説明

ドライバIC及びそれを用いた電気光学装置

【課題】 表示パネルの表示領域の周縁を表示技術により目立ち難くすることができ、特に、表示空間のNラインに相当するページ単位でRAMに書き込まれる場合でも、n(n<N)ラインでの縁取りを可能とすること。
【解決手段】 X方向に沿ってそれぞれ延びる複数の走査信号線とY方向に沿ってそれぞれ延びる複数のデータ信号線とで規定される表示空間を有する表示パネル20を駆動するドライバIC100は、外部MPU30から供給される1フレーム分の第1画像データが、表示空間上にてY方向のN(N≧2)ライン分に相当するページ単位でメモリ空間上の複数ページに書き込まれるRAM110と、RAMからの出力に基づいて複数のデータ信号線を駆動するドライバ回路130とを有する。ドライバ回路は、表示空間のY方向にて連続するn(1≦n<N)ラインY3,Y4に亘って、第1画像データ以外の第2画像データ(例えば縁取りデータ)に基づいて複数のデータ信号線を駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学素子を有する表示パネルを駆動するドライバIC及びそれを用いた電気光学装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の表示パネルとして、例えば自動車等に取付けられるものがある。この車載用表示パネルを例に挙げれば、車種によって表示面積が異なることがある。この場合、車種毎にサイズの異なる表示パネルを用意するのでは、多品種少量生産となってコストダウンが図れない。
【0003】
そこで、統一サイズの表示パネルを用意し、表示パネルの周縁を覆う外枠により露出面積を調整することが考えられる。外枠で覆われた表示パネルの周縁部分は必ずしも表示する必要はない。
【0004】
従来、主として待機時の消費電力低減を目的として、表示パネルの一部のみを駆動するパーシャル駆動が知られている。この種のパーシャル駆動法として、特許文献1〜4等に開示されたものがある。表示パネルのうち外枠で覆われた非露出領域は、例えばパーシャル駆動法により非表示領域として設定することができる。
【特許文献1】WO02/015164号公報
【特許文献2】特開2002−040978号公報
【特許文献3】特開2002−351412号公報
【特許文献4】特開2008−070854号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示パネルの外枠は例えばプラスチックであり、外枠の開口内にて露出する表示パネルの表面は例えばガラスであり、材質の異なる2つの部材間のつなぎ部分が目立ち、外観が損なわれる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、表示パネルの表示領域の周縁を表示技術により目立ち難くすることができ、特に、表示空間のNラインに相当するページ単位でRAMに書き込まれる場合でも、n(n<N)ラインでの縁取りを可能とするドライバIC及びそれを用いた電気光学装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、X方向に沿ってそれぞれ延びる複数の走査信号線とY方向に沿ってそれぞれ延びる複数のデータ信号線とで規定される表示空間を有する表示パネルを、前記複数のデータ信号線にデータ信号を供給して駆動するドライバICにおいて、
外部から供給される1フレーム分の第1画像データが、前記表示空間上にてY方向のN(N≧2)ライン分に相当するページ単位でメモリ空間上の複数ページに書き込まれるRAMと、
前記RAMからの出力に基づいて前記複数のデータ信号線を駆動するドライバ回路と、
を有し、
前記ドライバ回路は、前記表示空間のY方向にて連続するn(1≦n<N)ラインに亘って、前記第1画像データ以外の第2画像データに基づいて前記複数のデータ信号線を駆動することを特徴とするドライバICに関する。
【0008】
本発明の一態様によれば、表示空間のX方向にて連続するnラインを、関心領域に表示される第1画像データ以外の第2画像データに基づいて駆動することができる。従って、表示領域の周縁等の目立たなくしたい領域を表示技術によって特定の表示形態とすることができる。特に、外部から供給される1フレーム分の第1画像データが、表示空間上にてY方向のN(N≧2)ライン分に相当するページ単位でRAMのメモリ空間上の複数ページに書き込まれるページアドレス方式では、Nラインを縁取り領域とする他なく、表示空間のX方向にて連続するn(1≦n<N)ラインに亘って第1画像データ以外の第2画像データを使用する着想さえもなかった。
【0009】
本発明の一態様では、前記RAM中の指定されたページに前記第1画像データの一部を書き込む前に、所定ビット演算パターンと前記第1画像データの一部とをビット演算して前記nラインに亘って前記第2画像データを生成するビット演算回路を設けることができる。
【0010】
第1画像データを第2画像データに変換するには、デジタル値としてビット単位で演算することが簡便である。ビット単位のビット演算回路は、アンドゲートまたはナンドゲート(論理積回路)、オアゲートまたはノアゲート(論理和回路)またはエクスクルーシブオアゲート(排他的論理和回路)等にて簡易に構成できる。しかも、ビット演算回路は、ページアドレス方式でRAMに書き込まれる場合でも、その書き込み前にビット単位で演算することが可能である。
【0011】
本発明の一態様では、前記RAMにページアドレスを供給するページアドレス回路をさらに有し、
前記ページアドレス回路は、前記RAMに供給されるページアドレスが先頭ページと一致したことを検出する先頭ページ一致検出回路と、前記RAMに供給されるページアドレスが終了ページと一致したことを検出する終了ページ一致検出回路と、を含み、
前記ビット演算回路は、前記先頭ページ一致検出回路及び前記終了ページ一致検出回路からの一致検出信号に基づいて、先頭ページ及び終了ページに書き込まれる前記第1画像データの一部に対してビット演算を実施することができる。
【0012】
こうすると、表示パネルの表示空間上のY方向での両端部を縁取り領域として設定することができる。
【0013】
本発明の一態様では、前記先頭ページに書き込まれる前記第1画像データの一部に対してビット演算される第1のビット演算パターンが格納される第1のビット演算パターンレジスタと、
前記先頭終了ページに書き込まれる前記第1画像データの一部に対してビット演算される第2のビット演算パターンが格納される第2のビット演算パターンレジスタと、
をさらに有することができる。
【0014】
こうすると、第1,第2のビット演算パターンレジスタに先頭・終了ページアドレスを任意に設定でき、サイズが固定された1種類の表示パネルに対して、Y方向の両端部となる任意の位置に縁取り領域を設定でき、汎用性が高まる。
【0015】
本発明の一態様は、前記ドライバ回路は、前記複数のデータ信号線の数と同数の複数のデジタル−アナログ変換回路を含み、
前記複数のデジタル−アナログ変換回路と前記RAMとの間に、所定ビット演算パターンと前記RAMからの出力とをビット演算して前記nラインに亘って前記第2画像データを生成する複数のビット演算回路を設けることができる。
【0016】
このように、ビット演算回路はRAMの出力段であって、かつ、デジタル−アナログ変換回路よりも前段に配置しても良い。RAMから出力される表示データもまたデジタル値であるので、上記と同様にしてビット演算することができる。ただし、RAM出力は一ライン同時の複数画素分の表示データであるので、ビット演算回路の総数はRAMの入力段に設ける場合よりも増大する。
【0017】
本発明の一態様では、前記ドライブ回路は、
前記複数のデジタル−アナログ変換回路にアナログ電圧を供給する電源回路と、
前記複数のデジタル−アナログ変換回路と前記RAMとの間に設けられたデータセレクタとをさらに含み、
前記複数のデジタル−アナログ変換回路は、画素あたりの最大階調ビット数をn1としたとき、2n1個の1ビット一致検出回路を含み、
前記データセレクタは、指定階調ビット数n2を選択するモード信号と、前記RAMの読み出しアドレスを指定するラインアドレス中の下位n0(n0=n1−n2)ビットとに基づいて、前記RAMの出力であるn1ビットをn2ビットずつ順に選択し、かつ選択されたn2ビットの上位n0ビットに0を追加して、前記2n1個の1ビット一致検出回路の各々に入力される1画素あたりのデータ長をn1ビットとすることができる。
【0018】
本発明の一態様では、一画素あたりのビット数を示すBPP(Bit Per Pixel)を選択することができ、しかもRAMにはモード選択されたBPPに応じたビット数n2を一画素とするデータをRAMに書き込めば良い。従って、BPPのビット数に反比例させてRAM内に記憶される画像データのフレーム数を増大できる。また、データセレクタによって、BPPモードに拘わらず常に最大階調ビット数n1にてRAMの出力データのデータ長を固定でき、しかも本来のビット数n2のデータ自体を損なわないので、後段のデジタル回路に悪影響が生じない。
【0019】
本発明の一態様では、前記ビット演算回路は、前記データセレクタの入力段側に配置することができる。データセレクタの入力段側の表示データは、RAMの入力段側の表示データと同一であり、RAMの入力段では内部バスでビット数が制約されるので、必ずしもRAMの入出力では、書き込みビット数単位と読み出しビット数単位が等しいとは限らない点が相違する。よって、書き込みまたは読み出しビット数単位に応じて、ビット演算すべきビット演算パターンを変更すれば良い。また、ビット数単位が変更されることで、表示空間上でのライン位置がRAMの入出力で異なることもあるので、表示空間上にて縁取りすべきライン位置に合わせてビット演算を実施すれば良い。
【0020】
本発明の一態様では、前記ビット演算回路は、前記データセレクタの出力段側に配置することができる。上述の通り、BPPに応じてデータセレクタの出力の上位ビットは0固定されるので、この情報を考慮してビット演算パターンを定めれば良い。
【0021】
本発明の一態様では、前記ドライバ回路は、前記複数のデータ信号線の数と同数の複数のデジタル−アナログ変換回路と、前記複数のデジタル−アナログ変換回路に供給される複数のアナログ電圧を供給する電源回路とを含み、
前記複数のデジタル−アナログ変換回路にてnラインに亘って前記第2画像データを生成するために、前記第1の画像データに対して用いる前記複数のアナログ電圧の電圧値とは異なる電圧値を切り換え出力するアナログスイッチを設けることができる。
【0022】
第1画像データから第2画像データへの補正は、必ずしもデジタル値としてビット演算するものに限らない。ビット演算の結果がデジタル−アナログ変換されるのであるから、アナログ値にて補正することを妨げない。デジタル−アナログ変換回路にて第1画像データを第2画像データに変換するには、デジタル−アナログ変換回路に入力される階調電圧を変更すれば良い。
【0023】
本発明の一態様は、前記アナログスイッチは、多段のアナログ電圧値の中からガンマ補正データに基づいて前記複数のアナログ電圧としてガンマ補正電圧を選択するアナログスイッチと兼用することができる。つまり、ハードウェアの追加なしに、第1画像データから第2画像データへの変換をアナログレベルで実現できる。
【0024】
本発明の一態様は、前記RAMは、前記第1画像データが書き込まれる前に、前記第1画像データが書き込まれるメモリ領域を少なくとも含む領域に前記第2画像データと同一データが書き込まれ、その後前記第1画像データを書き込むことができる。
【0025】
こうすることで、縁取り領域の一部または縁取り領域のさらに外縁領域を、予め縁取り画像データをページアドレス方式で書き込むことができる。ページアドレス方式では書き込めなかった領域についてのみ、デジタルまたはアナログ的に画像データを補正すれば足りる。
【0026】
本発明の他の態様は、複数の走査線と複数のデータ信号線とによって駆動される電気光学素子を含む表示パネルと、上述したいずれかの形態に係るドライバICと、を含む電気光学装置に関する。
【0027】
この電気光学装置を、開口を有する枠に取り付けた場合、開口の内側に縁取り領域を設定でき、枠と表示パネルとのつなぎ部分を目立たなくすることを表示技術によって実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0029】
(表示ユニット)
図1は本実施形態に係る車載用表示ユニット(広義には電気光学装置)の平面図である。この車載用表示ユニット10は、表示パネル20と、MPU(マイクロプロセッサユニット)30と、ドライバIC100とを含んでいる。
【0030】
表示パネル20は、例えばX方向の画素数X1=320及びY方向の画素数Y1=320の320×320画素を有するアモルファスSi−TFT液晶パネルである。この表示パネル20の各画素は、図2に示すように、ゲートが走査線(ゲート線)Gに接続され、ソースがデータ信号線(ソース線)Sに接続された薄膜トランジスタ(TFT)Tと、保持容量Cと、画素電極P等を含んで構成される。表示パネル20には、X方向に沿って延び、Y方向にて等間隔に配置されたY1本の走査線Gと、Y方向に沿って延び、X方向にて等間隔に配置されたX1本のデータ信号線Sとを有する。液晶パネル20は、走査線G、データ信号線S、薄膜トランジスタT及び画素電極Pなどが形成されたアクティブマトリクス基板と、全ての画素電極Pと対向する対向電極が形成された対向基板との間に、電気光学素子である液晶を封入することで構成されている。
【0031】
図1に示すドライバIC100は、MPU30からのコマンド、コマンドに続くパラメータ又はデータに基づいて、液晶パネル20の各画素を例えば2階調、4階調及び16階調のいずれかのBPP(Bit Per Pixel)モードで駆動可能な1チップドライバICである。このドライバIC100は、例えばアクティブマトリクス基板(ガラス基板)上の配線領域に直接搭載できるCOG(Chip on Glass)対応のバンプを有することができる。こうすると、表示パネル20とドライバIC100とで表示モジュール(これも電気光学装置である)を構成できる。
【0032】
本実施形態に係る液晶パネル20は、その周縁が外枠40で覆われており、外枠40の開口42の内側の露出領域が、例えばX方向の画素数X2=200、Y方向の画素数Y2=200で構成される矩形領域となっている。
【0033】
なお、開口42の内側にて露出する200×200画素の有効表示領域20Aは、中心画像領域20Bとその周縁の縁取り領域20Cとを有する。縁取り領域20Cの幅となるX方向の画素数X3,X4及びY方向の画素数Y3,Y4はそれぞれ数画素程度であり、本実施形態ではX3=X4=Y3=Y4=2画素とする。
【0034】
縁取り領域20Cは、外枠40と中心画像領域20Bとのつなぎ部分となる。表示ユニット10の周縁を覆う外枠40の材質が例えばプラスチックであり、表示パネル20の中心領域20Bの最外表面はガラスであり、材質の違う外枠40と中心画像領域20Bとのつなぎ部分を綺麗に見せること、あるいはつなぎ部分を目立たなくする等のニーズから、有効表示領域20Aの周縁の例えば2画素分の幅だけを、縁取り領域20Cとして特定の階調値で駆動する。本実施形態では、縁取り領域20Cを外枠40の色と同色とするために例えば黒表示している。
【0035】
(ドライバIC)
図3は、ドライバIC100のブロック図である。図3において、システムインターフェース102は、図1に示すMPU30との間で信号を入出力するためのインターフェースである。このシステムインターフェース102は、コントロール端子として以下に示す端子を有する。チップセレクト端子XCSにLOWが入力されると、データ/コマンドの入出力が可能となる。データバス端子D0−D7は、8ビットのデータまたはコマンドがパラレルに入出力される。識別端子AOは、HIGHが入力されるとデータバス端子D0−D7にはデータ(またはコマンドに続くパラメータ)が入力され、LOWが入力されるとデータバス端子D0−D7にはコマンドが入力される。リード端子XRDは、LOWが入力されている期間に亘ってデータバス端子D0−D7を出力状態とする。ライト端子XWRは、MPU30からのライト信号が入力され、ライト信号の立ち上がりエッジでデータバス端子D0−D7への信号がラッチされる。シリアルクロック端子SCLにはシリアルクロックが、シリアルデータ入力端子SDにはシリアルデータが、MPUインターフェース選択端子IFにはシリアル/パラレルの識別信号が、それぞれ入力される。
【0036】
ゲートアレイで構成される制御ロジック回路104は、データバス端子D0−D7またはシリアルデータ入力端子SDからのコマンド/パラメータのデコーダとレジスタ等を備える。不揮発性メモリであるマルチタイムPROM106は、このドライバIC100が接続される表示パネル10に固有の制御データ例えば画質調整データとして、例えば対向電極に印加される電圧値VcomH用電子ボリュームのオフセット調整のための制御データ等が記憶される。こうして、表示パネル20とセットで用いられるドライバIC内に、その表示パネル20に固有の制御データを格納しておくことで、表示パネル20とドライバIC100とで構成される表示モジュール単位で画質調整が可能となる。なお、このドライバIC100またはMPU30にはマルチタイムPROM106よりも大容量の不揮発性メモリ例えばEPROMが接続され、表示パネル20に固有の制御データ以外の制御データを格納することができる。なお、マルチタイムPROM106は5回程度まで電気的に書き換え可能であり、上述した画質調整データの他、ユーザIDデータ等も格納できる。また、発振回路108は、ドライバIC100内部にて基準クロックを生成する。
【0037】
ドライバIC100は、表示データを記憶する表示データRAM110を内蔵している。本実施形態では、320×320個の各画素を最大階調数16(4BPP)で表示するために、320×320×4ビットの記憶容量を有する。つまり、表示データRAM110は、4BPPモードでは少なくとも1フレーム分の表示データを記憶できる。1画素あたりの階調数が減少すれば、1フレーム分の表示データは少なくなり、BPP(Bit Per Pixel)のビット数に反比例して、RAM110に格納できる表示データのフレーム数は増加する。つまり、2BPP(4階調)では1フレームデータは320×320×2ビットとなるので、表示データRAM110には2フレーム分の表示データを格納できる。同様に、1BPP(2階調)では1フレームデータは320×320×1ビットとなるので、表示データRAM110には4フレーム分の表示データを格納できる。
【0038】
表示データRAM110の周辺回路として、I/Oバッファ112、表示タイミング発生回路114、ページアドレス回路116、カラムアドレス回路118及びラインアドレス回路120を有する。MPU30と表示データRAM110との間は、システムインターフェース102、制御ロジック104及びI/Oバッファ112を介してデータが入出力される。なお、制御ロジック104には、各種デコーダ及びレジスタの他に、ライトバスホルダとリードバスホルダ等を有することができる。
【0039】
表示データRAM110のアドレスは、MPU30との間で表示データを入出力する際にはページアドレス回路116とカラムアドレス回路118が用いられ、表示パネル20を駆動する際にラインアドレス回路120とカラムアドレス回路118が用いられる。これらアドレス回路116−120には、表示タイミング発生回路114からのタイミング信号が入力される。
【0040】
表示データRAM110の表示データに基づいて表示パネル20を駆動するために、表示データラッチ回路122と、320本のソース線Sを駆動するソースドライバ(広義にはドライバ回路)130が設けられている。
【0041】
ドライバIC100の各部に電圧を供給する電源回路140が設けられている。この電源回路140は、外部から供給される電圧に基づいて、ドライバIC100の各部に必要な電圧を生成して供給する。電源回路140は、ソースドライバ130内部に設けられたデジタル−アナログ変換回路(DAC)に階調電圧を供給するためのガンマ補正回路を含んでいる。
【0042】
ドライバIC100は、320本のゲート線Gを駆動するゲートドライバ142A,142Bを有する。なお、図1に示すように、外枠40により覆われた領域(非表示領域)はゲート線を駆動する必要がないので、本実施形態では320本のゲート線をG0−G319とすると、図1のY方向の両端部60本に相当するゲート線G0−G59とゲート線G260−G319とは、ドライバIC100に接続しなくても良い。あるいは、全ゲート線をドライバIC100に接続したときには、上述したパーシャル駆動によって非表示領域を設定しても良い。
【0043】
(表示データRAMのメモリ空間と各BPPモードでの表示空間との関係)
図4は、表示データRAM110のメモリ空間を示し、図5〜図7はそれぞれ4BPP,2BPP,1BPPの各モードでの表示データRAM110の画素毎のビット配列を表示空間上で示している。図4に示すように、表示データRAM110には、最大階調数16(4BPP)のモードでは、2画素分の8ビットデータD0−D7がメモリ空間(図4)上でも表示空間(図5)上でも2ラインとなるように、1画素4ビット×2ラインで格納される。つまり、内部データバス単位である8ビットデータD0−D7が、1ライン目データ(D0−D3)と2ライン目データ(D4−D7)に対応する。
【0044】
内部データバス単位である8ビットデータD0−D7が1画素4ビット×2ラインで格納されるため、表示データRAM110は、図4に示すように1ページあたり2ラインを有するページアドレスでアドレス管理される。本実施形態では全320ラインであるから、図4に示すように表示データRAM110は全160ページ(ページアドレス0〜159)を有する。なお、表示データRAM110の2ラインから読み出される4ビット(最大階調ビット数に一致)の表示データが、図3に示す表示データラッチ回路122にてラッチされる。ただし、RAMが2ライン分の表示データをラッチする機能を有すれば、表示データラッチ回路122は省略しても良い。
【0045】
MPU30が表示データRAM110に表示データを格納する時には、ライン方向はページアドレスにて指定される。ページアドレス方式では、開始ページアドレス、終了ページアドレス、開始カラムアドレス及び終了カラムアドレスで指定される矩形メモリ空間に表示データが格納される。従って、320×320の全画素領域でも、図1に示す200×200の有効表示領域20Aでも、あるいは特定の書き換え矩形領域でも、ページアドレス方式で一括してアドレス指定できる。
【0046】
一方、図6に示す4階調(2BPP)モードでは、図4に示すメモリ空間に記憶された表示データは、図6に示す表示空間のビット配列に相当する。つまり、内部データバス単位である8ビットデータD0−D7が、1画素2ビット×4ラインに相当し、1ライン目データ(D0,D1)、2ライン目データ(D2,D3)、3ライン目データ(D4,D5)及び4ライン目データ(D6,D7)に対応する。
【0047】
さらに、図7に示す2階調(1BPP)モードでは、図4に示すメモリ空間に記憶された表示データは、図7に示す表示空間のビット配列に相当する。つまり、内部データバス単位である8ビットデータD0−D7が、1画素1ビット×8ラインに相当し、1ライン目データ(D0)、2ライン目データ(D1)、3ライン目データ(D2)、4ライン目データ(D3)、5ライン目データ(D4)、6ライン目データ(D5)、7ライン目データ(D6)及び8ライン目データ(D7)に対応する。
【0048】
(メモリ空間上の1ページに対応する表示空間上のライン数Nと縁取り領域の画素数nとの関係)
本実施形態では、MPU30から供給される1フレーム分の表示データ(第1画像データ)が、図8に示す表示メモリ20の表示空間上ではY方向のN(N≧2)ライン分に相当するページ単位で、表示テータRAM110のメモリ空間上の複数ページに書き込まれている。ここで、2階調(1BPP)では図7に示すようにN=8であり、4階調(2BPP)では図6に示すようにN=4であり、16階調(4BPP)では図5に示すようにN=2である。
【0049】
ここで、図1に示す縁取り領域20Cのうち、Y方向の両端部の縁取り領域20Cの幅に相当する画素数をnとする。図8では、N>nが成立する。事実、2階調(1BPP)ではN=8であり、4階調(2BPP)ではN=4であるので、図8にてn=2とした本実施形態ではN>nが成立する。一方、16階調(4BPP)ではN=n=2である。
【0050】
N=n=2である16階調(4BPP)の場合には、図8に示す表示空間上のN=2ラインを例えば黒表示することは比較的容易である。なぜなら、図1の有効表示領域20A(20B+20C)に相当する表示データRAM110の200ライン(100ページ分)×200カラムの画素領域に一旦、縁取りデータと同色の「黒」データを書き込み、その後、図1の中心表示領域20Bに相当する196ライン(98ページ分)×196カラムの画素領域に所望の画像データを上書きすれば良いからである。また、図8のX方向の両端に縁取り領域20Cを設定する場合でも、X方向にはページの概念がなく1カラムアドレス毎に指定できるので、全領域に縁取りデータと同色の「黒」データを一旦書き込み、その後、図1の中心表示領域20Bに相当するカラムアドレスを指定して所望の画像データを上書きすれば良い。
【0051】
しかし、2階調(1BPP)モード時のN=8の時や、4階調(2BPP)モードでのN=4の時には、N>n=2となり、上述した手法では縁取り領域20Cのみに対応するメモリ領域に「黒」データに書き込むことができない。なぜなら、例えば2階調(1BPP)モード時のN=8の時には、ページアドレスの1ページに相当する表示空間上の8ライン毎(図7中の仕切り線毎)にしかデータを書き換えられないからである。4階調(2BPP)モード時のN=4の時には、ページアドレスの1ページに相当する表示空間上の4ライン毎(図6中の仕切り線毎)にしかデータを書き換えられないからである。よって、ページアドレスの1ページ未満に相当する表示空間上の2ラインにのみ「黒」データに書き込むことができない。
【0052】
従って、このような場合には、ページアドレスの1ページに相当する表示空間上の8ライン中の特定2ラインについてのみ、MPU30が「黒」データを供給しなければならず、MPU30の負担が大きくなってしまう。なお、16階調(4BPP)モード時のときでも、N,nの設定如何では、N>nとなって、同様な問題が生ずる。
【0053】
(表示データRAMの入力段に設けられるビット演算回路)
図9は、N>nの場合であっても、表示パネル20の表示空間のY方向にて連続するn(1≦n<N)ラインに亘って、MPU30から供給される表示データ(第1画像データ)以外の縁取りデータ(第2画像データ)をドライバIC100から出力すること可能とする第1実施形態を示している。
【0054】
この第1実施形態では、表示データRAM110中の指定されたページ(例えば先頭及び/または最終ページなど)にMPU30から供給される表示データ(第1画像データ)の一部を書き込む前に、所定ビット演算パターンと第1画像データの一部とをビット演算して、nラインに亘って縁取りデータ(第2画像データ)を生成するビット演算回路200を設けている。
【0055】
このビット演算回路200にて縁取りデータ(第2画像データ)を生成できる原理は、図10(A)〜図10(C)の通りである。図10(A)では、説明を簡易にするために、2階調(1BPP)モード(N=8)を例に挙げ、1ビットの画素データが「0」であれば黒表示、「1」であれば白表示とし、表示空間上でn=2ラインの縁取り領域20Cを黒表示データとする。
【0056】
図10(A)において、表示データD0−D7はMPU3から供給される表示データ(第1画像データ)であり、2階調(1BPP)モードでは表示メモリ20の表示空間上の8ライン分の各画素データに相当する。図10(A)に示す8ビット演算パターンBP1は、LSB側の下位2ビットが「0」でMSB側の上位6ビットは「1」に固定されている。
【0057】
図9に示すビット演算回路200には、図10(A)に示す表示データD0−D7と8ビット演算パターンBP1とが入力され、例えば同一ビット桁同士で論理積が演算される。そうすると、ビット演算回路200の出力は、図10(A)の通り、下位2ビットは対応するビット演算パターンBP1のビット桁と同じ「0」に強制固定され、上位6ビットは表示データD2−D7がそのまま得られる。ビット演算結果の下位2ビットは、図8に示す縁取り領域20Cの2画素に対応する。よって、8=N>n=2の2階調(1BPP)モードの場合であっても、表示パネル20の表示空間のY方向にて連続するn(1≦n<N)ラインに亘って、MPU30から供給される表示データ(第1画像データ)以外の縁取りデータ(第2画像データ)をデータ表示RAM30に格納することができる。
【0058】
図10(B)は、4階調(2BPP)モード(N=4)を示し、2ビットの画素データが「00」であれば黒表示、「11」であれば白表示とし、表示空間上でn=2ラインの縁取り領域20Cを黒表示データとする例を示す。この場合には、ビット演算パターンBP2は、表示空間上でn=2ラインに相当する下位4ビットを「0」とし、上位4ビットを「1」とすれば良い。
【0059】
図10(C)は、16階調(4BPP)モード(N=2)であって、図8に示す表示パネル20の表示空間上にて縁取り領域20Cのライン数n=1とした例を示している。このとき、N>nが成立している。この場合、4ビットの画素データが「0000」であれば黒表示であり、「1111」であれば白表示となる。表示空間上でn=1ラインの縁取り領域20Cを黒表示データとするには、ビット演算パターンBP3は、表示空間上でn=1ラインに相当する下位4ビットを「0」とし、上位4ビットを「1」とすれば良い。
【0060】
ここで、ビット演算回路200は対応ビット毎に論理積演算するアンドゲートに限らずナンドゲートであってもよい。例えば、縁取り領域20Cを白表示させるには、ビット演算パターンの「1」に出力固定させる論理輪演算を行うオアゲートまたはノアゲートとしても良い。あるいは、ビット演算回路200の出力を特定階調値に固定するために、各ビット桁毎にアンドゲートとオアゲートの一方を設けるものでも良い。あるいは、ビット演算をエクスクルーシブオアゲートにより排他的論理和を演算としても良い。
【0061】
次に、図9に示すビット演算回路200にて上述した演算をさせるための回路構成について説明する。図9では、図3に示す制御ロジック回路104内に、上述したビット演算回路200の他に各種レジスタ202〜212が設けられている。
【0062】
まず、図8に示すY方向の両端にてそれぞれ縁取り領域20Cを設定するために、先頭ページビット演算パターンレジスタ(第1のビット演算パターンレジスタ)202と、終了ページビット演算パターンレジスタ(第2のビット演算パターンレジスタ)204とが設けられている。
【0063】
次に、MPU30が表示データRAM110の矩形領域についてページアドレス方式でライトアドレスを指定するための4つのレジスタ206〜212について説明する。図8に示す矩形領域は、先頭カラムアドレスC1、終了カラムアドレスCm、先頭ページアドレスP1、終了ページアドレスPMで指定されている。図9に示す先頭カラムレジスタ206は先頭カラムアドレスC1を、終了カラムレジスタ208は終了カラムアドレスCmを、先頭ページレジスタ210は先頭ページアドレスP1を、終了ページレジスタ212は終了ページアドレスPMを、それぞれ格納している。これらの各先頭・終了アドレスはMPU30により指定される。
【0064】
図3に示すカラムアドレス回路118は、図9に示すように、カラムアドレスレジスタ220、最終カラム一致検出回路222及びカラムアドレス更新回路224を含んでいる。カラムアドレスレジスタ220は、先頭カラムレジスタ206からの先頭カラムアドレスC1と、終了カラムレジスタ208からの終了カラムアドレスCmとの間で、繰り返しカラムアドレスを更新してRAM110に出力するものである。先頭カラムアドレスC1が指定された後は、最終カラム一致検出回路222にて一致しない限り、カラムアドレス更新回路224が一つずつインクリメントを実行して、カラムアドレスレジスタ220からのカラムアドレスが更新される。最終カラム一致検出回路222にて最終カラムアドレスCmが検出されると、キャリーオーバー信号が出力されると共に、カラムアドレス更新回路224は先頭アドレスC1をロードし、以降これを繰り返す。
【0065】
図3に示すページアドレス回路116は、図9に示すように、ページアドレスレジスタ230、最終ページ一致検出回路232、ページアドレス更新回路234及び先頭ページ一致検出回路236を含んでいる。ページアドレスレジスタ230は、先頭ページレジスタ210からの先頭ページアドレスP1と、終了ページレジスタ212からの終了ページアドレスPMとの間で、繰り返しページアドレスを更新してRAM110に出力するものである。先頭ページアドレスP1が指定された後は、最終ページ一致検出回路232にて一致しない限り、ページアドレス更新回路234が最終カラム一致検出回路222からのキャリーオーバーを入力する度に一つずつインクリメントを実行して、ページアドレスレジスタ230からのページアドレスが更新される。そして、最終ページ一致検出回路232にて最終ページアドレスPMが検出され、かつ、最終カラム一致検出回路222からのキャリーオーバーを入力した時に、ページアドレス更新回路234は先頭アドレスP1をロードし、以降これを繰り返す。
【0066】
ここで、図10(A)〜図10(C)に示すビット演算パターンBP1〜BP3は、先頭ページ及び終了ページと対応させて、先頭ページビット演算パターンレジスタ202または終了ページビット演算パターンレジスタ204に格納され、ビット演算回路200に供給される。先頭及び終了ページ共に同一のビット演算パターンを用いる場合には、レジスタ202,204は一つのみで良い。
【0067】
また、図10(A)〜図10(C)に示すビット演算は、図8に示す例では先頭ページ及び終了ページについてのみ実施すればよく、それ以外のページについてはビット演算回路200でのビット演算は不要であり、表示テータをそのままスルーさせれば良い。そのため、ビット演算回路200は、先頭ページ一致検出回路236と終了ページ一致検出回路232からの一致検出信号が入力され、先頭及び終了ページに対してのみビット演算を行うようになっている。
【0068】
(ドライバ回路及びラインアドレス回路)
図11は、ドライバ回路であるソースドライバ130、電源回路140及びラインアドレス回路120を示している。なお、図11は説明の便宜上、4本のソース線S1−S4に対応する構成のみを図示している。
【0069】
図11において、ソースドライバ130は、4本のソース線S1−S4の各々に対応させて、データセレクタ240、アナログ−デジタル変換回路(DAC)250及びバッファ260を備えている。データセレクタ240には、RAM110から出力され、表示データラッチ回路122にてラッチされた4ビットデータ(最大階調ビット数に一致)が入力される。このデータセレクタ240は、最大階調ビット数をn1とし、現在の指定階調ビット数をn2とすると、データ表示RAM出力のn1ビットをn2ビットずつ選択し、かつ選択されたn2ビットの上位n0(n0=n1−n2)ビットに0を追加してn1ビットにする。
【0070】
本実施形態では、最大階調数である16階調は4ビットであるので、n1=4である。また、本実施形態では1画素あたりの階調ビット数が4、2、1の3つのモードが選択できるので、n2=4(4BPP)またはn2=2(2BPP)またはn2=1(1BPP)である。
【0071】
ここで、一つのデータセレクタ240に入力される4ビットデータをD0−D3とする。16階調(4BPP)モードでは、データセレクタ240の出力は入力と同じでD0−D3となる。4階調(2BPP)モードでは、データセレクタ240の出力は、第1出力がLSBから順にD0,D1,0,0(上位2ビットが0)となり、第2出力がLSBから順にD2,D3,0,0(上位2ビットが0)となる。2階調(1BPP)モードでは、データセレクタ240の出力は、第1出力がLSBから順にD0,0,0,0(上位3ビットが0)、第2出力がLSBから順にD1,0,0,0(上位3ビットが0)第3出力がLSBから順にD2,0,0,0(上位3ビットが0)、第4出力がLSBから順にD3,0,0,0(上位3ビットが0)となる。
【0072】
このようなデータセレクタ240の一例を図12に示し、図12に示す制御信号の内容を図13に示す。図12において、各モードにおける上位ビットを0に置き換えるために、2BPPモード信号と4BPPモード信号(広義にはBPPモード信号)とが用いられる。4BPPモード信号は2BPP及び1BPPモード時には図13に示すようにLOWであり、図12のアンドゲートAND1,2の出力が共にLOWとなり、上位2ビットが共に0となる。さらに、2BPPモード信号及び4BPPモード信号は、1BPPモード時に限って図13に示すように共にLOWであり、図12のオアゲートOR1の出力がLOWとなって、結局AND3の出力もLOWとなるので、上述の通りアンドゲートAND1,2の出力がLOWであることから、上位3ビットが共に0となる。一方、4BPPモード時にはアンドゲートAND1〜3は2BPP,4BPPモード信号によってLOWとはならないので、上位ビットが強制的にLOW固定されることはない。
【0073】
次に、各モードでの4ビット出力とその出力タイミングについて説明する。4BPPモード時には、セレクト信号SEL_1,SEL_2が共にLOWであるので、データD0は、アンドゲートAND9,オアゲートOR4,アンドゲートAND5,オアゲートOR2をスルーして出力される。同様に、データD1は、アンドゲートAND7,オアゲートOR3,アンドゲートAND3(オアゲートOR1の出力はHIGH固定)をスルーして出力される。データD2,D3は、アンドゲートAND2,AND1をそれぞれスルーして出力される。結局、4BPPモード時には、データセレクタ240を入力データがそのままスルーして出力される。
【0074】
2BPPモード時には、上述の通り上位2ビットは0固定されている。ここで、セレクト信号SEL_1,SEL_2が共にLOWであると、4BPPモードと同様にしてデータD0,D1がスルーして出力され、結局、LSBから順にD0,D1,0,0の4ビットの第1出力が得られる。その後、図13に示すようにセレクト信号SEL_1のみがHIGHに転じると、データD2がアンドゲートAND8,オアゲートOR4,アンドゲートAND5,オアゲートOR2をスルーして出力される。同様に、データD3は、アンドゲートAND6,オアゲートOR3,アンドゲートAND3(オアゲートOR1の出力はHIGH固定)をスルーして出力される。結局、LSBから順にD2,D3,0,0の4ビットの第2出力が得られる。
【0075】
1BPPモード時には、上述の通り上位3ビットは0固定されている。セレクト信号SEL_1,SEL_2が共にLOWであると、データD0は、アンドゲートAND9,オアゲートOR4,アンドゲートAND5,オアゲートOR2をスルーして出力される。結局、LSBから順にD0,0,0,0である4ビットの第1出力が得られる。次に、図13に示すようにセレクト信号SEL_2のみがHIGHに転じると、データD1がアンドゲートAND7,オアゲートOR3,アンドゲートAND4,オアゲートOR2をスルーして出力される。結局、LSBから順にD1,0,0,0である4ビットの第2出力が得られる。次に、図13に示すようにセレクト信号SEL_1がHIGHに、セレクト信号SEL_2がLOWに転じると、データD3が、アンドゲートAND8,オアゲートOR3,アンドゲートAND5,オアゲートOR2をスルーする。結局、LSBから順にD2,0,0,0である4ビットの第3出力が得られる。最後に、図13に示すようにセレクト信号SEL_1,SEL_2が共にHIGHであると、データD3が、アンドゲートAND6,オアゲートOR3,アンドゲートAND4,オアゲートOR2をスルーする。結局、LSBから順にD3,0,0,0である4ビットの第4出力が得られる。
【0076】
次に、4BPP,2BPP,1BPPの各モード時に、表示データRAMから表示データを読み出すためのラインアドレスについて説明する。表示データRAMはY方向に320ラインを有するので、ラインアドレスのビット数Mは、2≧320を満たす必要からM=9ビットである。
【0077】
ここでBPPの最大階調ビット数をn1(n1は2以上の整数で本実施形態ではn1=4である)とし、指定階調ビット数をn2(1≦n2≦n1)とする。4BPPモードではn2=4、2BPPモードではn2=2、1BPPモードではn2=1である。
【0078】
図14(A)〜図14(C)は、3つのBPPモードでの表示データRAM110のフレームアドレスとラインアドレスの関係を示している。4BPPモードでは、図14(A)に示すように表示データRAM110には1フレーム分の表示データしか格納できないので、フレームアドレスは不要である。2BPPモードでは、図14(B)に示すように表示データRAM110には2フレーム分の表示データを格納できるので、フレームアドレスとして1ビットの0,1を割り当てる必要がある。1BPPモードでは、図14(C)に示すように表示データRAM110には4フレーム分の表示データを格納できるので、フレームアドレスとして2ビットの00,01,10,11を割り当てる必要がある。
【0079】
図11に示すラインアドレス回路120の詳細について、図15〜図19も参照して説明する。図15は、図3及び図11に示すラインアドレス発生回路120の一例を示している。図15において、指定階調ビット数n2が設定されるBPP設定レジスタ120Aと、RAM110のライン数320をカウントする9ビットの表示ラインカウンタ120Bが設けられている。BPP設定レジスタ120Aと表示ラインカウンタ120Bの出力が入力される表示ラインアドレスコンバータ120Cを有する。
【0080】
表示アドレスコンバータ120Cは、BPP設定レジスタ120Aからの指定階調ビット数n2に基づいて、kビットのフレームアドレスを発生するフレームアドレス発生回路120C1と、カウンタ120bの出力であるM=9ビットのラインアドレスの上位(M−k)ビットの上位側にkビットのフレームアドレスを加算して、オフセットされたMビットのラインリードアドレスをRAM110に出力する加算器120C2と、を含む。フレームアドレス発生回路120C1は、指定階調ビット数n2、つまり4BPP、2BPPまたは1BPPに応じたフレームアドレスを発生する。
【0081】
ここで、整数k=log(n1/n2)を定義した時、4BPPモードではk=log(4/4)=0、2BPPモードではk=log(4/2)=1、1BPPモードではk=log(4/1)=2となる。つまり図14(A)〜図14(C)は、4BPPモードでは2=2=1フレーム、2BPPでは2=2=2フレーム、1BPPでは2=2=4フレームを有することを意味している。従って、フレームアドレス発生回路120Bは、4BPP、2BPPまたは1BPPモード時にkビットのフレームアドレスを発生させれば、図14(A)〜図14(C)に示す各モードでの2フレームに対応してフレームアドレスを発生できることが分かる。
【0082】
図16は表示データRAM110を示し、RAM110はメモリセルアレイ110Aの他にCPU/IF110Bと、ラインリードI/F110Cとを含んでいる。CPU/IF110Bは、図3に示す制御ロジック104とメモリセルアレイ110Aとの間のインターフェースであり、ライト/リードイネーブル信号とCPUIFクロックに従って、8ビットデータが入出力される。ラインリードI/F110Cには、ラインアドレス回路120からのラインリードアドレスと、ラインリードクロックが入力される。
【0083】
図17から図19は、4BPP、2BPP、1BPPの各モードでの動作を説明する図である。各図に示すように、各モードにおいて、表示ラインカウンタ120Bは、1フレーム内に320ラインをカウントすることになる。ただし、1フレーム内で発生するMビットのラインリードアドレスは、オフセット値であるフレームアドレスに基づいてオフセットされているので、各モードで異なっている。図17から図19に示すラインアドレス指定により、図14(A)〜図14(C)に示す各モードでのフレーム内ラインアドレスを指定することができる。
【0084】
次に、全Mビットのラインアドレスのうちの下位kビットは、図13に示すように、2BPPモード時にセレクト信号SEL_1をLOWとHIGHに切り換えるk=2ビットのタイミング信号として、1BPPモード時にセレクト信号SEL_1及びSEL_2をLOWとHIGHとの間で切り換えるk=2ビットのタイミング信号として用いる。なお、4BPPモード時にはk=0であるので、セレクト信号SEL_1及びSEL_2の切り換えは不要である。
【0085】
つまり、図15に示す表示ラインカウンタ120Bは、4BPPモード時の全Mビットのラインアドレスをカウントし、うち下位kビットについては表示データRAM110のラインアドレスとして用いるのでなく、データセレクタ240に入力される上述したセレクト信号SEL_1,2の切り換えタイミング信号として送出している(図13参照)。
【0086】
このために、図15に示すように、表示ラインカウンタ120BからのMビットのうちの下位Kビットが入力されるデータセレクタ制御信号ジェネレータ120Dが設けられ、kビットのデータセレクタ制御信号がデータセレクタ240に入力されるようになっている(図17〜図19も参照)。
【0087】
表示データRAM110の1フレーム内ラインアドレスとしては、M=9ビットの全ラインアドレスのうち、下位kビットを除いた上位(M−k)ビットを持ちいればよい。4BPPモードではk=0であるので、M=9ビットの全てがラインアドレスとして用いられる。2BPPモードではk=1ビットであるで、上位(M−k)=9−1=8ビットが1フレーム内ラインアドレスとして用いられる。2BPPモードでは1フレームのライン数は160本であるので、160<2=256を満たしている。1BPPモードではk=2ビットであるで、上位(M−k)=9−2=7ビットが1フレーム内ラインアドレスとして用いられる。1BPPモードでは1フレームのライン数は80本であるので、80<2=128を満たしている。いずれの場合も、上述した通り、M=9ビットの全ラインアドレスのうち、下位kビットを除いた上位(M−k)ビットは、オフセット値であるkビットのフレームアドレスによりオフセットされて、全Mビットのラインリードアドレスに変換される。
【0088】
上述した通り、最大階調ビットである4BPPモードに必要な全ラインアドレスのビット数Mのうち、下位kビットをデータセレクタ240での切り換え信号として用い、上位(M−k)ビットを1フレーム内ラインアドレスとして用い、オフセット値であるフレームアドレスとしてkビットを追加することで、4BPPモードのM=9ビットアドレスを一切変更しなくても表示データRAM110からの読み出しを効率よく行うことができる。つまり、BPPの設定ビット数に拘わらず最大階調での駆動時(4BPP)のラインアドレスを共用することができる。
【0089】
(ドライバ回路及び電源回路)
図11を参照して、図3に示すソースドライバ(ドライバ回路)130及び電源回路140について説明する。電源回路140は、電圧発生回路であるラダー抵抗回路270を有する。ラダー抵抗回路270は、第1電位VGHと第2電位VCLを抵抗分割して、最大階調数16よりも多いS(S>16=2n1)種類の電圧を生成する。16個のアナログスイッチ280は、4BPPモード時にはスイッチ切り換えデータレジスタ290からの信号に基づいてS種類の中から16種類の電圧を選択して出力する。スイッチ切り換えデータレジスタ290はガンマ特性設定データが格納され、表示パネル20の印加電圧−透過率特性であるガンマ特性を補正して16個の階調電圧を生成する。
【0090】
ここで、本実施形態では3つのBPPモードに対応して、モード信号に基づいてスイッチ切り換えデータレジスタ290からの制御データを切り換えて、最大で16個のアナログスイッチ280から出力される電圧値を変更している。図20は、3つのBPPモードに対応した階調データと階調電圧との関係を示す図である。4BPPモードでは、16階調データ(0000〜1111)に対応して、アナログスイッチ290により高電位V0〜低電位V15(ノーマリホワイト)に亘る16種類の階調電圧が用意される。2BPPモードでは、4階調データ(0000〜0011)に対応して、アナログスイッチ290により高電位V0〜低電位V15に亘る16種類の階調電圧が用意される。電位V0,V1,V2,V3の4種類の階調電圧が用意される。1BPPモードでは、2階調データ(0000〜0001)に対応して、アナログスイッチ290により高電位V0及び低電位V1の2種類の階調電圧が用意される。
【0091】
次に、DAC250について説明する。図21は、4ビット出力に基づいて上述した階調電圧を選択する図11中の一つのDAC250を示している。図11に示すデータセレクタ240は、いずれのBPPモードでも4ビットのデータが出力される。そこで、この4ビットデータが共通して入力される2=16個の一致検出回路300が設けられている。いずれのBPPモードでも、16個の一致検出回路300のいずれか一つが必ず一致することになる。
【0092】
アナログスイッチ280からの16種類の階調電圧V0−V15を供給する16本の階調電圧供給線310と、一端がショートされている16本のアナログ電圧出力線312とが直交して配置される。16本の電圧供給線310の各1本と、16本のアナログ電圧出力線312のそれぞれ異なる1本とは、スイッチST1〜ST16を介して接続/非接続を切り換え可能である。そして、スイッチST1〜ST16のいずれか一つが、16個のうち一致を検出したいずれか一つの一致検出回路300の信号出力線314によりオン制御される。
【0093】
ここで、図20に示すように、3つのBPPモードでは、4ビット階調データと階調電圧番号(V0,V1,V2など)は一対一の関係となっている。これにより、16個の一致検出回路300は、4ビットデータ(0000)が入力されれば階調電圧番号V0を選択する信号を出力し、4ビットデータ(0001)が入力されれば階調電圧番号V1を選択する信号を出力し、以下同様である。
【0094】
ただし、3つのBPPモードでは、4ビットデータ(0000)に対応する階調電圧番号V0の電圧が最高電圧で共通する以外は、他の階調電圧番号V1,V2,…対応する階調電圧値は3つのモードで一致していない。例えば、2BPPモードでの階調電圧番号V1に対応する階調電圧値は、4BPPモードでの階調電圧番号V5に対応する階調電圧値とほぼ一致し、1BPPモードモードでの階調電圧番号V1に対応する階調電圧値は、4BPPモードでの階調電圧番号V15に対応する階調電圧値にほぼ一致している。2BPPモードでの他の階調電圧番号V2−V3は、4BPPモードでの階調電圧番号V5,V10,V15と同様の関係にある。この現象は、2BPPモード及び1BPPモードで強制的に上位ビットに0を追加したことに起因して生じている。
【0095】
そこで、各BPPモードに応じて、スイッチ切り換えデータレジスタ290からの制御データに基づき、アナログスイッチ280を上述の通り切り換え制御している。つまり、複数のアナログスイッチ290は、2n1個の階調電圧の最大及び最小電圧の一方(例えばV0)を除いて、指定階調ビット数n2毎に、1ビット一致検出回路300に入力される同一のn1ビットデータ(例えば0001)に対して異なる階調電圧(4BPPモードでの階調電圧番号V1,V5,V15に対応する階調電圧値)を選択する。これにより、いずれのBPPモードであっても、階調値に応じたアナログ電圧を出力することができる。
【0096】
なお、液晶等の電気光学素子を有する表示パネル20では、液晶等の電気光学素子に同一極性の電圧が印加され続けると素子の寿命が縮まるので、所定の周期(ドット、ラインまたはフレーム)毎に極性反転駆動される。本実施形態では、下記のいずれかの手法により極性反転駆動を実施できる。
【0097】
第一は、図11のデータセレクタ120とDAC250との間に排他的論理和回路(EXOR回路)などの極性反転回路を追加し、極性信号によって表示データをデジタル的に正転または反転させる手法である。ただし、2BPP及び1BPPモード時は、上位に補った0は極性反転させない。第二は、図11に示すアナログスイッチ(ガンマ回路)280にてアナログ出力電圧を極性反転させる手法である。上述したように階調電圧番号V0が最高電圧である時を正極性モードとすると、負極性モードでは階調電圧番号V0が最低電圧となるようにスイッチングする。
【0098】
(表示データRAMの出力段に設けられるビット演算回路)
図22(A)(B)は、表示データRAM110の出力段に設けられる第2及び第3実施形態に係るビット変換回路320,330を含むソースドライバ(ドライバ回路)130を示す図である。図9に示す第1実施形態ではビット演算回路200を表示テータRAM110の入力段に設けたが、表示データRAM110の出力段に設けても良い。表示データRAM110の入力段であろうが出力段であろうが、ビット演算パターンとビット演算される表示データはデジタルデータに変わりがないからである。
【0099】
従って、図22(A)(B)に示すようにソースドライバ(ドライバ回路)130内にビット演算回路320,330を設けることができる。図22(A)はデータセレクタ240の入力段にビット演算回路320を設けたのに対して、図22(B)はデータセレクタ240の出力段にビット演算回路330を設けている。
【0100】
図22(A)に示すビット演算回路320には、BPPモードの種類に拘わらず4ビット階調データが入力されるが、その意味付けがBPPモードによって異なる。4BPPモードでは4ビットデータが1画素(1ライン)に相当し、2BPPモードでは4ビットデータが2画素(2ライン)に相当し、1BPPモードでは4ビットデータが4画素(4ライン)に相当する。従って、図8の縁取り領域20Cのライン数nに従い、BPPモード毎に4ビットデータのどのビット桁をビット演算して縁取りデータ(第2画像データ)に変換するかが異なる。
【0101】
n=2ラインとした場合、4BPPモード及び2BPPモードでは、図23(A)に示すように4ビットがオール0のビット演算パターンBP4を用意し、ビット演算回路320は該当ラインの表示データに対してのみ論理積を演算すれば良い。1BPPモードでは、図23(B)に示すように、LSB側の下位2ビットが0のビット演算パターンBP5を用意し、ビット演算回路320は該当ラインの表示データに対してのみ論理積を演算すれば良い。
【0102】
該当ラインに対してのみ論理積演算を行うために、図3のラインアドレス回路120は、表示ラインカウンタ120Bの他に、該当ラインを格納したラインアドレスレジスタ120Eを有することができる。こうすると、ラインアドレスレジスタ120Cにセットされたラインアドレス値を表示ラインカウンタ120Bがカウントすることで、そのラインアドレスに対応する表示データとビット演算パターンとの論理積が実施される。
【0103】
図22(B)のように、データセレクタ240の出力段にビット演算回路330を設けた場合であって、図8の縁取り領域20Cのライン数n=2に設定された場合には、ビット得演算パターンは次のようになる。
【0104】
4BPPモードでは、データセレクタ240の入出力は一致するので、図23(A)に示すビット演算パターンBP5を用いれば良い。2BPPモードでは、データセレクタ240の出力の上位2ビットは0固定されている。よって、図24(A)に示すように、下位2ビットが0で、上位2ビットは0または1のいずれかとなるビット演算パターンBP6を用いることができる。1BPPモードでは、データセレクタ240の出力の上位3ビットは0固定されている。よって、図24(B)に示すように、下位1ビットのみが0で、上位3ビットは0または1のいずれかとなるビット演算パターンBP7を用いることができる。
【0105】
図22(B)の場合も、該当するラインのデータのみビット演算を行う必要があるので、図22(A)と同様に表示ラインカウンタ120Bとラインアドレスレジスタ120Eが用いられる。
【0106】
(DACでの縁取りデータへの変換)
図20に、BPPモードに従いアナログスイッチ280で選択される階調電圧を示した。一方、図8の縁取り領域20Cを例えば黒表示するには、ソースドライバ130より出力される階調電圧が、黒表示に対応する階調電圧V0とすればよい。上述した第1〜第3実施形態(図9及び図22(A)(B)によるビット演算回路)では、デジタル値のビット演算により階調電圧V0を実現した。しかし、必ずしもデジタル値で補正するものに限らず、アナログ値で補正しても結果は同じである。
【0107】
そこで、本発明の第4実施形態では、図9及び図22(A)(B)によるビット演算回路を用いずに、図8に示す縁取り領域20Cに専用の階調電圧として、図25に示す階調電圧を用意した。図25に示す階調電圧として、BPPモードのいずれの階調データに対しても階調電圧は等しく黒表示電圧V0(第2画像データ)が用意される。このような階調電圧の選択は、図11に示すスイッチ切り換えデータレジスタ290を、BPPモードとラインアドレスと基づいて設定することで可能となる。
【0108】
この第4実施形態では、ハードウェアの変更は不要であり、BPPモードとラインアドレスと基づいてスイッチ切り換えデータレジスタ290の制御データをソフトウェア的に変更すれば足りる。
【0109】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるものである。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
【0110】
本発明は、必ずしもSi−TFT液晶に限定されるものではなく、他の種々の液晶を含む電気光学素子を用いたパネルのドライバICに広くて適用可能であり、アクティブマトリクス型だけでなく単純マトリクス型にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の一実施形態に係るドライバICにて駆動される表示パネルを示す図である。
【図2】表示パネルの一画素を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るドライバICのブロック図である。
【図4】表示データRAMのメモリ空間を示す図である。
【図5】16階調(4BPP)モードの時の表示データRAMを表示空間で表わした図である。
【図6】4階調(2BPP)モードの時の表示データRAMを表示空間で表わした図である。
【図7】2階調(1BPP)モードの時の表示データRAMを表示空間で表わした図である。
【図8】メモリ空間上の1ページに対応する表示空間上のライン数Nと縁取り領域の画素数nとの関係を示す図である。
【図9】表示データRAMの入力段に設けられる第1実施形態に係るビット変換回路を含むロジック制御回路のブロック図である。
【図10】図10(A)〜図10(C)は、図9に示すビット演算回路にて縁取りデータ(第2画像データ)を生成できる原理を示す図である。
【図11】図3に示すソースドライバ、電源回路及びラインアドレス回路の一例を示す図である。
【図12】図11に示すデータセレクタの一例を示す図である。
【図13】図12に示すデータセレクタの制御信号の内容を示す図である。
【図14】図14(A)〜図14(C)は、3つのBPPモードでの表示データRAMのフレームアドレスとラインアドレスの関係を示す図である。
【図15】ラインアドレス回路の一例を示す図である。
【図16】表示データRAMの一例を示す図である。
【図17】4BPPモード時の動作を説明するための図である。
【図18】2BPPモード時の動作を説明するための図である。
【図19】1BPPモード時の動作を説明するための図である。
【図20】3つのBPPモードに対応した階調データと階調電圧との関係を示す図である。
【図21】4ビット出力に基づいて階調電圧を選択する図11中の一つのDACを示す図である。
【図22】図22(A)(B)は表示データRAMの出力段に設けられる第2,第3実施形態に係るビット演算回路を示す図である。
【図23】図23(A)(B)は図22(A)に示すビット演算回路に適用されるビット演算パターンを示す図である。
【図24】図24(A)(B)は図22(B)に示すビット演算回路に適用されるビット演算パターンを示す図である。
【図25】デジタル−アナログ変換回路に入力される第1画像データを階調電圧で第2画像データに変換する時の第2画像データ(階調電圧)の例をBPPモード毎に示す図である。
【符号の説明】
【0112】
10 表示ユニット、20 表示パネル、20A 有効表示領域、20B 中心表示領域、20C 縁取り領域、30 MPU、40 外枠、42 開口、100 ドライバIC、102 システムインターフェース、104 制御ロジック、106 マルチタイムPROM、108 発振回路、110 表示データRAM、112 I/Oバッファ、114 表示タイミング発生回路、116 ページアドレス回路、118 カラムアドレス回路、120 ラインアドレス回路、120A BPP設定レジスタ、120B 表示ラインカウンタ、120C 表示ラインアドレスコンバータ、120C1 フレームアドレス発生回路、120C2 加算機、120D データセレクタ制御信号ジェネレータ、122 表示データラッチ回路、130 ソースドライバ(ドライバ回路)、140 電源回路(含むガンマ補正回路)、142A,142B ゲートドライバ、200 ビット演算回路、202 先頭ページビット演算パターンレジスタ、204 終了ページビット演算パターンレジスタ、206 先頭カラムレジスタ、208 終了カラムレジスタ、210 先頭ページレジスタ、212 終了ページレジスタ、220 カラムアドレスレジスタ、222 最終カラム一致検出回路、224 カラムアドレス更新回路、230 ページアドレスレジスタ、232 最終ページ一致検出回路、234 ページアドレス更新回路、236 先頭ページ一致検出回路、240 データセレクタ、250 デジタル−アナログ変換回路(DAC)、260 出力バッファ、270 ラダー抵抗回路、280 アナログスイッチ、290 スイッチ切り換えデータレジスタ、300 一致検出回路、310 階調電圧供給線、312 アナログ電圧出力線、314 一致検出信号線、320,330 ビット演算回路、BP1〜BP7 ビット演算パターン、G ゲート線、S ソース線、T 薄膜トランジスタ、C 保持容量、P 画素電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X方向に沿ってそれぞれ延びる複数の走査信号線とY方向に沿ってそれぞれ延びる複数のデータ信号線とで規定される表示空間を有する表示パネルを、前記複数のデータ信号線にデータ信号を供給して駆動するドライバICにおいて、
外部から供給される1フレーム分の第1画像データが、前記表示空間上にてY方向のN(N≧2)ライン分に相当するページ単位でメモリ空間上の複数ページに書き込まれるRAMと、
前記RAMからの出力に基づいて前記複数のデータ信号線を駆動するドライバ回路と、
を有し、
前記ドライバ回路は、前記表示空間のY方向にて連続するn(1≦n<N)ラインに亘って、前記第1画像データ以外の第2画像データに基づいて前記複数のデータ信号線を駆動することを特徴とするドライバIC。
【請求項2】
請求項1において、
前記RAM中の指定されたページに前記第1画像データの一部を書き込む前に、所定ビット演算パターンと前記第1画像データの一部とをビット演算して前記nラインに亘って前記第2画像データを生成するビット演算回路を設けたことを特徴とするドライバIC。
【請求項3】
請求項2において、
前記RAMにページアドレスを供給するページアドレス回路をさらに有し、
前記ページアドレス回路は、前記RAMに供給されるページアドレスが先頭ページと一致したことを検出する先頭ページ一致検出回路と、前記RAMに供給されるページアドレスが終了ページと一致したことを検出する終了ページ一致検出回路と、を含み、
前記ビット演算回路は、前記先頭ページ一致検出回路及び前記終了ページ一致検出回路からの一致検出信号に基づいて、先頭ページ及び終了ページに書き込まれる前記第1画像データの一部に対してビット演算を実施することを特徴とするドライバIC。
【請求項4】
請求項3において、
前記先頭ページに書き込まれる前記第1画像データの一部に対してビット演算される第1のビット演算パターンが格納される第1のビット演算パターンレジスタと、
前記先頭終了ページに書き込まれる前記第1画像データの一部に対してビット演算される第2のビット演算パターンが格納される第2のビット演算パターンレジスタと、
をさらに有することを特徴とするドライバIC。
【請求項5】
請求項1において、
前記ドライバ回路は、前記複数のデータ信号線の数と同数の複数のデジタル−アナログ変換回路を含み、
前記複数のデジタル−アナログ変換回路と前記RAMとの間に、所定ビット演算パターンと前記RAMからの出力とをビット演算して前記nラインに亘って前記第2画像データを生成する複数のビット演算回路を設けたことを特徴とするドライバIC。
【請求項6】
請求項5において、
前記ドライブ回路は、
前記複数のデジタル−アナログ変換回路にアナログ電圧を供給する電源回路と、
前記複数のデジタル−アナログ変換回路と前記RAMとの間に設けられたデータセレクタとをさらに含み、
前記複数のデジタル−アナログ変換回路は、画素あたりの最大階調ビット数をn1としたとき、2n1個の1ビット一致検出回路を含み、
前記データセレクタは、指定階調ビット数n2を選択するモード信号と、前記RAMの読み出しアドレスを指定するラインアドレス中の下位n0(n0=n1−n2)ビットとに基づいて、前記RAMの出力であるn1ビットをn2ビットずつ順に選択し、かつ選択されたn2ビットの上位n0ビットに0を追加して、前記2n1個の1ビット一致検出回路の各々に入力される1画素あたりのデータ長をn1ビットとすることを特徴とするドライバIC。
【請求項7】
請求項6において、
前記ビット演算回路は、前記データセレクタの入力段側に配置されていることを特徴とするドライバIC。
【請求項8】
請求項6において、
前記ビット演算回路は、前記データセレクタの出力段側に配置されていることを特徴とするドライバIC。
【請求項9】
請求項1において、
前記ドライバ回路は、前記複数のデータ信号線の数と同数の複数のデジタル−アナログ変換回路と、前記複数のデジタル−アナログ変換回路に供給される複数のアナログ電圧を供給する電源回路とを含み、
前記複数のデジタル−アナログ変換回路にて前記nラインに亘って前記第2画像データを生成するために、前記第1の画像データに対して用いる前記複数のアナログ電圧の電圧値とは異なる電圧値を切り換え出力するアナログスイッチを設けたことを特徴とするドライバIC。
【請求項10】
請求項9において、
前記アナログスイッチは、多段のアナログ電圧値の中からガンマ補正データに基づいて前記複数のアナログ電圧としてガンマ補正電圧を選択するアナログスイッチと兼用されることを特徴とするドライバIC。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかにおいて、
前記RAMは、前記第1画像データが書き込まれる前に、前記第1画像データが書き込まれるメモリ領域を少なくとも含む領域に前記第2画像データと同一データが書き込まれ、その後前記第1画像データが書き込まれることを特徴とするドライバIC。
【請求項12】
複数の走査線と複数のデータ信号線とによって駆動される電気光学素子を含む表示パネルと、
請求項1乃至11のいずれか記載のドライバICと、
を含む電気光学装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−66592(P2010−66592A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233666(P2008−233666)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】