ナンバー読取装置
【課題】赤外光を吸収または反射する不正プレートの装着の有無に関わらずナンバーの読み取りが可能なナンバー読取装置を提供する。
【解決手段】車両のナンバープレートを含む撮影画像として、赤外光による赤外画像または可視光による可視画像を入力する画像入力部1と、ナンバープレート部分の明るさとして昼夜判定を行う昼夜判定部4と、赤外画像と可視画像の少なくとも一方からナンバープレートの文字情報を認識するナンバー読取部3と、昼夜判定部4の判定結果に基づき、昼間の場合は可視画像によるナンバー読取結果を用いて、ナンバー読取部3におけるナンバー読取結果を判定する読取結果判定部5と、ナンバープレートの情報を含むナンバー読取結果を出力する読取結果出力部6とを備える。
【解決手段】車両のナンバープレートを含む撮影画像として、赤外光による赤外画像または可視光による可視画像を入力する画像入力部1と、ナンバープレート部分の明るさとして昼夜判定を行う昼夜判定部4と、赤外画像と可視画像の少なくとも一方からナンバープレートの文字情報を認識するナンバー読取部3と、昼夜判定部4の判定結果に基づき、昼間の場合は可視画像によるナンバー読取結果を用いて、ナンバー読取部3におけるナンバー読取結果を判定する読取結果判定部5と、ナンバープレートの情報を含むナンバー読取結果を出力する読取結果出力部6とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のナンバープレートを撮影し、ナンバーの読み取りを行うナンバー読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラで撮影した車両のナンバーを読み取るナンバー読取装置が広く利用されている(例えば、特許文献1参照)。その用途は、道路を走行している車両情報の取得を目的とするものから、駐車場における車両管理などに至るまで、多岐にわたる。
【0003】
図13は、従来のナンバー読取装置の構成例を示すブロック図である。ナンバー読取装置200は、主に、画像入力部201、画像格納部202、ナンバー読取部203、読取結果出力部204、照明部205、を有して構成される。
【0004】
画像入力部201は、カメラ等で構成され、車両のナンバープレート部分を撮影した画像を入力する。画像格納部202は、画像入力部201で撮影された画像を保存する。ナンバー読取部203は、公知の画像処理技術、画像認識技術を用いて、撮影されたナンバープレートから、その数字等の文字情報の読み取りを行う。読取結果出力部204は、読み取りを行ったナンバープレートの文字情報を出力する。照明部205は、撮影を行う際に必要な照明を行う。従来のナンバー読取装置では、特に、夜間でも条件が変わらずに撮影が可能であること、車両の運転者に影響を及ばせないこと、などの理由から、赤外光を照射して撮影を行い、ナンバーの読み取りを行う方式が一般的に採用されている。
【0005】
このような従来のナンバー読取装置では、照明部205により撮影対象の車両に照明光として赤外光を照射し、画像入力部201により撮影対象の車両に関する赤外画像を撮影して入力し、画像格納部202に保存する。そして、ナンバー読取部203において、入力された赤外画像について、ナンバープレートの検出及びナンバーの文字認識を行う。その後、読取結果出力部204によりナンバーの読取結果を出力する。このような手順によってナンバープレートの読み取りが行われる。
【特許文献1】特開平11−339176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、近年、赤外光を吸収または反射する透明樹脂製プレートをナンバープレート上に装着し、このような不正プレートによって赤外光によるナンバープレートの撮影を妨害する車両がある。不正プレートを装着した車両は、赤外光を照射して撮影を行ってもナンバープレート全体が黒または白になった状態の画像となるため、ナンバーの読み取りが不可能である。
【0007】
そこで、不正プレートの有無に関わらずナンバーの読み取りを可能とすることが望まれている。また、不正プレート使用の検出のためには、不正プレートの判別とともにナンバー読み取りを行えることが望まれる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、赤外光を吸収または反射する不正プレートの装着の有無に関わらずナンバーの読み取りが可能なナンバー読取装置を提供することを目的とする。また、本発明は、不正プレートの装着を検出することが可能なナンバー読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のナンバー読取装置は、車両のナンバープレートを含む領域を撮影した撮影画像として、赤外光による赤外画像と可視光による可視画像とを入力可能な画像入力部と、前記赤外光の照明光を照射する照明部と、前記ナンバープレート部分の明るさより昼夜を判定する昼夜判定部と、前記赤外画像と前記可視画像の少なくとも一方からナンバープレートの文字情報を認識するナンバー読取部と、前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果を判定する読取結果判定部と、前記ナンバープレートの情報を含むナンバー読取結果を出力する読取結果出力部とを備え、前記読取結果判定部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は前記ナンバー読取部における可視画像によるナンバー読取結果を用いるものである。
これにより、赤外光を吸収または反射する不正プレートの装着の有無に関わらず、車両のナンバープレートを検出し、そのナンバープレートの情報の読み取りが可能となる。
【0010】
また、本発明は、上記のナンバー読取装置であって、前記画像入力部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は可視画像を入力し、前記ナンバープレート部分が所定条件より暗くなって夜間と判定された場合は赤外画像を入力するものを含む。
これにより、ナンバープレート部分の明るさの判定結果に応じて可視画像または赤外画像を用いてナンバープレートの情報を読み取ることが可能となる。
【0011】
また、本発明は、上記のナンバー読取装置であって、前記画像入力部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は可視画像及び赤外画像を入力し、前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果に基づき、前記赤外画像によるナンバーの読み取りが不可で、前記可視画像においてのみナンバーの読み取りが可能であった場合に、不正プレートとして検出する不正プレート検出部を備えるものを含む。
これにより、可視画像によるナンバー読取結果を用いて、不正プレートの装着を検出することが可能となる。また、不正プレート装着車両であっても、可視画像を用いてナンバープレートの情報を適切に読み取ることが可能となる。
【0012】
また、本発明は、上記のナンバー読取装置であって、前記画像入力部における撮像光学系のフォーカス調整を行うフォーカス調整部を備え、前記フォーカス調整部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は可視光に合わせたフォーカス調整を行い、前記ナンバープレート部分が所定条件より暗くなって夜間と判定された場合は赤外光に合わせたフォーカス調整を行うものを含む。
これにより、赤外画像と可視画像とを切り替えた場合でも、可視画像と赤外画像のそれぞれにおいて、適切なフォーカス調整を行って精度良くナンバープレートの読み取りを行うことが可能となる。
【0013】
また、本発明は、上記のナンバー読取装置であって、前記読取結果判定部は、前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果に基づき、N以上(Nは1以上の整数)のナンバー読取結果における読取率が所定値以下の場合に、前記フォーカス調整部により前記撮像光学系のフォーカスの微調整を行わせるものを含む。
これにより、フォーカスの微調整によってフォーカス調整不足による読み取り精度の低下を防ぐことが可能となる。
【0014】
また、本発明は、上記のナンバー読取装置であって、前記画像入力部の撮像光学系において可視光帯域を遮断または赤外光帯域のみを透過するフィルタを着脱するフィルタ着脱部を備え、前記フィルタ着脱部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は前記フィルタを外し、前記ナンバープレート部分が所定条件より暗くなって夜間と判定された場合は前記フィルタを挿入するものを含む。
これにより、赤外画像において適切に可視光帯域を遮断し、精度良くナンバープレートの読み取りを行うことが可能となる。
【0015】
また、本発明は、上記のナンバー読取装置であって、前記照明部は、赤外光の照明光と可視光の照明光とを照射可能であり、前記読取結果判定部は、前記昼夜判定部の判定結果と前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果とに基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より暗くなって夜間と判定された場合であって前記赤外画像によるナンバーの読み取りが不可の場合に、前記照明部より可視光を照射させて前記画像入力部により可視画像を入力し、前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果に基づき、前記可視画像においてのみナンバーの読み取りが可能であった場合に、不正プレートとして検出する不正プレート検出部を備えるものを含む。
これにより、ナンバープレート部分が所定条件より暗くなって夜間と判定された場合に、赤外画像によるナンバーの読み取りが不可のときは可視光の照明光を用いて可視画像を取得し、不正プレートの検出及びそのナンバープレートの情報の読み取りを行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、赤外光を吸収または反射する不正プレートの装着の有無に関わらずナンバーの読み取りが可能なナンバー読取装置を提供できる。また、不正プレートの装着を検出することが可能なナンバー読取装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本実施形態では、一例として道路上を走行する車両のナンバープレートを撮影してナンバーの文字情報を読み取るナンバー読取装置の構成例を示す。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るナンバー読取装置の構成を示すブロック図である。第1の実施形態のナンバー読取装置100は、主要な構成要素として、画像入力部1、画像格納部2、ナンバー読取部3、昼夜判定部4、読取結果判定部5、読取結果出力部6、照明部7を有して構成される。
【0019】
画像入力部1は、撮像光学系、撮像素子等を有するカメラ等で構成され、車両のナンバープレート部分を撮影した画像を入力する。この画像入力部1は、可視画像の撮影と赤外画像の撮影とが可能なものであり、例えば可視画像撮影用のカメラと赤外画像撮影用のカメラの2つを備えて可視画像と赤外画像を同時に撮影可能なものでもよいし、1つのカメラにおいて動作を切り替えて可視画像と赤外画像の両方の撮影を行えるものであってもよい。
【0020】
画像格納部2は、半導体メモリ、あるいは磁気記録媒体等の情報記録手段を有して構成され、画像入力部1で撮影し入力された画像を保存する。ナンバー読取部3は、公知の画像処理技術、画像認識技術を用いて、入力された画像を処理し、ナンバープレートを検出してその数字等の文字情報の認識を行う。なお、数字や文字の読み取りは、公知のOCR(Optical Character Reader:光学式文字読取装置)の技術を利用すればよい。
【0021】
昼夜判定部4は、画像入力部1より入力した画像の輝度情報に基づいて、ナンバープレート部分の明るさを判定し、昼夜の判定を行う。この昼夜判定の方法について説明する。ナンバー読取部3は、ナンバープレート部分に対して明るさの中心値Lpと許容幅Lwを予め保持している。そして、ナンバープレート部分の明るさがLp±Lwの範囲内となるように画像入力部1の撮像光学系の露出条件(絞り)を制御する。昼間から夜間へと変化し、ナンバープレート部分の明るさが撮像光学系の露出条件を変化させても(絞りを開放しても)前記範囲を下回った場合、昼夜判定部4は夜間と判定して照明部7を発光開始する。次に、夜間から昼間へと変化し、ナンバープレート部分の明るさが前記範囲を上回った場合、昼夜判定部4は昼間と判定して照明部7を発光停止する。
【0022】
この昼夜判定部4による昼夜判定は、撮影環境により撮影対象の車両のナンバープレート部分が所定条件より明るいかどうか、すなわち可視光による撮影が可能かどうかの判定結果として用いられる。なお、昼夜判定部4は、前記輝度情報と時刻情報とに基づいて判定したり、時刻情報のみで判定したり、あるいは、照度検出手段を備えて周囲の明るさを示す照度情報を用いて昼夜の判定を行う構成としてもよい。
【0023】
読取結果判定部5は、ナンバー読取部3によるナンバー読取結果と昼夜判定部4による昼夜判定結果とを用いて、昼間と夜間のそれぞれの条件においてナンバー読取結果を確定する。読取結果出力部6は、ナンバー読取結果として、ナンバープレート情報の読み取りの可否、読み取りを行ったナンバープレートの文字情報などを出力する。ナンバープレートの情報は、ディスプレイなどの表示装置、管理を行うセンタ装置などに送られる。照明部7は、ナンバープレートの撮影、認識に必要な照明光を発光する。この実施形態では、撮影対象の車両に対して赤外光を照射する。撮影用の赤外光としては、例えば中心波長が850nmの近赤外光を用いる。
【0024】
前記画像格納部2、ナンバー読取部3、読取結果出力部6、昼夜判定部4は、プロセッサ及びメモリを含むコンピュータ等の情報処理回路により所定のプログラムを実行することによって各機能が実現される。
【0025】
次に、上記構成のナンバー読取装置の動作について説明する。図2は、第1の実施形態におけるナンバー読み取り動作手順を示すフローチャートである。
【0026】
ナンバー読取装置100の昼夜判定部4は、撮影画像の輝度情報などに基づき、現時点が昼か夜かの判定を行う(ステップS101)。現時点が、昼間であると判定された場合(ステップS102のYes)、周囲が明るく可視光による撮影が可能と判断できるため、照明部7は赤外光の照射を行わず、画像入力部1は可視光による撮影を行って撮影対象の車両のナンバープレートを含む可視画像を入力し、画像格納部2に可視画像を保存する(ステップS103)。そして、ナンバー読取部3は、画像格納部2に保存された可視画像について、ナンバープレートの検出及び文字の認識を行う(ステップS104)。読取結果判定部5は、可視画像によるナンバー読取結果を登録し(ステップS105)、読取結果出力部6は、このナンバー読取結果を出力する(ステップS106)。
【0027】
一方、現時点が夜間であると判定された場合(ステップS102のNo)、照明部7によって撮影対象の車両に対して赤外光の照射を行い、画像入力部1は赤外光による撮影を行って撮影対象の車両のナンバープレートを含む赤外画像を入力し、画像格納部2に赤外画像を保存する(ステップS107)。そして、ナンバー読取部3は、画像格納部2に保存された赤外画像について、ナンバープレートの検出及び文字の認識を行う(ステップS108)。読取結果判定部5は、赤外画像によるナンバー読取結果を登録し(ステップS109)、読取結果出力部6は、このナンバー読取結果を出力する(ステップS106)。
【0028】
なお、読取結果判定部5は、可視画像や赤外画像によってナンバー読み取りが正常に行えなかった場合は、ステップS105やステップS109においてナンバー読取結果が不可として登録する。ナンバー読取結果が不可の場合は、ナンバープレート自体が装着されていなかったり汚れなどでナンバープレートの文字が不鮮明であるなどの理由で、昼間または夜間においてナンバーの文字認識処理にエラーが生じた場合などが考えられる。
【0029】
このように、第1の実施形態によれば、可視光下で撮影を行うことにより、赤外光による撮影では読み取りが行えない不正プレートの装着車両であっても、ナンバープレートを検出してその文字等の情報を適切に読み取ることが可能となる。
【0030】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係るナンバー読取装置の構成を示すブロック図である。第2の実施形態のナンバー読取装置110は、図1に示した第1の実施形態に加えて、不正プレート検出部8を備えている。第2の実施形態では、画像入力部1は、可視画像撮影用のカメラと赤外画像撮影用のカメラの2つを備えて可視画像と赤外画像を同時に撮影可能なものを想定している。なお、ここでは第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0031】
不正プレート検出部8は、ナンバー読取部3によるナンバー読取結果に基づいて、赤外光を吸収または反射するカバーによる不正プレートが装着された車両の検出を行う。具体的には、赤外画像においてナンバープレートの検出及び文字認識ができた場合は不正プレート装着車両ではないと判断し、可視画像においてのみナンバープレートの検出及び文字認識ができた場合は、不正プレート装着車両であると判断する。
【0032】
次に、上記構成のナンバー読取装置の動作について説明する。図4は、第2の実施形態におけるナンバー読み取り動作手順を示すフローチャートである。
【0033】
ナンバー読取装置110の昼夜判定部4は、撮影画像の輝度情報などに基づき、現時点が昼か夜かの判定を行う(ステップS201)。現時点が、昼間であると判定された場合(ステップS202のYes)、周囲が明るく可視光による撮影が可能と判断できるため、ステップS203に進む。ステップS203では、画像入力部1は、撮影対象の車両のナンバープレートを含む読み取り用の画像として、照明部7で赤外光を照射して撮影した赤外画像と、可視光による撮影を行った可視画像との両画像を入力し、画像格納部2に保存する。そして、ナンバー読取部3は、画像格納部2に保存された赤外画像と可視画像について、それぞれナンバープレートの検出及び文字の認識を行う(ステップS204)。
【0034】
続いて、不正プレート検出部8は、ナンバー読取部3におけるナンバー読取結果に基づき、まず、赤外画像によりナンバープレートの情報の読み取りが正常に行えたか否かを判断する(ステップS205)。赤外画像によってナンバー読み取りが正常に行えなかった場合(ステップS205のNo)、不正プレート検出部8は、次に、可視画像によりナンバープレートの情報の読み取りが正常に行えたか否かを判断する(ステップS206)。
【0035】
ここで、赤外画像によってナンバー読み取りが正常に行えず、かつ、可視画像によってナンバー読み取りが可能であった場合(すなわち、可視画像のみでナンバーの読み取りが正常に行えた場合)、不正プレート検出部8は、そのナンバープレートが不正プレートであると判断し、不正プレートの検出を示す不正プレート検出フラグをセットする(ステップS207)。この不正プレート検出フラグにより、不正プレート装着車両の検出の有無が識別できる。そして、読取結果判定部5は、不正プレート検出フラグを含むナンバー読取結果を登録し(ステップS208)、読取結果出力部6は、このナンバー読取結果を出力する(ステップS209)。ここでのナンバー読取結果は、昼間において可視画像のみによってナンバー読み取りができた場合のナンバープレート情報となる。
【0036】
また、赤外画像によってナンバー読み取りが正常に行えた場合(ステップS205のYes)、または、赤外画像でも可視画像でもナンバー読み取りが正常に行えなかった場合(ステップS206のNo)は、不正プレート検出部8は、不正プレートの検出がなされなかったと判断し、不正プレート検出フラグをリセットする(ステップS210)。そして、読取結果判定部5は、不正プレート検出フラグを含むナンバー読取結果を登録し(ステップS211)、読取結果出力部6は、このナンバー読取結果を出力する(ステップS209)。
【0037】
一方、現時点が夜間であると判定された場合(ステップS202のNo)、照明部7によって撮影対象の車両に対して赤外光の照射を行い、画像入力部1は赤外光による撮影を行って撮影対象の車両のナンバープレートを含む赤外画像を入力し、画像格納部2に赤外画像を保存する(ステップS212)。そして、ナンバー読取部3は、画像格納部2に保存された赤外画像について、ナンバープレートの検出及び文字の認識を行う(ステップS213)。この場合は、不正プレート検出部8は不正プレート検出フラグをリセットし(ステップS210)、読取結果判定部5は、赤外画像によるナンバー読取結果を登録し(ステップS211)、読取結果出力部6は、このナンバー読取結果を出力する(ステップS209)。
【0038】
ここで、読取結果判定部5によるステップS211のナンバー読取結果の登録において、ナンバー読取結果が可の場合と不可の場合とがある。ナンバー読取結果が可の場合は、昼間において少なくとも赤外画像によって正常にナンバー読み取りができた場合、及び、夜間において正常にナンバー読み取りができた場合などが考えられ、読み取ったナンバープレート情報を登録する。ナンバー読取結果が不可の場合は、ナンバープレート自体が装着されていなかったり汚れなどでナンバープレートの文字が不鮮明であるなどの理由で、昼間において赤外画像と可視画像の両方でナンバーの文字認識処理にエラーが生じた場合や夜間においてナンバーの文字認識処理にエラーが生じた場合などが考えられる。
【0039】
図5は、赤外光を照射して撮影したナンバープレートの画像(赤外画像)を示す模式図である。一方、図6は、可視光下で撮影したナンバープレートの画像(可視画像)を示す模式図である。これらの赤外画像及び可視画像は、双方ともにナンバープレートの右半分に不正プレートを重ねた状態で撮影した画像を示している。
【0040】
図5に示すように、赤外光を照射して撮影した赤外画像は、不正プレートで覆われた部分が黒く撮影されるのでナンバーの読み取りが不可となる。一方、可視光下では不正プレートで覆われた部分のナンバープレート情報も透過して撮影されるので視認可能である。よって、ナンバー読取部3は、不正プレートが装着されていても撮影した可視画像からナンバープレートを検出してその文字情報を認識することが可能である。
【0041】
なお、ナンバープレートの全文字読み取りを実現するには、高解像度カメラが必要であるが、可視画像用と赤外画像用とに2台の高解像度カメラを用いる構成では高コストを要する。そこで、低コストに実現するためには、可視画像用のカメラに低解像度カメラを用いる構成が考えられる。この場合、不正プレートが装着された車両のナンバープレートの全ての文字を認識することが不可能な場合があるが、4つの大きな数字の一連番号のみを認識することは可能である。
【0042】
このように、第2の実施形態によれば、可視光下で撮影を行うことにより、赤外光による撮影では読み取りが行えない不正プレートの装着車両であっても、ナンバープレートの情報を適切に読み取ることが可能となる。また、赤外画像と可視画像によるナンバー読取結果に基づいて、不正プレートを検出でき、そのナンバー読取結果を取得することができる。
【0043】
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態に係るナンバー読取装置の構成を示すブロック図である。第3の実施形態のナンバー読取装置120は、図1に示した第1の実施形態に加えて、フォーカス調整部9、フィルタ着脱部10、読取結果判定部10を備えている。また、読取結果判定部15の機能としてフォーカス微調整機能を有している。第3の実施形態では、画像入力部1は、1つのカメラにおいて動作を切り替えて可視画像と赤外画像を撮影可能なものを想定している。なお、ここでは第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0044】
フォーカス調整部9は、昼夜判定部4の昼夜判定結果に基づいて、画像入力部1の撮像光学系のフォーカス調整を行う。赤外光を照射して行う赤外画像の撮影と、可視光下での可視画像の撮影とでは、照明光の波長が違うため、同じ光学系の構成では合焦位置が異なる。このため、一方の照明光に撮像光学系のピントを合わせると、他方の照明光の撮影画像ではピントにズレが生じる。撮影画像にピンぼけが生じると、ナンバー読取部3の読み取り精度に大きな影響を及ぼすため、画像入力部1の撮像光学系のフォーカスは適切に調整されることが好ましい。したがって、具体的には、昼間は可視光でフォーカスが合うように画像入力部1のフォーカス調整を行い、夜間は赤外光でフォーカスが合うように画像入力部1のフォーカス調整を行う。
【0045】
フィルタ着脱部10は、昼夜判定部の昼夜判定結果に基づいて、画像入力部1の撮像光学系に挿入する可視カットフィルタの着脱を行う。特に、赤外光で赤外画像の撮影を行う際には、不要な可視光の入射があるとピンぼけを生じる場合がある。そこで、ナンバー読取部3の精度を維持するため、赤外光での撮影時には、可視光がカットされることが好ましい。したがって、具体的には、昼間は可視光帯域を遮断する可視光カットフィルタを画像入力部1から脱着し、夜間は可視光カットフィルタを画像入力部1に装着する。なお、フィルタの構成は上記に限るものではなく、赤外光の帯域のみを透過する赤外透過フィルタを設け、昼間は赤外透過フィルタを脱着し、夜間は赤外透過フィルタを装着するようにしてもよい。
【0046】
また、読取結果判定部15は、ナンバー読取部3で読み取ったナンバー読取結果を判定し、画像入力部1のフォーカス調整後の読取率に応じてフォーカスの微調整が必要かどうかを判断する。具体的には、所定数N以上(Nは1以上の整数)の読取結果が得られた時点で読取結果を参照し、予め任意に設定した所定値の読取率を下回る場合、画像入力部1のフォーカス微調整が必要と判断して、フォーカス調整部9による微調整を行う。これにより、ナンバープレートの読み取り精度を向上させる。
【0047】
次に、上記構成のナンバー読取装置の動作について説明する。図8は、第3の実施形態におけるナンバー読み取り動作手順を示すフローチャートである。
【0048】
ナンバー読取装置120の昼夜判定部4は、撮影画像の輝度情報などに基づき、現時点が昼か夜かの判定を行う(ステップS301)。そして、昼間から夜間への切り替わりであるかどうかを判定する(ステップS302)。ここで、今まで昼間であり、周囲が暗くなって昼間から夜間に切り替わったと判定された場合(ステップS302のYes)、撮像部の設定を昼間用から夜間用へ切り替える必要があるため、フォーカス調整部9は、画像入力部1の撮像光学系のフォーカス調整を行い、赤外光にフォーカスが合うように設定する(ステップS303)。また、フィルタ着脱部10は、画像入力部1の撮像光学系に可視カットフィルタを装着して実装する(ステップS304)。
【0049】
一方、現時点が昼間から夜間への切り替わりではないと判定された場合(ステップS302のNo)、昼夜判定部4は、次に夜間から昼間への切り替わりであるかどうかを判定する(ステップS305)。ここで、今まで夜間であり、周囲が明るくなって夜間から昼間に切り替わったと判定された場合(ステップS305のYes)、撮像部の設定を夜間用から昼間用へ切り替える必要があるため、フォーカス調整部9は、画像入力部1の撮像光学系のフォーカス調整を行い、可視光にフォーカスが合うように設定する(ステップS306)。また、フィルタ着脱部10は、画像入力部1の撮像光学系から可視カットフィルタを脱着して取り外す(ステップS307)。
【0050】
画像入力部1は、上記手順で設定された構成で赤外光または可視光による撮影を行い、撮影対象の車両のナンバープレートを含む赤外画像または可視画像を入力し、画像格納部2に保存する(ステップS308)。そして、ナンバー読取部3は、画像格納部2に保存された赤外画像または可視画像について、ナンバープレートの検出及び文字の認識を行う(ステップS309)。
【0051】
その後、読取結果判定部15は、ナンバー読取結果の読取率に応じて、フォーカスの微調整が必要かどうかを判定する(ステップS310)。ここで、読取率が所定値を下回ってフォーカス微調整が必要と判断される場合(ステップS310のYes)、読取結果判定部10はフォーカス調整部9によって微調整を行わせる(ステップS311)。そして、読取結果判定部15はナンバー読取結果を登録し、読取結果出力部6はこのナンバー読取結果を出力する(ステップS312)。フォーカス微調整はナンバープレートに対して行われるべきであるが、移動物体に対して行うのは困難であるので、道路面に対して行ってもよい。具体的な方法としては、画像の高周波成分が最大となるようにフォーカスを制御する方法が考えられる。
【0052】
上記のフォーカス調整により、赤外画像の撮影と可視画像の撮影とで相互に撮像部の設定切り替えを行っても、ナンバー読取部3による読み取り精度を高く維持できる。また、フォーカス調整が不十分で全文字認識できないなどナンバー読取結果が良好でない状況が生じ、N台以上(Nは1以上の整数)の車両における読取率が低い場合でも、フォーカスの微調整を行うことによって、読み取り性能の低下を防止できる。
【0053】
図9は、撮影画像のフォーカス調整による変化の様子を示す模式図である。まず、図9(a)は可視光用の設定で撮影した可視画像を示し、図9(b)は可視光用の設定でそのまま赤外光を照射して撮影した赤外画像を示す。図9(a)のように可視光下でピントが合った状態から、そのままの設定で赤外画像を撮影すると、図9(b)のように撮影画像にはピンぼけが生じ、ナンバー読取部3による読取率は低下する。
【0054】
また、図9(c)は赤外光用の設定でフォーカス調整後に撮影した赤外画像を示す。図9(b)のように可視光用の設定のままでフォーカス調整を行わずに赤外光撮影においてピントが外れた状態から、図9(c)のように赤外光に適合するようにフォーカス調整を行うと、ピントが合ったシャープな撮影画像が得られる。照明光の撮影条件に合ったフォーカス調整を行うことにより、撮影のための照明光が切り替わっても、精度良くナンバー読み取りを行うことができる。
【0055】
また、図9(d)は赤外光用の設定でそのまま可視光下で撮影した可視画像を示す。図9(c)のように赤外光においてピントが合った状態から、そのままの設定で可視画像を撮影すると、図9(d)のように撮影画像には若干のピンぼけが生じる。よってこの場合は、可視光に適合するようにフォーカス調整を行うことによって、図9(a)のようにピントが合ったシャープな撮影画像が得られる。また、上述したようなフォーカスの微調整を行うことによって、ナンバー読み取りの精度をさらに向上できる。
【0056】
このように、第3の実施形態によれば、フォーカス調整やフィルタの着脱を行うことにより、1台のカメラで赤外光による撮影と可視光下での撮影とを切り替えて用いるような場合であっても、ナンバープレートを適切に検出してその文字等の情報を適切に読み取ることが可能となる。また、読取率に応じてフォーカスを微調整することにより、フォーカス調整不足による読み取り精度の低下を防ぐことが可能となる。
【0057】
(第4の実施形態)
図10は、本発明の第4の実施形態に係るナンバー読取装置の構成を示すブロック図である。第4の実施形態のナンバー読取装置130は、図3に示した第2の実施形態と比較して、照明部17の構成及び不正プレート検出部18の機能を変更したものである。なお、ここでは第2の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0058】
照明部17は、赤外光の照射と可視光の照射とを行える2つの照射手段を備えている。不正プレート検出部18は、昼間及び夜間の双方において不正プレートの検出が可能となっている。赤外画像においてナンバープレートの検出及び文字認識ができない場合には、照明部17より可視光を照射して撮影を行い、この可視画像においてナンバー読取部3によってナンバープレートの検出及び文字認識が行えた場合に、不正プレート検出部18は不正プレート装着車両であると判断する。このとき、通常は赤外光を照射して赤外画像によりナンバー読み取りを行い、ナンバー読み取りができなかった場合のみ可視光を照射してナンバープレートの検出及び文字認識を行う。
【0059】
図11は、照明部17及び画像入力部1の設置例を模式的に示す図である。図11に示すように、例えば道路脇の信号機の鉄柱などに、照明部17の赤外光照明17a及び可視光照明17bと、画像入力部1とを含む撮影部を設置する。図11(a)に示すように、通常は赤外光照明17aから赤外光として例えば波長が850nmの近赤外光を照射して画像入力部1により赤外画像を撮影し、ナンバー読み取りを行う。しかし、赤外画像によるナンバー読み取りが行えない場合、図11(b)に示すように、その後所定タイミングで可視光照明17bから例えば波長が660nm〜680nmの可視光を照射して画像入力部1により可視画像を撮影し、ナンバー読み取りを行う。このとき、不正プレート検出部18は、可視画像でのみナンバー読み取りが可能であった場合に、不正プレートとして検出することができる。これにより、夜間の場合や昼間でも周囲が暗い環境の場合などにおいても、不正プレートの検出が可能になる。なお、これらの照明は夜間、連続して発光してもよいのは、言うまでもない。
【0060】
次に、上記構成のナンバー読取装置の動作について説明する。図12は、第4の実施形態におけるナンバー読み取り動作手順を示すフローチャートである。ここでは、昼夜判定を行って夜間においても不正プレートの検出を可能にした例を示す。
【0061】
ナンバー読取装置130の昼夜判定部4は、撮影画像の輝度情報などに基づき、現時点が昼か夜かの判定を行う(ステップS401)。現時点が、昼間であると判定された場合(ステップS402のYes)、周囲が明るく可視光による撮影が可能と判断できるため、ステップS403に進む。ステップS403では、画像入力部1は、可視光カットフィルタを装着して撮影した赤外画像と、可視光による撮影を行った可視画像との両画像を入力し、画像格納部2に保存する。そして、ナンバー読取部3は、画像格納部2に保存された赤外画像と可視画像について、それぞれナンバープレートの検出及び文字の認識を行う(ステップS404)。
【0062】
続いて、不正プレート検出部18は、ナンバー読取部3におけるナンバー読取結果に基づき、まず、赤外画像によりナンバープレートの情報の読み取りが正常に行えたか否かを判断する(ステップS405)。赤外画像によってナンバー読み取りが正常に行えなかった場合(ステップS405のNo)、不正プレート検出部18は、次に、可視画像によりナンバープレートの情報の読み取りが正常に行えたか否かを判断する(ステップS406)。
【0063】
ここで、赤外画像によってナンバー読み取りが正常に行えず、かつ、可視画像によってナンバー読み取りが可能であった場合(すなわち、可視画像のみでナンバーの読み取りが正常に行えた場合)、不正プレート検出部18は、そのナンバープレートが不正プレートであると判断し、不正プレートの検出を示す不正プレート検出フラグをセットする(ステップS407)。この不正プレート検出フラグにより、不正プレート装着車両の検出の有無が識別できる。そして、読取結果判定部5は、不正プレート検出フラグを含むナンバー読取結果を登録し(ステップS408)、読取結果出力部6は、このナンバー読取結果を出力する(ステップS409)。
【0064】
また、赤外画像によってナンバー読み取りが正常に行えた場合(ステップS405のYes)、または、赤外画像でも可視画像でもナンバー読み取りが正常に行えなかった場合(ステップS406のNo)は、不正プレート検出部18は、不正プレートの検出がなされなかったと判断し、不正プレート検出フラグをリセットする(ステップS410)。そして、読取結果判定部5は、不正プレート検出フラグを含むナンバー読取結果を登録し(ステップS411)、読取結果出力部6は、このナンバー読取結果を出力する(ステップS409)。
【0065】
一方、現時点が夜間であると判定された場合(ステップS402のNo)、照明部17によって撮影対象の車両に対して赤外光の照射を行い、画像入力部1は赤外光による撮影を行って撮影対象の車両のナンバープレートを含む赤外画像を入力し、画像格納部2に赤外画像を保存する(ステップS412)。そして、ナンバー読取部3は、画像格納部2に保存された赤外画像について、ナンバープレートの検出及び文字の認識を行う(ステップS413)。
【0066】
次に、不正プレート検出部18は、赤外画像によりナンバープレートの情報の読み取りが正常に行えたか否かを判断する(ステップS414)。ここで、赤外画像によりナンバー読み取りが行えなかった場合(ステップS414のNo)、照明部17によって可視光照明をオンして撮影対象の車両に対して可視光の照射を行い(ステップS415)、画像入力部1は可視光による撮影を行って撮影対象の車両のナンバープレートを含む可視画像を入力し、画像格納部2に保存する(ステップS416)。そして、ナンバー読取部3は、画像格納部2に保存された可視画像について、ナンバープレートの検出及び文字の認識を行う(ステップS417)。以降は、上記のステップS406の手順へ移行し、可視画像でナンバープレートの検出が行えた場合(ステップS406のYes)、不正プレート検出部18は不正プレート検出フラグをセットする(ステップS407)。また、可視画像でもナンバープレートの検出が行えなかった場合(ステップS406のNo)、不正プレート検出部81は不正プレート検出フラグをリセットする(ステップS410)。
【0067】
一方、ステップS414の判断において赤外画像で検出が行えた場合、不正プレート検出部18は、不正プレート検出フラグをリセットし(ステップS410)、読取結果判定部5は、赤外画像によるナンバー読取結果を登録し(ステップS411)、読取結果出力部6は、このナンバー読取結果を出力する(ステップS409)。
【0068】
このように、第4の実施形態によれば、赤外光による撮影ではナンバーの読み取りが行えない場合に、可視光によって撮影を行うことにより、不正プレートの装着車両であっても、ナンバープレートの情報を適切に読み取ることが可能となる。また、赤外画像と可視画像によるナンバー読取結果に基づいて、夜間等の暗い環境でも不正プレートを検出でき、そのナンバー読取結果を取得することができる。
【0069】
上述したように、本実施形態では、例えば路上の通行車両の特定などを行うナンバー読取装置において、赤外画像及び可視画像を用いてナンバープレートの検出及び文字情報の認識を行う。この際、例えば昼夜判定を行い、昼間においては可視光下で撮影した可視画像を用いてナンバーの読み取りを行う。これにより、赤外光を吸収または反射する不正プレートの装着の有無に関わらず、ナンバーの読み取りが可能である。また、赤外画像と可視画像の両方のナンバー読取結果の可否によって、不正プレートの装着を検出することができる。
【0070】
なお、本発明は上記の実施形態において示されたものに限定されるものではなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、赤外光を吸収または反射する不正プレートの装着の有無に関わらずナンバーの読み取りが可能となる効果、不正プレートの装着を検出することが可能となる効果を有し、車両のナンバープレートを撮影し、ナンバーの読み取りを行うナンバー読取装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るナンバー読取装置の構成を示すブロック図
【図2】第1の実施形態におけるナンバー読み取り動作手順を示すフローチャート
【図3】本発明の第2の実施形態に係るナンバー読取装置の構成を示すブロック図
【図4】第2の実施形態におけるナンバー読み取り動作手順を示すフローチャート
【図5】赤外光を照射して撮影したナンバープレートの画像(赤外画像)を示す模式図
【図6】可視光下で撮影したナンバープレートの画像(可視画像)を示す模式図
【図7】本発明の第3の実施形態に係るナンバー読取装置の構成を示すブロック図
【図8】第3の実施形態におけるナンバー読み取り動作手順を示すフローチャート
【図9】撮影画像のフォーカス調整による変化の様子を示す模式図
【図10】本発明の第4の実施形態に係るナンバー読取装置の構成を示すブロック図
【図11】照明部及び画像入力部の設置例を模式的に示す図
【図12】第4の実施形態におけるナンバー読み取り動作手順を示すフローチャート
【図13】従来のナンバー読取装置の構成例を示すブロック図
【符号の説明】
【0073】
1 画像入力部
2 画像格納部
3 ナンバー読取部
4 昼夜判定部
5、15 読取結果判定部
6 読取結果出力部
7、17 照明部
8、18 不正プレート検出部
9 フォーカス調整部
10 フィルタ着脱部
100、110、120、130 ナンバー読取装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のナンバープレートを撮影し、ナンバーの読み取りを行うナンバー読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラで撮影した車両のナンバーを読み取るナンバー読取装置が広く利用されている(例えば、特許文献1参照)。その用途は、道路を走行している車両情報の取得を目的とするものから、駐車場における車両管理などに至るまで、多岐にわたる。
【0003】
図13は、従来のナンバー読取装置の構成例を示すブロック図である。ナンバー読取装置200は、主に、画像入力部201、画像格納部202、ナンバー読取部203、読取結果出力部204、照明部205、を有して構成される。
【0004】
画像入力部201は、カメラ等で構成され、車両のナンバープレート部分を撮影した画像を入力する。画像格納部202は、画像入力部201で撮影された画像を保存する。ナンバー読取部203は、公知の画像処理技術、画像認識技術を用いて、撮影されたナンバープレートから、その数字等の文字情報の読み取りを行う。読取結果出力部204は、読み取りを行ったナンバープレートの文字情報を出力する。照明部205は、撮影を行う際に必要な照明を行う。従来のナンバー読取装置では、特に、夜間でも条件が変わらずに撮影が可能であること、車両の運転者に影響を及ばせないこと、などの理由から、赤外光を照射して撮影を行い、ナンバーの読み取りを行う方式が一般的に採用されている。
【0005】
このような従来のナンバー読取装置では、照明部205により撮影対象の車両に照明光として赤外光を照射し、画像入力部201により撮影対象の車両に関する赤外画像を撮影して入力し、画像格納部202に保存する。そして、ナンバー読取部203において、入力された赤外画像について、ナンバープレートの検出及びナンバーの文字認識を行う。その後、読取結果出力部204によりナンバーの読取結果を出力する。このような手順によってナンバープレートの読み取りが行われる。
【特許文献1】特開平11−339176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、近年、赤外光を吸収または反射する透明樹脂製プレートをナンバープレート上に装着し、このような不正プレートによって赤外光によるナンバープレートの撮影を妨害する車両がある。不正プレートを装着した車両は、赤外光を照射して撮影を行ってもナンバープレート全体が黒または白になった状態の画像となるため、ナンバーの読み取りが不可能である。
【0007】
そこで、不正プレートの有無に関わらずナンバーの読み取りを可能とすることが望まれている。また、不正プレート使用の検出のためには、不正プレートの判別とともにナンバー読み取りを行えることが望まれる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、赤外光を吸収または反射する不正プレートの装着の有無に関わらずナンバーの読み取りが可能なナンバー読取装置を提供することを目的とする。また、本発明は、不正プレートの装着を検出することが可能なナンバー読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のナンバー読取装置は、車両のナンバープレートを含む領域を撮影した撮影画像として、赤外光による赤外画像と可視光による可視画像とを入力可能な画像入力部と、前記赤外光の照明光を照射する照明部と、前記ナンバープレート部分の明るさより昼夜を判定する昼夜判定部と、前記赤外画像と前記可視画像の少なくとも一方からナンバープレートの文字情報を認識するナンバー読取部と、前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果を判定する読取結果判定部と、前記ナンバープレートの情報を含むナンバー読取結果を出力する読取結果出力部とを備え、前記読取結果判定部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は前記ナンバー読取部における可視画像によるナンバー読取結果を用いるものである。
これにより、赤外光を吸収または反射する不正プレートの装着の有無に関わらず、車両のナンバープレートを検出し、そのナンバープレートの情報の読み取りが可能となる。
【0010】
また、本発明は、上記のナンバー読取装置であって、前記画像入力部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は可視画像を入力し、前記ナンバープレート部分が所定条件より暗くなって夜間と判定された場合は赤外画像を入力するものを含む。
これにより、ナンバープレート部分の明るさの判定結果に応じて可視画像または赤外画像を用いてナンバープレートの情報を読み取ることが可能となる。
【0011】
また、本発明は、上記のナンバー読取装置であって、前記画像入力部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は可視画像及び赤外画像を入力し、前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果に基づき、前記赤外画像によるナンバーの読み取りが不可で、前記可視画像においてのみナンバーの読み取りが可能であった場合に、不正プレートとして検出する不正プレート検出部を備えるものを含む。
これにより、可視画像によるナンバー読取結果を用いて、不正プレートの装着を検出することが可能となる。また、不正プレート装着車両であっても、可視画像を用いてナンバープレートの情報を適切に読み取ることが可能となる。
【0012】
また、本発明は、上記のナンバー読取装置であって、前記画像入力部における撮像光学系のフォーカス調整を行うフォーカス調整部を備え、前記フォーカス調整部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は可視光に合わせたフォーカス調整を行い、前記ナンバープレート部分が所定条件より暗くなって夜間と判定された場合は赤外光に合わせたフォーカス調整を行うものを含む。
これにより、赤外画像と可視画像とを切り替えた場合でも、可視画像と赤外画像のそれぞれにおいて、適切なフォーカス調整を行って精度良くナンバープレートの読み取りを行うことが可能となる。
【0013】
また、本発明は、上記のナンバー読取装置であって、前記読取結果判定部は、前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果に基づき、N以上(Nは1以上の整数)のナンバー読取結果における読取率が所定値以下の場合に、前記フォーカス調整部により前記撮像光学系のフォーカスの微調整を行わせるものを含む。
これにより、フォーカスの微調整によってフォーカス調整不足による読み取り精度の低下を防ぐことが可能となる。
【0014】
また、本発明は、上記のナンバー読取装置であって、前記画像入力部の撮像光学系において可視光帯域を遮断または赤外光帯域のみを透過するフィルタを着脱するフィルタ着脱部を備え、前記フィルタ着脱部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は前記フィルタを外し、前記ナンバープレート部分が所定条件より暗くなって夜間と判定された場合は前記フィルタを挿入するものを含む。
これにより、赤外画像において適切に可視光帯域を遮断し、精度良くナンバープレートの読み取りを行うことが可能となる。
【0015】
また、本発明は、上記のナンバー読取装置であって、前記照明部は、赤外光の照明光と可視光の照明光とを照射可能であり、前記読取結果判定部は、前記昼夜判定部の判定結果と前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果とに基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より暗くなって夜間と判定された場合であって前記赤外画像によるナンバーの読み取りが不可の場合に、前記照明部より可視光を照射させて前記画像入力部により可視画像を入力し、前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果に基づき、前記可視画像においてのみナンバーの読み取りが可能であった場合に、不正プレートとして検出する不正プレート検出部を備えるものを含む。
これにより、ナンバープレート部分が所定条件より暗くなって夜間と判定された場合に、赤外画像によるナンバーの読み取りが不可のときは可視光の照明光を用いて可視画像を取得し、不正プレートの検出及びそのナンバープレートの情報の読み取りを行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、赤外光を吸収または反射する不正プレートの装着の有無に関わらずナンバーの読み取りが可能なナンバー読取装置を提供できる。また、不正プレートの装着を検出することが可能なナンバー読取装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本実施形態では、一例として道路上を走行する車両のナンバープレートを撮影してナンバーの文字情報を読み取るナンバー読取装置の構成例を示す。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るナンバー読取装置の構成を示すブロック図である。第1の実施形態のナンバー読取装置100は、主要な構成要素として、画像入力部1、画像格納部2、ナンバー読取部3、昼夜判定部4、読取結果判定部5、読取結果出力部6、照明部7を有して構成される。
【0019】
画像入力部1は、撮像光学系、撮像素子等を有するカメラ等で構成され、車両のナンバープレート部分を撮影した画像を入力する。この画像入力部1は、可視画像の撮影と赤外画像の撮影とが可能なものであり、例えば可視画像撮影用のカメラと赤外画像撮影用のカメラの2つを備えて可視画像と赤外画像を同時に撮影可能なものでもよいし、1つのカメラにおいて動作を切り替えて可視画像と赤外画像の両方の撮影を行えるものであってもよい。
【0020】
画像格納部2は、半導体メモリ、あるいは磁気記録媒体等の情報記録手段を有して構成され、画像入力部1で撮影し入力された画像を保存する。ナンバー読取部3は、公知の画像処理技術、画像認識技術を用いて、入力された画像を処理し、ナンバープレートを検出してその数字等の文字情報の認識を行う。なお、数字や文字の読み取りは、公知のOCR(Optical Character Reader:光学式文字読取装置)の技術を利用すればよい。
【0021】
昼夜判定部4は、画像入力部1より入力した画像の輝度情報に基づいて、ナンバープレート部分の明るさを判定し、昼夜の判定を行う。この昼夜判定の方法について説明する。ナンバー読取部3は、ナンバープレート部分に対して明るさの中心値Lpと許容幅Lwを予め保持している。そして、ナンバープレート部分の明るさがLp±Lwの範囲内となるように画像入力部1の撮像光学系の露出条件(絞り)を制御する。昼間から夜間へと変化し、ナンバープレート部分の明るさが撮像光学系の露出条件を変化させても(絞りを開放しても)前記範囲を下回った場合、昼夜判定部4は夜間と判定して照明部7を発光開始する。次に、夜間から昼間へと変化し、ナンバープレート部分の明るさが前記範囲を上回った場合、昼夜判定部4は昼間と判定して照明部7を発光停止する。
【0022】
この昼夜判定部4による昼夜判定は、撮影環境により撮影対象の車両のナンバープレート部分が所定条件より明るいかどうか、すなわち可視光による撮影が可能かどうかの判定結果として用いられる。なお、昼夜判定部4は、前記輝度情報と時刻情報とに基づいて判定したり、時刻情報のみで判定したり、あるいは、照度検出手段を備えて周囲の明るさを示す照度情報を用いて昼夜の判定を行う構成としてもよい。
【0023】
読取結果判定部5は、ナンバー読取部3によるナンバー読取結果と昼夜判定部4による昼夜判定結果とを用いて、昼間と夜間のそれぞれの条件においてナンバー読取結果を確定する。読取結果出力部6は、ナンバー読取結果として、ナンバープレート情報の読み取りの可否、読み取りを行ったナンバープレートの文字情報などを出力する。ナンバープレートの情報は、ディスプレイなどの表示装置、管理を行うセンタ装置などに送られる。照明部7は、ナンバープレートの撮影、認識に必要な照明光を発光する。この実施形態では、撮影対象の車両に対して赤外光を照射する。撮影用の赤外光としては、例えば中心波長が850nmの近赤外光を用いる。
【0024】
前記画像格納部2、ナンバー読取部3、読取結果出力部6、昼夜判定部4は、プロセッサ及びメモリを含むコンピュータ等の情報処理回路により所定のプログラムを実行することによって各機能が実現される。
【0025】
次に、上記構成のナンバー読取装置の動作について説明する。図2は、第1の実施形態におけるナンバー読み取り動作手順を示すフローチャートである。
【0026】
ナンバー読取装置100の昼夜判定部4は、撮影画像の輝度情報などに基づき、現時点が昼か夜かの判定を行う(ステップS101)。現時点が、昼間であると判定された場合(ステップS102のYes)、周囲が明るく可視光による撮影が可能と判断できるため、照明部7は赤外光の照射を行わず、画像入力部1は可視光による撮影を行って撮影対象の車両のナンバープレートを含む可視画像を入力し、画像格納部2に可視画像を保存する(ステップS103)。そして、ナンバー読取部3は、画像格納部2に保存された可視画像について、ナンバープレートの検出及び文字の認識を行う(ステップS104)。読取結果判定部5は、可視画像によるナンバー読取結果を登録し(ステップS105)、読取結果出力部6は、このナンバー読取結果を出力する(ステップS106)。
【0027】
一方、現時点が夜間であると判定された場合(ステップS102のNo)、照明部7によって撮影対象の車両に対して赤外光の照射を行い、画像入力部1は赤外光による撮影を行って撮影対象の車両のナンバープレートを含む赤外画像を入力し、画像格納部2に赤外画像を保存する(ステップS107)。そして、ナンバー読取部3は、画像格納部2に保存された赤外画像について、ナンバープレートの検出及び文字の認識を行う(ステップS108)。読取結果判定部5は、赤外画像によるナンバー読取結果を登録し(ステップS109)、読取結果出力部6は、このナンバー読取結果を出力する(ステップS106)。
【0028】
なお、読取結果判定部5は、可視画像や赤外画像によってナンバー読み取りが正常に行えなかった場合は、ステップS105やステップS109においてナンバー読取結果が不可として登録する。ナンバー読取結果が不可の場合は、ナンバープレート自体が装着されていなかったり汚れなどでナンバープレートの文字が不鮮明であるなどの理由で、昼間または夜間においてナンバーの文字認識処理にエラーが生じた場合などが考えられる。
【0029】
このように、第1の実施形態によれば、可視光下で撮影を行うことにより、赤外光による撮影では読み取りが行えない不正プレートの装着車両であっても、ナンバープレートを検出してその文字等の情報を適切に読み取ることが可能となる。
【0030】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係るナンバー読取装置の構成を示すブロック図である。第2の実施形態のナンバー読取装置110は、図1に示した第1の実施形態に加えて、不正プレート検出部8を備えている。第2の実施形態では、画像入力部1は、可視画像撮影用のカメラと赤外画像撮影用のカメラの2つを備えて可視画像と赤外画像を同時に撮影可能なものを想定している。なお、ここでは第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0031】
不正プレート検出部8は、ナンバー読取部3によるナンバー読取結果に基づいて、赤外光を吸収または反射するカバーによる不正プレートが装着された車両の検出を行う。具体的には、赤外画像においてナンバープレートの検出及び文字認識ができた場合は不正プレート装着車両ではないと判断し、可視画像においてのみナンバープレートの検出及び文字認識ができた場合は、不正プレート装着車両であると判断する。
【0032】
次に、上記構成のナンバー読取装置の動作について説明する。図4は、第2の実施形態におけるナンバー読み取り動作手順を示すフローチャートである。
【0033】
ナンバー読取装置110の昼夜判定部4は、撮影画像の輝度情報などに基づき、現時点が昼か夜かの判定を行う(ステップS201)。現時点が、昼間であると判定された場合(ステップS202のYes)、周囲が明るく可視光による撮影が可能と判断できるため、ステップS203に進む。ステップS203では、画像入力部1は、撮影対象の車両のナンバープレートを含む読み取り用の画像として、照明部7で赤外光を照射して撮影した赤外画像と、可視光による撮影を行った可視画像との両画像を入力し、画像格納部2に保存する。そして、ナンバー読取部3は、画像格納部2に保存された赤外画像と可視画像について、それぞれナンバープレートの検出及び文字の認識を行う(ステップS204)。
【0034】
続いて、不正プレート検出部8は、ナンバー読取部3におけるナンバー読取結果に基づき、まず、赤外画像によりナンバープレートの情報の読み取りが正常に行えたか否かを判断する(ステップS205)。赤外画像によってナンバー読み取りが正常に行えなかった場合(ステップS205のNo)、不正プレート検出部8は、次に、可視画像によりナンバープレートの情報の読み取りが正常に行えたか否かを判断する(ステップS206)。
【0035】
ここで、赤外画像によってナンバー読み取りが正常に行えず、かつ、可視画像によってナンバー読み取りが可能であった場合(すなわち、可視画像のみでナンバーの読み取りが正常に行えた場合)、不正プレート検出部8は、そのナンバープレートが不正プレートであると判断し、不正プレートの検出を示す不正プレート検出フラグをセットする(ステップS207)。この不正プレート検出フラグにより、不正プレート装着車両の検出の有無が識別できる。そして、読取結果判定部5は、不正プレート検出フラグを含むナンバー読取結果を登録し(ステップS208)、読取結果出力部6は、このナンバー読取結果を出力する(ステップS209)。ここでのナンバー読取結果は、昼間において可視画像のみによってナンバー読み取りができた場合のナンバープレート情報となる。
【0036】
また、赤外画像によってナンバー読み取りが正常に行えた場合(ステップS205のYes)、または、赤外画像でも可視画像でもナンバー読み取りが正常に行えなかった場合(ステップS206のNo)は、不正プレート検出部8は、不正プレートの検出がなされなかったと判断し、不正プレート検出フラグをリセットする(ステップS210)。そして、読取結果判定部5は、不正プレート検出フラグを含むナンバー読取結果を登録し(ステップS211)、読取結果出力部6は、このナンバー読取結果を出力する(ステップS209)。
【0037】
一方、現時点が夜間であると判定された場合(ステップS202のNo)、照明部7によって撮影対象の車両に対して赤外光の照射を行い、画像入力部1は赤外光による撮影を行って撮影対象の車両のナンバープレートを含む赤外画像を入力し、画像格納部2に赤外画像を保存する(ステップS212)。そして、ナンバー読取部3は、画像格納部2に保存された赤外画像について、ナンバープレートの検出及び文字の認識を行う(ステップS213)。この場合は、不正プレート検出部8は不正プレート検出フラグをリセットし(ステップS210)、読取結果判定部5は、赤外画像によるナンバー読取結果を登録し(ステップS211)、読取結果出力部6は、このナンバー読取結果を出力する(ステップS209)。
【0038】
ここで、読取結果判定部5によるステップS211のナンバー読取結果の登録において、ナンバー読取結果が可の場合と不可の場合とがある。ナンバー読取結果が可の場合は、昼間において少なくとも赤外画像によって正常にナンバー読み取りができた場合、及び、夜間において正常にナンバー読み取りができた場合などが考えられ、読み取ったナンバープレート情報を登録する。ナンバー読取結果が不可の場合は、ナンバープレート自体が装着されていなかったり汚れなどでナンバープレートの文字が不鮮明であるなどの理由で、昼間において赤外画像と可視画像の両方でナンバーの文字認識処理にエラーが生じた場合や夜間においてナンバーの文字認識処理にエラーが生じた場合などが考えられる。
【0039】
図5は、赤外光を照射して撮影したナンバープレートの画像(赤外画像)を示す模式図である。一方、図6は、可視光下で撮影したナンバープレートの画像(可視画像)を示す模式図である。これらの赤外画像及び可視画像は、双方ともにナンバープレートの右半分に不正プレートを重ねた状態で撮影した画像を示している。
【0040】
図5に示すように、赤外光を照射して撮影した赤外画像は、不正プレートで覆われた部分が黒く撮影されるのでナンバーの読み取りが不可となる。一方、可視光下では不正プレートで覆われた部分のナンバープレート情報も透過して撮影されるので視認可能である。よって、ナンバー読取部3は、不正プレートが装着されていても撮影した可視画像からナンバープレートを検出してその文字情報を認識することが可能である。
【0041】
なお、ナンバープレートの全文字読み取りを実現するには、高解像度カメラが必要であるが、可視画像用と赤外画像用とに2台の高解像度カメラを用いる構成では高コストを要する。そこで、低コストに実現するためには、可視画像用のカメラに低解像度カメラを用いる構成が考えられる。この場合、不正プレートが装着された車両のナンバープレートの全ての文字を認識することが不可能な場合があるが、4つの大きな数字の一連番号のみを認識することは可能である。
【0042】
このように、第2の実施形態によれば、可視光下で撮影を行うことにより、赤外光による撮影では読み取りが行えない不正プレートの装着車両であっても、ナンバープレートの情報を適切に読み取ることが可能となる。また、赤外画像と可視画像によるナンバー読取結果に基づいて、不正プレートを検出でき、そのナンバー読取結果を取得することができる。
【0043】
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態に係るナンバー読取装置の構成を示すブロック図である。第3の実施形態のナンバー読取装置120は、図1に示した第1の実施形態に加えて、フォーカス調整部9、フィルタ着脱部10、読取結果判定部10を備えている。また、読取結果判定部15の機能としてフォーカス微調整機能を有している。第3の実施形態では、画像入力部1は、1つのカメラにおいて動作を切り替えて可視画像と赤外画像を撮影可能なものを想定している。なお、ここでは第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0044】
フォーカス調整部9は、昼夜判定部4の昼夜判定結果に基づいて、画像入力部1の撮像光学系のフォーカス調整を行う。赤外光を照射して行う赤外画像の撮影と、可視光下での可視画像の撮影とでは、照明光の波長が違うため、同じ光学系の構成では合焦位置が異なる。このため、一方の照明光に撮像光学系のピントを合わせると、他方の照明光の撮影画像ではピントにズレが生じる。撮影画像にピンぼけが生じると、ナンバー読取部3の読み取り精度に大きな影響を及ぼすため、画像入力部1の撮像光学系のフォーカスは適切に調整されることが好ましい。したがって、具体的には、昼間は可視光でフォーカスが合うように画像入力部1のフォーカス調整を行い、夜間は赤外光でフォーカスが合うように画像入力部1のフォーカス調整を行う。
【0045】
フィルタ着脱部10は、昼夜判定部の昼夜判定結果に基づいて、画像入力部1の撮像光学系に挿入する可視カットフィルタの着脱を行う。特に、赤外光で赤外画像の撮影を行う際には、不要な可視光の入射があるとピンぼけを生じる場合がある。そこで、ナンバー読取部3の精度を維持するため、赤外光での撮影時には、可視光がカットされることが好ましい。したがって、具体的には、昼間は可視光帯域を遮断する可視光カットフィルタを画像入力部1から脱着し、夜間は可視光カットフィルタを画像入力部1に装着する。なお、フィルタの構成は上記に限るものではなく、赤外光の帯域のみを透過する赤外透過フィルタを設け、昼間は赤外透過フィルタを脱着し、夜間は赤外透過フィルタを装着するようにしてもよい。
【0046】
また、読取結果判定部15は、ナンバー読取部3で読み取ったナンバー読取結果を判定し、画像入力部1のフォーカス調整後の読取率に応じてフォーカスの微調整が必要かどうかを判断する。具体的には、所定数N以上(Nは1以上の整数)の読取結果が得られた時点で読取結果を参照し、予め任意に設定した所定値の読取率を下回る場合、画像入力部1のフォーカス微調整が必要と判断して、フォーカス調整部9による微調整を行う。これにより、ナンバープレートの読み取り精度を向上させる。
【0047】
次に、上記構成のナンバー読取装置の動作について説明する。図8は、第3の実施形態におけるナンバー読み取り動作手順を示すフローチャートである。
【0048】
ナンバー読取装置120の昼夜判定部4は、撮影画像の輝度情報などに基づき、現時点が昼か夜かの判定を行う(ステップS301)。そして、昼間から夜間への切り替わりであるかどうかを判定する(ステップS302)。ここで、今まで昼間であり、周囲が暗くなって昼間から夜間に切り替わったと判定された場合(ステップS302のYes)、撮像部の設定を昼間用から夜間用へ切り替える必要があるため、フォーカス調整部9は、画像入力部1の撮像光学系のフォーカス調整を行い、赤外光にフォーカスが合うように設定する(ステップS303)。また、フィルタ着脱部10は、画像入力部1の撮像光学系に可視カットフィルタを装着して実装する(ステップS304)。
【0049】
一方、現時点が昼間から夜間への切り替わりではないと判定された場合(ステップS302のNo)、昼夜判定部4は、次に夜間から昼間への切り替わりであるかどうかを判定する(ステップS305)。ここで、今まで夜間であり、周囲が明るくなって夜間から昼間に切り替わったと判定された場合(ステップS305のYes)、撮像部の設定を夜間用から昼間用へ切り替える必要があるため、フォーカス調整部9は、画像入力部1の撮像光学系のフォーカス調整を行い、可視光にフォーカスが合うように設定する(ステップS306)。また、フィルタ着脱部10は、画像入力部1の撮像光学系から可視カットフィルタを脱着して取り外す(ステップS307)。
【0050】
画像入力部1は、上記手順で設定された構成で赤外光または可視光による撮影を行い、撮影対象の車両のナンバープレートを含む赤外画像または可視画像を入力し、画像格納部2に保存する(ステップS308)。そして、ナンバー読取部3は、画像格納部2に保存された赤外画像または可視画像について、ナンバープレートの検出及び文字の認識を行う(ステップS309)。
【0051】
その後、読取結果判定部15は、ナンバー読取結果の読取率に応じて、フォーカスの微調整が必要かどうかを判定する(ステップS310)。ここで、読取率が所定値を下回ってフォーカス微調整が必要と判断される場合(ステップS310のYes)、読取結果判定部10はフォーカス調整部9によって微調整を行わせる(ステップS311)。そして、読取結果判定部15はナンバー読取結果を登録し、読取結果出力部6はこのナンバー読取結果を出力する(ステップS312)。フォーカス微調整はナンバープレートに対して行われるべきであるが、移動物体に対して行うのは困難であるので、道路面に対して行ってもよい。具体的な方法としては、画像の高周波成分が最大となるようにフォーカスを制御する方法が考えられる。
【0052】
上記のフォーカス調整により、赤外画像の撮影と可視画像の撮影とで相互に撮像部の設定切り替えを行っても、ナンバー読取部3による読み取り精度を高く維持できる。また、フォーカス調整が不十分で全文字認識できないなどナンバー読取結果が良好でない状況が生じ、N台以上(Nは1以上の整数)の車両における読取率が低い場合でも、フォーカスの微調整を行うことによって、読み取り性能の低下を防止できる。
【0053】
図9は、撮影画像のフォーカス調整による変化の様子を示す模式図である。まず、図9(a)は可視光用の設定で撮影した可視画像を示し、図9(b)は可視光用の設定でそのまま赤外光を照射して撮影した赤外画像を示す。図9(a)のように可視光下でピントが合った状態から、そのままの設定で赤外画像を撮影すると、図9(b)のように撮影画像にはピンぼけが生じ、ナンバー読取部3による読取率は低下する。
【0054】
また、図9(c)は赤外光用の設定でフォーカス調整後に撮影した赤外画像を示す。図9(b)のように可視光用の設定のままでフォーカス調整を行わずに赤外光撮影においてピントが外れた状態から、図9(c)のように赤外光に適合するようにフォーカス調整を行うと、ピントが合ったシャープな撮影画像が得られる。照明光の撮影条件に合ったフォーカス調整を行うことにより、撮影のための照明光が切り替わっても、精度良くナンバー読み取りを行うことができる。
【0055】
また、図9(d)は赤外光用の設定でそのまま可視光下で撮影した可視画像を示す。図9(c)のように赤外光においてピントが合った状態から、そのままの設定で可視画像を撮影すると、図9(d)のように撮影画像には若干のピンぼけが生じる。よってこの場合は、可視光に適合するようにフォーカス調整を行うことによって、図9(a)のようにピントが合ったシャープな撮影画像が得られる。また、上述したようなフォーカスの微調整を行うことによって、ナンバー読み取りの精度をさらに向上できる。
【0056】
このように、第3の実施形態によれば、フォーカス調整やフィルタの着脱を行うことにより、1台のカメラで赤外光による撮影と可視光下での撮影とを切り替えて用いるような場合であっても、ナンバープレートを適切に検出してその文字等の情報を適切に読み取ることが可能となる。また、読取率に応じてフォーカスを微調整することにより、フォーカス調整不足による読み取り精度の低下を防ぐことが可能となる。
【0057】
(第4の実施形態)
図10は、本発明の第4の実施形態に係るナンバー読取装置の構成を示すブロック図である。第4の実施形態のナンバー読取装置130は、図3に示した第2の実施形態と比較して、照明部17の構成及び不正プレート検出部18の機能を変更したものである。なお、ここでは第2の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0058】
照明部17は、赤外光の照射と可視光の照射とを行える2つの照射手段を備えている。不正プレート検出部18は、昼間及び夜間の双方において不正プレートの検出が可能となっている。赤外画像においてナンバープレートの検出及び文字認識ができない場合には、照明部17より可視光を照射して撮影を行い、この可視画像においてナンバー読取部3によってナンバープレートの検出及び文字認識が行えた場合に、不正プレート検出部18は不正プレート装着車両であると判断する。このとき、通常は赤外光を照射して赤外画像によりナンバー読み取りを行い、ナンバー読み取りができなかった場合のみ可視光を照射してナンバープレートの検出及び文字認識を行う。
【0059】
図11は、照明部17及び画像入力部1の設置例を模式的に示す図である。図11に示すように、例えば道路脇の信号機の鉄柱などに、照明部17の赤外光照明17a及び可視光照明17bと、画像入力部1とを含む撮影部を設置する。図11(a)に示すように、通常は赤外光照明17aから赤外光として例えば波長が850nmの近赤外光を照射して画像入力部1により赤外画像を撮影し、ナンバー読み取りを行う。しかし、赤外画像によるナンバー読み取りが行えない場合、図11(b)に示すように、その後所定タイミングで可視光照明17bから例えば波長が660nm〜680nmの可視光を照射して画像入力部1により可視画像を撮影し、ナンバー読み取りを行う。このとき、不正プレート検出部18は、可視画像でのみナンバー読み取りが可能であった場合に、不正プレートとして検出することができる。これにより、夜間の場合や昼間でも周囲が暗い環境の場合などにおいても、不正プレートの検出が可能になる。なお、これらの照明は夜間、連続して発光してもよいのは、言うまでもない。
【0060】
次に、上記構成のナンバー読取装置の動作について説明する。図12は、第4の実施形態におけるナンバー読み取り動作手順を示すフローチャートである。ここでは、昼夜判定を行って夜間においても不正プレートの検出を可能にした例を示す。
【0061】
ナンバー読取装置130の昼夜判定部4は、撮影画像の輝度情報などに基づき、現時点が昼か夜かの判定を行う(ステップS401)。現時点が、昼間であると判定された場合(ステップS402のYes)、周囲が明るく可視光による撮影が可能と判断できるため、ステップS403に進む。ステップS403では、画像入力部1は、可視光カットフィルタを装着して撮影した赤外画像と、可視光による撮影を行った可視画像との両画像を入力し、画像格納部2に保存する。そして、ナンバー読取部3は、画像格納部2に保存された赤外画像と可視画像について、それぞれナンバープレートの検出及び文字の認識を行う(ステップS404)。
【0062】
続いて、不正プレート検出部18は、ナンバー読取部3におけるナンバー読取結果に基づき、まず、赤外画像によりナンバープレートの情報の読み取りが正常に行えたか否かを判断する(ステップS405)。赤外画像によってナンバー読み取りが正常に行えなかった場合(ステップS405のNo)、不正プレート検出部18は、次に、可視画像によりナンバープレートの情報の読み取りが正常に行えたか否かを判断する(ステップS406)。
【0063】
ここで、赤外画像によってナンバー読み取りが正常に行えず、かつ、可視画像によってナンバー読み取りが可能であった場合(すなわち、可視画像のみでナンバーの読み取りが正常に行えた場合)、不正プレート検出部18は、そのナンバープレートが不正プレートであると判断し、不正プレートの検出を示す不正プレート検出フラグをセットする(ステップS407)。この不正プレート検出フラグにより、不正プレート装着車両の検出の有無が識別できる。そして、読取結果判定部5は、不正プレート検出フラグを含むナンバー読取結果を登録し(ステップS408)、読取結果出力部6は、このナンバー読取結果を出力する(ステップS409)。
【0064】
また、赤外画像によってナンバー読み取りが正常に行えた場合(ステップS405のYes)、または、赤外画像でも可視画像でもナンバー読み取りが正常に行えなかった場合(ステップS406のNo)は、不正プレート検出部18は、不正プレートの検出がなされなかったと判断し、不正プレート検出フラグをリセットする(ステップS410)。そして、読取結果判定部5は、不正プレート検出フラグを含むナンバー読取結果を登録し(ステップS411)、読取結果出力部6は、このナンバー読取結果を出力する(ステップS409)。
【0065】
一方、現時点が夜間であると判定された場合(ステップS402のNo)、照明部17によって撮影対象の車両に対して赤外光の照射を行い、画像入力部1は赤外光による撮影を行って撮影対象の車両のナンバープレートを含む赤外画像を入力し、画像格納部2に赤外画像を保存する(ステップS412)。そして、ナンバー読取部3は、画像格納部2に保存された赤外画像について、ナンバープレートの検出及び文字の認識を行う(ステップS413)。
【0066】
次に、不正プレート検出部18は、赤外画像によりナンバープレートの情報の読み取りが正常に行えたか否かを判断する(ステップS414)。ここで、赤外画像によりナンバー読み取りが行えなかった場合(ステップS414のNo)、照明部17によって可視光照明をオンして撮影対象の車両に対して可視光の照射を行い(ステップS415)、画像入力部1は可視光による撮影を行って撮影対象の車両のナンバープレートを含む可視画像を入力し、画像格納部2に保存する(ステップS416)。そして、ナンバー読取部3は、画像格納部2に保存された可視画像について、ナンバープレートの検出及び文字の認識を行う(ステップS417)。以降は、上記のステップS406の手順へ移行し、可視画像でナンバープレートの検出が行えた場合(ステップS406のYes)、不正プレート検出部18は不正プレート検出フラグをセットする(ステップS407)。また、可視画像でもナンバープレートの検出が行えなかった場合(ステップS406のNo)、不正プレート検出部81は不正プレート検出フラグをリセットする(ステップS410)。
【0067】
一方、ステップS414の判断において赤外画像で検出が行えた場合、不正プレート検出部18は、不正プレート検出フラグをリセットし(ステップS410)、読取結果判定部5は、赤外画像によるナンバー読取結果を登録し(ステップS411)、読取結果出力部6は、このナンバー読取結果を出力する(ステップS409)。
【0068】
このように、第4の実施形態によれば、赤外光による撮影ではナンバーの読み取りが行えない場合に、可視光によって撮影を行うことにより、不正プレートの装着車両であっても、ナンバープレートの情報を適切に読み取ることが可能となる。また、赤外画像と可視画像によるナンバー読取結果に基づいて、夜間等の暗い環境でも不正プレートを検出でき、そのナンバー読取結果を取得することができる。
【0069】
上述したように、本実施形態では、例えば路上の通行車両の特定などを行うナンバー読取装置において、赤外画像及び可視画像を用いてナンバープレートの検出及び文字情報の認識を行う。この際、例えば昼夜判定を行い、昼間においては可視光下で撮影した可視画像を用いてナンバーの読み取りを行う。これにより、赤外光を吸収または反射する不正プレートの装着の有無に関わらず、ナンバーの読み取りが可能である。また、赤外画像と可視画像の両方のナンバー読取結果の可否によって、不正プレートの装着を検出することができる。
【0070】
なお、本発明は上記の実施形態において示されたものに限定されるものではなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、赤外光を吸収または反射する不正プレートの装着の有無に関わらずナンバーの読み取りが可能となる効果、不正プレートの装着を検出することが可能となる効果を有し、車両のナンバープレートを撮影し、ナンバーの読み取りを行うナンバー読取装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るナンバー読取装置の構成を示すブロック図
【図2】第1の実施形態におけるナンバー読み取り動作手順を示すフローチャート
【図3】本発明の第2の実施形態に係るナンバー読取装置の構成を示すブロック図
【図4】第2の実施形態におけるナンバー読み取り動作手順を示すフローチャート
【図5】赤外光を照射して撮影したナンバープレートの画像(赤外画像)を示す模式図
【図6】可視光下で撮影したナンバープレートの画像(可視画像)を示す模式図
【図7】本発明の第3の実施形態に係るナンバー読取装置の構成を示すブロック図
【図8】第3の実施形態におけるナンバー読み取り動作手順を示すフローチャート
【図9】撮影画像のフォーカス調整による変化の様子を示す模式図
【図10】本発明の第4の実施形態に係るナンバー読取装置の構成を示すブロック図
【図11】照明部及び画像入力部の設置例を模式的に示す図
【図12】第4の実施形態におけるナンバー読み取り動作手順を示すフローチャート
【図13】従来のナンバー読取装置の構成例を示すブロック図
【符号の説明】
【0073】
1 画像入力部
2 画像格納部
3 ナンバー読取部
4 昼夜判定部
5、15 読取結果判定部
6 読取結果出力部
7、17 照明部
8、18 不正プレート検出部
9 フォーカス調整部
10 フィルタ着脱部
100、110、120、130 ナンバー読取装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のナンバープレートを含む領域を撮影した撮影画像として、赤外光による赤外画像と可視光による可視画像とを入力可能な画像入力部と、
前記赤外光の照明光を照射する照明部と、
前記ナンバープレート部分の明るさより昼夜を判定する昼夜判定部と、
前記赤外画像と前記可視画像の少なくとも一方からナンバープレートの文字情報を認識するナンバー読取部と、
前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果を判定する読取結果判定部と、
前記ナンバープレートの情報を含むナンバー読取結果を出力する読取結果出力部とを備え、
前記読取結果判定部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は前記ナンバー読取部における可視画像によるナンバー読取結果を用いるナンバー読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナンバー読取装置であって、
前記画像入力部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は可視画像を入力し、前記ナンバープレート部分が所定条件より暗くなって夜間と判定された場合は赤外画像を入力するナンバー読取装置。
【請求項3】
請求項1に記載のナンバー読取装置であって、
前記画像入力部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は可視画像及び赤外画像を入力し、
前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果に基づき、前記赤外画像によるナンバーの読み取りが不可で、前記可視画像においてのみナンバーの読み取りが可能であった場合に、不正プレートとして検出する不正プレート検出部を備えるナンバー読取装置。
【請求項4】
請求項1に記載のナンバー読取装置であって、
前記画像入力部における撮像光学系のフォーカス調整を行うフォーカス調整部を備え、
前記フォーカス調整部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は可視光に合わせたフォーカス調整を行い、前記ナンバープレート部分が所定条件より暗くなって夜間と判定された場合は赤外光に合わせたフォーカス調整を行うナンバー読取装置。
【請求項5】
請求項4に記載のナンバー読取装置であって、
前記読取結果判定部は、前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果に基づき、N以上(Nは1以上の整数)のナンバー読取結果における読取率が所定値以下の場合に、前記フォーカス調整部により前記撮像光学系のフォーカスの微調整を行わせるナンバー読取装置。
【請求項6】
請求項1に記載のナンバー読取装置であって、
前記画像入力部の撮像光学系において可視光帯域を遮断または赤外光帯域のみを透過するフィルタを着脱するフィルタ着脱部を備え、
前記フィルタ着脱部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は前記フィルタを外し、前記ナンバープレート部分が所定条件より暗くなって夜間と判定された場合は前記フィルタを挿入するナンバー読取装置。
【請求項7】
請求項1に記載のナンバー読取装置であって、
前記照明部は、赤外光の照明光と可視光の照明光とを照射可能であり、
前記読取結果判定部は、前記昼夜判定部の判定結果と前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果とに基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より暗くなって夜間と判定された場合であって前記赤外画像によるナンバーの読み取りが不可の場合に、前記照明部より可視光を照射させて前記画像入力部により可視画像を入力し、
前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果に基づき、前記可視画像においてのみナンバーの読み取りが可能であった場合に、不正プレートとして検出する不正プレート検出部を備えるナンバー読取装置。
【請求項1】
車両のナンバープレートを含む領域を撮影した撮影画像として、赤外光による赤外画像と可視光による可視画像とを入力可能な画像入力部と、
前記赤外光の照明光を照射する照明部と、
前記ナンバープレート部分の明るさより昼夜を判定する昼夜判定部と、
前記赤外画像と前記可視画像の少なくとも一方からナンバープレートの文字情報を認識するナンバー読取部と、
前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果を判定する読取結果判定部と、
前記ナンバープレートの情報を含むナンバー読取結果を出力する読取結果出力部とを備え、
前記読取結果判定部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は前記ナンバー読取部における可視画像によるナンバー読取結果を用いるナンバー読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナンバー読取装置であって、
前記画像入力部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は可視画像を入力し、前記ナンバープレート部分が所定条件より暗くなって夜間と判定された場合は赤外画像を入力するナンバー読取装置。
【請求項3】
請求項1に記載のナンバー読取装置であって、
前記画像入力部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は可視画像及び赤外画像を入力し、
前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果に基づき、前記赤外画像によるナンバーの読み取りが不可で、前記可視画像においてのみナンバーの読み取りが可能であった場合に、不正プレートとして検出する不正プレート検出部を備えるナンバー読取装置。
【請求項4】
請求項1に記載のナンバー読取装置であって、
前記画像入力部における撮像光学系のフォーカス調整を行うフォーカス調整部を備え、
前記フォーカス調整部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は可視光に合わせたフォーカス調整を行い、前記ナンバープレート部分が所定条件より暗くなって夜間と判定された場合は赤外光に合わせたフォーカス調整を行うナンバー読取装置。
【請求項5】
請求項4に記載のナンバー読取装置であって、
前記読取結果判定部は、前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果に基づき、N以上(Nは1以上の整数)のナンバー読取結果における読取率が所定値以下の場合に、前記フォーカス調整部により前記撮像光学系のフォーカスの微調整を行わせるナンバー読取装置。
【請求項6】
請求項1に記載のナンバー読取装置であって、
前記画像入力部の撮像光学系において可視光帯域を遮断または赤外光帯域のみを透過するフィルタを着脱するフィルタ着脱部を備え、
前記フィルタ着脱部は、前記昼夜判定部の判定結果に基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より明るくなって昼間と判定された場合は前記フィルタを外し、前記ナンバープレート部分が所定条件より暗くなって夜間と判定された場合は前記フィルタを挿入するナンバー読取装置。
【請求項7】
請求項1に記載のナンバー読取装置であって、
前記照明部は、赤外光の照明光と可視光の照明光とを照射可能であり、
前記読取結果判定部は、前記昼夜判定部の判定結果と前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果とに基づき、前記ナンバープレート部分が所定条件より暗くなって夜間と判定された場合であって前記赤外画像によるナンバーの読み取りが不可の場合に、前記照明部より可視光を照射させて前記画像入力部により可視画像を入力し、
前記ナンバー読取部におけるナンバー読取結果に基づき、前記可視画像においてのみナンバーの読み取りが可能であった場合に、不正プレートとして検出する不正プレート検出部を備えるナンバー読取装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図5】
【図6】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図5】
【図6】
【図9】
【公開番号】特開2008−299645(P2008−299645A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−145684(P2007−145684)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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