボニル、ヘテロアリールアミノカルボニル、ジヘテロアリールアミノカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジヘテロアリール(C〜C)アルキルアミノカルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルは、場合によりハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アミノおよびニトロの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよく;RおよびRは、pが1である場合にはAもしくはpが0である場合にはAのN末端に共有結合しており;
好ましくは、Rは水素であり;
好ましくは、Rは水素、C〜Cアルキル、アリールオキシカルボニル、ar(C〜C)アルコキシカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、ar(C〜C)アルキルカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、ar(C〜Cアルコキシ)カルボニルおよびヘテロシクリルカルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルは、場合によりハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよく;
は水素もしくはC〜Cアルキルから選択され;好ましくは、Rは水素であり;
は非置換のもしくは置換されたアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C〜C)アルキルから選択され、ここで、アリール、arC〜Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C〜C)アルキル基上の置換基は、独立して、ハロゲン、ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルの1つもしくはそれ以上から選択され;
好ましくは、Rは非置換のもしくは置換されたアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくはヘテロアリールから選択され、ここで、アリール、アラルキル、シクロアルキルもしくはヘテロアリール基上の置換基は、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルから選択される1〜3個の置換基から選択され;
はアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキル−N−メチルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ(C〜C)アルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルケニル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択され;
好ましくは、Rはアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜CアルコキシC〜Cアルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択され;
mは0、1、2もしくは3から選択される整数であり;
nは1もしくは2から選択される整数であり;
好ましくは、−N(R)−A−A−(A−R(R)の結合点は、コア複素環の5もしくは6位であり;より好ましくは、結合点は6位である]
により表される構造的に新規な化合物、ならびにその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物および製薬学的に許容しうる塩に関する。
【0041】
式(II)の好ましい化合物は、下記のものである:
(1)Aがフェニルアラニン、シクロヘキシルアラニン、アラニン、β−アラニン、ヘテロアリールアラニン、ナフチルアラニン、ホモフェニルアラニン、アリールグリシン、ヘテロアリールグリシン、アリール−β−アラニンおよびヘテロアリール−β−アラニンよりなる群から選択される非置換のもしくは置換されたアミノ酸残基であり、ここで、アミノ酸上の置換基は、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、アミノ、アミジノ、グアニジノ、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、アルキニルもしくはニトロの1つもしくはそれ以上から選択される;
(2)より好ましくは、Aがフェニルアラニン、シクロヘキシルアラニンおよびヘテロアリールアラニンよりなる群から選択される非置換のもしくは置換されたアミノ酸残基であり、ここで、アミノ酸上の置換基は、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、アミノ、アミジノ、グアニジノ、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、アルキニルもしくはニトロの1つもしくはそれ以上から選択される;
(3)さらにより好ましくは、Aがフェニルアラニン、シクロヘキシルアラニンおよびヘテロアリールアラニンよりなる群から選択される非置換のアミノ酸残基である;
(4)最も好ましくは、Aがフェニルアラニンもしくはシクロヘキシルアラニンである;
(5)Aがアルギニン、ホモアルギニン、2,4−ジアミノ酪酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、2,3−ジアミノプロピオン酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、グルタミンおよびリシン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)よりなる群から選択されるアミノ酸である;
(6)好ましくは、Aがアルギニン、ホモアルギニン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、グルタミンおよびリシンよりなる群から選択されるアミノ酸である;
(7)より好ましくは、Aがアルギニンである;
(8)Rが水素である;
(9)Rが水素、C〜Cアルキル、アリールオキシカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、ar(C〜Cアルコキシ)カルボニルおよびヘテロシクリルカルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルは、場合によりハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよい;
(10)より好ましくは、RがC〜Cアルキルカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールアミノカルボニルおよびar(C〜Cアルコキシ)カルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルが、場合によりハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよい;
(11)最も好ましくは、Rがアセチル、Fmocおよびp−メトキシフェニルアミノカルボニルから選択される;
(12)Rが水素である;
(13)Rが置換されたアリールであり、ここで、アリール上の置換基は、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルから選択される1〜3個の置換基から選択される;
(14)より好ましくは、Rが置換されたアリールであり、ここで、アリール上の置換基は、1〜3個のハロゲン置換基である;
(15)最も好ましくは、Rが4−フルオロフェニルである;
(16)Rがアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜CアルコキシC〜Cアルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択される;
(17)好ましくは、RがC〜CアルキルアミノもしくはC〜Cシクロアルキルアミノである;
(18)mが1である;
(19)nが1である;
(20)pが0である;ならびに上記の(1)〜(20)の組み合わせ。
【0042】
本発明の別の好ましい態様は、以下の一般式(III):
【0043】
【化11】

【0044】
[式中、
、AおよびAは、各々独立して、アラニン、β−アラニン、アルギニン、ホモアルギニン、シクロヘキシルアラニン、シトルリン、システイン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、2,4−ジアミノ酪酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、2,3−ジアミノプロピオン酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、グルタミン、グリシン、インダニルグリシン、リシン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、MeC(NH)−で置換されていてもよい)、バリン、メチオニン、プロリン、セリン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、ホモセリン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、テトラヒドロイソキノリン−3−COOH、トレオニン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、オルニチン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、MeC(NH)−で置換されていてもよい);およびフェニルアラニン、ヘテロアリールアラニン、ナフチルアラニン、ホモフェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファン、チロシン、アリールグリシン、ヘテロアリールグリシン、アリール−β−アラニンおよびヘテロアリール−β−アラニンよりなる群から選択される非置換のもしくは置換された芳香族アミノ酸よりなる群から選択されるD−もしくはL−アミノ酸であり、ここで、芳香族アミノ酸上の置換基は、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、アミノ、アミジノ、グアニジノ、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、アルキニルもしくはニトロの1つもしくはそれ以上から選択され;
およびRは、各々独立して、水素、C〜Cアルキル、ar(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ar(C〜C)アルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ar(C〜C)アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、ar(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ジar(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルコキシカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキルカルボニル、ヘテロアリールアミノカルボニル、ジヘテロアリールアミノカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキルアミノカルボニルおよびジヘテロアリール(C〜C)アルキルアミノカルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルは、場合によりハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アミノおよびニトロの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよく;RおよびRは、pが1である場合にはAもしくはpが0である場合にはAのN末端に共有結合しており;
好ましくは、Rは水素であり;
好ましくは、Rは水素、C〜Cアルキル、アリールオキシカルボニル、ar(C〜C)アルコキシカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、ar(C〜C)アルキルカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、ar(C〜Cアルコキシ)カルボニルおよびヘテロシクリルカルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルは、場合によりハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよく;
は水素もしくはC〜Cアルキルから選択され;好ましくは、Rは水素であり;
は非置換のもしくは置換されたアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C〜C)アルキルから選択され、ここで、アリール、arC〜Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C〜C)アルキル基上の置換基は、独立して、ハロゲン、ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルの1つもしくはそれ以上から選択され;
好ましくは、Rは非置換のもしくは置換されたアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくはヘテロアリールから選択され、ここで、アリール、アラルキル、シクロアルキルもしくはヘテロアリール基上の置換基は、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルから選択される1〜3個の置換基から選択され;
はアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキル−N−メチルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ(C〜C)アルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルケニル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択され;
好ましくは、Rはアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜CアルコキシC〜Cアルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択され;
mは0、1、2もしくは3から選択される整数であり;
nは1もしくは2から選択される整数であり;
pは0もしくは1から選択される整数であり;好ましくは、pは0であり;
好ましくは、−N(R)−A−A−(A−R(R)の結合点は、コア複素環の5もしくは6位であり;より好ましくは、結合点は6位である]
により表される構造的に新規な化合物、ならびにその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物および製薬学的に許容しうる塩に関する。
【0045】
式(III)の好ましい化合物は、下記のものである:
(1)Aがフェニルアラニン、シクロヘキシルアラニン、アラニン、β−アラニン、ヘテロアリールアラニン、ナフチルアラニン、ホモフェニルアラニン、アリールグリシン、ヘテロアリールグリシン、アリール−β−アラニンおよびヘテロアリール−β−アラニンよりなる群から選択される非置換のもしくは置換されたアミノ酸残基であり、ここで、アミノ酸上の置換基は、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、アミノ、アミジノ、グアニジノ、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、アルキニルもしくはニトロの1つもしくはそれ以上から選択される;
(2)より好ましくは、Aがフェニルアラニン、シクロヘキシルアラニンおよびヘテロアリールアラニンよりなる群から選択される非置換のもしくは置換されたアミノ酸残基であり、ここで、アミノ酸上の置換基は、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、アミノ、アミジノ、グアニジノ、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、アルキニルもしくはニトロの1つもしくはそれ以上から選択される;
(3)さらにより好ましくは、Aがフェニルアラニン、シクロヘキシルアラニンおよびヘテロアリールアラニンよりなる群から選択される非置換のアミノ酸残基である;
(4)最も好ましくは、Aがフェニルアラニンもしくはシクロヘキシルアラニンである;
(5)Aがアルギニン、ホモアルギニン、2,4−ジアミノ酪酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、2,3−ジアミノプロピオン酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、グルタミンおよびリシン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)よりなる群から選択されるアミノ酸である;
(6)好ましくは、Aがアルギニン、ホモアルギニン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、グルタミンおよびリシンよりなる群から選択されるアミノ酸である;
(7)より好ましくは、Aがアルギニンである;
(8)Rが水素である;
(9)Rが水素、C〜Cアルキル、アリールオキシカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、ar(C〜Cアルコキシ)カルボニルおよびヘテロシクリルカルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルは、場合によりハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよい;
(10)より好ましくは、RがC〜Cアルキルカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールアミノカルボニルおよびar(C〜Cアルコキシ)カルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルは、場合によりハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよい;
(11)最も好ましくは、Rがアセチル、Fmocおよびp−メトキシフェニルアミノカルボニルから選択される;
(12)Rが水素である;
(13)Rが置換されたアリールであり、ここで、アリール上の置換基は、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルから選択される1〜3個の置換基から選択される;
(14)より好ましくは、Rが置換されたアリールであり、ここで、アリール上の置換基は、1〜3個のハロゲン置換基である;
(15)最も好ましくは、Rが4−フルオロフェニルである;
(16)Rがアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜CアルコキシC〜Cアルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択される;
(17)好ましくは、RがC〜CアルキルアミノもしくはC〜Cシクロアルキルアミノである;
(18)mが1である;
(19)nが1である;
(20)pが0である;ならびに上記の(1)〜(20)の組み合わせ。
【0046】
本発明のさらに別の好ましい態様は、以下の一般式(IV):
【0047】
【化12】

【0048】
[式中、
、AおよびAは、各々独立して、アラニン、β−アラニン、アルギニン、ホモアルギニン、シクロヘキシルアラニン、シトルリン、システイン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、2,4−ジアミノ酪酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、2,3−ジアミノプロピオン酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、グルタミン、グリシン、インダニルグリシン、リシン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、MeC(NH)−で置換されていてもよい)、バリン、メチオニン、プロリン、セリン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、ホモセリン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、テトラヒドロイソキノリン−3−COOH、トレオニン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、オルニチン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、MeC(NH)−で置換されていてもよい);およびフェニルアラニン、ヘテロアリールアラニン、ナフチルアラニン、ホモフェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファン、チロシン、アリールグリシン、ヘテロアリールグリシン、アリール−β−アラニンおよびヘテロアリール−β−アラニンよりなる群から選択される非置換のもしくは置換された芳香族アミノ酸よりなる群から選択されるD−もしくはL−アミノ酸であり、ここで、芳香族アミノ酸上の置換基は、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、アミノ、アミジノ、グアニジノ、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、アルキニルもしくはニトロの1つもしくはそれ以上から選択され;
およびRは、各々独立して、水素、C〜Cアルキル、ar(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ar(C〜C)アルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ar(C〜C)アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、ar(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ジar(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルコキシカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキルカルボニル、ヘテロアリールアミノカルボニル、ジヘテロアリールアミノカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ジヘテロアリール(C〜C)アルキルアミノカルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルは、場合によりハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アミノおよびニトロの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよく;RおよびRは、pが1である場合にはAのN末端にまたはpが0である場合にはAのN末端に共有結合しており;
好ましくは、Rは水素であり;
好ましくは、Rは水素、C〜Cアルキル、アリールオキシカルボニル、ar(C〜C)アルコキシカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、ar(C〜C)アルキルカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、ar(C〜Cアルコキシ)カルボニルおよびヘテロシクリルカルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルは、場合によりハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよく;
は水素もしくはC〜Cアルキルから選択され;好ましくは、Rは水素であり;
は非置換のもしくは置換されたアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C〜C)アルキルから選択され、ここで、アリール、arC〜Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C〜C)アルキル基上の置換基は、独立して、ハロゲン、ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルの1つもしくはそれ以上から選択され;
好ましくは、Rは非置換のもしくは置換されたアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくはヘテロアリールから選択され、ここで、アリール、アラルキル、シクロアルキルもしくはヘテロアリール基上の置換基は、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルから選択される1〜3個の置換基から選択され;
はアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキル−N−メチルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ(C〜C)アルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルケニル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択され;
好ましくは、Rはアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜CアルコキシC〜Cアルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択され;
mは0、1、2もしくは3から選択される整数であり;
nは1もしくは2から選択される整数であり;
pは0もしくは1から選択される整数であり;好ましくは、pは0であり;
好ましくは、−N(R)−A−A−(A−R(R)の結合点は、コア複素環の5もしくは6位であり;より好ましくは、結合点は6位である]
により表される構造的に新規な化合物、ならびにその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物および製薬学的に許容しうる塩に関する。
【0049】
式(IV)の好ましい化合物は、下記のものである:
(1)Aがフェニルアラニン、シクロヘキシルアラニン、アラニン、β−アラニン、ヘテロアリールアラニン、ナフチルアラニン、ホモフェニルアラニン、アリールグリシン、ヘテロアリールグリシン、アリール−β−アラニンおよびヘテロアリール−β−アラニンよりなる群から選択される非置換のもしくは置換されたアミノ酸残基であり、ここで、アミノ酸上の置換基は、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、アミノ、アミジノ、グアニジノ、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、アルキニルもしくはニトロの1つもしくはそれ以上から選択される;
(2)より好ましくは、Aがフェニルアラニン、シクロヘキシルアラニンおよびヘテロアリールアラニンよりなる群から選択される非置換のもしくは置換されたアミノ酸残基であり、ここで、アミノ酸上の置換基は、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、アミノ、アミジノ、グアニジノ、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、アルキニルもしくはニトロの1つもしくはそれ以上から選択される;
(3)さらにより好ましくは、Aがフェニルアラニン、シクロヘキシルアラニンおよびヘテロアリールアラニンよりなる群から選択される非置換のアミノ酸残基である;
(4)最も好ましくは、Aがフェニルアラニンもしくはシクロヘキシルアラニンである;
(5)Aがアルギニン、ホモアルギニン、2,4−ジアミノ酪酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、2,3−ジアミノプロピオン酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、グルタミンおよびリシン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)よりなる群から選択されるアミノ酸である;
(6)好ましくは、Aがアルギニン、ホモアルギニン、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、グルタミンおよびリシンよりなる群から選択されるアミノ酸である;
(7)より好ましくは、Aがアルギニンである;
(8)Rが水素である;
(9)Rが水素、C〜Cアルキル、アリールオキシカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、ar(C〜Cアルコキシ)カルボニルおよびヘテロシクリルカルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルは、場合によりハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよい;
(10)より好ましくは、RがC〜Cアルキルカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールアミノカルボニルおよびar(C〜Cアルコキシ)カルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルは、場合によりハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよい;
(11)最も好ましくは、Rがアセチル、Fmocおよびp−メトキシフェニルアミノカルボニルから選択される;
(12)Rが水素である;
(13)Rが置換されたアリールであり、ここで、アリール上の置換基は、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルから選択される1〜3個の置換基から選択される;
(14)より好ましくは、Rが置換されたアリールであり、ここで、アリール上の置換基は、1〜3個のハロゲン置換基である;
(15)最も好ましくは、Rが4−フルオロフェニルである;
(16)Rがアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜CアルコキシC〜Cアルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択される;
(17)好ましくは、RがC〜CアルキルアミノもしくはC〜Cシクロアルキルアミノである;
(18)mが1である;
(19)nが1である;
(20)pが0である;ならびに上記の(1)〜(20)の組み合わせ。
【0050】
本発明の化合物はトロンビン受容体アンタゴニストであり、そしてそのようなものとして血栓症、再狭窄、高血圧症、心不全、不整脈、心筋梗塞、糸球体腎炎、血栓溶解療法後の再閉塞、血管形成術後の再閉塞、炎症、狭心症、発作、アテローム性動脈硬化症、虚血性症状、血管閉塞性障害、神経変性障害、血管新生および関連障害ならびに癌の処置において有用である。これらの化合物はまた、フィブリン溶解療法(例えば、t−PAもしくはストレプトキナーゼ)と併せて抗血栓症薬としても有用である。
【0051】
式(I)、(II)、(III)および(IV)の化合物において、A、AおよびA置換基を含んでなるアミノ酸残基は、アミノ酸のアミノ末端(N末端)が右側に描かれそしてアミノ酸のカルボキシ末端が左側に描かれるように隣接する部分に結合している。従って、例えば、AがフェニルアラニンでありそしてAがアルギニンである化合物1において、フェニルアラニン残基のカルボニル基はコア環上のN(R)基に結合しており、そしてアミノ末端は第二のアミノ酸残基のカルボニル基に結合している。
【0052】
【化13】

【0053】
特定の基が「置換される」場合(例えば、Phe、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール)、その基は、置換基のリストから独立して選択される1個もしくはそれ以上の置換基、好ましくは1〜5個の置換基、より好ましくは1〜3個の置換基、最も好ましくは1〜2個の置換基を有することができる。
【0054】
アミノ酸の略語を下記に定義する:
Ala アラニン
β−Ala ベータ−アラニン
Arg アルギニン
hArg ホモアルギニン
Cha シクロヘキシルアラニン
Cit シトルリン
Cys システイン
Dbu 2,4−ジアミノ酪酸
Dpr ジアミノプロピオン酸
Gln グルタミン
Gly グリシン
His ヒスチジン
Lys リシン
Met メチオニン
Nal ナフチルアラニン
Orn オルニチン
Phe フェニルアラニン
hPhe ホモフェニルアラニン
Pro プロリン
Pyr−Ala ピリジルアラニン
Ser セリン
hSer ホモセリン
Tic テトラヒドロイソキノリン−3−COOH
Tyr チロシン
Val バリン
本開示の全体にわたって使用する標準命名法では、指定された側鎖の末端部分が最初に、続いて結合点に向かって隣接する官能基が記述される。従って、例えば、「フェニルC〜CアルキルアミドC〜Cアルキル」置換基は、式
【0055】
【化14】

【0056】
の基をさす。
【0057】
本発明の化合物はまた、製薬学的に許容しうる塩の形態で存在することもできる。製薬学的に許容しうる塩は、一般に、塩基性窒素が無機もしくは有機酸でプロトン化される形態をとる。代表的な有機もしくは無機酸には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸、パモン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、サリチル酸、サッカリン酸もしくはトリフルオロ酢酸が包含される。
【0058】
本発明の化合物が少なくとも1個のキラル中心を有する場合、それらはそれに応じて鏡像異性体として存在し得る。化合物が2個もしくはそれ以上のキラル中心を保有する場合、それらはさらにジアステレオマーとして存在し得る。全てのそのような異性体およびその混合物は、本発明の範囲内に包含されると理解されるべきである。さらに、化合物の結晶性形状のあるものは多形体として存在する可能性があり、そしてそのようなものとして本発明に包含されるものとする。さらに、化合物のあるものは水(すなわち、水和物)もしくは一般的な有機溶媒と溶媒和物を形成することができ、そしてそのような溶媒和物もまた、本発明の範囲内に包含されるものとする。
【0059】
「患者」という用語は、本明細書において用いる場合、処置、観察もしくは実験の対象である動物、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトをさす。
【0060】
「治療的に有効な量」という用語は、本明細書において用いる場合、処置する疾患もしくは障害の症状の軽減を包含する、研究者、獣医、医師もしくは他の臨床医により求められている組織系、動物もしくはヒトにおける生物学的もしくは医薬応答を引き出す活性化合物もしくは製薬学的因子の量を意味する。
【0061】
本明細書において用いる場合、他に記載されない限り、「アルキル」および「アルコキシ」には、単独でもしくは置換基の一部として用いようと、1〜8個の炭素原子もしくはこの範囲内の任意の数を有する直鎖および分枝鎖が包含される。例えば、アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、3−(2−メチル)ブチル、2−ペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、2−ヘキシルおよび2−メチルペンチルが包含される。アルコキシ基は、前述の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基から形成される酸素エーテルである。シクロアルキル基は、3〜8個の環炭素、そして好ましくは5〜7個の炭素を含有する。同様に、アルケニルおよびアルキニル基には、1〜8個の炭素原子もしくはこの範囲内の任意の数を有する直鎖状および分枝鎖状アルケンおよびアルキンが包含される。
【0062】
「アリール」という用語は、本明細書において用いる場合、フェニルおよびナフチルのような非置換のもしくは置換された芳香族基をさす。「アロイル」という用語は、基−C(O)−アリールをさす。
【0063】
「ヘテロアルキル」という用語は、本明細書において用いる場合、炭素原子およびN、OもしくはSから選択される1〜3個のヘテロ原子からなりそして窒素もしくは硫黄へテロ原子が場合により酸化されていてもよくそして窒素へテロ原子が場合により四級化されていてもよい非置換のもしくは置換された安定な3〜7員の単環式飽和環系を表す。ヘテロアルキル基は、安定な構造の構築をもたらす任意のヘテロ原子もしくは炭素原子で結合していることができる。そのようなヘテロアルキル基の例には、アゼチジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピペラジニル、オキソピペラジニル、オキソピペリジニル、オキソアゼピニル、アゼピニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソラニル、テトラヒドロイミダゾリル、テトラヒドロチアゾリル、テトラヒドロオキサゾリル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホンおよびオキサジアゾリルが包含されるが、これらに限定されるものではない。好ましいヘテロアルキル基には、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、アゼチジニルおよびテトラヒドロチアゾリルが包含される。
【0064】
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書において用いる場合、炭素原子およびN、OもしくはSから選択される1〜4個のヘテロ原子からなりそして窒素もしくは硫黄へテロ原子が場合により酸化されていてもよくそして窒素へテロ原子が場合により四級化されていてもよい非置換のもしくは置換された安定な5もしくは6員の単環式芳香族環系または非置換のもしくは置換された9もしくは10員のベンゾ縮合ヘテロ芳香族環系もしくは二環式ヘテロ芳香族環系を表す。ヘテロアリール基は、安定な構造の構築をもたらす任意のヘテロ原子もしくは炭素原子で結合していることができる。ヘテロアリール基の例には、ピリジル、ピリダジニル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾピラゾリル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、アデニニルもしくはキノリニルが包含されるが、これらに限定されるものではない。好ましいヘテロアリール基には、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、チアジアゾリル、ピラゾリル、チエニル、トリアゾリルおよびキノリニルが包含される。
【0065】
「アラルキル」という用語は、1、2もしくは3個のアリール基で置換されたアルキル基を意味する(例えば、ベンジル、フェニルメチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル)。同様に、「アラルコキシ」という用語は、アリール基で置換されたアルコキシ基を示す(例えばベンジルオキシ)。アミノアルキルという用語は、アミノ基で置換されたアルキル基をさす(すなわち、−アルキル−NH)。「アルキルアミノ」という用語は、アルキル基で置換されたアミノ基をさす(すなわち、−NH−アルキル)。「ジアルキルアミノ」という用語は、アルキル基が同じもしくは異なることができる、アルキル基で2基置換されるアミノ基をさす(すなわち、−N−[アルキル])。
【0066】
「アシル」という用語は、本明細書において用いる場合、ヒドロキシル基の除去により有機酸から得られる1〜6個の炭素原子(分枝鎖もしくは直鎖)を有する有機基を意味する。
【0067】
「オキソ」という用語は、基=Oをさす。
【0068】
「カルボニル」という用語は、基C(O)をさす。
【0069】
「ハロゲン」という用語には、ヨウ素、臭素、塩素およびフッ素が包含されるものとする。
【0070】
「アルキル」もしくは「アリール」という用語またはそれらの接頭語・語根のいずれかが置換基の名称に表示される場合はいつでも(例えば、アラルキル、ジアルキルアミノ)、それは「アルキル」および「アリール」について上記に示す制限を包含すると解釈されるものとする。炭素原子の指定される数(例えばC〜C)は、アルキルもしくはシクロアルキル部分における炭素原子の数またはアルキルがその接頭語・語根として表示されるさらに大きい置換基のアルキル部分を独立してさすものとする。
【0071】
本明細書において用いる場合、「ホスゲン同等物」という用語は、クロロギ酸4−ニトロフェニル、ホスゲンすなわち「COCl」、クロロギ酸フェニル、トリホスゲンすなわち「(CClO)CO」、カルボニルジイミダゾール、炭酸ジエチルもしくは炭酸ジフェニルを包含する炭酸誘導体の種類を表す。
【0072】
分子における特定の位置の任意の置換基もしくは変記号の定義は、その分子における他の所でのその定義から独立しているものとする。本発明の化合物上の置換基および置換パターンは、化学的に安定でありそして当該技術分野において既知である技術ならびに本明細書に記載する方法により容易に合成することができる化合物を提供するために当業者により選択されることができると理解される。
【0073】
本明細書において用いる場合、「組成物」という用語には、特定の量の特定の成分を含んでなる生成物、ならびに特定の量の特定の成分の組み合わせから直接的にもしくは間接的にもたらされる任意の生成物が包含されるものとする。従って、有効成分として本発明の化合物を含有する製薬学的組成物ならびに本発明の化合物を製造する方法もまた、本発明の一部である。
【0074】
表1(式(V)の化合物)および表2(式(VI)の化合物)に示す本発明の特に好ましい化合物は、次のとおりである;アミノ酸は、他に記載されない限り「L」絶対立体配置を有する。
【0075】
【表1】

【0076】
【表2】

【0077】
本発明のアンタゴニストは、液相もしくは固相法のいずれかによって製造することができる。表1および表2に示す全ての化合物は、一般的スキームAA〜DDに概説する方法論を用いて製造することができる。
【0078】
【化15】

【0079】
ニトロインドールAA1を炭酸セシウム、炭酸カリウムなどのような塩基の存在下で、またDMFのような溶媒の存在下で、適切に置換されたアルキルもしくはアリールアルキルハロゲン化物でアルキル化して1−置換されたインドール中間体を生成せしめた。得られる中間体をホルムアルデヒドの存在下で、また氷酢酸中で氷酢酸のような有機酸に溶解しながらピロリジン、ピペリジンなどのようなアミンと反応させて3−置換されたインドール中間体を生成せしめた。次に、得られる中間体のニトロ基をMeOHのようなアルコール溶媒および木炭および塩化第二鉄6水和物の存在下で1,1−ジメチルヒドラジンとの反応によりアミノ基に還元し、それにより中間体AA2を生成せしめた。
【0080】
中間体AA2を当業者に周知である標準的なペプチドカップリング条件を用いて、適切に保護されたアミノ酸Aに連結した。そのような条件の例には、DCMのような溶媒の存在下で、またEDC、DCCなどのようなペプチドカップリング試薬の存在下で、またHOBTのような標準的なカップリング反応添加剤の存在下で、そしてまたTEA、DIPEAなどのような非求核アミンの存在下でアミノインドールをアミノ酸Aと反応させることが包含される。次に、アミノ酸上の保護基を当業者に周知である条件を用いて取り除く。そのような条件の例には、CHClのような適切な溶媒中でTFA、HClなどのような強酸の溶液でのBocで保護されたアミノ酸誘導体の処理もしくはジオキサンのような適切な溶媒中でピペリジンのような有機塩基でのFmocで保護されたアミノ酸誘導体の処理が包含される。この反応手順により中間体AA3を生成せしめる。
【0081】
置換基Rは、NaHなどのような強塩基の存在下で、またDMFなどのような適切な溶媒の存在下で中間体AA3をヨウ化メチル、臭化エチルなどのようなハロゲン化アルキルR−Xと反応させることによりこの段階で導入することができる。当業者に周知である他の標準的なアルキル化条件もまた、置換基Rを導入するために用いることができる。あるいはまた、Rは水素のままであることができる。
【0082】
上記のペプチドカップリング/脱保護手順を繰り返して行うことができ、それにより中間体AA4およびAA6を生成せしめる。次に、これらの中間体をハロゲン化アルキル、ハロゲン化アシル、ハロゲン化アリール(C〜C)アルキルなどのような求電子物質と末端アミノ基との反応によってRおよびR置換基で官能化して(functionalized)目標化合物AA5およびAA7を生成せしめることができる。
【0083】
【化16】

【0084】
ニトロインドールAA1を炭酸セシウム、炭酸カリウムなどのような塩基の存在下で、またDMFのような溶媒の存在下で、適切に置換されたアルキルもしくはアリール(C〜C)アルキルハロゲン化物でアルキル化して1−置換されたインドール中間体を生成せしめた。次に、得られる中間体のニトロ基をMeOHのようなアルコール溶媒の存在下でSnClとの反応によりアミノ基に還元して中間体BB1を生成せしめた。得られるアミノ酸を当業者に既知である条件を用いて保護し、それにより中間体BB2を生成せしめた。
【0085】
次に、中間体BB2は、ホルマリンおよびAcOHのような酸の存在下でアルキルアミンとマンニッヒ型反応を行って中間体BB3を生成せしめることができる。次に、3−置換されたインドールBB3をトリチル樹脂に連結し、そしてインドール環上のアミノ置換基を脱保護し、それにより中間体BB4を生成せしめる。両方の反応とも、スキームに説明するような当業者に周知である方法論を用いて行う。
【0086】
次に、中間体BB4をスキームAAと関連して前に記述するようなアミノ酸カップリング/脱保護の繰り返し手順に供して中間体BB5、BB6およびBB10を生成せしめる。これらの3つのアミノ酸連結中間体のいずれかにおいて、R置換基を当業者に既知でありそしてスキームAAと関連して前に説明するアルキル化反応により末端アミノ基の脱保護の前に導入することができる。あるいはまた、Rは水素のままであることができる。
【0087】
中間体BB10およびBB6は、中間体AA4およびAA6についてスキームAAに記述するのと同じようにしてRおよび/もしくはR置換基でさらに官能化することができる。Rおよび/もしくはR置換基の付加後に、当業者に周知の方法であるTFAにおけるアニソールでの処理により分子をトリチル樹脂から切断する。この切断により、目標物BB8およびBB12を生成せしめる。
【0088】
目標物BB6およびBB12における3−インドール置換基を当業者に既知である条件下で適切なハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニルもしくはハロゲン化シクロアルキルなどとの反応により−NH部位でさらに官能化してさらなる目標物BB9およびBB13を生成せしめることができる。
【0089】
【化17】

【0090】
適切にニトロ置換されたインドールCC1(スキームCC)を酸性条件下(約pH1〜約pH2のpH)でNaNO水で処理して3−インダゾールカルボキシアルデヒドCC2を生成せしめた(ニトロソ化によって、G.Buchi,J.Am.Chem.Soc.1986,108,4115)。ピロリジンのようなアミンおよびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤でのCC2の還元的アミノ化によりR基を導入し、そしてCC3を生成せしめた。THFのような非プロトン性溶媒中で、置換されたアラルキルもしくはヘテロアリールアルキルハロゲン化物および水酸化カリウムのような塩基でのCC3のアルキル化により中間体を生成せしめ、それを例えば鉄および酢酸で古典的な方法においてもしくはジメチルヒドラジンおよび鉄のようなさらに新しい方法で還元してアミノインダゾール中間体CC4を生成せしめた。
【0091】
【化18】

【0092】
適切にニトロ置換されたベンズイミダゾロンDD1(スキームDD)をDMFのような双極性非プロトン性溶媒中で、置換されたアラルキルもしくはヘテロアリールアルキルハロゲン化物および水素化ナトリウムのような塩基でアルキル化してDD2を2つの位置異性体の混合物として生成せしめた。2つの異性体をシリカゲルカラムにより分離し、そして次に、DMFのような双極性非プロトン性溶媒中でアミノアルキルハロゲン化物および水素化ナトリウムのような塩基でアルキル化してそれぞれ2つの位置異性体DD3を生成せしめた。例えば鉄および酢酸での古典的な方法におけるもしくはジメチルヒドラジンおよび鉄のようなさらに新しい方法でのDD3中のニトロ基の還元により、アミノベンズイミダゾロン中間体DD4を生成せしめた。
【0093】
アミノインダゾールCC4およびアミノベンズイミダゾロンDD4を先のスキームに記述するのと同じペプチドカップリング/脱保護手順ならびにR、RおよびRを導入するために使用する反応に供することができ、それにより式(I)のさらなる化合物を生成せしめる。
【0094】
PAR−1により媒介される障害(例えば血栓性障害)を処置するための化合物の有用性は、本明細書に記述する方法に従って決定することができる。従って、本発明は、PAR−1により媒介される障害を処置するために有効な量の本明細書に定義するとおりの化合物のいずれかを投与することを含んでなる処置を必要とする患者におけるPAR−1により媒介される障害(例えば血栓性障害)を処置する方法を提供する。化合物は、静脈内、経口、皮下、筋肉内、皮内および非経口が包含されるがこれらに限定されるものではない任意の通常の投与経路により患者に投与することができる。
【0095】
本発明はまた、製薬学的に許容しうる担体と会合して本発明の1つもしくはそれ以上の化合物を含んでなる製薬学的組成物も提供する。
【0096】
本発明の製薬学的組成物を製造するために、有効成分として本発明の式(I)の1つもしくはそれ以上の化合物またはその塩を通常の製薬学的配合技術に従って製薬学的担体とよく混合し、この担体は、投与に所望される製剤の形態、例えば経口もしくは筋肉内のような非経口により多種多様な形態をとることができる。経口投与形態物の組成物を製造することにおいて、通常の製薬学的媒質のいずれかを用いることができる。従って、例えば、懸濁剤、エリキシル剤および液剤のような液状経口製剤では、適当な担体および添加剤には、水、グリコール、油、アルコール、香料、防腐剤、着色剤などが包含され;例えば、散剤、カプセル剤、カプレット、ジェルキャップおよび錠剤のような固形経口製剤では、適当な担体および添加剤には、澱粉、糖、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などが包含される。錠剤およびカプセル剤は、投与におけるそれらの容易さのために、最も都合のよい経口投与単位形態物に相当し、この場合、固形の製薬学的担体を明らかに用いる。所望に応じて、錠剤は、標準的な技術により糖衣をかけるかもしくは腸溶コーティングすることができる。非経口剤では、例えば、溶解性を促進することのような目的のためにもしくは防腐のために他の成分を含むことができるが、通常、滅菌水を含んでなる。注入可能な懸濁剤を製造することもでき、この場合、適切な液状担体、沈殿防止剤などを用いることができる。本明細書における製薬学的組成物は、投与単位、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、注射、茶さじ1杯など当たり、上記のような有効用量を送達するために必要な有効成分の量を含有する。本明細書における製薬学的組成物は、単位投与単位、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、注射、座薬、茶さじ1杯など当たり、約0.03mg/kg〜約100mg/kg(約0.1mg/kg〜約30mg/kgが好ましい)の本発明の化合物を含有し、そして約0.1mg/kg/日〜約300mg/kg/日(約1mg/kg/日〜約50mg/kg/日が好ましい)の投薬量で与えることができる。しかしながら、投薬量は、患者の要求、処置する症状の重症度および用いる化合物により変えることができる。毎日の投与もしくは定期的投与後(post−periodic dosing)のいずれかの使用を用いることができる。
【0097】
好ましくは、これらの組成物は、経口、非経口、鼻腔内、舌下もしくは直腸投与用または吸入もしくは吹送による投与用の錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、滅菌非経口液剤もしくは懸濁剤、定量エアロゾルもしくは液状スプレー、ドロップ、アンプル、オートインジェクター装置または座薬のような単位投与形態物である。あるいはまた、組成物は、週に1回もしくは月に1回の投与に適当な形態で与えることができ;例えば、デカン酸塩のような、活性化合物の不溶性の塩を筋肉内注射用のデボー製剤を提供するために適応させることができる。錠剤のような固形組成物を製造するために、主要有効成分を製薬学的担体、例えば、コーンスターチ、ラクトース、ショ糖、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、第二リン酸カルシウムもしくはゴムのような通常の錠剤成形成分および他の製薬学的希釈剤、例えば水と混合して本発明の化合物もしくはその製薬学的に許容しうる塩の均質な混合物を含有する固形前調合(preformulation)組成物を生成せしめる。これらの前調合組成物を均質と呼ぶ場合、組成物を錠剤、丸剤およびカプセル剤のような同等に有効な投与形態物に容易にさらに分割することができるように有効成分が組成物の全体にわたって均一に分散していることを意味する。次に、この固形前調合組成物を約0.1mg〜約500mgの本発明の有効成分を含有する上記のタイプの単位投与形態物にさらに分割する。新規な組成物の錠剤もしくは丸剤は、持続性作用の利点を与える投与形態物を提供するためにコーティングするかもしくはそうでなければ配合することができる。例えば、錠剤もしくは丸剤は、内部投与成分および外部投与成分を含んでなることができ、後者は、前者の上の膜の形態である。これら2つの成分は、胃において分解されないように働きそして内部成分が十二指腸に損なわれずに到達するかもしくは放出が遅延されることを可能にする腸溶性の層により分離することができる。様々な物質をそのような腸溶性の層もしくはコーティングに用いることができ、そのような物質には、シェラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースのような物質と共に多数のポリマー酸が包含される。
【0098】
本発明の新規な組成物を経口的もしくは注射による投与用に導入することができる液状形態には、水性液剤、適当に風味を加えたシロップ剤、水性もしくは油懸濁剤および風味を加えた綿実油、ゴマ油、ココナッツ油もしくはピーナッツ油のような食用油とのエマルジョン、ならびにエリキシル剤および同様の製薬学的媒体が包含される。水性懸濁剤の適当な分散剤もしくは沈殿防止剤には、合成および天然のゴム、例えば、トラガカント、アカシア、アルギネート、デキストラン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドンもしくはゼラチンが包含される。
【0099】
本発明の化合物の製造方法が立体異性体の混合物を生じさせる場合、これらの異性体は、分取クロマトグラフィーのような通常の技術により分離することができる。化合物はラセミ形態で製造することができ、もしくは個々の鏡像異性体をエナンチオ特異的合成によりもしくは分割により製造することができる。化合物は、例えば、(−)−ジ−p−トルオイル−d−酒石酸および/もしくは(+)−ジ−p−トルオイル−l−酒石酸のような光学活性酸との塩形成によるジアステレオマー対の形成、その後の分別結晶化および遊離塩基の再生のような、標準的な技術によりそれらの成分鏡像異性体に分割することができる。化合物はまた、ジアステレオマーエステルもしくはアミドの形成、その後のクロマトグラフィー分離およびキラル補助基の除去により分割することもできる。あるいはまた、化合物は、キラルHPLCカラムを用いて分割することができる。
【0100】
本発明の化合物の製造方法のいずれかの間に、関係する分子のいずれか上の感受性もしくは反応性基を保護することが必要でありそして/もしくは望ましい可能性がある。これは、“Protective Groups in Organic Chemistry”,ed.J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973;およびT.W.Greene & P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”,John Wiley & Sons,1991に記述されているもののような通常の保護基を用いて行うことができる。保護基は、当該技術分野から既知である方法を用いて都合のよいその後の段階で取り除くことができる。
【0101】
本発明に記述するPAR−1により媒介される障害(例えば血栓性障害)を処置する方法はまた、本明細書に定義するとおりの化合物のいずれかおよび製薬学的に許容しうる担体を含んでなる製薬学的組成物を用いて実施することもできる。製薬学的組成物は、約0.01mg〜約100mgの間、好ましくは約5〜約50mgの化合物を含有することができ、そして選択する投与の形態に適当な任意の形態に構成することができる。担体には、結合剤、沈殿防止剤、潤滑剤、香料、甘味料、防腐剤、色素およびコーティングが包含されるがこれらに限定されるものではない必要なそして不活性の製薬学的賦形剤が包含される。経口投与に適当な組成物には、丸剤、錠剤、カプレット、カプセル剤(各々、即時放出、持続放出および徐放性製剤を包含する)、顆粒剤および散剤のような固形形態、ならびに液剤、シロップ剤、エリキシル剤、エマルジョンおよび懸濁剤のような液状形態が包含される。非経口投与に有用な形態には、滅菌液剤、エマルジョンおよび懸濁剤が包含される。
【0102】
都合よく、本発明の化合物は、単回1日用量で投与することができ、もしくは全1日投薬量を毎日2、3、もしくは4回の分割用量で投与することができる。さらに、本発明の化合物は、適当な鼻腔内用媒体の局所使用によって鼻腔内形態で、もしくは当業者に周知である経皮皮膚パッチによって投与することができる。経皮送達系の形態で投与するためには、投薬量投与は、もちろん、投与処方計画の全体にわたって断続的よりむしろ連続的である。
【0103】
例えば、錠剤もしくはカプセル剤の形態の経口投与には、活性薬剤成分をエタノール、グリセロール、水などのような経口用の無毒の製薬学的に許容しうる不活性担体と合わせることができる。さらに、所望もしくは必要に応じて、適当な結合剤、潤滑剤、崩壊剤および着色剤もまた、混合物に導入することができる。適当な結合剤には、澱粉、ゼラチン、グルコースもしくはベータ−ラクトースのような天然の糖、コーン甘味料、アカシア、トラガカントもしくはオレイン酸ナトリウムのような天然および合成ゴム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが包含されるが、これらに限定されるものではない。崩壊剤には、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどが包含されるが、これらに限定されるものではない。
【0104】
液体は、合成および天然のゴム、例えば、トラガカント、アカシア、メチルセルロースなどのような適当に風味を加えた沈殿防止剤もしくは分散剤中に形成する。非経口投与には、滅菌懸濁剤および液剤が望ましい。静脈内投与が所望される場合、適当な防腐剤を一般に含有する等張製剤を用いる。
【0105】
本発明の化合物はまた、小型単層小胞、大型単層小胞および多重層小胞のようなリポソーム送達系の形態で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミンもしくはホスファチジルコリンのような様々なリン脂質から形成することができる。
【0106】
本発明の化合物はまた、化合物分子を連結する個々の担体としてモノクローナル抗体の使用により送達することもできる。本発明の化合物はまた、目標を定めることができる薬剤担体として可溶性ポリマーと連結することもできる。そのようなポリマーには、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール(polyhydroxyethylaspartamidephenol)、もしくはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリシンを包含することができる。さらに、本発明の化合物は、薬剤の制御放出を行うことにおいて有用な生体分解性ポリマー類、例えば、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋したもしくは両親媒性ブロックコポリマーに連結することができる。
【0107】
本発明の化合物は、PAR−1により媒介される障害の処置が必要とされる場合にはいつでも前述の組成物のいずれかにおいてそして当該技術分野において確立された投与処方計画に従って投与することができる。
【0108】
生成物の1日投薬量は、1日につき成人ヒト当たり約0.01mg〜約1,000mgの広範囲にわたって変えることができる。経口投与では、組成物は、好ましくは、処置する患者への投薬量の症状調整用に約0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、150、200、250および500mgの有効成分を含有する錠剤の形態で提供される。薬剤の有効量は、通常、1日当たり約0.01mg/kg〜約100mg/kg体重の投薬量レベルで提供される。好ましくは、該範囲は1日当たり約0.03mg/kg〜約10mg/kg体重である。化合物は、1日当たり約1回〜約4回の処方計画で投与することができる。
【0109】
投与する最適投薬量は、当業者により容易に決定されることができ、そして使用する特定の化合物、投与の形態、製剤の強さ、投与の形態および疾患症状の進展で異なる。さらに、患者の年齢、体重、食事および投与の時間を包含する、処置する特定の患者と関連する因子は、投薬量を調整する必要性をもたらす。
生物学
本発明の化合物は、トロンビン受容体(PAR−1)アンタゴニストである。該化合物は、その血小板表面受容体のトロンビンのタンパク質分解切断により誘導される血小板活性化を妨げ、そしてそれにより血小板凝集を阻害する。従って、そのような化合物は、血小板により媒介される血栓性障害(例えば、動脈および静脈血栓症、急性心筋梗塞、血栓溶解療法および血管形成術後の再閉塞、ならびに様々な血管閉塞性障害)および他のPAR−1により媒介される障害を処置することにおいて有用である。
インビトロトロンビン受容体結合アッセイ
CHRF膜(Jones,Biochim.Biophys.Acta 1992,1136,272)を−70℃から解凍し、最大速度で5分間遠心分離し、結合バッファー(5mM MgClおよび0.1% BSAを含有する50mM HEPES)で2回洗浄し、そして結合バッファーに再懸濁する(25μg/100mL)。100μLの膜を24−Wallacプレートに加え、そしてTomtech装置に送達する。典型的な実験では、6μLのサンプル(125μg/mLの中間プレートから、20% DMSO)および44μLのバッファーをプレートに送達する(化合物の最終濃度は3.7μg/mLである、0.6% DMSO)。同様に、6μLの20% DMSOおよび44μLのバッファーをカラム1(NSB)およびカラム12(TB)の両方に送達する。10μLのSer−pFPhe−Har−Leu−Har−Lys−Tyr−NH(721−40;脱イオン水中500μM)をカラム1に加える。50μLのトリチウム化した721−40(比活性46Ci/mmol)を全てのウェルに加える。プレートを20秒間よく混合し、30分間インキュベーションし、そして次にSkatronハーベスターを用いて10mM HEPES/138mM NaClで採取した。フィルター(GF/C Brandel FPXLR 296)をHEPES中0.5%のポリエチレンイミン/0.1M N−アセチルグルコサミンに3時間あらかじめ浸し、サランラップにセットし、そして電子レンジにおいて3分間乾燥させ、そしてサンプルバッグ(Wallac 1450−432)に入れた。4.5mLのシンチレーション液(Wallac,Betaplate Scint 1205−440)を加える。バッグを密封し、フィルターカセット(Wallac 1450−104)に入れ、そしてマイクロベータカウンター上で分析する。
トロンビンおよびSFLLRN−NHにより誘導されるゲル濾過血小板凝集アッセイのインビトロ阻害
多血小板血漿濃縮物(Biological Specialties,Inc)をタイロードバッファー(140mM Nacl、2.7mM KCl、12mM NaHCO、0.76mM NaHPO、5.5mMデキストロース、5.0mM Hepesおよび2mg/ml BSA、pH7.4)においてゲル濾過する(セファロース2B、Pharmacia)。ゲル濾過した血小板を96ウェルプレートにおいてタイロードバッファー(143,000血小板/μl、ウェル当たりの最終血小板総数)、バッファー中の化合物溶液および2mM CaClで希釈する。ヒトα−トロンビン(American Diagnostica、0.113nM〜0.187nM)もしくは80%の凝集(0.015〜0.025NIH U/ml、0.113nM〜0.187nM)を成し遂げることが示されたSFLLRN−NH(2μM)の添加により血小板凝集を開始する。アッセイプレートを絶えず攪拌する。トロンビン添加後0および5分で光学密度(650nM、ΔSOFT)を読み取るためにプレートをマイクロプレート読取装置(Molecular Devices)に断続的に置くことにより血小板凝集をモニターする。凝集は、時間0および5分の測定間の光学密度の減少であると計算した。全てのサンプルを同じプレート上で二重反復ウェルにおいて試験した。
【0110】
表3は、本発明の化合物の生物学的活性を示す。表3は、トロンビンにより刺激される血小板凝集に対する化合物のIC50値(μM)およびトロンビン受容体(PAR−1)結合アッセイにおけるIC50値(μM)を含む。
【0111】
【表3】

【0112】
[実施例]
一般的な方法:樹脂および保護されたアミノ酸は、Novabiochem,Bachem Bioscience、Advanced ChemTechもしくはSynthe Techから購入した。全ての他の化学物質は、商業的供給業者から入手し、そしてさらに精製せずに使用した。Hおよび13C NMRスペクトルは、MeSiを内部標準としてBruker AC 300B(300MHzプロトン)もしくはBruker AM−400(400MHzプロトン)分光計上で記録した(s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、br=ブロード)。APCI−MSおよびES−MSは、VG Platform II質量分析計上で記録し;他に記載されない限り、メタンを化学イオン化に用いた。正確な質量測定は、FABモードでVG ZAB 2−SE分光計を用いることにより得られた。TLCは、Whatman 250μmシリカゲルプレートで行った。分取TLCは、Analtech 1000μmシリカゲルGFプレートで行った。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、フラッシュカラムシリカゲル(40〜63μm)で行い、そしてカラムクロマトグラフィーは、標準的なシリカゲルで行った。HPLC分離は、直列につないだ3本のWaters PrepPakカートリッジ(25x100mm、Bondapak C18、15〜20μm、125Å)上で実施し;検出は、Waters 486UV検出器上で254nmであった。分析HPLCは、Hewlett Packard 1100UV検出器上で254nmでの検出で、Supelcosil ABZ+PLUSカラム(5cmx2.1mm)上で実施した。微量分析は、Robertson Microlit Laboratories,Incにより行われた。
【0113】
実施例においてそして本願の全体にわたって、下記の略語は以下に列挙する意味を有する。
Ac アセチル
ACN アセトニトリル
Bn ベンジル
Boc t−ブトキシカルボニル
Cbz カルボベンジルオキシ
DCC 1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCE 1,2−ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
EDC 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド
DIC ジイソプロピルカルボジイミド
DIEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
Et エチル
EtOAc 酢酸エチル
Fmoc 9−フルオレニルメトキシカルボニル
h 時間
HBTU 2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HOAc 酢酸
HOBT ヒドロキシベンゾトリアゾール
Me メチル
min 分
Pmc 2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル
rt 室温
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
TFA トリフルオロ酢酸
TLC 薄層クロマトグラフィー
【実施例1】
【0114】
化合物17の合成(スキームAA)
5−グアニジノ−2−フェニルアセチルアミノ−ペンタン酸{1−[1−(4−フルオロ−ベンジル)−3−ピロリジン−1−イルメチル−1H−インドール−5−イルカルバモイル]−2−フェニル−エチル}−アミド
【0115】
【化19】

【0116】
6−ニトロインドールA1(6.57g、40.5mmol)をアルゴン下で乾式DMFに溶解し、炭酸セシウム(13.2g、40.5mmol)を加え、そして混合物を約50℃で約30分間攪拌した。約rtに冷却した後、DMF中の4−フルオロベンジルブロミド(7.70g、40.7mmol)を滴下して加えながら混合物を攪拌し;次に、反応物をrtで一晩攪拌した。次に、溶液をDCMと水との間で分配した。有機層を合わせ、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして真空中で蒸発させた。氷酢酸に溶解した得られる残留物を氷酢酸中のピロリジン(13.9g、195.4mmol)およびホルムアルデヒド(37%、15.9g、195.9mmol)の攪拌溶液に滴下して加え、そして反応物をrtで一晩攪拌した。反応物のpHを50% w/w NaOHの注意深い添加により中性にした。混合物をDCMで抽出し、飽和NaHCOで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして真空中で蒸発させた。得られる固体を木炭および塩化第二鉄6水和物(0.30g、1.1mmol)とMeOHにおいて合わせ、次に1,1−ジメチルヒドラジン(10.6g、176.6mmol)を加え、そして反応物を約16時間還流させた。約rtに冷却した後、反応物をジカライト(dicalite)を通して濾過し、そして濾液を真空中で蒸発させてA2を生成せしめた。ES−MS m/z 324(MH)。
【0117】
DCM中のA2(4.70g、14.5mmol)の溶液に、EDC・HCl(2.78g、14.5mmol)、HOBT(5mg)、TEA(1.5g、14.5mmol)およびBOC−Phe−OH(3.90g、14.5mmol)を加え;次に、反応物をrtで一晩攪拌した。反応物を飽和NHClで抽出し、そして有機層を合わせ、そして真空中で蒸発させた。これをDCM/EtOH(95:5〜90:10)を用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して3.45gの固体を生成せしめた。得られる固体(3.30g、5.78mmol)をTFA/CHCl(50/50)でrtで一晩処理した。反応物を真空中で蒸発させ、そしてDCMと飽和NaHCOとの間で分配した。有機層を合わせ、濾過し、そして真空中で蒸発させてA3(2.3g)を生成せしめた。ES−MS m/z 471(MH)。
【0118】
DCM中のA3の溶液に、HOBT(5mg)、TEA(0.51g、5.0mmol)およびFmoc−Arg(PMC)−OH(3.24g、4.89mmol)を加えた。EDC・HCl(0.94g、4.90mmol)を加え、そして反応物をrtで一晩攪拌した。反応物を飽和NHClで抽出し、そして有機層を合わせ、そして真空中で蒸発させた。これをDCM/MeOH(100:0〜95:5)を用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して3.10gの固体A4を生成せしめた。ES−MS m/z 1116(MH)。
【0119】
A4を1,4−ジオキサン(16mL)に溶解し、そしてピペリジン(4mL)を加え、そして反応物をrtで3時間攪拌した。反応物を真空中で蒸発させ、そしてエーテル/ヘキサンで磨砕して(triturated)A5を生成せしめた。ES−MS m/z 894(MH)。
【0120】
DCM中のA5(0.80g、0.90mmol)およびTEA(0.12g、1.2mmol)の溶液に、DCM中のフェニルアセチルクロリド(0.14g、0.90mmol)の溶液を滴下して加え、そして反応物をrtで一晩攪拌した。反応物を真空中で蒸発させ、そしてDCMと飽和NHClとの間で分配した。有機層を合わせ、真空中で蒸発させ、そしてエーテル/ヘキサンで粉砕して固体を生成せしめ、それをDCM:TFA:アニソール(50:50:1)の溶液(21mL)でrtで一晩処理した。反応物を真空中で蒸発させ、そして逆相HPLCにより精製して化合物17を生成せしめた。ES−MS m/z 745(MH)。
【実施例2】
【0121】
化合物19の合成(スキームB)
(1−{1−[1−(4−フルオロ−ベンジル)−3−ピロリジン−1−イルメチル−1H−インドール−5−イルカルバモイル]−2−フェニル−エチルカルバモイル}−4−グアニジノ−ブチル)−カルバミン酸ベンジルエステル
【0122】
【化20】

【0123】
DCM中のA5(0.50g、0.56mmol)およびTEA(0.07g、0.70mmol)の溶液にDCM中のクロロギ酸ベンジル(0.10g、0.56mmol)の溶液を滴下して加え、そして反応物をrtで一晩攪拌した。反応物を真空中で蒸発させ、そしてDCMと飽和NHClとの間で分配した。有機層を合わせ、真空中で蒸発させ、そしてエーテル/ヘキサンで粉砕して粗生成物を生成せしめ、それをDCM/10〜20% EtOH/1〜2% NHOHを用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して0.12gの固体を生成せしめ、それをDCM:TFA(50:50)の溶液でrtで一晩処理した。反応物を真空中で蒸発させ、そして逆相HPLCにより精製して化合物19を生成せしめた。ES−MS m/z 761(MH)。分析 C4349F・2.7CHF(760.92/1068.78)についての計算値:C,54.39;H,4.88;N,10.48;F,16.18。実測値:C,54.87;H,5.37;N,9.87;F,15.99。
【実施例3】
【0124】
化合物16の合成(スキームBB)
(1−{1−[1−(4−フルオロ−ベンジル)−3−ピロリジン−1−イルメチル−1H−インドール−5−イルカルバモイル]−2−フェニル−エチルカルバモイル}−4−グアニジノ−ブチル)−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステル
【0125】
【化21】

【0126】
A4(1.80g、1.6mmol)およびアニソール(1.70g、15.7mmol)の混合物にTFAを加え、そして反応物をrtで一晩攪拌した。反応物を真空中で蒸発させ、そしてDCMと飽和NaHCOとの間で分配した。有機層を合わせ、濾過し、そして真空中で蒸発させた。粗生成物を逆相HPLCにより精製して化合物16を生成せしめた。ES−MS m/z 849(MH)。分析 C5053F・2.5CHF・1.0HO(849.03/1152.10)についての計算値:C,57.34;H,5.03;N,9.73;F,14.02;KF,1.56。実測値:C,56.98;H,5.06;N,9.69;F,13.91;KF,1.52。
【実施例4】
【0127】
化合物21の合成(スキームD)
2−アセチルアミノ−5−グアニジノ−ペンタン酸{2−シクロヘキシル−1−[1−(4−フルオロ−ベンジル)−3−ピロリジン−1−イルメチル−1H−インドール−5−イルカルバモイル]−エチル}−アミド
【0128】
【化22】

【0129】
6−ニトロインドールA1(6.90g、42.5mmol)をアルゴン下で乾式DMFに溶解し、炭酸セシウム(13.90g、42.6mmol)を加え、そして混合物を約50℃で約30分間攪拌した。約rtに冷却した後、DMF中の4−フルオロベンジルブロミド(8.10g、42.8mmol)を滴下して加えながら混合物を攪拌し;次に、反応物をrtで一晩攪拌した。次に、溶液をDCMと水との間で分配した。有機層を合わせ、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして真空中で蒸発させた。得られる残留物(10.0g、37.0mmol)および塩化スズ(II)(14.0g、73.8mmol)をエタノール中で一晩還流させた。反応物を真空中で蒸発させた。残りの残留物に飽和NaHCOをゆっくりと加え、そして溶液を1時間攪拌した。溶液を濾過し、そして集めた固体をDCMで粉砕した。DCM溶液を真空中で蒸発させた。残りの残留物をCHClを用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して5.50gの固体D1を生成せしめた。ES−MS m/z 241(MH)。
【0130】
DCM中のD1(1.38g、5.7mmol)の溶液に、EDC・HCl(1.09g、5.7mmol)、HOBT(5mg)、TEA(0.58g、5.7mmol)およびN−BOC−Cha−OH(1.56g、5.7mmol)を加えた。反応物をrtで一晩攪拌した。反応物を飽和NHClで抽出し、そして有機層を合わせ、そして真空中で蒸発させた。これをDCM/MeOH(95:5)を用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して2.17gの固体D2を生成せしめた。ES−MS m/z 494(MH)。
【0131】
氷酢酸中のD2の溶液を氷酢酸中のピロリジン(1.40g、19.7mmol)およびホルムアルデヒド(37%、0.66g、8.1mmol)の攪拌溶液に滴下して加え、そして反応物をrtで一晩攪拌した。反応物のpHを50% w/w NaOHの注意深い添加により中性にした。混合物をDCMで抽出し、飽和NaHCOで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして真空中で蒸発させた。得られる残留物をアセトン:EtOH:NHOH(80:20:0.1)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して1.2gの固体D3を生成せしめ、それをTFA/CHCl(50/50)でrtで一晩処理した。反応物を真空中で蒸発させ、そしてDCMと飽和NaHCOとの間で分配した。有機層を合わせ、濾過し、そして真空中で蒸発させた。ES−MS m/z 477(MH)。
【0132】
DCM中の残りの残留物D4にHOBT(5mg)、TEA(0.20g、2.0mmol)およびAc−Arg(PMC)−OH(0.95g、1.8mmol)を加えた。EDC・HCl(0.35g、1.8mmol)を加え、そして反応物をrtで一晩攪拌した。反応物を飽和NHClで抽出し、そして有機層を合わせ、そして真空中で蒸発させた。残留物を勾配DCM:MeOH:NHOHを用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して0.43gの固体D5を生成せしめ、それをDCM/TFA(4:1、50mL)中のアニソール(0.25g、2.31mmol)の溶液でrtで一晩処理した。反応混合物を真空中で蒸発させ、そしてDCMと水との間で分配した。有機層を合わせ、そして真空中で蒸発させて粗生成物を生成せしめた。粗生成物を逆相HPLCにより精製して化合物21を成せしめた。ES−MS m/z 675(MH)。
【実施例5】
【0133】
化合物2の合成(スキームE)
2−アセチルアミノ−5−グアニジノ−ペンタン酸{1−[1−(4−フルオロ−ベンジル)−3−プロピルアミノメチル−1H−インドール−5−イルカルバモイル]−2−フェニル−エチル}−アミド
【0134】
【化23】

【0135】
DCM(340mL)中のE1(1.72g、7.1mmol、D1の方法を用いて製造する、スキームCCを参照)およびDIEA(1.25mL、7.2mmol)の攪拌溶液にDCM(100mL)中のクロロギ酸アリル(0.75mL、7.1mmol)の溶液を滴下して加えた。反応物をrtで一晩攪拌した。反応物をNHCl(2x)および水(2x)で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO)、そして真空中で蒸発させた。得られる残留物E2を氷酢酸に溶解し、そして溶液を氷酢酸(46mL)中のプロピルアミン(2.83mL、34.5mmol)およびホルムアルデヒド(37%、0.38g、13.8mmol)の攪拌溶液に滴下して加え、そして反応物をrtで一晩攪拌した。反応物のpHを50% w/w NaOHの注意深い添加により中性にした。混合物をDCMで抽出し、飽和NaHCOで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして真空中で蒸発させて粗生成物を生成せしめ、それをDCM:MeOH:NHOH(97:3:1)を用いてフラッシュカラムクロマトグラフにより精製して1.16gのE3を生成せしめた。
【0136】
E3(0.28g、0.70mmol)およびDIEA(0.30mL、1.70mmol)を加えながら2−クロロトリチルクロリド樹脂(0.27g、0.35mmol;Novabiochem)をDMF(20mL)中で固相アワーグラス(hour−glass)反応器において攪拌した(窒素バブリング)。反応物をrtで約21時間攪拌した。樹脂をDMF(1X)、DMF/HO(1:4、1X)、DMF(3X)、THF(3X)、DCM(3X)およびエーテル(1X)で洗浄した。得られる樹脂を、BuNF・HO(0.27g、1.05mmol)、TMSN(0.37mL、2.8mmol)および(PhP)Pd(20mol%、0.08g、0.07mmol)を加えながらDCE(25mL)中で攪拌した。反応物を約rtで約6時間攪拌した。樹脂をDCE(2X)、DMF/HO(1:4、1X)、DMF(3X)、THF(3X)およびエーテル(1X)で洗浄してE4を生成せしめた。樹脂の一部をTFA/DCM(1:1)で切断し、そして切断生成物をES−MSにより確かめた[m/z 312(MH)]。
【0137】
樹脂E4をDIEA(0.18mL、1.05mmol)、Fmoc−Phe−OH(0.41g、1.05mmol)、HOBT(1.00mg、触媒量)およびDIC(0.16mL、1.05mmol)とDMF(25mL)において約18時間攪拌した。溶液を取り除き、そして樹脂をDMF(3X)、THF(3X)、DCM(4X)およびエーテル(1X)で洗浄してE5を生成せしめた。樹脂の一部をTFA/DCM(1:1)で切断し、そして切断生成物をES−MSにより確かめた[m/z 681(MH)]。
【0138】
樹脂E5をDMF(25mL)中の20%ピペリジンと合わせ、そして約2時間攪拌した。溶液を排出し、そして樹脂をDMF(3X)、THF(3X)およびDCM(3X)で洗浄した。得られる樹脂をDIEA(0.18mL、1.05mmol)、Ac−Arg(PMC)−OH(0.51g、1.05mmol)、HOBT(1.00mg、触媒量)およびDIC(0.16mL、1.05mmol)とDMF(25mL)において一晩攪拌した。溶液を取り除き、そして樹脂をDMF(3X)、THF(3X)、DCM(4X)およびエーテル(1X)で洗浄してE6を生成せしめた。樹脂の一部をTFA/DCM(1:1)で切断し、そして切断生成物をES−MSにより確かめた[m/z 923(MH)]。
【0139】
樹脂E6をTFA/DCM(1:1、50mL)中のアニソール(0.08mL、0.70mmol)と合わせ、そして3時間攪拌した。溶液を取り除き、そして樹脂を新しい50% TFA/DCMで洗浄し;濾液を合わせ、そして蒸発させた。残りの残留物にDCMを4回加えてTFAを共沸させて除いた。サンプルをエーテル(4X)で粉砕して生成物化合物2を生成せしめた。ES−MS m/z 657(MH)。
【0140】
経口用組成物の特定の態様として、100mgの実施例1の化合物17を十分な微粉化したラクトースと調合して約580mg〜約590mgの総量を生成せしめ、サイズOハードゲルカプセルに詰める。
【0141】
前述の明細書は、説明の目的のために実施例を提供して、本発明の原理を教示するが、本発明の実施には、以下の請求項およびそれらの同等物の範囲内に入るような通常のバリエーション、適応および/もしくは改変の全てが包含されることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I):
【化1】

[式中、
、AおよびAは、各々独立して、アラニン、β−アラニン、アルギニン、ホモアルギニン、シクロヘキシルアラニン、シトルリン、システイン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、2,4−ジアミノ酪酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、2,3−ジアミノプロピオン酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、グルタミン、グリシン、インダニルグリシン、リシン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、MeC(NH)−で置換されていてもよい)、バリン、メチオニン、プロリン、セリン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、ホモセリン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、テトラヒドロイソキノリン−3−COOH、トレオニン(場合によりC〜Cアルキル、アリールもしくはarC〜Cアルキルで置換されていてもよい)、オルニチン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、MeC(NH)−で置換されていてもよい);およびフェニルアラニン、ヘテロアリールアラニン、ナフチルアラニン、ホモフェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファン、チロシン、アリールグリシン、ヘテロアリールグリシン、アリール−β−アラニンおよびヘテロアリール−β−アラニンよりなる群から選択される非置換のもしくは置換された芳香族アミノ酸よりなる群から選択されるD−もしくはL−アミノ酸であり、ここで、芳香族アミノ酸上の置換基は、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、アミノ、アミジノ、グアニジノ、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、アルキニルもしくはニトロの1つもしくはそれ以上から選択され;
およびRは、各々独立して、水素、C〜Cアルキル、ar(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ar(C〜C)アルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ar(C〜C)アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、ar(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ジar(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルコキシカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリール(C〜C)アルキルカルボニル、ヘテロアリールアミノカルボニル、ジヘテロアリールアミノカルボニルおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルアミノカルボニル、ジヘテロアリール(C〜C)アルキルアミノカルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルは、場合によりハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、アミノおよびニトロの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよく;RおよびRは、pが1である場合にはAのN末端にまたはpが0である場合にはAのN末端に共有結合しており;
は水素もしくはC〜Cアルキルから選択され;
は非置換のもしくは置換されたアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C〜C)アルキルから選択され、ここで、アリール、arC〜Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C〜C)アルキル基上の置換基は、独立して、ハロゲン、ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルの1つもしくはそれ以上から選択され;
はアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキル−N−メチルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ(C〜C)アルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルケニル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基は、オキソ、アミノ、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択され;
XはNもしくはCであり;
YはN、Cもしくは−CO−であり;
ただし、YがNである場合には、XはCでありそしてXとYの間に二重結合があり;また、YがCである場合には、XはCでありそしてXとYの間に二重結合があり;そしてまた、Yが−CO−である場合には、XはNでありそしてXとYの間に単結合があり;
mは0、1、2もしくは3から選択される整数であり;
nは1もしくは2から選択される整数であり;
pは0もしくは1から選択される整数である]
の化合物、その鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物および製薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
がフェニルアラニン、シクロヘキシルアラニン、アラニン、β−アラニン、ヘテロアリールアラニン、ナフチルアラニン、ホモフェニルアラニン、アリールグリシン、ヘテロアリールグリシン、アリール−β−アラニンおよびヘテロアリール−β−アラニンよりなる群から選択される非置換のもしくは置換されたL−アミノ酸であり、ここで、アミノ酸上の置換基が、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、アミノ、アミジノ、グアニジノ、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、arC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、アルキニルもしくはニトロの1つもしくはそれ以上から選択される請求項1の化合物。
【請求項3】
がアルギニン、ホモアルギニン、2,4−ジアミノ酪酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、2,3−ジアミノプロピオン酸(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)、グルタミンおよびリシン(場合によりアシル、C〜Cアルキル、アロイル、アミジノもしくはMeC(NH)−で置換されていてもよい)よりなる群から選択されるアミノ酸である請求項1の化合物。
【請求項4】
が水素である請求項1の化合物。
【請求項5】
が水素、C〜Cアルキル、アリールオキシカルボニル、ar(C〜C)アルコキシカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルカルボニル、ar(C〜C)アルキルカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、ar(C〜Cアルコキシ)カルボニルおよびヘテロシクリルカルボニルから選択され、ここで、該アリール、ar(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリール(C〜C)アルキルが、場合によりハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシの1つもしくはそれ以上で置換されていてもよい請求項1の化合物。
【請求項6】
が水素である請求項1の化合物。
【請求項7】
が置換されたアリールであり、ここで、アリール上の置換基が、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、フッ素化C〜Cアルキル、フッ素化C〜CアルコキシもしくはC〜Cアルキルスルホニルから選択される1〜3個の置換基から選択される請求項1の化合物。
【請求項8】
がアミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、arC〜Cアルキルアミノ、ヘテロアルキルC〜Cアルキルアミノ、−N(C〜Cアルキル)−C〜Cアルキル−N(C〜Cアルキル)、ヘテロアルキルもしくは置換されたヘテロアルキルから選択され、ここで、ヘテロアルキル上の置換基が、オキソ、アミノ、C〜CアルコキシC〜Cアルキル、C〜CアルキルアミノもしくはC〜Cジアルキルアミノから選択される請求項1の化合物。
【請求項9】
XがCであり;
YがCであり;
そしてXとYの間に二重結合がある
請求項1の化合物。
【請求項10】
XがCであり;
YがNであり;
そしてXとYの間に二重結合がある
請求項1の化合物。
【請求項11】
XがNであり;
YがC(O)であり;
そしてXとYの間に単結合がある
請求項1の化合物。
【請求項12】
mが1である請求項1の化合物。
【請求項13】
nが1である請求項1の化合物。
【請求項14】
pが0である請求項1の化合物。
【請求項15】
−N(R)−A−A−(A−R(R)の結合点が6位である請求項1の化合物。
【請求項16】
製薬学的に許容しうる担体および請求項1の化合物を含んでなる製薬学的組成物。
【請求項17】
請求項1の化合物および製薬学的に許容しうる担体を混合し、それにより製薬学的組成物を生成せしめることを含んでなる製薬学的組成物の製造方法。
【請求項18】
請求項1の化合物の治療的に有効な量を患者に投与することを含んでなる処置を必要とする患者における血栓症、再狭窄、高血圧症、心不全、不整脈、心筋梗塞、糸球体腎炎、血栓溶解療法後の再閉塞、血管形成術後の再閉塞、炎症、狭心症、発作、アテローム性動脈硬化症、虚血性症状、血管閉塞性障害、神経変性障害、血管新生および関連障害ならびに癌よりなる群から選択される症状の処置方法。
【請求項19】
請求項1の組成物の治療的に有効な量を患者に投与することを含んでなる処置を必要とする患者における血栓症、再狭窄、高血圧症、心不全、不整脈、心筋梗塞、糸球体腎炎、血栓溶解療法後の再閉塞、血管形成術後の再閉塞、炎症、狭心症、発作、アテローム性動脈硬化症、虚血性症状、血管閉塞性障害、神経変性障害、血管新生および関連障害ならびに癌よりなる群から選択される症状の処置方法。
【請求項20】
請求項1の化合物の治療的に有効な量を患者に投与することを含んでなるその処置を必要とする患者における血小板凝集の抑制方法。
【請求項21】
請求項1の化合物の治療的に有効な量を患者に投与することを含んでなる処置を必要とする患者におけるトロンビン受容体(PAR−1)により媒介される症状の処置方法。

【公表番号】特表2006−525942(P2006−525942A)
【公表日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−565279(P2004−565279)
【出願日】平成15年12月10日(2003.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2003/039091
【国際公開番号】WO2004/060913
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】