説明

ニガウリ抽出物を主成分とする血糖値降下剤、および食品・医薬品組成物

【課題】天然の植物であるニガウリから高い血糖値降下作用を有する抽出物をえる。またそれを含んだ血糖値降下剤を提供する。またこの抽出物を含む食品・医薬組成物を提供する。
【解決手段】乾燥ニガウリのメタノール抽出物の生物活性指標分画により3種類の新規ククルビタン型テルペノイド(1−3)ならびに8種類の既知化合物(4−11)を単離した。主成分である5,19エポキシ−3,25ジヒドロキシククルビタ−6,23−ジエン(4)及び3,7,25−トリヒドロキシククルビタ−5,23−ジエン−19−アール(5)について、雄ddY系マウスにおいて400mg/kgで顕著な血糖値低下活性が見られた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニガウリ(学名モモルディカカランティア(Momordica charantia))の抽出物に含まれる化合物、それを主成分とする血糖値降下剤、またそれを含む食品・医薬品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は現代におけるもっとも一般的な慢性疾患の一つであり、心血管疾患の発生の主要因の一つである。糖尿病は、食餌中の糖を消費するという、インスリンの正常な活性が損なわれることによって引き起こされる。糖尿病にはインスリン依存型糖尿病とインスリン非依存型糖尿病とに主に分類され、近年、インスリン非依存型糖尿病の患者数は生活習慣の変化、肥満の増加、及び人口集団の加齢によって急激に増加している。
【0003】
一般的に糖尿病においては、体内でのインスリン産生能が極めて低下しているか、または作られたとしても、インスリン感受性の低下等によりそのインスリンが有効ではなく、これを原因として血糖値上昇が起き、それに伴う種々の高血糖症状を引き起こす。現在広く行われている治療としては、インシュリン投与以外に、血糖値降下剤の投与によって血糖値をコントロールしている。
【0004】
一方、アジアを初めとして多くの国々では、薬草由来の天然化合物を病気の治療薬として用いることがある。こうした地域ではこれらの薬を古来より使用する習慣があったり、高価な合成医薬品を購入できないといった事情がある。また、最近では植物化学者の研究対象のひとつはこうした民間薬から新薬発見を試みることである。さらにWHOの研究グループは、伝統的な固有の天然薬を適切かつ合理的に利用すべきであると結論付けている(Daniela Bagozzi、“Traditional medicine”、[online]、平成15年3月、World Health Organization、[平成17年9月24日検索]、インターネット<http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs134/en/index.html>)。
【0005】
ゴーヤあるいはニガウリとして知られる植物(学名モモルディカカランティア(Momordica charantia)、アーユルヴェーダ名:カレラ、以下「ニガウリ」と称す)は、その果実がアジアや一部のアフリカ諸国では糖尿病に効果があることが知られており、こうした天然の治療薬の候補の一つでもある。
ニガウリについては百を超える科学論文がその植物学的及び薬理学的性質について述べている。ニガウリからはククルビタン型トリテルペンアグリコン及び/またはグリコシドなどの種々の成分が単離されている。(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7)。また、これまでにニガウリの苦味成分はMomordicoside K及びL、ならびにmomordicine I及びIIとして報告されている(非特許文献1,非特許文献4等)。しかし、いずれの文献においてもそれぞれの成分に対する具体的な血糖値降下作用についての報告はない。
さらにいくつかの特許公報においても、血糖値降下作用等の薬効を有するニガウリの抽出物を含有する医薬や食品が提供されている。(特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4等)。しかし、そうした血糖値降下作用を有する活性成分については、特許文献3に水可溶性画分の低分子ペプチドがその作用を示すこと、また本出願人による特許文献4にニガウリから水抽出されたアルドノ−1,4−ラクトン類が血糖値上昇抑制剤の有効成分となること、等が開示されている。
【0006】
【非特許文献1】オカベ等(Okabe,H. et al.),Chem.Pharm.Bull,1982年,第30巻,p.4334−4340
【非特許文献2】オカベ等(Okabe,H. et al.),Tetrahedron Letters,1982年,第23巻,p.77−80
【非特許文献3】ミヤハラ等(Miyahara et al.),Chem.Pharm.Bull.,1981年,第29巻,p.1561−1566
【非特許文献4】ヤスダ等(Yasuda et al.),Chem.Pharm.Bull,1984年,第32巻,p.2044−2047
【非特許文献5】ムラカミ等(Murakami et al.)Chem.Pharm.Bull,2001年,第49巻,p. 54−63
【非特許文献6】ベーガム等(Begum et al.),Phytochemistry,1997年,第44巻,p.1313−1320
【非特許文献7】ファトープ等(Fatope et al.),J.Nat.Prod.,1990年,第53巻,p.1491−1497
【特許文献1】特開平8−92116号公報
【特許文献2】特開2001−278804号公報
【特許文献3】特表2002−516608号公報
【特許文献4】特開2004−250363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、いずれの文献においても血糖値降下作用を有する原因成分についての解明は不十分であり、またいくつかの文献に開示されている血糖降下作用を有する成分はいずれも水可溶性成分のみについての知見である。
【0008】
本発明者等は、鋭意研究の結果、ニガウリの特定の抽出物中にある化合物に高い血糖値降下作用を有することを見出し、本発明を完成した。
【0009】
従って、本発明の目的は、ニガウリから簡便な操作により容易に利用できる、高い血糖値降下作用を有する抽出物、およびある化合物を含む血糖値降下剤を提供することにある。また本発明の別の目的は、当該抽出物あるいは化合物を含んで成る血糖値降下作用を有する食品・医薬品組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち本発明は、ニガウリ(学名モモルディカカランティア(Momordica charantia))の有機溶媒抽出物を有効成分として含むことを特徴とする血糖値降下剤を提供することで、上記課題を解決することが出来た。
【0011】
本発明においては、前記有機溶媒抽出物が、アルコールによる抽出物であることが好ましい。この時、アルコールは、低級アルコールであることが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール及びブタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコールであることがさらに好ましい。
【0012】
また、本発明においては前記有機溶媒抽出物が、これをさらにエーテルまたは酢酸エチル抽出した画分であることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、ニガウリ(学名モモルディカカランティア(Momordica charantia))の有機溶媒抽出物中に含まれ、下記一般式1にて示される血糖値降下作用を有する化合物を提供するものである。
【0014】
【化7】

【0015】
(一般式1において、R1は水素原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、またはアロピラノシロキシ基を表し、R2はXにおいて二重結合を形成するかR5と共に環状エーテルを形成し、R3は水素原子、水酸基、アルキル基、またはアルコキシ基を表し、R4は水素原子、水酸基、アルキル基、又はアルコキシ基を表し、R5は水素原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、もしくはホルミル基を表すか、またはR2と共に環状エーテルを形成し、XはR2を含めて二重結合を形成するか、またはR2が環状エーテルを形成する場合にはR2を含めずに二重結合を形成する炭化水素基を表す。)
【0016】
また、本発明は下記構造式1にて示される化合物を提供するものである。
【0017】
【化8】

【0018】
さらに、本発明は下記構造式2にて示される化合物を提供するものである。
【0019】
【化9】

【0020】
さらに、本発明は下記構造式3にて示される化合物を提供するものである。
【0021】
【化10】

【0022】
さらに、本発明は上記したいずれかの化合物であって、ニガウリ(学名モモルディカカランティア(Momordica charantia))の有機溶媒抽出物中に含まれ、血糖値降下作用を有する化合物を提供するものである。
【0023】
また、本発明はニガウリ(学名モモルディカカランティア(Momordica charantia))の有機溶媒抽出物中に含まれ、下記構造式4にて示される血糖値降下作用を有する化合物を提供するものである。
【0024】
【化11】

【0025】
さらに、本発明はニガウリ(学名モモルディカカランティア(Momordica charantia))の有機溶媒抽出物中に含まれ、下記構造式5にて示される血糖値降下作用を有する化合物を提供するものである。
【0026】
【化12】

【0027】
また、本発明はニガウリ(学名モモルディカカランティア(Momordica charantia))をメタノール中で抽出し、当該抽出液をさらにエーテルまたは酢酸エチル抽出して得られる、血糖値降下作用を有することを特徴とするニガウリ抽出物を提供するものである。
【0028】
さらに、本発明は上記したいずれかの血糖値降下剤、化合物、ニガウリ抽出物を有効成分として含有し、血糖値降下作用を有する食品・医薬品組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明により、天然物であるニガウリより簡便な操作により容易に、高血糖値降下作用を有する抽出物を利用することができた。
【0030】
また、その中でも特定の化合物により、より高い血糖値降下作用を有する血糖値降下剤を提供することができる。
【0031】
また、上記抽出物や化合物を含む食品・医薬品組成物により、簡便にヒトに投与することが可能となり、服用しやすい糖尿病患者用食品・医薬品組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下に述べる個々の形態には限定されない。
【0033】
ニガウリは、学名:モモルディカカランティア(Momordica charantia(以降、M. charantiaともいう))、アーユルヴェーダ名:カレラと呼ばれるウリ科の一年草である。インドが原産で熱帯アジア、中国、日本(特に関東以西の沖縄など)で栽培されている。一般には観賞用として栽培されているが、近年、種々の薬効作用から食用として栽培されるようになっている。特に未熟果は苦みが著しく、果実部を油いため、三杯酢、漬物などとして食用に供され、また完熟果は種子を包む果肉が甘く、そのままで食用に供されている。中国では古来果実部を薬用に利用している。
【0034】
本発明においては、ニガウリの抽出用の原料として用いる部位については特に制限はなく、全草、花、果実、種子、茎等のいずれの部位であってもよいが、なかでも、特に果実部を用いることが好ましい。果実部には、果皮、果汁、果肉、わた、種子などが含まれるが、任意の部位を一部位又は組み合わせて用いることができる。
【0035】
これらのニガウリ抽出用原料は未処理のままでも使用できるが、抽出効率を上げるためには、切断、粉砕、乾燥などを経た物を使用することが好ましい。例えば、果実部をある程度の大きさに切断あるいは粉砕後、乾燥・未乾燥の状態にて抽出操作に供する、または乾燥後の果実部をある程度の大きさに切断あるいは粉砕後に抽出操作に供する、などによって調整すること好ましい。乾燥方法としては、特に限定されないが、熱風乾燥、真空凍結乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロ波加熱乾燥等が挙げられる。
【0036】
本発明における抽出用の溶媒には有機溶媒が用いられる。その例としては、これには限定されないが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコール類;酢酸エチル等のエステル類;エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のグリコール類;ジエチルエーテル等のエーテル類;その他、アセトン、酢酸、ベンゼン、トルエン、石油エーテル、ヘキサン等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独あるいは二種以上を組み合わせて用いることが出来る。本発明では、アルコール、エーテル、エステルを用いることが好ましく、さらに好ましくは低級アルコール、エーテル、酢酸エチルである。本発明ではメタノールでまず抽出し、その抽出物からさらにエーテル、酢酸エチルにて再抽出を行うことが、本発明による化合物の含有量が多いために、最も好ましい。
【0037】
本発明において用いられる抽出方法としては、一般的な方法を採用することができる。例えば、原料としてニガウリの生果実部又は乾燥果実部を、そのまま又は切断・粉砕物として上記溶媒中に、冷却下、常温下又は加温下において、撹拌下又は静置して浸漬することができる。得られた抽出混合物は、必要に応じて濾過又は遠心分離によって固形物を除いた後、そのまま用いるか又は溶媒を濃縮してもしくは乾燥して用いてもよい。抽出時間は特に限定されず、10分から数十日まで、原料となるニガウリの状態に応じて適宜決定すればよい。
【0038】
特に本発明における抽出物は、例えば、ニガウリのメタノール抽出物より得られるエーテル画分及び酢酸エチル画分であることが好ましい。
【0039】
本発明の化合物は、上記抽出物より単離された物であり、下記一般式1にて示される。
【0040】
【化13】

【0041】
上記一般式1において、R1は水素原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、またはアロピラノシロキシ基を表し、R2はXにおいて二重結合を形成するかR5と共に環状エーテルを形成し、R3は水素原子、水酸基、アルキル基、またはアルコキシ基を表し、R4は水素原子、水酸基、アルキル基、又はアルコキシ基を表し、R5は水素原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、もしくはホルミル基を表すか、またはR2と共に環状エーテルを形成し、XはR2を含めて二重結合を形成するか、またはR2が環状エーテルを形成する場合にはR2を含めずに二重結合を形成する炭化水素基を表す。
【0042】
特に好ましくは、R1は水酸基、低級アルコキシ基、またはアロピラノシロキシ基を表し、R3は水素原子、水酸基、または低級アルコキシ基を表し、R4は水酸基または低級アルコキシ基を表す。
【0043】
上記一般式1の化合物の中でも好ましくは下記構造式1から5で表される化合物である。
【0044】
【化14】

【0045】
【化15】

【0046】
【化16】

【0047】
【化17】

【0048】
【化18】

【0049】
本発明の食品組成物は、特に糖尿病患者用食品に適用することができる。本発明のニガウリ抽出物及び/又は化合物を含有する特定保健用食品等の特別用途食品や栄養機能食品として直接摂取することにより血糖値コントロール治療を簡便に行うことができる。
【0050】
具体的には、食品組成物として使用する場合には、各種飲食品(牛乳、清涼飲料、発酵乳、ヨーグルト、チーズ、パン、ビスケット、クラッカー、ピッツァクラスト、調製粉乳、流動食、病者用食品、幼児用粉乳等食品、授乳婦用粉乳等食品、栄養食品等)にニガウリ抽出物及び/又は化合物を添加し、これを摂取してもよい。本有効成分をそのまま使用したり、他の食品ないし食品成分と混合するなど、通常の食品組成物における常法にしたがって使用できる。また、その性状についても、通常用いられる飲食品の状態、例えば、固体状(粉末、顆粒状その他)、ペースト状、液状ないし懸濁状のいずれでもよい。
【0051】
その他の成分についても特に限定されないが、本発明のニガウリ抽出物及び/又は化合物を含有する飲食物には、水、タンパク質、糖質、脂質、ビタミン類、ミネラル類、有機酸、有機塩基、果汁、フレーバー類等を主成分として使用することができる。タンパク質としては、例えば全脂粉乳、脱脂粉乳、部分脱脂粉乳、カゼイン、ホエイ粉、ホエイタンパク質、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質分離物、α―カゼイン、β―カゼイン、κ−カゼイン、β―ラクトグロブリン、α―ラクトアルブミン、ラクトフェリン、大豆タンパク質、鶏卵タンパク質、肉タンパク質等の動植物性タンパク質、これら加水分解物;バター、乳性ミネラル、クリーム、ホエイ、非タンパク態窒素、シアル酸、リン脂質、乳糖等の各種乳由来成分などが挙げられる。糖類、加工澱粉(テキストリンのほか、可溶性澱粉、ブリティッシュスターチ、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル等)、食物繊維などが挙げられる。脂質としては、例えば、ラード、魚油等、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の動物性油脂;パーム油、サフラワー油、コーン油、ナタネ油、ヤシ油、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の植物性油脂などが挙げられる。ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、カロチン類、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD群、ビタミンE、ビタミンK群、ビタミンP、ビタミンQ、ナイアシン、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、イノシトール、コリン、葉酸などが挙げられ、ミネラル類としては、例えば、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、セレンなどが挙げられる。有機酸としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸などが挙げられる。これらの成分は、2種以上を組み合わせて使用することができ、合成品及び/又はこれらを多く含む食品を用いてもよい。
また、本発明のニガウリ抽出物及び/又は化合物を含む食品組成物として食する際の通常の摂取量は、例えば成人1日当たり、ニガウリ抽出物及び/又は化合物として0.1mg〜2g/kgが好ましく、50mg〜1g/kgがより好ましい。
【0052】
本発明のニガウリ抽出物及び/又は化合物を含む血糖値降下剤や、これを有効成分とする医薬組成物の投与量は、投与経路、ヒトを含む投与対象動物の年齢、体重、症状など、種々の要因を考慮して、適宜設定することができる。本発明はこれに限定されないが、好ましくは、有効成分として0.1mg〜2g/kg/dayが適当である。しかしながら、長期間に亘って治療の目的で摂取する場合には、上記範囲よりも少量であってもよいし、また本有効成分は、天然の植物由来であり安全性について問題がないので、上記範囲よりも多量に使用しても一向にさしつかえない。
また本発明のニガウリ抽出物及び/又は化合物を含む血糖値降下剤や医薬組成物は、経口投与又は非経口投与(筋肉内、皮下、静脈内、坐薬、経皮等)のいずれでも投与できる。
【0053】
本発明による血糖値降下剤または医薬組成物の投与形態としては、例えば錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、溶液、シロップ剤、乳液等による経口投与をあげることができる。これらの各種製剤は、常法に従って主薬である本発明のニガウリ抽出物及び/又は化合物に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて製剤化することができる。
【0054】
本発明のニガウリ抽出物及び/又は化合物の量は、その目的、用途(食品組成物、予防剤、治療剤等の医薬品組成物)に応じて任意に定めることができ。本発明はこれに限定されないがその含量としては、全体量に対して通常、0.001〜100%(w/w)、特に0.1〜100%が好ましい。
【0055】
以下、本発明の実施例を挙げて本発明についてさらに詳細に説明を行うが、本発明は、これらの具体的な実施例に限定されない。
【0056】
以下の実施例において用いられた測定機器、方法は下記の通りである。なお、CDCl3、C55Nはそれぞれクロロホルム、ピリジンの重水素化溶媒を示す。
旋光性:DIP1000偏光計(JASCO製、MeOH又はCHCl3溶媒)
UVスペクトル:UV−1650PC装置(島津製作所製、MeOH溶媒)
IRスペクトル:FT/IR−5300分光光度計(JASCO製)
1H及び13C NMRスペクトル:Unity600 NMR分光計(バリアン社製、CDCl3またはC55N(グリコシド)溶媒、1H:600MHz、13C:150MHz、内部基準物質(1H)テトラメチルシラン,(13C)C55
質量分析:JMS AX500分光計(EI−MS、FAB−MS、日本電子製)、GC/MS(HP5890、SPB−1、ヒューレットパーカード社)
結晶構造X線解析システム:(maXus(Bruker Nonius, DELFT & Mac Science, Japan))
カラムクロマトグラフィー:Sephadex−LH20(18−111μM、アマシャム・ファルマシア・バイオテック社製,CHCl3−MeOH,1:1)、シリカゲルKieselgel60(メルク社製、0.040−0.063mm)、DIAIONカラム(HP20 lot 2D503)、三菱化学社製)
分取HPLC:Cosomosil逆相カラム(10x250mm 5C18−AR,Type Waters, Manuf. No. H14772、ナカライテスク社製)、JASCO880PUポンプ、JASCO875UV UV検出器、及びERC7512 ERMA CR INC RI検出器
分取TLC:20x20cm RP18F254S(メルク社製)
【実施例1】
【0057】
本実施例で用いたニガウリは、インド産の乾燥ニガウリ(M. charantia L.)を使用した。
【0058】
(ニガウリの溶媒抽出)
乾燥ニガウリ20kgを機械的に粉末化し、室温で1ヶ月メタノール(MeOH)で抽出した。この抽出物を減圧濾過し、減圧濃縮した。次いで415.8gのメタノール抽出物を水(H2O)に懸濁し、エーテル(Et2O)、酢酸エチル(EtOAc)、及びn−ブタノールで順に抽出して、エーテル抽出物61g、酢酸エチル抽出物42g及びn−ブタノール抽出物298gの抽出物をそれぞれ得た。
【0059】
(ニガウリエーテル抽出物の精製)
上記の操作にて得られたエーテル抽出物の27gをヘキサン/EtOAc濃度勾配(順次EtOAc濃度が高くなる)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、24の分画に分けた(分画液1〜24)。分画液5はSephadex LH−20カラムにかけて3つのサブフラクションを得た(分画液5−1〜5−3)。この分画液5−3をODS RP−18(Cosomosil逆相カラム)でHPLCにかけて化合物10及び11(53mg))を得た。分画液9をSephadex LH−20(MeOH:CH2Cl2 1:1)で精製して化合物9(3.4mg)を得た。分画液13をEtOAc中で結晶化することにより化合物4(178mg)を得た。分画液17をSephadex LH−20クロマトグラフィー(MeOH:CH2Cl2 1:1)により3つのサブフラクションに分けた(分画液17−1〜17−3)。この分画液17−2をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc:Et2O=4:3:1)にかけ、化合物5(175mg)を得た。分画液20はSephadex LH−20で3つのサブフラクションに分けた(分画液20−1〜20−3)。分画液20−2をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=6:4〜0:10)で更に精製して化合物6(25.2mg)、化合物1(3.2mg)、化合物5(76mg)及び化合物7(21.3mg)を得た。
【0060】
(ニガウリ酢酸エチル抽出物の精製)
前記の操作にて得られた酢酸エチル抽出物の3gをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH:H2O=15:3:1−下層、及びEtOAc)にかけて8つの分画液を得た(分画液1〜8)。シリカゲルカラムクロマトグラフィーとODS RP−18 (Cosomosil逆相カラム)(n−ヘキサン:EtOAc=7:3〜0:10、及びMeOH)の組み合わせにより分画液1から化合物2(9.3mg)を得、分画液3のSephadex LH−20カラム及びODS RP−18(Cosomosil逆相カラム)(CH3CN:H2O=13:7)による精製によって化合物3(7.8mg)を得た。
【0061】
(ニガウリn−ブタノール抽出物の精製)
前記の操作にて得られたn−ブタノール抽出物の15gをDIAIONカラムにかけてH2OとMeOHの混合液でMeOH量を増やしながら溶出し、さらにアセトンで溶出した(H2O,50%MeOH,MeOH、アセトンの順に溶出)。MeOHで溶出した分画16.2gに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH:H2O=15:3:1−下層;CH2Cl2:MeOH=9:1及び4:1)、ODS RP−18(Cosomosil逆相カラム)(MeOH:H2O:9:1)及びシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=17:3)を組み合わせて用いて化合物8(8.4mg)を得た。
【0062】
以上のように、実施例1で得られたニガウリのエーテル抽出物、酢酸エチル抽出物、n−ブタノール抽出物からサイズ排除、順相、逆相、イオン交換クロマトグラフィーや再結晶技術等により、11種類の化合物(1−11)が得られた。
【0063】
(得られた化合物の同定)
(1)化合物1
化合物1の高分解能EI−MSの結果は分子式C31523を支持し、1H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトル、COSY、HMBC、及びNOESY実験等から、化合物1の構造は、下記構造式1の3β,25−ジヒドロキシ−7β−メトキシククルビタ−5,(23E)−ジエンであると決定された。
【0064】
【化19】

【0065】
3β,25−ジヒドロキシ−7β−メトキシククルビタ−5,(23E)−ジエン(1):
非晶系粉末、[α]20D=・73.2(c=0.8、CHCl3),IR(KBr):3336,1449,1068cm-1
1H−NMR(600MHz,CDCl3)・:0.70,0.92,0.98,1.04,1.21(各s及び3H,30,18,19,29及び28−CH3),0.88(d,J=6.0Hz,3H,21−CH3),1.31(6H,26及び27−CH3),2.16(m,22−H),2.28(dd,1H,J=12.5,4.5Hz,10−H),3.34(s,7−OCH3),3.43(dd,1H,J=5.4,1.0Hz,7−H),3.51(brs,3−H),5.57(d,J=15.8Hz,23−H),5.59(m,6及び22−H)。
13C−NMRデータ:図1の表に示す。
ポジティブ型高分解能EI−MS m/z 472.3915 [M]+,C31523,計算値472.3905。
【0066】
(2)化合物2
化合物2の分子式は高分解能EI−MSによってC32543であることが示され、1H及び13C−NMRスペクトル、X線結晶構造解析などから、化合物2は下記構造式2の3β,25−ジメトキシ−7β−ヒドロキシククルビタ−5,(23E)−ジエンであると決定された。
【0067】
【化20】

【0068】
3β,25−ジメトキシ−7β−ヒドロキシククルビタ−5,(23E)−ジエン(2):
非晶質粉末;[α]17D=・15.3(c=1.5、CHCl3),IR(KBr):3453,2943,1467,1032cm-1
1H−NMR(600MHz,CDCl3)・:0.69,0.92,1.03,1.20(各s及び3H,30,18,19及び28−CH3),1.24(s,6H,26及び27−CH3),0.98(s,3H,29−H),0.89(d,J=6.0Hz,3H,21−CH3),2.18(m,22−H),2.27(dd,1H,J=12.5,4.5Hz,10−H),3.14(s,25−OCH3),3.34(s,7−OCH3),3.42(brd,1H,J=5.4Hz,7−H),3.51(brs,3−H),5.37(d,J=15.8Hz,23−H),5.50(ddd,J=15.8,8.7,5.7Hz,24−H),5.83(d,J=5.4Hz,6−H)。
13C−NMRデータ:図1の表に示す。
ポジティブ型高分解能EI−MS m/z 486.4051 [M]+, C32543、計算値486.4073。
結晶データ:C32533,Mr=486.781,斜方晶,P2111,a=7.7220(4)Å,b=10.0960(7)Å,c=38.762(4)Å,・=90.00°,・=90.00°,・=90.00°,V=3021.9(4)Å3,Mo K・radiation,・=0.71073,DIPイメージプレート,F2でリファイン,フルマトリクス最小二乗リファインメント,R(gt)=0.0738,wR(gt)=0.2088,S(ref)=1.043,4333反射,317パラメータ,H原子の座標のみリファイン,計算重量シグマ,セルリファインメント:Scalepack(HKL),データリダクション:maXus,構造のリファインに用いたプログラム:SHELXL−97。
【0069】
(3)化合物3
化合物3のポジティブ型高分解能FAB−MSによって、m/z673.8391における[M+K]+に基づく準分子イオンピーク(C36589K)が示された。13Cスペクトルでは以前に単離されているモノデスモシディック−3β,25−ジヒドロキシ−7β−メトキシククルビタ−5(23E)−ジエン,19−アール(5)を示すピークと、アロピラノシル単位を示すピークが見られた。GC/MS、1H−NMRスペクトル及び旋光性等のデータから化合物3の構造は3β,7β,25−トリヒドロキシククルビタ−5,(23E)−ジエン−19−アール 3β−D−アロピラノースと決定された(構造式3)。
【0070】
【化21】

【0071】
3β,7β,25−トリヒドロキシククルビタ−5,(23E)−ジエン−19−アール,3β−D−アロピラノース(3):
[α]20D=+11.32(c=0.9、MeOH),IR(KBr):3378,2949,1464,1081cm-1
1H−NMR(600MHz,CD3OD)・:0.81,0.91,1.08,1.21(各s及び3H,30,18,19及び29−CH3),0.94(d,J=6.0Hz,3H,21−CH3),1.25(s,6H,26及び27−CH3),1.31(3H,28−CH3),3.27(dd,J=7.9,3.2Hz,1H,7−H),3.44(dd,J=9.4,2.1,1H,4’−H),3.63(m,2H,6a’及び5’−H),3.79(d,J=9.2,1H,6b’−H),3.99(d,1H,J=5.7Hz,7−H),4.02(d,J=6.0,2’−H),4.60(d,J=7.6Hz,1’−H),5.57(m,23−H),5.87(brd,J=5.4Hz,6−H),10.23(s,1H,19−H).(300MHz,C55N)・:0.74,0.84,1.12,(各s及び3H,30,18及び29−CH3),0.96(d,J=6.2Hz,21−CH3),1.55(s,6H,26及び27−CH3),1.59(s,3H,28−CH3),3.87(dd,J=7.9,3.2Hz,1H,7−H),4.18(dd,J=9.4,2.1,1H,4’−H),4.35及び4.49(m,2H,6a’及び5’−H),5.34(d,J=7.8Hz,1’−H),5.92(brm,23及び24−H),6.23(brd,J=5.4Hz,6−H),10.60(s,19−H)。
13C−NMRデータ:図1の表に示す。
ポジティブ型高分解能FAB−MS m/z 673.8391 [M+K]+,C36589K、計算値673.8405。
【0072】
(4)化合物4
化合物4の構造は、5,19エポキシ−3,25ジヒドロキシククルビタ−6,(23E)−ジエンと同定された(13C−NMRデータ:図1の表に示す)(構造式4)。この化合物4はmomordicoside Iの加水分解によって既に得られているものであるが(Mulholland et. al. Phytochemistry、1997年、第45巻、p.391−395)、ニガウリ抽出物からは初めて得られた。
【0073】
【化22】

【0074】
(5)化合物5
化合物5の構造はX線結晶解析により、3β,7β,25−トリヒドロキシククルビタ−5,(23E)ジエン−19−アールと同定された(構造式5)。
【0075】
【化23】

【0076】
(6)化合物6〜11
化合物6〜9は、物理的及び分光学的データを文献に報告されているものと比較することにより、それぞれ5β,19−エポキシククルビタ−6,(23E)−ジエン−3β,19,25−トリオール、5β,19−エポキシ−19−メトキシククルビタ−6,(23E)−ジエン−3β,25−ジオール、パラメトキシ安息香酸と同定された。
化合物10及び11(1:1混合物として単離される)はCharantinの2つのアグリコンであるシトステロール及びスティグマスタジエノールとして同定された。
【実施例2】
【0077】
(化合物4および化合物5の抗糖尿病活性試験)
次いで、化合物4ならびに5を大量に単離し、in vivoでの抗糖尿病活性について試験を行った。
【0078】
体重約30gの雄ddY系マウスをSLC(静岡)から購入し、21±2℃の一定温度下、55±15%の湿度、12時間の明暗周期で実験開始まで1週間飼育した。
【0079】
アロキサン(シグマ)を40mg/kgの用量で静脈内投与することにより糖尿病を誘発させた。糖尿病誘発後5日後にマウスを18時間絶食させた。
各試験試料を1%アラビアガム溶液に懸濁した。陽性対照としてグリベンクラミド(シグマ)を200mg/kgの用量で使用した。血糖値は試料投与直前、試料投与後2、4及び6時間後にGlucometerDEX(バイヤー・ヘルスケア、米国)にて経時的に測定した。コントロール群のマウスには、試料の代わりに1%のアラビアガム溶液を投与した。各試料のマウス(グリベンクラミド群:4匹、化合物4群:3匹、化合物5群:3匹)を用いて試験を行った。
各時点の血糖値は、試料投与直前の血糖値に対する相対血糖値(%)として算出した。
【0080】
得られた結果を図2に示す。各抽出物の静脈内投与(400mg/kg)によりグリベンクラミド(200mg/kg)に比肩する著明な血糖値低下効果が見られた。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明により、天然物であるニガウリより簡便な操作により容易に、高血糖値降下作用を有する抽出物を利用することができ、またその中でも特定の化合物により、より高い血糖値降下作用を有する血糖値降下剤を提供することができる。これらの抽出物や化合物を含む食品・医薬品組成物を提供することにより、簡便にヒトに投与することが可能となり、服用しやすい糖尿病患者用食品・医薬品組成物を提供することができ、産業上の利用価値は高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】化合物1〜4の13C−NMRスペクトルデータ(150MHz)を示す表である。各化合物の位置番号に対応するケミカルシフト(ppm)を表す。
【図2】アロキサン誘発糖尿病モデルマウスにおける化合物4及び化合物5の効果を示す。縦軸は試料投与直前の血糖値に対する相対血糖値(%)を、横軸は試料投与後の経過時間をしめし、それぞれの記号は、◆:グリベンクラミド 200mg/kg、■:化合物4 400mg/kg、▲:化合物5 400mg/kgを表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニガウリ(学名モモルディカカランティア(Momordica charantia))の有機溶媒抽出物を有効成分として含むことを特徴とする血糖値降下剤。
【請求項2】
前記有機溶媒抽出物が、アルコールによる抽出物であることを特徴とする請求項1に記載の血糖値降下剤。
【請求項3】
前記アルコールが、低級アルコールであることを特徴とする請求項2に記載の血糖値降下剤。
【請求項4】
前記アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール及びブタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコールであることを特徴とする請求項2に記載の血糖値降下剤。
【請求項5】
前記有機溶媒抽出物が、これをさらにエーテル抽出した画分であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の血糖値降下剤。
【請求項6】
前記有機溶媒抽出物が、これをさらに酢酸エチル抽出した画分であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の血糖値降下剤。
【請求項7】
ニガウリ(学名モモルディカカランティア(Momordica charantia))の有機溶媒抽出物中に含まれ、下記一般式1にて示される血糖値降下作用を有する化合物。
(一般式1において、R1は水素原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、またはアロピラノシロキシ基を表し、R2はXにおいて二重結合を形成するかR5と共に環状エーテルを形成し、R3は水素原子、水酸基、アルキル基、またはアルコキシ基を表し、R4は水素原子、水酸基、アルキル基、又はアルコキシ基を表し、R5は水素原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、もしくはホルミル基を表すか、またはR2と共に環状エーテルを形成し、XはR2を含めて二重結合を形成するか、またはR2が環状エーテルを形成する場合にはR2を含めずに二重結合を形成する炭化水素基を表す。)
【化1】

【請求項8】
下記構造式1にて示される化合物。
【化2】

【請求項9】
下記構造式2にて示される化合物。
【化3】

【請求項10】
下記構造式3にて示される化合物。
【化4】

【請求項11】
請求項7乃至9のいずれかの化合物であって、ニガウリ(学名モモルディカカランティア(Momordica charantia))の有機溶媒抽出物中に含まれ、血糖値降下作用を有する化合物。
【請求項12】
ニガウリ(学名モモルディカカランティア(Momordica charantia))の有機溶媒抽出物中に含まれ、下記構造式4にて示される血糖値降下作用を有する化合物。
【化5】

【請求項13】
ニガウリ(学名モモルディカカランティア(Momordica charantia))の有機溶媒抽出物中に含まれ、下記構造式5にて示される血糖値降下作用を有する化合物。
【化6】

【請求項14】
ニガウリ(学名モモルディカカランティア(Momordica charantia))をメタノール中で抽出し、当該抽出液をさらにエーテル抽出して得られる、血糖値降下作用を有することを特徴とするニガウリ抽出物。
【請求項15】
ニガウリ(学名モモルディカカランティア(Momordica charantia))をメタノール中で抽出し、当該抽出液をさらに酢酸エチル抽出して得られる、血糖値降下作用を有することを特徴とするニガウリ抽出物。
【請求項16】
上記請求項1乃至5のいずれかに記載の血糖値降下剤を有効成分として含有し、血糖値降下作用を有する食品・医薬品組成物。
【請求項17】
上記請求項6乃至12のいずれかに記載の化合物を有効成分として含有し、血糖値降下作用を有する食品・医薬品組成物。
【請求項18】
上記請求項13に記載のニガウリ抽出物を有効成分として含有し、血糖値降下作用を有する食品・医薬品組成物。
【請求項19】
上記請求項14に記載のニガウリ抽出物を有効成分として含有し、血糖値降下作用を有する食品・医薬品組成物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−145782(P2007−145782A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−345319(P2005−345319)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000006138)明治乳業株式会社 (265)
【Fターム(参考)】