説明

ナテグリニドの結晶形

型を命名したナテグリニドの結晶形及びその調製方法を提供する。また、その医薬製剤及び投与方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願のクロスリファレンス
本願は、2003年7月18日に出願された米国特許出願第10/622,905号;2003年10月23日に出願された第10/693,166号及び2003年7月18日に出願された国際特許出願PCT/US03/22375の一部継続出願であり、そして2003年12月24日に出願された米国特許出願、2003年1月23日に出願された米国仮特許出願第60/442,109号;2003年2月24日に出願された米国特許出願題60/449,791号及び2003年6月16日に出願された第60/479,016号の利益を主張するものであり、これら全ての内容が引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明の分野
本発明は、ナテグリニドの固体化学に関する。
【0003】
本発明の背景
ナテグリニドは、(−)−N−(t−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボニル)−D−フェニルアラニンとして知られており、以下の構造及び特徴を有する:
【化1】

【0004】
ナテグリニドはSTARLIXとして市販されており、これはII型糖尿病の処置のために、60mg及び120mgの用量を有する経口用錠剤として処方されている。STARLIXは、単剤療法として、又は膵臓を刺激してインスリンを分泌させるためにメタホルミンと組み合わせて使用されうる。STARLIXのメーカーによると、ナテグリニドは、メタノール、エタノール及びクロロホルムに溶けやすく、エーテルに溶け、アセトニトリル及びオクタノールに溶けにくく、そして水に実質的に溶けない白色の粉末である。
【0005】
ナテグリニドは、米国特許第4,816,484号に開示されているとおり、水とメタノールの混合物から晶出され、そして更に乾燥されうる。第484号特許の手順は、本出願人がZ型と称する水和物、又は本出願人がE型と称するメタノラートをもたらす。湿潤試料の乾燥はB型をもたらす。
【0006】
本発明は、ナテグリニドの固体物理学的特性に関する。これらの特性は、ナテグリニドが固形で得られる条件の調節に影響を受けうる。固体物理学的特性には、例えばミル粉砕した固体の流動性が含まれる。流動性は、医薬品に加工される間の材料の扱いやすさに影響を及ぼす。粉末状の化合物の粒子が互いに容易に流れ去らない場合、製剤化の専門家は、この事実を錠剤又はカプセル製剤を開発するのに考慮しなければならず、それにより流動促進剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素、タルク、デンプン又は三塩基性リン酸カルシウムの使用が必要とされることがある。
【0007】
医薬化合物の別の重要な固体特性は、液体中でのその溶解速度である。患者の胃液中での活性成分の溶解速度は、治療上の因果関係を有することがあり、これは、そのことが、経口投与された活性成分が患者の血流に達し得る速度に上限を課すためである。溶解速度はまた、シロップ、エリキシル及び他の液体の薬物を調製する際の検討事項である。化合物の固態の形態はまた、圧縮時のその挙動及びその保存安定性に影響を及ぼすことがある。
【0008】
これらの実際上の物理的特徴は、単位胞内での分子の構造及び配向によって決定され、これらは物質の特定の多形を規定する。多形は、無定形材料又は別の多形のものと異なる熱力学的特性をもたらしうる。熱挙動は、毛細管融点、熱重量分析(TGA)及び示差走査熱量分析(DSC)のような技術によって研究室内で測定され、そして幾つかの多形を他のものと区別するために使用されうる。特定の多形は、独特な分光学的特性を生じさせることがあり、これは粉末X線結晶学、固体C NMR分析法及び赤外分光法によって検出可能なことがある。
【0009】
ナテグリニドは種々の結晶形で存在する。米国特許第5,463,116号及び第5,488,150号は、B型及びH型と表されるナテグリニドの2つの結晶形、並びにそれらの調製方法を開示している。これらの特許は、当該型の開示について引用することにより本明細書に組み入れられる。両方の型は、融点、X線粉末解説(「XRPD」)パターン、KBrにおけるIRスペクトル及びDSCサーモグラムにより特徴付けられる。これらの特許によると、B型は129〜130℃の融点を有し、一方H型は136〜142℃の融点を有する。H型結晶は、これらの特許において、8.1、13.1、19.6及び19.9±0.2°2θにピークを有するXRPDパターン、並びに15〜17±0.2°2θの間の強力な反射により特徴付けられている。B型結晶は、これらのピークを欠き、且つ15〜17±0.2°2θの間に弱い反射を有すると報告されている。H型結晶は、約1714、1649、1542及び1214cm-1の特徴的な吸収を有するIRスペクトルを有すると報告されている。これらの吸収は、B型結晶のスペクトルにないことが報告されている。
【0010】
米国特許第5,463,116号によると、B型結晶は不安定であり、且つDSCにより証明されているとおり粉砕の間に変化しやすい。B型のDSCサーモグラムは粉砕前に131.4℃のシャープな吸熱を示し、一方、H型のものは140.3℃でシャープな吸熱を示す。粉砕後、B型のDSCサーモグラムは、138.2℃で第二の吸熱を示し、これは粉砕の間の固体間変態を示唆している。
【0011】
米国特許第5,463,116号によると、結晶化及び濾過の間の温度は、結晶形がB型であるかH型であるかを決定する。10℃超、更に好ましくは15℃超の温度は、H型の形成をもたらし、一方、10℃未満の温度はB型の形成をもたらす。
【0012】
S型と表されるナテグリニドの別の結晶形は、2つの中国語の文献において開示されている:ACTA Pharm. Sinica 2001,36 (7), 532-34及びYaowu Fenxi Zazhi, 2001, 21 (5), 342-44。S型は、172.0℃の融点、3283cm-1にピークを有するフーリエ変換IR(B型及びH型についてはそれぞれ3257cm-1及び3306cm-1であるとの前提で)及び3.78±0.2°2θに強力なピークを有するXRPDパターンにより、B型及びH型と区別可能であると報告されている。
【0013】
米国特許第5,463,116号(「第116号特許」)は、ナテグリニドのメタノラート、エタノラート、イソプロパノラート及びアセトニトリラート溶媒和物を列挙している。第116号特許によると、無定形ナテグリニドは、その水和物及び溶媒和物を乾燥させることにより得られうる。当該水和物は、第116号特許の実施例B−3に開示されているとおり、B型結晶をエタノールと水の1.5:1混合物中に溶解し、続いて結晶化することにより結晶化されうる。
【0014】
本出願人はナテグリニドの水和物を得て、これを出願人はZ型と命名した。しかしながら、第116号特許の実施例B−3又は比較例A3を繰り返すことによっても、Z型が生じ、第484号特許の結晶化手順でも同様である。Z型は水だけが存在する場合に得られるが、E型メタノラート又はエタノラートは、メタノール又はエタノールと水とが両方存在する場合に得られる。
【0015】
日本語のPCT公報であるWO02/34713は、要約書において、「ナテグリニドの溶媒和物湿潤結晶を低温で溶媒が消失するまで乾燥した後に結晶転移させる工程を含む実質的にH型結晶を含有しないナテグリニドB型結晶の製造方法」を提供している。当該WO公報の実施例1の本出願人の翻訳によると:「ナテグリニドH型結晶(24.5kg)をエタノール(360L)に加え、室温にて撹拌し溶解させた。溶解していることを確認した後、(混合物を)5℃に冷却し、さらに5℃で1時間熟成させた。析出した結晶を分離し、湿結晶(43.0kg)を得た。これを棚段乾燥器で45℃、24時間乾燥させ(水分含量約1%)、さらに90℃で12時間加熱して結晶転移させて、乾燥結晶(13.3kg)を得た。この結晶のDSCを測定したところ、B型特有のピーク(融点約130℃)が検出されたが、H型結晶特有のピーク(融点約139℃)は検出されなかった。従って、得られた結晶はB型結晶のみで、H型結晶を実質的に含有していないと結論付けた」。
【0016】
当該WO公報の3頁第2行目の本出願人の翻訳によると:「得られた溶媒和物の湿潤結晶(BS:冷却溶液から得られる)は、溶媒が消失するまで乾燥させる。この時の温度は結晶に付着した溶媒の種類や量により異なるが、通常60℃以下、好ましくは50℃以下である。下限の温度は特にないが、[乾燥は]経済的な理由から通常20℃以上で行われる。乾燥は、通常減圧下で行うのが好ましく、工業的に可能な限り減圧度を上げた方が、短時間で乾燥が終了する。低温での乾燥は、溶媒が実質的に消失するまで継続されるが、完全には消失させる必要はなく、5重量%程度の溶媒が残存していても、結晶転移時にも消失するので問題はない。得られた乾燥結晶は、60〜110℃、好ましくは70〜100℃に加熱することによりB型結晶に転移させる。結晶転移は、通常0.5〜48時間行うのが好ましく、より好ましくは、1〜24時間である」。
【0017】
別のPCT公報WO03/022251は、「AL型」と命名されたナテグリニドの結晶形を開示している。当該結晶形は、174〜178℃の融点、7.5、15.5、19.8及び20.2°2θにピークを有するXRPDパターン、及び1711.5、1646.5、1538.7、1238.8、1215.1及び700.5cm-1の領域に吸収バンドを有する赤外スペクトル、を有するとして特徴付けられる。当該結晶形は、実施例において、特定の温度範囲のもとアセトニトリルの溶液から得られている。
【0018】
ナテグリニドの調製方法はWO/0232854において開示されている。
【0019】
医薬として有用な化合物の新規多形の発見は、医薬品の性能特性を改善する新規の機会を提供する。これにより、製剤学者が、例えば、標的とする放出プロファイル又は他の所望の特性を有する薬物の医薬としての剤形を設計するのに利用できる材料のレパートリーが拡大する。ナテグリニドの新規多形が今回発見された。
【0020】
本発明の要約
本発明は、純粋なU型と命名された、ナテグリニドの新規結晶形を提供する。下文で詳細に論じるとおり、U型は純粋型及び不純型で調製されうる。基本的に、これらは図17に示す3.8+/−0.2のXRPDピークがあるか否かで識別されうる。本願が優先権を主張する同時係属のPCT出願、PCT/03US/22375(2003年7月18日出願)はナテグリニドの25の他の多形を説明しており、これらは、本明細書で純粋なU型が様々な当該他の多形から調製することができ、そしてそれ自体当該他の多形を調製するのに使用されうると論じているものである。
【0021】
要約すると、U型結晶はなんら有意な量の溶媒を結合溶媒を有していない、無水物(anhydrate)である。本明細書で使用する場合、用語「無水物」とは、LODで測定した場合に約2%未満の結合溶媒和物レベルを有するものを意味する。この無水物の特徴は、粉砕に対して安定なことである。
【0022】
ナテグリニドの幾つかの結晶形は、結合溶媒、すなわち結晶構造の一部として溶媒を有する(溶媒和物)。結合溶媒を有するこれらの溶媒和物には、A型(キシレン)、C型(ジメチルアセトアミド−「DMA」)、D型(エタノール−「EtOH」)、E型(エタノール及びメタノール−「MeOH」)、F型(n−プロパノール−「n−PrOH」)、G型(イソプロパノールアルコール−「IPA」)、I型(n−ブタノール−「n−BuOH」)、J型(N−メチルピロリドン−「NMP」)、K型(ジメチルホルムアミド−「DMF」)、M型(四塩化炭素−「CTC」)、N型(ジクロロエタン−「DCE」)、O型(メタノール)、Q型(クロロホルム−「CHCl3」)、T型(メタノール)、V(ジメトキシエタン−「DME」)、Y型(クロロホルム;ジクロロメタン)、β型(N−メチルピロリドン)、γ型(N−メチルピロリドン)及びε型(アセトン;アセトニトリル−「MeCN」;ニトロメタン−「NM」)及びθ型(ヘプタン)が含まれる。Z型は水和物であり、結晶構造中に水を有している。Ω型は水とイソプロピルアルコール両方による溶媒和物である。
【0023】
他の結晶形は結合溶媒を有しておらず、すなわち、乾燥減量(「LOD」)により測定した場合約2%未満であり、無水物である。これらの無水物には、結晶のL型、P型、U型、α型、δ型及びσ型が含まれる。
【0024】
これらの型のXRPDパターンは、実質的に表した場合、図1〜27、63及び65〜69に開示され、その特徴的なピークは表Iに列挙される。上記型のDSCサーモグラムを図36〜62に開示し、そして特徴的なDSCピークを表IIに列挙する。前記無水物及び水和物型のFTIRスペクトル並びにそれらの特徴的なピークも提示する。これらの型のうちの幾つかのTGA解析由来のLOD値を表IIIに列挙する。結晶化手順による種々の型の調製を表IVに列挙し、同時に粉砕(tituration)による調製を表V及びVIに列挙し、溶媒蒸気の吸収に関するデータを表VIIに列挙し、溶媒除去による調製に関するデータを表VIIIに列挙し、そして溶媒/アンチソルベント系からの結晶化に関するデータを表IX〜XIに列挙する。図28は、種々の型の熱安定性を要約している。
【0025】
本発明はまた、新規結晶であるU型の医薬組成物及び糖尿病の処置におけるそれらの使用を提供する。
【0026】
本明細書で使用する場合、「U型」は「純粋なU型」と同義で利用され、ともに3.8+/−0.2のXRPDピークを欠いている新規の型を意味する。優先権の基礎となる出願の結晶化例に記載のU型は、図17が純粋でない型のXRPDを示すにも関わらず、純粋なU型である(当該優先権の基礎となる出願において表されているFTIRを含む)。
【0027】
本発明の詳細な説明
1つの側面において、本発明は、純粋なU型と命名されたナテグリニド(「NTG」)の新規な結晶形を提供する。この結晶形は、中でもそのPXRDパターン、DSCサーモグラム及びTGA解析により特徴付けられる。
【0028】
種々の結晶形はそれらのXRPDパターンを特徴としており、これは、ある多形と別のとでは異なる。E型は、多少違いは見られるものの、XRPDによると、どちらかといえばZ型と類似している。3.7のピークはE型に特徴的なものであり、Z型のXRPDにおいては観察されない。19〜22°2θの範囲のパターンもややこれら2つの型で異なる。表Iは、前記新規結晶形にとって最も特徴的なピークを列挙する。XRPDパターンは図1〜27及び63に例示する。
【0029】
【表1】

【0030】
ナテグリニドの種々の結晶形はまた、それらのDSCサーモグラムにより特徴付けられる。表IIはDSCピーク(吸熱)を列挙する。表IIに列挙したピークに加え、種々の結晶形の多くが約165℃で発熱、続いて約174℃で吸熱を示し、恐らくこれはS型への再結晶化に起因している。
【0031】
【表2】

【0032】
種々の結晶形はまた、熱重量解析(TGA)により解析される。TGA測定は、A型、D型、E型、F型、G型、I型、J型、K型、M型、N型、O型、Q型、T型、U型、V型、Y型、Z型、β型、γ型、ε型、θ型及びΩ型が有意な量の結合溶媒を含み、且つナテグリニドの溶媒和物型とみなされうることを証明している。これらの溶媒和物型のうちの幾つかのXRPD解析は、それらのうちの幾つかは、24時間開いたボトルに放置された場合に不安定であることを示している。上文で列挙した型とは反対に、L型、P型、U型、α型、δ型及びσ型のTGAプロファイルは、有意な減量を示さない。ナテグリニドのこれらの多形は結合溶媒を含まず、すなわち約2%未満のLODである。表IIIはナテグリニド溶媒和物型の調製に使用する溶媒、並びにTGA解析に基づくLOD値を列挙する。
【0033】
本明細書で開示するナテグリニドのエタノール溶媒和物は、重量当たり約10%〜約30%のエタノール含量を有する。ナテグリニドエタノール溶媒和物のエタノール溶媒和物は、式NTG−2/3EtOHで表す。具体的には、当該溶媒和物はナテグリニドD型である。
【0034】
本明細書で開示するナテグリニドのメタノール溶媒和物は、重量当たり約2〜約60%のメタノール含量を有する。具体的には、ナテグリニドメタノール溶媒和物は、ナテグリニドE型、O型及びT型メタノール溶媒和物として存在する。ナテグリニドメタノール溶媒和物は、式NTG*1/4MeOH(O型)又は式NTG*1/2MeOH(E型)で表される。ナテグリニドT型は重量当たり約20%超のメタノールを含む。T型のメタノール含量は重量当たり約20%〜約60%である。
【0035】
本明細書で開示するナテグリニドのイソプロピル溶媒和物は、重量当たり約12%〜約30%のイソプロピルアルコール含量を有する。具体的には、ナテグリニドのイソプロピル溶媒和物はナテグリニドG型として存在する。
【0036】
ナテグリニドの水和物Z型は、カールフィッシャー法又はLODのいずれかで測定した場合約10〜約50%、更に好ましくは約10%〜約40%、そして最も好ましくは約15%〜約25%の含水量を有する。Ω型はイソプロパノールの水和物−溶媒和物であり、約50%LOD水及びイソプロパノールを含む。
【0037】
ナテグリニドのヘプタン溶媒和物型であるθ型は、重量当たり約7〜約8%のヘプタンを有し、そして式NTG・1/4ヘプタンで表される。
【0038】
【表3】

【表4】

【0039】
無水物及び水和物であるZ型も、それらのFTIRスペクトルで特徴付けられる。Z型は、約699、1542、1645、1697、2848、2864、2929、3279及び3504cm-1にピークを有するFTIRスペクトル(図31)を特徴とする。より特徴的なピークは、約1645、1697、3279及び3504cm-1で観察される。特徴的なFTIRピークは無水物のものであり、具体的には、L型、U型、P型、α型、δ型及びσ型が以下の表に開示されている。
【0040】
【表5】

【0041】
種々の結晶形は、ある型の乾燥が、別の型、すなわちナテグリニドA型、B型、D型、E型、F型、G型、H型、I型、J型、K型、L型、M型、N型、Q型、S型、T型、B型、Z型、α型、β型、δ型、γ型、ε型、θ型及びΩ型への変態をもたらし得るという点で互いに関連している。乾燥は、周囲圧力又は減圧のもと試料を加熱することにより実施される。通常、好ましい温度は約40℃〜約80℃であって、更に好ましくは減圧下のものである。これらの型の中でも、B型、H型、L型、U型及びシグマ型は熱安定性があり、且つ加熱により別の型に変換しない。上記型の多く、すなわちA型、C型、D型、E型、F型、G型、J型、K型、P型、Q型、T型、Z型、α型、β型、δ型、θ型及びΩ型が乾燥によりB型に変換する。これらの型の中でも、α型、δ型、Y型及びO型はやや安定であり、そして通常、高温に加熱されない限り、加熱後もそれらの結晶構造を保持する。例えば、δ型は、60℃で一晩(少なくとも約8時間)加熱した場合に安定であるが、120℃で且つ1気圧でのδ型の加熱はB型をもたらす。従って、約80℃超の温度での加熱はこれらの型の変態をもたらしうる。用語「安定」は、本明細書で使用する場合、重量当たり約5%未満、更に好ましくは約2%未満の多形変化を意味し、これは特にδ型の場合である。
【0042】
型によって、B型への変換は別の型を経由する。例えば、B型へのΩ型及びE型の変換はZ型を経由しうる。
【0043】
G型は、F型、他方ではT型、そして他方ではB型との関連を表すことがある。T型及びF型は、乾燥により、B型とG型の混合物に変換し、これは、F型とT型がG型を経由することによりB型に変換するためのようである。
【0044】
B型に変換する型の中でも、それらのうちの幾つかは時に、乾燥中に他の型に変換する。K型は、α型又はS型に変換することがあり、C型はB型又はα型に変換することがある。α型は加熱によりS型に変換することがあるが、α型の試料中のB型の種晶の存在は、B型をもたらす。おそらく、C型及びK型は、最初にα型に変態し、そしてこのことは、α型を経由してそれらがB型又はS型に変態するということである。J型は、B型又はβ型に変換することがあるが、B型へのその変換はβ型を経由することがある。β型の調製に使用するJ型は、好ましくはN−メチルピロリドンからの結晶化により得られる。J型が幾つかのγ型の種晶を含む場合、加熱はγ型をもたらす。
【0045】
イプシロン型のアセトニトリル溶媒和物は、乾燥した場合、B型をもたらす。イプシロン型のニトロメタン溶媒和物は、乾燥した場合、H型又はP型をもたらす。P型を乾燥した場合、H型が得られ、これは、おそらくH型へのイプシロン型の変換はP型を経由するということである。
【0046】
ナテグリニドの別の熱安定性の型はL型である。L型は、M、N及びD型を加熱することにより得られる。L型を得るために、これらの種々の型は、好ましくは、約3〜10時間約40℃〜約80℃の好ましい温度範囲で、更に好ましくは減圧下約50℃で加熱される。γ型も同様の条件下γ型の種晶を含むJ型を加熱することにより調製されうる。
【0047】
ナテグリニドの別の熱安定性の型はH型であり、これはナテグリニドP型、V型及びε型を加熱することにより調製されうる。S型はα型及びK型を加熱することにより調製されうるが、S型へのK型の転移はα型を経由しうる。
【0048】
U型は、ナテグリニドの別の熱安定性な型であり、そして少なくとも約8.5時間約100℃で加熱した後も転移を受けない。
【0049】
室温及び室内圧力での保存も、ある型から別の型への転移を引き起こすことがある。A型は、室温で約1日の保存の間に部分的にB型に変換する。I型は、同一の条件下L型に変換する。また、同一の条件下、Q型はY型(クロロホルムを含む)に変換し、一方、T型はE型に変換する。
【0050】
α型は、F型、G型、I型及びε型に対し、これがこれらの型と同一の溶媒、それぞれn−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール及びアセトニトリルから晶出されうるという点で関連している。しかしながら、α型は異なる条件下で結晶化され、例えば、これは表IVを参照のこと。α型はしばしば長期の結晶化段階(少なくとも約2〜3日)で得られる。何ら理論に拘束されるものではないが、この現象は、別の結晶形、例えば同一の溶媒から得られるもの、からα型への変換が時間につれ溶媒中で起こりうることを示していると思われる。
【0051】
E型とD型も、これら両方の型がエタノールから晶出されうるという点で関連しているが、これらの型は異なる条件化で結晶化し、これについては、例えば表IVを参照のこと。エタノール中でのE型の結晶化は、少なくとも約5日間、更に好ましくは少なくとも約1ヶ月間延長される。何ら理論に拘束されるものではないが、最初にD型が晶出し、続いて時間とともに溶媒中でE型に変換することがありうるようである。
【0052】
S型を調製するために、結晶化後に得られる湿潤試料は乾燥されなければならない。ナテグリニドのn−ブタノール及びDMF溶液からの結晶化は溶媒和物をもたらし、これはS型を得るために乾燥されることを必要とする。湿潤試料はナテグリニドK型、I型及びアルファ型である。
【0053】
型によっては、最初にゲルとして現れ、そして次に濾過段階の間に(例えば、イプシロン型はニトロメタンから、そしてA型はキシレンから)又は時間とともに(例えば、M型は四塩化炭素から、そしてJ型はN−メチルピロリドンから)結晶に変態することがある通常、ゲルは不安定な型であり、時間とともに結晶化する。
【0054】
結晶形によっては、粉砕(trituration)により得られうる。本明細書で使用する場合、粉砕とは、溶媒中のナテグリニド混合物から、完全に溶解させることなく固体を得ることを意味する。ナテグリニドのある型は特定の溶媒中で混合され、そして別の結晶形に変態させるのに十分な時間攪拌される。攪拌後、懸濁液又はペーストが形成する。続いて固体が当業界で周知の技術、例えば濾過により懸濁液から分離されうる。ペーストは、1つの技術をあげると、過剰な溶媒を除去するために濾過されうる。この粉砕手順の結果としてナテグリニドの種々の型がある。
【0055】
水中でのデルタ型の粉砕は約5時間後にZ型を、そして約8時間後にE型をもたらすことがあり、これはZ型からE型への転移を示しているようである。これらの型は全て、B型を得るために加熱されうる。
【0056】
結晶形によっては、溶媒除去により得られることがある。最初に、適当な溶媒のナテグリニド溶液が調製される。当該溶媒は透明な溶液が得られるよう加熱されうる。溶媒は約40℃〜約70℃で加熱されることがあり、但し約55℃が好ましい。溶媒は続いて、好ましくは前記範囲内の高温で、残渣を得るために除去される。溶媒は好ましくは蒸発により除去され、但し減圧下での蒸発が特に好ましい。生じた残渣は、その後試験される。適当な溶媒には、エステル、ケトン、アミン、アミド、アルコール及びニトリルが含まれる。溶媒としてのアセトニトリル、アセトン、酢酸エチル及びイソプロピルアルコールの除去はナテグリニドB型をもたらす。
【0057】
結晶形によっては、溶媒蒸気の吸収により得られる。ナテグリニドは、特定の溶媒の蒸気と接触され、当該溶媒の吸収が生じる。エタノールの吸収はD型、メタノールはO型、そしてDCMはY型をもたらす。H型は水とアセトンの蒸気の存在下で安定であった。
【0058】
結晶形によっては、適当な溶媒からの結晶化により得られることがある。オメガ型は、水とイソプロパノールの混合物からのナテグリニドの結晶化により得られる。好ましくは、水対イソプロパノールの比率は、約1/2〜約1/5、更に好ましくは1/3(体積/体積)である。
【0059】
ナテグリニドZ型は、通常、ナテグリニドのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の水性溶媒溶液の酸性化により調製される。好ましい溶媒は水を含まない補助溶媒である。好ましい塩はナトリウム塩及びカリウム塩であり、但し、ナトリウム塩が最も好ましい。酸性化前に、溶液は好ましくは約8超のpHを有するが、酸性化後、pHは約1〜約5が好ましく、最も好ましくは約2〜約5である。酸性化はナテグリニドの沈殿をもたらし、これは当業界で周知の技術、例えば濾過により回収されうる。
【0060】
ナテグリニドB型及びU型は、有機溶媒、例えば酢酸エチル又はアセトンからの結晶化により調製されうる。B型の調製手順において、結晶化は、好ましくは溶媒の濃縮により誘導され、一方、U型の場合には溶液への種晶添加により誘導される。
【0061】
ナテグリニドB型、H型、U型、Z型、δ型、θ型及びσ型は、それらの全てが2つの溶媒系から調製されうるという点で関連している。使用する2つの溶媒系は溶媒とアンチソルベントの混合物である。適当なアンチソルベントの例はC5−C12芳香族炭化水素、例えばトルエン及びキシレン、並びにC5−C12飽和炭化水素、例えばヘキサン及びヘプタンである。適当な溶媒の例は、C1−C5アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール及びn−プロパノール、低級ケトン(C3−C6)、例えばアセトン及び低級エステル(C3−C6)、例えば酢酸エチルである。結晶化後、結晶は、当業界で周知の技術、例えば濾過及び遠心により回収され、そして乾燥されうる。乾燥させるために、温度が上げられることがあり、あるいは圧力が低下されることがある。1つの態様において、結晶は約40℃〜60℃、約50mmHg未満の圧力で乾燥される。
【0062】
ナテグリニドが、二成分(binary)の混合物から、特に攪拌することなく晶出する場合、結晶産物は、表IXに例示するとおり、しばしばB型である。当該二成分混合物は、ナテグリニドをアンチソルベント中で懸濁し、そして次に溶媒を添加して溶液を形成することにより調製される。ナテグリニドB型は、異なる結晶化温度、例えば室温で、そして約0℃で、特に攪拌することなく得ることができる。
【0063】
上記溶媒とアンチソルベントの二成分混合物からの結晶化は、B型以外のナテグリニドの他の型に至ることがある。トルエン/メタノール混合物からの晶出は、ナテグリニドE型をもたらすことがあり、これは加熱することによりB型に変換されうる。更に、ヘプタン/酢酸エチルの組み合わせは、時にB型とZ型の混合物をもたらすことがあり、これは特に長期間結晶することによるものであり(約3日間)、一方、トルエン/酢酸エチル混合物は、B型とH型の混合物を生成することがある。B型とZ型の混合物は、Z型が加熱によりB型に変換するので、加熱により実質的にB型を含むものに変換されうる。
【0064】
別の態様において、ナテグリニドをアンチソルベント中で最初に懸濁することにより溶液を調製するよりもむしろ、溶液は溶媒中で調製され、続いてアンチソルベントと混合される。当該混合は、この態様において、添加により溶液が形成され、そしてあらゆる沈殿していた固体が溶液に戻るように実施される。好ましくは、アンチソルベントは、前記溶液とアンチソルベントの混合により、直ぐに沈殿しないように加熱される。
【0065】
異なる型は、溶媒/アンチソルベント比、結晶化条件及び攪拌時間に依存して得られうる。通常、Z型は、約2〜4の酢酸エチル/ヘプタン比から結晶化され、H型は約4〜約7の比率、B型は約6〜約8の比率、U型は約1〜約2の比率、θ型は約1の比率、そしてδ型は約1〜約8の比率、更に好ましくは約1〜約2の比率(体積/体積)である。
【0066】
これらの中でも、幾つかの型は他の型として結晶化し、そして溶媒中で十分な時間攪拌された後に変換することがある。約−15℃〜約10℃、好ましくは約5℃の温度での結晶化から生じたスラリーの攪拌は、δ型を生成することがある。δ型は、U型、θ型、H型、そして更にはB型のような型の攪拌から生成するようである。好ましくは、δ型を得るための攪拌は、少なくとも2〜3時間、更に好ましくは少なくとも約10時間実施される。
【0067】
約1の溶媒:アンチソルベント比以外に、θ型の形成は、約−15℃から約10℃、好ましくは5℃のより低い結晶化温度及び濾過温度が望ましいようである。既に注記したとおり、θ型の、好ましくは特定の温度範囲での攪拌は、δ型をもたらす。
【0068】
U型は、B型又はH型を有機溶媒中で攪拌することにより得られうる。約1時間の攪拌は、U型を得るのに十分である。しかしながら、更なる攪拌、例えば約5時間超の攪拌は、δ型への転移をもたらすことがある。U型はまた、結晶化、好ましくは特定の比率での、更に好ましくは約−15℃から約10℃の結晶化温度及び濾過温度での結晶化により得られうる。U型は、約25℃から約35℃の温度で出発し、続いて約0℃から約10℃、好ましくは約5℃の温度に約1時間未満冷却し、続いて約1時間未満濾過するのが望ましい。より高い溶媒対アンチソルベント比はθ型よりもU型に有利なことがある。
【0069】
H型は、低い結晶化温度及び高い結晶化温度の両方で、好ましくは特定の溶媒/アンチソルベント比のもとで得られうる。他方、B型は、少なくとも約15℃の温度で結晶化する傾向がある。
【0070】
Z型は、通常、少なくとも約15℃、更に好ましくは約15℃〜約30℃、そして最も好ましくは約20℃〜約25℃の最終結晶化温度で約1日経過後結晶化する。これらの型の開始結晶化温度は、好ましくは約35℃超であり、続いて、数時間、更に好ましくは約1時間、約20℃〜約25℃に冷却される。これらの条件はZ型を導くことがあり、これは乾燥することによりB型に変換する。
【0071】
σ型も、B型結晶を攪拌することにより得られうる。何ら理論に拘束されるものではないが、σ型はU型を通じて得られ、すなわち、攪拌がB型からU型、続いてσ型への転移をもたらす可能性がある。長期の結晶化及び濾過はσ型を得るのに好ましく、すなわち好ましくは少なくとも約10時間である。
【0072】
表Xは、アンチソルベント/溶媒系における長期間の攪拌にも関わらず、高い比率の酢酸エチルの使用に起因して、B型から他の型への転移を示していない。好ましくは、約1:1の比率の溶媒対アンチソルベントが、溶媒/アンチソルベント混合物中でのB型の攪拌を通じて他の型を得るために使用される。
【0073】
前記方法の結果は、前記溶液とアンチソルベントの混合後に固体を沈殿する場合に変化することがある。この態様において、溶液は、沈殿を生成するようにアンチソルベントと混合され、これは、当該混合段階後に溶液を生成する他の態様と対照的である。実質的な沈殿を生じさせるために、好ましくは、前記溶液は冷たいアンチソルベントと混合される。更に好ましくは、アンチソルベントは当該溶液より、特に酢酸エチル/ヘプタン系が使用される場合に、約20℃〜約40℃冷たい。最も好ましくは、ヘプタンは約0℃〜約10℃の温度を有し、そして酢酸エチルは約30℃〜約40℃の温度を有する。
【0074】
この態様において、U型は、広範な溶媒/アンチソルベント比及び結晶化温度の中で得られうる。例えば、表XIは、U型が約1〜約6の溶媒対アンチソルベント比で、且つ約0℃〜約30℃の結晶化温度で得られうる。何ら理論に拘束されるものではないが、他の型、特にδ型及びσ型の、特に長い結晶化段階の後の存在は、U型からこれらの型への転移の可能性を示している。1時間後のB型とU型の混合物の存在はまた、B型が溶液から直ちに晶出し、続いてU型に転移し、これ自体がδ型又はσ型へと時間とともに変化しうることを示している。
【0075】
以下の表は、溶媒:アンチソルベント系からB型、H型、U型、Z型、δ型、θ型及びσ型を得るための手引きを提供する:
【0076】
【表6】

【0077】
U型を調製するための上記方法の改良において、ナテグリニドU型は、ナテグリニド(任意の型、結晶又は無定形のもの)を比較的少量の酢酸エチル中に、約3〜約11mL/gの比率で、更に好ましくは約4〜約6mL/gの比率で溶解することにより調製されうる。混合物を約25℃〜約47℃の好ましい温度に加熱することにより透明な溶液が得られる。より大量の溶媒を使用してナテグリニドを加熱することなく溶解することが可能であるが、結晶化の誘導は単純に種晶添加し、そして任意に冷却することによりなされ、一方、大きな体積は、結晶化を誘導するのにより複雑な経路を伴うことがあるので、約3〜約11mL/gの範囲が好ましい。溶液は、不溶性物質を除去するために、好ましくは濾過される。溶液は、ナテグリニド結晶、好ましくはU型結晶(最終材料が一貫してU型に結晶化されることを保証するため)で、好ましくは約13℃〜約35℃の温度で、更に好ましくは約25℃〜約35℃の温度で種晶添加される。約−10℃から約+10℃への冷却は、収率を増大させるために使用されうる。冷却は、種晶添加の前後になされることがある。結晶は、常用の方法、例えば濾過により単離される。得られた結晶(U型)は、常用の技術、例えば真空乾燥(攪拌又は静止)を用いて乾燥されうる。この方法から得られたナテグリニド結晶は化学的に純粋である(HPLCの面積のパーセンテージとして99%超純粋)。表U−Iは、酢酸エチル中でのナテグリニドU型の調製に使用する主要なパラメーター範囲を要約しており、そして表U−IIは異なる実験のパラメーターの詳細を示している。
【0078】
【表7】

【0079】
【表8】

【0080】
U型の調製のための上記方法の改良において、ナテグリニド(任意の型、結晶又は無定形のもの)は、酢酸エチル(約4倍量)中で溶解される。溶液は、例えば約30℃〜約50℃、更に好ましくは約45℃〜約50℃に加熱され、そして透明な溶液が得られる。当該溶液は、不溶性物質を除去するために好ましくは濾過される。C5−C12飽和炭化水素、例えばヘプタン(約5〜約10倍量)が溶液に添加され、同時に、例えば温度を制御し、又は添加速度を制御することにより、溶液が透明に維持される。この態様において、溶液は好ましくは容器(例えば、反応容器、フラスコ)内にあり、そしてヘプタンは当該容器に添加される。当該溶液は、続いて約25℃〜約44℃に冷却され、そして、この温度範囲で、攪拌しながらナテグリニド結晶の種晶を添加される。冷却は、種晶添加の前後に実施されうる。最終材料が一貫してU型として結晶化されることを保証するために、U型の種晶が添加されることが望ましい。混合物は、収率が増大するよう約5℃〜約10℃に冷却されることがあり、そしてその後結晶が回収される。得られた結晶(U型)は、常用の技術、例えば真空乾燥(攪拌又は静止)を用いて乾燥されうる。
【0081】
少量の水(固体のNTGベースで約2〜約10%mL/g)の添加は、化学的な質(NMT約0.15%の任意の不純物、好ましくはNMT約0.1%の任意の不純物)を改善する助けとなる。この方法に由来するナテグリニドU型は、ナテグリニド(任意の型、結晶又は無定形のもの)を、約2〜約10%、好ましくは約4〜約5%の水(固体のナテグリニドベース)を含む酢酸エチル(4倍量)中で溶解させることにより生成されうる。当該溶液は、例えば約30℃〜約50℃、更に好ましくは約45℃〜約50℃に加熱され、そして透明な溶液が得られる。当該溶液は、不溶性物質を除去するために好ましくは濾過される。ヘプタン(約5〜10倍量)が添加され、例えば温度を制御し、又は添加速度を制御することにより、溶液が透明に維持される。当該溶液は、続いて約25℃〜約44℃に冷却され、そして、この温度範囲で、攪拌しながらナテグリニド結晶の種晶を添加される。冷却は、種晶添加の前後に実施されうる。最終材料が一貫してU型として結晶化されることを保証するために、U型の種晶が添加されることが望ましい。混合物は、収率が増大するよう約5℃〜約10℃に冷却されることがあり、そしてその後結晶が単離される。得られた結晶(U型)は、常用の技術を用いて乾燥されうる。この方法を用いることにより得られた結晶は化学的に純粋である(NMT約0.15%の任意の不純物、更に好ましくはNMT約0.1%の任意の不純物)。
【0082】
表U−IIIは、酢酸エチル及びヘプタン(そして化学的な精製が必要な場合には水)を用いてナテグリニドU型を調製するのに使用する主要なパラメーター範囲を要約する。
【0083】
【表9】

【0084】
以下の表は、酢酸エチル(EA)水及びヘプタンを上述のように用いることによりナテグリニドU型を調製するのに使用する種々の実験を要約する。
【0085】
【表10】

【0086】
表U−I〜U−IVの全ての結晶化手順から、ナテグリニドU型は、他の多形、例えばH型に対して、少なくとも99.5%(wt/wt)の純度で得られる。H型の多形純度は、例えば、X線粉末回折で、約5.4°2θにあるH型の典型的なピークをモニタリングすることによりモニタリングされうる。
【0087】
更に、U型は、かなりの相対湿度(75%)の存在下であっても、特にICH国際標準
(Q1A,"Stability testing of new drug substances and new products,1st edition oct 27,1997 and 2nd edition nov. 8 2000)であって、医薬物質の安定性の評価のために認識されているもの、により決定される条件のもとでも、多形として安定である(他の多形、例えばH型に対してNMT0.5変換)。U型は、少なくとも約6ヶ月間約40℃/75%RH、又は約25℃/60%RHで保存した場合に多形として安定である。更に、U型は約55℃の温度で保存した場合に少なくとも6ヶ月多形として安定である。
【0088】
ナテグリニドU型は、表1に開示されている4.7、7.4、13.8及び17.0+/−0.2θのピークを特徴とする。不純物中の図17に開示されている3.8+/−0.2の追加のピークは、そして延いては図17は、U型と別の結晶形との混合物である。実施例17及びU型の調製のための改良方法は、3.8+/−0.2の不純物を産生しない。そのような不純物を含まないU型を図65〜69及び図31に示す。非結晶化方法がU型についての3.8+/−0.2の不純物を産生することに注意すべきである。
【0089】
調製手順に依存して、ナテグリニドδ型は、重量当たり約0.5%〜約3%の残留ヘプタンを含むことがある。結晶形を変えずにヘプタンを除去することは、流動層乾燥機内で、好ましくは約60〜約70℃、更に好ましくは少なくとも約3時間実施されうる。残留ヘプタンはまた、攪拌して、好ましくは少なくとも約40℃の真空下で除去されうる。δ型は好ましくは多形として純粋であり、そして約5%(wt/wt)未満、更に好ましくは約2%(wt/wt)未満、そして最も好ましくは約0.5%(wt/wt)未満のH型を含む。
【0090】
δ型結晶は約40℃で且つ約75%の相対湿度で少なくとも約3ヶ月安定である。
【0091】
酢酸エチル中でのδ型の粉砕は、ナテグリニドの他の多形を生成することがある。酢酸エチル中での約20〜約30℃の温度でのナテグリニドδ型の粉砕はU型を生成し、一方、高温(40℃超)、例えば50℃での粉砕はB型を生成する。
【0092】
本発明の方法は、他の多形と比較して、少なくとも約95%、更に好ましくは少なくとも約98%wt/wtの純度を有するδ型及びB型を得ることを可能にする。これらの型は特にH型を含まずに産生されうる。
【0093】
本発明の方法に使用する出発材料は、ナテグリニドの任意な結晶又は無定形であってもよく、例えば種々の溶媒和物及び水和物である。結晶化方法により、出発材料の結晶形は通常最終結果に影響を及ぼさない。粉砕により、最終産物は、出発材料に依存して変化することがある。当業者は、粉砕で所望の型を得るための当業界の技術範囲内の出発材料の操作を理解するであろう。
【0094】
本発明の方法はまた、ナテグリニドを合成する従来技術の方法の最後の段階として実施されうる。
【0095】
本発明の多数の方法は、特定の溶媒からの晶出を伴い、すなわち、溶液から固体材料を得ることである。当業者は、結晶化に関する条件が得られる多形の型に影響を及ぼすことなく修飾されうることを理解するであろう。例えば、ナテグリニドを溶媒中で混合して溶液を形成する場合、混合物の加温は出発材料を完全に溶解するのに必要なことがある。加温で混合物が清澄化しない場合、混合物は希釈又は濾過されうる。濾過するために、熱い混合物は濾紙、グラスファイバー又は他の膜材料、あるいは清澄化剤、例えばセライトを通過させられることがある。使用する装置並びに溶液の濃度及び温度に依存して、濾過装置は、早すぎる結晶化を回避するために、予熱を必要とすることがある。
【0096】
沈殿を誘導するよう、条件を変化させることもある。沈殿を誘導する好ましい方法は、溶媒の溶解度を低下させることである。溶媒の溶解度は、例えば溶媒を冷却することにより低下させられうる。
【0097】
1つの態様において、アンチソルベントは、特定の化合物についてのその溶解度を低下させ、その結果沈殿するように溶液に添加される。結晶化を加速する別の方法は、生成物の結晶の種晶を添加すること又は結晶化容器の内面をガラス棒で引っかくことによる。他方、結晶化はなんら誘導することなく自発的に生じることがある。本発明は、そのような誘導が特定の型を得るのに必須でない限り、ナテグリニドの特定の型の結晶化が自発的に生じるか、あるいは誘導/加速される両方の態様を包含する。
【0098】
規定の粒経のナテグリニドは、特定の粒経減少の既知の方法により、ナテグリニドの新規結晶形の結晶、粉末の凝集物及びコースパウダーから出発して調製されうる。常用の粒径減少の主要な操作は、供給原材料の微粉砕及び微粉砕した材料のサイズによる分類、である。
【0099】
流動エネルギー微粉砕機、又は超微粉砕機は、狭いサイズ分布において小さなサイズの粒子を製造する能力について、特に好ましいタイプの微粉砕機である。当業者が理解するように、微粉砕機は、迅速に動く流体の流れにおいて懸濁されている粒子間の衝突の運動エネルギーを使用して当該粒子を開裂させる。空気ジェット粉砕機は好ましい流動エネルギー粉砕機である。懸濁された粒子は、圧力により、再循環している粒子の流れに注入される。小さい粒子は、当該微粉砕機の内側において上方に運ばれ、そして集塵機へと繋がったベントへと押し流される。当該供給原料は、約150〜850μmに予め微粉砕されるべきであり、これは常用のボール、ローラー、又はハンマー粉砕機を用いてなされうる。当業者は、結晶形によっては粒径減少の間に別の型への転移を受けうることを理解するであろう。
【0100】
医薬組成物は、経口、非経口、経直腸、経皮、口腔、又は経鼻投与するための薬物として調製されうる。経口投与に適した型には、錠剤、圧縮又はコーティングされた丸剤、糖衣錠、サシェ、ハードカプセル又はゼラチンカプセル、舌下錠、シロップ及び懸濁液が含まれる。非経口投与の適当な型には、水性又は非水性の溶液又は乳濁液が含まれ、一方、経直腸投与の場合、投与に適した型には、親水性又は疎水性担体を含む座薬が含まれる。局所投与の場合、本発明は、当業界で知られている適当な桂皮送達系を提供し、経鼻送達の場合、当業界で知られている適当なエアロゾル送達系が提供される。
【0101】
本発明の医薬製剤は、U型ナテグリニドを含む。医薬組成物は、ナテグリニドの単一の型のみ、あるいは無定形の型を含む又は含まないナテグリニドの種々の形態の混合物、を含むことがある。活性成分に加えて、本発明の医薬組成物は1又は複数の賦形剤又はハジュバントを含むことがある。使用する賦形剤及び量の選択は、経験並びに当業界の標準的な手順及び参考資料の考慮に基づき製剤学者により容易に決定されうる。
【0102】
希釈剤は固体の医薬組成物の嵩を増大させ、そして患者及び介護者が取り扱いやすい組成物を含む医薬剤形を作り得る。固体の組成物の希釈剤には、例えば、微結晶性セルロース(例えばAvicel(登録商標))、極微小のセルロース、ラクトース、デンプン、予めゼラチン化したデンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、二塩基性リン酸カルシウム水和物、三塩基性リン酸カルシウム、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、ポリメタクリラート(例えば、Eudragit(登録商標))、塩化カリウム、粉末セルロール、塩化ナトリウム、ソルビトール及びタルクが含まれる。
【0103】
錠剤のような剤形に圧縮される固体の医薬組成物は、圧縮後に当該活性成分と他の賦形剤を一緒に結合させるのを助けることを含む機能の賦形剤を含むことがある。固体の医薬組成物のための結合剤は、アカシア、アルギン酸、カルボマー(例えば、カルボポール)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアールガム、硬化植物油、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Methocel(商標))、液体グルコース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリメタクリラート、ポビドン(例えば、Kollidon(登録商標), Plasdone(登録商標))、予めゼラチン化したデンプン、アルギン酸ナトリウム及びデンプンを含む。
【0104】
患者の胃における圧縮固体医薬組成物の溶解速度は、当該組成物に対する錠剤分解物質(disintegrant)の添加によって増大しうる。錠剤分解物質は、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えば、Ac-Di-Sol(登録商標), Primellose(登録商標))、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメローセナトリウム、クロスポビドン(例えば、Kollidon(登録商標), Polyplasdone(登録商標))、グアールガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、微結晶セルロース、ポラクリリンカリウム(polacrilin potassium)、粉末セルロース、予めゼラチン化したデンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、Explotab(登録商標))及びデンプンを含む。
【0105】
流動促進物質は、非圧縮型固体組成物の流動特性を改善し、そして投与の正確性を改善するために添加されうる。流動促進物質として機能しうる賦形剤は、コロイド状二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、デンプン、タルク及び三塩基性リン酸カルシウムを含む。
【0106】
剤形、例えば錠剤が、粉末組成物の圧縮によって作られるとき、当該組成物はパンチとダイからの圧縮にかけられる。幾つかの賦形剤及び活性成分は、パンチとダイの表面に接着する傾向があり、これは当該生成物に孔及び他のむらをもたらすことがある。潤滑剤が、接着を弱め、且つダイから生成物の放出を容易にするために上記組成物に添加されてもよい。潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリン、硬化ヒマシ油、硬化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、タルク及びステアリン酸亜鉛を含む。
【0107】
香味添加剤及び香味促進剤は、剤形を患者にとってより口当たりよくする。本発明の組成物に含まれ得る医薬製品の一般的な香味添加剤及び香味促進剤は、マルトール、バニリン、バニリンエチル、メントール、クエン酸、フマル酸、エチルマルトール、及び酒石酸を含む。
【0108】
固体組成物及び液体組成物はまた、それらの外観を改善し、そして/あるいは当該生成物及び単位用量レベルの識別を患者に容易にさせるために、任意の医薬として許容される着色剤を用いて着色されうる。
【0109】
本発明の液体の医薬組成物において、ナテグリニド及び任意な他の固体の賦形剤が、液体担体、例えば水、植物油、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール又はグリセリン中で溶解又は懸濁される。
【0110】
液体の医薬組成物は、当該組成物全体に、液体担体中で不溶性の活性成分又は賦形剤を均一に分散させるために、乳化剤を含むことがある。本発明の液体組成物中で有用であり得る乳化剤には、例えばゼラチン、卵黄、カゼイン、コレステロール、アカシア、トラガカント、コンドラス、ペクチン、メチルセルロース、カルボマー、セトステアリルアルコール及びセチルアルコール、が含まれる。
【0111】
本発明の液体医薬組成物は更に、当該製品の食感を改善し、そして/あるいは胃腸管の内層をコーティングするために、増粘剤を含んでもよい。当該増粘剤は、例えば、アカシア、アルギン酸、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースカルシウム又はナトリウム、セトステアリルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチングアールガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリビニルアルコール、ポビドン、プロピレンカーボネート、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、スターチトラガカント(starch tragacanth)及びキサンタンガム、が含まれる。
【0112】
甘味剤、例えばソルビトール、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクロース、アスパルテーム、フルクトース、マンニトール及び転化糖が、風味を改善するために添加されることもある。
【0113】
保存剤及び錯化剤、例えばアルコール、安息香酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール及びエチレンジアミン四酢酸が、保存性を改善するために、摂取しても安全なレベルで添加されることもある。
【0114】
本発明に従う液体組成物はまた、緩衝液、例えばグルコン酸、クエン酸又は酢酸、グルコン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム又は酢酸ナトリウム、を含んでもよい。
【0115】
使用する賦形剤及び量の選択は、経験並びに当業界の標準的な手順及び参考資料の考慮に基づき製剤学者により容易に決定されうる。
【0116】
本発明の固体組成物には、粉末、顆粒、凝集物及び圧縮組成物が含まれる。投与量には、経口、頬側、非経口(皮下、筋肉内、及び静脈内を含む)、吸入及び経眼の投与に適した投与量が含まれる。最も適した経路は、いかなる場合においても、処置される症状の性質及び重症度に依存するが、本発明の最も好ましい経路は経口である。投与量は、簡便的に単位剤形で提示され、そして医薬業界で周知の方法のいずれかによって調製されうる。
【0117】
剤形には、固体剤形、例えば錠剤、粉末、カプセル、座薬、サシェ、トローチ及びロゼンジ、並びに液体シロップ、懸濁液及びエリキシルが含まれる。
【0118】
本発明の剤形は、組成物を、好ましくは粉末化又は顆粒化した本発明の固体組成物を
、ハードシェル又はソフトシェルのいずれかに含むカプセルであってもよい。当該シェルは、ゼラチンから作られ、そして任意に可塑剤、例えばグリセリン及びソルビトール、並びに不透明剤又は着色剤を含むことがある。
【0119】
活性成分及び賦形剤は、当業界で知られている方法に従い、組成物及び剤形へと調製されうる。
【0120】
錠剤化又はカプセルの充填のための組成物は、湿式顆粒化によって調製されうる。湿式顆粒化において、幾つか又は全ての粉末状の活性成分及び賦形剤が配合され、続いて更に液体、典型的には水の存在下で混合され、これにより粉末が顆粒へと凝集する。顆粒はスクリーニングされ、そして/あるいは微粉砕され、乾燥され、続いてスクリーニングされ、そして/あるいは所望の粒径に微粉砕される。顆粒は続いて錠剤化されることもあり、あるいは他の賦形剤が錠剤化の前に添加されることもあり、これは例えば流動促進剤及び/又は滑剤である。
【0121】
錠剤化組成物は、通常の乾式配合によって調製されうる。例えば、活性成分と賦形剤を配合した組成物は、スラッグ又はシートに圧縮され、続いて圧縮顆粒に微粉砕されうる。圧縮顆粒は、その後錠剤に圧縮されうる。
【0122】
乾式顆粒化法の代わりとして、配合した配合物が、直接的な圧縮技術を用いて圧縮剤形へと直接圧縮されてもよい。直接圧縮は、顆粒の無いより均一な錠剤を作る。直接圧縮の錠剤化に特に適している賦形剤には、微結晶セルロース、スプレー乾燥化ラクトース、リン酸二カルシウム二水和物及びコロイド状シリカが含まれる。直接圧縮の錠剤化における、これらと他の賦形剤の適切な使用は、直接圧縮の錠剤化の経験と技術を備えた、特に製剤化に挑戦している当業者に知られている。
【0123】
本発明のカプセル充填は、錠剤化に関して記載した前述の配合及び顆粒のいずれかを含んで成ることもあるが、但し、それらは最終の錠剤化段階にはかけられない。
【0124】
STARLIXの用量及び製剤が、手引きに従い使用されることがある。使用する用量は、好ましくは約30〜約240mgのナテグリニド、更に好ましくは約60〜約120mgのナテグリニドである。本発明の医薬組成物は、好ましくはコート錠の形態で、食事の約10分から約1時間前、更に好ましくは各食事の約15分前に投与される。前記用量は食事を抜いたときには採用されない。当該医薬組成物はまたメタホルミンと一緒に使用されうる。
【0125】
装置
X線粉末回折:
X線回折は、X線粉末回折装置Schintag(登録商標)、バリアブルゴニオメーター、銅管、固体検出器で実施した。サンプルホルダー:丸いゼロバックグラウンドクオーツプレートを有する丸い標準的なアルミニウムサンプルホルダー。
【0126】
試料はサンプルホルダー上に載せられ、そしてそのままで直ちに解析された。
【0127】
スキャンパラメーター:範囲:2〜40°2θ、連続スキャン、速度:3度/分。
【0128】
DSC821eMettler Toledo(登録商標)、サンプル重量:3〜5mg、加熱速度:10℃/分、坩堝内の穴の数:3
【0129】
TGA:
Mettler TG50(登録商標)、サンプル重量:7〜15mg、加熱速度:10℃/分
【0130】
FTIR:
Perkin−Elmer(登録商標)、Spectrum One FTIR分光光度計、範囲:4000〜400cm−1、スキャン数:16;分解能:4.0cm−1、DRIFT技術。
【実施例】
【0131】
実施例1〜7、11、12、14〜16及び18〜19は、U型以外の型の調製に関するものであるが、上文又は実施例8〜10、13及び17に記載の通り、U型に対する前駆体として使用される型を調製するために使用されうる。
【0132】
実施例1−本実施例は、溶液からの種々の型のナテグリニドの調製を例示する。
ナテグリニド(5g)はエルレンマイヤーフラスコに据えられ、そして特定の温度に加熱された。溶媒は、透明な溶液が得られるまで1mlずつ添加した(場合によっては、溶媒は5mlずつ添加した)。透明な溶液が溶媒を150ml添加した後に得られなかった場合、熱い混合物を濾過した。
【0133】
透明な溶液は、結晶化するよう室温で放置された。結晶化が起こらないか、あるいは乏しい場合、溶液を3℃で冷却した。沈殿を濾過し(結晶化の温度に依存して室温又は5℃)、秤量し、そして2等分した。一方の部分を、50℃で、減圧下(20〜30mmHg)、恒量(±0.01g)になるまで約3〜10時間乾燥させた。詳細を表IVに示す。
【0134】
【表11】

【表12】

【0135】
レジェンド−液体/固体比:溶媒は5mlずつ添加した;T−出発温度;Ww−80〜90℃/20mbarで乾燥した後の湿潤試料の重量。
【0136】
溶媒の略語:MeOH―メタノール、EtOH―エタノール、n−PrOH―n−プロパノール、IPA―2−プロパノール、n−BuOH―n−ブタノール、EA―酢酸エチル、NM―ニトロメタン、DMF―N,N−ジメチルホルムアミド、DMA―N,N−ジメチルアセトアミド、NMP―N−メチルピロリドン、MeCN―アセトニトリル、Ether―ジエチルエーテル、DME―ジメトキシエタン、DCM―ジクロロメタン、DCE―1,2−ジクロロエタン及びCTC―四塩化炭素。
【0137】
実施例2−本実施例は、種々の溶媒におけるナテグリニドH型及びU型の粉砕を例示する。
ナテグリニド(5g)をエルレンマイヤーフラスコ中に据えた。溶媒を1mlずつ添加し、攪拌可能な混合物を調製した。フラスコは、マグネットスターラーを用いて室温で攪拌した。固体を室温で濾過し、秤量し、そして2等分した。一方の部分を55℃で20〜30mm/Hgの圧力のもと恒量(±0.01g)になるまで乾燥した。
【0138】
詳細を表V及びVIに示す。
【0139】
【表13】

【0140】
【表14】

【0141】
実施例3−本実施例は、ナテグリニドによる溶媒蒸気の吸収を例示する。
ナテグリニド(3.50g)をポリプロピレン缶に添加し、そして秤量した。当該缶を、溶媒を含むより大きいポリプロピレン容器内に導入し、そして室温で保存した。缶を前記容器から取り出し、そして秤量した(Wfinal)。缶の中身を2等分した。一方の部分を55℃の温度及び20〜30mmHgの圧力で恒量(±0.01g)になるまで乾燥させた。詳細を表VIIに示す。
【0142】
【表15】

【0143】
レジェンド。Brutto−缶とNTGの出発時の重量;Wfinal−曝露後の缶とNTGの最終重量;Δ−一晩。
【0144】
実施例4−本実施例は、溶媒除去によるナテグリニドの種々の型の調製を例示する。
ナテグリニド(5g)は、透明な溶液が得られるまで、約15分にわたり約55℃で以下の溶媒中で溶解した。溶媒は、約55℃/20〜30mmHgのエバポレーションで乾燥するまで除去し、乾燥ナテグリニドを生成させた。
【0145】
【表16】

【0146】
実施例5−本実施例はZ型の調製を例示する。
D−フェニルアラニン(PheOH、7.73g)を3.5%NaOH(185ml、3.5等量)で室温で処理し、相当のナトリウム塩を生成せしめた。ニートなt−4−イソプロピルシクロヘキサンカルボキシルクロリド(IPCHAC、9.02g、1.01等量)の溶液を上述の通り得られたPhe−OH溶液に3分にわたり添加し、同時に室温で攪拌した。漏斗中のIPCHACの残りをトルエン(1ml)で洗浄し、そして添加した。生じた混合物を1時間攪拌し、そして、攪拌しながら、10%HCl(32ml)で処理してpHを3に調整した。混合物を1時間攪拌し、そして濾過した。固体を水(200ml)で洗浄し、そして十分吸引して33.3gの湿った生成物を生成させ、これを78℃/2.2mbarで乾燥した後減量させた。アッセイ98.4%、純度>99%、収率86%。
【0147】
実施例6−本実施例は、二成分混合物(溶媒/アンチソルベント)からの結晶化によるナテグリニドの調製を例示する。
ナテグリニド(5g)及びアンチソルベント(20ml)をエルレンマイヤーフラスコ中に据えた。混合物を約55℃で約15分にわたり加熱し、続いて透明な溶液が得られるまで0.25〜1mlずつ溶媒を添加した。透明な溶液は、結晶化するよう、攪拌することなく室温で放置された。
【0148】
24時間後に結晶化が起こらないか、あるいは乏しい場合、溶液は3〜5℃に冷却された。沈殿を濾過し(結晶化の温度に依存して室温又は5℃で)、B型を生成せしめた。湿潤材料を50℃で減圧下(20〜30mmHg)乾燥させ、乾燥B型を生成せしめた。
【0149】
【表17】

【0150】
レジェンド:L/S−液体/固体比(液体=溶媒+アンチソルベント)f−記号RT→3は、結晶化が室温で開始され、続いて混合物が3℃に冷却して沈殿が完了したことを意味する。
【0151】
実施例7−デルタ型の調製
(A)本実施例は、酢酸エチル−ヘプタン溶媒系からの結晶化によるナテグリニドデルタ型の調製を例示する:
ナテグリニドδ型の調製
D−フェニルアラニン(15.44g)を、3.5%NaOH溶液(370ml、3.5等量)に対し、20℃で、230分-1で攪拌しながら一度に添加した。透明な溶液が直ちに形成された。ニートなt−4−イソプロピルシクロヘキシルカルボキシクロリド(18.03g)を5分間反応溶液に添加した。固体を形成させ、そして温度を32℃に上昇させた。混合物を1時間20℃で攪拌しながら攪拌した。15%硫酸(56.1g)を、反応混合物に対し一度に添加し、pHを1〜2に調節した。混合物を1時間20℃で攪拌し、そして固体産物を濾過して76gの湿潤産物(湿度65%)のケークを生成させた。当該産物をEA(200ml)中で濾過し、そして水相を除去した。有機相を50℃で減圧下濃縮し、95mlのEAを含む104mlの混濁溶液を生成させた。溶液を濾過し、そして30分間熱いヘプタン(54℃、250ml)を添加した。最初に形成した固体は、2/3のEA溶液が添加された後完全に溶解した。透明な溶液を放置して25℃に冷却し、B型の種晶を添加し、そして、結晶化のために215分-1の回転数で攪拌しながら一晩放置した。固体を濾過し、そしてヘプタン(30ml)で洗浄した。ケークを60℃/20mbarで乾燥させ、6.84gのδ型を生成せしめた。収率33%。
【0152】
ナテグリニドδ型の調製
D−フェニルアラニン(20.00g)を、35℃に加熱した3.5%NaOH溶液(370.12g、2.7等量)に対し、200分-1で攪拌しながら一度に添加した。透明な溶液が直ちに形成された。ニートなt−4−イソプロピルシクロヘキシルカルボキシクロリド(23.3g)を1分間熱い反応混合物に添加した。混濁溶液を形成させ、そして温度を40℃に上昇させた。混合物を20分間40〜43℃で攪拌しながら攪拌した。85%硫酸(11.94g)を、RMに対し一度に添加し、pHを1〜2に調節した。固体産物をEA(140ml)で抽出した。熱い有機抽出物を温水(100ml)、続いて40℃の塩水(25ml、30.0g)で洗浄し、そして無水硫酸マグネシウム(3.05g)で1.5時間乾燥させた。有機溶液をPTFE0.45μmフィルターで濾過し、38℃に加熱し、そしてこれに熱いヘプタン(40℃、125ml)を添加した。生じた透明な溶液を徐々に45分間で13℃に冷却し、そしてB型NTGの種晶を添加した。結晶化が開始した。混合物を17分間5℃に冷却し、そして16時間攪拌した。固体を濾過し、そして冷たい(5℃)のヘプタン−EA混合物(5:1、合計180ml)で洗浄し、36.49gの湿潤産物(湿度42.5%)を生成せしめた。湿潤産物を60℃/13mbarで乾燥させ、99.8%超の純度を有する20.38gのδ型産物を生成せしめた。収率55%。
【0153】
ナテグリニドδ型の調製
D−フェニルアラニン(20.02g)を、39℃に加熱した3.5%NaOH溶液(合計410.5g、2.99等量)に対し、150分-1で攪拌しながら一度に添加した。透明な溶液が直ちに形成された。ニートなt−4−イソプロピルシクロヘキシルカルボキシクロリド(24.73g)を熱い反応混合物に一度に添加した。混合物(透明な溶液)を25分間44〜45℃で攪拌しながら攪拌した。酢酸エチル(140ml)、続いて85%硫酸溶液(14.08g)を、反応混合物に対し一度に添加し、pHを1〜2に調節した。熱い有機層を分離し、30℃の水(100ml)で2回洗浄し、そしてPTFE0.45μmフィルターで濾過した。透明な溶液(141g)を46℃に加熱し、そしてこれに熱いヘプタン(46℃、153ml)を150分-1で攪拌しながら添加した。透明な溶液を45分間で28℃に冷却し、そしてデルタ型の種晶を添加した。結晶化は24℃で起こった。混合物を30分間24℃で攪拌し、徐々に5℃に冷却し、そして5℃で一晩攪拌した。固体を濾過し、そして冷たい(5℃)のヘプタン−EA混合物(6:1、合計30ml)で洗浄し、デルタ型の49.1gの湿潤産物(湿度50%)を生成せしめた。湿潤産物を24時間23℃/20mbarで乾燥させ、99.8%超の純度を有する24.65gのデルタ型産物を生成せしめた。収率65%。
【0154】
(B)本実施例はδ型結晶の調製を例示する。
粗製ナテグリニド(50g)を酢酸エチル(200ml)及び水(2.5ml)中で45℃で溶解した。50℃の熱いヘプタン(260ml)を添加した。混合物を尚も完全に溶解した。混合物を30℃に冷却し、そしてナテグリニドδ型(0.1g)の種晶を添加した。混合物を30分間攪拌し、そして次に10℃未満に2時間冷却した。混合物を5〜10℃で一晩攪拌し、続いて真空濾過した。湿潤産物を酢酸エチル(100ml)ヘプタン混合物(比率1:3v/v)で洗浄した。湿潤産物を真空オーブン内で50℃で一晩乾燥させた。湿潤試料及び乾燥試料共にδ型であった。
【0155】
出発材料:湿潤ナテグリニド(40%の全体の湿度。2mlの水、10mlの酢酸エチル、21mlのヘプタン)。湿潤粗製ナテグリニド(83g)及び乾燥ナテグリニド(50g)を45℃の酢酸エチル(190ml)中に溶解した。50℃の熱いヘプタン(239ml)を添加した。溶液を30℃に冷却し、そしてナテグリニド(0.1g)δ型の種晶を添加した。混合物を30分間攪拌し、そして次に10℃未満で2時間冷却した。混合物を5〜10℃で一晩攪拌し、そして次に真空濾過した。湿潤産物を酢酸エチル−ヘプタン混合物(100ml)(比率1:3v/v)で洗浄した。湿潤産物を真空オーブン内で50℃で乾燥させた。湿潤試料及び乾燥試料共にδ型であった。
【0156】
(c)本実施例は、流動床乾燥機によるδ型の乾燥を例示する。
約3%のヘプタン(wt/wt)を有するナテグリニドデルタ型(10g)を流動床乾燥機内で4時間60℃で乾燥させた。残留ヘプタンは1578ppm afであった。酢酸エチルは検出限界未満である。乾燥産物の多形はデルタである。
【0157】
これらの手順に従い、一連の実験が種々のヘプタン/エチル比、液体/固体比、温度及び種晶添加のもと実施された。結果を表Xに要約する。
【0158】
【表18】

【0159】
温度プロファイル:結晶化温度(h)→最終温度(h);L,t−L,トランス異性体の量。
【0160】
実施例8−本実施例は、混合後に溶液にすることなく沈殿させることによるナテグリニドの型の調製を例示する。
ナテグリニドU型の調製
D−フェニルアラニン(20.02g)を、200分-1の回転数で攪拌しながら、20℃の3.5%NaOH溶液(369.73g、2.7等量)に対し一度に添加した。透明な溶液が直ちに形成された。ニートなt−4−イソプロピルシクロヘキシルカルボキシクロリド(23.9g)を1分間熱い反応混合物に添加した。固体を形成させ、そして温度を32℃に上昇させた。混合物を40分間20℃で攪拌しながら攪拌した。85%硫酸溶液(11.55g)を反応混合物に対し一度に添加し、pHを1〜2に調節した。固体産物を55℃のEA(150ml)で55分間抽出した。熱い有機抽出物を温水(100ml)、続いて塩水(40℃、50ml)で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウム(10g)で1.5時間かけて乾燥させ、そして濾過した。過剰なEAを減圧下で除去し、54g(60ml)未満のEAを含む86gの溶液を生成せしめた。EA溶液は、PTFE0.45μmフィルターから35℃に加熱したきれいな滴下漏斗へと最終的に濾過した。ヘプタン(320ml)を5℃に冷却した反応器に据え、そしてB型の種晶を添加した。透明な熱いEA溶液を5分間冷たいヘプタンに攪拌しながら添加した。沈殿が直ちに生じ、固体が生成した。混合物を2.5時間5℃で攪拌した。固体を濾過し、そして冷たい(5℃)のヘプタン−EA混合物(4.5:1、合計〜120ml)で洗浄し、63.62gの湿潤産物(湿度54%)を生成させた。ケーク(62.4g)を60℃/10mbarで乾燥させ、U型の0.6%未満のL,トランス異性体(他の不純物<0.1%)を含む28.6gの産物を生成させた。収率77%。
【0161】
【表19】

【0162】
EA−EA溶液の温度;TAS(時間)−アンチソルベントの温度(曝露時間)→最終温度(曝露時間);L,t−L,トランス異性体の量。
【0163】
実施例9−ナテグリニドU型の加熱
ナテグリニドU型(〜1g)の試料を6gのバイアル内に移し、そして8.5時間にわたり100℃の油浴中で加熱した。バイアルを油浴から取り出した。生じた試料は、XRPDによりU型を示した。
【0164】
ナテグリニドU型(〜0.5g)の試料を雰囲気圧で1時間120℃に加熱した。生じた試料はXRPDによりU型を示した。
【0165】
実施例10−ナテグリニドδ型の加熱
ナテグリニドδ型(〜0.5g)の試料を雰囲気圧で1時間120℃に加熱した。生じた試料はXRPDによりB型を示した。
【0166】
実施例11−オメガ型の調製
ナテグリニドデルタ型(5g)をイソプロパノール(15ml)中に室温で溶解させた。溶液を0℃未満に冷却した。水(6ml)を添加した。白い固体が突然沈殿した。固体を35℃に加熱した結果、完全に溶解した。溶液を7℃未満に冷却し、そして産物が沈殿した。当該産物を真空濾過した。XRPDでオメガ型の存在を確認した。
【0167】
実施例12−オメガ型の湿潤試料の乾燥
実施例11の産物を、50℃で、真空オーブン内で一晩乾燥させ、そしてXRDで解析した。オメガ型とZ型の混合物が得られた。
【0168】
実施例13−本実施例は、酢酸エチル中でδ型を粉砕することによるU型の調製を例示する。
ナテグリニドδ型(5g)を酢酸エチル(10ml)中25℃で2時間粉砕した。湿潤試料を真空濾過し、そして酢酸エチル(10ml)で洗浄した。湿潤産物を、50℃で、真空オーブン内で一晩乾燥させた。湿潤産物及び乾燥産物はU型であった。
【0169】
実施例14−本実施例は、酢酸エチル中でδ型を粉砕することによるB型の調製を例示する。
ナテグリニドδ型(5g)を酢酸エチル(10ml)中50℃で1時間粉砕した。混合物を20℃に冷却し、そして1時間粉砕した。湿潤試料を真空濾過し、そして酢酸エチル(10ml)で洗浄した。湿潤産物を、50℃で、真空オーブン内で一晩乾燥させた。湿潤産物及び乾燥産物はB型として得られた。
【0170】
実施例15−ナテグリニドB型の調製方法
ナテグリニドB型はまた、イソプロパノールからのナテグリニドG型の沈殿、続いて、G型からB型への変換、により得られうる。この態様において、ナテグリニドのある型、例えばナテグリニドδ型(約3%LOD)は、IPA/H2O混合物中で約40〜約50℃の好ましい温度範囲で溶解される。好ましくは、溶媒混合物中のIPA濃度は約50%〜約70%(v/v)の範囲内であり、そして溶媒混合物の体積は、ナテグリニドの単位重量当たり約5〜約20倍量である。
【0171】
溶解後に得られた溶液は、好ましくは、B型結晶の種晶添加のために約30℃の温度に冷却される。種晶添加した溶液は、好ましくは、前記種晶添加温度で、約30分〜約3時間攪拌される。当該溶液は、好ましくは、続いて0℃±5℃に、好ましくは少なくとも約5時間冷却され、そして好ましくは5℃で少なくとも約30分間攪拌される。沈殿したナテグリニド結晶は回収され、そして減圧下約70〜約90℃の好ましい温度範囲で乾燥され、ナテグリニドB型が得られうる。
【0172】
この態様において、結晶化前に、出発材料は任意にIPA又はIPA/H2O混合物(結晶化混合物と同じ溶媒比)中で溶解されることがあり、続いて減圧下蒸発されることがある。蒸発後、IPA/H2O混合物は反応器内に注がれ、溶液が得られる。ナテグリニドB型は蒸発後に得られる。
【0173】
IPAの使用は、図64に例示するような、最終産物中の、不純物としてのメチルエステルの排除を可能にする。
【0174】
実施例15(A)
ナテグリニド(40g)を25℃のIPA(240ml)中で溶解した。溶液を濾過し、不溶性材料を除去した。透明な溶液を50℃に加熱し、そして5時間攪拌した。攪拌後、溶媒を減圧下で蒸発させた。攪拌後、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をXRDで試験し、そしてB型であることがわかった。
【0175】
実施例15(B)
ナテグリニド(30g)を反応器内のIPA(150ml)中に溶解した。溶媒を減圧下ジャケット温度Tj=50℃で蒸発させた。溶液は、反応器にIPA(150ml)を
供給し、そして水(150ml)をTj=50℃で供給した。得られた透明な溶液をTR=29.4℃に冷却し、そしてB型結晶で種晶添加した。種晶添加した溶液を
更に3時間攪拌し、そしてその後10分間TR=0℃に冷却した。0℃で、生じたスラリーは更に5時間攪拌した(一晩)。結晶を単離し、そして減圧下90℃で乾燥した。湿潤結晶をXRDで試験し、そしてG型であることが明らかとなった。乾燥した結晶はXRDで試験し、そしてB型であることが明らかとなった。
【0176】
実施例15(C)
ナテグリニド(20g)を丸底フラスコ内のIPA(200ml)中に溶解し、そして溶媒を減圧下50℃の温度で蒸発させた。IPA(200ml)及び水(200ml)を当該丸底フラスコに注ぎ、それにより透明な溶液が得られた。溶液を反応器に移し、そしてTR=28℃の温度に冷却した。28℃で、溶液にB型結晶の種晶を添加した。
【0177】
種晶添加した溶液を28℃で更に2時間攪拌し、そしてその後5℃で10時間冷却した。5℃で、溶液を更に4時間(一晩)攪拌した。生成物を単離し、そして減圧下90℃で乾燥させた。湿潤結晶をXRDで試験し、そしてG型であることが明らかとなった。乾燥した結晶をXRDで試験し、そしてB型であることが明らかとなった。
【0178】
実施例16−水中での粉砕によるナテグリニドB型の調製方法
ナテグリニドδ型は、約25℃の5倍量の水中で約7時間粉砕した。結晶を単離して減圧下90℃で乾燥させた。
【0179】
実施例(A):湿潤出発材料の粉砕
湿潤している50gのナテグリニドδ型(約37%LOD)を25℃の250mlの水中で粉砕した。4時間の粉砕後、スラリーをサンプリングし、そして減圧下90℃で乾燥させた。湿潤結晶をXRDで試験し、そしてδ型であることが明らかとなった。乾燥結晶はXRDで試験され、そしてB型であることが明らかとなった。7時間の粉砕後、生成物を単離し、そして減圧下90℃で乾燥させた。湿潤結晶をXRDで試験し、そしてδ型であることが明らかとなった。乾燥結晶をXRDで試験し、そしてB型であることが明らかとなった。
【0180】
実施例(B):乾燥出発材料の粉砕
乾燥している50gのナテグリニドδ型を25℃の250mlの水中で粉砕した。4.5時間の粉砕後、スラリーをサンプリングし、そして減圧下90℃で乾燥させた。湿潤結晶をXRDで試験し、そしてZ型であることが明らかとなった。乾燥結晶はXRDで試験され、そしてB型であることが明らかとなった。7.5時間の粉砕後、生成物を単離し、そして減圧下90℃で乾燥させた。湿潤結晶をXRDで試験し、そしてE型であることが明らかとなった。乾燥結晶をXRDで試験し、そしてB型であることが明らかとなった。
【0181】
実施例17−ナテグリニドU型の調製
実施例(A):アセトンからの結晶化
ナテグリニド(50g)δ型を42℃のアセトン(175ml)中に溶解した。透明な溶液を種晶添加のために10℃に冷却した。B型結晶の種晶添加の後、種晶添加した溶液を更に3時間10℃の温度で攪拌し、そして−10℃で10時間冷却し、そして−10℃で一晩攪拌した。結晶を単離し、そして90℃で乾燥させた。湿潤結晶は、XRDで試験してU型であることが明らかとなった。乾燥結晶は、試験してU型であることが明らかとなった。
【0182】
実施例(B):酢酸エチルからの結晶化
ナテグリニド(20g)を40℃の酢酸エチル(560ml)中で溶解した。溶液を濾過して不溶性物質を除去した。透明な溶液を減圧下で蒸発させ、そして酢酸エチル(460ml)を蒸発させた(反応器中の溶媒量は、ナテグリニドの単位重量当たり5倍量であった)。溶液を20℃に冷却し、そしてB型結晶の種晶を添加した。種晶添加した溶液を20℃で更に30分間攪拌し、0℃で1.5時間冷却し、そして0℃で更に30分間攪拌した。結晶を単離し、そして減圧下30℃、50℃、90℃で乾燥させた。湿潤結晶はXRDで試験してU型であることが明らかとなった。乾燥結晶はXRDで試験してU型であることが明らかとなった。
【0183】
実施例18−デルタ型からの残留溶媒の除去
ナテグリニド(40g)デルタ型(1.5%ヘプタン)を攪拌反応器(7〜10rpm)内で60mmHgの真空及び60℃で乾燥した。6時間の乾燥後、前記材料の残留溶媒はヘプタンが613ppmであった。乾燥した材料の多形は、出発材料時のデルタ型のままであった。
【0184】
実施例19−酢酸エチルからのナテグリニドB型の調製
ナテグリニドδ型を25℃の酢酸エチルで溶解する。溶媒を濁度が生じるまで減圧下で蒸発させる。混濁溶液を0℃±5℃で1時間冷却し、そして1時間攪拌する。生成物を単離し、そして減圧下50℃で乾燥させた。
【0185】
実施例(A)
ナテグリニド(12g)δ型を25℃の165mlの酢酸エチル中で溶解した。溶媒は、濁度が生じるまで、減圧下25℃で蒸発させた。蒸発終了時に、反応器の体積は90〜95mlであった。混合物を1時間25℃から5℃に冷却し、そして5℃で1時間攪拌した。生成物を単離し、そして減圧下50℃で乾燥させた。湿潤結晶及び乾燥結晶はともに、XRD及びDSCで試験してB型であることが明らかとなった。
【0186】
このように特に好ましい態様及び例示的な実施例を参照して本発明を説明した結果、当業者は、本明細書に開示されているような本発明の精神及び範囲を逸脱しない、記載され、そして例示されているような本発明の変更を理解するであろう。実施例は、本発明の理解を助けることを目的的として記載されているが、何らその範囲を限定することを意図しておらず、且つそのように解釈されるべきではない。実施例には常用の方法の詳細な説明は含まれていない。そのような方法は当業者に周知であり、そして足るうの刊行物において説明されている。Polymorphism in Pharmaceutical Solids, Drugs and the Pharmaceutical Sciences, Volume 95が手引きとして使用されうる。本明細書で言及した全ての刊行物は、それらの全体が組み入れられる。
【図面の簡単な説明】
【0187】
【図1】図1はナテグリニドA型のXRPDパターンである。
【図2】図2はナテグリニドC型のXRPDパターンである。
【図3】図3はナテグリニドD型のXRPDパターンである。
【図4】図4はナテグリニドE型のXRPDパターンである。
【図5】図5はナテグリニドF型のXRPDパターンである。
【図6】図6はナテグリニドG型のXRPDパターンである。
【図7】図7はナテグリニドL型のXRPDパターンである。
【図8】図8はナテグリニドJ型のXRPDパターンである。
【図9】図9はナテグリニドK型のXRPDパターンである。
【図10】図10はナテグリニドL型のXRPDパターンである。
【図11】図11はナテグリニドM型のXRPDパターンである。
【図12】図12はナテグリニドN型のXRPDパターンである。
【図13】図13はナテグリニドO型のXRPDパターンである。
【図14】図14はナテグリニドP型のXRPDパターンである。
【図15】図15はナテグリニドQ型のXRPDパターンである。
【図16】図16はナテグリニドT型のXRPDパターンである。
【図17】図17は不純型のナテグリニドU型のXRPDパターンである。
【図18】図18はナテグリニドV型のXRPDパターンである。
【図19】図19はナテグリニドY型のXRPDパターンである。
【図20】図20はナテグリニドZ型のXRPDパターンである。
【図21】図21はナテグリニドα型のXRPDパターンである。
【図22】図22はナテグリニドβ型のXRPDパターンである。
【図23】図23はナテグリニドγ型のXRPDパターンである。
【図24】図24はナテグリニドδ型のXRPDパターンである。
【図25】図25はナテグリニドε型のXRPDパターンである。
【図26】図26はナテグリニドσ型のXRPDパターンである。
【図27】図27はナテグリニドθ型のXRPDパターンである。
【図28】図28は乾燥の間の型の変態を示す熱安定性チャートであり、本発明の種々の表に例示した湿潤型と乾燥型との比較の要約である。
【図29】図29はナテグリニドL型のFTIRスペクトルである。
【図30】図30はナテグリニドP型のFTIRスペクトルである。
【図31】図31は純粋型のナテグリニドU型のFTIRスペクトルである。
【図32】図32はナテグリニドZ型のFTIRスペクトルである。
【図33】図33はナテグリニドα型のFTIRスペクトルである。
【図34】図34はナテグリニドδ型のFTIRスペクトルである。
【図35】図35はナテグリニドσ型のFTIRスペクトルである。
【図36】図36はナテグリニドA型のDSCサーモグラムである。
【図37】図37はナテグリニドD型のDSCサーモグラムである。
【図38】図38はナテグリニドE型のDSCサーモグラムである。
【図39】図39はナテグリニドF型のDSCサーモグラムである。
【図40】図40はナテグリニドG型のDSCサーモグラムである。
【図41】図41はナテグリニドI型のDSCサーモグラムである。
【図42】図42はナテグリニドJ型のDSCサーモグラムである。
【図43】図43はナテグリニドK型のDSCサーモグラムである。
【図44】図44はナテグリニドL型のDSCサーモグラムである。
【図45】図45はナテグリニドM型のDSCサーモグラムである。
【図46】図46はナテグリニドN型のDSCサーモグラムである。
【図47】図47はナテグリニドO型のDSCサーモグラムである。
【図48】図48はナテグリニドP型のDSCサーモグラムである。
【図49】図49はナテグリニドQ型のDSCサーモグラムである。
【図50】図50はナテグリニドT型のDSCサーモグラムである。
【図51】図51は不純型のナテグリニドU型のDSCサーモグラムである。
【図52】図52はナテグリニドV型のDSCサーモグラムである。
【図53】図53はナテグリニドY型(クロロホルム溶媒和物)のDSCサーモグラムである。
【図54】図54はナテグリニドY型(ジクロロメタン溶媒和物)のDSCサーモグラムである。
【図55】図55はナテグリニドZ型のDSCサーモグラムである。
【図56】図56はナテグリニドα型のDSCサーモグラムである。
【図57】図57はナテグリニドβ型のDSCサーモグラムである。
【図58】図58はナテグリニドγ型のDSCサーモグラムである。
【図59】図59はナテグリニドδ型のDSCサーモグラムである。
【図60】図60はナテグリニドε型のDSCサーモグラムである。
【図61】図61はナテグリニドσ型のDSCサーモグラムである。
【図62】図62はナテグリニドθ型のDSCサーモグラムである。
【図63】図63はナテグリニドΩ型のXRPDパターンである。
【図64】図64は、実施例15で調製されるB型の純度の決定である。
【図65】図65は、図17に示す3.8+/−0.2の不純物を欠いている、実施例17に従い調製されたナテグリニドの純粋なU型のXRPDパターンである。
【図66】図66は、図17に示す3.8+/−0.2の不純物を欠いている、実施例17に従い調製されたナテグリニドの純粋なU型のXRPDパターンである。
【図67】図67は、図17に示す3.8+/−0.2の不純物を欠いている、実施例17に従い調製されたナテグリニドの純粋なU型のXRPDパターンである。
【図68】図68は、図17に示す3.8+/−0.2の不純物を欠いている、実施例17に従い調製されたナテグリニドの純粋なU型のXRPDパターンである。
【図69】図69は、図17に示す3.8+/−0.2の不純物を欠いている、本明細書に開示されている精製方法に従い調製された純粋なU型のXRPDパターンである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶形が3.8+/−0.2θのピークを実質的に欠いている、ナテグリニドU型。
【請求項2】
結晶形が3.8+/−0.2θのピークを実質的に欠いている、約4.7,7.4,13.8及び17.0±0.2°2θにピークを有するXRPDパターンを有するナテグリニド。
【請求項3】
図31及び65〜69から成る群から選択される図に実質的に描かれているXRPDパターンを有するナテグリニド組成物。
【請求項4】
ナテグリニドU型及び有効量の賦形剤を含んで成る医薬組成物。
【請求項5】
血糖値を低下させる方法であって、請求項4に記載の医薬組成物を投与することを含んで成る方法。
【請求項6】
II型糖尿病を処置する方法であって、請求項4に記載の医薬組成物を投与することを含んで成る方法。
【請求項7】
ナテグリニドU型を調製する方法であって:
a)ナテグリニドの酢酸エチル溶液を約40℃〜約45℃の温度で調製する段階;
b)任意の順序で、約5℃の温度を有するC5〜C12脂肪族炭化水素を、アンチソルベントとして添加してナテグリニドを沈殿させる段階、
を含んで成る方法。
【請求項8】
アンチソルベントがヘプタンである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
約3350、1701、1646、1291cm-1にピークを有するFTIRスペクトルを特徴とする、結晶ナテグリニドU型。
【請求項10】
4.7、7.4、13.8及び17.0+/−0.2θにピークを有するXRPDパターンを有するナテグリニドの結晶形を調製する方法であって:
a)ナテグリニドの酢酸エチル溶液を調製する段階;
b)当該溶液にナテグリニド結晶の種晶を添加する段階;及び
c)沈殿としての結晶形を回収する段階、
を含んで成る方法。
【請求項11】
酢酸エチルの体積が、ナテグリニドの重量に対して、約3〜約11mL/gである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
酢酸エチルの体積が、ナテグリニドの重量に対して、約4〜約6mL/gである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
溶液が同一の結晶形の種晶を添加される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
種晶添加の前又は後に冷却する段階を更に含んで成る、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
得られたナテグリニドが、HPLCの面積のパーセンテージとして約99%超純粋である、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
得られたナテグリニドが、他の結晶形を重量当たり99%含まない、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
4.7、7.4、13.8及び17.0+/−0.2θにピークを有するXRPDパターンを有するナテグリニドの結晶形を調製する方法であって:
a)ナテグリニドの酢酸エチル溶液を保持する容器を調製する段階;
b)C5−C12炭化水素を、前記溶液を保持する容器に添加する段階;
c)結晶形を沈殿物として回収する段階、
を含んで成る方法。
【請求項18】
炭化水素がC5−C8炭化水素である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
炭化水素がヘプタンである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
沈殿が水の存在下で実施される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
沈殿前に種晶添加することを更に含んで成る、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
同一の結晶形が種晶添加に使用される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
炭化水素が、添加の際の沈殿を回避するように添加される、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
4.7、7.4、13.8及び17.0+/−0.2θにピークを有するXRPDパターンを有するナテグリニドの結晶形を調製する方法であって:
a)ナテグリニドの酢酸エチル溶液を保持する容器を調製する段階;
b)添加の際に沈殿を回避するように、前記溶液を保持する容器にヘプタンを添加する段階;
c)任意の順序で、前記溶液を冷却し、そして当該溶液にナテグリニドの同一の結晶形を種晶添加する段階;及び
d)結晶ナテグリニドを沈殿物として濾過する段階、
を含んで成る方法。
【請求項25】
酢酸エチルが、ナテグリニドのグラムに対する水のミリリットルのパーセンテージとして約2%〜約10%の水と混合される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
4.7、7.4、13.8及び17.0+/−0.2θにピークを有するXRPDパターンを有するナテグリニドの結晶形を調製する方法であって:
a)ナテグリニドの水と酢酸エチルの混合溶液を調製する段階;
b)当該溶液とアンチソルベントとを混合する段階;及び
c)結晶ナテグリニドを沈殿物として回収する段階、
を含んで成る方法。
【請求項27】
アンチソルベントがC5−C12炭化水素である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
炭化水素がヘプタンである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
沈殿前に種晶添加することを更に含んで成る、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
同一の結晶形が種晶添加に使用される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
アンチソルベントが、添加の際の沈殿を回避するように添加される、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
4.7、7.4、13.8及び17.0+/−0.2θにピークを有するXRPDパターンを有するナテグリニドの結晶形を精製する方法であって、水の存在下溶液から結晶ナテグリニドを結晶化し、それによりHPLCの面積のパーセンテージとして99%純粋である結晶形を生成する段階、を含んで成る方法。
【請求項33】
水対ナテグリニドの比率が、水のミリリットル対ナテグリニドのグラムのパーセンテージとして約2%〜約10%である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
溶液の残りが酢酸エチルを含んで成る、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
4.7、7.4、13.8及び17.0+/−0.2θにピークを有するXRPDパターンを有するナテグリニドの結晶形を調製する方法であって:
a)約25℃〜約50℃の温度で、約3〜約11ml/gの酢酸エチル/ナテグリニド比で、ナテグリニドの酢酸エチル溶液を調製する段階;
b)前記溶液に約10℃〜約35℃の温度で、同一の結晶ナテグリニドの種晶を添加する段階;
c)種晶添加した溶液を攪拌する段階;
d)種晶添加した溶液を、1時間当たり約1℃〜10℃の割合で約−10℃〜約10℃の温度に冷却する段階;
e)結晶ナテグリニドを沈殿物として濾過する段階;及び
f)沈殿物を乾燥する段階、
を含んで成る方法。
【請求項36】
4.7、7.4、13.8及び17.0+/−0.2θにピークを有するXRPDパターンを有するナテグリニドの結晶形であって、3.8+/−0.2θのピークを実質的に欠いている結晶形。
【請求項37】
結晶形がHPLCの表面積のパーセンテージとして99%純粋である、請求項36に記載の結晶形。
【請求項38】
結晶形が、他の結晶形を重量当たり99%含まずに得られる、請求項37に記載の結晶形。
【請求項39】
図31、図65、図66、図67、図68及び図69から成る群から選択される図に実質的に描かれているXRPDパターン又はFTIRスペクトルを特徴とする、ナテグリニドの結晶形。
【請求項40】
請求項39に記載の結晶形及び医薬として許容される賦形剤を含んで成る医薬製剤。
【請求項41】
請求項1〜3、9及び36〜39に記載の結晶ナテグリニドU型又は請求項7、8及び10〜35に記載の方法により調製される結晶ナテグリニドU型の使用であって、それを必要とする哺乳類の血糖値を低下させるための薬物の製造における使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【公表番号】特表2007−524569(P2007−524569A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518803(P2005−518803)
【出願日】平成16年1月13日(2004.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/000839
【国際公開番号】WO2004/067496
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】