説明

ナノ構造補強の複合品および方法

本発明は、基材の表面上でのナノチューブ(例えば、カーボンナノチューブ)等のナノ構造の均一な成長のための方法を提供し、ナノ構造の長軸は実質的に整列していてもよい。ナノ構造はさらに、複合材料等の種々の用途で使用するために処理されてもよい。例えば、一式の整列したナノ構造が、まとめて、または別の表面へと、別の材料に形成および移動させられて材料の性質を強化してもよい。場合によっては、ナノ構造は、材料の機械的性質を強化してもよく、例えば、2つの材料または合板層の間の界面における機械的補強を提供する。場合によっては、ナノ構造は、材料の熱的および/または電気的性質を強化してもよい。本発明はまた、バッチプロセスおよび連続プロセスを含む、ナノ構造の成長のためのシステムおよび方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(連邦後援の研究開発に関する声明)
この発明は、次の政府契約の下での支援によってなされた:国立科学財団によって与えられるDMI−0521985。政府は、この発明に一定の権利を有する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、ナノ構造の合成および処理と、ナノ構造を備える複合材料と、関連システムおよび方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
複合材料は、2つ以上の構成要素を備える不均質構造であり、その組み合わせは、各構成要素の個々の性質、ならびに関連する場合には相乗効果を活用する。先端複合材料とは、工学的(例えば、人工)繊維が基質に埋め込まれ、典型的には、指向性(異方性)を有する材料が形成されるように、繊維が整列させられているか、または編まれている、材料の一つの種類を指す。先端複合材料の一般的な例は、黒鉛エポキシ(Gr/Ep)であり、連続的な整列した炭素繊維(堅い/強い/軽い)が、ポリマー(エポキシ)基質に埋め込まれている。これらのような材料は、数ある用途の中でも、ステルス爆撃機および戦闘機、ならびにスポーツ用品に使用されている。複数の材料を備える先端複合系はまた、性能が軽量化の利益を享受する用途でも有用となり得る。
【0004】
カーボンナノチューブ(CNT)を、マクロ先端複合材料を含む他の材料と組み合わせることによって、強化された物理的性質、特に、強化された工学的性質を有するさらに新しい材料を生成することができる。具体的には、CNTは、ポリマー用の増強材として広く研究および適用されてきた。CNTは、例えば、個々のCTNが熱可塑性物質に埋め込まれ、次いで引き抜かれると、いくつかのポリマーへの強い接着を示すことが示されている。複合材料におけるCNTの使用が研究されている一方で、既存のCNT加工技術はしばしば、いくつかの欠点を見せる。例えば、CNTの合成は、しばしば大きい直径および不十分な長さを有する構造をもたらし、それがしばしばCNT軸の整列不良をもたらす。また、典型的に、2次材料によるCNTの均一な湿潤を必要とする、2次材料中でのCNTの分散は、しばしばCNT凝集によって妨害される。最後に、特に、ナノチューブの整列が、大型(例えば、約数ミクロンの直径)の先端繊維と、2次材料(基質)と、2次材料中の良好に整列したCNTとを備えるシステムにおいて必要とされる時に、2次材料中でのCNTの整列は、一般的に達成しにくい場合がある。これらの欠点のうちの1つ以上を示す、CNTの無秩序配設および/または低体積分率から成る複合材料の多数の例がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、改良された材料および方法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、各々が接合面を有する第1および第2の基材を提供するステップと、ナノ構造が接合面の少なくとも10%の上または中に均一に分散されるように、一式の実質的に整列したナノ構造を、第1および第2の基材のうちの少なくとも一方の接合面の上または中に配設するステップと、基材の界面を形成するように、それぞれの接合面を介して第1および第2の基材を相互に結合するステップであって、界面は、一式の実質的に整列したナノ構造を備える、ステップとを含む、複合品を形成する方法を提供する。
【0007】
本発明はまた、各々が接合面を有する第1および第2の基材を提供するステップと、一式の実質的に整列したナノ構造を、第1および第2の基材のうちの少なくとも一方の接合面の上または中に配設するステップであって、ナノ構造は、100nm以下の平均直径を有する、ステップと、基材の界面を形成するように、それぞれの接合面を介して第1および第2の基材を相互に結合するステップであって、界面は、一式の実質的に整列したナノ構造を備える、ステップとを含む、複合品を形成する方法も提供する。
【0008】
本発明はまた、結束構造を形成するように相互に関連付けられた複数の繊維を備える、基材を提供するステップと、ナノ構造が構造の全体にわたって実質的に均一に分散されるように、複数の繊維と関連して一式の実質的に整列したナノ構造を配設するステップとを含む、複合品を形成する方法も提供する。
【0009】
本発明はまた、各々が接合面を有する第1および第2のプリプレグ複合合板層を提供するステップと、ナノチューブが接合面の少なくとも10%の上または中に均一に分散されるように、一式の実質的に整列したナノ構造を、第1および第2の複合合板層のうちの少なくとも一方の接合面の上または中に配設するステップと、合板層の界面を形成するように、それぞれの接合面を介して、第1および第2の複合合板層を相互に結合するステップであって、界面は、一式の実質的に整列したナノチューブを備える、ステップと、ナノチューブおよびプリプレグ複合材を結合するようにプリプレグを硬化するステップとを含む、複合品を形成する方法も提供する。
【0010】
本発明はまた、成長基材に、一式の実質的に整列したナノ構造を表面の上または中に備える表面を提供するステップであって、ナノ構造の長軸は、表面と実質的に非平行である配向で実質的に整列させられる、ステップと、ナノ構造の長軸が表面と平行な配向で実質的に整列しているように、ナノ構造の配向を変化させる機械的工具で基材を処理するステップとを含む、複合品を形成する方法も提供する。
【0011】
本発明はまた、材料層の界面を形成する、第1の材料層と、第1の材料層に一体化して接続される第2の材料層とを備える、複合品であって、界面は、界面の少なくとも10%の全体を通して均一に分散される、一式のナノ構造を備え、ナノ構造の長軸は、材料層の界面と実質的に整列し、かつ非平行である、複合品にも関する。
【0012】
本発明はまた、材料層の界面を形成する、第1の材料層と、第1の材料層に一体化して接続される第2の材料層とを備える、複合品であって、界面は、一式のナノ構造を備え、ナノ構造の長軸は、材料層の界面と実質的に整列し、かつ非平行であり、ナノ構造は、100nm以下の平均直径を有する、複合品にも関する。
【0013】
本発明はまた、結束構造を形成するように相互に関連付けられた複数の繊維を備える基材と、ナノ構造が構造の全体を通して本質的に均一に分散されるように、複数の繊維と関連して配設される一式のナノ構造とを備える、複合品にも関する。
【0014】
本発明はまた、成長基材に触媒材料を備える表面を提供するステップと、表面上でのナノ構造の触媒的形成を引き起こすように選択される一式の条件に成長基材の第1の部分を暴露させるステップと、一式の条件に成長基材の第1の部分を暴露させている間に、成長基材の第2の部分からナノ構造を除去するステップと、該成長基材との暴露させる行為および除去する行為を少なくとも1回繰り返すステップとを含む、ナノ構造を成長させる方法も提供する。
【0015】
本発明はまた、成長基材に第1の触媒材料を備える表面を提供するステップと、表面上でのナノ構造の触媒的形成を引き起こすように選択される第1の一式の条件に成長基材の第1の部分を暴露させるステップと、第1の一式の条件に成長基材の第1の部分を暴露させている間に、第1の触媒材料を再活性化するか、または第1の触媒材料を第2の触媒材料と交換するように選択される第2の一式の条件に対して、成長基材の第2の部分を処理するステップとを含む、ナノ構造を成長させる方法も提供する。
【0016】
本発明はまた、成長基材に第1の触媒材料を備える表面を提供するステップと、表面上でのナノ構造の触媒的形成を引き起こすように選択される第1の一式の条件に成長基材の第1の部分を暴露させるステップと、成長基材の表面からナノ構造を除去するステップと、第1の触媒材料を再活性化するか、または第1の触媒材料を第2の触媒材料と交換するように選択される第2の一式の条件に対して、成長基材を処理するステップとを含む、ナノ構造を成長させる方法も提供する。
【0017】
本発明はまた、その上でナノ構造を成長させるために好適な表面を伴う成長基材であって、触媒材料を備える成長基材と、成長基材の表面上でのナノ構造の触媒的形成を引き起こすように選択される一式の条件に成長基材の表面を暴露させることが可能な領域と、成長基材の表面からナノ構造を除去するように選択される一式の条件に成長基材の表面を暴露させることが可能な領域とを備える、ナノ構造を成長させるためのシステムも提供する。
【0018】
本発明はまた、その上でナノ構造を成長させるために好適な表面を伴う成長基材と、成長基材の表面上でのナノ構造の触媒的形成を引き起こすように選択される一式の条件に成長基材の表面を暴露させることが可能な領域と、成長基材の表面からナノ構造を除去するように選択される一式の条件に成長基材の表面を暴露させることが可能な領域と、第1の触媒材料を再活性化するか、または第1の触媒材料を第2の触媒材料と交換するように選択される一式の条件に、成長基材の表面を暴露させることが可能な領域とを備え、成長基材は、回転可能、中空、および円筒形の基材であり、ナノ構造は、成長基材の表面の直接上に形成される、ナノ構造を成長させるためのシステムも提供する。
【0019】
本発明はまた、その上でナノ構造を成長させるために好適な表面を有する成長基材であって、表面は、位相的連続表面である、成長基材と、成長基材の表面上でのナノ構造の触媒的形成を引き起こすように選択される一式の条件に、成長基材の表面の第1の部分を暴露させることが可能な領域と、成長基材からの触媒材料の実質的な除去なしで、成長基材の表面からナノ構造を除去するように選択される一式の条件に、成長基材の表面の第2の部分を暴露させることが可能な領域と、成長基材の表面上の触媒材料を化学処理するように選択される一式の条件に、成長基材の表面の第3の部分を暴露させることが可能な領域とを備え、動作中、少なくとも2つの領域は、同時に操作される、ナノ構造を成長させるためのシステムも提供する。
【0020】
本発明はまた、各々が接合面を有する第1および第2の基材を提供するステップと、ナノ構造が、接合面の少なくとも10%の上または中に均一に分散されるように、一式の実質的に整列したナノ構造を、第1および第2の基材のうちの少なくとも一方の接合面の上または中に配設するステップであって、配設するステップは、実質的に平面の表面から非平面の表面へのナノ構造の移動を含む、ステップと、基材の界面を形成するように、それぞれの接合面を介して、第1および第2の基材を相互に結合するステップであって、界面は、一式の実質的に整列したナノ構造を備える、ステップとを含む、複合品を形成するための方法も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】図1Aは、円筒形成長基材の表面上のナノ構造の成長である。
【図1B】図1Bは、成長基材上の触媒ナノ粒子から成長するカーボンナノチューブの概略図を示す。
【図1C】図1Cは、成長基材上のナノ構造のフィルムの製造における種々の段階を示す。
【図2】図2は、成長基材の再循環を伴う、ナノ構造の連続成長のための連続過程における種々の段階を示す。
【図3】図3は、ナノ構造の成長のための連続プロセスで使用される、連続再循環成長基材を示す。
【図4】図4は、ナノ構造の成長のための多孔質成長基材を示す。
【図5】図5は、ローラ上のナノ構造の成長のための成長基材に反応材料を供給することが可能な構成要素の上に配設された、成長基材を示す。
【図6A】図6Aは、本発明の一実施形態による、第1の基材から第2の基材へのナノ構造の移動を示す。
【図6B】図6Bは、本発明の一実施形態による、成長基材から受容基材へのナノ構造の連続移動を示す。
【図7A】図7は、(a)整列したナノ構造の層および(b)整列したナノ構造のパターンのために、ナノ構造の整列を改変するためのプロセスを示す。
【図7B】図7は、(a)整列したナノ構造の層および(b)整列したナノ構造のパターンのために、ナノ構造の整列を改変するためのプロセスを示す。
【図8】図8は、2つの材料の間の界面における補強ナノ構造「柱」の配置を示す。
【図9A】図9Aは、材料内の隣接する繊維のナノチューブの薄層内相互作用を図示する。
【図9B】図9Bは、複合材料の隣接する構成要素のナノチューブの薄層内相互作用を図示する。
【図9C】図9Cは、整列したナノ構造を含有する材料の形成における種々の段階を示す。
【図9D】図9Dは、整列したナノ構造を含有する複合材料の形成における種々の段階を示す。
【図9E】図9Eは、整列したナノ構造を含有する複合材料の形成を示す。
【図9F】図9Fは、2つの材料層と、材料層の間にナノ構造を備える界面とを備える、複合材料を示す。
【図9G】図9Gは、各繊維が繊維の表面上に配設されたナノ構造を有する、織物パターンで配列設された一式の繊維を備える、材料を示す。
【図10】図10は、ナノ構造半径の関数としての抵抗比のグラフを示す。
【図11A】図11は、整列したカーボンナノチューブ「森林」の(a)斜位像(縮尺650μm、70°傾斜台)SEM画像と、(b)側面像SAM画像(縮尺0.5μm)を示す。
【図11B】図11は、整列したカーボンナノチューブ「森林」の(a)斜位像(縮尺650μm、70°傾斜台)SEM画像と、(b)側面像SAM画像(縮尺0.5μm)を示す。
【図12A】図12は、リソグラフィでパターン化したFe/Al触媒から成長させられた、(a)カーボンナノチューブ柱の配列と、(b)カーボンナノチューブの複雑パターンとを示す。
【図12B】図12は、リソグラフィでパターン化したFe/Al触媒から成長させられた、(a)カーボンナノチューブ柱の配列と、(b)カーボンナノチューブの複雑パターンとを示す。
【図13】図13は、カーボンナノチューブの整列したフィルムからの多層カーボンナノチューブのHRTEM画像を示す(最初の図の縮尺20nm、差し込み図の縮尺10nm)。
【図14】図14は、(a)100/500/200sccmのC/H/Arで15分の均等成長時間にわたって異なる温度で成長させられた、整列したカーボンナノチューブフィルムの最終的な厚さと、(b)750℃で15分の均等成長時間にわたって(500/200sccmのH/Arに加えて)異なるC流で成長させられた、整列したカーボンナノチューブフィルムの最終的な厚さとを示す。
【図15A】図15は、(a)100ミクロン縮尺および(b)20ミクロン縮尺における、鉄触媒材料が装填されたAl繊維のSEM画像を示す。
【図15B】図15は、(a)100ミクロン縮尺および(b)20ミクロン縮尺における、鉄触媒材料が装填されたAl繊維のSEM画像を示す。
【図16】図16は、(a)カーボンナノチューブ被覆したAl繊維(20ミクロン縮尺)、および(b)Al繊維上のカーボンナノチューブの整列(1ミクロン縮尺)を示す。
【図17】図17は、(a)50倍率および(b)250倍率における、カーボンナノチューブ被覆したAl繊維束のSEM画像を示す。
【図18】図18は、(a)1mMのFe溶液、(b)10mMのFe溶液、および(c)100mMのFe溶液による化学蒸着(CVD)を介して、鉄触媒材料で被覆されたAl繊維のSEM画像、および(d)100mMのFe溶液中の急速加熱CVD順序によって形成された、被覆繊維のSEM画像を示す。
【図19A】図19Aは、エポキシ基質に埋め込まれた、整列したカーボンナノチューブ柱の配設のSEM画像を示し、エポキシによる柱の効果的な湿潤を示す。
【図19B】図19Bは、ナノチューブ/エポキシ界面を示す、埋め込まれたカーボンナノチューブ柱の接近像を示す。
【図20A】図20Aは、浸水プロセスによってカーボンナノチューブ「森林」によって浸透されたエポキシのSEM画像を示し、カーボンナノチューブ湿潤の有効性が示された。
【図20B】図20Bは、カーボンナノチューブ/エポキシアセンブリの断面図を示す。
【図20C】図20Cは、約5%の体積分率を伴うカーボンナノチューブ/SU−8複合材料のSEM画像を示す。
【図20D】図20Dは、より大きい倍率における、約5%の体積分率を伴うカーボンナノチューブ/SU−8複合材料の別のSEM画像を示す。
【図20E】図20Eは、10%体積分率のカーボンナノチューブ/RTM6複合材料のSEM画像を示す。
【図20F】図20Fは、より大きい倍率における、10%体積分率のカーボンナノチューブ/RTM6複合材料の別のSEM画像を示す。
【図21】図21は、(a)200ミクロンおよび(b)20ミクロン縮尺における、その表面上にカーボンナノチューブの森林を含有するプリプレグのSEM画像を示す。
【図22A】図22は、(a)200ミクロンおよび(b)10ミクロン縮尺における、黒鉛/エポキシプリプレグの2つの合板層の間にカーボンナノチューブ層を含有する、複合材料のSEM画像、および(c)複合材料の破壊靱性の増加を示すグラフを示す。
【図22B】図22は、(a)200ミクロンおよび(b)10ミクロン縮尺における、黒鉛/エポキシプリプレグの2つの合板層の間にカーボンナノチューブ層を含有する、複合材料のSEM画像、および(c)複合材料の破壊靱性の増加を示すグラフを示す。
【図22C】図22は、(a)200ミクロンおよび(b)10ミクロン縮尺における、黒鉛/エポキシプリプレグの2つの合板層の間にカーボンナノチューブ層を含有する、複合材料のSEM画像、および(c)複合材料の破壊靱性の増加を示すグラフを示す。
【図23】図23は、複合構造の真空支援硬化を図示する。
【図24A】図24Aは、カーボンナノチューブ/アルミナ/エポキシナノ加工積層の写真を示す。
【図24B】図24Bは、カーボンナノチューブ/アルミナ/エポキシナノ加工積層の切断サンプルの写真を示す。
【図25A】図25Aは、ショートビームせん断(SBS)装置の中に配置されたカーボンナノチューブを備える、複合構造を示す。
【図25B】図25Bは、カーボンナノチューブを伴う複合構造および伴わない複合構造のSBS試験の結果を示す。
【図26A】図26は、黒鉛繊維上で成長させられたカーボンナノチューブのSEM画像を示す。
【図26B】図26は、黒鉛繊維上で成長させられたカーボンナノチューブのSEM画像を示す。
【図26C】図26は、黒鉛繊維上で成長させられたカーボンナノチューブのSEM画像を示す。
【図27A】図27A−Dは、シリコン基材から黒鉛/エポキシプリプレグへと移植されたカーボンナノチューブのSEM画像を示す。
【図27B】図27A−Dは、シリコン基材から黒鉛/エポキシプリプレグへと移植されたカーボンナノチューブのSEM画像を示す。
【図27C】図27A−Dは、シリコン基材から黒鉛/エポキシプリプレグへと移植されたカーボンナノチューブのSEM画像を示す。
【図27D】図27A−Dは、シリコン基材から黒鉛/エポキシプリプレグへと移植されたカーボンナノチューブのSEM画像を示す。
【図28A】図28A−Cは、完全湿潤カーボンナノチューブ/エポキシ柱のSEM画像を示す。
【図28B】図28A−Cは、完全湿潤カーボンナノチューブ/エポキシ柱のSEM画像を示す。
【図28C】図28A−Cは、完全湿潤カーボンナノチューブ/エポキシ柱のSEM画像を示す。
【図29】図29は、カーボンナノチューブ/アルミナ繊維/エポキシ薄層内構造のSEM画像を示し、繊維の完全湿潤および規則的分布が観察された。
【図30A】図30は、(a)非被覆アルミナ布、(b)触媒材料の塗布後のアルミナ布、(c)調整済み触媒を伴うアルミナ布、および(d)布の繊維の表面上で成長させられたカーボンナノチューブを含む、カーボンナノチューブ成長の種々の段階におけるアルミナ布のサンプルを示す。
【図30B】図30は、(a)非被覆アルミナ布、(b)触媒材料の塗布後のアルミナ布、(c)調整済み触媒を伴うアルミナ布、および(d)布の繊維の表面上で成長させられたカーボンナノチューブを含む、カーボンナノチューブ成長の種々の段階におけるアルミナ布のサンプルを示す。
【図30C】図30は、(a)非被覆アルミナ布、(b)触媒材料の塗布後のアルミナ布、(c)調整済み触媒を伴うアルミナ布、および(d)布の繊維の表面上で成長させられたカーボンナノチューブを含む、カーボンナノチューブ成長の種々の段階におけるアルミナ布のサンプルを示す。
【図30D】図30は、(a)非被覆アルミナ布、(b)触媒材料の塗布後のアルミナ布、(c)調整済み触媒を伴うアルミナ布、および(d)布の繊維の表面上で成長させられたカーボンナノチューブを含む、カーボンナノチューブ成長の種々の段階におけるアルミナ布のサンプルを示す。
【図31A】図31Aは、複合材料が2つの銀塗料電極の間に配置され、その電気的性質が測定された、電気伝導度試験用の実験装置を図式的に示す。
【図31B】図31Bは、電気抵抗率測定からの結果を示す。
【図32A】図32は、(a)カーボンナノチューブの成長条件への暴露の間隔時における、成長基材上で成長させられた、整列したカーボンナノチューブのフィルムの厚さのリアルタイム測定と、(b)産生されたカーボンナノチューブフィルムのSEM画像と、(c)各層が1間隔あたりのカーボンナノチューブの成長を表す、カーボンナノチューブ層の分離とを示す。
【図32B】図32は、(a)カーボンナノチューブの成長条件への暴露の間隔時における、成長基材上で成長させられた、整列したカーボンナノチューブのフィルムの厚さのリアルタイム測定と、(b)産生されたカーボンナノチューブフィルムのSEM画像と、(c)各層が1間隔あたりのカーボンナノチューブの成長を表す、カーボンナノチューブ層の分離とを示す。
【図32C】図32は、(a)カーボンナノチューブの成長条件への暴露の間隔時における、成長基材上で成長させられた、整列したカーボンナノチューブのフィルムの厚さのリアルタイム測定と、(b)産生されたカーボンナノチューブフィルムのSEM画像と、(c)各層が1間隔あたりのカーボンナノチューブの成長を表す、カーボンナノチューブ層の分離とを示す。
【図33】図33は、(a)蒸着後であるが熱または化学処理前、(b)アルゴン雰囲気中での加熱および後続の冷却後、および(c)アルゴン/H雰囲気中での加熱および後続の冷却後の、シリコン基材上のFe/Al(1/10nm)支持触媒フィルムの表面地形のAFM画像を示す。
【図34A】図34Aは、転動電気接点を使用して抵抗加熱される、成長基材の概略図を示す。
【図34B】図34Bは、成長基材上でのナノ構造の成長を可能にするように、成長基材の縁のみに接触する最上接点を示す。
【図35】図35は、差圧および流動シールを使用して隔離される隣接大気区域を備え、その上でナノ構造が成長させられる構造の表面からガスが供給される、成長基材の概略図を示す。
【図36】図36は、差圧および流動シールを使用して隔離される隣接大気区域を備え、基材の細孔または穴を通してガスが供給される、成長基材の概略図を示す。
【図37A】図37Aは、実質的に平面の基材から、(i)プラスチックローラ上に配置されたプリプレグへと移動させられたカーボンナノチューブの写真を示す。
【図37B】図37Bは、シリンダに及ぼされた制御可能な圧力で、実質的に平面の基材から、(ii)アルミニウムシリンダ上に配置されたプリプレグへと移動させられたカーボンナノチューブの写真を示す。
【0022】
本発明の他の側面、実施形態、および特徴は、添付図面と併せて考慮すると、以下の発明を実施するための形態から明白となるであろう。添付図は、概略的であり、一定の縮尺で描かれることを目的としていない。明確にする目的で、当業者が本発明を理解できるようにするために、図示が必要でない場合は、全ての構成要素が全ての図で標識化されているわけではなく、本発明の各実施形態の全ての構成要素が示されているわけでもない。参照することにより本明細書に組込まれる全ての特許出願および特許は、それらの全体で参照することにより組み込まれる。対立する場合は、定義を含む、本明細書が優位となる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、概して、ナノチューブを含むナノ構造の合成および処理と、ナノ構造を備える複合材料と、関連システムおよび方法とに関する。
【0024】
概して、本発明は、基材の表面上でのナノチューブ(例えば、カーボンナノチューブ)等のナノ構造の均一な成長のための方法を提供し、ナノ構造の長軸は、実質的に整列させられてもよい。ナノ構造はさらに、複合材料等の種々の用途で使用するために処理されてもよい。例えば、一式の整列したナノ構造が、まとめて、または別の表面へと、別の材料に形成および移動させられて材料の性質を強化してもよい。場合によっては、ナノ構造は、材料の機械的性質を強化してもよく、例えば、2つの材料または合板層の間の界面における機械的補強を提供する。場合によっては、ナノ構造は、材料の熱的および/または電子的性質を強化してもよい。場合によっては、整列したナノ構造は、機械的、熱的、電子的、および/または他の性質を含む、材料の1つ以上の異方性を調整する能力を提供してもよい。本発明はまた、バッチプロセスおよび連続プロセスを含む、ナノ構造の成長のためのシステムおよび方法も提供する。
【0025】
本発明は、材料の上または内側に配設された時に材料の性質を強化するのに十分な長さおよび/または直径を有する、実質的に整列したナノ構造を産生するためのシステムおよび方法を有利に提供する。また、本明細書で説明されるナノ構造は、向上した機械的、熱的、電気的、または他の性質を有する複合材料の形成を促進してもよい、種々の基質材料内で均一に分散されてもよい。本発明の方法はまた、場合によっては、移動基材上で、ナノチューブ、ナノワイヤ、ナノ繊維、および同等物を含む、ナノ構造の連続的かつ拡張可能な産生を可能にしてもよい。本明細書で使用されるような、「ナノ構造」という用語は、約数ナノメートルの直径および約数ミクロンから数ミリメートルの長さを有し、10、100、1,000、10,000、またはそれ以上より大きいアスペクト比をもたらす、細長い化学構造を指す。場合によっては、ナノ構造は、1μm未満、100nm未満、50nm未満、25nm未満、10nm未満、または場合によっては、1nm未満の直径を有してもよい。典型的には、ナノ構造は、円筒形状または疑似円筒形状を有してもよい。場合によっては、ナノ構造は、カーボンナノチューブ等のナノチューブであってもよい。
【0026】
本発明の方法は概して、成長基材の表面上のナノ構造の成長を含んでもよく、成長基材は、成長基材の表面の上または中に配置された触媒材料を備える。成長基材は、実質的に平面の表面を備える基材または非平面の表面を備える基材を含む、任意の形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、成長基材は、正方形、長方形、三角形、円形、楕円形、または同等物を含む、広範な断面形状を有する、細長い構造であってもよい。場合によっては、成長基材は、繊維、トウ、細片、織物、またはテープであってもよい。場合によっては、成長基材は、繊維等の円筒形基材であってもよい。例えば、図1Aは、直径101を有する繊維100を図示する。触媒材料は、成長基材102を形成するように、例えば、その金属ナノ粒子または前駆体として、繊維の表面上に形成されてもよい。成長基材の表面上でのナノ構造の触媒的形成および/または形成を引き起こすように選択される一式の条件への、成長基材の暴露は、長さ104を有し、成長基材の表面上の隣接ナノ構造から距離105を置いて配置される、一式の実質的に整列したナノ構造103を産生してもよい。
【0027】
図1Bは、成長基材上の触媒ナノ粒子(例えば、ナノ粒子)から成長するナノ構造の概略図を示す。触媒材料107は、成長基材106の表面上に配置され、ナノ構造成長を促進するように選択される一式の条件下に置かれると、ナノ構造108が触媒材料107から成長してもよい。ナノ構造前駆体材料109(例えば、炭化水素ガス、アルコール蒸気分子、または他の炭素含有種)が、成長基材106に送達され、成長基材表面、触媒材料表面、および/または触媒材料と成長基材との間の界面に接触または浸透してもよい。カーボンナノチューブの成長では、例えば、ナノ構造前駆体材料が炭素を備えてもよいため、炭素は、前駆体分子から解離し、持続的な成長により一般的方向108aに成長基材から押し上げられる、成長しているカーボンナノチューブに組み込まれてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、表面上に形成される一式の実質的に整列したナノ構造は、ナノ構造の長軸が成長基材の表面に対して実質的に非平面であるように、配向されてもよい。場合によっては、ナノ構造の長軸は、成長基材の表面に対して実質的に垂直方向に配向され、ナノ構造「森林」を形成する。以下でさらに十分に説明されるように、本発明のいくつかの実施形態の有利な特徴は、後続の処理時においてさえも(例えば、他の表面への移動、および/またはポリマー等の2次材料との森林の組み合わせ)、ナノ構造「森林」におけるナノ構造の整列が実質的に維持されてもよいことである。
【0029】
本発明は、材料層の界面を形成する、第1の材料層と、第1の材料層に一体化して接続される第2の材料層とを備える、種々の複合品を提供する。界面は、一式のナノ構造を備えてもよく、ナノ構造の長軸は、材料層の界面に実質的に整列させられ、かつ非平行である。場合によっては、ナノ構造は、界面の少なくとも10%、または界面の少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、あるいは100%の全体にわたって均一に分散されてもよい。本明細書で使用されるような、「界面の少なくとも10%の全体にわたって均一に分散される」とは、界面の面積の少なくとも10%にわたるナノ構造の実質的に均一な配設を指す。つまり、ナノ構造は、束またはペレットの不均質配設よりもむしろ、主に界面の面積一面に均一に配設される。
【0030】
場合によっては、ナノ構造は、第1の材料層と関連付けられたナノ構造が第2の材料層の少なくとも一部分に貫入してもよいように配設されてもよい。同様に、第2の材料層と関連付けられてもよいナノ構造も、第1の材料層の少なくとも一部分に貫入してもよい。この配設では、第1の材料層と第2の材料層との間に形成される界面は、第1および第2の材料層から離散した層および/または離れた層を形成しない。むしろ、第1の材料層と第2の材料層との間の結合は、両方の材料層からのナノ構造の相互貫入によって増強される。例えば、図9Bは、基材930と、基材940とを備える、複合品を示し、基材940の構成要素(例えば、繊維)と関連付けられたナノ構造941は、基材930と基材940との間の界面に浸透して、基材930の少なくとも一部分に接触する。異なる基材のナノ構造間のこの絡み合いは、基材の間の界面を補強してもよい。例示的実施形態では、図9Fは、界面956を形成するように接合された、第1の材料層952および第2の材料層954を有する複合品950を示し、異なる材料層のナノ構造は、基材の間の界面に絡んで補強してもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、本発明は、結束構造を形成するように相互に関連付けられた複数の繊維を有する基材と、複数の繊維と関連して配設される一式のナノ構造とを備える、複合品を提供する。図9Aに示されるように、基材922は、繊維の表面にわたって実質的に均一配設されるナノ構造920を有する、複数の繊維921を備えてもよい。場合によっては、ナノ構造は、繊維の表面の実質的大部分の周囲で放射状に、かつ均一に配設されてもよい。隣接する繊維のナノ構造は、繊維の間の相互作用を補強するように相互作用し、強化された性質を生じさせてもよい。場合によっては、ナノ構造は、構造の全体を通して本質的に均一に分散される。例えば、構造は、繊維のトウ、織り合わされた、または編まれた繊維を備える構造、または結束構造を形成するように相互と接触している複数の繊維を備える他の構造であってもよい。隣接する繊維からのナノ構造の相互作用は、複合品の性質を強化し、個々の繊維の間の相互作用を補強してもよい。場合によっては、構造は、基材の表面において露出される一式の繊維と、基材の表面において露出されない一式の繊維とを備え、すなわち、該繊維は、基材内の内部場所に配置される。他の場合では、基材は、個々の繊維が基材の表面において露出される1つ以上の部分と、基材の表面において露出されない1つ以上の部分とを備えてもよいように、繊維の配設を備える場合がある。例えば、図9Gに示されるように、個々の繊維が、部品960の表面において露出される一部分と、表面において露出されないように別の繊維と接触するか、または覆われる別の部分とを備えてもよい時に、部品960は、織物パターンで配設された複数の繊維を備える。図9Gに示されるように、繊維966は、繊維966のナノ構造が隣接する繊維968のナノ構造と相互作用してもよいように、表面にわたって本質的に均一に分散されるナノ構造を備えてもよい。
【0032】
複数の繊維を有する構造の全体にわたって本質的に均一にナノ構造を配設する能力は、全体的な強化された構造の機械的強度を可能にする。例えば、結束構造を形成する複数の繊維を備える、他の既知のシステムでは、ナノ構造または他の補強材料が、構造の内部の中ではなく、構造の表面上のみに配設されてもよい。1つ以上の繊維が基材としての結束構造を形成するように相互に関連付けられる実施形態では、基材の「表面」とは、基材の外側端において画定される最外の連続境界を指す。例えば、基材は、上連続境界と、下連続境界とを備えてもよいため、繊維のメッシュまたは繊維の複数部分が上下の連続境界の間に配置され、上下の連続境界を越えて延在しない。つまり、基材の表面とは、場合によっては、基材の位相的表面を指さなくてもよく、すなわち、基材の表面に垂直な方向から基材に導入される種によって最初に接触させられてもよい基材の部分を指さない。むしろ、「表面」とは、基材の最外側端において画定される平面を指してもよい。例えば、図9Fに示されるように、部品950の「表面」は、平面950Aによって示されている。同様に、図9Gに示されるように、部品960の「表面」は、平面960Aによって示されている。
【0033】
本発明はまた、複合品を形成するための方法も提供し、複合品は、複合品の1つ以上の性質の強化のために複合品内に配置される、ナノチューブまたは他のナノ構造を備える。例えば、ナノ構造は、2つの基材または基材内の2つの構成要素等の、部品の少なくとも2つの構成要素に接触するように配置されてもよい。場合によっては、部品は、第1の構成要素と、第2の構成要素とを備えてもよく、各構成要素がナノ構造を備えるために、異なる構成要素のナノ構造の相互作用が部品の性質を強化してもよい。場合によっては、ナノ構造は、材料または基材内の構成要素の薄層間相互作用を強化するように配設されてもよい。場合によっては、ナノ構造は、複合構造内の2つの基材または合板層の薄層間相互作用を強化するように配設されてもよい。いくつかの実施形態では、ナノ構造は、2つの基材の間の界面において配置されてもよく、ナノ構造は、2つの基材の間の結合を機械的に増強するか、または他の方法で強化してもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、方法は、各々が接合面を有する第1および第2の基材を提供するステップと、一式の実質的に整列したナノ構造を、第1および第2の基材のうちの少なくとも一方の接合面の上または中に配設するステップとを含んでもよい。次いで、第1および第2の基材は、基材の界面を形成するように、それぞれの接合面を介して相互に結合されてもよく、界面は、一式の実質的に整列したナノ構造を備える。場合によっては、ナノ構造は、接合面の少なくとも10%、または場合によっては、接合面の少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、あるいは100%の上または中に均一に分散される。本明細書で使用されるような、「接合面の少なくとも10%の上または中に均一に分散される」とは、接合面の面積の少なくとも10%にわたるナノ構造の実質的に均一な配設を指す。
【0035】
場合によっては、配設するステップは、第1および第2の基材のうちの少なくとも一方の表面上にナノ構造を触媒的に形成するステップを含む。ナノ構造は、単独で、または1つ以上の支持材料と組み合わせて、基材の表面上に配設されてもよい。例えば、一式のナノ構造は、成長基材上に提供されてもよく、かつ一式の実質的に整列したナノ構造が基材の接合面の上または中に配設されてもよいように、第1および第2の基材の少なくとも一方と接触させられてもよい。成長基材は、独立ナノ構造として、または、ポリマー材料、炭素繊維、あるいは同等物等の支持材料と組み合わせて、ナノ構造を備えてもよい。成長基材は、任意的に、第1および第2の基材の相互への結合の前に、接合面の上または中の一式の実質的に整列したナノ構造から分離されてもよい。場合によっては、基材は、繊維、プリプレグ、樹脂フィルム、乾燥織物、またはトウであってもよい。一実施形態では、第1および第2の基材の少なくとも一方は、繊維と、ポリマー材料(例えば、エポキシ)とを備える、プリプレグであってもよい。基材はさらに、基材の全体を通して分散される、伝導材料、繊維、織物、またはナノ構造(例えば、ナノチューブ)等の種々の材料を備えてもよい。
【0036】
場合によっては、配設するステップは、以下でさらに十分に説明されるように、実質的に平面の表面から非平面の表面へのナノ構造の移動を含む。場合によっては、配設するステップは、非平面の表面から実質的に平面の表面へのナノ構造の移動を含む。
【0037】
場合によっては、複合材料は、本質的に同一の条件下で、一式の実質的に整列したナノ構造が欠けている本質的に同一の複合材料と比較すると、より高い機械的強度/靱性を示してもよい。場合によっては、複合材料は、本質的に同一の条件下で、一式の実質的に整列したナノ構造が欠けている本質的に同一の複合材料と比較すると、より高い熱および/または電気伝導度を示してもよい。場合によっては、熱伝導度、電気伝導度、および/または他の性質(例えば、電磁的性質、比熱等)は、異方性であってもよい。
【0038】
1つ以上の接合面上にナノ構造を配設する際に、方法はさらに、接合面上のナノ構造に1つ以上の支持材料を追加するステップを含んでもよい。支持材料は、一式のナノ構造用の機械的、化学的、または他の安定化支持を提供してもよい。場合によっては、支持材料は、モノマー、ポリマー、繊維、または金属であってもよく、ナノ構造を支持するようにさらに処理されてもよい。例えば、モノマー種の混合物がナノ構造に追加されてもよく、モノマー種の後続の重合は、その中に配置されたナノ構造を備えるポリマー基質を産生してもよい。図9Cに示されるように、成長基材10は、ナノ構造12を備えてもよい。ナノ構造が支持材料14内に分散されるように支持材料(例えば、基質)を形成するように、1つ以上の支持材料がナノ構造に追加されてもよい。次いで、ナノ構造の当初の整列を保持するとともに、構造の全体にわたって分散されるナノ構造を有する自己支持構造を産生するように、成長基材10が除去されてもよい。本明細書で使用されるような、「自己支持構造」とは、構造の表面に沿った外部支持なしで、その構造的完全性(例えば、形状)を維持するのに十分な安定性および剛性を有する構造(例えば、固体、非固体)を指す。当然ながら、自己支持構造を形成するために、支持材料は必要とされなくてもよいことを理解されたい。場合によっては、カーボンナノチューブ森林等の一式のナノ構造が、支持材料の必要なしで自己支持構造を形成してもよく、かつフィルムとして操作されてもよい。
【0039】
例示的実施形態では、図9Dは、本発明の種々の複合材料を形成するための方法を示す。成長基材10は、一式のナノ構造12を備えてもよく、基材16は、接合面18Aを備えてもよく、接合面は、エポキシ等のポリマー材料を備える。成長基材10は、ナノ構造12が接合面18Aのポリマー材料を貫通するように、基材16と接触させられてもよい。場合によっては、エポキシ材料は、毛細管作用を介してナノ構造と相互作用してもよいため、ナノ構造12の長さの少なくとも一部分、または場合によっては実質的に全部が、接合面18Aに貫入し、ポリマー材料およびナノ構造の両方を備える界面18Bを形成する。このことが、一種の複合材料を形成してもよい。他の実施形態では、界面層18Bの形成時に、成長基材10は、ナノ構造から分離されてもよく、新しい基材20が、ハイブリッド複合構造22を形成するように層18Bに結合されてもよく、ナノ構造は、両方の基材に接触してもよい。場合によっては、図9Fに示されるように、第1の基材30および第2の基材34はそれぞれ、ナノ構造と、接合面31および25においてそれぞれ配置されるポリマー材料とを備えてもよいため、それぞれの接合面を介した第1および第2の基材の結合が、界面38を備える複合材料36を産生してもよく、界面は、一式の実質的に整列したナノ構造と、ポリマー材料とを備える。
【0040】
他の実施形態では、ナノ構造は、第1および第2の基材の少なくとも一方の接合面上に配設されるか、あるいは第1と第2の基材との間に配置されてもよく、その後にエポキシ等の結合材料の追加が続く。結合材料は、第1と第2の基材との間の界面に導入されてもよく、または、第1および/または第2の基材の大部分にわたる界面へと拡散されてもよい。
【0041】
場合によっては、第1および/または第2の基材は、例えば、炭素繊維等の繊維を備える、プリプレグ材料であってもよい。場合によっては、ナノ構造の長さは、ほぼプリプレグ内の繊維の直径以上であってもよく、または、隣接合板層の間に十分な補強を付与するように、複合材料中の隣接繊維または合板層の間の距離の半分より大きくてもよい。
【0042】
本発明の方法はまた、結束構造を形成するように相互と関連付けられた複数の繊維を備える基材(例えば、成長基材)を提供するステップを含んでもよい。基材は、本明細書で説明されるような触媒材料を備えてもよいため、一式のナノ構造は、ナノ構造が構造の全体にわたって本質的に均一に分散されるように、複数の繊維と関連して配設されてもよい。本明細書で使用されるような、「構造の全体にわたって実質的に均一に分散される」とは、基材の位相的表面および基材の内部の両方を含む、構造の大部分にわたってナノ構造の実質的に均一な配設を指す。例えば、構造は、繊維のトウまたは織物であってもよい。場合によっては、繊維の少なくとも10%が、それらの表面にわたって実質的に均一に付着されるナノ構造を有する。場合によっては、繊維の少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または実質的に全体(例えば、実質的に全部)が、それらの表面にわたって実質的に均一に付着されるナノ構造を有する。このことは、表面または位相的表面のみにおけるよりもむしろ、基材の内部位置内に配設されるナノ構造を備える、基材を有利に産生する。場合によっては、カーボンナノチューブは、繊維のトウまたはマットが種々の複合材料処理経路内(例えば、フィラメント巻装または樹脂注入成形、RTM)で使用される前に、繊維のトウまたはマットの上に成長させられてもよい。別の実施形態では、基材は、単一の繊維であってもよく、繊維の複数部分または他の繊維が、結束構造(例えば、結び目、撚繊維等)を形成するように配設されてもよい。
【0043】
例示的実施形態では、図30は、(a)非被覆アルミナ布、(b)触媒材料の塗布後のアルミナ布、(c)調整済み触媒を伴うアルミナ布、および(d)布の繊維の表面上で成長させられたカーボンナノチューブを含む、カーボンナノチューブ成長の種々の段階におけるアルミナ布のサンプルを示す。
【0044】
本発明の方法は、機械的強度等の強化された性質を有する複合材料を産生するのに有用であってもよい。補強の完全性は、図10のナノ構造半径の関数としての抵抗比のグラフによって示されるように、ナノ構造(例えば、ナノチューブ)の直径および/または長さに依存してもよい。本発明のナノ構造は、そのような材料の性質を強化するように適切な寸法を有してもよい。場合によっては、ナノ構造は、100nm以下、または場合によっては10nm以下の直径を有してもよく、例えば、50%、100%、250%、500%、1000%、2000%、3,000%、またはそれ以上に、材料の有意な靭性を生じさせる。例示的実施形態では、せん断強度の70%増加が薄層内カーボンナノチューブ相互作用を有する材料に観察され、薄層間カーボンナノチューブ相互作用を有する材料に対する破壊靱性の160%増加が、以下でさらに十分に説明されるように観察されている。ナノ構造の長さはまた、支持材料を組み込む際に相互と相互作用する(例えば、絡まる)ことが可能なナノ構造を生成するように、成長動態にわたって制御することができる。このようにして、複合構造の構成要素の間の界面層が補強されてもよく、複合構造の機械的性質(例えば、弾性および強度/靱性)が有意に増加させられてもよい。場合によっては、複合構造の電気伝導度、熱伝導度、および他の性質もまた、本発明の構造および方法によって、強化されるか、または異方性となってもよい。このことは、例えば、非伝導性の先端複合材料の避雷用途を含む、航空機の製造において有用であってもよい。
【0045】
本発明の別の有利な特徴は、ナノ構造が、エポキシ等のポリマー材料を含む、種々の材料によって均一に湿潤されてもよいことである。例えば、一式の整列したナノ構造が、硬化または未硬化エポキシ層と接触させられると、強力な毛細管相互作用が、エポキシをナノ構造の間の空間の中へ急速かつ均一に「吸い上げ」させる一方で、ナノ構造の間の整列を維持してもよい。場合によっては、走査プローブ先端を使用して基質からナノ構造を引っ張ることによって、100MPa以上の接着強度が測定されており、それは既知のシステムにおける界面強度を超える。例示的実施形態では、本明細書で説明される方法によって製造される、整列した炭素ナノ構造の2重量%を備えるSU−8の複合微細構造は、純SU−8に対する3.7GPaと比較して、11.8GPaの剛性を有してもよく、500GPaを超える炭素ナノ構造剛性による有意な補強を示す(図31)。
【0046】
他の実施形態では、一式の整列したナノ構造はまた、2つの材料を接続する界面または接合部を補強するために使用されてもよい。図8は、例示的実施形態を示し、2つの材料の間の界面におけるナノ構造「柱」の配置が2つの材料を補強する。例えば、ナノ構造「柱」800のパターンは、基材801および802を接合するために使用される2つの材料の厚さの合計であってもよい、高さhまで、基材上で成長させられてもよい。基材801および802は、接合部810を使用して、ともに接合されてもよい。両方の材料は、ナノ構造柱が穴に嵌入できるようにする方式で整列および離間される、穴(または他の特徴)820を有してもよい。次いで、穴は、ナノ構造柱を両方の材料801および802に接着してもよい、基質(例えば、ポリマー樹脂)830で充填されてもよい。
【0047】
本明細書で説明されるように、本発明は、ナノチューブを含む、ナノ構造の成長および製造のための方法を提供する。図1Cは、成長基材上で、カーボンナノチューブの「森林」等のナノ構造のフィルムを製造するプロセスにおける段階の概略図を示す。第1の段階110では、触媒材料(例えば、金属触媒材料)が、フィルム113として成長基材111上に蒸着されてもよい。フィルム113は、成長基材111上に直接形成されてもよく、または、成長基材111上に形成される中間層112の上に形成されてもよく、かつフィルム113は、触媒材料ナノ粒子121を形成するように処理されてもよい。代替として、ナノ粒子は、中間層112の有無を問わず、基材111上に直接蒸着されてもよい。第2の段階120では、ナノ粒子112は、ナノ構造の成長に備えて、熱および化学処理されてもよい。処理は、高温での酸化(例えば、不活性またはO含有)および還元(H含有)への順次暴露を含んでもよい。金属触媒のフィルムが段階110で蒸着される場合、フィルムは、段階120の間にナノ粒子に粗大化してもよい。段階130では、成長基材は、ナノ構造131(例えば、カーボンナノチューブ)が形成し始めるか、または触媒材料から「核生成」するように、一式の条件下でナノ構造前駆体材料に暴露されてもよい。段階140では、ナノ構造131が所望の高さh142まで、フィルムまたは「森林」141に成長するにつれて、一式の条件が維持されてもよい。
【0048】
本明細書で使用されるような、「一式の条件」への暴露は、例えば、特定の温度、pH、溶媒、化学試薬、雰囲気の種類(例えば、窒素、アルゴン、酸素等)、電磁放射または同等物への暴露を含んでもよい。場合によっては、一式の条件は、ナノ構造の核生成、成長、安定化、除去、および/または他の処理を促進するように選択されてもよい。場合によっては、一式の条件は、触媒材料の再活性化、除去、および/または交換を促進するように選択されてもよい。場合によっては、一式の条件は、触媒材料の触媒活性を維持するように選択されてもよい。いくつかの実施形態は、外部エネルギー源への暴露を含む、一式の条件であってもよい。エネルギー源は、電磁放射、電気エネルギー、音響エネルギー、熱エネルギー、または化学エネルギーを含んでもよい。例えば、一式の条件は、熱または電磁放射への暴露、抵抗加熱、レーザへの暴露、または赤外光への暴露を含む。いくつかの実施形態では、一式の条件は、特定の温度、化学種、および/またはナノ構造前駆体材料への暴露を含む。場合によっては、一式の条件は、500〜1300℃の温度への暴露を含む。
【0049】
場合によっては、外部エネルギー源は、エネルギーを提供して、成長部位を成長のために必要な温度に到達させるように、成長装置と連結されてもよい。外部エネルギー源は、例えば、成長部位(例えば、触媒材料)に近接しているワイヤコイルを抵抗加熱することによって、または伝導性成長基材に電流を通過させることによって、熱エネルギーを提供してもよい。場合によっては、外部エネルギー源は、成長基材に電場および/または磁場を提供してもよい。場合によっては、外部エネルギー源は、レーザを介して、または成長基材の直接抵抗加熱を介して、またはこれらのうちの1つ以上の組み合わせを介して、提供されてもよい。例示的実施形態では、一式の条件は、成長基材表面の温度、成長基材を包囲する大気の化学組成、基材表面を包囲し、周囲大気内にある反応性ガス(例えば、ナノ構造前駆体)の流量および圧力、成長面の表面上の触媒材料または他の蒸着または除去、および/または任意的に、基材の運動率を含んでもよい。
【0050】
場合によっては、ナノ構造は、成長基材自体の形成中に成長基材上で成長させられてもよい。例えば、Kevlarおよび黒鉛等の繊維が、本明細書で説明されるナノ構造の製造と組み合わせて、連続プロセスで形成されてもよい。例示的実施形態では、典型的には高温で応力を受ける、炭素繊維前駆体材料(ピッチまたはPAN)を最初に安定化させ、その後に、繊維を形成するように非常に高い温度(例えば、1,000℃を上回る)で炭化および/または黒鉛化熱分解を行うことによって、繊維の表面上にナノ構造を備える炭素繊維が高温で形成されてもよい。ナノ構造は、繊維の表面上で成長させられてもよく、その後に、表面処理、サイズ決定、スプーリング、または他の処理技法が続く。
【0051】
場合によっては、本発明の方法は、基材からナノ構造を除去する行為を含んでもよい。例えば、除去する行為は、第1の基材の表面から第2の基材の表面へとナノ構造を移動させるステップは、すなわち、基材を受容するステップを含んでもよい。第1および第2の基材は、実質的に平面の表面を備えてもよく、または非平面の表面を備えてもよい。例えば、ナノ構造は、1つの実質的に平面の基材から別の実質的に平面の基材へと移動させられてもよい。いくつかの実施形態では、ナノ構造は、1つの非平面基材から別の非平面基材へと移動させられてもよい。いくつかの実施形態では、ナノ構造は、第1の基材の実質的に平面の表面から第2の基材の非平面の表面へと移動させられてもよい。いくつかの実施形態では、ナノ構造は、第1の基材の非平面の表面から第2の基材の実質的に平面の表面へと移動させられてもよい。ナノ構造の移動は、以下でさらに十分に説明されるように、1つ以上の基材への外力の印加を含んでもよい。
【0052】
場合によっては、除去する行為は、直接、成長基材の表面から受容基材の表面へとナノ構造を移動させるステップを含んでもよい。受容基材は、例えば、ポリマー材料または炭素繊維材料であってもよい。場合によっては、受容基材は、ポリマー材料、金属、または、Al、SiO、炭素、あるいはポリマー材料を備える、繊維を備える。場合によっては、受容基材は、Al、SiO、炭素、またはポリマー材料を備える、繊維を備える。いくつかの実施形態では、受容基材は、繊維織物である。
【0053】
ナノ構造の除去は、ナノ構造および/または成長基材の表面への機械的工具、機械的または超音波振動、化学試薬、熱、または他の外部エネルギー源の適用を含んでもよい。場合によっては、ナノ構造は、例えば、圧縮ガスの適用によって除去されてもよい。場合によっては、ナノ構造は、ナノ構造を受容基材に取り付けることなく、除去され(例えば、分離され)、まとめて収集されてもよく、ナノ構造は、成長基材からの除去後に、当初または「成長したままの」配向および立体構造(例えば、整列した「森林」)のままであってもよい。
【0054】
例えば、図6Aは、実質的に平面の表面を有する第1の基材560から非平面の表面を備える円筒形状を有する第2の基材550への、ナノ構造570の移動を示す。基材550は、ポリマーまたはプリプレグ等の材料を備えてもよく、または基材550は、基材の表面上に配置される材料等の層を備えてもよい。基材550は、基材560と接触して配置されてもよく、かつ、ナノ構造570が基材560の実質的に平面の表面から基材550の非平面の表面へと移動させられるように、方向554に回転させられてもよい。ナノ構造570の移動を促進するように、回転中に、圧力が方向552に基材550に及ぼされてもよい。場合によっては、基材550が基材560上で転動されている間に、基材560は、基材550に対して静止していてもよい。場合によっては、基材560は、直線的に動かされ、基材550と接触して、基材550の回転を引き起こしてもよい。例示的実施形態では、カーボンナノチューブがプリプレグ材料に機械的に移植されてもよいように、プリプレグ材料が、シリコンウエハの表面上に配置された一式のカーボンナノチューブを含有するシリコンウエハ(例えば、基材560)上において、圧力によって転動されてもよい、円筒形基材550に取り付けられてもよい。移動前に、ナノ構造570は、基材560上で直接成長させられてもよく、すなわち、基材560は、成長基材であってもよく、または、ナノ構造570は、本明細書で説明されるような方法によって基材560に移動させられてもよい。
【0055】
他の実施形態では、ナノ構造は、非平面の表面を有する基材から実質的に平面の表面を有する基材へと移動させられてもよい。例えば、ナノ構造が円筒形基材から受容基材へと機械的に移植されてもよいように、円筒形基材の非平面の表面上に配置された一式のナノ構造を備える円筒形基材は、受容基材の実質的に平面の表面と接触して配置されてもよい(例えば、任意的に、圧力により平面上で転動される)。本明細書で説明されるような、1つの基材から別の基材へのナノ構造の移動のための方法は、バッチプロセスで、および/または、連続プロセスによって、行われてもよい。
【0056】
例示的実施形態では、図6Bは、本発明の一実施形態による、成長基材から受容基材へのナノ構造の連続移動を示す。ナノ構造600の層は、成長基材610から分離され、受容基材620上に配置されてもよく、基材の一方または両方の運動、および/または機械、化学、または熱プロセスからの作用が、移動を促進してもよい。例えば、成長基材610は、方向615に回転させられてもよい。移動させる行為の前に、または同時に、ナノ構造の層は、成長基材の一部分635上でも成長させられてもよい。成長基材は、ローラまたは円筒形ドラムであってもよく、その場合、成長基材の複数部分が、成長部位の配設、成長部位の処理、およびローラ表面上のナノ構造の成長を促進するように、異なる熱および大気「区域」で処理されてもよい一方で、成長基材の異なる領域中で移動が発生してもよい。成長基材は、ナノ構造が移動プロセスによって除去された成長基材の表面上で、ナノ構造の新しい層の成長を可能にするように連続的に回転させられてもよい。図6に示されるように、方向615での成長基材の回転運動は、この場合は平坦である、第2の基材の平行移動に一致させられてもよい。
【0057】
第1の基材からの層の剥離を開始し、継続するために、および第2の基材に向かって層を方向付けるために、外力が使用されてもよい。例えば、「擦過」(「医師用」)または剥離ブレード、および/または電場等の他の手段が、層剥離を開始し、継続するために使用されてもよい。場合によっては、層は、剥離され、および/またはフィルム、テープ、またはウェブとして取り扱われてもよい。層は、第1の基材から分離される前、またはその瞬時に、第2の基材に接触するので、懸架部分がなく、したがって、第1の基材は、第2の基材の上に層を「圧延」してもよい。接触時に層を湿潤させる接着材または樹脂、または層と第2の基材との間に印加される電場等の、層と第2の基材との間の誘引力が、移動を支援してもよい。代替として、フィルムは、第2の基材に移動させられる前に連続的に、懸架され、取り扱われ、かつ任意的に、機械的処理(例えば、圧延、凝集、高密度化)、熱処理、または化学処理(例えば、精製、焼鈍)されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の基材は、炭素またはポリマー繊維の織物等の、複合合板層である。ナノ構造の層と第2の基材との間の界面621は、例えば、ナノ構造と第2の基材との間で均一かつ強力な付着を確立する、結合材または接着材料の同時または後続塗布によって増強されてもよい。代替として、界面は、熱焼鈍、誘導加熱、マイクロ波または電場あるいは磁場における処理を使用する照射、または流圧および/または機械的圧力の適用、およびこれらの方法または他の関連方法のうちの1つ以上の組み合わせ等による、エネルギーの適用によって増強されてもよい。第2の基材は、ポリマーフィルム(例えば、可撓性支持材を付与するため)、金属箔(例えば、ナノ構造の層への電気接触を達成するため)等の任意の好適な材料でできていてもよく、および/または、第2の基材は、前もって別のナノ構造の層で被覆することができ、および/または、このプロセスは、多層構造を付与するように、同じまたは異なる性質の層で何回も繰り返されてもよい。
【0058】
場合によっては、ナノ構造は、バッチプロセスで成長または製造されてもよい。つまり、一式のナノ構造が、成長基材の表面の大部分の上で成長させられてもよく、基材の表面上に配設された一式のナノ構造を産生するように、本明細書で説明されるような1つ以上のステップでさらに処理されてもよい。バッチプロセスでは、一式のナノ構造が、本明細書で説明されるような一連の製造ステップで成長基材ごとに産生されてもよく、成長基材は、後に再利用されてもよく、または、別の一式のナノ構造を形成するように、触媒材料が再生または交換されてもよい。
【0059】
本発明の別の側面は、カーボンナノチューブ等のナノ構造の連続形成のための方法を提供する。本明細書で使用されるような、「連続」という用語は、ナノ構造の成長および除去、またはナノ構造の成長および触媒材料の再活性化等の、単一成長基材の異なる部分の上で1つ以上の異なるプロセスを同時に行う能力を指す。「連続」という用語はまた、ナノ構造を成長させる、処理する、および分離または移動させる一連のステップの2回以上の反復を通した、単一成長基材の再循環を指してもよい。場合によっては、システム中の各領域が、動作中に常に、すなわち、成長基材がシステム内で再循環される(例えば、回転させられる)際に、成長基材の少なくとも一部分と相互作用してもよいように、本発明の成長基材は、「位相的連続」の表面を有するものとして説明されてもよい。本明細書で説明されるような、「位相的連続」とは、成長基材上の特定の表面が、構造の周辺にある、または構造を通る連続経路を形成するという意味で、連続を意味する。位相的連続の表面を有する成長基材の例は、シリンダ、可撓性ベルトまたはバンド、または閉曲線あるいはループ構造を形成する表面を有する構造を含むが、それらに限定されない。
【0060】
方法は、本明細書で説明されるように、成長基材に触媒材料を備える表面を提供するステップを伴ってもよい。成長基材は、成長基材上でのナノ構造の連続成長および成長基材からのナノ構造の除去を促進するように構築および配設される装置を介して、連続的に動かされてもよい。場合によっては、成長基材の第1の部分は、表面上でのナノ構造の触媒的形成を引き起こすように選択される一式の条件に暴露されてもよい。例えば、一式の条件は、ナノ構造前駆体および/または外部エネルギー源への暴露を含んでもよい。一式の条件に成長基材の第1の部分を暴露させている間に、成長基材の第2の部分は、成長基材の表面からナノ構造を除去するように処理されてもよい。該成長基材についての暴露行為および除去行為は、場合によっては、少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも10回、少なくとも100回、少なくとも1000回、またはそれ以上繰り返されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、第1の一式の条件に成長基材の第1の部分を暴露させている間に、方法は、第1の触媒材料を再活性化するように選択される第2の一式の条件に対して、成長基材の第2の部分を処理するステップを含んでもよい。例えば、方法は、第1の触媒材料を再活性化する(例えば、酸化させる、還元する等)ように、1つ以上の化学種を第1の触媒材料と接触させるステップを含んでもよい。場合によっては、第1の一式の条件に成長基材の第1の部分を暴露させている間に、方法は、第1の触媒材料を第2の触媒材料と交換するように選択される第2の一式の条件に対して、成長基材の第2の部分を処理するステップを含んでもよい。第1の触媒材料は、第2の触媒材料と交換される前に、複数回(例えば、少なくとも2回、少なくとも10回、少なくとも100回、またはそれ以上)使用されてもよい。
【0062】
場合によっては、暴露させる行為は、円筒形成長基材の連続回転、多孔質成長基材を通してナノ構造前駆体材料を流すステップ、または触媒材料を処理するように多孔質成長基材を通して化学種を流すステップを含む。化学種は、ナノ構造の成長前に触媒材料を活性化させてもよく、または、ナノ構造の成長後に触媒材料を再活性化させてもよい。場合によっては、化学種は、ナノ構造の成長後に触媒材料を還元または酸化させる。
【0063】
触媒材料の除去は、成長基材の表面から第1の触媒材料を掻爬または粉砕する機械的工具による処理を含んで、機械的に行われてもよい。場合によっては、第1の触媒材料は、化学種による処理(例えば、化学エッチング)によって、または熱的に(例えば、触媒を蒸発させる温度までの加熱)除去されてもよい。第2の触媒材料は、成長基材上の触媒前駆体溶液の焼付/噴霧によって蒸着されてもよい。例えば、金属塩溶液が、成長触媒上に噴霧または印刷されてもよい。他の場合では、成長基材は、事前成形された金属ナノ粒子を含有する溶液で処理されてもよい。例えば、成長基材は、Bennett,et al.,“Patterning of Block Copolymer Micellar Thin Films Using Microcontact Printing and Applications in Carbon Nanotube Synthesis,”Langmuir 2006,22,8273−8276で説明されているように、金属ナノ粒子で処理されてもよい。
【0064】
例示的実施形態では、ナノスケールのFeおよびAl粉末を焼結することによって製作されてもよい複合Fe/Al基材が、機械的に研磨されて新しい触媒の層を暴露することができる。代替として、成長基材は、Feが蒸発する温度を超えて加熱されてもよく、成長基材は、後に、例えば、密着焼付によって、新しい触媒材料の層によって被覆されてもよい。場合によっては、触媒材料を交換する必要がなくてもよいことを理解されたい。つまり、触媒材料の活性は、ナノ構造の成長および除去の複数反復を介して連続触媒活性を維持するように選択される、一式の条件下に置かれてもよい。
【0065】
図2は、成長基材上の触媒粒子(「成長部位」)からのナノ構造の連続成長のための、成長基材の再循環の概略図を示す。成長基材200は、任意的に、成長基材205Aを形成するための中間層207および触媒材料208によって被覆されるか、または成長基材205Bを形成するために触媒ナノ粒子209によって被覆される。次に、基材が、成長基材210上で、ナノ構造の成長のための成長部位を調製するように、熱および/または化学処理されてもよい。次に、ナノ構造221が、成長基材220の成長部位から成長させられてもよい。次いで、基材上に十分な量の触媒を残しながら、例えば、機械的工具231を使用して、ナノ構造232が成長基材230から除去されてもよい。個々のナノ構造が示されているが、除去プロセスは、物理的な絡み合いおよび表面相互作用によって一体に担持されたナノ構造のフィルム(例えば、「森林」)の除去を伴ってもよいことを理解されたい。次に、基材が、成長基材を成長基材210と同じ状態に戻すように熱および/または化学処理されてもよく、または、成長部位および/または中間層が、成長基材を成長基材200と同じ状態に戻すように除去されてもよく、該サイクルは繰り返されてもよい。中間層の例は、例えば、参照することにより本明細書に組み込まれる、Hart,et al.,Carbon 2006,44(2),348−359において説明されている。
【0066】
本発明はまた、ナノ構造を成長させるためのシステムも提供する。システムは、その上でナノ構造を成長させるために好適な表面を伴う成長基材と、成長基材の表面上でのナノ構造の触媒的形成を引き起こすように選択される一式の条件に、成長基材の表面またはその一部分を暴露させることが可能な領域と、場合によっては、成長基材からの触媒材料の実質的な除去がない、成長基材の表面からナノ構造を除去するように選択される一式の条件に、成長基材の表面またはその一部分を暴露させることが可能な領域とを備えてもよい。すなわち、ナノ構造が後続のプロセスで同じ成長基材上で成長させられてもよいように、ナノ構造の除去後に、十分な量の触媒材料が成長基材の表面上に残ってもよい。場合によっては、システムは、任意的に、第1の触媒材料を再活性化するか、または第1の触媒材料を第2の触媒材料と交換するように選択される一式の条件に、成長基材の表面またはその一部分を暴露させることが可能な領域を備える。システムはまた、成長基材の表面上の触媒材料を化学処理するように選択される一式の条件に、成長基材の表面またはその一部分を暴露させることが可能な領域を備えてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、ナノ構造は、成長基材が連続的に再循環されるにつれて除去されてもよい、ナノ構造の継目のないフィルムを産生するように、成長基材の表面(例えば、剛体リングの外面)の少なくとも一部分上で成長させられてもよい。
【0068】
システムは、再循環基材として使用するために構築および配設される、成長基材を備えてもよい。場合によっては、剛体リングの連続回転によって方法が実行されるように、成長基材は、剛体リングを形成するように成形されてもよい。場合によっては、一式のローラの周囲での可撓性ベルトの回転が、成長基材の1つ以上の部分の上でのナノ構造の連続形成および/または移動を可能にしてもよいように、成長基材は、可撓性ベルト(例えば、金属箔、薄いセラミック)であってもよい。システムは、ナノ構造の連続産生を促進するように、付加的な構成要素を備えてもよい。場合によっては、システムは、少なくとも1つ以上の支持ローラおよび/または駆動ローラと、成長基材と関連付けられる少なくとも1つ一式の電気接点とを備える。
【0069】
ナノ構造の連続成長のためのシステムおよび方法の有利な特徴は、成長基材が連続的に再循環されることであってもよい。つまり、成長基材は、移動構成要素上に配置される多数の個々の成長基材よりもむしろ、単一の移動型構成要素であってもよい。つまり、ナノ構造は、移動成長基材上に直接成長させられてもよく、移動成長基材の種々の部分における条件は、個別に監視および制御されてもよい。
【0070】
したがって、場合によっては、ナノ構造の連続成長のための方法は、一連の領域に成長基材またはその一部分を暴露させるステップを伴ってもよく、各領域は、基材の再循環およびナノ構造の継続的成長を可能にするために、基材の必要な熱、機械、および化学処理とともに、同じ成長基材を使用して、ナノ構造の連続成長および除去を達成するように、プロセスにおける特定のステップを行う一式の条件を備える。一実施形態では、成長基材は、システムの種々の領域を通して動かされてもよい。例えば、第1の領域では、成長基材が最初に加熱されてもよく、および/または、触媒材料が処理されてもよい(例えば、触媒フィルムからナノ粒子を形成するように、および/または触媒材料を化学的に還元するように)。第2の領域では、ナノ構造前駆体材料への成長基材の暴露によって、ナノ構造が核生成されてもよく、ナノ構造の成長は、光学的に監視されてもよい。第3の領域では、特定の用途に好適な任意の方法によって、形成されたナノ構造が除去されてもよい。成長基材からのナノ構造の除去時に、成長基材が再循環されてもよく(例えば、成長基材の回転によって、成長基材の後方平行移動によって等)、ナノ構造の繰り返しの成長が行われてもよい。場合によっては、連続成長スキームは、成長基材の直線の平行移動を伴ってもよい。場合によっては、連続成長スキームは、成長基材の回転の平行移動を伴ってもよく、ナノ構造は、成長基材が回転するにつれて連続的に剥離されてもよい。場合によっては、成長基材またはその一部分は、抵抗加熱、レーザ加熱、または電磁放射(例えば、赤外光)への暴露によって、局所的に加熱されてもよい。他の場合では、基材は、熱および/または雰囲気制御のために、加熱炉または他のエンクロージャの中に配置されてもよい。
【0071】
連続方法の1つの利点は、比較的大きい表面積にわたってナノ構造を均一に成長させ、かつまとめてナノ構造を収集する、および/またはこれらのナノ構造を他の基材(例えば、先端繊維のトウまたは織物)に移動させる能力であってもよい。このことは、ナノ構造材料および他のナノ構造の工業生産を可能にしてもよい。このことはまた、薄層間靱性、せん断強度、および熱伝導度等のバルク特性の有意な増加を示す、ナノ構造補強ハイブリッド材料の工業生産にとって有利であってもよい。
【0072】
図3は、本発明のシステムの例示的実施形態の概略図を示す。ここでは中空シリンダとして断面図で示されている、成長基材300は、任意的に、触媒ナノ粒子302とともに中間層301(例えば、Al等のセラミック)で被覆されてもよい。ナノ構造303の層は、方向305に連続的に回転させられてもよい、成長基材の表面上で成長させられてもよい。成長基材が動かされるにつれて、触媒粒子は、選択された熱および大気条件で維持されてもよい、システムの2つ以上の領域を通過してもよい。触媒は、例えば、領域310、311、および312等の1つ以上の領域において化学的および熱的に前処理を施されてもよい。場合によっては、成長基材は、H、またはArあるいはHe等の別の不活性キャリアガスを備える雰囲気中において、最高1300℃まで加熱されてもよい。領域320では、ナノ構造は、最高1300℃の温度において、場合によっては700〜1300℃の間で、本明細書で説明されるように成長させられてもよい。いくつかの実施形態では、成長基材は、導電性であってもよく、カーボンナノチューブの成長のために、例えば、CおよびHの混合物の存在下で所望の温度に抵抗加熱されてもよい。
【0073】
領域330において、ナノ構造は、例えば、ナノ構造を凝集または高密度化するために使用される機械的工具によって後処理を施されてもよい。代替として、ナノ構造は、放射熱の印加によってナノ構造を焼鈍するように加熱されてもよい。領域340では、ナノ構造は、表面波、音波、または超音波を含む、かみそりの刃または振動等の機械的手段によって、成長基材から除去されてもよい。ナノ構造は、化学プロセスによって、すなわち、酸素含有雰囲気を使用してナノ構造と成長基材との間の界面をエッチングすることによって、除去されてもよく、その場合、成長基材がこのエッチングを引き起こすのに十分な温度で維持される。場合によっては、これらのプロセスのうちの1つ以上の組み合わせが使用されてもよい。
【0074】
領域350において、成長基材を化学雰囲気(例えば、ガスまたは液体)に暴露させて、成長基材から触媒および/または支持層を溶解または分離することによって、触媒材料が成長基材から除去されてもよい。代替として、成長基材は、触媒および/または支持層の蒸発を引き起こすのに十分な温度に加熱される(例えば、赤外線手段によって、または抵抗加熱によって)。触媒および/または支持層はまた、示されるような研磨車輪351との接触等の機械的手段によって除去されてもよく、その場合、車輪は成長基材と接触するように、および接触しないように動いてもよい。領域360では、触媒が、任意的に、本明細書で説明されるように再活性化されてもよい。領域370では、触媒材料および/または支持材料が、成長基材に塗布されてもよい。例えば、触媒材料は、真空雰囲気下での電子ビーム蒸着またはスパッタリングによって成長基材上に塗布されてもよい。代替として、材料は、本明細書で説明される方法によって、触媒ナノ粒子で被覆されてもよいローラ371を介して塗布されてもよい。
【0075】
図34Aは、転動電気接点を使用して抵抗加熱されてもよい成長基材の概略図を示し、その場合、隣接する区域は、隣接区域の間の各電気接点に独立制御された電流を通すことによる、独立熱制御を有してもよい。810および811等の一連の回転接触要素とともに、連続成長基材800の一部を示す。基材は、左から右へ動いてもよく、接触要素は、この運動を駆動および/または可能にするように回転してもよい。基材の底面上の接点は、導電性であってもよく、基材を通して好適な電流を駆動するように好適な電圧で保持されてもよく、それは基材の抵抗加熱を引き起こすことができる。例えば、接点811は、電圧Vで保持されてもよく、接点813は、電圧Vで保持されてもよく、接点815は、電圧Vで保持されてもよい。基材の各セクションを通る独立制御された電流の通過が、独立制御された温度における各区域中の基材の維持を可能にしてもよい、熱区域805および806も示されている。例えば、基材の特定の場所における温度を測定するために、820として示される赤外線センサ等の非接触温度センサが使用されてもよく(複数の場所で温度を測定するために、多くのセンサが使用および/または走査されてもよい)、このセンサの出力は、各区域において基材を加熱するように印加される電流を制御するために使用されてもよい。図34Bは、最上接点が基材の縁のみに触れてもよいため、上部面810がこの表面上のナノ構造の成長のために覆われていないままであってもよいことを示す。
【0076】
図35は、隣接大気区域が差圧および流動シールを使用して隔離されてもよい、成長基材の概略図を示し、その場合、その上でナノ構造が成長させられる構造の表面からガスが供給されてもよい。基材900より上側で、3つのチャンバが維持されてもよく、チャンバ910は、開口部の均一な配設を介して、第1の圧力駆動流を提供してもよく、その流動は、主に第1の領域905中の基材表面に到達してもよい。チャンバ920からの流動は、主に第2の領域906中の基材表面に到達してもよい。チャンバの間において、基材表面付近からチャンバ930の中へ流動が引き出されてもよく、その場合、チャンバ930は、基材表面付近で両方の領域から流動を引き出すように、減圧状態で得られてもよい。930への進入時に、両方の領域からの流動は、狭い基材域907中で混合するが、領域905中の基材と相互作用した流動は、領域906と相互作用しなくてもよく、したがって、これらの隣接領域の間での処理大気を隔離する。例えば、チャンバ910は、カーボンナノチューブ成長のために、Fe/Alの担持触媒に前処理を施すためのH/Heの雰囲気912を有してもよく、チャンバ920は、基材表面上に示されるようなカーボンナノチューブ909を成長させるために、C/Hの雰囲気を有してもよい。カーボンナノチューブは、基材表面がチャンバ920の出口の下を通る時に成長し始めてもよく、それにより、炭素含有の反応性雰囲気に暴露されてもよい。いくつかの実施形態では、基材は、図34に示されるように抵抗加熱されてもよい。
【0077】
図36は、隣接大気区域が差圧および流動シールを使用して隔離されてもよい、成長基材の概略図を示し、その場合、基材の細孔または穴を通してガスが供給されてもよい。基材1000は、細孔または穴1005を有することができ、流動は、基材の反対側からこれらの空洞を通して方向付けられてもよく、基材の上部面1006は、ナノ構造の成長および本発明による他のステップのために処理されてもよい。独立雰囲気1020および1030は、基材の裏側において隔離されてもよく、雰囲気は、接点と分割器との間の運動を可能にするシール1016によって分割器1015と接触している転動接点1010によって隔離されてもよい。基材の上部面の上側では、流動は、流動1041としてチャンバ1040に引き込まれてもよい。
【0078】
当業者であれば、ナノ構造の連続成長のためのシステムが、本明細書で説明されるような任意の数の処理空域を含有してもよいことを理解するであろう。場合によっては、特定の用途に応じて、2つ以上の区域が、同時に、および/または異なる条件下で操作されてもよい。例えば、基材の除去の前または後の触媒、基材、および/またはナノ構造の原位置での監視によって判定されるような、触媒および基材の条件は、成長基材の異なる部分において様々であってもよい。ナノ構造の連続成長のためのシステムおよび方法はまた、参照することにより本明細書に組み込まれる、Hart,et al.,J.Physical Chemistry B 2006,110(16),8250−8257、Hart,et al.,Small 2007,5,772−777、およびHart,et al.,Nano Lett.2006,6(6),1254−1260で説明されているものを含む、他の方法と組み合わせて使用されてもよい。
【0079】
場合によっては、ナノ構造、触媒材料、および/または成長基材表面の特性は、システムの操作中に監視されてもよく、それがナノ構造の産生のための条件を選択および/または制御することを促進してもよい。システムは、ナノ構造のラマンまたは赤外線分光法によって成長基材または触媒材料の電気伝導度またはインピーダンス測定することによって、ナノ構造、触媒、または基材からのX線散乱によって、および/または、ナノ構造層の厚さ、または基材表面上のナノ構造の長さあるいは直径の測定によって、監視されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、方法は、各々が接合面を有する第1および第2のプリプレグ複合合板層を提供するステップと、本明細書で説明されるように、一式の実質的に整列したナノチューブを、第1および第2の複合合板層のうちの少なくとも一方の接合面の上または中に配設するステップとを含む。例えば、ナノチューブは、接合面の少なくとも10%の上または中で均一に分散されてもよい。方法はさらに、合板層の界面を形成するように、それぞれの接合面を介して、第1および第2の複合合板層を相互に結合するステップを備えてもよく、界面は、一式の実質的に整列したナノチューブを備える。次いで、プリプレグは、ナノチューブおよびプリプレグ複合合板層を結合するように硬化させられてもよい。
【0081】
本発明の方法は、特定の用途に合うように、付加的な処理ステップを含んでもよい。例えば、ナノ構造の長軸が基材の表面に非平行な配向で実質的に整列させられるように、ナノ構造は、本明細書で説明されるように基材上に形成されてもよい。ナノ構造および/または基材はさらに、ナノ構造の長軸が表面と平行な配向で実質的に整列させられるように、ナノ構造の配向を変化させる機械的工具で処理されてもよい。図7A-Bは、繊維と整列し、かつ均等に分布したナノ構造とを備える、複合合板層を生成するためのプロセスを示す。図7Aでは、高さhの一式の整列したナノ構造700は、成長基材701上で成長させられてもよく、ナノ構造の長軸は、成長基材701の表面と実質的に垂直に配向される。ナノ構造の長軸が成長基材701の表面に平行な配向で実質的に整列させられるように、ナノ構造700を「倒す」ために、ローラ710または機械的工具が使用されてもよい。図7Bは、同様のプロセスを図示し、整列したナノ構造720のパターンが、ある高さまで基材721上に形成されてもよい。ローラ710は、ナノ構造を「倒す」ために使用されてもよく、従来の整列した短繊維複合合板層と同様である、整列し、かつ均等に分布したナノ構造を含有する基材を付与する。この実施形態では、せん断遅延応力転移によって、負荷がナノ構造の間で伝達されてもよい。例えば、このプロセスは、図3に示された固体リング基材の領域330中で、または成長基材からのナノ構造の剥離後に生じてもよい。
【0082】
例えば、固体または他の完全自己支持構造を形成するように、1つ以上の支持材料が、成長基材上の一式の整列したナノ構造(例えば、ナノチューブ「森林」)、または他のナノ構造支持材料に追加されてもよい。支持材料またはその前駆体の追加は、例えば、成長基材の後続除去時に、整列したナノ構造を備える固体構造が形成されるように、一式の実質的に整列したナノ構造を硬化させる、粘着力を高める、または他の方法で増強してもよい。場合によっては、ポリマーの重合および/または架橋結合が、整列したナノ構造を備える硬化構造を形成してもよいように、支持材料は、モノマー種、および/または架橋基を備えるポリマーであってもよい。他の実施形態では、支持材料は、およそナノ構造の直径である直径、または基材のナノ構造の間の間隔を有する金属ナノ粒子等の、金属または金属粉末であってもよい。金属は、金属の冷却が、整列したナノ構造を備える金属構造を形成してもよいように、整列したナノ構造に追加されると、軟化、焼結、または融解されてもよい。本明細書で使用されるような、「完全自己支持構造」は、構造の表面に沿った外部支持なしで、その構造的完全性(例えば、形状)を維持するのに十分な安定性および剛性を有する非固体構造を指す。整列したナノ構造を備える、固体および/または自己支持構造は、本明細書で説明されるように、複合材料に対する基材または他の構成要素として有用であってもよい。
【0083】
場合によっては、本発明の方法はさらに、ナノ構造を除去する行為の前に、ナノ構造を焼鈍または高密度化する行為を含んでもよい。
【0084】
均一なナノ構造の成長に加えて、成長基材上で触媒材料をパターン化することによって、または機械力を使用して成長を物理的にテンプレート作成することによって、2次元または3次元形状ナノ構造のマクロ構造も製造されてもよい。触媒材料のリソグラフパターン化は、3ミクロン以下ほどの断面を有するナノ構造特徴の成長を可能にしてもよい。パターン化成長はまた、ブロック共重合体ミセルの溶液からの触媒材料の密着焼付によって達成されてもよい。ナノ構造は、成長を微細加工空洞内にとどめることによって、3次元形状マクロ構造に「成長成形」されてもよい。例えば、微細加工テンプレートは、成長基材に対して締め付けられ、ナノ構造成長後に剥離されて、独立ナノ構造形状を解放してもよい。
【0085】
本明細書で使用されるような、「ナノチューブ」という用語には、当技術分野でのその通常の意味が付与され、主に六員芳香環の融合ネットワークを備える、実質的に円筒形の分子またはナノ構造を指す。場合によっては、ナノチューブは、継目のない円筒形構造に形成された黒鉛のシートと似ていてもよい。ナノチューブはまた、六員環以外の環または格子構造を備えてもよいことを理解されたい。典型的には、ナノチューブの少なくとも1つの端は、すなわち、湾曲または非平面の芳香族基で冠着されてもよい。ナノチューブは、約数ナノメートルの直径および約数ミリメートルまたは約10分の数ミクロンの長さを有して、100、1000、10,000、またはそれ以上よりも大きいアスペクト比をもたらしてもよい。場合によっては、ナノチューブは、カーボンナノチューブである。「カーボンナノチューブ」という用語は、主に炭素分子を備えるナノチューブを指し、単層ナノチューブ(SWNT)、二重層CNT(DWNT)、多層ナノチューブ(MWNT)(例えば、同心カーボンナノチューブ)、その無機誘導体、および同等物を含む。いくつかの実施形態では、カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブである。場合によっては、カーボンナノチューブは、多層カーボンナノチューブ(例えば、二重層カーボンナノチューブ)である。場合によっては、ナノチューブは、1μm未満、100nm未満、50nm未満、25nm未満、10nm未満、または場合によっては1nm未満の直径を有してもよい。
【0086】
一式の実施形態では、ナノチューブは、50nm以下の平均直径を有し、本明細書で説明されるような複合品において配設される。
【0087】
無機材料は、シリコン(Si)ナノワイヤ、インジウム・ガリウム・ヒ化物(InGaAs)ナノワイヤ等の半導体ナノワイヤ、窒化ホウ素(BN)、窒化ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、(WS)等のジカルコゲナイド、二酸化チタン(TiO)および三酸化モリブデン(MoO)等の酸化物、ならびにBCおよびBCN等のホウ素炭素窒素組成物を備える、ナノチューブを含む。
【0088】
本明細書で説明されるように、ナノ構造は、ナノ構造前駆体材料を、例えば、成長基材の表面上に配置された触媒材料と接触させることによって、合成されてもよい。いくつかの実施形態では、ナノ構造前駆体材料は、ナノチューブ前駆体材料であってもよく、炭化水素ガス、水素、アルゴン、窒素、それらの組み合わせ、および同等物等の、1つ以上の流体を備えてもよい。当業者であれば、適切なナノチューブ前駆体材料を選択して特定のナノチューブを産生することが可能であろう。例えば、カーボンナノチューブは、Al支持材上に配設されたFeのナノ粒子等の触媒材料とのC/H混合物の反応によって、合成されてもよい。ナノチューブの合成は、本明細書では一例として説明されているにすぎず、本明細書で説明される方法を使用して、他のナノ構造が製造されてもよいことを理解されたい。例えば、本明細書で説明されるような成長基材を使用して、高アスペクト比を有するナノワイヤまたは他の構造が製造されてもよい。例えば、少なくとも10:1、少なくとも100:1、少なくとも1000:1、または場合によっては少なくとも10,000:1のアスペクト比を有するナノ構造が製造されてもよい。一式の実施形態では、本発明の方法は、100ナノメートル未満の直径および少なくとも1ミクロンの長さを有するナノ構造を合成するために使用されてもよい。当業者であれば、特定のナノ構造の成長のために、ナノチューブ前駆体材料、触媒材料、および一式の条件の適切な組み合わせを選択することが可能であろう。
【0089】
ナノ構造前駆体材料は、種々の方法によって、システムおよび/または成長基材に導入されてもよい。場合によっては、ナノ構造前駆体材料は、繊維の表面に接触してもよい。例えば、ナノ構造前駆体材料の流動が、成長基材の表面と実質的に垂直な方向に、または、連続的な方法で、システムを通した成長基材の動作の方向に、導入されてもよい。成長基材が、特にその軸方向に沿って動かされてもよい一方で、ナノ構造前駆体材料の流動は、成長基材の動作に垂直な方向に成長基材に影響を及ぼしてもよい。場合によっては、成長基材が装置を通して動かされると、触媒材料は、整列したナノ構造の層の核生成を引き起こしてもよく、それは、繊維が成長装置を通って動くにつれて、厚さが増加してもよい。
【0090】
成長基材が、束、織物、トウ、または、触媒材料が成長基材の内部に位置してもよい他の構成等の、複数の繊維を備える場合、成長基材は、規則的に離間した繊維を備えてもよく、ナノ構造前駆体材料の流動は、繊維の間の空間に浸透して、構造の全体を通して本質的に均一に、整列したナノ構造の成長を生じさせることができる。
【0091】
場合によっては、ナノ構造は、主に、繊維表面の周囲で放射状に配向されてもよく、ナノ構造の長軸は、成長基材の表面と非平面である方向に配向されてもよい。場合によっては、ナノ構造は、繊維表面上で、順序付けられて、または無秩序に成長させられてもよい。
【0092】
触媒材料は、ナノチューブの成長を触媒することが可能な任意の材料であってもよい。材料は、高触媒活性と、任意的に、一式のナノチューブの成長後に再生される能力とを有するように選択されてもよい。材料はまた、触媒材料が成長基材の表面上に蒸着されるか、または他の方向で形成されてもよいように、成長基材に適合するよう選択されてもよい。例えば、触媒材料は、成長基材として好適な熱膨張係数を有して、剥離または亀裂を低減または防止するように選択されてもよい。触媒材料は、成長基材の表面の上または中に配置されてもよい。場合によっては、触媒材料は、リソグラフィ等の既知の方法を使用して、成長基材の表面上で被覆またはパターンとして形成されてもよい。他の実施形態では、成長基材の少なくとも一部分を、触媒材料またはその前駆体を備える、溶液、フィルム、またはテープと接触させることによって、成長基材が触媒材料で被覆またはパターン化されてもよい。場合によっては、成長基材は、繊維の表面を被覆してナノチューブの成長部位を提供してもよい、触媒材料またはその前駆体を含有する溶液を通して引き出されてもよい、繊維であってもよい。そのような方法は、成長基材への触媒材料の再塗布が必要とされてもよい、初期段階または後期段階等の、連続プロセスの種々の段階において、成長基材に触媒材料を導入するために使用されてもよい。
【0093】
触媒材料として使用するために好適な材料は、金属、例えば、第1〜17族金属、第2〜14族金属、第8〜10族金属、またはこれらのうちの1つ以上の組み合わせを含む。本発明で使用されてもよい第8族からの元素は、例えば、鉄、ルテニウム、またはオスミウムを含んでもよい。本発明で使用されてもよい第9族からの元素は、例えば、コバルト、レニウム、またはイリジウムを含んでもよい。本発明で使用されてもよい第10族からの元素は、例えば、ニッケル、パラジウム、または白金を含んでもよい。場合によっては、触媒材料は、鉄、コバルト、またはニッケルである。例示的実施形態では、触媒材料は、成長基材の表面上でパターンに配設される、鉄ナノ粒子またはその前駆体であってもよい。触媒材料はまた、金属酸化物、金属窒化物等の、他の金属含有種であってもよい。当業者であれば、特定の用途に合うように、適切な触媒材料を選択することが可能であろう。
【0094】
場合によっては、順次独占的反応物流(例えば、ナノチューブ前駆体材料を備える)を送達することによって、または、複数種類のナノ構造の成長を引き起こし、かつ基材上に配設された成長部位の性質(例えば、元素組成およびサイズ)に選択的である、混合反応物流を使用することによって、ナノチューブ前駆体および/または触媒材料の適切な組み合わせを使用して、ナノチューブが合成されてもよい。
【0095】
触媒材料は、例えば、化学蒸着を含む、種々の方法を使用して、成長基材の表面上に形成されてもよい。例示的実施形態では、繊維は、触媒材料またはその前駆体を含有する溶液を通して引き出されてもよく、その表面上の触媒材料の被覆とともに溶液から退出してもよい。被覆は、繊維の表面からのカーボンナノチューブ等のナノ構造の成長のために、金属ナノ粒子(例えば、Fe、Co、および/またはNi)等の成長部位を備えてもよく、または、成長部位の形成の前駆体であってもよい。場合によっては、繊維は、触媒材料を含有する溶液を通して連続的に引き出されてもよく、溶液の表面(例えば、液気界面または液液界面)において、触媒材料は、溶液の表面に接触すると繊維の表面上に引き出されてもよい、凝集ナノ粒子であってもよい。
【0096】
成長基材上に触媒材料を蒸着するために、ラングミュア・ブロジェット技法、磁性流体等の事前形成ナノ粒子の溶液からの蒸着、および、基材を被覆し、加熱されるとナノ粒子を形成するように分解する、金属塩の溶液(例えば、150〜190℃の金属窒化物)等の、他の方法が使用されてもよい。場合によっては、成長基材上に組織化触媒材料をテンプレート作成するために、ブロック共重合体が使用されてもよい。
【0097】
本発明で使用するために好適な基材は、プリプレグ、ポリマー樹脂、乾燥織物およびトウ、炭素(例えば、黒鉛)、金属、合金、金属間化合物、金属酸化物、金属窒化物、セラミック、および同等物等の無機材料を含む。場合によっては、基材は、繊維、繊維のトウ、織物、および同等物であってもよい。基材はさらに、伝導性繊維、織物、またはナノ構造等の伝導材料を備えてもよい。
【0098】
場合によっては、本明細書で説明されるような基材は、プリプレグ、つまり、炭素繊維等の埋め込まれた、整列した、および/または織り合わせた(例えば、織られた、または編組された)繊維を含有する、ポリマー材料(例えば、熱硬化性または熱可塑性ポリマー)であってもよい。本明細書で使用されるような、「プリプレグ」という用語は、埋め込まれた繊維、例えば、炭素、ガラス、炭化ケイ素、および同等物の繊維を含有する、熱硬化性または熱可塑性樹脂の1つ以上の層を指す。いくつかの実施形態では、熱硬化性材料は、エポキシ、ゴム増強エポキシ、BMI、PMK−15、ポリエステル、ビニルエステル、および同等物を含み、好ましい熱可塑性材料は、ポリアミド、ポリイミド、ポリアリーレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミドポリアリーレンポリスルホンポリエーテルスルホンポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエステル、ならびにそれらの類似体および混合物を含む。典型的には、プリプレグは、整列した、および/または織り合わせた(織られた、または編組された)繊維を含み、プリプレグは、多くの層の繊維が他の層の繊維と整列しないように配設され、該配列は、方法によって形成される部品の方向性の剛性要件によって決定される。繊維は、概して、感知できるほどに縦方向に伸展させることができず、したがって、各層は、その繊維が沿って配設される方向に、感知できるほどに伸展させることができない。例示的なプリプレグは、TORLON熱可塑性積層、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン、Imperial Chemical Industries,PLC,England)、PEKK(ポリエーテルケトンケトン、DuPont)熱可塑性プラスチック、Toray(日本)によるT800H/3900−2熱硬化性樹脂、およびHercules(Magna,Utah)によるAS4/3501−6熱硬化性樹脂を含む。
【0099】
成長基材は、本明細書で説明されるような触媒材料および/またはナノ構造を支持することが可能な任意の材料であってもよい。成長基材は、ナノ構造成長条件、ナノ構造除去条件、および同等物等の、特定のプロセスで使用される一式の条件に対して不活性であるように、および/または一式の条件下で安定するように選択されてもよい。例えば、成長基材は、カーボンナノチューブの高温(例えば、最高で1300℃)CVD成長下で安定していてもよい。場合によっては、成長基材は、アルミナ、シリコン、炭素、セラミック、または金属を備えてもよい。場合によっては、成長基材は、実質的平面を備える。場合によっては、成長基材は、実質的非平面を備える。例えば、成長基材は、例えば、0.1mから10mに及ぶ直径を有してもよい、繊維等の任意的に回転可能な円筒形基材であってもよい。場合によっては、成長基材は、ナノチューブの形成/除去中に連続的に回転させられてもよい、剛体リング(例えば、円筒形剛体リング)であってもよい。場合によっては、成長基材は、可撓性材料を備えてもよく、成長基材は、本明細書で説明されるように、装置を通した連続循環のために1つ以上のローラの上に配置されてもよい、可撓性リングまたはベルトを形成してもよい。いくつかの実施形態では、成長基材は、Al、SiO、または炭素を備える繊維である。いくつかの実施形態では、成長基材は、金属またはセラミック等の基礎材料の表面上に形成される、遷移金属酸化物(Al)層等の層を備えてもよい。
【0100】
場合によっては、成長基材は、中空および/または多孔質であってもよい。いくつかの実施形態では、成長基材は、多孔質Al等の多孔質である。本明細書で使用されるような、「多孔質」材料とは、例えば、流体または流体の混合物(例えば、液体、ガス)によって、材料が容易に横断または浸透されるように、十分な数の細孔を有する材料として定義される。本発明では、多孔質成長基材は、成長基材を通した、触媒材料へのガス(例えば、ナノチューブ前駆体材料)の拡散を有利に促進することによって、ナノチューブの成長を向上させてもよい。図4は、本発明によって使用される多孔質成長基材の概略図を示し、図中、基材670は、細孔または穴671、および基材の一表面上で成長させられるナノ構造672を含有する。細孔または穴は、基材表面の面積にわたって反応雰囲気の均一な送達を可能にする。これは、例えば、基材の前処理のため、ナノ構造の成長のため、または触媒の再活性化のための雰囲気である。
【0101】
例示的実施形態では、図5は、ローラ上でのナノ構造の成長のために、成長基材に反応性材料を供給することが可能な構成要素(例えば、ローラ)上に配設された成長基材を示す。構成要素は、成長基材上での整列したナノ構造の層の成長のために、反応および非反応の化学種を供給してもよく、化学種は、成長基材へと半径方向に流れてもよい。成長基材は、その表面を通るガス流を可能にするように多孔質であってもよい、中空シリンダ500であってもよい。化学種の流動510は、シリンダと流体連通している入力パイプ501に沿って軸方向に導入されてもよく、成長基材を通って表面へと半径方向511に分配され、流されてもよい。場合によっては、流動は、ナノ構造前駆体材料を供給してもよく、それは次いで、成長基材の表面上の成長部位(例えば、触媒材料)と相互作用してもよい。代替として、触媒材料前駆体は、成長基材の表面上で触媒ナノ構造の層を形成するように、流動の中に供給されてもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、成長基材は、AlまたはSiOを備え、触媒材料は、鉄、コバルト、またはニッケルを備える。場合によっては、成長基材は、Alを備え、触媒材料は、鉄を備える。
【0103】
本明細書で使用されるように、「ナノ構造前駆体材料」とは、適切な一式の条件下でナノ構造を形成するように反応させられてもよい、任意の材料または材料の混合物を指す。ナノ構造前駆体材料は、炭素含有種(例えば、CおよびCH等の炭化水素、アルコール等)、1つ以上の流体(例えば、H、O、ヘリウム、アルゴン、窒素等のガス)、またはナノ構造の形成を促進してもよい他の化学種を備えてもよい。
【0104】
本明細書で説明されるように、本発明は、1つ以上の結合材料または支持材料の使用または追加を含んでもよい。結合または支持材料は、本明細書で説明されるポリマー材料、繊維、金属、または他の材料であってもよい。本明細書で説明されるような、結合材料および/または支持材料として使用するためのポリマー材料は、ナノ構造に適合する任意の材料であってもよい。例えば、ポリマー材料は、ナノ構造を均一に「湿潤させる」ように、および/または1つ以上の基材を結合するように選択されてもよい。場合によっては、ポリマー材料は、50,000cPs以下、10,000cPs以下、5,000cPs以下、1,000cPs以下、500cPs以下、250cPs以下、100cPs以下等の、特定の粘度を有するように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー材料は、150〜250cPs等の粘度を有するように選択されてもよい。場合によっては、ポリマー材料は、熱硬化性または熱可塑性であってもよい。場合によっては、ポリマー材料は、任意的に、伝導性繊維、織物、またはナノ構造を含む、伝導材料を備えてもよい。
【0105】
熱硬化性樹脂の例は、Microchem SU−8(紫外線硬化エポキシ、2000.1〜2100の等級、および3cPsから10,000cPsに及ぶ粘度)、Buehler Epothin(〜150cPsの低粘度、室温硬化エポキシ)、West Systems 206+109 Hardener(約200cPsの低粘度、室温硬化エポキシ)、Loctite Hysol 1C(20分硬化伝導性エポキシ、粘度200,000−500,000cPs)、Hexcel RTM6(樹脂注入成形エポキシ、約10cPsのプロセス中の粘度)、Hexcel HexFlow VRM 34(構造的VARTMまたは真空支援樹脂注入成形エポキシ、約500cPsのプロセス中の粘度)を含む。熱可塑性プラスチックの例は、ポリスチレン、またはMicrochem PMMA(紫外線硬化熱可塑性プラスチック、10cPsから約1,000cPsに及ぶ等級)を含む。一実施形態では、ポリマー材料は、PMMA、EpoThin、WestSystems EPON、RTM6、VRM34、977−3、SU8、またはHysol1Cであってもよい。
【実施例】
【0106】
以下の実施例は、本発明のある側面の実施形態を図示する。本明細書で説明されるプロセスは、当業者に公知であるように、大量バッチまたは連続様式での操作のために修正および/または拡大縮小されてもよいことを理解されたい。
【0107】
(実施例1)
以下の実施例は、基材上に整列したカーボンナノチューブの層を成長させるための例示的プロセスを説明する。FDC−8000フィルム蒸着コントローラとともにTemescal VES−2550を使用する、単一ポンプダウンサイクルにおける電子ビーム蒸着によって、1/10nmのFe/Alのパターン化触媒フィルムを、平面(100)6”シリコンウエハ(p型、1〜10Ω−cm、Silicon Quest International、標準「ピラニア」(3:1のHSO:H)溶液を使用して清浄化した)上に蒸着した。フォトリソグラフィによってパターン化された画像反転フォトレジスト(AZ−5214E)の1μm層のリフトオフによって、触媒パターンを製造した。ウエハ表面全体を覆って触媒を蒸着し、軽度の超音波処理とともに、アセトンに5分間浸すことによって、フォトレジスト上に蒸着された触媒の領域を除去した。水晶モニターを使用して、蒸着中に触媒のフィルム厚さを測定し、ラザフォード後方散乱分光(RBS)によって後で確認した。
【0108】
アルゴン(Ar、99.999%、Airgas)、エチレン(C、99.5%、Airgas)、および水素(H、99.999%、BOC)の流動を使用して、22mmの内径および30cmの長さの加熱区域を有する単一区域大気圧石英管炉(Lindberg)の中で、CNT成長を行った。炉温は、30分で設定点温度まで上昇させられ、400sccmのAr下でさらに15分間保持された。15〜60分の成長期間にわたって、C/H/Ar混合物を維持した。最後に、HおよびCの流動を中断し、加熱炉が100℃以下に冷却している間に滴に還元される前に、管から反応性ガスを変位させるように、400sccmのArを10分間以上維持する。
【0109】
カーボンナノチューブ構造は、750℃において100/500/200sccmのC/H/Ar中で処理されたFe/Alフィルムから成長させられた。図11−13に示されるように、カーボンナノチューブは、主に基材と垂直に配向され、隔離されるか、または0.1μmほどの大きさの直径の「束」で集められ、その場合、カーボンナノチューブは、表面力によって密接に結合される。図11Aが、100/500/200sccmのC/H/アルゴン(縮尺650μm)から60分間で成長させられた、高さ約1.8mmの整列したCNT森林の斜位像(70°傾斜台)SEM画像を示す一方で、図11Bは、側面から見たフィルム内のカーボンナノチューブカーボンナノチューブの整列を示す(縮尺0.5μm)。
【0110】
代替として、Arの代わりにHeのキャリアガスが使用され、加熱炉は、設定点(成長)温度まで上昇させられ、400/100sccmのHe/Hの流動の下で安定化され、100/400/100sccmのC/He/Hの流動が成長期間中に導入される。
【0111】
図12A−Bは、リソグラフィでパターン化したFe触媒部位を有するAl基材から成長させられた、カーボンナノチューブ微細構造を示す。同一の断面を有するカーボンナノチューブ構造を大型配列で成長させることができ、複雑な形状を画定することができる。図12Aが、15分間で成長させられた、高さ約1mmのカーボンナノチューブ柱の配列を示す(縮尺500μm)一方で、図12Bは、その中心付近でより高く成長し、高解像度リソグラフィマスクから複製された鋭い特徴を有する、カーボンナノチューブの複雑パターンを示す(縮尺50μm)。
【0112】
図13は、主に多層かつ管状であった、カーボンナノチューブのHRTEM検査を示す。カーボンナノチューブは、平均して約8nmの外径および5nmの内径となり、ほとんどが3〜7枚の同心平行壁を有する。図14Aは、100/500/200sccmのC/H/Arで15分の均等成長時間にわたって異なる温度で成長させられた、整列したカーボンナノチューブフィルムの最終的な厚さを示す。図14Bは、750℃で15分の均等成長時間にわたって(500/200sccmのH/Arに加えて)異なるC流で成長させられた、整列したカーボンナノチューブフィルムの最終的な厚さを示す。図14A−Bに示されるように、カーボンナノチューブフィルムの成長速度および厚さは、反応温度を制御することによって(図14A)、または原料中のCの濃度を調整することによって(図14B)調整することができる。当業者に公知の方法による、触媒粒径、触媒材料、反応物および/または添加物種、流動順序、温度、圧力、および他のパラメータの調整は、そのような層内の整列したCNTの形態(直径、結晶化度)および密度を好適に制御することができる。
【0113】
(実施例2)
以下の実施例は、繊維の表面上にカーボンナノチューブを含有するセラミック繊維の産生を説明する。繊維ストランドを、市販の(McMaster−Carr)酸化アルミニウム(Al)繊維布から切り取り、イソプロパノール中のFe(NO・9HOの10mM溶液(撹拌および超音波処理によって調製した)に5分間浸した。次いで、繊維ストランドを空気中で乾燥させた。図15は、(a)100ミクロン縮尺および(b)20ミクロン縮尺における、鉄触媒材料が装填されたAl繊維のSEM画像を示す。Al繊維は、直径約20μmであり、各ストランドが数百の繊維を備えた。22mmの内径および30cmの長さの加熱区域を有する単一区域大気圧石英管炉(Lindberg)の中で、カーボンナノチューブ成長を行った。手動ニードル弁ロータメータを使用して、Ar(99.999%、Airgas)、C(99.5%、Airgas)、H(99.999%、BOC)の流動を測定した。炉温は、100/500/200sccmのC/H/Arで750℃に保持した。
【0114】
2つのプロセスを検討した。第1に、C/H/Arガスの混合物とともに繊維を加熱炉の中に入れ、次いで、加熱炉をナノチューブ成長温度まで加熱することによって、Al繊維を「バッチ」CVD順序で処理した。次いで、カーボンナノチューブの整列した被覆をAl繊維の表面上に形成した。代替的プロセス(例えば、「急速加熱」順序)では、加熱炉がナノチューブ成長温度まで加熱された後に、Al繊維を加熱炉の高温区域に急速に導入した。次いで、1〜2分後に、C/H/Ar成長混合物を導入した。両方のプロセスからの結果として生じた繊維を図15−18に示す。
【0115】
図16Aは、15分の成長時間および100/500/200sccmのC/H/Ar後の、カーボンナノチューブ被覆したAl繊維のSEM画像を示す(10mM解像度、20ミクロン縮尺)。図16Bは、カーボンナノチューブ被覆内のカーボンナノチューブの整列のSEM画像を示す(1ミクロン縮尺)。図17は、(a)50倍率および(b)250倍率における、カーボンナノチューブ被覆したAl繊維束のSEM画像を示し、トウの全体を通した繊維上で、かつトウの外面の遥かに下で発生した、整列したナノチューブの成長を示す。図18は、(a)1mMのFe溶液、(b)10mMのFe溶液、および(c)100mMのFe溶液中で被覆された、被覆繊維のSEM画像を示す。図18Dは、100mMのFe溶液中の急速加熱CVD順序によって形成された、被覆繊維のSEM画像を示す。図18に示されるように、Al繊維上の整列したカーボンナノチューブの被覆率の増加が、より高い濃度のFe溶液に浸された、および/または急速加熱CVD順序によって産生された繊維に観察された。
【0116】
図18によって明示されるように、カーボンナノチューブの整列した成長形態が達成され、加熱炉の高温区域中の繊維の滞留時間(供給速度)は、繊維表面上のCNT層の所望の厚さを付与するように選択することができる。CNT被覆の均一性は、Fe溶液の濃度の影響を受けてもよいが、溶液中の繊維のバッチ浸漬における不均等な蒸発面の影響も受け手もよい。触媒前駆体の均一な被覆は、本発明の関連実施形態による、触媒または触媒前駆体溶液からの基材の連続離脱によって達成することができる。
【0117】
(実施例3)
以下の実施例は、垂直に整列したカーボンナノチューブを含有する複合薄膜の産生を説明する。実施例1で説明されるプロセスに従って、カーボンナノチューブを含有する長方形の「柱」のパターンをシリコンウエハ上で成長させた。カーボンナノチューブは、垂直に整列し、基材と実質的に垂直であり、かつ表面力によって柱の形で結合された。反応チャンバ中のCの濃度または反応温度のいずれかを調整することによって、カーボンナノチューブ柱の成長速度および高さを制御することが可能であった。この実施例では、カーボンナノチューブの高さは、100μmと測定された。
【0118】
次いで、複合薄膜を形成するように、シリコンウエハ上のカーボンナノチューブを第2の基材と組み合わせた。カーボンナノチューブとして高さとほぼ同じ厚さを有する薄膜の形で、速硬性(例えば、20分)室温伝導性エポキシをガラス基材(例えば、「第2の」基材)上に蒸着した。次いで、カーボンナノチューブおよび伝導性エポキシが相互に接触するように、カーボンナノチューブパターンを含有するシリコンウエハをガラス基材上に配置し、100gの荷重をアセンブリに適用した。アセンブリを周囲温度および湿度で保ち、伝導性エポキシを24時間かけて硬化させた。荷重によって及ぼされた機械的圧力によって支援された毛細管作用が、エポキシをカーボンナノチューブ柱に浸透させた。24時間後、エポキシが完全に硬化された。エポキシとカーボンナノチューブとの間の接着は、機械的手段によってシリコンウエハの除去を可能にするのに十分であった。図19Aは、エポキシ基質に埋め込まれた、整列したカーボンナノチューブ柱の配設のSEM画像を示し、エポキシによる柱の効果的な湿潤を示す。図19Bは、ナノチューブ/エポキシ界面を示す、埋め込まれたカーボンナノチューブ柱の接近像を示す。
【0119】
代替として、カーボンナノチューブの柱および密集した「森林」を効果的に湿潤するために、浸水プロセスも使用されてもよく、毛細管作用が、カーボンナノチューブ森林へのエポキシの浸透を支援することができる。図20A−Bは、浸水プロセスによってカーボンナノチューブ「森林」によって浸透されたエポキシのSEM画像を示し、カーボンナノチューブ湿潤の有効性が示された。図20Bのナノチューブ/エポキシアセンブリの断面図に示されるように、エポキシポリマーは森林の厚さに完全に浸透し、CNTの整列が維持された。図20Cは、約5%の体積分率を伴うカーボンナノチューブ/SU−8複合材料のSEM画像を示し、湿潤が効果的で空隙が全く観察されず、図20Dは、複合材料の接近像を示す。図20Eは、10%体積分率のカーボンナノチューブ/RTM6複合材料を示し、より高い体積分率でさえも、湿潤のための浸水方法の有効性を観察することができ、図20Fは、複合材料の接近像を示す。
【0120】
(実施例4)
以下の実施例は、受容基材へのカーボンナノチューブ森林の移動、および「ナノ縫合」複合構造の産生を説明する。実施例1で説明される方法を使用して、カーボンナノチューブ「森林」をシリコンウエハ上で約150μmの高さまで成長させた。図27A−Dは、機械的手段を使用して、その基材からプリプレグへと移植されたカーボンナノチューブのSEM画像を示し、カーボンナノチューブの整列の保持が移動時に観察された。
【0121】
「ナノ縫合」複合構造を産生するために、市販の黒鉛繊維/エポキシプリプレグ(AS4/3501−6またはIM7/977−3)のの長方形の断片を切断し、機械的手段を使用して、CNT森林をプリプレグの表面に移植し、すなわち、図9Eに図示されるように、成長基材から受容基材へと移動させられた。カウルプレートをカーボンナノチューブ「森林」の最上部の上に配置し、次いで、シリコンウエハ上に配置された100gの荷重の形で圧力を適用した。プリプレグの表面上のエポキシが軟化するまで、アセンブリを加熱した(または室温にした)。機械的圧力およびエポキシの軟化は、カーボンナノチューブをプリプレグのエポキシに浸透させた。ナノチューブの浸透深度は、表面の温度および/またはカーボンナノチューブ基材に適用された荷重の大きさを調整することによって制御した。CNTがプリプレグに十分に埋め込まれると、荷重を除去し、エポキシを完全に硬化させた。図21は、(a)200ミクロンおよび(b)20ミクロン縮尺における、その表面上にカーボンナノチューブの森林を含有する結果のプリプレグを示す。この構成は、本明細書で説明されるように、補強多層複合材料の生成に使用することができる。
【0122】
代替として、カーボンナノチューブ層を、黒鉛/エポキシプリプレグの2つの合板層の間に配置した。図9Dに図式的に示されるように、カーボンナノチューブ森林を2つのプリプレグ合板層の一方の表面に移植し、第2の合板層を森林の最上部の上に追加した。オートクレーブを使用してアセンブリを完全に硬化させ、(a)200ミクロンおよび(b)10ミクロン縮尺における、結果として生じたハイブリッド複合材料を図22に示す。図22Bで見られるように、界面におけるカーボンナノチューブは、領域に応じて、プリプレグ合板層に約5〜7μm(炭素繊維直径と同じ)浸透した。
【0123】
上記で説明されるプロセスを使用して製造された中央平面に整列したCNT層を含有する、二重カンチレバービーム試料が、モードI破壊試験を受けた。結果を、無補強複合材料の結果と比較した。図22Cに示されるように、カーボンナノチューブは、複合材料の破壊靱性を60%増加させる、すなわち、160%まで増加させることが示された。
【0124】
図26B−Cは、(a)200ミクロン縮尺および(b)10ミクロンにおける、カーボンナノチューブ/黒鉛/エポキシハイブリッド複合材料のSEM画像を示す。
【0125】
(実施例5)
以下の実施例は、カーボンナノチューブ、アルミナ繊維、およびエポキシを含有する、織物層状複合構造の産生を説明する。実施例2で説明される方法に従って、カーボンナノチューブ森林を60μmの高さまで成長させた。アルミナ繊維の表面上でカーボンナノチューブを成長させた後、CNT/アルミナ布合板層を、BuehlerのEpoThinエポキシに漬け、ハイブリッド複合積層を生成するように積み重ねた。図23に図示されるように、複合構造を硬化させるために、真空支援硬化を使用した。積層を真空テーブル上に配置し、無孔テフロン(登録商標)の層を最上部の上に配置し、それに続いて、積層の同じ寸法のカウルプレートを配置した(積層がカウルプレートに付着することを回避するために、無孔テフロン(登録商標)を使用した)。硬化プロセスの間に過度のエポキシを除去するように、多孔質テフロン(登録商標)および浸出紙の層を、アセンブリの最上部の上に配置した。アセンブリならびに真空テーブルを覆って真空の均一な分布を確保するように、真空テーブルを覆ってガラス繊維のシートを配置した。最後に、アセンブリを封入するために真空バッグを使用し、30psiの圧力を硬化プロセス中に印加した。
【0126】
CNT/アルミナ/エポキシナノ加工積層の写真を、図24Aに示す。硬化プロセス中に圧力(30psi)を印加することによって、過度のエポキシをナノ加工複合積層から効果的に排除し、次いで、サンプルを糸鋸で切断した。例示的サンプルを図24Bの写真によって示す。
【0127】
付加的な実施例では、同様の複合構造をアルミナ布で製造した。本明細書で説明されるプロセスを使用して、カーボンナノチューブを繊維の表面上で成長させた。薄層間せん断強度を判定するために、ショートビームせん断(SBS)試験を薄層内試料に適用した(図25A)。結果を、カーボンチューブが欠けている同様の複合材料、すなわち、「無補強」複合材料の結果と比較し、図25に示す。CNT構造は、複合材料の薄層間せん断強度を70%増加させた。
【0128】
また、実施例5で説明されるステップに従って、カーボンナノチューブ、アルミナ繊維、およびエポキシを含有する複合構造も製造した。図29は、50ミクロン縮尺における、カーボンナノチューブ/アルミナ/エポキシハイブリッド複合材料のSEM画像を示す。図29によって示されるように、エポキシは、カーボンナノチューブおよびアルミナ繊維に完全に浸透し、湿潤する。繊維の均一な分布も観察することができる。
【0129】
次いで、カーボンナノチューブ、アルミナ繊維、およびエポキシを含有する複合構造の電気伝導度を検討した。図31Aは、複合材料が2つの銀塗料電極の間に配置され、その電気的性質が測定された、電気伝導度試験用の実験装置を図式的に示す。図31Bは、電気抵抗率測定からの結果を示す。
【0130】
(実施例6)
以下の実施例では、黒鉛(例えば、炭素)繊維上で、本明細書で説明されるように、一式のカーボンナノチューブを成長させ、種々の複合材料の製造で利用した。図26AのSEM画像に示されるように、カーボンナノチューブを黒鉛繊維上で成長させ、カーボンナノチューブの長軸は、繊維表面に垂直に配向されている。
【0131】
(実施例7)
浸水方法を使用して、カーボンナノチューブおよびエポキシを含有するナノ構造「柱」を製造した。図28A−Cは、完全湿潤に湿潤し、それらの形状およびCNT整列が維持されている、カーボンナノチューブ/エポキシ柱のSEM画像を示す。
【0132】
(実施例8)
以下の実施例は、本明細書で説明されるような連続プロセスを使用する、カーボンナノチューブの産生を説明する。
【0133】
図32Aは、反応性C/H雰囲気と不活性H雰囲気との間で、成長基材を包囲する雰囲気を循環させることによって成長基材上で成長させられた、整列したカーボンナノチューブのフィルムの厚さのリアルタイム測定を示し、図中、画像の左縁に沿って配置された記号は、連続層の間の界面を示す。フィルムは、Fe触媒およびAl支持層で被覆された成長基材の暴露時に成長し、C/Hに暴露され、基材がH単独に暴露されると、成長を一時停止させた。回転円筒形基材を使用して、これを連続的に複製し、その場合、成長区域をC/Hの雰囲気中で温度Tに維持し(「条件セット1」)、剥離および前処理区域を異なる温度で維持した(「条件セット2」)。同じ触媒が何度も再循環される、連続操作のこの段階中に、中間区域を条件セット2で維持し、もはやナノ構造の産生のために好適に活性ではなくなると、触媒を除去し、交換することができた。図32Bは、このプロセスによって成長させられたカーボンナノチューブフィルムの走査電子顕微鏡写真を示し、図中、画像の左縁に沿って配置された記号は、連続層の間の界面を示す。層は、図32Cに示されるように、はっきりと分離することができ、各層は、一間隔あたりのカーボンナノチューブの成長を表す。
【0134】
(実施例9)
図33は、(a)蒸着後であるが熱または化学処理前、(b)アルゴン雰囲気中での加熱および後続の冷却後、(c)アルゴン/H雰囲気中での加熱および後続の冷却後の、シリコン基材上のFe/Al(1/10nm)支持触媒フィルムの表面地形のAFM画像を示す。図33Cは、後でCが反応雰囲気に添加されると、還元(H2含有)雰囲気中での触媒被覆基材の前処理が、カーボンナノチューブの成長部位であるFeナノ粒子の形成を支援してもよいことを示してもよい。
【0135】
(実施例10)
第1の基材から第2の基材への一式のカーボンナノチューブの移動において、種々の基材材料を検討した。以下の実施例では、基材の表面上に配置されたカーボンナノチューブを備える、実質的に平面の基材の上で、円筒形基材を転動させた。場合によっては、カーボンナノチューブの移動は、第1および/または第2の基材として使用される材料の種類、ならびに、ナノ構造の移動を促進するために使用される、本発明で説明されるような任意の外力、化学試薬、機械的工具(例えば、エアナイフ)等の影響を受ける場合がある。図37Aは、実質的に平面の基材から、(i)プラスチックローラ上に配置されたプリプレグへと移動させられたカーボンナノチューブを示す。カーボンナノチューブの小さな領域(全表面の約15%)は、プラスチックローラ上のプリプレグに移植されなかった。図37Bは、シリンダに及ぼされた制御可能な圧力で、実質的に平面の基材から、(ii)アルミニウムシリンダ(図37に示される)上に配置されたプリプレグへと移動させられたカーボンナノチューブを示す。元の基材から(ii)シリンダに付着したプリプレグへのカーボンナノチューブへの本質的に完全な移植が達成された。
【0136】
本発明のいくつかの実施形態を本明細書で説明および図示したが、当業者であれば、本明細書で説明される、機能を果たし、および/または、結果および/または利点のうちの1つ以上を得るための種々の他の手段および/または構造を容易に想定し、そのような変化例および/または修正のそれぞれは、本発明の範囲内であると見なされる。より一般的には、当業者であれば、本明細書で説明される全てのパラメータ、寸法、材料、および構成は、例示的となるように意図されており、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、本発明の教示が使用される、1つまたは複数の具体的用途に依存することを、容易に理解するであろう。当業者であれば、日常的にすぎない実験を使用して、本明細書で説明される本発明の具体的実施形態の多くの同等物を認識するか、または確認することができるであろう。したがって、先述の実施形態は、一例のみとして提示され、添付の請求項およびその同等物の範囲内で、具体的に説明および請求される以外の方法で本発明が実践されてもよいことを理解されたい。本発明は、本明細書で説明される、各個別特徴、システム、部品、材料、キット、および/または方法を対象とする。加えて、そのような特徴、システム、部品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾していなければ、2つ以上のそのような特徴、システム、部品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせが、本発明の範囲内に含まれる。
【0137】
本明細書および本請求項で使用されるような、「1つの」という不定冠詞は、明確にそれとは反対に示されない限り、「少なくとも1つの」を意味すると理解されたい。
【0138】
本明細書および本請求項で使用されるような、「および/または」という語句は、そのように結合される要素、すなわち、ある場合では接合的に存在し、他の場合では離接的に存在する要素の「いずれか一方または両方」を意味すると理解されたい。明確にそれとは反対に示されない限り、「および/または」という節によって具体的に識別される要素と関係するか、無関係であるかにかかわらず、それらの具体的に識別される要素以外に、他の要素が任意的に存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」の参照は、「〜を備える」等の非制約的用語と併せて使用されると、一実施形態では、BのないA(任意的にB以外の要素を含む)を指し、別の実施形態では、AのないB(任意的にA以外の要素を含む)を指し、さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(任意的に他の要素を含む)等を指す。
【0139】
本明細書および本請求項で使用されるような、「または」は、上記で定義されるような「および/または」と同じ意味を有すると理解されたい。例えば、一覧中のアイテムを分離する時に、「または」あるいは「および/または」は、包括的であるとして解釈されるものであり、すなわち、少なくとも1つを含むが、多数の要素または要素の一覧のうちの2つ以上と、任意的に、付加的な非記載アイテムも含む。「〜のうちの1つのみ」または「〜のうちの正確に1つ」等の、明確にそれとは反対に示される用語のみ、または、請求項で使用される時に、「〜から成る」が、多数の要素または要素の一覧のうちの正確に1つの包含を指す。一般に、本明細書で使用されるような「または」という用語は、「いずれか一方」、「〜のうちの1つ」、「〜のうちの1つのみ」、または「〜のうちの正確に1つ」等の、排他性の用語が先行すると、排他的代替物(すなわち、「一方または他方であるが、両方ではない」)としてのみ解釈されるものである。「本質的に〜から成る」は、請求項で使用されると、特許法の分野で使用されるような、その通常の意味を有するものである。
【0140】
本明細書および本請求項で使用されるような、1つ以上の要素の一覧を参照した「少なくとも1つ」という語句は、要素の一覧中の要素のうちのいずれか1つ以上から選択される、少なくとも1つの要素を意味するが、要素の一覧内で具体的に記載される、あらゆる要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含むとは限らず、要素の一覧中の要素の任意の組み合わせを除外しないことを理解されたい。この定義はまた、「少なくとも1つ」という語句が指す要素の一覧内で具体的に識別される要素と関係するか、無関係であるかにかかわらず、それらの具体的に識別される要素以外の要素が任意的に存在してもよいことも許容する。したがって、非限定的な例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または同等に、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または同等に、「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bが存在しない、任意的に2つ以上を含む、少なくとも1つのA(任意的にB以外の要素を含む)を指し、別の実施形態では、Aが存在しない、任意的に2つ以上を含む、少なくとも1つのB(任意的にA以外の要素を含む)を指し、さらに別の実施形態では、任意的に2つ以上を含む、少なくとも1つのA、および、任意的に2つ以上を含む、少なくとも1つのB(任意的に他の要素を含む)等を指すことができる。
【0141】
請求項ならびに上記の明細書では、「〜を備える」、「〜を含む」、「〜を持つ」、「〜を有する」、「〜を含有する」、「〜を伴う」、「〜を担持する」、および同等物等の、全ての移行句は、非制約的である、すなわち、「〜を含むがそれらに限定されない」を意味すると理解されたい。「〜から成る」および「本質的に〜から成る」という移行句のみが、the United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures,Section 2111.03に規定されているように、それぞれ、制約的または半制約的な移行句となるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合品を形成する方法であって、
第1および第2の基材を提供することであって、該基材の各々が接合面を有する、ことと、
成長基材に表面を提供することであって、該表面は、一式の実質的に整列したナノ構造を該表面の上または中に備え、該ナノ構造の長軸は、該表面に実質的に整列し、かつ非平行であり、該成長基材は、実質的に平面の表面を備える、ことと、
該成長基材に該第1および第2の基材のうちの少なくとも一方を接触させることであって、これにより、該一式の実質的に整列したナノ構造が、該第1および第2の基材のうちの少なくとも一方の該接合面の上または中に配設され、該ナノ構造が該接合面の少なくとも10%の上または中に均一に分散される、ことと、
任意的に、該一式の実質的に整列したナノ構造から該成長基材を分離することと、
該第1および第2の基材をそれらのそれぞれの接合面を介して相互に結合することにより該基材の界面を形成することであって、該界面は該一式の実質的に整列したナノ構造を備える、ことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ナノ構造は、ナノチューブ、ナノ繊維、またはナノワイヤである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ナノ構造は、ナノチューブである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ナノ構造は、カーボンナノチューブである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1および第2の基材のうちの少なくとも一方は、触媒材料を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1および第2の基材のうちの少なくとも一方は、触媒材料を備える、繊維、繊維のトウ、または織物である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記配設することは、前記第1および第2の基材のうちの少なくとも一方の前記表面上にナノ構造を触媒的に形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記一式の実質的に整列したナノ構造を前記接合面の上または中に配設している間、該ナノ構造は、支持材料と関連付けられない、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ナノ構造の前記長軸は、前記表面に実質的に整列しており、かつ垂直である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
接触させることの前、間、および後に、前記ナノ構造の前記整列は、実質的に維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記結合することは、前記第1と第2の基材の前記接合面との間での結合材料の追加を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記基材は、繊維、プリプレグ、樹脂フィルム、乾燥織物、またはトウである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記基材は、繊維と、少なくとも1つのポリマー材料とを備える、プリプレグである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記基材はさらに、伝導材料、繊維、織物、またはナノ構造を備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記結合材料は、任意的に、伝導材料、繊維、織物、付加的なポリマー材料、またはナノ構造を備える、ポリマー材料である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記複合材料は、前記一式の実質的に整列したナノ構造が欠けている本質的に同一の複合材料と、本質的に同一の条件下で比較すると、より高い機械的強度/靱性を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記複合材料は、前記一式の実質的に整列したナノ構造が欠けている本質的に同一の複合材料と、本質的に同一の条件下で比較すると、より高い熱および/または電気伝導度を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記熱および/または電気伝導度は、異方性である、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
接触させることの後に、前記ナノ構造に1つ以上の支持材料を追加することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記支持材料は、モノマー、ポリマー、繊維、または金属である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ナノ構造は、前記接合面の少なくとも20%の上または中に均一に分散される、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記ナノ構造は、前記接合面の少なくとも30%の上または中に均一に分散される、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記ナノ構造は、前記接合面の少なくとも40%の上または中に均一に分散される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記ナノ構造は、前記接合面の少なくとも50%の上または中に均一に分散される、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記ナノ構造は、前記接合面の少なくとも60%の上または中に均一に分散される、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記ナノ構造は、前記接合面の少なくとも70%の上または中に均一に分散される、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記ナノ構造は、前記接合面の少なくとも80%の上または中に均一に分散される、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記ナノ構造は、前記接合面の少なくとも90%の上または中に均一に分散される、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記ナノ構造は、前記接合面の少なくとも95%の上または中に均一に分散される、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記ナノ構造は、前記接合面の実質的に大部分の上または中に均一に分散される、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記ナノ構造は、100nm以下の平均直径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記ナノ構造は、75nm以下の平均直径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記ナノ構造は、50nm以下の平均直径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記ナノ構造は、25nm以下の平均直径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記ナノ構造は、10nm以下の平均直径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
複合品を形成する方法であって、
第1および第2の基材を提供することであって、該基材の各々が接合面を有する、ことと、
成長基材に表面を提供することであって、該表面は一式の実質的に整列したナノ構造を該表面の上または中に備え、該ナノ構造の長軸は該表面に実質的に整列し、かつ非平行であり、該成長基材は実質的に平面の表面を備える、ことと、
該成長基材を該第1および第2の基材のうちの少なくとも一方に接触させることにより、該一式の実質的に整列したナノ構造が、該第1および第2の基材のうちの少なくとも一方の該接合面の上または中に配設されることであって、該ナノ構造は100nm以下の平均直径を有する、ことと、
任意的に、該一式の実質的に整列したナノ構造から該成長基材を分離することと、
該第1と第2の基材をそれらのそれぞれの接合面を介して相互に結合することにより該基材の界面を形成することであって、該界面は該一式の実質的に整列したナノ構造を備える、ことと
を含む、方法。
【請求項37】
前記ナノ構造は、ナノチューブ、ナノ繊維、またはナノワイヤである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記ナノ構造は、ナノチューブである、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記ナノ構造は、カーボンナノチューブである、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記第1および第2の基材のうちの少なくとも一方は、触媒材料を備える、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記第1および第2の基材のうちの少なくとも一方は、触媒材料を備える、繊維、繊維のトウ、または織物である、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記配設することは、前記第1および第2の基材のうちの少なくとも一方の前記表面上にナノ構造を触媒的に形成することを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記一式の実質的に整列したナノ構造を前記接合面の上または中に配設している間、該ナノ構造は支持材料と関連付けられない、請求項36に記載の方法。
【請求項44】
前記ナノ構造の前記長軸は、前記表面に実質的に整列し、かつ垂直である、請求項36に記載の方法。
【請求項45】
接触させることの前、間、および後に、前記ナノ構造の前記整列は、実質的に維持される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記結合するステップは、前記第1と第2の基材の前記接合面との間での結合材料の追加を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項47】
前記基材は、繊維、プリプレグ、樹脂フィルム、乾燥織物、またはトウである、請求項36に記載の方法。
【請求項48】
前記基材は、繊維と、少なくとも1つのポリマー材料とを備える、プリプレグである、請求項36に記載の方法。
【請求項49】
前記基材はさらに、伝導材料、繊維、織物、またはナノ構造を備える、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記結合材料は、任意的に、伝導材料、繊維、織物、付加的なポリマー材料、またはナノ構造を備える、ポリマー材料である、請求項46に記載の方法。
【請求項51】
前記複合材料は、前記一式の実質的に整列したナノ構造が欠けている本質的に同一の複合材料と、本質的に同一の条件下で比較すると、より高い機械的強度/靱性を示す、請求項36に記載の方法。
【請求項52】
前記複合材料は、前記一式の実質的に整列したナノ構造が欠けている本質的に同一の複合材料と、本質的に同一の条件下で比較すると、より高い熱および/または電気伝導度を示す、請求項36に記載の方法。
【請求項53】
前記熱および/または電気伝導度は、異方性である、請求項36に記載の方法。
【請求項54】
配設することの後に、前記ナノ構造に1つ以上の支持材料を追加することをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項55】
前記支持材料は、モノマー、ポリマー、繊維、または金属である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記ナノ構造は、前記接合面の少なくとも10%の上または中に均一に分散される、請求項36に記載の方法。
【請求項57】
前記ナノ構造は、前記接合面の少なくとも20%の上または中に均一に分散される、請求項36に記載の方法。
【請求項58】
前記ナノ構造は、前記接合面の少なくとも30%の上または中に均一に分散される、請求項36に記載の方法。
【請求項59】
前記ナノ構造は、前記接合面の少なくとも40%の上または中に均一に分散される、請求項36に記載の方法。
【請求項60】
前記ナノ構造は、前記接合面の少なくとも50%の上または中に均一に分散される、請求項36に記載の方法。
【請求項61】
前記ナノ構造は、前記接合面の少なくとも60%の上または中に均一に分散される、請求項36に記載の方法。
【請求項62】
前記ナノ構造は、前記接合面の少なくとも70%の上または中に均一に分散される、請求項36に記載の方法。
【請求項63】
前記ナノ構造は、前記接合面の少なくとも80%の上または中に均一に分散される、請求項36に記載の方法。
【請求項64】
前記ナノ構造は、前記接合面の少なくとも90%の上または中に均一に分散される、請求項36に記載の方法。
【請求項65】
前記ナノ構造は、前記接合面の少なくとも95%の上または中に均一に分散される、請求項36に記載の方法。
【請求項66】
前記ナノ構造は、前記接合面の実質的大部分の上または中に均一に分散される、請求項36に記載の方法。
【請求項67】
前記ナノ構造は、75nm以下の平均直径を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項68】
前記ナノ構造は、50nm以下の平均直径を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項69】
前記ナノ構造は、25nm以下の平均直径を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項70】
前記ナノ構造は、10nm以下の平均直径を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項71】
複合品を形成する方法であって、
第1および第2の基材を提供することであって、該基材の各々は接合面を有する、ことと、
一式の実質的に整列したナノ構造を、該第1および第2の基材のうちの少なくとも一方の該接合面の上または中に配設することにより、該ナノ構造が該接合面の少なくとも10%の上または中に均一に分散されることであって、該配設することは、実質的に平面の表面から非平面の平面への該ナノ構造の移動を含む、ことと、
該第1と第2の基材とをそれらのそれぞれの接合面を介して相互に結合することにより該基材の界面を形成することであって、該界面は該一式の実質的に整列したナノ構造を備える、ことと
を含む、方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図20E】
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【図20F】
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【図21A−21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図27A】
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【図27B】
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【図27C】
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【図27D】
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【図28A】
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【図28B】
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【図28C】
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【図29】
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【図30A】
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【図30B】
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【図30C】
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【図30D】
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【図31A】
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【図31B】
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【図32A】
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【図32B】
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【図32C】
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【図33A】
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【図33B】
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【図33C】
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【図34A】
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【図34B】
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【図35】
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【図36】
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【図37A】
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【図37B】
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【公表番号】特表2010−536706(P2010−536706A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521889(P2010−521889)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/009996
【国際公開番号】WO2009/029218
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(596060697)マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー (233)
【Fターム(参考)】