説明

トンネルのインバート構造及びインバートの製造方法

【課題】製品運搬重量を低減でき、運搬中の割れ欠けがなく、トンネル曲線にも対応可能なトンネルのインバート構造及びインバートの製造方法を提供する。
【解決手段】トンネル内円周の円弧37と円弧37の両端を結ぶ弦39とによって輪郭が形成され弦39に凹状切欠部を有する埋設仕切板29と、トンネル軸線方向に所定間隔を有して対面させた少なくとも2つの埋設仕切板29を連結する連結板31と、隣接する2枚の埋設仕切板29における凹状切欠部のそれぞれの底辺部に架橋される底板33と、隣接する2枚の埋設仕切板29における凹状切欠部のそれぞれの側辺部に当接される側壁板35と、で枠組構造体25が組み立てられ、底板33と側壁板35とによって凹状切欠部への打設が堰き止められたコンクリート27によりトンネル軸線方向に複数並べた枠組構造体25を埋設して枠組構造体25とコンクリート27とがトンネル底部15に一体に構築される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水道用、上下水道用、地下河川用、鉄道用、自動車道用、海底トンネル用などのシールドトンネルに用いて好適なトンネルのインバート構造及びインバートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シールドトンネル内には、内面底部にインバートが形成される。このインバートは、トンネル施工中において、資材などを運搬するための搬送設備の車輌の通行のガイドとなり、凹溝部分がレールの代わりとなる。この運搬には、トンネル掘削中でのセグメントの搬入や、掘削による掘削土の排出(搬出)も含まれる。ところで、径の大きなトンネル内にインバートを設ける場合には、資材や機器が搬入容易な現場打ちコンクリート構築法が採用されるが、比較的小径なトンネルでは、プレキャスト品が用いられる(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
従来使用されるプレキャスト品は、例えば3分割ブロック構造となっており、中央部と大幅部と小幅部とでなる。それぞれに、長手方向両端で、幅長が異なるよう形成され、例えば4mmずつ幅長を異ならすことで、3つで12mmの幅長の違いが得られる。従って、プレキャスト品は、小幅同士、大幅同士を隣接して並べれば、インバートをトンネル曲線に沿った湾曲形状に構成できる。また、プレキャスト品の小幅と大幅とを大小大小と交互に並べることで、インバートを真直なトンネルに沿った直線状に構成できた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4707410号公報
【特許文献2】特開2001−288992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、インバートに用いられるプレキャスト品は、3分割構造であるが製品運搬重量が大きく、運搬に多大な労力が必要になるとともに、運搬中の割れ欠け等の損傷の心配もあった。また、予め幅長が決定されていることから、種々のトンネル曲線に対応したり、トンネル径に対応したりすることができない。これらの解消に、プレキャスト品同士を密着させずに隙間をあけて配置する必要があり、容易に構築できなかった。
【0006】
また、プレキャスト品であるインバートブロックは、隣接セグメントリング間に跨ることがないようにする必要がある。その理由は、インバートブロックが隣接セグメントリング間に跨ると、組立誤差により生じる目違いや目開きによる段差やテーパーセグメントの接合により生じる設計上避けられない上下方向の傾斜などにより、インバートブロックの脚部底面とトンネル内面とが接触しない箇所が生じる。その結果、上を人が歩いた場合や搬送台車、ズリ台車が走行した場合に、がたつきや、局所的な応力の発生によりインバートブロックにひび割れなどの損傷をきたす不具合があるためである。
【0007】
このことから、インバートブロックの長手方向(トンネル軸方向)の接合面間には10mm程度の隙間を設け、セグメント間の目開きなどの施工誤差を吸収したり、曲線部に使用するテーパーセグメントに設置するインバートブロックを直線部に使用する普通セグメントに設置するインバートと同一形状として設置可能なように配慮している(特許文献1、段落0065、段落0066参照)。
【0008】
ところが、その隙間によって、ズリ搬出車輌、セグメント搬入車輌の移動時に振動が起き、割れ、欠けの生じる虞がある。このため隙間にはコーキング材を充填することも提案される(特許文献2、段落0026、図6参照)。
【0009】
一方、小径なトンネルでは、セグメントとインバートとが一体成形のもの(インバート付セグメント)もある(特許文献2参照)。しかし、小径な場合は、セグメント数が少なく構成され、例えば4分割のセグメントでのトンネル壁面形成では、勾配やカーブなどがあると、インバートの位置が真下(トンネルの底位置)にならないことがあり、実用性に問題があった。
【0010】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、プレキャスト品を使用した場合に比べ、製品運搬重量を低減でき、運搬中等の割れ欠けの心配もなく、しかも、トンネル曲線にも対応可能なトンネルのインバート構造及びインバートの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載のトンネル11のインバート構造は、トンネル内円周の円弧37と該円弧37の両端を結ぶ弦39とによって輪郭が形成され前記弦39に凹状切欠部41を有する埋設仕切板29と、
トンネル軸線方向に所定間隔を有して対面させた少なくとも2つの前記埋設仕切板29を連結する連結板31と、
隣接する前記埋設仕切板29における前記凹状切欠部41のそれぞれの底辺部41aに架橋される底板33と、
隣接する前記埋設仕切板29における前記凹状切欠部41のそれぞれの側辺部41bに当接される側壁板35と、
で枠組構造体25が組み立てられ、
前記底板33と前記側壁板35とによって前記凹状切欠部41への打設が堰き止められたコンクリート27によりトンネル軸線方向に複数並べた前記枠組構造体25を埋設して前記枠組構造体25と前記コンクリート27とが前記トンネル底部15に一体に構築されたことを特徴とする。
【0012】
このトンネル11のインバート構造では、従来、搬入重量の大きなプレキャスト品であったインバート17が、例えば樹脂板からなる軽量の埋設仕切板29,連結板31,底板33,及び側壁板35と、打設時のコンクリート27とに分けて搬入可能となる。埋設仕切板29,連結板31,底板33,及び側壁板35を組み立てた枠組構造体25がトンネル底部15に設置され、この枠組構造体25が埋設可能な仮枠となって、コンクリート27が打設される。これにより、所定形状にインバート17が成型可能になるとともに、種々のトンネル曲線への対応も容易に可能となる。
【0013】
本発明の請求項2記載のトンネル11のインバート構造は、請求項1記載のトンネル11のインバート構造であって、
隣接する2枚の前記埋設仕切板29のそれぞれに形成される仕切板切込み43と、
それぞれの前記連結板31に形成される平行な2つの連結板切込み45と、
を相互に噛み合わせて前記枠組構造体25が井桁状となることを特徴とする。
【0014】
このトンネル11のインバート構造では、埋設仕切板29に形成された仕切板切込み43に、連結板31に形成された連結板切込み45が噛み合わされることで、埋設仕切板29と連結板31とが相互に固定し合って、高精度かつ高強度な井桁状の枠組構造体25が得られる。
【0015】
本発明の請求項3記載のトンネル11のインバート構造は、請求項1または2に記載のトンネル11のインバート構造であって、
前記埋設仕切板29には、前記凹状切欠部41の底辺部41aを延長して切り欠いて前記底板33の底板両側縁49を挿入する底板係止溝51が形成されることを特徴とする。
【0016】
このトンネル11のインバート構造では、離間した埋設仕切板同士の凹状切欠部41における底辺部41aに底板33が載置される際、底板両側縁49が、埋設仕切板29の底板係止溝51に係止され、底板両側縁49が底板係止溝51を介して埋設仕切板29に固定される。これにより、底板33下面と埋設仕切板同士の間にコンクリート27が打設された際の底板33の浮上が防止される。
【0017】
本発明の請求項4記載のトンネル11のインバート構造は、請求項1,2,3のいずれか1つに記載のトンネル11のインバート構造であって、
前記埋設仕切板29には、仕切板貫通部57が形成されることを特徴とする。
【0018】
このトンネル11のインバート構造では、埋設仕切板同士の間にコンクリート27が打設されると、打設されたコンクリート27が仕切板貫通部57を通って隣の埋設仕切板同士の間に流れ込む。すなわち、隣接する枠組構造体25の全てに打設したコンクリート27を均一に流入させることができる。
【0019】
本発明の請求項5記載のトンネル11のインバート構造は、請求項1,2,3,4のいずれか1つに記載のトンネル11のインバート構造であって、
前記埋設仕切板29,前記連結板31,前記底板33,及び前記側壁板35が樹脂板からなり、かつ前記埋設仕切板29,前記連結板31,前記底板33,及び前記側壁板35の前記コンクリート27の打設される打設面には複数の平行なリブ67が打設面全面に形成されていることを特徴とする。
【0020】
このトンネル11のインバート構造では、埋設仕切板29,連結板31,底板33,及び側壁板35の打設面に多数のリブ67が一体に並設されることで、平板が構造体となり、変形しにくくなる。インバート17の凹状切欠部41で表出する底板33と側壁板35が樹脂板となり、平滑性、耐摩耗性が高まるとともに、下水中の硫酸イオンや微生物などに対する耐腐食性も高まる。また、リブ同士の間で固化したコンクリート27が、リブ67並設方向のリブ67の移動を阻止する障壁となる。
【0021】
本発明の請求項6記載のトンネル11のインバート構造は、請求項5記載のトンネル11のインバート構造であって、
前記リブ67の先端に膨出形状部が形成されていることを特徴とする。
【0022】
このトンネル11のインバート構造では、リブ67の先端に形成される膨出形状部がコンクリート27に埋設されるので、コンクリート27が固化した後には、コンクリート27からリブ67が抜けにくくなり、コンクリート27と各板29,31,33,35とが一体化される。
【0023】
本発明の請求項7記載のトンネル11のインバート構造は、請求項5または6記載のトンネル11のインバート構造であって、
複数の前記リブ67が平行に形成された前記打設面には、前記リブ67を奥拡がりの形状で切り欠いた凹状切欠溝69が前記リブ67の並設方向に沿って形成されていることを特徴とする。
【0024】
このトンネル11のインバート構造では、リブ67を埋設して打設されるコンクリート27が、リブ67に形成された奥拡がりの凹状切欠溝69にも進入して固化することで、凹状切欠溝69で固化したコンクリート27が、リブ67を抜けにくくする。また、凹状切欠溝69で固化したコンクリート27が、凹状切欠溝69に直交方向のリブ67の移動を阻止する障壁となる。
【0025】
本発明の請求項8記載のインバート17の製造方法は、トンネル内円周の円弧37と該円弧37の両端を結ぶ弦39とによって輪郭が形成され前記弦39に凹状切欠部41を有する埋設仕切板29と、トンネル軸線方向に所定間隔を有して対面させた少なくとも2つの前記埋設仕切板29を連結する連結板31と、隣接する2枚の前記埋設仕切板29における前記凹状切欠部41のそれぞれの底辺部41aに架橋される底板33と、隣接する2枚の前記埋設仕切板29における前記凹状切欠部41のそれぞれの側辺部41bに当接される側壁板35と、で枠組構造体25を組み立て、
前記底板33と前記側壁板35とによって前記凹状切欠部41への打設を堰き止めながらコンクリート27によりトンネル軸線方向に複数並べた前記枠組構造体25を埋設して前記枠組構造体25と前記コンクリート27とを前記トンネル底部15に一体に構築することを特徴とする。
【0026】
このインバート17の製造方法では、従来、搬入重量の大きなプレキャスト品であったインバート17が、例えば樹脂板からなる軽量の埋設仕切板29,連結板31,底板33,及び側壁板35と、打設時のコンクリート27とに分けて搬入可能となる。埋設仕切板29,連結板31,底板33,及び側壁板35を組み立てた枠組構造体25がトンネル底部15に設置され、この枠組構造体25が埋設可能な仮枠となって、コンクリート27が打設される。これにより、所定形状にインバート17が成型可能になるとともに、種々のトンネル曲線への対応も容易に可能となる。
【0027】
本発明の請求項9記載のインバート17の製造方法は、請求項8記載のインバート17の製造方法であって、対向配置される一対の前記側壁板35が、該側壁板35の間に挟入される支持枠によって、打設時のコンクリート27による圧力に対して支持されることを特徴とする。
【0028】
このインバート17の製造方法では、隣接する埋設仕切板29の凹状切欠部41に渡って載置した底板33に、側壁板35を立てかけ、対面する側壁板同士の間を支持枠で離反方向に突っ張ることで、側壁板35を簡便に支持して、打設するコンクリート27を堰き止めることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る請求項1記載のトンネルのインバート構造によれば、搬入した埋設仕切板,連結板,底板,及び側壁板で仮枠となる枠組構造体が組み立てられトンネル底部に設置される。この枠組構造体がコンクリートに埋設されてインバートの一部分となり、プレキャスト品を使用する場合に比べ、製品運搬重量を低減でき、運搬中の割れ欠けも生じさせず、トンネル曲線への対応も可能にする。
【0030】
本発明に係る請求項2記載のトンネルのインバート構造によれば、仕切板切込みと連結板切込みとを噛み合わせることで、埋設仕切板と連結板とを相互に固定でき、コンクリートの打設空間を有する枠組構造体を簡単に精度良く高強度に組み立てできる。
【0031】
本発明に係る請求項3記載のトンネルのインバート構造によれば、底板両側縁を、埋設仕切板の底板係止溝に挿入固定することで、コンクリートの打設時における底板の浮き上がりを防止できる。
【0032】
本発明に係る請求項4記載のトンネルのインバート構造によれば、連続して並べられた隣接する枠組構造体同士の内側に、打設されたコンクリートが仕切板貫通部を通り、コンクリートを良好に流すことができる。すなわち、隣接する枠組構造体の全てに打設したコンクリートを均一に流入させることができる。
【0033】
本発明に係る請求項5記載のトンネルのインバート構造によれば、複数のリブによって、埋設仕切板,連結板,底板,及び側壁板の強度を高めることができるとともに、コンクリートに対する埋設仕切板,連結板,底板,及び側壁板のリブ並設方向の固定強度、すなわち板面に沿う方向の固定強度を高めることができる。
【0034】
本発明に係る請求項6記載のトンネルのインバート構造によれば、リブの先端に形成された膨出形状部がコンクリートに埋入し、コンクリートと、埋設仕切板,連結板,底板,及び側壁板との接合強度を高め、剥離を防止することができる。
【0035】
本発明に係る請求項7記載のトンネルのインバート構造によれば、奥拡がりの凹状切欠溝に充填されたコンクリートが、埋設仕切板,連結板,底板,及び側壁板のコンクリートからの剥離を防止する。また、コンクリートに対する埋設仕切板,連結板,底板,及び側壁板の凹状切欠溝に直交方向の固定強度、板面に沿う方向の固定強度を高めることができる。
【0036】
本発明に係る請求項8記載のインバートの製造方法によれば、搬入した埋設仕切板、連結板、底板、及び側壁板で枠組構造体をトンネル底部にて組み立て、この枠組構造体をコンクリートに埋設してインバートを構築でき、プレキャスト品を使用した場合に比べ、製品運搬重量を低減でき、運搬中の割れ欠けの心配もなく、しかも、種々のトンネル曲線へも対応できる。
【0037】
本発明に係る請求項9記載のインバートの製造方法によれば、枠組構造体の構造を複雑にせず、簡単な作業で側壁板を支持できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る実施形態のインバート構造を備えたトンネルの斜視図である。
【図2】図1に示した枠組構造体の分解斜視図である。
【図3】図2に示した枠組構造体の組み立てられた状態の斜視図である。
【図4】(a)は穴の仕切板貫通部が形成された埋設仕切板の正面図、(b)は上縁にU溝の仕切板貫通部が形成された埋設仕切板の正面図、(c)は下縁にU溝の仕切板貫通部が形成された埋設仕切板の正面図である。
【図5】(a)は小径トンネルに使用される埋設仕切板の正面図、(b)は大径トンネルに使用される埋設仕切板の正面図である。
【図6】埋設仕切板、底板、及び側壁板にリブの形成された枠組構造体の一部分を切り欠いた斜視図である。
【図7】一方の板幅が異なる3種類の底板によるトンネル曲線への対応例を表す説明図である。
【図8】両端の板幅が異なる底板を用いてトンネル曲線に合わせて配置された枠組構造体の平面図である。
【図9】両端の板幅が異なる底板を用いてトンネル直線に合わせて配置された枠組構造体の平面図である。
【図10】(a)は両端の板幅が異なる底板を用いて半径の小さいトンネル曲線に合わせて配置された枠組構造体の平面図、(b)は両端の板幅が異なる底板を用いて半径の大きいトンネル曲線に合わせて配置された枠組構造体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る実施形態のインバート構造を備えたトンネルの斜視図である。
本実施形態に係るトンネル11のインバート構造は、複数のセグメント13を連結してなるシールドトンネルのトンネル底部15にインバート17を構築する際に好適に用いることができる。インバート17は、トンネル底部15において、トンネル軸線19に沿って連続する凹状の排水溝21と、この排水溝21を挟み左右に形成されて上面が平坦な作業床23と、を有する。本実施形態のインバート構造では、トンネル軸線19に沿って複数の枠組構造体25を設置したトンネル底部15にコンクリート27を打設し、その枠組構造体25を、一部分の埋設される仮枠として利用し、インバート17を構築する。すなわち、枠組構造体25は、コンクリート27に埋設される部分(埋め殺し部分)と、コンクリート27の表面を覆う部分となる溝内面被覆部分とに分かれて使用されることになる。
【0040】
図2は図1に示した枠組構造体25の分解斜視図、図3は図2に示した枠組構造体25の組み立てられた状態の斜視図である。
枠組構造体25は、埋設仕切板29と、連結板31と、底板33と、側壁板35と、からなる。埋設仕切板29は、トンネル内円周の円弧37と円弧37の両端を結ぶ弦39とによって輪郭が形成され弦39に凹状切欠部41を有する。この凹状切欠部41が排水溝21を形成する。凹状切欠部41を挟む左右の弦39は、作業床23に沿って直下で埋設される。
【0041】
連結板31は、トンネル軸線方向に所定間隔を有して対面させた少なくとも2つの埋設仕切板29を連結する。隣接する2枚の埋設仕切板29のそれぞれには、仕切板切込み43が形成される。また、それぞれの連結板31には、平行な2つの連結板切込み45が形成される。埋設仕切板29と連結板31とは、相互の仕切板切込み43と連結板切込み45とを噛み合わせて、図3に示す井桁状に枠組構造体25を組み立てる。埋設仕切板29に形成された仕切板切込み43に、連結板31に形成された連結板切込み45が噛み合わされることで、埋設仕切板29と連結板31とが相互に固定し合って、高精度かつ高強度な井桁状の枠組構造体25が得られる。これにより、枠組構造体25は、コンクリート27の打設圧力に耐え得る打設空間47を、簡単な構造で形成可能にしている。
【0042】
底板33は、隣接する2枚の埋設仕切板29における凹状切欠部41のそれぞれの底辺部41aに架橋される。埋設仕切板29には、凹状切欠部41の底辺部41aを延長して切り欠いて底板33の底板両側縁49を挿入する底板係止溝51が形成される。離間した埋設仕切板同士の凹状切欠部41における底辺部41aに底板33が載置される際、底板両側縁49が、埋設仕切板29の底板係止溝51に係止され、底板両側縁49が底板係止溝51を介して埋設仕切板29に固定される。これにより、底板33の下面及び埋設仕切板同士の間にコンクリート27が打設された際の底板33の浮上が防止される。
【0043】
側壁板35は、隣接する2枚の埋設仕切板29における凹状切欠部41のそれぞれの側辺部41bに当接される。枠組構造体25は、少なくとも2枚の埋設仕切板29が連結板31によって連結され、埋設仕切板同士によって挟まれる打設空間47が形成される。この打設空間47は、外側がトンネル底部15の内周壁53(図1参照)に塞がれている。一方、内周壁53と反対側の打設空間47は、凹状切欠部41の底辺部41aと、凹状切欠部41の側辺部41bと、左右の作業床部分で開放されている。このうち、底辺部41aは底板33によって塞がれ、側辺部41bは側壁板35によって塞がれる。従って、打設空間47は、トンネル底部15の内周壁53と、埋設仕切板29と、底板33と、側壁板35と、によって囲まれ、左右上面の作業床部分のみが開放した空間となる。この左右開放がコンクリート27若しくはグラウト材やモルタル等の打設開口部55となる。
【0044】
打設開口部55から流し込まれたコンクリート27は、底板33と側壁板35とによって凹状切欠部41への打設が堰き止められる。これにより、コンクリート27によりトンネル軸線方向に複数並べた枠組構造体25を埋設して、枠組構造体25とコンクリート27とがトンネル底部15に一体に構築されるようになされている。
【0045】
図4(a)は穴の仕切板貫通部57が形成された埋設仕切板29の正面図、(b)は上縁にU溝59の仕切板貫通部57が形成された埋設仕切板29の正面図、(c)は下縁にU溝59の仕切板貫通部57が形成された埋設仕切板29の正面図である。
埋設仕切板29には、仕切板貫通部57が形成されることが好ましい。仕切板貫通部57は、図4(a)に示す丸穴61とすることができる。内周が閉じた丸穴61とすることで、埋設仕切板29の強度を低下させずに済む。また、仕切板貫通部57は、図4(b)に示すように、埋設仕切板29の上縁を切り欠いたU溝59であってもよい。上縁を切り欠いたU溝59によれば、作業床23の仕上げを容易にすることができる。また、仕切板貫通部57は、図4(c)に示すように、下縁を切り欠いたU溝59とすることもできる。下縁を切り欠いたU溝59とすることで、コンクリート27の打設の当初から枠組構造体相互間におけるコンクリート27の流動を良好にできる。
【0046】
このようにして、仕切板貫通部57を埋設仕切板29に設けることで、埋設仕切板同士の間にコンクリート27が打設されると、打設されたコンクリート27が仕切板貫通部57を通って隣の埋設仕切板同士の間に流れ込む。すなわち、隣接する枠組構造体25の全てに打設したコンクリート27を均一に流入させることができる。これに加え、コンクリート27の固化後には、コンクリート27が全ての枠組構造体25の間に渡って結合状態となる。つまり、埋設仕切板29で隔てられずに一体に成形することができる。
【0047】
図5(a)は小径トンネルに使用される埋設仕切板63の正面図、(b)は大径トンネルに使用される埋設仕切板65の正面図である。
埋設仕切板29は、トンネル内円周の円弧37に合わせて円弧37を自在に形成することができる。例えば図3に示した埋設仕切板29を標準とした場合、それよりも小径のトンネル11の場合には、図5(a)に示すように、半径の小さい円弧の埋設仕切板63を作成する。また、図3に示した標準の埋設仕切板29よりも大径のトンネル11の場合には、図5(b)に示すように、半径の大きい円弧の埋設仕切板65を作成する。これにより、埋設仕切板を変更するのみで種々の内径のトンネル11に対応したインバート17を構築することができる。
【0048】
図6は埋設仕切板29、底板33、及び側壁板35にリブ67の形成された枠組構造体25の一部分を切り欠いた斜視図である。
埋設仕切板29、連結板31、底板33、及び側壁板35は、樹脂板からなる。樹脂板には、ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を主材とする反応射出成形材料を好適に用いることができる。なお、樹脂板の材質としては、この他、押出成形された塩化ビニル樹脂製の板を用いることもできる。埋設仕切板29、連結板31、底板33、及び側壁板35のコンクリート27の打設される打設面には、複数の平行なリブ67が打設面全面に形成されている。埋設仕切板29、連結板31、底板33、及び側壁板35は、リブ67を一体に形成した射出成形品として製作される。リブ67は2〜3cmおきに略等間隔となって形成されている。
【0049】
埋設仕切板29、連結板31、底板33、及び側壁板35の打設面に多数のリブ67が一体に並設されることで、平板が構造体となり、変形しにくくなる。インバート17の凹状切欠部41で表出する底板33と側壁板35が樹脂板となり、平滑性、耐摩耗性が高まるとともに、下水中の硫酸イオンや微生物などに対する耐腐食性も高まる。また、リブ同士の間で固化したコンクリート27が、リブ67並設方向のリブ67の移動を阻止する障壁となる。すなわち、埋設仕切板29、連結板31、底板33、及び側壁板35は、コンクリート27に対するリブ67の並設方向の固定強度、板面に沿う方向の固定強度が高められている。
【0050】
なお、図示は省略するが、リブ67の先端には、膨出形状部が形成されている構成としても良い。リブ67の先端に形成される膨出形状部がコンクリート27に埋設されるので、コンクリート27が固化した後には、コンクリート27からリブ67が抜けにくくなる。このように、膨出形状部を設けたリブ67によれば、リブ67をコンクリート27に埋入し、コンクリート27と、埋設仕切板29、連結板31、底板33、及び側壁板35との接合強度を高め、剥離を防止することができる。
【0051】
また、複数のリブ67が平行に形成された打設面には、リブ67を奥拡がりの形状で切り欠いた凹状切欠溝69がリブ67の並設方向に沿って形成されている。リブ67を埋設して打設されるコンクリート27は、リブ67に形成された奥拡がりの凹状切欠溝69にも進入して固化する。これにより、凹状切欠溝69で固化したコンクリート27が、リブ67を抜けにくくする。また、凹状切欠溝69で固化したコンクリート27が、凹状切欠溝69に直交方向のリブ67の移動を阻止する障壁となる。このように、凹状切欠溝69を設けたリブ67によれば、奥拡がりの凹状切欠溝69に充填されたコンクリート27が、埋設仕切板29、連結板31、底板33、及び側壁板35のコンクリート27からの剥離を防止する。また、コンクリート27に対する埋設仕切板29、連結板31、底板33、及び側壁板35の凹状切欠溝69に直交方向の固定強度、板面に沿う方向の固定強度を高めることができる。
【0052】
図7は一方の板幅が異なる3種類の底板33によるトンネル曲線への対応例を表す説明図である。
インバート構造では、底板33の大きさを複数種類用意することで、所望のトンネル曲線、所謂カーブ部分に対応する間隙の無いインバート部が形成可能となる。例えば、底板33は、一端の幅が同一であり、他端の幅が異なる小テーパー底板71と、中テーパー底板73と、大テーパー底板75と、の3種類を形成しておく。これら3種類の小テーパー底板71、中テーパー底板73、大テーパー底板75を組み替えて使用することで、トンネルカーブ半径の異なる種々のトンネル曲線に対応可能とすることができる。なお、この際、側壁板35の幅長も合せたものにする。
【0053】
次に、上記したインバート17の製造方法を説明する。
図8は両端の板幅が異なる底板を用いてトンネル曲線に合わせて配置された枠組構造体25の平面図、図9は両端の板幅が異なる底板を用いてトンネル直線に合わせて配置された枠組構造体25の平面図である。
インバート17の製造方法は、例えばトンネル11の内径が約1.8mの下水用のシールドトンネルに好適に用いることができる。インバート17の製造は、シールドトンネルを掘りながら、埋設仕切板29、連結板31、底板33、及び側壁板35がトンネル内に搬入されて進められる。
【0054】
インバート17を構築するには、先ず、埋設仕切板29、連結板31、底板33、及び側壁板35を組み立てる。初めに図2に示した埋設仕切板29に対して底板33を嵌め込むが、リブ67を備える場合には、底板33に対して両側から埋設仕切板29を嵌めるように組み立て、次に連結板31を嵌め込んで井桁状の枠組構造体25とする。なお、底板33の差込み方向となる側縁のリブ67は、埋設仕切板29に形成される底板係止溝51と干渉しないように切削などを予め行い取り除かれることが好ましい。この枠組構造体25を例えば3組位トンネル底部15に設置する。設置は、既設側(トンネル入口側)から順に並べ、奥方(掘削側)の埋設仕切板29には仕切板貫通部57のないものを使用する。
【0055】
複数並べられた枠組構造体25に対し、側壁板35を組み付け、側壁板35の対向面に、支持枠を組み込む。その後、コンクリート27を打設する。コンクリート27は、既設側から充填する。打設完了の後、養生を行う。コンクリート27の固化後に、支持枠を外す。未充填隙間がある場合には、コーキング処理を行い、インバート17の製造方法を完成する。なお、コンクリート27の強度向上のために、鉄筋を配する構造としても良く、図示しないが、例えば対となる埋設仕切板29の所定箇所に貫通孔を複数設け、これら貫通孔を貫き両埋設仕切板29に架設されるように鉄筋を配設させ、打設されるコンクリート27に埋設状態となるよう構成したり、或いは複数の枠組構造体25に亘って鉄筋を配して埋設する構成とする。
【0056】
上記したインバート17の製造方法において、トンネル曲線に合わせた構築を行う場合、図7に示した左右端の幅が異なる例えば中テーパー底板73を使用する。この場合、図8に示すように、トンネル曲線の半径方向内側に、短辺が位置し、半径方向外側に、長辺が位置するように、中テーパー底板73を突き合わせて、枠組構造体25を並べて行く。このように、短辺同士、長辺同士を隣り合わせて並べることで、カーブ半径の曲線路に対応することができる。この場合、従来と同様に長辺と短辺との寸法差を、例えば数mm程度とすることで、埋設仕切板29の両端での差が約12mm程度となる。
【0057】
一方、トンネル直線部分では、図9に示すように、中テーパー底板73の短辺と長辺とを交互に並べて枠組構造体25を設置する。これにより、交互に短辺と長辺の寸法差が相殺されて直線状のインバート17が構築される。
【0058】
このようにして、設置された枠組構造体25に対し、コンクリート27を打設開口部55(図1参照)から打設空間47(図1参照)に打設する。これにより、底板33と側壁板35とによって凹状切欠部41への打設を堰き止めながら、トンネル軸線方向に複数並べた枠組構造体25をコンクリート27に埋設して、枠組構造体25とコンクリート27とをトンネル底部15に一体に構築する。
【0059】
なお、対向配置される一対の側壁板35は、側壁板35の間に挟入される支持枠によって、打設時のコンクリート27による圧力に対して支持される。隣接する埋設仕切板29の凹状切欠部41に渡って載置した底板33に、側壁板35を立てかけ、対面する側壁板同士の間を支持枠で離反方向に突っ張ることで、側壁板35を簡便に支持して、打設するコンクリート27を堰き止めることができる。これにより、枠組構造体25の構造を複雑にせず、簡単な作業で側壁板35を支持できる。
【0060】
上記のトンネル11のインバート構造及びインバート17の製造方法では、従来、搬入重量の大きなプレキャスト品であったインバート17が、例えば樹脂板からなる軽量の埋設仕切板29、連結板31、底板33、及び側壁板35と、打設時のコンクリート27とに分けて搬入可能となる。埋設仕切板29、連結板31、底板33、及び側壁板35を組み立てた枠組構造体25がトンネル底部15に設置され、この枠組構造体25が埋設可能な仮枠となって、コンクリート27が打設される。これにより、所定形状にインバート17が成型可能になるとともに、種々のトンネル曲線への対応も容易に可能となる。
【0061】
図10(a)は両端の板幅が異なる底板を用いて半径の小さいトンネル曲線に合わせて配置された枠組構造体25の平面図、(b)は両端の板幅が異なる底板を用いて半径の大きいトンネル曲線に合わせて配置された枠組構造体25の平面図である。
なお、インバート17の製造方法では、上記した小テーパー底板71や大テーパー底板75で対応できない小径や大径のカーブ半径となったトンネル曲線でも対応を可能にすることができる。すなわち、大テーパー底板75を連結して得られるカーブ半径よりも小さいトンネル曲線の場合、例えば半径50m以下の場合には、図10(a)に示すように、長辺同士の部分に隙間77を設けて構築する。また、小テーパー底板71を連結して得られるカーブ半径よりも大きいトンネル曲線の場合、例えば半径50m以上の場合には、図10(b)に示すように、短辺同士の部分に隙間77を設けて構築する。
【0062】
従って、本実施形態に係るトンネル11のインバート構造によれば、搬入した埋設仕切板29、連結板31、底板33、及び側壁板35で仮枠となる枠組構造体25が組み立てられる。この枠組構造体25がコンクリート27に埋設されてインバート17の一部分となり、プレキャスト品を使用する場合に比べ、製品運搬重量を低減でき、運搬中の割れ欠けも生じさせず、トンネル曲線への対応も可能にする。
【0063】
また、本実施形態に係るインバート17の製造方法によれば、搬入した埋設仕切板29、連結板31、底板33、及び側壁板35で枠組構造体25を組み立て、この枠組構造体25をコンクリート27に埋設してインバート17を構築でき、プレキャスト品を使用した場合に比べ、製品運搬重量を低減でき、運搬中の割れ欠けの心配もなく、しかも、トンネル曲線へも対応できる。
【0064】
これに加え、本実施形態によれば、施工時の搬入重量が大幅に減り施工性が向上する。また、軽量となることで車輌の簡素化が可能となる。さらに取り扱いが容易であり輸送中の損傷が無い。軽量であることで、現場での作業に煩雑さが減る。
さらに、形状の変更も可能であることから種々のトンネル底部15の曲率に対応可能となる。排水溝21の両側及び底面が樹脂板にて形成され、水はけが良くなる。トンネル内径にも各種対応可能となるなどの効果を奏する。
【符号の説明】
【0065】
11…トンネル
15…トンネル底部
17…インバート
25…枠組構造体
27…コンクリート
29…埋設仕切板
31…連結板
33…底板
35…側壁板
37…円弧
39…弦
41…凹状切欠部
41a…底辺部
41b…側辺部
43…仕切板切込み
45…連結板切込み
49…底板両側縁
51…底板係止溝
57…仕切板貫通部
67…リブ
69…凹状切欠溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル内円周の円弧と該円弧の両端を結ぶ弦とによって輪郭が形成され前記弦に凹状切欠部を有する埋設仕切板と、
トンネル軸線方向に所定間隔を有して対面させた少なくとも2つの前記埋設仕切板を連結する連結板と、
隣接する前記埋設仕切板における前記凹状切欠部のそれぞれの底辺部に架橋される底板と、
隣接する前記埋設仕切板における前記凹状切欠部のそれぞれの側辺部に当接される側壁板と、
で枠組構造体が組み立てられ、
前記底板と前記側壁板とによって前記凹状切欠部への打設が堰き止められたコンクリートによりトンネル軸線方向に複数並べた前記枠組構造体を埋設して前記枠組構造体と前記コンクリートとが前記トンネル底部に一体に構築されたことを特徴とするトンネルのインバート構造。
【請求項2】
請求項1記載のトンネルのインバート構造であって、
隣接する2枚の前記埋設仕切板のそれぞれに形成される仕切板切込みと、
それぞれの前記連結板に形成される平行な2つの連結板切込みと、
を相互に噛み合わせて前記枠組構造体が井桁状となることを特徴とするトンネルのインバート構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載のトンネルのインバート構造であって、
前記埋設仕切板には、前記凹状切欠部の底辺部を延長して切り欠いて前記底板の底板両側縁を挿入する底板係止溝が形成されることを特徴とするトンネルのインバート構造。
【請求項4】
請求項1,2,3のいずれか1つに記載のトンネルのインバート構造であって、
前記埋設仕切板には、仕切板貫通部が形成されることを特徴とするトンネルのインバート構造。
【請求項5】
請求項1,2,3,4のいずれか1つに記載のトンネルのインバート構造であって、
前記埋設仕切板,前記連結板,前記底板,及び前記側壁板が樹脂板からなり、かつ前記埋設仕切板,前記連結板,前記底板,及び前記側壁板の前記コンクリートの打設される打設面には複数の平行なリブが打設面全面に形成されていることを特徴とするトンネルのインバート構造。
【請求項6】
請求項5記載のトンネルのインバート構造であって、
前記リブの先端に膨出形状部が形成されていることを特徴とするトンネルのインバート構造。
【請求項7】
請求項5または6記載のトンネルのインバート構造であって、
複数の前記リブが平行に形成された前記打設面には、前記リブを奥拡がりの形状で切り欠いた凹状切欠溝が前記リブの並設方向に沿って形成されていることを特徴とするトンネルのインバート構造。
【請求項8】
トンネル内円周の円弧と該円弧の両端を結ぶ弦とによって輪郭が形成され前記弦に凹状切欠部を有する埋設仕切板と、トンネル軸線方向に所定間隔を有して対面させた少なくとも2つの前記埋設仕切板を連結する連結板と、隣接する2枚の前記埋設仕切板における前記凹状切欠部のそれぞれの底辺部に架橋される底板と、隣接する2枚の前記埋設仕切板における前記凹状切欠部のそれぞれの側辺部に当接される側壁板と、で枠組構造体を組み立て、
前記底板と前記側壁板とによって前記凹状切欠部への打設を堰き止めながらコンクリートによりトンネル軸線方向に複数並べた前記枠組構造体を埋設して前記枠組構造体と前記コンクリートとを前記トンネル底部に一体に構築することを特徴とするインバートの製造方法。
【請求項9】
請求項8記載のインバートの製造方法であって、
対向配置される一対の前記側壁板が、該側壁板の間に挟入される支持枠によって、打設時のコンクリートによる圧力に対して支持されることを特徴とするインバートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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