説明

ナノバブル含有水製造装置およびナノバブル含有水製造方法

【課題】長時間ナノバブルを吐出してもノズルの吐出口が閉塞することのないナノバブル含有水製造装置およびナノバブル含有水製造方法を提供する。
【解決手段】浮遊物質含有水とマイクロバブルとを接触させてマイクロバブル含有水を作製する第1槽21と、マイクロバブルが浮遊物質含有水中の浮遊物質に付着した浮遊物質−マイクロバブル複合体を除去する排出配管38と、排出配管38によって浮遊物質−マイクロバブル複合体が除去されたあとのマイクロバブル含有水をせん断してナノバブル含有水を作製するナノバブル発生機24と、を有することを特徴とするナノバブル含有水製造装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノバブルを含有したナノバブル含有水を製造するためのナノバブル含有水製造装置およびナノバブル含有水製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
小さな直径を有する気泡(バブル)は、そのサイズに応じてマイクロバブル、マイクロナノバブルおよびナノバブルに分類することができる。上記バブルには様々な生理作用があることが知られており、現在、このような気泡を作製する技術およびその効果に対する注目が高まっている。
【0003】
例えば、従来から、微細気泡を利用して有用物質を皮膚を介して体内に吸収させる浴槽が用いられている(例えば、特許文献1参照)。上記浴槽は、有用物質を含有する液体を収容する容器と、浴槽内の液体中に微細気泡を発生させる微細気泡発生装置とを備え、微細気泡発生装置により浴槽内の湯水中に微細気泡を発生させる。そして、微細気泡を利用して、浴槽水中の有用物質の経皮吸収を促進している。
【0004】
また、従来から、オゾンガスからなるマイクロバブル(オゾンマイクロバブル)を利用する廃液処理装置が用いられている(例えば、特許文献2参照)。上記廃液処理装置では、オゾン発生装置によって作製されたオゾンガスと廃液とを、加圧ポンプを用いて混合することによって、オゾンガスからなるマイクロバブルを作製している。そして、当該マイクロバブルが廃液中の有機物と化学反応することによって、廃液中の有機物が酸化分解される。
【0005】
また、従来から、液体を原料としてナノバブルを作製する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。上記作製方法は、液体中において、1)上記液体の一部を分解ガス化する工程、2)上記液体に超音波を印加する工程、または3)上記液体の一部を分解ガス化する工程および上記液体に超音波を印加する工程、からなるものである。なお、液体の一部を分解ガス化する工程として、電気分解法または光分解法を用いることができることが記載されている。
【0006】
また、従来から、ナノバブルの利用方法、およびナノバブルを利用した各種装置が知られている(例えば、特許文献4参照)。より具体的には、上記特許文献4には、ナノバブルが、浮力の減少、表面積の増加、表面活性の増大、局所高圧場の生成、または静電分極の実現によって、界面活性作用および殺菌作用を示すことが記載されている。更に、特許文献4には、ナノバブルが有する界面活性作用および殺菌作用を用いて、各種物体を洗浄する技術および汚濁水を浄化する技術が記載されている。更に、特許文献4には、ナノバブルを用いて生体の疲労を回復する方法が記載されている。なお、特許文献4では、水を電気分解するとともに、当該水に超音波振動を加えることによって、ナノバブルを作製している。
【特許文献1】特開2006−305158号公報(平成18年11月9日公開)
【特許文献2】特開2004−321959号公報(平成16年11月18日公開)
【特許文献3】特開2003−334548号公報(平成15年11月25日公開)
【特許文献4】特開2004−121962号公報(平成16年4月22日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来のナノバブル発生装置およびナノバブル発生方法では、ナノバブルを吐出するためのノズルの口径が小さい。それ故、ナノバブルを発生させるために用いる液体中に浮遊物質が存在すると、ナノバブルを発生させるにしたがって上記ノズルの吐出口に上記浮遊物質が付着し、その結果、ノズルの吐出口が閉塞するという問題点を有している。ノズルの吐出口が閉塞すれば、規定量のナノバブルを発生させることができないので、ナノバブルが有する各種効果を十分に発揮させることができないという問題点を有している。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、長時間ナノバブルを吐出してもノズルの吐出口が閉塞することのないナノバブル含有水製造装置およびナノバブル含有水製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、以下の1)〜4)を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
1)マイクロバブルはマイナス電荷を有しているために浮遊物質に付着し易く、マイクロバブルが浮遊物質に付着した浮遊物質−マイクロバブル複合体は、マイクロバブル含有水中を浮上させて除去することができること。
【0011】
2)マイクロバブル発生機にて発生させたマイクロバブルのうち、サイズが小さいが故にマイクロバブル含有水中で浮上することなく当該マイクロバブル含有水中を漂うものを用いてナノバブルを作製すれば、気液混合循環ポンプの寿命が長くなるとともに、ナノバブルの製造効率が高くなること。
【0012】
3)ナノバブル発生機に供給すべき最適量のマイクロバブルは、電磁流量計を制御して、コントロールできること。
【0013】
すなわち、多くのマイクロバブルをナノバブル発生機に導入する場合は、電磁流量計の測定値に基づいて多い量の液体を流せば、後述する第2槽での仕切り板間での流速が早くなり、その結果、マイクロバブルが浮上することなく、ナノバブル発生機に導入されて、ナノバブルの中でも、より大きなサイズのナノバブルを製造することが可能となること。および、少ないマイクロバブルをナノバブル発生機に導入する場合は、電磁流量計の測定値に基づいて少ない量の液体を流せば、後述する第2槽での仕切り板間の流速が遅くなり、その結果、マイクロバブルのうちで大きいサイズのものは浮上して消滅し、サイズの小さいマイクロバブルのみがナノバブル発生機に導入されて、ナノバブルの中でも、より小さいサイズのナノバブルを多量に製造することが可能となること。
【0014】
4)ナノバブル発生機で製造されるナノバブルのサイズとナノバブル量とを、電磁流量計によって移送ポンプ(後述する移送ポンプ9)の吐出量を調節することによって、間接的にコントロールできること。すなわち、移送ポンプの吐出量と、ナノバブルのサイズおよび量とが比例関係にあること。
【0015】
本発明のナノバブル含有水製造装置は、上記課題を解決するために、浮遊物質含有水とマイクロバブルとを接触させてマイクロバブル含有水を作製するマイクロバブル含有水作製手段と、前記マイクロバブルが前記浮遊物質含有水中の浮遊物質に付着した浮遊物質−マイクロバブル複合体を除去する除去手段と、前記除去手段によって浮遊物質−マイクロバブル複合体が除去されたあとのマイクロバブル含有水をせん断してナノバブル含有水を作製するナノバブル含有水作製手段と、を有することを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、マイクロバブル含有水作製手段によって、浮遊物質含有水とマイクロバブルとを接触させてマイクロバブル含有水が作製される。このとき、マイクロバブルはマイナス電荷を有しているので、当該マイクロバブルの少なくとも一部は、浮遊物質含有水中の浮遊物質に付着して浮遊物質−マイクロバブル複合体を形成する。浮遊物質−マイクロバブル複合体には浮力が働くので、浮遊物質−マイクロバブル複合体はマイクロバブル含有水中を浮上して、除去手段によって分離される。そして、浮遊物質−マイクロバブル複合体が除去されたあとのマイクロバブル含有水をせん断すれば、効率よくナノバブル含有水を作製することができる。
【0017】
本発明のナノバブル含有水製造装置は、前記除去手段によって浮遊物質−マイクロバブル複合体が除去されたあとのマイクロバブル含有水が導入されるとともに、前記マイクロバブル含有水の水面に浮上するバブルを前記マイクロバブル含有水から除去するバブル選択手段を有することが好ましい。
【0018】
上記構成によれば、バブル選択手段中にマイクロバブル含有水が導入されて、その後、所望の時間だけ、マイクロバブル含有水がバブル選択手段内に保持されることになる。したがって、保持されている間に、マイクロバブル含有水に含まれる大きなバブルは、マイクロバブル含有水の表面から放出される。その結果、マイクロバブル含有水には、小さなバブルが選択的に含まれることになる。そして、当該小さなバブルを含むマイクロバブル含有水を用いてナノバブル含有水を作製すれば、当該ナノバブル含有水中に含まれるナノバブルのサイズを小さくすることができる。
【0019】
本発明のナノバブル含有水製造装置は、前記除去手段は、前記マイクロバブル含有水作製手段内のマイクロバブル含有水の少なくとも表層を吸引するものであることが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、浮遊物質−マイクロバブル複合体はマイクロバブル含有水の表層近くに浮上するので、効率よく浮遊物質−マイクロバブル複合体を除去することができる。
【0021】
本発明のナノバブル含有水製造装置では、前記マイクロバブルは、水中ポンプ型マイクロバブル発生機または超高速旋回型マイクロバブル発生機によって製造されることが好ましい。
【0022】
上記構成によれば、マイクロバブル発生機によって容易にマイクロバブルを発生させることができる。また、水中ポンプ型マイクロバブル発生機は、多くのマイクロバブルを製造することができるので、浮遊物質含有水中の浮遊物質濃度が高い場合に用いれば、多くの浮遊物質−マイクロバブル複合体を分離することができる。また、水中ポンプ型マイクロバブル発生機は、小型ブロワーを除けば、本体を水槽に投入するだけでマイクロバブルを発生することができるので、容易に設置することができる。一方、超高速旋回型マイクロバブル発生機は、水中ポンプ型マイクロバブル発生機と比較して、発生するマイクロバブルのサイズがより微細である。したがって、浮遊物質含有水中の浮遊物質濃度が低い場合に用いれば、より確実に浮遊物質−マイクロバブル複合体を分離することができる。
【0023】
本発明のナノバブル含有水製造装置では、前記マイクロバブルは、空気、オゾンガス、炭酸ガス、酸素ガス、または窒素ガスによって形成されていることが好ましい。
【0024】
上記構成によれば、空気、オゾンガス、炭酸ガス、酸素ガス、または窒素ガスを成分とするナノバブルを含むナノバブル含有水を作製することができる。例えば、空気は大量に存在するので、ナノバブルの材料費を低く抑えることができるとともに、マイクロバブルを発生させるための構成を、低コストにて製造することができる。また、例えば、オゾンガスは強い酸化力を有するので、強い酸化力を有するナノバブル含有水を作製することができる。また、オゾンガスを成分とするナノバブルは、ナノバブル含有水中に長時間存在することが可能なので、所望の物質を完全に酸化することができる。また、例えば、炭酸ガスを成分とするナノバブルを含むナノバブル含有水は、洗浄作用、血流量およびインスリン様成長因子の増加作用などを有するので、上記ナノバブル含有水を浴槽水として用いることができる。また、例えば酸素ガスを成分とするナノバブルを含むナノバブル含有水は、水中の溶存酸素を高めることができるので、酸素ガスを用いた排水処理、水産養殖、活魚の蓄養、活魚の輸送に利用することができる。また、例えば窒素ガスを成分とするナノバブルを含むナノバブル含有水は、酸化防止作用があるので、酸化に弱い対象物および製品の酸化を防止することができる。
【0025】
本発明のナノバブル含有水製造装置では、前記ナノバブル含有水作製手段は、第1気体せん断部、第2気体せん段部および第3気体せん断部を有し、前記第1気体せん断部は、マイクロバブル含有水に対して1回目のせん断を行うものであり、前記第2気体せん断部は、前記1回目のせん断後のマイクロバブル含有水に対して2回目のせん断を行うものであり、前記第3気体せん断部は、前記2回目のせん断後のマイクロバブル含有水に対して3回目のせん断を行うものであることが好ましい。
【0026】
上記構成によれば、マイクロバブル含有水を3回せん断することができるので、バブルの微細化が更に進み、その結果、ナノバブル含有水中のナノバブルの量を増加させることができる。
【0027】
本発明のナノバブル含有水製造装置では、前記第1気体せん断部の内部の横断面は、楕円形または真円形であり、前記第1気体せん断部の内部は、鏡面仕上げによって形成されていることが好ましい。
【0028】
上記構成によれば、マイクロバブル含有水を高速旋回させるとともに、マイクロバブル含有水を効率良くせん断することができるので、多くのナノバブルを発生させることができる。
【0029】
本発明のナノバブル含有水製造装置では、前記第1気体せん断部は、せん断前のマイクロバブル含有水を前記第1気体せん断部の内部に取り込むための導入口と、せん断後のマイクロバブル含有水を吐出するための吐出口とを有し、前記吐出口の直径は、前記導入口の直径の50〜80%の長さであることが好ましい。
【0030】
上記構成によれば、上記第1気体せん断部において、安定的にマイクロバブルを発生させることができる。そして、当該マイクロバブルを用いれば、上記第2気体せん断部および第3気体せん断部において、安定にナノバブルを発生させることができる。一般的にマイクロバブルを安定に発生させるためには、マイクロバブル含有水の吐出圧力を高める必要がある。上記構成によれば、吐出口の直径が導入口の直径よりも小さい、具体的には、吐出口の直径が導入口の直径の50〜80%であることによって、マイクロバブル含有水の吐出圧力を高めることが可能になり、その結果、マイクロバブルを安定に発生させることができる。
【0031】
本発明のナノバブル含有水製造装置では、前記第1気体せん断部の内部には、2本以上の溝が設けられていることが好ましい。
【0032】
上記構成によれば、上記溝によって、第1気体せん断部の内部におけるマイクロバブル含有水の旋回運動を制御することができる。つまり、上記構成によれば、第1気体せん断部の内部の旋回乱流の発生を制御することができる。その結果、第1気体せん断部によって、安定に多量のマイクロバブルを発生させることができる。そして、当該マイクロバブルを用いれば、上記第2気体せん断部および第3気体せん断部において、安定にナノバブルを発生させることができる。
【0033】
本発明のナノバブル含有水製造装置では、前記第1気体せん断部は、毎分1.5リットル〜120リットルのマイクロバブル含有水を前記第2気体せん断部に向かって吐出するものであり、前記1分間に吐出されるマイクロバブル含有水には、0.3リットル〜1.5リットルのマイクロバブルが含まれていることが好ましい。
【0034】
上記構成によれば、多量のナノバブル含有水を安定に製造することができる。
【0035】
本発明のナノバブル含有水製造装置では、前記第1気体せん断部の材料が、ステンレス、プラスチック、または樹脂であることが好ましい。
【0036】
上記構成によれば、ナノバブル含有水の使用目的に応じて、上記第1気体せん断部の材料を選択することができる。例えば、製薬業界では、薬に金属等の不純物が混入することを避ける必要がある。この場合、上記構成であれば、第1気体せん断部の材料が混入する可能性が低いので、製造されたナノバブル含有水を医薬品の製造、すなわち製薬に使用することができる。
【0037】
本発明のナノバブル含有水製造装置では、前記第1気体せん断部の材料の厚さが、4mm〜5mmであることが好ましい。
【0038】
上記構成によれば、第1気体せん断部の材料が厚く形成されているので、第1気体せん断部が振動することがない。つまり、第1気体せん断部の内部にてマイクロバブル含有水が旋回しても、それによって第1気体せん断部が振動することがない。したがって、第1気体せん断部の内部で旋回しているマイクロバブル含有水の流体運動エネルギーが、振動として外部(例えば、外部気体)に伝播して失われることがないので、マイクロバブル含有水を高速旋回させることができるとともに、マイクロバブル含有水のせん断エネルギーを維持することができる。その結果、上記第1気体せん断部にて、効率的にマイクロバブルを発生させることができる。
【0039】
本発明のナノバブル含有水製造装置では、前記第2気体せん断部および第3気体せん断部の横断面は、楕円形または真円形であり、前記第2気体せん断部および第3気体せん断部の内部表面には孔が形成されているとともに、当該孔の孔径が4mm〜9mmであることが好ましい。
【0040】
上記構成によれば、上記第2気体せん断部および第3気体せん断部の内部におけるバブル含有水の旋回運動を制御することができる。つまり、上記構成によれば、上記第2気体せん断部および第3気体せん断部の内部の旋回乱流の発生を制御することができる。その結果、第2気体せん断部および第3気体せん断部によって、安定にナノバブルを発生させることができる。
【0041】
本発明のナノバブル含有水製造装置では、前記浮遊物質含有水に含まれる浮遊物質の量が、1ppm以下であることが好ましい。
【0042】
上記構成によれば、浮遊物質含有水に含まれる浮遊物質の量が1ppm以下であるので、浮遊物質−マイクロバブル複合体を効率よく形成することができる。つまり、浮遊物質含有水中に含まれる浮遊物質の大半にマイクロバブルが付着して浮遊物質−マイクロバブル複合体が形成される。その結果、浮遊物質含有水中に含まれる浮遊物質の大半を分離することができる。そして、浮遊物質の含有量が少ないマイクロバブル含有水を用いてナノバブル含有水を作製するので、効率よくナノバブル含有す水を製造することができる。
【0043】
本発明のナノバブル含有水製造装置では、前記ナノバブル含有水作製手段に対して、ナノバブル含有水作製開始後60秒後にマイクロバブル含有水が供給されるように、前記水中ポンプ型マイクロバブル発生機または超高速旋回型マイクロバブルにおけるマイクロバブル製造を調節するためのシーケンサーを備えていることが好ましい。
【0044】
上記構成によれば、気液混合循環ポンプのインペラの損傷を防止することによって、安定にナノバブルを発生させることができる。
【0045】
本発明のナノバブル含有水製造方法は、上記課題を解決するために、浮遊物質含有水とマイクロバブルとを接触させてマイクロバブル含有水を作製するマイクロバブル含有水作製工程と、前記マイクロバブルが前記浮遊物質含有水中の浮遊物質に付着した浮遊物質−マイクロバブル複合体を除去する除去工程と、前記除去工程によって浮遊物質−マイクロバブル複合体が除去されたあとのマイクロバブル含有水をせん断してナノバブル含有水を作製するナノバブル含有水作製工程と、を有することを特徴としている。
【0046】
上記構成によれば、マイクロバブル含有水作製工程によって、浮遊物質含有水とマイクロバブルとを接触させてマイクロバブル含有水が作製される。このとき、マイクロバブルはマイナス電荷を有しているので、当該マイクロバブルの少なくとも一部は、浮遊物質含有水中の浮遊物質に付着して浮遊物質−マイクロバブル複合体を形成する。浮遊物質−マイクロバブル複合体には浮力が働くので、浮遊物質−マイクロバブル複合体はマイクロバブル含有水中を浮上して、除去工程によって分離される。そして、浮遊物質−マイクロバブル複合体が除去されたあとのマイクロバブル含有水をせん断すれば、効率よくナノバブル含有水を作製することができる。
【0047】
本発明のナノバブル含有水製造方法では、前記除去工程によって浮遊物質−マイクロバブル複合体が除去されたあとのマイクロバブル含有水の水面に浮上するバブルを前記マイクロバブル含有水から除去するバブル選択工程を有することが好ましい。
【0048】
上記構成によれば、バブル選択工程において、マイクロバブル含有水に含まれる大きなバブルは、マイクロバブル含有水の表面から放出される。その結果、マイクロバブル含有水には、小さなバブルが選択的に含まれることになる。そして、当該小さなバブルを含むマイクロバブル含有水を用いてナノバブル含有水が作製されるので、当該ナノバブル含有水中に含まれるナノバブルのサイズを小さくすることができる。
【0049】
本発明のナノバブル含有水製造方法では、前記ナノバブル含有水作製工程は、前記マイクロバブル含有水をせん断する工程を複数含むことが好ましい。
【0050】
上記構成によれば、マイクロバブル含有水を複数回せん断することができるので、バブルの微細化が更に進み、その結果、ナノバブル含有水中のナノバブルの量を増加させることができる。
【0051】
本発明のナノバブル含有水製造方法では、前記浮遊物質含有水が、上水、排水、地下水、工業用水、浴槽水、化粧水、医薬品を含む液剤、有機溶媒等の溶剤、原油、バイオエタノール、発酵液、フッ素化合物排水であることが好ましい。
【0052】
上記構成によれば、浮遊物質を含む様々な液体から、浮遊物質を除去することができる。その結果、当該液体に対して更なる処理を加えた場合に、浮遊物質が引き起こす様々な弊害を防止することができる。
【0053】
本発明のナノバブル含有水製造方法では前記ナノバブル含有水が、更に、化学装置、生物装置、または物理装置に導入されることが好ましい。
【0054】
上記構成によれば、ナノバブル含有水に対して更なる処理を施すことが可能になる。それによって、例えば、ナノバブル含有水に残存している浮遊物質や他の物質を除去することができる。
【0055】
本発明の組成物は、上記記載の何れかの方法によって製造されたナノバブル含有水を含むことを特徴としている。
【0056】
上記構成によれば、組成物にナノバブルが含まれる。これによって、組成物に対して、ナノバブルが有する様々な活性を持たせることができる。
【発明の効果】
【0057】
本発明のナノバブル含有水製造装置は、以上のように、浮遊物質含有水とマイクロバブルとを接触させてマイクロバブル含有水を作製するマイクロバブル含有水作製手段と、前記マイクロバブルが前記浮遊物質含有水中の浮遊物質に付着した浮遊物質−マイクロバブル複合体を除去する除去手段と、前記除去手段によって浮遊物質−マイクロバブル複合体が除去されたあとのマイクロバブル含有水をせん断してナノバブル含有水を作製するナノバブル含有水作製手段と、を有するものである。
【0058】
また、本発明のナノバブル含有水製造方法は、以上のように、浮遊物質含有水とマイクロバブルとを接触させてマイクロバブル含有水を作製するマイクロバブル含有水作製工程と、前記マイクロバブルが前記浮遊物質含有水中の浮遊物質に付着した浮遊物質−マイクロバブル複合体を除去する除去工程と、前記除去工程によって浮遊物質−マイクロバブル複合体が除去されたあとのマイクロバブル含有水をせん断してナノバブル含有水を作製するナノバブル含有水作製工程と、を有するものである。
【0059】
それゆえ、浮遊物質によってノズルの吐出口が閉塞することを防止することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0061】
まず、本明細書内で用いられる「マイクロバブル」および「ナノバブル」について説明する。「マイクロバブル」とは、直径50ミクロン(μm)以下の微細気泡が意図される。「ナノバブル」とは、マイクロバブルよりさらに小さいバブルであって、直径が1ミクロン以下(100nm〜200nm)の微細気泡が意図される。一般に、マイクロバブルは、水中で縮小して、ついには消滅(完全溶解)してしまう。一方、ナノバブルは、マイクロバブルと比較して、長時間、水の中に安定に存在することができる。
【0062】
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置1には、貯槽10、ナノバブル発生槽2、ナノバブル発生機24(ナノバブル含有水作製手段)が備えられている。
【0063】
上記貯槽10には、浮遊物質含有水が導入される。本明細書において「浮遊物質含有水」とは、浮遊物質を含んだ液体を意図する。なお、本願発明のナノバブル含有水製造装置およびナノバブル含有水製造方法は、浮遊物質を含まない液体を導入してナノバブル含有水を製造することも可能である。
【0064】
上記浮遊物質および液体としては特に限定されない。浮遊物質含有水としては、例えば、浮遊物質含有排水、浮遊物質含有上水、浮遊物質含有地下水、浮遊物質含有浴槽水、浮遊物質含有健康飲料原料、医薬品としての浮遊物質を含有した原料液剤、浮遊物質含有溶剤原料、浮遊物質含有原油、浮遊物質含有ガソリン、浮遊物質含有バイオエタノール、浮遊物質含有発酵液等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0065】
浮遊物質含有水が導入される貯槽10には、移送ポンプ9が設置されている。貯槽10の水位が一定以上になると、レベルコントローラー43およびシーケンサー6の信号に基づいて、移送ポンプ9が運転される。なお、シーケンサー6から発信される信号は、信号線5を介して各構成に送信される。また、各構成から発信される信号も、信号線5を介してシーケンサー6に送信される。移送ポンプ9は、配管27を介して浮遊物質含有水を移送する。例えば、電動バルブ8を開けば、浮遊物質含有水の少なくとも一部が貯層10に戻り、貯槽10内が撹拌される。一方、電動バルブ7を開けば、浮遊物質含有水の少なくとも一部が、配管36を介して、ナノバブル発生槽2の第1槽21(マイクロバブル含有水作製手段)内に設けられている槽内流入管37に移送される。このとき、配管36内を移送される浮遊物質含有水の流量は、電磁流量計25によって測定されている。したがって、電磁流量計25の測定値に基づいて、シーケンサー6によって電動バルブ7および電動バルブ8を開閉すれば、配管36内を移送される浮遊物質含有水の流量を制御することができる。
【0066】
上記槽内流入管37は、水中ポンプ型マイクロバブル発生機19から発生するマイクロバブルを浮遊物質含有水に効率的に接触させる為に用いられる。槽内流入管37の形状は特に限定されないが、入口部分と出口部分が広くなっていることが好ましい。当該構成によれば、確実に浮遊物質含有水を槽内流入管37内に導入することが可能になる。
【0067】
水中ポンプ型マイクロバブル発生機19から発生するマイクロバブルは、第1槽21内で水流20を形成する。マイクロバブルはマイナス電荷を有しているので、マイクロバブルは浮遊物質含有水中の浮遊物質に付着して、浮遊物質−マイクロバブル複合体を形成する。上記浮遊物質−マイクロバブル複合体は第1槽21内を次第に浮上して、微細気泡が付着した浮上物質スカム39となる。浮上物質スカム39は、一定量以上増加すると、排出配管38(除去手段)および配管26を経て、第1槽21の外に排出される。これによって、浮遊物質含有水中の浮遊物質の量を減少させるとともに、マイクロバブル含有水を製造することができる。なお、水中ポンプ型マイクロバブル発生機19の代わりに、超高速旋回型マイクロバブル発生機を用いることも可能である。これらの構成を用いれば、効率よくマイクロバブルを発生させることができる。
【0068】
また、上記排出管38は浮上物質スカム39をマイクロバブル含有水から除去し得るものであればよく特に限定されない。例えば、第1槽21の側面であってマイクロバブル含有水の水面近傍に設けられた開口であってもよいし、マイクロバブル含有水の表層を吸引する吸引管であってもよい。さらに、これらの構成は、積極的に浮上物質スカム39を吸引するための吸引ポンプを備えるものであってもよい。また、排出管38は浮上物質スカム39を効率よく除去することができるスカムスキマーを用いて構成されていてもよい。
【0069】
上述したように、第1槽21内には水中ポンプ型マイクロバブル発生機19によってマイクロバブルが供給されている。水中ポンプ型マイクロバブル発生機19には、配管35から取り込まれた気体がブロワー42によって供給され、当該気体を成分とするマイクロバブルが形成される。なお、ブロワー24によって気体を供給する場合には、電動バルブ34を開けて、配管35から気体を取り入れる。上記気体としては特に限定されず、例えば、空気、オゾンガス、炭酸ガス、酸素ガス、または窒素ガスを用いることができる。この場合、配管35の一端には、上記気体を貯蔵することができるガスボンベを連結することが好ましい。これによって、所望の気体を成分とするマイクロバブルを発生させることができる。また、上記気体として空気を用いる場合には、上記配管35の一端を、室内などに開放しておくことも可能である。
【0070】
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、シーケンサー6によって、移送ポンプ9、電動バルブ7、電動バルブ8、電磁流量計25、ブロワー42、電動バルブ34、水中ポンプ型マイクロバブル発生機19、および気液混合循環ポンプ11が制御されている。つまり、シーケンサー6によって、上記各構成の運転を自由に設定することができるので、所望のナノバブル含有水を製造することができる。
【0071】
第1槽21にて浮遊物質が除去されたマイクロバブル含有水は、上部仕切板16および下部仕切板18によってマイクロバブル含有水の流路が形成された第2槽22(バブル選択手段)に流入する。第2槽22内の上部仕切板16および下部仕切板18の各々の数は特に限定されない。例えば、2枚の上部仕切板16および2枚の下部仕切板18を用いることが可能であるが、これらに限定されない。
【0072】
また、上記第1槽21内に設置された水中ポンプ型マイクロバブル発生機19へ供給される気体量(例えば、空気量)が、0.7リットル/分となる様に、電動バルブ34の開閉の程度を予め設定することが好ましい。上記構成によれば、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置によって製造されるナノバブル含有水には、多量のナノバブルが含有される。また、上記第2槽22のマイクロバブル含有水に含まれるマイクロバブルの量を多くすれば(例えば、電動バルブ34の開閉の程度を調節して0.7リットル/分よりも多い空気量を供給すれば)、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置によって製造されるナノバブル含有水には、ナノバブルとマイクロバブルの両方が含有される。
【0073】
この場合、予め、電磁流量計25の値と上記第2槽22のマイクロバブル含有水に含まれるマイクロバブルの量との関係を示す検量線を作成しておけばよい。そして、電磁流量計25の値が所望の値を示すようにシーケンサー6を操作すれば、第2槽22のマイクロバブル含有水に含まれるマイクロバブルの量を調節することができる。なお、上記検量線を作成するためには、まず、第2槽22のマイクロバブル含有水をサンプリングしてメスシリンダー等を用いて最初の体積を計測するとともに、このときの電磁流量計25の値を記録する。次いで、当該サンプルを1時間以上放置して、マイクロバブルが抜けた後の体積を測定する。そして上記体積の差を計算すれば、電磁流量計25が特定の値を示すときのマイクロバブルの量を測定することができ、その結果、検量線を作成することができる。
【0074】
上記第2槽22においてマイクロバブルの量が調節されたマイクロバブル含有水は、水流15となって第3槽23内へ流入する。上記第3槽23と当該第3槽23の外部にわたって、ナノバブル発生機24が設けられている。そして、当該ナノバブル発生機24によって、マイクロバブル含有水を用いてナノバブル含有水が製造される。ナノバブル発生機24は、マイクロバブル発生部12(第1気体せん断部)を有する気液混合循環ポンプ11、第2気体せん断部14、第3気体せん断部17およびそれらを連結する配管を備えている。また、ナノバブル発生機24は、シーケンサー6と接続されている。したがって、移送ポンプ9、電動バルブ7、電動バルブ8、電磁流量計25、ブロワー42、電動バルブ34、水中ポンプ型マイクロバブル発生機19、および気液混合循環ポンプ11が、シーケンサー6内のプログラムによって制御され得る。
【0075】
以下に、ナノバブル発生機24について説明する。
【0076】
上述したように、ナノバブル発生機24は、マイクロバブル発生部12を有する気液混合循環ポンプ11、第2気体せん断部14、第3気体せん断部17を備えている。
【0077】
従来のナノバブル発生機には、マイクロバブル発生部12に気体を導入するための配管が存在したが、本発明では、配管3からマイクロバブル発生部12にマイクロバブル含有水が取り込まれる。そして、マイクロバブル発生部12において、マイクロバブル含有水に含まれるマイクロバブルを利用して、更に微細なマイクロバブルが製造される。上記微細なマイクロバブルを含むマイクロバブル含有水は、次いで第2気体せん断部14を経由してナノバブル含有水となり、更に第3気体せん断部17を経由して所望のサイズのナノバブルを含有するナノバブル含有水となる。そして、当該ナノバブル含有水は水流4を形成して吐出される。吐出されたナノバブル含有水は、配管28を介して次工程を行うことのできる装置29へと移送される。なお、装置29としては特に限定されず、目的に応じて、適宜公知の構成を用いることが可能である。
【0078】
ナノバブル発生機24は、第1工程および第2工程を経て、ナノバブル含有水を製造する。以下に第1工程および第2工程について説明する。
【0079】
〔第1工程〕
第1工程では、マイクロバブル発生部12において、気液混合循環ポンプ11を用いてマイクロバブル含有水の圧力が流体力学的に制御されるとともに、負圧部から気体が吸入される。なお、「負圧部」とは、気体・液体混合物中で、周りと比較して圧力が小さな領域を意図する。そして、マイクロバブル含有水を高速流体運動させて負圧部を形成し、マイクロバブルをせん断することによって更に微細なマイクロバブルを発生させる。換言すれば、マイクロバブル含有水を形成している液体と気体とを効果的に自給混合溶解するとともに、圧送する。これによって、より微細なマイクロバブルを含有するマイクロバブル含有水を形成する。
【0080】
気液混合循環ポンプ11としては特に限定されないが、揚程40m以上(4kg/cmの圧力)の高揚程のポンプであることが好ましい。また、気液混合循環ポンプ11としてはトルクが安定している2ポールのポンプを用いることが好ましい。上記構成によれば、マイクロバブル発生部12内のマイクロバブル含有水に対して所望の圧力を加えることが可能であり、その結果、マイクロバブル含有水に含まれるマイクロバブルをより微細にせん断することができる。
【0081】
また、気液混合循環ポンプ11は、圧力が制御されていることが好ましい。それゆえ、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、気液混合循環ポンプ11が、シーケンサー6内のプログラム等によって制御されている。例えば、気液混合循環ポンプ11のポンプの回転数をインバーターによって制御することによって、気液混合循環ポンプ11の圧力を制御することができる。気液混合循環ポンプ11の圧力を制御することができれば、マイクロバブル発生部12内のマイクロバブル含有水に対して所望の圧力を加えることが可能であり、その結果、マイクロバブル含有水に含まれるマイクロバブルをより微細にせん断することができる。
【0082】
また、マイクロバブル発生部12の材料は特に限定されないが、ステンレス、プラスチック、または樹脂であることが好ましい。マイクロバブル発生部12の厚さは特に限定されないが、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置であれば、上記厚さを4mm〜5mmにすることが可能である。なお、従来のマイクロバブル発生部は、その厚さが6mm〜12mmである。これによって、マイクロバブル発生部12を低コストで作製することが可能になる。一般的に、マイクロバブル発生部位12が薄ければ、マイクロバブル発生部12内のマイクロバブル含有水の運動によって、マイクロバブル発生部12が振動する。その結果、運動エネルギーが振動として外部に伝播して逃げるので、それによって、マイクロバブル含有水の高速流動運動が低下して、せん断エネルギーを低下させる。しかしながら、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、水中ポンプ型マイクロバブル発生機19によって予めマイクロバブルを製造しているので、マイクロバブル発生部12内のマイクロバブル含有水の運動エネルギーは小さくてよい。その結果、従来と比較してマイクロバブル発生部12の厚さを薄くすることが可能になる。
【0083】
次いで、マイクロバブル発生部12を有する気液混合循環ポンプ11が微細なマイクロバブルを発生させるメカニズムについて説明する。
【0084】
まず、マイクロバブル発生部12において、マイクロバブル含有水の構成成分である液体および気体の混相旋回流を発生させる。具体的には、インペラと呼ばれる羽を超高速で回転させて、液体および気体の混相旋回流を発生させる。このとき、マイクロバブル発生部12の中心部には、高速旋回する気体空洞部が形成される。次いで、上記気体空洞部を圧力によって竜巻状に細くして、より高速で旋回する回転せん断流を発生させる。この空洞部に対して、負圧を利用して、気体(マイクロバブル含有水に含まれるマイクロバブル)を自動的に供給させる。さらに、マイクロバブルを切断・粉砕しながら混相流を回転させる。上記切断・粉砕は、マイクロバブル発生部12の出口付近における内外の気液二相流体の回転速度の差によって生じる。なお、その時の回転速度の差は、500〜600回転/秒であることが好ましい。
【0085】
すなわち、マイクロバブル発生部12において、流体力学的にマイクロバブル含有水の圧力を制御することによって負圧部から気体を吸入するとともに、気液混合循環ポンプ11によってマイクロバブル含有水を高速流体運動させることによって、より微細なマイクロバブルを発生させることができる。換言すれば、気液混合循環ポンプ11によって液体と気体とを効果的に自給混合溶解しながら圧送することにより、より微細なマイクロバブルを含有するマイクロバブル含有水を製造することができる。
【0086】
マイクロバブル発生部12の内部形状は特に限定されないが、楕円形でることが好ましく、真円形であることが最も好ましい。また、マイクロバブル発生部12の内部は、更に鏡面仕上げによって形成されていることが好ましい。上記構成によれば、マイクロバブル発生部12の内部摩擦が小さいので、マイクロバブル含有水を高速旋回させるとともに、マイクロバブル含有水を効率良くせん断することができる。その結果、多くの微細なマイクロバブルを発生させることができるとともに、最終的に多くのナノバブルを発生させることができる。
【0087】
また、マイクロバブル発生部12の内部には、深さ略0.3mm〜0.6mm、幅略0.8mm以内の溝を設けることが好ましい。上記構成によれば、マイクロバブル発生部12内のマイクロバブル含有水の旋回乱流を制御することができるので、多くの微細なマイクロバブルを発生させることができるとともに、最終的に多くのナノバブルを発生させることができる。
【0088】
また、マイクロバブル発生部12は、マイクロバブル含有水をマイクロバブル発生部12の内部に取り込むための導入口と、せん断後のマイクロバブル含有水を吐出するための吐出口とを有している。このとき、上記吐出口の直径は上記導入口の直径よりも短いことが好ましく、吐出口の直径が、前記導入口の直径の50〜80%の長さであることが最も好ましい。上記構成によれば、マイクロバブル含有水の吐出圧力を高めることができるので、安定的にマイクロバブルを発生させることができる。
【0089】
〔第2工程〕
第2工程では、第2気体せん断部14および第3せん断部17によって、マイクロバブル発生部12を経た後のマイクロバブル含有水を更にせん断することにより、マイクロバブルからナノバブルを発生させる。
【0090】
上記気液混合循環ポンプ11によって、マイクロバブル含有水をマイクロバブル発生部12から、第2気体せん断部14を経て第3気体せん断部17へ圧送する場合には、マイクロバブル含有水が圧送される方向に向かって、徐々にまたは段階的に配管の直径が小さくなることが好ましい。上記構成によれば、マイクロバブル含有水をより高速で流体運動しながら竜巻状に細くすることができる。換言すれば、より高速で旋回する回転せん断流を発生させることができる。その結果、マイクロバブルからナノバブルを発生させることができるとともに、超高温の極限反応場を形成することができる。上記極限反応場が形成されると、局部的に高温高圧状態となり、不安定なフリーラジカルができ、同時に熱を発生する。フリーラジカルは不対電子を有する原子または分子であって、他の原子または分子から電子を奪い取って安定化しようとする。それゆえ、フリーラジカルは、強い酸化力を示すことになる。上記構成によれば、フリーラジカルによって、液体中の有機物などを酸化分解することができる。
【0091】
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置のように、第2気体せん断部14および第3気体せん断部17の2つの構成を用いれば、1つの構成を用いる場合と比較して多量のナノバブルを形成することができる。
【0092】
また、第2気体せん断部14および第2気体せん断部17は、ステンレス、プラスチック、または樹脂によって形成されていることが好ましい。上記構成によれば、ナノバブル含有水の使用目的に応じて、上記第2気体せん断部14および第2気体せん断部17の材料を選択することができる。例えば、製薬業界では、薬に不純物が混入することを避ける必要がある。この場合、上記構成であれば、第2気体せん断部14および第2気体せん断部17の材料が混入する可能性が低いので、製造されたナノバブル含有水を医薬品の製造、すなわち製薬に使用することができる。
【0093】
また、第2気体せん断部14および第2気体せん断部17の内部の形状は、楕円形であることが好ましく、真円形であることが最も好ましい。上記構成によれば、第2気体せん断部14および第2気体せん断部17の内部抵抗が小さいので、マイクロバブル含有水を高速旋回させるとともに、マイクロバブル含有水を効率良くせん断することができ、その結果、多くのナノバブルを発生させることができる。
【0094】
また、第2気体せん断部14と第3気体せん断部17の本体中心部には、孔が開いていることが好ましい。上記孔の開口の直径は特に限定されないが、4mm〜9mmであることが好ましい。上記構成によれば、上記第2気体せん断部および第3気体せん断部の内部におけるバブル含有水の旋回運動を制御することができる。つまり、上記構成によれば、上記第2気体せん断部および第3気体せん断部の内部の旋回乱流の発生を制御することができる。その結果、第2気体せん断部および第3気体せん断部によって、安定にナノバブルを発生させることができる。
【0095】
ナノバブル発生機24を構成している気液混合循環ポンプ11、マイクロバブル発生部12、気体せん断部14、および気体せん断部17は、市販されているもの(例えば、株式会社 協和機設社製のバビダスHYK型)を用いることが可能である。
【0096】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図2に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0097】
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図2に示すように、浮遊物質含有水として、浮遊物質含有原油が貯槽10に導入される。さらに、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図2に示すように、製造されたナノバブル含有水が、常圧蒸留装置30に導入される。
【0098】
上記浮遊物質含有原油としては特に限定されず、例えば、自然界で採取される原油などを用いることができる。
【0099】
従来から常圧蒸留装置または分解装置によって、ガソリン、灯油、軽油、重油などの様々な石油製品を生産しているが、この場合、加熱炉によって予め温められた原油を常圧蒸留装置に導入することによって、ガソリン、灯油、軽油、重油などの様々な石油製品を生産している。しかしながらこの方法では、原油中に浮遊物質が多いと、加熱炉の熱交換器に浮遊物質が付着して、熱交換効率を低下させるという問題点を有している。
【0100】
一方、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置は、原油中の浮遊物質を除去することができるとともに、ナノバブルを原油中に含有させることができるので、常圧蒸留装置30(または分解装置)での石油製品の生産効率を高めることができる。すなわち、原油から、1)LPガス等の石油ガスの分留、2)ガソリン・ナフサの分留、3)灯油、ジェット燃料などの分留、4)軽油などの分留、5)残油などの分離精製、の効率を高めることができる。
【0101】
なお、これらのことは、原油に限らず、各種化学反応において対象とする液体中の浮遊物質を除去すれば、同様の効果を得ることができる。
【0102】
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0103】
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図3に示すように、浮遊物質含有水として、浮遊物質含有培養液が貯槽10に導入される。さらに、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図2に示すように、製造されたナノバブル含有水が、生物装置31に導入される。
【0104】
上記浮遊物質含有培養液としては特に限定されず、各種培養液を用いることができる。例えば、浮遊物質含有培養液として微生物培養用培養液、動物細胞培養用培養液、昆虫細胞培養用培養液、または植物細胞培養用培養液等を用いることが可能であるが、これらに限定されない。
【0105】
また、上記生物装置31としても特に限定されず、適宜公知の装置を用いることができる。例えば、生物装置31として、各種培養槽(例えば、植物栽培における水耕栽培装置、魚類や貝類の養殖装置、培養装置など)、排水処理に用いる曝気槽、接触酸化槽、回転円盤槽等を用いることが可能であるが、これに限定されない。
【0106】
従来から、生物装置を用いて工業的に製品を生産する場合、経済的に安価な原料が使用されている。例えば、醗酵による医薬品の生産およびビール等の醸造では、安価な原料(例えば、培養液)を用いて、付加価値の高い製品を生産している。しかしながら、安価な原料(例えば、培地)には、浮遊物質が混入していることが多い。
【0107】
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、浮遊物質含有培養液中の浮遊物質を除去することができるとともに、ナノバブルを培養液中に含有させることができるので、生物装置31における製品の生産効率を高めることができる。
すなわち、培養液中に存在する生体反応阻害物質を除去することによって、例えば酵母、細菌または原生動物の活動を高め、その結果、製品の生産効率を高めることができるとともに、製品の品質を高めることができる。
【0108】
〔実施の形態4〕
本発明の他の実施の形態について図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0109】
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図4に示すように、製造されたナノバブル含有水が、物理装置32に導入される。
【0110】
上記物理装置32としては特に限定されないが、例えば、活性炭吸着槽、各種脱水装置、液中膜、精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜などを用いることが好ましい。
【0111】
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、第3槽23にて製造されたナノバブル含有水が物理装置32(例えば、活性炭吸着槽)に導入されている。したがって、第1槽21にて、浮遊物質が浮遊物質−マイクロバブル複合体として除去され、その後、物理装置32(例えば、活性炭吸着槽)にて、ナノバブル含有水中に残存する浮遊物質が物理的に吸着されて除去される。なお、上記物理装置32として活性炭吸着槽を用いた場合、活性炭はナノバブルによって常に洗浄されるので、ナノバブルを含有していない場合と比較して、活性炭の閉塞現象が発生しにくい。
【0112】
また、活性炭の寿命は、浮遊物質を除去しようとする液体の水質によって決定される。そして、浮遊物質が活性炭表面に完全に吸着すれば、活性炭を取り替える必要があった。しかしながら、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置は、ナノバブルによって活性炭に繁殖する微生物の活性を高めることができるので、当該微生物によって活性炭に吸着された浮遊物質を分解することができる。その結果、活性炭の寿命を大幅に延ばすことができるので、ランニングコストを低減できる。
【0113】
〔実施の形態5〕
本発明の他の実施の形態について図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0114】
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図5に示すように、浮遊物質含有水として、浮遊物質含有飲料原料が貯槽10に導入される。さらに、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図5に示すように、製造されたナノバブル含有水が、飲料製品40に導入される。
【0115】
上記浮遊物質含有飲料原料としては特に限定されず、適宜公知の原料を用いることができる。
【0116】
また、上記飲料製品40としても、特に限定されない。例えば、上記飲料製品40としては、健康飲料水に代表される各種飲料水を用いることができるが、これに限定されない。
【0117】
一般的に飲料水も、浮遊物質が混入していると、見た目にも、舌触りの観点からも商品的価値がない。そこで、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置は、浮遊物質をマイクロバブルで除去することができるとともに、飲料水の付加価値を高めることができる。例えば、ナノバブルは各種生理活性作用を有することが知られている。したがって、飲料水中のナノバブルが腸管から吸収されることによって、体内に各種効果を及ぼすことができる。また、ナノバブルは長時間にわたって飲料水中に存在するため、飲料水が雑菌によって汚染されることがない。したがって、飲料水の品質を長時間にわたって維持することができる。
【0118】
〔実施の形態6〕
本発明の他の実施の形態について図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0119】
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図6に示すように、ブロワー42に対してオゾンボンベ46からオゾンガスを供給している。
【0120】
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、オゾンボンベ46からブロワー42にオゾンガスが供給されているので、第1槽21では、オゾンガスからなるマイクロバブルが発生している。当該マイクロバブルは強力な酸化作用を有するので、浮遊物質含有水中の有機物を酸化処理することができるとともに、浮遊物質にオゾンを付着させて浮上させ、浮遊物質スカム39として浮遊物質を除去することができる。
【0121】
また、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置は、オゾンガスからなるマイクロバブルをナノバブル発生機24に導入して、オゾンガスからなるナノバブルを製造することができる。そして、装置29にオゾンガスからなるナノバブルが導入されて、有効利用される。ナノバブルは、マイクロバブルよりも、水中での持続時間が1週間以上長いことが知られている。それゆえ、オゾンガスからなるナノバブルを含むナノバブル含有水をプール水として利用すれば、定期的なプール水の殺菌作業を削減することができる。
【0122】
〔実施の形態7〕
本発明の他の実施の形態について図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0123】
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図7に示すように、ブロワー42に対して液化炭酸ガスボンベ47から炭酸ガスを供給している。さらに、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図7に示すように、製造されたナノバブル含有水が、浴槽41に導入される。また、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図7に示すように、貯槽10に対して、浮遊物質含有浴槽水が供給されている。
【0124】
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、液化炭酸ガスボンベ47からブロワー42に炭酸ガスが供給されているので、第1槽21では、炭酸ガスからなるマイクロバブルが発生している。そして、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置は、浮遊物質に炭酸ガスを付着させて浮上させ、浮遊物質スカム39として浮遊物質を除去することができる。
【0125】
また、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置は、炭酸ガスからなるマイクロバブルをナノバブル発生機24に導入して、炭酸ガスからなるナノバブルを製造することができる。そして、浴槽41に炭酸ガスからなるナノバブルを含むナノバブル含有水が導入されるので、浴槽41に入浴することによって、炭酸ガスナノバブルが皮膚から吸収されて毛細血管に入り、体内の血流量を増加させたり、またはインスリン様成長因子を増加させることができる。それゆえ、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置は、各種疾病に有効な浴槽水を製造することができる。
【0126】
〔実施の形態8〕
本発明の他の実施の形態について図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0127】
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図8に示すように、ブロワー42に対して液化窒素ガスボンベ49から窒素ガスを供給している。さらに、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図8に示すように、製造されたナノバブル含有水が、液剤製品48に導入される。また、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図8に示すように、貯槽10に対して、浮遊物質含有液剤が供給されている。
【0128】
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、液化窒素ガスボンベ49からブロワー42に窒素ガスが供給されているので、第1槽21では、窒素ガスからなるマイクロバブルが発生している。そして、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置は、浮遊物質に窒素ガスを付着させて浮上させ、浮遊物質スカム39として浮遊物質を除去することができる。
【0129】
上記液剤製品48としては特に限定されず、例えば、医薬品、医薬部外品、健康飲料、食品など多くの液剤を用いることができる。
【0130】
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、液剤製品48中に窒素ガスからなるナノバブルを含むナノバブル含有水を導入することができるので、液剤製品48中の溶存酸素による液剤成分の酸化を防止することができる。
【0131】
〔実施の形態9〕
本発明の他の実施の形態について図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0132】
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図9に示すように、ブロワー42に対して液化炭酸ガスボンベ47から炭酸ガスを供給している。さらに、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図9に示すように、製造されたナノバブル含有水が、液剤製品48に導入される。また、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図9に示すように、貯槽10に対して、浮遊物質含有飲料が供給されている。
【0133】
上記飲料製品50としては特に限定されず、例えば、サイダー、ラムネなどに代表される飲料水を用いることができる。
【0134】
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、液化炭酸ガスボンベ47からブロワー42に炭酸ガスが供給されているので、第1槽21では、炭酸ガスからなるマイクロバブルが発生している。そして、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置は、浮遊物質に炭酸ガスを付着させて浮上させ、浮遊物質スカム39として浮遊物質を除去することができる。
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、炭酸ガスからなるマイクロバブルを含むマイクロバブル含有水がナノバブル発生機24に導入されるので、炭酸ガスからなるナノバブルを含むナノバブル含有水を製造することができる。そして、上記ナノバブル含有水が飲料製品50に導入されるので、従来とは味が異なる飲料水を製造することができる。
また、飲料製品50中の炭酸ガスナノバブルは、腸管から吸収されて毛細血管に取り込まれ、その結果、体内の血流量を増加させるとともにインスリン様成長因子を増加させることができるので、飲料製品50の飲料水としての付加価値を高めることができる。
飲料としては、炭酸飲料としてのサイダー、ラムネなど多くの商品が該当する。
【0135】
〔実施の形態10〕
本発明の他の実施の形態について図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図10に示すように、貯槽10に対して、浮遊物質含有使用済浴槽水が供給されている。また、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図10に示すように、製造されたナノバブル含有水が、浴槽41に導入される。
【0136】
上記浴槽41としては特に限定されないが、病院、健康ランド、銭湯、老人ホーム等における大規模な浴槽を用いることができる。
浮遊物質含有使用済浴槽水には、老廃物、汚れ、または垢など浮遊物質が含まれている。
【0137】
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、ブロワー42に空気が供給されているので、第1槽21では、空気からなるマイクロバブルが発生している。そして、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置は、浮遊物質に上記マイクロバブルを付着させて浮上させ、浮遊物質スカム39として浮遊物質を除去することができる。そして、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、ナノバブル含有水を浴槽水として浴槽41に導入している。その結果、浴槽水を再利用することができる。
【0138】
浴槽41にはナノバブル含有水が導入されているので、当該浴槽41に入浴すれば、体内の血流量を増加させることができるとともにインスリン様成長因子を増加させることができる。
【0139】
〔実施の形態11〕
本発明の他の実施の形態について図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図11に示すように、貯槽10に対して、浮遊物質含有有機フッ素化合物排水が供給されている。また、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図11に示すように、最終産物であるナノバブル含有水は、処理水として廃棄される。
【0140】
上記浮遊物質含有有機フッ素化合物排水はフッ素化合物を含むものであればよく特に限定されないが、フッ素化合物の濃度は比較的低濃度であることが好ましい。具体的には、フッ素化合物の濃度は、3ppm以下であることが好ましい。
従来、浮遊物質含有有機フッ素化合物排水は、排水処理が非常に困難と言われている。また、有機フッ素化合物であるPFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)やPFOA(パーフルオロオクタン酸)による、環境や生体への汚染が数多く報告されている。例えば、環境汚染とは関係ないと思われる北極熊、アザラシ、鯨などの血液から、有機フッ素化合物が検出されている。
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、ブロワー42に空気が供給されているので、第1槽21では、空気からなるマイクロバブルが発生している。そして、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置は、浮遊物質に上記マイクロバブルを付着させて浮上させ、浮遊物質スカム39として浮遊物質を除去することができる。そして、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、ナノバブル発生機24によって、浮遊物質を除去した有機フッ素化合物排水中にナノバブルを発生させる。ナノバブルは強い酸化作用を示すフリーラジカルを発生するので、有機フッ素化合物を分解することができる。
【0141】
〔実施の形態12〕
本発明の他の実施の形態について図12に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図12に示すように、貯槽10に対して、浮遊物質含有有機フッ素化合物排水が供給されている。また、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図12に示すように、製造されたナノバブル含有水が、装置29に導入される。
上記装置29としては特に限定されない。目的に応じて、各種装置を用いることができる。
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、ブロワー42に空気が供給されているので、第1槽21では、空気からなるマイクロバブルが発生している。そして、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置は、浮遊物質に上記マイクロバブルを付着させて浮上させ、浮遊物質スカム39として浮遊物質を除去することができる。そして、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、ナノバブル発生機24によって、浮遊物質を除去した有機フッ素化合物排水中にナノバブルを発生させる。ナノバブルは強い酸化作用を示すフリーラジカルを発生するので、有機フッ素化合物を分解することができる。
【0142】
〔実施の形態13〕
本発明の他の実施の形態について図13に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図13に示すように、貯槽10に対して、浮遊物質含有有機フッ素化合物排水が供給されている。また、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図13に示すように、製造されたナノバブル含有水が、装置33に導入される。
【0143】
上記装置33としては特に限定されない。例えば、上記装置33としては、生物装置、化学装置または物理装置を用いることができる。上記生物装置としては特に限定されないが、例えば排水処理における曝気槽、または発酵分野での発酵槽などを挙げることができる。また、上記化学装置としては特に限定されないが、例えば各種化学反応槽などを挙げることができる。また、上記物理装置としては特に限定されないが、例えば各種膜分離槽、活性炭吸着塔、イオン交換塔、またはキレート樹脂塔などを挙げることができる。
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、ブロワー42に空気が供給されているので、第1槽21では、空気からなるマイクロバブルが発生している。そして、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置は、浮遊物質に上記マイクロバブルを付着させて浮上させ、浮遊物質スカム39として浮遊物質を除去することができる。そして、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、ナノバブル発生機24によって、浮遊物質を除去した有機フッ素化合物排水中にナノバブルを発生させる。ナノバブルは強い酸化作用を示すフリーラジカルを発生するので、有機フッ素化合物を分解することができる。
【0144】
また、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、ナノバブル含有水を、装置33に導入する。上記装置33として生物装置、化学装置または物理装置を用いれば、これら装置は有機フッ素化合物の処理能力が高いので、ナノバブル含有被処理水から更に有機フッ素化合物を除去することができる。
〔実施の形態14〕
本発明の他の実施の形態について図14に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図14に示すように、貯槽10に対して、浮遊物質含有有機フッ素化合物排水が供給されている。また、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、図14に示すように、製造されたナノバブル含有水が、活性炭吸着槽51に導入される。
本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、ブロワー42に空気が供給されているので、第1槽21では、空気からなるマイクロバブルが発生している。そして、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置は、浮遊物質に上記マイクロバブルを付着させて浮上させ、浮遊物質スカム39として浮遊物質を除去することができる。そして、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、ナノバブル発生機24によって、浮遊物質を除去した有機フッ素化合物排水中にナノバブルを発生させる。ナノバブルは強い酸化作用を示すフリーラジカルを発生するので、有機フッ素化合物を分解することができる。
【0145】
また、本実施の形態のナノバブル含有水製造装置では、ナノバブル含有水を、活性炭吸着槽51に導入する。当該活性炭吸着槽51によって、ナノバブル含有水から更にフッ素化合物を除去することができる。なお、フッ素化合物吸着後の活性炭は、焼却処理する。フッ素化合物は、約1000℃以上で分解することができる。
【実施例】
【0146】
図1に基づき、ナノバブル含有水製造装置を作製した。具体的には貯槽10の容量が1m、ナノバブル発生槽2の容量が1.5m、ブロワー42の空気吐出量が2リットル/分、気液混合循環ポンプ11の電動機が3.7kw、第3槽23の容量が0.15mの仕様で構成した。
【0147】
水中ポンプ型マイクロバブル発生機19としては、野村電子工業株式会社のマイクロバブラーMB型、また気液混合循環ポンプ11、第2気体せん断部14、第3気体せん断部17などから構成されるナノバブル発生機24としては、株式会社 協和機設のバビダスHYK型を用いた。
そして、32ppmの浮遊物質を含む浮遊物質含有水を貯槽10に導入し、これによって作製されたナノバブル含有水中の浮遊物質の濃度を、JISのOK102に基づいて測定した。ナノバブル含有水中の浮遊物質の濃度は、1ppm以下となり、完全に浮遊物質が除去された。また、ナノバブル含有水中のナノバブルをベックマン・コールター株式会社の電気抵抗法での側定を実施したところ、130nm付近をピークとして、ナノバブルが発生していることが確認できた。
【0148】
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明は、浄水装置、入浴装置、飲料水製造装置、石油関連製品製造装置などに代表される各種液体処理装置やその部品を製造する分野に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明におけるナノバブル含有水製造装置の実施の一形態を示す模式図である。
【図2】本発明におけるナノバブル含有水製造装置の他の実施の形態を示す模式図である。
【図3】本発明におけるナノバブル含有水製造装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。
【図4】本発明におけるナノバブル含有水製造装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。
【図5】本発明におけるナノバブル含有水製造装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。
【図6】本発明におけるナノバブル含有水製造装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。
【図7】本発明におけるナノバブル含有水製造装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。
【図8】本発明におけるナノバブル含有水製造装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。
【図9】本発明におけるナノバブル含有水製造装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。
【図10】本発明におけるナノバブル含有水製造装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。
【図11】本発明におけるナノバブル含有水製造装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。
【図12】本発明におけるナノバブル含有水製造装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。
【図13】本発明におけるナノバブル含有水製造装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。
【図14】本発明におけるナノバブル含有水製造装置のさらに他の実施の形態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0151】
1 ナノバブル含有水製造装置
2 ナノバブル発生槽
3・13・26・27・28・35・36 配管
4・15・20 水流
5 信号線
6 シーケンサー
8・7 電動バルブ
9 移送ポンプ
10 貯槽
11 気液混合循環ポンプ
12 マイクロバブル発生部(第1気体せん断部)
14 第2気体せん断部
16 上部仕切板
17 第3気体せん断部
18 下部仕切板
19 水中ポンプ型マイクロバブル発生機
21 第1槽(マイクロバブル含有水作製手段)
22 第2槽(バブル選択手段)
23 第3槽
24 ナノバブル発生機(ナノバブル含有水作製手段)
25 電磁流量計
29 装置
30 常圧蒸留装置
31 生物装置
32 物理装置
33 装置
34 電動バルブ
37 槽内流入管
38 排出配管(除去手段)
39 浮上物質スカム
40・50 飲料製品
41 浴槽
42 ブロワー
43 レベルコントローラー
44 電動バルブ
45 減圧弁
46 オゾンボンベ
47 液化炭酸ガスボンベ
48 液剤製品
49 液化窒素ガスボンベ
50 飲料製品
51 活性炭吸着槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮遊物質含有水とマイクロバブルとを接触させてマイクロバブル含有水を作製するマイクロバブル含有水作製手段と、
前記マイクロバブルが前記浮遊物質含有水中の浮遊物質に付着した浮遊物質−マイクロバブル複合体を除去する除去手段と、
前記除去手段によって浮遊物質−マイクロバブル複合体が除去されたあとのマイクロバブル含有水をせん断してナノバブル含有水を作製するナノバブル含有水作製手段と、を有することを特徴とするナノバブル含有水製造装置。
【請求項2】
前記除去手段によって浮遊物質−マイクロバブル複合体が除去されたあとのマイクロバブル含有水が導入されるとともに、前記マイクロバブル含有水の水面に浮上するバブルを前記マイクロバブル含有水から除去するバブル選択手段を有することを特徴とする請求項1に記載のナノバブル含有水製造装置。
【請求項3】
前記除去手段は、前記マイクロバブル含有水作製手段内のマイクロバブル含有水の少なくとも表層を吸引するものであることを特徴とする請求項1または2に記載のナノバブル含有水製造装置。
【請求項4】
前記マイクロバブルは、水中ポンプ型マイクロバブル発生機または超高速旋回型マイクロバブル発生機によって製造されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のナノバブル含有水製造装置。
【請求項5】
前記マイクロバブルは、空気、オゾンガス、炭酸ガス、酸素ガス、または窒素ガスによって形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のナノバブル含有水製造装置。
【請求項6】
前記ナノバブル含有水作製手段は、第1気体せん断部、第2気体せん段部および第3気体せん断部を有し、
前記第1気体せん断部は、マイクロバブル含有水に対して1回目のせん断を行うものであり、
前記第2気体せん断部は、前記1回目のせん断後のマイクロバブル含有水に対して2回目のせん断を行うものであり、
前記第3気体せん断部は、前記2回目のせん断後のマイクロバブル含有水に対して3回目のせん断を行うものであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のナノバブル含有水製造装置。
【請求項7】
前記第1気体せん断部の内部の横断面は、楕円形または真円形であり、
前記第1気体せん断部の内部は、鏡面仕上げによって形成されていることを特徴とする請求項6に記載のナノバブル含有水製造装置。
【請求項8】
前記第1気体せん断部は、せん断前のマイクロバブル含有水を前記第1気体せん断部の内部に取り込むための導入口と、せん断後のマイクロバブル含有水を吐出するための吐出口とを有し、
前記吐出口の直径は、前記導入口の直径の50〜80%の長さであることを特徴とする請求項6または7に記載のナノバブル含有水製造装置。
【請求項9】
前記第1気体せん断部の内部には、2本以上の溝が設けられていることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載のナノバブル含有水製造装置。
【請求項10】
前記第1気体せん断部は、毎分1.5リットル〜120リットルのマイクロバブル含有水を前記第2気体せん断部に向かって吐出するものであり、
前記1分間に吐出されるマイクロバブル含有水には、0.3リットル〜1.5リットルのマイクロバブルが含まれていることを特徴とする請求項6〜9の何れか1項に記載のナノバブル含有水製造装置。
【請求項11】
前記第1気体せん断部の材料が、ステンレス、プラスチック、または樹脂であることを特徴とする請求項6〜10の何れか1項に記載のナノバブル含有水製造装置。
【請求項12】
前記第1気体せん断部の材料の厚さが、4mm〜5mmであることを特徴とする請求項11に記載のナノバブル含有水製造装置。
【請求項13】
前記第2気体せん断部および第3気体せん断部の横断面は、楕円形または真円形であり、
前記第2気体せん断部および第3気体せん断部の内部表面には孔が形成されているとともに、当該孔の孔径が4mm〜9mmであることを特徴とする請求項6〜12の何れか1項に記載のナノバブル含有水製造装置。
【請求項14】
前記浮遊物質含有水に含まれる浮遊物質の量が、1ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載のナノバブル含有水製造装置。
【請求項15】
前記ナノバブル含有水作製手段に対して、ナノバブル含有水作製開始後60秒後にマイクロバブル含有水が供給されるように、前記水中ポンプ型マイクロバブル発生機または超高速旋回型マイクロバブル発生機におけるマイクロバブル製造を調節するためのシーケンサーを備えていることを特徴とする請求項4に記載のナノバブル含有水製造装置。
【請求項16】
浮遊物質含有水とマイクロバブルとを接触させてマイクロバブル含有水を作製するマイクロバブル含有水作製工程と、
前記マイクロバブルが前記浮遊物質含有水中の浮遊物質に付着した浮遊物質−マイクロバブル複合体を除去する除去工程と、
前記除去工程によって浮遊物質−マイクロバブル複合体が除去されたあとのマイクロバブル含有水をせん断してナノバブル含有水を作製するナノバブル含有水作製工程と、を有することを特徴とするナノバブル含有水製造方法。
【請求項17】
前記除去工程によって浮遊物質−マイクロバブル複合体が除去されたあとのマイクロバブル含有水の水面に浮上するバブルを前記マイクロバブル含有水から除去するバブル選択工程を有することを特徴とする請求項16に記載のナノバブル含有水製造方法。
【請求項18】
前記ナノバブル含有水作製工程は、前記マイクロバブル含有水をせん断する工程を複数含むことを特徴とする請求項16または17に記載のナノバブル含有水製造方法。
【請求項19】
前記浮遊物質含有水が、上水、排水、地下水、工業用水、浴槽水、化粧水、医薬品を含む液剤、有機溶媒等の溶剤、原油、バイオエタノール、発酵液、フッ素化合物排水であることを特徴とする請求項16〜18の何れか1項に記載のナノバブル含有水製造方法。
【請求項20】
前記ナノバブル含有水が、更に、化学装置、生物装置、または物理装置に導入されることを特徴とする請求項16〜19の何れか1項に記載のナノバブル含有水製造方法。
【請求項21】
請求項16〜20の何れか1項に記載の方法によって製造されたナノバブル含有水を含むことを特徴とする組成物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2008−296096(P2008−296096A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−142645(P2007−142645)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(507175843)株式会社協和機設 (8)
【Fターム(参考)】