説明

ドーム型カメラおよび絞り制御方法

【課題】 メガピクセルドームカメラでも、ピントぼけを低減した良好な低チルト角の画像を得ることのできるドーム型カメラを提供する。
【解決手段】 ドーム型カメラ1は、チルト方向に回動可能なカメラレンズ6と、カメラレンズ6を覆うドームカバー3と、カメラレンズ6の絞り量の制御を行う絞り制御部9とを備える。絞り量は、カメラレンズ6のチルト角がドームカバー3の天頂方向から水平方向に向けて小さくなるのに応じて、開放値からクローズ値に向けて小さくなるように設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドーム型カメラにおける画質向上のための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ドーム型カメラにおいて、ドームカバーの厚みの僅かな不均一性に起因して、ドームカバーを透過する光の光路長にも僅かな違いが生じ、その結果、収差が増加し、カメラレンズで撮影した画像に僅かなピントぼけが発生することが知られていた(例えば、特許文献1参照)。このピントぼけは、低チルト角の画像(ドームカバーの水平方向を撮影した画像)で、より顕著となるが、従来のドーム型カメラは、VGA(640×480ピクセル)クラスの画質をもったドーム型カメラ(VGAドームカメラともいう)であり、そのような従来のドーム型カメラでは、画質がそれほどの高くないため、そのような僅かなピントぼけが問題とされることはなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−300659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、近年、ドーム型カメラの高画質化が進み、メガピクセル(1280×960ピクセル)クラスの画質をもったドーム型カメラ(メガピクセルドームカメラともいう)が開発されるに至っている。そのようなメガピクセルドームカメラでは、従来のVGAドームカメラでは問題とならなかったような僅かなピントぼけでも、画質劣化の問題となる。そこで、従来から、メガピクセルドームカメラにおける画質向上のための技術開発が望まれていた。
【0005】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、メガピクセルドームカメラでも高画質な画像を得ることのできるドーム型カメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のドーム型カメラは、チルト方向に回動可能なカメラレンズと、前記カメラレンズを覆うドームカバーと、前記カメラレンズの絞り量の制御を行う絞り制御部とを備えたドーム型カメラであって、前記絞り量の基準として用いられる第1基準値は、前記カメラレンズのチルト方向の角度が前記ドームカバーの天頂方向から水平方向に向けて小さくなるのに応じて、開放値からクローズ値に向けて小さくなるように設定される構成を有している。
【0007】
この構成により、ドーム型カメラのカメラレンズのチルト方向の角度(チルト角)が小さくなると、それに応じてカメラレンズの絞り量が小さくなるように制御される。チルト角が小さくなると、ドームカバーの厚みの不均一性に起因するピントぼけがより顕著になるが、この場合、カメラレンズの絞り量を小さくして、収差を減少させることにより、そのピントぼけを低減することができる。このようにして、メガピクセルドームカメラでも、ピントぼけを低減した良好な低チルト角の画像を得ることができる。
【0008】
また、本発明のドーム型カメラは、前記カメラレンズのズーム倍率を制御するズーム制御部をさらに備え、前記絞り量の基準として用いられる第2基準値は、前記ズーム倍率が大きくなるのに応じて、前記開放値から前記クローズ値に向けて小さくなるように設定され、前記絞り量は、前記第1基準値と前記第2基準値とを用いて設定される構成を有している。
【0009】
この構成により、ドーム型カメラのカメラレンズのズーム倍率が大きくなると、それに応じてカメラレンズの絞り量が小さくなるように制御される。ズーム倍率が大きくなると、ドームカバーの厚みの不均一性に起因するピントぼけがより顕著になるが、この場合、カメラレンズの絞り量を小さくして、収差を減少させることにより、そのピントぼけを低減することができる。このようにして、メガピクセルドームカメラでも、ピントぼけを低減した良好な低チルト角の画像を得ることができる。例えば、チルト角に基づいて設定される第1基準値と、ズーム倍率に基づいて設定される第2基準値のうちの小さい方の値に、カメラレンズの絞り量が設定されると、絞り量が過度に小さくなるのを抑えることができる。
【0010】
また、本発明のドーム型カメラは、前記カメラレンズの入射光の照度を測定する照度測定部をさらに備え、前記絞り量の基準として用いられる第3基準値は、前記照度が小さくなるのに応じて、前記クローズ値から前記開放値に向けて大きくなるように設定され、前記絞り量は、前記第1基準値と前記第2基準値とを用いて設定された値と前記第3基準値とを比較していずれか大きい方の値に設定される構成を有している。
【0011】
この構成により、カメラレンズの入射光の照度が小さくなると、それに応じてカメラレンズの絞り量が大きくなるように制御される。これにより、絞り量が過度に小さくなるのを抑えることができる。したがって、照度の小さい撮影環境(暗い撮影環境)でも、高感度の画像を得ることができる。
【0012】
また、本発明のドーム型カメラでは、前記カメラレンズは、前記ドームカバーの中心位置から天頂方向へ前記カメラレンズの光軸をオフセット可能であり、前記カメラレンズのオフセット量は、前記チルト方向の角度が前記ドームカバーの天頂方向から水平方向に向けて小さくなるのに応じて、前記ドームカバーの中心位置から天頂方向へ向けて大きくなるように設定される構成を有している。
【0013】
この構成により、ドーム型カメラのカメラレンズのチルト方向の角度(チルト角)が小さくなると、それに応じてカメラレンズのオフセット量が大きくなる。したがって、ケラレを生じることなく、低チルト角の画像を得ることが可能になる。
【0014】
本発明の絞り制御方法は、チルト方向に回動可能なカメラレンズと、前記カメラレンズを覆うドームカバーと、前記カメラレンズの絞り量の制御を行う絞り制御部とを備えたドーム型カメラで用いられる絞り制御方法であって、前記カメラレンズのチルト方向の角度を検出し、前記絞り量を、前記チルト方向の角度が前記ドームカバーの天頂方向から水平方向に向けて小さくなるのに応じて、開放値からクローズ値に向けて小さくなるように制御する。
【0015】
この方法によっても、上記と同様、チルト角が小さくなったときに、カメラレンズの絞り量を小さくして、収差を減少させることにより、そのピントぼけを低減することができる。したがって、メガピクセルドームカメラでも、ピントぼけを低減した良好な低チルト角の画像を得ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、メガピクセルドームカメラでも、ピントぼけを低減した良好な低チルト角の画像を得ることができるという効果を有するドーム型カメラを提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態におけるドーム型カメラのブロック図
【図2】本発明の実施の形態におけるドーム型カメラ(高チルト角の状態)の概略図
【図3】本発明の実施の形態におけるドーム型カメラ(低チルト角の状態)の概略図
【図4】本発明の実施の形態におけるチルト角と絞り量(第1基準値)の関係を示す図
【図5】本発明の実施の形態におけるズーム倍率と絞り量(第2基準値)の関係を示す図
【図6】本発明の実施の形態における照度と絞り量(第3基準値)の関係を示す図
【図7】本発明の実施の形態におけるオフセット量とチルト角の関係を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態のドーム型カメラについて、図面を用いて説明する。本実施の形態では、メガピクセル(1280×960ピクセル)クラスの高画質カメラであって、監視カメラ等に用いられるドーム型カメラの場合を例示する。
【0019】
本発明の実施の形態のドーム型カメラの構成を、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態のドーム型カメラの主要な構成を示すブロック図であり、図2および図3は、ドーム型カメラを模式的に示した概略図である。図1〜図3に示すように、ドーム型カメラ1は、パン方向およびチルト方向に回動可能なレンズユニット2と、レンズユニット2を覆うドームカバー3と、CPUやマイコンなどで構成される制御部4を備えている。
【0020】
図1に示すように、レンズユニット2は、CCDやCMOSなどの撮像素子5と、撮像素子5の前側(図1の左側)に配置されるカメラレンズ6と、カメラレンズ6の光路上に配置される絞り機構7を備えている。また、ここでは図示を省略しているが、レンズユニット2には、レンズユニット2をパン方向およびチルト方向に回動させるためのパンチルト機構と、レンズユニット2をドームカバー3の天頂方向に向けてオフセットさせるオフセット機構が備えられている。
【0021】
図2および図3に示すように、ドームカバー3は、レンズユニット2を覆った状態でベース部8に取り付けられている。ドームカバー3は、ポリカーボネート等の透明なプラスチック製であり、十分な強度と耐光性を備えている。ドームカバー3の形状は半球であり、ドームカバー3の中心(球中心)と光軸は一致している。レンズユニット2は、オフセットしていない状態で、このドームカバー3の中心に配置される(図2参照)。レンズユニット2は、オフセットされた状態では、ドームカバー3の中心位置から天頂方向にずれる(図3参照)。ここでは、このずれの量(中心位置からのずれの量)を、オフセット量と呼ぶ。
【0022】
カメラレンズ6のチルト方向の角度(チルト角)は、ドームカバー3の水平方向とカメラレンズ6の光軸がなす角である。したがって、レンズユニット2(カメラレンズ6)が水平方向を向いているときは、チルト角は0度であり、レンズユニット2(カメラレンズ6)が天頂方向を向いているときは、チルト角は90度である(図2参照)。
【0023】
図1に示すように、制御部4は、カメラレンズ6の絞り量を制御する絞り制御部9と、カメラレンズ6のズーム倍率を制御するズーム制御部10と、カメラレンズ6の入射光の照度を測定する照度測定部11を備えている。絞り制御部9は、絞り機構7の絞り量を調整することにより、カメラレンズ6の絞り量を制御する機能を備えている。ズーム制御部10は、カメラレンズ6を光軸方向に沿って前後移動させることにより、カメラレンズ6のズーム倍率を制御する機能を備えている。照度測定部11は、撮像素子5からの出力信号に基づいて、照度を測定する機能を備えている。
【0024】
また、制御部4は、レンズユニット2のチルト方向の回動を制御するチルト制御部12と、レンズユニット2の天頂方向へのオフセット移動を制御するオフセット制御部13を備えている。チルト制御部12は、パンチルト機構を制御することにより、レンズユニット2をチルト方向に回動させる機能を備えている。オフセット制御部13は、オフセット機構を制御することにより、レンズユニット2をドームカバー3の天頂方向に向けてオフセットさせる機能を備えている。
【0025】
以上のように構成されたドーム型カメラ1について、図面を参照してその動作を説明する。
【0026】
ここでは、まず、本実施の形態のドーム型カメラ1の特徴的な動作である絞り量の制御について説明する。絞り量の設定は、3つの基準値(第1基準値、第2基準値、第3基準値)に基づいて行われる。
【0027】
絞り量の第1基準値は、レンズユニット2のチルト角(カメラレンズ6のチルト角)に基づいて設定される。チルト角は、チルト制御部12によって検出される。図4は、チルト角と絞り量の第1基準値の関係を示す図である。図4に示すように、絞り量の第1基準値は、チルト角が小さくなるのに応じて、開放値(100%)からクローズ値(0%)に向けて小さくなるように設定される。例えば、図4の例では、チルト角が90度から45度までの間は、絞り量が100%に設定され、チルト角が45度から0度までの間は、絞り量が100%から50%に徐々に減少するように設定され、チルト角が0度より小さいときには、絞り量が50%に設定される。なお、ここでは、チルト角の範囲が45度から0度までの間に絞り量が減少する例について説明したが、チルト角の範囲(絞り量が減少するチルト角の範囲)はこれに限られない。また、図4の例では、チルト角が45度から0度までの間に、絞り量が100%から50%に線形的(一次関数的)に変化する場合について説明したが、絞り量の変化の仕方はこれに限られない。
【0028】
絞り量の第2基準値は、カメラレンズ6のズーム倍率に基づいて設定される。ズーム倍率は、ズーム制御部10によって検出される。図5は、ズーム倍率と絞り量の第2基準値の関係を示す図である。図5に示すように、絞り量の第2基準値は、ズーム倍率が大きくなるのに応じて、開放値(100%)からクローズ値(0%)に向けて小さくなるように設定される。例えば、図5の例では、ズーム倍率が1倍から9倍までの間は、絞り量が100%に設定され、ズーム倍率が9倍から15倍までの間は、絞り量が100%から50%に徐々に減少するように設定され、ズーム倍率が15倍より大きいときには、絞り量が50%に設定される。なお、ここでは、ズーム倍率の範囲が1倍から9倍までの間に絞り量が減少する例について説明したが、ズーム倍率の範囲(絞り量が減少するズーム倍率の範囲)はこれに限られない。また、図5の例では、ズーム倍率が1倍から9倍までの間に、絞り量が100%から50%に線形的(一次関数的)に変化する場合について説明したが、絞り量の変化の仕方はこれに限られない。
【0029】
絞り量の第3基準値は、カメラレンズ6の入射光の照度に基づいて設定される。照度は、照度測定部11によって測定される。図6は、照度と絞り量の第3基準値の関係を示す図である。図6に示すように、絞り量の第3基準値は、照度が小さくなるのに応じて、クローズ値(0%)から開放値(100%)に向けて大きくなるように設定される。例えば、図6の例では、照度が10ルクスから1ルクスまでの間は、絞り量が50%に設定され、照度が1ルクスから0.1までの間は、絞り量が50%から100%に徐々に増加するように設定される。なお、ここでは、照度の範囲が1ルクスから0.1ルクスまでの間に絞り量が減少する例について説明したが、照度の範囲(絞り量が減少する照度の範囲)はこれに限られない。また、図6の例では、照度が1ルクスから0.1ルクスまでの間に、絞り量が50%から100%に線形的(一次関数的)に変化する場合について説明したが、絞り量の変化の仕方はこれに限られない。
【0030】
絞り量は、これら3つの基準値(第1基準値、第2基準値、第3基準値)に基づいて設定される。具体的には、第1基準値と第2基準値のいずれか小さい方の値と、第3基準値とを比較して、いずれか大きい方の値に設定される。例えば、第1基準値が75%、第2基準値が50%、第3基準値が90%である場合には、絞り量は、第1基準値と第2基準値のいずれか小さい方の値(50%)と、第3基準値(90%)とを比較して、大きい方の値(90%)に設定される。
【0031】
なお、絞り量は、2つの基準値(例えば、第1基準値と第2基準値)に基づいて設定されてもよい。その場合、第1基準値と第2基準値とを比較して、いずれか小さい方の値に設定される。例えば、第1基準値が50%、第2基準値が80%である場合には、絞り量は、第1基準値と第2基準値とを比較して小さい方の値(50%)に設定される。また、絞り量は、1つの基準値(例えば、第1基準値のみ)に基づいて設定されてもよい。
【0032】
つぎに、本実施の形態のドーム型カメラ1におけるオフセット量の制御について説明する。オフセット量は、レンズユニット2のチルト角(カメラレンズ6のチルト角)に基づいて設定される。図7は、チルト角とオフセット量の関係を示す図である。図7に示すように、オフセット量は、チルト角が小さくなるのに応じて、ドームカバー3の中心位置(0mm)から天頂方向に向けて大きくなるように設定される。例えば、図7の例では、チルト角が90度から30度までの間は、オフセット量が0mmに設定され、チルト角が30度から−30度までの間は、オフセット量が0mmから30mmに徐々に増加するように設定される。なお、ここでは、チルト角の範囲が30度から−30度までの間にオフセット量が増加する例について説明したが、チルト角の範囲(オフセット量が減少するチルト角の範囲)はこれに限られない。また、図7の例では、チルト角が30度から−30度までの間に、オフセット量が0mmから30mmに線形的(一次関数的)に変化する場合について説明したが、オフセット量の変化の仕方はこれに限られない。
【0033】
このような本発明の実施の形態のドーム型カメラ1によれば、メガピクセルドームカメラでも、ピントぼけを低減した良好な低チルト角の画像を得ることができる。
【0034】
すなわち、本実施の形態では、ドーム型カメラ1のカメラレンズ6のチルト方向の角度(チルト角)が小さくなると、それに応じてカメラレンズ6の絞り量が小さくなるように制御される。チルト角が小さくなると、ドームカバー3の厚みの不均一性に起因するピントぼけがより顕著になるが、この場合、カメラレンズ6の絞り量を小さくして、収差を減少させることにより、そのピントぼけを低減することができる。このようにして、メガピクセルドームカメラでも、ピントぼけを低減した良好な低チルト角の画像を得ることができる。
【0035】
また、本実施の形態では、ドーム型カメラ1のカメラレンズ6のズーム倍率が大きくなると、それに応じてカメラレンズ6の絞り量が小さくなるように制御される。ズーム倍率が大きくなると、ドームカバー3の厚みの不均一性に起因するピントぼけがより顕著になるが、この場合、カメラレンズ6の絞り量を小さくして、収差を減少させることにより、そのピントぼけを低減することができる。このようにして、メガピクセルドームカメラでも、ピントぼけを低減した良好な低チルト角の画像を得ることができる。しかも、この場合、チルト角に基づいて設定される第1基準値と、ズーム倍率に基づいて設定される第2基準値のうちの小さい方の値に、カメラレンズ6の絞り量が設定されるので、絞り量が過度に小さくなるのを抑えることができる。
【0036】
また、本実施の形態では、カメラレンズ6の入射光の照度が小さくなると、それに応じてカメラレンズ6の絞り量が大きくなるように制御される。これにより、絞り量が過度に小さくなるのを抑えることができる。したがって、照度の小さい撮影環境(暗い撮影環境)でも、高感度の画像を得ることができる。
【0037】
また、本実施の形態では、ドーム型カメラ1のカメラレンズ6のチルト方向の角度(チルト角)が小さくなると、それに応じてカメラレンズ6のオフセット量が大きくなる。したがって、ケラレを生じることなく、低チルト角の画像を得ることが可能になる。
【0038】
なお、本実施の形態では、絞り量を第1基準値と第2基準値のいずれか小さい方の値に設定しているが、ドームカバーのチルト角とズームレンズのズーム倍率の解像度に対する悪影響が大きい場合には、絞り量を第1基準値と第2基準値のいずれか大きい方の値に設定してもよい。
【0039】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上のように、本発明にかかるドーム型カメラは、メガピクセルドームカメラでも、ピントぼけを低減した良好な低チルト角の画像を得ることができるという効果を有し、監視カメラ等として有用である。
【符号の説明】
【0041】
1 ドーム型カメラ
2 レンズユニット
3 ドームカバー
4 制御部
5 撮像素子
6 カメラレンズ
7 絞り機構
8 ベース部
9 絞り制御部
10 ズーム制御部
11 照度測定部
12 チルト制御部
13 オフセット制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チルト方向に回動可能なカメラレンズと、前記カメラレンズを覆うドームカバーと、前記カメラレンズの絞り量の制御を行う絞り制御部とを備えたドーム型カメラであって、
前記絞り量の基準として用いられる第1基準値は、前記カメラレンズのチルト方向の角度が前記ドームカバーの天頂方向から水平方向に向けて小さくなるのに応じて、開放値からクローズ値に向けて小さくなるように設定されることを特徴とするドーム型カメラ。
【請求項2】
前記カメラレンズのズーム倍率を制御するズーム制御部をさらに備え、
前記絞り量の基準として用いられる第2基準値は、前記ズーム倍率が大きくなるのに応じて、前記開放値から前記クローズ値に向けて小さくなるように設定され、
前記絞り量は、前記第1基準値と前記第2基準値とを用いて設定されることを特徴とする請求項1に記載のドーム型カメラ。
【請求項3】
前記カメラレンズの入射光の照度を測定する照度測定部をさらに備え、
前記絞り量の基準として用いられる第3基準値は、前記照度が小さくなるのに応じて、前記クローズ値から前記開放値に向けて大きくなるように設定され、
前記絞り量は、前記第1基準値と前記第2基準値とを用いて設定された値と前記第3基準値とを比較していずれか大きい方の値に設定されることを特徴とする請求項2に記載のドーム型カメラ。
【請求項4】
前記カメラレンズは、前記ドームカバーの中心位置から天頂方向へ前記カメラレンズの光軸をオフセット可能であり、
前記カメラレンズのオフセット量は、前記チルト方向の角度が前記ドームカバーの天頂方向から水平方向に向けて小さくなるのに応じて、前記ドームカバーの中心位置から天頂方向へ向けて大きくなるように設定されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のドーム型カメラ。
【請求項5】
チルト方向に回動可能なカメラレンズと、前記カメラレンズを覆うドームカバーと、前記カメラレンズの絞り量の制御を行う絞り制御部とを備えたドーム型カメラで用いられる絞り制御方法であって、
前記カメラレンズのチルト方向の角度を検出し、
前記絞り量を、前記チルト方向の角度が前記ドームカバーの天頂方向から水平方向に向けて小さくなるのに応じて、開放値からクローズ値に向けて小さくなるように制御することを特徴とする絞り制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−83464(P2012−83464A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228306(P2010−228306)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】