説明

ナトリウムチャンネル遮断薬としてのビアリール置換トリアゾール

式I、II又はIIIで表されるビアリール置換トリアゾール化合物又はこの医薬適合性の塩、並びにこのような化合物及びこの塩の製造方法。医薬組成物は、有効量の本化合物(単独で、又は1種又はそれ以上の別の治療活性化合物と組み合わせて)と医薬適合性の担体とを含有してなる。ナトリウムチャネル活性に関連するか又はこれによって引き起こされる病気、例えば急性疼痛、慢性疼痛、内臓疼痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛、てんかん、過敏性腸症候群、うつ病、不安、多発性硬化症及び双極性障害の治療方法は、有効量の本化合物を単独で又は1種又はそれ以上の別の治療活性化合物と組み合わせて投与することからなる。局部麻酔薬の投与方法は、有効量の本発明の化合物(単独で又は1種又はそれ以上の別の治療活性化合物と組み合わせて)と医薬適合性の担体とを投与することからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一連のビアリール置換トリアゾール化合物に関する。特に、本発明は、慢性及び神経障害性疼痛の治療に有用なナトリウムチャンネル遮断薬であるビアリール置換トリアゾールに関する。本発明の化合物はまた、他の病気、例えばてんかん、躁うつ病、双極性障害、うつ病、不安及び糖尿病性神経障害などの中枢神経系(CNS)の疾患の治療にも有用である。
【背景技術】
【0002】
電位依存性イオンチャンネルは、電気興奮性細胞に活動電位を発生させ、伝播させるので、神経及び筋肉機能にとって重要である。ナトリウムチャネルは、急速な脱分極に介在することによって特別な役割を果たす。脱分極は、活動電位の立ち上がり期を構成し、次々に電位依存性カルシウムチャンネル及びカリウムチャネルを活性化する。電位依存性ナトリウムチャネルは、多重遺伝子ファミリーに相当する。9種類のナトリウムチャネルサブタイプが、今日までにクローン化され、機能的に発現されている〔Clare,J.J.,Tate,S.N.,Nobbs,M. & Romanos,M.A. Voltage−gated sodium channels as therapeutic targets.Drug Discovery Today ,506−520(2000)〕。これらのナトリウムチャンネルサブタイプは、筋肉及び神経組織全体において種々の形で発現され、種々の生物物理学的性質を示す。全ての電位依存性ナトリウムチャネルは、他のイオンよりもナトリウムに対する高度な選択性と、この電位依存性開閉とに特徴がある〔Catterall,W.A. Structure and function of voltage−gated sodium and calcium channels. Current Opinion in Neurobiology ,5−13(1991)〕。負又は過分極の膜電位では、ナトリウムチャネルが閉じられる。膜の脱分極の後に、ナトリウムチャネルは急速に開き、次いで不活性化する。ナトリウムチャネルは開いた状態で流れを通すだけであり、いったん不活性化されると、再度開くことができる前に、膜過分極に好都合な静止状態に戻らなければならない。種々のナトリウムチャネルサブタイプは、これらが活性化しおよび不活性化する電圧の範囲において並びにこれらの活性化及び不活性化速度において変化する。
【0003】
ナトリウムチャネルは、様々な薬剤、例えば神経毒、抗不整脈薬、抗けいれん薬及び局部麻酔薬の標的である〔Clare,J.J.,Tate,S.N.,Nobbs,M. & Romanos,M.A. Voltage−gated sodium channels as therapeutic targets. Drug Discovery Today ,506−520(2000)〕。ナトリウムチャネルの二次構造の幾つかの領域は、これらの遮断薬との相互作用に関与し、大部分が高度に保存されている。実際、これまでに公知の大部分のナトリウムチャンネル遮断薬は、全てのチャンネルサブタイプと同様の効力で相互作用する。にもかかわらず、治療選択性と、てんかんの治療(例えば、ラモトリジン、フェニトイン及びカルバマゼピン)及びある種の心不整脈の治療(例えば、リグノカイン、トカイニド及びメキシレチン)に十分な治療窓を有するナトリウムチャンネル遮断薬を製造することができるようになった。
【0004】
神経の電位依存性Naチャンネルが神経障害性疼痛に重要な役割を果たすことは、周知である。末梢神経系の損傷は、初期損傷がなくなった後に長く持続する神経障害性疼痛をもたらす場合が多い。神経障害性疼痛の例としては、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、糖尿病性神経障害、慢性腰痛、幻肢疼痛、癌及び化学療法により生ずる疼痛、慢性骨盤痛、複合性局所疼痛症候群及び関連神経痛が挙げられるが、これらに限定されない。ヒト患者及び神経障害性疼痛の動物モデルにおいて、一次求心性感覚性ニューロンの損傷は、神経腫の形成及び自発的活動、並びに通常の無害な刺激に応答して誘発される活動を招き得ることが明らかにされている〔Carter,G.T. and B.S.Galer,Advances in the management of neuropathic pain. Physical Medicine and Rehabilitation Clinics of North America,2001,12(2):p.447−459〕。通常のサイレント感覚性ニューロンの異所性活動は、神経障害性疼痛の発生及び持続の一因となると考えられる。神経障害性疼痛は、一般に損傷した神経におけるナトリウムチャネル活性の増大に関係していると推定される〔Baker,M.D. and J.N.Wood,Involvement of Na channels in pain pathways. TRENDS in Pharmacological Sciences,2001.22(1):p.27−31〕。
【0005】
実際、末梢神経損傷のラットモデルにおいて、損傷した神経での異所性作用は、疼痛の行動徴候に対応する。これらのモデルにおいて、ナトリウムチャンネル遮断薬及び局部麻酔薬リドカインの静脈内投与は、一般行動及び運動機能に影響を及ぼさない濃度で異所性作用を抑制し、触覚異痛症を無効にすることができる〔Mao,J. and L.L.Chen,Systemic lidocaine for neuropathic pain relief. Pain,2000.87:p.7−17〕。これらの有効濃度は、ヒトで臨床的に有効であると証明されている濃度と同様の濃度である〔Tanelian,D.L. and W.G.Brose,Neuropathic pain can be relieved by drugs that are use−dependent sodium channel blockers:lidocaine,carbamazepine and mexiletine. Anesthesiology,1991.74(5):p.949−951〕。プラセボでコントロールした研究では、リドカインの連続注入は、末梢神経損傷を有する患者において疼痛評点の低下を生じ、また別の研究では、静脈内リドカインは、帯状疱疹後神経痛(PHN)に伴う疼痛の強さを緩和した〔[Mao,J.and L.L.Chen,Systemic lidocaine for neuropathic pain relief. Pain,2000.87:p.7−17. Anger,T.ら,Medicinal chemistry of neuronal voltage−gated sodium channel blockers. Journal of Medicinal Chemistry,2001.44(2):p.115−137〕。皮膚貼付剤の形で施用されたLidoderm(登録商標)すなわちリドカインは、現在、PHNのFDA承認を受けた治療だけである〔Devers,A. and B.S.Galer,Topical lidocaine patch relieves a variety of neuropathic pain conditions:an open−label study. Clinical Journal of Pain,2000.16(3):p.205−208〕。
【0006】
神経障害性疼痛の他に、ナトリウムチャンネル遮断薬は、てんかん及び心不整脈の治療に臨床使用されている。動物モデルからの最近の証拠は、ナトリウムチャンネル遮断薬はまた、脳卒中又は神経外傷によって引き起こされる虚血状態下で及び多発性硬化症(MS)を有する患者において神経保護に有用であり得ることを示唆している〔Clare.J.J.ら及びAnger,T.ら〕。
【0007】
国際特許公開第WO00/57877号明細書には、アリール置換ピラゾール類、イミダゾール類、オキサゾール類、チアゾール類及びピロール類並びにこれらのナトリウムチャンネル遮断薬としての使用が記載されている。国際特許公開第WO01/68612号明細書には、アリール置換ピリジン類、ピリミジン類、ピラジン類及びトリアジン類並びにこれらのナトリウムチャンネル遮断薬としての使用が記載されている。国際特許公開第WO99/32462号明細書には、CNS疾患の治療用のトリアジン化合物が記載されている。しかし、副作用が少なく、しかも現在公知の化合物よりも高い効果で神経ナトリウムチャネルを治療的に遮断する新規な化合物及び組成物に対する要求が依然としてある。
【発明の開示】
【0008】
発明の要約)
本発明は、慢性及び神経障害性の疼痛の治療に有用なナトリウムチャンネル遮断薬であるビアリール置換トリアゾール化合物に関する。本発明の化合物はまた、他の病気、例えばてんかん、躁うつ病及び双極性障害などのCNS障害の治療に有用である。本発明はまた、本発明の化合物(単独で又は1種又はそれ以上の治療活性化合物と組み合わせて)と医薬適合性の担体とを含有してなる医薬組成物を提供する。
【0009】
本発明は、さらに本発明の化合物及び医薬組成物を投与することからなる急性疼痛、慢性疼痛、内臓疼痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛並びにCNSの障害、例えばてんかん、躁うつ病、うつ病、不安及び双極性障害(これらに限定されない)の治療方法を含む。本発明はまた、本化合物の製造方法を包含する。
【0010】
発明の詳細な説明)
本発明は、式(I)又は(II)
【0011】
【化4】


{式中、
は、
(a)H;
(b)C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル又はC−C−アルキル−[C−C−シクロアルキル](これらはいずれも、場合により次の置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、O−CONR、NR、N(R)CONR、COO−(C−C)アルキル、COOH、CN、CONR、SONR、N(R)SONR、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル又はピペラジニルの一つ又はそれ以上で置換されていてもよい。);
(c)C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル;
(d)NO
(e)NR、−N(COR)R、−N(SO)R、−N(R)SO、−N(OR)CONR又は−N(R)SON(R
(f)−CH(OR)R、−C(OR)CF、−CH(NHR)R、−C(=O)R、C(=O)CF、−SOCH、−SOCH、COOR、CN、CONR、−COCONR、−SONR、−CHO−SONR、SON(R)OR、−C(=NH)NH、−CR=N−OR、CH=CHCONR
(g)−CONR(CH0−2C(R)(R)(CH0−2CONR
(h)テトラゾリル、テトラゾリノニル、トリアゾリル、トリアゾリノニル、イミダゾリル、イミダゾロニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピラゾロニル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル又はフェニル(これらはいずれも、場合により、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)R、v)C−C−アルキル、vi)−O−R、vii)−NR、viii)−C−C−アルキル−CO−OR、ix)−(C−C−アルキル)−NH−CO−OR、x)−(C−C−アルキル)−CO−NR、xi)−S(O)0−2、xii)−SONR、xiii)−NHSO、xiv)−C−C−ペルフルオロアルキル、及びxv)−O−C−C−ペルフルオロアルキルの中から選択される1から3個の独立した置換基で置換されていてもよい。);
(i)−C(R)=C(R)−COOR又は−C(R)=C(R)−CONR
(j)
【0012】
【化5】

(k)ピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、ピロリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル又は4−置換ピペラジン−1−イル(これらはいずれも、場合により、i)−CN、ii)−C(=O)(R)、iii)C−C−アルキル、iv)−OR、v)−NR、vi)−C−C−アルキル−CO−OR、vii)−(C−C−アルキル)−NH−CO−OR、viii)−(C−C−アルキル)−CON(R)(R)、ix)−SR、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)R)、xii)−NRSO、xiii)−C−C−ペルフルオロアルキル及びxiv)−O−C−C−ペルフルオロアルキルの中から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい。)
であり;
は、
(a)H;
(b)場合により次の置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、−OCONH、−OCONH(C−Cアルキル)、−OCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、−OCONHC−Cアルキル−アリール)、−OCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル−アリール)、NH、NH(C−Cアルキル)、N(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、NH(C−Cアルキル−アリール)、N(C−Cアルキル)(C−Cアルキル−アリール)、NHCONH、NHCONH(C−Cアルキル)、NHCONH(C−Cアルキル−アリール)、−NHCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、NHCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル−アリール)、N(C−Cアルキル)CON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、N(C−Cアルキル)CON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル−アリール)、COO−(C−C−アルキル)、COOH、CN、CONH、CONH(C−Cアルキル)、CON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、SONH、SONH(C−Cアルキル)、SONH(C−Cアルキル−アリール)、SON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、NHSONH、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル又はピペラジニルの一つ又はそれ以上で置換されていてもよいC−C−アルキル;(c)C−C−アルキル−(C−C)−ペルフルオロアルキル;又は
(d)C−C−アルキル−アリール(但し、アリールは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル又はオキサジアゾリルであり、これらのアリールはいずれも、場合により、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(C−C−アルキル)、v)−O(C−C−アルキル)、vi)−N(C−C−アルキル)(C−C−アルキル)、vii)−C1−10アルキル、及びviii)−C1−10アルキルの中から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、アルキル炭素の一つ又はそれ以上は、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−又は−C≡C−で置換することができる。)
であり;
は、
(a)H;又は
(b)場合により、次の置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、−OCONH、−OCONH(C−Cアルキル)、NH、NH(C−Cアルキル)、N(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、NHCONH、NHCONH(C−Cアルキル)、−NHCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、COO−(C−C−アルキル)、COOH、CN又はCONHの一つ又はそれ以上で置換されていてもよいC−C−アルキル
であり;
は、
(a)H;
(b)−C−C−アルキル、−C−C−シクロアルキル又は−C−C−アルキル−(C−C)−シクロアルキル(場合により、次の置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、O−CONR、NR、N(R)CONR、COO−(C−C)アルキル、COOH、CN、CONR、SONR、N(R)SONR、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル又はピペラジニルの一つ又はそれ以上で置換されていてもよい。);
(c)−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル
(d)アリール又は(C−C−アルキル)−アリール(但し、アリールは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル又はオキサジアゾリルであり、これらのアリールはいずれも、場合により、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、及びxiv)−C1−10アルキルの中から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、アルキル炭素の一つ又はそれ以上は、−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−又は−C≡C−で置換することができる。);
(e)−C(=O)(R)、−CONR、−COO−(C−C)アルキル、−SO、−SON(R)(R
であり;
及びRは、それぞれ独立して、
(a)H;
(b)−C−C−アルキル、−C−C−アルケニル、−C−C−アルキニル又は−C−C−シクロアルキル(これらはいずれも、場合により次の置換基:F、CF、−O−(C−C)アルキル、CN、−N(R)(R)、−N(R)CO−(C−C)アルキル、COOR、CON(R)(R)又はフェニルの一つ又はそれ以上で置換されていてもよい。);
(c)−O−C−C−アルキル、−O−アリール又は−O−C−C−アルキル−アリール(但し、アリールは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル又はオキサジアゾリルであり、これらのアリールはいずれも、場合により、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、及びxiv)−C1−10アルキルの中から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、アルキル炭素の一つ又はそれ以上は、−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−又は−C≡C−で置換することができる。);
(d)−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル又は−O−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル;又は
(e)CN、NH、NO、F、Cl、Br、I、OH、OCON(R)(R)O(C−C−アルキル)CONR、−OSON(R)(R)、COOR、CON(R)(R)又はアリール(但し、アリールは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル又はオキサジアゾリルであり、これらのアリールはいずれも、場合により、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、及びxiv)−C1−10アルキルの中から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、アルキル炭素の一つ又はそれ以上は、−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−又は−C≡C−で置換することができる。)
であり;
、R及びRは、それぞれ独立して、
(a)H;
(b)−C−C−アルキル、−C−C−アルケニル、−C−C−アルキニル又は−C−C−シクロアルキル(これらはいずれも、場合により次の置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、OCON(R)(R)、NR、COOR、CN、CONR、N(R)CONR、N(R)SONR、SONR、S(O)0−2(C−C−アルキル)、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル又はピペラジニルの一つ又はそれ以上で置換されていてもよい。);
(c)−O−C−C−アルキル、−O−C−C−シクロアルキル、−S−C−C−アルキル又は−S−C−C−シクロアルキル(これらはいずれも、場合により次の置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、NH、NH(C−C−アルキル)、N(C−C−アルキル)、COOH、CN、CONH、CONH(C−C−アルキル)、CONH(C−C−アルキル)、SONH、SONH(C−C−アルキル)、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル又はピペラジニルの一つ又はそれ以上で置換されていてもよい。);
(d)−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル又は−O−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル;
(e)−O−アリール又は−O−C−C−アルキル−アリール、(但し、アリールは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル又はオキサジアゾリルであり、これらのアリールはいずれも、場合により、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、及びxiv)−C1−10アルキルの中から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、アルキル炭素の一つ又はそれ以上は、−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−又は−C≡C−で置換することができる。);
(f)CN、N(R)(R)、NO、F、Cl、Br、I、−OR、−SR、−OCON(R)(R)、−OSON(R)(R)、COOR、CON(R)(R)、−N、−N(R)CON(R)(R)、−N(R)SON(R)(R)、−C(OR)R、−C(OR)CF、−C(NHR)CF、−C(=O)R、C(=O)CF、−SOCH、−SOCH、−NHSO(C1−6−アルキル)、−NHSO−アリール、SON(R)(R)、−CHOSON(R)(R)、SON(R)−OR、−C(=NH)NH、−CR=N−OR、CH=CH又はアリール(但し、アリールは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル又はオキサジアゾリルであり、これらのアリールはいずれも、場合により、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、及びxiv)−C1−10アルキルの中から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、アルキル炭素の一つ又はそれ以上は、−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−又は−C≡Cで置換することができる。);
であり;
但し、R及びRが、隣り合っているそれぞれの炭素原子上に存在する場合には、R及びRはこれらが結合しているベンゼン環と一緒になって、ナフチル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル及びベンゾイミダゾリルの中から選択される二環式芳香族環を形成していてもよく、これらはいずれも、場合により、i)ハロゲン、ii)−CN、iii)−NO、iv)−CHO、v)−O−C1−4アルキル、vi)−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、vii)−C0−4アルキル−CO−O(C0−4アルキル)、viii)−C(0−4アルキル)−NH−CO−O(C0−4アルキル)、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、x)−S(C0−4アルキル)、xi)−S(O)(C1−4アルキル)、xii)−SO(C0−4アルキル)、xiii)−SON(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、xiv)−NHSO(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、xv)−C1−10アルキル、及びxvi)−C1−10アルキルの中から選択される1から4個の独立した置換基で置換されていてもよく、炭素の一つ又はそれ以上は、−N(C0−6アルキル)−、−O−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(C0−6アルキル)−、−N(C0−6アルキル)−C(O)−、−N(C0−6アルキル)−C(O)−N(C0−6アルキル)−、−C(O)−、−CH(OH)、−C=C−又は−C≡C−で置換されていてもよい。}
で表される化合物又はこの医薬適合性の塩からなる。
【0013】
本発明は、さらに式III:
【0014】
【化6】

(式中、RからRはそれぞれ前記で定義した通りである。)
で表される化合物又はこの医薬適合性の塩からなる。
【0015】
一つの局面において、本発明は、RがH以外のものであり、オルト位に結合しているものであり、他の全ての可変要素が前記で定義した通りのものである前記化学式(I)で表される化合物又はこの医薬適合性の塩を提供する。
【0016】
この第一の局面の実施態様において、本発明は、Rが、−ORであり、他の全ての可変要素が前記で定義した通りのものである前記化学式(I)で表される化合物又はこの医薬適合性の塩を提供する。
【0017】
この第一の局面の別の実施態様において、本発明は、Rが場合により置換されていてもよいC−C−アルキル、場合により置換されていてもよいC−C−シクロアルキル、−C(=O)R又はCONRであり、他の全ての可変要素が前記で定義した通りのものである前記化学式(I)で表される化合物又はこの医薬適合性の塩を提供する。
【0018】
第二の局面において、本発明は、RがH以外のものであり、オルト位に結合しているものであり、他の全ての可変要素が前記で定義した通りのものである前記化学式
(II)で表される化合物又はこの医薬適合性の塩を提供する。
【0019】
この第二の局面の実施態様において、本発明は、Rが−ORであり、他の全ての可変要素が前記で定義した通りのものである前記化学式(II)で表される化合物又はこの医薬適合性の塩を提供する。
【0020】
この第二の局面の別の実施態様において、本発明は、Rが場合により置換されていてもよいC−C−アルキル、場合により置換されていてもよいC−C−シクロアルキル、−C(=O)R又はCONRであり、他の全ての可変要素が前記で定義した通りのものである前記化学式(II)で表される化合物又はこの医薬適合性の塩を提供する。
【0021】
第三の局面において、本発明は、RがH以外のものであり、オルト位に結合しているものであり、他の全ての可変要素が前記で定義した通りのものである前記化学式
(III)で表される化合物又はこの医薬適合性の塩を提供する。
【0022】
この第三の局面の実施態様において、本発明は、Rが−ORであり、他の全ての可変要素が前記で定義した通りのものである前記化学式(III)で表される化合物又はこの医薬適合性の塩を提供する。
【0023】
この第三の局面の別の実施態様において、本発明は、Rが場合により置換されていてもよいC−C−アルキル、場合により置換されていてもよいC−C−シクロアルキル、−C(=O)R又はCONRであり、他の全ての可変要素が前記で定義した通りのものである前記化学式(III)で表される化合物又はこの医薬適合性の塩を提供する。
【0024】
第四の局面において、本発明は、次の式Ia:
【0025】
【化7】

(式中、Rは場合により置換されていてもよいC−C−アルキル、場合により置換されていてもよいC−C−シクロアルキル、−C(=O)R又はCONRであり、Rは−OR又は−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキルであり、他の全ての可変要素は前記で定義した通りのものである。)
で示される化合物又はこの医薬適合性の塩を包含する前記化学式(I)で表される化合物を提供する。
【0026】
本発明は、さらに、式34又は35:
【0027】
【化8】

で示される化合物を、式36:
【0028】
【化9】

(式中、RからRはそれぞれ前記で定義した通りである。)
と、塩基の存在下で反応させて前記式(I)で表される化合物又はこの医薬適合性の塩を得ることからなる前記式(I)で表される化合物又はこの医薬適合性の塩の製造方法を提供する。
【0029】
本発明の方法の第一の局面において、本発明は、
がH、−C(=O)R、COOR、CONR、C−Cアルキル又はC−Cシクロアルキルであり(但し、アルキル及びシクロアルキルは、場合によりF、OH又はNRの一つ又はそれ以上で置換されていてもよい。)、
がHであり、R、R及びRがそれぞれ独立してH、F、−OR、C−C−アルキル又は−O−C−C−アルキル〔F、CF又はO−(C−C)アルキルの一つ又はそれ以上で置換されていてもよい。〕であり、他の全ての可変要素は前記で定義した通りである式(I)で表される化合物又はこの医薬適合性の塩の製造方法を提供する。
【0030】
本発明の方法の第二の局面において、本発明は、塩基が金属酢酸塩、金属炭酸塩又は第三級アミンである式(I)で表される化合物又はこの医薬適合性の塩の製造方法を提供する。
【0031】
本発明の方法の第三の局面において、本発明は、塩基が酢酸カリウムである式(I)で表される化合物又はこの医薬適合性の塩の製造方法を提供する。
【0032】
本発明は、さらに、式34又は35:
【0033】
【化10】

で示される化合物を、式36:
【0034】
【化11】

(式中、RからRはそれぞれ前記で定義した通りである。)
と、塩基の存在下で並びに場合によってはアルコール溶媒及び場合によっては加熱の存在下で反応させることからなる前記の式(I)で表される化合物又はこの医薬適合性の塩の製造方法を提供する。
【0035】
本明細書で使用する「アルキル」並びに接頭辞「alk」を有する他の基、例えばアルコキシ、アルカノール、アルケニル及びアルキニルは、直鎖状又は分岐状又はこれらの組合せであってもよい炭素鎖を意味する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル並びにヘプチルが挙げられる。「アルケニル」、「アルキニル」などの用語は、不飽和C−C結合を少なくとも1個有する炭素鎖を包含する。
【0036】
「シクロアルキル」という用語は、異種原子を含有していない炭素環を意味し、単環式、二環式及び三環式飽和炭素環、並びに縮合環系を包含する。このような縮合環系は、ベンゾ縮合炭素環などの縮合環系を形成するために、ベンゼン環などの部分又は完全不飽和の一つの環を含有することができる。シクロアルキルは、スピロ縮合環系のような縮合環系を包含する。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、デカヒドロナフタレン、アダマンタン、インダニル、インデニル、フルオレニル及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンが挙げられる。同様に、「シクロアルケニル」は、異種原子を含有せず且つ少なくとも1個の非芳香族C−C二重結合を含有する炭素環を意味し、単環式、二環式及び三環式部分飽和炭素環、並びにベンゾ縮合シクロアルケンを包含する。シクロアルケニルの例としては、シクロヘキセニル及びインデニルが挙げられる。「アリール」という用語は、単一の環であるか又は多数の環が一緒に縮合した環である芳香族置換基が挙げられるが、これらに限定されない。多数の環から形成される場合には、少なくとも1個の構成環は芳香族である。また、「アリール」という用語は、特に具体的に明記しない限りは、ヘテロアリールを包含し、従って複数個の炭素原子と、N、O及びSからなる群の中から選択される1から4個の異種原子とからなる安定な5から7員単環式複素環系及び安定な9から10員縮合二環式複素環系を包含する。この場合には、窒素及び硫黄異種原子は、場合により酸化されていてもよいし、また窒素異種原子は場合により四級化されていてもよい。適切なアリール基としては、フェニル、ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル及びオキサジアゾリルが挙げられる。
【0037】
「シクロアルキルオキシ」という用語は、特に具体的に明記しない限りは、オキシ連結原子に短いC1−2アルキルで連結されたシクロアルキル基を包含する。
【0038】
「C0−6アルキル」という用語は、炭素原子を6個、5個、4個、3個、2個もしくは1個含有するか又は含有しないアルキルを包含する。炭素原子を含有しないアルキルは、該アルキルが末端基である場合には水素原子置換基であり、該アルキルが架橋基である場合には直接結合である。
【0039】
「ヘテロ」という用語は、特に具体的に明記しない限りは、1個又はそれ以上のO、S又はN原子を含む。例えば、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールとしては、環内に1個又はそれ以上のO、S又はN原子、例えばこのような原子の混合物を含有する環系が挙げられる。異種原子は環炭素原子を置換する。従って、例えば、ヘテロシクロCアルキルは、4から0個の炭素原子を含有する5員環である。ヘテロアリールの例としては、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノキサリニル、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、ピロリル、インドリル、ピラゾリル、インダゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、オキサジアゾリル、チアゾアゾリル、トリアゾリル及びテトラゾリルが挙げられる。ヘテロシクロアルキルの例としては、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリニル、ピリジン−2−オン、ピペリジン−2−オン及びチオモルホリニルが挙げられる。
【0040】
「ヘテロC0−6アルキル」という用語は、炭素原子を3個、2個もしくは1個含有するか又は含有しないヘテロアルキルを意味する。しかし、少なくとも1個の異種原子が存在しなければならない。従って、例として、炭素原子を含有せず、1個のN原子を含有するへテロC0−4アルキルは、架橋基である場合には−NH−であり、末端基である場合には−NHである。同様の架橋基又は末端基は、O又はS原子については明らかである。
【0041】
「アミン」という用語は、特に具体的に明記しない限りは、一級、二級及び三級アミンを包含する。
【0042】
「カルボニル」という用語は、特に具体的に述べない限りは、カルボニルが末端にある場合にはC0−6アルキル置換基を包含する。
【0043】
「ハロゲン」という用語は、弗素、塩素、臭素及びヨウ素原子を包含する。
【0044】
「場合により置換されていてもよい」という用語は、置換及び非置換の両方を包含することを意図する。従って、場合により置換されていてもよいアリールは、ペンタフルオロフェニル又はフェニル環を表すことができる。また、例えば、アルキルアリールなどの場合により置換されていてもよい複数の部分は、場合により置換されていてもよいアルキル及びアリール基を意味することを意図する。複数の部分のうちの一つだけが場合により置換されていてもよい場合には、例えば「このアリールが場合によりハロゲン又はヒドロキシルで置換されていてもよいアルキルアリール」が具体的に挙げられるであろう。
【0045】
本発明の方法の目的に本明細書で使用されるように、「塩基」という用語は、金属酢酸塩塩基、金属炭酸塩塩基及び第三級アミン塩基を包含する。金属酢酸塩塩基の例としては、酢酸カリウム及び酢酸ナトリウムが挙げられる。金属炭酸塩塩基の例としては、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウムが挙げられる。第三級アミン塩基としては、トリエチルアミンなどのトリアルキルアミン塩基が挙げられる。
【0046】
本発明の方法の目的に本明細書で使用されるように、「アルコール性溶媒」又は「アルコール溶媒」という用語は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール及び1−ブタノールを包含する。
【0047】
本発明の方法で加熱を利用する場合には、この方法は、約40℃から約150℃、例えば約50℃から約140℃、約50℃から約130℃、約60℃から約120℃、約65℃から約100℃又は約65℃から約85℃の範囲内の温度で実施することができる。
【0048】
本明細書で使用するように、「溶媒/共溶媒混合物」という用語は、トルエン/テトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン/ジエチルエーテル、トルエン/ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン/メチル−t−ブチルエーテル、トルエン/メチル−t−ブチルエーテル、トルエン/ジオキサン、及びテトラヒドロフラン/ジオキサンなどの溶媒混合物を包含する。
【0049】
本明細書に記載の化合物は、1個又はそれ以上の二重結合を有していてもよく、従ってシス/トランス異性体及び他の配座異性体を生じ得る。本発明は、特に具体的に明記しない限りは、全てのこのような可能な異性体及びこのような異性体の混合物を包含する。
【0050】
本明細書に記載の化合物は、1個又はそれ以上の不斉中心を含有することができ、従ってジアステレオマー及び光学異性体を生じ得る。本発明は、全てのこのような可能なジアステレオマー及びこれらのラセミ混合物、この実質的に純粋な分割鏡像異性体、全ての可能な幾何異性体、及びこの医薬適合性の塩を包含する。前記の化学式は、ある一定の位置で明確な立体化学を示すことなく示される。本発明は、前記の化学式の全ての立体異性体及び医薬適合性の塩を包含する。さらに、立体異性体の混合物及び単離された特定の立体異性体も包含される。このような化合物を製造するために使用される合成方法の経路中に又は当業者に公知のラセミ化又はエピ化方法の使用において、このような方法の生成物は、立体異性体の混合物であることができる。
【0051】
「医薬適合性の塩」という用語は、医薬適合性の無毒性の塩基又は酸から製造される塩を示す。本発明の化合物が酸性である場合には、この対応する塩は、医薬適合性の無毒性の塩基、例えば無機塩基及び有機塩基から都合よく製造することができる。このような無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅(第二銅及び第一銅)塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、マンガン(第二マンガン及び第一マンガン)塩、カリウム塩、ナトリウム、亜鉛塩などの塩が挙げられる。医薬適合性の有機無毒性塩基から誘導される塩としては、第一級、第二級、及び第三級アミン、並びに環状アミン及び置換アミン、例えば天然産及び合成置換アミンの塩が挙げられる。塩を形成できる他の医薬適合性の有機無毒性塩基としては、イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N’,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピピペリジンン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン 樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン及びトロメタミンが挙げられる。
【0052】
本発明の化合物が塩基性である場合には、この対応する塩は、医薬適合性の無毒性の酸、例えば無機及び有機酸から都合よく製造することができる。このような酸としては、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。
【0053】
本発明の医薬組成物は、有効成分として本発明の化合物(又はこの医薬適合性の塩)、医薬適合性の担体、及び場合によっては1種又はそれ以上の追加の治療薬又は補助剤を含有してなる。このような追加の治療薬としては、例えば、i)アヘン剤アゴニスト又はアンタゴニスト、ii)カルシウムチャンネルアンタゴニスト、iii)5HT受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、iv)ナトリウムチャネルアンタゴニスト、v)NMDA受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、vi)COX−2選択性阻害剤、
vii)NK1アンタゴニスト、viii)非ステロイド系抗炎症薬(「NSAID」)、ix)選択的セロトニン再取り込み阻害剤(「SSRI」)及び/又は選択的セロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害剤(「SSNRI」)、x)三環系抗うつ薬、xi)ノルエピネフリンモジュレーター、xii)リチウム、xiii)バルプロ酸塩、及び
xiv)ニューロンチン(ガバペンチン)を挙げることができる。本組成物としては、経口、直腸、局所及び非経口(例えば、皮下、筋肉内及び静脈内)投与に適した組成物を挙げることができる。しかし、所定の場合に最も適した経路は、有効成分が投与される病気の具体的な宿主、性質及び病気の重症度に依存するであろう。医薬組成物は、単位製剤で提供されることが都合よく、製薬学の技術で周知の方法で製造し得る。
【0054】
本発明の化合物及び組成物は、慢性疼痛、内臓疼痛、炎症性疼痛及び神経障害性疼痛症候群の治療に有用である。これらは、外傷性神経損傷、神経圧迫又は絞扼、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、及び糖尿病性神経障害により生じる疼痛の治療に有用である。本発明の化合物及び組成物はまた、慢性腰痛、幻肢疼痛、慢性骨盤痛、神経腫疼痛、複合性局所疼痛症候群、慢性関節痛及び関連神経痛、並びに癌、化学療法、HIV及びHIV治療により誘発される神経障害に関連した疼痛の治療にも有用である。本発明の化合物はまた、局部麻酔薬としても利用できる。本発明の化合物は、過敏性腸症候群及び関連疾患、並びにクローン病の治療に有用である。
【0055】
本発明の化合物は、てんかん並びに部分及び全身性強直発作の治療に臨床用途を有する。本発明の化合物はまた、脳卒中又は神経外傷によって引き起こされる虚血状態下の神経保護及び多発性硬化症の治療にも有用である。本発明の化合物は、頻脈性不整脈の治療にも有用である。さらに、本発明の化合物は、精神神経疾患、例えば気分障害、例えばうつ病、又はさらに具体的には抑うつ障害、例えば、単一の一過性又は再発性の大うつ病性障害及び気分変調性障害、又は双極性障害、例えば双極性I型障害、双極性II型障害及び循環病;不安障害、例えば広場恐怖症を有するか又は有さない恐慌性障害、恐慌性障害の履歴をもたない広場恐怖症、恐慌症、特定恐怖症、例えば、特定動物恐怖症、社会恐怖症、脅迫性障害、ストレス障害、例えば心的外傷後ストレス障害及び急性ストレス障害、並びに全般性不安障害の治療にも有用である。
【0056】
うつ病又は不安の治療について、本発明の化合物は、他の抗うつ薬又は抗不安薬、例えばノルエピネフリン再取り込み阻害剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆性阻害剤(RIMA)、セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、□−アドレナリン受容体アンタゴニスト、非定型抗うつ剤、ベンゾジアゼピン類、5−HT1Aアゴニスト又はアンタゴニスト、特に5−HT1A部分アゴニスト、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)アンタゴニスト、及びこれらの医薬適合性の塩と併用してもよいことが認められるであろう。
【0057】
また、本発明の化合物を予防有効量で投与して前記の病気及び障害を予防し且つナトリウムチャネル活性に関連した他の病気及び障害を予防できることが理解される。
【0058】
本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液又は懸濁物を、局所用途に用いることができる。口内洗浄剤及びうがい薬は、本発明の目的のために局所用途の範囲内に含まれる。
【0059】
1日当たり約0.01mg/kg体重から約140mg/kg体重の用量が、炎症性及び神経障害性の疼痛の治療に有用であり、又は1日当たり患者当たり約0.5mgから約7gが有用である。例えば、炎症性疼痛は、1日当たり体重kg当たり化合物約0.01mgから約75mg、又は1日当たり患者当たり約0.5mgから約3.5gの投与によって効果的に治療し得る。神経障害性疼痛は、1日当たり体重kg当たり化合物約0.01mgから約125mg、又は1日当たり患者当たり約0.5mgから約5.5gの投与によって効果的に治療し得る。
【0060】
単一製剤を製造するために担体物質と組み合わせ得る有効成分の量は、治療する宿主及び具体的な投与方法に依存して変化するであろう。例えば、ヒトに経口投与することを目的とする製剤は、適切で且つ都合のよい量の担体物質(全組成物の約5%から約95%まで変化させ得る)と配合された活性物質を約0.5mgから約5g含有することが好都合であり得る。単位製剤は、一般に、有効成分を約1mgから約1000mg、典型的には25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mg又は1000mgを含有するであろう。
【0061】
しかし、個々の患者の具体的な用量は、種々の因子に依存することが理解される。このような患者に関連した因子としては、患者の年齢、体重、全般的健康、性別及び食事が挙げられる。他の因子としては、投与の時間及び経路、排出速度、薬剤の組合せ、並びに治療を受ける個々の病気の重症度が挙げられる。
【0062】
実際には、本発明の化合物又はこの医薬適合性の塩は、慣用の医薬配合技術に従って医薬用担体と均質混合された有効成分として組み合わせ得る。担体は、投与、例えば経口又は非経口(例えば、静脈内)について望まれる製剤の形に応じて種々様々な形をとり得る。従って、本発明の医薬組成物は、経口投与に適した不連続単位、例えば所定量の有効成分を含有するカプセル剤、カシェ剤又は錠剤それぞれとして提供することができる。また、本発明の組成物は、散剤として、粒剤として、液剤として、水性液体中懸濁剤として、非水性液剤として、水中油型乳剤として又は油中水型液体乳剤として提供することができる。上記に挙げた常用の製剤の他に、本発明の化合物又はこの医薬適合性の塩は、徐放手段及び/又は送達装置によって投与してもよい。本発明の組成物は、任意の製薬方法によって製造し得る。一般的に、このような方法は、有効成分を、1種又はそれ以上の必須成分を構成する担体と一緒にする工程を含む。一般的に、本発明の組成物は、有効成分を液状担体又は微細固体担体又はこれらの両方と均一及び均質に混合することによって製造し得る。次いで、得られた生成物は、所望の提示形態に都合よく付形し得る。
【0063】
従って、本発明の医薬組成物は、医薬適合性の担体及び本発明の化合物又は本発明の化合物の医薬適合性の塩を含有し得る。本発明の化合物又はこの医薬適合性の塩はまた、医薬組成物中に1種又はそれ以上の治療活性化合物と組み合わせて含有させることができる。
【0064】
使用する医薬担体は、例えば固体、液体又は気体であることができる。固体の担体の例としては、ラクトース、石膏、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸が挙げられる。液体の担体の例は、シュガーシロップ、ピーナッツ油、オリーブ油及び水である。気体の担体の例としては、二酸化炭素及び窒素が挙げられる。
【0065】
経口製剤用の組成物の製造において、都合のよい製薬媒体を使用し得る。例えば、水、グリコール類、油類、アルコール、着香剤、防腐剤、着色剤などを、懸濁剤、エリキシル剤及び液剤などの経口液状製剤を形成するために使用し得る;一方、デンプン、糖類、微晶質セルロースなどの担体、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤及び崩壊剤を、経口固体製剤、例えば散剤、カプセル剤及び錠剤を形成するのに使用できる。投与が容易であることから、錠剤及びカプセル剤が好ましい経口投与単位であり、これによって固体製薬担体が用いられる。場合によっては、錠剤は標準の水性又は非水性技術によって被覆し得る。
【0066】
本発明の化合物を含有する錠剤は、場合によっては1種又はそれ以上の副成分又は補助剤を用いて圧縮又は成形することによって製造し得る。圧縮錠剤は、場合によっては結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、界面活性剤又は分散剤と混合された粉末又は顆粒などの自由流動形態の有効成分を適切な機械で圧縮することによって製造し得る。成形錠剤は、不活性液状希釈剤を用いて湿らせた粉末化合物を、適切な機械で成形することによって製造し得る。それぞれの錠剤は、有効成分を約0.1mgから約500mg含有することが好ましく、それぞれのカシェ剤又はカプセル剤は、有効成分を約0.1mgから約500mg含有することが好ましい。従って、錠剤、カシェ剤又はカプセル剤は、有効成分を0.1mg、1mg、5mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg又は500mg含有することが都合がよく、1個又は2個の錠剤、カシェ剤又はカプセル剤が1日当たり1回、2回又は3回服用される。
【0067】
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、活性化合物を水に溶解した溶液又は懸濁させた懸濁液として製造し得る。適切な界面活性剤、例えばヒドロキシプロピルセルロースを含有させることができる。また、分散液は、グリセロール、液状ポリエチレングリコール、及びこれらの油中混合物中で調製し得る。また、防腐剤を、微生物の有害な増殖を防止するために含有させることができる。
【0068】
注射剤用途に適した本発明の医薬組成物としては、滅菌水溶液又は分散物が挙げられる。また、前記組成物は、このような滅菌注射剤溶液又は分散物の即席調製のための滅菌粉末の形態であり得る。全ての場合において、最終注射剤は、無菌でなければならないし、容易に注射可能な有効な液体でなければならない。前記医薬組成物は、製造及び貯蔵の条件下で安定でなければならず、従って微生物、例えば細菌及び真菌の汚染作用から保護されるべきである。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及びポリエチレングリコール)、植物油、及びこれらの適切な混合物を含有する溶媒又は分散媒体であり得る。
【0069】
本発明の医薬組成物は、局所用途に適した形態、例えば、エアゾール、クリーム、軟膏、ローション剤及び散布剤の形態であることができる。また、本発明の組成物は、経皮デバイスで使用するのに適した形態であることができる。これらの製剤は、本発明の化合物又はこの医薬適合性の塩を使用して、慣用の処理方法により製造し得る。例として、クリーム又は軟膏は、親水性物質と水とを、約5重量%から約10重量%の化合物と一緒に混合して、所定の稠度を有するクリーム又は軟膏を製造することによって調製される。
【0070】
本発明の医薬組成物は、担体が、例えば混合物が単位用量の坐薬を形成する場合のように固体である直腸投与に適した形態であることができる。適切な担体としては、カカオ脂及び当該技術で慣用の他の物質が挙げられる。坐薬は、最初に前記組成物と軟化又は溶融化担体(1種又は複数)と混合し、次いで型の中で冷却し、付形することによって都合よく形成し得る。
【0071】
前記の医薬製剤は、前記の担体成分の他に、必要に応じて1種又はそれ以上の追加の担体成分、例えば希釈剤、緩衝剤、着香剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、潤滑剤及び防腐剤(例えば酸化防止剤)を含有し得る。また、他の補助剤を、製剤を対象とする受容者の血液と等張性にするために含有させることができる。本発明の化合物又はこの医薬適合性の塩を含有する組成物は、粉末又は液状濃厚物の形態で製造することもできる。
【0072】
本発明の化合物及び医薬組成物は、ナトリウムチャネルを遮断することが認められている。従って、本発明の局面は、有効量の本発明の化合物を投与することによって、神経ナトリウムチャネルの遮断により改善の可能性のある疾患、例えば急性疼痛、慢性疼痛、内臓疼痛、炎症性疼痛及び神経障害性疼痛を有する哺乳動物における治療である。「哺乳動物」という用語は、ヒト、及び他の動物、例えばイヌ、ネコ、ウマ、ブタ及びウシを包含する。従って、ヒト以外の哺乳動物の治療は、前記に挙げた状態に相互に関連するヒト以外の哺乳動物における臨床症状の治療を示すと理解される。
【0073】
また、前記のように、本発明の化合物は、1種又はそれ以上の治療活性化合物と組み合わせて使用できる。特に、本発明の化合物は、i)アヘン剤アゴニスト又はアヘン剤アンタゴニスト、ii)カルシウムチャンネルアンタゴニスト、iii)5HT受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、iv)ナトリウムチャネルアンタゴニスト、v)N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、vi)COX−2選択性阻害剤、vii)ニューロキニン受容体1(NK1)アンタゴニスト、viii)非ステロイド抗炎症薬(NSAID)、ix)選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)及び/又は選択的セロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SSNRI)、x)三環系抗うつ薬、xi)ノルエピネフリンモジュレーター、xii)リチウム、xiii)バルプロ酸塩、及びxiv)ニューロンチン(ガバペンチン)と都合よく併用することができる。
【0074】
本明細書で使用する略語は、次の表の意味を有する。以下の表に示されない略号は、特に具体的に明記しない限りは慣用の意味を有する。
【0075】
【表2】


【0076】
【表3】

【0077】
以下の生体外及び生体内アッセイは、本発明の化合物の生物学的活性の評価に使用した。
【0078】
化合物の評価(生体外アッセイ):
ナトリウムチャネルの阻害剤の同定は、ナトリウムイオンがアゴニスト変性チャンネルを通り抜ける際に細胞の分極を生じることができるナトリウムチャネルの能力に基づく。阻害剤の不存在下では、ナトリウムイオンに対するアゴニスト変性チャンネルの暴露は、細胞脱分極を生じるであろう。ナトリウムチャンネル阻害剤は、アゴニスト変性ナトリウムチャネルの中を通るナトリウムイオンの移動によって生じる細胞脱分極を抑制するであろう。膜電位の変化は、2成分、すなわちドナークマリン(CCDMPE)及び受容体オキサノール(DiSBAC(3))を使用する電位感受性蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)色素対を用いて調べることができる。オキサノールは、親油性の陰イオンであり、膜電位に従って膜を横切って分布する。ナトリウムチャネルアゴニストの存在下で、しかしナトリウムの不存在下では、細胞の内部は外部に対して負(マイナス)であり、オキサノールは膜の外側リーフレットに蓄積され、クマリンの励起はFRETを生じるであろう。ナトリウムの添加は、細胞の内部にオキサノールの再分配をもたらす膜脱分極を生じ、結果としてFRETの減少を生じるであろう。従って、比の変化(ドナー/アクセプター)は、膜脱分極の後に増大する。ナトリウムチャンネル阻害剤の存在下で、細胞脱分極は起こらず、従ってオキサノールの分配及びFRETは変化しないままである。
【0079】
PN1ナトリウムチャネル(HEK−PN1)を安定的に移入した細胞を、ポリリジ被覆96ウエルプレート中で細胞約140,000個/ウエルの密度で増殖させた。培地を吸引し、細胞をPBS緩衝液で洗浄し、0.02%プルロニック(pluronic)酸中で10MmのCC−DMPE 100Mlと共にインキュベートした。25℃で45分間インキュベートした後に、培地を除去し、細胞を緩衝液で2回洗浄した。細胞を、20Mmベラトリジン、20Nmブレベトキシン−3及び試験試料を含有するTMA緩衝液中で、100MlのDiSBAC(3)と共にインキュベートした。暗中で、25℃で45分間インキュベートした後に、プレートをVIPR装置に入れ、CC−DMPEとDiSBAC(3)の両方の蛍光の発光を10秒間記録した。この時点で、100Mlの食塩水緩衝液をウエルに加えてナトリウム依存細胞脱分極の程度を調べ且つ両方の色素の蛍光発光をさらに20秒間記録した。食塩水緩衝液を加える前の比CC−DMPE/DiSBAC(3)は、1に相当する。阻害剤の不存在下では、食塩水緩衝液添加後の比は、>1.5である。ナトリウムチャネルが既知標準又は試験化合物によって完全に阻害されている場合には、この比は1のままである。従って、濃度に依存した蛍光比の変化を監視することによってナトリウムチャンネル阻害剤の活性を滴定することができる。
【0080】
電気生理学的アッセイ(生体外アッセイ):
細胞の調製: PN1ナトリウムチャネルサブタイプを安定的に発現するHEK−293細胞株を、組織内で確立した。この細胞を、0.5mg/MlのG418、50単位/MlのPen/Strep及び1Mlの加熱不活性化ウシ胎児血清と共にMEM増殖培地(Gibco製)中で、37℃及び10%COで培養した。電気生理学的記録のために、細胞をポリ−D−リシンで被覆した35mmの皿に塗布した。
【0081】
全細胞記録法: PN1ナトリウムチャネルサブタイプを安定的に発現するHEK−293細胞を、EPC−9増幅装置及びPulseソフトウエア(HEKA Electronics,Lamprecht、Germany)を使用して全細胞膜電位固定法(Hamillら,Pfluegers Archives 391:85−100(1981))により調べた。実験は、室温で行った。電極を2から4MQの抵抗にファイアーポリッシュした。電位エラーは、一連の抵抗補正によって最小化し、キャパシタンス・アーチファクトをEPC−9の内蔵回路を使用してキャンセルした。データを50kHzで得、7から10kHzでフィルターを通した。
【0082】
浴液は、40mMのNaCl、120mMのNMDG Cl、1mMのKCl、2.7mMのCaCl 、0.5mMのMgCl 、10mMのNMDG HEPES、Ph7.4からなり、内部(ピペット)溶液は、110mMのCs−メタンスルホン酸塩、5mMのNaCl、20mMのCsCl、10mMのCsF、10mMのBAPTA(テトラCs塩)、10mMのCs HEPES、Ph7.4を含有していた。
【0083】
下記のプロトコールを使用して、チャンネルの静止及び不活性化状態(K及びKそれぞれ)について化合物の定常状態親和性を評価した:
1. −90Mvの保持電位から−60Mvから+50Mvの脱分極電位に対する8msの試験パルスを使用して、電流−電圧曲線(IV曲線)を作図した。IV曲線(典型的には−10Mv又は0Mv)のピーク付近の電圧を、試験パルス電位として実験の残り全体を通じて使用した。
【0084】
2. 定常状態の不活性化(アベラビリティー)曲線を、−120Mvから−10Mvの範囲の電位までの10sの状態調節パルスの後の8msの試験パルス中に活性化された電流を測定することによって作図した。
【0085】
3. チャンネルの20から50%が不活性化される保持電位で化合物を加え、ナトリウムチャネルの遮断を2s間隔で8ms試験パルス中で監視した。
【0086】
4. 化合物が平衡化された後で、化合物の存在下での定常状態不活性化の電位依存性を、前記のプロトコール2)に従って調べた。チャンネルの静止状態を遮断する化合物は、全保持電位からの試験パルス中に誘導された電流を低下し、これに対して不活性化状態を主として遮断する化合物は、定常状態不活性化曲線の中点値をシフトする。負の保持電位での最大電流(Imax)と、対照の及び化合物の存在下の定常状態不活性化曲線(ΔV)の中点値の差とを使用して、次式を使用してKとKを算出した:
【0087】
【数1】

【0088】
化合物がチャンネルの静止状態に影響を及ぼさなかった場合には、Kは次式を使用して算出した:
【0089】
【数2】

【0090】
ラットの足のホルマリンテスト(生体内アッセイ):
化合物を、このホルマリン(5%)50Mlの注射によって引き起こされる行動反応を阻害する能力について評価した。雄性Sprague−Dawleyラット(Charles River産、200から250g)の左後肢に金属バンドを貼り付け、各ラットをプラスチック製シリンダー(直径15cm)内で60分間バンドに慣らさせた。ラットに、ホルマリンの投与前(局部)又は投与後(全身)に、ビヒクル又は試験化合物を投与した。局部投与については、化合物を、エタノール、PEG400及び食塩水(EPEGS)が1:4:5のビヒクル中で調製し、ホルマリン投与の5分前に左後肢底表面に皮下注射した。全身投与については、化合物をEPEGSビヒクル中で又はTween80(10%)/滅菌水(90%)ビヒクル中で調製し、i.v.注射する(ホルマリン投与の15分後に側面尾静脈を介して)か又はp.o.注射した(ホルマリン投与の60分前)。後ずさりの回数を、自動痛覚分析装置(UCSD Anesthesiology Research、San Diego、CA)を使用して60分間連続的に数えた。統計的有意差を、初期(0から10分)及び後期(11から60分)に検出された後さずりの合計を、対応のないt−検定と比較することによって調べた。
【0091】
ラットのCFAモデルを使用した生体内アッセイ:
左後肢の足底表面における0.2mlの完全フロイントアジュバント(CFA:結核菌、Sigma;油/食塩水(1:1)エマルジョンに懸濁したもの;0.5mg結核菌/Ml)の注射により、片側性炎症を誘発させた。CFAのこの用量は、有意な後肢の腫脹を生じたが、動物は実験の過程全体にわたって正常な身づくろい行動と体重増加を示した。機械的痛覚過敏を、ランダルセリット試験法を使用して組織損傷後3日目に評価した。Repeated Measures ANOVA、次いでDunnettのPost Hoc検定を反復した。
【0092】
SNL:機械異痛(生体内アッセイ):
触覚異痛を、神経損傷前及び神経損傷後2週間目にアップダウン・パラダイム(up−down paradigm)を使用して較正von Freyフィラメントを用いて評価した。動物を、金網の床を有するプラスチック製ケージに入れ、各試験セッション(test session)前に15分間順応させた。50%応答閾値を調べるために、von Freyフィラメント(0.4から28.8gの強度範囲にわたって)を、中央足底面に8s間又は離脱反応が生じるまで当てた。陽性反応の後に、徐々に弱くなる刺激を試験した。刺激に対して反応がない場合には、徐々に強い刺激を与えた。初期閾値交差後に、この方法を、試験セッション当たりにつき動物当たり4回の刺激提示について反復した。機械感度を、試験化合物の経口投与後1時間及び2時間目に評価した。
【0093】
本発明の化合物は、前記の生体外アッセイにおいて約<0.1mM から 約<50mMのナトリウムチャネル遮断活性を示した。本発明の化合物は、生体外アッセイにおいて<5mMのナトリウムチャネル遮断活性を示すことが都合がよい。本発明の化合物は、生体外アッセイにおいて<1mMのナトリウムチャネル遮断活性を示すことがさらに都合がよい。本発明の化合物は、生体外アッセイにおいて<0.5mMのナトリウムチャネル遮断活性を示すことがさらに都合がよい場合がある。本発明の化合物は、生体外アッセイにおいて<0.1mMのナトリウムチャネル遮断活性を示すことがさらによりいっそう都合がよい。
【0094】
本発明の化合物は、以下に示す一般的なスキーム及び実施例に示した方法に従って製造することができる。以下のスキーム及び実施例により、本発明をさらに説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0095】
特に具体的に明記しない限りは、実験操作は次の条件下で行った。操作は、全て室温又は周囲温度;すなわち、18から25℃の範囲で行った。溶媒の蒸発は、ロータリーエバポレーターを使用して、最大60℃の浴温を用いて、減圧下で(600−4000パスカル:4.5から30mmHg)行った。反応の経過は、薄層クロマトグラフィー(TLC)で行い、反応時間は例示したものだけについて示した。融点は補正しておらず、「d」は分解を示す。示した融点は、記載のようにして製造した物質について得られた融点である。多形性は、幾つかの製造において種々の融点をもつ物質の単離をもたらし得る。最終生成物全ての構造及び純度は、次の方法:TLC法、質量分析法、核磁気共鳴(NMR)分光分析法又は微量分析データの少なくとも一つを使用して確認した。示した場合には、収率は例示したものだけについての収率である。示した場合には、NMRデータは、主要な特徴プロトンのデルタ(δ)値の形であり、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対するパーツ・パー・ミリオン(ppm)で示し、示した溶媒を使用して300MHz、400MHz又は500MHzで測定した。シグナルの形状について使用した慣用の略号は:s 一重線;d 二重線;t 三重線;m 多重線;br ブロード;などである。また、「Ar」は芳香族シグナルを表す。化学符号は、この通常の意味を有し;次の略号を使用する。v(容量)、w(重量)、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リットル)、ml(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eq(当量)。
【0096】
合成方法
本発明の化合物は、以下に示すスキーム及び実施例に示した方法に従って製造することができる。置換基は、別に定義した場合を除いて前記の式の置換基と同じであるか又は当業者に明らかである。
【0097】
本発明の新規化合物は、当業者に公知の方法、例えばAdvanced Organic Chemistry,March,4th Ed.,John Wiley and Sons,New York,NY,1992; Advanced Organic Chemistry,Carey and Sundberg,Vol.A and B,3rd Ed.,Plenum Press,Inc.,New York,NY,1990; Protective groups in Organic Synthesis,Green and Wuts,2nd Ed.,John Wiley and Sons,New York,NY,1991; Comprehensive Organic Transformations,Larock,VCH Publishers,Inc.,New York,NY,1988; Handbook of Heterocyclic Chemistry,Katritzky and Pozharskii,2nd Ed.,Pergamon,New York,NY,2000及びこれらに引用された文献に記載の方法を使用して容易に合成できる。本発明の化合物の出発原料は、商業的供給源、例えばAldrich Chemical Co.(ミルウォーキー、WI);Sigma Chemical Co.(セントルイス、MO);Lancaster Synthesis(ウンドハム、N.H.);Ryan Scientific(コロンビア、S.C.);Maybridge (コーンウォール、UK);Matrix Scientific(コロンビア、S.C.);Arcos、(ピッツバーグ、PA)及びTrans World Chemicals(ロックビル、MD)から容易に入手できる化学前駆物質の標準的な合成変換を使用して製造し得る。
【0098】
前記化合物を合成するための本明細書に記載の方法としては、保護基操作及び精製、例えば、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー(TLC)、ラジアルクロマトグラフィー及び高圧クロマトグラフィー(HPLC)の一つ又はそれ以上の工程を挙げ得る。生成物は、化学技術で周知の種々の方法、例えばプロトン及び炭素13核磁気共鳴(H及び13C NMR)、赤外線及び紫外線分光分析法(IR及びUV)、X線結晶学、元素分析並びにHPLC及び質量分光分析法(LC−MS)を使用して特定することができる。保護基操作、精製、構造同定及び定量化の方法は、化学合成の当業者には周知である。
【0099】
適切な溶媒は、反応剤の一つ及びそれ以上を少なくとも部分的に溶解し、反応剤及び生成物と逆に相互作用しない溶媒である。適切な溶媒は、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレン類)、ハロゲン化溶媒(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン類)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジグライム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル)、ケトン類(例えば、2−ブタノン、ジエチルケトン、tert−ブチルメチルケトン)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及び水である。2種又はそれ以上の溶媒の混合物も使用できる。適切な塩基は、一般に、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム及び水酸化カルシウム;アルカリ金属水素化物及びアルカリ土類金属水素化物、例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム及び水素化カルシウム;アルカリ金属アミド、例えばリチウムアミド、ナトリウムアミド及びカリウムアミド;アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ土類金属炭酸塩、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素セシウム;アルカリ金属アルコキシド及びアルカリ土類金属アルコキシド、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド及びマグネシウムエトキシド;アルカリ金属アルキル、例えばメチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、アルキルマグネシウムハライド、有機塩基、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピリジン、コリジン類、ルチジン類及び4−ジメチルアミノピリジン;並びに二環式アミン、例えばDBU及びDABCOである。
【0100】
前記のように、経口製剤用の組成物の製造には、通常の製薬媒体を使用できる。例えば、経口液状製剤、例えば懸濁剤、エリキシル剤及び液剤の場合には、水、グリコール類、油類、アルコール、着香剤、防腐剤、着色剤などを使用し得る。又は経口固体製剤、例えば散剤、カプセル剤及び錠剤の場合には、担体、例えばデンプン、糖類、微晶質セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などを挙げ得る。これらの投与が容易なことから、錠剤及びカプセル剤が最も都合のよい経口単位製剤であり、これには固形製薬担体が用いられる。所望ならば、錠剤は、標準的な水性又は非水性技術により被覆し得る。上記で挙げた一般的な製剤の他に、徐放手段及び/又は送達デバイスも、本発明の化合物及び組成物の投与に使用し得る。
【0101】
以下のスキームに記載の化合物に存在する官能基は、適切な場合には、当業者に利用し得る標準的な官能基変換技術を使用してさらに操作して本発明に記載の所定の化合物を得ることができることが理解される。
【0102】
当業者には自明な他の改変又は変更は、本発明の範囲及び教示の範囲である。本発明は、以下の特許請求の範囲に挙げた以外は限定されるべきではない。
【0103】
【化14】

一つのプロトコールでは、3−ブロモ安息香酸を、ジクロロメタン又はTHF中で、EDC〔1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド〕などの適切なカルボジイミド及びジイソプロピルエチルアミン(DIEA)の存在下で、HOBt(ヒドロキシベンゾトリアゾール)を用いて活性化することによりt−ブチルカルバゼートと結合させて、保護されたヒドラジドが得られる。結合形成のためにカルボン酸を活性化するのに適した別の方法が多数存在する(March J.「Advanced Organic Chemistry」,5th ed.,John Wiley & Sons,New York,pp.506−512(2001)参照)。化合物は、種々の結合反応によって種々の非対称ビフェニル中間体に転化させることができる。一つの種類は、ブロモ、ヨード又はトリフレート化合物を、トルエンなどの溶媒及びn−プロパノールなどの補助溶媒中でトリフェニルホスフィン及び水性炭酸ナトリウムを用いて、酢酸パラジウムなどのパラジウム触媒の存在下でアリールボロン酸と反応させる鈴木反応である(Suzukiら.Chem.Rev.,95,2457,1995参照)。種々のアリールボロン酸が、市販されており又は対応する臭化又はヨウ化アリールからこれを有機リチウム誘導体に転化させることによって[Baldwin、J.E.ら.Tetrahedron Lett.39,707−710(1998)]、又はグリニャール試薬で処理し、次いでボロン酸トリアルキルで処理することによって[Li、J.J.ら,J.Med.Chem,38:4570−4578(1995)及びPiettre,S.R.ら. J.Med Chem.40,4208−4221(1997)]都合よく製造できる。これらのPd触媒結合反応において、アリールボロン酸の代替としてボロン酸アリールもまた使用できる[Giroux,A.ら,Tetrahedron Lett.,38,3841(1997)]。ボロン酸エステル類は、アリールブロミド、ヨージド及びトリフルオロメタンスルホネートから、Murata、M.ら.によって報告された方法[J.0rg.Chem.65:164−168(2000)]を使用して容易に製造できる。化合物のBoc保護基は、標準条件 −ジクロロメタン中でトリフルオロ酢酸− により除去して、ヒドラジドのTFA塩が得られ、これはNaOH水溶液を用いて脱塩化できる。
【0104】
【化15】

スキーム2には、置換基がエステル、酸、アミドなどであることができる5−ビフェニル−3−置換−1,2,4−トリアゾール誘導体の製造方法が記載される(Catarziら.J.Med.Chem.,38,2196−2201,1995)。ジクロロメタン中で、ヒドラジドと、カルボエトキシ−S−メチル−チオホルムイミジウムテトラフルオロボレート及びトリエチルアミンとの反応により、オキサミドヒドラゾネート(oxamidrazonate)が得られ、これをトリアゾールエステルに環化する。試薬カルボエトキシ−S−メチル−チオホルムイミジウムテトラフルオロボレートは、ジクロロメタン中で、エチル−2−チオオキサメートとトリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート(前記のCatarziら.参照)との反応によって製造される。エステルは、これを対応するアミン、この場合にはアンモニアと、メタノールのような溶媒中で加熱することによってアミドに転化させることができる。エステルは、標準条件下で対応する酸に加水分解することができ、得られる酸は、種々の条件下で、例えばスキーム1に記載の条件下でアミドに転化することができる。さらにまた、エステルは、例えば水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)を用いて第一級アルコールに還元して、Rがヒドロキシメチルである場合の式(I)で示される化合物を得ることができる。また、エステルは、THFなどの非プロトン性溶媒中で、水素化ホウ素リチウムとグリニャール試薬の混合物との反応により第二級アルコールに転化させることができる。エステルから誘導されるこのような第一級又は第二級アルコールは、多数の方法で、クロム系試薬のような酸化剤によるケトンへの酸化によってさらに誘導できる。このようなアルコールはまた、ジクロロメタン中で、換算温度でジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST)との反応により、弗素化誘導体に転化させることができる。
【0105】
【化16】

スキーム3には、非置換3−トリアゾール環系の製造方法が記載される(Linら,J.Org.Chem.,44(23),4160−4165,1979)。3−ブロモ安息香酸エチル10を、スキーム1に記載のアリールボロン酸と反応させて、ビフェニルエステル11を得る。エステル11は、予め形成されたビフェニル中間体を与え、これはさらに先のスキーム1から2に記載の化合物及び関連誘導体にすることができる。このスキーム3において、エステル11は、標準条件下でアミド12に転化される。具体的には、エステル11は、対応する酸に加水分解され、次いでDMF中でカルボニルジイミダゾール(CDI)を用いて活性化させ、次いでアンモニアを酢酸アンモニウムの形で加えることによりアミド12が得られる。ジメチルホルムアミドジメチルアセタール中で加熱して中間体13を得、これを酢酸中でヒドラジンと共に加熱すると、トリアゾール14が得られる。
【0106】
【化17】

1−ビフェニル−3−置換−1,2,4−トリアゾール誘導体を製造するためのプロトコールでは、ブロモアニリン22(但し、アミノ基はBoc基で保護される)及びアリールボロン酸を、スキーム1に記載の非対称ビフェニル中間体23に転化させる。化合物23のBoc保護基は、前記のようにして除去し、水中で亜硝酸ナトリウムとHClとを用いた標準的な反応によりジアゾニウム塩に転化させる。化合物24を、メタノール及び水中でメチルイソシアノアセテートと酢酸ナトリウムとの混合物に加えて、トリアゾールエステル25が得られる。次いで、キー中間体25は、スキーム1から3に記載の方法を使用して種々の有用な誘導体に転化することができる。
【0107】
【化18】

前記のスキーム1、3及び4に記載のプロトコールの変形において、ボロン酸基又はボロン酸エステル含有Boc保護アニリン26と、アリールブロミド、ヨージド又はトリフレートとは、スキーム1に記載の種々の非対称ビフェニル中間体23に転化させることができる。
【0108】
【化19】

スキーム6に従って、化合物3132は、例えば、酢酸パラジウム/トリフェニルホスフィン触媒系を用いる鈴木−宮浦カップリング反応を使用することによりビフェニル中間体33に転化させることができる。ビフェニル中間体33は、例えば濃塩酸エタノール溶液を使用して標準的なPinner条件下で中間体HCl塩34に転化させることができる。中間体34を、EtOAcとNaOHのような二相性混合物を使用して遊離塩基にすることによってエチルイミデート35を得、次いでオキサミド酸ヒドラジド36、エタノールなどのアルコール性溶媒及び多数の適切な塩基の任意の一つ、例えば金属酢酸塩塩基、例えば酢酸カリウム、第三級アミン塩基又は金属炭酸塩を用いて処理し、次いで加熱することによってトリアゾール37に転化させることができる。
スキーム7:
【0109】
【化20】

スキーム6の変形において、イミデート24は、オキサミド酸ヒドラジド36、エタノールなどのアルコール性溶媒及び多数の適切な塩基の任意の一つ、例えば金属酢酸塩塩基、例えば酢酸カリウム、第三級アミン塩基又は金属炭酸塩を直接加え、次いで加熱することによって、トリアゾール37に転化させることができる。
【0110】
【化21】

スキーム8に従って、RがHである式(I)又は(II)で示される化合物38は、適切な溶媒/補助溶媒混合物中で、金属アルコキシド塩基、例えばカリウムtert−ブトキシド又はナトリウムtert−ブトキシドを用いて脱保護することにより塩39を得ることができる。
【実施例】
【0111】
(実施例1)
【0112】
【化22】

3−[3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
【0113】
工程A: 2−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸
【0114】
【化23】

2g(9.5mmol)の1−ブロモ−2−トリフルオロメトキシベンゼンを28Mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、攪拌した溶液に、ヘキサンに溶解したt−ブチルリチウムの1.7M溶液5.9Ml(9.5mmol)の溶液を−78℃で注意深く加えた。この反応混合物を−78℃で45分間攪拌した。この反応混合物に、−78℃で2.58Ml(11.1mmol)のホウ酸トリイソプロピルを加え、混合物を16時間にわたって室温(RT)まで徐々に加温した。反応混合物を水で希釈し、2NのNaOH溶液で塩基性にした。反応混合物をEtOAcで洗浄した。水性画分を2NのHCl溶液で酸性にし、RTで1時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで抽出し、有機画分を水洗し、飽和NaCl溶液(ブライン)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮して、標題化合物を白色固体として得た。HNMR(CDCl)(δ,ppm):7.96(dd,J=7.2,1.6Hz,1H),7.53(ddd,J=9.1,7.3,1.8Hz,1H),7.38(td,J=7.3,0.7Hz,1H),7.28(d,J=8.2Hz,1H),5.25(br s,2H)。MS(M+H):206.9。
【0115】
工程B: 3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−安息香酸エチル
【0116】
【化24】

0.94g(4.58mmol)の3−ブロモ安息香酸エチルを14.5Mlのトルエンに溶解した溶液に、室温で、0.25g(0.218mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.94g(4.58mmol)の2−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸、2.22Ml(4.45mmol)の2M炭酸ナトリウム水溶液及び7Mlのエタノールを加えた。反応混合物を還流温度で18時間加熱した。反応混合物を冷却し、酢酸エチルと水で希釈した。有機画分を分離し、飽和NaCl溶液(ブライン)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を油状物に濃縮し、これをクロマトグラフィー(シリカ、連続的に1%、5%、30%の酢酸エチル:ヘキサン)で精製して、標題化合物を得た。H NMR(CDOD)(δ,ppm):8.02(s,1H),7.97(dd,J=7.8,1.2Hz,1H),7.60(dd,J=7.7,1.3Hz,1H),7.50−7.33(m,5H),4.31(q,2H),1.31(t,3H)。質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):311.2。
【0117】
工程C: 3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−安息香酸
【0118】
【化25】

0.3g(4.19mmol)の3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)安息香酸エチルと、8.3Ml(8.3mmol)の1N NaOH溶液とを12.5Mlのメタノールに溶解した溶液を、RTで18時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、このPhを1NのHCl溶液でPh=2に調節した。混合物を酢酸エチル(EtOAc)で抽出し、有機画分をMgSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮して、標題化合物を白色固体として得、これをさらに精製することなく使用した。
【0119】
工程D: 3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ベンズアミド
【0120】
【化26】

0.94g(3.36mmol)の3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−安息香酸を17MlのDMFに溶解した溶液に、0.55g(3.36mmol)のカルボニルジイミダゾール(CDI)を加え、この反応物をRTで4時間攪拌した。得られた反応混合物に2.6g(33.6mmol)の酢酸アンモニウムを加え、反応混合物をRTで一晩攪拌した。反応混合物を酢酸エチルと水の間で分配し、有機画分をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、連続的に30%、50%のEtOAc:ヘキサン)で精製して、標題化合物を得た。質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):282.2。
【0121】
工程E: 3−[3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
【0122】
【化27】

0.137g(0.48mmol)の3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ベンズアミドを1MlのN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールに溶解した溶液を、120℃で2時間加熱し、この時点で減圧濃縮した。この物質を2.3Mlの酢酸に溶解し、これに0.028g(0.55mmol)のヒドラジン水和物を加え、この反応混合物を90℃で2時間加熱した。次いで、反応混合物を濃縮し、EtOAcと飽和NaHCO溶液の間で分配した。有機画分をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、CHCl:アセトン 連続的に30:1、9:1、3:1)で精製して、標題化合物を得た。H NMR(CDOD)(δ,.ppm):8.32(s,1H),8.06(s,1H),7.98(m,1H),7.50(m,3H),7.39(m,3H)。質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):306.1。
【0123】
以下の実施例2から7は、実施例1に記載の方法と同様の方法を使用して製造した。市販されていなかった中間体の製造を説明する。
【0124】
(実施例2)
【0125】
【化28】

3−[3−(2−トリフルオロメチルフェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):290.1。
【0126】
(実施例3)
【0127】
【化29】

3−[3−(2−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
【0128】
工程A: 2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニルブロミド
【0129】
【化30】

2MlのDMF中で0.35g(2mmol)の2−ブロモフェノール、0.63g(3mmol)の2,2,2−トリフルオロエチルヨージド、0.55g(4mmol)の炭酸カリウム溶液を、マイクロウエーブ装置(Personal Chemistry、Smithcreator)中で、150℃で30分間反応させた。RTまで冷却した後に、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機画分をMgSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(連続的に5%、10%のEtOAc:ヘキサン)で精製して、標題化合物を得た。
【0130】
工程B3−(2−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−安息香酸エチル
【0131】
【化31】

2.5g(9.8mmol)の2−トリフルオロエトキシフェニルブロミドを33MIのトルエンに溶解した溶液に、RTで、0.57g(0.49mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.2g(10.3mmol)の3−エトキシカルボニルフェニルボロン酸、5.9MI(11.8mmol)の2M炭酸ナトリウム水溶液及び17Mlのエタノールを加えた。反応混合物を還流温度で18時間加熱した。反応混合物を冷却し、酢酸エチルと水で希釈した。有機画分を分離し、飽和NaCl溶液(ブライン)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を油状物に濃縮し、これをクロマトグラフィー(シリカ、連続的に1%、5%、30%の酢酸エチル:ヘキサン)で精製して、標題化合物を得た。質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):325.1。
【0132】
工程C: 3−[3−(2−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
標題化合物は、実施例1、工程CからEに記載の方法と同様の方法を使用して製造することができる。
【0133】
(実施例4)
【0134】
【化32】

3−[3−((2,4−ビス−トリフルオロメチル)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):358.3。
【0135】
(実施例5)
【0136】
【化33】

3−[3−((2−トリフルオロメチル−5−フルオロ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):308.0。
【0137】
(実施例6)
【0138】
【化34】

3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−(4−フルオロ)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):324.1。
【0139】
(実施例7)
【0140】
【化35】

3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−(6−フルオロ)フェニル]1,2,4−トリアゾール
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):324.0。
【0141】
(実施例8)
【0142】
【化36】

3−[3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−(4−フルオロ)フェニル)−1,2,4−トリアゾール
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):338.0。
【0143】
工程A: 3−((2−ヒドロキシ)フェニル)−4−フルオロ安息香酸メチル
【0144】
【化37】

2g(8.45mmol)の3−ブロモ−4−フルオロ安息香酸メチルを28Mlのトルエンに溶解した溶液に、RTで、0.49g(0.42mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、1.95g(8.9mmol)の2−(4,4,5,5,−テトラメチル−1,3,2−ジオサボロラン−2−イル)フェノール、5.1Ml(10.15mmol)の2M炭酸ナトリウム水溶液及び14Mlのn−プロパノールを加えた。反応混合物を還流温度で18時間加熱した。反応混合物を冷却し、酢酸エチルと水で希釈した。有機画分を分離し、飽和NaCl溶液(ブライン)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を油状物に濃縮し、これをクロマトグラフィー(シリカ、連続的に90:1、30:1のCHCl:アセトン)で精製して、標題化合物を得た。質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):247.0。
【0145】
工程B: 3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)−4−フルオロ安息香酸メチル
【0146】
【化38】

1.7g(7.1mmol)の3−((2−ヒドロキシ)フェニル)−4−フルオロ安息香酸メチル、2.46g(10.6mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル及び3.45g(10.6mmol)の炭酸セシウムの混合物を、35MlのDMF中で、60℃で18時間攪拌した。冷却した反応混合物を、EtOAcと水の間で分配した。水性層をEtOAcで抽出し、有機画分を一緒にして水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、クロマトグラフィー(シリカ、連続的に5%、30%のEtOAc:ヘキサン)で精製して、標題化合物を白色固体として得た。質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):329.0。
【0147】
工程C: 3−[3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−(4−フルオロ)フェニル)−1,2,4−トリアゾール
標題化合物は、実施例1、工程CからEに記載の方法と同様の方法を使用して製造することができる。
【0148】
(実施例9)
【0149】
【化39】

5−メチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
【0150】
工程A: 3−ブロモフェニルカルボニル−(N−t−ブトキシカルボニル)ヒドラジド
【0151】
【化40】

1g(4.97mmol)の3−ブロモ安息香酸、0.59g(4.52mmol)のt−ブチルカルバゼート、0.95g(4.97mmol)のEDC[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド]、0.67g(4.97mmol)のヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)及び3.15Ml(18.1mmol)のジイソプロピルエチルアミンを23MlのCHClに溶解した溶液を、RTで18時間攪拌した。反応混合物をCHClで希釈し、1NのHCl溶液、飽和NaHCO溶液及びブラインで洗浄した。得られた溶液をMgSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、連続的に30:1、9:1、3:1のCHCl:アセトン)で精製して、標題化合物を得た。
【0152】
質量スペクトル(ESI)m/e(M):314.0、(M+2):316.0。
【0153】
工程B: 3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニルヒドラジド
【0154】
【化41】

0.22g(1.07mmol)の2−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸及び0.32g(1.02mmol)の3−ブロモフェニルカルボニル−N−t−ブトキシカルボニルヒドラジドを、5Mlのトルエン及び2.5Mlのn−プロパノールに溶解した溶液を、30分間攪拌した。この反応混合物に、0.0007g(0.003mmol)の酢酸パラジウム、0.0024g(0.009mmol)のトリフェニルホスフィン及び0.61Ml(1.2mmol)の2M炭酸ナトリウム水溶液を加え、この反応混合物を還流温度で18時間加熱した。反応混合物を冷却し、EtOAcと水で希釈した。有機画分をMgSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、連続的に30:1、9:1のCHCl:アセトン)で精製して、保護されたヒドラジドを得、次いでこれを2.1MlのTFAと2.1MlのCHCl との混合物に溶解した。この反応混合物を2時間攪拌し、この時点で濃縮し、CHClに溶解し、1NのNaOH溶液で洗浄した。有機画分をMgSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮して、標題化合物を白色固体として得た。質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):297.1。
【0155】
工程C: 5−メチル−3[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
【0156】
【化42】

0.093g(0.98mmol)のアセトアミジン塩酸塩を1.1Mlのエタノールに溶解した溶液に、メタノールに溶解したナトリウムメトキシドの25%溶液0.22Ml(0.98mmol)を加え、反応混合物を30分間攪拌し、この時点で濾過した。濾液に0.19g(0.66mmol)の3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−ブロモフェニルヒドラジドを加え、この反応混合物を一晩攪拌した。反応混合物を濃縮し、クロマトグラフィー(シリカ、連続的に3%、10%、30%のメタノール:CHCl)で精製して、白色固体を得た。得られた白色固体をこの融点まで30分間加熱(ニート(neat))した。反応物をRTまで冷却し、CHClに溶解し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、連続的に3%、10%のメタノール:CHCl)で精製して、標題化合物を白色固体として得た。H NMR(CDOD)(δ,.ppm):8.00(s,1H),7.93(m,1H),7.49−7.34(m,6H),2.41(s,3H)。質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):320.5。
【0157】
以下の実施例10から18は、対応する置換アミジンを使用して実施例9に記載の方法に従って製造した。
【0158】
(実施例10)
【0159】
【化43】

5−メチル−3−[3−((2−トリフルオロメチル)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):304.0。
【0160】
(実施例11)
【0161】
【化44】

5−メチル−3−[3−((2,4−ビス(トリフルオロメチル)−フェニル)−フェニル)−1,2,4−トリアゾール
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):372.5。
【0162】
(実施例12)
【0163】
【化45】

5−メチル−3−[3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−フェニル)−1,2,4−トリアゾール
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):334.1。
【0164】
標題化合物は、実施例3、工程Bで製造した3−(2−トリフルオロエトキシフェニル)安息香酸エチルの酸から製造した。
【0165】
(実施例13)
【0166】
【化46】

5−メチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−(4−フルオロ)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):338.1。
【0167】
(実施例14)
【0168】
【化47】

5−メチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−(6−フルオロ)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):338.1。
【0169】
(実施例15)
【0170】
【化48】

5−メチル−3−[3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)−(4−フルオロ)フェニル)−1,2,4−トリアゾール
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):352.0。
【0171】
標題化合物は、実施例8、工程Bで製造した3−(2−トリフルオロエトキシ−(4−フルオロ)−フェニル)安息香酸メチルの酸から製造した。
【0172】
(実施例16)
【0173】
【化49】

5−シクロプロピル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):346.2。
【0174】
(実施例17)
【0175】
【化50】

5−トリフルオロメチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):374.1。
【0176】
(実施例18)
【0177】
【化51】

5−メチル−3−[3−((2−トリフルオロメチル−5−フルオロ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):321.9。
【0178】
(実施例19)
【0179】
【化52】

3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド
【0180】
工程A: エチル−N−3−(2−トリフルオロメトキシ)−ベンゾイル−N−オキサミドヒドラゾネート
【0181】
【化53】

0.45g(1.54mmol)の3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ブロモフェニルヒドラジド(実施例9、工程B)を20MlのCHClに溶解した溶液に、0.54g(2.3mmol)のカルボエトキシ−S−メチルチオホルムイミジウムテトラフルオロボレートと0.43Ml(3.08mmol)のトリエチルアミンを加え、この反応物を還流温度で4時間攪拌した。反応混合物をRTまで冷却し、水洗し、NaSOで乾燥し、濾過し、濾液を固体まで濃縮した。2MlのCHClを加え、生成した固体生成物を濾過することにより回収した。質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):396.1。
【0182】
工程B: 5−エチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキシレート
固体エチル−N−3−(2−トリフルオロメトキシ)−ベンゾイル−N−オキサミドヒドラゾネート(0.25g、0.616mmol)を、この融点よりも高い温度に油浴中で20分間加熱した。RTまで冷却した後に、残留物をCHClに溶解し、濃縮して黄色固体を得た。これをクロマトグラフィー(シリカ、連続的に10%、30%、50%のEtOAc:ヘキサン)により精製して、白色固体を得た。質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):378.1。
【0183】
工程C: 3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド
管中で0.13g(0.34mmol)の5−エチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキシレートを2Mlのメタノールに溶解した溶液に、アンモニアを飽和させた。この管を密封し、反応混合物を一晩60℃で加熱した。次いで、反応混合物を濃縮し、残留物をクロマトグラフィー(シリカ、連続的に3%、10%のメタノール:CHCl)で精製して、標題化合物を得た。H NMR(CDOD)(δ,.ppm):8.10(s,1H),8.02(m,1H),7.54−7.36(m,6H)。質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):349.2。
【0184】
(実施例20)
【0185】
【化54】

3−[3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−4−フルオロフェニル)−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド
【0186】
工程A: 3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−4−フルオロ安息香酸
【0187】
【化55】

0.75g(2.29mol)の1−3−((2−トリフルオロエトキシ)フェニル)−4−フルオロ安息香酸メチル(実施例8、工程B)を11.5MlのTHF:水の3:1混合物に溶解した溶液に、0.164g(6.86mmol)のLiOHを加え、反応混合物をRTで18時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、Phを1NのHCl溶液でPh=2に調節した。この混合物をEtOAcで抽出し、有機画分を一緒にし、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮して標題化合物を得、これをさらに精製することなく使用した。
【0188】
工程B: 3−[3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−4−フルオロフェニル)−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド
標題化合物は、3−((2−トリフルオロエトキシ)フェニル)−4−フルオロ安息香酸から実施例9、工程A及びB並びに実施例19に記載の方法に従って製造した。H NMR(CDOD)(δ,..ppm):8.02(m,2H),7.99(m,1H),7.39(m,1H),7.30(m,1H),7.16(m,2H),4.45(q,J=8.5Hz,2H)。質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):381.0。
【0189】
以下の実施例21から26は、実施例19及び20に記載の方法に従って製造した。
【0190】
(実施例21)
【0191】
【化56】

3−[3−((2−トリフルオロメチル)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):333.1。
【0192】
(実施例22)
【0193】
【化57】

3−[3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):363.1。
【0194】
(実施例23)
【0195】
【化58】

3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−(6−フルオロ)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):367.0。
【0196】
(実施例24)
【0197】
【化59】

3−[3−((2−トリフルオロメチル−5−フルオロ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):351.0。
【0198】
(実施例25)
【0199】
【化60】

3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−(4−フルオロ)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):367.0。
【0200】
工程A: 4−フルオロ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)ベンゾニトリルの製造
3−ブロモ−4−フルオロベンゾニトリル(1.0当量)、2−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンボロン酸(1.25当量)、酢酸パラジウム(0.005当量)及びトリフェニルホスフィン(0.01当量)を、連続的に多径フラスコに仕込んだ。フラスコを窒素でパージした後に、トルエン(5mL/3−ブロモ−4−フルオロベンゾニトリルのグラム数)を加え、得られたスラリーを、水面下に窒素を吹き込みながら約20分間攪拌した。分液フラスコで、固体リン酸カリウム(2.0当量)を水(2mL/リン酸カリウムのグラム数)に溶解することによってリン酸カリウム水溶液を調製した。得られた溶液を、約30分間攪拌しながら水面下に窒素を吹き込むことによって脱酸素処理した。得られたリン酸カリウム水溶液を上記のトルエンスラリーに加え、反応混合物を水蒸気加熱することによって60から65℃に加温した。反応の進行をHPLCで監視し、反応温度を63から69℃の間に保った。3−ブロモ−4フルオロベンゾニトリルが消費された際に、加熱を止め、氷浴を使用して反応混合物をRTまで冷却した。水性層を反応容器から吸い上げ、反応容器にEcosorb C−941(0.5g/3−ブロモ−4−フルオロベンゾニトリルのグラム数、デラウエア州グラスゴー所在のGraver Technologiesから市販されている)を加えた。得られた黒色スラリーを、RTで15時間攪拌した。このスラリーを、フィルターポットのソルカフロックに通して濾過することにより炭素を除去した。濾過ケーキをトルエン(4mL/3−ブロモ−4−フルオロベンゾニトリルのグラム数)で洗浄した。濾液を一緒にして、回分濃縮して(40から50℃)、ビアリールニトリル生成物を粘稠淡橙色油として得た(収率94.0%)。
【0201】
工程B:
【0202】
【化61】

の製造:
丸底フラスコに、無水エタノール(1.8mL/ビアリールニトリルのグラム数)を仕込んだ。攪拌したエタノールを、氷/アセトン浴を用いて冷却し、この内温を20℃未満に維持しながら塩化水素ガスを水面下に吹き込んだ。HClの添加を、Metrohm808 Titrando(Metrohm Ltd.から市販されている)を使用してプロトン滴定によりエタノール溶液のHCl濃度を調べることにより監視した。HClの濃度が38%(7.5当量)に達した後に、添加を止めた。冷却されたエタノール性HCl溶液に、工程Aから得られたビアリールニトリル(1.0当量)をニートオイルとして加え、反応溶液を一晩(>15時間)攪拌しながらRTまで加温した。反応は、HPLCが出発ビアリールニトリルの存在を示さなくなった際に完結したとみなした。次いで、得られた反応物をトルエン(8mL/ビアリールニトリルのグラム数)で希釈した。結晶化を誘導するために、このバッチを、エタノールとの共蒸留(<内温35℃)(これはエタノールを共沸的に除去した)によってトルエンに溶媒交換した。この方法は、母液のエタノール含有量がトルエンに対して1mol%未満になるまで行った。この終点は、母液のCDCl中でのプロトンNMRにより決定した。固形物を、濾過することにより単離し、トルエン(2.3mL/ビアリールニトリルのグラム数)で洗浄した。得られたエチルイミデート生成物の白色結晶質HCl塩を、窒素気流下で乾燥した。
【0203】
工程C:
【0204】
【化62】

の製造:
工程Bから得られたイミデートHCl塩(1.0当量)とEtOAc(4mL/イミデートHCl塩のグラム数)をフラスコに加え、次いで攪拌することにより、不均質スラリーを得た。このスラリーを10℃に冷却し、次いで5.0NのNaOH溶液(3.3当量)を徐々に加えた。NaOH溶液の添加速度を定期的に調節して、15℃よりも低い反応温度を維持した。NaOHの添加が完了した時点で、二相性反応混合物を周囲温度まで加温した。この温度で固形物の全てが溶解した(約30分)。攪拌を止め、二つの層を分離させた。下の水性層を除去し、廃棄した。有機層を入れたフラスコに、水(2mL/HClイミデート塩のグラム数)を加え、得られた二相性混合物を5分間攪拌した。これら二つの層を分離させ、下方の水性層を除去し、廃棄した。続いて、10%NaCl水溶液(2mL/HClイミデート塩のグラム数)をフラスコに加えた。得られた二つの層を5分間攪拌し、下方の水性層を除去し、廃棄した。上方の有機層を、回分式濃縮装置に連結された丸底フラスコに移した。次いで、EtOHを用いて共蒸留することによってEtOAcを除去することにより、EtOAcからEtOHへの溶媒交換を行った。溶媒交換が完了した時点で(H NMRで<3%EtOAc、イミデート濃度約185mg/mL)、遊離塩基イミデートを含有するエタノール性溶液を、新しいフラスコに移した。
【0205】
上記から得られたイミデートを含有するエタノール溶液に、オキサミド酸ヒドラジド(1.1当量)と酢酸カリウム(5.0当量)を加えた。次いで、得られた不均質混合物を、水蒸気浴を使用して激しく攪拌しながら60から70℃に加熱した。反応は、イミデートの所望のトリアゾール生成物への転化についてHPLC分析により監視した。反応が完結した時点で、周囲温度まで冷却し、水(4mL/イミデートHCl塩のグラム数)を徐々に加えて反応物から所望の生成物を結晶化させた。次いで、所望の生成物を減圧濾過により灰白色固体として回収した(収率85%)。
【0206】
工程D:
【0207】
【化63】

の製造:
工程Cのトリアゾール生成物(1.0当量)を反応容器に加え、次いでトルエン(5.3mL/トリアゾールのグラム数)とTHF(1.7mL/トリアゾールのグラム数)を加えた。得られた不均質混合物を周囲温度で攪拌した。このスラリーに、カリウムtert−ブトキシド(1.1当量)の溶液を加えた。この塩基の添加速度を定期的に調節して、反応温度を35℃未満に維持した。塩基の添加が進行するのにつれて、反応混合物は不均質でなくなった。塩基の添加が完了した時点で、この均質淡黄色溶液を周囲温度で30分間攪拌した。この時点で、このバッチに水(2.5当量)を徐々に加えた(約10分)。発熱は認められなかった。約15分後に、反応物は次第に曇ってきて、バッチ温度が徐々に上昇し始めた。水の添加の約20分後に、固形物が生成し始め、結晶化が始まったことを示した。約30分後に、バッチ温度はこの最大(24.9℃)に達した。不均質バッチをさらに30分間攪拌した。このバッチを、母液を使用してフィルターポット上で濾過して、反応容器に残留固形物を得た。得られた湿潤ケーキを、新しいトルエン(4mL/トリアゾールのグラム数)で洗浄した。このバッチを真空オーブンに移し、45℃及び100トールで24時間乾燥して、カリウム塩二水和物の生成物を白色固体として得た(収率95%)。
【0208】
(実施例26)
【0209】
【化64】

3−[3−((2,4−ビス(トリフルオロメチル)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):401.0。
【0210】
(実施例26及び実施例26’)
【0211】
【化65】

2−メチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−4−(フルオロ)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド(26)及び
1−メチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−4−(フルオロ)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド(26’)
0.12g(0.328mmol)の3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−(4−フルオロ)フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド(実施例25)を1.5Mlのメタノールに溶解した溶液に、0.1Ml(0.46mmol)のNaOCH溶液(25%メタノール溶液)と0.02Mlのヨウ化メチルを加えた。反応管を密封し、100℃で一晩加熱した。反応混合物を濃縮し、残留物をクロマトグラフィー(シリカ、連続的に30:1、9:1の1%メタノール:CHCl)で精製して、標題化合物を得た。
(26)H NMR(CDOD)(δ,ppm):8.09(m,1H),8.00(dd,J=7.1,2.3Hz,1H),7.50−7.36(m,4H),7.23(t,J=9.2Hz,1H),4.18(s,3H)。質量スペクトル(ESI)m/e(M+l):381.0。
(26’H NMR(CDOD)(δ,.ppm):7.84(m,1H),7.77.dd,J=6.6,2.3Hz,1H),7.52−7.44(m,5H),4.00(s,3H)。質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):381.0。
【0212】
以下の実施例27/27’及び28/28’は、実施例26及び26’に記載の方法に従って製造した。
【0213】
(実施例27及び27’)
【0214】
【化66】

2−メチル−3−[3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)−4−フルオロフェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド(27)及び
1−メチル−3−[3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)−4−フルオロフェニル−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド(27’)
(27)質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):395.2。
(27’)質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):395.2。
【0215】
(実施例28及び28’)
【0216】
【化67】

2,5−ジメチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−4−フルオロフェニル]−1,2,4−トリアゾール(28)及び1,5−ジメチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−4−フルオロフェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド(28’)
(28)質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):334.2。
(28’)質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):334.2。
【0217】
(実施例29)
【0218】
【化68】

N−メチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド
0.083g(0.24mmol)の3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボン酸〔実施例19に記載の方法に従って実施例19の5−エチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキシレートから製造した〕を1.2MlのDMFに溶解した溶液に、RTで0.038g(0.24mmol)のカルボニルジイミダゾール(CDI)を加え、反応混合物を3時間攪拌した。THFに溶解したメチルアミンの2M溶液1.2Ml(2.4mmol)を反応混合物に加え、反応混合物をRTで一晩攪拌した。反応混合物を濃縮し、EtOAcと水の間で分配した。水性画分をEtOAcで抽出し、有機画分を一緒にして水及びブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、連続的に10%、30%、50%のEtOAc:ヘキサン)で精製して、標題化合物をフォーム状白色固体として得た。質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):363.0。
【0219】
以下の実施例30及び31は、実施例29に記載の方法に従って製造した。
【0220】
(実施例30)
【0221】
【化69】

N−エチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):377.2。
【0222】
(実施例31)
【0223】
【化70】

N,N−ジエチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):405.0。
【0224】
(実施例32)
【0225】
【化71】

5−(1−ヒドロキシ−エチル)−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
THFに溶解したLiBHの2M溶液0.007Ml(0.133mmol)の溶液に、RTで、THFに溶解したMeMgClの3M溶液0.18Ml(0.53mmol)を加えた。攪拌後に、反応混合物を−20℃に冷却し、これに、0.1g(0.265mol)の5−エチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキシレート(実施例19)を1MlのTHFに溶解した溶液を加え、反応混合物を−20℃で24時間攪拌した。反応混合物を冷却1N HCl溶液に注加した。水性画分をジエチルエーテルで抽出し、有機画分を一緒にして食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、9:1のCHCl:アセトン)で精製して、標題化合物を得た。質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):350.1。
【0226】
(実施例33)
【0227】
【化72】

5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
標題化合物は、実施例32の副生物である。
【0228】
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):364.1。
【0229】
(実施例34)
【0230】
【化73】

5−ヒドロキシメチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
標題化合物は、実施例32の副生物である。
【0231】
質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):336.1。
【0232】
(実施例35)
【0233】
【化74】

5−(1−フルオロ−エチル)−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
0.13g(0.37mmol)の5−(2−ヒドロキシ)−エチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾールを2MlのCHClに溶解した溶液に、−78℃で、0.06Mlの(ジエチルアミノ)硫黄トリフルオリド(DAST)を加え、反応物を−78℃で1時間攪拌した。反応を、NaHCOの飽和溶液を用いて停止させた。有機画分をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、9:1のCHCl:アセトン)で精製して、標題化合物を得た。質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):352.0。
【0234】
(実施例36)
【0235】
【化75】

5−(アセチル)−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
0.155g(1.59mmol)のN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩を1.6Mlのベンゼンに懸濁した懸濁物に、5℃で、トルエンに溶解したトリメチルアルミニウムの2M溶液0.8Ml(1.59mmol)を加えた。反応混合物をRTまで加温し、1時間攪拌した。次いで、この溶液を、0.3g(0.79mmol)の5−エチル−3−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキシレートを8Mlのベンゼンに溶解した溶液に滴加し、反応混合物を還流温度で18時間加熱した。反応混合物をRTまで冷却し、5%HCl溶液を用いて反応を停止させた。水性画分をEtOAcで抽出し、有機画分を一緒にしてMgSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、10%メタノール:CHCl)で精製して、中間体アミドを得た。
【0236】
0.19g(0.49mmol)の得られたアミドを2.5MlのTHFに溶解した溶液に0℃で、THFに溶解した塩化メチルマグネシウム3M溶液0.41Ml(1.22mmol)を加え、反応物を0℃で1時間攪拌し、RTまで加温し、18時間攪拌した。反応混合物をEtOAcと飽和NHCl溶液の間で分配した。有機画分を飽和NaHCO溶液及びブラインで洗浄した。次いで、これをMgSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮した。残留固形物をCHClと共に磨砕し、濾過することによって標題化合物を固体として得た。質量スペクトル(ESI)m/e(M+1):348.1。
【0237】
(実施例37)
【0238】
【化76】

1−[3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
【0239】
工程A: 3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−アニリン
【0240】
【化77】

1.0g(3.93mmol)の2−トリフルオロエトキシフェニルブロミド(実施例3、工程A)を39Mlのトルエンに溶解した溶液に、0.136g(0.118mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、0.56g(4.31mol)の3−アミノフェニルボロン酸、47Ml(94.1mmol)の炭酸ナトリウムの2M溶液及び8Mlのエタノール混合物を加え、反応混合物を90℃で22時間加熱した。反応混合物をRTまで冷却し、水とEtOAcの間で分配した。水性画分をEtOAcで抽出し、有機画分を一緒にして水及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、4:1のヘキサン:EtOAc)で精製して、標題化合物を得た。質量スペクトル(ESI)m/e M+1 268.1。
【0241】
工程B: メチル−1−[3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート
【0242】
【化78】

0.923g(3.45mmol)の3−((2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)アニリンを6Mlの1N HCl溶液に溶解した溶液に、0℃で、0.238g(3.45mmol)の亜硝酸ナトリウム及び1Mlの水を加え、反応混合物を20分間攪拌して、ジアゾニウム塩溶液を得た。
【0243】
0.27g(2.76mmol)のメチルイソシアノアセテートを15Mlのメタノール及び2Mlの水に溶解した溶液に、0℃で、1.8g(22.08mmol)の酢酸ナトリウムを加えた。この反応混合物に、前記ジアゾニウム塩溶液を滴加し、反応混合物を0℃で1時間攪拌した。次いで、反応混合物をメタノールで希釈し、濃縮した。残留物をEtOAc及び0.5N HCl溶液で希釈した。水性層をEtOAcで抽出し、有機画分を一緒にして5%NaHCO溶液、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、1:1のヘキサン:EtOAc)で精製して、標題化合物を得た。質量スペクトル(ESI)m/e M+1 378.1。
【0244】
工程C: 1−[3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−フェニル)−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸
【0245】
【化79】

0.29g(0.769mmol)のメチル−1−[3−((2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレートと2.2Ml(2.2mmol)の1M NaOH水溶液との溶液を、RTで18時間攪拌した。反応混合物を濃縮した。残留物を水で希釈し、Phを1NのHCl溶液で2から4に調節した。得られた混合物をEtOAcで抽出し、有機画分を一緒にして食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮して標題化合物を得た。質量スペクトル(ESI)m/e M+1 363.9。
【0246】
工程D: 1−[3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−フェニル)−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
0.225g(0.619mmol)の1−[3−((2−トリフルオロエトキシ)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸を3.1MlのDMFに溶解した溶液に、0.1g(0.19mmol)のCDIを加え、反応混合物をRTで4時間攪拌した。反応混合物に0.477g(6.19mmol)の酢酸アンモニウムを加え、反応混合物を19時間攪拌した。反応混合物を水及びEtOAcで希釈し、水性層をEtOAcで抽出した。有機画分を一緒にして食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、1:1のEtOAc:ヘキサン、1%メタノール:CHCl、10%メタノール:CHCl)で精製して、標題化合物を得た。質量スペクトル(ESI)m/e M+1 363.1。
【0247】
(実施例38)
【0248】
【化80】

1−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
【0249】
工程A: 1−N−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−ブロモベンゼン
【0250】
【化81】

10g(58.13mmol)の3−ブロモアニリン及び15.2g(69.75mmol)のBocOを300Mlのトルエンに溶解した溶液を、70℃で一晩攪拌した。反応混合物を濃縮し、EtOAc及び0.5NのHCl溶液で希釈した。有機画分を0.5NのHCl溶液及びブラインで洗浄した。これをNaSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(連続的に、ヘキサン、9:1のヘキサン:EtOAc)で精製して標題化合物を得た。
【0251】
工程B: 1−N−t−ブトキシカルボニル−3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)アニリン
【0252】
【化82】

1−N−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−ブロモベンゼンを、実施例37、工程Aに記載の方法に従って2−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸に結合した。
【0253】
工程C: 3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)アニリン
【0254】
【化83】

0.977g(2.77mmol)の1−N−t−ブトキシカルボニル−3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)アニリンを7MlのTFA及び7MlのCHClに溶解した溶液を、RTで1時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を1NのNaOH溶液及びEtOAcで希釈した。有機画分を1NのNaOH溶液及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮して標題化合物を得た。質量スペクトル(ESI)m/e M+1 254.1。
【0255】
工程D: 1−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
標題化合物は、3−((2−トリフルオロ−メトキシ)フェニル)アニリンから実施例37に記載の方法に従って製造した。質量スペクトル(ESI)m/e M+1 349.1。
【0256】
以下の実施例39から40は、実施例37又は38に記載の方法に従って製造した。
【0257】
(実施例39)
【0258】
【化84】

1−[3−((2,4−ビス−トリフルオロメチル)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量スペクトル(ESI)m/e M+1 401.1。
【0259】
(実施例40)
【0260】
【化85】

1−[3−((2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ−4−フルオロ)フェニル)−フェニル)−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量スペクトル(ESI)m/e M+1 381.2。
【0261】
以下の実施例41から44は、実施例29に記載の方法に従って製造した。
【0262】
(実施例41)
【0263】
【化86】

N−メチル−1−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量スペクトル(ESI)m/e M+1 363.1。
【0264】
(実施例42)
【0265】
【化87】

N−エチル−1−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量スペクトル(ESI)m/e M+1 377.1。
【0266】
(実施例43)
【0267】
【化88】

N,N−ジエチル−1−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量スペクトル(ESI)m/e M+1 405.2。
【0268】
(実施例44)
【0269】
【化89】

N−(2−ヒドロキシエタン−1−イル)−1−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
質量スペクトル(ESI)m/e M+1 393.1。
【0270】
(実施例45)
【0271】
【化90】

3−(1−ヒドロキシ)エタン−1−イル−1−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
標題化合物は、実施例32に記載の方法に従って製造した。
【0272】
質量スペクトル(ESI)m/e M+1 350.1。
【0273】
(実施例46)
【0274】
【化91】

3−(1−ヒドロキシ−1−メチル)エタン−1−イル−1−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
標題化合物は、実施例45に記載の方法に従って単離した。
【0275】
質量スペクトル(ESI)m/e M+1 364.0。
【0276】
(実施例47)
【0277】
【化92】

3−ヒドロキシメチル−1−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
標題化合物は、実施例45に記載の方法に従って単離した。
【0278】
質量スペクトル(ESI)m/e M+1 336.1。
【0279】
(実施例48)
【0280】
【化93】

3−(1−フルオロ)−エタン−1−イル−1−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
標題化合物は、3−(1−ヒドロキシ)−エタン−1−イル−1−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール(実施例45)から実施例35に記載の方法に従って製造した。
【0281】
質量スペクトル(ESI)m/e M+1 352.0。
【0282】
(実施例49)
【0283】
【化94】

3−(1−フルオロ−1−メチル)−エタン−1−イル−1−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
標題化合物は、3−(1−ヒドロキシ−1−メチル)エタン−1−イル−1−[3−((2−トリフルオロメトキシ)フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール(実施例46)から実施例35に記載の方法に従って製造した。
【0284】
質量スペクトル(ESI)m/e M+1 366.1。
【0285】
(実施例50)
【0286】
【化95】

3−(1−オキソ)−エタン−1−イル−1−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
標題化合物は、1−[3−((2−トリフルオロエトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸(実施例38から得た)から実施例36に記載の方法に従って製造した。
【0287】
質量スペクトル(ESI)m/e M+1 348.1。
【0288】
(実施例51)
【0289】
【化96】

3−(1−アミノ)−エタン−1−イル−1−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
0.037g(0.106mmol)の3−(1−オキソ)−エタン−1−イル−1−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール(実施例50)、0.082g(1.06mmol)のNHOAc及び0.1Ml(0.72mmol)のトリエチルアミンを1MlのTHFに溶解した溶液を、2時間攪拌した。反応混合物に、0.045g(0.212)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムと、0.02Ml(0.212mmol)の酢酸を加えた。反応混合物をRTで72時間攪拌した。反応混合物を飽和NaHCO溶液で希釈し、混合物を45分間攪拌した。反応混合物をジエチルエーテルで抽出し、有機画分を一緒にして食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、連続的に1:1 EtOAc:ヘキサン、1%メタノール:CHCl、10%メタノール:CHCl)で精製して、標題化合物を得た。
【0290】
質量スペクトル(ESI)m/e M+1 349.1。
【0291】
(実施例52)
【0292】
【化97】

3−(1−N−メチルアミノ)−エタン−1−イル−1−[3−((2−トリフルオロメトキシ)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール
標題化合物は、実施例51に記載の方法に従って製造した。質量スペクトル(ESI)m/e M+1 363.1。
【0293】
(実施例53)
【0294】
【化98】

3−[3−((2,6−ビス−トリフルオロメチル)−フェニル)−フェニル]−1,2,4−トリアゾール−5−カルボキサミド
標題化合物は、実施例19及び20に記載の方法に従って製造した。
【0295】
(実施例54)
【0296】
【化99】

質量スペクトル(ESI)m/e M+1 381。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)又は(II)
【化1】

{式中、
は、
(a)H;
(b)C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル又はC−C−アルキル−[C−C−シクロアルキル]、(これらはいずれも、場合により次の置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、O−CONR、NR、N(R)CONR、COO−(C−C)アルキル、COOH、CN、CONR、SONR、N(R)SONR、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル又はピペラジニルの一つ又はそれ以上で置換されていてもよい。);
(c)C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル;
(d)NO
(e)NR、−N(COR)R、−N(SO)R、−N(R)CON(R、−N(R)SO、−N(OR)CONR又は−N(R)SON(R
(f)−CH(OR)R、−C(OR)CF、−CH(NHR)R、−C(=O)R、C(=O)CF、−SOCH、−SOCH、COOR、CN、CONR、−COCONR、−SONR、−CHO−SONR、SON(R)OR、−C(=NH)NH、−CR=N−OR、CH=CHCONR
(g)−CONR(CH0−2C(R)(R)(CH0−2CONR
(h)テトラゾリル、テトラゾリノニル、トリアゾリル、トリアゾリノニル、イミダゾリル、イミダゾロニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピラゾロニル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル又はフェニル(これらはいずれも、場合により、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)R、v)C−C−アルキル、vi)−O−R、vii)−NR、viii)−C−C−アルキル−CO−OR、ix)−(C−C−アルキル)−NH−CO−OR、x)−(C−C−アルキル)−CO−NR、xi)−S(O)0−2、xii)−SONR、xiii)−NHSO、xiv)−C−C−ペルフルオロアルキル、及びxv)−O−C−C−ペルフルオロアルキルの中から選択される1から3個の独立した置換基で置換されていてもよい。);
(i)−C(R)=C(R)−COOR又は−C(R)=C(R)−CONR
(j)
【化2】

(k)ピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、ピロリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル又は4−置換ピペラジン−1−イル(これらはいずれも、場合により、i)−CN、ii)−C(=O)(R)、iii)C−C−アルキル、iv)−OR、v)−NR、vi)−C−C−アルキル−CO−OR、vii)−(C−C−アルキル)−NH−CO−OR、viii)−(C−C−アルキル)−CON(R)(R)、ix)−SR、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)R)、xii)−NRSO、xiii)−C−C−ペルフルオロアルキル及びxiv)−O−C−C−ペルフルオロアルキルの中から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい。)
であり;
は、
(a)H;
(b)場合により次の置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、−OCONH、−OCONH(C−Cアルキル)、−OCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、−OCONHC−Cアルキル−アリール)、−OCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル−アリール)、NH、NH(C−Cアルキル)、N(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、NH(C−Cアルキル−アリール)、N(C−Cアルキル)(C−Cアルキル−アリール)、NHCONH、NHCONH(C−Cアルキル)、NHCONH(C−Cアルキル−アリール)、−NHCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、NHCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル−アリール)、N(C−Cアルキル)CON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、N(C−Cアルキル)CON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル−アリール)、COO−(C−C−アルキル)、COOH、CN、CONH、CONH(C−Cアルキル)、CON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、SONH、SONH(C−Cアルキル)、SONH(C−Cアルキル−アリール)、SON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、NHSONH、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル又はピペラジニルの一つ又はそれ以上で置換されていてもよいC−C−アルキル;
(c)C−C−アルキル−(C−C)−ペルフルオロアルキル;又は
(d)C−C−アルキル−アリール(但し、アリールは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル又はオキサジアゾリルであり、これらのアリールはいずれも、場合により、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(C−C−アルキル)、v)−O(C−C−アルキル)、vi)−N(C−C−アルキル)(C−C−アルキル)、vii)−C1−10アルキル、及びviii)−C1−10アルキルの中から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、アルキル炭素の一つ又はそれ以上は、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−又は−C≡C−で置換することができる。)
であり;
は、
(a)H;又は
(b)場合により、次の置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、−OCONH、−OCONH(C−Cアルキル)、NH、NH(C−Cアルキル)、N(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、NHCONH、NHCONH(C−Cアルキル)、−NHCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、COO−(C−C−アルキル)、COOH、CN又はCONHの一つ又はそれ以上で置換されていてもよいC−C−アルキル
であり;
は、
(a)H;
(b)−C−C−アルキル、−C−C−シクロアルキル又は−C−C−アルキル−(C−C)−シクロアルキル、(場合により、次の置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、O−CONR、NR、N(R)CONR、COO−(C−C)アルキル、COOH、CN、CONR、SONR、N(R)SONR、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル又はピペラジニルの一つ又はそれ以上で置換されていてもよい。);
(c)−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル
(d)アリール又は(C−C−アルキル)−アリール(但し、アリールは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル又はオキサジアゾリルであり、これらのアリールはいずれも、場合により、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、及びxiv)−C1−10アルキルの中から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、アルキル炭素の一つ又はそれ以上は、−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−又は−C≡C−で置換することができる。);
(e)−C(=O)(R)、−CONR、−COO−(C−C)アルキル、−SO、−SON(R)(R)であり;
及びRは、それぞれ独立して、
(a)H;
(b)−C−C−アルキル、−C−C−アルケニル、−C−C−アルキニル又は−C−C−シクロアルキル(これらはいずれも、場合により次の置換基:F、CF、−O−(C−C)アルキル、CN、−N(R)(R)、−N(R)CO−(C−C)アルキル、COOR、CON(R)(R)又はフェニルの一つ又はそれ以上で置換されていてもよい。);
(c)−O−C−C−アルキル、−O−アリール又は−O−C−C−アルキル−アリール(但し、アリールは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、又はオキサジアゾリルであり、これらのアリールはいずれも、場合により、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、及びxiv)−C1−10アルキルの中から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、アルキル炭素の一つ又はそれ以上は、−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−又は−C≡C−で置換することができる。);
(d)−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル又は−O−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル;又は
(e)CN、NH、NO、F、Cl、Br、I、OH、OCON(R)(R)O(C−C−アルキル)CONR、−OSON(R)(R)、COOR、CON(R)(R)又はアリール(但し、アリールは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル又はオキサジアゾリルであり、これらのアリールはいずれも、場合により、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、及びxiv)−C1−10アルキルの中から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、アルキル炭素の一つ又はそれ以上は、−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−又は−C≡C−で置換することができる。)
であり;
、R及びRは、それぞれ独立して、
(a)H;
(b)−C−C−アルキル、−C−C−アルケニル、−C−C−アルキニル又は−C−C−シクロアルキル(これらはいずれも、場合により次の置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、OCON(R)(R)、NR、COOR、CN、CONR、N(R)CONR、N(R)SONR、SONR、S(O)0−2(C−C−アルキル)、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル又はピペラジニルの一つ又はそれ以上で置換されていてもよい。);
(c)−O−C−C−アルキル、−O−C−C−シクロアルキル、−S−C−C−アルキル又は−S−C−C−シクロアルキル(これらはいずれも、場合により次の置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、NH、NH(C−C−アルキル)、COOH、CN、CONH、CONH(C−C−アルキル)、CONH(C−C−アルキル)、SONH、SONH(C−C−アルキル)、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル又はピペラジニルの一つ又はそれ以上で置換されていてもよい。);
(d)−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル又は−O−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル
(e)−O−アリール又は−O−C−C−アルキル−アリール、(但し、アリールは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル又はオキサジアゾリルであり、これらのアリールはいずれも、場合により、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、及びxiv)−C1−10アルキルの中から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、アルキル炭素の一つ又はそれ以上は、−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−又は−C≡C−で置換することができる。);
(f)CN、N(R)(R)、NO、F、Cl、Br、I、−OR、−SR、−OCON(R)(R)、−OSON(R)(R)、COOR、CON(R)(R)、−N(R)CON(R)(R)、−N(R)SON(R)(R)、−C(OR)R、−C(OR)CF、−C(NHR)CF、−C(=O)R、C(=O)CF、−SOCH、−SOCH、−NHSO(C1−6−アルキル)、−NHSO−アリール、SON(R)(R)、−CHOSON(R)(R)、SON(R)−OR、−C(=NH)NH、−CR=N−OR、CH=CH又はアリール、(但し、アリールは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル又はオキサジアゾリルであり、これらのアリールはいずれも、場合により、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、及びxiv)−C1−10アルキルの中から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、アルキル炭素の一つ又はそれ以上は、−NR−、−O−、−S(0)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−又は−C≡Cで置換することができる。);
であり;
但し、R及びRが、隣り合っているそれぞれの炭素原子上に存在する場合には、R及びRはこれらが結合しているベンゼン環と一緒になって、ナフチル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル及びベンゾイミダゾリルの中から選択される二環式芳香族環を形成していてもよく、これらはいずれも、場合により、i)ハロゲン、ii)−CN、iii)−NO、iv)−CHO、v)−O−C1−4アルキル、vi)−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、vii)−C0−4アルキル−CO−O(C0−4アルキル)、viii)−C(0−4アルキル)−NH−CO−O(C0−4アルキル)、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、x)−S(C0−4アルキル)、xi)−S(O)(C1−4アルキル)、xii)−SO(C0−4アルキル)、xiii)−SON(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、xiv)−NHSO(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、xv)−C1−10アルキル、及びxvi)−C1−10アルキルの中から選択される1から4個の独立した置換基で置換されていてもよく、炭素の一つ又はそれ以上は、−N(C0−6アルキル)−、−O−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(C0−6アルキル)−、−N(C0−6アルキル)−C(O)−、−N(C0−6アルキル)−C(O)−N(C0−6アルキル)−、−C(O)−、−CH(OH)、−C=C−又は−C≡C−で置換されていてもよい。}
で表される化合物又はこの医薬適合性の塩。
【請求項2】
式(III)
【化3】

(式中、RからRはそれぞれ請求項1で定義した通りである。)
で表される化合物又はこの医薬適合性の塩。
【請求項3】
が、H以外のものであり、オルト位に結合しているものであり、他の全ての可変要素が前記で定義した通りのものである前記化学式(I)で表される、請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩。
【請求項4】
が、H以外のものであり、オルト位に結合しているものであり、他の全ての可変要素が前記で定義した通りのものである前記化学式(II)で表される、請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩。
【請求項5】
が、H以外のものであり、オルト位に結合しているものであり、他の全ての可変要素が前記で定義した通りのものである、請求項2に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩。
【請求項6】
【表1】



により表される化合物。
【請求項7】
治療有効量の請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩と、医薬適合性の担体とを含有してなる医薬組成物。
【請求項8】
i)アヘン剤アゴニスト、ii)アヘン剤アンタゴニスト、iii)カルシウムチャンネルアンタゴニスト、iv)5HT受容体アゴニスト、v)5HT受容体アンタゴニスト、vi)ナトリウムチャネルアンタゴニスト、vii)NMDA受容体アゴニスト、viii)NMDA受容体アンタゴニスト、ix)COX−2選択性阻害剤、x)NK1アンタゴニスト、xi)非ステロイド系抗炎症薬、xii)選択的セロトニン再取り込み阻害剤、xiii)選択的セロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害剤、xiv)三環系抗うつ薬、xv)ノルエピネフリンモジュレーター、xvi)リチウム、xvii)バルプロ酸塩、及びxviii)ニューロンチンからなる群の中から選択される第二の治療薬をさらに含有してなる、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
疼痛の治療又は予防を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる疼痛の治療又は予防方法。
【請求項10】
慢性、内臓性、炎症性及び/又は神経障害性の疼痛症候群の治療を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる慢性、内臓性、炎症性及び/又は神経障害性の疼痛症候群の治療方法。
【請求項11】
外傷性神経損傷、神経圧迫又は絞扼、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、糖尿病性神経障害、癌及び/又は化学療法により生ずるか又はこれらに関連する疼痛の治療を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる外傷性神経損傷、神経圧迫又は絞扼、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、糖尿病性神経障害、癌及び/又は化学療法により生ずるか又はこれらに関連する疼痛の治療方法。
【請求項12】
慢性腰痛の治療を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる慢性腰痛の治療方法。
【請求項13】
幻肢疼痛の治療を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる幻肢疼痛の治療方法。
【請求項14】
HIV誘発性及びHIV治療誘発性神経障害、慢性骨盤痛、神経腫疼痛、複合性局所痛症候群、慢性関節痛及び/又は関連神経痛の治療を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなるHIV誘発性及びHIV治療誘発性神経障害、慢性骨盤痛、神経腫疼痛、複合性局所痛症候群、慢性関節痛及び/又は関連神経痛の治療方法。
【請求項15】
局部麻酔を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる局部麻酔を施す方法。
【請求項16】
過敏性大腸症候群及び/又はクローン病の治療を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる過敏性大腸症候群及び/又はクローン病の治療方法。
【請求項17】
てんかん及び/又は局部及び全身強直発作の治療を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなるてんかん及び/又は局部及び全身強直発作の治療方法。
【請求項18】
脳卒中又は神経性外傷によって引き起こされる虚血状態下で神経保護を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる脳卒中又は神経性外傷によって引き起こされる虚血状態下の神経保護方法。
【請求項19】
多発性硬化症の治療を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる多発性硬化症の治療方法。
【請求項20】
双極性障害の治療を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる双極性障害の治療方法。
【請求項21】
頻脈性不整脈の治療を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる頻脈性不整脈の治療方法。
【請求項22】
治療有効量の請求項2に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩と、医薬適合性の担体とを含有してなる医薬組成物。
【請求項23】
i)アヘン剤アゴニスト、ii)アヘン剤アンタゴニスト、iii)カルシウムチャンネルアンタゴニスト、iv)5HT受容体アゴニスト、v)5HT受容体アンタゴニスト、vi)ナトリウムチャネルアンタゴニスト、vii)NMDA受容体アゴニスト、viii)NMDA受容体アンタゴニスト、ix)COX−2選択性阻害剤、x)NK1アンタゴニスト、xi)非ステロイド系抗炎症薬、xii)選択的セロトニン再取り込み阻害剤、xiii)選択的セロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害剤、xiv)三環系抗うつ薬、xv)ノルエピネフリンモジュレーター、xvi)リチウム、xvii)バルプロ酸塩、及びxviii)ニューロンチンからなる群の中から選択される第二の治療薬をさらに含有してなる請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
疼痛の治療又は予防を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項2に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる疼痛の治療又は予防方法。
【請求項25】
慢性、内臓性、炎症性及び/又は神経障害性の疼痛症候群の治療を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項2に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる慢性、内臓性、炎症性及び/又は神経障害性の疼痛症候群の治療方法。
【請求項26】
外傷性神経損傷、神経圧迫又は絞扼、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、糖尿病性神経障害、癌及び/又は化学療法により生ずるか又はこれらに関連する疼痛の治療を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項2に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる外傷性神経損傷、神経圧迫又は絞扼、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、糖尿病性神経障害、癌及び/又は化学療法により生ずるか又はこれらに関連する疼痛の治療方法。
【請求項27】
慢性腰痛の治療を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項2に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる慢性腰痛の治療方法。
【請求項28】
幻肢疼痛の治療を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項1に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる幻肢疼痛の治療方法。
【請求項29】
HIV誘発性及びHIV治療誘発性神経障害、慢性骨盤痛、神経腫疼痛、複合性局所痛症候群、慢性関節痛及び/又は関連神経痛の治療を必要とする患者に、請求項2に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩の治療有効量又は予防有効量を投与する段階からなるHIV誘発性及びHIV治療誘発性神経障害、慢性骨盤痛、神経腫疼痛、複合性局所痛症候群、慢性関節痛及び/又は関連神経痛の治療方法。
【請求項30】
局部麻酔を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項2に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる局部麻酔を施す方法。
【請求項31】
過敏性大腸症候群及び/又はクローン病の治療を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項2に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる過敏性大腸症候群及び/又はクローン病の治療方法。
【請求項32】
てんかん及び/又は局部及び全身強直発作の治療を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項2に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなるてんかん及び/又は局部及び全身強直発作の治療方法。
【請求項33】
脳卒中又は神経性外傷によって引き起こされる虚血状態下での神経保護を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項2に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる脳卒中又は神経性外傷によって引き起こされる虚血状態下の神経保護方法。
【請求項34】
多発性硬化症の治療を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項2に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる多発性硬化症の治療方法。
【請求項35】
双極性障害の治療を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項2に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる双極性障害の治療方法。
【請求項36】
頻脈性不整脈の治療を必要とする患者に、治療有効量又は予防有効量の請求項2に記載の化合物又はこの医薬適合性の塩を投与する段階からなる頻脈性不整脈の治療方法。

【公表番号】特表2006−520782(P2006−520782A)
【公表日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507122(P2006−507122)
【出願日】平成16年3月12日(2004.3.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/007597
【国際公開番号】WO2004/083189
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】