説明

ネットワークプリンタシステム、情報処理装置及び印刷プログラム

【課題】1つの印刷ジョブを複数のプリンタに分けて印刷する際に各プリンタでの印刷終了のタイミングを略一致させる。
【解決手段】ネットワークプリンタシステムは、各プリンタの、個々に設定されている印刷速度と現時点の印刷待ち時間とに基づいて、印刷要求のあったドキュメントの総印刷枚数を複数のプリンタを使用して最短で印刷し終えるようにプリンタ毎に割り当てる割当印刷枚数を算出する。そして、プリンタ毎に算出された割当印刷枚数に従い、印刷要求のあったドキュメントを分割し、分割されたドキュメント毎の印刷ジョブを、それぞれその割当印刷枚数が割り当てられた各プリンタに発行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプリンタをネットワークで接続してなるネットワークプリンタシステム、及びプリンタに印刷ジョブを発行するパソコン等の情報処理装置、並びに、この情報処理装置に実装される印刷プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプリンタをネットワークで接続してなるネットワークプリンタシステムは、企業体、学校等の施設で既に実用化されている。このシステムでは、ユーザがパソコン等の情報処理装置を用いて作成したドキュメント(文書ファイル・イメージファイル等)を印刷する際に、プリンタを選択可能である。情報処理装置は、選択されたプリンタに対してドキュメントの印刷ジョブを発行する。
【0003】
ところで、例えば数百ページに及ぶ大量の印刷枚数を有するドキュメントを印刷する場合、1台のプリンタで印刷したのでは印刷完了までに長い時間を要する。また、そのプリンタを一人のユーザが占有してしまうという不具合がある。そこで、1つのドキュメントを、ネットワークで接続された複数のプリンタで分散して印刷することが考えられている。
【0004】
特許文献1は、1つの印刷ジョブを複数台のプリンタに自動的に割り振る通信システムを開示する。この通信システムは、ページ毎に印刷データをキューイングする。そして、キューイングされた印刷データを、同一のデバイスIDを有する複数のプリンタに順番に配送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−327817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載の技術では、1つの印刷ジョブが分けられる複数のプリンタの印刷待ち時間を考慮していない。このため、プリンタ間で印刷終了のタイミングが大きくずれる可能性がある。
【0007】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、1つの印刷ジョブを複数のプリンタに分けて印刷する際に各プリンタでの印刷終了のタイミングを略一致させることができ、ユーザが要求した印刷ジョブを効率的に印刷処理できるネットワークプリンタシステム及びこのシステムの情報処理装置並びにこの情報処理装置に実装される印刷プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ドキュメントの印刷要求に応じて印刷ジョブを発行する情報処理装置に、ネットワークを介して複数のプリンタを接続してなるネットワークプリンタシステムにおいて、各プリンタの、個々に設定されている印刷速度と現時点の印刷待ち時間とを取得する取得手段と、印刷要求のあったドキュメントの総印刷枚数を複数のプリンタを使用して最短で印刷し終えるようにプリンタ毎に割り当てる割当印刷枚数を、取得手段により取得したプリンタ毎の印刷速度と印刷待ち時間とに基づいて算出する演算手段と、演算手段によりプリンタ毎に算出された割当印刷枚数に従い、印刷要求のあったドキュメントを分割する分割手段とを備える。情報処理装置は、分割手段により割当印刷枚数に従い分割されたドキュメント毎の印刷ジョブを、それぞれその割当印刷枚数が割り当てられた各プリンタに発行する。
【発明の効果】
【0009】
かかる手段を講じた本発明によれば、1つの印刷ジョブを複数のプリンタに分けて印刷する際に各プリンタでの印刷終了のタイミングを略一致させることができ、ユーザが要求した印刷ジョブを効率的に印刷処理できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る第1の実施形態のネットワークプリンタシステムを示す概略構成図。
【図2】第1の実施形態に係るプリンタの基本構成を示すブロック図。
【図3】第1の実施形態において、第1〜第3プリンタのプリンタ情報領域にそれぞれ記憶されるプリンタ情報の一例を示す図。
【図4】第1の実施形態に係るパソコンの基本構成を示すブロック図。
【図5】第1の実施形態において、パソコンが有するプログラム実行手段の処理手順を示す流れ図。
【図6】図5における割当ページ数演算処理の手順を具体的に示す流れ図。
【図7】第1の実施形態において、プリンタが有する待ち時間計算手段の処理手順を示す流れ図。
【図8】第1の実施形態において表示される割当ページ数表示画面の一例を示す図。
【図9】第1の実施形態において印刷されるしおりページの一例を示す図。
【図10】本発明に係る第2の実施形態のネットワークプリンタシステムを示す概略構成図。
【図11】第2の実施形態に係るプリンタ管理サーバの基本構成を示すブロック図。
【図12】第2の実施形態において、プリンタ管理サーバが有する待ち時間計算手段の処理手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
本発明に係る第1の実施形態のネットワークプリンタシステムを図1に示す。本システムは、該システムが構築される施設(企業体、公共施設、学校等)内の各所に設置された複数台(図では3台)のプリンタ10(第1プリンタ10-1,第2プリンタ10-2,第3プリンタ10-3,…)を、LAN(Local Area Network)等のネットワーク20で接続する。また、このネットワーク20に、情報処理装置の一態様であるパソコン30を接続する。
【0012】
本システムは、ユーザがパソコン30を用いて作成した1つのドキュメント(文書ファイル・イメージファイル等)を、複数のプリンタ10で分散して印刷することができる。
【0013】
各プリンタ10は、印刷機能のみを有する機器であっても、複合機等のように複数の機能を有する機器であってもよい。そして、各プリンタ10は、印刷方式(例えばモノクロ印刷、カラー印刷等)や解像度等の機能はプリンタ毎に異なるものの、基本構成は共通である。そこで、第1プリンタ10-1を代表とし、その基本構成を図2のブロック図で示す。
【0014】
第1プリンタ10-1は、印刷機構を駆動するプリンタエンジン部11の他、通信部12、記憶部13及びこれらを制御する制御部14を有する。第1プリンタ10-1は、通信部12を介してネットワーク20に接続される。通信部12は、ネットワーク20を介して接続されるパソコン30等とデータの送受信を行う。
【0015】
記憶部13は、印刷ジョブに関する情報を記憶するためのジョブ情報領域131と、プリンタに関する情報を記憶するためのプリンタ情報領域132とを有する。印刷ジョブに関する情報は、ジョブ識別名、ページ数、印刷データ等である。プリンタに関する情報は、プリンタ識別名やそのプリンタの設置場所を示す場所情報の他、印刷速度、解像度(dpi)、印刷方式、用紙種類等の個々の属性に関する情報を含む。印刷速度は、1分間で印刷可能な印刷枚数(枚/分)によって示される。記憶部13は、例えばハードディスク装置で構成される。
【0016】
なお、1台のプリンタが記憶するプリンタ情報は1種類に限定されるものではない。例えば印刷速度や解像度などは印刷の設定によっても異なる。このため、有効な設定に対応した複数のプリンタ情報を1台のプリンタが記憶してもよい。
【0017】
制御部14は、CPU、ROM、RAM等を主体に構成され、通信部12を介して外部から入力される印刷ジョブ情報をジョブ情報領域131に入力順に書き込む機能と、ジョブ情報領域131に記憶した印刷ジョブ情報を入力順に呼出し、そのジョブ情報にしたがってプリンタエンジン部11を駆動させる機能とを有する。また制御部14は、印刷待ち時間計算手段141としての機能を有する。印刷待ち時間計算手段141については後述する。
【0018】
第1プリンタ10-1、第2プリンタ10-2及び第3プリンタ10-3のプリンタ情報領域132にそれぞれ記憶されるプリンタ情報の一例を図3に示す。図3において、データD1は第1プリンタ10-1のプリンタ情報であり、データD2は第2プリンタ10-2のプリンタ情報であり、データD3は第3プリンタ10-3のプリンタ情報である。
【0019】
パソコン30の基本構成を、図4のブロック図で示す。パソコン30は、ドキュメントの印刷要求に応じて印刷ジョブを発行する情報処理装置として機能する。
図4に示すように、パソコン30は、入力部31、表示部32、通信部33、記憶部34及びこれらを制御する制御部35を備える。キーボード、ポインティングデバイス等が入力部31として機能する。液晶ディスプレイ等が表示部32として機能する。パソコン30は、通信部33を介してネットワーク20に接続される。通信部33は、ネットワーク20を介して接続される各プリンタ10等とデータの送受信を行う。
【0020】
記憶部34は、例えばハードディスク装置であり、印刷プログラム341を記憶する。制御部35は、CPU、ROM、RAM等を主体に構成され、前記印刷プログラム341を実行するプログラム実行手段351としての機能を有する。
【0021】
入力部31を介してドキュメントの印刷要求が指令されると、制御部35は、プログラム実行手段351により印刷プログラム341を起動する。印刷プログラム341が起動すると、制御部35は、図5の流れ図に示す手順で各部を制御する。
【0022】
先ず、制御部35は、ST(ステップ)1としてネットワーク20を介して接続される各プリンタ10に、プリンタ情報の要求コマンドを送信する。このコマンドを受信したプリンタ10の制御部14は、プリンタ情報領域132で記憶しているプリンタ情報を呼出し、ネットワーク20を介してコマンド送信元のパソコン30に送信する。制御部35は、各プリンタ10から受信したプリンタ情報をプリンタ別に記憶部34で記憶する。
【0023】
制御部35は、ST2としてプリンタ情報を取得し終えたか否かを判断する。ネットワーク20に接続されたプリンタの中には、主電源が投入されていないプリンタが存在し得る。主電源が投入されていないプリンタに対して要求コマンドが送信されても、このプリンタは、プリンタ情報を応答しない。このため、制御部35は、全てのプリンタからプリンタ情報を取得できなくても、要求コマンドを送信してから一定時間が経過すると、取得完了とみなす。取得完了を確認すると(ST2のYES)、制御部35は、ST3として各プリンタ10から取得したプリンタ情報を表示部32に表示させる(表示手段)。なお、プリンタに紙詰まり、用紙切れ、トナー切れ等のエラーが発生している場合には、このエラー情報をプリンタ情報の一部として表示させてもよい。
【0024】
ST1〜ST3の処理により、ネットワーク20に接続された各プリンタ10のうち、印刷動作が可能なプリンタ10のプリンタ情報が、パソコン30の表示部32に表示される。したがって、パソコン30のユーザは、表示内容から、印刷可能なプリンタの設置場所や、印刷速度、解像度、印刷形式、使用可能な用紙の種類等の属性に関する情報を確認できる。そこでユーザは、入力部31を操作して、ドキュメントの印刷に適したプリンタを選択する。このときユーザは、複数台のプリンタを同時に選択することができる。
【0025】
制御部35は、ST4としてプリンタ10が選択されるのを待機する(選択受付手段)。入力部31を介してプリンタ10が選択されたならば(ST4のYES)、制御部35は、ST5として選択台数は1台であるか複数台であるかを判断する。選択台数が1台であった場合には(ST5のNO)、制御部35は、ST6としてその選択されたプリンタ10に、印刷要求があったドキュメントの印刷ジョブを発行する。以上で、制御部35は、今回の処理を終了する。
【0026】
ドキュメントを印刷するプリンタとして複数台が選択された場合には(ST5のYES)、制御部35は、ST7としてその選択された各プリンタ10に、印刷待ち時間の要求コマンドを送信する。このコマンドを受信した各プリンタ10の制御部14は、待ち時間計算手段141を起動する。
【0027】
待ち時間計算手段141が起動したプリンタ10の制御部14は、図7の流れ図に示す手順の処理を実行する。先ず、ST41としてプリンタ情報領域132からプリンタ情報として設定されている印刷速度を取得する。また、ST42としてジョブ情報領域131に記憶されている印刷ジョブ情報から残りの印刷枚数を取得する。なお、先に印刷枚数を取得し、後から印刷速度を取得してもよい。
【0028】
印刷枚数と印刷速度とを取得すると、制御部14は、ST43としてその印刷枚数に印刷速度を乗算して印刷待ち時間を算出する。この印刷待ち時間は、ジョブ情報領域131に既に記憶されている印刷ジョブ情報の印刷が完了するまでに要する時間である。印刷待ち時間を算出したならば、制御部14は、ST44としてこの印刷待ち時間の情報を、ネットワーク20を介して要求コマンド送信元のパソコン30に送信する。以上で、制御部14は、今回の処理を終了する。
【0029】
制御部35は、各プリンタ10から印刷待ち時間情報を受信する毎に、この印刷待ち時間情報をプリンタ別に記憶部34で記憶する。制御部35は、ST8として印刷待ち時間情報を取得し終えたか否かを判断する。要求コマンドの送信先である全てのプリンタ10の印刷待ち時間情報を記憶したならば、制御部35は、取得完了とみなす。
【0030】
ここに、制御部35は、ST1〜ST8の処理により、各プリンタ10の、個々に設定されている印刷速度と現時点の印刷待ち時間とを取得する取得手段を構成する。取得手段は、選択受付手段(ST4)により選択された複数のプリンタ10の、個々に設定されている印刷速度と現時点の印刷待ち時間とを取得する。
【0031】
印刷待ち時間情報を取得し終えると(ST8のYES)、制御部35は、ST9として割当ページ数演算処理を実行する。この処理は、印刷要求のあったドキュメントの総印刷枚数を、選択された複数のプリンタ10を使用して最短で印刷し終えるようにプリンタ10毎に割り当てる割当印刷枚数を算出する処理である。
【0032】
具体的には、選択された複数のプリンタ10のなかで、印刷待ち時間が一番短いプリンタと2番目に短いプリンタとの印刷待ち時間の時間差を求め、この時間差の間に、印刷待ち時間が一番短いプリンタで印刷できる枚数を計算する。次に、印刷待ち時間が2番目に短いプリンタと3番目に短いプリンタとの印刷待ち時間の時間差を求め、この時間差の間に、印刷待ち時間が一番短いプリンタ及び2番目に短いプリンタでそれぞれ印刷できる枚数を計算する。以後、各プリンタへの割当印刷枚数の総和がドキュメントの総印刷枚数に達するまで、印刷待ち時間の短い順にプリンタを選択して、同様の処理を行う。そして、印刷待ち時間が最も長いプリンタと次に長いプリンタとの印刷待ち時間の時間差の間に、印刷待ち時間が一番短いプリンタから最も長いプリンタの次に長いプリンタまでの各プリンタでそれぞれ印刷できる枚数を計算しても、各プリンタへの割当印刷枚数の総和がドキュメントの総印刷枚数に達しない場合には、その残りの印刷枚数を、印刷速度に比例して各プリンタに配分する。さらに、残りがある場合は、印刷速度が高速なプリンタから1枚ずつ順に割り当てる。
【0033】
以上の手順により、印刷要求のあったドキュメントの総印刷枚数を、選択された複数のプリンタを使用して最短で印刷し終えるように、プリンタ毎に割当印刷枚数が算出される。このような割当印刷枚数演算処理は、図6の流れ図によって示される。
【0034】
はじめに、ユーザが選択したプリンタ10の集合をPとし、集合Pの要素数(プリンタ数)をeとする。また、集合Pの任意の要素(プリンタ)をpと表わし、要素(プリンタ)pの印刷速度をSと表わす。要素(プリンタ)p毎に、初期値が“0”である変数Cを割り当てる。変数Cは、その要素(プリンタ)pに割り当てられる印刷枚数を示す。変数Cは、整数部をCαh、小数部をCβhとしたとき、Cαh+Cβhで表わされる。さらに、ユーザが選択したプリンタ10において、印刷待ち時間がi番目に短いプリンタの集合をPとし、集合Pの任意の要素(プリンタ)をphiと表わす。また、要素(プリンタ)Phjの印刷待ち時間をtijと表わし、印刷速度をSijと表わす。この他、印刷待ち時間が1番目からi番目までに含まれるプリンタ10の台数をmとし、S→Sの写像をfとし、印刷要求のあったドキュメントの総印刷枚数をXtotalとする。
【0035】
制御部35は、先ず、ST21として変数Xsumに“0”を代入する。また、制御部35は、ST22として変数iに“1”を代入する。変数Xsumは、要素(プリンタ)pに割り当てた印刷枚数の総和である。変数iは、順番を示す。
【0036】
制御部35は、次に、ST23として[ti+1>t]となる印刷待ち時間ti+1が存在するか否かをチェックする。すなわち、印刷待ち時間が最も長いプリンタに対する処理であるか否かを判断する。存在する場合、すなわち、印刷待ち時間が最も長いプリンタに対する処理でない場合には、制御部35は、ST24として次の(1)式を演算して、その解Aを求める。この解Aは、印刷待ち時間が短いプリンタとその次に短いプリンタとの印刷待ち時間の時間差の間に、印刷待ち時間が短いプリンタで印刷できる枚数である。
【0037】
【数1】

【0038】
次に、制御部35は、ST25として解Aが総印刷枚数Xtotalから変数Xsumを減算した値、すなわち残りの印刷枚数より小さいか否かを判断する。小さい場合、制御部35は、ST26として変数Lに“1”を代入する。
【0039】
次に、制御部35は、ST27として変数Lが集合Pの要素数eに達したか否かを判断する。達していない場合、制御部35は、ST28として変数Cに[(ti+1−t)f(SiL)+C]を代入する。
【0040】
しかる後、制御部35は、ST29として変数Lに“1”を加算する。そして、ST27に戻り、変数Lが要素数eに達したか否かを判断する。このST26〜ST29の処理ステップにより、制御部35は、変数Lが要素数eに達するまで、変数Cに[(ti+1−t)f(SiL)+C]を代入する処理を繰り返す。変数Cは、印刷待ち時間がL番目に短いプリンタに対する現時点の割当印刷枚数である。
【0041】
変数Lが要素数eに達したならば(ST27のYES)、制御部35は、ST30として変数iを“1”だけ加算する。また、ST31として変数Xsumに、変数C〜Cの総和を代入する。
【0042】
制御部35は、ST23に戻り、再度、[ti+1>t]となる印刷待ち時間ti+1が存在するか否かをチェックする。存在する場合、制御部35は、ST24〜ST31の処理を再度実行する。
【0043】
[ti+1>t]となる印刷待ち時間ti+1が存在しない場合(ST23のNO)、あるいは、解Aが総印刷枚数Xtotalから変数Xsumを減算した値以上となった場合(ST25のNO)、制御部35は、ST32として変数Lに“1”を代入する。
【0044】
次に、制御部35は、ST33として変数Lが集合Pの要素数eに達したか否かを判断する。達していない場合、制御部35は、ST34として次の(2)式を演算して解Bを求める。この解Bは、印刷待ち時間がL番目のプリンタにおける印刷速度と、選択された全てのプリンタの印刷速度の総和との比である。
【0045】
【数2】

【0046】
制御部35は、ST35として、この解Bに、総印刷枚数Xtotalから変数Xsumを減じた数(残りの印刷枚数)を掛け合わした数を、現状の変数Cに加算する。
【0047】
しかる後、制御部35は、ST36として変数Lに“1”を加算する。そして、ST33に戻り、変数Lが要素数eに達したか否かを判断する。このST32〜ST36の処理ステップにより、制御部35は、変数Lが要素数eに達するまで、変数CにB(Xtotal−Xsum)+Cを代入する処理を繰り返す。
【0048】
変数Lが要素数eに達したならば(ST33のYES)、制御部35は、ST37として変数C〜Cの小数部である変数Cβ1〜Cβeの総和を算出し、この総和を、集合Pの任意の要素Pの中で印刷速度が最も高速のプリンタから順に1つずつ割り当てる。
【0049】
以上の演算処理により、選択したプリンタである要素P毎に割り当てられた変数Cの整数部Cahに、ST37の処理で割り当てた枚数を加えた数が、要素Pの割当印刷枚数として算出される(演算手段)。
【0050】
こうして、各プリンタへの割当印刷枚数を算出したならば、制御部35は、ST10としてその各プリンタへの割当印刷枚数に応じて、印刷要求があったドキュメントを分割する。このとき、各プリンタでそれぞれ印刷されるドキュメントは、ページが必ず連続するように分割する(分割手段)。
【0051】
制御部35は、ST11として各プリンタへの割当印刷枚数を表示部32に表示させる。このとき、図8に示すように、各プリンタへの割当印刷枚数をそのプリンタで印刷されるドキュメントのページ数として表示させてもよい。制御部35は、ST12として確認入力がなされるのを待機する。入力部31を介して確認入力が行われたことを検知すると(ST13のYES)、制御部35は、ST13として割当印刷枚数に従い分割されたドキュメント毎の印刷ジョブを、それぞれその割当印刷枚数が割り当てられた各プリンタ10に発行する。
【0052】
しかる後、制御部35は、ST14として分割されたドキュメントを印刷するプリンタ10毎に、少なくともそのプリンタ10で印刷するドキュメントの識別名と印刷ページ数とが表記されたシート(「しおりページ」と称する)の印刷ジョブを編集する(編集手段)。そして制御部35は、ST15としてプリンタ毎に編集した「しおりページ」の印刷ジョブを、それぞれ該当するプリンタ10に発行する。以上で、制御部35は、今回の処理を終了する。
【0053】
今、パソコン30のユーザが、総印刷枚数500枚のドキュメント[帳票1]を、第1〜第3プリンタ10-1〜10-3で印刷する場合を想定する。なお、第1プリンタ10-1の印刷待ち時間を0[分]、印刷速度を10[枚/分]とし、第2プリンタ10-2の印刷待ち時間を0.5[分]、印刷速度を50[枚/分]とし、第3プリンタ10-3の印刷待ち時間を1[分]、印刷速度を100[枚/分]とする。
【0054】
この場合、図6に示す割当ページ数演算処理において、i=1のとき、ST23で“YES”と判定されるので、ST24として、解A=5が算出される。この解A=5は、[Xtotal−Xsum]=500より小さいので、ST26〜ST29の処理により、印刷待ち時間が最も短い第1プリンタ10-1に対する割当印刷枚数C1として“5”が代入される。このとき、変数Xsumは“5”となる。
【0055】
次に、i=2のとき、ST23で“YES”と判定されるので、ST24として、解A=30が算出される。この解A=30は、[Xtotal−Xsum]=495より小さいので、ST26〜ST29の処理により、印刷待ち時間が最も短い第1プリンタ10-1に対する割当印刷枚数Cとして“5”が加算され、印刷待ち時間が2番目に短い第2プリンタ10-2に対する割当印刷枚数Cとして“25”が代入される。このとき、変数Xsumは“35”となる。
【0056】
次に、i=3のとき、ST23で“NO”と判定されるので、ST32〜ST36の処理により、印刷待ち時間が最も短い第1プリンタ10-1に対する割当印刷枚数Cが、下記(3)式により“39.0625”と算出され、印刷待ち時間が2番目に短い第2プリンタ10-2に対する割当印刷枚数Cが、下記(4)式により“170.3125”と算出され、印刷待ち時間が最も長い第3プリンタ10-3に対する割当印刷枚数Cが、下記(5)式により“290.625”と算出される。
【0057】
=[{ 10/(10+50+100)}×465]+10 …(3)
=[{ 50/(10+50+100)}×465]+25 …(4)
=[{100/(10+50+100)}×465]+ 0 …(5)
さらに、ST37の処理により、[0.0625+0.3125+0.625]=1が、印刷速度が最も高速の第3プリンタ10-3に割り当てられる。かくして、総印刷枚数500枚は、第1プリンタ10-1に対して39枚が割り当てられ、第2プリンタ10-2に対して170枚が割り当てられ、第3プリンタ10-2に対して291枚が割り当てられる。
【0058】
その結果、印刷要求があった1〜500ページまでのドキュメント[帳票1]は、第1プリンタ10-1で印刷される1〜39ページまでの39枚のドキュメントと、第2プリンタ10-2で印刷される40〜209ページまでの170枚のドキュメントと、第3プリンタ10-3で印刷される210〜500ページまでの291枚のドキュメントとに分割される。そして表示部32に、図8に示す画面50が表示される。
【0059】
ユーザは、画面50の内容から、ドキュメント[帳票1]は、301会議室のプリンタpr1で1〜39ページまでが印刷され、302会議室のプリンタpr2で40〜209ページまでが印刷され、303会議室のプリンタpr3で210〜500ページまでが印刷されることを確認できる。
【0060】
確認した後、ユーザは、入力部31を操作して、画面上の確認ボタン51を入力する。そうすると、第1プリンタ10-1では、ドキュメント[帳票1]の1頁目〜39頁目までが、待ち時間無しに印刷速度10[枚/分]で印刷され、第2プリンタ10-2では、ドキュメント[帳票1]の40頁目〜209頁目までが、0.5分の待ち時間の経過後に印刷速度50[枚/分]で印刷され、第3プリンタ10-3では、ドキュメント[帳票1]の210頁目〜500頁目までが、1分の待ち時間の経過後に印刷速度100[枚/分]で印刷される。
【0061】
その結果、第1のプリンタ10-1と第2のプリンタ10-2は、3.9分で印刷が完了し、第3のプリンタ10-2は、3.91分で印刷が完了する。すなわち、総印刷枚数500頁のドキュメント[帳票1]は、3台のプリンタにより略3.9分後に同時に印刷が完了する。
【0062】
このように、1つの印刷ジョブを複数のプリンタに振り分けて印刷する際には、プリンタの占有時間を最短にするとともに印刷終了のタイミングを略一致させることができる。したがって、ユーザが要求した印刷ジョブが大量のドキュメントであっても、短時間で効率的に印刷処理することができる。
【0063】
また、1つのプリンタから印刷されるドキュメントのページは連続している。このため、ユーザは、各プリンタから印刷された印刷物を順番に集めるだけで、ページが揃えられるので、ページを揃えなおす手間がない。
【0064】
また、ドキュメントの印刷終了後、第1プリンタ10-1では、図9(a)で示すようなしおりページ61が印刷され、第2プリンタ10-2では、図9(b)で示すようなしおりページ62が印刷され、第3のプリンタ10-3では、図9(c)で示すようなしおりページ63が印刷される(報知手段)。したがって、ユーザは、これらのしおりページ61,62,63を見るだけで、ドキュメントの何頁目が印刷されたのかを容易に確認できるメリットもある。
【0065】
(第2の実施形態)
本発明に係る第2の実施形態のネットワークプリンタシステムを図10に示す。なお、図1と共通する構成要素には同一符号を付し、その詳しい説明は省略する。
【0066】
第2の実施形態では、ネットワーク20に、プリンタ管理サーバ70を接続する。プリンタ管理サーバ70は、各プリンタ10を統轄管理するコンピュータであり、その基本構成を、図11のブロック図で示す。
【0067】
図11に示すように、プリンタ管理サーバ70は、通信部71、記憶部72及びこれらを制御する制御部73を備える。プリンタ管理サーバ70は、通信部71を介してネットワーク20に接続される。通信部71は、ネットワーク20を介して接続されるパソコン30や各プリンタ10等とデータの送受信を行う。
【0068】
記憶部72は、第1の実施の形態では各プリンタ10がそれぞれ記憶部13で記憶していた印刷ジョブ情報及びプリンタ情報を、まとめてプリンタ別に記憶するプリンタ別情報ファイル721,722,723,…を有する。
【0069】
制御部731は、通信部71を介して外部から入力されるプリンタ毎の印刷ジョブ情報をそのプリンタに該当するプリンタ別情報ファイル721,722,723,…に入力順に書き込む機能と、プリンタ別情報ファイル721,722,723,…に記憶した印刷ジョブ情報を入力順に呼出し、該当するプリンタ10に転送する機能とを有する。また、制御部731は、後述する印刷待ち時間計算手段731としての機能を有する。
【0070】
かかる構成の第2の実施の形態において、パソコン30の制御部35は、プログラム実行手段351により、第1の実施の形態で説明した図5の流れ図と略同様の処理手順を実行する。
【0071】
ただし、ST1において、第1の実施の形態では、各プリンタ10にプリンタ情報を要求していたが、第2の実施の形態では、プリンタ管理サーバ70に各プリンタ10のプリンタ情報を要求する。また、ST7において、第1の実施の形態では、選択された複数のプリンタ10に印刷待ち時間を要求していたが、第2の実施の形態では、プリンタ管理サーバ70に選択された複数のプリンタの識別情報とともに印刷待ち時間を要求する。さらに、ST13及びST15において、第1の実施の形態では、選択された複数のプリンタ10に印刷所部情報を発行していたが、第2の実施の形態では、プリンタ管理サーバ70を経由して選択された複数のプリンタに印刷ジョブ情報を発行する。
【0072】
一方、印刷待ち時間の要求コマンドを受信したプリンタ管理サーバ70の制御部73は、待ち時間計算手段731を起動する。待ち時間計算手段731が起動したプリンタ管理サーバ70の制御部73は、図12の流れ図に示す手順の処理を実行する。
【0073】
先ず、制御部73は、ST51としてコマンド送信元のパソコン30にて選択されたプリンタ数を変数Nに代入する。また、制御部73は、ST52として変数nに“0”を代入する。
【0074】
次に、制御部73は、ST53として変数nに“1”を加算する。そして、ST54として変数nが変数Nを超えたか否かを判断する。変数nが変数Nを超えていない場合(ST54のNO)、制御部73は、ST55として変数n番目のプリンタ識別情報で特定されるプリンタのプリンタ別情報ファイル721,722,723,…を検索する。そして、ST56としてそのプリンタ別情報ファイル721,722,723,…に記憶されているプリンタ情報から印刷速度を取得する。また、ST57としてそのプリンタ別情報ファイル721,722,723,…に記憶されている印刷ジョブ情報から残りの印刷枚数を取得する。なお、先に印刷枚数を取得し、後から印刷速度を取得してもよい。
【0075】
印刷枚数と印刷速度とを取得すると、制御部35は、ST58としてその印刷枚数に印刷速度を乗算して印刷待ち時間を算出する。制御部35は、算出した印刷待ち時間を変数n番目のプリンタ識別情報と関連付けて、記憶部72で記憶する。
【0076】
制御部35は、ST53に戻り、変数nに“1”を加算する。以後、制御部35は、変数nが変数Nを超えるまで、ST55〜ST58の処理を繰返し実行する。変数nが変数Nを超えたならば、制御部35は、ST59としてN個のプリンタ識別情報とそれぞれに関連付けて記憶している印刷待ち時間の情報とを、ネットワーク20を介して要求コマンド送信元のパソコン30に送信する。以上で、制御部35は、今回の処理を終了する。
【0077】
このように、第2の実施の形態では、パソコン30は、プリンタ管理サーバ70から、各プリンタ10の、個々に設定されている印刷速度と現時点の印刷待ち時間とを取得するようにしている。このため、第1の実施の形態では、各プリンタ10がそれぞれ待ち時間計算手段141を実装したが、第2の実施の形態では、プリンタ管理サーバ70のみが待ち時間計算手段731を実装すればよい。したがって、各プリンタ10の処理負荷を軽減することができる。また、待ち時間計算手段731のメンテナンスも容易となる。
【0078】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0079】
前記実施の形態では、印刷速度と残りの印刷枚数とからプリンタの印刷待ち時間を算出したが、待ち時間の計算方法はこれに限定されるものではない。例えばプリンタには、プリンタ情報として、ステイプルやホールパンチなどのフィニッシング情報やフィニッシング処理時間を記憶しているものがある。そこで、これらのフィニッシング情報やフィニッシング処理時間からフィニッシングにかかる時間を算出し、この時間を、印刷速度と残りの印刷枚数とから算出される印刷待ち時間に加算してもよい。
【0080】
また、前記実施の形態では、報知手段として「しおりページ」を印刷する場合を示したが、報知手段はこれに限定されるものではない。例えば、「しおりページ」に印刷される情報を、プリンタが備える表示部に表示させて、ユーザに報知してもよい。
【0081】
また、前記実施の形態では、ユーザがドキュメント印刷先のプリンタを選択するようにしたが、必ずしもユーザに選択させる必要はない。すなわち、常にネットワーク20に接続される全てのプリンタ10で1つのドキュメントを分割印刷するシステムにも、本発明は同様に適用できるものである。
【0082】
また、前記実施の形態では、取得手段、割当演算手段及び分割手段を、情報処理装置でるパソコン30が具備するものとして説明をしたが、例えば第2の実施の形態の場合、取得手段及び割当演算手段をプリンタ管理サーバ70が具備し、パソコン30は、プリンタ管理サーバから通知を受けた割当印刷枚数に従い、分割手段によってドキュメントを分割し、その分割されたドキュメント毎の印刷ジョブを、それぞれその割当印刷枚数が割り当てられた各プリンタに発行するようにしてもよい。また、分割手段もプリンタ管理サーバ70が具備し、パソコン30は、分割手段によって分割されたドキュメント毎の印刷ジョブを、それぞれその割当印刷枚数が割り当てられた各プリンタに発行するだけであってもよい。
【0083】
また、前記実施の形態では、パソコン30の内部に印刷プログラム341が予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず印刷プログラム341をネットワークからパソコン30にダウンロードしても良いし、印刷プログラム341を記録媒体に記憶させたものをパソコン30にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつパソコン30が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能はパソコン30内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0084】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【符号の説明】
【0085】
10(10-1、10-2、10-3、…)…プリンタ、20…ネットラーク、30…パソコン(情報処理装置)、70…プリンタ管理サーバ、141…待ち時間計算手段、341…印刷プログラム、351…プログラム実行手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドキュメントの印刷要求に応じて印刷ジョブを発行する情報処理装置に、ネットワークを介して複数のプリンタを接続してなるネットワークプリンタシステムにおいて、
前記各プリンタの、個々に設定されている印刷速度と現時点の印刷待ち時間とを取得する取得手段と、
印刷要求のあったドキュメントの総印刷枚数を複数のプリンタを使用して最短で印刷し終えるようにプリンタ毎に割り当てる割当印刷枚数を、前記取得手段により取得したプリンタ毎の印刷速度と印刷待ち時間とに基づいて算出する演算手段と、
前記演算手段によりプリンタ毎に算出された割当印刷枚数に従い、前記印刷要求のあったドキュメントを分割する分割手段とを具備し、
前記情報処理装置は、前記分割手段により割当印刷枚数に従い分割されたドキュメント毎の印刷ジョブを、それぞれその割当印刷枚数が割り当てられた各プリンタに発行することを特徴とするネットワークプリンタシステム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記各プリンタの、少なくとも設置場所と個々の属性に関する情報とを表示する表示手段と、前記表示手段により少なくとも設置場所と個々の属性に関する情報とが表示される各プリンタの中から使用する複数のプリンタの選択入力を受付ける選択受付手段とを具備し、
前記取得手段は、前記選択受付手段により選択された複数のプリンタの、個々に設定されている印刷速度と現時点の印刷待ち時間とを取得することを特徴とする請求項1記載のネットワークプリンタシステム。
【請求項3】
前記ネットワークに接続され、前記各プリンタの、個々に設定されている印刷速度と現時点の印刷待ち時間とを管理するプリンタ管理サーバ、をさらに備え、
前記取得手段は、前記プリンタ管理サーバから、前記各プリンタの、個々に設定されている印刷速度と現時点の印刷待ち時間とを取得することを特徴とする請求項1または2記載のネットワークプリンタシステム。
【請求項4】
前記分割手段により分割されたドキュメントを印刷するプリンタにおいて、少なくともそのプリンタで印刷するドキュメントの識別名と印刷ページ数とを報知する報知手段、
をさらに具備したことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1記載のネットワークプリンタシステム。
【請求項5】
ネットワークを介して複数のプリンタを接続してなり、ドキュメントの印刷要求に応じて印刷ジョブを発行する情報処理装置において、
前記各プリンタの、個々に設定されている印刷速度と現時点の印刷待ち時間とを取得する取得手段と、
印刷要求のあったドキュメントの総印刷枚数を複数のプリンタを使用して最短で印刷し終えるようにプリンタ毎に割り当てる割当印刷枚数を、前記取得手段により取得したプリンタ毎の印刷速度と印刷待ち時間とに基づいて算出する演算手段と、
前記演算手段によりプリンタ毎に算出された割当印刷枚数に従い、前記印刷要求のあったドキュメントを分割する分割手段とを具備し、
前記分割手段により割当印刷枚数に従い分割されたドキュメント毎の印刷ジョブを、それぞれその割当印刷枚数が割り当てられた各プリンタに発行することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
前記各プリンタの、少なくとも設置場所と個々の属性に関する情報とを表示する表示手段と、
前記表示手段により少なくとも設置場所と個々の属性に関する情報とが表示される各プリンタの中から使用する複数のプリンタの選択入力を受付ける選択受付手段と、をさらに具備し、
前記取得手段は、前記選択受付手段により選択入力を受付けた複数のプリンタの、個々に設定されている印刷速度と現時点の印刷待ち時間とを取得することを特徴とする請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記分割手段により分割されたドキュメントを印刷するプリンタ毎に、少なくともそのプリンタで印刷するドキュメントの識別名と印刷ページ数とが表記されるシートの印刷ジョブを編集する編集手段、をさらに具備し、
前記分割手段により割当印刷枚数に従い分割されたドキュメント毎の印刷ジョブを、それぞれその割当印刷枚数が割り当てられた各プリンタに発行した後、前記編集手段によりプリンタ毎に編集した印刷ジョブを、それぞれ該当するプリンタに発行することを特徴とする請求項5または6記載の情報処理装置。
【請求項8】
ネットワークを介して複数のプリンタを接続してなり、ドキュメントの印刷要求に応じて印刷ジョブを発行するコンピュータを、
前記各プリンタの、個々に設定されている印刷速度と現時点の印刷待ち時間とを取得する取得手段と、
印刷要求のあったドキュメントの総印刷枚数を複数のプリンタを使用して最短で印刷し終えるようにプリンタ毎に割り当てる割当印刷枚数を、前記取得手段により取得したプリンタ毎の印刷速度と印刷待ち時間とに基づいて算出する演算手段と、
前記演算手段によりプリンタ毎に算出された割当印刷枚数に従い、前記印刷要求のあったドキュメントを分割する分割手段と、
前記分割手段により割当印刷枚数に従い分割されたドキュメント毎の印刷ジョブを、それぞれその割当印刷枚数が割り当てられた各プリンタに発行する手段、
として機能させるための印刷プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−176635(P2010−176635A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21845(P2009−21845)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】