説明

ネットワーク接続装置、ネットワークシステム、ネットワーク接続方法およびネットワーク接続プログラム

【課題】無線端末装置についてより多様な通信サービスを提供することが可能なネットワーク接続装置、ネットワークシステム、ネットワーク接続方法およびネットワーク接続プログラムを提供する。
【解決手段】ネットワーク接続装置101は、無線端末装置151との間で無線信号を送受信するための無線基地局部12と、無線端末装置151から定期的に送信される、無線基地局部12と通信可能であること、および無線端末装置151の識別情報を示す在圏通知を無線基地局部12経由で取得するための在圏通知取得部21と、在圏通知取得部21によって在圏通知が定期的に取得されるか否かに基づいて、識別情報を有する無線端末装置151が無線基地局部12を通信先として選択している状態であるか否かを判断するための離在圏判断部22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク接続装置、ネットワークシステム、ネットワーク接続方法およびネットワーク接続プログラムに関し、特に、無線端末装置の離在圏を検出するネットワーク接続装置、ネットワークシステム、ネットワーク接続方法およびネットワーク接続プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
IP(Internet Protocol)パケットのルーティングおよびプロトコル変換等の機能を有し、宅内の内部ネットワークとインターネット等の外部ネットワークとを相互に接続するためのホームゲートウェイが開発されている。
【0003】
また、従来、移動通信システムでは、半径数百メートルから数十キロメートルのセルすなわち無線端末装置が通信可能なエリアを形成する無線基地局装置(以下、マクロ基地局とも称する。)による通信サービスが提供されてきた。
【0004】
近年、移動通信サービスの加入者数の劇的な増加およびデータ通信による通信トラヒック量の増大から、より半径の小さいセルを形成することによって加入者および通信トラヒックを分散し、また、一定レベルの通信速度をユーザへ安定して提供することが望まれている。また、ビルの超高層化に伴う不感地対策のため、企業フロア内および一般家庭内への無線基地局装置の設置も望まれている。
【0005】
これらの要望と併せて、無線基地局装置で使用される種々のデバイスの処理能力が飛躍的に向上したことによって無線基地局装置の小型化が進み、このような小型化された基地局が注目を集めている。
【0006】
この小型基地局(以下、フェムト基地局とも称する。)が形成するフェムトセル(Femto Cell)の半径は10メートル前後と小さいため、フェムト基地局は、マクロ基地局が形成するマクロセル(Macro Cell)の圏外となりマクロ基地局の設置が困難な宅内および地下街等の場所で使用されることが考えられる。
【0007】
このようなフェムト基地局が宅内に設置された場合、フェムトセルに存在し、フェムト基地局と通信する無線端末装置は、たとえば、フェムト基地局およびホームゲートウェイ経由で外部ネットワークとの間でIPパケットを送受信する。
【0008】
ここで、非特許文献1(村勢 徹郎、“第8回 アクセス回線とホーム・ゲートウエイ(後編)”、[online]、平成19年8月9日、日経コミュニケーション、[平成22年8月20日検索]、インターネット〈URL:http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070801/278867/〉)には、ホームゲートウェイがVOIP(Voice Over IP)機能を有し、当該ホームゲートウェイにアナログの電話機を接続してIP電話機能を提供する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】村勢 徹郎、“第8回 アクセス回線とホーム・ゲートウエイ(後編)”、[online]、平成19年8月9日、日経コミュニケーション、[平成22年8月20日検索]、インターネット〈URL:http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070801/278867/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
非特許文献1に記載のホームゲートウェイは、たとえばNGN(Next Generation Network)網に設けられたSIP(Session Initiation Protocol)サーバと通信することにより、IP電話等の通信サービスを宅内の端末装置に提供することが可能である。
【0011】
しかしながら、携帯電話等の無線端末装置は、通常、移動通信事業者網における管理装置において登録処理等が行われる。このため、無線端末装置が通話を行なう場合、通常、ホームゲートウェイと移動通信事業者網との間で音声データを含むIPパケットが送受信される。
【0012】
このため、携帯電話等の無線端末装置に対しては、移動通信事業者網以外のネットワークに設けられたSIPサーバを用いてIP電話等の通信サービスを提供することが困難であった。
【0013】
しかしながら、非特許文献1には、このような問題を解決するための構成は開示されていない。
【0014】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、無線端末装置についてより多様な通信サービスを提供することが可能なネットワーク接続装置、ネットワークシステム、ネットワーク接続方法およびネットワーク接続プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるネットワーク接続装置は、無線端末装置との間で無線信号を送受信するための無線基地局部と、上記無線端末装置から定期的に送信される、上記無線基地局部と通信可能であること、および上記無線端末装置の識別情報を示す在圏通知を上記無線基地局部経由で取得するための在圏通知取得部と、上記在圏通知取得部によって上記在圏通知が定期的に取得されるか否かに基づいて、上記識別情報を有する上記無線端末装置が上記無線基地局部を通信先として選択している状態であるか否かを判断するための離在圏判断部とを備える。
【0016】
このような構成により、移動先セルから移動通信事業者網等の上位ネットワーク経由で離圏通知を取得することなく、無線端末装置のセルからの離圏を当該セル側単独で検出することができる。すなわち、無線端末装置の移動先セルの状況および上位ネットワーク側の機能実装状況に依存せず、セル側単独で離在圏サービスを提供することができる。したがって、無線端末装置についてより多様な通信サービスを提供することができる。
【0017】
好ましくは、上記離在圏判断部は、上記識別情報を有する上記無線端末装置が上記無線基地局部を通信先として選択していると判断した状態において、上記識別情報を示す新たな上記在圏通知が所定時間取得されない場合に、上記識別情報を有する上記無線端末装置が上記無線基地局部を通信先として選択しなくなったと判断する。
【0018】
このような構成により、自己が対応するセルに在圏していた無線端末装置の離圏を適切に検出することができる。
【0019】
好ましくは、上記ネットワーク接続装置は、さらに、無線端末装置に上記在圏通知を定期的に送信させるための送信要求を上記無線端末装置へ送信するための送信要求部を備える。
【0020】
このような構成により、無線端末装置の離在圏を判断するための定期的な在圏通知の送信を無線端末装置に促すことができる。
【0021】
好ましくは、上記在圏通知は、上記無線基地局部と通信中でない無線端末装置から定期的に送信される。
【0022】
このように、アイドル状態の無線端末装置から定期的に送信される在圏通知を取得する構成により、アイドル状態の無線端末装置が在圏しているか否かを判断することができる。
【0023】
好ましくは、上記ネットワーク接続装置は、さらに、上記離在圏判断部による判断結果を、無線端末装置の通信先アドレスを検索し、検索したアドレスを上記無線端末装置に通知するための管理装置へ送信するための離在圏情報送信部を備える。
【0024】
このような構成により、セルへ在圏したり、セルから離圏したりする無線端末装置の登録処理を管理装置において適切に行なうことが可能となる。
【0025】
より好ましくは、上記管理装置はSIP(Session Initiation Protocol)サーバである。
【0026】
このような構成により、SIPサーバを用いてIP電話等の通信サービスを無線端末装置に提供することが可能となる。
【0027】
好ましくは、上記在圏通知取得部は、3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定されたNAS(Non-Access Stratum)層のMM(Mobility Management)プロトコルまたはGMM(GPRS Packet Radio System Mobility Management)プロトコルの処理を実行することにより上記在圏通知を取得する。
【0028】
このような構成により、3GPP仕様を採用するネットワークシステムにおいて、ネットワーク接続装置単体で離在圏サービスを提供することが可能となる。
【0029】
より好ましくは、上記在圏通知は、3GPPで規定されたLocation Updating RequestまたはRouting Area Updating Requestである。
【0030】
このように、3GPP仕様に従ったメッセージを利用する構成により、ネットワーク接続装置単体の離在圏サービスを容易に提供することができる。
【0031】
より好ましくは、上記在圏通知は、3GPPで規定されたLocation Updating Requestであり、かつ3GPPで規定されたLocation Updating Requestの最小送信間隔で上記無線端末装置から送信される。
【0032】
このように、3GPPで規定された最小間隔で在圏通知を送信する構成により、3GPP仕様に従った範囲で最良の離在圏サービスを提供することが可能となる。
【0033】
より好ましくは、上記ネットワーク接続装置は、さらに、3GPPで規定されたVLR(Visited Location Register)を有するVLR部を備え、上記VLRには、上記在圏通知取得部によって取得された上記在圏通知に含まれる情報が少なくとも保存され、上記在圏通知取得部および上記離在圏判断部は、上記VLR部を介して互いに情報をやり取りする。
【0034】
このような構成により、3GPPで規定されたVLRを用いた無線端末装置の管理が可能となる。
【0035】
またこの発明の別の局面に係わるネットワーク接続装置は、無線端末装置の識別情報を登録し、登録された上記無線端末装置の通信先アドレスを検索し、検索したアドレスを上記無線端末装置に通知するための管理装置と、無線端末装置と無線信号を送受信するための無線基地局装置との間でデータを中継するためのネットワーク接続装置であって、無線端末装置から定期的に送信される、無線基地局装置と通信可能であること、および上記無線端末装置の識別情報を示す在圏通知を上記無線基地局装置経由で取得するための在圏通知取得部と、上記在圏通知取得部によって上記在圏通知が定期的に取得されるか否かに基づいて、上記識別情報を有する上記無線端末装置が上記無線基地局装置を通信先として選択している状態であるか否かを判断するための離在圏判断部とを備える。
【0036】
このような構成により、移動先セルから移動通信事業者網等の上位ネットワーク経由で離圏通知を取得することなく、無線端末装置のセルからの離圏を当該セル側単独で検出することができる。すなわち、無線端末装置の移動先セルの状況および上位ネットワーク側の機能実装状況に依存せず、セル側単独で離在圏サービスを提供することができる。したがって、無線端末装置についてより多様な通信サービスを提供することができる。
【0037】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるネットワークシステムは、無線端末装置の識別情報を登録し、登録された上記無線端末装置の通信先アドレスを検索し、検索したアドレスを上記無線端末装置に通知するための管理装置と、上記管理装置と、上記無線端末装置と無線信号を送受信するための無線基地局装置との間でデータを中継するためのネットワーク接続装置とを備え、上記ネットワーク接続装置は、無線端末装置から定期的に送信される、無線基地局装置と通信可能であること、および上記無線端末装置の識別情報を示す在圏通知を上記無線基地局装置経由で取得するための在圏通知取得部と、上記在圏通知取得部によって上記在圏通知が定期的に取得されるか否かに基づいて、上記識別情報を有する上記無線端末装置が上記無線基地局装置を通信先として選択している状態であるか否かを判断するための離在圏判断部と、上記離在圏判断部による判断結果を上記管理装置へ送信するための離在圏情報送信部とを含む。
【0038】
このような構成により、移動先セルから移動通信事業者網等の上位ネットワーク経由で離圏通知を取得することなく、無線端末装置のセルからの離圏を当該セル側単独で検出することができる。すなわち、無線端末装置の移動先セルの状況および上位ネットワーク側の機能実装状況に依存せず、セル側単独で離在圏サービスを提供することができる。したがって、無線端末装置についてより多様な通信サービスを提供することができる。
【0039】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるネットワーク接続方法は、無線端末装置との間で無線信号を送受信するための無線基地局部を備えるネットワーク接続装置におけるネットワーク接続方法であって、上記無線端末装置から定期的に送信される、上記無線基地局部と通信可能であること、および上記無線端末装置の識別情報を示す在圏通知を上記無線基地局部経由で取得するステップと、上記在圏通知取得部によって上記在圏通知が定期的に取得されるか否かに基づいて、上記識別情報を有する上記無線端末装置が上記無線基地局部を通信先として選択している状態であるか否かを判断するステップとを含む。
【0040】
このような構成により、移動先セルから移動通信事業者網等の上位ネットワーク経由で離圏通知を取得することなく、無線端末装置のセルからの離圏を当該セル側単独で検出することができる。すなわち、無線端末装置の移動先セルの状況および上位ネットワーク側の機能実装状況に依存せず、セル側単独で離在圏サービスを提供することができる。したがって、無線端末装置についてより多様な通信サービスを提供することができる。
【0041】
またこの発明の別の局面に係わるネットワーク接続方法は、無線端末装置の識別情報を登録し、登録された上記無線端末装置の通信先アドレスを検索し、検索したアドレスを上記無線端末装置に通知するための管理装置と、無線端末装置と無線信号を送受信するための無線基地局装置との間でデータを中継するためのネットワーク接続装置におけるネットワーク接続方法であって、無線端末装置から定期的に送信される、無線基地局装置と通信可能であること、および上記無線端末装置の識別情報を示す在圏通知を上記無線基地局装置経由で取得するステップと、上記在圏通知取得部によって上記在圏通知が定期的に取得されるか否かに基づいて、上記識別情報を有する上記無線端末装置が上記無線基地局装置を通信先として選択している状態であるか否かを判断するステップとを含む。
【0042】
このような構成により、移動先セルから移動通信事業者網等の上位ネットワーク経由で離圏通知を取得することなく、無線端末装置のセルからの離圏を当該セル側単独で検出することができる。すなわち、無線端末装置の移動先セルの状況および上位ネットワーク側の機能実装状況に依存せず、セル側単独で離在圏サービスを提供することができる。したがって、無線端末装置についてより多様な通信サービスを提供することができる。
【0043】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるネットワーク接続プログラムは、無線端末装置との間で無線信号を送受信するための無線基地局部を備えるネットワーク接続装置におけるネットワーク接続プログラムであって、コンピュータに、上記無線端末装置から定期的に送信される、上記無線基地局部と通信可能であること、および上記無線端末装置の識別情報を示す在圏通知を上記無線基地局部経由で取得するステップと、上記在圏通知取得部によって上記在圏通知が定期的に取得されるか否かに基づいて、上記識別情報を有する上記無線端末装置が上記無線基地局部を通信先として選択している状態であるか否かを判断するステップとを実行させる。
【0044】
このような構成により、移動先セルから移動通信事業者網等の上位ネットワーク経由で離圏通知を取得することなく、無線端末装置のセルからの離圏を当該セル側単独で検出することができる。すなわち、無線端末装置の移動先セルの状況および上位ネットワーク側の機能実装状況に依存せず、セル側単独で離在圏サービスを提供することができる。したがって、無線端末装置についてより多様な通信サービスを提供することができる。
【0045】
またこの発明の別の局面に係わるネットワーク接続プログラムは、無線端末装置の識別情報を登録し、登録された上記無線端末装置の通信先アドレスを検索し、検索したアドレスを上記無線端末装置に通知するための管理装置と、無線端末装置と無線信号を送受信するための無線基地局装置との間でデータを中継するためのネットワーク接続装置におけるネットワーク接続プログラムであって、コンピュータに、無線端末装置から定期的に送信される、無線基地局装置と通信可能であること、および上記無線端末装置の識別情報を示す在圏通知を上記無線基地局装置経由で取得するステップと、上記在圏通知取得部によって上記在圏通知が定期的に取得されるか否かに基づいて、上記識別情報を有する上記無線端末装置が上記無線基地局装置を通信先として選択している状態であるか否かを判断するステップとを実行させる。
【0046】
このような構成により、移動先セルから移動通信事業者網等の上位ネットワーク経由で離圏通知を取得することなく、無線端末装置のセルからの離圏を当該セル側単独で検出することができる。すなわち、無線端末装置の移動先セルの状況および上位ネットワーク側の機能実装状況に依存せず、セル側単独で離在圏サービスを提供することができる。したがって、無線端末装置についてより多様な通信サービスを提供することができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、無線端末装置についてより多様な通信サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置における無線インタフェース部12の構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置におけるネットワーク制御部の構成を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置の通信プロトコル構成の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置における位置登録手順を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置におけるCS呼用の位置登録要求の送信周期の一例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置におけるPS呼用の位置登録要求の周期通知の一例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムにおける離在圏検出のメッセージの流れを詳細に示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置が離在圏検出を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るネットワーク接続装置の通信プロトコル構成の一例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係るネットワークシステムにおける離在圏検出のメッセージの流れを詳細に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0050】
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムの構成を示す図である。
【0051】
図1を参照して、ネットワークシステム401は、ネットワーク接続装置101と、SIPサーバ(管理装置)301と、サーバ302とを備える。
【0052】
SIPサーバ301は、たとえばNGN網である固定網203に設置されている。サーバ302は、パケット交換(Packet Switching)呼を処理するPS網および回線交換(Circuit Switching)呼を処理するCS網を含む移動通信事業者網202に設置されている。移動通信事業者網202は、固定網203に接続されている。
【0053】
SIPサーバ301は、装置の登録および非登録を判断し、登録された装置の通信先のIPアドレスを検索して当該装置に通知する等の機能を有する。SIPサーバ301は、たとえばネットワーク接続装置101等のIPアドレスを識別情報として登録する。また、SIPサーバ301は、たとえば、通信元装置から通信先装置への呼び出し等の処理を行なう一方で、両装置間で音声パケット等を送受信するための仮想的な通信経路の確立処理までは行なわない。
【0054】
ネットワーク接続装置101は、IPパケットのルーティングおよびプロトコル変換等の機能を有し、宅内の内部ネットワーク204と固定網203とを相互に接続し、また、宅内の内部ネットワーク204と移動通信事業者網202とを固定網203経由で相互に接続する。具体的には、ネットワーク接続装置101は、SIPサーバ301と無線端末装置151との間でデータを中継する。また、ネットワーク接続装置101は、サーバ302との間でVPN(Virtual Private Network)を形成することにより、IPパケットの送受信を行なう。
【0055】
また、内部ネットワーク204にはたとえば無線端末装置151、パーソナルコンピュータ152およびセットトップボックス153が存在している。
【0056】
ネットワーク接続装置101は、パーソナルコンピュータ152およびセットトップボックス153とたとえばLANケーブルを介して接続されており、相互にIPパケットの送受信を行なう。
【0057】
また、ネットワーク接続装置101は、たとえば通常のホームゲートウェイ機能に加えてフェムト基地局の機能を備えており、無線端末装置151との間で無線信号を送受信する。たとえば、ネットワーク接続装置101および無線端末装置151は、3GPP(Third Generation Partnership Project)で規格化されたW−CDMA(Wide Band Code Division Multiple Access)またはLTE(Long Term Evolution)に従う移動体通信を行なう。
【0058】
ここで、フェムト基地局は、3GPP(Third Generation Partnership Project) SPEC TS22.220において以下のように説明されている。すなわち、フェムト基地局は、無線インタフェースを介して接続されている無線端末装置を、IPバックホール(backhaul)を用いて、移動通信事業者網に接続する顧客構内装置である。
【0059】
本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムにおいても、このような3GPPの定義を適用してもよい。
【0060】
また、上記定義と合わせて、あるいは別個に、以下のような定義を適用することも可能である。
【0061】
マクロ基地局は、事業者の管理下にあり、事業者と契約している無線基地局装置が通信可能な無線基地局装置である。また、マクロ基地局は、基本的に電源がオフになることはないと考えられる。
【0062】
また、フェムト基地局は、主に個人または法人の建物内に設置され、ユーザの事情により電源がオフとなる可能性がある無線基地局装置である。
【0063】
また、フェムト基地局は、オープン/ハイブリッド/クローズドのいずれかのアクセスモードで動作する。フェムト基地局は、クローズドアクセスモードで動作する場合には、登録済みのメンバー(端末)のみ接続可能となる。また、クローズドアクセスモードで動作する場合には、登録済みのメンバーにのみサービスを提供する。また、ハイブリッドアクセスモードで動作する場合には、登録済みのメンバー、および未登録のメンバーすなわちノンメンバーの両方にサービスを提供する。また、オープンアクセスモードで動作する場合には、マクロ基地局と同じ動作をする。
【0064】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置の構成を示す図である。
【0065】
図2を参照して、ネットワーク接続装置101は、ネットワーク制御部11と、無線インタフェース部(無線基地局部)12と、有線インタフェース部13とを備える。ネットワーク制御部11は、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)等によって実現される。
【0066】
無線インタフェース部12は、内部ネットワーク204における無線端末装置151との間で通信を行なう。より詳細には、無線インタフェース部12は、無線端末装置151からたとえばIPパケットを含む無線信号を受信し、受信した無線信号を通信データに変換してネットワーク制御部11へ出力する。また、無線インタフェース部12は、ネットワーク制御部11から受けた通信データをたとえばIPパケットを含む無線信号に変換して無線端末装置151へ出力する。
【0067】
有線インタフェース部13は、内部ネットワーク204における有線端末装置152,153との間で通信を行なう。より詳細には、有線インタフェース部13は、有線端末装置152,153からIPパケット等の通信データを受信してネットワーク制御部11へ出力する。また、無線インタフェース部12は、ネットワーク制御部11から受けたIPパケット等の通信データを有線端末装置152,153へ出力する。
【0068】
ネットワーク制御部11は、種々の通信プロトコル処理を行なうことにより、無線インタフェース部12、有線インタフェース部13および固定網203間の通信データの中継処理を行なう。すなわち、ネットワーク制御部11は、無線インタフェース部12から受けた通信データを固定網203または有線インタフェース部13へ出力する。また、ネットワーク制御部11は、無線インタフェース部12から受けた通信データを固定網203または有線インタフェース部13へ出力する。また、ネットワーク制御部11は、固定網203からIPパケット等の通信データを受信して無線インタフェース部12または有線インタフェース部13へ出力する。
【0069】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置における無線インタフェース部12の構成を示す図である。
【0070】
図3を参照して、無線インタフェース部12は、フェムト基地局としての機能を有しており、アンテナ91と、サーキュレータ92と、無線受信部93と、無線送信部94と、信号処理部95とを備える。信号処理部95は、受信信号処理部96と、送信信号処理部97とを含む。信号処理部95は、CPUまたはDSP等によって実現される。
【0071】
サーキュレータ92は、アンテナ91において受信された無線端末装置151からの無線信号を無線受信部93へ出力し、また、無線送信部94から受けた無線信号をアンテナ91へ出力する。
【0072】
無線受信部93は、サーキュレータ92から受けた無線信号をベースバンド信号またはIF(Intermediate Frequency)信号に周波数変換し、この周波数変換した信号をデジタル信号に変換して受信信号処理部96へ出力する。
【0073】
受信信号処理部96は、無線受信部93から受けたデジタル信号に対してCDMA(Code Division Multiple Access)方式における逆拡散等の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号の一部または全部を所定のフレームフォーマットに変換してネットワーク制御部11へ出力する。
【0074】
送信信号処理部97は、ネットワーク制御部11から受けた通信データを所定のフレームフォーマットに変換した通信データまたは自ら生成した通信データに対してOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式におけるIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)等の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号を無線送信部94へ出力する。
【0075】
無線送信部94は、送信信号処理部97から受けたデジタル信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号を無線信号に周波数変換してサーキュレータ92へ出力する。
【0076】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置におけるネットワーク制御部の構成を示す図である。
【0077】
図4を参照して、ネットワーク制御部11は、在圏通知取得部21と、離在圏判断部22と、離在圏情報送信部23とを含む。
【0078】
在圏通知取得部21は、無線端末装置151から定期的に送信される、無線インタフェース部12と通信可能であること、および無線端末装置151の識別情報を示す在圏通知を無線インタフェース部12経由で取得する。
【0079】
離在圏判断部22は、在圏通知取得部21によって在圏通知が定期的に取得されるか否かに基づいて、上記識別情報を有する無線端末装置151が無線インタフェース部12を通信先として選択している状態であるか否かを判断する。より詳細には、離在圏判断部22は、上記識別情報を有する無線端末装置151が無線インタフェース部12を通信先として選択していると判断した状態において、上記識別情報を示す新たな在圏通知が所定時間取得されない場合に、上記識別情報を有する無線端末装置151が無線インタフェース部12を通信先として選択しなくなったと判断する。
【0080】
離在圏情報送信部23は、無線インタフェース部12を通信先として選択していると離在圏判断部22によって判断された無線端末装置151の識別情報等、離在圏判断部22による判断結果をSIPサーバ301へ送信する。
【0081】
送信要求部24は、無線端末装置151に在圏通知を定期的に送信させるための送信要求を当該無線端末装置151へ送信する。
【0082】
また、在圏通知は、たとえば、ネットワーク接続装置101における無線インタフェース部12と通信中でない無線端末装置151すなわち通話およびデータ通信を行なっていない状態の無線端末装置151から定期的に送信される。
【0083】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置の通信プロトコル構成の一例を示す図である。
【0084】
図5を参照して、ネットワーク接続装置101は、PHY(Physical Layer)層処理部31と、MAC(Medium Access Control)層処理部32と、RLC(Radio Link Control)層処理部33と、RRC(Radio Resource Control)層処理部34と、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)層処理部35と、NAS(Non-Access Stratum)層処理部51と、B2BUA(Back-to-back User Agent)部52とを備える。NAS層処理部51は、MM(Mobility Management)処理部36と、GMM(GPRS Packet Radio System Mobility Management)処理部37と、CC(Call Control)処理部38と、SM(Session Management)処理部39とを含む。B2BUA部52は、レジスタサーバ部40と、SIP呼制御部41と、SIPスタック部42とを含む。
【0085】
図5において、たとえば、PHY層処理部31は図2に示す無線インタフェース部12に含まれ、PHY層処理部31以外のユニットは図2に示すネットワーク制御部11に含まれる。より詳細には、MM処理部36は図4に示す在圏通知取得部21および送信要求部24に対応し、レジスタサーバ部40は図4に示す離在圏判断部22および離在圏情報送信部23に対応する。
【0086】
PHY層処理部31、MAC層処理部32、RLC層処理部33、RRC層処理部34、PDCP層処理部35およびNAS層処理部51は、3GPPで規定されたPHY層、MAC層、RLC層、RRC層、PDCP層およびNAS層におけるプロトコル処理をそれぞれ実行する。
【0087】
NAS層処理部51において、MM処理部36、GMM処理部37、CC処理部38およびSM処理部39は、NAS層におけるMM、GMM、CCおよびSMの処理をそれぞれ実行する。
【0088】
B2BUA部52において、レジスタサーバ部40は、各種端末装置の登録状態を管理する。より詳細には、レジスタサーバ部40は、SIPサーバ301との間で各種端末装置の登録に関する通信データを送受信する。
【0089】
SIPスタック部42は、レジスタサーバ部40から受けた通信データをSIPサーバ301用のフレームフォーマットに変換してSIPサーバ301へ送信する。また、SIPスタック部42は、SIPサーバ301から受けた通信データをレジスタサーバ部40用のフレームフォーマットに変換してレジスタサーバ部40へ送信する。
【0090】
SIP呼制御部41は、各種端末装置の通話を制御する。
【0091】
[動作]
次に、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置が離在圏検出を行なう際の動作について説明する。
【0092】
以下に示すシーケンスおよびフローチャートにおいて、ネットワーク接続装置101は、シーケンスおよびフローチャートの各ステップを含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。
【0093】
W−CDMAなどの移動通信システムにおいて、無線端末装置151の所在を確認するためには、無線端末装置151から移動通信事業者網202へ何らかの通知が必要となる。
【0094】
この通知の一例として、3GPPでは、位置登録(Location Updating Procedure, Routing Area Updating Procedure)およびアタッチ(IMSI Attach Procedure, GPRS Attach Procedure)に関する手順が規定されている。
【0095】
無線端末装置151がセルに在圏した場合にこれらの手順を動作させることで、移動通信事業者網202へ無線端末装置151の所在が通知される。すなわち、無線端末装置151がフェムト基地局すなわち無線インタフェース部12と通信可能であること、および無線端末装置151の識別情報を示す在圏通知が移動通信事業者網202へ送信される。
【0096】
また、3GPPでは、位置登録については周期的に実行する手順も規定されており、無線端末装置151から一定間隔で位置登録の通知を受け取ることも可能となっている。ただし、通常、当該手順はNAS層におけるMMおよびGMMの手順として規定されているため、フェムト基地局ではなく、移動通信事業者網202に設けられる上位装置であるMSC(Mobile Switching Centre)およびSGSN(Serving General Packet Radio Service Support Node)によって実行される。
【0097】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムでは、図5において説明したように、NAS層におけるプロトコル処理をネットワーク接続装置101に実装し、通常は無線端末装置151および移動通信事業者網202間で終端している位置登録手順を、無線端末装置151およびネットワーク接続装置101間で終端させる。これにより、フェムトセル側単独での無線端末装置151の圏外検出が可能となる。
【0098】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置における位置登録手順を示す図である。
【0099】
図6を参照して、CS呼用の上位装置であるMSCに対する位置登録として、まず、無線端末装置151は、CS位置登録要求であるLocation Updating Requestをネットワーク接続装置101へ送信する(ステップS11)。
【0100】
次に、ネットワーク接続装置101は、無線端末装置151からCS位置登録要求を受信して、当該CS位置登録要求を送信してきた無線端末装置151の識別情報を取得する。この識別情報は、たとえば、無線端末装置151からのCS位置登録要求に含まれる(ステップS12)。
【0101】
次に、ネットワーク接続装置101は、認証要求を無線端末装置151へ送信する(ステップS13)。
【0102】
次に、無線端末装置151は、ネットワーク接続装置101から認証要求を受信して、認証応答をネットワーク接続装置101へ送信する(ステップS14)。
【0103】
次に、ネットワーク接続装置101は、無線端末装置151から認証応答を受信して、CS位置登録応答であるLocation Updating Acceptを無線端末装置151へ送信する(ステップS15)。
【0104】
また、PS呼用の上位装置であるSGSNに対する位置登録として、まず、無線端末装置151は、PS位置登録要求であるRouting Updating Requestをネットワーク接続装置101へ送信する(ステップS16)。
【0105】
次に、ネットワーク接続装置101は、無線端末装置151からPS位置登録要求を受信して、当該PS位置登録要求を送信してきた無線端末装置151の識別情報を取得する。この識別情報は、たとえば、無線端末装置151からのPS位置登録要求に含まれる(ステップS17)。
【0106】
次に、ネットワーク接続装置101は、認証要求を無線端末装置151へ送信する(ステップS18)。
【0107】
次に、無線端末装置151は、ネットワーク接続装置101から認証要求を受信して、認証応答をネットワーク接続装置101へ送信する(ステップS19)。
【0108】
次に、ネットワーク接続装置101は、無線端末装置151から認証応答を受信して、PS位置登録応答であるRouting Updating Acceptを無線端末装置151へ送信する(ステップS20)。
【0109】
図7は、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置におけるCS呼用の位置登録要求の送信周期の一例を示す図である。
【0110】
3GPPでは、CS呼用の周期位置登録手順(Periodic Location Updating Procedure)で使用する周期タイマ値が報知情報で通知され、周期タイマの最小値が6分と規定されている。
【0111】
そこで、ネットワーク接続装置101は、たとえば当該最小値を周期タイマ値として報知する。これにより、無線端末装置151は、3GPPに従った最小の6分周期で位置登録手順を実行する。
【0112】
図7を参照して、まず、ネットワーク接続装置101は、たとえば位置登録要求の送信周期が6分であることを示す報知情報を送信する(ステップS21)。
【0113】
次に、無線端末装置151は、ネットワーク接続装置101から受信した報知情報を参照し、CS位置登録要求を6分間隔でネットワーク接続装置101へ送信する(ステップS22〜S24)。
【0114】
図8は、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置におけるPS呼用の位置登録要求の周期通知の一例を示す図である。
【0115】
また、PS呼用の位置登録手順においても、ネットワーク接続装置101は、周期タイマ値を無線端末装置151に通知する。この場合、ネットワーク接続装置101は、報知情報ではなく、無線端末装置151へ送信する位置登録完了通知またはアタッチ完了通知のメッセージのパラメータとして当該周期タイマ値を含める。
【0116】
3GPPでは、PS呼用の周期タイマの最小値は6分ではなく2秒と規定されている。しかしながら、GMMに関する3GPP SPEC TS24.008において、当該周期タイマのデフォルト値は4分と規定されている。また、位置登録手順の処理が完了する時間およびマージンを考慮して、PS呼用の周期タイマの最小値は、数分単位としておくことが好ましい。
【0117】
図8を参照して、ステップS31〜S34の動作は図6に示すシーケンスにおけるステップS16〜S19の動作と同様である。
【0118】
ネットワーク接続装置101は、無線端末装置151から認証応答を受信して、PS位置登録応答であるRouting Updating Acceptを無線端末装置151へ送信する(ステップS35)。このとき、ネットワーク接続装置101は、周期的に位置登録処理を行なうために、当該PS位置登録応答に周期タイマ値を含めて無線端末装置151に通知する。
【0119】
図9は、本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムにおける離在圏検出のメッセージの流れを詳細に示す図である。ここでは、MM処理部36が位置登録手順の一部を実行する場合について説明するが、GMM処理部37が同様の処理を行なってもよい。
【0120】
図9を参照して、まず、無線端末装置151は、在圏通知である位置登録要求をネットワーク接続装置101へ送信する(ステップS41)。
【0121】
次に、ネットワーク接続装置101におけるMM処理部36は、無線端末装置151からの在圏通知を受けて、当該在圏通知の内容を示す受信通知をレジスタサーバ部40へ出力する(ステップS42)。
【0122】
次に、レジスタサーバ部40は、MM処理部36から受けた受信通知が示す無線端末装置151の識別番号と、固定網203から割り当てられたネットワーク接続装置101のIPアドレスとを含む登録要求を、SIPスタック部42経由でSIPサーバ301へ送信する(ステップS43)。
【0123】
次に、SIPサーバ301は、ネットワーク接続装置101から登録要求を受信して、在圏通知を送信してきた無線端末装置151を登録すべきか否かを判定し、登録すべきであると判定した場合には当該無線端末装置151の識別情報を登録する。また、SIPサーバ301は、判定結果を示す登録応答をネットワーク接続装置101へ送信する(ステップS44)。この登録処理により、登録された無線端末装置151がIP電話等の通信を開始する際、SIPサーバ301は、登録された無線端末装置151の通信先アドレスを検索し、検索したアドレスをネットワーク接続装置101経由で無線端末装置151に通知する。
【0124】
次に、レジスタサーバ部40は、SIPサーバ301からSIPスタック部42経由で登録応答を受信して、当該無線端末装置151がSIPサーバ301において登録されたか否かを示す登録結果通知をMM処理部36へ出力する(ステップS46)。
【0125】
また、レジスタサーバ部40は、各無線端末装置151がSIPサーバ301において登録されたか否かを示す登録情報を記憶しており、SIPサーバ301から受信した登録応答に基づいて、当該登録情報を更新する。また、レジスタサーバ部40は、無線端末装置151が新規に登録されると、当該無線端末装置151の登録期間を設定する(ステップS45)。
【0126】
次に、MM処理部36は、レジスタサーバ部40から登録結果通知を受けて、当該無線端末装置151の識別情報等を記憶するとともに、当該登録結果通知の内容を示す在圏応答を無線端末装置151へ送信する(ステップS47)。
【0127】
また、同一の無線端末装置151から在圏通知が定期的に送信される場合、2回目以降の在圏通知(ステップS48)については、レジスタサーバ部40は、当該在圏通知に対応する受信通知をMM処理部36から受けて(ステップS49)、登録要求をSIPサーバ301へ送信せず、たとえば当該無線端末装置151が登録されていることを示す登録結果通知をMM処理部36へ出力する(ステップS51)。そして、MM処理部36は、当該登録結果通知の内容を示す在圏応答を無線端末装置151へ送信する(ステップS52)。
【0128】
また、レジスタサーバ部40は、登録された無線端末装置151に対応する受信通知をMM処理部36から登録期間内に受けた場合には、当該無線端末装置151の登録期間を再設定する(ステップS50)。
【0129】
一方、レジスタサーバ部40は、登録された無線端末装置151に対応する受信通知をMM処理部36から登録期間内に受けなかった場合には(ステップS53)、当該無線端末装置151が離圏したと判断し、上記登録情報から当該無線端末装置151の登録を解除し(ステップS54)、SIPサーバ301へ登録解除要求を送信する(ステップS55)。
【0130】
そして、SIPサーバ301は、ネットワーク接続装置101から登録解除要求を受信して、当該無線端末装置151の登録を解除する。
【0131】
また、レジスタサーバ部40は、当該無線端末装置151が離圏したことを示す離圏通知をMM処理部36へ出力する(ステップS56)。そして、MM処理部36は、記憶していた当該無線端末装置151の識別情報等を削除するリソース解放処理を行なう(ステップS57)。
【0132】
図10は、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置が離在圏検出を行なう際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0133】
図10を参照して、まず、離在圏判断部22は、ある無線端末装置151からの在圏通知が在圏通知取得部21によって取得されると(ステップS1でYES)、当該無線端末装置151が自己のフェムトセルに在圏していると判断する(ステップS2)。すなわち、レジスタサーバ部40は、MM処理部36から受信通知を受けて、当該受信通知に対応する無線端末装置151が自己のフェムトセルに在圏していると判断する。
【0134】
次に、離在圏判断部22は、各無線端末装置151が自己のフェムトセルに在圏しているか離圏したかを示す離在圏情報を更新する。そして、離在圏情報送信部23は、新たに在圏した無線端末装置151の識別情報をSIPサーバ301へ送信する(ステップS5)。
【0135】
次に、離在圏判断部22は、当該無線端末装置151からの新たな在圏通知が在圏通知取得部21によって取得されていない状態において(ステップS1でNO)、当該無線端末装置151からの最新の在圏通知を受信してから所定時間が経過していない場合には(ステップS3でNO)、新たな在圏通知が取得されるまで、あるいは最新の在圏通知を受信してから所定時間が経過するまで待機する。この所定時間は、図9の説明における登録期間に対応する。
【0136】
一方、離在圏判断部22は、当該無線端末装置151からの新たな在圏通知が在圏通知取得部21によって取得されていない状態において(ステップS1でNO)、当該無線端末装置151からの最新の在圏通知を受信してから所定時間が経過した場合には(ステップS3でYES)、当該無線端末装置151が自己のフェムトセルから離圏したと判断する(ステップS4)。
【0137】
次に、離在圏判断部22は、この判断に基づいて離在圏情報を更新する。そして、離在圏情報送信部23は、離圏した無線端末装置151の識別情報をSIPサーバ301へ送信する(ステップS6)。
【0138】
ところで、携帯電話等の無線端末装置は、通常、移動通信事業者網における管理装置において登録処理等が行われる。そうすると、無線端末装置が通話を行なう場合、通常、ホームゲートウェイと移動通信事業者網との間で音声データを含むIPパケットが送受信される。このため、携帯電話等の無線端末装置に対しては、移動通信事業者網以外のネットワークに設けられたSIPサーバを用いてIP電話等の通信サービスを提供することが困難であった。
【0139】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置では、在圏通知取得部21は、無線端末装置151から定期的に送信される、ネットワーク接続装置101と通信可能であること、および無線端末装置151の識別情報を示す在圏通知を無線インタフェース部12経由で取得する。そして、離在圏判断部22は、在圏通知取得部21によって在圏通知が定期的に取得されるか否かに基づいて、上記識別情報を有する無線端末装置151が自己のネットワーク接続装置101を通信先として選択している状態であるか否かを判断する。
【0140】
このような構成により、ネットワーク接続装置101において無線端末装置151の登録処理を行なうことができるため、たとえば、固定網203に設けられたSIPサーバ301を用いてIP電話等の通信サービスを提供することが可能となる。
【0141】
したがって、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置では、無線端末装置についてより多様な通信サービスを提供することができる。
【0142】
また、あるセルに在圏している無線端末装置151が当該セルから離圏したことを検出するためには、移動元のセルは、移動先セル経由で当該無線端末装置151から在圏通知を受信した移動通信事業者網202から離圏通知を受信する必要がある。
【0143】
そして、無線端末装置151が、移動可能なセルが存在しないために圏外状態となるなど、何らかの要因で移動通信事業者網202から離圏通知を受信することができない場合、および移動通信事業者網202側が離圏通知をフェムトセルに通知する機能を有していない場合には、フェムトセル側において無線端末装置151の離在圏情報を活用した離在圏サービスを提供することが困難である。
【0144】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置では、無線端末装置151のフェムトセルからの離圏を検出するための機能を実装する。これにより、移動先セルから移動通信事業者網202経由で離圏通知を取得することなく、無線端末装置151のフェムトセルからの離圏を当該フェムトセル側単独で検出することができる。すなわち、無線端末装置151の移動先セルの状況および移動通信事業者網202側の機能実装状況に依存せず、フェムトセル側単独で離在圏サービスを提供することができる。
【0145】
また、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置では、離在圏判断部22は、ある識別情報を有する無線端末装置151が自己のネットワーク接続装置101を通信先として選択していると判断した状態において、この識別情報を示す新たな在圏通知が所定時間取得されない場合に、当該識別情報を有する無線端末装置151が無線インタフェース部12を通信先として選択しなくなったと判断する。
【0146】
このような構成により、自己が対応するセルに在圏していた無線端末装置151の離圏を適切に検出することができる。
【0147】
また、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置では、送信要求部24は、無線端末装置151に在圏通知を定期的に送信させるための送信要求を無線端末装置151へ送信する。
【0148】
このような構成により、無線端末装置151の離在圏を判断するための定期的な在圏通知の送信を無線端末装置151に促すことができる。
【0149】
ここで、通常、無線端末装置151はフェムト基地局との通信中は在圏通知を送信しないが、ネットワーク接続装置101では、フェムト基地局のハンドオーバ動作等により、無線端末装置151との通信中は無線端末装置151の在圏および離圏を認識することが可能である。しかしながら、フェムト基地局と通信中でないアイドル状態の無線端末装置151については、当該無線端末装置151がアイドル状態で在圏しているのか、あるいは離圏したのかを判断することができない。
【0150】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムでは、在圏通知は、自己のネットワーク接続装置101と通信中でない無線端末装置151から定期的に送信される。
【0151】
このように、アイドル状態の無線端末装置151から定期的に送信される在圏通知を取得する構成により、アイドル状態の無線端末装置151が在圏しているか否かを判断することができる。
【0152】
また、通常、SIPサーバにおいて当該ホームゲートウェイを登録すれば、プライベートアドレスをホームゲートウェイが付与する等の方法により、当該ホームゲートウェイの管理する内部ネットワーク204に接続された端末装置のSIPサーバにおける登録は不要である。このため、ホームゲートウェイからSIPサーバへの登録要求は、ホームゲートウェイごとに1つ送信すれば足りる。
【0153】
しかしながら、無線端末装置151は、ユーザの移動に伴って、内部ネットワーク204と接続された状態および非接続の状態を遷移する。
【0154】
そこで、ネットワーク接続装置101では、離在圏情報送信部23は、無線インタフェース部12を通信先として選択していると離在圏判断部22によって判断された無線端末装置151の識別情報等、離在圏判断部22による判断結果をSIPサーバ301へ送信する。すなわち、無線端末装置151ごとに登録要求および登録解除要求をSIPサーバ301へ送信し、SIPサーバ301において各無線端末装置151を別個に登録する。
【0155】
このような構成により、フェムトセルへ在圏したり、フェムトセルから離圏したりする無線端末装置151の登録処理をSIPサーバ301において適切に行なうことが可能となる。
【0156】
また、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置では、離在圏判断部22による判断結果をSIPサーバ301へ送信する。
【0157】
このような構成により、SIPサーバ301を用いてIP電話等の通信サービスを無線端末装置151に提供することが可能となる。
【0158】
また、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置では、在圏通知取得部21は、3GPPで規定されたNAS層のMMプロトコルまたはGMMプロトコルの処理を実行することにより在圏通知を取得する。
【0159】
このような構成により、3GPP仕様を採用するネットワークシステムにおいて、ネットワーク接続装置単体で離在圏サービスを提供することが可能となる。
【0160】
また、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置では、在圏通知は、3GPPで規定されたLocation Updating RequestまたはRouting Area Updating Requestである。
【0161】
このように、3GPP仕様に従ったメッセージを利用する構成により、ネットワーク接続装置単体の離在圏サービスを容易に提供することができる。
【0162】
また、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置では、在圏通知は、3GPPで規定されたLocation Updating Requestの最小送信間隔で無線端末装置151から送信される。
【0163】
このように、3GPPで規定された最小間隔で在圏通知を送信する構成により、3GPP仕様に従った範囲で最良の離在圏サービスを提供することが可能となる。
【0164】
また、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置は、フェムト基地局を備える。
【0165】
このように、マクロ基地局と比べて形成するセルが狭く、宅内に設置される場合が多いフェムト基地局と、ホームゲートウェイとを統合する構成により、統合効果の高いネットワーク接続装置を提供することができる。
【0166】
なお、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置では、離在圏判断部22による判断結果をSIPサーバ301へ送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。SIPサーバ301への無線端末装置151の登録要求および登録解除要求等を行なわない構成であっても、ネットワーク接続装置101において無線端末装置151の離在圏を検出し、当該無線端末装置151の離在圏状況の表示およびユーザへの電子メールによる通知等、種々のサービスを提供することが可能となる。たとえば、子供が家にいるかいないかを親に通知するサービス等を、ネットワーク接続装置101単体で提供することができる。
【0167】
また、離在圏判断部22は、無線端末装置151から在圏通知が定期的に送信されているか否かに基づいて、当該無線端末装置151の離在圏を判断する構成であるとしたが、この「定期的」とは、在圏通知の送信間隔が一定である場合に限らず、周期的な複数の期間の各期間中における任意のタイミングで、在圏通知が送信される場合も含まれる。
【0168】
また、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置は、フェムト基地局としての機能を有し、無線端末装置151からの在圏通知を無線信号によって直接受信し、かつ在圏応答を無線端末装置151へ直接送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。フェムト基地局がネットワーク接続装置101とは別個に設けられ、ネットワーク接続装置101がSIPサーバ301とフェムト基地局との間でデータを中継する構成であってもよい。この場合、ネットワーク接続装置101は、フェムト基地局経由で在圏通知の受信および在圏応答の送信を行なう。
【0169】
また、本発明の第1の実施の形態では、3GPP仕様に基づいた動作を例示して説明したが、3GPP仕様に基づかない動作を行なう構成であってもよい。たとえば、3GPPでは規定されていない周期および手順を採用してもよい。具体的には、CS位置登録要求の送信周期を6分ではなくたとえば1分単位で制御可能な構成としてもよい。
【0170】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0171】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置と比べてVLR(Visited Location Register)機能を追加したネットワーク接続装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置と同様である。
【0172】
図11は、本発明の第2の実施の形態に係るネットワーク接続装置の通信プロトコル構成の一例を示す図である。
【0173】
図11を参照して、ネットワーク接続装置102は、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置と比べて、さらに、VLR部53を備える。
【0174】
VLR部53は、3GPPで規定されたVLRを有する。このVLRには、MM処理部36によって取得された在圏通知に含まれる情報が少なくとも保存される。
【0175】
MM処理部36およびレジスタサーバ部40は、VLR部53を介して互いに情報をやり取りする。
【0176】
図12は、本発明の第2の実施の形態に係るネットワークシステムにおける離在圏検出のメッセージの流れを詳細に示す図である。ここでは、MM処理部36が位置登録手順の一部を実行する場合について説明するが、GMM処理部37が同様の処理を行なってもよい。
【0177】
図12を参照して、まず、無線端末装置151は、在圏通知である位置登録要求をネットワーク接続装置102へ送信する(ステップS61)。
【0178】
次に、ネットワーク接続装置102におけるMM処理部36は、無線端末装置151からの在圏通知を受けて、当該在圏通知の内容を示す受信通知をVLR部53経由でレジスタサーバ部40へ出力する(ステップS62)。
【0179】
次に、レジスタサーバ部40は、VLR部53経由でMM処理部36から受けた受信通知が示す無線端末装置151の識別番号と、固定網203から割り当てられたネットワーク接続装置102のIPアドレスとを含む登録要求を、SIPスタック部42経由でSIPサーバ301へ送信する(ステップS63)。
【0180】
次に、SIPサーバ301は、ネットワーク接続装置102から登録要求を受信して、在圏通知を送信してきた無線端末装置151を登録すべきか否かを判定し、登録すべきであると判定した場合には当該無線端末装置151の識別情報を登録する。また、SIPサーバ301は、判定結果を示す登録応答をネットワーク接続装置102へ送信する(ステップS64)。この登録処理により、登録された無線端末装置151がIP電話等の通信を開始する際、SIPサーバ301は、登録された無線端末装置151の通信先アドレスを検索し、検索したアドレスをネットワーク接続装置102経由で無線端末装置151に通知する。
【0181】
次に、レジスタサーバ部40は、SIPサーバ301からSIPスタック部42経由で登録応答を受信して、当該無線端末装置151がSIPサーバ301において登録されたか否かを示す登録結果通知をVLR部53経由でMM処理部36へ出力する(ステップS66)。
【0182】
また、レジスタサーバ部40は、各無線端末装置151がSIPサーバ301において登録されたか否かを示す登録情報をVLR部53に保存しており、SIPサーバ301から受信した登録応答に基づいて、当該登録情報を更新する。また、レジスタサーバ部40は、無線端末装置151が新規に登録されると、当該無線端末装置151の登録期間を設定する(ステップS65)。
【0183】
次に、MM処理部36は、VLR部53経由でレジスタサーバ部40から登録結果通知を受けて、当該無線端末装置151の識別情報等をVLR部53に保存するとともに、当該登録結果通知の内容を示す在圏応答を無線端末装置151へ送信する(ステップS67)。
【0184】
また、同一の無線端末装置151から在圏通知が定期的に送信される場合、2回目以降の在圏通知(ステップS68)については、レジスタサーバ部40は、当該在圏通知に対応する受信通知をVLR部53経由でMM処理部36から受けて(ステップS69)、登録要求をSIPサーバ301へ送信せず、たとえば当該無線端末装置151が登録されていることを示す登録結果通知をVLR部53経由でMM処理部36へ出力する(ステップS71)。そして、MM処理部36は、当該登録結果通知の内容を示す在圏応答を無線端末装置151へ送信する(ステップS72)。
【0185】
また、レジスタサーバ部40は、登録された無線端末装置151に対応する受信通知をMM処理部36から登録期間内に受けた場合には、当該無線端末装置151の登録期間を再設定する(ステップS70)。
【0186】
一方、レジスタサーバ部40は、登録された無線端末装置151に対応する受信通知をMM処理部36から登録期間内に受けなかった場合には(ステップS73)、当該無線端末装置151が離圏したと判断し、上記登録情報から当該無線端末装置151の登録を解除し(ステップS74)、SIPサーバ301へ登録解除要求を送信する(ステップS75)。
【0187】
そして、SIPサーバ301は、ネットワーク接続装置102から登録解除要求を受信して、当該無線端末装置151の登録を解除する。
【0188】
また、レジスタサーバ部40は、当該無線端末装置151が離圏したことを示す離圏通知をVLR部53経由でMM処理部36へ出力する(ステップS76)。そして、MM処理部36は、VLR部53に保存していた当該無線端末装置151の識別情報等を削除するリソース解放処理を行なう(ステップS77)。は、レジスタサーバ部40は、SIPサーバ301との間で各種端末装置の登録に関する通信データを送受信する。
【0189】
このように、本発明の第2の実施の形態に係るネットワーク接続装置では、VLR部53は、3GPPで規定されたVLRを有する。このVLRには、在圏通知取得部21すなわちMM処理部36によって取得された在圏通知に含まれる情報が少なくとも保存される。そして、在圏通知取得部21であるMM処理部36、および離在圏判断部22であるレジスタサーバ部40は、VLR部53を介して互いに情報をやり取りする。
【0190】
このような構成により、3GPPで規定されたVLRを用いた無線端末装置151の管理が可能となる。
【0191】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0192】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0193】
11 ネットワーク制御部
12 無線インタフェース部
13 有線インタフェース部
21 在圏通知取得部
22 離在圏判断部
23 離在圏情報送信部
31 PHY層処理部
32 MAC層処理部
33 RLC層処理部
34 RRC層処理部
35 PDCP層処理部
36 MM処理部
37 GMM処理部
38 CC処理部
39 SM処理部
40 レジスタサーバ部
41 SIP呼制御部
51 NAS層処理部
52 B2BUA部
53 VLR部
91 アンテナ
92 サーキュレータ
93 無線受信部
94 無線送信部
95 信号処理部
96 受信信号処理部
97 送信信号処理部
101,102 ネットワーク接続装置
151 無線端末装置
152 パーソナルコンピュータ
153 セットトップボックス
202 移動通信事業者網
203 固定網
204 内部ネットワーク
301 SIPサーバ(管理装置)
302 サーバ
401 ネットワークシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末装置との間で無線信号を送受信するための無線基地局部と、
前記無線端末装置から定期的に送信される、前記無線基地局部と通信可能であること、および前記無線端末装置の識別情報を示す在圏通知を前記無線基地局部経由で取得するための在圏通知取得部と、
前記在圏通知取得部によって前記在圏通知が定期的に取得されるか否かに基づいて、前記識別情報を有する前記無線端末装置が前記無線基地局部を通信先として選択している状態であるか否かを判断するための離在圏判断部とを備える、ネットワーク接続装置。
【請求項2】
前記離在圏判断部は、前記識別情報を有する前記無線端末装置が前記無線基地局部を通信先として選択していると判断した状態において、前記識別情報を示す新たな前記在圏通知が所定時間取得されない場合に、前記識別情報を有する前記無線端末装置が前記無線基地局部を通信先として選択しなくなったと判断する、請求項1に記載のネットワーク接続装置。
【請求項3】
前記ネットワーク接続装置は、さらに、
無線端末装置に前記在圏通知を定期的に送信させるための送信要求を前記無線端末装置へ送信するための送信要求部を備える、請求項1または2に記載のネットワーク接続装置。
【請求項4】
前記在圏通知は、前記無線基地局部と通信中でない無線端末装置から定期的に送信される、請求項1から3のいずれか1項に記載のネットワーク接続装置。
【請求項5】
前記ネットワーク接続装置は、さらに、
前記離在圏判断部による判断結果を、無線端末装置の通信先アドレスを検索し、検索したアドレスを前記無線端末装置に通知するための管理装置へ送信するための離在圏情報送信部を備える、請求項1から4のいずれか1項に記載のネットワーク接続装置。
【請求項6】
前記管理装置はSIP(Session Initiation Protocol)サーバである、請求項5に記載のネットワーク接続装置。
【請求項7】
前記在圏通知取得部は、3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定されたNAS(Non-Access Stratum)層のMM(Mobility Management)プロトコルまたはGMM(GPRS Packet Radio System Mobility Management)プロトコルの処理を実行することにより前記在圏通知を取得する、請求項1から6のいずれか1項に記載のネットワーク接続装置。
【請求項8】
前記在圏通知は、3GPPで規定されたLocation Updating RequestまたはRouting Area Updating Requestである、請求項7に記載のネットワーク接続装置。
【請求項9】
前記在圏通知は、3GPPで規定されたLocation Updating Requestであり、かつ3GPPで規定されたLocation Updating Requestの最小送信間隔で前記無線端末装置から送信される、請求項8に記載のネットワーク接続装置。
【請求項10】
前記ネットワーク接続装置は、さらに、
3GPPで規定されたVLR(Visited Location Register)を有するVLR部を備え、
前記VLRには、前記在圏通知取得部によって取得された前記在圏通知に含まれる情報が少なくとも保存され、
前記在圏通知取得部および前記離在圏判断部は、前記VLR部を介して互いに情報をやり取りする、請求項7から9のいずれか1項に記載のネットワーク接続装置。
【請求項11】
無線端末装置の識別情報を登録し、登録された前記無線端末装置の通信先アドレスを検索し、検索したアドレスを前記無線端末装置に通知するための管理装置と、無線端末装置と無線信号を送受信するための無線基地局装置との間でデータを中継するためのネットワーク接続装置であって、
無線端末装置から定期的に送信される、無線基地局装置と通信可能であること、および前記無線端末装置の識別情報を示す在圏通知を前記無線基地局装置経由で取得するための在圏通知取得部と、
前記在圏通知取得部によって前記在圏通知が定期的に取得されるか否かに基づいて、前記識別情報を有する前記無線端末装置が前記無線基地局装置を通信先として選択している状態であるか否かを判断するための離在圏判断部とを備える、ネットワーク接続装置。
【請求項12】
無線端末装置の識別情報を登録し、登録された前記無線端末装置の通信先アドレスを検索し、検索したアドレスを前記無線端末装置に通知するための管理装置と、
前記管理装置と、前記無線端末装置と無線信号を送受信するための無線基地局装置との間でデータを中継するためのネットワーク接続装置とを備え、
前記ネットワーク接続装置は、
無線端末装置から定期的に送信される、無線基地局装置と通信可能であること、および前記無線端末装置の識別情報を示す在圏通知を前記無線基地局装置経由で取得するための在圏通知取得部と、
前記在圏通知取得部によって前記在圏通知が定期的に取得されるか否かに基づいて、前記識別情報を有する前記無線端末装置が前記無線基地局装置を通信先として選択している状態であるか否かを判断するための離在圏判断部と、
前記離在圏判断部による判断結果を前記管理装置へ送信するための離在圏情報送信部とを含む、ネットワークシステム。
【請求項13】
無線端末装置との間で無線信号を送受信するための無線基地局部を備えるネットワーク接続装置におけるネットワーク接続方法であって、
前記無線端末装置から定期的に送信される、前記無線基地局部と通信可能であること、および前記無線端末装置の識別情報を示す在圏通知を前記無線基地局部経由で取得するステップと、
前記在圏通知取得部によって前記在圏通知が定期的に取得されるか否かに基づいて、前記識別情報を有する前記無線端末装置が前記無線基地局部を通信先として選択している状態であるか否かを判断するステップとを含む、ネットワーク接続方法。
【請求項14】
無線端末装置の識別情報を登録し、登録された前記無線端末装置の通信先アドレスを検索し、検索したアドレスを前記無線端末装置に通知するための管理装置と、無線端末装置と無線信号を送受信するための無線基地局装置との間でデータを中継するためのネットワーク接続装置におけるネットワーク接続方法であって、
無線端末装置から定期的に送信される、無線基地局装置と通信可能であること、および前記無線端末装置の識別情報を示す在圏通知を前記無線基地局装置経由で取得するステップと、
前記在圏通知取得部によって前記在圏通知が定期的に取得されるか否かに基づいて、前記識別情報を有する前記無線端末装置が前記無線基地局装置を通信先として選択している状態であるか否かを判断するステップとを含む、ネットワーク接続方法。
【請求項15】
無線端末装置との間で無線信号を送受信するための無線基地局部を備えるネットワーク接続装置におけるネットワーク接続プログラムであって、コンピュータに、
前記無線端末装置から定期的に送信される、前記無線基地局部と通信可能であること、および前記無線端末装置の識別情報を示す在圏通知を前記無線基地局部経由で取得するステップと、
前記在圏通知取得部によって前記在圏通知が定期的に取得されるか否かに基づいて、前記識別情報を有する前記無線端末装置が前記無線基地局部を通信先として選択している状態であるか否かを判断するステップとを実行させる、ネットワーク接続プログラム。
【請求項16】
無線端末装置の識別情報を登録し、登録された前記無線端末装置の通信先アドレスを検索し、検索したアドレスを前記無線端末装置に通知するための管理装置と、無線端末装置と無線信号を送受信するための無線基地局装置との間でデータを中継するためのネットワーク接続装置におけるネットワーク接続プログラムであって、コンピュータに、
無線端末装置から定期的に送信される、無線基地局装置と通信可能であること、および前記無線端末装置の識別情報を示す在圏通知を前記無線基地局装置経由で取得するステップと、
前記在圏通知取得部によって前記在圏通知が定期的に取得されるか否かに基づいて、前記識別情報を有する前記無線端末装置が前記無線基地局装置を通信先として選択している状態であるか否かを判断するステップとを実行させる、ネットワーク接続プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−114635(P2012−114635A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261215(P2010−261215)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】