説明

ネジフシ鉄筋用取付具及び該ネジフシ鉄筋用取付具の取付方法

【課題】グラウト材の注入作業又はネジフシ鉄筋の端部にネジ部を必要とする。
【解決手段】中央に形成された鉄筋挿入孔2を形成する取付具本体10の内周面に、ネジフシ鉄筋Tにおける螺旋突条Mを遊嵌可能な、該螺旋突条Mと同ピッチの螺旋溝3を刻設し、上記螺旋突条Mと上記螺旋溝3により形成された螺旋状の隙間Sに収容するコイル材11を有した取付具とする。よって、コイル材11さえ準備すれば、グラウト材注入タイプの取付具と同構成の螺旋溝3を有する取付具本体10であれば、上記螺旋溝3の幅が事実上狭くなるか、或いは上記螺旋突条Mの幅が事実上広くなり、螺旋突条Mの側面の一方が対向する螺旋溝3の一方の内側面に、他方がコイル材11を介して螺旋溝3の他方の内側面に夫々接触又は近接状態となり、グラウト材又はネジ部が不要になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば柱や梁の主筋としての2本のネジフシ鉄筋を連結する鉄筋用継手や、ネジフシ鉄筋の端部に取り付ける定着具の様な、ネジフシ鉄筋用取付具及び該ネジフシ鉄筋用取付具の取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄筋用継手や定着具の様なネジフシ鉄筋への取付具にあっては、ネジフシ鉄筋の端部に外嵌すると共に、ネジフシ鉄筋との間の隙間にグラウト材を充填して、ネジフシ鉄筋に対し取付具を一体化する様にしたものが見受けられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5に示す取付具は、ネジフシ鉄筋の端部に取り付ける定着具であり、上記特許文献1の図面に記載されたものと詳細構造を異にするが、定着具としての基本的構造は同一のため、従来技術を説明するために示したものであり、かかる取付具1にあっては、中央に形成された鉄筋挿入孔2を形成する取付具1の内周面に、ネジフシ鉄筋Tにおける螺旋突条Mを遊嵌可能な螺旋溝3を刻設し、該螺旋溝3のピッチをネジフシ鉄筋Tの螺旋突条Mと同ピッチに設定し、外側面より鉄筋挿入孔2に至るグラウト材充填用の注入孔4を穿設し、該注入孔4よりグラウト材Gを鉄筋挿入孔2とネジフシ鉄筋T間の隙間に充填して、ネジフシ鉄筋Tに対し取付具1を一体化する様にしている。
【0004】
しかし、上記取付具1にあっては、グラウト材による一体化を強度的に不安視するユーザーも存在することから、ボルト・ナット形式にして一体性を向上させた取付具も見受けられる(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
図6に示す取付具は、ネジフシ鉄筋の端部に取り付ける定着具であり、上記特許文献2の図面に記載されたものと詳細構造を異にするが、取付具としての基本的構造は同一のため、従来技術を説明するために示したものであり、かかる取付具1Aにあっては、ネジフシ鉄筋Tの端部に、螺旋突条Mより極めて小ピッチなネジ部5を形成し、鉄筋挿入孔2を形成する取付具1Aの内周面に、ネジ部10に螺合するネジ溝6を形成して、ネジフシ鉄筋Tに対し取付具1Aを螺合一体化する様にしている。
【0006】
【特許文献1】特許第3889283号公報(特許請求の範囲、図2)
【特許文献2】特許第3512360号公報(請求項1、図1、3、5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記従来技術にあっては、上記特許文献1の場合、グラウト材の注入作業が必要で、而もはみ出たり余ったグラウト材等がごみとなって処分せねばならず、上記特許文献2の場合、ネジフシ鉄筋の端部に直接ネジ部を刻設したり、端部にネジ棒を摩擦圧接等の手段により一体化して形成せねばならなかったり、取付時におけるネジフシ鉄筋に対する取付具の回転数が多くなったり、万一ネジ部のネジ山が潰れたり取付時にごみが噛み込んでしまって取付具が取り付け難くなり易いなど、解決せねばならない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記従来技術に基づく、グラウト材の注入作業又はネジ部が必要な課題に鑑み、中央に形成された鉄筋挿入孔を形成する取付具本体の内周面に、ネジフシ鉄筋における螺旋突条を遊嵌可能な螺旋溝を刻設し、該螺旋溝のピッチをネジフシ鉄筋の螺旋突条と同ピッチに設定し、取付具本体側の螺旋溝とネジフシ鉄筋側の螺旋突条により形成された螺旋状の隙間に収容するコイル材とを有した取付具であれば、コイル材さえ準備すれば、上記特許文献1のグラウト材を使用する取付具と同構成の鉄筋挿入孔及び螺旋溝を有する取付具本体であれば、グラウト材の注入孔の有無を問わず、取付具本体側の螺旋溝の幅が事実上狭くなるか、或いはネジフシ鉄筋側の螺旋突条の幅が事実上広くなって、螺旋突条の側面の一方は対向する螺旋溝の一方の内側面に、他方はコイル材を介して螺旋溝の他方の内側面に夫々接触又は近接状態となって、上記特許文献2と同等の確実性を満たすことが可能となって、グラウト材又はネジ部を不要にして、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0009】
要するに本発明は、中央に形成された鉄筋挿入孔を形成する取付具本体の内周面に、ネジフシ鉄筋における螺旋突条を遊嵌可能な螺旋溝を刻設し、該螺旋溝のピッチをネジフシ鉄筋の螺旋突条と同ピッチに設定し、取付具本体側の螺旋溝と該取付具本体の鉄筋挿入孔に挿入状態のネジフシ鉄筋側の螺旋突条により形成された螺旋状の隙間に収容するコイル材を有したので、取付具本体側の螺旋溝とネジフシ鉄筋側の螺旋突条との隙間をコイル材で埋めることが出来るため、例え螺旋突条の側面の一方が対向する螺旋溝の一方の内側面と、他方がコイル材を介して螺旋溝の他方の内側面に夫々接触せずに近接状態となって、取付具本体がネジフシ鉄筋の長手方向に動くとしてもその移動量を極僅かにすることが出来るため、例えば定着具や鉄筋用継手としての機能を充分に果たすことが出来、よってグラウト材又はネジ部を不要にすることが出来、而も例え取付具本体に上記特許文献1に記載の従来技術における定着具の様にグラウト注入孔が形成されていたとしても機能上何の問題もなく、そのまま利用することも出来る。
更に、コイル材を、螺旋溝の一方の内側面及び螺旋突条の一方の側面に対し当接状態となり、且つ螺旋溝の他方の内側面に対し螺旋突条の他方の側面が当接状態となる様に形成したので、ネジフシ鉄筋における螺入端部の螺旋突条の一方の側面全体を、コイル材を介して鉄筋挿入孔の螺旋溝における一方の側面に当接させることが出来ると共に、ネジフシ鉄筋における螺入端部の螺旋突条の他方の側面全体を、鉄筋挿入孔の螺旋溝における他方の側面に当接させることが出来るため、取付具本体をネジフシ鉄筋に対し長手方向に微動させない様にすることが出来、よって上記特許文献2に記載の従来技術と同等の一体性を確保することが出来、ボルト・ナット形式の取付具を好むユーザーの要請にも対応させることが出来る。
【0010】
ネジフシ鉄筋に対しコイル材の先端を、ネジフシ鉄筋の螺旋突条間の螺旋状のスペースの端部側の始端より差し入れた後、コイル材を回転させつつネジフシ鉄筋の長手方向に押して、ネジフシ鉄筋の端部にコイル材を巻付け状態となる様に取り付け、次に取付具本体における鉄筋挿入孔に対しネジフシ鉄筋の端部をねじ込み、ネジフシ鉄筋の螺旋突条を、螺旋突条内における一方の内側面とコイル材との間に嵌まり込ませて、ネジフシ鉄筋に対し上記取付具本体を螺合する様にしたので、上記特許文献2に記載の従来技術と比較して若干手間を要するが、上記特許文献1に記載のネジフシ鉄筋及び定着具を利用し、単にコイル材の取付作業を加えるだけで上記特許文献2と同等の一体性を有させることを実現出来る等その実用的効果甚だ大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るネジフシ鉄筋用取付具の一例としての定着具、鉄筋用継手の取付状態を示す断面図であり、かかるネジフシ鉄筋用取付具にあっては、図5に示す従来の取付具1と同様に、鉄筋挿入孔2を形成する内周面に、ネジフシ鉄筋Tにおける螺旋突条Mを遊嵌可能な螺旋溝3が刻設された取付具本体10と、取付具本体10側の螺旋溝3と上記鉄筋挿入孔2に挿入状態のネジフシ鉄筋T側の螺旋突条Mにより形成された螺旋状の隙間Sに収容するコイル材11とを有している。
図2は、本発明に係るネジフシ鉄筋用取付具の一例としての鉄筋用継手の取付状態を示す断面図であり、かかるネジフシ鉄筋用取付具にあっては、2本のネジフシ鉄筋T、Taの両端部E、Eaを両方向から挿入する鉄筋挿入孔2を貫設すると共に、該鉄筋挿入孔2を形成する内周面にネジフシ鉄筋T、Taにおける螺旋突条M、Maを遊嵌可能な、ネジフシ鉄筋T、Taの螺旋突条M、Maと同ピッチの螺旋溝3が刻設された筒状の取付具本体10と、該取付具本体10側の螺旋溝3と上記鉄筋挿入孔2に挿入状態の2本のネジフシ鉄筋T、Ta側の螺旋突条M、Maにより形成された螺旋状の隙間S、Saに収容するコイル材11、11a とを夫々有している。
【0012】
図1のコイル材11及び図2のコイル材11、11a にあっては、伸縮自在にして弾性を有し、螺旋方向を螺旋突条M、Maと同方向とし、ネジフシ鉄筋Tの外周面における螺旋突条M間の螺旋状のスペースに沿って巻き付けられ、且つ取付具本体10側の螺旋溝3の両内側面3a、3bの一方及びネジフシ鉄筋T側の螺旋突条Mの両側面Na、Nbの一方に対し接触状態とし、又取付具本体10側の螺旋溝3の両内側面3a、3bの他方に対しネジフシ鉄筋T側の螺旋突条Mの両側面Na、Nbの他方を接触状態としている。
【0013】
具体的に説明する。
〔図1の定着具の場合〕
コイル材11は、取付具本体10側の螺旋溝3の一方の内側面3a及びネジフシ鉄筋T側の螺旋突条Mの一方の側面Naに対し接触状態となり、取付具本体10側の螺旋溝3の他方の内側面3bに対しネジフシ鉄筋T側の螺旋突条Mの他方の側面Nbが接触状態となっている。
〔図2の鉄筋用継手の場合〕
一方のネジフシ鉄筋T側のコイル材11は、取付具本体10側の螺旋溝3の一方の内側面3a及びネジフシ鉄筋T側の螺旋突条Mの一方の側面Naに対し接触状態となり、取付具本体10側の螺旋溝3の他方の内側面3bに対しネジフシ鉄筋T側の螺旋突条Mの他方の側面Nbが接触状態となり、他方のネジフシ鉄筋Ta側のコイル材11a は、取付具本体10側の螺旋溝3の他方の内側面3b及びネジフシ鉄筋T側の螺旋突条Mの一方の側面Naに対し接触状態となり、取付具本体10側の螺旋溝3の一方の内側面3aに対しネジフシ鉄筋T側の螺旋突条Mの他方の側面Nbが接触状態となっている。
【0014】
次に本発明に係るネジフシ鉄筋用取付具の取付方法及び作用について説明する。
(1)ネジフシ鉄筋Tに対しコイル材11を、ネジフシ鉄筋Tの螺旋突条M間の螺旋状のスペースの端部E側の始端よりコイル材11の先端を差し入れ、コイル材11を回転させつつネジフシ鉄筋Tの長手方向に押して、ネジフシ鉄筋Tの端部Eにコイル材11を巻付け状態となる様に取り付ける(図3(a)参照)。
(2)上記取付具本体10における鉄筋挿入孔2に対しネジフシ鉄筋Tの端部Eをねじ込み、ネジフシ鉄筋Tの螺旋突条Mを、螺旋突条M内における一方の内側面3aとコイル材11との間を進行させる様にして、ネジフシ鉄筋Tに対し上記取付具本体10を螺合して(図3(b)参照)、図1に示す状態にする。
【0015】
すると、上記(2)工程時に、図1、図4(a)に示す様に、ネジフシ鉄筋Tの螺旋突条Mにおける端部E側とは反対側の側面Nbに対し、螺旋溝3の鉄筋挿入孔2の開口側の内側面3bが密着状態となり、螺旋溝3の鉄筋挿入孔2の挿入開口側の内側面3bとは反対側の内側面3aと、ネジフシ鉄筋Tの螺旋突条Mにおける端部E側の側面Naとの間の隙間Sにコイル材11が収容状態となり、該コイル材11が内側面3a及び側面Naに当接状態となる。
【0016】
又、図2の鉄筋用継手の場合、上記(1)工程と同様に、2本のネジフシ鉄筋T、Taの端面E、Eaにコイル材11、11a を取り付け、上記(2)工程と同様に、上記取付具本体10における鉄筋挿入孔2の両端開口部より2本のネジフシ鉄筋T、Taの端部E、Eaをねじ込み、一方のネジフシ鉄筋Tの螺旋突条Mを、螺旋突条M内における一方の内側面3aとコイル材11との間を進行させると共に、他方のネジフシ鉄筋Taの螺旋突条Maを、螺旋突条M内における他方の内側面3bとコイル材11a との間を進行させる様にして、ネジフシ鉄筋T、Taに対し上記取付具本体10を螺合し2本のネジフシ鉄筋T、Taを連結し、図2に示す状態にする。
すると、ネジフシ鉄筋Tの螺旋突条Mにおける端部E側の側面Naとは反対側の側面Nbに対し、螺旋溝3の鉄筋挿入孔2におけるネジフシ鉄筋Tの挿入開口側の内側面3bが密着状態となり、螺旋溝3の鉄筋挿入孔2における上記内側面3bとは反対側の内側面3aと、ネジフシ鉄筋Tの螺旋突条Mにおける端部E側の側面Naとの間の隙間Sにコイル材11が収容状態となり、該コイル材11が上記内側面3a及び側面Naに当接状態となり、又ネジフシ鉄筋Taの螺旋突条Maにおける端部Ea側の側面Naとは反対側の側面Nbに対し、螺旋溝3の鉄筋挿入孔2におけるネジフシ鉄筋Taの挿入開口側の内側面3aが密着状態となり、螺旋溝3の鉄筋挿入孔2における上記内側面3bと、ネジフシ鉄筋Taの螺旋突条Maにおける上記側面Naとの間の隙間Sにコイル材11a が収容状態となり、該コイル材11a が上記内側面3b及び側面Naに当接状態となる。
【0017】
つまり、図1、図2、図3(a)、図3(b)及び図4(a)に示すネジフシ鉄筋用取付具にあっては、ネジフシ鉄筋T、Taの挿入端面側の側面と、取付具本体10の螺旋溝3におけるネジフシ鉄筋T、Taの挿入方向の奥側の内側面との間にコイル材11、11a が収容状態となり、ネジフシ鉄筋T、Taの挿入端面側の側面とは反対側の側面と取付具本体10の螺旋溝3におけるネジフシ鉄筋T、Taの挿入方向の手前側の内側面とが当接状態となる。
【0018】
又、上記(1)工程時において、場合によっては、図4(b)に示す様に、ネジフシ鉄筋Tに対し取付具本体10が螺合して、ネジフシ鉄筋Tの螺旋突条Mにおける端部E側の側面Naに対し螺旋溝3の鉄筋挿入孔2の挿入開口側の内側面3bとは反対側の内側面3aが密着状態となり、螺旋溝3の鉄筋挿入孔2の開口側の内側面3bと、ネジフシ鉄筋Tの螺旋突条Mにおける端部E側とは反対側の側面Nbとの間の隙間Sにコイル材11が収容状態となり、該コイル材11が内側面3b及び側面Nbに当接状態となる。
つまり、ネジフシ鉄筋T、Taの挿入端面側の側面と、取付具本体10の螺旋溝3におけるネジフシ鉄筋T、Taの挿入方向の手前側の内側面との間にコイル材11、11a が収容状態となり、ネジフシ鉄筋T、Taの挿入端面側の側面とは反対側の側面と取付具本体10の螺旋溝3におけるネジフシ鉄筋T、Taの挿入方向の奥側の内側面とが当接状態となる。
【0019】
尚、取付具本体10側の螺旋溝3の両内側面3a、3bの一方及びネジフシ鉄筋T、Ta側の螺旋突条M、Maの両側面Na、Nbの一方に対し接触状態とし、又取付具本体10側の螺旋溝3の両内側面3a、3bの他方に対しネジフシ鉄筋T、Ta側の螺旋突条M、Maの両側面Na、Nbの他方を接触状態としているが、夫々接触せずに近接状態であっても良く、この場合、取付具本体10がネジフシ鉄筋Tの長手方向に微動するが、機能的に何の問題もない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るネジフシ鉄筋用取付具の一例としての定着具の取付状態を示す断面図である。
【図2】本発明に係るネジフシ鉄筋用取付具の一例としての鉄筋用継手の取付状態を示す断面図である。
【図3(a)】ネジフシ鉄筋用取付具の取付過程におけるコイル材の取付工程を示す正面図である。
【図3(b)】ネジフシ鉄筋用取付具の取付過程における取付具本体の取付工程を示す正面図である。
【図4(a)】螺旋突条、螺旋溝及びコイル材の位置関係で、螺旋突条より奥側にコイル材が位置する状態を示す概略展開図である。
【図4(b)】螺旋突条、螺旋溝及びコイル材の位置関係で、螺旋突条より手前側にコイル材が位置する状態を示す概略展開図である。
【図5】従来のグラウト材注入タイプの定着具の取付状態を示す断面図である。
【図6】従来のボルト・ナットタイプの定着具の取付状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0021】
2 鉄筋挿入孔
3 螺旋溝
3a、3b 内側面
10 取付具本体
11 コイル材
M、Ma 螺旋突条
Na、Nb 側面
S 隙間
T、Ta ネジフシ鉄筋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に形成された鉄筋挿入孔を形成する取付具本体の内周面に、ネジフシ鉄筋における螺旋突条を遊嵌可能な螺旋溝を刻設し、該螺旋溝のピッチをネジフシ鉄筋の螺旋突条と同ピッチに設定し、取付具本体側の螺旋溝と該取付具本体の鉄筋挿入孔に挿入状態のネジフシ鉄筋側の螺旋突条により形成された螺旋状の隙間に収容するコイル材を有したことを特徴とするネジフシ鉄筋用取付具。
【請求項2】
コイル材を、螺旋溝の一方の内側面及び螺旋突条の一方の側面に対し当接状態となり、且つ螺旋溝の他方の内側面に対し螺旋突条の他方の側面が当接状態となる様に形成したことを特徴とする請求項1記載のネジフシ鉄筋用取付具。
【請求項3】
ネジフシ鉄筋に対しコイル材の先端を、ネジフシ鉄筋の螺旋突条間の螺旋状のスペースの端部側の始端より差し入れた後、コイル材を回転させつつネジフシ鉄筋の長手方向に押して、ネジフシ鉄筋の端部にコイル材を巻付け状態となる様に取り付け、次に取付具本体における鉄筋挿入孔に対しネジフシ鉄筋の端部をねじ込み、ネジフシ鉄筋の螺旋突条を、螺旋突条内における一方の内側面とコイル材との間に嵌まり込ませて、ネジフシ鉄筋に対し上記取付具本体を螺合する様にしたことを特徴とするネジフシ鉄筋用取付具の取付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図5】
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【図6】
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