説明

ドキュメント管理システム、情報処理装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラム

【課題】 プリント出力したドキュメントの有効性判定に基づくドキュメント利用管理構成を実現するドキュメント管理システムを提供する。
【解決手段】 コピー処理などのプリント出力によって生成したドキュメントに、ドキュメントIDをプリントし、さらにドキュメントIDとドキュメントの利用許容情報と対応付けた管理データを管理サーバにおいて管理し、ドキュメントの利用に際して、ドキュメントIDに基づくドキュメントの利用可否判定処理を実行する構成とした。本構成により、例えば身分証、保険証などの原本のコピー処理によって生成されるドキュメントや、チケットなど、様々なドキュメントの有効性を厳格に判定することが可能となり、有効と判定されたドキュメントのみの使用を許容し、不正にコピーされた有効性の認められないドキュメントの利用を排除することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドキュメント管理システム、情報処理装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。さらに詳細には、コピーを含むプリント処理によって発行されるドキュメントに例えば利用期限情報、有効利用回数情報を設定し、これらの情報を管理サーバにおいて管理し、ドキュメントの使用時にドキュメントの有効性を検証し、ドキュメントの利用管理を行なうドキュメント管理システム、情報処理装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、病院などにおいて利用する保険証、あるいは免許証、その他のIDカードなど、ユーザの権利や身分を証明するカードや証明書面は多数存在する。これらの書面を紛失した場合、ユーザは再取得処理を行なうことが必要となる。しかし、一般的に、証明書の再取得処理は面倒な手続きが必要であり、また時間を要する処理である。
【0003】
このような重要書面の紛失を防止するためには、ユーザが原本を携帯することなく、原本のコピー書面を携帯して利用することが考えられる。しかし、一般的に、病院などで求められる保険証提示は、原本であることが必要であり、コピーの利用は認められない。これは、コピーされたドキュメントが原本と一致しているか否かを確認することが難しく、コピー書面は比較的、改竄が用意であるという観点に基づくものである。例えば、原本の有効期限情報などを書き換えた場合には、その修正を比較的容易に判別することが可能であるが、コピー書面では、修正部分を分かりにくくした改竄が比較的容易となる。
【0004】
原本以外のコピー書面など、特定の発行機関の発行した原本のみが利用可能という状況は、ユーザにとって不便であることは間違いない。しかし、一方、コピーの利用を許容してしまうと、コピーに基づく不正な書面利用の可能性を増大させてしまうという問題が発生する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、コピーを含むプリントによって生成されるドキュメントに利用期限情報や利用回数情報を設定し、さらにこれらの情報を管理サーバにおいて管理し、ドキュメントの利用に際して、管理情報との照合を実行して、ドキュメントの有効性を確認可能とし、コピー、プリントされたドキュメントの利用管理を行ない、コピー処理などによって生成されたドキュメントの不正利用を防止可能としたドキュメント管理システム、情報処理装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面は、ドキュメント発行処理を実行するドキュメント発行装置と、ドキュメント発行装置において発行されるドキュメントの利用管理を実行する管理サーバと、ドキュメント発行装置において発行されるドキュメントの利用確認処理を実行するドキュメント利用確認装置とを有するドキュメント管理システムであり、前記ドキュメント発行装置は、発行ドキュメントに、前記管理サーバにおいて管理されるドキュメントIDを含むドキュメント情報をプリント出力する構成であり、前記ドキュメント利用確認装置は、利用対象ドキュメントからドキュメントIDを含むドキュメント情報を読み取り、前記管理サーバに送信する構成であり、前記管理サーバは、前記ドキュメント発行装置の発行するドキュメントに対応するドキュメントIDを設定し、該ドキュメントIDとドキュメントの利用許容情報を対応付けた管理データを保持し、前記ドキュメント利用確認装置から受信するドキュメントIDに基づいて、前記管理データに基づくドキュメントの利用可否判定処理を行い、判定結果を前記ドキュメント利用確認装置に通知する処理を実行する構成であることを特徴とするドキュメント管理システムにある。
【0007】
さらに、本発明のドキュメント管理システムの一実施態様において、前記管理サーバは、前記ドキュメントIDと、ドキュメントの利用期限、ドキュメントの利用回数の少なくともいずれかの情報を対応付けた管理データを保持し、前記ドキュメント利用確認装置から受信するドキュメントIDに対応して管理データとして登録されたドキュメントの利用期限、ドキュメントの利用回数の少なくともいずれかの情報に基づいて、ドキュメントの利用可否判定処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明のドキュメント管理システムの一実施態様において、前記ドキュメント発行装置は、原本データのコピーデータをドキュメントとして発行する処理を実行するとともに、前記管理サーバに原本データのイメージを送信する構成であり、前記ドキュメント利用確認装置は、利用対象ドキュメントからドキュメントのイメージデータを読み取り、前記管理サーバに送信する構成であり、前記管理サーバは、前記ドキュメント発行装置から受信する原本データのイメージを前記管理データとして登録するとともに、前記ドキュメント利用確認装置から受信するコピードキュメントのイメージデータと、管理データとして登録された原本データのイメージとの照合処理により、コピードキュメントの改竄の有無を判定し、改竄のないことの確認を条件としてコピードキュメントの利用を許容する利用可否判定処理を行い、判定結果を前記ドキュメント利用確認装置に通知する構成であることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明のドキュメント管理システムの一実施態様において、前記ドキュメント発行装置は、前記ドキュメント情報として、ドキュメントIDに、さらにドキュメントの利用期限、ドキュメントの利用回数の少なくともいずれかの情報を含むドキュメント情報をプリント出力する構成であることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明のドキュメント管理システムの一実施態様において、前記ドキュメント発行装置は、前記ドキュメント情報をQRコード、またはバーコード、または電子透かし、または暗号化データのいずれかのデータ態様でプリント出力する構成であることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の第2の側面は、ドキュメント発行処理を実行する情報処理装置であり、ドキュメントのプリント出力を実行するプリント処理部と、ネットワークを介した通信を実行する通信部と、ドキュメントのプリント処理における制御を実行する制御部とを有し、前記制御部は、ドキュメントのプリント出力処理に際して、通信部を介して管理サーバからのドキュメントID取得処理を実行し、取得したドキュメントIDを含むドキュメント情報をプリントデータとして付加したドキュメントの出力を前記プリント処理部において実行させる制御を行う構成であることを特徴とする情報処理装置にある。
【0012】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記情報処理装置は、原稿読み取り処理を実行する文書読み取り部を有し、前記制御部は、前記文書読み取り部において読み取られた原本のコピードキュメントのプリント出力処理に際して、通信部を介して管理サーバからのドキュメントID取得処理を実行し、取得したドキュメントIDを含むドキュメント情報をプリントデータとして付加したドキュメントの出力を前記プリント処理部において実行させる制御を行う構成であることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記情報処理装置は、前記文書読み取り部において読み取られた原本のイメージデータを、通信部を介して管理サーバに送信する処理を実行する構成を有することを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記情報処理装置は、ドキュメントIDに、さらにドキュメントの利用期限、ドキュメントの利用回数の少なくともいずれかの情報を含むドキュメント情報をプリント出力する構成であることを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記情報処理装置は、前記ドキュメント情報をQRコード、またはバーコード、または電子透かし、または暗号化データのいずれかのデータ態様でプリント出力する構成であることを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明の第3の側面は、ドキュメントの利用管理処理を実行する情報処理装置であり、ドキュメントの読み取り処理を実行する文書読み取り部と、ネットワークを介した通信を実行する通信部と、ドキュメントの利用要求に応じて、前記文書読み取り部において、利用要求ドキュメントから読み取られたドキュメントIDを含むドキュメント情報を管理サーバに送信し、該管理サーバからドキュメントの利用可否情報を取得する処理を実行する制御部とを有することを特徴とする情報処理装置にある。
【0017】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記情報処理装置は、ドキュメントの利用要求に応じて、前記文書読み取り部において、利用要求ドキュメントから読み取られたドキュメントのイメージデータを管理サーバに送信する構成であることを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明の第4の側面は、ドキュメントの利用可否判定処理を実行する情報処理装置であり、ドキュメントの管理データを格納した管理データ格納部と、ネットワークを介した通信を実行する通信部と、前記通信部を介して利用可否判定処理対象のドキュメントに対応するドキュメントIDを受信し、該受信ドキュメントIDに対応する利用許容情報を前記管理データ格納部から取得し、取得した利用許容情報に基づいてドキュメントの利用可否判定処理を実行するデータ処理部とを有することを特徴とする情報処理装置にある。
【0019】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記管理データ格納部は、ドキュメントIDと、ドキュメントの利用期限、ドキュメントの利用回数の少なくともいずれかの情報を対応付けた管理データを保持し、前記ドキュメントの利用期限、ドキュメントの利用回数の少なくともいずれかの情報に基づいて、ドキュメントの利用可否判定処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記管理データ格納部は、ドキュメントIDと、ドキュメントの原本データのイメージを登録した構成であり、外部装置から受信するコピードキュメントのイメージデータと、管理データとして登録された原本データのイメージとの照合処理により、コピードキュメントの改竄の有無を判定し、改竄のないことの確認を条件としてコピードキュメントの利用を許容する利用可否判定処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0021】
さらに、本発明の第5の側面は、ドキュメント発行処理を実行する情報処理方法であり、ドキュメントのプリント出力要求を入力するステップと、通信部を介して管理サーバからのドキュメントID取得処理を実行するステップと、取得したドキュメントIDを含むドキュメント情報をプリントデータとして付加したドキュメントの出力を実行するプリント処理ステップとを有することを特徴とする情報処理方法にある。
【0022】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記情報処理方法は、さらに、原稿読み取り処理を実行する文書読み取りステップを有し、前記文書読み取り部において読み取られた原本のコピードキュメントのプリント出力処理に際して、通信部を介して管理サーバからのドキュメントID取得処理を実行し、取得したドキュメントIDを含むドキュメント情報をプリントデータとして付加したドキュメントの出力を実行することを特徴とする。
【0023】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記情報処理方法は、さらに、前記文書読み取り部において読み取られた原本のイメージデータを、通信部を介して管理サーバに送信する処理を実行するステップを有することを特徴とする。
【0024】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記プリント処理ステップは、ドキュメントIDに、さらにドキュメントの利用期限、ドキュメントの利用回数の少なくともいずれかの情報を含むドキュメント情報をプリント出力するステップであることを特徴とする。
【0025】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記プリント処理ステップは、前記ドキュメント情報をQRコード、またはバーコード、または電子透かし、または暗号化データのいずれかのデータ態様でプリント出力することを特徴とする。
【0026】
さらに、本発明の第6の側面は、ドキュメントの利用管理処理を実行する情報処理方法であり、ドキュメントの利用要求を入力するステップと、ドキュメントの読み取り処理を実行する文書読み取りステップと、前記文書読み取りステップにおいて、利用要求ドキュメントから読み取られたドキュメントIDを含むドキュメント情報を管理サーバに送信し、該管理サーバからドキュメントの利用可否情報を取得するステップとを有することを特徴とする情報処理方法にある。
【0027】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記情報処理方法は、さらに、ドキュメントの利用要求に応じて、前記文書読み取りステップにおいて、利用要求ドキュメントから読み取られたドキュメントのイメージデータを管理サーバに送信するステップを含むことを特徴とする。
【0028】
さらに、本発明の第7の側面は、ドキュメントの利用可否判定処理を実行する情報処理方法であり、通信部を介して利用可否判定処理対象のドキュメントに対応するドキュメントIDを受信するステップと、ドキュメントの管理データを格納した管理データ格納部から、受信ドキュメントIDに対応する利用許容情報を取得し、取得した利用許容情報に基づいてドキュメントの利用可否判定処理を実行するドキュメント利用可否判定ステップとを有することを特徴とする情報処理方法にある。
【0029】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記管理データ格納部は、ドキュメントIDと、ドキュメントの利用期限、ドキュメントの利用回数の少なくともいずれかの情報を対応付けた管理データを保持した構成であり、前記ドキュメント利用可否判定ステップは、ドキュメントの利用期限、ドキュメントの利用回数の少なくともいずれかの情報に基づいて、ドキュメントの利用可否を判定することを特徴とする。
【0030】
さらに、本発明の情報処理方法の一実施態様において、前記管理データ格納部は、ドキュメントIDと、ドキュメントの原本データのイメージを登録した構成であり、前記ドキュメント利用可否判定ステップは、外部装置から受信するコピードキュメントのイメージデータと、管理データとして登録された原本データのイメージとの照合処理により、コピードキュメントの改竄の有無を判定し、改竄のないことの確認を条件としてコピードキュメントの利用を許容する利用可否判定処理を実行することを特徴とする。
【0031】
さらに、本発明の第8の側面は、ドキュメント発行処理制御をコンピュータ上において実行させるコンピュータ・プログラムであり、ドキュメントのプリント出力要求を入力するステップと、通信部を介して管理サーバからのドキュメントID取得処理を実行するステップと、取得したドキュメントIDを含むドキュメント情報をプリントデータとして付加したドキュメントの出力を実行するプリント処理ステップとを有することを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
【0032】
さらに、本発明の第9の側面は、ドキュメントの利用管理処理制御をコンピュータ上において実行させるコンピュータ・プログラムであり、ドキュメントの利用要求を入力するステップと、ドキュメントの読み取り処理を実行する文書読み取りステップと、前記文書読み取りステップにおいて、利用要求ドキュメントから読み取られたドキュメントIDを含むドキュメント情報を管理サーバに送信し、該管理サーバからドキュメントの利用可否情報を取得するステップとを有することを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
【0033】
さらに、本発明の第10の側面は、ドキュメントの利用可否判定処理をコンピュータ上において実行させるコンピュータ・プログラムであり、通信部を介して利用可否判定処理対象のドキュメントに対応するドキュメントIDを受信するステップと、ドキュメントの管理データを格納した管理データ格納部から、受信ドキュメントIDに対応する利用許容情報を取得し、取得した利用許容情報に基づいてドキュメントの利用可否判定処理を実行するドキュメント利用可否判定ステップとを有することを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
【0034】
なお、本発明のコンピュータ・プログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能なコンピュータシステムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、CDやFD、MOなどの記録媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なコンピュータ・プログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータシステム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0035】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【発明の効果】
【0036】
本発明の構成によれば、コピー処理などのプリント出力によって生成したドキュメントに、ドキュメントIDをプリントする構成とし、さらに、ドキュメントIDとドキュメントの利用許容情報と対応付けた管理データを管理サーバにおいて管理し、ドキュメントの利用に際して、ドキュメントIDに基づくドキュメントの利用可否判定処理を実行する構成としたので、例えば身分証、保険証などの原本のコピー処理によって生成されるドキュメントや、チケットなど、様々なドキュメントの有効性を厳格に判定することが可能となり、有効と判定されたドキュメントのみの使用を許容し、不正にコピーされた有効性の認められないドキュメントの利用を排除する構成が実現される。
【0037】
さらに、本発明の構成によれば、原本のコピードキュメントの発行に際しては、原本のイメージデータをサーバの管理データとして保持し、ドキュメントの利用に際して、コピードキュメントのイメージデータと、登録データとしての原本イメージデータとの照合処理を行い、コピードキュメントの改竄検証に基づいてドキュメントの利用可否判定処理を実行する構成としたので、コピートキュメントが真正な原本と同一であることの確認に基づくドキュメント利用構成が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係るドキュメント管理システム、情報処理装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラムの詳細について説明する。
【0039】
まず、図1を参照して、本発明のシステムにおいてコピー、プリントなどによって発行されるドキュメントの構成例について説明する。図1に示すように、本発明のシステムにおける発行ドキュメント150は、ネットワーク接続された情報処理装置としてのドキュメント発行装置100において発行される。ドキュメント発行装置100は、例えばスキャン、コピー、プリントなどの文書出力および読みとり処理、さらにデータ処理機能を持つマルチファンクション型情報処理装置である。ドキュメント発行装置100は、ネットワーク190に接続され、管理サーバ200、その他、図示しない各種の情報処理装置と接続されている。
【0040】
ドキュメント発行装置100は、例えばユーザの持つ保険証などの原本をスキャナによって読み取り、コピーデータとして発行ドキュメント150を出力する。あるいは、入場券などのチケットをドキュメントとして発行する。この場合は、原本コピーは行なわれない。
【0041】
ドキュメント発行装置100において発行されるドキュメント150には、スキャナによって読み取れた原本情報、あるいはチケット情報などのドキュメント内容151の他、原本等のドキュメント内容には含まれない情報としてユーザによって読み取り可能なドキュメント利用許容情報152と、例えば2次元コードとしてのQRコードによって記録されたドキュメント情報153とが含まれる。
【0042】
ドキュメント利用許容情報152、ドキュメント情報153は、管理サーバ153によって管理されるデータであり、管理サーバ153が生成しドキュメント発行装置100に送信されたデータに基づいて生成される。ドキュメント利用許容情報152は、例えば原本のコピーによって出力されるドキュメント150の利用についての許容情報であり、ドキュメントの利用期限情報、利用回数情報などによって構成される。これらの情報は、管理サーバ200側で設定した利用許容情報である。なお、利用許容情報は、ユーザによって設定可能な構成としてもよく、ユーザが設定した場合は、設定情報をドキュメント発行装置100からネットワーク190を介して管理サーバ200に送信し、管理サーバにおいて登録管理される。
【0043】
ドキュメント情報153は、例えば2次元バーコードとしてのQRコードによって記録される。ドキュメント情報153にはドキュメント識別子としてのドキュメントID、ドキュメント利用有効期限、ドキュメント利用有効回数、ドキュメント発行装置識別情報、ドキュメント発行場所などのドキュメント情報が含まれる。これらのドキュメント情報は、管理サーバ200において登録管理される。なお、ドキュメント情報153は、QRコードに限らず、バーコード、電子透かし(Water Mark)、暗号化データなどを利用して出力する構成としてもよい。
【0044】
次に、図2を参照して、ドキュメント発行装置100において発行されるドキュメントの利用形態について説明する。ユーザ170aは、ドキュメント発行装置100において、ドキュメントの発行処理要求を行う。例えば原本のコピードキュメントの発行要求、チケットの発行要求などを行う。原本のコピーを行なう場合は、原本としての身分証明書、この例では、保険証181をドキュメント発行装置100にセットする。
【0045】
ドキュメント発行装置100は、ユーザ170aのセットした原本保険証181をスキャン処理により読み取り、原本保険証181のコピーデータを含むドキュメント182を発行する。この処理に際して、ドキュメント発行装置100は、ネットワーク190を介して管理サーバ200に対して発行ドキュメントの管理要求を送信する。
【0046】
管理サーバ200は、ドキュメント発行装置100から、ドキュメントの管理要求を受信すると、発行ドキュメントの識別子としてのドキュメントIDを発行し、ドキュメントIDに対応付けてドキュメントの利用期限、回数などのドキュメント管理データをデータベースに登録するとともに、ドキュメント発行装置100に送信する。なお、前述したように、ドキュメントの利用期限、回数などはユーザが設定する構成としてもよく、この場合は、設定情報をドキュメント発行装置100からネットワーク190を介して管理サーバ200が受信する。
【0047】
管理サーバ200からドキュメントIDを含むドキュメント情報を受信したドキュメント発行装置100は、これらの情報に基づいて、先に図1を参照して説明したドキュメント利用許容情報152、ドキュメント情報153を生成して出力ドキュメントにプリントして出力する。この結果が、図2に示すドキュメント182である。
【0048】
ユーザ170aは、その後、ドキュメント発行装置100の出力データとしてのドキュメント182を携帯して、例えば保険証の利用施設としての病院や、チケットの利用施設などに出かけて、ドキュメント182を利用する。ドキュメント利用ユーザを図2においてはユーザ170bとして示す。
【0049】
例えば病院などのドキュメント利用施設には、管理サーバ200とネットワーク接続された情報処理装置としてのドキュメント利用確認装置300が設置されている。ドキュメント利用確認装置300は、ユーザ170bの携帯してきたドキュメント182に含まれるドキュメント情報153を読み取り、読み取り情報をネットワーク190を介して管理サーバ200に送信する。
【0050】
管理サーバ200は、ドキュメント利用確認装置300から受信するドキュメント情報に基づいて、データベースに格納済みの登録データとの照合処理を実行し、ドキュメント182が有効に利用可能なドキュメントであるか否かを判定する。管理サーバ200は、この判定処理の結果をドキュメント利用確認装置300に送信する。
【0051】
ドキュメント利用確認装置300は、管理サーバ200から、ドキュメント182が有効に利用可能なドキュメントであるとの判定を受信したことを条件として、ドキュメント182を有効な保険証として利用することを許容する。管理サーバ200の判定が、ドキュメント182が無効であるとの判定である場合には、ドキュメント182の利用は許容されない。
【0052】
次に、図3を参照して管理サーバ200において管理するドキュメント管理データについて説明する。管理サーバ200では、ドキュメント発行装置100において発行するドキュメントについての管理データをデータベースに登録して管理する。図3はドキュメント管理データの構成例を示している。
【0053】
図3に示すように、管理データには、発行ドキュメントに対応する識別子としてのドキュメントIDと、ドキュメントの有効期限、ドキュメントの有効回数、ドキュメントの発行処理を行った機器についての識別子としてのドキュメント発行機器ID、さらにドキュメントの発行場所などのドキュメント情報が登録される。さらに発行ドキュメントが原本のコピードキュメントである場合は、原本のイメージ情報を登録する。この原本イメージ情報は、ドキュメント発行装置100におけるコピー時のスキャン処理によって読み取られ、ドキュメント発行装置100から管理サーバ200に対して送信されるデータである。
【0054】
管理サーバ200は、ドキュメント利用確認装置300からのドキュメントの有効性判定要求を受信した場合、有効性判定要求に含まれるドキュメントIDに基づいて、ドキュメント管理データから対応する登録エントリを抽出し、登録情報を確認して、そのドキュメントIDが付与されたドキュメントの有効性を確認する。たとえば有効期限が過ぎていないか、有効利用回数以内の利用であるかなどの確認に基づいて、ドキュメントの有効利用が可能か否かを判定する。
【0055】
発行ドキュメントが、原本のコピードキュメントである場合は、ドキュメント利用確認装置300から、コピードキュメントのイメージデータを受信し、受信イメージデータと、管理サーバの管理データとして登録された原本イメージデータとの照合を実行して、データ改竄の有無について検証し、データ改竄のないことの確認がなされたことを条件としてドキュメントの有効利用を許容する。データ改竄が検出された場合は、ドキュメントの利用は許可しない。
【0056】
なお、管理サーバ200は、利用を許可したドキュメントに有効利用回数の設定があり、ドキュメントの利用が確認された場合は、ドキュメント管理データに登録された有効回数を1つ減らす登録情報の更新処理も実行する。
【0057】
次に、図4を参照して、本発明のシステムにおいて実行されるドキュメント発行処理およびドキュメント利用処理の処理シーケンスについて説明する。図4において、右から、ドキュメント利用確認装置300、ドキュメント利用ユーザ170、ドキュメント発行装置100、管理サーバ200を示している。
【0058】
まず、ステップS101において、ユーザ170は、ドキュメント発行装置100に対して、ドキュメント発行要求を行う。この処理は、ドキュメント発行装置100のユーザインタフェースを介して実行される。ドキュメントとしては、原本のコピードキュメント、原本とは無関係のチケットなどのドキュメントなどがあり、原本のコピードキュメントの発行要求の場合は、原本をドキュメント発行装置100の原稿読み取り部としてのスキャン部にセットする。
【0059】
ドキュメント発行装置100は、ユーザ170からのドキュメント発行要求の入力がなされると、ステップS102において、管理サーバ200に対してドキュメントの管理要求を送信する。なお、発行ドキュメントが原本のコピードキュメントである場合は、ドキュメント発行装置100において読み取られた原本イメージデータを管理サーバ200に送信する。さらに、ドキュメント有効期限、有効回数などをユーザが設定する場合は、ユーザの設定したこれらの情報もドキュメント発行装置100から管理サーバ200に送信する。
【0060】
管理サーバ200は、ステップS103において、ドキュメント管理データを生成する。発行予定のドキュメントに対応する識別子としてのドキュメントIDを発行するとともに、先に図3を参照して説明したドキュメント管理データを生成する。すなわち、ドキュメントIDと、ドキュメントの有効期限、ドキュメントの有効回数、ドキュメントの発行処理を行った機器についての識別子としてのドキュメント発行機器ID、さらにドキュメントの発行場所、原本イメージ情報などによって構成されるドキュメント管理データを生成し、データベースに登録する。
【0061】
次に、管理サーバ200は、ステップS103において、ドキュメントIDをドキュメント発行装置100に通知する。このドキュメントIDは、ドキュメント管理データとして登録済みのIDである。なお、このドキュメントIDの通知処理に併せて、ドキュメント有効期限、有効回数、その他のドキュメント情報もドキュメント発行装置100に通知する。
【0062】
ドキュメントID他のドキュメント情報を管理サーバ200から受信したドキュメント発行装置100は、ドキュメント情報を例えばQRコードとしてコード化したドキュメント情報と、ユーザによって読み取り可能なドキュメント利用許容情報を付加したドキュメント150をプリント出力する。出力ドキュメントがコピードキュメントである場合は、原本コピー情報がドキュメント内容として含まれ、チケットなどの場合は、チケット情報がドキュメント内容として含まれたドキュメントが出力(プリント)される。
【0063】
この発行ドキュメント150は、先に図1を参照して説明したドキュメント150であり、スキャナによって読み取れた原本情報、あるいはチケット情報などのドキュメント内容151の他、原本等のドキュメント内容には含まれない情報としてユーザによって読み取り可能なドキュメント利用許容情報152と、例えば2次元コードとしてのQRコードによって記録されたドキュメント情報153とが含まれるドキュメントである。
【0064】
次に、ユーザ170は、ドキュメント150を携帯し、利用先に出かける。利用先には、ドキュメント利用確認装置300が設置されている。ユーザは、ステップS106において、ドキュメント利用確認装置300の原稿読み取り部(例えばスキャナ)に原稿をセットし、ドキュメント利用要求を入力する。
【0065】
ドキュメント利用確認装置300は、ステップS107において、ドキュメントの読み取り処理を実行する。次に、ドキュメント利用確認装置300は、管理サーバ200に対して、ドキュメント利用可否判定要求を送信する。このドキュメント利用可否判定要求には、読み取りデータが含まれる。
【0066】
管理サーバは、ドキュメント利用確認装置300からドキュメントの有効性判定要求を受信すると、ステップS109において、受信データに含まれるドキュメントIDに基づいて、ドキュメント管理データから対応する登録エントリを抽出し、登録情報を確認して、そのドキュメントIDが付与されたドキュメントの有効性を確認する。たとえば有効期限が過ぎていないか、有効利用回数以内の利用であるかなどの確認に基づいて、ドキュメントの有効利用が可能か否かを判定する。
【0067】
判定要求ドキュメントが、原本のコピードキュメントである場合は、ドキュメント利用確認装置300から、ドキュメントイメージデータを受信し、受信イメージデータと、管理サーバの管理データとして登録された原本イメージデータとの照合を実行して、データ改竄の有無について検証し、データ改竄のないことの確認がなされたことを条件としてドキュメントの有効利用を許容する。データ改竄が検出された場合は、ドキュメントの利用は許可しない。
【0068】
ステップS109における利用可否判定結果は、ステップS110おいて、ドキュメント利用確認装置300に通知され、ドキュメント利用確認装置300は、受信結果に従った処理、すなわち、ドキュメントが有効利用可能と判定された場合にのみ、ドキュメントの利用を許可する。なお、前述したように、管理サーバ200は、利用を許可したドキュメントに有効利用回数の設定があり、ドキュメントの利用が確認された場合は、ドキュメント管理データに登録された有効回数を1つ減らす登録情報の更新処理を実行する。
【0069】
次に、図5を参照して、ドキュメントの出力処理を実行するドキュメント発行装置100、およびドキュメントの読み取りを実行するドキュメント利用確認装置300の機能構成について説明する。ドキュメント発行装置100、およびドキュメント利用確認装置300は、例えばコピー、プリント、スキャンおよびデータ処理を実行するマルチファンクション型情報処理装置として構成される。
【0070】
図5に示すように、マルチファンクション型情報処理装置410は、入力部411、通信部412、制御部413、プリント処理部414、文書読み取り部(スキャナ)415、出力部(表示部)416、データ記憶部417を有する。入力部411は、ユーザからのドキュメント発行要求やドキュメントの利用期限、利用回数の設定などのユーザ入力を行なうためのユーザインタフェースとして機能する。通信部412は、ネットワークを介して他の装置、例えば他のマルチファンクション型情報処理装置や管理サーバとのデータ送受信を実行する。
【0071】
制御部413は、データ記憶部417に格納されたプログラムに従った各種データ処理や、各処理部の統括的制御および各処理部間のデータ転送制御を実行する。プリント処理部414は、先に図1を参照して説明したドキュメントの出力(プリント)を実行する。
【0072】
文書読み取り部(スキャナ)415は、ドキュメント発行装置100においては、コピー対象の原本の読み取りを実行する。ドキュメント利用確認装置300においては、利用確認ドキュメントの読み取りを実行する。なお、ドキュメント利用確認装置300において、読み取り対象データがQRコードなどのコードデータである場合は、スキャナ部ではなく、専用のコードリーダを備えた構成としてもよい。出力部(表示部)416はディスプレイ等の表示部であり、各種の案内データ、警告データ、通知データなどの表示を実行する。データ記憶部417は、データ処理プログラム、文書読み取り部(スキャナ)415によって読み取られたデータ、通信部を介する送受信データの記憶領域として利用される。
【0073】
次に、図6を参照して、ドキュメントの管理処理を実行する管理サーバ200の機能構成について説明する。図6に示すように、管理サーバ450は、入力部451、通信部452、制御部453、管理データ格納部454、出力部(表示部)455、データ記憶部456を有する。入力部451は、オペレータによる管理情報入力、設定情報入力などのユーザ入力を行なうためのユーザインタフェースとして機能する。通信部452は、ネットワークを介して他の装置、例えば、ドキュメントの出力処理を実行するドキュメント発行装置、およびドキュメントの読み取りを実行するドキュメント利用確認装置等のマルチファンクション型情報処理装置とのデータ送受信を実行する。
【0074】
制御部453は、データ記憶部456に格納されたプログラムに従った各種データ処理、具体的には、ドキュメント管理データの生成処理や、ドキュメント管理データに基づくドキュメント利用可否判定処理、その他各処理部の統括的制御および各処理部間のデータ転送制御を実行する。管理データ格納部454は先に図3を参照して説明したドキュメント管理データを格納する。出力部(表示部)455はディスプレイ等の表示部であり、オペレータに対する各種の案内データ、警告データ、通知データなどの表示を実行する。データ記憶部456は、データ処理プログラム、通信部452を介する送受信データの記憶領域などのデータ記憶領域として利用される。
【0075】
最後に、図7を参照して、ドキュメントの出力処理を実行するドキュメント発行装置100、およびドキュメントの読み取りを実行するドキュメント利用確認装置300、および管理サーバ200としての情報処理装置のハードウェア構成例について説明する。図7に示すハードウェア構成は、一般的なコンピュータ構成に、プリント、スキャン機能を付加した構成を示している。なお、管理サーバ200には、プリント、スキャン機能は必須ではなく省略可能である。
【0076】
CPU(Central Processing Unit)501は、上述の実施例において説明した各種のデータ処理、すなわちドキュメントの生成、出力処理、管理データ生成、ドキュメント利用可否判定処理等、各装置の実行するデータ処理の実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムに従った処理を実行する制御部である。
【0077】
ROM(Read Only Memory)502は、CPU501が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)503は、CPU501の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス504により相互に接続されている。
【0078】
ホストバス504は、ブリッジ505を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス506に接続されている。
【0079】
キーボード508、ポインティングデバイス509は、ユーザにより操作される入力デバイスである。ディスプレイ510は、液晶表示装置またはCRT(Cathode Ray Tube)などから成り、各種情報をテキストやイメージで表示する。
【0080】
HDD(Hard Disk Drive)511は、ハードディスクを内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU501によって実行するプログラムや情報を記録または再生させる。ハードディスクは、例えばイメージデータ、管理データなどの格納部としての役割を持つ。さらに、各種のデータ処理プログラム等、各種コンピュータ・プログラムが格納される。
【0081】
ドライブ512は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体521に記録されているデータまたはプログラムを読み出して、そのデータまたはプログラムを、インタフェース507、外部バス506、ブリッジ505、およびホストバス504を介して接続されているRAM503に供給する。リムーバブル記録媒体521も、ハードディスクと同様、イメージデータ、管理データなどの格納部としての役割を持つことができる。
【0082】
接続ポート514は、外部接続機器522を接続するポートであり、USB,IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート514は、インタフェース507、および外部バス506、ブリッジ505、ホストバス504等を介してCPU501等に接続されている。通信部515は、ネットワークに接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。
【0083】
プリント処理部531は、先に図1を参照して説明したドキュメントの出力(プリント)を実行する。文書読み取り部(スキャナ)532は、ドキュメント発行装置100においては、コピー対象の原本の読み取りを実行する。ドキュメント利用確認装置300においては、利用確認ドキュメントの読み取りを実行する。なお、前述したように、ドキュメント利用確認装置300において、読み取り対象データがQRコードなどのコードデータである場合は、スキャナ部ではなく、専用のコードリーダを備えた構成としてもよい。
【0084】
なお、図7に示す情報処理装置のハードウェア構成例は、基本的な装置例を示すものであり、本発明の情報処理装置は、図7に示す構成に限らず、上述した実施例において説明した処理を実行可能な構成であればよい。
【0085】
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0086】
なお、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0087】
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0088】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0089】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【0090】
以上、説明したように、本発明の構成によれば、コピー処理などのプリント出力によって生成したドキュメントに、ドキュメントIDをプリントする構成とし、さらに、ドキュメントIDとドキュメントの利用許容情報と対応付けた管理データを管理サーバにおいて管理し、ドキュメントの利用に際して、ドキュメントIDに基づくドキュメントの利用可否判定処理を実行する構成としたので、例えば身分証、保険証などの原本のコピー処理によって生成されるドキュメントや、チケットなど、様々なドキュメントの有効性を厳格に判定することが可能となり、有効と判定されたドキュメントのみの使用を許容し、不正にコピーされた有効性の認められないドキュメントの利用を排除する構成が実現される。
【0091】
さらに、本発明の構成によれば、原本のコピードキュメントの発行に際しては、原本のイメージデータをサーバの管理データとして保持し、ドキュメントの利用に際して、コピードキュメントのイメージデータと、登録データとしての原本イメージデータとの照合処理を行い、コピードキュメントの改竄検証に基づいてドキュメントの利用可否判定処理を実行する構成としたので、コピートキュメントが真正な原本と同一であることの確認に基づくドキュメント利用構成が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明のシステムにおいてプリント出力するドキュメントの構成について説明する図である。
【図2】本発明のシステムにおけるドキュメント発行処理、利用処理の全体概要について説明する図である。
【図3】本発明のシステムにおける管理データの構成例について説明する図である。
【図4】本発明のシステムにおけるドキュメントの発行処理、利用処理シーケンスについて説明するシーケンス図である。
【図5】本発明のシステムにおけるドキュメント発行装置、およびドキュメント利用確認装置を構成する情報処理装置の機能について説明するブロック図である。
【図6】本発明のシステムにおける管理サーバを構成する情報処理装置の機能について説明するブロック図である。
【図7】本発明のシステムにおけるドキュメント発行装置、ドキュメント利用確認装置、および管理サーバを構成する情報処理装置のハードウェア構成例について説明する図である。
【符号の説明】
【0093】
100 ドキュメント発行装置
150 ドキュメント
151 ドキュメント内容
152 ドキュメント利用許容情報
153 ドキュメント情報
170 ユーザ
181 原本
182 ドキュメント
190 ネットワーク
200 管理サーバ
300 ドキュメント利用確認装置
410 情報処理装置
411 入力部
412 通信部
413 制御部
414 プリント処理部
415 文書読み取り部
416 出力部
417 データ記憶部
450 管理サーバ
451 入力部
452 通信部
453 制御部
454 管理データ格納部
455 出力部
456 データ記憶部
501 CPU(Central Processing Unit)
502 ROM(Read-Only-Memory)
503 RAM(Random Access Memory)
504 ホストバス
505 ブリッジ
506 外部バス
507 インタフェース
508 キーボード
509 ポインティングデバイス
510 ディスプレイ
511 HDD(Hard Disk Drive)
512 ドライブ
514 接続ポート
515 通信部
521 リムーバブル記録媒体
522 外部接続機器
531 プリント処理部
532 文書読み取り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドキュメント発行処理を実行するドキュメント発行装置と、ドキュメント発行装置において発行されるドキュメントの利用管理を実行する管理サーバと、ドキュメント発行装置において発行されるドキュメントの利用確認処理を実行するドキュメント利用確認装置とを有するドキュメント管理システムであり、
前記ドキュメント発行装置は、
発行ドキュメントに、前記管理サーバにおいて管理されるドキュメントIDを含むドキュメント情報をプリント出力する構成であり、
前記ドキュメント利用確認装置は、
利用対象ドキュメントからドキュメントIDを含むドキュメント情報を読み取り、前記管理サーバに送信する構成であり、
前記管理サーバは、
前記ドキュメント発行装置の発行するドキュメントに対応するドキュメントIDを設定し、該ドキュメントIDとドキュメントの利用許容情報を対応付けた管理データを保持し、前記ドキュメント利用確認装置から受信するドキュメントIDに基づいて、前記管理データに基づくドキュメントの利用可否判定処理を行い、判定結果を前記ドキュメント利用確認装置に通知する処理を実行する構成であることを特徴とするドキュメント管理システム。
【請求項2】
前記管理サーバは、
前記ドキュメントIDと、ドキュメントの利用期限、ドキュメントの利用回数の少なくともいずれかの情報を対応付けた管理データを保持し、前記ドキュメント利用確認装置から受信するドキュメントIDに対応して管理データとして登録されたドキュメントの利用期限、ドキュメントの利用回数の少なくともいずれかの情報に基づいて、ドキュメントの利用可否判定処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のドキュメント管理システム。
【請求項3】
前記ドキュメント発行装置は、
原本データのコピーデータをドキュメントとして発行する処理を実行するとともに、前記管理サーバに原本データのイメージを送信する構成であり、
前記ドキュメント利用確認装置は、
利用対象ドキュメントからドキュメントのイメージデータを読み取り、前記管理サーバに送信する構成であり、
前記管理サーバは、
前記ドキュメント発行装置から受信する原本データのイメージを前記管理データとして登録するとともに、前記ドキュメント利用確認装置から受信するコピードキュメントのイメージデータと、管理データとして登録された原本データのイメージとの照合処理により、コピードキュメントの改竄の有無を判定し、改竄のないことの確認を条件としてコピードキュメントの利用を許容する利用可否判定処理を行い、判定結果を前記ドキュメント利用確認装置に通知する構成であることを特徴とする請求項1に記載のドキュメント管理システム。
【請求項4】
前記ドキュメント発行装置は、
前記ドキュメント情報として、ドキュメントIDに、さらにドキュメントの利用期限、ドキュメントの利用回数の少なくともいずれかの情報を含むドキュメント情報をプリント出力する構成であることを特徴とする請求項1に記載のドキュメント管理システム。
【請求項5】
前記ドキュメント発行装置は、
前記ドキュメント情報をQRコード、またはバーコード、または電子透かし、または暗号化データのいずれかのデータ態様でプリント出力する構成であることを特徴とする請求項1に記載のドキュメント管理システム。
【請求項6】
ドキュメント発行処理を実行する情報処理装置であり、
ドキュメントのプリント出力を実行するプリント処理部と、
ネットワークを介した通信を実行する通信部と、
ドキュメントのプリント処理における制御を実行する制御部とを有し、
前記制御部は、
ドキュメントのプリント出力処理に際して、通信部を介して管理サーバからのドキュメントID取得処理を実行し、取得したドキュメントIDを含むドキュメント情報をプリントデータとして付加したドキュメントの出力を前記プリント処理部において実行させる制御を行う構成であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
前記情報処理装置は、
原稿読み取り処理を実行する文書読み取り部を有し、
前記制御部は、
前記文書読み取り部において読み取られた原本のコピードキュメントのプリント出力処理に際して、通信部を介して管理サーバからのドキュメントID取得処理を実行し、取得したドキュメントIDを含むドキュメント情報をプリントデータとして付加したドキュメントの出力を前記プリント処理部において実行させる制御を行う構成であることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報処理装置は、
前記文書読み取り部において読み取られた原本のイメージデータを、通信部を介して管理サーバに送信する処理を実行する構成を有することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記情報処理装置は、
ドキュメントIDに、さらにドキュメントの利用期限、ドキュメントの利用回数の少なくともいずれかの情報を含むドキュメント情報をプリント出力する構成であることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記情報処理装置は、
前記ドキュメント情報をQRコード、またはバーコード、または電子透かし、または暗号化データのいずれかのデータ態様でプリント出力する構成であることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項11】
ドキュメントの利用管理処理を実行する情報処理装置であり、
ドキュメントの読み取り処理を実行する文書読み取り部と、
ネットワークを介した通信を実行する通信部と、
ドキュメントの利用要求に応じて、前記文書読み取り部において、利用要求ドキュメントから読み取られたドキュメントIDを含むドキュメント情報を管理サーバに送信し、該管理サーバからドキュメントの利用可否情報を取得する処理を実行する制御部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
前記情報処理装置は、
ドキュメントの利用要求に応じて、前記文書読み取り部において、利用要求ドキュメントから読み取られたドキュメントのイメージデータを管理サーバに送信する構成であることを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
ドキュメントの利用可否判定処理を実行する情報処理装置であり、
ドキュメントの管理データを格納した管理データ格納部と、
ネットワークを介した通信を実行する通信部と、
前記通信部を介して利用可否判定処理対象のドキュメントに対応するドキュメントIDを受信し、該受信ドキュメントIDに対応する利用許容情報を前記管理データ格納部から取得し、取得した利用許容情報に基づいてドキュメントの利用可否判定処理を実行するデータ処理部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項14】
前記管理データ格納部は、
ドキュメントIDと、ドキュメントの利用期限、ドキュメントの利用回数の少なくともいずれかの情報を対応付けた管理データを保持し、前記ドキュメントの利用期限、ドキュメントの利用回数の少なくともいずれかの情報に基づいて、ドキュメントの利用可否判定処理を実行する構成であることを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記管理データ格納部は、
ドキュメントIDと、ドキュメントの原本データのイメージを登録した構成であり、
外部装置から受信するコピードキュメントのイメージデータと、管理データとして登録された原本データのイメージとの照合処理により、コピードキュメントの改竄の有無を判定し、改竄のないことの確認を条件としてコピードキュメントの利用を許容する利用可否判定処理を実行する構成であることを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項16】
ドキュメント発行処理を実行する情報処理方法であり、
ドキュメントのプリント出力要求を入力するステップと、
通信部を介して管理サーバからのドキュメントID取得処理を実行するステップと、
取得したドキュメントIDを含むドキュメント情報をプリントデータとして付加したドキュメントの出力を実行するプリント処理ステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項17】
前記情報処理方法は、さらに、
原稿読み取り処理を実行する文書読み取りステップを有し、
前記文書読み取り部において読み取られた原本のコピードキュメントのプリント出力処理に際して、通信部を介して管理サーバからのドキュメントID取得処理を実行し、取得したドキュメントIDを含むドキュメント情報をプリントデータとして付加したドキュメントの出力を実行することを特徴とする請求項16に記載の情報処理方法。
【請求項18】
前記情報処理方法は、さらに、
前記文書読み取り部において読み取られた原本のイメージデータを、通信部を介して管理サーバに送信する処理を実行するステップを有することを特徴とする請求項17に記載の情報処理方法。
【請求項19】
前記プリント処理ステップは、
ドキュメントIDに、さらにドキュメントの利用期限、ドキュメントの利用回数の少なくともいずれかの情報を含むドキュメント情報をプリント出力するステップであることを特徴とする請求項16に記載の情報処理方法。
【請求項20】
前記プリント処理ステップは、
前記ドキュメント情報をQRコード、またはバーコード、または電子透かし、または暗号化データのいずれかのデータ態様でプリント出力することを特徴とする請求項16に記載の情報処理方法。
【請求項21】
ドキュメントの利用管理処理を実行する情報処理方法であり、
ドキュメントの利用要求を入力するステップと、
ドキュメントの読み取り処理を実行する文書読み取りステップと、
前記文書読み取りステップにおいて、利用要求ドキュメントから読み取られたドキュメントIDを含むドキュメント情報を管理サーバに送信し、該管理サーバからドキュメントの利用可否情報を取得するステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項22】
前記情報処理方法は、さらに、
ドキュメントの利用要求に応じて、前記文書読み取りステップにおいて、利用要求ドキュメントから読み取られたドキュメントのイメージデータを管理サーバに送信するステップを含むことを特徴とする請求項21に記載の情報処理方法。
【請求項23】
ドキュメントの利用可否判定処理を実行する情報処理方法であり、
通信部を介して利用可否判定処理対象のドキュメントに対応するドキュメントIDを受信するステップと、
ドキュメントの管理データを格納した管理データ格納部から、受信ドキュメントIDに対応する利用許容情報を取得し、取得した利用許容情報に基づいてドキュメントの利用可否判定処理を実行するドキュメント利用可否判定ステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項24】
前記管理データ格納部は、ドキュメントIDと、ドキュメントの利用期限、ドキュメントの利用回数の少なくともいずれかの情報を対応付けた管理データを保持した構成であり、
前記ドキュメント利用可否判定ステップは、
ドキュメントの利用期限、ドキュメントの利用回数の少なくともいずれかの情報に基づいて、ドキュメントの利用可否を判定することを特徴とする請求項23に記載の情報処理方法。
【請求項25】
前記管理データ格納部は、
ドキュメントIDと、ドキュメントの原本データのイメージを登録した構成であり、
前記ドキュメント利用可否判定ステップは、
外部装置から受信するコピードキュメントのイメージデータと、管理データとして登録された原本データのイメージとの照合処理により、コピードキュメントの改竄の有無を判定し、改竄のないことの確認を条件としてコピードキュメントの利用を許容する利用可否判定処理を実行することを特徴とする請求項23に記載の情報処理方法。
【請求項26】
ドキュメント発行処理制御をコンピュータ上において実行させるコンピュータ・プログラムであり、
ドキュメントのプリント出力要求を入力するステップと、
通信部を介して管理サーバからのドキュメントID取得処理を実行するステップと、
取得したドキュメントIDを含むドキュメント情報をプリントデータとして付加したドキュメントの出力を実行するプリント処理ステップと、
を有することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
【請求項27】
ドキュメントの利用管理処理制御をコンピュータ上において実行させるコンピュータ・プログラムであり、
ドキュメントの利用要求を入力するステップと、
ドキュメントの読み取り処理を実行する文書読み取りステップと、
前記文書読み取りステップにおいて、利用要求ドキュメントから読み取られたドキュメントIDを含むドキュメント情報を管理サーバに送信し、該管理サーバからドキュメントの利用可否情報を取得するステップと、
を有することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
【請求項28】
ドキュメントの利用可否判定処理をコンピュータ上において実行させるコンピュータ・プログラムであり、
通信部を介して利用可否判定処理対象のドキュメントに対応するドキュメントIDを受信するステップと、
ドキュメントの管理データを格納した管理データ格納部から、受信ドキュメントIDに対応する利用許容情報を取得し、取得した利用許容情報に基づいてドキュメントの利用可否判定処理を実行するドキュメント利用可否判定ステップと、
を有することを特徴とするコンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−227966(P2006−227966A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−41707(P2005−41707)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】