説明

ドアウエザストリップ

【課題】シール性の向上を図ることのできるドアウエザストリップを提供する。
【解決手段】型成形部4は、基底部14、第1の押出成形部の中空シール部に連続成形される連接部15、第2の押出成形部のシールリップに連続成形される型成形部シールリップ16等を備えている。型成形部シールリップ16は、型成形部4の上辺部から縦辺部にかけて、そのシール面と第1の押出成形部2の中空シール部6のシール面とが略面一に繋がるように、第1の押出成形部側の端部が連接部15と一体的に成形されている。さらに、型成形部4のコーナー部には、型成形部シールリップ16の背面側において、当該型成形部シールリップ16を支える支持壁部18が設けられている。支持壁部18は、型成形部シールリップ16の背面と略直交する方向に沿って設けられるとともに、型成形部シールリップ16の背面側と、当該背面と対向する連接部15の表面とを連結するように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のドアに取付けられるドアウエザストリップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両のドア周縁にはドアウエザストリップが取付けられる。ドアウエザストリップは、押出成形により形成されドアの縦辺部及び横辺部に配設される押出成形部と、当該押出成形部に連続して型成形により形成されドアのコーナー部に配設される型成形部とからなる。
【0003】
例えば、フロントドアに取付けられるドアウエザストリップとして、ドアの縦辺部に沿って配設される部分においては中空状の中空シール部を備え、ドアの上辺部に沿って配設される部分においては舌片状のシールリップを備え、これらを連結する型成形部においては上辺部のシールリップのシール面と縦辺部の中空シール部のシール面とを面一に繋ぐような構成となったものがある。なお、上辺部と縦辺部とで異なる断面のものを型成形部で繋いだものとして、特許文献1に示すようなものがある。
【特許文献1】特開2002−103985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、ドア閉時においてシールリップが中空シール部の変形につられて引っ張られ、車両本体に当接していないにも関わらず変形してしまい、シールリップと車両本体との間に隙間が生じるなどして、シール性が低下するおそれがあった。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、シール性の向上を図ることのできるドアウエザストリップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0007】
手段1.車両のドアの周縁に取付けられ、車両本体とドアとの間をシールするドアウエザストリップであって、
前記ドアの縦辺部に沿って配設され、前記ドアの閉時において前記車両本体の被当接部に弾性的に当接又は圧接する中空状の中空シール部を具備した第1の押出成形部と、
前記ドアの上辺部に沿って配設され、前記ドアの閉時において前記車両本体の被当接部に弾性的に当接又は圧接する舌片状のシールリップを具備した第2の押出成形部と、
前記第1の押出成形部及び第2の押出成形部に対し連続的に型成形により接続成形されるとともに、前記ドアの縦辺部と上辺部とが交わるコーナー部及びその近傍に配設される型成形部とを備え、
前記型成形部は、
前記第1の押出成形部の中空シール部に連続成形される連接部と、
前記第2の押出成形部のシールリップに連続成形され、上辺部から縦辺部にかけて設けられるとともに、少なくとも縦辺部においては前記連接部に並行して設けられた型成形部シールリップとを備え、
前記型成形部シールリップのシール面と前記第1の押出成形部の中空シール部のシール面とが略面一に繋がるように、少なくとも前記第1の押出成形部側の前記型成形部シールリップの端部が前記連接部と一体的に成形され、
さらに前記型成形部シールリップを支える支持手段を備えていることを特徴とするドアウエザストリップ。
【0008】
上記手段1によれば、型成形部シールリップを支える支持手段を備えることにより、中空シール部が変形した場合でも、その応力が型成形部シールリップへ伝達されることを抑制することができる。結果として、型成形部シールリップの倒れを抑制し、型成形部シールリップと車両本体との間に隙間が生じるなどの不具合の発生を抑制することができ、シール形態が切り換わるドアウエザストリップのコーナー部分におけるシール性の向上が図られる。
【0009】
手段2.車両のドアの周縁に取付けられ、車両本体とドアとの間をシールするドアウエザストリップであって、
前記ドアの上辺部に沿って配設され、前記ドアの閉時において前記車両本体の被当接部に弾性的に当接又は圧接する中空状の中空シール部を具備した第1の押出成形部と、
前記ドアの縦辺部に沿って配設され、前記ドアの閉時において前記車両本体の被当接部に弾性的に当接又は圧接する舌片状のシールリップを具備した第2の押出成形部と、
前記第1の押出成形部及び第2の押出成形部に対し連続的に型成形により接続成形されるとともに、前記ドアの上辺部と縦辺部とが交わるコーナー部及びその近傍に配設される型成形部とを備え、
前記型成形部は、
前記第1の押出成形部の中空シール部に連続成形される連接部と、
前記第2の押出成形部のシールリップに連続成形され、縦辺部から上辺部にかけて設けられるとともに、少なくとも上辺部においては前記連接部に並行して設けられた型成形部シールリップとを備え、
前記型成形部シールリップのシール面と前記第1の押出成形部の中空シール部のシール面とが略面一に繋がるように、少なくとも前記第1の押出成形部側の前記型成形部シールリップの端部が前記連接部と一体的に成形され、
さらに前記型成形部シールリップを支える支持手段を備えていることを特徴とするドアウエザストリップ。
【0010】
上記手段2によれば、上記手段1と同様の作用効果が奏される。
【0011】
手段3.前記支持手段は、前記型成形部シールリップの背面側において、当該背面と略直交する方向に沿って設けられた1又は複数の支持壁部であることを特徴とする手段1又は2に記載のドアウエザストリップ。
【0012】
上記手段3によれば、支持壁部を設けるといった比較的簡単な構成で上記手段の効果が得られる。さらに、支持壁部を設ける以外、型成形部の形状等を従来技術とほとんど異ならせる必要がない。結果として、製造工程の複雑化や生産コストの増大等といった不具合の発生を抑制することもできる。
【0013】
手段4.前記支持壁部は、前記型成形部シールリップの背面側と、当該背面と対向する前記連接部の表面とを連結するように設けられていることを特徴とする手段3に記載のドアウエザストリップ。
【0014】
上記手段4によれば、より確実に型成形部シールリップを支えることができ、上記手段1,2の作用効果がさらに高められる。また、仮に車両本体の形状に合わせて、型成形部シールリップを連接部から離れる方向へ膨出させた形状としなければならない場合には、支持壁部がこの形状を維持する機能を果たすこととなる。
【0015】
手段5.前記支持壁部は、前記型成形部のコーナー部に設けられているものを含むことを特徴とする手段3又は4に記載のドアウエザストリップ。
【0016】
上記手段5によれば、少なくとも上記不具合が発生しやすい型成形部のコーナー部及びその近傍において支持壁部が設けられることにより、上記手段1,2の作用効果がさらに高められる。
【0017】
手段6.前記型成形部のコーナー部に設けられた支持壁部は、前記コーナー部によって形成される角の二等分線に沿って設けられていることを特徴とする手段5に記載のドアウエザストリップ。
【0018】
上記手段6によれば、製造時に金型からの抜き出し作業が比較的容易となり、結果として生産コストの増大、作業工数の増大、生産性の低下等を抑制することができる。
【0019】
手段7.前記支持手段は、前記第2の押出成形部のシールリップの厚みより厚肉となった厚肉部であることを特徴とする手段1又は2に記載のドアウエザストリップ。
【0020】
上記手段7によれば、型成形部シールリップの厚みを厚くするといった比較的簡単な構成で上記手段の効果が得られる。さらに、型成形部シールリップの厚みを厚くする以外、型成形部の形状等を従来技術とほとんど異ならせる必要がない。結果として、製造工程の複雑化や生産コストの増大等といった不具合の発生を抑制することもできる。また、型成形部シールリップの厚みを厚くすることにより型成形部シールリップの剛性が高められるため、よじれやシワ等の発生を抑制し、シール性の向上を図ることもできる。
【0021】
手段8.前記厚肉部は、前記型成形部シールリップの背面側と、当該背面と対向する前記連接部の表面とを連結するように設けられていることを特徴とする手段7に記載のドアウエザストリップ。
【0022】
上記手段8によれば、より確実に型成形部シールリップを支えることができ、上記手段1,2の作用効果がさらに高められる。また、仮に車両本体の形状に合わせて、型成形部シールリップを連接部から離れる方向へ膨出させた形状としなければならない場合には、厚肉部がこの形状を維持する機能を果たすこととなる。
【0023】
手段9.前記厚肉部は、少なくとも前記型成形部のコーナー部に設けられていることを特徴とする手段7又は8に記載のドアウエザストリップ。
【0024】
上記手段9によれば、少なくとも上記不具合が発生しやすい型成形部のコーナー部及びその近傍において、型成形部シールリップの厚みを厚肉とすることにより、上記手段1,2の作用効果がさらに高められる。
【0025】
手段10.前記厚肉部は、少なくとも前記第1の押出成形部側の前記型成形部シールリップの端部から前記型成形部のコーナー部までの区間に設けられていることを特徴とする手段7乃至9のいずれかに記載のドアウエザストリップ。
【0026】
上記手段10によれば、少なくとも上記不具合が発生しやすい、第1の押出成形部側の型成形部シールリップの端部から型成形部のコーナー部までの区間において、型成形部シールリップの厚みを厚肉とすることにより、上記手段1,2の作用効果がさらに高められる。
【0027】
手段11.前記厚肉部は、前記第1の押出成形部側の前記型成形部シールリップの端部から前記型成形部のコーナー部にかけて、その厚みが徐々に厚くなるよう構成されていることを特徴とする手段10に記載のドアウエザストリップ。
【0028】
上記手段11によれば、コーナー部において型成形部シールリップの厚みが最大となるよう構成されているため、上記不具合が発生しやすい型成形部のコーナー部及びその近傍において効果が発揮される。また、他の部位においては、例えば剛性が高くなりドア閉力が増大する等といった、厚肉部を設けたことが及ぼす影響を少なくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に、車両のドアに取付けられるドアウエザストリップの一実施の形態について、車両として自動車のフロントドアの外周縁に装着されるドアウエザストリップを例に図面を参照して説明する。
【0030】
フロントドアD(図2等参照)の周囲には、図1に示すようなドアウエザストリップ1が連続的に装着されている。より詳しく説明すると、フロントドアDには、外周形状に則して断面略コ字状のサッシュS(図2等参照)が設けられており、該サッシュSに本実施形態のドアウエザストリップ1が取付けられる。
【0031】
ドアウエザストリップ1は、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体)スポンジゴムよりなり、フロントドアDの縦辺部及び下辺部に沿って配設される第1の押出成形部2、車両本体としてのボディB(図2等参照)のルーフ部に対応するフロントドアDの上辺部に沿って配設される第2の押出成形部3、及びフロントドアDの縦辺部と上辺部とが交わる後上コーナー部及びその近傍に配設される型成形部4等を備えている。なお、押出成形部2,3は、図示しない押出成形機によりほぼ直線状に(長尺状に)形成されている。また、型成形部4は、隣接する押出成形部2,3の端縁を連結するようにして所定の金型装置によって、押出成形部2,3に対し連続的に接続成形されている。
【0032】
図2に示すように、第1の押出成形部2は、サッシュSに取付けられる基底部5、及び、当該基底部5から延出した中空状の中空シール部6等を備えている。そして、フロントドアDの閉時において、中空シール部6がボディBの被当接部に弾性的に当接又は圧接し、ボディBとフロントドアDとの間がシールされる。
【0033】
一方、図3に示すように、第2の押出成形部3は、サッシュSに取付けられる基底部10、及び、当該基底部10と一体形成された舌片状のシールリップ12等を備えている。そして、フロントドアDの閉時において、シールリップ12がボディBの被当接部に弾性的に当接又は圧接し、ボディBとフロントドアDとの間がシールされる。
【0034】
図4,5,6に示すように、押出成形部2,3に対し連続的に接続成形された型成形部4は、サッシュSに取付けられる基底部14、第1の押出成形部2の中空シール部6に連続成形される連接部15、及び、第2の押出成形部3のシールリップ12に連続成形され、上辺部から縦辺部にかけて設けられるとともに、少なくとも縦辺部においては連接部15に並行して設けられた型成形部シールリップ16等を備えている。
【0035】
型成形部シールリップ16は、フロントドアDの上辺部に沿って配設される部分すなわち型成形部4の上辺部から、フロントドアDの縦辺部に沿って配設される部分すなわち型成形部4の縦辺部にかけて設けられている。型成形部シールリップ16は、当該型成形部シールリップ16のシール面と第1の押出成形部2の中空シール部6のシール面とが略面一に繋がるように、少なくとも当該型成形部シールリップ16の第1の押出成形部2側の端部が連接部15と一体的に成形されている。従って、型成形部4の第1の押出成形部2側の端部における断面形状は、第1の押出成形部2の断面形状と同一形状となり、第2の押出成形部3側の端部における断面形状は第2の押出成形部3の断面形状と同一形状となっている。つまり、型成形部4でシール形態が切り換わるようになっている。また、本実施形態では、型成形部4のコーナー部付近において、型成形部シールリップ16は、ボディBの形状に合わせて、連接部15から離れる方向へ膨出した形状となっている。
【0036】
さらに、型成形部4のコーナー部には、型成形部シールリップ16の背面(シール面と反対側の面)側において、当該型成形部シールリップ16を支える支持手段としての支持壁部18が設けられている。支持壁部18は、型成形部シールリップ16の背面と略直交する方向に沿って設けられるとともに、型成形部シールリップ16の背面側と、当該背面と対向する連接部15の表面とを連結するように設けられている。さらに、支持壁部18は、型成形部4のコーナー角Aの二等分線Tに沿って形成されている。
【0037】
以上詳述したように、型成形部シールリップ16を支える支持壁部18を備えることにより、第1の押出成形部2の中空シール部6が変形した場合でも、その応力が型成形部シールリップ16へ伝達されることを抑制することができる。結果として、型成形部シールリップ16の倒れを抑制し、型成形部シールリップ16とボディBとの間に隙間が生じるなどの不具合の発生を抑制することができ、シール形態が切り換わる型成形部4のコーナー部分におけるシール性の向上が図られる。
【0038】
また、支持壁部18を設ける以外、型成形部4の形状等を従来技術とほとんど異ならせる必要がない。結果として、製造工程の複雑化や生産コストの増大等といった不具合の発生を抑制することもできる。
【0039】
また、本実施形態では、型成形部シールリップ16は、ボディBの形状に合わせて、連接部15から離れる方向へ膨出した形状となっているため、支持壁部18によって、この形状を維持することができる。
【0040】
さらに、支持壁部18は、型成形部4のコーナー角Aの二等分線Tに沿って形成されているため、製造時に金型からの抜き出し作業が比較的容易となり、結果として生産コストの増大、作業工数の増大、生産性の低下等を抑制することができる。
【0041】
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0042】
(a)上記実施の形態では、フロントドアD用のドアウエザストリップ1について具体化したが、取付けられるドアの部位は何ら限定されるものではなく、例えばリアドアに取着されるドアウエザストリップにも適用することもできる。
【0043】
(b)上記実施の形態では、ドアウエザストリップ1をEPDMにより構成しているが、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等の他の素材により構成してもよい。
【0044】
(c)上記実施の形態では、フロントドアDの縦辺部と上辺部とが交わる後上コーナー部に対応する型成形部4において上記支持壁部18が形成されていることが言及されているが、これに代えて又は加えて、フロントドアDの前上コーナー部に対応する型成形部において上記支持壁部18が形成される構成としてもよい。
【0045】
(d)上記実施形態では、上記支持壁部18が、型成形部シールリップ16の背面側と、当該背面と対向する連接部15の表面とを連結するように設けられているが、これに限らず、上記支持壁部18が、連接部15の表面と非連結状態となった構成としてもよい。
【0046】
(e)上記実施形態では、支持壁部18が、型成形部4のコーナー部において、型成形部4のコーナー角Aの二等分線Tに沿って形成されている。しかし、支持壁部18の構成は、これに限られるものではなく、例えば、支持壁部18が型成形部4のコーナー部近傍や、型成形部シールリップ16の第1の押出成形部2側の端部とコーナー部との間に設けられた構成としてもよい。もちろん、支持壁部18の向きも、型成形部4のコーナー角Aの二等分線Tに沿った構成に限られるものではないし、支持壁部18の数も1つに限らず、複数設けた構成としてもよい。
【0047】
(f)上記実施形態では、型成形部シールリップ16を支える支持手段として支持壁部18が採用されているが、これに限らず、支持手段として他の構成を採用してもよい。例えば、図6(散点模様を付した部分)及び図7に示すように、型成形部シールリップ16の厚みを、第2の押出成形部3のシールリップ12の厚みより厚肉とし、その厚肉部30が支持手段を構成するようにしてもよい。このようにすれば、型成形部シールリップ16の厚みを厚くするといった比較的簡単な構成で上記実施形態と同様の効果が得られる。さらに、型成形部シールリップ16の厚みを厚くすることにより型成形部シールリップ16の剛性が高められるため、よじれやシワ等の発生を抑制し、シール性の向上を図ることもできる。
【0048】
図6の散点模様を付した部分、及び図7に示した態様では、厚肉部30は、少なくとも型成形部シールリップ16の第1の押出成形部2側の端部から型成形部4のコーナー部までの区間に設けられており、第1の押出成形部2側の端部から型成形部4のコーナー部にかけて、その厚みが徐々に厚くなり、コーナー部において型成形部シールリップ16の厚みが最大となるよう構成されている。このため、上記不具合が発生しやすい型成形部4のコーナー部及びその近傍において効果が発揮される。また、他の部位においては、例えば剛性が高くなりドア閉力が増大する等といった、厚肉部30を設けたことが及ぼす影響を少なくできる。もちろん、厚肉部30の構成は上記構成に限られるものではない。例えば、厚肉部30は、型成形部シールリップ16の背面側と、当該背面と対向する連接部15の表面とを連結するように設けられた構成としてもよい。また、厚肉部30が、型成形部4のコーナー部だけに設けられた構成としてもよい。但し、厚肉部30を型成形部シールリップ16に沿って設けた場合、型成形部シールリップ16が部分的にひけた状態となってしまうおそれがあるため、部分的に支持手段(支持壁部18や厚肉部30)を設ける構成が、より好ましい。
【0049】
(g)上記実施形態では、フロントドアDの縦辺部に沿って配設される第1の押出成形部2が中空シール部6を具備し、フロントドアDの上辺部に沿って配設される第2の押出成形部3が舌片状のシールリップ12を具備した構成となっている。そして、押出成形部2,3に対し連続的に接続成形された型成形部4は、第2の押出成形部3のシールリップ12に連続成形され、上辺部から縦辺部にかけて設けられるとともに、少なくとも縦辺部においては連接部15に並行して設けられた型成形部シールリップ16を備えている。これに限らず、フロントドアDの上辺部に沿って配設される押出成形部3が中空シール部6を具備し、フロントドアDの縦辺部に沿って配設される押出成形部2が舌片状のシールリップ12を具備した構成とするとともに、押出成形部2,3に対し連続的に接続成形された型成形部4が、押出成形部2のシールリップ12に連続成形され、縦辺部から上辺部にかけて設けられた型成形部シールリップを備えた構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】ドアウエザストリップの正面図である。
【図2】図1におけるJ−J線断面図である。
【図3】図1におけるK−K線断面図である。
【図4】型成形部4の正面図である。
【図5】型成形部4の側面図である。
【図6】図4におけるL−L線断面図である。
【図7】別の実施形態における型成形部4の側面図である。
【符号の説明】
【0051】
1…ドアウエザストリップ、2…第1の押出成形部、3…第2の押出成形部、4…型成形部、6…中空シール部、12…シールリップ、14…基底部、15…連接部、16…型成形部シールリップ、18…支持手段としての支持壁部、B…車両本体としてのボディ、D…フロントドア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のドアの周縁に取付けられ、車両本体とドアとの間をシールするドアウエザストリップであって、
前記ドアの縦辺部に沿って配設され、前記ドアの閉時において前記車両本体の被当接部に弾性的に当接又は圧接する中空状の中空シール部を具備した第1の押出成形部と、
前記ドアの上辺部に沿って配設され、前記ドアの閉時において前記車両本体の被当接部に弾性的に当接又は圧接する舌片状のシールリップを具備した第2の押出成形部と、
前記第1の押出成形部及び第2の押出成形部に対し連続的に型成形により接続成形されるとともに、前記ドアの縦辺部と上辺部とが交わるコーナー部及びその近傍に配設される型成形部とを備え、
前記型成形部は、
前記第1の押出成形部の中空シール部に連続成形される連接部と、
前記第2の押出成形部のシールリップに連続成形され、上辺部から縦辺部にかけて設けられるとともに、少なくとも縦辺部においては前記連接部に並行して設けられた型成形部シールリップとを備え、
前記型成形部シールリップのシール面と前記第1の押出成形部の中空シール部のシール面とが略面一に繋がるように、少なくとも前記第1の押出成形部側の前記型成形部シールリップの端部が前記連接部と一体的に成形され、
さらに前記型成形部シールリップを支える支持手段を備えていることを特徴とするドアウエザストリップ。
【請求項2】
車両のドアの周縁に取付けられ、車両本体とドアとの間をシールするドアウエザストリップであって、
前記ドアの上辺部に沿って配設され、前記ドアの閉時において前記車両本体の被当接部に弾性的に当接又は圧接する中空状の中空シール部を具備した第1の押出成形部と、
前記ドアの縦辺部に沿って配設され、前記ドアの閉時において前記車両本体の被当接部に弾性的に当接又は圧接する舌片状のシールリップを具備した第2の押出成形部と、
前記第1の押出成形部及び第2の押出成形部に対し連続的に型成形により接続成形されるとともに、前記ドアの上辺部と縦辺部とが交わるコーナー部及びその近傍に配設される型成形部とを備え、
前記型成形部は、
前記第1の押出成形部の中空シール部に連続成形される連接部と、
前記第2の押出成形部のシールリップに連続成形され、縦辺部から上辺部にかけて設けられるとともに、少なくとも上辺部においては前記連接部に並行して設けられた型成形部シールリップとを備え、
前記型成形部シールリップのシール面と前記第1の押出成形部の中空シール部のシール面とが略面一に繋がるように、少なくとも前記第1の押出成形部側の前記型成形部シールリップの端部が前記連接部と一体的に成形され、
さらに前記型成形部シールリップを支える支持手段を備えていることを特徴とするドアウエザストリップ。
【請求項3】
前記支持手段は、前記型成形部シールリップの背面側において、当該背面と略直交する方向に沿って設けられた1又は複数の支持壁部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のドアウエザストリップ。
【請求項4】
前記支持壁部は、前記型成形部シールリップの背面側と、当該背面と対向する前記連接部の表面とを連結するように設けられていることを特徴とする請求項3に記載のドアウエザストリップ。
【請求項5】
前記支持壁部は、前記型成形部のコーナー部に設けられているものを含むことを特徴とする請求項3又は4に記載のドアウエザストリップ。
【請求項6】
前記支持手段は、前記第2の押出成形部のシールリップの厚みより厚肉となった厚肉部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のドアウエザストリップ。
【請求項7】
前記厚肉部は、少なくとも前記第1の押出成形部側の前記型成形部シールリップの端部から前記型成形部のコーナー部までの区間に設けられていることを特徴とする請求項6に記載のドアウエザストリップ。
【請求項8】
前記厚肉部は、前記第1の押出成形部側の前記型成形部シールリップの端部から前記型成形部のコーナー部にかけて、その厚みが徐々に厚くなるよう構成されていることを特徴とする請求項7に記載のドアウエザストリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−15923(P2006−15923A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−197167(P2004−197167)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】