説明

ネジ締め作業装置及びネジ締め作業ライン

【課題】作業に合ったドライバーを確実に手にすることができるとともに、このドライバーで使用し得るネジの受け渡しが確実に行われる為、簡易且つ確実にねじ締め作業を完了することができるネジ締め作業装置及びネジ締め作業ラインを提供する。
【解決手段】ストックしてあるネジをネジ受け渡し部を介してドライバー1に受け渡すネジ供給機3を複数備え、この各ネジ供給機3は夫々全て同じ種類のネジをストックせず少なくとも互いに異なる種類のネジをストックするネジ供給機3を備えるとともに、夫々回動し得るネジが定まった複数種のドライバー1を備え、ネジ供給機3から供給される異なる種類の各ネジをドライバー1に駆動力を供給して自動締め付けする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネジ締め作業装置及びネジ締め作業ラインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば電子機器の組み立てラインに設置され、種類の異なる数多くのネジを締め付けるネジ締め装置(以下、従来例)が提案されている。
【0003】
具体的には、この従来例は、ストックしてあるネジ2をネジ受け渡し部6を介してドライバー1に受け渡すネジ供給機3を複数備え、この各ネジ供給機3は夫々全て同じ種類のネジ2をストックせず少なくとも互いに異なる種類のネジ2をストックするネジ供給機3を備え、このネジ供給機3から供給される異なる種類の各ネジ2を、夫々回動し得るネジ2が定まった複数種のドライバー1を備えるとともに、このドライバー1を駆動力を供給して自動締め付けするように構成されたものである。尚、本実施例と同一構成部分には同一符号を付した。
【0004】
つまり、従来例が、例えば3つのネジ供給機3と、これに対応する3つのドライバー1とからなる構成であった場合、先ず、1つ目のネジ供給機3から供給されるネジ2を1つ目のドライバー1で締め付け作業を行い、これを繰り返して所定数のネジ2を締め付け、続いて、2つ目のネジ供給機3と2つ目のドライバー1で前記同様に締め付け作業を行い、続いて、3つ目のネジ供給機3と3つ目のドライバー1で前記同様に締め付け作業を行うというように、組となるネジ供給機3とドライバー1で所定数のネジ2の締め付け作業を順番に行なうことになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述した従来例を使用したネジの締め付け作業は、作業者は作業前にこれから行なう工程(ネジの本数や順番)を工程表を見るなりして把握し、作業者の記憶と判断を頼りにして行なわれているが、これは種々の問題が生じる原因となっている。
【0006】
即ち、前述したように従来例によるネジ締め作業は工程表をもとにした作業者の記憶と判断を頼りにして行なう人的管理になっているが、ドライバーは常に作動する状態であり、且つ、ネジ供給機も常に受け渡し可能な状態となっている為、締め付けるネジや本数を間違えたりする場合がある。これは品質保持の上で非常に大きな問題であり、このミスの防止が強いられることは作業者にとっても大きな負担となっている。
【0007】
本発明は、上述の問題点を解決する、従来にない作用効果を発揮する画期的なネジ締め作業装置及びネジ締め作業ラインを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
ストックしてあるネジ2をネジ受け渡し部6を介してドライバー1に受け渡すネジ供給機3を複数備え、この各ネジ供給機3は夫々全て同じ種類のネジ2をストックせず少なくとも互いに異なる種類のネジ2をストックするネジ供給機3を備えるとともに、夫々回動し得るネジ2が定まった複数種のドライバー1を備え、前記ネジ供給機3から供給される異なる種類の各ネジ2を前記ドライバー1に駆動力を供給して自動締め付けするように構成されたネジ締め装置であって、駆動力が供給されている一のドライバー1の締め付け作動中は少なくとも異なる種類のネジ2を回動し得る他のドライバー1には駆動力の供給がなされないように各ドライバー1を駆動制御するドライバー制御機構を備え、前記ネジ供給機3のネジ受け渡し部6でのネジ2の受け渡しを阻止するネジ受け渡し阻止部7をネジ供給機3に設け、前記一のドライバー1での締め付け作業中は、このドライバー1で回動し得るネジ2とは異なる種類のネジ2をストックしてなるネジ供給機3のネジ受け渡し部6でのネジ2の受け渡しを阻止するようにこのネジ供給機3に設けたネジ受け渡し阻止部7を作動制御するネジ供給機制御機構を備えることを特徴とするネジ締め作業装置に係るものである。
【0010】
また、電気の供給により駆動する複数のドライバー1への電源供給をオン・オフ制御して各ドライバー1を駆動制御するドライバー制御機構を備えることを特徴とする請求項1記載のネジ締め作業装置に係るものである。
【0011】
また、前記ネジ供給機3にネジ受け渡し部6へのドライバー1におけるドライバービット部1aの配設を阻止してネジ2の受け渡しを阻止するネジ受け渡し阻止部7を設け、このネジ受け渡し阻止部7は前記ネジ供給機制御機構の作動制御により作動して前記ネジ受け渡し部6でのネジ2の受け渡しを阻止することを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のネジ締め作業装置に係るものである。
【0012】
また、前記ネジ受け渡し部6へ配設する際にドライバービット部1aが通過する通過部位を開放自在に閉塞し得る閉塞体8を前記ネジ供給機3に設けて前記ネジ受け渡し阻止部7を構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のネジ締め作業装置に係るものである。
【0013】
また、前記ドライバー1に駆動力が供給されていることを視認し得る駆動力供給視認手段Pを設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のネジ締め作業装置に係るものである。
【0014】
また、前記ドライバー1に駆動力が供給された際、点灯する点灯部1cを設けて前記駆動力供給視認手段Pを構成したことを特徴とする請求項5記載のネジ締め作業装置に係るものである。
【0015】
また、請求項1〜6のいずれか1項に記載のネジ締め作業装置Aを複数並設したネジ締め作業ラインであって、前記ネジ締め作業装置Aは作業の完了を感知する作業完了感知機構を備え、ネジ締め付け作業開始から所定時間までのネジ締め作業時間をカウントするタイムカウント機構を備え、このタイムカウント機構によりカウントされる所定時間内に作業が完了せずに前記作業完了感知機構が作動しない場合に、少なくとも隣接する他のネジ締め作業装置Aに作業未完了を報知する未完了報知機構を備えることを特徴とするネジ締め作業ラインに係るものである。
【0016】
また、前記ネジ締め作業装置Aに作業者の操作により前記タイムカウント機構を作動させるスイッチを設けたことを特徴とする請求項7記載のネジ締め作業ラインに係るものである。
【0017】
また、前記ネジ締め作業装置Aは、ドライバー1が接続されネジ締め付け完了時にネジ締め付けが完了したことをカウントするカウント機構と、ドライバー1によって締め付けすべきネジ2の本数を予め設定するネジ本数設定機構を具備するドライバーカウンター9が設けられており、このドライバーカウンター9における各種機能設定はホストコンピュータ16で行われることを特徴とする請求項7,8のいずれか1項に記載のネジ締め作業ラインに係るものである。
【0018】
また、前記ホストコンピュータ16は、前記作業完了感知機構、タイムカウント機構、及び未完了報知機構にリンクされ機能保存されるように構成されていることを特徴とする請求項9記載のネジ締め作業ラインに係るものである。
【0019】
また、複数のネジ穴18aが形成されるネジ締め作業部位18に重合状態に配され、このネジ締め作業部位18に対する重合状態において前記ネジ穴18a夫々に連通して該ネジ穴18aまでネジ2をガイドする複数のネジガイド孔17aを有するネジガイド体17A,17Bを設け、このネジガイド体17A,17Bには、前記駆動力が供給されているドライバー1により締め付けを行なうネジ2をネジ締めするネジ穴18aに連通するネジガイド孔17aを指標するネジガイド孔指標手段19が設けられており、ネジガイド体17A,17Bは前記ドライバーカウンター9に接続され該ドライバーカウンター9にて機能設定されることを特徴とする請求項9,10のいずれか1項に記載のネジ締め作業ラインに係るものである。
【0020】
また、前記ネジガイド孔指標手段19は、ネジガイド孔17a若しくはネジガイド孔17aの近傍位置に発光部を設けて構成されていることを特徴とする請求項11記載のネジ締め作業ラインに係るものである。
【0021】
また、前記ネジガイド体17A,17Bには、ネジ穴18aに対するネジ2のネジ締めが完了したか否かを判定するネジ締め状況判定手段20A,20Bが設けられていることを特徴とする請求項11,12のいずれか1項に記載のネジ締め作業ラインに係るものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明は上述のように構成したから、作業者は作業に合ったドライバーを確実に手にすることができるとともに、このドライバーで使用し得るネジの受け渡しが確実に行なわれることになる為、簡易且つ確実にネジ締め作業を完了することができるなど従来にない作用効果を発揮する画期的なネジ締め作業装置及びネジ締め作業ラインとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して説明する。
【0024】
複数のネジ供給機3から夫々種類の異なるネジ2を供給し、この各ネジ供給機3から供給される種類の異なる各ネジ2を、夫々回動し得るネジ2が定まった複数種のドライバー1により締め付ける。
【0025】
具体的には、前述した従来例と同様、例えば3つのネジ供給機3と、これに対応する3つのドライバー1とからなる構成であった場合、先ず、1つ目のネジ供給機3から供給されるネジ2を1つ目のドライバー1で締め付け作業を行い、これを繰り返して所定数のネジ2を締め付け、続いて、2つ目のネジ供給機3と2つ目のドライバー1で前記同様に締め付け作業を行い、続いて、3つ目のネジ供給機3と3つ目のドライバー1で前記同様に締め付け作業を行う、というように組となるネジ供給機3とドライバー1で所定数のネジ2の締め付け作業を順番に行なうことになる。
【0026】
ところで、本発明は、駆動力が供給されている一のドライバー1の締め付け作動中は少なくとも異なる種類のネジ2を回動し得る他のドライバー1には駆動力の供給がなされないように各ドライバー1を駆動制御するドライバ−制御機構を備え、前記ネジ供給機3のネジ受け渡し部6でのネジ2の受け渡しを阻止するネジ受け渡し阻止部7をネジ供給機3に設け、前記一のドライバー1での締め付け作業中は、このドライバー1で回動し得るネジ2とは異なる種類のネジ2をストックしてなるネジ供給機3のネジ受け渡し部6でのネジ2の受け渡しを阻止するようにこのネジ供給機3に設けたネジ受け渡し阻止部7を作動制御するネジ供給機制御機構を備えている。
【0027】
つまり、作業者は、仮に工程に合っていないドライバー1を手にして作業を行なおうとしても駆動力が供給されないため間違った作業を行なうことは一切なく、また、ネジ2を受け渡しできるネジ供給機3と、できないネジ供給機3とに各ネジ供給機3は制御されているから、確実に工程に合ったネジ2のみが受け渡されることになり(間違ったネジ2が受け渡されることはない。)、作業者はドライバー1を制御するドライバー制御機構とネジ供給機3を制御するネジ供給機制御機構により、誘導されるように適切なドライバー1を手に取り、このドライバー1で適切なネジ2を受け取って確実に工程通りにネジ締め作業が行なえることになる。
【0028】
従って、前述した従来例と異なり、作業者は作業に合ったドライバーを確実に手にすることができるとともに、このドライバーで使用し得るネジの受け渡しが確実に行なわれることになる為、締め付けるネジ2の種類や本数を間違えることが簡易且つ確実に防止されることになり、ひいては作業性も飛躍的に向上することになる。
【0029】
また、前記ドライバー1に駆動力が供給されていることを視認し得る駆動力供給視認手段Pを設けた場合には、例えば目の前にある複数のドライバー1のうち、駆動力が供給されているドライバー1を一目で認識することができるから、迅速且つ確実に駆動力が供給されているドライバー1を手にすることができ、より一層作業性を向上することができることになる。
【実施例】
【0030】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0031】
本実施例は、ストックしてあるネジ2をネジ受け渡し部6を介してドライバー1に受け渡すネジ供給機3を複数備え、この各ネジ供給機3は夫々全て同じ種類のネジ2をストックせず少なくとも互いに異なる種類のネジ2をストックするネジ供給機3を備えるとともに、夫々回動し得るネジ2が定まった複数種のドライバー1を備え、前記ネジ供給機3から供給される異なる種類の各ネジ2を前記ドライバー1に駆動力を供給して自動締め付けするように構成されたネジ締め装置Aを設けている。尚、本明細書で言うネジ2とは、ドライバーを用いて螺動させることで止着させる止着部材(例えばビス,ボルト,ナットなど)を広く含む意味であり、種類の異なるネジ2とは、ネジ2の大きさの違い(長さや径の違い)は勿論、形状の違いや材質の違いなど、ネジ締めする箇所に応じて種々用意されるネジ2を意味する。
【0032】
以下、本実施例に係る構成各部について詳細な説明をする。
【0033】
ネジ供給機3は、図2,3に図示したようにネジ収納部を内装した基体5にネジ2を順次送出するネジ送出部4を設け、このネジ送出部4の先端部位に後述するドライバー1のビット部1aを配設してネジ送出部4で送出されたネジ2の受け渡しを行なうネジ受け渡し部6を設けている。尚、ネジ供給機3は、後述するネジ締め作業装置Aとして構成する場合、複数のネジ供給機3を並設する構成としても良いし、一つの本体内に複数のネジ供給機能を具備せしめる構成としても良い。
【0034】
また、ネジ供給機3は、ネジ受け渡し部6へのドライバー1におけるドライバービット部1a(ビット杆)の配設を阻止してネジ2の受け渡しを阻止するネジ受け渡し阻止部7を設けている。
【0035】
このネジ受け渡し阻止部7は、図2〜7に図示したように基体5の所定位置に回動軸8aを介して水平回動自在となる閉塞体8を設けて構成され、この閉塞体8はネジ受け渡し部6へ配設する際にドライバービット部1aが通過する通過部位を開放自在に閉塞するように構成されている。
【0036】
このドライバービット部1aが通過する通過部位は、ドライバービット部1aの先端部を滑動させて誘導するガイド凹溝14aを有するガイド部材14をネジ送出部4の上方位置に斜設して構成されている。
【0037】
従って、ネジ受け渡し阻止部7に係る閉塞体8は、ガイド部材14の上方位置にしてガイド凹溝14aの開口端部の上方位置に配されることでドライバービット部1aの配設を阻止することになり(図4,5参照)、作業者は一目でどのネジ供給機3のネジ2をドライバー1で受け取ることができるかを認識することができる(閉塞体8はネジ供給可能状態を視認し得る機能も発揮している。)。この機能は、例えば健常者は勿論、耳の不自由な作業者も確実な作業を提供することに貢献する。
【0038】
尚、ネジ供給機3は前述した機能の他、ネジ2の供給数を表示する表示部15など、この種の作業装置におけるネジ供給機3として必要とされる既存の基本構成を具備している。
【0039】
ドライバー1は、図1,3に図示したように棒状の本体1bに内装された駆動装置の先端部にドライバービット部1b(ビット杆)を設けた電動駆動式のドライバーであり、ドライバービット部1aとして前述したネジ供給機3から供給される定まったネジ2に対応したドライバービット部1aが採用されている。
【0040】
また、ドライバー1は、駆動力が供給されていることを視認し得る駆動力供給視認手段Pが設けられている。
【0041】
この駆動力供給視認手段Pは、ドライバー1の本体1bのグリップ部の先端部位に点灯部(ランプ部)1cが囲繞状態で設けられて構成されている。尚、点灯部1cは、点滅するタイプでも良い。
【0042】
従って、例えば目の前にある複数のドライバー1のうち、駆動力が供給されているドライバー1を一目で認識することができるから、迅速且つ確実に駆動力が供給されているドライバー1を手にすることができる。前述したネジ供給機3の閉塞体8と同様、この機能は、例えば健常者は勿論、耳の不自由な作業者も確実な作業を提供することに貢献する。
【0043】
尚、ドライバー1は前述した機能の他、この種の作業装置におけるドライバー1として必要とされる既存の基本構成を具備している。
【0044】
本実施例では、以上の構成からなるネジ供給機3及びドライバー1を図1に図示したように3台の作業台(第一作業台T1、第二作業台T2、第三作業台T3)に設けてネジ締め作業装置Aを構成している。第一作業台T1には4つのネジ供給機3(3A,3B,3C,3D)、3つのドライバー1(1A,1B,1C)が具備せしめられ、第二作業台T2には4つのネジ供給機3、4つのドライバー1が具備せしめられ、第三作業台T3には4つのネジ供給機3、2つのドライバー1が具備せしめられている。尚、第一作業台T1及び第三作業台T3において、ネジ供給機3の数とドライバー1の数が同一でないのは一つのドライバー1で複数のネジ供給機3から供給されるネジ2に対応することができる為である。
【0045】
また、ネジ締め作業装置Aには、ドライバー1が接続されるドライバーカウンター9(スクリューマネージャー)が設けられており、このドライバーカウンター9は、ネジ締め付け完了時にネジ締め付けが完了したことをカウントするカウント機構と、ドライバー1によって締め付けすべきネジ2の本数を予め設定するネジ本数設定機構等の機能を具備している。このドライバーカウンター9における各種機構の設定はホストコンピュータで設定でき、バーコードリーダー11により読み出され設定される。
【0046】
また、ネジ締め作業装置Aは、作業が完了したことを感知する作業完了感知機構を備え、ネジ締め作業開始から所定時間までのネジ締め作業時間をカウントするタイムカウント機構を備え、このタイムカウント機構によりカウントされる所定時間内に作業が完了せずに前記作業完了感知機構が作動しない場合に、隣接する他のネジ締め作業装置Aに作業未完了を報知する未完了報知機構を備える。
【0047】
具体的には、ネジ締め作業装置Aを並設してネジ締め作業ラインを組んだ際、作業進歩表示部12、NGランプ13、各ネジ締め作業装置Aに設けられるタイムタクト表示部10がホストコンピュータ16にリンクされ機能保存されている。
【0048】
タイムカウント機構は、タイムタクト表示部10に設けられるスイッチ10aによりカウントが開始され、タイムカウント機構によりカウントされる所定時間内に作業が完了せずに作業完了感知機構が作動しない場合(この際NGランプ13が点灯する)、これを作業進歩表示部12でNGを表示し、更に、隣接する他の作業台のタイムタクト表示部10でNGを表示する(これが未完了報知機構である。)。従って、作業台の間でのNGのあった作業をチェックすることができる。
【0049】
また、ネジ締め作業装置Aは、駆動力が供給されている一のドライバー1の締め付け作動中は少なくとも異なる種類のネジ2を回動し得る他のドライバー1には駆動力の供給がなされないように各ドライバー1を駆動制御するドライバー制御機構を備え、前記ネジ供給機3のネジ受け渡し部6でのネジ2の受け渡しを阻止するネジ受け渡し阻止部7をネジ供給機3に設け、前記一のドライバー1での締め付け作業中は、このドライバー1で回動し得るネジ2とは異なる種類のネジ2をストックしてなるネジ供給機3のネジ受け渡し部6でのネジ2の受け渡しを阻止するようにこのネジ供給機3に設けたネジ受け渡し阻止部7(閉塞体8)を作動制御するネジ供給機制御機構を備えており、このドライバー制御機構及びネジ供給機制御機構は、ネジ締め作業ラインを組んだ際にリンクされるホストコンピュータ16により集中管理される。
【0050】
ドライバー制御機構は、電気の供給により駆動する複数のドライバー1への電源供給をオン・オフ制御して各ドライバー1を駆動制御するように構成されている。
【0051】
尚、本実施例は、一のネジ締め作業装置Aでの作業が完了した際、該一のネジ締め作業装置Aにおける作業が完了して前記作業完了感知機構が作動するまでは、該一のネジ締め作業装置Aに隣接する作業ライン下流側の他のネジ締め作業装置Aには駆動力供給がなされないようにする駆動力供給制御機構を備えている。
【0052】
以上のように、本実施例は、3台の作業台T1,T2,T3に設置されるネジ締め作業装置Aを複数並設し、このネジ締め作業装置A同志はホストコンピュータ16に接続されてネジ締め作業ラインが形成される。
【0053】
実際に、このネジ締め作業ラインを使用したネジ締め作業について説明する。
【0054】
図8,11に図示したように第一作業台T1では、ネジ締め作業装置Aにおいて、バーコードリーダー11で作業工程を入力すると共に、タイムタクト表示部10のスイッチ10aを押す。
【0055】
ドライバー1Aに駆動力が供給され使用可能状態となり、これと同時に、ネジ供給機3Aの閉塞体8(カバー)が開きネジ2の受け渡し可能な状態となり、一つ目の製品に対するネジ2の締め付け作業を行なう。この際、ドライバー制御機構が機能して他のドライバー1B,1Cへの駆動力の供給は行なわれず、また、ネジ供給機制御機構が機能して他のネジ供給機3B,3C,3Dは閉塞体8が閉塞状態となりネジ2の受け渡し不能状態となる。
【0056】
ドライバー1Aでの作業が完了すると、ドライバー1Aに対する駆動力の供給が停止してドライバー1Bに対して駆動力の供給が行なわれ、これと同時に、ネジ供給機3Aの閉塞体8が閉じてネジ供給機3Bの閉塞体8が開放する。
【0057】
続いて、ドライバー1Bでの作業が完了すると、ドライバー1Bに対する駆動力の供給が停止してドライバー1Cに対して駆動力の供給が行なわれ、これと同時に、ネジ供給機3Bの閉塞体8が閉じてネジ供給機3Dの閉塞体8が開放する。
【0058】
続いて、ドライバー1Cでの作業が完了すると、ドライバー1Cに対する駆動力の供給が停止してドライバー1Bに対して駆動力の供給が行なわれ、これと同時にネジ供給機3Dの閉塞体8が閉じてネジ供給機3Cの閉塞体8が開放する。
【0059】
続いて、ドライバー1Bでの作業が完了すると、ドライバー1Bに対する駆動力の供給が停止し、これと同時にネジ供給機3Cの閉塞体8が閉塞する。
【0060】
以上の一工程が所定時間内に完了して作業完了感知機構が作動すると、タイムタクト表示部10におけるタイムカウントはリセットされ、第一作業台T1では再びタイムタクト表示部10のスイッチ10aを押して次の製品に対する作業が行なわれる(2つ目の製品以降は図8中R−Rの作業Xが繰り返し行なわれることになる。)。尚、タイムカウント機構によりカウントされる所定時間内に作業が完了せずに作業完了感知機構が作動しない場合(この際NGランプ13が点灯する)、これを作業進歩表示部12でNGを表示し、更に、第二作業台T2のタイムタクト表示部10でNG表示が表示される。
【0061】
第二作業台T2においては、図9,11に図示したように1つ目の製品に取り掛かる場合にはバーコードリーダー11で作業工程を入力し、第一作業台T1での作業が完了したことが確認された後、第一作業台T1で行なったR−Rの作業Xと同様の作業Yが行なわれる。尚、2つ目の製品以降は、作業Yが繰り返し行なわれることになる。
【0062】
第三作業台T3においては、図10,11に図示したように1つ目の製品に取り掛かる場合にはバーコードリーダー11で作業工程を入力し、第二作業台T2での作業が完了したことが確認された後、第一作業台T1で行なったR−Rの作業Xと同様の作業Zが行なわれる。尚、2つ目の製品以降は、作業Zが繰り返し行なわれることになる。
【0063】
本実施例は上述のように構成したから、作業者は、仮に工程に合っていないドライバー1を手にして作業を行なおうとしても駆動力が供給されないため間違った作業を行なうことは一切なく、また、ネジ2を受け渡しできるネジ供給機3と、できないネジ供給機3とに各ネジ供給機3は制御されているから、確実に工程に合ったネジ2のみが受け渡されることになり(間違ったネジ2が受け渡されることはない。)、作業者はドライバー1を制御するドライバー制御機構とネジ供給機3を制御するネジ供給機制御機構により、誘導されるように適切なドライバー1を手に取り、このドライバー1で適切なネジ2を受け取って確実に工程通りにネジ締め作業が行なえることになる。
【0064】
よって、本実施例によれば、前述した従来例と異なり、締め付けるネジ2や本数を間違えることが簡易且つ確実に防止されることになり、ひいては作業性も飛躍的に向上することになる。
【0065】
また、本実施例は、ドライバー1に駆動力が供給されていることを視認し得る駆動力供給視認手段Pを設けたから、例えば目の前にある複数のドライバー1のうち、駆動力が供給されているドライバー1を一目で認識することができるから、迅速且つ確実に駆動力が供給されているドライバー1を手にすることができ、より一層作業性を向上することができることになる。
【0066】
また、本実施例は、ネジ供給機3に設けた閉塞体8の状態を見て、どのネジ供給機3のネジ2をドライバー1で受け取ることができるか否かを簡易且つ迅速に認識することができるから、より一層作業性を向上することができることになる。
【0067】
また、本実施例は、ネジ締め作業装置Aを複数並設してのネジ締め作業ラインにおいてもネジ締め作業装置A同士の間での作業の不具合のチェックも確実に行なわれることになる為、製品の品質保持が達成されることになる。
【0068】
本実施例では、前述したネジ締め作業ラインにおける各種機能の他にも、より一層ミスのない良好なネジ締め作業を提供すべく、複数(計10個)のネジ穴18aが形成されるネジ締め作業部位18に重合状態に配され、このネジ締め作業部位18に対する重合状態においてネジ穴18a夫々に連通(合致)して該ネジ穴18aまでネジ2をガイドする複数(計10個)のネジガイド孔17aを有するネジガイド体17A,17Bを設けており、図12及び図17に図示したように2タイプ(第一タイプ及び第二タイプ)設けている。尚、本実施例では、複数のネジ穴18aが形成されるネジ締め作業部位18として、製品本体18Aに板状の部品18B(対象物)をネジ締め固定して構成される製品Mの上面部位をネジ締め作業部位18としている。
【0069】
また、ネジガイド体17A,Bは、前述したドライバーカウンター9及びホストコンピュータ16にケーブル25を介してリンク接続され、該ドライバーカウンター9及びホストコンピュータ16にてネジガイド体17A,Bが具備する各種機能が適宜設定される。
【0070】
第一タイプのネジガイド体17Aは、図12に図示したように方形状のベース板21と、該ベース板21の上部に積層される回路板22(電気回路基板)とから成る板状体であり、このベース板21と回路板22夫々には挿入させたネジ2をガイドする複数のネジガイド孔17aが貫通状態に設けられている。
【0071】
このネジガイド孔17aは、挿入するネジ2の頭部2aとほぼ同一径に設定されており、ネジガイド体17を製品Mの上部に配設した際、該製品Mのネジ締め作業部位18に係る決められた各ネジ穴18aに夫々合致して連通する位置に設けられている。
【0072】
従って、ネジガイド孔17aへネジ2を挿入した際、該ネジ2はネジガイド孔17aにガイドされてネジ穴18aまで確実に到達することになり(ネジ2を落としてしまうことが防止される。)、しかも、この状態でネジ2をドライバー1により回動するとネジ2はネジガイド孔17aに支持した状態で螺動することができる為、真っ直ぐにネジ締めが行なえることになる。
【0073】
ベース板21は、図12,15,16に図示したようにその裏面所定位置にスイッチ23(セッティングスイッチ)が突設されており、このスイッチ23は製品Mの上部に載置された際に押圧されてネジガイド体17Aに内蔵された各種機能(電子機構)をON状態とするものである。尚、製品Mの上部に載置される状態から取り外してスイッチ23に対する押圧状態を解除するとOFF状態となる。
【0074】
また、ベース板21は、図12に図示したようにその裏面四隅にL字状の突片が設けられており、この各突片は、製品Mの上部にネジガイド体17Aを配した際、該製品Mの上部角部に係止してネジガイド体17Aを摺動不能となるように位置決めする位置決め部24として構成されている。
【0075】
従って、この位置決め部24により製品Mの上部に配したネジガイド体17Aのネジガイド孔17aを該当するネジ穴18aの上方位置に連通させた状態が得られることになる。
【0076】
回路板22は、図12に図示したようその表面所定位置には前述した駆動力が供給されているドライバー1により締め付けを行なうネジ2をネジ締めするネジ穴18aに連通するネジガイド孔17aを指標するネジガイド孔指標手段19が設けられており、このネジガイド孔指標手段19は、ネジガイド孔17aの近傍位置に発光部(LED)を設けて構成されている。
【0077】
尚、ネジガイド孔指標手段19は、ネジガイド孔17aに直接設けるようにしても良い。
【0078】
このネジガイド孔指標手段19は、例えば10本のネジ2をネジ締め作業することとした場合、1本目のネジ2を配する箇所(ネジガイド孔17a)のネジガイド孔指標手段19のみが点灯し、その他の2〜10本目のネジ2を配する箇所(ネジガイド孔17a)のネジガイド孔指標手段19は消灯していることになる(この際、その状況はドライバーカウンター9及びホストコンピュータ16で逐次管理(データ処理)される。)。また、仮に1本目、2本目のネジ2は良好にネジ締め作業が終わり3本目のネジ2がネジ締めが不良であった場合、該3本目のネジ2が配される箇所(ネジガイド孔17a)のネジガイド孔指標手段19は点灯し続け、再度ネジ締めを行い完全にネジ締めが完了すると前述したドライバーカウンター9がカウント信号として認識して当該3本目のネジ2が配される箇所(ネジガイド孔17a)のネジガイド孔指標手段19は消灯し、引き続き4本目のネジ2を配する箇所(ネジガイド孔17a)のネジガイド孔指標手段19のみが点灯することになる。
【0079】
つまり、ネジ2を締め付ける箇所ごとに順次ネジガイド孔指標手段19が点灯・消灯することで作業手順(作業工程)を分かり易くナビゲートすることになる。
【0080】
尚、ネジガイド孔指標手段19としては、前述した発光部を設ける場合の他、回路板22の表面にしてネジガイド孔17aの近傍位置に、作業手順の順番を数字で表示したりドライバー1の種類やネジ2やネジ供給機3の種類を文字や記号などで表示したりしても良く、この場合、この数字や文字や記号などの表示はドライバーカウンター9及びホストコンピュータ16で適宜表示する。
【0081】
また、ネジガイド体17Aには、ネジ穴18aに対するネジ2のネジ締めが完了したか否かを判定するネジ締め状況判定手段20Aが設けられている。
【0082】
このネジ締め状況判定手段20Aは、ネジガイド孔17a内に一対のセンサー20aを対設して構成されており、図13に図示したようにネジ2が完全に締め付けられネジ2の頭部2aがセンサー20a間で送受信される信号Sに触れない状態であればネジ締めが確実に行なわれたと判定され、図14に図示したようにネジ2の締め付けが不十分の状態で該ネジ2の頭部2aが信号Sに触れた状態であればネジ締めは不完全であると判定されることになる。
【0083】
このネジ締め状況判定手段20Aによる判定をもとに、次にどのネジ穴18aに対するネジ締めを行なうかが判断され、該当するネジガイド孔指標手段19が点灯するよう制御される。
【0084】
第二タイプのネジガイド体17Bは、前述した第一タイプのネジガイド体17Bとほぼ同構造であり、図17に図示したように方形状のベース板21と、該ベース板21に積層される回路板22(電気回路基板)とから成る板状体であり、このベース板21と回路板22夫々には挿入させたネジ2をガイドする複数のネジガイド孔17aが設けられている。
【0085】
また、ネジガイド体17Bは、ネジ穴18aに対するネジ2のネジ締めが完了したか否かを判定するネジ締め状況判定手段20Bが設けられている。
【0086】
このネジ締め状況判定手段20Bは、図17,18,19に図示したようにベース板21内に設けた中空部21aを該ベース板21の側端に開口し、この側端開口部21a’からスライド板26を挿入して中空部21a内に取り出し自在に配設し得るように設けて構成されている。
【0087】
このスライド板26は、全てのネジガイド孔17aを通過(横断)するまでスライド挿入し得るように構成されており、図19に図示したようにネジ締めが完全に行われずネジ2の頭部2aが中空部21a内に露出(突出)していれば該ネジ2の頭部2aにスライド板26の先端縁が衝突して(スライド板26は完全には挿入されない状態となり)ネジ締めが不十分であることが判定される。
【0088】
一方、ネジ締めが完全に行われネジ2の頭部2aが中空部21a内に露出(突出)していなければ該ネジ2の頭部2aに衝突することなく全てのネジガイド孔17aを通過(横断)するまでスライドすることができ、本実施例では、スライド板26の基端部にはスイッチ26aが設けられており、スライド板26が所定位置までスライドしてこのスイッチ26aが押圧されることでネジ締め作業が良好に行われたと判定され、このネジ締め作業が完了したことはドライバーカウンター9及びホストコンピュータ16にて管理(データ処理)される。
【0089】
尚、スライド板26はベース板21の中空部21aに挿入しておくことでネジ穴18aにゴミ等が侵入してしまうことを防止することができる。
【0090】
以上の構成からなるネジガイド体17A,17Bを利用したネジ締め作業工程について説明する(ネジガイド体17A,17Bは前述したネジ締め作業ラインにリンクしてその各種機能が発揮されるように設定される。)。
【0091】
先ず、製品本体18Aに部品18Bを載置するとともに、該部品18Bの上にネジガイド体17A,17Bを載置する。この際、スイッチ23がON状態となり、各種機能が起動する。
【0092】
続いて、ネジ2をネジ締めする(ネジ2の種類に合った専用の)ドライバー1に駆動力が供給されるとともに、該ドライバー1でネジ締めするネジ2をストックしたネジ供給機3からネジ2が供給され、更に、ネジ2を配する箇所(ネジガイド孔17a)のネジガイド孔指標手段19のみが点灯してネジ締め箇所が指標される。
【0093】
この状態で、作業者は駆動力が供給されたドライバー1でネジ供給機3からネジを受け取り、ネジガイド孔指標手段19が指標するネジガイド孔17aにネジ2を挿入するとともに、該ネジガイド孔17aが連通するネジ穴18aにネジ締め作業を行なう。
【0094】
その後、ネジガイド体17A,17Bにナビゲートされながら作業に適したドライバー1及びネジ2を用いてネジ締め作業が順次行なわれる。
【0095】
以上のように、本実施例は、ネジ締め作業を行なうに際して種々の条件をクリアすることで初めてネジ締めが行なわれる構成であり、よって、ネジ2の種類やネジ締めする箇所を間違えるなどのミスすることなくネジ締め作業が確実に行なわれることになる。
【0096】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本実施例の使用状態説明図である。
【図2】本実施例に係る要部を示す斜視図である。
【図3】本実施例に係る要部の動作説明図である。
【図4】本実施例に係る要部の動作説明図である。
【図5】本実施例に係る要部の動作説明図である。
【図6】本実施例に係る要部の動作説明図である。
【図7】本実施例に係る要部の動作説明図である。
【図8】本実施例に係るネジ締め作業装置Aの工程説明図である。
【図9】本実施例に係るネジ締め作業装置Aの工程説明図である。
【図10】本実施例に係るネジ締め作業装置Aの工程説明図である。
【図11】本実施例に係るネジ締め作業ラインの工程説明図である。
【図12】本実施例に係る要部を示す斜視図である。
【図13】本実施例に係る要部の動作説明図である。
【図14】本実施例に係る要部の動作説明図である。
【図15】本実施例に係る要部の動作説明図である。
【図16】本実施例に係る要部の動作説明図である。
【図17】本実施例に係る要部を示す斜視図である。
【図18】本実施例に係る要部の動作説明図である。
【図19】本実施例に係る要部の動作説明図である。
【図20】本実施例に係る要部の動作説明図である。
【符号の説明】
【0098】
A ネジ締め作業装置
P 駆動力供給視認手段
1 ドライバー
1a ドライバービット部
2 ネジ
3 ネジ供給機
6 ネジ受け渡し部
7 ネジ受け渡し阻止部
8 閉塞体
9 ドライバーカウンター
16 ホストコンピュータ
17A ネジガイド体
17B ネジガイド体
17a ネジガイド孔
18 ネジ締め作業部位
18a ネジ穴
19 ネジガイド孔指標手段
20A ネジ締め状況判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストックしてあるネジをネジ受け渡し部を介してドライバーに受け渡すネジ供給機を複数備え、この各ネジ供給機は夫々全て同じ種類のネジをストックせず少なくとも互いに異なる種類のネジをストックするネジ供給機を備えるとともに、夫々回動し得るネジが定まった複数種のドライバーを備え、前記ネジ供給機から供給される異なる種類の各ネジを前記ドライバーに駆動力を供給して自動締め付けするように構成されたネジ締め装置であって、駆動力が供給されている一のドライバーの締め付け作動中は少なくとも異なる種類のネジを回動し得る他のドライバーには駆動力の供給がなされないように各ドライバーを駆動制御するドライバー制御機構を備え、前記ネジ供給機のネジ受け渡し部でのネジの受け渡しを阻止するネジ受け渡し阻止部をネジ供給機に設け、前記一のドライバーでの締め付け作業中は、このドライバーで回動し得るネジとは異なる種類のネジをストックしてなるネジ供給機のネジ受け渡し部でのネジの受け渡しを阻止するようにこのネジ供給機に設けたネジ受け渡し阻止部を作動制御するネジ供給機制御機構を備えることを特徴とするネジ締め作業装置。
【請求項2】
電気の供給により駆動する複数のドライバーへの電源供給をオン・オフ制御して各ドライバーを駆動制御するドライバー制御機構を備えることを特徴とする請求項1記載のネジ締め作業装置。
【請求項3】
前記ネジ供給機にネジ受け渡し部へのドライバーにおけるドライバービット部の配設を阻止してネジの受け渡しを阻止するネジ受け渡し阻止部を設け、このネジ受け渡し阻止部は前記ネジ供給機制御機構の作動制御により作動して前記ネジ受け渡し部でのネジの受け渡しを阻止することを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のネジ締め作業装置。
【請求項4】
前記ネジ受け渡し部へ配設する際にドライバービット部が通過する通過部位を開放自在に閉塞し得る閉塞体を前記ネジ供給機に設けて前記ネジ受け渡し阻止部を構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のネジ締め作業装置。
【請求項5】
前記ドライバーに駆動力が供給されていることを視認し得る駆動力供給視認手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のネジ締め作業装置。
【請求項6】
前記ドライバーに駆動力が供給された際、点灯する点灯部を設けて前記駆動力供給視認手段を構成したことを特徴とする請求項5記載のネジ締め作業装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のネジ締め作業装置を複数並設したネジ締め作業ラインであって、前記ネジ締め作業装置は作業の完了を感知する作業完了感知機構を備え、ネジ締め付け作業開始から所定時間までのネジ締め作業時間をカウントするタイムカウント機構を備え、このタイムカウント機構によりカウントされる所定時間内に作業が完了せずに前記作業完了感知機構が作動しない場合に、少なくとも隣接する他のネジ締め作業装置に作業未完了を報知する未完了報知機構を備えることを特徴とするネジ締め作業ライン。
【請求項8】
前記ネジ締め作業装置に作業者の操作により前記タイムカウント機構を作動させるスイッチを設けたことを特徴とする請求項7記載のネジ締め作業ライン。
【請求項9】
前記ネジ締め作業装置は、ドライバーが接続されネジ締め付け完了時にネジ締め付けが完了したことをカウントするカウント機構と、ドライバーによって締め付けすべきネジの本数を予め設定するネジ本数設定機構を具備するドライバーカウンターが設けられており、このドライバーカウンターにおける各種機能設定はホストコンピュータで行われることを特徴とする請求項7,8のいずれか1項に記載のネジ締め作業ライン。
【請求項10】
前記ホストコンピュータは、前記作業完了感知機構、タイムカウント機構、及び未完了報知機構にリンクされ機能保存されるように構成されていることを特徴とする請求項9記載のネジ締め作業ライン。
【請求項11】
複数のネジ穴が形成されるネジ締め作業部位に重合状態に配され、このネジ締め作業部位に対する重合状態において前記ネジ穴夫々に連通して該ネジ穴までネジをガイドする複数のネジガイド孔を有するネジガイド体を設け、このネジガイド体には、前記駆動力が供給されているドライバーにより締め付けを行なうネジをネジ締めするネジ穴に連通するネジガイド孔を指標するネジガイド孔指標手段が設けられており、ネジガイド体は前記ドライバーカウンターに接続され該ドライバーカウンターにて機能設定されることを特徴とする請求項9,10のいずれか1項に記載のネジ締め作業ライン。
【請求項12】
前記ネジガイド孔指標手段は、ネジガイド孔若しくはネジガイド孔の近傍位置に発光部を設けて構成されていることを特徴とする請求項11記載のネジ締め作業ライン。
【請求項13】
前記ネジガイド体には、ネジ穴に対するネジのネジ締めが完了したか否かを判定するネジ締め状況判定手段が設けられていることを特徴とする請求項11,12のいずれか1項に記載のネジ締め作業ライン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−130749(P2007−130749A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−278015(P2006−278015)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(598003900)有限会社井出計器 (3)
【Fターム(参考)】