トンネル用作業機械
【課題】坑内の空気の汚染を防止または抑制するとともに、使用範囲を拡大し得るトンネル用作業機械を提供する。
【解決手段】このドリルジャンボ１（トンネル用作業機械）は、油圧ポンプ３と、その油圧ポンプ３からの圧油で駆動する作業用のアクチュエータ４とを備えており、さらに、ディーゼルエンジン７と、そのディーゼルエンジン７にその出力で発電可能に接続された発電機５と、油圧ポンプ３を駆動可能な電動モータ６と、その電動モータ６への電力の供給および前記発電機５からの充電が可能にそれぞれに接続されたバッテリ８とを備えている。
【解決手段】このドリルジャンボ１（トンネル用作業機械）は、油圧ポンプ３と、その油圧ポンプ３からの圧油で駆動する作業用のアクチュエータ４とを備えており、さらに、ディーゼルエンジン７と、そのディーゼルエンジン７にその出力で発電可能に接続された発電機５と、油圧ポンプ３を駆動可能な電動モータ６と、その電動モータ６への電力の供給および前記発電機５からの充電が可能にそれぞれに接続されたバッテリ８とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、トンネル内での作業に用いられるトンネル用作業機械に関する。
【背景技術】
【０００２】
この種のトンネル用作業機械の多くは、トンネル内で作業する場合に、エンジン（内燃機関）の排ガスで坑内の空気を汚染しないように、動力源として電動モータで作業するものが従来から採用されている。その多くは、バッテリのみによる駆動や、ケーブルリールを介して外部から供給された電源によって駆動する外部電源駆動である。これにより、主要作業時には、坑内の空気の汚染を防止している。
【０００３】
しかし、例えば換気が十分になされる条件下での作業や、比較的に作業時間が短い補助的な作業（例えば自車両の走行時など）には、車載されたディーゼルエンジン等のエンジン（内燃機関）を動力源として使用することは合理的な場合がある。
そこで、例えば特許文献１に記載の技術では、エンジン（内燃機関）および電動モータのそれぞれによって負荷を駆動可能な、いわゆるハイブリッド方式を備える建設機械用モータが提案されている。なお、同文献に記載の建設機械用モータは、回生エネルギー制御等に係る構成は特に有しない。
【特許文献１】特表平８−５０３２７６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、特許文献１に記載の技術では、建設機械用モータを電動モータで動作させる場合に、例えばバッテリのみで駆動するときには、バッテリが放電しきれば停止してしまうし、また、例えば外部電源駆動のときには、ケーブルがとどく限られた範囲内のみでの作業となり、外部からの電源の取得が困難な状況での使用においては使用範囲に制限がある。なお、必要な電源を確保するために、発電機を別途に用意したり、あるいは、外部電源を供給可能な範囲を拡大したりすることも考えられるものの、このような方法では、その分の費用が嵩むことになる。
【０００５】
また、建設機械用モータをディーゼルエンジンで動作させる場合には、上述のように、例えば換気が十分になされる条件下での作業や、比較的に作業時間が短い補助的な作業（例えば自車両の走行時など）等、内燃機関を使用しても差し支えのない環境に使用範囲が制限されてしまう。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、坑内の空気の汚染を防止または抑制するとともに、使用範囲を拡大し得るトンネル用作業機械を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題を解決するために、本発明は、トンネル内での作業に用いられ、油圧ポンプと、その油圧ポンプからの圧油で駆動する作業用のアクチュエータとを備える作業機械であって、エンジンと、そのエンジンにその出力で発電可能に接続された発電機と、前記油圧ポンプを駆動可能な電動モータと、その電動モータへの電力の供給および前記発電機からの充電が可能にそれぞれに接続されたバッテリとを備えていることを特徴としている。なお、バッテリには大容量のものを採用することは好ましい。また、エンジン（内燃機関）には、ディーゼルエンジンを好適に採用することができる。
【０００７】
本発明に係るトンネル用作業機械によれば、油圧ポンプと、その油圧ポンプからの圧油で駆動する作業用のアクチュエータと、エンジンと、そのエンジンにその出力で発電可能に接続された発電機と、前記油圧ポンプを駆動可能な電動モータと、その電動モータへの電力の供給および前記発電機からの充電が可能にそれぞれに接続されたバッテリとを備えているので、バッテリから供給された電力で電動モータを動作させて油圧ポンプを駆動して作業用のアクチュエータを駆動することができる。したがって、坑内の空気の汚染を防止または抑制しつつ必要な作業を行うことができる。
【０００８】
また、本発明に係るトンネル用作業機械によれば、発電機は、エンジンにその出力で発電可能に接続されているので、エンジンを運転することで発電機を駆動してバッテリを充電することが可能である。したがって、充電に際しエンジンを動力源として使用するものの、例えば外部からの電源の取得が困難な状況での使用も可能であり、電源が無い場所での放電に備えた再充電も可能である。したがって、その活動範囲をより広域なものとすることができる。また、再充電が可能なので、搭載するバッテリの容量を最小限とすることができる。そのため、そのコストも抑制可能である。
【０００９】
ここで、本発明に係るトンネル用作業機械において、外部電源を前記バッテリおよび電動モータに供給可能なケーブルリールを更に有することは好ましい。このような構成であれば、外部電源をバッテリおよび電動モータの両方に給電できるため、例えば電動モータを動作させた状態で作業しつつ、バッテリへの充電が可能である。したがって、その活動範囲をより一層広域なものとする上で好適である。
【発明の効果】
【００１０】
上述のように、本発明によれば、坑内の空気の汚染を防止または抑制するとともに、使用範囲を拡大し得るトンネル用作業機械を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図１は本発明に係るトンネル用作業機械の一実施形態であるドリルジャンボの概略説明図である。
このドリルジャンボ１は、作業用のアクチュエータとして周知の構成を備えたものであり、すなわち、同図に示すように、前後にアウトリガ１６を備えた台車２に、ドリフタ１４、ガイドシェル１５およびブーム１３を備えてなる穿孔ユニット２０、並びに、作業台１１の作業台ブーム１０等が作業用のアクチュエータとして搭載されている。
【００１２】
次に、このドリルジャンボ１の作業用のアクチュエータ駆動系統の構成について、図１および図２を適宜参照しつつ説明する。なお、図２は、アクチュエータ駆動系統の構成を説明するブロック図である。
このドリルジャンボ１は、図１（ａ）に示すように、台車２内の後部中央に、エンジンとしてディーゼルエンジン７を備えている。そして、このディーゼルエンジン７には、その出力軸に、発電機５が接続されている。また、この発電機５の上方には、図１（ｂ）に示すように、電動モータ６が配置されている。そして、この電動モータ６は、その出力軸に、油圧ポンプ３が接続されている。さらに、この油圧ポンプ３は、台車２内の中央に配置されている油圧モータ４に（図１（ａ）参照）、油圧回路３０を介して接続されており、この油圧モータ４は、図２に示すように、油圧ポンプ３からの圧油で駆動し、ドリルジャンボ１の各装置の作業用のアクチュエータ４として駆動可能になっている。
【００１３】
なお、図２ではアクチュエータ４を一つのみ図示しているが、詳細には、アクチュエータは上述のように各装置に複数装備されている。そして、油圧ポンプ３から吐出される圧油は、（以下不図示の）コントロールバルブへ供給され、このコントロールバルブ内には、各装置のアクチュエータをそれぞれ駆動するための複数の切換弁がアクチュエータ毎に設けられている。また、同図では図示を省略しているが、各装置間には、制御用ないし駆動用の電気回路が介在しており、制御用の回路は、制御部に接続され、各装置および制御部相互は、必要な信号の授受が可能になっている。また、駆動用の電気回路は、各装置のアクチュエータの切換弁等に必要な電力の供給が可能に構成されている。例えば上記各切換弁は、信号線を介して制御部に接続されており、各装置の操作信号に応じた制御部からの制御信号に基づいて各切換弁の油路の切換動作が適宜実行される。
【００１４】
さらに、このドリルジャンボ１は、図１に示すように、台車２内の後部右側に、大容量のバッテリ８を備えている。この大容量のバッテリ８は、図２に示すように、ディーゼルエンジン７用のバッテリ７ａとは別個に設けられたバッテリであり、上記の発電機５からの充電が可能に接続されるとともに、上記の電動モータ６に必要な電力を供給可能に接続されている。つまり、ディーゼルエンジン７の回転による発電機５の交流発電では、不図示のインバータにより直流に変換された後にバッテリ８に導かれ、バッテリ８を充電する。また、バッテリ８からの電流が不図示のインバータにて所定電流に変換され、その変換された後の電流が上記の電動モータ６に供給されることで、要求に対応した回転数およびトルクにて電動モータ６を回転させるようになっている。
【００１５】
また、このドリルジャンボ１は、図１に示すように、台車２の後部左側に、ケーブルリール２２を有している。このケーブルリール２２は、図２に示すように、上記バッテリ８および電動モータ６それぞれに対し、外部電源２４を供給可能に接続されるようになっている。
次に、このドリルジャンボ１のアクチュエータ駆動系統の動作、およびその作用・効果について図３〜図７を適宜参照しつつ説明する。
【００１６】
上述したように、このドリルジャンボ１は、油圧ポンプ３と、その油圧ポンプ３からの圧油で駆動する作業用のアクチュエータとを備え、さらに、ディーゼルエンジン７と、そのディーゼルエンジン７にその出力で発電可能に接続された発電機５と、油圧ポンプ３を駆動可能な電動モータ６と、その電動モータ６への電力の供給および発電機５からの充電が可能にそれぞれに接続されたバッテリ８とを備えているので、例えば図３に示すように、バッテリ８から供給された電力で電動モータ６を動作させて油圧ポンプ３を駆動して作業用のアクチュエータ４を駆動することができる。したがって、坑内の空気の汚染を防止または抑制しつつ必要な作業を行うことができる。
【００１７】
また、発電機５は、ディーゼルエンジン７にその出力で発電可能に接続されているので、例えば図４に示すように、ディーゼルエンジン７を運転することで発電機５を駆動してバッテリ８を充電することが可能である。したがって、充電に際しディーゼルエンジン７を動力源として使用するものの、例えば外部からの電源の取得が困難な状況での使用も可能であり、電源が無い場所での放電に備えた再充電も可能である。したがって、その活動範囲をより広域なものとすることができる。また、再充電が可能なので、搭載するバッテリ８の容量を最小限とすることができる。そのため、そのコストも抑制可能である。また、例えば図５に示すように、ディーゼルエンジン７を運転することで発電機５を駆動してバッテリ８を充電しつつ、バッテリ８から供給された電力で電動モータ６を動作させて油圧ポンプ３を駆動して作業用のアクチュエータ４を駆動することも可能である。
【００１８】
また、このドリルジャンボ１によれば、バッテリ８および電動モータ６に外部電源２４を供給可能なケーブルリール２２を有するので、例えば図６に示すように、外部電源２４からの電力を電動モータ６に直に供給し、その供給された電力で電動モータ６を動作させて油圧ポンプ３を駆動して作業用のアクチュエータ４を駆動することも可能である。あるいは、例えば図７に示すように、外部電源２４によってバッテリ８を充電することもできる。したがって、その活動範囲をより一層広域なものとすることができる。
【００１９】
以上説明したように、このドリルジャンボ１によれば、坑内の空気の汚染を防止または抑制するとともに、使用範囲を拡大することができる。
なお、本発明に係るトンネル用作業機械は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、本発明に係るトンネル用作業機械として、ドリルジャンボを例に説明したが、これに限定されず、本発明に係るトンネル用作業機械としては、例えば、コンクリート吹付機、支保工エレクター、ローディングショベル、ロードヘッダ、ブームヘッダ、シャフトローダ、または高所作業車等にも適用可能である。
【００２０】
また、例えば上記実施形態では、ケーブルリール２２は、外部電源２４をバッテリ８および電動モータ６に供給可能に装備されている例で説明したが、これに限定されず、ケーブルリール２２を装備しない構成であってもよい。また、ケーブルリール２２を装備する場合において、外部電源２４をバッテリ８または電動モータ６のいずれか一方に供給可能に装備されているものであってもよい。しかし、トンネル用作業機械の活動範囲をより一層広域なものとする上では、ケーブルリール２２を装備し、外部電源２４をバッテリ８および電動モータ６に供給可能になっていることは好ましい。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】本発明に係るトンネル用作業機械の一実施形態であるドリルジャンボの概略説明図であり、同図（ａ）はその平面図、同図（ｂ）はその正面図である。
【図２】作業用のアクチュエータ駆動系統の構成を説明するブロック図である。
【図３】作業用のアクチュエータ駆動系統の動作を説明するブロック図である。
【図４】作業用のアクチュエータ駆動系統の動作を説明するブロック図である。
【図５】作業用のアクチュエータ駆動系統の動作を説明するブロック図である。
【図６】作業用のアクチュエータ駆動系統の動作を説明するブロック図である。
【図７】作業用のアクチュエータ駆動系統の動作を説明するブロック図である。
【符号の説明】
【００２２】
１ ドリルジャンボ（トンネル用作業機械）
２ 台車
３ 油圧ポンプ
４ 油圧モータ
５ 発電機
６ 電動モータ
７ ディーゼルエンジン（エンジン）
８ バッテリ
１０ 作業台ブーム
１１ 作業台
１３ ブーム
１４ ドリフタ
１５ ガイドシェル
１６ アウトリガ
２０ 穿孔ユニット
２２ ケーブルリール
２４ 外部電源
３０ 油圧回路
【技術分野】
【０００１】
本発明は、トンネル内での作業に用いられるトンネル用作業機械に関する。
【背景技術】
【０００２】
この種のトンネル用作業機械の多くは、トンネル内で作業する場合に、エンジン（内燃機関）の排ガスで坑内の空気を汚染しないように、動力源として電動モータで作業するものが従来から採用されている。その多くは、バッテリのみによる駆動や、ケーブルリールを介して外部から供給された電源によって駆動する外部電源駆動である。これにより、主要作業時には、坑内の空気の汚染を防止している。
【０００３】
しかし、例えば換気が十分になされる条件下での作業や、比較的に作業時間が短い補助的な作業（例えば自車両の走行時など）には、車載されたディーゼルエンジン等のエンジン（内燃機関）を動力源として使用することは合理的な場合がある。
そこで、例えば特許文献１に記載の技術では、エンジン（内燃機関）および電動モータのそれぞれによって負荷を駆動可能な、いわゆるハイブリッド方式を備える建設機械用モータが提案されている。なお、同文献に記載の建設機械用モータは、回生エネルギー制御等に係る構成は特に有しない。
【特許文献１】特表平８−５０３２７６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、特許文献１に記載の技術では、建設機械用モータを電動モータで動作させる場合に、例えばバッテリのみで駆動するときには、バッテリが放電しきれば停止してしまうし、また、例えば外部電源駆動のときには、ケーブルがとどく限られた範囲内のみでの作業となり、外部からの電源の取得が困難な状況での使用においては使用範囲に制限がある。なお、必要な電源を確保するために、発電機を別途に用意したり、あるいは、外部電源を供給可能な範囲を拡大したりすることも考えられるものの、このような方法では、その分の費用が嵩むことになる。
【０００５】
また、建設機械用モータをディーゼルエンジンで動作させる場合には、上述のように、例えば換気が十分になされる条件下での作業や、比較的に作業時間が短い補助的な作業（例えば自車両の走行時など）等、内燃機関を使用しても差し支えのない環境に使用範囲が制限されてしまう。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、坑内の空気の汚染を防止または抑制するとともに、使用範囲を拡大し得るトンネル用作業機械を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題を解決するために、本発明は、トンネル内での作業に用いられ、油圧ポンプと、その油圧ポンプからの圧油で駆動する作業用のアクチュエータとを備える作業機械であって、エンジンと、そのエンジンにその出力で発電可能に接続された発電機と、前記油圧ポンプを駆動可能な電動モータと、その電動モータへの電力の供給および前記発電機からの充電が可能にそれぞれに接続されたバッテリとを備えていることを特徴としている。なお、バッテリには大容量のものを採用することは好ましい。また、エンジン（内燃機関）には、ディーゼルエンジンを好適に採用することができる。
【０００７】
本発明に係るトンネル用作業機械によれば、油圧ポンプと、その油圧ポンプからの圧油で駆動する作業用のアクチュエータと、エンジンと、そのエンジンにその出力で発電可能に接続された発電機と、前記油圧ポンプを駆動可能な電動モータと、その電動モータへの電力の供給および前記発電機からの充電が可能にそれぞれに接続されたバッテリとを備えているので、バッテリから供給された電力で電動モータを動作させて油圧ポンプを駆動して作業用のアクチュエータを駆動することができる。したがって、坑内の空気の汚染を防止または抑制しつつ必要な作業を行うことができる。
【０００８】
また、本発明に係るトンネル用作業機械によれば、発電機は、エンジンにその出力で発電可能に接続されているので、エンジンを運転することで発電機を駆動してバッテリを充電することが可能である。したがって、充電に際しエンジンを動力源として使用するものの、例えば外部からの電源の取得が困難な状況での使用も可能であり、電源が無い場所での放電に備えた再充電も可能である。したがって、その活動範囲をより広域なものとすることができる。また、再充電が可能なので、搭載するバッテリの容量を最小限とすることができる。そのため、そのコストも抑制可能である。
【０００９】
ここで、本発明に係るトンネル用作業機械において、外部電源を前記バッテリおよび電動モータに供給可能なケーブルリールを更に有することは好ましい。このような構成であれば、外部電源をバッテリおよび電動モータの両方に給電できるため、例えば電動モータを動作させた状態で作業しつつ、バッテリへの充電が可能である。したがって、その活動範囲をより一層広域なものとする上で好適である。
【発明の効果】
【００１０】
上述のように、本発明によれば、坑内の空気の汚染を防止または抑制するとともに、使用範囲を拡大し得るトンネル用作業機械を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図１は本発明に係るトンネル用作業機械の一実施形態であるドリルジャンボの概略説明図である。
このドリルジャンボ１は、作業用のアクチュエータとして周知の構成を備えたものであり、すなわち、同図に示すように、前後にアウトリガ１６を備えた台車２に、ドリフタ１４、ガイドシェル１５およびブーム１３を備えてなる穿孔ユニット２０、並びに、作業台１１の作業台ブーム１０等が作業用のアクチュエータとして搭載されている。
【００１２】
次に、このドリルジャンボ１の作業用のアクチュエータ駆動系統の構成について、図１および図２を適宜参照しつつ説明する。なお、図２は、アクチュエータ駆動系統の構成を説明するブロック図である。
このドリルジャンボ１は、図１（ａ）に示すように、台車２内の後部中央に、エンジンとしてディーゼルエンジン７を備えている。そして、このディーゼルエンジン７には、その出力軸に、発電機５が接続されている。また、この発電機５の上方には、図１（ｂ）に示すように、電動モータ６が配置されている。そして、この電動モータ６は、その出力軸に、油圧ポンプ３が接続されている。さらに、この油圧ポンプ３は、台車２内の中央に配置されている油圧モータ４に（図１（ａ）参照）、油圧回路３０を介して接続されており、この油圧モータ４は、図２に示すように、油圧ポンプ３からの圧油で駆動し、ドリルジャンボ１の各装置の作業用のアクチュエータ４として駆動可能になっている。
【００１３】
なお、図２ではアクチュエータ４を一つのみ図示しているが、詳細には、アクチュエータは上述のように各装置に複数装備されている。そして、油圧ポンプ３から吐出される圧油は、（以下不図示の）コントロールバルブへ供給され、このコントロールバルブ内には、各装置のアクチュエータをそれぞれ駆動するための複数の切換弁がアクチュエータ毎に設けられている。また、同図では図示を省略しているが、各装置間には、制御用ないし駆動用の電気回路が介在しており、制御用の回路は、制御部に接続され、各装置および制御部相互は、必要な信号の授受が可能になっている。また、駆動用の電気回路は、各装置のアクチュエータの切換弁等に必要な電力の供給が可能に構成されている。例えば上記各切換弁は、信号線を介して制御部に接続されており、各装置の操作信号に応じた制御部からの制御信号に基づいて各切換弁の油路の切換動作が適宜実行される。
【００１４】
さらに、このドリルジャンボ１は、図１に示すように、台車２内の後部右側に、大容量のバッテリ８を備えている。この大容量のバッテリ８は、図２に示すように、ディーゼルエンジン７用のバッテリ７ａとは別個に設けられたバッテリであり、上記の発電機５からの充電が可能に接続されるとともに、上記の電動モータ６に必要な電力を供給可能に接続されている。つまり、ディーゼルエンジン７の回転による発電機５の交流発電では、不図示のインバータにより直流に変換された後にバッテリ８に導かれ、バッテリ８を充電する。また、バッテリ８からの電流が不図示のインバータにて所定電流に変換され、その変換された後の電流が上記の電動モータ６に供給されることで、要求に対応した回転数およびトルクにて電動モータ６を回転させるようになっている。
【００１５】
また、このドリルジャンボ１は、図１に示すように、台車２の後部左側に、ケーブルリール２２を有している。このケーブルリール２２は、図２に示すように、上記バッテリ８および電動モータ６それぞれに対し、外部電源２４を供給可能に接続されるようになっている。
次に、このドリルジャンボ１のアクチュエータ駆動系統の動作、およびその作用・効果について図３〜図７を適宜参照しつつ説明する。
【００１６】
上述したように、このドリルジャンボ１は、油圧ポンプ３と、その油圧ポンプ３からの圧油で駆動する作業用のアクチュエータとを備え、さらに、ディーゼルエンジン７と、そのディーゼルエンジン７にその出力で発電可能に接続された発電機５と、油圧ポンプ３を駆動可能な電動モータ６と、その電動モータ６への電力の供給および発電機５からの充電が可能にそれぞれに接続されたバッテリ８とを備えているので、例えば図３に示すように、バッテリ８から供給された電力で電動モータ６を動作させて油圧ポンプ３を駆動して作業用のアクチュエータ４を駆動することができる。したがって、坑内の空気の汚染を防止または抑制しつつ必要な作業を行うことができる。
【００１７】
また、発電機５は、ディーゼルエンジン７にその出力で発電可能に接続されているので、例えば図４に示すように、ディーゼルエンジン７を運転することで発電機５を駆動してバッテリ８を充電することが可能である。したがって、充電に際しディーゼルエンジン７を動力源として使用するものの、例えば外部からの電源の取得が困難な状況での使用も可能であり、電源が無い場所での放電に備えた再充電も可能である。したがって、その活動範囲をより広域なものとすることができる。また、再充電が可能なので、搭載するバッテリ８の容量を最小限とすることができる。そのため、そのコストも抑制可能である。また、例えば図５に示すように、ディーゼルエンジン７を運転することで発電機５を駆動してバッテリ８を充電しつつ、バッテリ８から供給された電力で電動モータ６を動作させて油圧ポンプ３を駆動して作業用のアクチュエータ４を駆動することも可能である。
【００１８】
また、このドリルジャンボ１によれば、バッテリ８および電動モータ６に外部電源２４を供給可能なケーブルリール２２を有するので、例えば図６に示すように、外部電源２４からの電力を電動モータ６に直に供給し、その供給された電力で電動モータ６を動作させて油圧ポンプ３を駆動して作業用のアクチュエータ４を駆動することも可能である。あるいは、例えば図７に示すように、外部電源２４によってバッテリ８を充電することもできる。したがって、その活動範囲をより一層広域なものとすることができる。
【００１９】
以上説明したように、このドリルジャンボ１によれば、坑内の空気の汚染を防止または抑制するとともに、使用範囲を拡大することができる。
なお、本発明に係るトンネル用作業機械は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、本発明に係るトンネル用作業機械として、ドリルジャンボを例に説明したが、これに限定されず、本発明に係るトンネル用作業機械としては、例えば、コンクリート吹付機、支保工エレクター、ローディングショベル、ロードヘッダ、ブームヘッダ、シャフトローダ、または高所作業車等にも適用可能である。
【００２０】
また、例えば上記実施形態では、ケーブルリール２２は、外部電源２４をバッテリ８および電動モータ６に供給可能に装備されている例で説明したが、これに限定されず、ケーブルリール２２を装備しない構成であってもよい。また、ケーブルリール２２を装備する場合において、外部電源２４をバッテリ８または電動モータ６のいずれか一方に供給可能に装備されているものであってもよい。しかし、トンネル用作業機械の活動範囲をより一層広域なものとする上では、ケーブルリール２２を装備し、外部電源２４をバッテリ８および電動モータ６に供給可能になっていることは好ましい。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】本発明に係るトンネル用作業機械の一実施形態であるドリルジャンボの概略説明図であり、同図（ａ）はその平面図、同図（ｂ）はその正面図である。
【図２】作業用のアクチュエータ駆動系統の構成を説明するブロック図である。
【図３】作業用のアクチュエータ駆動系統の動作を説明するブロック図である。
【図４】作業用のアクチュエータ駆動系統の動作を説明するブロック図である。
【図５】作業用のアクチュエータ駆動系統の動作を説明するブロック図である。
【図６】作業用のアクチュエータ駆動系統の動作を説明するブロック図である。
【図７】作業用のアクチュエータ駆動系統の動作を説明するブロック図である。
【符号の説明】
【００２２】
１ ドリルジャンボ（トンネル用作業機械）
２ 台車
３ 油圧ポンプ
４ 油圧モータ
５ 発電機
６ 電動モータ
７ ディーゼルエンジン（エンジン）
８ バッテリ
１０ 作業台ブーム
１１ 作業台
１３ ブーム
１４ ドリフタ
１５ ガイドシェル
１６ アウトリガ
２０ 穿孔ユニット
２２ ケーブルリール
２４ 外部電源
３０ 油圧回路
【特許請求の範囲】
【請求項１】
トンネル内での作業に用いられ、油圧ポンプと、その油圧ポンプからの圧油で駆動する作業用のアクチュエータとを備える作業機械であって、
エンジンと、そのエンジンにその出力で発電可能に接続された発電機と、前記油圧ポンプを駆動可能な電動モータと、その電動モータへの電力の供給および前記発電機からの充電が可能にそれぞれに接続されたバッテリとを備えていることを特徴とするトンネル用作業機械。
【請求項２】
外部電源を前記バッテリおよび電動モータに供給可能なケーブルリールを更に有することを特徴とする請求項１に記載のトンネル用作業機械。
【請求項１】
トンネル内での作業に用いられ、油圧ポンプと、その油圧ポンプからの圧油で駆動する作業用のアクチュエータとを備える作業機械であって、
エンジンと、そのエンジンにその出力で発電可能に接続された発電機と、前記油圧ポンプを駆動可能な電動モータと、その電動モータへの電力の供給および前記発電機からの充電が可能にそれぞれに接続されたバッテリとを備えていることを特徴とするトンネル用作業機械。
【請求項２】
外部電源を前記バッテリおよび電動モータに供給可能なケーブルリールを更に有することを特徴とする請求項１に記載のトンネル用作業機械。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２００８−２３１７６３（Ｐ２００８−２３１７６３Ａ）
【公開日】平成２０年１０月２日（２００８．１０．２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−７２１８４（Ｐ２００７−７２１８４）
【出願日】平成１９年３月２０日（２００７．３．２０）
【出願人】（５９４１４９３９８）古河ロックドリル株式会社 (50)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年１０月２日（２００８．１０．２）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年３月２０日（２００７．３．２０）
【出願人】（５９４１４９３９８）古河ロックドリル株式会社 (50)
【Ｆターム（参考）】
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