説明

ナビゲーション装置

【課題】ナビゲーション装置は、現況交通情報を用いる区間と、統計交通情報を用いる区間とを適切に使い分けて旅行時間を算出する。
【解決手段】ナビゲーション装置は、たとえば平日や休日の別を表す日種を特定し(S502)、その日種の統計交通情報と現況交通情報とを収集し、それらの分散V_sおよびV_rをリンク毎に時刻の関数として特定する(S509、S510)。分散V_sおよびV_rが一致する時刻T_thを閾値として(S511、S512)、現況交通情報を用いる区間と、統計交通情報を用いる区間とを適切に使い分けて旅行時間を算出する(S513、S514)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、統計交通情報を用いた経路探索を実行するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置の中には、交通情報に基づき、渋滞を考慮した経路探索演算および所要時間算出を実行するものがある。しかし、交通情報取得時点から時間が経過するにつれて、渋滞状況は変化するため、精度が劣化する時間Tsh経過後は、過去に収集した統計交通データに基づき、推奨経路を精度よく探索する技術が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されている発明によると、Tshは情報センターのデータ処理装置が、リアルタイムに現況の交通情報と予測交通情報および過去の統計交通情報とから算出し、常に最新のTshをナビゲーション装置に送信する。ナビゲーション装置は、こうして取得したTshに基づいて、必要な区間の現況交通情報および予測交通情報を情報センターのデータ処理装置に要求して取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−192727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている発明によると、Tshを算出する際に用いる過去の統計交通データには互いに異なる休日および平日の交通特性を区別なく含むため、Tshの精度が必ずしも高くはないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)請求項1に記載のナビゲーション装置は、移動体の出発地から目的地までの経路を探索する探索手段と、統計交通情報を記憶する記憶手段と、現況交通情報および現況交通情報の信頼性に関する指標関数データを取得する取得手段と、統計交通情報に基づいて、経路に含まれる複数のリンクの各々に対するリンク旅行時間データと、統計交通情報の信頼性に関する指標データとを記憶手段より読み出す読み出し手段と、複数のリンクの各々について、指標関数データと、移動体の出発時刻と、移動体が当該リンクを走行する走行予定時刻とに基づいて得られる現況交通情報の第1信頼性指標値、および指標データに基づいて得られる統計交通情報の第2信頼性指標値を比較する比較手段と、第1信頼性指標値が第2信頼性指標値を下回るまでは、出発地からの複数のリンクの各々に対するリンク旅行時間データを現況交通情報に基づいて算出し、第1信頼性指標値が第2信頼性指標値を下回った後は、複数のリンクの各々に対するリンク旅行時間データを統計交通情報に基づいて算出することにより、経路に含まれる全てのリンクに対する全リンク旅行時間データを算出し、全リンク旅行時間データと、移動体の出発時刻とに基づいて移動体の目的地到着推定時刻を算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2に記載の移動体の出発地から目的地までの経路を探索する探索手段と、統計交通情報を記憶する記憶手段と、現況交通情報および現況交通情報の信頼性に関する指標関数データを取得する取得手段と、統計交通情報に基づいて、経路に含まれる複数のリンクの各々に対するリンク旅行時間データと、統計交通情報の信頼性に関する指標データとを記憶手段より読み出す読み出し手段と、複数のリンクの各々について、指標関数データと、移動体の出発時刻と、移動体が当該リンクを走行する走行予定時刻とに基づいて得られる現況交通情報の第1信頼性指標値、および指標データに基づいて得られる統計交通情報の第2信頼性指標値を比較する比較手段と、第1信頼性指標値が第2信頼性指標値を下回るまでは、出発地からの複数のリンクの各々に対するリンク旅行時間データを現況交通情報に基づいて算出し、第1信頼性指標値が第2信頼性指標値を下回った後は、複数のリンクの各々に対するリンク旅行時間データを統計交通情報に基づいて算出する算出手段とを備え、探索手段は、算出手段により算出されたリンク旅行時間データに基づいて経路を探索することを特徴とするナビゲーション装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、現況交通情報を用いる区間と、統計交通情報を用いる区間とを適切に使い分けて旅行時間を算出する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態のナビゲーション装置の構成を例示する図。
【図2】補助記憶装置に記憶されている統計交通情報の管理を例示した図。
【図3】補助記憶装置に記憶されている日種登録テーブルを例示した図。
【図4】一つのリンクにおける過去の統計交通情報の誤差(分散)、および現況交通情報の誤差(分散)の時刻との関係の一例を示すグラフ。
【図5】目的地到着推定時刻算出処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1〜図5を参照して、本発明によるナビゲーション装置を車両に搭載した一実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態のナビゲーション装置100の構成を例示する図である。
【0010】
CPU110はナビゲーション装置100全体を制御する演算処理装置であり、CPU110およびその周辺装置は互いにバスで接続されている。周辺装置は、主記憶装置115、補助記憶装置140、ディスプレイモジュール150、および通信モジュール160を含む。主記憶装置115は、CPU110の作業エリアであるワークメモリや制御プログラムが格納されているプログラムメモリを有する。
【0011】
CPU110においては、現在地検出装置120およびユーザ入力装置130からの信号が入力される。現在地検出装置120は、たとえば、GPSセンサ、ジャイロセンサ、および車速センサである。GPSセンサからの入力データには時刻データが含まれ、CPU110は、その時刻データに基づいて時刻補正を行う時計機能(CPU内蔵時計)およびカレンダー機能を有している。ユーザ入力装置130は、たとえば、タッチパネル、パネル周辺の押ボタン式スイッチ、リモコン、およびジョイスティックである。
【0012】
補助記憶装置140は、ナビゲーション処理に使用する道路地図データやPOI(Point Of Interest:観光地や各種施設)情報を格納する記憶装置である。補助記憶装置140としては、たとえば、ハードディスクドライブのほか、道路地図データが格納されたCDやDVD、フラッシュメモリ、その他の記録媒体、およびその読み出し装置であっても良い。
【0013】
道路地図データは、地図に関する情報であり、地図表示用データ、経路探索用データ、誘導データを含む。地図表示用データは道路や道路地図の背景を表示するためのデータである。経路探索用データは、道路形状とは直接関係しない分岐情報を含むデータであり、主に推奨経路を演算(経路探索)する際に用いられる。誘導データは、交差点名称・道路名称・方面名称・方向ガイド施設情報を含むデータであり、演算された推奨経路に基づきユーザを経路誘導する際に用いられる。
【0014】
道路地図データにおいては、一本の道路は、交差点などをノードとして定義し、ノード間をリンクとして定義することによって、リンク列データとして表される。したがって、リンク列データは、ノードデータおよびリンクデータから構成される。道路地図データは、ノードデータとリンクデータとが、メッシュコードとともにメッシュ領域単位で分類して格納されている。メッシュ領域とは、道路地図を所定範囲毎に区分けしたときの区分けされた各領域をいう。メッシュコードの記憶領域には、メッシュ領域を識別する番号が格納されている。リンク列データの記憶領域には、ノードの位置座標と、ノード間のリンクを表すリンク番号と、リンクをさらに短く分割する補間点の位置座標とが格納されている。これらの位置座標が地図表示やロケータ処理の形状データとして用いられる。
【0015】
補助記憶装置140は、統計交通情報および暦日と日種とを対応付ける日種登録テーブルを格納する。統計交通情報、日種および日種登録テーブルについては、図2および図3の説明において後述する。ディスプレイモジュール150は、CPU110から出力される文字や図形を含む画像データを画面表示する。通信モジュール160は、アンテナを介した要求信号に基づいて道路交通情報配信センターからの情報を受信するために用いられる。
【0016】
図2は、補助記憶装置140に記憶されている統計交通情報の管理を例示した図である。上述したように、統計交通情報は、メッシュコード単位で管理されている。メッシュコード#x_1に対する統計交通情報は階層構造を形成しており、日種で大きく分類されて格納されている。日種は暦日の属性を示しており、たとえば、平日(一般)、平日(休前日)、休日(連休初日)、休日(連休中日)、休日(連休最終日)という5種類である。日種毎に交通状況の特徴が異なっているため、統計交通情報を日種毎に管理する。
【0017】
日種の次の階層として、メッシュコード#x_1で表されるメッシュ領域に含まれるリンクのリンク番号別に統計情報が格納されている。たとえば、リンク番号#y_1に対して格納されている統計交通情報は、さらに次の階層では時間別に格納されている。その中の1つである0:00から1:00までの時間に対する統計交通情報は、図2に示す例では、旅行時間257秒かつ渋滞レベル1という情報である。それは、メッシュコード#x_1において、リンク番号#y_1で表されるリンクを走行するのに要する時間は、午前0:00から1:00までの時間帯であれば257秒であり、走行の際の渋滞状況はレベル1であることを意味する。
【0018】
図3は、補助記憶装置140に記憶されている日種登録テーブルを例示した図である。上述したように、日種登録テーブルは、暦日と日種とを対応付ける。図3は、2008年7月21日(月)が祝日である場合の7月17日(木)からの5日間の日種を例示する。具体的には、2008年7月17日(木)は「平日(一般)」、18日(金)は「平日(休前日)」、19日(土)は「休日(連休初日)」、20日(日)は「休日(連休中日)」、21日(月)は「休日(連休最終日)」というように対応付けられる。
【0019】
図4は、一つのリンクにおける過去の統計交通情報の誤差(分散)V_s、および現況交通情報の誤差(分散)V_r(T)の時刻との関係の一例を示すグラフである。現況交通情報は、統計交通情報と比較して、車両の現在地付近のリンクにおいては誤差(分散)Vが小さく、現在地から遠いリンクにおいては誤差(分散)Vが大きい。なぜならば、一般に、出発時刻から所定時間を経過した時刻T経過後に車両が走行する地点は、出発時刻に取得した現況交通情報が陳腐化し、交通状況は出発時刻とは異なっているからである。
【0020】
したがって、現況交通情報は、出発時刻からの経過時間が長くなると、信頼性が劣化する。一方、統計交通情報は、経過時間に関わらないため、信頼性が経過時間に依存せずに一定を保つ。したがって、現況交通情報と統計交通情報とについて、経過時間に応じて信頼性の高い方の交通情報を選択して目的地到着推定時刻を算出する。信頼性を表す指標として、上述した誤差(分散)を用いる。
【0021】
図4において、現況交通情報および統計交通情報の誤差Vが一致する時刻閾値TをT_thとする。ナビゲーション装置100における交通状況を考慮した経路探索処理に際しては、本リンクに関しては、現況交通情報の取得の時点から所定時間経過後の時刻閾値T_th以前に走行する場合は、現況交通情報を用いるのが好ましい。
【0022】
上述したように、統計交通情報の誤差(分散)V_sおよび現況交通情報の誤差(分散)V_r(T)はリンク毎に算出される。また、上述したように、日種毎に交通状況の特徴が異なるため、リンク毎に算出される分散V_sおよびV_r(T)は、さらに日種毎に算出される。そして、図4に示したように、現況交通情報の分散V_r(T)は時刻に応じても変化する分散関数である。
【0023】
統計交通情報について、たとえば日種が平日(一般)の場合におけるリンク#iのリンク旅行時間tについてt,...,tのn個のデータが存在するとした場合、それらの平均値をtとすると、リンク旅行時間tの分散Vsiは、式(1)により定義される。
【数1】

(1)
【0024】
式(1)のようにして定義されるリンク#iのリンク旅行時間tについての分散Vsiは、日種に応じた統計交通情報データとして予め演算されて記憶されている。したがって、リンク旅行時間を読み出す際に同時に読み出され、それらが統計交通情報におけるリンク旅行時間の分散V_sである。図4において、分散V_sは日種に応じて上下に変化する。
【0025】
現況交通情報におけるリンク旅行時間の分散関数V_r(T)も同様にして定義される。分散関数V_r(T)は、通信モジュール160を介して道路交通情報配信センターから受信する現況交通情報と共に、または現況交通情報に続いて受信することによって取得する。取得した分散関数V_r(T)に基づき、時刻Tに応じた分散を算出することができる。
【0026】
以上のようにして取得した分散V_sおよびV_r(T)に基づいて、図4に示す交点の時刻閾値T_thを算出することができる。ナビゲーション装置100は、現況交通情報を用いて出発地から目的地までの経路探索を開始するが、出発地から経路上の所定リンクまでのリンク旅行時間の総和を出発時刻に加えて得られる時刻が時刻閾値T_thを越えたら、それ以降の経路探索は、統計交通情報を用いてリンク旅行時間を算出する。このようにして、目的地まで最短時間で到達する経路を探索し、目的地到着推定時刻を算出してディスプレイモジュール150のパネルに画面表示する。
【0027】
図5は、ナビゲーション装置100のCPU110が実行する目的地到着推定時刻算出処理手順を示すフローチャートである。
【0028】
ステップS501では、CPU内蔵時計およびカレンダーを参照することによって、またはGPSセンサから現在地検出装置120が受信したGPS信号に含まれる時刻データに基づいて現在日時を取得する。ステップS502では、取得した現在日時に対応する日種を特定する。ステップS503では、現在地検出装置120を用いてナビゲーション装置100を搭載した車両の現在地を検出する。ステップS504では、ユーザ入力装置130からの経路探索指示入力があったか否かを判定する。否定判定であれば、肯定判定に転じるまで本判定を繰り返す。肯定判定であれば、ステップS505にて経路探索演算を実行する。
【0029】
ステップS506では、探索された複数の経路に経路番号を付与してソートする(j=1,2,...,m)。以下、ステップS507からステップS517、ステップS518、およびステップS519に至る一連の手順を、j=1からmに至るまで繰り返す。
【0030】
ステップS507においては、探索経路#jを構成するリンクを走行順にソートする(i=1,2,...,n)。以下、ステップS508からステップS515およびステップS516に至る一連の手順を、i=1からnに至るまで繰り返す。
【0031】
ステップS508においては、リンク#iに入る予定時刻Tjiを主記憶装置115に算出する。ステップS509では、リンク#iの統計交通情報を補助記憶装置140より読み出し、その分散V_sを算出する。算出の際に用いる母集団は、ステップS502にて特定された日種の統計交通情報である。ステップS510では、リンク#iの現況交通情報と、時刻に対するその分散関数V_r(T)とを道路交通情報配信センターより取得する。算出の際に用いる母集団は、ステップS502にて特定された日種の現況交通情報である。以上により、図4に示すグラフが得られるため、ステップS511にて、時刻閾値T_thを算出できる。
【0032】
ステップS512において、Tji≦T_thを判定する。肯定判定であれば、ステップS513にて時刻Tjiにおけるリンク#i旅行時間tjiを現況交通情報に基づいて演算し、Tji+tjiを新たなTjiとする。否定判定であれば、ステップS514にて時刻Tjiにおけるリンク#i旅行時間tjiを統計交通情報に基づいて演算し、Tji+tjiを新たなTjiとする。ステップS513またはステップS514完了後、処理をステップS515へ進める。
【0033】
ステップS515においては、探索経路#jを構成する全てのリンクにおける旅行時間を演算したか否かを判定する。否定判定であれば、ステップS516にて、iをi+1にインクリメントし、処理をステップS508へ戻す。肯定判定であれば、ステップS517にて、探索経路#jによる目的地到着推定時刻T_jを算出する。ステップS518において、全ての探索経路に関して、目的地到着推定時刻T_jを算出したか否かを判定し、否定判定であれば、ステップS519において、jをj+1にインクリメントし、処理をステップS507へ戻す。肯定判定であれば、本処理手順は終了する。こうして得られたm通りの経路に対する目的地到着推定時刻T_1,T_2,...,T_mを相互比較することにより、最も早い到着時刻となる最短経路を選択することができる。
【0034】
上述の図4において算出した各リンクにおける旅行時間tjiを各リンクのコストとして、ダイクストラ法に基づく経路探索演算を再実行することによって、最短経路を特定しても良い。たとえば、探索経路#jに含まれるリンク#iの旅行時間tjiの算出をi=1,2,...,nについて順に行う際に、図5のステップS512における判定が肯定判定から否定判定に転じたのがリンク#k(ただし、kは1≦k≦nを満たす整数)であるとする。現在地からリンク#kまでの距離と同程度の距離の範囲にあるリンクのコストを現況交通情報に基づくコストとし、他のリンクのコストを統計交通情報に基づくコストとして、現在地から目的地までの経路探索を行うこととしても良い。
【0035】
以上で説明した実施の形態のナビゲーション装置100は、統計交通情報および現況交通情報の分散を日種に応じて算出するように構成した。したがって、現況交通情報を用いる区間と、統計交通情報を用いる区間とを適切に使い分けて旅行時間を算出することができるという作用効果を奏する。
【0036】
−−−変形例−−−
以上で説明した実施の形態のナビゲーション装置100を、次のように変形することもできる。
(1) 上述の図4においては、ナビゲーション装置100が、統計交通情報を記憶し、時刻閾値T_thを算出することとしたが、道路交通情報配信センターが統計交通情報を記憶し、時刻閾値T_thを算出しても良い。
【0037】
(2) 上述の本実施の形態および変形例の説明では、本発明をナビゲーション装置100に適用した実施の形態を説明したが、PND(Personal Navigation Device)、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機、ポータブルパソコン、ポータブルゲーム機に本発明を適用しても良い。
【0038】
上述した各実施の形態および各変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。また、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における機器構成に何ら限定されない。
【符号の説明】
【0039】
100 ナビゲーション装置 110 CPU
115 主記憶装置 120 現在地検出装置
130 ユーザ入力装置 140 補助記憶装置
150 ディスプレイモジュール 160 通信モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の出発地から目的地までの経路を探索する探索手段と、
暦日の属性に応じた統計交通情報を記憶する記憶手段と、
現況交通情報および前記現況交通情報の信頼性に関する指標関数データを取得する取得手段と、
前記統計交通情報に基づいて、前記経路に含まれる複数のリンクの各々に対するリンク旅行時間データと、前記統計交通情報の、暦日の属性に応じた信頼性に関する指標データとを前記記憶手段より読み出す読み出し手段と、
前記複数のリンクの各々について、前記指標関数データと、前記移動体の出発時刻と、前記移動体が当該リンクを走行する走行予定時刻とに基づいて得られる前記現況交通情報の第1信頼性指標値、および前記移動体の移動日と前記指標データとに基づいて得られる前記統計交通情報の第2信頼性指標値を比較する比較手段と、
前記第1信頼性指標値が前記第2信頼性指標値を下回らないときは、出発地からの前記複数のリンクの各々に対する前記リンク旅行時間データを前記現況交通情報に基づいて算出し、前記第1信頼性指標値が前記第2信頼性指標値を下回るときは、前記複数のリンクの各々に対する前記リンク旅行時間データを前記統計交通情報に基づいて算出することにより、前記経路に含まれる全てのリンクに対する全リンク旅行時間データを算出し、前記全リンク旅行時間データと、前記移動体の出発時刻とに基づいて前記移動体の目的地到着推定時刻を算出する算出手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
移動体の出発地から目的地までの経路を探索する探索手段と、
暦日の属性に応じた統計交通情報を記憶する記憶手段と、
現況交通情報および前記現況交通情報の信頼性に関する指標関数データを取得する取得手段と、
前記統計交通情報に基づいて、前記経路に含まれる複数のリンクの各々に対するリンク旅行時間データと、前記統計交通情報の、暦日の属性に応じた信頼性に関する指標データとを前記記憶手段より読み出す読み出し手段と、
前記複数のリンクの各々について、前記指標関数データと、前記移動体の出発時刻と、前記移動体が当該リンクを走行する走行予定時刻とに基づいて得られる前記現況交通情報の第1信頼性指標値、および前記移動体の移動日と、前記指標データとに基づいて得られる前記統計交通情報の第2信頼性指標値を比較する比較手段と、
前記第1信頼性指標値が前記第2信頼性指標値を下回るリンクのうち、前記第1信頼性指標値が前記第2信頼性指標値を下回るリンクと隣接する境界リンクを特定する特定手段とを備え、
前記探索手段は、前記出発地から前記境界リンクまでの距離と略等しい距離の範囲に含まれるリンクに対しては、前記現況交通情報に基づくリンク旅行時間データを用い、前記範囲に含まれないリンクに対しては、前記統計交通情報に基づくリンク旅行時間データを用いて前記経路を探索することを特徴とするナビゲーション装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−174792(P2011−174792A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38529(P2010−38529)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】