説明

ヌクレオシド類縁体およびそのヌクレオチド類縁体を含むオリゴヌクレオチド誘導体

【課題】アンチセンス法などに有用なオリゴヌクレオチド類縁体、及びその製造中間体を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表される化合物及びその塩。


(式中、Aは、直接結合、炭素数1〜4のアルキレン基など;Bは、置換基を有していてもよい芳香族複素環基など;R、R、R、Rは、水素原子、アミノ基の保護基、水酸基の保護基、リン酸基、−P(R)R[式中、RおよびRは、水酸基、保護された水酸基、メルカプト基、保護されたメルカプト基など]を示す。)
この化合物は、アンチセンス法などに有用なオリゴヌクレオチド類縁体、及びその中間体を製造するためのヌクレオシド類縁体として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定で優れたアンチセンスもしくはアンチジーン活性、又は特定遺伝子の検出薬若しくは増幅開始の為のプライマーなどとして優れた活性を有し、また、各種の生理・生物活性物質類、医薬品類の材料、RNAi、デコイ用二重鎖オリゴヌクレオチドの機能性材料、cDNAなど一本鎖核酸を標的とするDNAチップ、モレキュラービーコン(molecular beacon)などの機能性素材、様々なアンチセンス法(リボザイム、DNAザイムを含む)やアンチジーン法用途への機能性素材、蛍光や発光物質との組合せによる生体微量成分の高感度分析用材料などとして有用な、オリゴヌクレオチド類縁体及びその製造中間体であるヌクレオシド類縁体に関する。
【背景技術】
【0002】
1978年アンチセンス分子がインフルエンザウィルスの感染を阻害したとの報告が初めてなされた。以後、ガン遺伝子発現やAIDS感染を阻害したとの報告もなされている。アンチセンスオリゴヌクレオチドが望ましくない遺伝子の発現を特異的に制御することから、医薬品として近年、最も期待されている分野のうちの一つである。
【0003】
アンチセンス法とは、DNA→RNA→タンパク質という、いわゆるセントラルドグマの一連の流れをアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて制御しようという概念に基づいている。
【0004】
しかしながら、天然型オリゴヌクレオチドをアンチセンス分子としてこの方法に適用した場合、生体内の酵素により加水分解を受けたり、細胞膜透過性が高くないなどの問題が生じた。そしてこれらを解消するために核酸誘導体が数多く合成され、研究が重ねられてきた。例えば、リン原子上の酸素原子をイオウ原子に置換したホスホロチオエート、メチル基に置換したメチルホスホネート、また最近になっては、リン原子も炭素原子で置換したものやリボースを非環式骨格にした分子も合成されている(非特許文献1〜4参照)。
【0005】
しかし、いずれの場合も、生体内での安定性またはオリゴヌクレオチドの合成の容易さ等の点で満足のいく誘導体が得られていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】F.Eckstein et al., Biochem.,18,592(1979)
【非特許文献2】P.S.Miller et al.,Nucleic Acids Res.,11,5189(1983)
【非特許文献3】P.Herdewijn et al.,J. Chem. Soc. Perkin Trans.1,1567(1993)
【非特許文献4】P.E. Nielsen et al.,Science,254,1497(1991)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来技術に鑑みて、生体内で細胞膜透過性が高く、酵素の加水分解を受けにくく、しかも合成が容易であり、アンチセンス法、アンチジーン法、RNAi、デコイ法などに有用なヌクレオチド類縁体が提供されることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発明者等は、各種の生理・生物活性物質類、医薬品類の材料、RNAi(Nature,Vol.411,494−498,2001)、デコイ用二重鎖オリゴヌクレオチドの機能性材料、cDNAなど一本鎖核酸を標的とするDNAチップ、モレキュラービーコン(molecular beacon)などの機能性素材、様々なアンチセンス法(リボザイム、DNAザイムを含む)やアンチジーン法用途への機能性素材、蛍光や発光物質との組合せによる生体微量成分の高感度分析用材料などとして有用であろう、核酸の糖部分を修飾した核酸誘導体を設計し、それを合成してその有用性を確認した。
【0009】
本発明のヌクレオシド類縁体は、下記一般式(1)で表される化合物及びその塩。
【0010】
【化1】

【0011】
(式中、
Aは、直接結合、炭素数1〜4のアルキレン基、−O−(CH−(ここで、酸素原子は4’位のメチレン基と結合している。mは1〜3の整数を示す。)、または、−N(R)−(CH−(ここで、窒素原子は4’位のメチレン基と結合している。nは1〜3の整数を示す)。を示す。
Bは、置換基を有していてもよい芳香族複素環基もしくは芳香族炭化水素環基を示す。
、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アシル基、シリル基、リン酸基、核酸合成の保護基で保護されたリン酸基、−P(R)R[式中、RおよびRは、同一または異なって、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、アミノ基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキルチオ基、炭素数1〜6のシアノアルコキシ基、または、炭素数1〜5のアルキル基で置換されたアミノ基を示す。]を示す。)である。
【0012】
また、本発明のヌクレオシド類縁体は、下記一般式(2)で表される化合物及びその塩。
【0013】
【化2】

【0014】
(式中、
Bは、置換基を有していてもよい芳香族複素環基もしくは芳香族炭化水素環基を示す。
及びRは、同一又は異なって、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アシル基、シリル基、リン酸基、核酸合成の保護基で保護されたリン酸基、−P(R)R10[式中、RおよびR10は、同一または異なって、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、アミノ基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキルチオ基、炭素数1〜6のシアノアルコキシ基、または、炭素数1〜5のアルキル基で置換されたアミノ基を示す。]を示す。)である。
【0015】
本発明のヌクレオチド類縁体は、下記一般式(3)または(4)で表される構造のいずれか1種以上を1または2個以上含有するオリゴヌクレオチド類縁体またはその薬理学上許容される塩である。但し、これら構造の1種以上を2個以上含有する場合は、当該構造間でBは同一または異なる。
【0016】
【化3】

【0017】
【化4】

【0018】
(式中、
Aは、直接結合、炭素数1〜4のアルキレン基、−O−(CH−(ここで、酸素原子は4’位のメチレン基と結合している。mは1〜3の整数を示す。)、または、−N(R)−(CH−(ここで、窒素原子は4’位のメチレン基と結合している。nは1〜3の整数を示す)を示す。
Bは、置換基を有していてもよい芳香族複素環基もしくは芳香族炭化水素環基を示す。
及びRは、同一又は異なって、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アシル基、シリル基、リン酸基、核酸合成の保護基で保護されたリン酸基、または、−P(R)R[式中、RおよびRは、同一または異なって、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、アミノ基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキルチオ基、炭素数1〜6のシアノアルコキシ基、または、炭素数1〜5のアルキル基で置換されたアミノ基を示す]。を示す。)
【0019】
本発明において、一般式(1)または(3)中、Aの「炭素数1〜4のアルキレン基」としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン基が挙げられる。好適には、メチレン基である。
【0020】
一般式(1)または(3)中、Aの−O−(CH−としては、m=1、即ち、−O−CH−が好適である。
【0021】
一般式(1)または(3)中、Aの−N(R)−(CH−としては、n=1、即ち、−N(R)−CH−が好適である。Rとしては、水素原子、低級アルキル基が好適である。
【0022】
一般式(1)または(3)中、Aとしては、好適には、直接結合、−O−CH−である。
【0023】
一般式(1)〜(4)中、Bの芳香族複素環基とは、炭化水素環の構成原子である炭素原子を、1個以上の窒素原子、硫黄原子もしくは酸素原子などのヘテロ原子に置き換えた構造を有し、芳香族性を示す5〜20員環のあらゆる基をいい、単環、縮合環を含む。具体的には、例えば、ピリミジンもしくはプリン核酸塩基、以下のα群から選択される置換基を1つ以上有していてもよいピリミジンもしくはプリン核酸塩基が挙げられる。ここで、ピリミジンもしくはプリン核酸塩基には、核酸の構成成分として一般に知られる塩基(例えば、グアニン、アデニン、シトシン、チミン、ウラシル)、及びその他これらに類する核酸成分の塩基として作用もしくは代用し得るあらゆる化学構造が含まれる。その他、チオフェン、チアントレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソキサゾール、ピリダジン、インドリジン、インドール、イソインドール、イソキノリン、キノリン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、プテリジン、カルバゾール、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナジン、フェナルサジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピラゾリジンなども含まれる。好適には、ピリミジンもしくはプリン核酸塩基、以下のα群から選択される置換基を1つ以上有していてもよいピリミジンもしくはプリン核酸塩基であり、具体的には、プリン−9−イル基、2−オキソ−ピリミジン−1−イル基、または下記α群から選択される置換基を有するプリン−9−イル基もしくは2−オキソ−ピリミジン−1−イル基が好適である。
【0024】
α群:水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1〜5のアルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1〜5のアルキルチオ基、アミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されたアミノ基、炭素数1〜5のアルキル基、および、ハロゲン原子。
【0025】
ここで、「置換基を有していてもよいプリン核酸塩基」として好適な基は、6−アミノプリン−9−イル(即ち、アデニニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された6−アミノプリン−9−イル、2,6−ジアミノプリン−9−イル、2−アミノ−6−クロロプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−クロロプリンー9−イル、2−アミノ−6−フルオロプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−フルオロプリン−9−イル、2−アミノ−6−ブロモプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−ブロモプリン−9−イル、2−アミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル(即ち、グアニニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル、6−アミノ−2−メトキシプリン−9−イル、6−アミノ−2−クロロプリン−9−イル、6−アミノ−2−フルオロプリン−9−イル、2,6−ジメトキシプリン−9−イル、2,6−ジクロロプロリン−2−イル又は6−メルカプトプリン−9−イル基であり、さらに好適には、6−ベンゾイルアミノプリン−9−イル、アデニニル、2−イソブチリルアミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル又はグアニニル基である。
また、「置換基を有していてもよいピリミジン核酸塩基」として好適な基は、2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、シトシニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、4−アミノ−2−オキソ−5−クロロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メトキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メルカプト−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、ウラシニル)、2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−メチル−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、チミニル)または4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、5−メチルシトシニル)基であり、さらに好適には、2−オキソ−4−ベンゾイルアミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、シトシニル、チミニル、ウラシニル、2−オキソ−4−ベンゾイルアミノ−5−メチル−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、又は5−メチルシトシニル基である。
【0026】
「置換基を有していてもよいプリンもしくはピリミジン核酸塩基」の中で、さらに好適には、6−アミノプリン−9−イル(即ち、アデニニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された6−アミノプリン−9−イル、2,6−ジアミノプリン−9−イル、2−アミノ−6−クロロプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−クロロプリン−9−イル、2−アミノ−6−フルオロプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−フルオロプリン−9−イル、2−アミノ−6−ブロモプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−ブロモプリン−9−イル、2−アミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル(即ち、グアニニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル、6−アミノ−2−メトキシプリン−9−イル、6−アミノ−2−クロロプリン−9−イル、6−アミノ−2−フルオロプリン−9−イル、2,6−ジメトキシプリン−9−イル、2,6−ジクロロプリン−9−イル、6−メルカプトプリン−9−イル、2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、シトシニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、4−アミノ−2−オキソ−5−クロロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メトキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メルカプト−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、ウラシニル)、2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−メチル−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、チミニル)、4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、5−メチルシトシニル)、または、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イルである。
【0027】
一般式(1)〜(4)中、Bの芳香族炭化水素環基とは、炭素数6〜20の芳香族性を示す炭化水素環から水素原子1個を除いた1価の置換基を意味し、単環、縮合環を含む。具体的には、例えば、フェニル、インデニル、ナフチル、ペンタレニル、アズレニル、ヘプタレニル、ビフェニレニル、インダセニル、フルオレニル、フェナントリル、アントリルなどが挙げられるが、その他本発明の目的において核酸成分の塩基部分として代用可能なあらゆる構造が含まれる。また、芳香族炭化水素環が、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、アミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、ハロゲン原子、低級アルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アリールオキシ基、ニトロ基、トリフルオロメチル、フェニル基等の1種以上の基によって置換されていてもよく、そのような置換されていてもよい芳香族炭化水素基としては、例えば、4−ヒドロキシフェニル、2−ヒドロキシフェニル、4−アミノフェニル、2−アミノフェニル、2−メチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2−ブロモフェニル、4−メトキシフェニル、4−クロロ−2−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ビフェニルなどが挙げられる。置換されていてもよい芳香族炭化水素環基としては、好適には、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、アミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、低級アルコキシ基もしくはニトロ基で置換されたフェニル基、フェニル基などが挙げられる。
【0028】
一般式(1)〜(3)中、R、R、R、R、R、Rの「核酸合成のアミノ基の保護基」および「核酸合成の水酸基の保護基」、R、R、R、R10、並びに及びα群の「核酸合成の保護基で保護された水酸基」の保護基とは、核酸合成の際に安定してアミノ基または水酸基を保護し得るものであれば、特に制限はないが、具体的には、酸性又は中性条件で安定であり、加水素分解、加水分解、電気分解及び光分解のような化学的方法により開裂し得る保護基のことをいい、そのような保護基としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ピバロイル、バレリル、イソバレリル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、3−メチルノナノイル、8−メチルノナノイル、3−エチルオクタノイル、3,7−ジメチルオクタノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイル、1−メチルペンタデカノイル、14−メチルペンタデカノイル、13,13−ジメチルテトラデカノイル、ヘプタデカノイル、15−メチルヘキサデカノイル、オクタデカノイル、1−メチルヘプタデカノイル、ノナデカノイル、アイコサノイル及びヘナイコサノイルのようなアルキルカルボニル基、スクシノイル、グルタロイル、アジポイルのようなカルボキシ化アルキルカルボニル基、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチルのようなハロゲノ低級アルキルカルボニル基、メトキシアセチルのような低級アルコキシ低級アルキルカルボニル基、(E)−2−メチル−2−ブテノイルのような不飽和アルキルカルボニル基のような「脂肪族アシル基」;メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルのような「低級アルキル基」;エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、2−エチル−2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、1−メチル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニルのような「低級アルケニル基」;ベンゾイル、α−ナフトイル、β−ナフトイルのようなアリールカルボニル基、2−ブロモベンゾイル、4−クロロベンゾイルのようなハロゲノアリールカルボニル基、2,4,6−トリメチルベンゾイル、4−トルオイルのような低級アルキル化アリールカルボニル基、4−アニソイルのような低級アルコキシ化アリールカルボニル基、2−カルボキシベンゾイル、3−カルボキシベンゾイル、4−カルボキシベンゾイルのようなカルボキシ化アリールカルボニル基、4−ニトロベンゾイル、2−ニトロベンゾイルのようなニトロ化アリールカルボニル基;2−(メトキシカルボニル)ベンゾイルのような低級アルコキシカルボニル化アリールカルボニル基、4−フェニルベンゾイルのようなアリール化アリールカルボニル基のような「芳香族アシル基」;テトラヒドロピラン−2−イル、3−ブロモテトラヒドロピラン−2−イル、4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル、テトラヒドロチオピラン−4−イル、4−メトキシテトラヒドロチオピラン−4−イルの「テトラヒドロピラニル又はテトラヒドロチオピラニル基」;テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロチオフラン−2−イルのような「テトラヒドロフラニル又はテトラヒドロチオフラニル基」;トリメチルシリル、トリエチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、メチルジイソプロピルシリル、メチルジ−t−ブチルシリル、トリイソプロピルシリルのようなトリ低級アルキルシリル基、ジフェニルメチルシリル、ジフェニルブチルシリル、ジフェニルイソプロピルシリル、フェニルジイソプロピルシリルのような1〜2個のアリール基で置換されたトリ低級アルキルシリル基のような「シリル基」;メトキシメチル、1,1−ジメチル−1−メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、ブトキシメチル、t−ブトキシメチルのような「低級アルコキシメチル基」;2−メトキシエトキシメチルのような「低級アルコキシ化低級アルコキシメチル基」;2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチルのような「ハロゲノ低級アルコキシメチル基」;1−エトキシエチル、1−(イソプロポキシ)エチルのような「低級アルコキシ化エチル基」;2,2,2−トリクロロエチルのような「ハロゲン化エチル基」;ベンジル、α−ナフチルメチル、β−ナフチルメチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、9−アンスリルメチルのような「1〜3個のアリール基で置換されたメチル基」;4−メチルベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル、3,4,5−トリメチルベンジル、4−メトキシベンジル、4−メトキシフェニルジフェニルメチル、4,4’−ジメトキシトリフェニルメチル、2−ニトロベンジル、4−ニトロベンジル、4−クロロベンジル、4−ブロモベンジル、4−シアノベンジルのような「低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ基でアリール環が置換された1〜3個のアリール基で置換されたメチル基」;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニルのような「低級アルコキシカルボニル基」;4−クロロフェニル、2−フロロフェニル、4−メトキシフェニル、4−ニトロフェニル、2,4−ジニトロフェニルのような「ハロゲン原子、低級アルコキシ基又はニトロ基で置換されたアリール基」;2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニルのような「ハロゲン又はトリ低級アルキルシリル基で置換された低級アルコキシカルボニル基」;ビニルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルのような「アルケニルオキシカルボニル基」;ベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニルのような1〜2個の「低級アルコキシ又はニトロ基でアリール環が置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基」を挙げることができ、R、R、R、R、RおよびRの「核酸合成の水酸基の保護基」においては、好適には、「脂肪族アシル基」、「芳香族アシル基」、「1〜3個のアリール基で置換されたメチル基」、「低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ基でアリール環が置換された1〜3個のアリール基で置換されたメチル基」又は「シリル基」であり、さらに好適には、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、p−メトキシベンゾイル基、ジメトキシトリチル基、モノメトキシトリチル基又はtert−ブチルジフェニルシリル基であり、R、R、R、及びR10又はα群の「核酸合成の保護基で保護された水酸基」の保護基においては、好適には、「脂肪族アシル基」、芳香族アシル基」、「1〜3個のアリール基で置換されたメチル基」、「ハロゲン原子、低級アルコキシ基又はニトロ基で置換されたアリール基」、「低級アルキル基」又は「低級アルケニル基」であり、さらに好適には、ベンゾイル基、ベンジル基、2−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基又は2−プロペニル基である。
【0029】
一般式(1)〜(3)中、R、R、R、R、RおよびRの「アルキル基」とは、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を示し、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルのような炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖状のアルキル基(本明細書においては、これらを低級アルキル基とも称す。)の他、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなど炭素数7〜20の直鎖または分岐鎖状のアルキル基が含まれ、好適には、上記の炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖状のアルキル基である。
【0030】
一般式(1)〜(3)中、R、R、R、R、RおよびRの「アルケニル基」とは、炭素数2〜20の直鎖または分岐鎖状のアルケニル基を示し、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、2−エチル−2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、1−メチル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニルのような炭素数2〜6の直鎖または分岐鎖状のアルケニル基(本明細書においては、これらを低級アルケニル基とも称す。)の他、ゲラニル、ファルネシルなどが含まれ、好適には、上記の炭素数2〜6の直鎖または分岐鎖状のアルケニル基である。
【0031】
一般式(1)〜(3)中、R、R、R、R、RおよびRの「シクロアルキル基」とは、炭素数3〜10のシクロアルキル基を示し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ノルボルニル、アダマンチルなどが挙げられ、好適には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどの炭素数3〜8のシクロアルキル基である。また、「シクロアルキル基」には、上記シクロアルキル基の環上の1つ以上のメチレンが酸素原子や硫黄原子、あるいはアルキル基で置換された窒素原子に置換された複素環基も含まれ、例えば、テトラヒドロピラニル基などが挙げられる。
【0032】
一般式(1)〜(3)中、R、R、R、R、RおよびRの「アリール基」とは、芳香族炭化水素基から水素原子1個を除いた炭素数6〜14の1価の置換基を意味し、例えば、フェニル、インデニル、ナフチル、フェナンスレニル、アントラセニルなどが挙げられる。また、アリール環が、ハロゲン原子、低級アルキル基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル、フェニル基等の1種以上の基によって置換されていてもよく、そのような置換されていてもよいアリール基としては、例えば、2−メチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2−ブロモフェニル、4−メトキシフェニル、4−クロロ−2−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ビフェニルなどが挙げられる。好適には、ハロゲン原子、低級アルコキシ基ニトロ基で置換されたフェニル基、フェニル基などが挙げられる。
【0033】
一般式(1)〜(3)中、R、R、R、R、RおよびRの「アラルキル基」とは、アリール基で置換された炭素数1〜6のアルキル基を意味し、ベンジル、α−ナフチルメチル、β−ナフチルメチル、インデニルメチル、フェナンスレニルメチル、アントラセニルメチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、9−アンスリルメチルのような「1〜3個のアリール基で置換されたメチル基」や、4−メチルベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル、3,4,5−トリメチルベンジル、4−メトキシベンジル、4−メトキシフェニルジフェニルメチル、4,4’−ジメトキシトリフェニルメチル、2−ニトロベンジル、4−ニトロベンジル、4−クロロベンジル、4−ブロモベンジル、4−シアノベンジルのような「低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ基でアリール環が置換された1〜3個のアリール基で置換されたメチル基」の他、1−フェネチル、2−フェネチル、1−ナフチルエチル、2−ナフチルエチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、1−ナフチルプロピル、2−ナフチルプロピル、3−ナフチルプロピル、1−フェニルブチル、2−フェニルブチル、3−フェニルブチル、4−フェニルブチル、1−ナフチルブチル、2−ナフチルブチル、3−ナフチルブチル、4−ナフチルブチル、1−フェニルペンチル、2−フェニルペンチル、3−フェニルペンチル、4−フェニルペンチル、5−フェニルペンチル、1−ナフチルペンチル、2−ナフチルペンチル、3−ナフチルペンチル、4−ナフチルペンチル、5−ナフチルペンチル、1−フェニルヘキシル、2−フェニルヘキシル、3−フェニルヘキシル、4−フェニルヘキシル、5−フェニルヘキシル、6−フェニルヘキシル、1−ナフチルペンチル、2−ナフチルペンチル、3−ナフチルペンチル、4−ナフチルペンチル、5−ナフチルペンチル、6−ナフチルペンチル、などの「アリール基で置換された炭素数3〜6のアルキル基」などが含まれる。好適には、「1〜3個のアリール基で置換されたメチル基」、「低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ基でアリール環が置換された1〜3個のアリール基で置換されたメチル基」であり、さらに好適には、4−メトキシフェニルジフェニルメチル、4,4’−ジメトキシトリフェニルメチルである。
【0034】
一般式(1)〜(3)中、R、R、R、R、RおよびRの「アシル基」としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ピバロイル、バレリル、イソバレリル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、3−メチルノナノイル、8−メチルノナノイル、3−エチルオクタノイル、3,7−ジメチルオクタノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイル、1−メチルペンタデカノイル、14−メチルペンタデカノイル、13,13−ジメチルテトラデカノイル、ヘプタデカノイル、15−メチルヘキサデカノイル、オクタデカノイル、1−メチルヘプタデカノイル、ノナデカノイル、アイコサノイル及びヘナイコサノイルのようなアルキルカルボニル基、スクシノイル、グルタロイル、アジポイルのようなカルボキシ化アルキルカルボニル基、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチルのようなハロゲノ低級アルキルカルボニル基、メトキシアセチルのような低級アルコキシ低級アルキルカルボニル基、(E)−2−メチル−2−ブテノイルのような不飽和アルキルカルボニル基のような「脂肪族アシル基」、およびベンゾイル、α−ナフトイル、β−ナフトイルのようなアリールカルボニル基、2−ブロモベンゾイル、4−クロロベンゾイルのようなハロゲノアリールカルボニル基、2,4,6−トリメチルベンゾイル、4−トルオイルのような低級アルキル化アリールカルボニル基、4−アニソイルのような低級アルコキシ化アリールカルボニル基、2−カルボキシベンゾイル、3−カルボキシベンゾイル、4−カルボキシベンゾイルのようなカルボキシ化アリールカルボニル基、4−ニトロベンゾイル、2−ニトロベンゾイルのようなニトロ化アリールカルボニル基;2−(メトキシカルボニル)ベンゾイルのような低級アルコキシカルボニル化アリールカルボニル基、4−フェニルベンゾイルのようなアリール化アリールカルボニル基のような「芳香族アシル基」が挙げられ、好適には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ピバロイル、ベンゾイル基である。
【0035】
一般式(1)〜(3)中、R、R、R、R、RおよびRの「シリル基」としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、メチルジイソプロピルシリル、メチルジ−t−ブチルシリル、トリイソプロピルシリルのような「トリ低級アルキルシリル基」、ジフェニルメチルシリル、ブチルジフェニルブチルシリル、ジフェニルイソプロピルシリル、フェニルジイソプロピルシリルのような「1〜2個のアリール基で置換されたトリ低級アルキルシリル基」などが挙げられ、好適には、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルであり、さらに好適にはトリメチルシリルである。
【0036】
一般式(1)〜(3)中、R、R、R、R、RおよびRの「核酸合成の保護基で保護されたリン酸基」の「保護基」とは、核酸合成の際に安定してリン酸基を保護し得るものであれば、特に限定はないが、具体的には、酸性又は中性条件で安定であり、加水素分解、加水分解、電気分解及び光分解のような化学的方法により開裂し得る保護基のことをいい、そのような保護基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルのような「低級アルキル基」;2−シアノエチル、2−シアノ−1,1−ジメチルエチルのような「シアノ化低級アルキル基」;2−メチルジフェニルシリルエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−トリフェニルシリルエチルのような「シリル基で置換されたエチル基」;2,2,2−トリクロロエチル、2,2,2−トリブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロ−1,1−ジメチルエチルのような「ハロゲン化低級アルキル基」;エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、2−エチル−2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、1−メチル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニルのような「低級アルケニル基」;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニル、アダマンチルのような「シクロアルキル基」;2−シアノブテニルのような「シアノ化低級アルケニル基」;ベンジル、α−ナフチルメチル、β−ナフチルメチル、インデニルメチル、フェナンスレニルメチル、アントラセニルメチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1−フェネチル、2−フェネチル、1−ナフチルエチル、2−ナフチルエチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、1−ナフチルプロピル、2−ナフチルプロピル、3−ナフチルプロピル、1−フェニルブチル、2−フェニルブチル、3−フェニルブチル、4−フェニルブチル、1−ナフチルブチル、2−ナフチルブチル、3−ナフチルブチル、4−ナフチルブチル、1−フェニルペンチル、2−フェニルペンチル、3−フェニルペンチル、4−フェニルペンチル、5−フェニルペンチル、1−ナフチルペンチル、2−ナフチルペンチル、3−ナフチルペンチル、4−ナフチルペンチル、5−ナフチルペンチル、1−フェニルヘキシル、2−フェニルヘキシル、3−フェニルヘイキシル、4−フェニルヘキシル、5−フェニルヘキシル、6−フェニルヘキシル、1−ナフチルペンチル、2−ナフチルペンチル、3−ナフチルペンチル、4−ナフチルペンチル、5−ナフチルペンチル、6−ナフチルペンチルのような「アラルキル基」;4−クロロベンジル、2−(4−ニトロフェニル)エチル、o−ニトロベンジル、4−ニトロベンジル、2,4−ジニトロベンジル、4−クロロ−2−ニトロベンジルのような「ニトロ基、ハロゲン原子でアリール環が置換されたアラルキル基」;フェニル、インデニル、ナフチル、フェナンスレニル、アントラセニルのような「アリール基」;2−メチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2−ブロモフェニル、4−ニトロフェニル、4−クロロ−2−ニトロフェニルのような「低級アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基で置換されたアリール基」を挙げることができ、好適には「低級アルキル基」、「シアノ基で置換された低級アルキル基」、「アラルキル基」、「ニトロ基、ハロゲン原子でアリール環が置換されたアラルキル基」または「低級アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基で置換されたアリール基」であり、さらに好適には、2−シアノエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、ベンジル基、2−クロロフェニル基または4−クロロフェニル基である。
【0037】
一般式(1)〜(3)中、R、R、R及びR10並びにα群の「核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基」の保護基としては、核酸合成の際に安定してメルカプト基を保護し得るものであれば、特に限定はないが、具体的には、酸性又は中性条件で安定であり、加水素分解、加水分解、電気分解及び光分解のような化学的方法により開裂し得る保護基をいい、例えば、上記水酸基の保護基として挙げたものの他、メチルチオ、エチルチオ、tert−ブチルチオのようなアルキルチオ基、ベンジルチオのようなアリールチオ基等の「ジスルフィドを形成する基」を挙げることができ、好適には、「脂肪族アシル基」又は「芳香族アシル基」であり、さらに好適には、ベンゾイル基である。
【0038】
一般式(1)〜(3)中、R、R、R及びR10並びにα群の「炭素数1〜5のアルコキシ基」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシを挙げることができ、好適には、メトキシ又はエトキシ基である。
【0039】
一般式(1)〜(3)中、R、R、R及びR10並びにα群の「炭素数1〜5のアルキルチオ基」としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、s−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオを挙げることができ、好適には、メチルチオ又はエチルチオ基である。
【0040】
一般式(1)〜(3)中、R、R、R及びR10の「炭素数1〜6のシアノアルコキシ基」とは、上記「炭素数1〜5のアルコキシ基」のシアノ基が置換した基をいい、そのような基としては、例えば、シアノメトキシ、2−シアノエトキシ、3−シアノプロポキシ、4−シアノブトキシ、3−シアノ−2−メチルプロポキシ、又は1−シアノメチル−1,1−ジメチルメトキシを挙げることができ、好適には、2−シアノエトキシ基である。
【0041】
一般式(1)〜(3)中、R、R、R及びR10並びにα群の「炭素数1〜5のアルキル基で置換されたアミノ基」としては、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、s−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジ(s−ブチル)アミノ、ジ(tert−ブチル)アミノを挙げることができ、好適には、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノまたはジイソプロピルアミノ基である。
【0042】
α群の「炭素数1〜5のアルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルなどを挙げることができ、好適には、メチル又はエチル基である。
【0043】
α群の「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を挙げることができ、好適には、フッ素原子又は塩素原子である。「ホスホロアミダイト基」とは、式−P(OR3a)(NR3b)で表される基(式中、R3aは炭素数1〜のアルキル基又は炭素数1〜7のシアノアルキル基を示し、R3bは炭素数1〜6のアルキル基を示す。)を意味し、好適には、式−P(OCCN)(N(iPr))で表される基又は式−P(OCH)(N(iPr))で表される基である。
【0044】
α群の「核酸合成の保護基で保護されたアミノ基」の保護基としては、核酸合成の際に安定してアミノ基を保護し得るものであれば、特に限定はないが、具体的には、酸性又は中性条件で安定であり、加水素分解、加水分解、電気分解及び光分解のような化学的方法により開裂し得る保護基をいい、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ピバロイル、バレリル、イソバレリル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、3−メチルノナノイル、8−メチルノナノイル、3−エチルオクタノイル、3,7−ジメチルオクタノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイル、1−メチルペンタデカノイル、14−メチルペンタデカノイル、13,13−ジメチルテトラデカノイル、ヘプタデカノイル、15−メチルヘキサデカノイル、オクタデカノイル、1−メチルヘプタデカノイル、ノナデカノイル、ノナデカノイル、アイコサノイル及びヘナイコサノイルのようなアルキルカルボニル基、スクシノイル、グルタロイル、アジポイルのようなカルボキシ化アルキルカルボニル基、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチルのようなハロゲノ低級アルキルカルボニル基、メトキシアセチルのような低級アルコキシ低級アルキルカルボニル基、(E)−2−メチル−2−ブテノイルのような不飽和アルキルカルボニル基等の「脂肪族アシル基」;ベンゾイル、α−ナフトイル、β−ナフトイルのようなアリールカルボニル基、2−ブロモベンゾイル、4−クロロベンゾイルのようなハロゲノアリールカルボニル基、2,4,6−トリメチルベンゾイル、4−トルオイルのような低級アルキル化アリールカルボニル基、4−アニソイルのような低級アルコキシ化アリールカルボニル基、2−カルボキシベンゾイル、3−カルボキシベンゾイル、4−カルボキシベンゾイルのようなカルボキシ化アリールカルボニル基、4−ニトロベンゾイル、2−ニトロベンゾイルのようなニトロ化アリールカルボニル基;2−(メトキシカルボニル)ベンゾイルのような低級アルコキシカルボニル化アリールカルボニル基、4−フェニルベンゾイルのようなアリール化アリールカルボニル基等の「芳香族アシル基」;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニルのような「低級アルコキシカルボニル基」;2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニルのような「ハロゲン又はトリ低級アルキルシリル基で置換された低級アルコキシカルボニル基」;ビニルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルのような「アルケニルオキシカルボニル基」;ベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニルのような1〜2個の「低級アルコキシ又はニトロ基でアリール環が置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基」を挙げることができ、好適には、「脂肪族アシル基」又は「芳香族アシル基」であり、さらに好適には、ベンゾイル基である。
【0045】
「ヌクレオシド類縁体」とは、プリン又はピリミジン塩基と糖が結合した「ヌクレオシド」のうち非天然型のもの、並びに、プリン及びピリミジン以外の芳香族複素環及び芳香族炭化水素環でプリン又はピリミジン塩基との代用が可能なものと糖が結合したものいう。
【0046】
「オリゴヌクレオチド類縁体」とは、同一又は異なる「ヌクレオシド」又は「ヌクレオシド類縁体」がリン酸ジエステル結合で2〜50個結合した「オリゴヌクレオチド」の非天然型誘導体をいい、そのような類縁体としては、好適には、糖部分が修飾された糖誘導体;リン酸ジエステル部分がチオエート化されたチオエート誘導体;末端のリン酸部分がエステル化されたエステル体;プリン塩基上のアミノ基がアミド化されたアミド体を挙げることができ、さらに好適には、糖部分が修飾された糖誘導体を挙げることができる。
【0047】
「その塩」とは、本発明の化合物(1)及び(2)は、塩にすることができるので、その塩をいい、そのような塩としては、好適にはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジル−フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩;フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン原子化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩を挙げることができる。
【0048】
「その薬理学上許容される塩」とは、本発明のオリゴヌクレオチド類縁体は塩にすることができるので、その塩をいい、そのような塩としては、好適にはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジル−フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩;フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン原子化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩を挙げることができる。
【0049】
本発明の化合物(1)及びその塩のうち、好適な化合物としては、
(1)R及びRが、同一又は異なって、水素原子、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンもしくはシアノ基でアリール環が置換された1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、またはシリル基である化合物及びその塩、
(2)R及びRが、同一又は異なって、水素原子、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、ジメトキシトリチル基、モノメトキシトリチル基又はtert−ブチルジフェニルシリル基である化合物及びその塩、
(3)Rが、水素原子、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンもしくはシアノ基でアリール環が置換された1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、シリル基、ホスホロアミダイト基、ホスホニル基、リン酸基または核酸合成の保護基で保護されたリン酸基である化合物及びその塩、
(4)Rが、水素原子、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、−P(OCCN)(N(iPr))、−P(OCH)(N(iPr))、ホスホニル基、又は、2−クロロフェニルもしくは4−クロロフェニルリン酸基である化合物およびその塩、
(5)Aが直接結合、または−O−CH−(ここで、酸素原子は4’位のメチレン基と結合している)である化合物及びその塩、
(6)Bが、6−アミノプリン−9−イル(即ち、アデニニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された6−アミノプリン−9−イル、2,6−ジアミノプリン−9−イル、2−アミノ−6−クロロプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−クロロプリン−9−イル、2−アミノ−6−フルオロプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−フルオロプリン−9−イル、2−アミノ−6−ブロモプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−ブロモプリン−9−イル、2−アミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル(即ち、グアニニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル、6−アミノ−2−メトキシプリン−9−イル、6−アミノ−2−クロロプリン−9−イル、6−アミノ−2−フルオロプリン−9−イル、2,6−ジメトキシプリン−9−イル、2,6−ジクロロプリン−9−イル、6−メルカプトプリン−9−イル、2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、シトシニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、4−アミノ−2−オキソ−5−クロロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メトキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メルカプト−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、ウラシニル)、2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−メチル−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、チミニル)、4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、5−メチルシトシニル)基、または、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イルである化合物及びその塩、
(7)Bが、ベンゾイルアミノプリン−9−イル、アデニル、2−イソブチリルアミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル、グアニニル、2−オキソ−4−ベンゾイルアミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、シトシニル、2−オキソ−5−メチル−4−ベンゾイルアミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、5−メチルシトシニル、ウラシニル又はチミニル基である化合物及びその塩を挙げることができる。
【0050】
また、上記(1)〜(2)、(3)〜(4)または(6)〜(7)は、番号が大きくなるに従って、より好適な化合物を示し、一般式(1)において、R及びRを(1)〜(2)から任意に選択し、Rを(3)〜(4)から任意に選択し、Aを(5)から任意に選択し、Bを(6)〜(7)から任意に選択し、また、これらを任意に組み合わせて得られた化合物及びその塩も好適であり、特に好適な組合せは、(2)−(3)−(5)−(6)、(2)−(3)−(5)−(7)、(2)−(4)−(5)−(6)及び(2)−(4)−(5)−(7)である。
【0051】
本発明の化合物(2)及びその塩のうち、好適な化合物としては、
(8)Rが、同一又は異なって、水素原子、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンもしくはシアノ基でアリール環が置換された1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、またはシリル基である化合物及びその塩、
(9)Rが、同一又は異なって、水素原子、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、ジメトキシトリチル基、モノメトキシトリチル基又はtert−ブチルジフェニルシリル基である化合物及びその塩、
(10)Rが、水素原子、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンもしくはシアノ基でアリール環が置換された1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、シリル基、ホスホロアミダイト基、ホスホニル基、リン酸基または核酸合成の保護基で保護されたリン酸基である化合物及びその塩、
(11)Rが、水素原子、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、−P(OCCN)(N(iPr))、−P(OCH)(N(iPr))、ホスホニル基、又は、2−クロロフェニルもしくは4−クロロフェニルリン酸基である化合物およびその塩、
(12)Bが、6−アミノプリン−9−イル(即ち、アデニニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された6−アミノプリン−9−イル、2,6−ジアミノプリン−9−イル、2−アミノ−6−クロロプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−クロロプリン−9−イル、2−アミノ−6−フルオロプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−フルオロプリン−9−イル、2−アミノ−6−ブロモプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−ブロモプリン−9−イル、2−アミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル(即ち、グアニニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル、6−アミノ−2−メトキシプリン−9−イル、6−アミノ−2−クロロプリン−9−イル、6−アミノ−2−フルオロプリン−9−イル、2,6−ジメトキシプリン−9−イル、2,6−ジクロロプリン−9−イル、6−メルカプトプリン−9−イル、2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、シトシニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、4−アミノ−2−オキソ−5−クロロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メトキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メルカプト−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、ウラシニル)、2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−メチル−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、チミニル)、4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、5−メチルシトシニル)基、または、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イルである化合物及びその塩、
(13)Bが、ベンゾイルアミノプリン−9−イル、アデニル、2−イソブチリルアミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル、グアニニル、2−オキソ−4−ベンゾイルアミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、シトシニル、2−オキソ−5−メチル−4−ベンゾイルアミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、5−メチルシトシニル、ウラシニル又はチミニル基である化合物及びその塩を挙げることができる。
【0052】
また、上記(8)〜(9)、(10)〜(11)または(12)〜(13)は、番号が大きくなるに従って、より好適な化合物を示し、一般式(2)において、R及びRを(8)〜(9)から任意に選択し、Rを(10)〜(11)から任意に選択し、Bを(12)〜(13)から任意に選択し、また、これらを任意に組み合わせて得られた化合物及びその塩も好適であり、特に好適な組合せは、(9)−(10)−(12)、(9)−(10)−(13)、(9)−(11)−(12)及び(9)−(11)−(13)である。
【0053】
一般式(1)で表される化合物及びその塩で、特に好適には、下記群から選択される化合物及びその塩である。
【0054】
【化5】

【0055】
上記群の構造式中、Bは前述と同じ意味を表す。
一般式(2)で表される化合物及びその塩で、特に好適には、下記群から選択される化合物及びその塩である。
【0056】
【化6】

【0057】
上記群の構造式中、Bは前述と同じ意味を表す。
【0058】
本発明の一般式(3)または(4)で表される構造のいずれか一種以上を1または2個以上含有するオリゴヌクレオチド類縁体及びその薬理学上許容される塩のうち、好適なものとしては、一般式(3)の構造を含有する場合には、
(14)Aが直接結合または−O−CH−(ここで酸素原子は4’位のメチレン基と結合している。)であるオリゴヌクレオチド類縁体及びその薬理学上許容される塩、
(15)Rが、水素原子、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンもしくはシアノ基でアリール環が置換された1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、またはシリル基であるオリゴヌクレオチド類縁体及びその薬理学上許容される塩、
(16)Rが、水素原子、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、ジメトキシトリチル基、モノメトキシトリチル基又はtert−ブチルジフェニルシリル基であるオリゴヌクレオチド類縁体及びその薬理学上許容される塩、
(17)Bが、6−アミノプリン−9−イル(即ち、アデニニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された6−アミノプリン−9−イル、2,6−ジアミノプリン−9−イル、2−アミノ−6−クロロプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−クロロプリン−9−イル、2−アミノ−6−フルオロプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−フルオロプリン−9−イル、2−アミノ−6−ブロモプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−ブロモプリン−9−イル、2−アミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル(即ち、グアニニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル、6−アミノ−2−メトキシプリン−9−イル、6−アミノ−2−クロロプリン−9−イル、6−アミノ−2−フルオロプリン−9−イル、2,6−ジメトキシプリン−9−イル、2,6−ジクロロプリン−9−イル、6−メルカプトプリン−9−イル、2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、シトシニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、4−アミノ−2−オキソ−5−クロロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メトキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メルカプト−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、ウラシニル)、2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−メチル−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、チミニル)、4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、5−メチルシトシニル)基、または、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イルであるオリゴヌクレオチド類縁体及びその薬理学上許容される塩、
(18)Bが、ベンゾイルアミノプリン−9−イル、アデニル、2−イソブチリルアミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル、グアニニル、2−オキソ−4−ベンゾイルアミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、シトシニル、2−オキソ−5−メチル−4−ベンゾイルアミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、5−メチルシトシニル、ウラシニル又はチミニル基であるオリゴヌクレオチド類縁体及びその薬理学上許容される塩
を挙げることができる。
【0059】
一般式(4)の構造を含有する場合には、
(19)Bが、6−アミノプリン−9−イル(即ち、アデニニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された6−アミノプリン−9−イル、2,6−ジアミノプリン−9−イル、2−アミノ−6−クロロプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−クロロプリン−9−イル、2−アミノ−6−フルオロプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−フルオロプリン−9−イル、2−アミノ−6−ブロモプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−ブロモプリン−9−イル、2−アミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル(即ち、グアニニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル、6−アミノ−2−メトキシプリン−9−イル、6−アミノ−2−クロロプリン−9−イル、6−アミノ−2−フルオロプリン−9−イル、2,6−ジメトキシプリン−9−イル、2,6−ジクロロプリン−9−イル、6−メルカプトプリン−9−イル、2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、シトシニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、4−アミノ−2−オキソ−5−クロロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メトキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メルカプト−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、ウラシニル)、2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−メチル−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、チミニル)、4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、5−メチルシトシニル)基、または、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イルであるオリゴヌクレオチド類縁体及びその薬理学上許容される塩、
(20)Bが、ベンゾイルアミノプリン−9−イル、アデニル、2−イソブチリルアミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル、グアニニル、2−オキソ−4−ベンゾイルアミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、シトシニル、2−オキソ−5−メチル−4−ベンゾイルアミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、5−メチルシトシニル、ウラシニル又はチミニル基であるオリゴヌクレオチド類縁体及びその薬理学上許容される塩
を挙げることができる。
【0060】
また、本発明のオリゴヌクレオチド類縁体及びその塩は、一般式(3)および(4)で表される構造のうち、一方のみを1個以上含有していてもよいし、一般式(3)および(4)の両者を1個以上含有していてもよい。
【0061】
また、(15)〜(16)、(17)〜(18)または(19)〜(20)、は、番号が大きくなるに従って、より好適なオリゴヌクレオチド類縁体を示し、一般式(3)においては、Aを(14)から任意に選択し、Rを(15)〜(16)から任意に選択し、Bを(17)〜(18)から任意に選択し、また、一般式(4)においては、Bを(19)〜(20)から任意に選択し、また、これら一般式(3)および一般式(4)いずれかまたは両方の構造を任意に組合せて得られたオリゴヌクレオチド類縁体及びその薬理学上許容される塩も好適である。一般式(3)における特に好適な組合せは、(14)−(15)−(17)、(14)−(15)−(18)、(14)−(16)−(17)、(14)−(16)−(18)である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】天然型のオリゴヌクレオチドをエキソヌクレアーゼで分解した時の紫外部吸収(260nm)の経時変化を示すグラフで、時間(分)に対して(% of(10mer+9mer)ODN)プロットしたものである。
【発明を実施するための形態】
【0063】
本発明のヌクレオシド類縁体及びオリゴヌクレオチド類縁体は次のように合成できる。
【0064】
ヌクレオシド類縁体の合成
一般式(1)で表される化合物は、下記のA法により、一般式(2)で表される化合物は、B法により得ることができる。
(A法)
【0065】
【化7】

【0066】
A法中、R11は脱離基を形成する基を示し、Yは保護基を示し、R、R、R、AおよびBは前述と同意義を示す。
【0067】
化合物A−1の3’位の保護された水酸基を脱保護して化合物A−2を得、化合物3をアジド化し、化合物A−3を得る。次いで、化合物A−3をアミノ体(化合物A−4)に変換する。化合物A−4に、R及び/又はR(特に、メトキシ基で置換されていてもよいトリチル基)を導入し、化合物A−5を得る。
【0068】
原料化合物である化合物A−1の合成方法は、一般式(1)におけるAが直接結合である場合には、例えば特開平10−304889号公報などに、また、Aが炭素数1〜4のアルキレン基である場合には、例えば、特開2000−297097号公報などに記載されている。Aが−O−(CH−、−N(R)−(CH)−である場合には、原料化合物である化合物A−1は後述のB法に準じて得ることができる。
【0069】
11の「脱離基を形成する基」としては、例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニルのような低級アルキルスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニルのようなハロゲン置換低級アルキルスルホニル基、p−トルエンスルホニルのようなアリールスルホニル基を挙げることができ、好適には、メタンスルホニル基又はp−トルエンスルホニル基である。
【0070】
Yの保護基は、前述のRにおける「核酸合成の水酸基の保護基」と同一であるが、好適には、ベンジル基である。
(B法)
【0071】
【化8】

【0072】
B法中、Xは保護基を示し、Yは保護基を示し、R、R及びBは前述と同意義を示す。Xの保護基は、前述のRにおける「核酸合成の水酸基の保護基」と同一であるが、好適にはベンジル基である。Yの保護基は、前述のRにおける「核酸合成の水酸基の保護基」と同一であるが、好適にはベンジル基である。
【0073】
化合物B−1にパラホルムアルデヒドを反応させることにより環形成反応を行って化合物B−2を得る。次いで3’位および4’位水酸基の保護基をはずし、化合物B−3を得る。化合物B−3に、R及び/又はR(特に、メトキシ基で置換されていてもよいトリチル基)を導入し、化合物B−4を得る。
【0074】
原料化合物である化合物B−1の合成方法は、例えば、Tetrahedron 54, 3607−3630(1998)、特開2000−297097号公報などに記載されている。
【0075】
(2)オリゴヌクレオチド類縁体の合成
化合物A−5またはB−4に、R(特に、ホスホニル基、モノ置換−クロロ(アルコキシ)ホスフィン類、または、ジ置換−アルコキシホスフィン類を反応することにより形成される基)を導入し、化合物A−6またはB−5を得る。DNAシンセサイザーを用いて種々のオリゴヌクレオチド類縁体を合成する。次いで、得られるオリゴヌクレオチド類縁体を逆相カラムを用いて精製し、生成物の純度を逆相HPLCで分析することにより、精製オリゴヌクレオチド類縁体の生成を確認できる。
【0076】
なお、上記A法B法における反応条件、保護基導入試薬、反応試薬は、具体的には実施例に記載の方法を参考にすることができるが、これに限定されず、本分野の技術常識に基づき使用可能な反応条件、試薬を適宜採用することができる。例えば、特開2000−297097号公報、特開平10−304889号公報に記載の方法を参考にすることができる。また、一般式(1)または(2)におけるBとして種々の天然、非天然の核酸塩基およびその他の芳香族複素環や芳香族炭化水素環を有する場合についても、特開平10−304889号公報に記載の方法を参考にして、本発明化合物の原料を合成することができる。
【0077】
化合物A−6およびB−5は、これらのいずれかもしくは両方をオリゴヌクレオチド類縁体の中に1個以上存在させることができる。また、オリゴヌクレオチド類縁体の2カ所以上の位置に、1又は2以上の天然ヌクレオチドを介して隔離された状態で存在させてもよい。本発明によれば、本発明のヌクレオチド類縁体を必要な位置に必要な数(長さ)で導入したオリゴヌクレオチド類縁体を合成することができる。ヌクレオチド類縁体全体の長さとしてヌクレオチド単位が2〜50、好ましくは8〜30個である。
【0078】
本発明のヌクレオチド類縁体は、ヌクレアーゼに対して分解されにくく、生体への投与後、長く生体内に存在することができる。そして、例えば、センスRNAと二重鎖を形成して病因となる生体内成分(タンパク質)の形成してmRNAへの転写を阻害する。また、感染したウイルスの増殖を阻害すると考えられる。
【0079】
これらのことから、本発明のヌクレオチド類縁体は、抗腫瘍剤、抗ウイルス剤とはじめとした遺伝子の働きを阻害して疾病を治療する医薬品としての有用性が期待される。即ち、本発明によれば、安定で優れたアンチセンスもしくはアンチジーン活性、又は特定遺伝子の検出薬若しくは増幅開始の為のプライマーとして優れた活性を有する、オリゴヌクレオチド類縁体及びその製造中間体であるヌクレオシド類縁体が提供される。具体的には、本発明のオリゴヌクレオチド類縁体は、各種の生理・生物活性物質類、医薬品類の材料、RNAi、デコイ用二重鎖オリゴヌクレオチドの機能性材料、cDNAなど一本鎖核酸を標的とするDNAチップ、モレキュラービーコン(molecular beacon)などの機能性素材、様々なアンチセンス法(リボザイム、DNAザイムを含む)やアンチジーン法用途への機能性素材などとして有用である。中でも、一般式(3)で表される構造を含有するオリゴヌクレオチド類縁体は、合成が容易であるとともに、RNAにとの二重鎖形成能が高く、また、酵素耐性にも優れているのでアンチセンス法に特に適する。また、一般式(4)で表される構造を含有するオリゴヌクレオチド類縁体は、2’−4’の環構造の自由度が高いので、三重鎖の形成に適しており、あるいは、RNAとの二重鎖形成能にも優れ、また酵素耐性にも優れているので、アンチジーン法あるいはアンチセンス法に特に適する。
【0080】
本発明のヌクレオチド類縁体は、例えば緩衝剤および/または安定剤等の慣用の助剤を配合して非経口投与用製剤とすることができる。また、局所用の製剤としては、慣用の医薬用担体を配合して軟膏、クリーム、液剤、または膏薬等に調剤できる。
【実施例】
【0081】
以下、本発明のヌクレオシド類縁体およびヌクレオチド類縁体の合成を実施例に基づいてさらに詳しく説明する。
【0082】
[実施例1]ヌクレオシド類縁体の合成:3’−O−[2−Cyanoethoxy−(diisopropylamino)phosphino]−5’−deoxy−5’−(4−methoxytriphenyl−methylamino)−
5−methyl−2’−O,4’−C−methyleneuridine(化合物7)の合成
【0083】
【化9】

【0084】
(1)3’−O−Benzyl−5’−O−mesyl−5−methyl−2’−O,4’−C−methyleneuridine(化合物2)
窒素気流下、化合物1(25mg,0.069mmol)のピリジン溶液(2.0ml)に、メタンスルホニルクロリド(6□l,0.083mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた粗成績体をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:2)により精製し、化合物2(30mg,99%)を白色粉末として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.93(3H,s),3.08(3H,s),3.89,4.09(2H,AB,J=8Hz),3.93(1H,s),4.53,4.61(2H,AB,J=13Hz),4.61(1H,s),4.56,4.67(2H,AB,J=11Hz),5.68(1H,s),7.26−7.42(6H,m) and 8.56(1H,brs).
mp.76−80℃
【0085】
(2)5’−Azido−5’−deoxy−5−methyl−2’−O,4’−C−methyleneuridine(化合物4)
20%Pd(OH)/C 30mgのエタノール懸濁液に化合物2(35mg,0.080mmol)のエタノール溶液とシクロヘキセン(0.3ml,3.0mmol)を加え2時間加熱還流した。触媒をろ過により除去し、溶媒を減圧留去後、得られた5’−O−mesyl−5−methyl−2’−O,4’−C−methyleneuridine(化合物3)の白色固体(27mg)を精製することなく次の反応に用いた。
化合物3(27mg,0.078mmol)とアジ化ナトリウム(10mg,0.154mmol)のジメチルホルムアミド(3.0ml)溶液を窒素気流下、室温で1.5時間、100℃で2時間攪拌した。溶媒を減圧留去した後、少量の水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧留去すると、化合物4(28mg,quant in 2steps)を黄色油状物質として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.90(3H,s),3.77(2H,s),3.84, 4.02(2H,AB,J=8Hz),4.14(1H,s),4.58(1H,s),5.55(1H,s),7.47(1H,s) and 9.89(1H,brs).IR(KBr)2105cm−1(N).
【0086】
(3)5’−Deoxy−5’−(4−methoxytriphenylmethylamino)−5−methyl−2’−O,4’−C−methyleneuridine(化合物6)
窒素気流下、化合物4(28mg,0.095mmol)のピリジン溶液(3.0ml)にトリフェニルホスフィン(49mg,0.19mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。28%アンモニア水溶液(5.0ml)を加え、さらに14時間攪拌した後、溶媒を減圧留去し、5’−amino−5’−deoxy−5−methyl−2’−O,4’−C−methyleneuridine(化合物5)を粗成績体として得た。
窒素気流下、化合物5のピリジン溶液(2.0ml)にモノメトキシトリチルクロリド(32mg,0.104mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた粗成績体をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1) により精製し、化合物6(45mg,87% in 2 steps) を無色油状物質として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.91(3H,s),2.51,2.65(2H,AB,J=14Hz),3.74(3H,s),3.76,3.92(2H,AB,J=8Hz),4.25(1H,s),4.35(1H,s),5.63(1H,s),6.76(2H,d,J=9Hz),7.14−7.80(15H,m) and 8.99(1H,brs).
【0087】
(4)3’−O−[2−Cyanoethoxy(diisopropylamino)phosphino]−5’−deoxy−5’−(4−methoxytriphenylmethylamino)−5−methyl−2’−O,4’−C−methyleneuridine(化合物7)
窒素気流下、化合物6(56mg,103μmol)とジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(20mg,99μmol)のアセトニトリル−テトラヒドロフラン溶液(3:1,4ml)を加え、2−シアノエチル N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(53μl,167μmol)を加えて、室温で、16.5時間攪拌した。2−シアノエチル N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(10μl,31μmol)を追加し、4時間攪拌した。さらに、2−シアノエチル N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(50μl,157μmol)追加し、2.5時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた粗成績体をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1) 後、再沈殿(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、化合物7(69mg,90%)を白色粉末として得た。
31P−NMR(acetone−d)δ:142.3,142.5.mp. 74−77℃
【0088】
[実施例2]ヌクレオシド類縁体の合成:3’−O−[2−cyanoethoxy−(diisopropylamino)phosphino]−5’−O−(4,4’−dimethoxytrityl)−2’−O,4’−C−methylenoxymethylene−5−methyluridine(化合物12)の合成
【0089】
【化10】

【0090】
(1)2’−O,4’−C−Methylenoxymethylene−5−methyluridine(化合物10)
窒素気流下、室温で化合物8(48mg,0.10mmol:J.Wengel et al.,
窒素気流下、室温で化合物8(48mg,0.10mmol:J.Wengel et al.,Tetrahedron,54,3607−3630(1998)に記載の化合物)の1,2−ジクロロメタン溶液にp−トルエンスルホン酸・1水和物((10mg,53μmol)およびパラホルムアルデヒド(50mg)を加え、その混合物を2時間還流した。反応液に飽和重曹水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル(3:2,v/v)により精製し、化合物9(41mg,84%)を白色粉末として得た。
mp 65−70℃.
H−NMR(CDCl)δ:1.52(3H,s),3.54(1H,d,J=10Hz),3.68−3.76(3H,m),4.37(1H,d,J=6Hz),4.44(1H,d,J=6Hz),4.50−4.60(3H,m),4.79(1H,d,J=12Hz),5.21,5.31(2H,AB,J=6Hz),6.12(1H,s),7.21−7.37(10H,m),7.60(1H,s),8.07(1H,brs).
【0091】
20%Pd(OH)/C(25mg)のエタノール懸濁液に化合物9(36mg,ca.75mmol)のエタノール溶液とシクロヘキセン(0.38ml,3.75mmol)を加え、3時間還流した。混合物をろ過した後、ろ液にシリカ(0.2g)を加え、減圧濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール(12:1,v/v))により精製し、化合物3(20mg,89%)を得た。
mp 294−295℃.
H−NMR(CDOD)δ:1.86(3H,s),3.65,3.70(2H,AB,J=12Hz),3.70(2H,s),4.18(1H,d,J=6Hz),4.49(1H,d,J=6Hz),5.07,5.32(2H,AB,J=6Hz),6.05(1H,s),7.99(1H,s).
【0092】
(2)5’−O−(4,4’−dimethoxytrityl)−2’−O,4’−C−methylenoxymethylene−5−methyluridine(化合物11)
窒素気流下、室温で化合物10((157mg,0.52mmol)の無水ピリジン(3ml)溶液にジメトキシトリチルクロリド(DMTrCl、266mg,0.79mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、次いで減圧濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール(50:1,v/v))により精製し、化合物11(315mg,100%)を白色粉末として得た。
mp 189−194℃.
H−NMR(acetone−d)δ:1.42(3H,s),3.34, 3.38(2H,AB,J=11Hz),3.70,3.85(2H,AB,J=12Hz),3.79(6H,s),4.34(1H,d,J=6Hz),4.91(1H,dd,J=6,6Hz),5.07(1H,d,J=6Hz),5.28(1H,d,J=6Hz),5.30(1H,d,J=6Hz),6.16(1H,s),6.89(4H,d,J=8Hz),7.24−7.51(9H,m),7.60(1H,s),9.97(1H,brs).
【0093】
(3)3’−O−[2−cyanoethoxy(diisopropylamino)phosphino]−5’−O−(4,4’−dimethoxytrityl)−2’−O,4’−C−methylenoxymethylene−5−methyluridine(化合物12)
窒素気流下、化合物11(100mg,0.17mmol)とジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(40mg,0.23mmol)の無水アセトニトリル−テトラヒドロフラン溶液(3:1,4ml)に、室温で2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(189μl,0.60mmol)を加えて、室温で4時間攪拌し、さらに40℃で7時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1,v/v))により精製し、化合物12(107mg,80%)を白色粉末として得た。
mp 81−87℃.
31P−NMR(CDCl)δ:150.50,150.83.
【0094】
[実施例3]ヌクレオシド類縁体の合成
−benzoyl−2’−O−4’−C−methylenoxy−methylenecytidine(化合物26)
(1)N−Benzoyl−4’−C−acetoxymethyl−2’−O−acetyl−3’−O−benzyl−5’−O−tert−butyldiphenylsilylcytidine(化合物22)の合成
【0095】
【化11】

【0096】
窒素気流下、化合物21(1.86g,2.93mmol)の無水アセトニトリル溶液(30ml)にベンゾイルシトシン(950mg,4.40mmol),N,O−ビス(トリメチルシリル)アセタミド(1.67ml,11.7mmol)を加え、2時間加熱還流した。0℃に冷却し、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸(0.26ml,1.47mmol)を滴下し、6時間加熱還流した後、反応液を飽和重曹水に滴下した。この溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水の順に洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:2)により精製し、化合物22(1.37g,59%)を白色粉末として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.12(9H,s),1.94(3H,s),2.12(3H,s),3.77,4.03(2H,AB,J=11Hz),4.51(1H,d,J=4Hz),4.54,4.13(2H,AB,J=12Hz),4.60,4.20(2H,AB,J=11Hz),5.51(1H,dd,J=4Hz,4Hz),6.24(1H,d,J=4Hz),7.65−7.21(19H,m),7.90(2H,d,J=7Hz),8.12(1H,d,J=7Hz),8.81(1H,brs).
mp 135−140℃.
【0097】
(2)N−Benzoyl−3’−O−benzyl−5’−O−tert−butyldiphenylsily−4’−C−hydroxymethylcytidine(化合物23)の合成
窒素気流下、化合物22(6.50g,8.23mmol)のテトラヒドロフラン:水=1:1(90ml)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(1.60g,38.2mmol)を加え、2時間撹拌した。水酸化リチウム一水和物(500mg,11.9mmol)を加えさらに2時間撹拌した後、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水の順位に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒留去後、酢酸エチルで再結晶し、化合物23(5.24g,84%)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.07(9H,s),3.11(1H,brs),3.68,3.85(2H,AB,J=11Hz),3.85,3.73(2H,AB,J=11Hz),4.32(1H,d,J=6Hz),4.36(1H,brs),4.47,4.84(2H,AB,J=11Hz),4.82(1H,brs),6.11(1H,s),7.21−7.61(19H,m),7.91(2H,d,J=7Hz),8.14(1H,d,J=7Hz),8.93(1H,brs).
mp 144−145℃.
【0098】
(3)N−Benzoyl−3’−O−benzyl−5’−O−tert−butyldiphenylsily−2’−O−4’−C−methylenoxymethylenecytidine(化合物24)の合成
窒素気流下、化合物23(324mg,0.46mmol),の無水ジクロロエタン溶液(20ml)に、p−トルエンスルホン酸一水和物(130mg,0.68mmol)を加えて60℃に加熱した。この溶液にパラホルムアルデヒド(41mg)を加え、60℃で90分撹拌した。パラホルムアルデヒド(50mg)を加え、さらに2時間撹拌した後、反応液を氷冷後、飽和重曹水を加えた。この溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水の順に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:3)により精製し、化合物24(230mg,70%)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.25(1H,brs),3.68−3.85(4H,m),4.53,4,57(2H,AB,J=6Hz)4.57(1H,d,J=11Hz),4.80(1H,d,J=11Hz),5.25,5.37(2H,AB,J=6Hz),6.13(1H,s),7.25−7.39(15H,m),7.48−7.64(4H,m),7.87(2H,d,J=8Hz),8.24(1H,d,J=8Hz),8.73(1H,brs).
mp 102−105℃.
【0099】
(4)N−Benzoyl−3’−O−benzyl−2’−O−4’−C−methylenoxymethylenecytidine(化合物25)の合成
窒素気流下、化合物24(1.05g,1.46mmol)の無水THF溶液(30ml)に1M TBAFのTHF溶液(1.9ml)を加えて18時間撹拌した。溶媒留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:3)により精製し、化合物25(504mg,72%)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.38(1H,brs),3.70,3.86(2H,ABq,J=12Hz),3.73,3.78(2H,AB,J=12Hz),4.52,4.57(2H,AB,J=6Hz),4.57(1H,d,J=12Hz),4.80(1H,d,J=12Hz),5.25,5.37(2H,AB,J=6Hz),6.15(1H,s),7.29−7.39(5H,m),7.47−7.63(4H,m),7.86(2H,d,J=7Hz),8.28(1H,d,J=7Hz),8.74(1H,brs).
mp 242−243℃.
【0100】
(5)N−Benzoyl−2’−O−4’−C−methylenoxymethylenecytidine(化合物26)の合成
窒素気流下、化合物25(86mg,0.17mmol)の無水メタノール溶液(15ml)に水酸化パラジウム−活性炭(68mg)、シクロヘキセン(0.17ml,1.7mmol)を加え、3時間加熱還流した。反応液をろ過後、ろ液にシリカゲル(0.2g)を加え、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=12:1)により精製し、化合物26(30mg,43%)を白色固体として得た。
H−NMR(CDOD)δ:3.52−3.66(4H,m),4.50(1H,d,J=11Hz),4.62(1H,d,J=11Hz),5.01,5.20(2H,AB,J=6Hz),5.77(1H,d,J=8Hz),5.99(1H,s),7.15−7.26(5H,m),8.03(1H,d,J=8Hz).
【0101】
[実施例4]ヌクレオシド類縁体を含有するオリゴヌクレオチド類縁体の合成
化合物12を含有するオリゴヌクレオチド類縁体は、標準的なホスホロアミダイトプロトコールに従って、ExpediteTM 8909(ABI社製)により0.2μmolスケールで合成した。アミダイトユニット(化合物12)と5’−末端の水酸基とのカップリング時間は、2分(標準条件)から45分に延長した。5’−末端のDMTr基により保護され、固相支持されたオリゴヌクレオチド類縁体は、濃アンモニウムヒドロキシドで60℃で18時間処理し、溶媒を留去した。得られた粗成績体をNENSORBTM PREPにより粗精製後、逆相HPLC(WakoPak登録商標 WS−DNA column,10mm×250mm)により精製した。
合成されたオリゴヌクレオチド類縁体の純度は、逆相HPLC(WakoPak登録商標 WS−DNA column,4.6mm×250mm)により確認した(条件:0.1Mトリメチルアンモニウム酢酸バッファー(pH7.0)中、1ml/min.で30分の8−16%アセトニトリルのグラディエント)。また、分子量は、MALDI−TOF−MASS測定により決定した。
また、化合物7を含有するオリゴヌクレオチド類縁体も上記と同様の方法により合成した。以下に合成したオリゴヌクレオチド類縁体を示す。
【0102】
【表1】

【0103】
【表2】

【0104】
【表3】

【0105】
【表4】

【0106】
実験例1:融解温度(Tm)の測定(1)
実施例で合成したオリゴヌクレオチド鎖7−1〜7−5(アンチセンス鎖)とセンス鎖とをアニーリング処理したもののTmを測定することにより、アンチセンスのハイブリッド形成能を調べた。
【0107】
終濃度をそれぞれ、NaCl 150mM、リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)10mM、アンチセンス鎖2μM、センス鎖2μMとしたサンプル溶液(500μL)を沸騰水中に浴し、10時間かけて室温まで冷却した。分光光度計(Shimadzu,UV−2100PC)のセル室内に結露防止のために窒素気流を通し、サンプル溶液を5℃まで徐々に冷却し、さらに20分間10℃に保った後、測定を開始した。温度は90℃まで毎分0.2℃ずつ上昇させ、0.1℃間隔で260nmにおける紫外部吸収を測定した。なお温度上昇により濃度が変化するのを防ぐため、セルは蓋付きのものを用い、サンプル溶液表面に鉱油を1滴添加し測定を行った。結果を表5に示す。
【0108】
【表5】

【0109】
以上より、本発明のヌクレオチド類縁体は、一本鎖DNAに対する親和性に比較して一本鎖RNAに対する親和性が高く、アンチセンス法に適するものと考えられる。
実験例2:融解温度(Tm)の測定(2)
実施例で合成したオリゴヌクレオチド鎖7−3について、実験例1と同様の方法により、二重鎖DNA(ヘアピンDNA)との三重鎖形成能を調べた。結果および実験条件を表6に示す。
【0110】
【表6】

【0111】
表6より、天然型オリゴヌクレオチドが二本鎖DNAとの三重鎖形成能が認められなかったのに比較して、本発明のオリゴヌクレオチド類縁体には三重鎖形成能が認められ、アンチ−ジーン法などにも有用であると考えられた。
【0112】
実験例3:融解温度(Tm)の測定(3)
実施例で合成したオリゴヌクレオチド鎖12−5について、実験例1と同様の方法により、二重鎖DNAとの三重鎖形成能を調べた。結果および実験条件を表7に示す。
【0113】
【表7】

【0114】
表7中、12は本発明の化合物12を示し、は2’−デオキシ−5−メチルシチジンを意味する。表7より、本発明の化合物12を含むオリゴヌクレオチド類縁体は、標的二重鎖との間に高い配列選択性で三重鎖を形成したことがわかる。
【0115】
実験例4:融解温度(Tm)の測定(4)
実施例で合成したオリゴヌクレオチド鎖12−1〜12−4について、実験例1と同様の方法により、これらオリゴヌクレオチド鎖と一本鎖RNA、一本鎖DNAとの二重鎖形成能、及び二本鎖DNAとの三重鎖形成能を調べた。結果および実験条件を表8に示す。
【0116】
【表8】

【0117】
表8中、は2’−デオキシ−5−メチルシチジンを意味する。表8より、本発明の化合物12を含むオリゴヌクレオチド類縁体は、天然型に比較して一本鎖RNAに対して高い二重鎖形成能を有していることがわかる。また、三重鎖形成能も優れていることもわかる。
【0118】
同様に、上記実施例で合成したオリゴヌクレオチド鎖12−6〜12−11について、実験例1と同様の方法により、これらオリゴヌクレオチド鎖と一本鎖RNA、及び一本鎖DNAとの二重鎖形成能との二重鎖形成能を調べた。
結果および実験条件を表9に示す。
【0119】
【表9】

【0120】
表9の結果から明らかなように、本発明の化合物12を含むオリゴヌクレオチド類縁体は、一本鎖DNA及び一本鎖RNAに対して高い二重鎖形成能を有していることがわかる。
【0121】
実験例5:酵素耐性の測定
天然型及び非天然型の下記のオリゴヌクレオチドについて、オリゴヌクレオチドを3’側から分解するエキソヌクレアーゼに対する耐性を調べた。
15分間37℃に保ったオリゴヌクレオチド(10μg)のバッファー溶液(320μl)に、蛇毒ホスホジエステラーゼ(0.2μg)のバッファー溶液を混合した。オリゴマーの分解による紫外部吸収(260nm)の増加をSHIMADZU UV−2100PCを用い、37℃で経時的に測定した。用いたバッファーの組成はTris HCl(pH8.0)50mM,MgCl 10mMであり、測定前に十分に脱気した。
測定に用いたオリゴヌクレオチドの配列を以下に示す。
天然型 5’−TTTTTTTTTT−3’
7−4 5’−TTTTTTTTXT−3’
【0122】
紫外部吸収の経時変化を表10及び図1に示した。表10及び図1中、「% of(10mer+9mer)ODNとは、0時点における未分解オリゴヌクレオチド(10mer)に対する、測定時点における未分解オリゴヌクレオチド(10mer)及び3’側ヌクレオチドが1個外れたオリゴヌクレオチド(9mer、即ち、天然型では、5’−TTTTTTTTT−3’、化合物7−4では、5’−TTTTTTTTX−3’)の残存率%(吸光度での比率)を示す。
【0123】
【表10】

【0124】
表10および図1の結果から、本発明のオリゴヌクレオチド類縁体は、天然型に比較して優れた酵素耐性を有していることがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(2)で表される化合物及びその塩。
【化1】


(式中、
Bは、置換基を有していてもよい芳香族複素環基もしくは芳香族炭化水素環基を示す。
及びRは、同一又は異なって、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、シリル基、リン酸基、核酸合成の保護基で保護されたリン酸基、−P(R)R10[式中、RおよびR10は、同一または異なって、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、アミノ基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキルチオ基、炭素数1〜6のシアノアルコキシ基、または、炭素数1〜5のアルキル基で置換されたアミノ基を示す。]を示す。)
【請求項2】
が、水素原子、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンもしくはシアノ基でアリール環が置換された1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、または、シリル基である、請求項1に記載の化合物及びその塩。
【請求項3】
が、水素原子、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、ジメトキシトリチル基、モノメトキシトリチル基、又は、tert−ブチルジフェニルシリル基である、請求項1に記載の化合物及びその塩。
【請求項4】
が、水素原子、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンもしくはシアノ基でアリール環が置換された1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、シリル基、ホスホロアミダイト基、ホスホニル基、リン酸基、又は、保護されたリン酸基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物及びその塩。
【請求項5】
が、水素原子、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、−P(OCCN)(N(i−Pr))、−P(OCH)(N(i−Pr))、ホスホニル基、又は、2−クロロフェニルもしくは4−クロロフェニルリン酸基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物及びその塩。
【請求項6】
Bが、プリン−9−イル基、2−オキソ−ピリミジン−1−イル基、または下記α群から選択される置換基を有するプリン−9−イル基もしくは2−オキソ−ピリミジン−1−イル基である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物及びその塩。
α群:水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1〜5のアルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1〜5のアルキルチオ基、アミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されたアミノ基、炭素数1〜5のアルキル基、および、ハロゲン原子。
【請求項7】
Bが、6−アミノプリン−9−イル(即ち、アデニニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された6−アミノプリン−9−イル、2,6−ジアミノプリン−9−イル、2−アミノ−6−クロロプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−クロロプリン−9−イル、2−アミノ−6−フルオロプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−フルオロプリン−9−イル、2−アミノ−6−ブロモプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−ブロモプリン−9−イル、2−アミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル(即ち、グアニニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル、6−アミノ−2−メトキシプリン−9−イル、6−アミノ−2−クロロプリン−9−イル、6−アミノ−2−フルオロプリン−9−イル、2,6−ジメトキシプリン−9−イル、2,6−ジクロロプリン−9−イル、6−メルカプトプリン−9−イル、2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、シトシニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、4−アミノ−2−オキソ−5−クロロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メトキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メルカプト−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、ウラシニル)、2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−メチル−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、チミニル)、4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、5−メチルシトシニル)、または、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イルである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物及びその塩。
【請求項8】
下記一般式(4)で表される構造を1または2個以上含有するオリゴヌクレオチド類縁体またはその薬理学上許容される塩。但し、これら構造の1種以上を2個以上含有する場合は、当該構造間でBは同一または異なる。
【化2】


(式中、Bは、置換基を有していてもよい芳香族複素環基もしくは芳香族炭化水素環基を示す。)
【請求項9】
Bが、プリン−9−イル基、2−オキソ−ピリミジン−1−イル基、または下記α群から選択される置換基を有するプリン−9−イル基もしくは2−オキソ−ピリミジン−1−イル基である、請求項8に記載のオリゴヌクレオチド類縁体またはその薬理学上許容される塩。
α群:水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1〜5のアルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1〜5のアルキルチオ基、アミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されたアミノ基、炭素数1〜5のアルキル基、および、ハロゲン原子。
【請求項10】
Bが、6−アミノプリン−9−イル(即ち、アデニニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された6−アミノプリン−9−イル、2,6−ジアミノプリン−9−イル、2−アミノ−6−クロロプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−クロロプリン−9−イル、2−アミノ−6−フルオロプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−フルオロプリン−9−イル、2−アミノ−6−ブロモプリン−9−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−ブロモプリン−9−イル、2−アミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル(即ち、グアニニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−アミノ−6−ヒドロキシプリン−9−イル、6−アミノ−2−メトキシプリン−9−イル、6−アミノ−2−クロロプリン−9−イル、6−アミノ−2−フルオロプリン−9−イル、2,6−ジメトキシプリン−9−イル、2,6−ジクロロプリン−9−イル、6−メルカプトプリン−9−イル、2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、シトシニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、4−アミノ−2−オキソ−5−クロロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メトキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メルカプト−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、ウラシニル)、2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−メチル−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、チミニル)、4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、5−メチルシトシニル)、または、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イルである、請求項8に記載のオリゴヌクレオチド類縁体またはその薬理学上許容される塩。
【請求項11】
が、水素原子、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、炭素数1〜6のアルキル、低級アルコキシ、ハロゲンもしくはシアノ基でアリール環が置換された1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、または、シリル基である、請求項1に記載の化合物及びその塩。
【請求項12】
が、水素原子、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、炭素数1〜6のアルキル、低級アルコキシ、ハロゲンもしくはシアノ基でアリール環が置換された1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、シリル基、ホスホロアミダイト基、リン酸基、又は、保護されたリン酸基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物及びその塩。
【請求項13】
Bが、2−オキソ−ピリミジン−1−イル基、または水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1〜5のアルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1〜5のアルキルチオ基、アミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されたアミノ基、炭素数1〜5のアルキル基、および、ハロゲン原子から選択される置換基を有する2−オキソ−ピリミジン−1−イル基である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物及びその塩。
【請求項14】
Bが、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基およびメチル基から選択される置換基を有する2−オキソ−ピリミジン−1−イル基である、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物及びその塩。
【請求項15】
Bが、2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、シトシニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、4−アミノ−2−オキソ−5−クロロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メトキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メルカプト−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、ウラシニル)、2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−メチル−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、チミニル)、4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、5−メチルシトシニル)、または、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イルであり、
が、水素原子、核酸合成のアミノ基の保護基、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、シリル基、リン酸基、核酸合成の保護基で保護されたリン酸基、または−P(R)R10[式中、RおよびR10は、同一または異なって、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、アミノ基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキルチオ基、炭素数1〜6のシアノアルコキシ基、または、炭素数1〜5のアルキル基で置換されたアミノ基を示す。]であり、そして
が、水素原子、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、炭素数1〜6のアルキル、低級アルコキシ、ハロゲンもしくはシアノ基でアリール環が置換された1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、シリル基、ホスホロアミダイト基、リン酸基、又は、保護されたリン酸基である、
請求項1に記載の化合物及びその塩。
【請求項16】
Bが、2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−メチル−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、チミニル)または2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、シトシニル)であり、
が、水素原子、1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、炭素数1〜6のアルキル、低級アルコキシ、ハロゲンもしくはシアノ基でアリール環が置換された1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、または、シリル基であり、そして
が、水素原子、1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、炭素数1〜6のアルキル、低級アルコキシ、ハロゲンもしくはシアノ基でアリール環が置換された1〜3個のアリール基で置換されたメチル基、ホスホロアミダイト基、リン酸基、又は、保護されたリン酸基を示す、請求項1に記載の化合物及びその塩。
【請求項17】
Bが、2−オキソ−ピリミジン−1−イル基、または水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1〜5のアルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1〜5のアルキルチオ基、アミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、炭素数1〜5のアルキル基で置換されたアミノ基、炭素数1〜5のアルキル基、および、ハロゲン原子から選択される置換基を有する2−オキソ−ピリミジン−1−イル基である、請求項8に記載のオリゴヌクレオチド類縁体またはその薬理学上許容される塩。
【請求項18】
Bが、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、およびメチル基から選択される置換基を有する2−オキソ−ピリミジン−1−イル基である、請求項8に記載のオリゴヌクレオチド類縁体またはその薬理学上許容される塩。
【請求項19】
Bが、2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、シトシニル)、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された2−オキソ−4−アミノ−5−フルオロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、4−アミノ−2−オキソ−5−クロロ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メトキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−メルカプト−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、2−オキソ−4−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、ウラシニル)、2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−メチル−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、チミニル)、4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、5−メチルシトシニル)、または、アミノ基が核酸合成の保護基で保護された4−アミノ−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イルである、請求項8に記載のオリゴヌクレオチド類縁体またはその薬理学上許容される塩。
【請求項20】
Bが、2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−メチル−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、チミニル)または2−オキソ−4−アミノ−1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル(即ち、シトシニル)である、請求項8に記載のオリゴヌクレオチド類縁体またはその薬理学上許容される塩。

【図1】
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【公開番号】特開2009−215314(P2009−215314A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147035(P2009−147035)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【分割の表示】特願2003−567921(P2003−567921)の分割
【原出願日】平成15年2月13日(2003.2.13)
【出願人】(594147039)
【Fターム(参考)】