説明

ナトリウムチャネル阻害剤

【課題】神経因性疼痛に対し鎮痛効果が高く、副作用の軽減されたナトリウムチャネル阻害剤、並びにナトリウムチャネル阻害剤として有用な新規なピペリジン誘導体又はその製薬学的に許容される塩及びそれを有効成分として含有する医薬組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のナトリウムチャネル阻害薬における有効成分、及び本発明のピペリジン誘導体又はその製薬学的に許容される塩は、ピペリジン環が、ベンゼン環又はヘテロ環と直結し、さらに、このベンゼン環又はヘテロ環が他のベンゼン環と直結する構造を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナトリウムチャネル阻害剤、並びに新規なピペリジン誘導体又はその製薬学的に許容される塩及びそれを有効成分として含有する医薬組成物に関する。さらに詳しくは、神経因性疼痛に対し鎮痛効果が高く、副作用の軽減されたナトリウムチャネル阻害剤、並びにナトリウムチャネル阻害剤として有用な新規なピペリジン誘導体又はその製薬学的に許容される塩及びそれを有効成分として含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
電位依存性ナトリウムチャネルは神経の活動電位の発生及び伝播を司っているタンパクである。電位依存性ナトリウムチャネルは共通構造として6回膜貫通のドメインが4つ繰り返された大きなαサブユニット、及び2つの小さなβサブユニットを有する。主なチャネル機能はαサブユニットが担っている。現在までに10種以上のαサブユニットのサブタイプが存在することが知られている(Goldin AL, Annals of the New York Academy of Sciences 868:38-50, 1999)。それぞれの電位依存性ナトリウムチャネルサブタイプは中枢及び末梢神経組織において異なる分布を示す。それらは神経の興奮性を調節し、各組織の生理機能調節に重要な役割を果たす。また様々な病態にも深く関わることが示唆されている(Goldin AL, Annual Review of Physiology 63:871-894, 2001)。
近年、電位依存性ナトリウムチャネルは疼痛の神経伝達に深く関与することが明らかになり、ナトリウムチャネル作用薬は優れた疼痛治療薬、特に神経因性疼痛治療薬となることが期待されている(Taylor CP, Current Pharmaceutical Design 2: 375-388, 1996)。
神経因性疼痛とは、末梢又は中枢神経機能異常による疼痛を意味し、糖尿病性神経障害の疼痛、癌性疼痛、三叉神経痛、幻肢痛、帯状疱疹後疼痛、視床痛等が挙げられる。神経因性疼痛の臨床像は、締め付けるような痛み、焼き付けるような痛み、痛覚過敏及び異痛症(アロディニア)等である。
【0003】
医療現場において、疼痛緩和の目的には非ステロイド抗炎症薬及びモルヒネ等の麻薬性鎮痛薬等が使用され、さらに近年、ナトリウムチャネル阻害薬である抗不整脈薬及び抗痙攣薬も、疼痛緩和の目的に使用されるようになった。
非ステロイド抗炎症薬は、鎮痛効果は完全に満足されておらず、さらに胃腸障害、腎臓障害等の副作用の問題を有する。モルヒネ等の麻薬性鎮痛薬は主に侵害受容性疼痛に対する効果は高いが、消化器系、呼吸器系、中枢神経系への副作用の問題が大きい。また一般的にこれらの薬剤は、神経因性疼痛に対して効果が弱い。
既存のナトリウムチャネル阻害薬である、リドカイン、メキシレチン等の抗不整脈薬、カルバマゼピン等の抗痙攣薬も疼痛緩和に利用されるようになってきた。しかしながら、これらのナトリウムチャネル阻害薬には、痙攣、眠気等の中枢性副作用、徐脈等の末梢性副作用があるため、充分な増量が難しく、その結果充分な鎮痛効果が得られないという問題があった。
【0004】
以上のように、神経因性疼痛の治療に有用な効果を有し、かつ安全性にも優れた鎮痛薬は未だ見出されていない。従って、特に神経因性疼痛に対し鎮痛効果が高く、副作用の軽減されたナトリウムチャネル阻害薬が求められている。
このようなナトリウムチャネル阻害薬として、下記一般式で示される化合物が開示されている(特許文献1参照)。
【化1】

(上記式中Wは置換されていてもよいC1-6アルキレン基等を、Zは置換されていてもよいC6-14芳香族炭化水素環基等を、lは0〜6の整数を、R1及びR2は水素原子等を示す。上記式中の記号の詳細は特許文献1参照。)
しかし、特許文献1に開示された化合物は、ピペリジン環が低級アルキレン基等(W)を介して、芳香族炭化水素環基等(Z)と結合し、ピペリジン環の1位で低級アルキレンを介して、オキソジヒドロピリジン環と結合したものであり、本発明のナトリウムチャネル阻害薬における有効成分、並びに本発明のピペリジン誘導体又はその製薬学的に許容される塩とは基本構造を全く異にする。
【0005】
また、下記式で示される化合物(A)の合成中間体として化合物(I−1)が開示されている(特許文献2の参考例30参照)。
【化2】

しかしながら、特許文献2には、化合物(A)はPARP阻害剤として神経細胞保護作用を有することが記載されているものの、化合物(A)及びその合成中間体である化合物(I−1)が、ナトリウムチャネル阻害作用を有し、神経因性疼痛に対して鎮痛作用を示すことは、示唆も開示もされていない。
【0006】
さらに、下記式で示される化合物(B)の合成中間体として化合物(I−2)が開示されている(特許文献3の実施例33参照)。
【化3】

しかしながら、化合物(B)は高血圧又は肥満等の治療に用いられることが記載されているものの、化合物(B)及びその合成中間体である化合物(I−2)が、ナトリウムチャネル阻害作用を有し、神経因性疼痛に対して鎮痛作用を示すことは、示唆も開示もされていない。
【特許文献1】国際公開第WO01/53288号パンフレット
【特許文献2】国際公開第WO03/63874号パンフレット
【特許文献3】米国特許第5668151号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、神経因性疼痛に対し鎮痛効果が高く、副作用の軽減されたナトリウムチャネル阻害剤、並びにナトリウムチャネル阻害剤として有用な新規なピペリジン誘導体又はその製薬学的に許容される塩及びそれを有効成分として含有する医薬組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らはピペリジン誘導体に関し鋭意研究を行ったところ、ピペリジン環が、ベンゼン環又はヘテロ環(A環)と直結し、さらにA環がさらにベンゼン環と直結する3環系ピペリジン誘導体又はその製薬学的に許容される塩が、ナトリウムチャネルに対する強い阻害作用(活性)を有し、さらに病態動物モデルであるストレプトゾトシン誘発糖尿病性神経障害マウスに対して良好な鎮痛作用を有することを見出し、またベンゼン環とピペリジン環とがベンゼン環(A環)のオルト位で結合する新規な3環系ピペリジン誘導体、及びA環がチオフェン環である新規な3環系ピペリジン誘導体が、ナトリウムチャネルに対する特に強い阻害作用(活性)を有することを見出し本発明を完成させた。すなわち、本発明によれば、以下のナトリウムチャネル阻害剤、並びにナトリウムチャネル阻害剤として有用な新規なピペリジン誘導体又はその製薬学的に許容される塩及びそれを有効成分として含有する医薬組成物が提供される。
【0009】
[1] 下記一般式(I)で示されるピペリジン誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有するナトリウムチャネル阻害剤(以下、「第1の発明」ということがある)。
【化4】

(上記式(I)中の記号は、それぞれ以下の意味を有する。
A環:ベンゼン環、又はN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜3個有する5又は6員ヘテロ環、
1〜R6:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル、−O−低級アルキル、−O−アリール、アリール、シクロアルキル、−C(=O)−低級アルキル、COOH、−C(=O)−O−低級アルキル、−C(=O)−NH2、−C(=O)NH−低級アルキル、−C(=O)N−(低級アルキル)2、OH、−O−C(=O)−低級アルキル、NH2、−NH−低級アルキル、−N−(低級アルキル)2、−NH−C(=O)−低級アルキル、CN又はNO2
【0010】
[2] 下記一般式(a)又は(b)で示されるピペリジン誘導体又はその製薬学的に許容される塩(以下、「第2の発明」ということがある)。
【化5】

(上記式(a)又は(b)中の記号は、それぞれ以下の意味を有する。
1〜R6:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル、−O−低級アルキル、−O−アリール、アリール、シクロアルキル、−C(=O)−低級アルキル、COOH、−C(=O)−O−低級アルキル、−C(=O)−NH2、−C(=O)NH−低級アルキル、−C(=O)N−(低級アルキル)2、OH、−O−C(=O)−低級アルキル、NH2、−NH−低級アルキル、−N−(低級アルキル)2、−NH−C(=O)−低級アルキル、CN又はNO2
【0011】
[3] 前記[2]に記載のピペリジン誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【0012】
[4] ナトリウムチャネル阻害剤である前記[3]に記載の医薬組成物。
【発明の効果】
【0013】
本発明によって、神経因性疼痛に対し鎮痛効果が高く、副作用の軽減されたナトリウムチャネル阻害剤、並びにナトリウムチャネル阻害剤として有用な新規なピペリジン誘導体又はその製薬学的に許容される塩及びそれを有効成分として含有する医薬組成物が提供される。
なお、後述する薬理試験によって、本発明(第1の発明)のナトリウムチャネル阻害薬における有効成分(上記一般式(I)で示されるピペリジン誘導体(以下、「有効成分(I)」ということがある)又はその製薬学的に許容される塩)、並びに本発明(第2の発明)の上記一般式(a)又は(b)で示されるピペリジン誘導体(以下、「本発明化合物(I)」ということがある)又はその製薬学的に許容される塩は、メキシレチンより優れたナトリウムチャネル阻害活性を有する化合物であることが確認された。また、病態動物モデルである糖尿病性神経障害マウスにおいて、経口投与で良好な鎮痛作用を示すことが確認された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明(第1の発明)のナトリウムチャネル阻害薬における有効成分(I)、及び本発明(第2の発明)の本発明化合物(I)等につき具体的に説明する。
【0015】
「低級」なる用語は、特に断わらない限り、炭素数が1〜6個の直鎖又は分岐状の炭素鎖を意味する。
「低級アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル等のC1-6アルキルが挙げられ、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、tert−ブチルである。
N、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜3個有する飽和又は不飽和の5又は6員ヘテロ環」としては、フラン、チオフェン、ピロール、ピリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン等の不飽和環;ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン等の飽和環が挙げられ、好ましくは、フラン、チオフェン、ピリミジン、モルホリンであり、特に好ましくは、チオフェンである。
「ハロゲン原子」としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、好ましくは、フッ素、塩素である。
「シクロアルキル」とは、炭素数が3〜14個の1〜3環系脂肪族飽和炭化水素環基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロヘプチル、ビシクロオクチル、ビシクロノニル、ビシクロデカニル、トリシクロノニル、トリシクロデカニル、トリシクロウンデカニル、トリシクロドデカニル等が挙げられ、好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルである。
「アリール」とは、炭素数が6〜14個の1〜3環系芳香族炭化水素環基を意味し、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル等が挙げられ、好ましくは、フェニル、ナフチルである。
【0016】
有効成分(I)及び本発明化合物(I)は、置換基の種類によっては光学異性体(光学活性体、ジアステレオマー等)又は幾何異性体が存在する。従って、有効成分(I)及び本発明化合物(I)には、これらの光学異性体又は幾何異性体の混合物や単離されたものも含まれる。
また、有効成分(I)及び本発明化合物(I)は、酸付加塩又は塩基との塩を形成することができる。例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸との酸付加塩;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマール酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩;ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機塩基との塩;メチルアミン、エチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、リジン、オルニチン等の有機塩基との塩を挙げることができる。さらに、有効成分(I)及び本発明化合物(I)、又はその製薬学的に許容される塩は、水和物、エタノール等の溶媒和物や結晶多形を形成することができる場合がある。
【0017】
さらに、有効成分(I)及び本発明化合物(I)には、生体内において代謝されて有効成分(I)及び本発明化合物(I)、又はその製薬学的に許容される塩に変換される化合物、いわゆるプロドラッグもすべて含まれる。有効成分(I)及び本発明化合物(I)のプロドラッグを形成する基としては、Prog. Med. 5:2157-2161(1985)に記載されている基や、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163〜198に記載されている基が挙げられる。具体的には、加水分解、加溶媒分解により、又は生理学的条件の下で本発明におけるような1級アミン又は2級アミン、OH、HOC(=O)−等に変換できる基であり、OHのプロドラッグとしては、例えば、置換されてもよい低級アルキル−C(=O)O−、置換されてもよいアリール−C(=O)O−、ROC(=O)−置換されてもよい低級アルキレン−C(=O)O−(RはH−又は低級アルキルを示す。以下同様)、ROC(=O)−置換されてもよい低級アルケニレン−C(=O)O−、ROC(=O)−低級アルキレン−O−低級アルキレン−C(=O)O−、ROC(=O)−C(=O)O−、ROS(=O)2−置換されてもよい低級アルケニレン−C(=O)O−、フタリジル−O−、5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オン−4−イル−メチルオキシ等が挙げられる。
以下、有効成分(I)及び本発明化合物(I)の代表的な製造法、原料合成及び処方について説明する。
【0018】
[製造法]
有効成分(I)及び本発明化合物(I)は、その基本骨格又は置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の合成法を適用して製造することができる。以下に代表的な製法について説明する。
【0019】
【化6】

(上記式中、R1〜R6は、前述の基を示す。また、MはLi、MgBr等を示す。Yはtert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等のアミノ基の保護基を示す。以下同様である。)
【0020】
有効成分(I)及び本発明化合物(I)は、その基本骨格又は置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の合成法を適用して製造することができるが、以下に一般的な製法について説明する。常法によるアリールリチウム、アリールグリニャール試薬等のアリール金属と窒素をアミノ基の保護基で保護したオキソピペリジン誘導体との反応(Bioorg. Med. Chem., 10, 371-383 (2002) ; Tetrahedron., 21, 3331-3349 (1965))、さらに生じたアルコール誘導体の脱水(J. Org. Chem., 54, 4795-4800 (1989) ; J. Org. Chem., 66, 7804-7810 (2001) ; J. Org. Chem., 66, 3593-3596 (2001))、還元(Bioorg. Med. Chem., 10, 371-383 (2002))、及び脱保護(Protective groups in Organic Synthesis, third ed., Theodora W. Greene & Peter G. M. Wuts, INC.)により得ることができる。
【0021】
有効成分(I)及び本発明化合物(I)の原料化合物は、前述の文献(Bioorg. Med. Chem., 10, 371-383 (2002) ; Tetrahedron., 21, 3331-3349 (1965) ; J. Org. Chem., 54, 4795-4800 (1989) ; J. Org. Chem., 66, 7804-7810 (2001) ; J. Org. Chem., 66, 3593-3596 (2001) ; Bioorg. Med. Chem., 10, 371-383 (2002) ; Protective groups in Organic Synthesis, third ed., Theodora W. Greene & Peter G. M. Wuts, INC.)及び(Synlett., 3, 207-210 (1992))に記載された合成法に準じて容易に製造することができる。
このようにして製造された有効成分(I)及び本発明化合物(I)、又はその製薬学的に許容される塩は遊離のまま、或いはその製薬学的に許容される塩として単離される。有効成分(I)及び本発明化合物(I)の塩は遊離の塩基である有効成分(I)及び本発明化合物(I)に通常の造塩反応を付すことにより製造することができる。
【0022】
このようにして製造された有効成分(I)及び本発明化合物(I)、又はその製薬学的に許容される塩の単離精製は、抽出、濃縮、留去、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常の化学操作を適用して行われる。
各種の異性体は、適当な原料化合物を選択することにより、或いは異性体間の物理的又は化学的性質の差を利用して分離することができる。例えば、光学異性体は、適当な原料を選択することにより、或いはラセミ化合物のラセミ分割法(例えば、一般的な光学活性な酸とのジアステレオマー塩に導き、光学分割する方法等)により立体化学的に純粋な異性体に導くことができる。
【0023】
[処方]
有効成分(I)及び本発明化合物(I)、又はその製薬学的に許容される塩は、一般的に用いられている種々の処方を適用できる。以下にその代表的な処方について説明する。
有効成分(I)及び本発明化合物(I)、又はその製薬学的に許容される塩の1〜2種以上を有効成分として含有する医薬組成物は、製薬学的に許容される担体を含むことができ、通常製剤化に用いられる担体や賦形剤、その他の添加剤を用いて、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、液剤、注射剤、坐剤、軟膏、貼付剤等に調製され、経口的(舌下投与を含む)又は非経口的に投与される。
有効成分(I)及び本発明化合物(I)、又はその製薬学的に許容される塩の投与量は適用される患者の症状、体重、年齢、性別、投与ルート等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定されるが、通常成人1人当たり、1日につき1mg〜1000mg、好ましくは、10mg〜200mgの範囲で1日1回から数回に分け経口投与されるか、成人1人当たり、1日につき1mg〜500mgの範囲で、1日1回から数回に分け静脈内投与されるか、又は1日1時間〜24時間の範囲で静脈内持続投与される。もちろん前述のように、投与量は種々の条件で変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もある。
本発明による経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、少なくとも1つの活性物質が、少なくとも1つの不活性な希釈剤、例えば、乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと混合される。組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤;デンプン、繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤;ラクトースのような安定化剤;グルタミン酸、アスパラギン酸のような溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は、必要により、ショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等の糖衣、又は胃溶性若しくは腸溶性のフィルムで被膜してもよい。
【0024】
経口投与のための液体組成物は、製薬学的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば、精製水、エタノール等を含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に可溶化乃至溶解補助剤、湿潤剤、懸濁剤のような補助剤;甘味剤;風味剤;芳香剤;防腐剤等を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えば、注射剤用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁剤としては、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油;エタノールのようなアルコール類;ポリソルベート80(商品名)等がある。この様な組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例えば、ラクトース)、可溶化乃至溶解補助剤のような添加剤を含んでもよい。これらは、例えば、バクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合、又は照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射溶媒に溶解して使用することもできる。
【0025】
さらに有効成分(I)及び本発明化合物(I)、又はその製薬学的に許容される塩は、疼痛に有効な他の薬剤と共に使用してもよい。併用可能な疼痛に有効な薬剤としては、麻薬性鎮痛薬、解熱性鎮痛薬、非ステロイド抗炎症薬等が挙げられる。
【実施例】
【0026】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下、有効成分(I)及び本発明化合物(I)の製造例を具体的に説明する。なお、実施例で使用する原料化合物の製造例を参考例1〜22として説明する。
【0027】
(参考例1)
1−ブロモ−2−ヨードベンゼン2.0gのジメトキシエタン30ml溶液に水15ml、2,6−ジメチルフェニルボラン酸1.06g、炭酸ナトリウム2.25g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム408mgを加え、1週間加熱還流した。反応液を室温まで冷却後ジエチルエーテルを加えて抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により精製して、2’−ブロモ−2,6−ジメチルビフェニル1.13gを得た。
【0028】
(参考例2)
参考例1と同様にして表1に示す化合物を得た。
【0029】
(参考例3)
2−ブロモ−4'−メトキシビフェニル945mgのテトラヒドロフラン25ml溶液に、アルゴン雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウムヘキサン溶液2.39mlを加え、20分間攪拌した。これにベンジル 4−オキソピペリジン−1−カルボキシラート879mgのテトラヒドロフラン10ml溶液を加え1時間攪拌後室温で終夜攪拌した。反応液を飽和塩化ナトリウム水溶液にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して、ベンジル 4−ヒドロキシ−4−(4’−メトキシビフェニル−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート941mgを得た。
【0030】
(参考例4〜14)
参考例3と同様にして表1、3に示す化合物を得た。
(参考例15)
マグネシウム871mgのジエチルエーテル15ml縣濁液に対してアルゴン気流下中氷冷下臭素1.38mlを滴下し、氷冷下30分間攪拌、続いて室温で約1時間攪拌した。(反応液(1))一方アルゴン気流下ブチルリチウムヘキサン溶液12.5mlに対して-78℃中3−ブロモ−2−フェニルチオフェン4.28gのジエチルエーテル溶液40mlを滴下したのち、反応液(1)を滴下した。滴下終了後室温で1時間攪拌した。反応縣濁液をアルゴン雰囲気下濃縮した。(反応液(2))さらにtert−ブチル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシラート5.35gのジエチルエーテル溶液400mlに対して−78℃中反応液(2)を滴下し、滴下終了後-78℃で1時間攪拌、さらに室温で2時間攪拌した。終了後、反応液に飽和塩化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)で精製して、tert−ブチル 4-ヒドロキシ−4−(2−フェニル−3−チエニル)ピペリジン−1−カルボキシラート6.35gをtert−ブチル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシラートとの混合物として得た。
【0031】
(参考例16)
参考例15と同様にして表2に示す化合物を得た。
(参考例17)
ベンジル 4−ヒドロキシ−4−(4’−メトキシビフェニル−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート250mgのトルエン5ml溶液にp-トルエンスルホン酸1水和物22mgを加え、1時間半加熱還流した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を濃縮してベンジル 4−(4'−メトキシビフェニル−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシラート230mgを得た。
【0032】
(参考例18〜22)
参考例17と同様にして表2、3に示す化合物を得た。
【0033】
(実施例1)
ベンジル 4−(4’−メトキシビフェニル−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシラート220mgのメタノール3ml縣濁液にアルゴン雰囲気下10%パラジウム−活性炭素50mgを加えた後水素雰囲気下室温で終夜攪拌した。さらにアルゴン雰囲気下水酸化パラジウム50mgを加え、約3.4気圧の水素雰囲気下室温で2日間攪拌した。反応液を濾過後濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−アンモニア水)により精製した。精製物をエタノールに溶解させた後、4M塩酸/酢酸エチル溶液0.14mlを加え、濃縮して結晶を得た。得られた結晶をエタノール−酢酸エチルより再結晶して、4−(4'−メトキシビフェニル−2−イル)ピペリジン 1塩酸塩93mgを得た。
【0034】
(実施例2〜8)
実施例1と同様にして表4、5に示す化合物を得た。
(実施例9)
tert−ブチル−4−(4’−フルオロビフェニル−2−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート及びtert−ブチル 4-オキソピペリジン−1−カルボキシラートの混合物500mgに、トリエチルシラン2ml、トリフルオロ酢酸4mlを加え、室温で1時間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−アンモニア水)により精製して、4−(4’−フルオロビフェニル−2−イル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン179mgを得た。得られた4−(4’−フルオロビフェニル−2−イル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン179mgのエタノール5ml溶液に、1M塩酸水溶液1ml、10%パラジウム−活性炭素20mgを加え、水素雰囲気下室温で2時間攪拌した。反応液を濾過後濾液を濃縮し、得られた結晶をエタノール−酢酸エチルより再結晶して、4−(4’−フルオロビフェニル−2−イル)ピペリジン 1塩酸塩92mgを得た。
(実施例10〜11)
実施例9と同様にして表5に示す化合物を得た。
【0035】
(実施例12)
tert−ブチル 4−ヒドロキシ−4−(2’−メチルビフェニル−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート及びtert−ブチル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシラートの混合物640mgのエタノール10ml溶液にテトラヒドロフラン2ml、水酸化パラジウム100mgを加え、約3.4気圧の水素雰囲気下室温で3日間攪拌した。反応液を濾過後濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、tert−ブチル 4−(2’−メチルビフェニル−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート150mgを得た。続いてtert−ブチル 4−(2’−メチルビフェニル−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシラート203mgのエタノール2ml縣濁液に4M塩酸/酢酸エチル溶液5mlを加え、室温で2時間攪拌した。反応液を濃縮し、結晶化した残渣をエタノール−酢酸エチルを用いて再結晶を行い、4−(2’−メチルビフェニル−2−イル)ピペリジン 1塩酸塩157mgを得た。
【0036】
(実施例13)
tert−ブチル−4−ヒドロキシ−(5−フェニル−2−チエニル)ピペリジン−1−カルボキシラート及びtert−ブチル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシラートの混合物1.3gに、トリエチルシラン3ml、トリフルオロ酢酸6mlを加え、水浴で1時間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−アンモニア水)により精製した。精製物をエタノールに溶解させた後、4M塩酸/酢酸エチル溶液2.0mlを加え、濃縮して結晶を得た。得られた結晶をエタノール−酢酸エチルより再結晶して、4−(5−フェニル−2−チエニル)ピペリジン 1塩酸塩320mgを得た。
【0037】
(実施例14〜17)
実施例13と同様にして表6に示す化合物を得た。
【0038】
参考例及び実施例で得られた化合物の化学構造式と物理化学的性状を表1〜6に示す。また、表7〜9に記載されている化合物は、前述の製造法、参考例、実施例の製造法、並びに通常の当業者にとって公知の製造法及びそれらの変法等を用いて容易に得ることができる。
表中の記号は以下の意味を示す。
Rf.:参考例番号
Ex.:実施例番号
Me:メチル基
Salt:塩
MS:質量スペクトル(特記しない限りFAB又はESI)m/z:
NMR:核磁気共鳴スペクトル(特記しない限り400MHz 1H−NMR、DMSO−d6、TMS内部標準)δ(ppm):
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
【表3】

【0042】
【表4】

【0043】
【表5】

【0044】
【表6】

【0045】
【表7】

【0046】
【表8】

【0047】
【表9】

【0048】
[薬理試験]
(ナトリウムチャネル阻害作用試験)
有効成分(I)及び本発明化合物(I)のうち代表的な化合物のナトリウムチャネル阻害作用はラットの脳組織を用いた[14C]グアニジン取り込み実験により確認した。[14C]グアニジン取り込み実験はBonischらの方法(British Journal of Pharmacology 108, 436-442, 1993)を改変して行った。ナトリウムのトレーサーである[14C]グアニジンを用い、ナトリウムチャネル活性化剤であるベラトリジンによって誘発される[14C]グアニジンのラット大脳皮質初代神経細胞への取り込みに対する阻害活性を測定した。
【0049】
a.ラット大脳皮質初代神経細胞培養系の調製
妊娠ラット(Wistar、雌、妊娠19日齢)をエーテル麻酔し、頸動脈切断により脱血死させた。妊娠ラットより胎児を摘出し、消毒用エタノールで消毒したのち大脳皮質を摘出した。大脳皮質をパパインで消化し、培養液に分散後ポリ−L−リジンコーティングした96ウェル白色プレートに2.5×105細胞/ウェルの密度で捲種し、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2)で2日間培養した。
【0050】
b.試験化合物の評価
各ウェルをアッセイバッファー(135mM Choline Cl,5mM KCl,1mM MgSO4,5.5mM Glucose,1mg/mL BSA,10mM Hepes-Tris,pH7.4)で1回洗浄した後、アッセイバッファーを加え25℃で10分インキュベーションを行った。その後反応溶液(試験化合物、[14C]グアニジン及び100μMベラトリジン)に置換し、25℃で15分インキュベーションを行った。反応の停止は冷洗浄バッファー(135mM NaCl,5mM KCl,1mM MgSO4,10mM Hepes-Tris,pH7.4)で3回洗浄することにより行った。各ウェルに17μLの0.1N NaOHを加え攪拌後、100μLのシンチレーターを加えさらに攪拌し、液体シンチレーションカウンターで放射能を測定した。各実験におけるナトリウムチャネル特異的取り込み量は、全取り込みのうち1mMメキシレチンにより阻害された部分とした。試験化合物のナトリウムチャネルへの作用は、特異的取り込みに対する50%阻害率(IC50値)で表す。
【0051】
表10に示すように、有効成分(I)及び本発明化合物(I)は約3〜30μMのIC50値を示し、メキシレチン(約70μM)に比してより強力であった。
【0052】
【表10】

【0053】
(ストレプトゾトシン誘発糖尿病性神経障害モデルにおける鎮痛作用)
有効成分(I)及び本発明化合物(I)のうち代表的な化合物の神経因性疼痛の抑制効果はストレプトゾトシン(STZ)誘発糖尿病性神経障害マウスにおける鎮痛作用の評価により確認した。評価はKameiらの方法(Pharmacology Biochemistry & Behavior 39, 541-544, 1991)を一部改変して行った。
【0054】
雄性4週齢ICRマウスに200mg/kg体重のSTZを腹腔内投与し、糖尿病性神経障害モデルを作成した。鎮痛作用の評価法はtail pinch testを採用した。すなわち、鎮痛作用は尾をクランメで挟んでから動物が振り向き反応をとるまでの潜時の延長幅(秒)として検出した。STZ投与後14日目に試験化合物投与前試験を行い、試験化合物投与前反応潜時を測定した。試験化合物投与前反応潜時が3秒以下の動物のみを翌日(STZ投与後15日目)の試験化合物評価試験に供した。試験化合物評価試験においては試験化合物投与後反応潜時を測定した。試験化合物は30mg/kgを反応潜時測定の45分前に経口投与した。試験化合物の鎮痛作用は、(試験化合物投与後反応潜時)−(試験化合物投与前反応潜時)の計算式によって潜時の延長幅(秒)として表す。
【0055】
表11に示すように、有効成分(I)及び本発明化合物(I)は約2〜6秒の潜時の延長幅(秒)を示し、良好な鎮痛作用を有していた。
【0056】
【表11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で示されるピペリジン誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有するナトリウムチャネル阻害剤。
【化1】

(上記式(I)中の記号は、それぞれ以下の意味を有する。
A環:ベンゼン環、又はN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜3個有する5又は6員ヘテロ環、
1〜R6:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル、−O−低級アルキル、−O−アリール、アリール、シクロアルキル、−C(=O)−低級アルキル、COOH、−C(=O)−O−低級アルキル、−C(=O)−NH2、−C(=O)NH−低級アルキル、−C(=O)N−(低級アルキル)2、OH、−O−C(=O)−低級アルキル、NH2、−NH−低級アルキル、−N−(低級アルキル)2、−NH−C(=O)−低級アルキル、CN又はNO2
【請求項2】
下記一般式(a)又は(b)で示されるピペリジン誘導体又はその製薬学的に許容される塩。
【化2】

(上記式(a)又は(b)中の記号は、それぞれ以下の意味を有する。
1〜R6:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル、−O−低級アルキル、−O−アリール、アリール、シクロアルキル、−C(=O)−低級アルキル、COOH、−C(=O)−O−低級アルキル、−C(=O)−NH2、−C(=O)NH−低級アルキル、−C(=O)N−(低級アルキル)2、OH、−O−C(=O)−低級アルキル、NH2、−NH−低級アルキル、−N−(低級アルキル)2、−NH−C(=O)−低級アルキル、CN又はNO2
【請求項3】
請求項2に記載のピペリジン誘導体又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項4】
ナトリウムチャネル阻害剤である請求項3に記載の医薬組成物。

【公開番号】特開2008−1596(P2008−1596A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−257280(P2004−257280)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(000006677)アステラス製薬株式会社 (274)
【出願人】(592086318)壽製薬株式会社 (24)
【Fターム(参考)】