説明

ナノバブル含有磁気活水を用いた処理装置および処理方法

【課題】化学的に安定な物質を効率的に分解し得るナノバブル含有磁気活水を用いた処理装置および処理方法を提供する。
【解決手段】第1気体に磁場をかける第1磁気活水作製部38と、磁場がかけられた第1気体と液体とを混合して磁気活水を作製する前槽1と、磁気活水と第2気体とを混合およびせん断して、第2気体からなるナノバブルを含有する第1ナノバブル含有磁気活水を作製する第1ナノバブル発生部17と、第1ナノバブル含有磁気活水と微生物とを混合して第1処理水を作製する微生物槽46と、第1処理水と第3気体とを混合およびせん断して、第3気体からなるナノバブルを含有する第2ナノバブル含有磁気活水を作製する第2ナノバブル発生部78と、第2ナノバブル含有磁気活水と活性炭とを接触させて第2処理水を作製する活性炭槽81と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノバブル含有磁気活水を用いて、各種液体を処理するための処理装置および処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダイオキシン、有機フッ素化合物(例えば、パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)またはパーフルオロオクタン酸(PFOA)等)は化学的に安定な物質であって、耐熱性および耐薬品性(例えば、耐酸性)に優れている。それゆえ、例えば有機フッ素化合物は、界面活性剤、または半導体製造における反射防止膜等の産業用材料として広く用いられている。しかしながら、有機フッ素化合物が広く用いられれば用いられるほど、有機フッ素化合物が自然界に放出される可能性が増加する。上述したように、有機フッ素化合物は化学的に安定な物質であるが故に、一度自然界に放出されれば、深刻な環境汚染の原因となり得る。例えば、北極熊、アザラシおよび鯨の体内から有機フッ素化合物が検出されており、有機フッ素化合物による環境汚染が国際的に深刻化しつつあることが明らかになっている。
【0003】
それゆえ、環境汚染を防止するために、産業用材料として用いられた後の有機フッ素化合物を処理(例えば、回収および分解)するための様々な処理装置および処理方法の開発が進められている。
【0004】
上述したように、有機フッ素化合物は化学的に安定な物質であるため、微生物によって効率的に分解することが困難である。したがって、従来から、有機フッ素化合物を処理する場合には、有機フッ素化合物を含有する廃水等を1000℃以上の温度にて焼却する方法が用いられている。
【0005】
また、従来から、活性炭に有機フッ素化合物を吸着させることによって、廃水等に含まれる有機フッ素化合物を回収する方法が用いられている。
【0006】
ところで、従来から、小さな直径を有する気泡(バブル)には様々な作用があることが知られており、現在、このような気泡を作製する技術およびその効果に対する研究が進みつつある。そして、上記気泡を用いて、様々な有機物を分解しようとする試みもなされている。
【0007】
上記気泡は、その直径に応じて、マイクロバブル、マイクロナノバブルおよびナノバブルに分類することができる。具体的には、マイクロバブルは、その発生時において10μm〜数十μmの直径を有する気泡であり、マイクロナノバブルは、その発生時において数百nm〜10μmの直径を有する気泡であり、ナノバブルは、その発生時において数百nm以下の直径を有する気泡である。なお、マイクロバブルは、発生後の収縮運動によって、その一部がマイクロナノバブルに変化することがある。また、ナノバブルは、長期に渡って液体中に存在することができるという性質を有している。
【0008】
例えば、従来から、様々なナノバブルの利用方法、およびナノバブルを利用した各種装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。より具体的には、特許文献1には、ナノバブルが、浮力の減少、表面積の増加、表面活性の増大、局所高圧場の生成、または静電分極の実現によって、界面活性作用および殺菌作用を示すことが記載されている。更に、特許文献1には、ナノバブルが有する界面活性作用および殺菌作用を用いて、各種物体を洗浄する技術および汚濁水を浄化する技術が記載されている。更に、特許文献1には、ナノバブルを用いて生体の疲労を回復する方法が記載されている。なお、特許文献1では、水を電気分解するとともに、当該水に超音波振動を加えることによって、ナノバブルを作製している。
【0009】
また、従来から、液体を原料としてナノバブルを作製する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。上記作製方法は、液体中において、1)上記液体の一部を分解ガス化する工程、2)上記液体に超音波を印加する工程、または3)上記液体の一部を分解ガス化する工程および上記液体に超音波を印加する工程、からなるものである。なお、液体の一部を分解ガス化する工程として、電気分解法または光分解法を用いることができることが記載されている。
【0010】
また、従来から、オゾンガスからなるマイクロバブル(オゾンマイクロバブル)を利用する廃液処理装置が用いられている(例えば、特許文献3参照)。上記廃液処理装置では、オゾン発生装置によって作製されたオゾンガスと廃液とを、加圧ポンプを用いて混合することによって、オゾンガスからなるマイクロバブルを作製している。そして、当該マイクロバブルが廃液中の有機物と反応することによって、廃液中の有機物が酸化分解される。
【特許文献1】特開2004−121962号公報(平成16年4月22日公開)
【特許文献2】特開2003−334548号公報(平成15年11月25日公開)
【特許文献3】特開2004−321959号公報(平成16年11月18日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記従来の処理装置および処理方法では、化学的に安定な物質(例えば、有機フッ素化合物)を効率的に分解することができないという問題点を有している。
【0012】
例えば、上記焼却する方法は、処理する液体量が多いときには、大量の燃料を必要とするという問題点を有している。また、当該方法は、大量の二酸化炭素を放出するので、地球温暖化を招くという問題点も有している。
【0013】
また、上記活性炭(例えば、活性炭吸着塔)に有機フッ素化合物を吸着させる方法は、一般的に活性炭に対する有機物の負荷が大きいので、活性炭破過の現象が発生し、活性炭の吸着能力が急速に減少するという問題点を有している。また、当該方法は、基本的に有機フッ素化合物を分解させる方法ではないので、活性炭の表面に多量の有機フッ素化合物が吸着すれば、活性炭を交換する必要がある。したがって、当該方法は、活性炭を交換するという煩雑な作業を必要とするとともに、活性炭の交換のために莫大なコストを必要とするという問題点を有している。
【0014】
また、上述したような従来の処理装置および処理方法は処理能力が低いので、大量の液体を処理するには不向きである。したがって、水道水、地下水等の多量の液体中に微量に含有されている有機フッ素化合物を処理することができないという問題点を有している。
【0015】
また、上記気泡を用いる方法は、多様な有機物を分解することができるが、有機フッ素化合物のような化学的に安定な物質を効率的に分解することができない。したがって、大量の有機フッ素化合物を処理することができないという問題点を有している。
【0016】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、化学的に安定な物質を効率的に分解し得るナノバブル含有磁気活水を用いた処理装置および処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、以下の1)〜3)を見出し、本発明を完成させるに至った。つまり、
1)難分解性の有機物等(例えば、有機フッ素化合物)を含有する廃水の処理に、ナノバブル含有磁気活水を用いれば、ナノバブル含有磁気活水によって廃水中の有機物等を強力に酸化分解することができること、
2)ナノバブル含有磁気活水は、ナノバブル含有水よりもマイナス電荷の値が大きい。それゆえ、ナノバブル含有磁気活水は、ナノバブル含有水と比較して強い酸化力を有する。したがって、各種水処理装置において微生物槽を用いる場合、上記微生物槽の前段にナノバブル含有磁気活水を作製する装置を設置すれば、微生物槽内の微生物がナノバブル含有磁気活水によって活性化して、その結果、微生物による有機物の処理効率が向上すること、
3)磁力線とナノバブルとの相乗効果により、ナノバブル含有磁気活水は、ナノバブル含有水と比較して、不安定なフリーラジカルを格段に多く発生する。それゆえ、ナノバブル含有磁気活水は、ナノバブル含有水と比較して強い酸化力を有する。したがって、各種水処理装置において活性炭槽を用いる場合、上記活性炭槽の前段にナノバブル含有磁気活水を作製する装置を設置すれば、ナノバブル含有磁気活水が、活性炭に吸着された有機物等の分解に有効であること。
【0018】
本発明の処理装置は、上記課題を解決するために、第1気体に磁場をかける第1活性化手段と、前記磁場がかけられた第1気体と液体とを混合して磁気活水を作製する磁気活水作製手段と、前記磁気活水と第2気体とを混合およびせん断して、前記第2気体からなるナノバブルを含有する第1ナノバブル含有磁気活水を作製する第1ナノバブル作製手段と、前記第1ナノバブル含有磁気活水と微生物とを混合して第1処理水を作製する混合手段と、前記第1処理水と第3気体とを混合およびせん断して、前記第3気体からなるナノバブルを含有する第2ナノバブル含有磁気活水を作製する第2ナノバブル作製手段と、前記第2ナノバブル含有磁気活水と活性炭とを接触させて第2処理水を作製する活性炭槽と、を有することを特徴としている。
【0019】
上記構成によれば、磁気活水作製手段によって、磁場がかけられた第1気体と、液体とが混合される。その結果、上記液体に対して磁気活性を付与することができる。換言すれば、磁気活水を作製することができる。その結果、本発明の処理装置における一連の液体処理工程において、上記磁気活水が有する酸化作用によって、液体中の有機物等を酸化分解し続けることができる。
【0020】
また、上記構成によれば、第1ナノバブル作製手段によって、第2気体からなるナノバブルを含有する第1ナノバブル含有磁気活水が作製される。つまり、この時点で、本発明の処理装置にて処理される液体は、第2気体からなるナノバブルを含有する磁気活水に変換される。ナノバブルは酸化作用を示すので、上記第1ナノバブル含有磁気活水は、磁気活水に由来する酸化作用とナノバブルに由来する酸化作用との両方を示すことになる。その結果、液体中の有機物等を強力に分解することができる。
【0021】
また、上記構成によれば、混合手段によって、第1ナノバブル含有磁気活水と微生物とが混合される。第1ナノバブル含有磁気活水は、微生物を活性化させることができる。したがって、活性化された微生物によって、液体中の有機物等を効率よく分解することができる。
【0022】
また、上記構成によれば、第2ナノバブル作製手段によって、第3気体からなるナノバブルを含有する第2ナノバブル含有磁気活水が作製される。つまり、この時点で、本発明の処理装置にて処理される液体は、先の工程にて作製された第2気体からなるナノバブル、および第3気体からなるナノバブルを含有する磁気活水に変換される。つまり、本発明の処理装置にて処理される液体には、第3気体からなるナノバブルが追加されることになる。ナノバブルは酸化作用を示すので、上記第2ナノバブル含有磁気活水は、磁気活水に由来する酸化作用とナノバブルに由来する酸化作用との両方を示すことになる。その結果、液体中の有機物等を強力に分解することができる。
【0023】
また、上記構成によれば、活性炭槽によって、第2ナノバブル含有磁気活水と活性炭とが接触させられる。活性炭は有機物等に対する吸着能力を有するので、第2ナノバブル含有磁気活水中に残存する有機物を除去することができる。また、第2ナノバブル含有磁気活水は上述したように強力な酸化作用を示す。したがって、活性炭に吸着した有機物等を酸化分解することができる。その結果、活性炭の吸着能力が低下することを防ぐことができる。つまり、活性炭を自動的に再生することができる。
【0024】
本発明の処理装置では、前記第1活性化手段は、前記第1気体を通過させるための第1流路を有し、前記第1流路は、磁石のS極として機能する第1面と磁石のN極として機能する第2面とが対向するように配置されていることが好ましい。
【0025】
上記構成によれば、上記第1活性化手段は、磁石のS極として機能する第1面と磁石のN極として機能する第2面とが対向するように配置された第1流路を有している。したがって、当該第1流路中を気体が通過することによって、気体に対して磁場をかけることができる。そして、その結果、気体に対して磁気活性を付与することができる。つまり、磁気空気を効率的に作製することができる。
【0026】
本発明の処理装置では、前記第1活性化手段には、第1配管を介して前記第1気体が供給されており、前記第1配管には、当該第1配管の少なくとも一部の内腔横断面の大きさを変化させ得る第1配管径調節手段が設けられていることが好ましい。
【0027】
上記構成によれば、上記第1配管径調節手段によって、第1配管の少なくとも一部の領域において配管内腔の横断面の大きさを変化させることができる。その結果、第1配管を介して上記第1活性化手段に供給される第1気体の量を調節することができる。つまり、上記第1活性化手段によって磁場がかけられているときの第1気体の流速を調節することができるとともに、上記第1活性化手段によって磁場がかけられているときの第1気体の流れを乱流ではなく相流にすることができる。その結果、第1気体に対して、効率よく磁気活性を付与することができる。
【0028】
本発明の処理装置では、前記第1ナノバブル作製手段は、前記磁気活水と前記第2気体とを混合およびせん断して第1マイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断部と、前記第1マイクロバブル含有水を更にせん断して第1ナノバブル含有水を作製する第2気体せん断部と、前記第1ナノバブル含有水に対して磁場をかけて第1ナノバブル含有磁気活水を作製する第2活性化手段と、を有することが好ましい。
【0029】
上記構成によれば、まず、上記第1気体せん断部によって、第2気体からなるマイクロバブルを含有する第1マイクロバブル含有水を作製することができる。次いで、上記第1マイクロバブル含有水を用いて、上記第2気体せん断部によって、第2気体からなるナノバブルを含有する第1ナノバブル含有水を作製することができる。つまり、一連の連続した工程によって、効率よくナノバブル含有水を作製することができる。
【0030】
また、上記構成によれば、第1ナノバブル含有水に対して磁場をかけるので、第1ナノバブル含有水に対して更なる磁気活性を付与することができる。
【0031】
したがって、上記構成によれば、本発明の処理装置にて処理される液体中に第2気体からなるナノバブルを発生させるとともに、当該液体に対して更なる磁気活性が付与される。その結果、上記液体が備える酸化能力を更に増強することができる。
【0032】
なお、マイクロバブルとナノバブルとは、共にフリーラジカルを発生するが、マイクロバブルは水中に数時間程度存在するのに対し、ナノバブルは水中に1週間以上存在することができる。したがって、ナノバブルであれば、ナノバブルによって発生されるフリーラジカルが有する酸化能力を、1週間以上持続することができる。
【0033】
本発明の処理措置では、前記第2活性化手段は、前記第1ナノバブル含有水を通過させるための第2流路を有し、前記第2流路は、磁石のS極として機能する第3面と磁石のN極として機能する第4面とが対向するように配置されていることが好ましい。
【0034】
上記構成によれば、上記第2活性化手段は、磁石のS極として機能する第3面と磁石のN極として機能する第4面とが対向するように配置された第2流路を有している。したがって、当該第2流路中を第1ナノバブル含有水が通過することによって、当該第1ナノバブル含有水に磁場をかけることができる。そして、その結果、上記第1ナノバブル含有水に更なる磁気活性を付与することができる。
【0035】
本発明の処理装置では、前記第2活性化手段には、第2配管を介して前記第1ナノバブル含有水が供給されており、前記第2配管には、当該第2配管の少なくとも一部の内腔横断面の大きさを変化させ得る第2配管径調節手段が設けられていることが好ましい。
【0036】
上記構成によれば、上記第2配管径調節手段によって、第2配管の少なくとも一部の領域において配管内腔の横断面の大きさを変化させることができる。その結果、第2配管を介して上記第2活性化手段に供給される第1ナノバブル含有水の量を調節することができる。つまり、上記第2活性化手段によって磁場がかけられているときの第1ナノバブル含有水の流速を調節することができるとともに、上記第2活性化手段によって磁場がかけられているときの第1ナノバブル含有水の流れを乱流ではなく相流にすることができる。その結果、第1ナノバブル含有水に対して、効率よく磁気活性を付与することができる。
【0037】
本発明の処理装置では、前記混合手段は、前記第1ナノバブル含有磁気活水と微生物との混合液から前記微生物を分離する分離手段を有することが好ましい。
【0038】
上記構成によれば、微生物と液体とを分離することができるので、液体のみを後の工程に導入することができる、その結果、液体中の有機物等を効率よく分解し、除去することができる。また、上記構成によれば、上記混合手段中の微生物が失われることがないので、混合手段によって効率よく有機物等を分解することができる。なお、上記分離手段として、例えば分離膜を用いれば、沈殿槽を用いた沈殿分離の場合に問題となるバルキング等の現象も回避することができる。
【0039】
本発明の処理装置では、前記混合手段は、前記第1ナノバブル含有磁気活水と微生物とを混合するための槽を有し、前記槽には、当該槽内に蓄えられる前記第1ナノバブル含有磁気活水と微生物との混合液の水深の半分よりも上側に、気体を吐出するための第1気体吐出手段が設けられていることが好ましい。
【0040】
上記構成によれば、上記槽内に蓄えられた液体を好気性領域と嫌気性領域とに分けることができる。つまり、上記槽内の領域であって、上記第1気体吐出手段よりも上の領域に存在する液体は、第1気体吐出手段によって吐出される気体によって攪拌されるので、好気性領域を形成することができる。一方、上記槽内の領域であって、上記第1気体吐出手段よりも下の領域に存在する液体は、第1気体吐出手段によって吐出される気体によって攪拌されることがないので、嫌気性領域を形成することができる。上記好気性領域には好気性微生物を増殖させることができ、上記嫌気性領域には嫌気性微生物を増殖させることができる。したがって、上記構成によれば、液体を多様な微生物によって処理することができるので、液体中に含有される有機物等を効率よく分解することができる。また、上記構成によれば、嫌気性微生物によって汚泥が消化されるので、余剰汚泥の発生を防ぐことができる。
【0041】
本発明の処理装置では、前記槽の内部であって、かつ前記第1気体吐出手段よりも下側の位置に、前記槽の内腔における横断面の大きさを小さくする分離壁が設けられていることが好ましい。
【0042】
上記構成によれば、第1気体吐出手段よりも下側の位置に、槽の内腔の横断面の大きさ、換言すれば槽の内腔の横断面の面積を小さくする分離壁が設けられている。つまり、上記分離壁によって、槽の内部が2つの領域(上部領域および下部領域)に分けられている。上部領域には第1気体吐出手段が存在するので、当該上部領域内の液体は好気性領域を形成している。そして、当該好気性領域を形成する液体は、第1気体吐出手段から吐出される気体によって攪拌されている。しかしながら、上部領域と下部領域との間には分離壁が存在しているので、攪拌されている好気性領域を形成する液体は、容易に下部領域に侵入することができない。したがって、上記構成によれば、好気性領域と嫌気性領域とを、より明確に分けることができるので、液体中に含有される有機物等をより効率よく分解することができる。
【0043】
本発明の処理装置では、前記槽内には、充填材が配置されていることが好ましい。
【0044】
上記構成によれば、上記充填材に微生物を付着増殖させることができる。また、有機物等に関しても、上記充填材に付着することができる。その結果、微生物と有機物とはともに充填材の表面に高濃度で存在するので、両者が接触する可能性を高めることができる。そして、その結果、有機物等を効率よく分解することができる。
【0045】
本発明の処理装置では、前記充填材は、ポリ塩化ビニリデンであることが好ましい。
【0046】
上記構成によれば、上記充填材として、ポリ塩化ビニリデンが用いられる。ポリ塩化ビニリデンは、磨耗や腐食にたいして耐性が高いので、半永久的に使用することができる。
【0047】
本発明の処理装置では、前記第1気体吐出手段から吐出される気体は、前記第1活性化手段によって磁場がかけられた第1気体であることが好ましい。
【0048】
上記構成によれば、第1気体吐出手段から吐出される気体は、磁気活性が付与された気体である。したがって、槽内の液体に対して磁気活性を付与することができる。そして、磁気活性が付与された液体は、上記槽内の微生物を活性化することができるので、微生物によって、より効率的に有機物等を分解することができる。
【0049】
本発明の処理装置では、前記第2ナノバブル作製手段は、前記第1処理水と前記第3気体とを混合およびせん断して第2マイクロバブル含有水を作製する第3気体せん断部と、前記第2マイクロバブル含有水を更にせん断して第2ナノバブル含有水を作製する第4気体せん断部と、前記第2ナノバブル含有水に対して磁場をかけて第2ナノバブル含有磁気活水を作製する第3活性化手段と、を有することが好ましい。
【0050】
上記構成によれば、まず、上記第3気体せん断部によって、第3気体からなるマイクロバブルを含有する第2マイクロバブル含有水を作製することができる。次いで、上記第2マイクロバブル含有水を用いて、上記第4気体せん断部によって、第3気体からなるナノバブルを含有する第2ナノバブル含有水を作製することができる。つまり、一連の連続した工程によって、効率よくナノバブル含有水を作製することができる。
【0051】
また、上記構成によれば、第2ナノバブル含有水に対して磁場をかけるので、第2ナノバブル含有水に対して更なる磁気活性を付与することができる。
【0052】
したがって、上記構成によれば、本発明の処理装置にて処理される液体中に第3気体からなるナノバブルを発生させるとともに、当該液体に対して更なる磁気活性が付与される。その結果、上記液体が備える酸化能力を更に増強することができる。
【0053】
本発明の処理装置では、前記第3活性化手段は、前記第2ナノバブル含有水を通過させるための第3流路を有し、前記第3流路は、磁石のS極として機能する第5面と磁石のN極として機能する第6面とが対向するように配置されていることが好ましい。
【0054】
上記構成によれば、上記第3活性化手段は、磁石のS極として機能する第5面と磁石のN極として機能する第6面とが対向するように配置された第3流路を有している。したがって、当該第3流路中を第2ナノバブル含有水が通過することによって、当該第2ナノバブル含有水に磁場をかけることができる。そして、その結果、上記第2ナノバブル含有水に更なる磁気活性を付与することができる。
【0055】
本発明の処理装置では、前記第3活性化手段には、第3配管を介して前記第2ナノバブル含有水が供給されており、前記第3配管には、当該第3配管の少なくとも一部の内腔横断面の大きさを変化させ得る第3配管径調節手段が設けられていることが好ましい。
【0056】
上記構成によれば、上記第3配管径調節手段によって、第3配管の少なくとも一部の領域において配管内腔の横断面の大きさを変化させることができる。その結果、第3配管を介して上記第3活性化手段に供給される第2ナノバブル含有水の量を調節することができる。つまり、上記第3活性化手段によって磁場がかけられているときの第2ナノバブル含有水の流速を調節することができるとともに、上記第3活性化手段によって磁場がかけられているときの第2ナノバブル含有水の流れを乱流ではなく相流にすることができる。その結果、第2ナノバブル含有水に対して、効率よく磁気活性を付与することができる。
【0057】
本発明の処理装置では、前記活性炭槽は、少なくとも一部分が網目状である活性炭収容手段を有し、前記活性炭収容手段は、気体を保持するための気体収容部と、活性炭を保持するための活性炭収容部とを有することが好ましい。
【0058】
上記構成によれば、上記活性炭収容手段の少なくとも一部分が網目状であることによって、活性炭収容部に保持された活性炭と液体とが効率よく接触することができる。その結果、液体中の有機物等を効率よく活性炭に吸着させることができる。また、上記気体収容部内に気体を保持することによって、活性炭収容手段を液体中に浮いた状態に維持することができる。その結果、活性炭収容部に保持された活性炭と液体とが効率よく接触することができるので、液体中の有機物等を効率よく活性炭に吸着させることができる。
【0059】
本発明の処理装置では、前記活性炭槽には、前記第1活性化手段によって磁場がかけられた第1気体を吐出するための第2気体吐出手段が設けられていることが好ましい。
【0060】
上記構成によれば、上記活性炭槽に磁気活性が付与された気体が供給されることによって、活性炭槽内の液体の磁気活性が増強される。その結果、活性炭に吸着した有機物等を更に効率よく酸化分解することができる。また、当該活性炭槽内に微生物が増殖している場合には当該微生物を活性化することができるので、微生物によって活性炭に吸着された有機物等を分解することができる。
【0061】
本発明の処理装置では、前記活性炭槽は、活性炭吸着塔であることが好ましい。
【0062】
上記構成によれば、液体中に残存する有機物等を効率的に吸着して、当該有機物等を液体から除去することができる。
【0063】
本発明の処理装置では、前記活性炭槽は、更に、急速ろ過機、イオン交換塔およびキレート樹脂塔からなる群より選択される少なくとも1つの処理手段を含むことが好ましい。
【0064】
上記構成によれば、上記活性炭吸着塔における有機物等の吸着効率を上昇させることができるとともに、他の処理手段の処理能力を向上させることができる。
【0065】
例えば、急速ろ過機、続いて活性炭吸着塔に導入して液体を処理する場合、まず、上記急速ろ過機によって、液体中に残留している浮遊物質が除去される。したがって、後段の活性炭吸着塔への浮遊物質の吸着が皆無となるので、活性炭吸着塔の寿命を長くすることができる。
【0066】
また、急速ろ過機、活性炭吸着塔、続いてイオン交換塔に順次導入して液体を処理する場合、液体がイオン交換塔内のイオン交換樹脂と接触する前に、急速ろ過機および活性炭吸着塔によって液体中に残留している有機物等を除去している。したがって、イオン交換塔におけるイオン交換効率を向上させることができる。
【0067】
また、急速ろ過機、活性炭吸着塔、続いてキレート樹脂塔に順次導入して液体を処理する場合、液体がキレート樹脂塔内のキレート樹脂と接触する前に、急速ろ過機、続いて活性炭吸着塔で前処理して微量有機物等を除去しているので、キレート樹脂によるイオン選択的なイオン交換性効率を向上させることができる。
【0068】
本発明の処理方法は、上記課題を解決するために、第1気体に磁場をかける第1活性化工程と、前記磁場がかけられた第1気体と液体とを混合して磁気活水を作製する磁気活水作製工程と、前記磁気活水と第2気体とを混合およびせん断して、前記第2気体からなるナノバブルを含有する第1ナノバブル含有磁気活水を作製する第1ナノバブル作製工程と、前記第1ナノバブル含有磁気活水と微生物とを混合して第1処理水を作製する混合工程と、前記第1処理水と第3気体とを混合およびせん断して、前記第3気体からなるナノバブルを含有する第2ナノバブル含有磁気活水を作製する第2ナノバブル作製工程と、前記第2ナノバブル含有磁気活水と活性炭とを接触させて第2処理水を作製する活性炭接触工程と、を有することを特徴としている。
【0069】
上記構成によれば、磁気活水作製工程によって、磁場がかけられた第1気体と、液体とが混合される。その結果、上記液体に対して磁気活性を付与することができる。換言すれば、磁気活水を作製することができる。その結果、本発明の処理方法における一連の液体処理工程において、上記磁気活水が有する酸化作用によって、液体中の有機物等を酸化分解し続けることができる。
【0070】
また、上記構成によれば、第1ナノバブル作製工程によって、第2気体からなるナノバブルを含有する第1ナノバブル含有磁気活水が作製される。つまり、この時点で、本発明の処理方法にて処理される液体は、第2気体からなるナノバブルを含有する磁気活水に変換される。ナノバブルは酸化作用を示すので、上記第1ナノバブル含有磁気活水は、磁気活水に由来する酸化作用とナノバブルに由来する酸化作用との両方を示すことになる。その結果、液体中の有機物等を強力に分解することができる。
【0071】
また、上記構成によれば、混合工程によって、第1ナノバブル含有磁気活水と微生物とが混合される。第1ナノバブル含有磁気活水は、微生物を活性化させることができる。したがって、活性化された微生物によって、液体中の有機物等を効率よく分解することができる。
【0072】
また、上記構成によれば、第2ナノバブル作製工程によって、第3気体からなるナノバブルを含有する第2ナノバブル含有磁気活水が作製される。つまり、この時点で、本発明の処理方法にて処理される液体は、先の工程にて作製された第2気体からなるナノバブル、および第3気体からなるナノバブルを含有する磁気活水に変換される。つまり、本発明の処理方法にて処理される液体には、第3気体からなるナノバブルが追加されることになる。ナノバブルは酸化作用を示すので、上記第2ナノバブル含有磁気活水は、磁気活水に由来する酸化作用とナノバブルに由来する酸化作用との両方を示すことになる。その結果、液体中の有機物等を強力に分解することができる。
【0073】
また、上記構成によれば、活性炭接触工程によって、第2ナノバブル含有磁気活水と活性炭とが接触させられる。活性炭は有機物等に対する吸着能力を有するので、第2ナノバブル含有磁気活水中に残存する有機物を除去することができる。また、第2ナノバブル含有磁気活水は上述したように強力な酸化作用を示す。したがって、活性炭に吸着した有機物等を酸化分解することができる。その結果、活性炭の吸着能力が低下することを防ぐことができる。つまり、活性炭を自動的に再生することができる。
【0074】
本発明の処理方法では、前記第1活性化工程において第1気体に対してかけられる磁場は、350ミリテスラ以上であることが好ましい。
【0075】
上記構成によれば、気体に対して効率的に磁気活性を付与することができる。つまり、磁気空気を効率的に作製することができる。
【0076】
本発明の処理方法では、前記磁気活水作製工程にて前記第1気体と混合される液体は、有機フッ素化合物を含有する液体であることが好ましい。
【0077】
また、本発明の処理方法では、前記有機フッ素化合物は、パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)またはパーフルオロオクタン酸(PFOA)であることが好ましい。
【0078】
上記構成によれば、強力な酸化作用によって液体を処理することができるので、液体中に含まれる有機フッ素化合物(例えば、パーフルオロオクタスルホン酸、およびパーフルオロオクタン酸等)を効率よく分解し、除去することができる。
【0079】
本発明の処理方法では、前記第1磁気活水作製工程にて前記第1気体と混合される液体は、河川の水、ため池の水、下水、または生活廃水であることが好ましい。
【0080】
上記構成によれば、強力な酸化作用によって液体を処理することができるので、多量の液体であったとしても、当該液体中に含まれる有機物質等を分解し、除去することができる。
【発明の効果】
【0081】
本発明の処理装置は、以上のように、第1気体に磁場をかける第1活性化手段と、前記磁場がかけられた第1気体と液体とを混合して磁気活水を作製する磁気活水作製手段と、前記磁気活水と第2気体とを混合およびせん断して、前記第2気体からなるナノバブルを含有する第1ナノバブル含有磁気活水を作製する第1ナノバブル作製手段と、前記第1ナノバブル含有磁気活水と微生物とを混合して第1処理水を作製する混合手段と、前記第1処理水と第3気体とを混合およびせん断して、前記第3気体からなるナノバブルを含有する第2ナノバブル含有磁気活水を作製する第2ナノバブル作製手段と、前記第2ナノバブル含有磁気活水と活性炭とを接触させて第2処理水を作製する活性炭槽と、を有するものである。
【0082】
また、本発明の処理方法は、以上のように、第1気体に磁場をかける第1活性化工程と、前記磁場がかけられた第1気体と液体とを混合して磁気活水を作製する磁気活水作製工程と、前記磁気活水と第2気体とを混合およびせん断して、前記第2気体からなるナノバブルを含有する第1ナノバブル含有磁気活水を作製する第1ナノバブル作製工程と、前記第1ナノバブル含有磁気活水と微生物とを混合して第1処理水を作製する混合工程と、前記第1処理水と第3気体とを混合およびせん断して、前記第3気体からなるナノバブルを含有する第2ナノバブル含有磁気活水を作製する第2ナノバブル作製工程と、前記第2ナノバブル含有磁気活水と活性炭とを接触させて第2処理水を作製する活性炭接触工程と、を有する方法である。
【0083】
それゆえ、磁気活水が有する磁気活性に由来する酸化作用と、ナノバブルに由来する酸化作用との両方によって、液体中に含まれる有機物等を効果的に分解することができるという効果を奏する。
【0084】
また、活性炭に吸着された有機物等を上記酸化作用によって分解することができるので、活性炭の吸着能力の低下を防ぐことができるという効果を奏する。
【0085】
また、磁気活水およびナノバブルによって微生物を活性化することができるので、液体中の有機物等を微生物によって効率よく分解することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0086】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本明細書において「ナノバブル」とは、その発生時において数百nm以下の直径を有する気泡が意図される。また、本明細書において「磁気活水」とは、例えば人工的に作り出された磁場中に水を通過させることにより、磁界のエネルギーによって活性化された液体(例えば、水)が意図される。また、本明細書において「磁気活性」とは、磁力線の作用によって、液体または気体が備える活性が意図される。
【0087】
本実施の形態の処理装置は、液体貯蔵槽18および処理部85を備えている。以下に、各構成について説明する。
【0088】
〔1.液体貯蔵槽〕
以下に、液体貯蔵槽18について説明する。
【0089】
上記液体貯蔵槽18には、本実施の形態の処理装置によって処理される液体が、一時的に貯蔵される。
【0090】
上記液体貯蔵槽18内に貯蔵される液体の種類は特に限定されず、処理したい液体を適宜選択すればよい。
【0091】
例えば、上記液体としては、淡水(例えば、河川の水、ため池の水(例えば、農業用水、水産養殖用の水、蓄養用の水等)、井戸の水など)、海水などを用いることができる。上記構成によれば、淡水または海水中に含まれる有機化合物等を除去することができるので、除去された後の淡水または海水を、各種用途(例えば、飲料用水、工業用水など)として用いることができる。
【0092】
また、上記液体としては、各種廃水(例えば、工場廃水、産業廃水、生活廃水、下水、浴槽水など)を用いることができる。上記構成によれば、各種廃水中の有機化合物等を効率よく分解することができるので、分解された後の廃水を各種用途に用いたり、自然界に放出したりすることが可能になる。
【0093】
また、上記液体は、有機フッ素化合物(例えば、パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)およびパーフルオロオクタン酸(PFOA)など)を含有するものであってもよい。本実施の形態の処理装置は酸化分解能力が高いので、化学的に安定な難分解性化合物であっても効率よく分解することができる。
【0094】
液体貯蔵槽18内に貯蔵された液体は、ポンプ19によって、配管21を介して処理部85に供給される。なお、このとき処理部85に供給される液体の量は、配管21に設けられたバルブ20によって調節される。
【0095】
例えば、液体貯蔵槽18内に廃水を導入した場合(図3参照)、本実施の形態の処理装置によって、各種廃水を適切に処理することができる。つまり、廃水としては、微生物学的に分解が困難な成分を含有している廃水や、高濃度で有機物を含有している廃水が存在する。しかしながら、本実施の形態の処理装置を用いれば、廃水に対して磁気活性を付与することができるとともに、ナノバブルを含有させることができる。その結果、上記磁気活性およびナノバブルに由来する酸化作用によって有機物を酸化分解することができるとともに、ナノバブル含有磁気活水によって微生物を活性化させ、当該微生物によっても有機物を分解することができる。そして、その結果、処理が困難であった廃水を処理することができる。
【0096】
また、例えば、液体貯蔵槽18内に河川の水を導入した場合(図4参照)、本実施の形態の処理装置によって、河川の水を適切に処理することができる。例えば、河川の水に含まれる微量のトリハロメタン、環境ホルモン、有機フッ素化合物などを分解したり、当該物質を活性炭に吸着させることによって、高度に処理された処理水を得ることができる。そして、このようにして得られた処理水は、上水としての利用できるのみならず、超純水製造のための前処理水としても利用することができる。また、河川の水質が悪い地域において、上水製造装置として用いることも可能である。
【0097】
また、例えば、液体貯蔵槽18内にため池の水を導入した場合(図5参照)、本実施の形態の処理装置によって、ため池の水を適切に処理することができる。例えば、ため池の水に含まれる有機物、アンモニア性窒素、トリハロメタン、環境ホルモン、有機フッ素化合物などを分解したり、当該物質を活性炭に吸着させることによって、高度に処理された処理水を得る事ができる。そして、このようにして得られた処理水は、上水としての利用できるのみならず、超純水製造のための前処理水としても利用することができる。また、ため池の水質が悪い地域において、上水製造装置として用いることも可能である。
【0098】
また、例えば、液体貯蔵槽18内に有機フッ素化合物含有水を導入した場合(図6参照)、本実施の形態の処理装置によって、有機フッ素化合物含有水を適切に処理することができる。つまり、本実施の形態の処理装置によって、有機フッ素化合物を効率よく分解することができる。
【0099】
また、例えば、液体貯蔵槽18内に下水を導入した場合(図7参照)、本実施の形態の処理装置によって、下水を適切に処理することができる。つまり、本実施の形態の処理装置によって、水質を改善するのみならず、着色成分までも除去することができる。特に、本実施の形態の処理装置であれば、下水に洗剤が混入している場合でも、後述する微生物槽46において発泡することがない。その結果、微生物槽46における処理効果の低下を防ぐことができる。さらに、微生物槽46において発泡することがないので、微生物の性状を改善することができる。そして、その結果、分離部55の透過水量が増加するので、処理装置全体の処理能力を向上させることができる。
【0100】
また、例えば、液体貯蔵槽18内に生活廃水を導入した場合(図8参照)、本実施の形態の処理装置によって、生活廃水を適切に処理することができる。なお、この場合も上述した下水の場合と同様に、洗剤の発泡を防ぐことができる。
【0101】
〔2.処理部〕
以下に、処理部85について説明する。
【0102】
上記処理部85では、上記液体中に対して磁気活性を備えさせるとともに、上記液体中にナノバブルを発生させる。そして、磁気活性に由来する酸化能力と、ナノバブルに由来する酸化能力との両方によって、液体中の有機化合物が酸化分解される。また、上記処理部では、上記液体に対して微生物処理を行うとともに、活性炭による吸着処理が行われる。これによって、液体中の有機化合物が活性化された微生物によって分解されるとともに、液体中に残留した有機化合物が活性炭に吸着される。その結果、液体中の有機化合物が効率よく除去される。なお、活性炭に吸着した有機化合物に対しては、絶えず、磁気活性およびナノバブルに由来する酸化作用が働くので、当該有機化合物も酸化分解され続けることになる。その結果、活性炭の表面は絶えず再生されているので、活性炭を交換する頻度を少なくすることができる。
【0103】
上記処理部85は、第1磁気活水作製部38(第1活性化手段)、前槽1(磁気活水作製手段)、第1ナノバブル発生部17(第1ナノバブル作製手段)、微生物槽46(混合手段)、第2ナノバブル発生部78(第2ナノバブル作製手段)、および活性炭槽81を備えている。以下に、各構成について説明する。
【0104】
〔2−1.前槽〕
まず、前槽1について説明する。
【0105】
上記前槽1は、第1槽22と第2槽27とを備えており、当該第1槽22と第2槽27とは互いに接続されている。なお、上述した液体貯蔵槽18内に貯蔵された液体は、上記第1槽22内に吐出される。上記第1槽22内には、配管23を介して第1磁気活水作製部38に接続されている散気管24が設けられている。そして、上記散気管24から気体25(第1気体)が吐出され、当該気体25と水流43を形成する上記液体原料とが上記第1槽22内で攪拌される。
【0106】
上述したように、上記第1槽22内では、気体25と液体とが攪拌される。後述するように、上記気体25は磁気活性が付与された気体である。したがって、当該気体25と液体とを攪拌することによって、磁気活性が付与された液体、つまり磁気活水を作製することができる。また、このとき液体中に比較的大きな不純物が混入していれば、当該不純物の表面に気体25が付着して複合体が形成される。当該複合体には表面に付着した気体25に由来する浮力が働くので、上記複合体が、第1槽22内に蓄えられた液体の表面近傍に蓄積することになる。その結果、第1槽22の底部近傍に存在する液体からは、比較的大きな不純物を除去することができる。
【0107】
このとき、上記第1槽22と第2槽27とは、第1槽22の底部近傍を介して互いに接続されていることが好ましい。上記構成によれば、比較的大きな不純物が除去された液体を選択的に第2槽27中に取り込むことができる。そして、比較的大きな不純物を予め除去することができるので、後の工程で処理すべき物質の量を減少させることができる。
【0108】
〔2−2:第1磁気活水作製部〕
次いで、第1磁気活水作製部38について説明する。
【0109】
上記第1磁気活水作製部38は、気体25(第1気体)に対して磁気活性を付与するための構成である。そして、上述したように、磁気活性が付与され気体25と液体とを攪拌することによって、当該液体に磁気活性を付与することができる。
【0110】
本実施の形態の処理装置では、ブロワー29によって、第1磁気活水作製部38へ配管95(第1配管)を介して気体が供給される。
【0111】
上記気体としては特に限定されず、適宜公知の気体を用いることができる。例えば、上記気体としては、空気、オゾンガス、炭酸ガス、酸素ガスまたは窒素ガスなどを用いることができるが、これらに限定されない。
【0112】
また、上記配管95には、配管95の少なくとも一部の内空横断面の大きさを変化させることができる第1配管径調節部31(第1配管径調節手段)が設けられていることが好ましい。上記構成によれば、乱流である気体を相流に変換することができるとともに、第1磁気活水作製部38に導入される気体の流速を調節することができる。そして、これによって、後述する第1磁気活水作製部にて、気体に対して均等に磁場をかけることができる。
【0113】
なお、第1磁気活水作製部38に導入される気体の流速は、10m/秒以上であることが好ましい。上記構成によれば、気体に対して効率よく磁場の影響を及ぼすことができる。
【0114】
上記第1配管径調節部31は、配管95の少なくとも一部の内腔横断面の大きさを変化させることができるものであればよく、その具体的な構成は特に限定されない。
【0115】
例えば図12(a)および図12(b)に示すように、上記第1配管径調節部31は、円筒形状を有する配管によって形成され得る。図12(a)に示すように、上記配管95の各端部には、フランジ30およびフランジ32が備え付けられている。また、上記第1配管径調節部31の各端部にも、フランジ30およびフランジ32が備え付けられている。また、上記フランジ30およびフランジ32にはボルト孔99が設けられている。そして、図12(b)に示すように、当該ボルト孔99にボルトを着脱することによって、配管95に備え付けられたフランジ30と第1配管径調節部31に備え付けられたフランジ30同士、および配管95に備え付けられたフランジ32と第1配管径調節部31に備え付けられたフランジ32同士を着脱することができる。これによって、上記配管95の端部の間に連結する第1配管径調節部31を交換することができる。このとき、異なる円筒形状、つまり横断面の直径が異なる円筒形状を有する複数の第1配管径調節部31を準備しておき、これらの中から所望の第1配管径調節部31を選択して、当該第1配管径調節部31を配管95の端部の間に連結すれば、これによって、配管95の少なくとも一部の内腔横断面を、所望の大きさに変化させることができる。なお、第1配管径調節部31の横断面の形状および大きさに応じて、適宜、フランジ30およびフランジ32の形状および大きさを選択することができる。
【0116】
第1配管径調節部31が円筒形状の配管によって形成される場合、気体が流れる方向における上記第1配管径調節部31の長さは特に限定されず、適宜設定することができる。例えば、上記第1配管径調節部31の長さは、後述するフランジ36に開けられた開口の直径の10倍以上の長さであることが好ましい。また、上記第1配管径調節部31の長さは、円筒形状を有する第1配管径調節部31の横断面の直径の10倍以上の長さであることが更に好ましい。
【0117】
上記構成によれば、乱流として第1配管径調節部31内に導入された気体を確実に相流にした後、当該気体を第1磁気活水作製部38側に吐出することができる。
【0118】
上記第1配管径調節部31によって相流に変換された気体は、第1磁気活水作製部38に導入される。
【0119】
上記第1磁気活水作製部38は、気体に磁場をかけることができるものであればよく、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、図1に示すように、フランジ36は配管95の端部に備え付けられており、フランジ42は配管23の端部に備え付けられている。また、上記第1磁気活水作製部38の一方の端部にはフランジ36が備え付けられているとともに、別の端部にはフランジ42が備え付けられている。そして、上記フランジ36同士、および上記フランジ42同士をボルト等によって固定することによって、上記フランジ36とフランジ42との間に上記第1磁気活水作製部38が設けられ得る。
【0120】
上記第1磁気活水作製部38は、気体を通過させるための流路37(第1流路)を有している。そして、当該流路37の少なくとも一部は、磁石のS極として機能する領域と磁石のN極として機能する領域によって挟まれており、これによって、上記流路37中を通過する気体に磁場をかけることが可能になる。
【0121】
上記流路37の横断面の形状は特に限定されず適宜設定することができる。上記流路37の横断面の形状としては、例えば、対向する少なくとも1対の面を有するもの(例えば、正方形または長方形など)であることが好ましい。なお、上記流路37の横断面の形状が例えば正方形または長方形である場合には、上記流路37の立体的な形状は、略平板状になることが好ましい。
【0122】
一例として、図13に、横断面の形状が長方形である流路37を有する第1磁気活水作製部38の断面図を示す。図13に示すように、流路37は、互いに対向する面100(第1面)および面101(第2面)を有している。そして、上記面100の側には磁石のS極40が配置されており、上記面101の側には磁石のN極39が配置されている。そして、上記S極40とN極39との間で磁場が形成され、当該磁場の中を気体が通過する。換言すれば、図1に示すように、上記S極40とN極39との間で形成される磁力線41の中を気体が通過する。そして、磁場の中を通過することによって、気体には磁気活性が付与される。
【0123】
上記面100と上記面101との間の距離は特に限定されず、適宜設定することができる。例えば、上記面100と上記面101との間の距離は、30mm以下であることが好ましい。上記構成によれば、気体に対して効率よく磁気活性を付与することができる。
【0124】
また、上記流路37内の磁束密度(残留磁束密度)は、350ミリテスラ(3500ガウス以上であることが好ましく、450ミリテスラ以上であることが、より好ましい。
【0125】
以上のようにして磁気活性が付与された気体は、上述したように第1槽22内に気体25として吐出され、その結果、液体と攪拌されることになる。そして、これによって磁気活性が付与された液体(磁気活水)は、第1ナノバブル発生部17へ導入される。
【0126】
〔2−3:第1ナノバブル発生部〕
次いで、第1ナノバブル発生部17について説明する。
【0127】
上記第1ナノバブル発生部17は、配管2、配管96(第2配管)、第1気液混合循環ポンプ3を有する第1気体せん断部4、第2気体せん断部5、第5気体せん断部14、第2配管径調節部34(第2配管径調節手段)、第2磁気活水作製部9(第2活性化手段)、配管7、および電動ニードルバルブ8を備えている。
【0128】
上記第1気体せん断部4には配管2および配管7が接続されている。そして、上記配管2を介して第1気体せん断部4に液体(磁気活水)が供給されるとともに、上記配管4を介して第1気体せん断部4に気体(第2気体)が供給される。そして、上記第1気体せん断部4の中で上記液体と上記気体とが混合およびせん断されて、その結果、マイクロバブル含有水(第1マイクロバブル含有水)が作製される。
【0129】
なお、上記気体(第2気体)としては特に限定されない。例えば、上記気体としては、空気、オゾンガス、炭酸ガス、酸素ガスまたは窒素ガスなどを用いることができるが、これらに限定されない。
【0130】
上記第1気体せん断部4内への液体の供給は、第1気液混合循環ポンプ3を動作させることによって行われる。また、上記第1気体せん断部4内への気体の供給のタイミング、および気体の供給量の調節は、電動ニードルバルブ8の開閉動作によって調節される。
【0131】
上記電動ニードルバルブ8の開閉動作のタイミングは特に限定されない。例えば、まず上記第1気液混合循環ポンプ3の運転を開始することによって上記第1気体せん断部4内に液体を導入するとともに当該液体を攪拌させる。その後、上記第1気液混合循環ポンプ3の出力が最大値に達した時点以降に上記電動ニードルバルブ8を開いて、これによって上記第1気体せん断部4内に気体を供給することが好ましい。また、上記第1気液混合循環ポンプ3の運転を開始してから60秒後以降に上記電動ニードルバルブ8を開いて、これによって上記第1気体せん断部4内に気体を供給することが、より好ましい。
【0132】
上記第1気液混合循環ポンプ3の運転開始時に上記電動ニードルバルブ8を開くことも可能であるが、この場合、第1気液混合循環ポンプ3がキャビテーション現象を起し、その結果、第1気液混合循環ポンプ3が損傷する恐れがある。しかしながら、上記構成であれば、第1気液混合循環ポンプ3がキャビテーション現象を起すことを防止することができるので、その結果、第1気液混合循環ポンプ3が破損することを防ぐことができる。
【0133】
上記電動ニードルバルブ8を開くことによって上記第1気体せん断部4内に供給される気体の量は特に限定されない。例えば、上記第1気体せん断部4に対して、1.2リットル/分以下にて気体を供給することが好ましい。上記構成であれば、効率よく多量のナノバブル含有水を作製することができる。
【0134】
次いで、第1ナノバブル発生部17によってナノバブル含有水(第1ナノバブル含有水)が作製される工程について説明する。なお、上記ナノバブル含有水は、大まかに言えば2つの工程(第1気体せん断工程および第2気体せん断工程)を経て製造される。以下に、第1気体せん断工程および第2気体せん断工程について更に詳細に説明する。
【0135】
〔2−3−1:第1気体せん断工程〕
第1気体せん断工程では、気体と液体とから、マイクロバブル含有水が作製される。換言すれば、主として配管7を介して第1気体せん断部4に供給される気体(第2気体)からなるマイクロバブルが作製される。
【0136】
第1気体せん断工程では、上記第1気体せん断部4において、第1気液混合循環ポンプ3を用いて気体と液体との混合物の圧力が流体力学的に制御されるとともに、負圧部に対して気体が吸入される。なお、「負圧部」とは、気体と液体との混合物の中で周りと比較して圧力が小さな領域を意図する。そして、上記混合物を高速流体運動させて負圧部を形成しながら気体をせん断することによって、微細なマイクロバブルを発生させることができる。換言すれば、液体と気体とを効果的に自給混合溶解するとともに、圧送する。これによって、より微細なマイクロバブルを含有するマイクロバブル含有水を形成することができる。
【0137】
上記第1気液混合循環ポンプ3としては特に限定されないが、揚程40m以上(4kg/cm2の圧力)の高揚程のポンプであることが好ましい。また、第1気液混合循環ポンプ3としてはトルクが安定している2ポールのポンプを用いることが好ましい。上記構成によれば、第1気体せん断部4内のマイクロバブル含有水に対して所望の圧力を加えることが可能であり、その結果、マイクロバブル含有水に含まれるマイクロバブルをより微細にせん断することができる。
【0138】
また、第1気液混合循環ポンプ3では、ポンプの圧力が制御されていることが好ましい。例えば、第1気液混合循環ポンプ3の回転数が、インバーター等の回転制御部(図示せず)によって制御されていることが好ましい。なお、上記回転制御部は、更にシーケンサー(図示せず)によって制御され得る。上記構成によれば、上記第1気体せん断部4の中のマイクロバブル含有水に対して所望の圧力を加えることが可能となり、その結果、マイクロバブル含有水に含まれるマイクロバブルを所望のサイズに揃えることができる。
【0139】
上記第1気体せん断部4を構成する材料は特に限定されないが、ステンレス、プラスチック、または樹脂であることが好ましい。上記材料の中では、ステンレスが最も好ましい。上記構成によれば、マイクロバブル含有水中に不純物が混入することを防止することができるとともに、第1気体せん断部4が振動することを防止することができる。
【0140】
また、上記第1気体せん断部4の厚さ(隔壁の厚さ)は特に限定されないが、6mm〜12mmであることが好ましい。一般的に、第1気体せん断部4の厚さが薄ければ、第1気体せん断部4中のマイクロバブル含有水の運動によって、第1気体せん断部4が振動する。つまり、マイクロバブル含有水の運動エネルギーが振動として外部に伝播して失われるので、マイクロバブル含有水の高速流動運動が低下し、その結果、せん断エネルギーが低下する。しかしながら、上記構成によれば、第1気体せん断部4の振動を防ぐことかできるので、効率よくマイクロバブルを作製することができる。
【0141】
次いで、第1気液混合循環ポンプ3を有する第1気体せん断部4がマイクロバブルを発生させるメカニズムについて詳細に説明する。
【0142】
まず、上記第1気体せん断部4において、マイクロバブル含有水の構成成分である液体と気体とからなる混相旋回流を発生させる。具体的には、インペラと呼ばれる羽を超高速で回転させて、液体と気体とからなる混相旋回流を発生させる。このとき、第1気体せん断部4の中心部には、高速旋回する気体空洞部が形成される。
【0143】
次いで、上記気体空洞部を圧力によって竜巻状に細くして、より高速で旋回する回転せん断流を発生させる。このとき、上記気体空洞部に対しては、当該気体空洞部の負圧を利用して、気体を自動的に供給させる。そして、さらにマイクロバブルを切断・粉砕しながら混相旋回流を回転させる。なお、上記切断・粉砕は、第1気体せん断部4の出口内外における気液二相流体の回転速度の差によって生じる。なお、上記回転速度の差は、500〜600回転/秒であることが好ましい。
【0144】
すなわち、第1気体せん断部4において、第1気液混合循環ポンプ3によってマイクロバブル含有水を高速流体運動させることによって負圧部を形成するとともに、流体力学的にマイクロバブル含有水の圧力を制御することによって上記負圧部に対して気体を供給している。その結果、第1気体せん断部4では、マイクロバブルを発生させることができる。換言すれば、第1気液混合循環ポンプ3を用いて液体と気体とを効果的に自給混合溶解しながら圧送することによりマイクロバブル含有水を製造することができる。
【0145】
上記第1気体せん断部4の内腔の横断面の形状は特に限定されないが、楕円形であることが好ましく、真円形であることが最も好ましい。また、上記第1気体せん断部4の内腔表面は、鏡面仕上げによって形成されていることが好ましい。上記構成によれば、第1気体せん断部4の内部表面の摩擦が小さいので、気体と液体との混合物を高速旋回させることができるとともに、気体を効率良くせん断することができる。その結果、多くの微細なマイクロバブルを発生させることができるとともに、最終的に多くのナノバブルを発生させることができる。
【0146】
また、第1気体せん断部4の内部表面(内腔表面)には、溝が設けられていることが好ましい。また、上記溝の数は特に限定されないが、2本以上設けられていることが好ましい。また、上記溝は、第1気体せん断部4の内部表面上に形成され、かつ凹形状を有するものであればよく、その形状は特に限定されない。例えば、上記溝は、深さ略0.3mm〜0.6mm、幅略0.8mm以内であることが好ましい。上記構成によれば、第1気体せん断部4内の液体と気体との混合物の旋回乱流の発生を制御することができるので、多くの微細なマイクロバブルを発生させることができるとともに、最終的に多くのナノバブルを発生させることができる。
【0147】
また、上記第1気体せん断部4へは、配管2を介して液体が供給され、配管96を介してマイクロバブル含有水が吐出されている。このとき、上記液体を供給する配管の内腔の横断面の面積は、マイクロバブル含有水を吐出する配管の内腔の横断面の面積よりも大きいことが好ましい。上記構成によれば、マイクロバブル含有水の吐出圧力を高めることができるので、安定的にマイクロバブルを発生させることができる。
【0148】
〔2−3−2:第2気体せん断工程〕
第2気体せん断工程では、上記第1気体せん断工程にて作製されたマイクロバブル含有水(第1マイクロバブル含有水)からナノバブル含有水(第1ナノバブル含有水)が作製される。更に詳細には、上記第1気体せん断部4によって作製されたマイクロバブル含有水を第2気体せん断部5にて更にせん断して、これによって、ナノバブル含有水を作製している。換言すれば、主として配管7を介して第1気体せん断部4に供給される気体(第2気体)からなるナノバブルが作製される。
【0149】
なお、必要に応じて第5気体せん断部14を更に備えることができる。第5気体せん断部14を備えれば、第2気体せん断部5によって作製されたナノバブルの大きさを更に小さくすることができるとともに、ナノバブルの量を増加させることができる。上記第5気体せん断部14の設置位置としては特に限定されない。例えば、後述する第2磁気活水作製部9よりも下流側に設置することも可能であり、第2磁気活水作製部9よりも上流側に設置することも可能である。
【0150】
上記第1気液混合循環ポンプ3によって、マイクロバブル含有水が第1気体せん断部4から第2気体せん断部5へ、さらには第5気体せん断部14へ圧送される。マイクロバブル含有水が第1気体せん断部4から第2気体せん断部5へ、さらには第5気体せん断部14へへと配管を介して圧送される場合には、マイクロバブル含有水が圧送される方向に向かって、徐々にまたは段階的に配管の直径が小さくなることが好ましい。上記構成によれば、マイクロバブル含有水をより高速で流体運動しながら竜巻状に細くすることができる。換言すれば、より高速で旋回する回転せん断流を発生させることができる。その結果、マイクロバブルからナノバブルを効率よく発生させることができるとともに、ナノバブル含有水中に超高温の極限反応場を形成することができる。
【0151】
上記極限反応場が形成されると、ナノバブル含有水が局部的に高温高圧状態となり、当該局所にて不安定なフリーラジカルができるとともに、同時に熱が発生される。フリーラジカルは不対電子を有する原子または分子であって、他の原子または分子から電子を奪い取って安定化しようとする。それゆえ、フリーラジカルを含むナノバブル含有水は、強い酸化力を示すことになる。したがって上記構成によれば、フリーラジカルの作用によって、有機物などを酸化分解することができる。
【0152】
また、第2気体せん断部5および第5気体せん断部14は、ステンレス、プラスチック、または樹脂によって形成されていることが好ましい。上記構成によれば、ナノバブル含有水の使用目的に応じて、上記第2気体せん断部5および第5気体せん断部14の材料を選択することができる。例えば、製薬業界では、薬に不純物が混入することを避ける必要がある。この場合、上記構成であれば、第2気体せん断部5および第5気体せん断部14の材料が混入する可能性が低いので、製造されたナノバブル含有水を医薬品の製造、すなわち製薬に使用することができる。
【0153】
また、第2気体せん断部5および第5気体せん断部14の内腔の横断面の形状は、楕円形であることが好ましく、真円形であることが最も好ましい。上記構成によれば、第2気体せん断部5および第5気体せん断部14の内部表面の抵抗(摩擦)が小さいので、マイクロバブル含有水を高速旋回させることができるとともに、マイクロバブル含有水を効率良くせん断することができ、その結果、多くのナノバブルを発生させることができる。
【0154】
また、第2気体せん断部5および第5気体せん断部14の内部表面には、孔が開いていることが好ましい。上記孔の開口の直径は特に限定されないが、4mm〜9mmであることが好ましい。上記構成によれば、上記第2気体せん断部5および第5気体せん断部14の内部におけるバブル含有水の旋回運動を制御することができる。つまり、上記構成によれば、上記第2気体せん断部5および第3気体せん断部14の内部の旋回乱流の発生を制御することができる。その結果、第2気体せん断部5および第5気体せん断部14によって、安定にナノバブルを発生させることができる。
【0155】
なお、上述した第1気液混合循環ポンプ3、第1気体せん断部4、第2気体せん断部5および第5気体せん断部14の具体的な構成としては、市販のものを用いることが可能である。各々の構成としては特に限定しないが、例えば、株式会社 協和機設社製のバビダスHYK型を用いることが可能である。
【0156】
次いで、第2配管径調節部34について説明する。
【0157】
第2気体せん断部5にて作製されたナノバブル含有水は、次いで第2配管径調節部34に導入される。
【0158】
本実施の形態の処理装置では、上記第2配管径調節部34は、後述する第2磁気活水作製部9に導入するナノバブル含有水の流量を調節するとともに、上記第2気体せん断部5から乱流として吐出されたナノバブル含有水の流れを相流の状態に整える。これによって、第2磁気活水作製部9によって、ナノバブル含有水に対して磁気活性を効率よく付与させることができる。
【0159】
なお、第2磁気活水作製部9に導入されるナノバブル含有水の流速は、2m/秒以上であることが好ましい。上記構成によれば、ナノバブル含有水に対して効率よく磁場の影響を及ぼすことができる。
【0160】
以下に、第2配管径調節部34の具体的な構成について説明する。
【0161】
本実施の形態の処理装置では、第2気体せん断部5と第2磁気活水作製部9とを連結する配管96(第2配管)に第2配管径調節部34が設けられている。
【0162】
上記第2配管径調節部34は、配管96の少なくとも一部の内腔横断面の大きさを変化させることができるものであればよく、その具体的な構成は特に限定されない。
【0163】
例えば図12(a)および図12(b)に示すように、上記第2配管径調節部34は、円筒形状を有する配管によって形成され得る。図12(a)に示すように、上記配管96の各端部には、フランジ33およびフランジ35が備え付けられている。また、上記第2配管径調節部34の各端部にも、フランジ33およびフランジ35が備え付けられている。また、上記フランジ33およびフランジ35にはボルト孔99が設けられている。そして、図12(b)に示すように、当該ボルト孔99にボルトを着脱することによって、配管96に備え付けられたフランジ33と第2配管径調節部34に備え付けられたフランジ33同士、および配管96に備え付けられたフランジ35と第2配管径調節部34に備え付けられたフランジ35同士を着脱することができる。これによって、上記配管96の端部の間に連結する第2配管径調節部34を交換することができる。このとき、異なる円筒形状、つまり横断面の直径が異なる円筒形状を有する複数の第2配管径調節部34を準備しておき、これらの中から所望の第2配管径調節部34を選択して、当該第2配管径調節部34を配管96の端部の間に連結すれば、これによって、配管96の少なくとも一部の内腔横断面を、所望の大きさに変化させることができる。
【0164】
第2配管径調節部34が円筒形状の配管によって形成される場合、ナノバブル含有水が流れる方向における上記第2配管径調節部34の長さは特に限定されず、適宜設定することができる。例えば、上記第2配管径調節部34の長さは、後述するフランジ6に開けられた開口の直径の10倍以上の長さであることが好ましい。また、上記第2配管径調節部34の長さは、円筒形状を有する第2配管径調節部34の横断面の直径の10倍以上の長さであることが更に好ましい。
【0165】
上記構成によれば、乱流として第2配管径調節部34内に導入されたナノバブル含有水を確実に相流に変換した後、当該ナノバブル含有水を第2磁気活水作製部9側に吐出することができる。
【0166】
次いで、第2磁気活水作製部9について説明する。
【0167】
本実施の形態の処理装置では、上記第2配管径調節部34を通過したナノバブル含有水は、第2磁気活水作製部9に導入される。
【0168】
本実施の形態の処理装置では、上記第2磁気活水作製部9において、上記第2気体せん断部5にて製造されたナノバブル含有水に磁場をかける。その結果、ナノバブル含有水に対して磁気活水としての活性(磁気活性)を付与することができる。換言すれば、磁気活水を用いて作製されたナノバブル含有水が有する磁気活性を、更に増強することができる。
【0169】
以下に、第2磁気活水作製部9の具体的な構成について説明する。
【0170】
本実施の形態の処理装置では、第2気体せん断部5と第5気体せん断部14との間に第2磁気活水作製部9が設けられている。なお、第2磁気活水作製部9の位置としては、これに限定されない。例えば、第2磁気活水作製部9を、第2気体せん断部5および第5気体せん断部14の上流に設けることも可能である。更に具体的には、例えば、第2磁気活水作製部9の下流に第2気体せん断部5を設けるとともに、当該第2気体せん断部の更に下流に上記第5気体せん断部14を設けることも可能である。
【0171】
上記第2磁気活水作製部9は、第2気体せん断部5にて製造されたナノバブル含有水に磁場をかけることができるものであればよく、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、図1に示すように、上記第2磁気活水作製部9は、フランジ6およびフランジ12に挟まれるように設けられ得る。図1に示すように、フランジ6は配管96の端部に接続されており、フランジ12は配管13の端部に接続されている。そして、上記フランジ6とフランジ12との間に上記第2磁気活水作製部9が設けられ得る。
【0172】
上記第2磁気活水作製部9は、ナノバブル含有水を通過させるための流路26(第2流路)を有している。そして、当該流路26の少なくとも一部は、磁石のS極として機能する領域と磁石のN極として機能する領域によって挟まれており、これによって、上記流路26中を通過するナノバブル含有水に磁場をかけることが可能になる。
【0173】
上記流路26の横断面の形状は特に限定されず適宜設定することができる。上記流路26の横断面の形状としては、例えば、対向する少なくとも1対の面を有するもの(例えば、正方形または長方形など)であることが好ましい。なお、上記流路26の横断面の形状が例えば正方形または長方形である場合には、上記流路26の立体的な形状は、略平板状になることが好ましい。
【0174】
一例として、図13に、横断面の形状が長方形である流路26を有する第2磁気活水作製部9の断面図を示す。図に示すように、流路26は、互いに対向する面102(第3面)および面103(第4面)を有している。そして、上記面102の側には磁石のS極10が配置されており、上記面103の側には磁石のN極16が配置されている。そして、上記S極10とN極16との間で磁場が形成され、当該磁場の中をナノバブル含有水が通過する。換言すれば、図1に示すように、上記S極10とN極16との間で形成される磁力線11の中をバブル含有水が通過する。そして、磁場の中を通過することによって、ナノバブル含有水には更なる磁気活性が付与される。
【0175】
つまり、磁力線11の中を液体が通過すると、微弱な電流が発生する。そして、微弱な電流の作用によって水分子同士の結合が崩れ、その結果、クラスター(分子のかたまり)が細分化する。クラスターが細分化された水は、当該クラスターのすき間に酸素を吸収する作用が高いので、外気から大量の酸素を吸収して溶存酸素濃度が高くなる。それと同時に、微弱な電流の作用により、液体中にラジカルを発生させることが可能になる。その結果、液体に磁気活性を付与すれば、当該液体中に活性酸素を発生させることが可能になる。したがって、磁気活性を有するナノバブル含有水は、ナノバブルに由来するフリーラジカルの酸化能力と、上記活性酸素に由来する酸化能力の両方を備えることが可能になり、当該強力な酸化能力によって難分解性の有機物をも分解することができる。
【0176】
上記面102と上記面103との間の距離は特に限定されず、適宜設定することができる。例えば、上記面102と上記面103との間の距離は、30mm以下であることが好ましい。上記構成によれば、ナノバブル含有水に対して効率よく磁気活水としての活性を付与することができる。
【0177】
また、上記流路26内の磁束密度(残留磁束密度)は、350ミリテスラ(3500ガウス以上であることが好ましく、450ミリテスラ以上であることが、より好ましい。
【0178】
また、上記面102の側に配置される磁石のS極10の数、および上記面103の側に配置される磁石のN極16の数も特に限定されず、適宜設定することができる。例えば、図1に示すように、S極10およびN極16を各々3つずつ配置することができるが、これに限定されない。
【0179】
なお、上記第2磁気活水作製部9と上記第1磁気活水作製部38とは同じ構成を用いることが可能である。更に具体的には、上記第2磁気活水作製部9としては、例えば、株式会社ビー・シー・オー製のBK型を用いることも可能である。
【0180】
本実施の形態の処理装置では、第2磁気活水作製部9にて作製されたナノバブル含有磁気活水は、更に配管13を介して第5気体せん断部14に導入される。上述したように、当該第5気体せん断部14では、ナノバブルが更にせん断される。その結果、ナノバブル含有磁気活水中のナノバブルのサイズを更に小さくするとともに、含有されるナノバブルの量を多くすることができる。なお、第5気体せん断部14の詳細については既に説明したので、ここではその説明を省略する。
【0181】
本実施の形態の処理装置では、第5気体せん断部14にて処理されたナノバブル含有磁気活水は、矢印15に示すように第2槽27内に吐出される。なお、ナノバブル含有磁気活水の吐出場所は上記第2槽27に限定されない。例えば、第2槽27とは別の槽を準備しておき、当該別の槽内へ吐出することもできる。
【0182】
以上のようにして作製されたナノバブル含有磁気活水(第1ナノバブル含有磁気活水)は、次いで、配管28を介して微生物槽46に供給される。以下に、微生物槽46について説明する。
【0183】
〔2−4:微生物槽〕
微生物槽46では、微生物と上記ナノバブル含有磁気活水とが混合される。そして、ナノバブル含有磁気活水が有する生理作用によって活性化された微生物によって、ナノバブル含有磁気活水中に残存する有機物等が分解される。
【0184】
上記微生物槽46は、第1微生物槽47、第2微生物槽48、第3微生物槽49および分離槽50を備えている。
【0185】
本実施の形態の処理装置は3つの微生物槽と1つの分離層とを備えているが、各槽の数は限定されず、目的に応じて適宜設定することができる。
【0186】
また、上記第1微生物槽47、第2微生物槽48、第3微生物槽49および分離槽50の各々には、各槽の内部の液体を攪拌するための気体を供給するための散気管52(第1気体吐出手段)が設けられている。当該散気管52から吐出される気体は特に限定されない。例えば、配管23を介して、上記散気管52を第1磁気活水作製部38に接続することも可能である。上記構成によれば、上記第1微生物槽47、第2微生物槽48、第3微生物槽49および分離槽50内の液体に対して、磁場がかけられた気体を供給することができる。その結果、上記第1微生物槽47、第2微生物槽48、第3微生物槽49および分離槽50内の液体に磁気活性を付与することによって、各槽内の微生物を活性化させることができる。そして、その結果、より効率よく有機物を処理することができる。なお、上記各槽に供給される気体の量は、配管23に設けられたバルブ51によって調節することができる。
【0187】
上記第1微生物槽47、第2微生物槽48、第3微生物槽49および分離槽50内における上記散気管52の位置は特に限定されないが、例えば、各槽内に蓄えられた液体の水深の半分よりも上側に設けられていることが好ましい。上記構成によれば、各槽内の上部に存在する液体に対して気体を供給することができるとともに、各槽内の上部に存在する液体を効率よく攪拌することができる。つまり、各槽内の液体の上半分を好気的な環境にすることができるとともに、各槽内の液体の下半分を嫌気的な環境にすることができる。その結果、液体中に残留する有機物を好気性微生物および嫌気性微生物の両方によって処理することができるので、上記有機物を効率よく処理することができる。
【0188】
また、上記第1微生物槽47、第2微生物槽48および第3微生物槽49の各槽には、各槽の内部を上部と下部とに分けるための分離壁53が設けられることが好ましい。
【0189】
上記分離壁53の位置は特に限定されないが、上記散気管52の位置よりも下側に設けられていることが好ましい。上記構成によれば、分離壁53を境として、各槽内の環境をより明確に2つに分けることができる。つまり、分離壁53よりも上に存在する液体は、散気管52によって気体が供給されるとともに、当該気体によって攪拌される。その結果、分離壁53よりも上に存在する液体は、好気的な状態に維持される。一方、分離壁53よりも下に存在する液体は、上記分離壁53によって、分離壁53よりも上に存在する液体から隔離された状態にある。換言すれば、各微生物槽内部の分離壁53よりも下の領域には、分離壁53よりも上の領域に存在する液体が、容易に流れ込むことができない。その結果、分離壁53よりも下に存在する液体は、嫌気的な状態に維持される。好機的な条件下では好機性微生物が効率よく増殖し、嫌気的な条件下では嫌気性微生物が効率よく増殖する。したがって、上記構成によれば、液体中に残存する有機物を、多様な微生物によって処理することができる。
【0190】
上記分離壁53の形状は、当該分離壁53よりも上に存在する液体が、当該分離壁53よりも下に存在する液体に混入することを妨げることができる形状であればよく、特に限定されない。
【0191】
14(a)および図14(b)に、分離壁53の形状の一例を示す。なお、当該図面では、説明を簡略化するために、第1微生物槽47に関して説明する。図14(a)は、第1微生物槽47の縦断面図である。このとき、分離壁53は、第1微生物槽47の内壁上に設けられており、その形状は略三角形であることが好ましいが、これに限定されない。一方、図14(b)および図14(c)は、図14(a)において点線にて示した部分に相当する、第1微生物槽47の横断面図である。なお、図14(b)は、第1微生物槽47の横断面が円形の場合を示しており、図14(c)は、第1微生物槽47の横断面が略正方形の場合を示している。
【0192】
このとき、分離壁53は、開口110を有する形状にて形成される。なお、上記開口110の大きさおよび形は特に限定されない。例えば、図14(b)に示すように上記開口110が円形の場合、当該開口110の直径は4m〜6mであることが好ましく、図14(c)に示すように上記開口110が略正方形の場合、当該開口110の一辺の長さは4m〜6mであることが好ましい。なお、この場合、横断面における分離壁53の微生物槽47の壁面からの突出長は、0.4m〜0.6mであることが好ましい。上記構成によれば、分離壁53が微生物槽47の壁面から十分に突出した形状を有しているので、当該分離壁53よりも上に存在する液体が、当該分離壁53よりも下に存在する液体に混入することを妨げることができる。
【0193】
上記分離槽50には分離部55(分離手段)が設けられており、当該分離部55によって、液体から微生物が分離される。
【0194】
上記分離部55は、液体から微生物を分離することができるものであればよく、特に限定されない。例えば、分離部55は、微生物を分離することができる各種分離膜であり得る。なお、当該分離膜としては特に限定されず、適宜、公知の分離膜を用いることができる。
【0195】
上記分離部55にて微生物が除去された液体は、配管58を介して、第1処理水として後槽59へと導入される。なお、上記第1処理水の後槽59への導入は、ポンプ56によって行われ、後槽59へ導入される上記第1処理水の量は、バルブ57によって調節される。
【0196】
後槽59に導入された第1処理水は、次いで、第2ナノバブル発生部78に導入される。以下に、第2ナノバブル発生部78について説明する。
【0197】
〔2−5:第2ナノバブル発生部〕
第2ナノバブル発生部78では、上記第1処理水と気体(第3気体)とを用いて、第2気体からなるナノバブルと第3気体とからなるナノバブルの両方を有するとともに、磁気活性が更に増強されたナノバブル含有磁気活水(第2ナノバブル含有磁気活水)が作製される。
【0198】
更に詳細に説明すれば、まず、第3気体せん断部63によって、第3気体からなるマイクロバブルを含有するマイクロバブル含有水(第2マイクロバブル含有水)が作製される。なお、当該マイクロバブル含有水には、原材料である第1処理水が既に含んでいた第2気体からなるナノバブルも含まれている。
【0199】
次いで、第4気体せん断部64によって上記マイクロバブル含有水を更にせん断することによって、第3気体からなるナノバブルをも含むナノバブル含有水(第2ナノバブル含有水)が作製される。
【0200】
図1に示すように、上記第2ナノバブル発生部78は、配管61、配管97(第3配管)、第2気液混合循環ポンプ62を有する第3気体せん断部63、第4気体せん断部64、第6気体せん断部76、第3配管径調節部66(第3配管径調節手段)、第3磁気活水作製部70(第3活性化手段)、配管79、および電動ニードルバルブ80を備えている。
【0201】
上記第2ナノバブル発生部78は、上述した第1ナノバブル発生部17と同様に構成することができる。つまり、第2ナノバブル発生部78における配管61、配管97、第2気液混合循環ポンプ62、第3気体せん断部63、第4気体せん断部64、第6気体せん断部76、第3配管径調節部66、第3磁気活水作製部70、配管79、および電動ニードルバルブ80の各構成は、それぞれ、第1ナノバブル発生部17における配管2、配管96、第1気液混合循環ポンプ3、第1気体せん断部4、第2気体せん断部5、第5気体せん断部14、第2配管径調節部34、第2磁気活水作製部9、配管7、および電動ニードルバルブ8の各構成と同様に構成することができる。したがって、第2ナノバブル発生部78におけるこれらの構成に関しては、第1ナノバブル発生部17に関連してすでに説明したので、ここではその説明を省略する。
【0202】
また、図1に示すフランジ65、フランジ67、フランジ68、フランジ74、および配管75の各構成は、それぞれ、フランジ33、フランジ35、フランジ6、フランジ12、および配管13の各構成と同様に構成することができる。したがって、第2ナノバブル発生部78におけるこれらの構成に関しては、第1ナノバブル発生部17に関連してすでに説明したので、ここではその説明を省略する。
【0203】
また、上記第3磁気活水作製部70の更に詳細な構成は、上述した第2磁気活水作製部9と同様に構成することができる。つまり、図1に示すように、第3磁気活水作製部70における流路69(第3流路)、S極72、およびN極71の各構成は、それぞれ、第2磁気活水作製部9における流路26、S極10、およびN極16の各構成と同様に構成することができる。なお、S極72とN極71との間には、磁力線73が形成されている。また、図13に示すように、上記流路69では、面104(第5面)と面105(第6面)とが対向するように配置されていることが好ましい。このとき、面104および面105の各構成は、それぞれ、面102および面103の各構成と同様に構成することができる。したがって、第3磁気活水作製部70におけるこれらの構成に関しては、第2磁気活水作製部9に関連してすでに説明したので、ここではその説明を省略する。
【0204】
〔2−6:活性炭槽〕
図1に示すように、上記第2ナノバブル発生部78にて作製されたナノバブル含有磁気活水(第2ナノバブル含有磁気活水)は、後槽59に矢印77にて示すように吐出された後、活性炭槽81に導入される。なお、当該ナノバブル含有磁気活水は、後槽59を経ることなく活性炭槽81に導入されてもよい。
【0205】
上記活性炭槽81は、散気管54(第2気体吐出手段)および収容部82(活性炭収容手段)を備えている。
【0206】
上記散気管54は、配管23を介して第1磁気活水作製部38に接続されている。したがって、上記散気管54からは磁場がかけられた気体が吐出されるので、活性炭槽81内の液体を攪拌することができるとともに、活性炭槽81内の液体に磁気活性を付与することができる。その結果、より効率よく液体中に残存する有機物を分解することができるとともに、活性炭の表面に吸着された有機物を分解することによって、活性炭の吸着能力が低下することを防ぐことができる。また、上記構成によれば、活性炭上に微生物が増殖している場合には、当該微生物を活性化することができるので、当該微生物によっても、活性炭の表面に吸着された有機物を分解することも可能になる。その結果、その結果、活性炭の寿命を、通常の場合と比較して、3倍以上伸ばすことが可能になる。
【0207】
上記収容部82は、活性炭槽81内の液体と活性炭とが接触可能な状態にて、活性炭を収納することができるものであればよく、その構成は限定されない。例えば、上記収容部82としては、気体(例えば、空気)を収容する気体収容部83と、活性炭87を収容する活性炭収容部84とを備えるものであることが好ましい。なおこの場合、上記活性炭収容部84は、液体と活性炭87とが容易に接触するために網目状の構造を有することが好ましい。
【0208】
活性炭は、比重が僅かに1以上であるため、水中に沈む。しかしながら、上記構成によれば、気体収容部83に由来する浮力によって、収容部82が沈むことを防止することができる。その結果、活性炭87と液体とを容易に接触させることができる。
【0209】
上記活性炭87としては特に限定されない。例えば、有限会社アットジーシー社製のヤシガラ活性炭Y−GC(登録商標)を用いることが可能であるが、これに限定されない。
【0210】
上記活性炭槽81にて処理された液体は、処理水(第2処理水)として、活性炭槽81から放出される。
【0211】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図2に基づいて説明する。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0212】
本実施の形態の処理装置では、第1微生物槽47、第2微生物槽48および第3微生物槽49の内部に、充填材88が備えられている。当該充填材88は、微生物が増殖するときの足場、すなわち固定化担体として機能する。つまり、ナノバブル含有磁気活水によって活性化された微生物が、充填材88に付着して繁殖し、その結果、充填材表面における微生物の濃度を高めることができる。そして、その結果、液体中の有機物を安定的に分解処理することができる。また、充填材88を充填することによって、液体貯蔵槽18に導入される液体の水質が変化しても、微生物槽46にて処理される液体の水質を安定化させることができる。
【0213】
上記充填材88の材料としては特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニリデンであることが好ましい。更に具体的には、上記充填材88として、ティビーアール株式会社製のポリ塩化ビニリデン(バイオコード45mm)を用いることが可能であるが、これに限定されない。
【0214】
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について、図9に基づいて説明する。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0215】
本実施の形態の処理装置では、活性炭槽81の代わりに、急速ろ過機89および活性炭吸着塔90が設けられている。したがって、第2ナノバブル発生部78にて作製されたナノバブル含有磁気活水(第2ナノバブル含有磁気活水)は、まず急速ろ過機89に導入されて処理された後、活性炭吸着塔90に導入されて処理される。なお、このとき、活性炭吸着塔90が、実施の形態1における活性炭槽81として機能することになる。
【0216】
上記急速ろ過機89および活性炭吸着塔90としては特に限定されず、適宜公知の構成を用いることができる。
【0217】
また、液体貯蔵層18内に導入される液体も特に限定されないが、例えば、廃水などを用いることができる。
【0218】
本実施の形態の処理装置では、急速ろ過機89、続いて活性炭吸着塔90に液体を導入するので、活性炭が閉塞しない様に、急速ろ過機89によって浮遊物質を処理した後、液体中に残存する有機物を除去することができる。また、活性炭の表面に吸着された有機物は、ナノバブル含有磁気活水が有する酸化作用によって分解されるとともに、活性炭表面に微生物が存在する場合には、ナノバブル含有磁気活水によって活性化された微生物によって分解されるので、活性炭の吸着力が低下することを防止することができる。
【0219】
〔実施の形態4〕
本発明の他の実施の形態について、図10に基づいて説明する。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0220】
本実施の形態の処理装置では、活性炭槽81の代わりに、急速ろ過機89、活性炭吸着塔90およびイオン交換塔91が設けられている。したがって、第2ナノバブル発生部78にて作製されたナノバブル含有磁気活水(第2ナノバブル含有磁気活水)は、急速ろ過機89、活性炭吸着塔90、イオン交換塔91の順に導入されて処理される。なお、このとき、活性炭吸着塔90が、実施の形態1における活性炭槽81として機能することになる。
【0221】
上記急速ろ過機89、活性炭吸着塔90およびイオン交換塔91としては特に限定されず、適宜公知の構成を用いることができる。
【0222】
また、液体貯蔵層18内に導入される液体も特に限定されないが、例えば、廃水などを用いることができる。
【0223】
本実施の形態の処理装置では、急速ろ過機89、活性炭吸着塔90およびイオン交換塔91に液体を導入するので、活性炭が閉塞しない様に、急速ろ過機89で浮遊物質を処理した後、液体中に残存する有機物を除去することができる。また、活性炭の表面に吸着された有機物は、ナノバブル含有磁気活水が有する酸化作用によって分解されるとともに、活性炭表面に微生物が存在する場合には、ナノバブル含有磁気活水によって活性化された微生物によって分解されるので、活性炭の吸着力が低下することを防止することができる。また、本実施の形態の処理装置はイオン交換塔91を有しているので、液体中のイオンを効率良くイオン交換することができる。
【0224】
〔実施の形態5〕
本発明の他の実施の形態について、図11に基づいて説明する。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0225】
本実施の形態の処理装置では、活性炭槽81の代わりに、急速ろ過機89、活性炭吸着塔90およびキレート樹脂塔92が設けられている。したがって、第2ナノバブル発生部78にて作製されたナノバブル含有磁気活水(第2ナノバブル含有磁気活水)は、急速ろ過機89、活性炭吸着塔90、キレート樹脂塔92の順に導入されて処理される。なお、このとき、活性炭吸着塔90が、実施の形態1における活性炭槽81として機能することになる。
【0226】
上記急速ろ過機89、活性炭吸着塔90およびキレート樹脂塔92としては特に限定されず、適宜公知の構成を用いることができる。
【0227】
また、液体貯蔵層18内に導入される液体も特に限定されないが、例えば、廃水などを用いることができる。
【0228】
本実施の形態の処理装置では、急速ろ過機89、活性炭吸着塔90およびキレート樹脂塔92に液体を導入するので、活性炭が閉塞しない様に、急速ろ過機89で浮遊物質を処理した後、液体中に残存する有機物を除去することができる。また、活性炭の表面に吸着された有機物は、ナノバブル含有磁気活水が有する酸化作用によって分解されるとともに、活性炭表面に微生物が存在する場合には、ナノバブル含有磁気活水によって活性化された微生物によって分解されるので、活性炭の吸着力が低下することを防止することができる。また、本実施の形態の処理装置はキレート樹脂塔92を有しているので、液体中のイオンを効率良くイオン交換することができる。なお、キレート樹脂塔92は、イオン交換塔91と比較して、より選択的にイオン交換を行うことができる。
【実施例】
【0229】
〔1.処理装置の作製とその処理効果〕
図3に基づいて、処理装置を製作した。当該処理装置では、液体貯蔵槽18の容量を約2m、第1槽22の容量を0.5m、第2槽27の容量を0.5m、微生物槽46の容量を5m、後槽59の容量を0.5m、活性炭槽81の容量を2mとし、ブロワー29として1.5kwの電動機を用いた。
【0230】
また、3.7kwの電動機からなる第1気液混合循環ポンプ3、または3.7kwの電動機からなる第2気液混合循環ポンプ62を含むナノバブル発生機として、株式会社協和機設製のHYK型を用いた。
【0231】
第1磁気活水作製部38として、全長800mm、横幅160mm、縦幅310mmのものを用い、第2磁気活水作製部9および第3磁気活水作製部70として、全長800mm、横幅160mm、縦幅310mmのものを用いた。なお、具体的に上記第1磁気活水作製部38、第2磁気活水作製部9および第3磁気活水作製部70としては、株式会社ビー・シー・オー製のBK型を用いた。
【0232】
また、活性炭槽81に、容量が0.2mの網目状の収容部82を2つ設けた。
【0233】
液体貯蔵槽18に有機物含有廃水を導入した後、2ヶ月間運転を行った。試運転後の導入水と処理水との化学的酸素要求量(COD)を測定したところ、導入水は560ppmであったのに対し、処理水は7ppmであった。また、導入水と処理水との生物学的酸素要求量(BOD)を測定したところ、導入水が830ppmであったのに対し、処理水は6ppmであった。当該処理効率は、従来の生物処理装置と比較して、高い処理効率であった。
【0234】
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0235】
また、本願出願時に未公開である本願関連出願である特願2007−050639、特願2007−099912、特願2007−142645および特願2007−193172に記載の内容は、本明細書中に参考として援用される。
【産業上の利用可能性】
【0236】
本発明は、浄水装置、入浴装置、飲料水製造装置、石油関連製品製造装置などに代表される各種液体処理装置やその部品を製造する分野に利用することができる。更に詳細には、本発明は各種液体(例えば、上水、廃水、地下水、難分解性物質含有廃水、再利用水、植物栽培の水耕液、各種分野の洗浄水、浴槽水、蒸留前の重油、蒸留前のバイオエタノール等)に含まれる有機物質を除去することを必要とする分野に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0237】
【図1】本発明における処理装置の実施の一形態を示す模式図である。
【図2】本発明における処理装置の他の実施の一形態を示す模式図である。
【図3】本発明における処理装置のさらに他の実施の一形態を示す模式図である。
【図4】本発明における処理装置のさらに他の実施の一形態を示す模式図である。
【図5】本発明における処理装置のさらに他の実施の一形態を示す模式図である。
【図6】本発明における処理装置のさらに他の実施の一形態を示す模式図である。
【図7】本発明における処理装置のさらに他の実施の一形態を示す模式図である。
【図8】本発明における処理装置のさらに他の実施の一形態を示す模式図である。
【図9】本発明における処理装置のさらに他の実施の一形態を示す模式図である。
【図10】本発明における処理装置のさらに他の実施の一形態を示す模式図である。
【図11】本発明における処理装置のさらに他の実施の一形態を示す模式図である。
【図12】(a)および(b)は、上記処理装置における、第1配管径調節部、第2配管径調節部および第3配管径調節部の模式図である。
【図13】上記処理装置における、第1磁気活水作製部、第2磁気活水作製部および第3磁気活水作製部の断面図である。
【図14】(a)、(b)および(c)は、上記処理装置における分離壁の形状を示す模式図である。
【符号の説明】
【0238】
1 前槽(磁気活水作製手段)
2・7・13・21・23・28・58・61・75・79 配管
3 第1気液混合循環ポンプ
4 第1気体せん断部
5 第2気体せん断部
6・12・30・32・33・35 フランジ
36・42・65・67・68・74 フランジ
8・80 電動ニードルバルブ
9 第2磁気活水作製部(第2活性化手段)
10・40・72 S極
11・41・73 磁力線
14 第5気体せん断部
15・77 矢印
16・39・71 N極
17 第1ナノバブル発生部(第1ナノバブル作製手段)
18 液体貯蔵槽
19・56 ポンプ
20・51・57 バルブ
22 第1槽
24 散気管
25 気体(第1気体)
26 流路(第2流路)
27 第2槽
29 ブロワー
31 第1配管径調節部(第1配管径調節手段)
34 第2配管径調節部(第2配管径調節手段)
37 流路(第1流路)
38 第1磁気活水作製部(第1活性化手段)
46 微生物槽(混合手段)
47 第1微生物槽
48 第2微生物槽
49 第3微生物槽
50 分離槽
52 散気管(第1気体吐出手段)
53 分離壁
54 散気管(第2気体吐出手段)
59 後槽
62 第2気液混合循環ポンプ
63 第3気体せん断部
64 第4気体せん断部
66 第3配管径調節部(第3配管径調節手段)
69 流路(第3流路)
70 第3磁気活水作製部(第3活性化手段)
76 第6気体せん断部
78 第2ナノバブル発生部(第2ナノバブル作製手段)
81 活性炭槽
82 収容部(活性炭収容手段)
83 気体収容部
84 活性炭収容部
85 処理部
87 活性炭
88 充填材
89 急速ろ過機
90 活性炭吸着塔
91 イオン交換塔
92 キレート樹脂塔
95 配管(第1配管)
96 配管(第2配管)
97 配管(第3配管)
99 ボルト孔
100 面(第1面)
101 面(第2面)
102 面(第3面)
103 面(第4面)
110 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1気体に磁場をかける第1活性化手段と、
前記磁場がかけられた第1気体と液体とを混合して磁気活水を作製する磁気活水作製手段と、
前記磁気活水と第2気体とを混合およびせん断して、前記第2気体からなるナノバブルを含有する第1ナノバブル含有磁気活水を作製する第1ナノバブル作製手段と、
前記第1ナノバブル含有磁気活水と微生物とを混合して第1処理水を作製する混合手段と、
前記第1処理水と第3気体とを混合およびせん断して、前記第3気体からなるナノバブルを含有する第2ナノバブル含有磁気活水を作製する第2ナノバブル作製手段と、
前記第2ナノバブル含有磁気活水と活性炭とを接触させて第2処理水を作製する活性炭槽と、を有することを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記第1活性化手段は、前記第1気体を通過させるための第1流路を有し、
前記第1流路は、磁石のS極として機能する第1面と磁石のN極として機能する第2面とが対向するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記第1活性化手段には、第1配管を介して前記第1気体が供給されており、
前記第1配管には、当該第1配管の少なくとも一部の内腔横断面の大きさを変化させ得る第1配管径調節手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項4】
前記第1ナノバブル作製手段は、
前記磁気活水と前記第2気体とを混合およびせん断して第1マイクロバブル含有水を作製する第1気体せん断部と、
前記第1マイクロバブル含有水を更にせん断して第1ナノバブル含有水を作製する第2気体せん断部と、
前記第1ナノバブル含有水に対して磁場をかけて第1ナノバブル含有磁気活水を作製する第2活性化手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項5】
前記第2活性化手段は、前記第1ナノバブル含有水を通過させるための第2流路を有し、
前記第2流路は、磁石のS極として機能する第3面と磁石のN極として機能する第4面とが対向するように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の処理装置。
【請求項6】
前記第2活性化手段には、第2配管を介して前記第1ナノバブル含有水が供給されており、
前記第2配管には、当該第2配管の少なくとも一部の内腔横断面の大きさを変化させ得る第2配管径調節手段が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の処理装置。
【請求項7】
前記混合手段は、前記第1ナノバブル含有磁気活水と微生物との混合液から前記微生物を分離する分離手段を有することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項8】
前記混合手段は、前記第1ナノバブル含有磁気活水と微生物とを混合するための槽を有し、
前記槽には、当該槽内に蓄えられる前記第1ナノバブル含有磁気活水と微生物との混合液の水深の半分よりも上側に、気体を吐出するための第1気体吐出手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項9】
前記槽の内部であって、かつ前記第1気体吐出手段よりも下側の位置に、前記槽の内腔における横断面の大きさを小さくする分離壁が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の処理装置。
【請求項10】
前記槽内には、充填材が配置されていることを特徴とする請求項8に記載の処理装置。
【請求項11】
前記充填材は、ポリ塩化ビニリデンであることを特徴とする請求項10に記載の処理装置。
【請求項12】
前記第1気体吐出手段から吐出される気体は、前記第1活性化手段によって磁場がかけられた第1気体であることを特徴とする請求項8に記載の処理装置。
【請求項13】
前記第2ナノバブル作製手段は、
前記第1処理水と前記第3気体とを混合およびせん断して第2マイクロバブル含有水を作製する第3気体せん断部と、
前記第2マイクロバブル含有水を更にせん断して第2ナノバブル含有水を作製する第4気体せん断部と、
前記第2ナノバブル含有水に対して磁場をかけて第2ナノバブル含有磁気活水を作製する第3活性化手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項14】
前記第3活性化手段は、前記第2ナノバブル含有水を通過させるための第3流路を有し、
前記第3流路は、磁石のS極として機能する第5面と磁石のN極として機能する第6面とが対向するように配置されていることを特徴とする請求項13に記載の処理装置。
【請求項15】
前記第3活性化手段には、第3配管を介して前記第2ナノバブル含有水が供給されており、
前記第3配管には、当該第3配管の少なくとも一部の内腔横断面の大きさを変化させ得る第3配管径調節手段が設けられていることを特徴とする請求項13に記載の処理装置。
【請求項16】
前記活性炭槽は、少なくとも一部分が網目状である活性炭収容手段を有し、
前記活性炭収容手段は、気体を保持するための気体収容部と、活性炭を保持するための活性炭収容部とを有することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項17】
前記活性炭槽には、前記第1活性化手段によって磁場がかけられた第1気体を吐出するための第2気体吐出手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項18】
前記活性炭槽は、活性炭吸着塔であることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項19】
前記活性炭槽は、更に、急速ろ過機、イオン交換塔およびキレート樹脂塔からなる群より選択される少なくとも1つの処理手段を含むことを特徴とする請求項18に記載の処理装置。
【請求項20】
第1気体に磁場をかける第1活性化工程と、
前記磁場がかけられた第1気体と液体とを混合して磁気活水を作製する磁気活水作製工程と、
前記磁気活水と第2気体とを混合およびせん断して、前記第2気体からなるナノバブルを含有する第1ナノバブル含有磁気活水を作製する第1ナノバブル作製工程と、
前記第1ナノバブル含有磁気活水と微生物とを混合して第1処理水を作製する混合工程と、
前記第1処理水と第3気体とを混合およびせん断して、前記第3気体からなるナノバブルを含有する第2ナノバブル含有磁気活水を作製する第2ナノバブル作製工程と、
前記第2ナノバブル含有磁気活水と活性炭とを接触させて第2処理水を作製する活性炭接触工程と、を有することを特徴とする処理方法。
【請求項21】
前記第1活性化工程において第1気体に対してかけられる磁場は、350ミリテスラ以上であることを特徴とする請求項20に記載の処理方法。
【請求項22】
前記磁気活水作製工程にて前記第1気体と混合される液体は、有機フッ素化合物を含有する液体であることを特徴とする請求項20に記載の処理方法。
【請求項23】
前記有機フッ素化合物は、パーフルオロオクタスルホン酸(PFOS)またはパーフルオロオクタン酸(PFOA)であることを特徴とする請求項22に記載の処理方法。
【請求項24】
前記磁気活水作製工程にて前記第1気体と混合される液体は、河川の水、ため池の水、下水、または生活廃水であることを特徴とする請求項20に記載の処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−61428(P2009−61428A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−233427(P2007−233427)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】