ニューロメジンU受容体アゴニスト及びその使用
肥満や糖尿病などの代謝性障害の治療において使用するニューロメジンU受容体アゴニストを開示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は2006年3月20日に出願された米国仮特許出願第60/783,933号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、肥満などの代謝性障害の治療において使用するニューロメジンU受容体アゴニストに関する。
【背景技術】
【0003】
ニューロメジンU(NMU)は、元来、ラット子宮平滑筋を収縮する能力に基づいて、ブタの脊髄から単離され、それ以後、ストレス、侵害知覚、炎症、心臓血管機能、及びエネルギー恒常性を含む他のさまざまな生理学的過程に関与しているとされてきた。NMUの特性は、同様の生理活性を有する3つのペプチドである、ヒト、ブタ、及びイヌの完全長NMU(25量体(NMU−25))、ラット及びマウスの23量体(NMU−23)、及び8量体(NMU−8)であると同定された。NMU−8は、完全長NMUの開裂に由来し、完全長の前駆体と同じC−末端を共有する。NMU−8は、脊髄動物で高度に保存され、調査されたすべての種において同一である7つのC−末端残基を含む。すなわち、これらの残基は生理活性に対して重要である(Brighton et al.,Pharmacol. Rev. 56: 231−248 (2004))。
【0004】
エネルギー恒常性の調節におけるNMUの役割は、薬理データと遺伝子データの両方によって支持されている。NMUが中枢投与される場合に見られるNMUの特性としては、食物摂取の阻害及びエネルギー消費量の増大が挙げられる(Howard et al.,Nature 406:70−74(2000);Nakazato et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.277:191−194(2000); Ivanov et al.,Endocrinol.143:3813−3821(2002);及びWren et al.,Endocrinol.,143:4227−4234(2002))。NMU欠損マウスは、過食及びエネルギー消費量の減少を特徴とする肥満を発症し(Hanada et al.,Nat.Med.,10:1067−1073(2004))、そしてNMUを過剰発現するトランスジェニックマウスは、痩せて食物摂取が低下する(hypophagic)(Kowalski et al.,J.Endocrinol.185:151−164(2005))。動物の内部エネルギー状態は、NMUの発現と放出にも影響を及ぼす(Wren et al.,ibid)。
【0005】
2つの高親和性NMU受容体であるNMUR1(国際出願PCT/US99/15941号)及びNMUR2(US7163799号)が同定されている。NMUR1は、主に末梢において発現するが、NMUR2は主に脳で発現する。薬理実験は、NMUのエネルギー恒常性に関する短期及び長期の効果をより明確にし、どのNMU受容体がこれらの活性に関与しているか同定するのに役立った。中枢又は末梢のいずれかへのNMUの急性投与は、投与量に依存して、マウスの食物摂取を減少させることがわかっている。中枢へのNMU投与による食欲抑制作用は、NMUR2欠損(Nmur2-/-)マウスでは生じないが、NMUR1欠損(Nmur1-/-)マウスでは生じる。対照的に、末梢へのNMU投与による食欲抑制作用は、Nmur1-/-では生じないが、Nmur2-/-では生じる。更
に、NMUの急性末梢投与は、投与量に応じてマウスの中核温を上昇させ、このことは、NMU1がエネルギー消費も制御し得ることを示している。
NMUの中枢又は末梢の慢性投与は、やはり投与量に応じて、マウスの食物摂取、体重、及び脂肪を減少させる。Nmur2-/-トランスジェニックマウスでは、体重、体組成、体温、及び食物摂取は、ラットNMU−23の慢性的な中枢投与によって、影響をほとんど受けない。Nmur1-/-トランスジェニックマウスでは、体重、体組成、及び食物摂取は、ラットNMU−23の長期の末梢投与の影響をほとんど受けない。
【0006】
NMUR1−媒介作用とNMUR2−媒介作用に対する活性部位は異なっており、お互いに独立しているようであるが、肥満においてある役割を担っているため、NMUR1−選択的アゴニスト及びNMUR2−選択的アゴニストの両方並びにNMUR1/2−非選択的アゴニストが、肥満の治療に有用であり得ることが示唆されている。したがって、代謝性障害の治療において有用なニューロメジンU受容体アゴニストが必要とされている。
【0007】
本発明は、ニューロメジンU受容体アゴニストを提供する。ある態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、ある受容体サブタイプに対して特異的であり、別の態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、NMUR1受容体又はNMUR2受容体の両方を結合させ、刺激することができる。更なる態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、血液−脳関門を通過して脳内でNMU受容体と相互作用できるように誘導体化されている。ニューロメジンU受容体アゴニストは、治療のため及び研究手段として使用することができる。
【0008】
ニューロメジンU受容体アゴニストの治療への応用は、個体を苦しめている代謝性障害を治療するために、ニューロメジンU受容体アゴニストを投与することを包含する。そのような障害としては、これに限定されるものではないが、肥満、メタボリックシンドローム又はX症候群、及びII型糖尿病が挙げられる。網膜症などの糖尿病の合併症も明らかに影響を受ける場合がある。肥満は、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、心臓血管疾患、胆石、変形性関節症、及びある特定の形態の癌などの疾病状態の併発症であり、そのような疾病状態を助長させる場合がある。また、個体における体重減少に効果を及ぼす、本明細書で開示された1種以上のニューロメジンU受容体アゴニストの投与は、そのような疾病の予防において、並びに上記の状態の任意の1つ及び他のもののための治療の一部として、有用であり得る。他の実施態様において、個体において代謝性障害を治療するための方法であって、上記のニューロメジンU受容体アゴニストの1種以上をその個体に投与することを包含する方法が提供される。代謝性障害は、糖尿病、メタボリックシンドローム、高血糖、及び肥満からなる群から選択されてもよく、例えば、経口、粘膜、口腔内、経舌下、経鼻、直腸、皮下、経皮、静脈内、筋肉内、又は腹腔内のルートなどの末梢神経から脳へのルートによって投与されてもよい。最後に、ニューロメジンU受容体アゴニストは、個体による食物摂取を減少させるため、個体の体重増加を減少させるため、個体の体重増加を防ぐため、個体の体重を減少させるため、及び/又は個体の体重の再増加を防ぐために、その個体に投与することができる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、本発明は、式(I)
Z1−ペプチド−Z2
[式中、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号27)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよく;アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、L、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、F、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X22は、R、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、P、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、R、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、N、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、又はAであり;Z1は、存在してもよい保護基であり、存在する場合には、N−末端アミノ基に結合しており;Z2は、NH2、又は、存在してもよい保護基であり、存在する場合には、その保護基はC−末端カルボキシ基に結合している]
を有する単離されたニューロメジンU受容体アゴニストおよびその薬学的に許容される塩を提供する。
【0010】
ニューロメジンU受容体アゴニストの特定の態様において、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−F−L−F−R−P−R−N(配列番号1)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってよい)を有し、特定の態様においては、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、及び配列番号6からなる群から選択されたアミノ酸配列を有する。現在の好ましい態様において、ペプチドは、配列番号2に示されたアミノ酸配列を有する。
【0011】
ニューロメジンU受容体アゴニストの別の態様において、ペプチドは、アミノ酸配列F−R−V−D−E−E−F−Q−S−P−F−A−S−Q−S−R−G−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号7)(ここで、アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X22は、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle又はD−Nle、あるいはAである)を有し、特定の態様においては、配列番号14、配列番号15、配列番号22、配列番号23、配列番号24、及び配列番号25からなる群から選択されたアミノ酸配列を有する。
【0012】
ニューロメジンU受容体アゴニストの更なる態様において、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8(配列番号8)(ここで、アミノ酸X1は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸又はアシル基であり;アミノ酸X2は、A、W、Y、F又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X3は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X4は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X5は、K、A、又はLであり;アミノ酸X6は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X7は、Harg、又はKであり;アミノ酸X8は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle又はD−Nle、あるいはAである)を有し、特定の態様においては、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、及び配列番号21からなる群から選択されたアミノ酸配列を有する。
【0013】
上記のニューロメジンU受容体アゴニストの更なる態様において、N−末端アミノ酸は、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子と共有結合している。ニューロメジンU受容体アゴニストの更なる態様において、ペプチドは更にN−末端アミノ基にシステイン残基を有し、保護基が存在してもよく、存在する場合には、その保護基はシステイン残基のN−末端アミノ基に結合している。ニューロメジンU受容体アゴニストの特定の態様において、N−末端のシステイン残基のチオール基は、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子に共有結合している。現在の好適な実施態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、配列番号2のアミノ酸を有し、更にペプチドのN−末端にシステイン残基を有し、システイン残基のN−末端アミノ基に結合した保護基とチオール基に結合したPEG分子が存在する。
【0014】
ニューロメジンU受容体アゴニストは、更に、遠位末端と近位末端を有するリンカー基を有することができる。リンカー基は、その遠位末端でペプチドのN−末端に共有結合し、近位末端でシステイン残基のカルボキシル末端に共有結合しており、保護基が存在してもよく、存在する場合には、その保護基はシステイン残基のN−末端アミノ基に結合している。特定の態様において、システイン残基のチオール基は、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子に結合している。
【0015】
本発明は更に、代謝性障害の治療のための医薬の製造におけるニューロメジンU受容体アゴニストの任意の1つ以上の実施態様及び態様の使用を提供する。障害としては、これに限定されるものではないが、肥満、メタボリックシンドローム又はX症候群、並びにII型糖尿病が挙げられる。網膜障害などの糖尿病の合併症も、それによって確実に影響を受ける場合がある。肥満は、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、心臓血管疾患、胆石、変形性関節症、及びある特定の形態の癌などの疾病状態の併発症であり、そのような疾病状態を助長させる場合がある。したがって、本発明は、上記任意のニューロメジンU受容体アゴニストの1種以上と薬学的に許容される担体とを含有する医薬組成物を提供する。
【0016】
本発明は更に、血液−脳関門を通過することができるニューロメジンU受容体アゴニストを製造するための方法であって、ペプチドが血液−脳関門を通過することを可能にする1つ以上のPEG分子にペプチドを共有結合させる工程を含む方法を提供する。したがって、特定の態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、式(I)
Z1−ペプチド−Z2
[式中、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号27)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよく;アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、L,G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、F、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X22は、R、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、P、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、R、Harg、又はKであり;および、アミノ酸X25は、N、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、又はAであり、;Z1は、存在してもよい保護基であり、存在する場合には、その保護基はN−末端アミノ基に結合しており;Z2は、NH2、又は、存在してもよい保護基であり、存在する場合には、その保護基はC−末端カルボキシ基に結合している)を有する]
及びその薬学的に許容される塩である。
【0017】
更に、ペプチドのC−末端の7つのアミノ酸の1つ以上をヒトNMU−25ペプチドに生来あるものではないアミノ酸又はアミノ酸類似体に修飾する工程を包含する、ニューロメジンU受容体アゴニストのサブタイプに特有のNMU−25ペプチドの全て又は一部を含むニューロメジンU受容体アゴニストを製造するための方法を提供する。
【0018】
したがって、ある態様において、ペプチドは、アミノ酸配列F−R−V−D−E−E−F−Q−S−P−F−A−S−Q−S−R−G−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号7)(ここで、アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X22は、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle又はD−Nle、あるいはAである)をからなり、特定の態様においては、配列番号14、配列番号15、配列番号22、配列番号23、配列番号24、及び配列番号25からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0019】
ニューロメジンU受容体アゴニストの別の態様において、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8(配列番号8)(ここで、アミノ酸X1は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸又はアシル基であり;アミノ酸X2は、A、W、Y、F又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X3は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X4は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X5は、K、A、又はLであり;アミノ酸X6は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X7は、Harg、又はKであり;アミノ酸X8は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle又はD−Nle、あるいはAである)からなり、特定の態様においては、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、及び配列番号21からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0020】
更に、代謝性障害を治療するために、式(I)
Z1−ペプチド−Z2
[式中、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号27)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよく;アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、L,G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、F、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;X22は、R、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、P、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、R、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、N、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、又はAであり;Z1は、存在してもよい保護基であり、存在する場合には、その保護基はN−末端アミノ基に結合しており;Z2は、NH2、又は存在してもよい保護基であり、存在する場合には、その保護基はC−末端カルボキシ基に結合している]
を有するニューロメジンU受容体アゴニストの治療有効量を個体に投与することを包む、個体において代謝性障害を治療するための方法を提供する。
【0021】
この方法は、肥満、メタボリックシンドローム又はX症候群、II型糖尿病、糖尿病の合併症、高血圧症、脂質異常症、心臓血管疾患、胆石、変形性関節症、及びある特定の形態の癌からなる群から選択された代謝性障害を治療するために特に有用である。
【0022】
この方法の特定の態様において、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−F−L−F−R−P−R−N(配列番号1)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよい)を有し、特定の態様においては、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、及び配列番号6からなる群から選択されたアミノ酸配列を有する。現在の好ましい態様において、ペプチドは、配列番号2に示されたアミノ酸配列を有する。
【0023】
この方法の別の態様において、ペプチドは、アミノ酸配列F−R−V−D−E−E−F−Q−S−P−F−A−S−Q−S−R−G−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号7)(ここで、アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X22は、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle又はD−Nle、あるいはAである)を有し、特定の態様においては、配列番号14、配列番号15、配列番号22、配列番号23、配列番号24、及び配列番号25からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0024】
本方法のさらに別の態様において、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8(配列番号8)(ここで、アミノ酸X1は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸又はアシル基であり;アミノ酸X2は、A、W、Y、F又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X3は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X4は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X5は、K、A、又はLであり;アミノ酸X6は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X7は、Harg、又はKであり;アミノ酸X8は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle又はD−Nle、あるいはAである)を有し、特定の態様においては、配列番号9,配列番号10,配列番号11,配列番号12,配列番号13,配列番号16,配列番号17,配列番号18,配列番号19,配列番号20,及び配列番号21からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0025】
上記の方法の更なる態様において、N−末端アミノ酸は、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子と共有結合している。ニューロメジンU受容体アゴニストの更なる態様において、ペプチドは更に、ペプチドのN−末端にシステイン残基を有し、保護基が存在してもよく、存在する場合には、その保護基はシステイン残基のN−末端アミノ基に結合している。この方法の特定の態様において、N−末端のシステイン残基のチオール基は、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択される1つ以上の分子に共有結合している。現在の好適な実施形態において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、配列番号2のアミノ酸を有し、更にペプチドのN−末端にシステイン残基を有し、システイン残基のN−末端アミノ基に結合した保護基が存在し、システイン残基のチオール基に結合したPEG分子が存在する。
【0026】
ニューロメジンU受容体アゴニストは、遠位末端および近位末端を有するリンカー基を更に有することができ、このリンカー基は、その遠位末端でペプチドのN−末端に共有結合し、リンカー基の近位末端は、システイン残基のカルボキシル末端に共有結合し、任意選択により保護基が存在してもよく、存在する場合には、その保護基はシステイン残基のN−末端アミノ基に結合している。特定の態様において、システイン残基のチオール基は、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子に結合している。本方法の現在の好適な実施態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは式:Ac−C2−ペプチド−CONH2(式中、Acはアシル基、C2はCys(PEG)240kDaであり、そのペプチドは配列番号2で表されるアミノ酸配列を有する。
【0027】
本発明は、ニューロメジンU受容体アゴニストを提供する。本明細書に記載されたニューロメジンU受容体アゴニストは、NMU受容体で作用し、NMU受容体を結合し、NMU受容体活性を刺激する。ある態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、ある受容体サブタイプに対して特異的であり、そのような特異性は、対応するNMUR1又はNMUR2受容体の結合アッセイにおいて約200nM未満であるIC50値を有するものとして定義される。選択性は、NMU1選択的ペプチドに対するヒトNMUR2/ヒトNMUR1での機能活性又はEC50比、及びNMU2選択的ペプチドに対するヒトNMUR1/ヒトNMUR2での機能活性又はEC50比に基づいている。更に、本明細書に記載された選択的ニューロメジンU受容体アゴニストは、NMUR1に対して約21〜909倍、選択的であり、またNMUR2に対して約2〜200倍選択的である。別の態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、NMUR1及びNMUR2受容体の両方を結合及び刺激することができ、ニューロメジンU受容体アゴニストが血液−脳関門を通過して脳内でNMU受容体と相互作用できるように誘導体化されている。ニューロメジンU受容体アゴニストは、治療のため及び研究手段として使用することができる。
【0028】
個体を苦しめている代謝性障害を治療するために、1種以上のニューロメジンU受容体アゴニストをその個体に投与することも可能である。そのような障害としては、これに限定されるものではないが、肥満、メタボリックシンドローム又はX症候群、及びII型糖尿病が挙げられる。網膜障害などの糖尿病の合併症も、明確に影響を受ける場合がある。肥満は、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、心臓血管疾患、胆石、変形性関節症、及びある特定の形態の癌などの疾病状態の併発症であり、そのような疾病状態を助長させる場合がある。また、個体における体重減少に効果を及ぼす、本明細書で開示された1種以上のニューロメジンU受容体アゴニストの投与は、そのような疾病及び上述の状態の任意の1つ及び他のもののための治療の一部としての疾病の予防においても有用な場合がある。他の実施態様において、上記のニューロメジンU受容体アゴニストの1つ以上を個体に投与することを包む、個体の代謝性障害を治療するための方法が提供される。代謝性障害は、糖尿病、メタボリックシンドローム、高血糖、及び肥満からなる群から選択されてもよく、例えば、経口、粘膜、口腔内、経舌下、経鼻、直腸、皮下、経皮、静脈内、筋肉内、又は腹腔内のルートなどの末梢神経から脳へのルートによって投与されてもよい。特定の実施態様において、個体の複合障害を治療するために、ニューロメジンU受容体アゴニストを使用することも可能である。本明細書の開示に鑑みて当業者に容易に明らかであるように、ニューロメジンU受容体アゴニストは、個体による食物摂取を減少させるため、個体の体重増加を減少させるため、個体の体重増加を防ぐため、個体の体重を減少させるため、及び/又は個体の体重の再増加を防ぐため、個体に投与することができる。
【0029】
研究手段の用途は、ニューロメジンU受容体アゴニスト並びにNMU受容体又はその断片の存在を含んでいてもよい。研究手段の用途の例としては、NMU受容体において活性な化合物に対するスクリーニング、サンプル又は調製におけるNMU受容体の存在の決定、NMUの役割又は効果の試験が挙げられる。更に、試験化合物による競合実験においてニューロメジンU受容体アゴニストを使用することにより、ニューロメジンU受容体アゴニストをNMU結合化合物(アゴニスト又はアンタゴニスト)に対するスクリーニングに使用することが可能である。
【0030】
本発明のニューロメジンU受容体アゴニストは、一般式(I)
Z1−ペプチド−Z2
[式中、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号27)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよく;アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、L,G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、F、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;X22は、R、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、P、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、R、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、N、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、又はAであり;Z1は、存在してもよい保護基であり、存在する場合には、その保護基はN−末端アミノ基に結合しており;Z2は、NH2、又は存在してもよい保護基であり、存在する場合には、その保護基はC−末端カルボキシ基に結合している)を有する]
及びその薬学的に許容される塩を含む。
【0031】
特定の実施態様において、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−F−L−F R−P−R−N(配列番号1)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよい)を有する。上記のアミノ酸配列を有する特定のニューロメジンU受容体アゴニストのアミノ酸配列を表1に示す。
【0032】
更なる実施態様において、ペプチドは、アミノ酸配列F−R−V−D−E−E−F−Q−S−P−F−A−S−Q−S−R−G−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号7)(ここで、アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X22は、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、あるいはAである)を有する。上記のアミノ酸配列を有するペプチドの例を表2に示す。
【0033】
更なる別の実施態様において、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8(配列番号8)(ここで、アミノ酸X1は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸又はアシル基であり;アミノ酸X2は、A、W、Y、F又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X3は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X4は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X5は、K、A、又はLであり;アミノ酸X6は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X7は、Harg、又はKであり;アミノ酸X8は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、あるいはAである)を有する。上記のアミノ酸配列を有するペプチドの例を表2に示す。
【0034】
特定の態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、N−末端アミノ基に共有結合した保護基を有してもよい。ニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端アミノ基に共有結合した保護基は、インビボ条件下でアミノ末端の反応性を低下させる。アミノ保護基としては、−C1-10アルキル、−C1-10置換アルキル、−C2-10アルケニル、−C2-10置換アルケニル、アリール、−C1-6アルキルアリール、−C(O)−(CH2)1-6−COOH、−C(O)−C1-6アルキル、−C(O)−アリール、−C(O)−O−C1-6アルキル、又は−C(O)−O−アリールが挙げられる。特定の実施態様において、アミノ末端保護基は、アセチル、プロピル、サクシニル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル、及びt−ブチルオキシカルボニルからなる群から選択される。N−末端アミノ酸の脱アミノ化は、別の修飾であり、インビボ条件下でアミノ末端の反応性を低下させることが想定される。
【0035】
また、ニューロメジンU受容体アゴニスト誘導体がポリマーに結合しているニューロメジンU受容体アゴニストを化学修飾した組成物も、本発明の範囲に包含される。選択されたポリマーは、通常、単一の反応性基(例えば、アシル化のための活性エステル又はアルキル化のためのアルデヒド)を有するように修飾されており、それにより、本方法において提供されるように重合度を制御することができる。ポリマーの混合物も、ポリマーの範囲の中に包含される。最終生成物の製剤を治療に用いる場合、そのポリマーは薬学的に許容されることが好ましい。
【0036】
ポリマー又はその混合物は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、モノメトキシ−ポリエチレングリコール、デキストラン、セルロース、又は他の炭水化物を主体とするポリマー、ポリ(N−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシド共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール(例えばグリセロール)、及びポリビニルアルコールからなる群から選択され得る。
【0037】
更なる実施態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、ペグ化、コレステロイル化(cholesteroylation)、又はパルミトイル化によって修飾される。修飾は、ニューロメジンU受容体アゴニストにおける任意のアミノ酸残基に対して行うことができるが、現在の好適な実施態様では、修飾は、ニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端アミノ酸に対して、N−末端アミノ酸に直接結合するか、あるいはシステイン残基に結合したチオール基か又はTtdsなどのようなN−末端へ追加された結合基のチオール基のいずれかにカップリングする方法による。更なる実施態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端は、保護基がシステイン残基のN−末端アミノ基に結合しそのシステインのチオール基がN−エチルマレイミド、PEG基、コレステロール基、又はパルミトイル基で誘導体化されているステイン残基を有する。更なる実施態様において、アセチル化されたシステイン残基が、ニューロメジンU受容体アゴニストのN末端に結合し、システインのチオール基がN−エチルマレイミド、PEG基、コレステロール基、又はパルミトイル基で誘導体化されている。
【0038】
特定のタンパク質の特性は、ポリエチレングリコール(PEG)ポリマーの結合によって調節可能であることがよく知られており、それによって、タンパク質の流体力学的容積が増大し、従って、腎臓濾過によるそのクリアランスが遅くなる(例えば、Clark et al.,J.Biol.Chem.271:21969−21977(1996)を参照)。したがって、コアペプチド残基は、高められた治療効果(例えば、インビボでの半減期を伸ばすことによって効果を増加させるなど)を提供するためにペグ化され得ることが想定される。ニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端にPEG基を有することにより、天然のNMU−25ペプチドと比較して、ペグ化されたニューロメジンU受容体アゴニストの血漿半減期が延びるだけでなく、NMU12などの特定のニューロメジンU受容体アゴニストが血液−脳関門を通過して脳内でNMUR2と相互作用することが可能になることを、本発明者は発見した。一般に、静脈内投与の後、天然のNMU−25は、全身循環から急速に消失する。図7に示されているように、NMU−25分子のN−末端フェニルアラニン残基におけるアミノ基に、又はアミド結合によりNMU−25(NMU12))のN−末端フェニルアラニン残基に共有結合したシステイン残基のチオール基に、ポリエチレングリコール分子を共有結合させることにより、37℃での完全なヒトNMU−25(NMU1)の半減期を著しく増加させる。したがって、ニューロメジンU受容体アゴニストをペグ化は、ニューロメジンU受容体アゴニストの薬物動態と薬力学を改善する。
【0039】
ペプチドのペグ化の方法は、文献でよく知られており、また以下の参考文献に記載されている。なお、各文献は参照として本明細書に組み込まれる:Lu et al,Int.J.Pept.Protein Res.43:127−38(1994);Lu et al.,Pept.Res.6:140−6(1993);Felix et al.,Int.J.Pept.Protein Res.46:253−64(1995);Gaertner et al.,Bioconjug.Chem.7:38−44(1996);Tsutsumi et al.,Thromb.Haemost.77:168−73(1997);Francis et al.,Int.J.Hematol.68:1−18(1998);Roberts et al,J.Pharm.Sci.87:1440−45(1998);及びTan et al,Protein Expr.Purif.12:45−52(1998)。ポリエチレングリコール又はPEGは、モノ−(C1-10)アルコキシ又はアリールオキシ−ポリエチレングリコールなどの(ただし、これらに限定されるものではない)他のタンパク質を誘導体化するために使用された任意の形態のPEGを包含することを意味する。好適なPEG部分としては、例えば、40kDaメトキシポリ(エチレングリコール)プロピオンアルデヒド(Dow、Midland、Michigan);60kDaメトキシポリ(エチレングリコール)プロピオンアルデヒド(Dow、Midland、Michigan);40kDaメトキシポリ(エチレングリコール)マレイミド−プロピオンアミド(Dow、Midland、Michigan);31kDa α−メチル−w−(3−オキソプロポキシ)、ポリオキシエチレン(NOF Corporation、Tokyo);mPEG2−NHS−40k(Nektar);mPEG2−MAL−40k(Nektar)、SUNBRIGHT GL2−400MA((PEG)240kDa)(NOF Corporation、Tokyo)、SUNBRIGHT ME−200MA(PEG20kDa)(NOF Corporation、Tokyo)が挙げられる。PEG基は、一般的に、PEG部分の反応基(例えば、アルデヒド、アミノ、チオール、又はエステル基)を介して、ニューロメジンU受容体アゴニストの反応基(例えば、アルデヒド、アミノ、チオール、又はエステル基)へのアシル化又は還元的アルキル化によりニューロメジンU受容体アゴニストに付加する。
【0040】
PEG分子は、ニューロメジンU受容体アゴニストの任意の位置において、任意のLys、Cys、又はK(CO(CH2)2SH)残基に共有結合してもよい。本明細書に記載されたニューロメジンU受容体アゴニストは、N−末端アミノ基を介して、N−末端において任意のアミノ酸に直接ペグ化することができる。ペグ化を促進するためにニューロメジンU受容体アゴニストに「リンカーアーム」を付加してもよい。システインのチオール側鎖でのペグ化は広く報告されている(例えば、Caliceti & Veronese, Adv. Drug Deliv. Rev. 55: 1261−77 (2003)を参照)。ペプチドにシステイン残基が無い場合は、置換により又はN−末端アミノ酸へのシステインの付加によって、システイン残基を導入することができる。ペグ化されているニューロメジンU受容体アゴニストは、N−末端アミノ酸に付加したシステイン残基の側鎖を通じてペグ化されている。
【0041】
あるいは、PEG分子は、ニューロメジンU受容体アゴニストのC−末端においてアミド基に共有結合していてもよい。一般的に、少なくとも1つのPEG分子がニューロメジンU受容体アゴニストに共有結合している。特定の態様において、PEG分子は分岐していてもよいし、別の態様においては、直鎖状であってもよい。特定の態様において、PEG分子は、1kDa〜100kDaの間の分子量である。更なる態様において、PEG分子は、10、20、30、40、50、及び60kDaから選択される。また、更なる態様において、PEG分子は、20、40、又は60kDaから選択される。2つのPEG分子が、本発明のニューロメジンU受容体アゴニストに共有結合している場合、それぞれが1〜40kDaであり、特定の態様において、それらは20kDaと20kDa、10kDaと30kDa、30kDaと30kDa、20kDaと40kDa、又は40kDaと40kDaの分子量を有する。特定の態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストはmPEG−システインを含む。mPEG−システインのmPEGは様々な分子量を持つことができる。分子量の範囲は、好ましくは5kDa〜200kDaであり、より好ましくは5kDa〜100kDaであり、更に好ましくは20kDa〜60kDaである。mPEGは、直鎖状又は分岐状であってよい。
【0042】
現在、ニューロメジンU受容体アゴニストは、N−末端アミノ酸に結合したシステインの側鎖を通じてペグ化されていることが望ましい。現在、アゴニストは、mPEG−システインを含むことが好ましい。mPEG−システイン中のmPEGは、様々な分子量を持つことができる。分子量の範囲は、好ましくは5kDa〜200kDaであり、より好ましくは5kDa〜100kDaであり、更に好ましくは20kDa〜60kDaである。mPEGは、直鎖状又は分岐状であってよい。
【0043】
合成したニューロメジンU受容体アゴニストのペグ化に有用なストラテジーは、溶液中で共役結合を形成することにより、相互に反応性である特別の官能基をそれぞれが有するペプチドとPEG部分を結合することから成る。ニューロメジンU受容体アゴニストは、従来の固相合成法により容易に調製することができる。ニューロメジンU受容体アゴニストは、特定部位において適当な官能基によって「予備活性化」される。PEG部分と反応させる前に、前駆体を精製し、完全に同定する。ペプチドとPEGの結合は、通常は水相で行い、逆相の分析用HPLCにより容易にモニターすることができる。ペグ化されたニューロメジンU受容体アゴニストは、カチオン交換クロマトグラフィー又は分取HPLCにより容易に精製することができ、分析用HPLC、アミノ酸分析及びレーザー脱離質量分析により同定することができる。
【0044】
ニューロメジンU受容体アゴニストは、例えば、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸エステル化、カルボキシル化、メチル化、あるいは他の任意の操作又は修飾(例えば、標識成分との接合など)などの他の非配列性修飾を含むことができる。一方、特定の態様において、本明細書のニューロメジンU受容体アゴニストは、天然アミノ酸、又は天然アミノ酸のDイソ型、非天然のアミノ酸(例えば、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウム、ノルロイシン、ε−アミノカプロン酸、4−アミノブタン酸、テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、8−アミノカプリル酸、4アミノ酪酸、Lys(N(ε)−トリフルオロアセチル)又は合成類似体(例えば、o−アミノイソ酪酸、p−又はy−アミノ酸、並びに環状類似体))を利用する。さらなる態様において、本ニューロメジンU受容体アゴニストは、ニューロメジンU受容体アゴニストである第一の部分、及び異種ペプチドである第二の部分を有する融合タンパク質を含む。
【0045】
ニューロメジンU受容体アゴニストは、修飾されていないニューロメジンU受容体アゴニストと本質的に同じ活性を有する誘導体、及び/又は他の望ましい特性を有する誘導体を生成するために、様々な化学的手法により修飾されてもよい。C−末端カルボキシル基に共有結合した保護基は、インビボ条件下でカルボキシ末端の反応性を低下させる。例えば、ペプチドのカルボン酸基は、カルボキシル末端であるか側鎖であるかにかかわらず、薬理学的に許容されるカチオンの塩の形態で提供されてもよく、又はC1-6エステルを形成するためにエステル化されてもよく、又は式NRR2(式中、R及びR2は、それぞれ独立して、H、又はC1-6アルキルであるか、又は一緒になって、例えば、5又は6員の複素環を形成する)のアミドに変換されてもよい。カルボキシ末端保護基は、好ましくは、最後のアミノ酸のα−カルボニル基に結合する。カルボキシ末端保護基としては、アミド、メチルアミド、及びエチルアミドが挙げられるが、これに限定されるものではない。ペプチドのアミノ基は、N−末端であるか側鎖であるかにかかわらず、薬理学的に許容される酸付加塩(例えば、HCl塩、HBr塩、酢酸塩、ベンゼン酸塩、トルエンスルホン酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、及び他の有機塩)の形態であってもよく、又はC1-6アルキル又はジアルキルアミノに修飾されてもよく、あるいは、更にアミドに変換されてもよい。
【0046】
ニューロメジンU受容体アゴニスト側鎖の水酸基は、周知の手法を使用してC1-6アルコキシ又はC1-6エステルへ変換してもよい。ペプチド側鎖のフェニル及びフェノール環は、フッ素、塩素、ホウ素、又はヨウ素などの1つ以上のハロゲン原子、あるいはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、カルボン酸、及びそれらのエステル、あるいはそのようなカルボン酸のアミドで置換されていてもよい。ニューロメジンU受容体アゴニストの側鎖のメチレン基は、相同のC2-4アルキレンに延長することができる。チオールは、アセトアミド基などの周知の多くの保護基のいずれか1つによって保護することができる。また、当業者は、構造の安定性を高めるために、構造的制約を選択し、構造に構造的制約を与え、それによって構造の安定性を高めるため、本発明のペプチドに環状構造を導入する方法も周知である。例えば、酸化されたペプチドがジスルフィド結合を含む場合、それによって環状ペプチドが生成されるように、カルボキシ末端システイン残基又はアミノ末端システイン残基をペプチドに付加することができる。他のペプチドを環化する方法としては、チオエーテルあるいはカルボキシ−末端又はアミノ末端のアミド及びエステルの形成が挙げられる。
【0047】
多糖ポリマーは、タンパク質修飾に使用できる別のタイプの水溶性ポリマーである。デキストランは、主にα1−6結合によって結合されたグルコースの個々のサブユニットから構成された多糖ポリマーである。デキストラン自体は、多くの分子量のものが入手可能であり、約1kDa〜約70kDaの分子量のものが容易に入手可能である。デキストランは、単独で媒体(vehicle)として使用する、又は別の媒体(vehicle)と組み合わせて使用するのに好適な水溶性ポリマーである(例えば、WO96/11953号及び同第96/05309号を参照のこと)。治療用又は診断用の免疫グロブリンと結合したデキストランの使用について報告されている(例えば、欧州特許公開第0315456号を参照のこと)。デキストランを、本発明による媒体(vehicle)として使用する場合、約1kDa〜約20kDaのデキストランが好ましい。
【0048】
上記で説明したように、「リンカー」基が存在してもよい。存在する場合、これは、主としてスペーサーとして機能するため、化学構造は重要ではない。しかしながら、ある特定の実施態様において、リンカー自体が本発明の組成物の特性を向上させる場合もある。このリンカーは、好ましくはペプチド結合によって結合されたアミノ酸から構成される。従って、特定の実施態様において、リンカーは、ペプチド結合によって連結された1〜20個のアミノ酸(アミノ酸は、20個の天然に存在するアミノ酸より選択される)から構成される。当業者にはよく理解されるように、これらのアミノ酸のいくつかは、グリコシル化されてもよい。より好ましい実施態様において、1〜20個のアミノ酸は、グリシン、アラニン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、及びリジンから選択される。更により好ましくは、リンカーは、グリシン及びアラニンのような立体障害を受けない多くのアミノ酸で構成される。従って、好ましいリンカーは、ポリグリシン(特に、(Gly)4、(Gly)5)、ポリ(Gly−Ala)及びポリアラニンである。リンカーの他の具体例としては、(Gly)3Lys(Gly)4;(Gly)3AsnGlySer(Gly)2;(Gly)3Cys(Gly)4;及びGlyProAsnGlyGlyが挙げられる。
【0049】
また、非ペプチド型リンカーも使用することができる。例えば、−NH−(CH2)s−C(O)−[式中、s=2〜20]のようなアルキルリンカーを使用することができる。これらのアルキルリンカーは、更に、例えば、低級アルキル(例えば、C1-6)低級アシル、ハロゲン(例えば、Cl、Br)、CN、NH2、フェニル等のような任意の立体障害を生じない基によって置換されていてもよい。例示的な非ペプチドリンカーは、PEGリンカー[ここで、nは、リンカーの分子量が100〜5000kDa、好ましくは100〜500kDaであるような値である。ペプチドリンカーは、上記と同様の方法によって誘導体を形成するため修飾されてもよい。他のリンカーとしては、Ttds(1−アミノ−4,7,10−トリオキサ−13−トリデカンアミンスクシンイミド酸)が挙げられる。
【0050】
本発明は、ジアステレオマー、及びそれらのラセミ体、並びに分割されたエナンチオマー的に純粋な形態を含む。ニューロメジンU受容体アゴニストは、D−アミノ酸、L−アミノ酸、又はそれらの組み合わせを含む。一般的に、アミノ酸は、D体の特定のアミノ酸を含有するL体である。当該技術分野で知られているように、個々のアミノ酸は、以下のように表すことができる:A=Ala=アラニン;C=Cys=システイン;D=Asp=アスパラギン酸;E=Glu=グルタミン酸;F=Phe=フェニルアラニン;G=Gly=グリシン;H=His=ヒスチジン;I=Ile=イソロイシン;K=Lys=リシン;L=Leu=ロイシン;M=Met=メチオニン;N=Asn=アスパラギン;P=Pro=プロリン;Q=Gln=グルタミン;R=Arg=アルギニン;S=Ser=セリン;T=Thr=トレオニン;V=Val=バリン;W=Trp=トリプトファン;及びY=Tyr=チロシン。
【0051】
アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−F−L−F−R−P−R−N(配列番号1)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってよい)を含む本発明のニューロメジンU受容体アゴニストの例を表1に示す。ニューロメジンU受容体アゴニストは、C−末端においてアミノ基によって保護され、N−末端においてアセチル基によって保護されている(ニューロメジンU受容体アゴニストNMU1を除く)。ニューロメジンU受容体アゴニストNMU2を除いて、ニューロメジンU受容体アゴニストは、更に、N−末端においてシステイン残基を有しており、そのシステイン残基のアミノ基にアセチル基が共有結合している。表に示すように、多くのニューロメジンU受容体アゴニストでは、システイン残基のチオール基が、第二の基と反応する。例えば、N−末端においてC1で示された表中のニューロメジンU受容体アゴニストでは、ニューロメジンU受容体アゴニストは、チオール基を介してN−エチルマレイミジルに結合したニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてN−アセチル化されたシステイン残基を有し;N−末端においてC2で示された表中のニューロメジンU受容体アゴニストでは、ニューロメジンU受容体アゴニストは、チオール基を介して(PEG)240kDaに結合したニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてN−アセチル化されたシステイン残基を有し;ニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてC4で示された表中のニューロメジンU受容体アゴニストでは、ニューロメジンU受容体アゴニストは、チオール基を介して(PEG)20kDaに結合したニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてN−アセチル化されたシステイン残基を有し;ニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてC5で示された表中のニューロメジンU受容体アゴニストでは、ニューロメジンU受容体アゴニストは、チオール基を介して(PEG)220kDaに結合したニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてN−アセチル化されたシステイン残基を有し;ニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてC6で示された表中のニューロメジンU受容体アゴニストでは、ニューロメジンU受容体アゴニストは、チオール基を介して(PEG)40kDaに結合したニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてN−アセチル化されたシステイン残基を有し;ニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてC3で示された表中のニューロメジンU受容体アゴニストでは、ニューロメジンU受容体アゴニストは、チオール基を介してコレステロールに結合したニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてN−アセチル化されたシステイン残基を有する。
【0052】
【表1−1】
【0053】
【表1−2】
【0054】
【表1−3】
【0055】
配列番号25のアミノ酸配列を含むニューロメジンU受容体アゴニストを除いて、表1に示したニューロメジンU受容体アゴニストは、NMUR1受容体又はNMUR2受容体のどちらでも結合及び活性化することができるという点で二重特異性である。配列番号25を含むニューロメジンU受容体アゴニストは、NMUR1特異的であることがわかっている。表1に示したニューロメジンU受容体アゴニストのペグ化は、ニューロメジンU受容体アゴニストの血中半減期を伸ばすようであり、そして重要なことに、NMU12のような特定のニューロメジンU受容体アゴニストが血液−脳関門を通過することを可能にするようである。例えば、実施例4並びに図6A及び6Bに示すように、NMU12は、Nmur1ノックアウトマウスにおいて、食物摂取を減少させ、体重増を減少させることが可能のようであった。結果は、末梢投与されたペグ化ペプチドNMU12は、血液−脳関門を通過することが可能であることを示している。ペグ化は、NMU1、NMU9、及びNMU20の血中半減期を3日間、NMU1及びNMU18を2日間延ばすようであった。NMU9及びNMU12は、N−末端システイン残基のチオール基に共有結合した(PEG)240kDaの供給源が異なっている。
【0056】
アミノ酸配列F−R−V−D−E−E−F−Q−S−P−F−A−S−Q−S−R−G−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号7)又はX1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8(配列番号8)(ここで、アミノ酸X18又はX1は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19又はX2は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20又はX3は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21又はX4は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X22又はX5は、K、A、又はLであり;アミノ酸X23又はX6は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24又はX7は、Harg、又はKであり;アミノ酸X25又はX8は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、又はAである)を含む本発明のニューロメジンU受容体アゴニストの例。上記のアミノ酸配列を有するペプチドの例を表2に示す。一般的に、配列番号7又は配列番号8を含むペプチドは、NMUR1受容体に対して特異的であるが、実施例に示すように、ニューロメジンU受容体アゴニストのN、O、及びPは二重特異性である。
【0057】
【表2】
【0058】
更に、個体における代謝性障害の治療のための、本明細書で開示された1つ以上のニューロメジンU受容体アゴニストの治療有効量を含む医薬組成物を提供する。そのような障害としては、これに限定されるものではないが、肥満、メタボリックシンドローム又はX症候群、II型糖尿病、網膜障害などの糖尿病の合併症、高血圧症、脂質異常症、心臓血管疾患、胆石、変形性関節症、及びある特定の形態の癌が挙げられる。本明細書の肥満関連障害は、肥満に関連するか、肥満を原因とするか、又は肥満の結果である。
【0059】
「肥満」とは、過剰の体脂肪が存在する状態である。肥満の運用上の定義は、身長に対する平方当たりの体重(kg/m2)として計算される肥満指数(BMI)に基づいたものである。「肥満」とは、他の点では、健康な被験者が30kg/m2以上の肥満指数(BMI)を有する状態、又は少なくとも一つの併発症を有する被験者が27kg/m2以上のBMIを有する状態を指す。「肥満被験者」は、肥満指数(BMI)が30kg/m2以上の他の点では健康な被験者又はBMIが27kg/m2以上の少なくとも一つの併発症を有する被験者である。「肥満の危険性がある被験者」とは、BMIが25kg/m2から30kg/m2未満の、他の面では健常な被験者、又はBMIが25kg/m2から27kg/m2未満の、少なくとも一つの併発症を有する被験者である。
【0060】
肥満に関連するリスクの増加は、アジア人の場合、比較的低い肥満指数(BMI)で起こる。日本などのアジア諸国では、「肥満」とは、減量を必要とする、あるいは減量によって改善されると考えられる、少なくとも一つの肥満誘発又は肥満関連の併発症を有する被験者が、25kg/m2以上のBMIを有する状態を意味する。日本などのアジア諸国では、「肥満被験者」とは、25kg/m2以上のBMIを有し、減量を必要とするあるいは減量によって改善されると考えられる少なくとも一つの肥満誘発又は肥満関連の併発症を有する被験者を指す。アジア諸国では、「肥満の危険性がある被験者」とは、BMIが23kg/m2より大きく、25kg/m2未満である被験者である。
【0061】
本明細書で使用される場合、「肥満」という用語は、上記の肥満の定義の全てを包含するものである。
【0062】
肥満誘発又は肥満関連の併発症としては、糖尿病、非インシュリン依存型糖尿病−II型、耐糖能障害、空腹時血糖障害、インシュリン耐性症候群、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症、痛風、冠動脈疾患、心筋梗塞、狭心症、睡眠無呼吸症候群、ピックウィック症候群、脂肪肝;脳梗塞、脳血栓症、一過性虚血発作、整形外科障害、変形性関節炎、ルンボジニア(lumbodynia)、月経異常、及び不妊症が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に、併発症には高血圧、高脂血症、脂質異常症、耐糖能異常、心臓血管疾患、睡眠時無呼吸、糖尿病及び他の肥満関連状態などがある。
【0063】
「(肥満及び肥満関連疾患の)治療」とは、肥満被験者の体重を減少又は維持するために、本発明の化合物を投与することを意味する。治療の一つの結果は、本発明の化合物の投与直前の被験者の体重と比較して肥満被験者の体重が減少することであってもよい。治療の別の結果は、食事、運動又は薬物療法の結果として以前失われた体重の再獲得であってもよい。治療のさらなる別の結果は、肥満関連疾患の発生及び/又は重症度の低下であってもよい。治療は、総食物摂取の低下、あるいは炭水化物もしくは脂肪などの食事の具体的な成分の摂取の減少などの被験者による食物又はカロリー摂取の減少;及び/又は栄養素吸収の阻害;及び/又は代謝速度低下の阻害;並びにそれらを必要とする患者における体重の減少、を適度に生じさせるものであってよい。また、その治療は、代謝速度低下を阻害しないか、あるいは代謝速度低下の阻害に加えて、代謝速度の上昇などの代謝速度変化;及び/又は通常は減少によって生じる代謝抵抗性の低減を生じさせ得る。
【0064】
「(肥満及び肥満関連疾患の)予防」とは、肥満の危険性がある被験者の体重を低減又は維持するために、本発明の化合物を投与することを意味する。予防の一つの結果は、本発明の化合物の投与直前の被験者の体重と比較して、肥満の危険性がある被験者の体重が減少することであってもよい。予防の別の結果は、食事、運動又は薬物療法の結果としての以前失われた体重の再獲得であってもよい。予防の更に別の結果としては、肥満の危険性がある被験者に対して肥満発症前に投与を行った場合における肥満発生の防止であってもよい。予防の別の結果としては、肥満の危険性がある被験者に対して肥満発症前に投与を行った場合における肥満関連疾患の発生及び/又は重症度の低下であってもよい。更に、すでに糖尿病である被験者において治療を開始する場合、そのような治療は、アテローム性動脈硬症、II型糖尿病、多嚢胞卵巣、心臓血管疾患、変形性関節症、皮膚障害、高血圧、インシュリン耐性、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症及び胆石症などの肥満関連疾患の発生、進行又は重症化を予防することができる。
【0065】
本明細書での肥満関連疾患は、肥満に関連しているか、それを原因としているか、あるいはそれの結果である。肥満関連疾患の例としては、過食及び大食、高血圧、糖尿病、血漿インシュリン濃度上昇及びインシュリン耐性上昇、脂質異常症、高脂血症、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌及び結腸癌、変形性関節症、閉塞性睡眠時無呼吸、胆石症、胆石、心臓疾患、異常心臓リズム及び不整脈、心筋梗塞、鬱血性心不全、冠性心疾患、突然死、卒中、多嚢胞性卵巣、頭蓋咽頭腫、プラダー−ウィリ症候群、フレーリッヒ症候群、GH欠乏被験者、ノーマルバリアント低身長、ターナー症候群、並びに急性リンパ芽球性白血病小児などの代謝活性の低下又は総非脂肪重量の比率として休止時エネルギー消費における減少を示す他の病的状態が挙げられる。肥満関連疾患の更に別の例としては、X症候群とも称される代謝症候群、インシュリン耐性症候群、不妊などの性的及び生殖機能不全、男性における性腺機能低下症及び女性における男性型多毛症、肥満関連胃食道逆流などの消化管運動性障害、肥満性低換気症候群などの呼吸器障害(ピックウィック症候群)、心血管障害、血管系の全身炎症などの炎症、アテローム性動脈硬化、高コレステロール血症、高尿酸血症、腰痛、胆嚢疾患、痛風及び腎臓癌が挙げられる。また、本発明の組成物は、左心室肥大のリスク低下などの肥満の二次的結果のリスクの低下にも有用である。
【0066】
本明細書で使用される「糖尿病」という用語は、インシュリン依存型糖尿病(IDDM、また、I型糖尿病とも称される)及び非インシュリン依存型糖尿病(NIDDM、また、II型糖尿病とも称される)の両方を包含する。I型糖尿病、すなわちインシュリン依存型糖尿病は、グルコース利用を調節するホルモンであるインシュリンの完全欠乏の結果である。II型糖尿病、すなわち非インシュリン依存型糖尿病(すなわち、インシュリン依存型ではない糖尿病)は多くの場合、インシュリンレベルが正常又は高いにも拘わらず起こるものであり、組織がインシュリンに対して適切に応答できないことの結果であるように思われる。また、II型糖尿病患者のほとんどが肥満でもある。本発明の化合物は、I型及びII型の両方の糖尿病の治療に対して有用である。この化合物は、特にII型糖尿病の治療において有用である。また、本発明の化合物は、妊娠性糖尿病の治療及び/又は予防においても有用である。
【0067】
本明細書で開示されたニューロメジンU受容体アゴニストは、薬学的に許容される担体と組み合わせた場合に、医薬組成物に使用してもよい。そのような組成物は、治療有効量のニューロメジンU受容体アゴニスト及び薬学的に許容される担体を含む。また、そのような組成物は、(ニューロメジンU受容体アゴニスト及び担体に加え)当該技術分野で周知の稀釈剤、充てん剤(fillers)、塩、緩衝剤、安定剤、可溶化剤、及び他の物質を含んでもよい。ニューロメジンU受容体アゴニストを含む組成物は、所望であれば、塩の形態(ただし、その塩は薬学的に許容されるものである)で投与することができる。塩は、合成有機化学の当業者に既知の標準的な手法を用いて調製されてもよい。
【0068】
用語「個体」は、ヒト並びにイヌ、ネコ、ウマなどのペット又は家畜を含むことが意図される。したがって、式(I)を有する組成物は、ネコ及びイヌにおける肥満及び肥満関連障害の治療又は予防に有用でもある。そういうものとして、用語「哺乳動物」は、ネコ及びイヌなどのペットを含む。
【0069】
「薬学的に許容される塩」という語は、無機塩基又は有機塩基、並びに無機酸又は有機酸、を含む薬学的に許容される非毒性の塩基又は酸から調製した塩を意味する。無機塩基から得られる塩としては、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、第二マンガン塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩等が挙げられる。特に好ましいのは、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩及びナトリウム塩である。薬学的に許容される非毒性の有機塩基から得られる塩としては、第一級、第二級、及び第三級アミン、天然置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、並びに塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N、N′−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等の塩が挙げられる。「薬学的に許容される塩」という用語には更に、溶解度又は加水分解特性を修飾するための製剤として、あるいは徐放製剤又はプロドラッグ製剤において使用することができる酢酸塩、ラクトビオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、安息香酸塩、リンゴ酸塩、重炭酸塩、マレイン酸塩、重硫酸塩、マンデル酸塩、重酒石酸塩、メシル酸塩、ホウ酸塩、臭化メチル塩、臭化物、硝酸メチル塩、カルシウムエデト酸塩、メチル硫酸塩、カムシル酸塩、ムコ酸塩、炭酸塩、ナプシル酸塩、塩化物、硝酸塩、クラブラン酸塩、N−メチルグルカミン塩、クエン酸塩、アンモニウム塩、2塩酸塩、オレイン酸塩、エデト酸塩、シュウ酸塩、エジシル酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、エストレート、パルミチン酸塩、エシル酸塩、パントテン酸塩、フマル酸塩、リン酸塩/2リン酸塩、グルセプト酸塩、ポリガラクツロン酸塩、グルコン酸塩、サリチル酸塩、グルタミン酸塩、ステアリン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、硫酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、塩基性酢酸塩、ヒドラバミン、コハク酸塩、臭化水素酸塩、タンニン酸塩、塩酸塩、酒石酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、テオクル酸塩、ヨウ化物、トシル酸塩、イソチオン酸塩、トリエチオジド、乳酸塩、パノエート(panoate)、吉草酸塩などの全ての許容される塩が含まれる。本明細書で使用される場合、一般式(I)のニューロメジンU受容体アゴニストについての言及は、薬学的に許容される塩を含むことが意図されると理解される。
【0070】
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される」とは、連邦政府又は州政府の規制当局により承認されているか、動物及び特にヒトにおいての使用のために米国薬局方又は一般的に認可された他の薬局方に一覧されている、活性成分の生物学的活性の有効性を妨げない非毒性の物質を意味する。用語「担体」は、薬剤と共に投与される稀釈剤、補助剤、賦形剤、又は媒体(vehicle)を意味し、そして、水及び油のような滅菌した液体を含むが、これらに限定されるものではない。担体の特徴は、投与経路に依存する。ニューロメジンU受容体アゴニストは、多量体(例えば、ヘテロダイマー又はホモダイマー)又はそれ自身と他のペプチドとの複合体であってもよい。その結果、本発明の医薬組成物は、多量体又は複合体の形態で1種以上のニューロメジンU受容体アゴニストを含んでもよい。
【0071】
本明細書中で使用される場合、用語「治療有効量」とは、患者にとって意味のある利益(例えば、関連する病状の治療、治癒、予防、又はそのような状態の改善、又は治療、治癒、予防、又は改善率の上昇)を示すのに十分である、医薬組成物又は方法の各活性成分の総量を意味する。単独で投与される個々の活性成分に適用される場合、この用語は、その成分単独を意味する。組み合わせて適用される場合、この用語は、組み合わせで投与されるか、逐次投与されるか、又は同時に投与されるかにかかわらず、治療効果をもたらす活性成分の合計量を意味する。
【0072】
医薬組成物は、1種以上のニューロメジンU受容体アゴニスト;1種以上のニューロメジンU受容体アゴニスト及び代謝性障害の治療のための1種以上の他の薬剤を含むことができるか、又は1種以上のニューロメジンU受容体アゴニストを含む医薬組成物は、代謝性障害を治療するための薬剤を含む医薬組成物と同時に使用することができる。そのような障害としては、これに限定されるものではないが、肥満、メタボリックシンドローム又はX症候群、II型糖尿病、糖尿病の合併症、高血圧症、脂質異常症、心臓血管疾患、胆石、変形性関節症、及びある特定の型の癌が挙げられる。
【0073】
医薬組成物が、代謝性障害を治療するための他の薬剤を含む場合、又は、治療が代謝性障害を治療するための薬剤を含む第二の医薬組成物を包含する場合、その薬剤としては、これに限定されるものではないが、カンナビノイド(CBl)受容体アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)受容体アゴニスト、リパーゼインヒビター、レプチン、テトラヒドロリプスタチン、2−4−ジニトロフェノール、アカルボース、シブトラミン、フェンタミン、脂肪吸収遮断薬、シンバスタチン、メバスタチン、エゼチミブ、アトルバスタチン、シタグリプチン、メトホルミン、オーリスタット(orlistat)、Qnexa、トピラメート、ナルトレキソン、ブプロピオン、フェンテルミン、ロサルタン、ロサルタン/ヒドロクロロチアジドなどが挙げられる。
【0074】
本発明の化合物と併用される好適な薬剤を以下に挙げるが、これに限定されるものではない。
【0075】
(a)抗糖尿病医薬品、例えば、(1)グリタゾン(glitazone)などのPPARγアゴニスト(例えば、シグリタゾン;ダルグリタゾン(darglitazone);エングリタゾン;イサグリタゾン(isaglitazone)(MCC−555);ピオグリタゾン(ACTOS);ロシグリタゾン(rosiglitazone)(AVANDLA);トログリタゾン;リボグリタゾン(rivoglitazone)、BRL49653;CLX−0921;5−BTZD、GW−0207、LG−100641、R483、及びLY−300512など、並びにWO97/10813号、同第97/27857号、同第97/28115号、同第97/28137号、同第97/27847号、同第03/000685号、及び同第03/027112号で開示された化合物、並びに、T131(Amgen)、FK614(Fujisawa)、ネトグリタゾン(netoglitazone)、及びメタグリダセン(metaglidasen)などのSPPARMS(選択的PPARガンマモジュレーター);(2)ブホルミン、メトホルミン、フェンホルミンなどのビグアニド;(3)タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP−IB)インヒビター、例えば、ISIS 113715、A−401674、A−364504、IDD−3、IDD 2846、KP−40046、KR61639、MC52445、MC52453、C7、OC−060062、OC−86839、OC29796、TTP−277BC1、並びに、WO04/041799号、同第04/050646号、同第02/26707号、同第02/26743号、同第04/092146号、同第03/048140号、同第04/089918号、同第03/002569号、同第04/065387号、同第04/127570号、及びUS2004/167183号で開示された薬剤;(4)アセトヘキサミドなどのスルホニル尿素;クロルプロパミド;ジアビネース;グリベンクラミド;グリピジド; グリブリド; グリメピリド; グリクラジド; グリペンジド(glipentide); グリキドン; グリソラミド(glisolamide); トラザミド、及びトルブタミドなど;(5)レパグリニドや、メチグリニド(metiglinide)(グルファスト)、及びナテグリニドなどのメグリチニド;(6)アカルボースなどのアルファグルコシドヒドロラーゼインヒビター;アジポシン(adiposine);カミグリボース(camiglibose);エミグリタート;ミグリトール;ボグリボース;プラディマイシン−Q;サルボスタチン;CKD−711;MDL−25,637;MDL−73,945;及びMOR14など;(7)テンダミスタット、トレスタチン、及びAl−3688などのアルファ−アミラーゼインヒビター;
(8)リノグリリド、ナテグリニド、ミチグリニド(グルファスト)、ID1101、A−4166などのインスリン分泌促進剤;(9)クロモキシル及びエトモキシル並びに同様のものなどの脂肪酸酸化防止剤;(10)ミダグリゾール;イサグリドール;デリグリドール;イダゾキサン;エーロキサン;及びフルパロキサンなどのA2拮抗薬;(11)インスリン又はインスリン模倣薬、例えば、ビオタ、LP−100,ノバラピド、インスリンデテミル、インスリンリスプロ、インスリングラルギン、インスリン亜鉛懸濁液(レンテ及びウルトラレンテ);Lys−Proインスリン、GLP−1(17−36)、GLP−1(73−7)(インスリントロピン);GLP−1(7−36)−NH2)エキセナチド/エキセンジン−4、エキセナチドLAR、リナグルチド(Linaglutide)、AVE0010、CJC1131、BIM51077、CS872、THO318、BAY−694326、GP010、ALBUGON(アルブミンに縮合したGLP−I)、HGX−007(Epacアゴニスト)、S−23521、及びWO04/022004号、同第04/37859号において開示された化合物など;(12)JT−501及びファルグリタザール(GW−2570/GI−262579)などの非チアゾリジンジオンなど;(13)PPARα/γデュアルアゴニスト、例えば、AVE 0847、CLX−0940、GW−1536、GW1929、GW−2433、KRP−297、L−796449、LBM 642、LR−90、LY510919、MK−0767、ONO 5129、SB 219994、TAK−559、TAK−654、677954(GlaxoSmithkline)、E−3030(Eisai)、LY510929(Lilly)、AKl09(Asahi)、DRF2655 (Dr.Reddy)、DRF8351(Dr.Reddy)、MC3002(Maxocore)、TY51501(ToaEiyo)、ナベグリタザル、ムラグリタザル、ペリグリタザル、テサグリタザル(GALIDA)、レグリタザル(JTT−501)、チグリタザル(chiglitazar)、及びWO99/16758号、同第99/19313号、同第99/20614号、同第99/38850号、同第00/23415号、同第00/23417号、同第00/23445号、同第00/50414号、同第01/00579号、同第01/79150号、同第02/062799号、同第03/033481号、同第03/033450号、同第03/033453で開示されたもの;及び(14)他のインスリン抵抗性改善薬;(15)VPAC2受容体アゴニスト;(16)GLKモジュレーター、例えば、PSNl05、RO 281675、RO 274375、及びWO03/015774号、同第03/000262号、同第03/055482号、同第04/046139号、同第04/045614号、同第04/063179号、同第04/063194号、同第04/050645で開示されたものなど;(17)レチノイドモジュレーター、例えば、WO03/000249号に開示されているものなど;(18)GSK 3ベータ/GSKインヒビター、例えば、4−[2−(2−ブロモフェニル)−4−(4−フルオロフェニル−1H−イミダゾール−5−イル]ピリジン、CT21022、CT20026、CT−98023、SB−216763、SB410111、SB−675236、CP−70949、XD4241、及びWO03/037869号、同第03/03877号、同第03/037891号、同第03/024447号、同第05/000192号、同第05/019218で開示された化合物など;(19)グリコゲンホスホリラーゼ(HGLPa)インヒビター、例えば、AVE5688、PSN357、GPi−879、WO03/037864号、同第03/091213号、同第04/092158号、同第05/013975号、同第05/013981号、US2004/0220229号、及びJP2004−196702で開示されたものなど;(20)ATP消費プロモータ、例えば、WO03/007990号に開示されているものなど;(21)PPARγアゴニスト及びメトホルミンの固定組み合わせ、例えば、AVANDAMET;(22) PPAR汎アゴニスト、例えば、GSK677954;(23)SNORFとも称されるGPR40(G−タンパク質共役受容体)、例えば、BG 700、及びWO04/041266号、同第04/022551号、同第03/099793号で開示されたもの;(24)GPRl19(RUP3;SNORF25、とも称される)、例えば、RUP3、HGPRBMY26、PFI007、SNORF25;(25)アデノシン受容体2Bアンタゴニスト、例えば、ATL−618、AT1−802、E3080など;(26)カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼインヒビター、例えば、ST1327、ST1326など;(27)フルクトース1,6−ビスホスファターゼインヒビター、例えば、CS−917、MB7803など;(28)グルカゴンアンタゴニスト、例えば、AT77077、BAY 694326、GW 4123X、NN25O1、及びWO03/064404号、同第05/00781号、US2004/0209928号、同第2004/029943号で開示されたものなど;(30)グルコース−6−ホスファターゼインヒビター;(31)ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)インヒビター;(32)ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ(PDK)アクティベータ;(33)RXRアゴニスト、例えば、MC 1036、CS000l8、JNJ 10166806、及びWO04/089916号、US6759546号で開示されたものなど;(34)SGLTインヒビター、例えば、AVE 2268、KGT 1251、T1095/RWJ394718;(35)BLX−1002。
【0076】
(b)脂質低下薬、例えば、(1)胆汁酸抑制剤、例えば、コレスチラミン、コレセベレム、コレスチポール、架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体;Colestid(登録商標);LoCholest(登録商標);及びQuestran(登録商標)など;(2)HMG−CoA還元酵素インヒビター、例えば、アトルバスタチン、イタバスタチン、ピタバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、パラバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチン、シムバスタチン、ロスバスタチン(ZD−4522)など、とくにシンバスタチン;(3)HMG−CoAシンターゼインヒビター;(4)コレステロール吸収インヒビター、例えば、FMVP4 (Forbes Medi−Tech), KT6−971 (Kotobuki Pharmaceutical), FM−VAl2 (Forbes Medi−Tech), FM−VP−24 (Forbes Medi−Tech)、スタノールエステル、β−シトステロール、チクェシドなどのステロール配糖体、及びエゼチミブなどのアゼチジノン;及びWO04/005247号など(5)アシルコエンザイムA−コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)インヒビター、例えば、アバシミブ、エフルチミブ、パクチミブ(KY505)、SMP797(Sumitomo)、SM32504(Sumitomo)、及びWO03/091216号で開示されたものなど;(6)CETPインヒビター、例えば、JTT 705 (Japan Tobacco)、トルセトラピブ、CP 532,632、BAY63−2149(Bayer)、SC 591、SC 795など;(7)スクアレンシンセターゼインヒビター;(8)酸化防止剤、例えばプロブコールなど;(9)PPARαアゴニスト、例えば、ベクロフィブレート(beclofibrate)、ベンザフィブレート(benzafibrate)、シプロフィブレート、クロフィブレート、エトフィブレート、フェノフィブレート、ゲムカベン、及びゲンフィブロジル、GW 7647、BM 170744(Kowa)、LY518674(Lilly)、GW590735(GlaxoSmithkline)、KRP−101(Kyorin)、DRF10945(Dr.Reddy)、NS−220/R1593(Nippon Shinyaku/Roche)、ST1929(Sigma Tau)、MC3001/MC3004(MaxoCore Pharmaceuticals)、ゲムカベンカルシウム、他のフィブリン酸誘導体、例えば、Atromid(登録商標)、Lopid(登録商標)、及びTricor(登録商標)、及びUS6,548,538号で公開されたものなど;(10)FXR受容体モジュレータ、例えば、GW 4064 (GlaxoSmithkline), SR 103912, QRX401, LN−6691 (Lion Bioscience),及びWO02/064125号、同第04/045511号など;(11)LXR受容体モジュレータ、例えば、GW 3965 (GlaxoSmithkline), T9013137、及びXTCO179628(X−ceptor Therapeutics/Sanyo)、並びにWO03/031408号、同第03/063796号、同第04/072041号など;(12)リポタンパク質合成インヒビター、例えば、ナイアシン;(13)レニン−アンジオテンシン系インヒビター;(14)PPARδ部分アゴニスト、例えば、WO03/024395号に開示されているもの;(15)胆汁酸再吸収インヒビター、例えば、BARI 1453、SC435、PHA384640、S8921、AZD7706、及び同様のもの;胆汁酸シークエステラント、例えば、コレセベラム(colesevelam)(WELCHOL/ CHOLESTAGEL);(16)PPARγアゴニスト、例えば、GW 501516(Ligand、GSK)、GW 590735、GW−0742(GlaxoSmithkline)、T659(Amgen/Tularik)、LY934(Lilly)、NNC610050(Novo Nordisk)、及び、WO97/28149号、同第01/79197号、同第02/14291号、同第02/46154号、同第02/46176号、同第02/076957号、同第03/016291号、同第03/033493号、同第03/035603号、同第03/072100号、同第03/097607号、同第04/005253号、同第04/007439号、あるいはJP10−237049で公開されたものなど;(17)トリグリセリド合成インヒビター;(18)ミクロソームトリグルセリド輸送(MTTP)インヒビター、例えば、インプリタピド、LAB687、JTTl30(Japan Tobacco)、CP346086、及びWO03/072532号で開示されたものなど;(19)転写モジュレータ;(20)スクアレンエポキシダーゼインヒビター;(21)低密度リポ蛋白(LDL)受容体誘導物質;(22)血小板凝集抑制剤;(23)5−LO又はFLAPインヒビター;並びに(24)HM74A受容体アゴニストを含むナイアシン受容体アゴニスト;(25)PPARモジュレータ、例えば、WO01/25181号、同第01/79150号、同第02/79162号、同第02/081428号、同第03/016265号、同第03/033453号で開示されたもの;(26)WO03/039535号に開示されているようなナイアシン結合クロム;(27)WO03/040114号に開示されている置換酸誘導体;(28)注入HDL、例えば、LUV/ETC−588(Pfizer)、APO−Alミラノ/ETC216(Pfizer)、ETC−642(Pfizer)、ISIS301012、D4F(Bruin Pharma)、合成三量体ApoAl、泡沫細胞を標的とするBioral Apo Alなど;(29)IBATインヒビター、例えば、BARI143/HMR145A/HMR1453(Sanofi−Aventis、PHA384640E(Pfizer)、S8921(Shionogi)、AZD7806(AstrZeneca)、AK105(Asah Kasei)など;(30)Lp−PLA2インヒビター、例えば、SB480848(GlaxoSmithkline)、659032(GlaxoSmithkline)、677116(GlaxoSmithkline)など;(31)脂質組成物に影響を及ぼす他の薬剤、例えば、ETC1001/ESP31015(Pfizer)、ESP−55016(Pfizer)、AGI1067(AtheroGenics)、AC3056(Amylin)、AZD4619(AstraZeneca)など。
【0077】
(c)次のような抗高血圧薬、例えば、(1)利尿薬、例えば、コルタリドン、コルチアジド、ジクロロフェンアミド、ヒドロフルメチアジド、インダパミド及びヒドロクロロチアジドを含むチアジド;ループ利尿薬、例えば、ブメタニド、エタクリン酸、フロセミド及びトルセミド;カリウム保持性利尿薬、例えば、アミロライド及びトリアムテレン;並びにアルドステロン拮抗薬、例えば、スピロノラクトン、エピレノンなど;(2)β−アドレナリン遮断薬、例えば、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、カルテオロール、カルベジロール、セリプロロール、エスモロロール、インデノロール、メタプロロール、ナドロール、ネビボロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロパノロール、ソタロール、タータトロール、チリソロール及びチモロールなど;(3)カルシウムチャネル遮断薬、例えば、アムロジピン、アラニジピン、アゼルニジピン、バルニジピン、ベニジピン、ベプリジル、シナルジピン、クレビジピン、ジルチアゼム、エホニジピン、フェロジピン、ガロパミル、イスラジピン、ラシジピン、レミルジピン、レルカニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモデピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、マニジピン、プラニジピン、及びベラパミルなど;(4)アンジオテンシン変換酵素(ACE)インヒビター、例えば、ベナゼプリル;カプトプリル;シラザプリル;デラプリル;エナラプリル;ホシノプリル;イミダプリル;ロシノプリル;モエキシプリル;キナプリル;キナプリラット;ラミプリル;ペルインドプリル;ペルインドロプリル;クアニプリル;スピラプリル;テノカプリル;トランドラプリル及びゾフェノプリルなど;(5)ニュートラルエンドペプチダーゼインヒビター、例えば、オマパトリラット、カドキサトリル及びエカドトリル、ホシドトリル、サムパトリラット、AVE7688、ER4030など;(6)エンドセリン拮抗薬、例えば、テゾセンタン、A308165、及びYM62899など;(7)血管拡張剤、例えば、ヒドララジン、クロニジン、ミノキシジル、及びニコチニルアルコールなど;(8)アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、例えば、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、プラトサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、及びEXP−3137、FI6828K、及びRNH6270など;(9)α/βアドレナリン遮断薬、例えば、ニプラジロール,アロチノロール及びアモスラロールなど;(10)アルファ1遮断薬、例えば、テラゾシン、ウラピジル、プラゾシン、ブナゾシン、トリマゾシン、ドキサゾシン、ナフトピジル、インドラミン、WHIP 164、及びXEN010など;(11)アルファ2アゴニスト、例えば、ロフェキシジン、チアメニジン、モキソニジン、リリメニジン、及びグアノベンズなど;(12)アルドステロンインヒビターなど;(13)アンジオポイエチン−2結合剤、例えば、WO03/030833号に開示されているもの。
【0078】
(d)抗肥満薬、例えば、(1)5HT(セロトニン)トランスポーター阻害剤、例えば、パロキセチン、フルオキセチン、フェンフルタミン、フルボキサミン、セルトラリン、もしくはイミプラミン、及びWO03/00663号に開示されているもの、並びにセロトニン/ノルアドレナリン再吸収阻害剤、例えば、シブトラミン(MERIDIA/REDUCTIL)など、及びドーパミン取り込み阻害剤/ノルエピネフリン取り込み阻害剤、例えば、塩酸ラダファキシン、353162(GlaxoSmithkline)など;(2)NE(ノルエピネフリン)トランスポーター阻害剤、例えば、GW 320659,デスピラミン、タルスプラム、及びノミフェンシン;(3)CBl(カンナビノイド−1受容体)アンタゴニスト/インバースアゴニスト、例えば、リモナバント(ACCOMPLIA Sanofi Synthelabo)、SR−147778(Sanofi Synthelabo)、AVE1625(Sanofi− Aventis)、BAY 65−2520(Bayer)、SLV 319(Solvay)、SLV326(Solvay)、CP945598(Pfizer)、E−6776(Esteve)、O1691(Organix)、ORG14481(Organon)、VER24343(Vernalis)、NESS0327(Univ of Sassari/Univ of Cagliari)、及び米国特許第4,973,587号、同第5,013,837号、 同第5,081,122号、同第5,112,820号、同第5,292,736号、同第5,532,237号、同第5,624,941号、同第6,028,084号、及び同第6,509367号;ならびにWO96/33159号、同第97/29079号、同第98/31227号、同第98/33765号、同第98/37061号、同第98/41519号、同第98/43635号、同第98/43636号、同第99/02499号、同第00/10967号、同第00/10968号、同第01/09120号、同第01/58869号、同第01/64632号、同第01/64633号、同第01/64634号、同第01/70700号、同第01/96330号、同第02/076949号、同第03/006007号、同第03/007887号、同第03/020217号、同第03/026647号、同第03/026648号、同第03/027069号、同第03/027076号、同第03/027114号、同第03/037332号、同第03/040107号、同第04/096763号、同第04/111039号、同第04/111033号、同第04/111034号、同第04/111038号、同第04/013120号、同第05/000301号、同第05/016286号、同第05/066126号、もしくはEP658546号で開示されたものなど;(4)グレリンアゴニスト/アンタゴニスト、例えば、BVT81−97 (BioVitrum), RC 1291 (Rejuvenon), SRD−04677 (Sumitomo)、非アシル化グレリン(TheraTechnologies)、及びWO01/87335号、WO02/08250号、WO05/012331号で開示されたものなど;(5)H3(ヒスタミンH3)アンタゴニスト/インバースアゴニスト、例えば、チオペラミド、3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピル−N−(4−ペンテニル)カルバメート)、クロベンプロピット、ヨードフェンプロピット、イモプロキシファン、GT2394(Gliatech)、及びA331440、並びにWO02/15905号に開示されているもの;並びにO−[3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノール]カルバメート(Kiec−Kononowicz、K.et al.、Pharmazie、55:349−55(2000))、ピペリジン含有ヒスタミンH3−受容体アンタゴニスト(Lazewska、D.et al.、Pharmazie、56:927−32(2001)、ベンゾフェノン誘導体及び関連化合物(Sasse、A.et al.、Arch.Pharm.(Weinheim)334:45−52(2001))、置換N−フェニルカルバメート(Reidemeister、S.et al.、Pharmazie、55:83−6(2000))、及びプロキシファン誘導体(Sasse、A.et al.、J.Med.Chem.43:3335−43(2000))、並びにWO03/024928号、同第03/024929号に開示されているものなどのヒスタミンH3受容体モジュレーター;(6)メラニン凝集ホルモン1受容体(MCHlR)アンタゴニスト、例えば、T−226296(Takeda)、T71 (Takeda/Amgen)、AMGN− 608450、AMGN−503796 (Amgen)、856464 (Glaxo Smithkline)、A224940(Abbott)、A798(Abbott)、ATC0175/AR224349(Arena Pharmaceuticals)、GW803430(GlaxoSmithkine)、NBI−IA(Neurocrine Biosciences)、NGX−I(Neurogen)、SNP−7941(Synaptic)、SNAP9847(Synaptic)、T−226293(Schering Plough)、TPI−1361−17(埼玉医科大学/カリフォルニア大学アーバイン)、及びWO01/21169号、同第01/82925号、同第01/87834号、同第02/051809号、同第02/06245号、同第02/076929号、同第02/076947号、同第02/04433号、02/51809号
、同第02/083134号、同第02/094799号、同第03/004027号、同第03/13574号、同第03/15769号、同第03/028641号、同第03/035624号、同第03/033476号、同第03/033480号、同第04/004611号、同第04/004726号、同第04/011438号、同第04/028459号、同第04/034702号、同第04/039764号、同第04/052848号、同第04/087680号に開示されたもの、もしくは日本特許出願JP13−226269号、JP14−37059号、JP2004−315511号など;(7)MCH2R(メラニン凝集ホルモン2R)アゴニスト/アンタゴニスト;(8)NPY1(神経ペプチドY Y1)アンタゴニス、例えば、BMS205749、BIBP3226,J−115814、BIBO 3304、LY−357897、CP−671906、及びGI−264879A;並びにUS6,001,836号;及びWO96/14307号、同第01/23387号、同第99/51600号、同第01/85690号、同第01/85098号、同第01/85173号、及び同第01/89528号に開示されているもの;(9)NPY5(神経ペプチドY Y5)アンタゴニスト、例えば、152,804、S2367(Shionogi)、E−6999(Esteve)、GW−569180A、GW−594884A (GlaxoSmithkline)、GW−587081X、GW−548118X;FR235,208;FR226928,FR240662,FR252384;1229U91、GI−264879A、CGP71683A、C−75(Fasgen)、LY−377897,LY366377、PD−160170、SR−120562A、SR−120819A、S2367(Shionogi)、JCF−104,及びH409/22;並びにUS6,140,354号、同第6,191,160号、同第6,258,837号、同第6,313,298号、同第6,326,375号、同第6,329,395号、同第6,335,345号、同第6,337,332号、同第6,329,395号及び同第6,340,683号;EP第01010691号、同第01044970号、及びFR第252384号;及びWO97/19682号、同第97/20820号、同第97/20821号、同第97/20822号、同第97/20823号、同第98/27063号、同第00/107409号、同第00/185714号、同第00/185730号、同第00/64880号、同第00/68197号、同第00/69849号、同第01/09120号、同第01/14376号、同第01/85714号、同第01/85730号、同第01/07409号、同第01/02379号、同第01/02379号、同第01/23388号、同第01/23389号、同第01/44201号、同第01/62737号、同第01/62738号、同第01/09120号、同第02/20488号、同第02/22592号、同第02/48152号、同第02/49648号、同第02/051806号、同第02/094789号、同第03/009845号、同第03/014083号、同第03/022849号、同第03/028726号、同第05/014592号、同第05/01493号;及びNorman et al.、J.Med.Chem.43:4288−4312(2000)に開示されている化合物;(10)レプチン、例えば、組換えヒトレプチン(PEG−OB、Hoffman La Roche)及び組換えメチオニルヒトレプチン(Amgen);(11)レプチン誘導体、例えば、特許番号第5,552,524号、同第5,552,523号、同第5,552,522号、同第5,521,283号;及びWO96/23513号;同第96/23514号;同第96/23515号;同第96/23516号;同第96/23517号;同第96/23518号;同第96/23519号;及び同第96/23520に開示されているもの;(12)オピオイドアンタゴニスト、例えば、ナルメフェン(Revex(登録商標))、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、及びナルトレキソン;並びにWO00/21509号に開示されているもの;(13)オレキシンアンタゴニスト、例えば、SB−334867−A(GlaxoSmithkline)、及びWO01/96302号、同第01/68609号、同第02/44172号、同第02/51232号、同第02/51838号、同第02/089800号、同第02/090355号、同第03/023561号、同第03/032991号、同第03/037847号、同第04/004733号、同第04/026866号、同第04/041791号、同第04/085403号で開示されたものなど;(14)BRS3(ボンベシン受容体サブタイプ3)アゴニスト;(15)CCK−A(コレシストキニン−A)アゴニスト、例えば、AR−R 15849、GI 181771、JMV−180、A−71378、A−71623、PD170292、PD149164、SR146131、SR125180、ブタビンダイド、並びにUS5,739,106号に開示されているもの;(16)CNTF(毛様体神経栄養因子)、例えば、GI−181771(Glaxo−Smithkline);SR146131(Sanofi Synthelabo);ブタビンダイド;及びPD 170,292、PD 149164(Pfizer);(17)CNTF誘導体、例えば、アキソキン(Regeneron);及びWO94/09134号、同第98/22128号、及び同第99/43813号に開示されているもの;(18)GHS(成長ホルモン分泌促進物質受容体)アゴニスト、例えば、NN703,ヘキサレリン、MK−0677、SM−130686、CP−424,391、L−692,429、及びL−163,255、並びにUS6358951号、米国特許出願番号2002/049196及び同2002/022637;及びWO01/56592号、もしくは同第02/32888号に開示されているもの;(19)5HT2c(セロトニン受容体2c)アゴニスト、例えば、APD3546/AR10A(Arena Pharmaceuticals)、ATH88651(Athersys)、ATH88740(Athersys)、BVT933(Biovitrum/GSK)、DPCA37215(BMS)、IK264;LY448100(Lilly)、PNU 22394;WAY 470(Wyeth)、WAY629(Wyeth)、WAY161503(Biovitrum)、R−1065、VRl065(Vernalis/Roche)、YM 348;並びにUS3,914,250号;及びWO01/66548号、同第02/36596号、同第02/48124号、同第02/10169号、同第02/44152号;同第02/51844号、同第02/40456号、同第02/40457号、同第03/057698号、同第05/000849号に開示されているもの;(20)Mc3r(メラノコルチン3受容体)アゴニスト;(21)Mc4r(メラノコルチン4受容体)アゴニスト、例えば、CHIR86036(Chiron)、CHIR915(Chiron);ME−10142(Melacure)、ME−10145(Melacure)、HS−131(Melacure)、NBI72432(Neurocrine Biosciences)、NNC 70−619(Novo Nordisk)、TTP2435(Transtech)、及びWO99/64002号、同第00/74679号、同第01/991752号、同第01/0125192号、同第01/52880号、同第01/74844号、同第01/70708号、同第01/70337号、同第01/91752号、同第01/010842号、同第02/059095号、同第02/059107号、同第02/059108号、同第02/059117号、同第02/062766号、同第02/069095号、同第02/12166号、同第02/11715号、 同第02/12178号、同第02/15909号、同第02/38544号、同第02/068387号、同第02/068388号、同第02/067869号、同第02/081430号、同第03/06604号、同第03/007949号、同第03/009847号、同第03/009850号、同第03/013509号、同第03/031410号、同第03/094918号、同第04/028453号、同第04/048345号、同第04/050610号、同第04/075823号、同第04/083208号、同第04/089951号、同第05/000339号、及びEP1460069号、及びUS2005049269号、及びJP2005−5042839に開示されているもの、並びに同様のもの;(22)モノアミン再取り込み阻害剤、例えば、シブトラトミン(Meridia(登録商標)/Reductil(登録商標))及びその塩、並びにUS4,746,680号、同第4,806,570号、及び同第5,436,272号、米国特許公報第2002/0006964号、及びWO01/27068号、及び同第01/62341号で開示された化合物;(23)セロトニン再取り込み阻害剤、例えば、デキセフェンフルラミン、フルオキセチン、並びにUS6,365,633号、及びWO01/27060号、及び同第01/162341号にあるもの;(24)GLP−1(グルカゴン様ペプチド1)アゴニスト;(25)トピラマート(Topimax(登録商標));(26)フィトファーム化合物57(CP 644,673);(27)ACC2(アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2)阻害剤;(28)β3(ベータアドレナリン作動性受容体3)アゴニスト、例えば、ラフェベルグロン/AD9677/TAK677(Dainippon/Takeda)、CL−316,243、SB 418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、GRC1087(Glenmark Pharmaceuticals)、GW 427353(ソラベグロン塩酸塩)、トレカドリン、Zeneca D7114,N−5984(Nisshin Kyorin)、LY−377604(Lilly)、KT07924(Kissei)、SR 59119A、及び、米国特許第5,705,515号、同第5,451,677号;及びWO94/18161号、同第95/29159号、同第97/46556号、同第98/04526号、同第98/32753号、同第01/74782号、同第02/32897号、同第03/014113号、同第03/016276号、同第03/016307号、同第03/024948号、同第03/024953号、同第03/037881号、同第04/108674号に開示された化合物;(29)DGAT1(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1)阻害剤;(30)DGAT2(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2)阻害剤;(31)セルレニン及びC75などのFAS(脂肪酸シンターゼ)阻害剤;(32)PDE(ホスホジエステラーゼ)阻害剤、例えば、テオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラム及びシロミラスト、並びに、WO03/037432号、同第03/037899号に開示された化合物;(33)甲状腺ホルモンβアゴニスト、例えば、KB−2611(KaroBioBMS)、及び、WO02/15845号;及び日本特許出願2000−256190号に開示された化合物;(34)UCP−1(非結合タンパク質1)、UCP−2、又はUCP−3活性化物質、例えば、
フィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)、及びレチノイン酸;及びWO99/00123号に開示された化合物;(35)アシルエストロゲン、例えば、del Mar−Grasa、M.et al.、Obesity Research、9:202−9(2001)で開示されたオレオイルエストロン;(36)グルココルチコイド受容体アンタゴニスト、例えば、CP472555(Pfizer)、KB 3305、及びWO04/000869号、同第04/075864号に開示された化合物など;(37)11βHSD−1(11−ベータヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−タイプ1)阻害剤、例えば、BVT 3498(AMG 331)、BVT 2733,3−(1−アダマンチル)−4−エチル−5−(エチルチオ)−4H−1,2,4−トリアゾール、3−(1−アダマンチル)−5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、3−アダマンタニル−4,5,6,7,8,9,10,11,12,3a−デカヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a][11]アヌレン、及び、WO01/90091号、同第01/90090号、同第01/90092号、同第02/072084号、同第04/011410号、同第04/033427号、同第04/041264号、同第04/027047号、同第04/056744号、同第04/065351号、同第04/089415号、同第04/037251に開示された化合物など;(38)SCD−1(ステアロイル−CoAデサチュラーゼ−1)阻害剤;(39)ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害剤、例えば、イソロイシンチアゾリジド、バリンピロリジド、シタグリプチン、サクサグリプチン、NVP−DPP728、LAF237(ビルダグリプチン)、P93/01、TSL 225、TMC−2A/2B/2C、FE 999011、P9310/K364、VEP 0177、SDZ 274−444、GSK 823093、E 3024、SYR 322、TS021、SSR 162369、GRC 8200、K579、NN7201、CR 14023、PHX 1004、PHX 1149、PT−630、SK−0403;及び、WO02/083128号、同第02/062764号、同第02/14271号、同第03/000180号、同第03/000181号、同第03/000250号、同第03/002530号、同第03/002531号、同第03/002553号、同第03/002593号、同第03/004498号、同第03/004496号、同第03/005766号、同第03/017936号、同第03/024942号、同第03/024965号、同第03/033524号、同第03/055881号、同第03/057144号、同第03/037327号、同第04/041795号、同第04/071454号、同第04/0214870号、同第04/041273号、同第04/041820号、同第04/050658号、同第04/046106号、同第04/067509号、同第04/048532号、同第04/099185号、同第04/108730号、同第05/009956号、同第04/09806号、同第05/023762号、同第2005/043292号、及びEP第1,258,476号に開示された化合物;(40)リパーゼインヒビター、例えば、テトラヒドロリプスタチン(オーリスタット/XENICAL)、ATL962(Alizyme/Takeda)、GT389255(Genzyme/Peptimmune)Triton WR1339、RHC80267、リプスタチン、ティーサポニン、及びジエチルウンベリフェリルホスフェート、FL−386、WAY−121898、Bay−N−3176、バリラクトン、エステラシン、エベラクトンA、エベラクトンB、及びRHC 80267、並びにWO01/77094号、同第04/111004号、及びUS4,598,089号、同第4,452,813号、同第5,512,565号、同第5,391,571号、同第5,602,151号、同第4,405,644号、同第4,189,438号、及び同第4,242,453号に開示された化合物など;(41)脂肪酸トランスポーター阻害剤;(42)ジカルボキシレートトランスポーター阻害剤;(43)グルコーストランスポーター阻害剤;並びに(44)ホスフェートトランスポーター阻害剤;(45)食欲減退二環式化合物、例えば、1426(Aventis)及び1954(Aventis)、並びにWO00/18749号、同第01/32638号、同第01/62746号、同第01/62747号、及び同第03/015769号に開示された化合物;(46)ペプチドYY及びPYYアゴニスト、例えば、PYY336(Nastech/Merck)、AC162352(IC Innovations/Curis/Amylin)、TM30335/TM30338(7TM Pharma)、PYY336(Emisphere Tehcnologies)、ペグ化ペプチドYY3−36、WO03/026591号、同第04/089279号に開示された化合物など;(47)脂質代謝モジュレーター、例えば、マスリン酸、エリトロジオール、ウルソール酸ウバオール、ベチュリン酸、ベチュリン、及び同様のものなど、並びにWO03/011267号に開示された化合物;(48)転写因子モジュレーター、例えば、WO03/026576号に開示された化合物;(49)Mc5r(メラノコルチン5受容体)モジュレーター、例えば、WO97/19952号、同第00/15826号、同第00/15790号、米国特許20030092041号に開示された化合物など;(50)脳由来神経栄養因子(BDNF);(51)Mc1r(メラノコルチン1受容体モジュレーター、例えば、LK−184(Proctor&Gamble)など;(52)5HT6アンタゴニスト、例えば、BVT74316(BioVitrum)、BVT5182c(BioVitrum)、E−6795(Esteve)、E−6814(Esteve)、SB399885(GlaxoSmithkline)、SB271046(GlaxoSmithkline)、RO−046790(Roche)など;(53)脂肪酸トランスポータータンパク質4(FATP4);(54)アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、例えば、CP640186、CP610431、CP640188(Pfizer);(55)C−末端成長ホルモンフラグメント、例えば、AOD9604(Monash Univ/Metabolic Pharmaceuticals)など;(56)オキシントモジューリン;(57)ニューロペプチドFF受容体アンタゴニスト、例えばWO04/083218号に開示された化合物など;(58)アミリンアゴニスト、例えば、Symlin/プラムリンチド/AC137(Amylin);(59)フーディア及びトリコカウロン抽出物;(60)BVT74713及びその他の腸脂質食欲抑制剤;(61)ドーパミンアゴニスト、例えば、ブプロピオン(ウェルブトリン/GlaxoSmithkline);(62)ゾニサミドなど(ゾネグラン/Dainippon/Elan)など。
【0079】
ニューロメジンU受容体アゴニストと組み合わせて使用することができる特定の化合物としては、特定のCBIアンタゴニスト/インバースアゴニストが挙げられ、そのようなものとしては、WO03/077847号で開示されたもの:例えば、N−[3−(4−クロロフェニル)−2(S)−フェニル−1(S)−メチルプロピル]−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリミジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド、N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド、N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(5−クロロ−3−ピリジル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドなど、及びその薬学的に許容される塩;及びWO05/000809号のもの:例えば、3−{1−[ビス(4−クロロフェニル)メチル]アゼチジン−3−イリデン)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンニトリル、1−{1−[1−(4−クロロフェニル)ペンチル]アゼチジン−3−イル}−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロパン−2−オール、3−((S)−(4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)ベンゾニトリル、3−((S)−(4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)ベンゾニトリル、3−((4−クロロフェニル){3−[1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)ベンゾニトリル、3−((1S)−1−{1−[(S)−(3−シアノフェニル)(4−シアノフェニル)メチル]アゼチジン−3−イル}−2−フルオロ−2−メチルプロピル)−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(S)−(4−クロロフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、及び5−((4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−yI}メチル)チオフェン−3−カルボニトリルなど、及びその薬学的に許容される塩;並びに:3−[(S)−(4−クロロフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2−メチルプロピル)アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(4−クロロフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(3−{(1S)−1−[3−(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−5−フルオロフェニル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)(4−クロロフェニル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(4−シアノフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(3−{(1S)−1−[3−(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−5−フルオロフェニル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)(4−シアノフェニル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(4−シアノフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(4−クロロフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−シアノフェニル)[3−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]−メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、5−(3−{1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}−5−フルオロフェニル)−1H−テトラゾール、5−(3−{1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}−5−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−テトラゾール、5−(3−{1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}−5−フルオロフェニル)−2−メチル−2H−テトラゾール、3−[(4−クロロフェニル)(3−{2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(4−クロロフェニル)(3−{2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(4−シアノフェニル)(3−{2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(4−シアノフェニル)(3−{2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、5−{3−[(S)−{3−[(1S)−1−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}(4−クロロフェニル)メチル]フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−クロロフェニル)[3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−シアノフェニル)[3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−シアノフェニル)[3−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−クロロフェニル)[3−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−((1S)−1−{1−[(S)−[3−(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル](4−クロロフェニル)メチル]アゼチジン−3−イル}−2−フルオロ−2−メチルプロピル)−5−フルオロベンゾニトリル、3−((1S)−1−{1−[(S)−[3−(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル](4−シアノフェニル)メチル]アゼチジン−3−イル}−2−フルオロ−2−メチルプロピル)−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−シアノフェニル)[3−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−クロロフェニル)[3−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、5−[3−((S)−(4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン、5−[3−((S)−(4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン、4−{(S)−{3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}[3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}−ベンゾニトリル、ACOMPLIA(リモナバント、N−(1−ピペリジニル)−5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチルピラゾール−3−カルボキサミド、SR141716A)、3−(4−クロロフェニル−N’−(4−クロロフェニル)スルホニル−N−メチル−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−1−カルボキサミド(SLV−319)、タラナバント(taranabant)、N−[(1S,2S)−3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−メチル−2−[[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]オキシ]プロパンアミドなど、及びその薬学的に許容される塩、が挙げられる。
【0080】
ニューロメジンU受容体アゴニストと組み合わせて使用することができる特定のNPY5アンタゴニストとしては、3−オキソ−N−(5−フェニル−2−ピラジニル)−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),4’−ピペリジン]−1’−カルボキサミド、3−オキソ−N−(7−トリフルオロメチルピリド[3,2−b]ピリジン−2−イル)スピロ−[イソベンゾフラン−1(3H),4’−ピペリジン]−1’−カルボキサミド、N−[5−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニル]−3−オキソスピロ−[イソベンゾフラン−1(3H),4’−ピペリジン]−1’−カルボキサミド、トランス−3’−オキソ−N−(5−フェニル−2−ピリミジニル)スピロ[シクロヘキサン−1、1’(3’H)−イソベンゾフラン]−4−カルボキサミド、トランス−3’−オキソ−N−[1−(3−キノリル)−4−イミダゾリル]スピロ[シクロヘキサン−1,1’(3’H)−イソベンゾフラン]−4−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(5−フェニル−2−ピラジニル)スピロ[4−アザイソ−ベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−N−[5−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニル]−3−オキソスピロ[5−アザイソベンゾフラン−1(3H)、1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−N−[5−(2−フルオロフェニル)−2−ピリミジニル]−3−オキソスピロ[5−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−N−[1−(3,5−ジフルオロフェニル)−4−イミダゾリル]−3−オキソスピロ[7−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(1−フェニル−4−ピラゾリル)スピロ[4−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−N−[1−(2−フルオロフェニル)−3−ピラゾリル]−3−オキソスピロ[6−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(1−フェニル−3−ピラゾリル)スピロ[6−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(2−フェニル−1,2,3−トリアゾール−4−イル)スピロ[6−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、及びその薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0081】
ニューロメジンU受容体アゴニストと組み合わせて使用することができる特定のACC−1/2インヒビターとしては、1’−[(4,8−ジメトキシキノリン−2−イル)カルボニル]−6−(1H−テトラゾール−5−イル)スピロ[クロマン−2,4’−ピペリジン]−4−オン;(5−{1’−[(4,8−ジメトキシキノリン−2−イル)カルボニル]−4−オキソスピロ[クロマン−2,4’−ピペリジン]−6−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)メチルピバレート;5−{1’−[(8−シクロプロピル−4−メトキシキノリン−2−イル)カルボニル]−4−オキソスピロ[クロマン−2,4’−ピペリジン]−6−イル}ニコチン酸;1’−(8−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−2−ナフトイル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)スピロ[クロマン−2,4’−ピペリジン]−4−オン;及び1’−[(4−エトキシ−8−エチルキノリン−2−イル)カルボニル]−6−(1H−テトラゾール−5−イル)スピロ[クロマン−2,4’−ピペリジン]−4−オン;及びその薬学的に許容される塩が挙げられる。MK−3887、L001738791。
【0082】
ニューロメジンU受容体アゴニストと組み合わせて使用することができる特定のMCH1Rアンタゴニスト化合物としては、1−{4−[(1−エチルアゼチジン−3−イル)オキシ]フェニル}−4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2(1H)−オン、4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−1−{4−[(1−イソプロピルアゼチジン−3−イル)オキシ]フェニル}ピリジン−2(1H)−オン、1−[4−(アゼチジン−3−イルオキシ)フェニル]−4−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]ピリジン−2(1H)−オン、4−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−1−{4−[(1−エチルアゼチジン−3−イル)オキシ]フェニル}ピリジン−2(1H)−オン、4−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−1−{4−[(l−プロピルアゼチジン−3−イル)オキシ]フェニル}ピリジン−2(1H)−オン、及び4−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−1−(4−{[(2S)−1−エチルアゼチジン−2−イル]メトキシ}フェニル)ピリジン−2(1H)−オン、又はその薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0083】
ニューロメジンU受容体アゴニストと組み合わせて使用することができる特定のDP−IVインヒビターは、7−[(3R)−3−アミノ−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタノイル]−3−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピラジン、又はその薬学的に許容される塩である。
【0084】
ニューロメジンU受容体アゴニストと組み合わせて使用できる特定のH3(ヒスタミンH3)アンタゴニスト/インバースアゴニストとしては、WO05/077905号に記載されているもの:例えば、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−エチルピリド[2,3−d]−ピリミジン−4(3H)−オン、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−メチルピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、2−エチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、2−メチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)ピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2,5−ジメチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−メチル−5−トリフルオロメチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−5−メトキシ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−5−フルオロ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−7−フルオロ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−メトキシ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−フルオロ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−8−フルオロ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロペンチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−メチルピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−フルオロ−2−メチルピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン、3−{4−[(I−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−エチルピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、6−メトキシ−2−メチル−3−{4−[3−(1−ピペリジニル)プロポキシ]フェニル}ピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン、6−メトキシ−2−メチル−3−{4−[3−(1−ピロリジニル)プロポキシ]フェニル}ピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン)、2,5−ジメチル−3−{4−[3−(1−ピロリジニル)プロポキシ]フェニル}−4(3H)−キナゾリノン、2−メチル−3−{4−[3−(1−ピロリジニル)プロポキシ]フェニル}−5−トリフルオロメチル−4(3H)−キナゾリノン、5−フルオロ−2−メチル−3−{4−[3−(1−ピペリジニル)プロポキシ]フェニル}−4(3H)−キナゾリノン、6−メトキシ−2−メチル−3−{4−[3−(1−ピペリジニル)プロポキシ]フェニル}−4(3H)−キナゾリノン、5−メトキシ−2−メチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノン、7−メトキシ−2−メチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノン、2−メチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、5−フルオロ−2−メチル−3−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノン、2−メチル−3−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)ピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、6−メトキシ−2−メチル−3−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノン、6−メトキシ−2−メチル−3−(4−{3−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノンなど、及びその薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0085】
ニューロメジンU受容体アゴニストと組み合わせて使用することができる特定のCCK1Rアゴニストとしては、3−(4−{[1−(3−エトキシフェニル)−2−(4−メチルフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;3−(4−{[1−(3−エトキシフェニル)−2−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;3−(4−{[1−(3−エトキシフェニル)−2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;3−(4−{[1−(3−エトキシフェニル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;及び3−(4−{[1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;及びその薬学的に許容される塩が挙げられる。MK−8406。
【0086】
ニューロメジンU受容体アゴニストと組み合わせて使用することができる特定のMC4Rアゴニストとしては、1)(5S)−1’−{[(3R,4R)−1−tert−ブチル−3−(2,3,4−トリフルオロフェニル)ピペリジン−4−イル]カルボニル}−3−クロロ−2−メチル−5−[1−メチル−1−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)エチル]−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4’−ピペリジン];2)(5R)−1’−{[(3R,4R)−1−tert−ブチル−3−(2,3,4−トリフルオロフェニル)−ピペリジン−4−イル]カルボニル}−3−クロロ−2−メチル−5−[1−メチル−1−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)エチル]−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4’−ピペリジン];3)2−(1’−{[(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−クロロ−2−メチル−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4’−ピペリジン]−5−イル)−2−メチルプロパンニトリル;4)1’−{[(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−クロロ−2−メチル−5−[1−メチル−1−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)エチル]−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4’−ピペリジン];5)N−[(3R,4R)−3−({3−クロロ−2−メチル−5−[1−メチル−1−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)エチル]−1’H,5H−スピロ[フロ−[3,4−b]ピリジン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル}カルボニル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−シクロペンチル]−N−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン;6)2−[3−クロロ−1’−({(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−[メチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ]−シクロペンチル}−カルボニル)−2−メチル−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4’−ピペリジン]−5−イル]−2−メチル−プロパン−ニトリル;及びその薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0087】
更に、インクレチンホルモングルカゴン様ペプチド1(GLP−1)の他のペプチド類似体及び模倣体も、ニューロメジンU受容体アゴニストと組み合わせて使用することができる。
【0088】
1種以上のニューロメジンU受容体アゴニストを含有する医薬組成物を個体に投与する方法としては、これに限定されるものではないが、皮内、筋内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻内、硬膜外及び、経口による投与が挙げられる。この組成物は、任意の簡易な経路、例えば、注入又はボーラス注入法、上皮又は粘膜皮膚内層(例えば、口腔粘膜、直腸及び腸の粘膜など)、眼、などを介した吸収により投与することができ、他の生理活性物質と共に投与することもできる。投与は、全身又は局所に対して行うことができる。更に、脳室内注射及び髄膜注射を含む任意の適した経路によって中枢神経系に組成物を投与することが有利な場合がある。脳室内注射は、タンク(reservoir)(例えば、ommaya reservoir)に接続された脳室内カテーテルによって容易に行うことができる。また、経肺投与も、吸入器又は噴霧器の使用とエアロゾール化剤を含有する処方により採用することができる。また、1種以上ニューロメジンU受容体アゴニストを、治療を必要とする領域に局所的に投与することも望ましい場合がある。これは、例えば、これに限定されるものではないが、手術中の局所注入や、注射、カテーテル、座薬、又はインプラントによる局所適用などによって達成することができる。
【0089】
様々な送達系が公知であり、ニューロメジンU受容体アゴニストを投与するために使用することができるものとしては、リポソーム中への封入、ミクロ粒子、マイクロカプセル;ミニセル;ポリマー;カプセル剤;錠剤;などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。1つの実施態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストをベシクル(vesicle)中、特にリポソーム中において送達してもよい。リポソームでは、ニューロメジンU受容体アゴニストは、他の薬学的に許容される担体に加えて、ミセル、不溶性単層、液晶、ラメラ層として水溶液中に凝集形態で存在する脂質などの両親媒性薬剤と併用される。リポソーム製剤のために適した脂質としては、これに限定されるものではないが、モノグリセリド、ジグリセリド、スルファチド、リゾレシチン、リン脂質、サポニン、胆汁酸などが挙げられる。リポゾーム製剤の調製は、例えば、US4,837,028号及び同第4,737,323号で開示されているように当該技術分野の範囲内である。更に別の実施態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、これに限定されるものではないが、送達ポンプ(例えば、Saudek,et al.,New Engl.J.Med.321:574(1989)を参照)及び半透過性ポリマー性材料(例えば、Howard,et al.,J.Neurosurg.71:105(1989)を参照)などの放出抑制システムにおいて送達することができる。更に、放出抑制システムは、治療標的(例えば、脳)の近傍に配置することができ、その結果、必要な量は、全身性適用量の一部だけで済む。例えば、Goodson,In:Medical Applications of Controlled Release 1984(CRC Press,Bocca Raton,Fla)を参照のこと。
【0090】
特定の障害又は症状の治療において有効な、ニューロメジンU受容体アゴニストを含有する組成物の量は、この障害又は症状の性質に依存し、そして当業者による標準的な臨床技術によって決定することができる。更に、最適な投与量範囲を同定する手助けとして、必要に応じて、インビトロアッセイを使用してもよい。また、製剤において採用される正確な用量は、投与の経路並びに疾患又は障害の重症度に依存し、そして医師の判断及び各患者の状況に従って決定されるべきである。最終的に、主治医が、各個々の患者を治療する組成物の量を決定する。最初、主治医は、少ない投与量で組成物を投与し、患者の反応を観察する。患者に最適な治療効果が得られるまで、組成物の投与量を増加させてもよく、その投与量からそれ以上増やさないようにする。一般に、1日の投与量範囲は、単回投与又は分割投与で、約0.001mg〜約100mg/哺乳動物体重kg、好ましくは0.01mg〜約50mg/kg、最も好ましくは0.1〜10mg/kgの範囲内にある。他方、場合によってはその範囲外の用量を用いることが必要な場合もある。しかし、ニューロメジンU受容体アゴニストを含有する組成物の静脈内投与に好適な投投与量範囲は、一般的に、キログラム(Kg)体重当たり約5〜500マイクログラム(μg)の活性化合物である。鼻腔内投与に好適な投与量範囲は、一般に、約0.01pg/kg体重〜1mg/kg体重である。有効投与量は、インビトロ又は動物モデル試験系から得た用量反応曲線より外挿してもよい。坐薬は、一般的に0.5重量%〜10重量%の範囲で活性成分を含有し、経口製剤は、好ましくは10%〜95%の活性成分を含有する。最後に、主治医は、本発明のニューロメジンU受容体アゴニストを含有する組成物を使用する治療の適切な持続期間を決める。また、投与量は、個々の患者の年齢、体重及び反応に応じても変わる。
【0091】
更に、医薬組成物の1種以上の成分、及びニューロメジンU受容体アゴニストで満たされた1種以上の容器を包含する医薬品パック又はキットを提供する。そのような容器に関連して、医薬品又は生物学的製品の製造、使用又は販売を規制する政府当局により規定された様式の通知書がこのような容器に添付されてもよく、この通知書はヒトへの投与のための製造、使用又は販売に対する当局による認可を反映している。
【0092】
以下の例は、本発明の更なる理解を促進することを意図するものである。
【0093】
実施例1
ヒト又は齧歯動物のNMUR1又はNMUR2発現細胞株の産出
【0094】
NMUR1又はNMUR2をコードしているヒト、マウス、又はラットのcDNAを(Howard et al.Nature 406:70−74(2000)に記載されているように)、pcDNA5(Invitrogen)においてサブクローニングし、Invitrogen(Carlsbad/CA)から購入したFLP−In CHO細胞及びHEK−293 FLP−In細胞にリポフェクトアミン(Invitrogen)を使用してトランスフェクトした。Flp−In系は、酵母からのFlp組み換え酵素を用いて、特有の遺伝子位置での目的遺伝子の組み込みと発現を可能にする。トランスフェクされた細胞は、200μg/mLのハイグロマイシン(Invitrogen)を含有する培養地で培養したものから選択した。集団は初期継代で凍結し、そしてこれらの株は更なる研究に使用された。mRNAを発現した安定したクローンは、FLIPR及びRT−PCRによって機能的に同定した。公共のゲノムデータベースに基づき、齧歯動物のNMUR1受容体は、翻訳のための開始コドンとして従来のメチオニン(ATG)を有しているが、代替の開始コドン(ラットのためのTTG及びマウスのためのCTG)を有していないようである。このようにして、2つの異なった齧歯動物のNMUR1細胞株を産出した。すなわち、1つはゲノムデータベースから予測されるコドンを有する細胞系と、もう1つは開始コドンとして設計されたメチオニン(ATG)を有する細胞系である。更に、ヒト受容体を発現する安定細胞株は、CMVプロモーター下でエクオリン遺伝子を安定して発現するHEK−293/aeq17細胞で産出した。ヒトNMUR2 cDNAは、pCDNA3.1にクローニングし、そして、ヒトNMUR1は、pIRES−puro(Clontech、Mountain View,CA)にサブクローニングし、トランスフェクション後に、G418及びハイグロマイシン(NMUR2)又はピューロマイシン(NMUR1)のどちらかを含む培養液中で細胞を選別した。
【0095】
実施例2
インビトロ機能アッセイ
【0096】
NMU受容体は、主にGαq/11タンパク質を通じてシグナルを発し、これにより、カルシウム流動アッセイを機能活性に利用することができる。
【0097】
FLIPRアッセイ
【0098】
ヒト及び/又は齧歯動物のNMUR1又はヒトNMUR2受容体を発現する安定な細胞株を、ポリリジン被覆384ウェルブラックウォールプレート上にて、12,000細胞/ウェルの密度で終夜プレート培養した。翌日、プレートから培養液を取り除き、それに続いて細胞を、FLIPR緩衝液(20mMのHEPES、0.1%のBSA、2.5mMのプロベネシド(Sigma)、及び1.6mMのTR40を含む1X Hankの緩衝食塩水)中で稀釈したカルシウム感受性色そのFluo−3(Molecular Probes)を用いて充填した。全ての試薬は、特に明記しない限り、Invitrogenから入手した。ペプチドストックは、実験当日に、2mMのストック濃度でDMSOにて再懸濁し、FLIPR緩衝液で稀釈して4μMの作業用ストック溶液とした。
【0099】
室温で90分間のインキュベーションの後、細胞プレートを、FLIPR (Molecular Devices)に充填して、化合物/ペプチド添加前後の細胞の蛍光をモニターした(励起=488nM;発光=540nM)。NMUR発現細胞株について、FLIPRを使用し、1μMペプチドを最も多い投与量として、8〜12点の用量反応を試験した。ペプチド添加後の反応は、各ウェルに対し、最大蛍光単位から刺激直前の蛍光を引いたものとして求めた。EC50は、GraphPad Prism(San Diego, CA)ソフトウェアを使用して計算した。
【0100】
ヒト(表3)、マウス(表4)及びラット(表5)のNMUR1及びNMUR2に対するFLIPRアッセイにおけるニューロメジンU受容体アゴニスト(NMU1−NMU25)のインビトロ活性について調べる。EC50Sは、nM値で示す。パーセント活性は、1μMでの、同濃度でのhNMU−25反応と比較した最大反応を意味する。NT=試験せず。表は、大部分のニューロメジンU受容体アゴニストが二重特異性であり、NMUR1及びNMUR2受容体の両方を結合することを示している。
【0101】
【表3−1】
【0102】
【表3−2】
【0103】
【表4−1】
【0104】
【表4−2】
【0105】
【表5】
【0106】
エクオリン
【0107】
FLIPRに加えて、エクオリンアッセイを使用してNMU受容体機能を評価することもできる。エクオリンクラゲの遺伝子を発現する安定細胞株を使用して、細胞内カルシウム動員をモニターすることにより、GPCRの活性化を報告することができる。その目的は、エクオリン生物発光を特に刺激する化合物を特定することにある。カルシウム依存発光は、腔腸動物発光酵そのセレンテラジンで細胞を処理することにより発生する。つまり、hNMUR1又はhNMUR2を発現するHEK−293/aeq 17細胞の融合性単層を、セレンテラジン(Molecular Probes,Carlsbad,CA)で「チャージ」する。コンフルエントT75フラスコを、300μMのグルタチオン及び0.1%のFBSを含有する培養液で洗浄する。8mLの培養液、0.1%FBS、300μMのグルタチオン、及び20μMのセレンテラジン中で、細胞を37℃にて1時間インキュベートする。続いて、T75フラスコを6mLのECB緩衝液(140mMのNaCl、20mMのKCl、20mMのHEPES、5mMのグルコース、1mMのMgCl、1mMのCaCl2、0.1mg/mLのBSA、pH7.3〜7.4)で洗浄する。ECB緩衝液中で細胞をフラスコから除去し、ペレット化し、そして2×105細胞/mLの濃度で再懸濁する。細胞にアゴニストを加え、ルミノメーターを使用して活性を測定する。
【0108】
IP1アッセイ
【0109】
カルシウムの直接測定に加え、Gq−結合活性と密接に相関のある、ホスファチジル・イノシトールカスケードの主生成物の1つであるミオイノシトール1リン酸(IP1)を測定することにより、NMU受容体活性を決定することができる。IP1レベルを測定するためにHTRF(均一時間分解蛍光)を使用する、Cisbio(ベッドフォード(MA))からのアッセイキット(IPOne)が利用可能である。アッセイはメーカーの使用法に従って行う。つまり、細胞を30,000細胞/ウェルの濃度で終夜、384−ウェルホワイトウォールプレートにプレート培養する。次の日、細胞から培養液を除去し、刺激緩衝液(stimulation buffer)(10mMのHEPES、1mMのCaCl2、0.5mMのMgCl2、4.2mMのKCL、146mMのNaCl、5.5mMのグルコース、50mMのLlCl、pH7.4)で稀釈された10μLのアゴニストを加える。細胞をアゴニストと共に、37℃で1時間インキュベートする。検出分子を加え、IP1−d2接合体及びアンチIP1クリプテート(anti−IP1cryptate)(製造メーカーのプトロコール通りに調製)、並びに細胞を室温で1時間インキュベートする。蛍光をEnvision装置で測定し、結果は、装置から読み取った値の蛍光比から計算する。
【0110】
NMU受容体活性の別の測定法
【0111】
追加データは、NMU受容体のシグナル伝達が、Gαi結合活性を介して起こり得ることを示している。hNMUR1又はhNMUR2のいずれかの活性は、ホルスコリン(10uM)刺激cAMP蓄積の阻害をもたらすことを示している。Gi結合ジグナルを測定するために、ホルスコリン誘導cAMPの阻害を測定することができる。つまり、実験前に細胞を24時間プレート培養する。ニューロメジンU受容体アゴニストを細胞に加え、10分間インキュベートし、続いて10μMのホルスコリンを加える。10分間インキュベートした後、細胞からcAMPを抽出し、ラジオレセプタアッセイによって測定する。cAMPのベースレベル及びcAMPのホルスコリン刺激レベルを、アゴニスト処理の有無によって測定する。
【0112】
種間でのNMUR1に対して特異的なNMUR1サブタイプ選択的ニューロメジンU受容体アゴニストに対する機能データ及び結合データのまとめを表6及び表7に示す。活性は、天然hNMUの反応と比較してパーセントで計算する。
【0113】
【表6】
【0114】
【表7】
【0115】
実施例3
結合アッセイ
【0116】
膜調製:
【0117】
NMU受容体を発現する融合性細胞単層(上記のHEK細胞)を、リン酸緩衝溶液で収穫し、遠心分離法で採取し、膜緩衝液(50mMのTrisCl(pH7.4)、5mMの塩化マグネシウム、1Xプロアテーゼインヒビターカクテル、10μMのホスホラミドン)で再懸濁した。細胞ペレットをホモジナイズした後、その溶液を18,000rpmにて4℃で20分間遠心分離した。ペレットを膜緩衝液で再懸濁し、最終濃度0.5〜5μg/μLの膜を得て、−80℃で保存した。
【0118】
125I−hNMU−25結合アッセイ:
【0119】
実験は、2〜5μgの膜及び0.1nMの125I−hNMU−25(約12,000cpm/ウェル)を使用して、96ウェルフォーマットで200μL容量にて、アッセイ緩衝液(25mMのTrisCl(pH7.4)、10mMのMgCl2、2mMのEDTA、1Xプロアテーゼインヒビターカクテル、100μg/mLのバシトラシン(Bacitricin)、10μMのホスホラミドン)中で実施した。非特異的結合に対しては、1μMのhNMU−25を加えた。約5μLのペプチドを加えてアンタゴニスト活性を測定し、反応物全体を振盪しながら室温で80分間インキュベートした。反応は、0.3%のポリエチレンイミン含浸ミリポア96−ウェルフィルタープレートを通して急速に濾過することによって終結させ、氷冷緩衝液(5mMのTrisCl(pH7.4)、10mMのMgCl2、2.5mMのEDTA、0.04%のTritonX−100)で洗浄した。プレートは、室温で終夜風乾し、回復した放射活性を標準のシンチレーション計測により測定した。IC50は、GraphPad Prismソフトウェアを使用して求めた。
【0120】
実験データ解析:
【0121】
濃度−反応曲線及び放射リガンド結合データは、Prism(GraphPadソフトウエア)を使用してフィッティングした。結果は、下記の表8及び表9にまとめた。
【0122】
【表8】
【0123】
【表9−1】
【0124】
【表9−2】
【0125】
実施例4
ニューロメジンU受容体アゴニストの合成
【0126】
当該技術分野で周知の技術を使用してニューロメジンU受容体アゴニストを生成することができる。例えば、短縮型(truncated)NMU類似体のポリペプチド領域を化学的に又は生化学的に合成することができ、所望により、修飾することによりブロックされたN−末端及び/又はブロックされたC−末端を生成することができる。ポリペプチドの化学的合成のための技法は、当該技術分野において周知である(例えば、Vincent,Peptide and Protein Drug Delivery,New York, N.Y.,Dekker,1990を参照のこと)。細胞中への核酸の導入及び核酸の発現に関する生化学合成のための手法の例としては、Ausubel,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley,1987−1998、及びSambrook,et al., in Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989において提供されている。
【0127】
1.1 アミノ酸置換及び修飾
【0128】
ニューロメジンU受容体アゴニストNMU1は、40kDaの分岐したPEGが天然ヒトニューロメジンUペプチドのN−末端に結合したペグ化ペプチドである。ペプチドのN−末端基は、分岐した(PEG)240K N−ヒドロキシスクシンイミド類似体(例えば、mPEG2−NHS−40k;Nektar,San Carlos,CA;カタログ番号2Z3Y0T01)でアシル化した。これは、改善された薬理学的特性を有するニューロメジンU受容体アゴニストを産出するように設計した。NMUの野生型配列であるペプチド前駆体を、40kDaの分岐したPEGのN−ヒドロキシスクシンイミド誘導体と反応させた。この試薬によるペグ化は、特にペプチドのN−末端アミノ基において生じるが、それは、N−末端アミノ基がペプチドにおいて唯一利用可能なアミノ基であるためである。
【0129】
ニューロメジンU受容体アゴニストNMU2は、天然のNMUペプチドがN−末端でアセチル化されたものである。これは、アセチル化、より一般的には、活性におけるN−末端でのアシル化の影響を研究するために設計された。残基19〜25の最小活性配列に基づいて、N−末端に追加のアセチル化システイン残基を付加することにより、これらの残基17〜25でペプチド配列を修飾した。システインのチオール化基は、(a)結合のためのコントロールペプチドであるNMU6を得るためのN−エチルマレイミド;(b)改善されたインビボ薬理学的特性を有するように設計されたペグ化類似体であるNMU7を得るための(PEG)2 40kDa;又は(c)改善されたインビボ薬理学的特性を有するように設計された脂質化された類似体であるNMU11を得るためのコレステロール基、によって更に誘導化した。
【0130】
他のペプチド配列は、天然のNMU配列から始めて、N末端でアセチル化システイン残基を加えながら、設計された。例えば、システインのチオール化基は、(a)結合のためのコントロールペプチドであるNMU8を得るためのN−エチルマレイミド;(b)NMU9を得るためのNektar(mPEG2−MAL−40k、カタログ番号2D3Y0T01)からの(PEG)240kDa、又はNMU12をを得るためのNOF Corporation,Japan(SUNBRIGHT GL2−400MA)からの(PEG)240kDa;(c)NMU10を得るためのコレステロール基;(d)NMU21を得るための(PEG)20kDa;(e)NMU26を得るための(PEG)240kDa;又は(f)NMU27を得るための(PEG)40kDa、で誘導化した。これらのすべてのニューロメジンU受容体アゴニストは、改善されたインビボ薬理学的特性を有するように設計された。
【0131】
他のペプチドの例において、20位の天然NMU−25アミノ酸残基は、D−アラニンに、並びに21位のアミノ酸残基はトリプトファンに変わっている。これらの突然変異は、NMUR1受容体に対する選択性を追加し、N−末端に追加のアセチル化システイン残基を有する。システインのチオール化基は、(a)コントロールペプチドであるNMUl3を得るためのN−エチルマレイミド;(b)改善されたインビボ薬理学的特性を有するように設計されたペグ化類似体であるNMU14を得るための(PEG)240kDa、によって誘導化した。
【0132】
ペプチドNMU15及びペプチドNMU16は、アミノ酸残基19〜25を含む最小活性配列に基づくペグ化ペプチドを得るように設計された。配列は、スペーサー及びアセチル化システイン残基としてのTtds基(1−アミノ4,7,10−トリオキサ−13−トリデカンアミンコハク酸)のN−末端への導入によって修飾した。スペーサーは、PEG部分を付加することによって最小配列の活性への影響を最小にするために導入した。システインのチオール化基は、(a)結合のためのコントロールペプチドを得るためのN−エチルマレイミド;(b)改善したインビボ薬理学的特性を持つように設計したペグ化類似体であるNMU16を得るための(PEG)240kDa、によって誘導体化した。
【0133】
ペプチドNMU17及びペプチドNMU18は、N−末端の短縮型(truncated)配列12〜25に基づいてペグ化ペプチドが得られるように設計した。ペプチドは、N−末端に追加のアセチル化システイン残基を有する。システインのチオール化基は、(a)結合のためのコントロールペプチドであるNMU17を得るためのN−エチルマレイミド;(b)改善されたインビボ薬理学的特性を有するように設計されたペグ化類似体であるNMU18を得るための(PEG)240kDa、によって誘導体化した。
【0134】
ペプチドNMU19及びペプチドNMU20は、N−末端の短縮型(truncated)配列7〜25に基づいてペグ化ペプチドを得るように設計した。ペプチドは、N−末端に追加のアセチル化システイン残基を有する。システインのチオール化基は、(a)結合のためのコントロールペプチドであるNMU19を得るためのN−エチルマレイミド;又は、(b)改善されたインビボ薬理学的特性を有するように設計されたペグ化類似体であるNMU20を得るための(PEG)240kDa、によって誘導体化した。
【0135】
ペプチドNMU22及びペプチドNMU23は、天然のNMU配列から開始し、N−末端で2つのシステイン残基を加えるように設計した。ペプチドのN−末端をアセチル化した。システインのチオール化基は、(a)結合のためのコントロールペプチドであるNMU22を得るためのN−エチルマレイミド;又は、(b)改善されたインビボ薬理学的特性を有するように設計されたペグ化類似体であるNMU23を得るための(PEG)20kDa、によって誘導化した。
【0136】
ペプチドNMU24及びペプチドNMU25は、N−末端でパルミトイル化されたシステイン残基が付加された天然のNMU配列に基づいている。それらは、(1)N−末端パルミトイル化、又はより一般的には、脂肪酸鎖によるアシル化;及び、(2)ペグ化及び脂質化の両方の組み合わせ効果の活性への影響を研究するために設計されている。システインのチオール化基は、(a)改善されたインビボ薬理学的特徴を有するように設計され、結合のためのコントロールペプチドとして機能するように設計された脂質化類似体であるNMU24を得るためのN−エチルマレイミド;(b)NMU25を得るための(PEG)240kDa(この脂質化及びペグ化した類似体は、改善されたインビボ薬理学的特性を有するように設計された)、によって誘導体化した。
【0137】
ペプチドNMU28及びペプチドNMU29は、天然のNMU残基17−25に及ぶ。アセチル化システイン残基に、スペーサーとして機能するように、Ttds基及びN−末端を付加した。スペーサーは、PEG部分の追加によって配列の活性への影響を最小にするために導入した。システインのチオール化基は、(a)結合のためのコントロールペプチドであるNMU28を得るためのN−エチルマレイミド;又は、(b)改善されたインビボ薬理学的特性を有するように設計されたペグ化類似体であるNMU29を得るための(PEG)240kDa、によって誘導体化した。
【0138】
1.2. ペグ化及び/又はコレステロイル化
【0139】
本発明のニューロメジンU受容体アゴニストのペグ化部位は、NMUの構造及びNMU受容体との相互作用を考慮して選択した。したがって、ペグ化は、好ましくは部位選択的である。ペプチドNMUのN−末端アミノ基は、配列における唯一利用可能なアミノ基であるため、ペプチドNMUのN−末端アミノ基でのペグ化は可能である。例えば、ペプチドのN−末端基を、分岐した(PEG)240kDa N−ヒドロキシスクシンイミド類似体(例えば、mPEG2−NHS−40k;Nektar、CA;カタログ番号2Z3Y0T01)でアシル化した。
【0140】
1.3. ニューロメジンU受容体アゴニストの合成
【0141】
ニューロメジンU受容体アゴニスト(表1参照)は、Fmoc/tBu化学を使用し、ペプチドシンセサイザーABI433A(Applied Biosystems)により、固相で合成した。各ペプチドに対して、0.75gの樹脂Fmoc−Linker AM−Champion、1%架橋(Biosearch Technologies, Inc., Novato, CA)および修飾したRinkリンカーのp−[(R,S)−α−[9H−フルオレン−9−イル−メトキシホルムアミド]−2,4−ジメトキシベンジル]−フェノキシ酢酸(Rink,Tetrahedron Lett.28:3787−3789(1987);Bernatowicz,et al.,Tetrahedron Lett.30:4645−4667(1989))で誘導体化したPEG−PSベース樹脂を使用した。アシル化反応は、樹脂遊離アミノ基上で4倍過剰の活性化アミノ酸により、60分間実施した。アミノ酸は、等モル量のHBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1−3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)及び2倍モル過剰のDIEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)でDMF中において活性化した。
【0142】
あるいはまた、ペプチドは、Fmoc/t−Bu化学を使用してPioneer Peptide Synthesizer(Applied Biosystems)において、固相によって合成した。この場合、全てのアシル化反応は、シンセイサイザー上でペプチドアセンブリの終わりに、4倍過剰の活性化アミノ酸を用いて、樹脂遊離アミノ基上で60分間実施した。側鎖保護基は、Asp、Glu、Ser、及びTyrに対してはtert−ブチル;Asn、Cys、及びGlnに対してはトリチル;Argに対しては2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニルであった。N−末端アセチル化反応は、DMF中における10倍過剰の無水酢酸との反応により、ペプチドアセンブリの終わりにおいて実施した。N−末端パルミトイル化反応(NMU24及びNMU25に対し)は、樹脂遊離アミノ基上での4倍過剰の活性化パルミチン酸との反応により、ペプチドアセンブリの終わりに実施した。パルミチン酸は、DMF中における等モル量のDIPC(1,3−ジイソプロピルカルボジイミド)及びHOBt(ヒドロキシベンゾトリアゾール)により活性化した。
【0143】
合成の終わりに、乾燥ペプチド樹脂を、個別に、室温で2.5時間、20mLの開裂混合物、88%のTFA、5%のフェノール、2%のトリイソプロピルシラン、及び5%の水で処理した(Sole及びBarany,J.Org.Chem.57:5399−5403(1992))。各樹脂をフィルターにかけ、ペプチドを沈殿させるためにその溶液を冷メチル−t−ブチルエーテルに加えた。遠心分離の後、ペプチドペレットを新鮮な冷メチル−t−ブチルエーテルで洗浄して、有機スカベンジャーを除去した。この工程を二度繰り返した。最終的にペレットは乾燥させ、H2O、20%アセトニトリル中に再懸濁させ、凍結乾燥した。
【0144】
粗ペプチドは、セミ分取Waters RCM Delta−Pak(登録商標) C4又はC18カートリッジ(40x200mm、15μm)を使用し、溶出液として(A)0.1%TFAの水溶液及び(B)0.1%TFAのアセトニトリル溶液を使用し、流量80mL/分で、逆相HPLCによって精製した。分析HPLCは、Phenomenex,Jupiter C4カラム(150x4.6mm、5μm)又はReproSil−Pur300 C4カラム(150x4.6mm、5μm)(Dr.Maisch GmbH)又はBeckman、Ultrasphere C18カラム(250x4.6mm、5μm)で、流速1mL/分にて行った。精製したペプチドは、Micromass LCZプラットホームでのエレクトロスプレイ質量分析によって同定した。
【0145】
ペプチドNMU6の合成は、チオール含有NMUペプチド前駆体をHEPES 0.1M pH7.3、EDTA 4mMに溶かすことによって実施した。そして、1.5モル過剰のN−エチルマレイミドを加えた。1時間インキュベートした後、ペプチドをHPLCで精製した。
【0146】
ペプチドNMU8の合成は、チオール含有NMUペプチド前駆体をHEPES 0.1M pH7.3,EDTA 4mMに溶かすことによって実施した。そして、1.5モル過剰のN−エチルマレイミドを加えた。1時間インキュベートした後、ペプチドをHPLCで精製した。
【0147】
ペプチドNMU13の合成は、チオール含有NMUペプチド前駆体をHEPES 0.1M pH7.3,ウレア8M、EDTA 4mMに溶かすことによって実施した。そして、1.5モル過剰のN−エチルマレイミドを加えた。1時間インキュベートした後、ペプチドをHPLCで精製した。
【0148】
ペプチドNMU15の合成は、チオール含有NMUペプチド前駆体をHEPES 0.1M pH7.3,EDTA 4mMに溶かすことによって実施した。そして、1.5モル過剰のN−エチルマレイミドを加えた。1時間インキュベートした後、ペプチドをHPLCで精製した。
【0149】
ペプチドNMU17の合成は、チオール含有NMUペプチド前駆体をHEPES 0.1M pH7.3,EDTA 4mMに溶かすことによって実施した。そして、1.5モル過剰のN−エチルマレイミドを加えた。1時間インキュベートした後、ペプチドをHPLCで精製した。
【0150】
ペプチドNMU19の合成は、チオール含有NMUペプチド前駆体をリン酸ナトリウム 0.1M pH6.5,ウレア4M、EDTA 4mMに溶かすことによって実施した。そして、1.5モル過剰のN−エチルマレイミドを加えた。1時間インキュベートした後、ペプチドをHPLCで精製した。
【0151】
ペプチドNMU22の合成は、チオール含有NMUペプチド前駆体をリン酸ナトリウム0.2M pH6.5,ウレア8M、EDTA 4mMに溶かすことによって実施した。そして、3モル過剰のN−エチルマレイミドを加えた。1時間インキュベートした後、ペプチドをHPLCで精製した。
【0152】
ペプチドNMU24の合成は、チオール含有NMUペプチド前駆体をリン酸ナトリウム0.2M pH6.5,ウレア8M、EDTA 4mMに溶かすことによって実施した。そして、3モル過剰のN−エチルマレイミドを加えた。1時間インキュベートした後、ペプチドをHPLCで精製した。
【0153】
ペプチドNMU28の合成は、チオール含有NMUペプチド前駆体をHEPES 0.1M pH7.3,EDTA 4mMに溶かすことによって実施した。そして、1.5モル過剰のN−エチルマレイミドを加えた。1時間インキュベートした後、ペプチドをHPLCで精製した。
【0154】
1.4.ニューロメジンU(NUM)類似体のペグ化
【0155】
ペグ化反応は、アミド結合(NMU1)形成又はチオエーテル結合形成が可能な条件下で実施した。次いで、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)及びサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用してペグ化NMUペプチドを単離した。陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)は、TSK SP−5PW(Tosoh)カラム(16 x 100mm)で、NaCl(0〜1M)の直線勾配、3.5カラム容量、0.2%ギ酸、流速量1mL/分、勾配溶出2mL/分で実施した。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、TSK−HW50(Tosoh)カラム(21 x 700 mm)にて、酢酸0.1%(w/v)、30%アセトニトリル、流速1mL/分で実施した。ペグ化NMU類似体は、RP−HPLC、HPLC−SEC、及びMALDI−Tof質量スペクトル分析を使用して同定した。
【0156】
NMU1ペプチドは、アミド結合を介して共有結合したPEGを有する誘導体を製造するために、天然のNMUペプチド前駆体から合成した。
【0157】
NMU1の合成
8.7mgのペプチド前駆体(2.8μモル)を、1.5mLの0.2M HEPES,pH7.3に溶解した。次いで、3.5mLの水に溶解させた360mgのmPEG2−NHS−40k(NEKTAR、2Z3Y0t01)(8.6μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:3)をこの溶液に加えた。18時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。NMU7、NMU9、NMU12、NMU14、NMU16、NMU18、NMU20.NMU21、NMU23、NMU25、NMU26、NMU27、及びNMU29ペプチドは、チオエーテル結合を介して共有結合したPEGを有する誘導体を製造するために、チオール含有NMUペプチド前駆体から合成した。
【0158】
NMU7の合成
10mgのペプチド前駆体(7.6μモル)を、1mLの0.2M HEPES,pH7.3,4mM EDTAに溶解した。次いで、3mLの水に溶解させた340mgのmPEG2−MAL−40k(NEKTAR、2D3Y0T01)(8.4μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1.1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0159】
NMU9の合成
15mgのペプチド前駆体(4.6μモル)を、1mLの0.2M リン酸ナトリウム,pH6.5,ウレア 8M,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた204mgのmPEG2−MAL−40k(NEKTAR、2D3Y0T01)(5.1μモル)(ペプチド:PEG=1:1.1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0160】
NMU12の合成
8mgのペプチド前駆体(2.5μモル)を、1mLの0.1M HEPES,pH7.3,ウレア 8M,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた115mgのSUNBRIGHT GL2−400MA(NOF Corp.)(2.7μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1.1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0161】
NMU14の合成
10mgのペプチド前駆体(3.1μモル)を、1mLの0.1M HEPES,pH7.3,ウレア8M,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた145mgのSUNBRIGHT GL2−400MA(NOF Corp.)(3.4μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1.1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0162】
NMU16の合成
8.3mgのペプチド前駆体(6.0μモル)を、1mLの0.1M HEPES,pH7.3,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた280mgのSUNBRIGHT GL2−400MA(NOF Corp.)(6.6μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1.1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0163】
NMU18の合成
10mgのペプチド前駆体(5.4μモル)を、1mLの0.1M HEPES,pH7.3,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた250mgのSUNBRIGHT GL2−400MA(NOF Corp.)(5.9μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1.1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0164】
NMU20の合成
10mgのペプチド前駆体(4.1μモル)を、1mLの0.1M リン酸ナトリウム,pH7.3,ウレア4M,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた174mgのSUNBRIGHT GL2−400MA(NOF Corp.)(4.1μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0165】
NMU21の合成
10mgのペプチド前駆体(3.1μモル)を、1mLの90mM リン酸ナトリウム,pH6.6,ウレア4M、4mM EDTAに溶解した。次いで、1mLの水に溶解させた65mgのSUNBRIGHT ME−200MA(NOF Corp.)(3.1μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0166】
NMU23の合成
10mgのペプチド前駆体(3.0μモル)を、1mLの90mM リン酸ナトリウム,pH7.1,ウレア8M,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた157mgのSUNBRIGHT ME−200MA(NOF Corp.)(7.5μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:2.5)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0167】
NMU25の合成
10mgのペプチド前駆体(2.9μモル)を、1mLの90mMリン酸ナトリウム,pH7.1,ウレア8M、4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた125mgのSUNBRIGHT GL2−400MA(NOF Corp.)(2.9μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0168】
NMU26の合成
10mgのペプチド前駆体(3.1μモル)を、1mLの90mMリン酸ナトリウム,pH7.1,ウレア8M,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた70mgのSUNBRIGHT GL2−200MA(NOF Corp.)(3.1μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0169】
NMU27の合成
10mgのペプチド前駆体(3.1μモル)を、1mLの90mMリン酸ナトリウム,pH7.1,ウレア8M,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた136mgのmPEG−マレイミド−40kDa(DOWpharma、008−016)(3.4μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1.1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0170】
NMU29の合成
8mgのペプチド前駆体(5.1μモル)を、1mLの0.1M HEPES,pH7.3,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた217mgのSUNBRIGHT GL2−400MA(NOF Corp.)(5.1μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0171】
1.5.ニューロメジンU(NMU)類似体のコレステロイル化
【0172】
コレステロールによる誘導体化は、チオエーテル結合の形成が可能な条件下で実施した。次いで、コレステロイル化されたニューロメジンU受容体アゴニストを、RP−HPLCによって精製し、エレクトロスプレイ質量分析によって同定した。
【0173】
NMU10の合成
18mgのペプチド前駆体(5.6μモル)を、1mLのDMFに溶解した。次いで、70μLのTHFに溶解させた3mgのコレステリルブロモアセテート(14μモル)(ペプチド:コレステリルブロモアセテートのモル比=1:1.1)、及び5μLのDIEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)(ペプチドに対して2.5倍モル過剰)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、コレステロイル化されたペプチドをRP−HPLCによって精製し、エレクトロスプレイ質量分析によって同定した。
【0174】
NMU11の合成
17mgのペプチド前駆体(12.9μモル)を、1mLのDMFに溶解した。次いで、0.17mLのTHFに溶解させた7.2mgのコレステリルブロモアセテート(14μモル)(ペプチド:コレステリルブロモアセテートのモル比=1:1.1)、及び11.7μLのDIEA(ペプチドに対して5倍モル過剰)をこの溶液に加えた.1時間のインキュベーション後、コレステロイル化されたペプチドをRP−HPLCによって精製し、エレクトロスプレイ質量分析によって同定した。
【0175】
実施例5
NMU及びその類似体を用いた給餌試験
【0176】
標準の相同組換法を使用して、NMUR1ノックアウト(Nmur1−/−)マウスを得た。続いて、Nmur1マウスをTaconic Farmsに移して、75% C57BL/6 x 25% 129S6/SvEv混合遺伝的背景に維持するか、C57BL/6に6世代戻して交配させた。NMUR2ノックアウト(Nmur2−/−)マウスは、Deltagen Inc., San Mateo, CAから認可を受け、続いてTaconic Farmsに移して、75% C57BL/6 x 25% 129/OlaHsd混合遺伝的背景に維持するか、C57BL/6に7世代戻し交配させた。NMUR1及びNMUR2の二重ノックアウト(Nmur1&2−/−)マウスは、N6 Nmur1−/−マウスをN7 Nmur2−/−マウスと交配することによって得た。マウスは、個々に、従来のSPF施設のTecniplastケージに収容した。マウスは、最初、通常の食事で飼育し、続いて、早期は高脂肪食(D12492:脂肪から60%kcal;Research Diets,Inc.,New Brunswick,NJ)に切り替え、適宜自由に水を飲めるようにして、12時間(明)/12時間(暗)のサイクルで飼育した。
【0177】
適宜餌を与えられた食餌誘発性肥満の雄のマウスは、明期から暗期へうつる約30分前に、体重を測定し、腹腔内か皮下注射のどちらかで投与し、予め重量を測定した高脂肪食D12492のアリコートを与え、次いで、最初の暗期の開始後、2時間及び18時間(1日目)、42時間(2日目)、66時間(3日目)、及び90時間(4日目)に体重を測定した。18、42、66、及び90時間の時点でマウスの体重を測定した。データは、給餌研究の結果を示している(全ての値は平均±SEMとして報告され、データは両側独立スチューデントt検定を使用して分析した;p値≦0.05は、有意であるとしてアスタリスクで示した)。
【0178】
図2A及び2Bに示されているように、NMUR1−選択的ペプチド(ニューロメジンU受容体アゴニストH及びNMU13)の急性末梢投与は、野生型マウスにおいて食物摂取を著しく減少させたが、Nmur1ノックアウトマウスではそうではなく、NMUR1がこれらの類似体の食欲抑制作用に必要であることを示している。更に、これらのデータは、NMUR1−選択的アゴニズムが、汎NMUR1/2アゴニストNMUの食欲抑制作用を再現するのに十分であることを示している。
【0179】
図3A及び3Bは、ペグ化NMUの急性皮下投与が、投与後3日間にわたって食物摂取を減少させることを示している。ペグ化類似体のインビトロ及びインビボの代謝プロフィールは一致しており、NMUは、hNMU−25と比較した場合、終夜において食物摂取を減少させるより素晴らしい効果を示し、食物摂取における減少は、投与後3日間観察された。また、体重の著しい減少も観察された。
【0180】
図4A及び4Bは、NMUR1も、有効な食欲抑制ペプチドであることを示している。NMU1と同様に、ペプチドの1回の皮下投与後に、食物摂取及び体重において著しい減少が、3日間観察される。
【0181】
更に、図5A及び5Bは、NMU12の食欲抑制効果は、NMUR1受容体及びNMUR2受容体によって媒介されることを示している。NMU12の急性投与は、野生型動物においては効果が高いが、NMUR1/NMUR2二重ノックアウト動物では効果が観察されなかった。NMUR2受容体での効果は、主に脳内で生じるため、この結果は、NMU12が血液−脳関門を通過できることを示している。食物摂取と体重を減少させるNMUR2の効果は、中枢曝露(central exposure)を必要とするのに対し、NMUR1の場合は、末梢曝露(periheral exposure)を必要とする。
【0182】
図6A及び6Bは、ペグ化NMU12の長期の食欲抑制効果が、NMUR1受容体とNMUR2受容体の両方によって媒介されることを示している。食物摂取及び体重における減少は、NMUR1ノックアウト動物において、投与後2日間観察される。しかし、NMUR2ノックアウト動物では、終夜の効果のみが観察される。これは、NMUR1によってのみ媒介されるhNMU−25の食欲抑制作用と対照的であり、hNMU−25及びNMUR2が、異なる作用メカニズムを有していることを示している。
【0183】
図7A〜7Cは、NMU12の長期投与により、食物摂取及び体重を減少させることが可能であることを示している。NMUR12は、連日(QD)、隔日(Q2D)、3日毎(Q3D)に投与した。パネルAは、治療開始後9日間における体重の累積変化を示している。試験の4日目に最後の投与を行い、9日目まで測定を行った。累積食物摂取(B)及び体重(C)は、NMU12に対する全ての投薬パラダイムにおいて著しく減少した。食物摂取は、溶媒投与群と比較して、これらの投与量で12〜27%減少した。同様に、体重の累積変化は、溶媒対照群と比較して、3.3%から最大7.3%までの範囲で減少したことを示している。
【0184】
hNMU−25およびNMU類似体のインビボ実験からの食物摂取及び体重の変化における減少比率の要約を表10に示す。計算は溶媒の応答をベースとしている。
【0185】
【表10】
【0186】
実施例6
血漿安定性実験
【0187】
様々な種からの血漿におけるNMU12及びNMU1の安定性を評価するため、インビボでのスパイクイン(spike−in)実験を実施した。NMU12、NMU1、又はhNMU−25を、最終濃度が1μMとなるように血漿(Bioreclamationから購入)に加え、様々な温度(室温、4℃、及び37℃)でインキュベートした。様々なタイミングでこれらの血漿試料のアリコートを採取し、−80℃で凍結し、続いて、様々なインキュベーション時間後に残存している活性ペプチドの比率を決定するために、細胞株発現ヒトNMUR1によってFLIPRアッセイにかけた。試料中に残存しているペプチドの活性比率は、ペプチド試料に任意の温度負荷をかける前の開始時間(T=0)での試料に対するFLIPR応答に基づいて計算した。
T=0では、期待される回復は100%である。
【0188】
図8は、スパイクイン実験によるヒト血漿中でのhNMU−25並びにペグ化ニューロメジンU受容体アゴニストNMU1及びNMU12のインビトロ安定性を示しており、NMUのペグ化により、ヒト血漿中での安定性が向上することを示している。ヒト血漿におけるhNMU−25の半減期は16時間未満であったが、ペグ化アゴニストNMU1(ペグ化hNMU−25)及びNMU12は、37℃でインキュベートされたヒト血漿中において、3日間を超える半減期を示した。
【0189】
実施例7
バイオアッセイを使用するペプチドの薬物動態分析
【0190】
ニューロメジンU受容体アゴニストNMU12の投与された動物における曝露レベルは、バイオアッセイを使用して測定し、hNMU−25曝露レベルと比較した。動物に、10mg/kgのNMU12又はhNMU−25を皮下投与し、投与後の様々なタイミングで血漿を採取した。バイオアッセイは、FLIPRベースのアッセイであり、基本的に上記で説明したように以下のような変更を加え実施した。アッセイ前の試料調製は、血漿試料の分解を最小にするために氷の上で実施した。アッセイは、最終濃度4%血漿にて行った。投与された血漿で3点滴定を行い、FLIPRを使用して、細胞株を発現するヒトNMUR1を試験した。試料を添加後の応答は、各ウェルに対し、最大蛍光ユニットから刺激直前の蛍光を引いたものとして求めた。投与された血漿試料の3点滴定に加え、標準として機能するように、ペプチド(hNMU−25又はNMU12)の16点滴定を4%血漿(自然血漿)で行った。血漿中のペプチドの濃度は、GraphPad Prismソフトウェアを使用して適切な標準から推定に基づいて計算した。
【0191】
図9は、マウスにおけるhNMU−25及びペグ化NMU12の薬物動態学的特徴を示しており、NMUのペグ化により、インビボでの代謝安定性が向上することを示している。
破線は、アッセイに対する検出限界(LOD)を示す。これらの実験は、NMUのペグ化がインビトロ及びインビボの両方での代謝安定性を高めることを示している。
【0192】
本発明について、具体的実施態様を参照して本明細書中にて説明しているが、本発明がこれらに限定されるものではないことは理解されるべきである。
当該技術分野の通常の技術及び本明細書の教示にアクセスする手段を有する者であれば、本発明の範囲内の更なる修正及び実施態様について認識するであろう。
従って、本末明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0193】
【図1A】アゴニストHの末梢投与が食物摂取を減少させ、これらの食欲抑制作用がNMUR1によって媒介されることを示す図である。食物由来の肥満であるNmur1+/+とNmur1−/−マウスに、溶媒(水)、3.25mモル/kgの化合物H又は3.25mモル/kgのhNMU−25のいずれかを、暗期の開始前の30分に腹腔内に投与し、食物摂取量を、それぞれ2時間後及び8時間後(終夜)に測定した。*溶媒に対してP<0.05、1投与群当たりn=11〜12
【図1B】図1Aにおけるマウスの体重の終夜による変化を示す図である。
【図2A】NMUR1選択的アゴニストHの急性末梢投与は、野生型マウスの食物摂取を著しく減少させるが、NMUR1ノックアウトマウスでは減少させなかったことを示す図であり、このことは、NMUR1がアゴニストHの食欲抑制作用に必要であることを示している。更に、このデータは、NMUR1選択的アゴニズムが、汎NMUR1/2アゴニストNMUの食欲抑制作用を再現するのに十分であることを示す。
【図2B】NMUR1−選択的アゴニストであるNMU13の急性末梢投与も、野生型マウスの食物摂取を著しく減少させるが、Nmur1ノックアウトでは減少させなかったことを示す図であり、このことは、このアゴニストの食欲抑制作用には、NMUR1が必要であることを示している。更に、このデータは、NMUR1−選択的アゴニズムが、汎NMUR1/2アゴニストNMUの食欲抑制作用再現するのに十分であることを示す。
【図3A】ペグ化NMUの急性皮下投与が、投与後3日間の食物摂取を減少することを示す図である。ペグ化類似物の生体内外の代謝プロフィールに対応して、NMU1は、hNMU−25と比較した場合、終夜の食物接収減少において優れた効果を示し、そして食物摂取における減少は、投与後3日間観察された。また、体重の著しい減少も観測された(図3B)。
【図3B】図3Aのマウスの体重における変化を示す図である。
【図4A】NMU12も有効な食欲抑制ペプチドであることを示す図である。NMU1同様に、食物摂取と体重における著しい減少(図4B)が、アゴニストの単回皮下投与後の3日間観察された。
【図4B】図4Aのマウスの体重の変化を示す図である。
【図5A】NMU12の食欲抑制作用がNMURlとNMUR2受容体によって媒介されることを示す図である。NMU12の急性投与は、野生型動物において非常に有効であるが、NMUR1/NMUR2二重ノックアウト動物では、効果は観察されなかった。
【図5B】図5Aのネズミの体重における毎日の変化を示す図である。
【図6A】ペグ化NMU12の食欲抑制作用が、NMUR1及びNMUR2受容体の両方によって媒介されることを示す図である。食物摂取と体重における減少(図6B)は、NMUR1ノックアウト動物において投与後2日間観察された。しかしながら、NMUR2ノックアウト動物では、終夜の効果だけが観察された。これは、NMUR1によってのみ媒介されるhNMU−25の食欲抑制作用と対照的であり、hNMU−25及びNMUR2が、異なる作用メカニズムを有していることを示している。
【図6B】図6Aのネズミの体重における4日間の変化を示す図である。
【図7A】NMU12の長期投与により、食物摂取及び体重が減少し得ることを示す図である。NMUR2は、毎日(QD)、一日おき(Q2D)、3日毎(Q3D)に投与された。図は、治療開始後9日間における体重の累積変化を示している。試験の4日目に最後の投与を行い、9日目まで測定を行った。
【図7B】図7Aのマウスの累積食物摂取が、NMU12のすべての投薬パラダイムにおいて著しく減少したことを示す図である。食物摂取量は、溶媒投与群に対して、これらの投与量にて12〜27%減少した。
【図7C】図7Aのマウスの体重における累積変化が、溶媒対照群に対して、3.3%から最大a7.3%までの減少に及んだことを示す図である。
【図8】スパイクイン(spike−in)実験による、血漿中でのhNMU−25並びにペグ化アゴニストNMU1及びNMU12のインビトロ安定性の比較を示す図である。ペグ化により、ヒト血漿におけるより優れた安定性が提供された。ヒト血漿におけるhNMU−25の半減期は16時間未満であったが、ペグ化アゴニストは、37℃でインキュベートされたヒト血漿中において、3日間を超える半減期を示した。
【図9】マウスにおけるhNMU−25及びペグ化アゴニストNMU12の薬物動態学的特徴の比較を示す図である。ペグ化は、インビボにおいて、よりすぐれた代謝安定性を提供した。hNMU−25又はNMU12の10mg/kgを、動物に皮下投与した。血漿は、投与後に様々な時点で採取し、バイオアッセイにおいて測定した。破線は、アッセイに対する検出限界(LOD)を示す。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は2006年3月20日に出願された米国仮特許出願第60/783,933号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、肥満などの代謝性障害の治療において使用するニューロメジンU受容体アゴニストに関する。
【背景技術】
【0003】
ニューロメジンU(NMU)は、元来、ラット子宮平滑筋を収縮する能力に基づいて、ブタの脊髄から単離され、それ以後、ストレス、侵害知覚、炎症、心臓血管機能、及びエネルギー恒常性を含む他のさまざまな生理学的過程に関与しているとされてきた。NMUの特性は、同様の生理活性を有する3つのペプチドである、ヒト、ブタ、及びイヌの完全長NMU(25量体(NMU−25))、ラット及びマウスの23量体(NMU−23)、及び8量体(NMU−8)であると同定された。NMU−8は、完全長NMUの開裂に由来し、完全長の前駆体と同じC−末端を共有する。NMU−8は、脊髄動物で高度に保存され、調査されたすべての種において同一である7つのC−末端残基を含む。すなわち、これらの残基は生理活性に対して重要である(Brighton et al.,Pharmacol. Rev. 56: 231−248 (2004))。
【0004】
エネルギー恒常性の調節におけるNMUの役割は、薬理データと遺伝子データの両方によって支持されている。NMUが中枢投与される場合に見られるNMUの特性としては、食物摂取の阻害及びエネルギー消費量の増大が挙げられる(Howard et al.,Nature 406:70−74(2000);Nakazato et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.277:191−194(2000); Ivanov et al.,Endocrinol.143:3813−3821(2002);及びWren et al.,Endocrinol.,143:4227−4234(2002))。NMU欠損マウスは、過食及びエネルギー消費量の減少を特徴とする肥満を発症し(Hanada et al.,Nat.Med.,10:1067−1073(2004))、そしてNMUを過剰発現するトランスジェニックマウスは、痩せて食物摂取が低下する(hypophagic)(Kowalski et al.,J.Endocrinol.185:151−164(2005))。動物の内部エネルギー状態は、NMUの発現と放出にも影響を及ぼす(Wren et al.,ibid)。
【0005】
2つの高親和性NMU受容体であるNMUR1(国際出願PCT/US99/15941号)及びNMUR2(US7163799号)が同定されている。NMUR1は、主に末梢において発現するが、NMUR2は主に脳で発現する。薬理実験は、NMUのエネルギー恒常性に関する短期及び長期の効果をより明確にし、どのNMU受容体がこれらの活性に関与しているか同定するのに役立った。中枢又は末梢のいずれかへのNMUの急性投与は、投与量に依存して、マウスの食物摂取を減少させることがわかっている。中枢へのNMU投与による食欲抑制作用は、NMUR2欠損(Nmur2-/-)マウスでは生じないが、NMUR1欠損(Nmur1-/-)マウスでは生じる。対照的に、末梢へのNMU投与による食欲抑制作用は、Nmur1-/-では生じないが、Nmur2-/-では生じる。更
に、NMUの急性末梢投与は、投与量に応じてマウスの中核温を上昇させ、このことは、NMU1がエネルギー消費も制御し得ることを示している。
NMUの中枢又は末梢の慢性投与は、やはり投与量に応じて、マウスの食物摂取、体重、及び脂肪を減少させる。Nmur2-/-トランスジェニックマウスでは、体重、体組成、体温、及び食物摂取は、ラットNMU−23の慢性的な中枢投与によって、影響をほとんど受けない。Nmur1-/-トランスジェニックマウスでは、体重、体組成、及び食物摂取は、ラットNMU−23の長期の末梢投与の影響をほとんど受けない。
【0006】
NMUR1−媒介作用とNMUR2−媒介作用に対する活性部位は異なっており、お互いに独立しているようであるが、肥満においてある役割を担っているため、NMUR1−選択的アゴニスト及びNMUR2−選択的アゴニストの両方並びにNMUR1/2−非選択的アゴニストが、肥満の治療に有用であり得ることが示唆されている。したがって、代謝性障害の治療において有用なニューロメジンU受容体アゴニストが必要とされている。
【0007】
本発明は、ニューロメジンU受容体アゴニストを提供する。ある態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、ある受容体サブタイプに対して特異的であり、別の態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、NMUR1受容体又はNMUR2受容体の両方を結合させ、刺激することができる。更なる態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、血液−脳関門を通過して脳内でNMU受容体と相互作用できるように誘導体化されている。ニューロメジンU受容体アゴニストは、治療のため及び研究手段として使用することができる。
【0008】
ニューロメジンU受容体アゴニストの治療への応用は、個体を苦しめている代謝性障害を治療するために、ニューロメジンU受容体アゴニストを投与することを包含する。そのような障害としては、これに限定されるものではないが、肥満、メタボリックシンドローム又はX症候群、及びII型糖尿病が挙げられる。網膜症などの糖尿病の合併症も明らかに影響を受ける場合がある。肥満は、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、心臓血管疾患、胆石、変形性関節症、及びある特定の形態の癌などの疾病状態の併発症であり、そのような疾病状態を助長させる場合がある。また、個体における体重減少に効果を及ぼす、本明細書で開示された1種以上のニューロメジンU受容体アゴニストの投与は、そのような疾病の予防において、並びに上記の状態の任意の1つ及び他のもののための治療の一部として、有用であり得る。他の実施態様において、個体において代謝性障害を治療するための方法であって、上記のニューロメジンU受容体アゴニストの1種以上をその個体に投与することを包含する方法が提供される。代謝性障害は、糖尿病、メタボリックシンドローム、高血糖、及び肥満からなる群から選択されてもよく、例えば、経口、粘膜、口腔内、経舌下、経鼻、直腸、皮下、経皮、静脈内、筋肉内、又は腹腔内のルートなどの末梢神経から脳へのルートによって投与されてもよい。最後に、ニューロメジンU受容体アゴニストは、個体による食物摂取を減少させるため、個体の体重増加を減少させるため、個体の体重増加を防ぐため、個体の体重を減少させるため、及び/又は個体の体重の再増加を防ぐために、その個体に投与することができる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、本発明は、式(I)
Z1−ペプチド−Z2
[式中、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号27)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよく;アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、L、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、F、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X22は、R、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、P、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、R、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、N、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、又はAであり;Z1は、存在してもよい保護基であり、存在する場合には、N−末端アミノ基に結合しており;Z2は、NH2、又は、存在してもよい保護基であり、存在する場合には、その保護基はC−末端カルボキシ基に結合している]
を有する単離されたニューロメジンU受容体アゴニストおよびその薬学的に許容される塩を提供する。
【0010】
ニューロメジンU受容体アゴニストの特定の態様において、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−F−L−F−R−P−R−N(配列番号1)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってよい)を有し、特定の態様においては、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、及び配列番号6からなる群から選択されたアミノ酸配列を有する。現在の好ましい態様において、ペプチドは、配列番号2に示されたアミノ酸配列を有する。
【0011】
ニューロメジンU受容体アゴニストの別の態様において、ペプチドは、アミノ酸配列F−R−V−D−E−E−F−Q−S−P−F−A−S−Q−S−R−G−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号7)(ここで、アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X22は、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle又はD−Nle、あるいはAである)を有し、特定の態様においては、配列番号14、配列番号15、配列番号22、配列番号23、配列番号24、及び配列番号25からなる群から選択されたアミノ酸配列を有する。
【0012】
ニューロメジンU受容体アゴニストの更なる態様において、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8(配列番号8)(ここで、アミノ酸X1は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸又はアシル基であり;アミノ酸X2は、A、W、Y、F又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X3は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X4は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X5は、K、A、又はLであり;アミノ酸X6は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X7は、Harg、又はKであり;アミノ酸X8は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle又はD−Nle、あるいはAである)を有し、特定の態様においては、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、及び配列番号21からなる群から選択されたアミノ酸配列を有する。
【0013】
上記のニューロメジンU受容体アゴニストの更なる態様において、N−末端アミノ酸は、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子と共有結合している。ニューロメジンU受容体アゴニストの更なる態様において、ペプチドは更にN−末端アミノ基にシステイン残基を有し、保護基が存在してもよく、存在する場合には、その保護基はシステイン残基のN−末端アミノ基に結合している。ニューロメジンU受容体アゴニストの特定の態様において、N−末端のシステイン残基のチオール基は、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子に共有結合している。現在の好適な実施態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、配列番号2のアミノ酸を有し、更にペプチドのN−末端にシステイン残基を有し、システイン残基のN−末端アミノ基に結合した保護基とチオール基に結合したPEG分子が存在する。
【0014】
ニューロメジンU受容体アゴニストは、更に、遠位末端と近位末端を有するリンカー基を有することができる。リンカー基は、その遠位末端でペプチドのN−末端に共有結合し、近位末端でシステイン残基のカルボキシル末端に共有結合しており、保護基が存在してもよく、存在する場合には、その保護基はシステイン残基のN−末端アミノ基に結合している。特定の態様において、システイン残基のチオール基は、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子に結合している。
【0015】
本発明は更に、代謝性障害の治療のための医薬の製造におけるニューロメジンU受容体アゴニストの任意の1つ以上の実施態様及び態様の使用を提供する。障害としては、これに限定されるものではないが、肥満、メタボリックシンドローム又はX症候群、並びにII型糖尿病が挙げられる。網膜障害などの糖尿病の合併症も、それによって確実に影響を受ける場合がある。肥満は、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、心臓血管疾患、胆石、変形性関節症、及びある特定の形態の癌などの疾病状態の併発症であり、そのような疾病状態を助長させる場合がある。したがって、本発明は、上記任意のニューロメジンU受容体アゴニストの1種以上と薬学的に許容される担体とを含有する医薬組成物を提供する。
【0016】
本発明は更に、血液−脳関門を通過することができるニューロメジンU受容体アゴニストを製造するための方法であって、ペプチドが血液−脳関門を通過することを可能にする1つ以上のPEG分子にペプチドを共有結合させる工程を含む方法を提供する。したがって、特定の態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、式(I)
Z1−ペプチド−Z2
[式中、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号27)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよく;アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、L,G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、F、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X22は、R、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、P、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、R、Harg、又はKであり;および、アミノ酸X25は、N、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、又はAであり、;Z1は、存在してもよい保護基であり、存在する場合には、その保護基はN−末端アミノ基に結合しており;Z2は、NH2、又は、存在してもよい保護基であり、存在する場合には、その保護基はC−末端カルボキシ基に結合している)を有する]
及びその薬学的に許容される塩である。
【0017】
更に、ペプチドのC−末端の7つのアミノ酸の1つ以上をヒトNMU−25ペプチドに生来あるものではないアミノ酸又はアミノ酸類似体に修飾する工程を包含する、ニューロメジンU受容体アゴニストのサブタイプに特有のNMU−25ペプチドの全て又は一部を含むニューロメジンU受容体アゴニストを製造するための方法を提供する。
【0018】
したがって、ある態様において、ペプチドは、アミノ酸配列F−R−V−D−E−E−F−Q−S−P−F−A−S−Q−S−R−G−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号7)(ここで、アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X22は、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle又はD−Nle、あるいはAである)をからなり、特定の態様においては、配列番号14、配列番号15、配列番号22、配列番号23、配列番号24、及び配列番号25からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0019】
ニューロメジンU受容体アゴニストの別の態様において、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8(配列番号8)(ここで、アミノ酸X1は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸又はアシル基であり;アミノ酸X2は、A、W、Y、F又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X3は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X4は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X5は、K、A、又はLであり;アミノ酸X6は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X7は、Harg、又はKであり;アミノ酸X8は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle又はD−Nle、あるいはAである)からなり、特定の態様においては、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、及び配列番号21からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0020】
更に、代謝性障害を治療するために、式(I)
Z1−ペプチド−Z2
[式中、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号27)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよく;アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、L,G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、F、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;X22は、R、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、P、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、R、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、N、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、又はAであり;Z1は、存在してもよい保護基であり、存在する場合には、その保護基はN−末端アミノ基に結合しており;Z2は、NH2、又は存在してもよい保護基であり、存在する場合には、その保護基はC−末端カルボキシ基に結合している]
を有するニューロメジンU受容体アゴニストの治療有効量を個体に投与することを包む、個体において代謝性障害を治療するための方法を提供する。
【0021】
この方法は、肥満、メタボリックシンドローム又はX症候群、II型糖尿病、糖尿病の合併症、高血圧症、脂質異常症、心臓血管疾患、胆石、変形性関節症、及びある特定の形態の癌からなる群から選択された代謝性障害を治療するために特に有用である。
【0022】
この方法の特定の態様において、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−F−L−F−R−P−R−N(配列番号1)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよい)を有し、特定の態様においては、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、及び配列番号6からなる群から選択されたアミノ酸配列を有する。現在の好ましい態様において、ペプチドは、配列番号2に示されたアミノ酸配列を有する。
【0023】
この方法の別の態様において、ペプチドは、アミノ酸配列F−R−V−D−E−E−F−Q−S−P−F−A−S−Q−S−R−G−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号7)(ここで、アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X22は、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle又はD−Nle、あるいはAである)を有し、特定の態様においては、配列番号14、配列番号15、配列番号22、配列番号23、配列番号24、及び配列番号25からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0024】
本方法のさらに別の態様において、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8(配列番号8)(ここで、アミノ酸X1は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸又はアシル基であり;アミノ酸X2は、A、W、Y、F又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X3は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X4は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X5は、K、A、又はLであり;アミノ酸X6は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X7は、Harg、又はKであり;アミノ酸X8は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle又はD−Nle、あるいはAである)を有し、特定の態様においては、配列番号9,配列番号10,配列番号11,配列番号12,配列番号13,配列番号16,配列番号17,配列番号18,配列番号19,配列番号20,及び配列番号21からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0025】
上記の方法の更なる態様において、N−末端アミノ酸は、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子と共有結合している。ニューロメジンU受容体アゴニストの更なる態様において、ペプチドは更に、ペプチドのN−末端にシステイン残基を有し、保護基が存在してもよく、存在する場合には、その保護基はシステイン残基のN−末端アミノ基に結合している。この方法の特定の態様において、N−末端のシステイン残基のチオール基は、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択される1つ以上の分子に共有結合している。現在の好適な実施形態において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、配列番号2のアミノ酸を有し、更にペプチドのN−末端にシステイン残基を有し、システイン残基のN−末端アミノ基に結合した保護基が存在し、システイン残基のチオール基に結合したPEG分子が存在する。
【0026】
ニューロメジンU受容体アゴニストは、遠位末端および近位末端を有するリンカー基を更に有することができ、このリンカー基は、その遠位末端でペプチドのN−末端に共有結合し、リンカー基の近位末端は、システイン残基のカルボキシル末端に共有結合し、任意選択により保護基が存在してもよく、存在する場合には、その保護基はシステイン残基のN−末端アミノ基に結合している。特定の態様において、システイン残基のチオール基は、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子に結合している。本方法の現在の好適な実施態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは式:Ac−C2−ペプチド−CONH2(式中、Acはアシル基、C2はCys(PEG)240kDaであり、そのペプチドは配列番号2で表されるアミノ酸配列を有する。
【0027】
本発明は、ニューロメジンU受容体アゴニストを提供する。本明細書に記載されたニューロメジンU受容体アゴニストは、NMU受容体で作用し、NMU受容体を結合し、NMU受容体活性を刺激する。ある態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、ある受容体サブタイプに対して特異的であり、そのような特異性は、対応するNMUR1又はNMUR2受容体の結合アッセイにおいて約200nM未満であるIC50値を有するものとして定義される。選択性は、NMU1選択的ペプチドに対するヒトNMUR2/ヒトNMUR1での機能活性又はEC50比、及びNMU2選択的ペプチドに対するヒトNMUR1/ヒトNMUR2での機能活性又はEC50比に基づいている。更に、本明細書に記載された選択的ニューロメジンU受容体アゴニストは、NMUR1に対して約21〜909倍、選択的であり、またNMUR2に対して約2〜200倍選択的である。別の態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、NMUR1及びNMUR2受容体の両方を結合及び刺激することができ、ニューロメジンU受容体アゴニストが血液−脳関門を通過して脳内でNMU受容体と相互作用できるように誘導体化されている。ニューロメジンU受容体アゴニストは、治療のため及び研究手段として使用することができる。
【0028】
個体を苦しめている代謝性障害を治療するために、1種以上のニューロメジンU受容体アゴニストをその個体に投与することも可能である。そのような障害としては、これに限定されるものではないが、肥満、メタボリックシンドローム又はX症候群、及びII型糖尿病が挙げられる。網膜障害などの糖尿病の合併症も、明確に影響を受ける場合がある。肥満は、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、心臓血管疾患、胆石、変形性関節症、及びある特定の形態の癌などの疾病状態の併発症であり、そのような疾病状態を助長させる場合がある。また、個体における体重減少に効果を及ぼす、本明細書で開示された1種以上のニューロメジンU受容体アゴニストの投与は、そのような疾病及び上述の状態の任意の1つ及び他のもののための治療の一部としての疾病の予防においても有用な場合がある。他の実施態様において、上記のニューロメジンU受容体アゴニストの1つ以上を個体に投与することを包む、個体の代謝性障害を治療するための方法が提供される。代謝性障害は、糖尿病、メタボリックシンドローム、高血糖、及び肥満からなる群から選択されてもよく、例えば、経口、粘膜、口腔内、経舌下、経鼻、直腸、皮下、経皮、静脈内、筋肉内、又は腹腔内のルートなどの末梢神経から脳へのルートによって投与されてもよい。特定の実施態様において、個体の複合障害を治療するために、ニューロメジンU受容体アゴニストを使用することも可能である。本明細書の開示に鑑みて当業者に容易に明らかであるように、ニューロメジンU受容体アゴニストは、個体による食物摂取を減少させるため、個体の体重増加を減少させるため、個体の体重増加を防ぐため、個体の体重を減少させるため、及び/又は個体の体重の再増加を防ぐため、個体に投与することができる。
【0029】
研究手段の用途は、ニューロメジンU受容体アゴニスト並びにNMU受容体又はその断片の存在を含んでいてもよい。研究手段の用途の例としては、NMU受容体において活性な化合物に対するスクリーニング、サンプル又は調製におけるNMU受容体の存在の決定、NMUの役割又は効果の試験が挙げられる。更に、試験化合物による競合実験においてニューロメジンU受容体アゴニストを使用することにより、ニューロメジンU受容体アゴニストをNMU結合化合物(アゴニスト又はアンタゴニスト)に対するスクリーニングに使用することが可能である。
【0030】
本発明のニューロメジンU受容体アゴニストは、一般式(I)
Z1−ペプチド−Z2
[式中、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号27)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよく;アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、L,G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、F、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;X22は、R、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、P、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、R、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、N、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、又はAであり;Z1は、存在してもよい保護基であり、存在する場合には、その保護基はN−末端アミノ基に結合しており;Z2は、NH2、又は存在してもよい保護基であり、存在する場合には、その保護基はC−末端カルボキシ基に結合している)を有する]
及びその薬学的に許容される塩を含む。
【0031】
特定の実施態様において、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−F−L−F R−P−R−N(配列番号1)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよい)を有する。上記のアミノ酸配列を有する特定のニューロメジンU受容体アゴニストのアミノ酸配列を表1に示す。
【0032】
更なる実施態様において、ペプチドは、アミノ酸配列F−R−V−D−E−E−F−Q−S−P−F−A−S−Q−S−R−G−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号7)(ここで、アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X22は、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、あるいはAである)を有する。上記のアミノ酸配列を有するペプチドの例を表2に示す。
【0033】
更なる別の実施態様において、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8(配列番号8)(ここで、アミノ酸X1は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸又はアシル基であり;アミノ酸X2は、A、W、Y、F又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X3は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X4は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X5は、K、A、又はLであり;アミノ酸X6は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X7は、Harg、又はKであり;アミノ酸X8は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、あるいはAである)を有する。上記のアミノ酸配列を有するペプチドの例を表2に示す。
【0034】
特定の態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、N−末端アミノ基に共有結合した保護基を有してもよい。ニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端アミノ基に共有結合した保護基は、インビボ条件下でアミノ末端の反応性を低下させる。アミノ保護基としては、−C1-10アルキル、−C1-10置換アルキル、−C2-10アルケニル、−C2-10置換アルケニル、アリール、−C1-6アルキルアリール、−C(O)−(CH2)1-6−COOH、−C(O)−C1-6アルキル、−C(O)−アリール、−C(O)−O−C1-6アルキル、又は−C(O)−O−アリールが挙げられる。特定の実施態様において、アミノ末端保護基は、アセチル、プロピル、サクシニル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル、及びt−ブチルオキシカルボニルからなる群から選択される。N−末端アミノ酸の脱アミノ化は、別の修飾であり、インビボ条件下でアミノ末端の反応性を低下させることが想定される。
【0035】
また、ニューロメジンU受容体アゴニスト誘導体がポリマーに結合しているニューロメジンU受容体アゴニストを化学修飾した組成物も、本発明の範囲に包含される。選択されたポリマーは、通常、単一の反応性基(例えば、アシル化のための活性エステル又はアルキル化のためのアルデヒド)を有するように修飾されており、それにより、本方法において提供されるように重合度を制御することができる。ポリマーの混合物も、ポリマーの範囲の中に包含される。最終生成物の製剤を治療に用いる場合、そのポリマーは薬学的に許容されることが好ましい。
【0036】
ポリマー又はその混合物は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、モノメトキシ−ポリエチレングリコール、デキストラン、セルロース、又は他の炭水化物を主体とするポリマー、ポリ(N−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシド共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール(例えばグリセロール)、及びポリビニルアルコールからなる群から選択され得る。
【0037】
更なる実施態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、ペグ化、コレステロイル化(cholesteroylation)、又はパルミトイル化によって修飾される。修飾は、ニューロメジンU受容体アゴニストにおける任意のアミノ酸残基に対して行うことができるが、現在の好適な実施態様では、修飾は、ニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端アミノ酸に対して、N−末端アミノ酸に直接結合するか、あるいはシステイン残基に結合したチオール基か又はTtdsなどのようなN−末端へ追加された結合基のチオール基のいずれかにカップリングする方法による。更なる実施態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端は、保護基がシステイン残基のN−末端アミノ基に結合しそのシステインのチオール基がN−エチルマレイミド、PEG基、コレステロール基、又はパルミトイル基で誘導体化されているステイン残基を有する。更なる実施態様において、アセチル化されたシステイン残基が、ニューロメジンU受容体アゴニストのN末端に結合し、システインのチオール基がN−エチルマレイミド、PEG基、コレステロール基、又はパルミトイル基で誘導体化されている。
【0038】
特定のタンパク質の特性は、ポリエチレングリコール(PEG)ポリマーの結合によって調節可能であることがよく知られており、それによって、タンパク質の流体力学的容積が増大し、従って、腎臓濾過によるそのクリアランスが遅くなる(例えば、Clark et al.,J.Biol.Chem.271:21969−21977(1996)を参照)。したがって、コアペプチド残基は、高められた治療効果(例えば、インビボでの半減期を伸ばすことによって効果を増加させるなど)を提供するためにペグ化され得ることが想定される。ニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端にPEG基を有することにより、天然のNMU−25ペプチドと比較して、ペグ化されたニューロメジンU受容体アゴニストの血漿半減期が延びるだけでなく、NMU12などの特定のニューロメジンU受容体アゴニストが血液−脳関門を通過して脳内でNMUR2と相互作用することが可能になることを、本発明者は発見した。一般に、静脈内投与の後、天然のNMU−25は、全身循環から急速に消失する。図7に示されているように、NMU−25分子のN−末端フェニルアラニン残基におけるアミノ基に、又はアミド結合によりNMU−25(NMU12))のN−末端フェニルアラニン残基に共有結合したシステイン残基のチオール基に、ポリエチレングリコール分子を共有結合させることにより、37℃での完全なヒトNMU−25(NMU1)の半減期を著しく増加させる。したがって、ニューロメジンU受容体アゴニストをペグ化は、ニューロメジンU受容体アゴニストの薬物動態と薬力学を改善する。
【0039】
ペプチドのペグ化の方法は、文献でよく知られており、また以下の参考文献に記載されている。なお、各文献は参照として本明細書に組み込まれる:Lu et al,Int.J.Pept.Protein Res.43:127−38(1994);Lu et al.,Pept.Res.6:140−6(1993);Felix et al.,Int.J.Pept.Protein Res.46:253−64(1995);Gaertner et al.,Bioconjug.Chem.7:38−44(1996);Tsutsumi et al.,Thromb.Haemost.77:168−73(1997);Francis et al.,Int.J.Hematol.68:1−18(1998);Roberts et al,J.Pharm.Sci.87:1440−45(1998);及びTan et al,Protein Expr.Purif.12:45−52(1998)。ポリエチレングリコール又はPEGは、モノ−(C1-10)アルコキシ又はアリールオキシ−ポリエチレングリコールなどの(ただし、これらに限定されるものではない)他のタンパク質を誘導体化するために使用された任意の形態のPEGを包含することを意味する。好適なPEG部分としては、例えば、40kDaメトキシポリ(エチレングリコール)プロピオンアルデヒド(Dow、Midland、Michigan);60kDaメトキシポリ(エチレングリコール)プロピオンアルデヒド(Dow、Midland、Michigan);40kDaメトキシポリ(エチレングリコール)マレイミド−プロピオンアミド(Dow、Midland、Michigan);31kDa α−メチル−w−(3−オキソプロポキシ)、ポリオキシエチレン(NOF Corporation、Tokyo);mPEG2−NHS−40k(Nektar);mPEG2−MAL−40k(Nektar)、SUNBRIGHT GL2−400MA((PEG)240kDa)(NOF Corporation、Tokyo)、SUNBRIGHT ME−200MA(PEG20kDa)(NOF Corporation、Tokyo)が挙げられる。PEG基は、一般的に、PEG部分の反応基(例えば、アルデヒド、アミノ、チオール、又はエステル基)を介して、ニューロメジンU受容体アゴニストの反応基(例えば、アルデヒド、アミノ、チオール、又はエステル基)へのアシル化又は還元的アルキル化によりニューロメジンU受容体アゴニストに付加する。
【0040】
PEG分子は、ニューロメジンU受容体アゴニストの任意の位置において、任意のLys、Cys、又はK(CO(CH2)2SH)残基に共有結合してもよい。本明細書に記載されたニューロメジンU受容体アゴニストは、N−末端アミノ基を介して、N−末端において任意のアミノ酸に直接ペグ化することができる。ペグ化を促進するためにニューロメジンU受容体アゴニストに「リンカーアーム」を付加してもよい。システインのチオール側鎖でのペグ化は広く報告されている(例えば、Caliceti & Veronese, Adv. Drug Deliv. Rev. 55: 1261−77 (2003)を参照)。ペプチドにシステイン残基が無い場合は、置換により又はN−末端アミノ酸へのシステインの付加によって、システイン残基を導入することができる。ペグ化されているニューロメジンU受容体アゴニストは、N−末端アミノ酸に付加したシステイン残基の側鎖を通じてペグ化されている。
【0041】
あるいは、PEG分子は、ニューロメジンU受容体アゴニストのC−末端においてアミド基に共有結合していてもよい。一般的に、少なくとも1つのPEG分子がニューロメジンU受容体アゴニストに共有結合している。特定の態様において、PEG分子は分岐していてもよいし、別の態様においては、直鎖状であってもよい。特定の態様において、PEG分子は、1kDa〜100kDaの間の分子量である。更なる態様において、PEG分子は、10、20、30、40、50、及び60kDaから選択される。また、更なる態様において、PEG分子は、20、40、又は60kDaから選択される。2つのPEG分子が、本発明のニューロメジンU受容体アゴニストに共有結合している場合、それぞれが1〜40kDaであり、特定の態様において、それらは20kDaと20kDa、10kDaと30kDa、30kDaと30kDa、20kDaと40kDa、又は40kDaと40kDaの分子量を有する。特定の態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストはmPEG−システインを含む。mPEG−システインのmPEGは様々な分子量を持つことができる。分子量の範囲は、好ましくは5kDa〜200kDaであり、より好ましくは5kDa〜100kDaであり、更に好ましくは20kDa〜60kDaである。mPEGは、直鎖状又は分岐状であってよい。
【0042】
現在、ニューロメジンU受容体アゴニストは、N−末端アミノ酸に結合したシステインの側鎖を通じてペグ化されていることが望ましい。現在、アゴニストは、mPEG−システインを含むことが好ましい。mPEG−システイン中のmPEGは、様々な分子量を持つことができる。分子量の範囲は、好ましくは5kDa〜200kDaであり、より好ましくは5kDa〜100kDaであり、更に好ましくは20kDa〜60kDaである。mPEGは、直鎖状又は分岐状であってよい。
【0043】
合成したニューロメジンU受容体アゴニストのペグ化に有用なストラテジーは、溶液中で共役結合を形成することにより、相互に反応性である特別の官能基をそれぞれが有するペプチドとPEG部分を結合することから成る。ニューロメジンU受容体アゴニストは、従来の固相合成法により容易に調製することができる。ニューロメジンU受容体アゴニストは、特定部位において適当な官能基によって「予備活性化」される。PEG部分と反応させる前に、前駆体を精製し、完全に同定する。ペプチドとPEGの結合は、通常は水相で行い、逆相の分析用HPLCにより容易にモニターすることができる。ペグ化されたニューロメジンU受容体アゴニストは、カチオン交換クロマトグラフィー又は分取HPLCにより容易に精製することができ、分析用HPLC、アミノ酸分析及びレーザー脱離質量分析により同定することができる。
【0044】
ニューロメジンU受容体アゴニストは、例えば、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸エステル化、カルボキシル化、メチル化、あるいは他の任意の操作又は修飾(例えば、標識成分との接合など)などの他の非配列性修飾を含むことができる。一方、特定の態様において、本明細書のニューロメジンU受容体アゴニストは、天然アミノ酸、又は天然アミノ酸のDイソ型、非天然のアミノ酸(例えば、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウム、ノルロイシン、ε−アミノカプロン酸、4−アミノブタン酸、テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、8−アミノカプリル酸、4アミノ酪酸、Lys(N(ε)−トリフルオロアセチル)又は合成類似体(例えば、o−アミノイソ酪酸、p−又はy−アミノ酸、並びに環状類似体))を利用する。さらなる態様において、本ニューロメジンU受容体アゴニストは、ニューロメジンU受容体アゴニストである第一の部分、及び異種ペプチドである第二の部分を有する融合タンパク質を含む。
【0045】
ニューロメジンU受容体アゴニストは、修飾されていないニューロメジンU受容体アゴニストと本質的に同じ活性を有する誘導体、及び/又は他の望ましい特性を有する誘導体を生成するために、様々な化学的手法により修飾されてもよい。C−末端カルボキシル基に共有結合した保護基は、インビボ条件下でカルボキシ末端の反応性を低下させる。例えば、ペプチドのカルボン酸基は、カルボキシル末端であるか側鎖であるかにかかわらず、薬理学的に許容されるカチオンの塩の形態で提供されてもよく、又はC1-6エステルを形成するためにエステル化されてもよく、又は式NRR2(式中、R及びR2は、それぞれ独立して、H、又はC1-6アルキルであるか、又は一緒になって、例えば、5又は6員の複素環を形成する)のアミドに変換されてもよい。カルボキシ末端保護基は、好ましくは、最後のアミノ酸のα−カルボニル基に結合する。カルボキシ末端保護基としては、アミド、メチルアミド、及びエチルアミドが挙げられるが、これに限定されるものではない。ペプチドのアミノ基は、N−末端であるか側鎖であるかにかかわらず、薬理学的に許容される酸付加塩(例えば、HCl塩、HBr塩、酢酸塩、ベンゼン酸塩、トルエンスルホン酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、及び他の有機塩)の形態であってもよく、又はC1-6アルキル又はジアルキルアミノに修飾されてもよく、あるいは、更にアミドに変換されてもよい。
【0046】
ニューロメジンU受容体アゴニスト側鎖の水酸基は、周知の手法を使用してC1-6アルコキシ又はC1-6エステルへ変換してもよい。ペプチド側鎖のフェニル及びフェノール環は、フッ素、塩素、ホウ素、又はヨウ素などの1つ以上のハロゲン原子、あるいはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、カルボン酸、及びそれらのエステル、あるいはそのようなカルボン酸のアミドで置換されていてもよい。ニューロメジンU受容体アゴニストの側鎖のメチレン基は、相同のC2-4アルキレンに延長することができる。チオールは、アセトアミド基などの周知の多くの保護基のいずれか1つによって保護することができる。また、当業者は、構造の安定性を高めるために、構造的制約を選択し、構造に構造的制約を与え、それによって構造の安定性を高めるため、本発明のペプチドに環状構造を導入する方法も周知である。例えば、酸化されたペプチドがジスルフィド結合を含む場合、それによって環状ペプチドが生成されるように、カルボキシ末端システイン残基又はアミノ末端システイン残基をペプチドに付加することができる。他のペプチドを環化する方法としては、チオエーテルあるいはカルボキシ−末端又はアミノ末端のアミド及びエステルの形成が挙げられる。
【0047】
多糖ポリマーは、タンパク質修飾に使用できる別のタイプの水溶性ポリマーである。デキストランは、主にα1−6結合によって結合されたグルコースの個々のサブユニットから構成された多糖ポリマーである。デキストラン自体は、多くの分子量のものが入手可能であり、約1kDa〜約70kDaの分子量のものが容易に入手可能である。デキストランは、単独で媒体(vehicle)として使用する、又は別の媒体(vehicle)と組み合わせて使用するのに好適な水溶性ポリマーである(例えば、WO96/11953号及び同第96/05309号を参照のこと)。治療用又は診断用の免疫グロブリンと結合したデキストランの使用について報告されている(例えば、欧州特許公開第0315456号を参照のこと)。デキストランを、本発明による媒体(vehicle)として使用する場合、約1kDa〜約20kDaのデキストランが好ましい。
【0048】
上記で説明したように、「リンカー」基が存在してもよい。存在する場合、これは、主としてスペーサーとして機能するため、化学構造は重要ではない。しかしながら、ある特定の実施態様において、リンカー自体が本発明の組成物の特性を向上させる場合もある。このリンカーは、好ましくはペプチド結合によって結合されたアミノ酸から構成される。従って、特定の実施態様において、リンカーは、ペプチド結合によって連結された1〜20個のアミノ酸(アミノ酸は、20個の天然に存在するアミノ酸より選択される)から構成される。当業者にはよく理解されるように、これらのアミノ酸のいくつかは、グリコシル化されてもよい。より好ましい実施態様において、1〜20個のアミノ酸は、グリシン、アラニン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、及びリジンから選択される。更により好ましくは、リンカーは、グリシン及びアラニンのような立体障害を受けない多くのアミノ酸で構成される。従って、好ましいリンカーは、ポリグリシン(特に、(Gly)4、(Gly)5)、ポリ(Gly−Ala)及びポリアラニンである。リンカーの他の具体例としては、(Gly)3Lys(Gly)4;(Gly)3AsnGlySer(Gly)2;(Gly)3Cys(Gly)4;及びGlyProAsnGlyGlyが挙げられる。
【0049】
また、非ペプチド型リンカーも使用することができる。例えば、−NH−(CH2)s−C(O)−[式中、s=2〜20]のようなアルキルリンカーを使用することができる。これらのアルキルリンカーは、更に、例えば、低級アルキル(例えば、C1-6)低級アシル、ハロゲン(例えば、Cl、Br)、CN、NH2、フェニル等のような任意の立体障害を生じない基によって置換されていてもよい。例示的な非ペプチドリンカーは、PEGリンカー[ここで、nは、リンカーの分子量が100〜5000kDa、好ましくは100〜500kDaであるような値である。ペプチドリンカーは、上記と同様の方法によって誘導体を形成するため修飾されてもよい。他のリンカーとしては、Ttds(1−アミノ−4,7,10−トリオキサ−13−トリデカンアミンスクシンイミド酸)が挙げられる。
【0050】
本発明は、ジアステレオマー、及びそれらのラセミ体、並びに分割されたエナンチオマー的に純粋な形態を含む。ニューロメジンU受容体アゴニストは、D−アミノ酸、L−アミノ酸、又はそれらの組み合わせを含む。一般的に、アミノ酸は、D体の特定のアミノ酸を含有するL体である。当該技術分野で知られているように、個々のアミノ酸は、以下のように表すことができる:A=Ala=アラニン;C=Cys=システイン;D=Asp=アスパラギン酸;E=Glu=グルタミン酸;F=Phe=フェニルアラニン;G=Gly=グリシン;H=His=ヒスチジン;I=Ile=イソロイシン;K=Lys=リシン;L=Leu=ロイシン;M=Met=メチオニン;N=Asn=アスパラギン;P=Pro=プロリン;Q=Gln=グルタミン;R=Arg=アルギニン;S=Ser=セリン;T=Thr=トレオニン;V=Val=バリン;W=Trp=トリプトファン;及びY=Tyr=チロシン。
【0051】
アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−F−L−F−R−P−R−N(配列番号1)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってよい)を含む本発明のニューロメジンU受容体アゴニストの例を表1に示す。ニューロメジンU受容体アゴニストは、C−末端においてアミノ基によって保護され、N−末端においてアセチル基によって保護されている(ニューロメジンU受容体アゴニストNMU1を除く)。ニューロメジンU受容体アゴニストNMU2を除いて、ニューロメジンU受容体アゴニストは、更に、N−末端においてシステイン残基を有しており、そのシステイン残基のアミノ基にアセチル基が共有結合している。表に示すように、多くのニューロメジンU受容体アゴニストでは、システイン残基のチオール基が、第二の基と反応する。例えば、N−末端においてC1で示された表中のニューロメジンU受容体アゴニストでは、ニューロメジンU受容体アゴニストは、チオール基を介してN−エチルマレイミジルに結合したニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてN−アセチル化されたシステイン残基を有し;N−末端においてC2で示された表中のニューロメジンU受容体アゴニストでは、ニューロメジンU受容体アゴニストは、チオール基を介して(PEG)240kDaに結合したニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてN−アセチル化されたシステイン残基を有し;ニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてC4で示された表中のニューロメジンU受容体アゴニストでは、ニューロメジンU受容体アゴニストは、チオール基を介して(PEG)20kDaに結合したニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてN−アセチル化されたシステイン残基を有し;ニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてC5で示された表中のニューロメジンU受容体アゴニストでは、ニューロメジンU受容体アゴニストは、チオール基を介して(PEG)220kDaに結合したニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてN−アセチル化されたシステイン残基を有し;ニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてC6で示された表中のニューロメジンU受容体アゴニストでは、ニューロメジンU受容体アゴニストは、チオール基を介して(PEG)40kDaに結合したニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてN−アセチル化されたシステイン残基を有し;ニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてC3で示された表中のニューロメジンU受容体アゴニストでは、ニューロメジンU受容体アゴニストは、チオール基を介してコレステロールに結合したニューロメジンU受容体アゴニストのN−末端においてN−アセチル化されたシステイン残基を有する。
【0052】
【表1−1】
【0053】
【表1−2】
【0054】
【表1−3】
【0055】
配列番号25のアミノ酸配列を含むニューロメジンU受容体アゴニストを除いて、表1に示したニューロメジンU受容体アゴニストは、NMUR1受容体又はNMUR2受容体のどちらでも結合及び活性化することができるという点で二重特異性である。配列番号25を含むニューロメジンU受容体アゴニストは、NMUR1特異的であることがわかっている。表1に示したニューロメジンU受容体アゴニストのペグ化は、ニューロメジンU受容体アゴニストの血中半減期を伸ばすようであり、そして重要なことに、NMU12のような特定のニューロメジンU受容体アゴニストが血液−脳関門を通過することを可能にするようである。例えば、実施例4並びに図6A及び6Bに示すように、NMU12は、Nmur1ノックアウトマウスにおいて、食物摂取を減少させ、体重増を減少させることが可能のようであった。結果は、末梢投与されたペグ化ペプチドNMU12は、血液−脳関門を通過することが可能であることを示している。ペグ化は、NMU1、NMU9、及びNMU20の血中半減期を3日間、NMU1及びNMU18を2日間延ばすようであった。NMU9及びNMU12は、N−末端システイン残基のチオール基に共有結合した(PEG)240kDaの供給源が異なっている。
【0056】
アミノ酸配列F−R−V−D−E−E−F−Q−S−P−F−A−S−Q−S−R−G−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号7)又はX1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8(配列番号8)(ここで、アミノ酸X18又はX1は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19又はX2は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20又はX3は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21又はX4は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X22又はX5は、K、A、又はLであり;アミノ酸X23又はX6は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24又はX7は、Harg、又はKであり;アミノ酸X25又はX8は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、又はAである)を含む本発明のニューロメジンU受容体アゴニストの例。上記のアミノ酸配列を有するペプチドの例を表2に示す。一般的に、配列番号7又は配列番号8を含むペプチドは、NMUR1受容体に対して特異的であるが、実施例に示すように、ニューロメジンU受容体アゴニストのN、O、及びPは二重特異性である。
【0057】
【表2】
【0058】
更に、個体における代謝性障害の治療のための、本明細書で開示された1つ以上のニューロメジンU受容体アゴニストの治療有効量を含む医薬組成物を提供する。そのような障害としては、これに限定されるものではないが、肥満、メタボリックシンドローム又はX症候群、II型糖尿病、網膜障害などの糖尿病の合併症、高血圧症、脂質異常症、心臓血管疾患、胆石、変形性関節症、及びある特定の形態の癌が挙げられる。本明細書の肥満関連障害は、肥満に関連するか、肥満を原因とするか、又は肥満の結果である。
【0059】
「肥満」とは、過剰の体脂肪が存在する状態である。肥満の運用上の定義は、身長に対する平方当たりの体重(kg/m2)として計算される肥満指数(BMI)に基づいたものである。「肥満」とは、他の点では、健康な被験者が30kg/m2以上の肥満指数(BMI)を有する状態、又は少なくとも一つの併発症を有する被験者が27kg/m2以上のBMIを有する状態を指す。「肥満被験者」は、肥満指数(BMI)が30kg/m2以上の他の点では健康な被験者又はBMIが27kg/m2以上の少なくとも一つの併発症を有する被験者である。「肥満の危険性がある被験者」とは、BMIが25kg/m2から30kg/m2未満の、他の面では健常な被験者、又はBMIが25kg/m2から27kg/m2未満の、少なくとも一つの併発症を有する被験者である。
【0060】
肥満に関連するリスクの増加は、アジア人の場合、比較的低い肥満指数(BMI)で起こる。日本などのアジア諸国では、「肥満」とは、減量を必要とする、あるいは減量によって改善されると考えられる、少なくとも一つの肥満誘発又は肥満関連の併発症を有する被験者が、25kg/m2以上のBMIを有する状態を意味する。日本などのアジア諸国では、「肥満被験者」とは、25kg/m2以上のBMIを有し、減量を必要とするあるいは減量によって改善されると考えられる少なくとも一つの肥満誘発又は肥満関連の併発症を有する被験者を指す。アジア諸国では、「肥満の危険性がある被験者」とは、BMIが23kg/m2より大きく、25kg/m2未満である被験者である。
【0061】
本明細書で使用される場合、「肥満」という用語は、上記の肥満の定義の全てを包含するものである。
【0062】
肥満誘発又は肥満関連の併発症としては、糖尿病、非インシュリン依存型糖尿病−II型、耐糖能障害、空腹時血糖障害、インシュリン耐性症候群、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症、痛風、冠動脈疾患、心筋梗塞、狭心症、睡眠無呼吸症候群、ピックウィック症候群、脂肪肝;脳梗塞、脳血栓症、一過性虚血発作、整形外科障害、変形性関節炎、ルンボジニア(lumbodynia)、月経異常、及び不妊症が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に、併発症には高血圧、高脂血症、脂質異常症、耐糖能異常、心臓血管疾患、睡眠時無呼吸、糖尿病及び他の肥満関連状態などがある。
【0063】
「(肥満及び肥満関連疾患の)治療」とは、肥満被験者の体重を減少又は維持するために、本発明の化合物を投与することを意味する。治療の一つの結果は、本発明の化合物の投与直前の被験者の体重と比較して肥満被験者の体重が減少することであってもよい。治療の別の結果は、食事、運動又は薬物療法の結果として以前失われた体重の再獲得であってもよい。治療のさらなる別の結果は、肥満関連疾患の発生及び/又は重症度の低下であってもよい。治療は、総食物摂取の低下、あるいは炭水化物もしくは脂肪などの食事の具体的な成分の摂取の減少などの被験者による食物又はカロリー摂取の減少;及び/又は栄養素吸収の阻害;及び/又は代謝速度低下の阻害;並びにそれらを必要とする患者における体重の減少、を適度に生じさせるものであってよい。また、その治療は、代謝速度低下を阻害しないか、あるいは代謝速度低下の阻害に加えて、代謝速度の上昇などの代謝速度変化;及び/又は通常は減少によって生じる代謝抵抗性の低減を生じさせ得る。
【0064】
「(肥満及び肥満関連疾患の)予防」とは、肥満の危険性がある被験者の体重を低減又は維持するために、本発明の化合物を投与することを意味する。予防の一つの結果は、本発明の化合物の投与直前の被験者の体重と比較して、肥満の危険性がある被験者の体重が減少することであってもよい。予防の別の結果は、食事、運動又は薬物療法の結果としての以前失われた体重の再獲得であってもよい。予防の更に別の結果としては、肥満の危険性がある被験者に対して肥満発症前に投与を行った場合における肥満発生の防止であってもよい。予防の別の結果としては、肥満の危険性がある被験者に対して肥満発症前に投与を行った場合における肥満関連疾患の発生及び/又は重症度の低下であってもよい。更に、すでに糖尿病である被験者において治療を開始する場合、そのような治療は、アテローム性動脈硬症、II型糖尿病、多嚢胞卵巣、心臓血管疾患、変形性関節症、皮膚障害、高血圧、インシュリン耐性、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症及び胆石症などの肥満関連疾患の発生、進行又は重症化を予防することができる。
【0065】
本明細書での肥満関連疾患は、肥満に関連しているか、それを原因としているか、あるいはそれの結果である。肥満関連疾患の例としては、過食及び大食、高血圧、糖尿病、血漿インシュリン濃度上昇及びインシュリン耐性上昇、脂質異常症、高脂血症、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌及び結腸癌、変形性関節症、閉塞性睡眠時無呼吸、胆石症、胆石、心臓疾患、異常心臓リズム及び不整脈、心筋梗塞、鬱血性心不全、冠性心疾患、突然死、卒中、多嚢胞性卵巣、頭蓋咽頭腫、プラダー−ウィリ症候群、フレーリッヒ症候群、GH欠乏被験者、ノーマルバリアント低身長、ターナー症候群、並びに急性リンパ芽球性白血病小児などの代謝活性の低下又は総非脂肪重量の比率として休止時エネルギー消費における減少を示す他の病的状態が挙げられる。肥満関連疾患の更に別の例としては、X症候群とも称される代謝症候群、インシュリン耐性症候群、不妊などの性的及び生殖機能不全、男性における性腺機能低下症及び女性における男性型多毛症、肥満関連胃食道逆流などの消化管運動性障害、肥満性低換気症候群などの呼吸器障害(ピックウィック症候群)、心血管障害、血管系の全身炎症などの炎症、アテローム性動脈硬化、高コレステロール血症、高尿酸血症、腰痛、胆嚢疾患、痛風及び腎臓癌が挙げられる。また、本発明の組成物は、左心室肥大のリスク低下などの肥満の二次的結果のリスクの低下にも有用である。
【0066】
本明細書で使用される「糖尿病」という用語は、インシュリン依存型糖尿病(IDDM、また、I型糖尿病とも称される)及び非インシュリン依存型糖尿病(NIDDM、また、II型糖尿病とも称される)の両方を包含する。I型糖尿病、すなわちインシュリン依存型糖尿病は、グルコース利用を調節するホルモンであるインシュリンの完全欠乏の結果である。II型糖尿病、すなわち非インシュリン依存型糖尿病(すなわち、インシュリン依存型ではない糖尿病)は多くの場合、インシュリンレベルが正常又は高いにも拘わらず起こるものであり、組織がインシュリンに対して適切に応答できないことの結果であるように思われる。また、II型糖尿病患者のほとんどが肥満でもある。本発明の化合物は、I型及びII型の両方の糖尿病の治療に対して有用である。この化合物は、特にII型糖尿病の治療において有用である。また、本発明の化合物は、妊娠性糖尿病の治療及び/又は予防においても有用である。
【0067】
本明細書で開示されたニューロメジンU受容体アゴニストは、薬学的に許容される担体と組み合わせた場合に、医薬組成物に使用してもよい。そのような組成物は、治療有効量のニューロメジンU受容体アゴニスト及び薬学的に許容される担体を含む。また、そのような組成物は、(ニューロメジンU受容体アゴニスト及び担体に加え)当該技術分野で周知の稀釈剤、充てん剤(fillers)、塩、緩衝剤、安定剤、可溶化剤、及び他の物質を含んでもよい。ニューロメジンU受容体アゴニストを含む組成物は、所望であれば、塩の形態(ただし、その塩は薬学的に許容されるものである)で投与することができる。塩は、合成有機化学の当業者に既知の標準的な手法を用いて調製されてもよい。
【0068】
用語「個体」は、ヒト並びにイヌ、ネコ、ウマなどのペット又は家畜を含むことが意図される。したがって、式(I)を有する組成物は、ネコ及びイヌにおける肥満及び肥満関連障害の治療又は予防に有用でもある。そういうものとして、用語「哺乳動物」は、ネコ及びイヌなどのペットを含む。
【0069】
「薬学的に許容される塩」という語は、無機塩基又は有機塩基、並びに無機酸又は有機酸、を含む薬学的に許容される非毒性の塩基又は酸から調製した塩を意味する。無機塩基から得られる塩としては、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、第二マンガン塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩等が挙げられる。特に好ましいのは、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩及びナトリウム塩である。薬学的に許容される非毒性の有機塩基から得られる塩としては、第一級、第二級、及び第三級アミン、天然置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、並びに塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N、N′−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等の塩が挙げられる。「薬学的に許容される塩」という用語には更に、溶解度又は加水分解特性を修飾するための製剤として、あるいは徐放製剤又はプロドラッグ製剤において使用することができる酢酸塩、ラクトビオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、安息香酸塩、リンゴ酸塩、重炭酸塩、マレイン酸塩、重硫酸塩、マンデル酸塩、重酒石酸塩、メシル酸塩、ホウ酸塩、臭化メチル塩、臭化物、硝酸メチル塩、カルシウムエデト酸塩、メチル硫酸塩、カムシル酸塩、ムコ酸塩、炭酸塩、ナプシル酸塩、塩化物、硝酸塩、クラブラン酸塩、N−メチルグルカミン塩、クエン酸塩、アンモニウム塩、2塩酸塩、オレイン酸塩、エデト酸塩、シュウ酸塩、エジシル酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、エストレート、パルミチン酸塩、エシル酸塩、パントテン酸塩、フマル酸塩、リン酸塩/2リン酸塩、グルセプト酸塩、ポリガラクツロン酸塩、グルコン酸塩、サリチル酸塩、グルタミン酸塩、ステアリン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、硫酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、塩基性酢酸塩、ヒドラバミン、コハク酸塩、臭化水素酸塩、タンニン酸塩、塩酸塩、酒石酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、テオクル酸塩、ヨウ化物、トシル酸塩、イソチオン酸塩、トリエチオジド、乳酸塩、パノエート(panoate)、吉草酸塩などの全ての許容される塩が含まれる。本明細書で使用される場合、一般式(I)のニューロメジンU受容体アゴニストについての言及は、薬学的に許容される塩を含むことが意図されると理解される。
【0070】
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される」とは、連邦政府又は州政府の規制当局により承認されているか、動物及び特にヒトにおいての使用のために米国薬局方又は一般的に認可された他の薬局方に一覧されている、活性成分の生物学的活性の有効性を妨げない非毒性の物質を意味する。用語「担体」は、薬剤と共に投与される稀釈剤、補助剤、賦形剤、又は媒体(vehicle)を意味し、そして、水及び油のような滅菌した液体を含むが、これらに限定されるものではない。担体の特徴は、投与経路に依存する。ニューロメジンU受容体アゴニストは、多量体(例えば、ヘテロダイマー又はホモダイマー)又はそれ自身と他のペプチドとの複合体であってもよい。その結果、本発明の医薬組成物は、多量体又は複合体の形態で1種以上のニューロメジンU受容体アゴニストを含んでもよい。
【0071】
本明細書中で使用される場合、用語「治療有効量」とは、患者にとって意味のある利益(例えば、関連する病状の治療、治癒、予防、又はそのような状態の改善、又は治療、治癒、予防、又は改善率の上昇)を示すのに十分である、医薬組成物又は方法の各活性成分の総量を意味する。単独で投与される個々の活性成分に適用される場合、この用語は、その成分単独を意味する。組み合わせて適用される場合、この用語は、組み合わせで投与されるか、逐次投与されるか、又は同時に投与されるかにかかわらず、治療効果をもたらす活性成分の合計量を意味する。
【0072】
医薬組成物は、1種以上のニューロメジンU受容体アゴニスト;1種以上のニューロメジンU受容体アゴニスト及び代謝性障害の治療のための1種以上の他の薬剤を含むことができるか、又は1種以上のニューロメジンU受容体アゴニストを含む医薬組成物は、代謝性障害を治療するための薬剤を含む医薬組成物と同時に使用することができる。そのような障害としては、これに限定されるものではないが、肥満、メタボリックシンドローム又はX症候群、II型糖尿病、糖尿病の合併症、高血圧症、脂質異常症、心臓血管疾患、胆石、変形性関節症、及びある特定の型の癌が挙げられる。
【0073】
医薬組成物が、代謝性障害を治療するための他の薬剤を含む場合、又は、治療が代謝性障害を治療するための薬剤を含む第二の医薬組成物を包含する場合、その薬剤としては、これに限定されるものではないが、カンナビノイド(CBl)受容体アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)受容体アゴニスト、リパーゼインヒビター、レプチン、テトラヒドロリプスタチン、2−4−ジニトロフェノール、アカルボース、シブトラミン、フェンタミン、脂肪吸収遮断薬、シンバスタチン、メバスタチン、エゼチミブ、アトルバスタチン、シタグリプチン、メトホルミン、オーリスタット(orlistat)、Qnexa、トピラメート、ナルトレキソン、ブプロピオン、フェンテルミン、ロサルタン、ロサルタン/ヒドロクロロチアジドなどが挙げられる。
【0074】
本発明の化合物と併用される好適な薬剤を以下に挙げるが、これに限定されるものではない。
【0075】
(a)抗糖尿病医薬品、例えば、(1)グリタゾン(glitazone)などのPPARγアゴニスト(例えば、シグリタゾン;ダルグリタゾン(darglitazone);エングリタゾン;イサグリタゾン(isaglitazone)(MCC−555);ピオグリタゾン(ACTOS);ロシグリタゾン(rosiglitazone)(AVANDLA);トログリタゾン;リボグリタゾン(rivoglitazone)、BRL49653;CLX−0921;5−BTZD、GW−0207、LG−100641、R483、及びLY−300512など、並びにWO97/10813号、同第97/27857号、同第97/28115号、同第97/28137号、同第97/27847号、同第03/000685号、及び同第03/027112号で開示された化合物、並びに、T131(Amgen)、FK614(Fujisawa)、ネトグリタゾン(netoglitazone)、及びメタグリダセン(metaglidasen)などのSPPARMS(選択的PPARガンマモジュレーター);(2)ブホルミン、メトホルミン、フェンホルミンなどのビグアニド;(3)タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP−IB)インヒビター、例えば、ISIS 113715、A−401674、A−364504、IDD−3、IDD 2846、KP−40046、KR61639、MC52445、MC52453、C7、OC−060062、OC−86839、OC29796、TTP−277BC1、並びに、WO04/041799号、同第04/050646号、同第02/26707号、同第02/26743号、同第04/092146号、同第03/048140号、同第04/089918号、同第03/002569号、同第04/065387号、同第04/127570号、及びUS2004/167183号で開示された薬剤;(4)アセトヘキサミドなどのスルホニル尿素;クロルプロパミド;ジアビネース;グリベンクラミド;グリピジド; グリブリド; グリメピリド; グリクラジド; グリペンジド(glipentide); グリキドン; グリソラミド(glisolamide); トラザミド、及びトルブタミドなど;(5)レパグリニドや、メチグリニド(metiglinide)(グルファスト)、及びナテグリニドなどのメグリチニド;(6)アカルボースなどのアルファグルコシドヒドロラーゼインヒビター;アジポシン(adiposine);カミグリボース(camiglibose);エミグリタート;ミグリトール;ボグリボース;プラディマイシン−Q;サルボスタチン;CKD−711;MDL−25,637;MDL−73,945;及びMOR14など;(7)テンダミスタット、トレスタチン、及びAl−3688などのアルファ−アミラーゼインヒビター;
(8)リノグリリド、ナテグリニド、ミチグリニド(グルファスト)、ID1101、A−4166などのインスリン分泌促進剤;(9)クロモキシル及びエトモキシル並びに同様のものなどの脂肪酸酸化防止剤;(10)ミダグリゾール;イサグリドール;デリグリドール;イダゾキサン;エーロキサン;及びフルパロキサンなどのA2拮抗薬;(11)インスリン又はインスリン模倣薬、例えば、ビオタ、LP−100,ノバラピド、インスリンデテミル、インスリンリスプロ、インスリングラルギン、インスリン亜鉛懸濁液(レンテ及びウルトラレンテ);Lys−Proインスリン、GLP−1(17−36)、GLP−1(73−7)(インスリントロピン);GLP−1(7−36)−NH2)エキセナチド/エキセンジン−4、エキセナチドLAR、リナグルチド(Linaglutide)、AVE0010、CJC1131、BIM51077、CS872、THO318、BAY−694326、GP010、ALBUGON(アルブミンに縮合したGLP−I)、HGX−007(Epacアゴニスト)、S−23521、及びWO04/022004号、同第04/37859号において開示された化合物など;(12)JT−501及びファルグリタザール(GW−2570/GI−262579)などの非チアゾリジンジオンなど;(13)PPARα/γデュアルアゴニスト、例えば、AVE 0847、CLX−0940、GW−1536、GW1929、GW−2433、KRP−297、L−796449、LBM 642、LR−90、LY510919、MK−0767、ONO 5129、SB 219994、TAK−559、TAK−654、677954(GlaxoSmithkline)、E−3030(Eisai)、LY510929(Lilly)、AKl09(Asahi)、DRF2655 (Dr.Reddy)、DRF8351(Dr.Reddy)、MC3002(Maxocore)、TY51501(ToaEiyo)、ナベグリタザル、ムラグリタザル、ペリグリタザル、テサグリタザル(GALIDA)、レグリタザル(JTT−501)、チグリタザル(chiglitazar)、及びWO99/16758号、同第99/19313号、同第99/20614号、同第99/38850号、同第00/23415号、同第00/23417号、同第00/23445号、同第00/50414号、同第01/00579号、同第01/79150号、同第02/062799号、同第03/033481号、同第03/033450号、同第03/033453で開示されたもの;及び(14)他のインスリン抵抗性改善薬;(15)VPAC2受容体アゴニスト;(16)GLKモジュレーター、例えば、PSNl05、RO 281675、RO 274375、及びWO03/015774号、同第03/000262号、同第03/055482号、同第04/046139号、同第04/045614号、同第04/063179号、同第04/063194号、同第04/050645で開示されたものなど;(17)レチノイドモジュレーター、例えば、WO03/000249号に開示されているものなど;(18)GSK 3ベータ/GSKインヒビター、例えば、4−[2−(2−ブロモフェニル)−4−(4−フルオロフェニル−1H−イミダゾール−5−イル]ピリジン、CT21022、CT20026、CT−98023、SB−216763、SB410111、SB−675236、CP−70949、XD4241、及びWO03/037869号、同第03/03877号、同第03/037891号、同第03/024447号、同第05/000192号、同第05/019218で開示された化合物など;(19)グリコゲンホスホリラーゼ(HGLPa)インヒビター、例えば、AVE5688、PSN357、GPi−879、WO03/037864号、同第03/091213号、同第04/092158号、同第05/013975号、同第05/013981号、US2004/0220229号、及びJP2004−196702で開示されたものなど;(20)ATP消費プロモータ、例えば、WO03/007990号に開示されているものなど;(21)PPARγアゴニスト及びメトホルミンの固定組み合わせ、例えば、AVANDAMET;(22) PPAR汎アゴニスト、例えば、GSK677954;(23)SNORFとも称されるGPR40(G−タンパク質共役受容体)、例えば、BG 700、及びWO04/041266号、同第04/022551号、同第03/099793号で開示されたもの;(24)GPRl19(RUP3;SNORF25、とも称される)、例えば、RUP3、HGPRBMY26、PFI007、SNORF25;(25)アデノシン受容体2Bアンタゴニスト、例えば、ATL−618、AT1−802、E3080など;(26)カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼインヒビター、例えば、ST1327、ST1326など;(27)フルクトース1,6−ビスホスファターゼインヒビター、例えば、CS−917、MB7803など;(28)グルカゴンアンタゴニスト、例えば、AT77077、BAY 694326、GW 4123X、NN25O1、及びWO03/064404号、同第05/00781号、US2004/0209928号、同第2004/029943号で開示されたものなど;(30)グルコース−6−ホスファターゼインヒビター;(31)ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)インヒビター;(32)ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ(PDK)アクティベータ;(33)RXRアゴニスト、例えば、MC 1036、CS000l8、JNJ 10166806、及びWO04/089916号、US6759546号で開示されたものなど;(34)SGLTインヒビター、例えば、AVE 2268、KGT 1251、T1095/RWJ394718;(35)BLX−1002。
【0076】
(b)脂質低下薬、例えば、(1)胆汁酸抑制剤、例えば、コレスチラミン、コレセベレム、コレスチポール、架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体;Colestid(登録商標);LoCholest(登録商標);及びQuestran(登録商標)など;(2)HMG−CoA還元酵素インヒビター、例えば、アトルバスタチン、イタバスタチン、ピタバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、パラバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチン、シムバスタチン、ロスバスタチン(ZD−4522)など、とくにシンバスタチン;(3)HMG−CoAシンターゼインヒビター;(4)コレステロール吸収インヒビター、例えば、FMVP4 (Forbes Medi−Tech), KT6−971 (Kotobuki Pharmaceutical), FM−VAl2 (Forbes Medi−Tech), FM−VP−24 (Forbes Medi−Tech)、スタノールエステル、β−シトステロール、チクェシドなどのステロール配糖体、及びエゼチミブなどのアゼチジノン;及びWO04/005247号など(5)アシルコエンザイムA−コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)インヒビター、例えば、アバシミブ、エフルチミブ、パクチミブ(KY505)、SMP797(Sumitomo)、SM32504(Sumitomo)、及びWO03/091216号で開示されたものなど;(6)CETPインヒビター、例えば、JTT 705 (Japan Tobacco)、トルセトラピブ、CP 532,632、BAY63−2149(Bayer)、SC 591、SC 795など;(7)スクアレンシンセターゼインヒビター;(8)酸化防止剤、例えばプロブコールなど;(9)PPARαアゴニスト、例えば、ベクロフィブレート(beclofibrate)、ベンザフィブレート(benzafibrate)、シプロフィブレート、クロフィブレート、エトフィブレート、フェノフィブレート、ゲムカベン、及びゲンフィブロジル、GW 7647、BM 170744(Kowa)、LY518674(Lilly)、GW590735(GlaxoSmithkline)、KRP−101(Kyorin)、DRF10945(Dr.Reddy)、NS−220/R1593(Nippon Shinyaku/Roche)、ST1929(Sigma Tau)、MC3001/MC3004(MaxoCore Pharmaceuticals)、ゲムカベンカルシウム、他のフィブリン酸誘導体、例えば、Atromid(登録商標)、Lopid(登録商標)、及びTricor(登録商標)、及びUS6,548,538号で公開されたものなど;(10)FXR受容体モジュレータ、例えば、GW 4064 (GlaxoSmithkline), SR 103912, QRX401, LN−6691 (Lion Bioscience),及びWO02/064125号、同第04/045511号など;(11)LXR受容体モジュレータ、例えば、GW 3965 (GlaxoSmithkline), T9013137、及びXTCO179628(X−ceptor Therapeutics/Sanyo)、並びにWO03/031408号、同第03/063796号、同第04/072041号など;(12)リポタンパク質合成インヒビター、例えば、ナイアシン;(13)レニン−アンジオテンシン系インヒビター;(14)PPARδ部分アゴニスト、例えば、WO03/024395号に開示されているもの;(15)胆汁酸再吸収インヒビター、例えば、BARI 1453、SC435、PHA384640、S8921、AZD7706、及び同様のもの;胆汁酸シークエステラント、例えば、コレセベラム(colesevelam)(WELCHOL/ CHOLESTAGEL);(16)PPARγアゴニスト、例えば、GW 501516(Ligand、GSK)、GW 590735、GW−0742(GlaxoSmithkline)、T659(Amgen/Tularik)、LY934(Lilly)、NNC610050(Novo Nordisk)、及び、WO97/28149号、同第01/79197号、同第02/14291号、同第02/46154号、同第02/46176号、同第02/076957号、同第03/016291号、同第03/033493号、同第03/035603号、同第03/072100号、同第03/097607号、同第04/005253号、同第04/007439号、あるいはJP10−237049で公開されたものなど;(17)トリグリセリド合成インヒビター;(18)ミクロソームトリグルセリド輸送(MTTP)インヒビター、例えば、インプリタピド、LAB687、JTTl30(Japan Tobacco)、CP346086、及びWO03/072532号で開示されたものなど;(19)転写モジュレータ;(20)スクアレンエポキシダーゼインヒビター;(21)低密度リポ蛋白(LDL)受容体誘導物質;(22)血小板凝集抑制剤;(23)5−LO又はFLAPインヒビター;並びに(24)HM74A受容体アゴニストを含むナイアシン受容体アゴニスト;(25)PPARモジュレータ、例えば、WO01/25181号、同第01/79150号、同第02/79162号、同第02/081428号、同第03/016265号、同第03/033453号で開示されたもの;(26)WO03/039535号に開示されているようなナイアシン結合クロム;(27)WO03/040114号に開示されている置換酸誘導体;(28)注入HDL、例えば、LUV/ETC−588(Pfizer)、APO−Alミラノ/ETC216(Pfizer)、ETC−642(Pfizer)、ISIS301012、D4F(Bruin Pharma)、合成三量体ApoAl、泡沫細胞を標的とするBioral Apo Alなど;(29)IBATインヒビター、例えば、BARI143/HMR145A/HMR1453(Sanofi−Aventis、PHA384640E(Pfizer)、S8921(Shionogi)、AZD7806(AstrZeneca)、AK105(Asah Kasei)など;(30)Lp−PLA2インヒビター、例えば、SB480848(GlaxoSmithkline)、659032(GlaxoSmithkline)、677116(GlaxoSmithkline)など;(31)脂質組成物に影響を及ぼす他の薬剤、例えば、ETC1001/ESP31015(Pfizer)、ESP−55016(Pfizer)、AGI1067(AtheroGenics)、AC3056(Amylin)、AZD4619(AstraZeneca)など。
【0077】
(c)次のような抗高血圧薬、例えば、(1)利尿薬、例えば、コルタリドン、コルチアジド、ジクロロフェンアミド、ヒドロフルメチアジド、インダパミド及びヒドロクロロチアジドを含むチアジド;ループ利尿薬、例えば、ブメタニド、エタクリン酸、フロセミド及びトルセミド;カリウム保持性利尿薬、例えば、アミロライド及びトリアムテレン;並びにアルドステロン拮抗薬、例えば、スピロノラクトン、エピレノンなど;(2)β−アドレナリン遮断薬、例えば、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、カルテオロール、カルベジロール、セリプロロール、エスモロロール、インデノロール、メタプロロール、ナドロール、ネビボロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロパノロール、ソタロール、タータトロール、チリソロール及びチモロールなど;(3)カルシウムチャネル遮断薬、例えば、アムロジピン、アラニジピン、アゼルニジピン、バルニジピン、ベニジピン、ベプリジル、シナルジピン、クレビジピン、ジルチアゼム、エホニジピン、フェロジピン、ガロパミル、イスラジピン、ラシジピン、レミルジピン、レルカニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモデピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、マニジピン、プラニジピン、及びベラパミルなど;(4)アンジオテンシン変換酵素(ACE)インヒビター、例えば、ベナゼプリル;カプトプリル;シラザプリル;デラプリル;エナラプリル;ホシノプリル;イミダプリル;ロシノプリル;モエキシプリル;キナプリル;キナプリラット;ラミプリル;ペルインドプリル;ペルインドロプリル;クアニプリル;スピラプリル;テノカプリル;トランドラプリル及びゾフェノプリルなど;(5)ニュートラルエンドペプチダーゼインヒビター、例えば、オマパトリラット、カドキサトリル及びエカドトリル、ホシドトリル、サムパトリラット、AVE7688、ER4030など;(6)エンドセリン拮抗薬、例えば、テゾセンタン、A308165、及びYM62899など;(7)血管拡張剤、例えば、ヒドララジン、クロニジン、ミノキシジル、及びニコチニルアルコールなど;(8)アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、例えば、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、プラトサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、及びEXP−3137、FI6828K、及びRNH6270など;(9)α/βアドレナリン遮断薬、例えば、ニプラジロール,アロチノロール及びアモスラロールなど;(10)アルファ1遮断薬、例えば、テラゾシン、ウラピジル、プラゾシン、ブナゾシン、トリマゾシン、ドキサゾシン、ナフトピジル、インドラミン、WHIP 164、及びXEN010など;(11)アルファ2アゴニスト、例えば、ロフェキシジン、チアメニジン、モキソニジン、リリメニジン、及びグアノベンズなど;(12)アルドステロンインヒビターなど;(13)アンジオポイエチン−2結合剤、例えば、WO03/030833号に開示されているもの。
【0078】
(d)抗肥満薬、例えば、(1)5HT(セロトニン)トランスポーター阻害剤、例えば、パロキセチン、フルオキセチン、フェンフルタミン、フルボキサミン、セルトラリン、もしくはイミプラミン、及びWO03/00663号に開示されているもの、並びにセロトニン/ノルアドレナリン再吸収阻害剤、例えば、シブトラミン(MERIDIA/REDUCTIL)など、及びドーパミン取り込み阻害剤/ノルエピネフリン取り込み阻害剤、例えば、塩酸ラダファキシン、353162(GlaxoSmithkline)など;(2)NE(ノルエピネフリン)トランスポーター阻害剤、例えば、GW 320659,デスピラミン、タルスプラム、及びノミフェンシン;(3)CBl(カンナビノイド−1受容体)アンタゴニスト/インバースアゴニスト、例えば、リモナバント(ACCOMPLIA Sanofi Synthelabo)、SR−147778(Sanofi Synthelabo)、AVE1625(Sanofi− Aventis)、BAY 65−2520(Bayer)、SLV 319(Solvay)、SLV326(Solvay)、CP945598(Pfizer)、E−6776(Esteve)、O1691(Organix)、ORG14481(Organon)、VER24343(Vernalis)、NESS0327(Univ of Sassari/Univ of Cagliari)、及び米国特許第4,973,587号、同第5,013,837号、 同第5,081,122号、同第5,112,820号、同第5,292,736号、同第5,532,237号、同第5,624,941号、同第6,028,084号、及び同第6,509367号;ならびにWO96/33159号、同第97/29079号、同第98/31227号、同第98/33765号、同第98/37061号、同第98/41519号、同第98/43635号、同第98/43636号、同第99/02499号、同第00/10967号、同第00/10968号、同第01/09120号、同第01/58869号、同第01/64632号、同第01/64633号、同第01/64634号、同第01/70700号、同第01/96330号、同第02/076949号、同第03/006007号、同第03/007887号、同第03/020217号、同第03/026647号、同第03/026648号、同第03/027069号、同第03/027076号、同第03/027114号、同第03/037332号、同第03/040107号、同第04/096763号、同第04/111039号、同第04/111033号、同第04/111034号、同第04/111038号、同第04/013120号、同第05/000301号、同第05/016286号、同第05/066126号、もしくはEP658546号で開示されたものなど;(4)グレリンアゴニスト/アンタゴニスト、例えば、BVT81−97 (BioVitrum), RC 1291 (Rejuvenon), SRD−04677 (Sumitomo)、非アシル化グレリン(TheraTechnologies)、及びWO01/87335号、WO02/08250号、WO05/012331号で開示されたものなど;(5)H3(ヒスタミンH3)アンタゴニスト/インバースアゴニスト、例えば、チオペラミド、3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピル−N−(4−ペンテニル)カルバメート)、クロベンプロピット、ヨードフェンプロピット、イモプロキシファン、GT2394(Gliatech)、及びA331440、並びにWO02/15905号に開示されているもの;並びにO−[3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノール]カルバメート(Kiec−Kononowicz、K.et al.、Pharmazie、55:349−55(2000))、ピペリジン含有ヒスタミンH3−受容体アンタゴニスト(Lazewska、D.et al.、Pharmazie、56:927−32(2001)、ベンゾフェノン誘導体及び関連化合物(Sasse、A.et al.、Arch.Pharm.(Weinheim)334:45−52(2001))、置換N−フェニルカルバメート(Reidemeister、S.et al.、Pharmazie、55:83−6(2000))、及びプロキシファン誘導体(Sasse、A.et al.、J.Med.Chem.43:3335−43(2000))、並びにWO03/024928号、同第03/024929号に開示されているものなどのヒスタミンH3受容体モジュレーター;(6)メラニン凝集ホルモン1受容体(MCHlR)アンタゴニスト、例えば、T−226296(Takeda)、T71 (Takeda/Amgen)、AMGN− 608450、AMGN−503796 (Amgen)、856464 (Glaxo Smithkline)、A224940(Abbott)、A798(Abbott)、ATC0175/AR224349(Arena Pharmaceuticals)、GW803430(GlaxoSmithkine)、NBI−IA(Neurocrine Biosciences)、NGX−I(Neurogen)、SNP−7941(Synaptic)、SNAP9847(Synaptic)、T−226293(Schering Plough)、TPI−1361−17(埼玉医科大学/カリフォルニア大学アーバイン)、及びWO01/21169号、同第01/82925号、同第01/87834号、同第02/051809号、同第02/06245号、同第02/076929号、同第02/076947号、同第02/04433号、02/51809号
、同第02/083134号、同第02/094799号、同第03/004027号、同第03/13574号、同第03/15769号、同第03/028641号、同第03/035624号、同第03/033476号、同第03/033480号、同第04/004611号、同第04/004726号、同第04/011438号、同第04/028459号、同第04/034702号、同第04/039764号、同第04/052848号、同第04/087680号に開示されたもの、もしくは日本特許出願JP13−226269号、JP14−37059号、JP2004−315511号など;(7)MCH2R(メラニン凝集ホルモン2R)アゴニスト/アンタゴニスト;(8)NPY1(神経ペプチドY Y1)アンタゴニス、例えば、BMS205749、BIBP3226,J−115814、BIBO 3304、LY−357897、CP−671906、及びGI−264879A;並びにUS6,001,836号;及びWO96/14307号、同第01/23387号、同第99/51600号、同第01/85690号、同第01/85098号、同第01/85173号、及び同第01/89528号に開示されているもの;(9)NPY5(神経ペプチドY Y5)アンタゴニスト、例えば、152,804、S2367(Shionogi)、E−6999(Esteve)、GW−569180A、GW−594884A (GlaxoSmithkline)、GW−587081X、GW−548118X;FR235,208;FR226928,FR240662,FR252384;1229U91、GI−264879A、CGP71683A、C−75(Fasgen)、LY−377897,LY366377、PD−160170、SR−120562A、SR−120819A、S2367(Shionogi)、JCF−104,及びH409/22;並びにUS6,140,354号、同第6,191,160号、同第6,258,837号、同第6,313,298号、同第6,326,375号、同第6,329,395号、同第6,335,345号、同第6,337,332号、同第6,329,395号及び同第6,340,683号;EP第01010691号、同第01044970号、及びFR第252384号;及びWO97/19682号、同第97/20820号、同第97/20821号、同第97/20822号、同第97/20823号、同第98/27063号、同第00/107409号、同第00/185714号、同第00/185730号、同第00/64880号、同第00/68197号、同第00/69849号、同第01/09120号、同第01/14376号、同第01/85714号、同第01/85730号、同第01/07409号、同第01/02379号、同第01/02379号、同第01/23388号、同第01/23389号、同第01/44201号、同第01/62737号、同第01/62738号、同第01/09120号、同第02/20488号、同第02/22592号、同第02/48152号、同第02/49648号、同第02/051806号、同第02/094789号、同第03/009845号、同第03/014083号、同第03/022849号、同第03/028726号、同第05/014592号、同第05/01493号;及びNorman et al.、J.Med.Chem.43:4288−4312(2000)に開示されている化合物;(10)レプチン、例えば、組換えヒトレプチン(PEG−OB、Hoffman La Roche)及び組換えメチオニルヒトレプチン(Amgen);(11)レプチン誘導体、例えば、特許番号第5,552,524号、同第5,552,523号、同第5,552,522号、同第5,521,283号;及びWO96/23513号;同第96/23514号;同第96/23515号;同第96/23516号;同第96/23517号;同第96/23518号;同第96/23519号;及び同第96/23520に開示されているもの;(12)オピオイドアンタゴニスト、例えば、ナルメフェン(Revex(登録商標))、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、及びナルトレキソン;並びにWO00/21509号に開示されているもの;(13)オレキシンアンタゴニスト、例えば、SB−334867−A(GlaxoSmithkline)、及びWO01/96302号、同第01/68609号、同第02/44172号、同第02/51232号、同第02/51838号、同第02/089800号、同第02/090355号、同第03/023561号、同第03/032991号、同第03/037847号、同第04/004733号、同第04/026866号、同第04/041791号、同第04/085403号で開示されたものなど;(14)BRS3(ボンベシン受容体サブタイプ3)アゴニスト;(15)CCK−A(コレシストキニン−A)アゴニスト、例えば、AR−R 15849、GI 181771、JMV−180、A−71378、A−71623、PD170292、PD149164、SR146131、SR125180、ブタビンダイド、並びにUS5,739,106号に開示されているもの;(16)CNTF(毛様体神経栄養因子)、例えば、GI−181771(Glaxo−Smithkline);SR146131(Sanofi Synthelabo);ブタビンダイド;及びPD 170,292、PD 149164(Pfizer);(17)CNTF誘導体、例えば、アキソキン(Regeneron);及びWO94/09134号、同第98/22128号、及び同第99/43813号に開示されているもの;(18)GHS(成長ホルモン分泌促進物質受容体)アゴニスト、例えば、NN703,ヘキサレリン、MK−0677、SM−130686、CP−424,391、L−692,429、及びL−163,255、並びにUS6358951号、米国特許出願番号2002/049196及び同2002/022637;及びWO01/56592号、もしくは同第02/32888号に開示されているもの;(19)5HT2c(セロトニン受容体2c)アゴニスト、例えば、APD3546/AR10A(Arena Pharmaceuticals)、ATH88651(Athersys)、ATH88740(Athersys)、BVT933(Biovitrum/GSK)、DPCA37215(BMS)、IK264;LY448100(Lilly)、PNU 22394;WAY 470(Wyeth)、WAY629(Wyeth)、WAY161503(Biovitrum)、R−1065、VRl065(Vernalis/Roche)、YM 348;並びにUS3,914,250号;及びWO01/66548号、同第02/36596号、同第02/48124号、同第02/10169号、同第02/44152号;同第02/51844号、同第02/40456号、同第02/40457号、同第03/057698号、同第05/000849号に開示されているもの;(20)Mc3r(メラノコルチン3受容体)アゴニスト;(21)Mc4r(メラノコルチン4受容体)アゴニスト、例えば、CHIR86036(Chiron)、CHIR915(Chiron);ME−10142(Melacure)、ME−10145(Melacure)、HS−131(Melacure)、NBI72432(Neurocrine Biosciences)、NNC 70−619(Novo Nordisk)、TTP2435(Transtech)、及びWO99/64002号、同第00/74679号、同第01/991752号、同第01/0125192号、同第01/52880号、同第01/74844号、同第01/70708号、同第01/70337号、同第01/91752号、同第01/010842号、同第02/059095号、同第02/059107号、同第02/059108号、同第02/059117号、同第02/062766号、同第02/069095号、同第02/12166号、同第02/11715号、 同第02/12178号、同第02/15909号、同第02/38544号、同第02/068387号、同第02/068388号、同第02/067869号、同第02/081430号、同第03/06604号、同第03/007949号、同第03/009847号、同第03/009850号、同第03/013509号、同第03/031410号、同第03/094918号、同第04/028453号、同第04/048345号、同第04/050610号、同第04/075823号、同第04/083208号、同第04/089951号、同第05/000339号、及びEP1460069号、及びUS2005049269号、及びJP2005−5042839に開示されているもの、並びに同様のもの;(22)モノアミン再取り込み阻害剤、例えば、シブトラトミン(Meridia(登録商標)/Reductil(登録商標))及びその塩、並びにUS4,746,680号、同第4,806,570号、及び同第5,436,272号、米国特許公報第2002/0006964号、及びWO01/27068号、及び同第01/62341号で開示された化合物;(23)セロトニン再取り込み阻害剤、例えば、デキセフェンフルラミン、フルオキセチン、並びにUS6,365,633号、及びWO01/27060号、及び同第01/162341号にあるもの;(24)GLP−1(グルカゴン様ペプチド1)アゴニスト;(25)トピラマート(Topimax(登録商標));(26)フィトファーム化合物57(CP 644,673);(27)ACC2(アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2)阻害剤;(28)β3(ベータアドレナリン作動性受容体3)アゴニスト、例えば、ラフェベルグロン/AD9677/TAK677(Dainippon/Takeda)、CL−316,243、SB 418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、GRC1087(Glenmark Pharmaceuticals)、GW 427353(ソラベグロン塩酸塩)、トレカドリン、Zeneca D7114,N−5984(Nisshin Kyorin)、LY−377604(Lilly)、KT07924(Kissei)、SR 59119A、及び、米国特許第5,705,515号、同第5,451,677号;及びWO94/18161号、同第95/29159号、同第97/46556号、同第98/04526号、同第98/32753号、同第01/74782号、同第02/32897号、同第03/014113号、同第03/016276号、同第03/016307号、同第03/024948号、同第03/024953号、同第03/037881号、同第04/108674号に開示された化合物;(29)DGAT1(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1)阻害剤;(30)DGAT2(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2)阻害剤;(31)セルレニン及びC75などのFAS(脂肪酸シンターゼ)阻害剤;(32)PDE(ホスホジエステラーゼ)阻害剤、例えば、テオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラム及びシロミラスト、並びに、WO03/037432号、同第03/037899号に開示された化合物;(33)甲状腺ホルモンβアゴニスト、例えば、KB−2611(KaroBioBMS)、及び、WO02/15845号;及び日本特許出願2000−256190号に開示された化合物;(34)UCP−1(非結合タンパク質1)、UCP−2、又はUCP−3活性化物質、例えば、
フィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)、及びレチノイン酸;及びWO99/00123号に開示された化合物;(35)アシルエストロゲン、例えば、del Mar−Grasa、M.et al.、Obesity Research、9:202−9(2001)で開示されたオレオイルエストロン;(36)グルココルチコイド受容体アンタゴニスト、例えば、CP472555(Pfizer)、KB 3305、及びWO04/000869号、同第04/075864号に開示された化合物など;(37)11βHSD−1(11−ベータヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−タイプ1)阻害剤、例えば、BVT 3498(AMG 331)、BVT 2733,3−(1−アダマンチル)−4−エチル−5−(エチルチオ)−4H−1,2,4−トリアゾール、3−(1−アダマンチル)−5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、3−アダマンタニル−4,5,6,7,8,9,10,11,12,3a−デカヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a][11]アヌレン、及び、WO01/90091号、同第01/90090号、同第01/90092号、同第02/072084号、同第04/011410号、同第04/033427号、同第04/041264号、同第04/027047号、同第04/056744号、同第04/065351号、同第04/089415号、同第04/037251に開示された化合物など;(38)SCD−1(ステアロイル−CoAデサチュラーゼ−1)阻害剤;(39)ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害剤、例えば、イソロイシンチアゾリジド、バリンピロリジド、シタグリプチン、サクサグリプチン、NVP−DPP728、LAF237(ビルダグリプチン)、P93/01、TSL 225、TMC−2A/2B/2C、FE 999011、P9310/K364、VEP 0177、SDZ 274−444、GSK 823093、E 3024、SYR 322、TS021、SSR 162369、GRC 8200、K579、NN7201、CR 14023、PHX 1004、PHX 1149、PT−630、SK−0403;及び、WO02/083128号、同第02/062764号、同第02/14271号、同第03/000180号、同第03/000181号、同第03/000250号、同第03/002530号、同第03/002531号、同第03/002553号、同第03/002593号、同第03/004498号、同第03/004496号、同第03/005766号、同第03/017936号、同第03/024942号、同第03/024965号、同第03/033524号、同第03/055881号、同第03/057144号、同第03/037327号、同第04/041795号、同第04/071454号、同第04/0214870号、同第04/041273号、同第04/041820号、同第04/050658号、同第04/046106号、同第04/067509号、同第04/048532号、同第04/099185号、同第04/108730号、同第05/009956号、同第04/09806号、同第05/023762号、同第2005/043292号、及びEP第1,258,476号に開示された化合物;(40)リパーゼインヒビター、例えば、テトラヒドロリプスタチン(オーリスタット/XENICAL)、ATL962(Alizyme/Takeda)、GT389255(Genzyme/Peptimmune)Triton WR1339、RHC80267、リプスタチン、ティーサポニン、及びジエチルウンベリフェリルホスフェート、FL−386、WAY−121898、Bay−N−3176、バリラクトン、エステラシン、エベラクトンA、エベラクトンB、及びRHC 80267、並びにWO01/77094号、同第04/111004号、及びUS4,598,089号、同第4,452,813号、同第5,512,565号、同第5,391,571号、同第5,602,151号、同第4,405,644号、同第4,189,438号、及び同第4,242,453号に開示された化合物など;(41)脂肪酸トランスポーター阻害剤;(42)ジカルボキシレートトランスポーター阻害剤;(43)グルコーストランスポーター阻害剤;並びに(44)ホスフェートトランスポーター阻害剤;(45)食欲減退二環式化合物、例えば、1426(Aventis)及び1954(Aventis)、並びにWO00/18749号、同第01/32638号、同第01/62746号、同第01/62747号、及び同第03/015769号に開示された化合物;(46)ペプチドYY及びPYYアゴニスト、例えば、PYY336(Nastech/Merck)、AC162352(IC Innovations/Curis/Amylin)、TM30335/TM30338(7TM Pharma)、PYY336(Emisphere Tehcnologies)、ペグ化ペプチドYY3−36、WO03/026591号、同第04/089279号に開示された化合物など;(47)脂質代謝モジュレーター、例えば、マスリン酸、エリトロジオール、ウルソール酸ウバオール、ベチュリン酸、ベチュリン、及び同様のものなど、並びにWO03/011267号に開示された化合物;(48)転写因子モジュレーター、例えば、WO03/026576号に開示された化合物;(49)Mc5r(メラノコルチン5受容体)モジュレーター、例えば、WO97/19952号、同第00/15826号、同第00/15790号、米国特許20030092041号に開示された化合物など;(50)脳由来神経栄養因子(BDNF);(51)Mc1r(メラノコルチン1受容体モジュレーター、例えば、LK−184(Proctor&Gamble)など;(52)5HT6アンタゴニスト、例えば、BVT74316(BioVitrum)、BVT5182c(BioVitrum)、E−6795(Esteve)、E−6814(Esteve)、SB399885(GlaxoSmithkline)、SB271046(GlaxoSmithkline)、RO−046790(Roche)など;(53)脂肪酸トランスポータータンパク質4(FATP4);(54)アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、例えば、CP640186、CP610431、CP640188(Pfizer);(55)C−末端成長ホルモンフラグメント、例えば、AOD9604(Monash Univ/Metabolic Pharmaceuticals)など;(56)オキシントモジューリン;(57)ニューロペプチドFF受容体アンタゴニスト、例えばWO04/083218号に開示された化合物など;(58)アミリンアゴニスト、例えば、Symlin/プラムリンチド/AC137(Amylin);(59)フーディア及びトリコカウロン抽出物;(60)BVT74713及びその他の腸脂質食欲抑制剤;(61)ドーパミンアゴニスト、例えば、ブプロピオン(ウェルブトリン/GlaxoSmithkline);(62)ゾニサミドなど(ゾネグラン/Dainippon/Elan)など。
【0079】
ニューロメジンU受容体アゴニストと組み合わせて使用することができる特定の化合物としては、特定のCBIアンタゴニスト/インバースアゴニストが挙げられ、そのようなものとしては、WO03/077847号で開示されたもの:例えば、N−[3−(4−クロロフェニル)−2(S)−フェニル−1(S)−メチルプロピル]−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリミジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド、N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド、N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(5−クロロ−3−ピリジル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドなど、及びその薬学的に許容される塩;及びWO05/000809号のもの:例えば、3−{1−[ビス(4−クロロフェニル)メチル]アゼチジン−3−イリデン)−3−(3,5−ジフルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロパンニトリル、1−{1−[1−(4−クロロフェニル)ペンチル]アゼチジン−3−イル}−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロパン−2−オール、3−((S)−(4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)ベンゾニトリル、3−((S)−(4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)ベンゾニトリル、3−((4−クロロフェニル){3−[1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2,2−ジメチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)ベンゾニトリル、3−((1S)−1−{1−[(S)−(3−シアノフェニル)(4−シアノフェニル)メチル]アゼチジン−3−イル}−2−フルオロ−2−メチルプロピル)−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(S)−(4−クロロフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、及び5−((4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−yI}メチル)チオフェン−3−カルボニトリルなど、及びその薬学的に許容される塩;並びに:3−[(S)−(4−クロロフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2−メチルプロピル)アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(4−クロロフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(3−{(1S)−1−[3−(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−5−フルオロフェニル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)(4−クロロフェニル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(4−シアノフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(3−{(1S)−1−[3−(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−5−フルオロフェニル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)(4−シアノフェニル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(4−シアノフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(S)−(4−クロロフェニル)(3−{(1S)−2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−シアノフェニル)[3−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]−メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、5−(3−{1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}−5−フルオロフェニル)−1H−テトラゾール、5−(3−{1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}−5−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−テトラゾール、5−(3−{1−[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]−2−フルオロ−2−メチルプロピル}−5−フルオロフェニル)−2−メチル−2H−テトラゾール、3−[(4−クロロフェニル)(3−{2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(4−クロロフェニル)(3−{2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(4−シアノフェニル)(3−{2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、3−[(4−シアノフェニル)(3−{2−フルオロ−1−[3−フルオロ−5−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−1−イル)メチル]ベンゾニトリル、5−{3−[(S)−{3−[(1S)−1−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}(4−クロロフェニル)メチル]フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−クロロフェニル)[3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−シアノフェニル)[3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−シアノフェニル)[3−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−クロロフェニル)[3−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−((1S)−1−{1−[(S)−[3−(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル](4−クロロフェニル)メチル]アゼチジン−3−イル}−2−フルオロ−2−メチルプロピル)−5−フルオロベンゾニトリル、3−((1S)−1−{1−[(S)−[3−(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル](4−シアノフェニル)メチル]アゼチジン−3−イル}−2−フルオロ−2−メチルプロピル)−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−シアノフェニル)[3−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、3−[(1S)−1−(1−{(S)−(4−クロロフェニル)[3−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]メチル}アゼチジン−3−イル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]−5−フルオロベンゾニトリル、5−[3−((S)−(4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン、5−[3−((S)−(4−クロロフェニル){3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}メチル)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン、4−{(S)−{3−[(1S)−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピル]アゼチジン−1−イル}[3−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]メチル}−ベンゾニトリル、ACOMPLIA(リモナバント、N−(1−ピペリジニル)−5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチルピラゾール−3−カルボキサミド、SR141716A)、3−(4−クロロフェニル−N’−(4−クロロフェニル)スルホニル−N−メチル−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−1−カルボキサミド(SLV−319)、タラナバント(taranabant)、N−[(1S,2S)−3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−メチル−2−[[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]オキシ]プロパンアミドなど、及びその薬学的に許容される塩、が挙げられる。
【0080】
ニューロメジンU受容体アゴニストと組み合わせて使用することができる特定のNPY5アンタゴニストとしては、3−オキソ−N−(5−フェニル−2−ピラジニル)−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),4’−ピペリジン]−1’−カルボキサミド、3−オキソ−N−(7−トリフルオロメチルピリド[3,2−b]ピリジン−2−イル)スピロ−[イソベンゾフラン−1(3H),4’−ピペリジン]−1’−カルボキサミド、N−[5−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニル]−3−オキソスピロ−[イソベンゾフラン−1(3H),4’−ピペリジン]−1’−カルボキサミド、トランス−3’−オキソ−N−(5−フェニル−2−ピリミジニル)スピロ[シクロヘキサン−1、1’(3’H)−イソベンゾフラン]−4−カルボキサミド、トランス−3’−オキソ−N−[1−(3−キノリル)−4−イミダゾリル]スピロ[シクロヘキサン−1,1’(3’H)−イソベンゾフラン]−4−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(5−フェニル−2−ピラジニル)スピロ[4−アザイソ−ベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−N−[5−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニル]−3−オキソスピロ[5−アザイソベンゾフラン−1(3H)、1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−N−[5−(2−フルオロフェニル)−2−ピリミジニル]−3−オキソスピロ[5−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−N−[1−(3,5−ジフルオロフェニル)−4−イミダゾリル]−3−オキソスピロ[7−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(1−フェニル−4−ピラゾリル)スピロ[4−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−N−[1−(2−フルオロフェニル)−3−ピラゾリル]−3−オキソスピロ[6−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(1−フェニル−3−ピラゾリル)スピロ[6−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(2−フェニル−1,2,3−トリアゾール−4−イル)スピロ[6−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、及びその薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0081】
ニューロメジンU受容体アゴニストと組み合わせて使用することができる特定のACC−1/2インヒビターとしては、1’−[(4,8−ジメトキシキノリン−2−イル)カルボニル]−6−(1H−テトラゾール−5−イル)スピロ[クロマン−2,4’−ピペリジン]−4−オン;(5−{1’−[(4,8−ジメトキシキノリン−2−イル)カルボニル]−4−オキソスピロ[クロマン−2,4’−ピペリジン]−6−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)メチルピバレート;5−{1’−[(8−シクロプロピル−4−メトキシキノリン−2−イル)カルボニル]−4−オキソスピロ[クロマン−2,4’−ピペリジン]−6−イル}ニコチン酸;1’−(8−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−2−ナフトイル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)スピロ[クロマン−2,4’−ピペリジン]−4−オン;及び1’−[(4−エトキシ−8−エチルキノリン−2−イル)カルボニル]−6−(1H−テトラゾール−5−イル)スピロ[クロマン−2,4’−ピペリジン]−4−オン;及びその薬学的に許容される塩が挙げられる。MK−3887、L001738791。
【0082】
ニューロメジンU受容体アゴニストと組み合わせて使用することができる特定のMCH1Rアンタゴニスト化合物としては、1−{4−[(1−エチルアゼチジン−3−イル)オキシ]フェニル}−4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2(1H)−オン、4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−1−{4−[(1−イソプロピルアゼチジン−3−イル)オキシ]フェニル}ピリジン−2(1H)−オン、1−[4−(アゼチジン−3−イルオキシ)フェニル]−4−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]ピリジン−2(1H)−オン、4−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−1−{4−[(1−エチルアゼチジン−3−イル)オキシ]フェニル}ピリジン−2(1H)−オン、4−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−1−{4−[(l−プロピルアゼチジン−3−イル)オキシ]フェニル}ピリジン−2(1H)−オン、及び4−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−1−(4−{[(2S)−1−エチルアゼチジン−2−イル]メトキシ}フェニル)ピリジン−2(1H)−オン、又はその薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0083】
ニューロメジンU受容体アゴニストと組み合わせて使用することができる特定のDP−IVインヒビターは、7−[(3R)−3−アミノ−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタノイル]−3−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピラジン、又はその薬学的に許容される塩である。
【0084】
ニューロメジンU受容体アゴニストと組み合わせて使用できる特定のH3(ヒスタミンH3)アンタゴニスト/インバースアゴニストとしては、WO05/077905号に記載されているもの:例えば、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−エチルピリド[2,3−d]−ピリミジン−4(3H)−オン、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−メチルピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、2−エチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、2−メチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)ピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2,5−ジメチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−メチル−5−トリフルオロメチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−5−メトキシ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−5−フルオロ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−7−フルオロ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−メトキシ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−フルオロ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−8−フルオロ−2−メチル−4(3H)−キナゾリノン、3−{4−[(1−シクロペンチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−メチルピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、3−{4−[(1−シクロブチルピペリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−フルオロ−2−メチルピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン、3−{4−[(I−シクロブチル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−2−エチルピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、6−メトキシ−2−メチル−3−{4−[3−(1−ピペリジニル)プロポキシ]フェニル}ピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン、6−メトキシ−2−メチル−3−{4−[3−(1−ピロリジニル)プロポキシ]フェニル}ピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン)、2,5−ジメチル−3−{4−[3−(1−ピロリジニル)プロポキシ]フェニル}−4(3H)−キナゾリノン、2−メチル−3−{4−[3−(1−ピロリジニル)プロポキシ]フェニル}−5−トリフルオロメチル−4(3H)−キナゾリノン、5−フルオロ−2−メチル−3−{4−[3−(1−ピペリジニル)プロポキシ]フェニル}−4(3H)−キナゾリノン、6−メトキシ−2−メチル−3−{4−[3−(1−ピペリジニル)プロポキシ]フェニル}−4(3H)−キナゾリノン、5−メトキシ−2−メチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノン、7−メトキシ−2−メチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノン、2−メチル−3−(4−{3−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、5−フルオロ−2−メチル−3−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノン、2−メチル−3−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)ピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、6−メトキシ−2−メチル−3−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノン、6−メトキシ−2−メチル−3−(4−{3−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4(3H)−キナゾリノンなど、及びその薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0085】
ニューロメジンU受容体アゴニストと組み合わせて使用することができる特定のCCK1Rアゴニストとしては、3−(4−{[1−(3−エトキシフェニル)−2−(4−メチルフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;3−(4−{[1−(3−エトキシフェニル)−2−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;3−(4−{[1−(3−エトキシフェニル)−2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;3−(4−{[1−(3−エトキシフェニル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;及び3−(4−{[1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]カルボニル}−1−ピペラジニル)−1−ナフトエ酸;及びその薬学的に許容される塩が挙げられる。MK−8406。
【0086】
ニューロメジンU受容体アゴニストと組み合わせて使用することができる特定のMC4Rアゴニストとしては、1)(5S)−1’−{[(3R,4R)−1−tert−ブチル−3−(2,3,4−トリフルオロフェニル)ピペリジン−4−イル]カルボニル}−3−クロロ−2−メチル−5−[1−メチル−1−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)エチル]−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4’−ピペリジン];2)(5R)−1’−{[(3R,4R)−1−tert−ブチル−3−(2,3,4−トリフルオロフェニル)−ピペリジン−4−イル]カルボニル}−3−クロロ−2−メチル−5−[1−メチル−1−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)エチル]−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4’−ピペリジン];3)2−(1’−{[(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−クロロ−2−メチル−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4’−ピペリジン]−5−イル)−2−メチルプロパンニトリル;4)1’−{[(3S,4R)−1−tert−ブチル−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−クロロ−2−メチル−5−[1−メチル−1−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)エチル]−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4’−ピペリジン];5)N−[(3R,4R)−3−({3−クロロ−2−メチル−5−[1−メチル−1−(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)エチル]−1’H,5H−スピロ[フロ−[3,4−b]ピリジン−7,4’−ピペリジン]−1’−イル}カルボニル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−シクロペンチル]−N−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン;6)2−[3−クロロ−1’−({(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−[メチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ]−シクロペンチル}−カルボニル)−2−メチル−5H−スピロ[フロ[3,4−b]ピリジン−7,4’−ピペリジン]−5−イル]−2−メチル−プロパン−ニトリル;及びその薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0087】
更に、インクレチンホルモングルカゴン様ペプチド1(GLP−1)の他のペプチド類似体及び模倣体も、ニューロメジンU受容体アゴニストと組み合わせて使用することができる。
【0088】
1種以上のニューロメジンU受容体アゴニストを含有する医薬組成物を個体に投与する方法としては、これに限定されるものではないが、皮内、筋内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻内、硬膜外及び、経口による投与が挙げられる。この組成物は、任意の簡易な経路、例えば、注入又はボーラス注入法、上皮又は粘膜皮膚内層(例えば、口腔粘膜、直腸及び腸の粘膜など)、眼、などを介した吸収により投与することができ、他の生理活性物質と共に投与することもできる。投与は、全身又は局所に対して行うことができる。更に、脳室内注射及び髄膜注射を含む任意の適した経路によって中枢神経系に組成物を投与することが有利な場合がある。脳室内注射は、タンク(reservoir)(例えば、ommaya reservoir)に接続された脳室内カテーテルによって容易に行うことができる。また、経肺投与も、吸入器又は噴霧器の使用とエアロゾール化剤を含有する処方により採用することができる。また、1種以上ニューロメジンU受容体アゴニストを、治療を必要とする領域に局所的に投与することも望ましい場合がある。これは、例えば、これに限定されるものではないが、手術中の局所注入や、注射、カテーテル、座薬、又はインプラントによる局所適用などによって達成することができる。
【0089】
様々な送達系が公知であり、ニューロメジンU受容体アゴニストを投与するために使用することができるものとしては、リポソーム中への封入、ミクロ粒子、マイクロカプセル;ミニセル;ポリマー;カプセル剤;錠剤;などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。1つの実施態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストをベシクル(vesicle)中、特にリポソーム中において送達してもよい。リポソームでは、ニューロメジンU受容体アゴニストは、他の薬学的に許容される担体に加えて、ミセル、不溶性単層、液晶、ラメラ層として水溶液中に凝集形態で存在する脂質などの両親媒性薬剤と併用される。リポソーム製剤のために適した脂質としては、これに限定されるものではないが、モノグリセリド、ジグリセリド、スルファチド、リゾレシチン、リン脂質、サポニン、胆汁酸などが挙げられる。リポゾーム製剤の調製は、例えば、US4,837,028号及び同第4,737,323号で開示されているように当該技術分野の範囲内である。更に別の実施態様において、ニューロメジンU受容体アゴニストは、これに限定されるものではないが、送達ポンプ(例えば、Saudek,et al.,New Engl.J.Med.321:574(1989)を参照)及び半透過性ポリマー性材料(例えば、Howard,et al.,J.Neurosurg.71:105(1989)を参照)などの放出抑制システムにおいて送達することができる。更に、放出抑制システムは、治療標的(例えば、脳)の近傍に配置することができ、その結果、必要な量は、全身性適用量の一部だけで済む。例えば、Goodson,In:Medical Applications of Controlled Release 1984(CRC Press,Bocca Raton,Fla)を参照のこと。
【0090】
特定の障害又は症状の治療において有効な、ニューロメジンU受容体アゴニストを含有する組成物の量は、この障害又は症状の性質に依存し、そして当業者による標準的な臨床技術によって決定することができる。更に、最適な投与量範囲を同定する手助けとして、必要に応じて、インビトロアッセイを使用してもよい。また、製剤において採用される正確な用量は、投与の経路並びに疾患又は障害の重症度に依存し、そして医師の判断及び各患者の状況に従って決定されるべきである。最終的に、主治医が、各個々の患者を治療する組成物の量を決定する。最初、主治医は、少ない投与量で組成物を投与し、患者の反応を観察する。患者に最適な治療効果が得られるまで、組成物の投与量を増加させてもよく、その投与量からそれ以上増やさないようにする。一般に、1日の投与量範囲は、単回投与又は分割投与で、約0.001mg〜約100mg/哺乳動物体重kg、好ましくは0.01mg〜約50mg/kg、最も好ましくは0.1〜10mg/kgの範囲内にある。他方、場合によってはその範囲外の用量を用いることが必要な場合もある。しかし、ニューロメジンU受容体アゴニストを含有する組成物の静脈内投与に好適な投投与量範囲は、一般的に、キログラム(Kg)体重当たり約5〜500マイクログラム(μg)の活性化合物である。鼻腔内投与に好適な投与量範囲は、一般に、約0.01pg/kg体重〜1mg/kg体重である。有効投与量は、インビトロ又は動物モデル試験系から得た用量反応曲線より外挿してもよい。坐薬は、一般的に0.5重量%〜10重量%の範囲で活性成分を含有し、経口製剤は、好ましくは10%〜95%の活性成分を含有する。最後に、主治医は、本発明のニューロメジンU受容体アゴニストを含有する組成物を使用する治療の適切な持続期間を決める。また、投与量は、個々の患者の年齢、体重及び反応に応じても変わる。
【0091】
更に、医薬組成物の1種以上の成分、及びニューロメジンU受容体アゴニストで満たされた1種以上の容器を包含する医薬品パック又はキットを提供する。そのような容器に関連して、医薬品又は生物学的製品の製造、使用又は販売を規制する政府当局により規定された様式の通知書がこのような容器に添付されてもよく、この通知書はヒトへの投与のための製造、使用又は販売に対する当局による認可を反映している。
【0092】
以下の例は、本発明の更なる理解を促進することを意図するものである。
【0093】
実施例1
ヒト又は齧歯動物のNMUR1又はNMUR2発現細胞株の産出
【0094】
NMUR1又はNMUR2をコードしているヒト、マウス、又はラットのcDNAを(Howard et al.Nature 406:70−74(2000)に記載されているように)、pcDNA5(Invitrogen)においてサブクローニングし、Invitrogen(Carlsbad/CA)から購入したFLP−In CHO細胞及びHEK−293 FLP−In細胞にリポフェクトアミン(Invitrogen)を使用してトランスフェクトした。Flp−In系は、酵母からのFlp組み換え酵素を用いて、特有の遺伝子位置での目的遺伝子の組み込みと発現を可能にする。トランスフェクされた細胞は、200μg/mLのハイグロマイシン(Invitrogen)を含有する培養地で培養したものから選択した。集団は初期継代で凍結し、そしてこれらの株は更なる研究に使用された。mRNAを発現した安定したクローンは、FLIPR及びRT−PCRによって機能的に同定した。公共のゲノムデータベースに基づき、齧歯動物のNMUR1受容体は、翻訳のための開始コドンとして従来のメチオニン(ATG)を有しているが、代替の開始コドン(ラットのためのTTG及びマウスのためのCTG)を有していないようである。このようにして、2つの異なった齧歯動物のNMUR1細胞株を産出した。すなわち、1つはゲノムデータベースから予測されるコドンを有する細胞系と、もう1つは開始コドンとして設計されたメチオニン(ATG)を有する細胞系である。更に、ヒト受容体を発現する安定細胞株は、CMVプロモーター下でエクオリン遺伝子を安定して発現するHEK−293/aeq17細胞で産出した。ヒトNMUR2 cDNAは、pCDNA3.1にクローニングし、そして、ヒトNMUR1は、pIRES−puro(Clontech、Mountain View,CA)にサブクローニングし、トランスフェクション後に、G418及びハイグロマイシン(NMUR2)又はピューロマイシン(NMUR1)のどちらかを含む培養液中で細胞を選別した。
【0095】
実施例2
インビトロ機能アッセイ
【0096】
NMU受容体は、主にGαq/11タンパク質を通じてシグナルを発し、これにより、カルシウム流動アッセイを機能活性に利用することができる。
【0097】
FLIPRアッセイ
【0098】
ヒト及び/又は齧歯動物のNMUR1又はヒトNMUR2受容体を発現する安定な細胞株を、ポリリジン被覆384ウェルブラックウォールプレート上にて、12,000細胞/ウェルの密度で終夜プレート培養した。翌日、プレートから培養液を取り除き、それに続いて細胞を、FLIPR緩衝液(20mMのHEPES、0.1%のBSA、2.5mMのプロベネシド(Sigma)、及び1.6mMのTR40を含む1X Hankの緩衝食塩水)中で稀釈したカルシウム感受性色そのFluo−3(Molecular Probes)を用いて充填した。全ての試薬は、特に明記しない限り、Invitrogenから入手した。ペプチドストックは、実験当日に、2mMのストック濃度でDMSOにて再懸濁し、FLIPR緩衝液で稀釈して4μMの作業用ストック溶液とした。
【0099】
室温で90分間のインキュベーションの後、細胞プレートを、FLIPR (Molecular Devices)に充填して、化合物/ペプチド添加前後の細胞の蛍光をモニターした(励起=488nM;発光=540nM)。NMUR発現細胞株について、FLIPRを使用し、1μMペプチドを最も多い投与量として、8〜12点の用量反応を試験した。ペプチド添加後の反応は、各ウェルに対し、最大蛍光単位から刺激直前の蛍光を引いたものとして求めた。EC50は、GraphPad Prism(San Diego, CA)ソフトウェアを使用して計算した。
【0100】
ヒト(表3)、マウス(表4)及びラット(表5)のNMUR1及びNMUR2に対するFLIPRアッセイにおけるニューロメジンU受容体アゴニスト(NMU1−NMU25)のインビトロ活性について調べる。EC50Sは、nM値で示す。パーセント活性は、1μMでの、同濃度でのhNMU−25反応と比較した最大反応を意味する。NT=試験せず。表は、大部分のニューロメジンU受容体アゴニストが二重特異性であり、NMUR1及びNMUR2受容体の両方を結合することを示している。
【0101】
【表3−1】
【0102】
【表3−2】
【0103】
【表4−1】
【0104】
【表4−2】
【0105】
【表5】
【0106】
エクオリン
【0107】
FLIPRに加えて、エクオリンアッセイを使用してNMU受容体機能を評価することもできる。エクオリンクラゲの遺伝子を発現する安定細胞株を使用して、細胞内カルシウム動員をモニターすることにより、GPCRの活性化を報告することができる。その目的は、エクオリン生物発光を特に刺激する化合物を特定することにある。カルシウム依存発光は、腔腸動物発光酵そのセレンテラジンで細胞を処理することにより発生する。つまり、hNMUR1又はhNMUR2を発現するHEK−293/aeq 17細胞の融合性単層を、セレンテラジン(Molecular Probes,Carlsbad,CA)で「チャージ」する。コンフルエントT75フラスコを、300μMのグルタチオン及び0.1%のFBSを含有する培養液で洗浄する。8mLの培養液、0.1%FBS、300μMのグルタチオン、及び20μMのセレンテラジン中で、細胞を37℃にて1時間インキュベートする。続いて、T75フラスコを6mLのECB緩衝液(140mMのNaCl、20mMのKCl、20mMのHEPES、5mMのグルコース、1mMのMgCl、1mMのCaCl2、0.1mg/mLのBSA、pH7.3〜7.4)で洗浄する。ECB緩衝液中で細胞をフラスコから除去し、ペレット化し、そして2×105細胞/mLの濃度で再懸濁する。細胞にアゴニストを加え、ルミノメーターを使用して活性を測定する。
【0108】
IP1アッセイ
【0109】
カルシウムの直接測定に加え、Gq−結合活性と密接に相関のある、ホスファチジル・イノシトールカスケードの主生成物の1つであるミオイノシトール1リン酸(IP1)を測定することにより、NMU受容体活性を決定することができる。IP1レベルを測定するためにHTRF(均一時間分解蛍光)を使用する、Cisbio(ベッドフォード(MA))からのアッセイキット(IPOne)が利用可能である。アッセイはメーカーの使用法に従って行う。つまり、細胞を30,000細胞/ウェルの濃度で終夜、384−ウェルホワイトウォールプレートにプレート培養する。次の日、細胞から培養液を除去し、刺激緩衝液(stimulation buffer)(10mMのHEPES、1mMのCaCl2、0.5mMのMgCl2、4.2mMのKCL、146mMのNaCl、5.5mMのグルコース、50mMのLlCl、pH7.4)で稀釈された10μLのアゴニストを加える。細胞をアゴニストと共に、37℃で1時間インキュベートする。検出分子を加え、IP1−d2接合体及びアンチIP1クリプテート(anti−IP1cryptate)(製造メーカーのプトロコール通りに調製)、並びに細胞を室温で1時間インキュベートする。蛍光をEnvision装置で測定し、結果は、装置から読み取った値の蛍光比から計算する。
【0110】
NMU受容体活性の別の測定法
【0111】
追加データは、NMU受容体のシグナル伝達が、Gαi結合活性を介して起こり得ることを示している。hNMUR1又はhNMUR2のいずれかの活性は、ホルスコリン(10uM)刺激cAMP蓄積の阻害をもたらすことを示している。Gi結合ジグナルを測定するために、ホルスコリン誘導cAMPの阻害を測定することができる。つまり、実験前に細胞を24時間プレート培養する。ニューロメジンU受容体アゴニストを細胞に加え、10分間インキュベートし、続いて10μMのホルスコリンを加える。10分間インキュベートした後、細胞からcAMPを抽出し、ラジオレセプタアッセイによって測定する。cAMPのベースレベル及びcAMPのホルスコリン刺激レベルを、アゴニスト処理の有無によって測定する。
【0112】
種間でのNMUR1に対して特異的なNMUR1サブタイプ選択的ニューロメジンU受容体アゴニストに対する機能データ及び結合データのまとめを表6及び表7に示す。活性は、天然hNMUの反応と比較してパーセントで計算する。
【0113】
【表6】
【0114】
【表7】
【0115】
実施例3
結合アッセイ
【0116】
膜調製:
【0117】
NMU受容体を発現する融合性細胞単層(上記のHEK細胞)を、リン酸緩衝溶液で収穫し、遠心分離法で採取し、膜緩衝液(50mMのTrisCl(pH7.4)、5mMの塩化マグネシウム、1Xプロアテーゼインヒビターカクテル、10μMのホスホラミドン)で再懸濁した。細胞ペレットをホモジナイズした後、その溶液を18,000rpmにて4℃で20分間遠心分離した。ペレットを膜緩衝液で再懸濁し、最終濃度0.5〜5μg/μLの膜を得て、−80℃で保存した。
【0118】
125I−hNMU−25結合アッセイ:
【0119】
実験は、2〜5μgの膜及び0.1nMの125I−hNMU−25(約12,000cpm/ウェル)を使用して、96ウェルフォーマットで200μL容量にて、アッセイ緩衝液(25mMのTrisCl(pH7.4)、10mMのMgCl2、2mMのEDTA、1Xプロアテーゼインヒビターカクテル、100μg/mLのバシトラシン(Bacitricin)、10μMのホスホラミドン)中で実施した。非特異的結合に対しては、1μMのhNMU−25を加えた。約5μLのペプチドを加えてアンタゴニスト活性を測定し、反応物全体を振盪しながら室温で80分間インキュベートした。反応は、0.3%のポリエチレンイミン含浸ミリポア96−ウェルフィルタープレートを通して急速に濾過することによって終結させ、氷冷緩衝液(5mMのTrisCl(pH7.4)、10mMのMgCl2、2.5mMのEDTA、0.04%のTritonX−100)で洗浄した。プレートは、室温で終夜風乾し、回復した放射活性を標準のシンチレーション計測により測定した。IC50は、GraphPad Prismソフトウェアを使用して求めた。
【0120】
実験データ解析:
【0121】
濃度−反応曲線及び放射リガンド結合データは、Prism(GraphPadソフトウエア)を使用してフィッティングした。結果は、下記の表8及び表9にまとめた。
【0122】
【表8】
【0123】
【表9−1】
【0124】
【表9−2】
【0125】
実施例4
ニューロメジンU受容体アゴニストの合成
【0126】
当該技術分野で周知の技術を使用してニューロメジンU受容体アゴニストを生成することができる。例えば、短縮型(truncated)NMU類似体のポリペプチド領域を化学的に又は生化学的に合成することができ、所望により、修飾することによりブロックされたN−末端及び/又はブロックされたC−末端を生成することができる。ポリペプチドの化学的合成のための技法は、当該技術分野において周知である(例えば、Vincent,Peptide and Protein Drug Delivery,New York, N.Y.,Dekker,1990を参照のこと)。細胞中への核酸の導入及び核酸の発現に関する生化学合成のための手法の例としては、Ausubel,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley,1987−1998、及びSambrook,et al., in Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989において提供されている。
【0127】
1.1 アミノ酸置換及び修飾
【0128】
ニューロメジンU受容体アゴニストNMU1は、40kDaの分岐したPEGが天然ヒトニューロメジンUペプチドのN−末端に結合したペグ化ペプチドである。ペプチドのN−末端基は、分岐した(PEG)240K N−ヒドロキシスクシンイミド類似体(例えば、mPEG2−NHS−40k;Nektar,San Carlos,CA;カタログ番号2Z3Y0T01)でアシル化した。これは、改善された薬理学的特性を有するニューロメジンU受容体アゴニストを産出するように設計した。NMUの野生型配列であるペプチド前駆体を、40kDaの分岐したPEGのN−ヒドロキシスクシンイミド誘導体と反応させた。この試薬によるペグ化は、特にペプチドのN−末端アミノ基において生じるが、それは、N−末端アミノ基がペプチドにおいて唯一利用可能なアミノ基であるためである。
【0129】
ニューロメジンU受容体アゴニストNMU2は、天然のNMUペプチドがN−末端でアセチル化されたものである。これは、アセチル化、より一般的には、活性におけるN−末端でのアシル化の影響を研究するために設計された。残基19〜25の最小活性配列に基づいて、N−末端に追加のアセチル化システイン残基を付加することにより、これらの残基17〜25でペプチド配列を修飾した。システインのチオール化基は、(a)結合のためのコントロールペプチドであるNMU6を得るためのN−エチルマレイミド;(b)改善されたインビボ薬理学的特性を有するように設計されたペグ化類似体であるNMU7を得るための(PEG)2 40kDa;又は(c)改善されたインビボ薬理学的特性を有するように設計された脂質化された類似体であるNMU11を得るためのコレステロール基、によって更に誘導化した。
【0130】
他のペプチド配列は、天然のNMU配列から始めて、N末端でアセチル化システイン残基を加えながら、設計された。例えば、システインのチオール化基は、(a)結合のためのコントロールペプチドであるNMU8を得るためのN−エチルマレイミド;(b)NMU9を得るためのNektar(mPEG2−MAL−40k、カタログ番号2D3Y0T01)からの(PEG)240kDa、又はNMU12をを得るためのNOF Corporation,Japan(SUNBRIGHT GL2−400MA)からの(PEG)240kDa;(c)NMU10を得るためのコレステロール基;(d)NMU21を得るための(PEG)20kDa;(e)NMU26を得るための(PEG)240kDa;又は(f)NMU27を得るための(PEG)40kDa、で誘導化した。これらのすべてのニューロメジンU受容体アゴニストは、改善されたインビボ薬理学的特性を有するように設計された。
【0131】
他のペプチドの例において、20位の天然NMU−25アミノ酸残基は、D−アラニンに、並びに21位のアミノ酸残基はトリプトファンに変わっている。これらの突然変異は、NMUR1受容体に対する選択性を追加し、N−末端に追加のアセチル化システイン残基を有する。システインのチオール化基は、(a)コントロールペプチドであるNMUl3を得るためのN−エチルマレイミド;(b)改善されたインビボ薬理学的特性を有するように設計されたペグ化類似体であるNMU14を得るための(PEG)240kDa、によって誘導化した。
【0132】
ペプチドNMU15及びペプチドNMU16は、アミノ酸残基19〜25を含む最小活性配列に基づくペグ化ペプチドを得るように設計された。配列は、スペーサー及びアセチル化システイン残基としてのTtds基(1−アミノ4,7,10−トリオキサ−13−トリデカンアミンコハク酸)のN−末端への導入によって修飾した。スペーサーは、PEG部分を付加することによって最小配列の活性への影響を最小にするために導入した。システインのチオール化基は、(a)結合のためのコントロールペプチドを得るためのN−エチルマレイミド;(b)改善したインビボ薬理学的特性を持つように設計したペグ化類似体であるNMU16を得るための(PEG)240kDa、によって誘導体化した。
【0133】
ペプチドNMU17及びペプチドNMU18は、N−末端の短縮型(truncated)配列12〜25に基づいてペグ化ペプチドが得られるように設計した。ペプチドは、N−末端に追加のアセチル化システイン残基を有する。システインのチオール化基は、(a)結合のためのコントロールペプチドであるNMU17を得るためのN−エチルマレイミド;(b)改善されたインビボ薬理学的特性を有するように設計されたペグ化類似体であるNMU18を得るための(PEG)240kDa、によって誘導体化した。
【0134】
ペプチドNMU19及びペプチドNMU20は、N−末端の短縮型(truncated)配列7〜25に基づいてペグ化ペプチドを得るように設計した。ペプチドは、N−末端に追加のアセチル化システイン残基を有する。システインのチオール化基は、(a)結合のためのコントロールペプチドであるNMU19を得るためのN−エチルマレイミド;又は、(b)改善されたインビボ薬理学的特性を有するように設計されたペグ化類似体であるNMU20を得るための(PEG)240kDa、によって誘導体化した。
【0135】
ペプチドNMU22及びペプチドNMU23は、天然のNMU配列から開始し、N−末端で2つのシステイン残基を加えるように設計した。ペプチドのN−末端をアセチル化した。システインのチオール化基は、(a)結合のためのコントロールペプチドであるNMU22を得るためのN−エチルマレイミド;又は、(b)改善されたインビボ薬理学的特性を有するように設計されたペグ化類似体であるNMU23を得るための(PEG)20kDa、によって誘導化した。
【0136】
ペプチドNMU24及びペプチドNMU25は、N−末端でパルミトイル化されたシステイン残基が付加された天然のNMU配列に基づいている。それらは、(1)N−末端パルミトイル化、又はより一般的には、脂肪酸鎖によるアシル化;及び、(2)ペグ化及び脂質化の両方の組み合わせ効果の活性への影響を研究するために設計されている。システインのチオール化基は、(a)改善されたインビボ薬理学的特徴を有するように設計され、結合のためのコントロールペプチドとして機能するように設計された脂質化類似体であるNMU24を得るためのN−エチルマレイミド;(b)NMU25を得るための(PEG)240kDa(この脂質化及びペグ化した類似体は、改善されたインビボ薬理学的特性を有するように設計された)、によって誘導体化した。
【0137】
ペプチドNMU28及びペプチドNMU29は、天然のNMU残基17−25に及ぶ。アセチル化システイン残基に、スペーサーとして機能するように、Ttds基及びN−末端を付加した。スペーサーは、PEG部分の追加によって配列の活性への影響を最小にするために導入した。システインのチオール化基は、(a)結合のためのコントロールペプチドであるNMU28を得るためのN−エチルマレイミド;又は、(b)改善されたインビボ薬理学的特性を有するように設計されたペグ化類似体であるNMU29を得るための(PEG)240kDa、によって誘導体化した。
【0138】
1.2. ペグ化及び/又はコレステロイル化
【0139】
本発明のニューロメジンU受容体アゴニストのペグ化部位は、NMUの構造及びNMU受容体との相互作用を考慮して選択した。したがって、ペグ化は、好ましくは部位選択的である。ペプチドNMUのN−末端アミノ基は、配列における唯一利用可能なアミノ基であるため、ペプチドNMUのN−末端アミノ基でのペグ化は可能である。例えば、ペプチドのN−末端基を、分岐した(PEG)240kDa N−ヒドロキシスクシンイミド類似体(例えば、mPEG2−NHS−40k;Nektar、CA;カタログ番号2Z3Y0T01)でアシル化した。
【0140】
1.3. ニューロメジンU受容体アゴニストの合成
【0141】
ニューロメジンU受容体アゴニスト(表1参照)は、Fmoc/tBu化学を使用し、ペプチドシンセサイザーABI433A(Applied Biosystems)により、固相で合成した。各ペプチドに対して、0.75gの樹脂Fmoc−Linker AM−Champion、1%架橋(Biosearch Technologies, Inc., Novato, CA)および修飾したRinkリンカーのp−[(R,S)−α−[9H−フルオレン−9−イル−メトキシホルムアミド]−2,4−ジメトキシベンジル]−フェノキシ酢酸(Rink,Tetrahedron Lett.28:3787−3789(1987);Bernatowicz,et al.,Tetrahedron Lett.30:4645−4667(1989))で誘導体化したPEG−PSベース樹脂を使用した。アシル化反応は、樹脂遊離アミノ基上で4倍過剰の活性化アミノ酸により、60分間実施した。アミノ酸は、等モル量のHBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1−3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)及び2倍モル過剰のDIEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)でDMF中において活性化した。
【0142】
あるいはまた、ペプチドは、Fmoc/t−Bu化学を使用してPioneer Peptide Synthesizer(Applied Biosystems)において、固相によって合成した。この場合、全てのアシル化反応は、シンセイサイザー上でペプチドアセンブリの終わりに、4倍過剰の活性化アミノ酸を用いて、樹脂遊離アミノ基上で60分間実施した。側鎖保護基は、Asp、Glu、Ser、及びTyrに対してはtert−ブチル;Asn、Cys、及びGlnに対してはトリチル;Argに対しては2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニルであった。N−末端アセチル化反応は、DMF中における10倍過剰の無水酢酸との反応により、ペプチドアセンブリの終わりにおいて実施した。N−末端パルミトイル化反応(NMU24及びNMU25に対し)は、樹脂遊離アミノ基上での4倍過剰の活性化パルミチン酸との反応により、ペプチドアセンブリの終わりに実施した。パルミチン酸は、DMF中における等モル量のDIPC(1,3−ジイソプロピルカルボジイミド)及びHOBt(ヒドロキシベンゾトリアゾール)により活性化した。
【0143】
合成の終わりに、乾燥ペプチド樹脂を、個別に、室温で2.5時間、20mLの開裂混合物、88%のTFA、5%のフェノール、2%のトリイソプロピルシラン、及び5%の水で処理した(Sole及びBarany,J.Org.Chem.57:5399−5403(1992))。各樹脂をフィルターにかけ、ペプチドを沈殿させるためにその溶液を冷メチル−t−ブチルエーテルに加えた。遠心分離の後、ペプチドペレットを新鮮な冷メチル−t−ブチルエーテルで洗浄して、有機スカベンジャーを除去した。この工程を二度繰り返した。最終的にペレットは乾燥させ、H2O、20%アセトニトリル中に再懸濁させ、凍結乾燥した。
【0144】
粗ペプチドは、セミ分取Waters RCM Delta−Pak(登録商標) C4又はC18カートリッジ(40x200mm、15μm)を使用し、溶出液として(A)0.1%TFAの水溶液及び(B)0.1%TFAのアセトニトリル溶液を使用し、流量80mL/分で、逆相HPLCによって精製した。分析HPLCは、Phenomenex,Jupiter C4カラム(150x4.6mm、5μm)又はReproSil−Pur300 C4カラム(150x4.6mm、5μm)(Dr.Maisch GmbH)又はBeckman、Ultrasphere C18カラム(250x4.6mm、5μm)で、流速1mL/分にて行った。精製したペプチドは、Micromass LCZプラットホームでのエレクトロスプレイ質量分析によって同定した。
【0145】
ペプチドNMU6の合成は、チオール含有NMUペプチド前駆体をHEPES 0.1M pH7.3、EDTA 4mMに溶かすことによって実施した。そして、1.5モル過剰のN−エチルマレイミドを加えた。1時間インキュベートした後、ペプチドをHPLCで精製した。
【0146】
ペプチドNMU8の合成は、チオール含有NMUペプチド前駆体をHEPES 0.1M pH7.3,EDTA 4mMに溶かすことによって実施した。そして、1.5モル過剰のN−エチルマレイミドを加えた。1時間インキュベートした後、ペプチドをHPLCで精製した。
【0147】
ペプチドNMU13の合成は、チオール含有NMUペプチド前駆体をHEPES 0.1M pH7.3,ウレア8M、EDTA 4mMに溶かすことによって実施した。そして、1.5モル過剰のN−エチルマレイミドを加えた。1時間インキュベートした後、ペプチドをHPLCで精製した。
【0148】
ペプチドNMU15の合成は、チオール含有NMUペプチド前駆体をHEPES 0.1M pH7.3,EDTA 4mMに溶かすことによって実施した。そして、1.5モル過剰のN−エチルマレイミドを加えた。1時間インキュベートした後、ペプチドをHPLCで精製した。
【0149】
ペプチドNMU17の合成は、チオール含有NMUペプチド前駆体をHEPES 0.1M pH7.3,EDTA 4mMに溶かすことによって実施した。そして、1.5モル過剰のN−エチルマレイミドを加えた。1時間インキュベートした後、ペプチドをHPLCで精製した。
【0150】
ペプチドNMU19の合成は、チオール含有NMUペプチド前駆体をリン酸ナトリウム 0.1M pH6.5,ウレア4M、EDTA 4mMに溶かすことによって実施した。そして、1.5モル過剰のN−エチルマレイミドを加えた。1時間インキュベートした後、ペプチドをHPLCで精製した。
【0151】
ペプチドNMU22の合成は、チオール含有NMUペプチド前駆体をリン酸ナトリウム0.2M pH6.5,ウレア8M、EDTA 4mMに溶かすことによって実施した。そして、3モル過剰のN−エチルマレイミドを加えた。1時間インキュベートした後、ペプチドをHPLCで精製した。
【0152】
ペプチドNMU24の合成は、チオール含有NMUペプチド前駆体をリン酸ナトリウム0.2M pH6.5,ウレア8M、EDTA 4mMに溶かすことによって実施した。そして、3モル過剰のN−エチルマレイミドを加えた。1時間インキュベートした後、ペプチドをHPLCで精製した。
【0153】
ペプチドNMU28の合成は、チオール含有NMUペプチド前駆体をHEPES 0.1M pH7.3,EDTA 4mMに溶かすことによって実施した。そして、1.5モル過剰のN−エチルマレイミドを加えた。1時間インキュベートした後、ペプチドをHPLCで精製した。
【0154】
1.4.ニューロメジンU(NUM)類似体のペグ化
【0155】
ペグ化反応は、アミド結合(NMU1)形成又はチオエーテル結合形成が可能な条件下で実施した。次いで、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)及びサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用してペグ化NMUペプチドを単離した。陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)は、TSK SP−5PW(Tosoh)カラム(16 x 100mm)で、NaCl(0〜1M)の直線勾配、3.5カラム容量、0.2%ギ酸、流速量1mL/分、勾配溶出2mL/分で実施した。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、TSK−HW50(Tosoh)カラム(21 x 700 mm)にて、酢酸0.1%(w/v)、30%アセトニトリル、流速1mL/分で実施した。ペグ化NMU類似体は、RP−HPLC、HPLC−SEC、及びMALDI−Tof質量スペクトル分析を使用して同定した。
【0156】
NMU1ペプチドは、アミド結合を介して共有結合したPEGを有する誘導体を製造するために、天然のNMUペプチド前駆体から合成した。
【0157】
NMU1の合成
8.7mgのペプチド前駆体(2.8μモル)を、1.5mLの0.2M HEPES,pH7.3に溶解した。次いで、3.5mLの水に溶解させた360mgのmPEG2−NHS−40k(NEKTAR、2Z3Y0t01)(8.6μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:3)をこの溶液に加えた。18時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。NMU7、NMU9、NMU12、NMU14、NMU16、NMU18、NMU20.NMU21、NMU23、NMU25、NMU26、NMU27、及びNMU29ペプチドは、チオエーテル結合を介して共有結合したPEGを有する誘導体を製造するために、チオール含有NMUペプチド前駆体から合成した。
【0158】
NMU7の合成
10mgのペプチド前駆体(7.6μモル)を、1mLの0.2M HEPES,pH7.3,4mM EDTAに溶解した。次いで、3mLの水に溶解させた340mgのmPEG2−MAL−40k(NEKTAR、2D3Y0T01)(8.4μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1.1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0159】
NMU9の合成
15mgのペプチド前駆体(4.6μモル)を、1mLの0.2M リン酸ナトリウム,pH6.5,ウレア 8M,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた204mgのmPEG2−MAL−40k(NEKTAR、2D3Y0T01)(5.1μモル)(ペプチド:PEG=1:1.1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0160】
NMU12の合成
8mgのペプチド前駆体(2.5μモル)を、1mLの0.1M HEPES,pH7.3,ウレア 8M,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた115mgのSUNBRIGHT GL2−400MA(NOF Corp.)(2.7μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1.1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0161】
NMU14の合成
10mgのペプチド前駆体(3.1μモル)を、1mLの0.1M HEPES,pH7.3,ウレア8M,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた145mgのSUNBRIGHT GL2−400MA(NOF Corp.)(3.4μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1.1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0162】
NMU16の合成
8.3mgのペプチド前駆体(6.0μモル)を、1mLの0.1M HEPES,pH7.3,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた280mgのSUNBRIGHT GL2−400MA(NOF Corp.)(6.6μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1.1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0163】
NMU18の合成
10mgのペプチド前駆体(5.4μモル)を、1mLの0.1M HEPES,pH7.3,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた250mgのSUNBRIGHT GL2−400MA(NOF Corp.)(5.9μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1.1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0164】
NMU20の合成
10mgのペプチド前駆体(4.1μモル)を、1mLの0.1M リン酸ナトリウム,pH7.3,ウレア4M,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた174mgのSUNBRIGHT GL2−400MA(NOF Corp.)(4.1μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0165】
NMU21の合成
10mgのペプチド前駆体(3.1μモル)を、1mLの90mM リン酸ナトリウム,pH6.6,ウレア4M、4mM EDTAに溶解した。次いで、1mLの水に溶解させた65mgのSUNBRIGHT ME−200MA(NOF Corp.)(3.1μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0166】
NMU23の合成
10mgのペプチド前駆体(3.0μモル)を、1mLの90mM リン酸ナトリウム,pH7.1,ウレア8M,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた157mgのSUNBRIGHT ME−200MA(NOF Corp.)(7.5μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:2.5)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0167】
NMU25の合成
10mgのペプチド前駆体(2.9μモル)を、1mLの90mMリン酸ナトリウム,pH7.1,ウレア8M、4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた125mgのSUNBRIGHT GL2−400MA(NOF Corp.)(2.9μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0168】
NMU26の合成
10mgのペプチド前駆体(3.1μモル)を、1mLの90mMリン酸ナトリウム,pH7.1,ウレア8M,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた70mgのSUNBRIGHT GL2−200MA(NOF Corp.)(3.1μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0169】
NMU27の合成
10mgのペプチド前駆体(3.1μモル)を、1mLの90mMリン酸ナトリウム,pH7.1,ウレア8M,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた136mgのmPEG−マレイミド−40kDa(DOWpharma、008−016)(3.4μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1.1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0170】
NMU29の合成
8mgのペプチド前駆体(5.1μモル)を、1mLの0.1M HEPES,pH7.3,4mM EDTAに溶解した。次いで、2mLの水に溶解させた217mgのSUNBRIGHT GL2−400MA(NOF Corp.)(5.1μモル)(ペプチド:PEGのモル比=1:1)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、ペグ化ペプチド溶液をギ酸1%まで酸性化し、陽イオン交換クロマトグラフィー(IXC)により精製した。IXC精製ペグ化ペプチドは、更にSECによって精製し、RP−HPLC及びMALDI−Tofにより同定した。
【0171】
1.5.ニューロメジンU(NMU)類似体のコレステロイル化
【0172】
コレステロールによる誘導体化は、チオエーテル結合の形成が可能な条件下で実施した。次いで、コレステロイル化されたニューロメジンU受容体アゴニストを、RP−HPLCによって精製し、エレクトロスプレイ質量分析によって同定した。
【0173】
NMU10の合成
18mgのペプチド前駆体(5.6μモル)を、1mLのDMFに溶解した。次いで、70μLのTHFに溶解させた3mgのコレステリルブロモアセテート(14μモル)(ペプチド:コレステリルブロモアセテートのモル比=1:1.1)、及び5μLのDIEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)(ペプチドに対して2.5倍モル過剰)をこの溶液に加えた。1時間のインキュベーション後、コレステロイル化されたペプチドをRP−HPLCによって精製し、エレクトロスプレイ質量分析によって同定した。
【0174】
NMU11の合成
17mgのペプチド前駆体(12.9μモル)を、1mLのDMFに溶解した。次いで、0.17mLのTHFに溶解させた7.2mgのコレステリルブロモアセテート(14μモル)(ペプチド:コレステリルブロモアセテートのモル比=1:1.1)、及び11.7μLのDIEA(ペプチドに対して5倍モル過剰)をこの溶液に加えた.1時間のインキュベーション後、コレステロイル化されたペプチドをRP−HPLCによって精製し、エレクトロスプレイ質量分析によって同定した。
【0175】
実施例5
NMU及びその類似体を用いた給餌試験
【0176】
標準の相同組換法を使用して、NMUR1ノックアウト(Nmur1−/−)マウスを得た。続いて、Nmur1マウスをTaconic Farmsに移して、75% C57BL/6 x 25% 129S6/SvEv混合遺伝的背景に維持するか、C57BL/6に6世代戻して交配させた。NMUR2ノックアウト(Nmur2−/−)マウスは、Deltagen Inc., San Mateo, CAから認可を受け、続いてTaconic Farmsに移して、75% C57BL/6 x 25% 129/OlaHsd混合遺伝的背景に維持するか、C57BL/6に7世代戻し交配させた。NMUR1及びNMUR2の二重ノックアウト(Nmur1&2−/−)マウスは、N6 Nmur1−/−マウスをN7 Nmur2−/−マウスと交配することによって得た。マウスは、個々に、従来のSPF施設のTecniplastケージに収容した。マウスは、最初、通常の食事で飼育し、続いて、早期は高脂肪食(D12492:脂肪から60%kcal;Research Diets,Inc.,New Brunswick,NJ)に切り替え、適宜自由に水を飲めるようにして、12時間(明)/12時間(暗)のサイクルで飼育した。
【0177】
適宜餌を与えられた食餌誘発性肥満の雄のマウスは、明期から暗期へうつる約30分前に、体重を測定し、腹腔内か皮下注射のどちらかで投与し、予め重量を測定した高脂肪食D12492のアリコートを与え、次いで、最初の暗期の開始後、2時間及び18時間(1日目)、42時間(2日目)、66時間(3日目)、及び90時間(4日目)に体重を測定した。18、42、66、及び90時間の時点でマウスの体重を測定した。データは、給餌研究の結果を示している(全ての値は平均±SEMとして報告され、データは両側独立スチューデントt検定を使用して分析した;p値≦0.05は、有意であるとしてアスタリスクで示した)。
【0178】
図2A及び2Bに示されているように、NMUR1−選択的ペプチド(ニューロメジンU受容体アゴニストH及びNMU13)の急性末梢投与は、野生型マウスにおいて食物摂取を著しく減少させたが、Nmur1ノックアウトマウスではそうではなく、NMUR1がこれらの類似体の食欲抑制作用に必要であることを示している。更に、これらのデータは、NMUR1−選択的アゴニズムが、汎NMUR1/2アゴニストNMUの食欲抑制作用を再現するのに十分であることを示している。
【0179】
図3A及び3Bは、ペグ化NMUの急性皮下投与が、投与後3日間にわたって食物摂取を減少させることを示している。ペグ化類似体のインビトロ及びインビボの代謝プロフィールは一致しており、NMUは、hNMU−25と比較した場合、終夜において食物摂取を減少させるより素晴らしい効果を示し、食物摂取における減少は、投与後3日間観察された。また、体重の著しい減少も観察された。
【0180】
図4A及び4Bは、NMUR1も、有効な食欲抑制ペプチドであることを示している。NMU1と同様に、ペプチドの1回の皮下投与後に、食物摂取及び体重において著しい減少が、3日間観察される。
【0181】
更に、図5A及び5Bは、NMU12の食欲抑制効果は、NMUR1受容体及びNMUR2受容体によって媒介されることを示している。NMU12の急性投与は、野生型動物においては効果が高いが、NMUR1/NMUR2二重ノックアウト動物では効果が観察されなかった。NMUR2受容体での効果は、主に脳内で生じるため、この結果は、NMU12が血液−脳関門を通過できることを示している。食物摂取と体重を減少させるNMUR2の効果は、中枢曝露(central exposure)を必要とするのに対し、NMUR1の場合は、末梢曝露(periheral exposure)を必要とする。
【0182】
図6A及び6Bは、ペグ化NMU12の長期の食欲抑制効果が、NMUR1受容体とNMUR2受容体の両方によって媒介されることを示している。食物摂取及び体重における減少は、NMUR1ノックアウト動物において、投与後2日間観察される。しかし、NMUR2ノックアウト動物では、終夜の効果のみが観察される。これは、NMUR1によってのみ媒介されるhNMU−25の食欲抑制作用と対照的であり、hNMU−25及びNMUR2が、異なる作用メカニズムを有していることを示している。
【0183】
図7A〜7Cは、NMU12の長期投与により、食物摂取及び体重を減少させることが可能であることを示している。NMUR12は、連日(QD)、隔日(Q2D)、3日毎(Q3D)に投与した。パネルAは、治療開始後9日間における体重の累積変化を示している。試験の4日目に最後の投与を行い、9日目まで測定を行った。累積食物摂取(B)及び体重(C)は、NMU12に対する全ての投薬パラダイムにおいて著しく減少した。食物摂取は、溶媒投与群と比較して、これらの投与量で12〜27%減少した。同様に、体重の累積変化は、溶媒対照群と比較して、3.3%から最大7.3%までの範囲で減少したことを示している。
【0184】
hNMU−25およびNMU類似体のインビボ実験からの食物摂取及び体重の変化における減少比率の要約を表10に示す。計算は溶媒の応答をベースとしている。
【0185】
【表10】
【0186】
実施例6
血漿安定性実験
【0187】
様々な種からの血漿におけるNMU12及びNMU1の安定性を評価するため、インビボでのスパイクイン(spike−in)実験を実施した。NMU12、NMU1、又はhNMU−25を、最終濃度が1μMとなるように血漿(Bioreclamationから購入)に加え、様々な温度(室温、4℃、及び37℃)でインキュベートした。様々なタイミングでこれらの血漿試料のアリコートを採取し、−80℃で凍結し、続いて、様々なインキュベーション時間後に残存している活性ペプチドの比率を決定するために、細胞株発現ヒトNMUR1によってFLIPRアッセイにかけた。試料中に残存しているペプチドの活性比率は、ペプチド試料に任意の温度負荷をかける前の開始時間(T=0)での試料に対するFLIPR応答に基づいて計算した。
T=0では、期待される回復は100%である。
【0188】
図8は、スパイクイン実験によるヒト血漿中でのhNMU−25並びにペグ化ニューロメジンU受容体アゴニストNMU1及びNMU12のインビトロ安定性を示しており、NMUのペグ化により、ヒト血漿中での安定性が向上することを示している。ヒト血漿におけるhNMU−25の半減期は16時間未満であったが、ペグ化アゴニストNMU1(ペグ化hNMU−25)及びNMU12は、37℃でインキュベートされたヒト血漿中において、3日間を超える半減期を示した。
【0189】
実施例7
バイオアッセイを使用するペプチドの薬物動態分析
【0190】
ニューロメジンU受容体アゴニストNMU12の投与された動物における曝露レベルは、バイオアッセイを使用して測定し、hNMU−25曝露レベルと比較した。動物に、10mg/kgのNMU12又はhNMU−25を皮下投与し、投与後の様々なタイミングで血漿を採取した。バイオアッセイは、FLIPRベースのアッセイであり、基本的に上記で説明したように以下のような変更を加え実施した。アッセイ前の試料調製は、血漿試料の分解を最小にするために氷の上で実施した。アッセイは、最終濃度4%血漿にて行った。投与された血漿で3点滴定を行い、FLIPRを使用して、細胞株を発現するヒトNMUR1を試験した。試料を添加後の応答は、各ウェルに対し、最大蛍光ユニットから刺激直前の蛍光を引いたものとして求めた。投与された血漿試料の3点滴定に加え、標準として機能するように、ペプチド(hNMU−25又はNMU12)の16点滴定を4%血漿(自然血漿)で行った。血漿中のペプチドの濃度は、GraphPad Prismソフトウェアを使用して適切な標準から推定に基づいて計算した。
【0191】
図9は、マウスにおけるhNMU−25及びペグ化NMU12の薬物動態学的特徴を示しており、NMUのペグ化により、インビボでの代謝安定性が向上することを示している。
破線は、アッセイに対する検出限界(LOD)を示す。これらの実験は、NMUのペグ化がインビトロ及びインビボの両方での代謝安定性を高めることを示している。
【0192】
本発明について、具体的実施態様を参照して本明細書中にて説明しているが、本発明がこれらに限定されるものではないことは理解されるべきである。
当該技術分野の通常の技術及び本明細書の教示にアクセスする手段を有する者であれば、本発明の範囲内の更なる修正及び実施態様について認識するであろう。
従って、本末明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0193】
【図1A】アゴニストHの末梢投与が食物摂取を減少させ、これらの食欲抑制作用がNMUR1によって媒介されることを示す図である。食物由来の肥満であるNmur1+/+とNmur1−/−マウスに、溶媒(水)、3.25mモル/kgの化合物H又は3.25mモル/kgのhNMU−25のいずれかを、暗期の開始前の30分に腹腔内に投与し、食物摂取量を、それぞれ2時間後及び8時間後(終夜)に測定した。*溶媒に対してP<0.05、1投与群当たりn=11〜12
【図1B】図1Aにおけるマウスの体重の終夜による変化を示す図である。
【図2A】NMUR1選択的アゴニストHの急性末梢投与は、野生型マウスの食物摂取を著しく減少させるが、NMUR1ノックアウトマウスでは減少させなかったことを示す図であり、このことは、NMUR1がアゴニストHの食欲抑制作用に必要であることを示している。更に、このデータは、NMUR1選択的アゴニズムが、汎NMUR1/2アゴニストNMUの食欲抑制作用を再現するのに十分であることを示す。
【図2B】NMUR1−選択的アゴニストであるNMU13の急性末梢投与も、野生型マウスの食物摂取を著しく減少させるが、Nmur1ノックアウトでは減少させなかったことを示す図であり、このことは、このアゴニストの食欲抑制作用には、NMUR1が必要であることを示している。更に、このデータは、NMUR1−選択的アゴニズムが、汎NMUR1/2アゴニストNMUの食欲抑制作用再現するのに十分であることを示す。
【図3A】ペグ化NMUの急性皮下投与が、投与後3日間の食物摂取を減少することを示す図である。ペグ化類似物の生体内外の代謝プロフィールに対応して、NMU1は、hNMU−25と比較した場合、終夜の食物接収減少において優れた効果を示し、そして食物摂取における減少は、投与後3日間観察された。また、体重の著しい減少も観測された(図3B)。
【図3B】図3Aのマウスの体重における変化を示す図である。
【図4A】NMU12も有効な食欲抑制ペプチドであることを示す図である。NMU1同様に、食物摂取と体重における著しい減少(図4B)が、アゴニストの単回皮下投与後の3日間観察された。
【図4B】図4Aのマウスの体重の変化を示す図である。
【図5A】NMU12の食欲抑制作用がNMURlとNMUR2受容体によって媒介されることを示す図である。NMU12の急性投与は、野生型動物において非常に有効であるが、NMUR1/NMUR2二重ノックアウト動物では、効果は観察されなかった。
【図5B】図5Aのネズミの体重における毎日の変化を示す図である。
【図6A】ペグ化NMU12の食欲抑制作用が、NMUR1及びNMUR2受容体の両方によって媒介されることを示す図である。食物摂取と体重における減少(図6B)は、NMUR1ノックアウト動物において投与後2日間観察された。しかしながら、NMUR2ノックアウト動物では、終夜の効果だけが観察された。これは、NMUR1によってのみ媒介されるhNMU−25の食欲抑制作用と対照的であり、hNMU−25及びNMUR2が、異なる作用メカニズムを有していることを示している。
【図6B】図6Aのネズミの体重における4日間の変化を示す図である。
【図7A】NMU12の長期投与により、食物摂取及び体重が減少し得ることを示す図である。NMUR2は、毎日(QD)、一日おき(Q2D)、3日毎(Q3D)に投与された。図は、治療開始後9日間における体重の累積変化を示している。試験の4日目に最後の投与を行い、9日目まで測定を行った。
【図7B】図7Aのマウスの累積食物摂取が、NMU12のすべての投薬パラダイムにおいて著しく減少したことを示す図である。食物摂取量は、溶媒投与群に対して、これらの投与量にて12〜27%減少した。
【図7C】図7Aのマウスの体重における累積変化が、溶媒対照群に対して、3.3%から最大a7.3%までの減少に及んだことを示す図である。
【図8】スパイクイン(spike−in)実験による、血漿中でのhNMU−25並びにペグ化アゴニストNMU1及びNMU12のインビトロ安定性の比較を示す図である。ペグ化により、ヒト血漿におけるより優れた安定性が提供された。ヒト血漿におけるhNMU−25の半減期は16時間未満であったが、ペグ化アゴニストは、37℃でインキュベートされたヒト血漿中において、3日間を超える半減期を示した。
【図9】マウスにおけるhNMU−25及びペグ化アゴニストNMU12の薬物動態学的特徴の比較を示す図である。ペグ化は、インビボにおいて、よりすぐれた代謝安定性を提供した。hNMU−25又はNMU12の10mg/kgを、動物に皮下投与した。血漿は、投与後に様々な時点で採取し、バイオアッセイにおいて測定した。破線は、アッセイに対する検出限界(LOD)を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
Z1−ペプチド−Z2
[式中、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号27)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよく;アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19が、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、L、
G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、F、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;X22は、R、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、P、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、R、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、N、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、又はAであり;Z1は、存在してもよい保護基であり、存在する場合には、該保護基はN−末端アミノ基に結合しており;Z2は、NH2、又は存在してもよい保護基であり、存在する場合には、該保護基はC−末端カルボキシ基に結合している]を有するニューロメジンU受容体アゴニスト及びその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
前記N−末端アミノ酸が、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子と共有結合している、請求項1に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項3】
前記ペプチドが更に、前記ペプチドの前記N−末端においてシステイン残基を有し、保護基が存在してもよく、存在する場合には、該保護基は該システイン残基のN−末端アミノ基に結合している、請求項1に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項4】
前記N−末端の前記システイン残基のチオール基が、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子に共有結合している、請求項3に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項5】
前記N−末端におけるシステイン残基のチオール基がPEG分子に共有結合している、請求項1に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項6】
遠位末端及び近位末端を有するリンカー基が、該遠位末端において前記ペプチドの前記N−末端に共有結合し、該近位末端においてシステイン残基のカルボキシル末端に共有結合し、保護基が存在してもよく、存在する場合には、該保護基は該システイン残基のN−末端アミノ基に結合している、請求項1に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項7】
前記システイン残基のチオール基は、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子に結合している、請求項6に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項8】
前記ペプチドが、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−F−L−F−R−P−R−N(配列番号1)(ここで、アミノ酸1〜17が、任意のアミノ酸又は欠失であってもよい)を有する、請求項1に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項9】
前記ペプチドが、配列番号2,配列番号3,配列番号4,配列番号5,及び配列番号6からなる群から選択されたアミノ酸配列を有する、請求項8に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項10】
前記ペプチドが、配列番号2で示されたアミノ酸配列を有する、請求項1に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項11】
前記アゴニストが、式:Ac−C2−ペプチド−CONH2[式中、Acはアシル基、C2はCys(PEG)240kDaであり、かつ該ペプチドが配列番号2で表される前記アミノ酸配列を有する]を有する、請求項1に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項12】
前記ペプチドが、アミノ酸配列F−R−V−D−E−E−F−Q−S−P−F−A−S−Q−S−R−G−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号7)(ここで、アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X22は、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、あるいはAである)を含む、請求項1に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項13】
前記ペプチドが、配列番号14、配列番号15、配列番号22、配列番号23、配列番号24、及び配列番号25からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項12に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項14】
前記ペプチドが、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8(配列番号8)(ここで、アミノ酸X1は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸又はアシル基であり;アミノ酸X2は、A、W、Y、F又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X3は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X4は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X5は、K、A、又はLであり;アミノ酸X6は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X7は、Harg、又はKであり;アミノ酸X8は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、あるいはAである)を有する、請求項1に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項15】
前記ペプチドが、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、及び配列番号21からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む、請求項13に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項16】
血液−脳関門を通過することが可能なニューロメジンU受容体アゴニストを産生するための方法であって、該アゴニストを1つ以上のPEG分子(ここで該1つ以上のPEG分子により前記ペプチドが血液−脳関門を通過することができる)に共有結合させる工程を包む方法。
【請求項17】
式:
Z1−ペプチド−Z2
[式中、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号27)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよく;アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、L、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、F、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;X22は、R、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、P、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、R、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、N、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、又はAであり;Z1は、存在してもよい保護基であり、存在する場合には、該保護基はN−末端アミノ基に結合しており;Z2は、NH22、又は存在してもよい保護基であり、存在する場合には、該保護基はC−末端カルボキシ基に結合している]を有するニューロメジンU受容体アゴニストおよびその薬学的に許容される塩である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ニューロメジンU受容体アゴニストのサブタイプに対して特異的であるNMU−25ペプチドの全て又は一部を含むニューロメジンU受容体アゴニストを製造するための方法であって、ペプチドのC−末端で7つのアミノ酸の1つ以上を、ヒトNMU−25ペプチドに対して天然ではないアミノ酸又はアミノ酸類似体に修飾する工程を包む方法。
【請求項19】
個体において代謝性障害を治療するための方法であって、個体の障害を治療するために、式:
Z1−ペプチド−Z2
[式中、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号27)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよく;アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、L、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、F、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;X22は、R、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、P、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、R、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、N、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、又はAであり;Z1は、存在してもよい保護基であり、存在する場合には、該保護基はN−末端アミノ基に結合しており;Z2は、NH2、又は存在してもよい保護基であり、存在する場合には、該保護基はC−末端カルボキシ基に結合している]を有するニューロメジンU受容体アゴニスト及びその薬学的に許容される塩の治療有効量を該個体に投与する工程を包む方法。
【請求項20】
メタボリックシンドローム又はX症候群、II型糖尿病、糖尿病の合併症、高血圧症、脂質異常症、心臓血管疾患、胆石、変形性関節症、及びある特定の形態の癌からなる群から選択された前記代謝性障害を治療するために特に有用である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記代謝性障害が肥満である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記ペプチドが、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−F−L−F−R−P−R−N(配列番号1)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよい)を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記ペプチドが、配列番号2,配列番号3,配列番号4,配列番号5,及び配列番号6からなる群から選択されたアミノ酸配列を有する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ペプチドが、配列番号2で示されたアミノ酸配列を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記N−末端アミノ酸が、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子と共有結合している、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記ペプチドが、更に、前記ペプチドの前記N−末端においてシステイン残基を有し、保護基が存在してもよく、存在する場合には、該保護基は該システイン残基のN−末端アミノ基に結合している、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記N−末端における前記システイン残基の前記チオール基が、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子に共有結合している、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記N−末端における前記システイン残基の前記チオール基が、PEG分子に共有結合している、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
遠位末端及び近位末端を有するリンカー基が、その遠位末端でペプチドのN−末端に共有結合しており、該リンカー基の近位末端は、システイン残基のカルボキシル末端に共有結合し、保護基が存在してもよく、存在する場合には、該保護基は前記システイン残基の前記N−末端アミノ基に結合している、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記システイン残基の前記チオール基が、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子に結合している、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記アゴニストが、式Ac−C2−ペプチド−CONH2(ここで、Acはアセチル基であり、C2はCys(PEG)240kDaであり、該ペプチドは配列番号2で表されるアミノ酸配列を有する)を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
代謝性障害の治療のための医薬の製造における、請求項1〜15のいずれか1項に記載のニューロメジンU受容体アゴニストの使用。
【請求項33】
肥満の治療のための医薬の製造における、請求項1〜15のいずれか1項に記載のニューロメジンU受容体アゴニストの使用。
【請求項34】
II型糖尿病の治療のための医薬の製造における、請求項1〜15のいずれか1項に記載のニューロメジンU受容体アゴニストの使用。
【請求項35】
請求項1〜15のいずれか1項に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
【請求項1】
式:
Z1−ペプチド−Z2
[式中、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号27)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよく;アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19が、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、L、
G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、F、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;X22は、R、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、P、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、R、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、N、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、又はAであり;Z1は、存在してもよい保護基であり、存在する場合には、該保護基はN−末端アミノ基に結合しており;Z2は、NH2、又は存在してもよい保護基であり、存在する場合には、該保護基はC−末端カルボキシ基に結合している]を有するニューロメジンU受容体アゴニスト及びその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
前記N−末端アミノ酸が、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子と共有結合している、請求項1に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項3】
前記ペプチドが更に、前記ペプチドの前記N−末端においてシステイン残基を有し、保護基が存在してもよく、存在する場合には、該保護基は該システイン残基のN−末端アミノ基に結合している、請求項1に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項4】
前記N−末端の前記システイン残基のチオール基が、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子に共有結合している、請求項3に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項5】
前記N−末端におけるシステイン残基のチオール基がPEG分子に共有結合している、請求項1に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項6】
遠位末端及び近位末端を有するリンカー基が、該遠位末端において前記ペプチドの前記N−末端に共有結合し、該近位末端においてシステイン残基のカルボキシル末端に共有結合し、保護基が存在してもよく、存在する場合には、該保護基は該システイン残基のN−末端アミノ基に結合している、請求項1に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項7】
前記システイン残基のチオール基は、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子に結合している、請求項6に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項8】
前記ペプチドが、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−F−L−F−R−P−R−N(配列番号1)(ここで、アミノ酸1〜17が、任意のアミノ酸又は欠失であってもよい)を有する、請求項1に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項9】
前記ペプチドが、配列番号2,配列番号3,配列番号4,配列番号5,及び配列番号6からなる群から選択されたアミノ酸配列を有する、請求項8に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項10】
前記ペプチドが、配列番号2で示されたアミノ酸配列を有する、請求項1に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項11】
前記アゴニストが、式:Ac−C2−ペプチド−CONH2[式中、Acはアシル基、C2はCys(PEG)240kDaであり、かつ該ペプチドが配列番号2で表される前記アミノ酸配列を有する]を有する、請求項1に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項12】
前記ペプチドが、アミノ酸配列F−R−V−D−E−E−F−Q−S−P−F−A−S−Q−S−R−G−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号7)(ここで、アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X22は、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、あるいはAである)を含む、請求項1に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項13】
前記ペプチドが、配列番号14、配列番号15、配列番号22、配列番号23、配列番号24、及び配列番号25からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項12に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項14】
前記ペプチドが、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8(配列番号8)(ここで、アミノ酸X1は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸又はアシル基であり;アミノ酸X2は、A、W、Y、F又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X3は、欠失、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X4は、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;アミノ酸X5は、K、A、又はLであり;アミノ酸X6は、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X7は、Harg、又はKであり;アミノ酸X8は、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、あるいはAである)を有する、請求項1に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項15】
前記ペプチドが、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、及び配列番号21からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む、請求項13に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト。
【請求項16】
血液−脳関門を通過することが可能なニューロメジンU受容体アゴニストを産生するための方法であって、該アゴニストを1つ以上のPEG分子(ここで該1つ以上のPEG分子により前記ペプチドが血液−脳関門を通過することができる)に共有結合させる工程を包む方法。
【請求項17】
式:
Z1−ペプチド−Z2
[式中、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号27)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよく;アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、L、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、F、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;X22は、R、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、P、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、R、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、N、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、又はAであり;Z1は、存在してもよい保護基であり、存在する場合には、該保護基はN−末端アミノ基に結合しており;Z2は、NH22、又は存在してもよい保護基であり、存在する場合には、該保護基はC−末端カルボキシ基に結合している]を有するニューロメジンU受容体アゴニストおよびその薬学的に許容される塩である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ニューロメジンU受容体アゴニストのサブタイプに対して特異的であるNMU−25ペプチドの全て又は一部を含むニューロメジンU受容体アゴニストを製造するための方法であって、ペプチドのC−末端で7つのアミノ酸の1つ以上を、ヒトNMU−25ペプチドに対して天然ではないアミノ酸又はアミノ酸類似体に修飾する工程を包む方法。
【請求項19】
個体において代謝性障害を治療するための方法であって、個体の障害を治療するために、式:
Z1−ペプチド−Z2
[式中、ペプチドは、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19−X20−X21−X22−X23−X24−X25(配列番号27)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよく;アミノ酸X18は、欠失、Y、W、F、デスアミノ酸、又はアシル基であり;アミノ酸X19は、A、W、Y、F、又は脂肪族アミノ酸であり;アミノ酸X20は、欠失、L、G、サルコシン(Sar)、D−Leu、NMe−Leu、D−Ala、又はAであり;アミノ酸X21は、F、NMe−Phe、脂肪族アミノ酸、芳香族アミノ酸、A、又はWであり;X22は、R、K、A、又はLであり;アミノ酸X23は、P、Sar、A、又はLであり;アミノ酸X24は、R、Harg、又はKであり;アミノ酸X25は、N、任意のD−アミノ酸又はL−アミノ酸、Nle、D−Nle、又はAであり;Z1は、存在してもよい保護基であり、存在する場合には、該保護基はN−末端アミノ基に結合しており;Z2は、NH2、又は存在してもよい保護基であり、存在する場合には、該保護基はC−末端カルボキシ基に結合している]を有するニューロメジンU受容体アゴニスト及びその薬学的に許容される塩の治療有効量を該個体に投与する工程を包む方法。
【請求項20】
メタボリックシンドローム又はX症候群、II型糖尿病、糖尿病の合併症、高血圧症、脂質異常症、心臓血管疾患、胆石、変形性関節症、及びある特定の形態の癌からなる群から選択された前記代謝性障害を治療するために特に有用である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記代謝性障害が肥満である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記ペプチドが、アミノ酸配列X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−F−L−F−R−P−R−N(配列番号1)(ここで、アミノ酸1〜17は、任意のアミノ酸又は欠失であってもよい)を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記ペプチドが、配列番号2,配列番号3,配列番号4,配列番号5,及び配列番号6からなる群から選択されたアミノ酸配列を有する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ペプチドが、配列番号2で示されたアミノ酸配列を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記N−末端アミノ酸が、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子と共有結合している、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記ペプチドが、更に、前記ペプチドの前記N−末端においてシステイン残基を有し、保護基が存在してもよく、存在する場合には、該保護基は該システイン残基のN−末端アミノ基に結合している、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記N−末端における前記システイン残基の前記チオール基が、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子に共有結合している、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記N−末端における前記システイン残基の前記チオール基が、PEG分子に共有結合している、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
遠位末端及び近位末端を有するリンカー基が、その遠位末端でペプチドのN−末端に共有結合しており、該リンカー基の近位末端は、システイン残基のカルボキシル末端に共有結合し、保護基が存在してもよく、存在する場合には、該保護基は前記システイン残基の前記N−末端アミノ基に結合している、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記システイン残基の前記チオール基が、PEG、コレステロール、N−エチルマレイミジル、及びパルミトイルからなる群から選択された1つ以上の分子に結合している、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記アゴニストが、式Ac−C2−ペプチド−CONH2(ここで、Acはアセチル基であり、C2はCys(PEG)240kDaであり、該ペプチドは配列番号2で表されるアミノ酸配列を有する)を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
代謝性障害の治療のための医薬の製造における、請求項1〜15のいずれか1項に記載のニューロメジンU受容体アゴニストの使用。
【請求項33】
肥満の治療のための医薬の製造における、請求項1〜15のいずれか1項に記載のニューロメジンU受容体アゴニストの使用。
【請求項34】
II型糖尿病の治療のための医薬の製造における、請求項1〜15のいずれか1項に記載のニューロメジンU受容体アゴニストの使用。
【請求項35】
請求項1〜15のいずれか1項に記載のニューロメジンU受容体アゴニスト及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2009−530379(P2009−530379A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501467(P2009−501467)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/006635
【国際公開番号】WO2007/109135
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【出願人】(501209427)イステイチユート・デイ・リチエルケ・デイ・ビオロジア・モレコラーレ・ピ・アンジエレツテイ・エツセ・ピー・アー (90)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/006635
【国際公開番号】WO2007/109135
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【出願人】(501209427)イステイチユート・デイ・リチエルケ・デイ・ビオロジア・モレコラーレ・ピ・アンジエレツテイ・エツセ・ピー・アー (90)
【Fターム(参考)】
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