説明

ニコチンの経皮投与手段

基本的な、及び、付加的で使用者によって起動し得るニコチンの投与を提供するニコチンの経皮投与用装置、並びにそのような装置の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニコチンの経皮投与用装置、特に、基本的な、及び、付加的で使用者によって起動し得るニコチンの投与を提供する装置に関する。本発明は、又、上記装置の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
タバコ依存症及びその低減
最近、タバコ喫煙の有害な効果の認識と共に、タバコ喫煙に起因する健康への悪影響についての情報を普及するための、政府機関及び種々の健康団体及びその他の関係組織によるキャンペーン及びプログラムの数が多くなっている。その上更に、及びこの悪影響の認識の結果として、喫煙率を減少させる試みを指向したプログラムが多くなっている。
【0003】
ニコチンは有機化合物であり、タバコの主たるアルカロイドである。ニコチンは、紙巻きタバコ、葉巻、嗅ぎタバコ、その他に使われるタバコの主な耽溺性の成分である。ニコチンは、又、耽溺性薬物であるが、喫煙者は、暫く喫煙を止めることに成功した後に、逆戻りする強い傾向を見せる特徴がある。ニコチンは、コーヒーや茶からのカフェインに次いで、世界で2番目に最も使われる薬物である。
【0004】
タバコ喫煙に伴う主な問題は、健康に対する非常に大きな関わり合いである。喫煙は、全世界的には、およそ年間3〜4百万人の死亡の原因となる疾病に関係していると推定されている。米国疾病対策予防センター、「成人における紙巻きタバコ喫煙−米国、1995年」、MMWR1997;46:1217〜1220、によると、米国においておよそ50万人の人々が、タバコを使用した結果として、毎年死亡している。事実、過剰な喫煙は、今や、世界中で主要な健康上の問題点の一つであると認識されている。タバコ喫煙のこの恐ろしい結果は、多くの医師会や保健機関に、タバコの使用に反対する非常に強い行動をとらせる勧告となっている。
【0005】
タバコ喫煙は、今日、多くの先進国では減少してはいるが、どのようにして社会が、この世界で2番目に多く使用されている薬物を駆逐することができるかを見出すことは困難である。
【0006】
ヘビースモーカーが行うことができる最も有利なことは、喫煙を減少する、又は好ましくは、まさに完全に停止することである。しかしながら、タバコ喫煙は、殆どの場合、依存性障害又は渇望をもたらすので、殆どの喫煙者にはこれが非常に困難であることは、経験が示している。WHOは、その国際疾病分類において、タバコ依存症と呼ばれる診断を有している。他に、米国精神医学会のような他の団体は、習慣性ニコチン依存症と呼んでいる。喫煙を止めるこれらの困難さは、これらヘビースモーカーがニコチン依存症であるという事実からもたらされることが、一般的に受け入れられている。しかし、最も重要な危険因子は、一酸化炭素、タール生成物、アルデヒド及びシアン化水素酸のような、タバコの燃焼中に生成する物質である。
【0007】
ニコチンの効果
ニコチンの投与は満足感を与えることができ、その通常の方法は、例えば、紙巻きタバコ、葉巻又はパイプタバコを喫煙することによる、いずれかの喫煙によるものである。しかしながら、喫煙は健康上有害であり、それ故に、喫煙をとり止めることが容易になるように使用することができ、及び/又は、喫煙の代替物として使用することができる、楽しい方法でニコチンを投与する代替的方法を処方することが望ましい。
【0008】
紙巻きタバコを喫煙する場合、ニコチンは、速やかに喫煙者の血中に吸収され、吸引後およそ10秒以内に脳に到達する。ニコチンの速やかな取り込みは、その消費者に即座に満足感又は興奮を与える。次いで、満足は、紙巻きタバコの喫煙時間中及びその後暫く継続する。喫煙の有毒な、毒性を有する、発ガン性の、そして耽溺性のある性質は、紙巻きタバコを喫煙する習慣を断つことを助ける方法、組成物及び装置への努力を生んだ。
【0009】
ニコチンは、タバコ植物由来の耽溺性の毒物アルカロイドC54NC47NCH3である。ニコチンは、又、殺虫剤としても使用される。
【0010】
ニコチン代替製品
喫煙を減らす一つの方法は、喫煙以外の形態又は方法でニコチンを提供することであり、いくつかの製品がこの需要を満たすために開発されている。ニコチン含有処方は、現時点では、タバコ依存症の優勢な治療である。
【0011】
喫煙率の低減を達成することは、現在知られている製品を用いては比較的成功していない。現時点での技術水準は、習慣的な試み及び薬理学的な試みの両者を含んでいる。単に喫煙率を減じるいくつかの習慣的又は薬理学的な試みを用いた後に、当初は禁煙したタバコ喫煙者の80%を超える人々が、一般的にはおよそ1年以内の期間に、元の喫煙率で喫煙の習慣に逆戻りしている。
【0012】
喫煙を止める意思がある人々に対する支援として、ニコチン・チューインガムのような、市販されているニコチン代替品のいくつかの方法及び形態がある。例えば、米国特許第5,810,018号(口腔ニコチンスプレー)、米国特許第5,939,100号(ニコチン含有ミクロスフェア)及び米国特許第4,967,773号(ニコチン含有トローチ)に記載されているような、ニコチン又はその誘導体を対象に投与するステップを含む、タバコを使用する対象の欲望を減退するために、いくつかの方法及び手段が記載されている。
【0013】
ニコチン含有経鼻点滴剤が報告されている(Russell et al., British Medical Journal, Vol. 286, p. 683 (1983); Jarvis et al., Brit. J. of Addiction, Vol. 82, p. 983 (1987))。しかしながら、経鼻点滴剤は、投与が難しく、就労中又はその他の公的状態では不便である。スプレーによって鼻腔内に直接送達する方法によるニコチンの投与方法は、米国特許第4,579,858号、ドイツ特許第3241437号及びWO第93/12764号から公知である。けれども、それらには、経鼻ニコチン処方の使用に伴う局所鼻刺激があり得る。投与の困難さは、又、投与されるニコチンの一回投与量が予測できないという結果をもたらす。
【0014】
又、紙巻きタバコに類似した吸入装置が、米国特許第5,167,242号に示唆されているように、ニコチン蒸気の取り込み用として知られている。
【0015】
喫煙率を減少することで今日までに成功した1つの試みは、喫煙禁断症状を減じるように設計されたニコチン含有チューインガムに頼っている。報告されている成功率は、プラセボのおよそ2倍である。
【0016】
喫煙代替品として、及び/又は、禁煙支援品として使用され、ニコチンを基本とする、成功した製品の一つが、チューインガム「ニコレット(登録商標)」である。この製品は、米国食品医薬品局(FDA)によって認可された最初のニコチン代替形態の一つであって、いまだに最も使用されているニコチン代替製品の一つである。ニコレット(登録商標)チューインガムは、数年間に約60カ国で売り出された。このチューインガムでは、ニコチンは、ガム基剤に分散された不溶性陽イオン交換体(ポラクリレックス)と複合体の形態で存在している。ニコチンは、噛むことによりガムからゆっくりと遊離し、噛み方によって、即ち、ゆっくりか急いで噛むかで、約30分後に、紙巻きタバコを喫煙した場合に類似した血漿レベルに達する。この製品に関する特許は、例えば、米国特許第3,877,468号、米国特許第3,901,248号及び米国特許第3,845,217号である。
【0017】
ニコチン経皮パッチ
ニコチンの経皮投与用皮膚パッチの使用は、何年も以前から報告されていた(Rose, in Pharmacologic Treatment of Tobacco Dependence, (1986) pp. 158-166, Harvard Univ. Press)。ニコチンの経皮送達用装置に関する多くの特許が発行されている。例えば、
ニコチンが環状化合物と複合体をなしている経皮送達系を開示する米国特許第5,120,546号、アクリル系ポリマー粘着剤を使用する経皮送達系を開示する米国特許第5,230,896号、律速膜を使用し12〜24時間でニコチンを送達する経皮パッチを開示する米国特許第4,943,435号、ニコチン含有経皮送達装置を作る方法であって、それによりニコチンが吸着剤布帛層にプリントされる方法を開示する米国特許第4,915,950号、装置内でのニコチン輸送がそれ自体として、内部電極系を使用して制御し得る経皮装置を開示する米国特許5,533,995号、ニコチン含有トローチと組み合わせたニコチン投与用経皮装置を開示する米国特許5,135,753号、ニコチン投与用経鼻スプレーと組み合わせた、ニコチンを投与するための経皮装置を開示する米国特許5,721,257号、熱と組み合わせてニコチンを経皮的に投与するための装置の使用を開示するWO第0164149号、及び電気パルスを使用する、薬物、例えばニコチンの経皮送達を開示するWO第9600111号、がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
先行技術及びその問題点
患者が所望するとき、引き上げた投与量のニコチンで補充された、ニコチンの本質的に一定の基準線の血漿レベルを与える方法が知られている。今日までのこれらの方法は、ニコチン送達用の2つの異なった投与形態が、組み合わされて使用されることを含む。この目的のために、例えば、ニコチントローチと組み合わせたニコチンパッチの使用(米国特許第5,135,753号参照)があるであろうし、又はニコチン経鼻スプレーと組み合わせたニコチンパッチの使用(米国特許第5,721,257号参照)があるであろう。使用者の便宜のために、患者/使用者が所望するとき、ニコチンの本質的に一定の基準線の血漿レベル、及びニコチンの付加的に引き上げた投与量を与えることができる単回投与形態を提供するという要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、基本的及び付加的で使用者によって起動し得るニコチンの経皮送達からなる、単一の装置を提供することによる、標題の問題に対する解決法に関する。
【0020】
ニコチンを渇望している人に満足を与え、又は先行技術の手段及び方法に付随する問題も避けることができる、喫煙しないで喫煙の満足感を与えるニコチンの投与手段及び方法を開発することは、上記の問題を考慮すると高度に望ましいことである。この点において、本発明は、この必要性及び興味を指向している。
【0021】
定義
「いかなる形態でもよいニコチンの基本的な経皮投与」及び類似の表現は、本明細書においては、皮膚に対して特許請求する装置の意図する適用の間、連続的にニコチンを投与する、特許請求する装置の一部分によって行われる経皮的ニコチンの輸送を意味する。
【0022】
「いかなる形態でもよいニコチンの付加的な経皮投与」及び類似の表現は、本明細書においては、いかなる形態でもよいニコチンの基本的な投与を行う、特許請求する装置の一部分によって行われる経皮的ニコチンの輸送に加えて、使用者の起動によって付加的にニコチンを投与する、特許請求する装置の一部分によって行われる経皮的ニコチンの輸送を意味する。
【0023】
対象にニコチンを異なった送達速度で提供するために対象にニコチンを送達する試みを行う場合、技術的に公知の前述の欠点を考慮して、本発明は、基本的、及び付加的で使用者によって起動し得るニコチンの経皮送達を組み合わせた、新規装置を提供する。
【0024】
更に、本発明は、装置を製造するためのニコチンの使用、並びにそのような装置を用いたニコチンの経皮投与によって、禁煙に役立つための、一時的な喫煙禁断に役立つための、及び/又は、喫煙又はこれとは別にタバコ含有物質の使用の衝動を軽減するのに役立つための、及び/又は、アルツハイマー病、クローン病、パーキンソン病、トゥレット症候群、潰瘍性大腸炎及び禁煙後体重制御から成る群から選択される状態のような、ニコチンを用いた治療に好適な状態を治療するための方法を提供する。ニコチンの経皮送達方法は、タバコの使用を包含する、口腔スプレー、鼻内スプレー、経皮パッチ、吸入装置、トローチ剤、錠剤から、並びに非経口投与法、皮下投与法、静脈内投与法、直腸投与法、膣投与法及び経粘膜投与法から選択される、ニコチンを送達する手段と組み合わせて実行することもできる。
【0025】
経皮装置の分類
いかなる形態のニコチンの経皮投与手段も、多くの異なった方法に分類することができる。本発明において有用な経皮装置の総合的な分類は、以下の4つの主要な群に分けられる。
貯蔵器型: 薬物は液体又はゲル中におかれ、そして速度調節膜を通過して皮膚に送達される;
マトリックス型: 薬物は非粘着性ポリマー物質、典型的にはヒドロゲル又は軟質ポリマー内におかれている;
粘着剤中薬物型: 薬物は粘着剤ポリマー内におかれている;
多重積層型: 粘着剤中薬物型に類似しているが、感圧接着剤の追加層を組み入れて装置全体を覆い、それを皮膚に貼る。膜は、又、多重積層型の中に組み込むこともできる。
【0026】
使用者により起動し得るニコチンの送達
医薬として活性な物質の経皮的な流れを調節する手段は、多くの異なった方法に分類することができる。そのような分類の一つは以下の表2に記載されている。
【0027】
表2に列挙された手段の多くは、使用者によって起動及び停止の両者ができるように設計されているので、本発明におけるニコチンの付加的経皮投与に使用するのに非常に適している。使用者が起動及び停止するのに特に適している手段、及びそれ故に本発明のニコチンの付加的経皮投与における使用に好ましいものは、イオントフォレシス(エレクトロマイグレーション及び電気浸透も包含される)、ソノフォレシス、極微針、ジェット注射又はこれらの組に合わせを包含するが、これらに限定されない。
【0028】
【表1】

表2の手段は、技術的にはそれ自体公知である。
【0029】
有効成分
本発明によれば、特許請求する装置は、いかなる形態でもよいニコチンを含む。
ニコチンとしては、塩基型のニコチン及び3−(1−メチル−2−ピロリジニル)−ピリジン、合成ニコチン及びタバコ植物又はその部分、例えば、ニコチアナ属(genus Nicotiana)からのニコチン抽出物並びにそれらの単独又はそれらの組み合わせを包含することを意図している。
【0030】
いかなる形態でもよいニコチンとは、ニコチン塩、ニコチンの遊離塩基型、ニコチン陽イオン交換体、ニコチン包摂錯体又はいずれかの非共有結合のニコチンのような、ニコチン誘導体;ゼオライトに結合したニコチン;セルロースに結合したニコチン又はデンプンミクロスフェアに結合したニコチン;及びそれらの混合物から成る群から選択される。
【0031】
多くのニコチン塩が公知であり、例えば、以下の表3に提示する塩類が使用され得る。
【表2】

【0032】
上記の陽イオン交換体は、好ましくはポリアクリレートである。
上記の包接錯体は、好ましくは、β−シクロデキストリンのようなシクロデキストリンとの錯体である。
上記のニコチン塩は、好ましくは、酒石酸塩、重酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩又は塩酸塩である。
基本的な投与を通して提供されるニコチンの形態は、付加的に投与される場合に提供されるものとは別の形態であってもよい。
【0033】
その他の添加物
その他の添加物も、場合により、本発明に従う装置に加えてもよい。
任意の添加物は、好ましくは、安定剤、増強剤(エンハンサー)及び抗刺激剤から成る群から選択される1つ又はそれ以上の添加物を含む。
【0034】
安定剤は、ビタミンE、即ち、トコフェロール、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、又はブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール、エデト酸及びエデト酸塩を包含する抗酸化剤;並びにクエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸、安息香酸及びソルビン酸を包含する保存料;から成る群から選択することができる。好ましい実施態様は、安定剤として抗酸化剤、及びより好ましくはビタミンE及び/又はブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含む。
【0035】
増強剤は、以下の物質から成る群から選択することができる。
アルコール類、例えば、エタノール等のような短鎖アルコール類、ラウリルアルコール等のような長鎖脂肪族アルコール類、及びプロピレングリコール、グリセリン等のようなポリアルコール類;
アミド類、例えば、長鎖脂肪族鎖を有するアミド類、又はN,N−ジエチル−m−トルアミドのような芳香族アミド類;
アミノ酸類
アゾン(azone)及びアゾン(azone)様化合物類
エッセンシャルオイル類、即ち、1−カルボン、1−メントン等のようなエッセンシャルオイル又はそれらの構成物;
脂肪酸類及び脂肪酸エステル類、例えば、オレイン酸、ラウリン酸等の脂肪酸類、ミリスチン酸イソプロピルのような脂肪酸の更なるエステル類、及びラウリン酸及びオレイン酸等の種々のエステル類;
大環状化合物、例えば、シクロペンタデカノン及びシクロデキストリン;
リン脂質及びリン酸化合物類、例えば、リン脂質;
2−ピロリドン化合物類;並びに
種々の化合物類、例えば、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類、及びラウレス−9及びポリオキシラウリルエーテルのような脂肪酸エーテル類。
【0036】
異なった群からの増強剤の組合せは、有用性及び効率を証明するであろう。
有用な抗刺激剤の例は、ビタミンEである。
【0037】
以下の実施例は、例示的であり、非限定的である。かっこ内の数字は、図面に対応する数字を表す。
【実施例1】
【0038】
図1に図解的に説明する。
マトリックス部分からの基本的な投与及びイオントフォレシス部分からの付加的な投与
2つの異なったニコチン送達系からなる経皮パッチの構成をした装置:
ニコチンの経皮投与が、ポリマーマトリックス区画(11)から送達される1つの系。この系の経皮ニコチン送達の機作は、濃度勾配に沿った受動的拡散である。送達速度は、マトリックスポリマーの性質及びマトリックスに負荷されたニコチンの濃度によって規定される。マトリックスのニコチンは、その中性の基本型で存在している。
【0039】
ニコチンの経皮投与が、ニコチン送達の機作がイオントフォレシスである、即ち、駆動力が電流(12,13)によって供給される、区画から送達される、1つの系。この系においては、正に荷電したニコチンが、電極(アノード)を備えた薬物区画(12)に負荷される。系は、負に荷電した対イオンが負荷されている第二の電極(カソード)を備えた区画(13)によって完結する。対イオンは、好ましくは塩素イオンであるが、他の生体適合性のある負に荷電したイオンも使用することができる。電極(14)は、好ましくはAg/AgCl型である。皮膚と接触していて薬物区画領域の0.5mA/cm2までの電流を出力することができる、使い捨てのバッテリー(14)が電極に接続されている。イオントフォレシス系が起動される場合、適用部位での皮膚組織は電気回路を完成する。この系のニコチン送達速度は、電極(14)間の電流の大きさによって規定される。
【0040】
上記の2つの系は、大きさが20〜50cm2の薄いパッチ様装置中に並んで収納されている。装置は、装置の底を覆う粘着剤層によって適用部位に固定される。装置は、構造支持をもたらす柔軟な不織布材料によって裏打ちされている。不織布材料の直ぐ下は、装置の裏打ち材料を通して拡散するニコチンに対するバリアーとして作用する薄いアルミニウム層である。装置には、又、イオントフォレシス系の電流駆動を開始する起動ボタン(15)が取り付けられている。受動的拡散系は、ニコチンの基本的な投与を行う。使用者は、起動ボタン(15)を押すことによってイオントフォレシス系を起動することができ、それによって付加的投与量のニコチンを放出する。イオントフォレシス系の停止は、タイマー機能による。代わりに、使用者は、いつでも、起動ボタン(15)を二度目に押すことによってニコチンの付加的投与を停止することができる。
【実施例2】
【0041】
図2に図解的に説明する。
貯蔵器部分からの基本的な投与及び微小針部分からの付加的な投与
2つの異なったニコチン送達系からなる経皮パッチの構成をした装置:
ニコチンの経皮投与が、律速膜(21)を通って貯蔵器区画から送達される、1つの系。この系の経皮ニコチン送達の機作は、濃度勾配に沿った受動的拡散である。送達速度は、律速膜の性質及び区画に負荷されたニコチンの濃度によって規定される。マトリックスのニコチンは、その中性の基本型で存在している。
【0042】
ニコチンの経皮投与が、皮膚の角質層を穿孔することができる機能を有する微小針が片側に並んでいる貯蔵器区画から送達され、それによって、ニコチン(22)の経皮送達速度を増加させる1つの系。微小針は、皮膚表面から短い距離に懸架され、使用者がパッチの裏打ちを押すことによって、微小針を皮膚に接触させることができる。送達速度は、微小針の性質及び区画に負荷されたニコチンの濃度によって規定される。微小針貯蔵器区画内のニコチンは、その中性の基本形で存在している。
【0043】
上記の2つの系は、大きさが20〜50cm2の薄いパッチ様装置中に並んで収納されている。装置は、構造支持をもたらす柔軟な不織布材料によって裏打ちされている。不織布材料の直ぐ下は、装置の裏打ち材料を通して拡散するニコチンに対するバリアーとして作用する薄いアルミニウム層である。装置は、装置の底を覆っている粘着剤層によって適用部位に固定される。装置の微小針部分を取り囲んでいる隣接区域は、微小針の真後ろの装置の裏打ちを押すことによって、使用者によって指示されて角質層(24)に接触又は非接触するように微小針を曲げることができる、半硬質柔軟ポリマーから成っている。受動的拡散系は、ニコチンの基本的投与を行う。使用者は、微小針で皮膚の角質層(24)を突き刺し、ニコチンを下にある組織に角質層(24)を通して導くことができるように、装置の裏打ちを押すことによってニコチンの付加的投与を起動することができる。
【実施例3】
【0044】
図3に図解的に説明する。
マトリックス部分からの基本的な投与及び超音波部分からの付加的な投与
2つの異なったニコチン送達系からなる経皮パッチの構成をした装置:
ニコチンの経皮投与が、ポリマーマトリックス区画(31)から送達される1つの系。この系の経皮ニコチン送達の機作は、濃度勾配に沿った受動的拡散である。送達速度は、マトリックスポリマーの性質及びマトリックスに負荷されたニコチンの濃度によって規定される。マトリックスのニコチンは、その中性の基本型で存在している。
【0045】
ニコチンの経皮投与が、ニコチン送達の機作がソノフォレシスである、即ち、超音波装置(33)が皮膚を加熱し、角質層の構造の可逆的障害をもたらす、ポリマーマトリックス区画(32)から送達される1つの系。この系のニコチン送達速度は、超音波振動の強度によって規定される。マトリックス中のニコチンは、その中性の基本型で存在している。
【0046】
上記の2つの系は、大きさが20〜50cm2の薄いパッチ様装置中に並んで収納されている。装置は、装置の底を覆う粘着剤層によって適用部位に固定される。装置は、超音波振動を開始するために起動ボタン(34)も取り付けられている。受動的拡散系は、ニコチンの基本的な投与を行う。使用者は、起動ボタン(34)を押すことによってソノフォレシス系を起動することができ、それによって、付加的投与量のニコチンを放出する。ソノトフォレシス系の停止は、タイマー機能による。代わりに、使用者は、いつでも、起動ボタン(34)を二度目に押すことによって、ニコチンの付加的投与を停止することができる。
【実施例4】
【0047】
図4に図解的に説明する。
付加的投与を行うイオントフォレシス部分とスペースを共有するマトリックス部分からの基本的な投与
2つの異なったニコチン送達系からなる経皮パッチの構成をした装置:
ニコチン輸送の機作がイオントフォレシスである、即ち、駆動力が電流によって供給される、区画からニコチンの経皮投与が送達される1つの系。この系においては、正に荷電したニコチンが、電極(アノード)を取り付けた薬物区画(41)に負荷されている。この系は、負に荷電した対イオンが負荷されている第2電極(カソード)を取り付けた区画(42)によって完結する。この区画は、又、以下に詳細に述べる、受動的拡散系の中性基本型のニコチンを含有している。バッテリー(43)が必要な電力を供給する。この系へのニコチン送達の速度は、電極間の電流の大きさによって規定される。
【0048】
ニコチンの経皮投与が、ポリマーマトリックス区画(42)から送達される1つの系。この区画は、中性、基本形態のニコチン、及びイオントフォレシス系に必要な負に荷電した対イオンの両者を含有している。この系の経皮ニコチン送達の機作は、濃度勾配に沿った受動的拡散である。ニコチン送達の速度は、マトリックスポリマーの性質及びマトリックスに負荷されたニコチンの濃度に規定される。
【0049】
上記の2つの系は、大きさが20〜50cm2の薄いパッチ様装置中に収納されている。装置は、装置の底を覆う粘着剤層によって適用部位に固定される。装置は、構造支持をもたらす柔軟な不織布材料によって裏打ちされている。不織布材料の直ぐ下は、装置の裏打ち材料を通して拡散するニコチンに対するバリアーとして作用する薄いアルミニウム層である。装置には、又、イオントフォレシス系の電流駆動を開始する起動ボタン(44)が取り付けられている。イオントフォレシスカソード区画(42)に位置する受動的拡散部分は、ニコチンの基本的投与を行う。使用者は、起動ボタン(44)を押すことによってイオントフォレシス系を起動し、イオントフォレシスアノード区画(41)から正に荷電した付加的投与量のニコチンを放出することができる。イオントフォレシス系の停止は、タイマー機能による。代わりに、使用者は、いつでも、起動ボタン(44)を二度目に押すことによって、ニコチンの付加的投与を停止することができる。
【実施例5】
【0050】
図5に図解的に説明する。
貯蔵器部分からの基本的な投与及びイオントフォレシス部分からの付加的な投与であって、2つの部分が別々に皮膚に適用される
2つの異なったニコチン送達系からなる経皮パッチの構成をした装置:
ニコチンの経皮投与が、律速膜(51)を通って貯蔵器区画から送達される1つの系。この系の経皮ニコチン送達の機作は、濃度勾配に沿った受動的拡散である。送達速度は、律速膜の性質及び区画に負荷されたニコチンの濃度によって規定される。マトリックスのニコチンは、その中性の基本型で存在している。
【0051】
ニコチンの経皮投与が、ニコチン送達の機作がイオントフォレシスである、即ち、駆動力が電流によって供給される、区画から送達される1つの系。この系においては、正に荷電したニコチンが、電極を備えた薬物区画(52)に負荷される。系は、負に荷電した対イオンが負荷されている第二の電極を備えた区画(53)によって完結する。バッテリー(54)が、必要な電力を供給する。この系のためのニコチン送達速度は、電極間の電流の大きさによって規定される。
【0052】
上記の2つの系は、大きさが20〜50cm2の薄いパッチ様装置中に並んで収納されている。装置は、装置の底を覆う粘着剤層によって適用部位に固定される。装置は、構造支持をもたらす柔軟な不織布材料によって裏打ちされている。不織布材料の直ぐ下は、装置の裏打ち材料を通して拡散するニコチンに対するバリアーとして作用する薄いアルミニウム層である。2つの系は、装置がミシン目(55)によって分離されており、2つの部分を身体に個々に配置するために1つの系を他の系から引きちぎることを可能にしている。装置のイオントフォレシス部分には、又、イオントフォレシス系の電流駆動を開始する起動ボタン(56)が取り付けられている。受動的拡散系は、ニコチンの基本的投与を行う。使用者は、起動ボタン(56)を押すことによってイオントフォレシス系を起動し、付加的投与量のニコチンを放出することができる。イオントフォレシス系の停止は、タイマー機能による。代わりに、使用者は、いつでも、起動ボタン(56)を二度目に押すことによって、ニコチンの付加的投与を停止することができる。
【実施例6】
【0053】
図6に図解的に説明する。
マトリックス部分からの基本的な投与及びイオントフォレシス部分からの付加的な多レベルの投与
2つの異なったニコチン送達系からなる経皮パッチの構成をした装置:
ニコチンの経皮投与が、ポリマーマトリックス区画(61)から送達される1つの系。この系の経皮ニコチン送達の機作は、濃度勾配に沿った受動的拡散である。送達速度は、マトリックスポリマーの性質及びマトリックスに負荷されたニコチンの濃度によって規定される。マトリックスのニコチンは、その中性の基本型で存在している。
【0054】
ニコチンの経皮投与が、ニコチン送達の機作がイオントフォレシスである、即ち、駆動力が電流によって供給される、区画から送達される1つの系。この系においては、正に荷電したニコチンが、電極(アノード)を備えた薬物区画(62)に負荷される。系は、負に荷電した対イオンが負荷されている第二の電極(カソード)を備えた区画(63)によって完結する。バッテリー(64)が、必要な電力を供給する。この系のニコチン送達速度は、電極間の電流の大きさによって規定される。
【0055】
上記の2つの系は、大きさが20〜50cm2の薄いパッチ様装置中に並んで収納されている。装置は、装置の底を覆う粘着剤層によって適用部位に固定される。装置は、構造支持をもたらす柔軟な不織布材料によって裏打ちされている。不織布材料の直ぐ下は、装置の裏打ち材料を通して拡散するニコチンに対するバリアーとして作用する薄いアルミニウム層である。受動的拡散系は、ニコチンの基本的投与を行う。装置は、又、イオントフォレシス系の電流の駆動を開始するために、一組の起動ボタン(65、66、67)を備えている。使用者は、起動ボタン(65、66、67)の1つを押すことによってイオントフォレシス系を起動し、付加的投与量のニコチンを放出することができる。付加的投与するニコチンの量は、使用者によって押されるボタンに依存して低から高までの範囲である。各ボタンは、前もって設定された投与量に相当する。イオントフォレシス系の停止は、タイマー機能による。代わりに、使用者は、いつでも、起動ボタンを二度目に押すことによって、ニコチンの付加的投与を停止することができる。
【0056】
更なる実施態様
実施例に開示された以外の、基本的な投与及び付加的投与のそれぞれを得るための、本明細書に開示された手段の組み合わせは、容易に予想され、且つ、有用である。
本発明の装置は、好ましくは、密閉的であるべきである。
本発明の装置は、前もって決められた期間、好ましくは、12、16、24又は48時間の間、ニコチンを送達することができる。
【0057】
基本的な経皮投与を行う少なくとも1つの部分、並びに付加的な且つ使用者によって起動し得る経皮投与を行う少なくとも1つの部分が、異なった方法で組み合わされてもよい。例えば、上記部分は、少なくとも共通の一つの特徴、例えば、一般的な粘着剤層及び/又は一般的な薬物貯蔵器を有していてもよい。上記部分は、又、共通の特徴を持っていないように組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施例1に記載の実施態様の概略図である。
【図2】実施例2に記載の実施態様の概略図である。
【図3】実施例3に記載の実施態様の概略図である。
【図4】実施例4に記載の実施態様の概略図である。
【図5】実施例5に記載の実施態様の概略図である。
【図6】実施例6に記載の実施態様の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
いかなる形態でもよいニコチンの経皮投与用装置であって、いかなる形態でもよいニコチンの基本的な投与を行うための少なくとも1つの第1の部分、及びいかなる形態でもよいニコチンの付加的な投与を行うための少なくとも1つの第2の部分を含み、上記少なくとも1つの第2の部分が使用者によって起動可能であることを特徴とする上記装置。
【請求項2】
基本的な投与を行うための少なくとも1つの第1の部分が、好ましくは、貯蔵器型、マトリックス型、粘着剤中薬物型及び/又は多重積層型の経皮パッチ、より好ましくは、粘着剤中薬物型若しくは貯蔵器型又はこれら2つの型の組み合わせの経皮パッチであることを特徴とする、請求項1に記載の経皮投与用装置。
【請求項3】
付加的な投与を行うための少なくとも1つの第2の部分が、イオントフォレシス送達、ソノフォレシス、ジェット注射及び/又は極微針の手段を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の経皮投与用装置。
【請求項4】
付加的な投与を行うための少なくとも1つの第2の部分が、イオントフォレシス送達の手段を含むこと特徴とする、請求項3に記載の経皮投与用装置。
【請求項5】
少なくとも1つの第1の部分及び少なくとも1つの第2の部分が、少なくとも1つの共通の特徴を有していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の経皮投与用装置。
【請求項6】
少なくとも1つの第1の部分及び少なくとも1つの第2の部分が、互いに取り外し可能であり、及び/又は、個々に適用可能であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の経皮投与用装置。
【請求項7】
ニコチンの形態が、ニコチン遊離塩基;酒石酸塩、重酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩又は塩酸塩のようなニコチンの塩;シクロデキストリンとの複合体のようなニコチン包接錯体;ポリアクリレートとニコチン又はいずれかの非共有結合しているニコチンのようなニコチン陽イオン交換体;ゼオライトに結合したニコチン、セルロースに結合したニコチン又はデンプンミクロスフェアに結合したニコチン;及びそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の経皮投与用装置。
【請求項8】
ニコチンの形態が、ニコチン遊離塩基であることを特徴とする、請求項7に記載の経皮投与用装置。
【請求項9】
ニコチンの基本的な投与を行うための少なくとも1つの部分が、ニコチンの付加的な投与を行うための少なくとも1つの部分とは別の形態のニコチンを送達するためのものであることを特徴とする、請求項7又は8に記載の経皮投与用装置。
【請求項10】
装置が所定の期間、好ましくは12、16、24又は48時間の間、ニコチンを送達することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の経皮投与用装置。
【請求項11】
装置が、好ましくは、ビタミンE、即ち、トコフェロール、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール、エデト酸及びエデト酸塩を包含する抗酸化剤;並びにクエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸、安息香酸及びソルビン酸を包含する保存料;からなる群から選択される、1つ又はそれ以上の安定剤、より好ましくはビタミンE及び/又はブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を更に含み;及び/又は、装置が、経皮浸透を増強する1つ又はそれ以上の物質、好ましくは、
・アルコール類、例えば、エタノール等のような短鎖アルコール類、ラウリルアルコール等のような長鎖脂肪族アルコール類、及びプロピレングリコール、グリセリン等のようなポリアルコール類;
・アミド類、例えば、長鎖脂肪族鎖を有するアミド類、又はN,N−ジエチル−m−トルアミドのような芳香族アミド類;
・アミノ酸類;
・アゾン及びアゾン様化合物類;
・エッセンシャルオイル類、即ち、1−カルボン、1−メントン及びその類似物のようなエッセンシャルオイル又はそれらの構成物;
・脂肪酸類及び脂肪酸エステル類、例えば、オレイン酸、ラウリン酸及びその類似物の脂肪酸類、ミリスチン酸イソプロピルのような脂肪酸の更なるエステル類、及びラウリン酸及びオレイン酸等の種々のエステル類;
・大環状化合物、例えば、シクロペンタデカノン及びシクロデキストリン;
・リン脂質及びリン酸化合物類、例えば、リン脂質;
・2−ピロリドン化合物類;並びに
・種々の化合物類、例えば、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類、及びラウレス−9及びポリオキシラウリルエーテルのような脂肪酸エーテル類;
から成る群から選択される化合物を更に含み;及び/又は、装置が、刺激反応を減少する1つ又はそれ以上の物質、好ましくはビタミンEを更に含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
装置が密封されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
禁煙に役立つための、一時的な喫煙禁断に役立つための、及び/又は、喫煙又はこれとは別にタバコ含有物質の使用の衝動を軽減するのに役立つための、及び/又は、アルツハイマー病、クローン病、パーキンソン病、トゥレット症候群、潰瘍性大腸炎及び禁煙後体重制御から成る群から選択される状態のような、ニコチンを用いた治療に適した状態を治療するための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の装置を製造するためのニコチンの使用。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の装置を用いたニコチンの経皮投与によって、禁煙に役立つための、一時的な喫煙禁断に役立つための、及び/又は、喫煙又はこれとは別にタバコ含有物質の使用の衝動を軽減するのに役立つための、及び/又は、アルツハイマー病、クローン病、パーキンソン病、トゥレット症候群、潰瘍性大腸炎及び禁煙後体重制御から成る群から選択される状態のように、ニコチンを用いた治療に適した状態を治療するための方法。
【請求項15】
タバコの使用を包含する、口腔スプレー、鼻内スプレー、経皮パッチ、吸入装置、トローチ剤、錠剤から、及び非経口投与法、皮下投与法、静脈内投与法、直腸投与法、膣投与法及び経粘膜投与法から選択される手段と組み合わせた、請求項1〜12のいずれか1項に記載の装置を用いたニコチンの経皮投与によって、禁煙に役立つための、一時的な喫煙禁断に役立つための、及び/又は、喫煙又はこれとは別にタバコ含有物質の使用の衝動を軽減するのに役立つための、及び/又は、アルツハイマー病、クローン病、パーキンソン病、トゥレット症候群、潰瘍性大腸炎及び禁煙後体重制御から成る群から選択される状態のように、ニコチンを用いた治療に適した状態を治療するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−529502(P2007−529502A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503440(P2007−503440)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【国際出願番号】PCT/IB2005/000673
【国際公開番号】WO2005/089728
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(505275262)ファイザー・ヘルス・アクティエボラーグ (7)
【Fターム(参考)】