説明

ネットワーク監視装置およびネットワーク監視方法

【課題】簡易な構成で容易に監視対象装置のトラヒック値を監視して輻輳を判定するネットワーク監視装置およびネットワーク監視方法を提供すること。
【解決手段】監視対象装置から送られるトラヒック値に基づいて、監視対象装置の輻輳を判定するネットワーク監視装置において、監視対象装置30から送られるトラヒック値を蓄積するとともに、蓄積されたトラヒック値から輻輳判定を行なう際に用いるトラヒック算出値を算出し、監視対象装置30から送られるトラヒック値のうち輻輳判定の対象となるトラヒック値である判定対象値または輻輳判定の際の閾値にトラヒック算出値を用いて、判定対象値と閾値とを比較し、この比較結果に基づいて監視対象装置の輻輳を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トラヒックの監視対象となる装置のトラヒック値を監視して輻輳を判定するネットワーク監視装置およびネットワーク監視方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続される交換機などは、トラヒック量が増大して輻輳が発生する場合がある。このため、ネットワーク接続された交換機などのトラヒック値を監視し、このトラヒック値に基づいて正確な輻輳判定をする必要がある。例えば、交換機(トラヒックの監視対象装置)の輻輳判定をするシステムとして、監視対象装置に接続されたネットワーク監視装置によって監視対象装置の輻輳を判定するネットワーク監視システムがある。
【0003】
ネットワーク監視装置は、例えば監視対象装置からトラヒックを受信するトラヒック受信機能部、受信したトラヒック値を解析するトラヒック解析機能部、トラヒック値に基づいて輻輳に関する警報の発生判定を行う輻輳判定機能部などによって構成されている。このネットワーク監視装置では、監視対象装置から受信したトラヒック値と事前に定義された固定の閾値を元に輻輳判定を行い、監視対象装置から固定の閾値を超えたトラヒック値が通知された場合に警報を出力していた。
【0004】
ところが、このようなネットワーク監視システムでは、警報を発生させる条件となる閾値を事前に定義しているため、トラヒック値の傾向が変化し閾値との整合性がとれなくなった場合に正確な輻輳判定が出来なくなる。このため、トラヒック値の傾向が変化した場合に正確な輻輳判定を行なうためには、閾値を導出して再定義する必要があり、運用上での作業量の増加に直結してしまうという問題がある。
【0005】
ところで、ネットワークを介してデータ通信を行う通信端末のうち送信側の通信端末で輻輳を検出し、輻輳制御パラメータを変更する技術がある。この送信側の通信端末は、網内のトラヒックに占める優先トラヒックの割合を推定するとともに、推定した割合に応じて輻輳の兆候を検出する閾値を変更している(例えば特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2006−14329号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の技術では、網内のトラヒックに占める優先トラヒックの割合を推定する必要があり、通信端末の構成が複雑になるといった問題があった。また、各通信端末で優先トラヒックの割合を推定して輻輳を検出する必要があるので、ネットワークを監視する監視システムの構成も複雑になるといった問題があった。
【0008】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、簡易な構成で容易に監視対象装置のトラヒック値を監視して輻輳を判定するネットワーク監視装置およびネットワーク監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係るネットワーク監視装置は、監視対象装置から送られるトラヒック値に基づいて、前記監視対象装置の輻輳を判定するネットワーク監視装置において、前記監視対象装置から送られるトラヒック値を蓄積しておくトラヒック蓄積部と、前記トラヒック蓄積部に蓄積されたトラヒック値から輻輳判定を行なう際に用いるトラヒック算出値を算出する算出部と、前記監視対象装置から送られるトラヒック値のうち輻輳判定の対象となるトラヒック値である判定対象値または輻輳判定の際の閾値に前記トラヒック算出値を用いて、前記判定対象値と前記閾値とを比較し、この比較結果に基づいて前記監視対象装置の輻輳を判定する輻輳判定部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るネットワーク監視装置は、上記の発明において、前記算出部は、前記トラヒック算出値の算出方法を定義した算出定義情報に基づいて、前記トラヒック算出値を算出することを特徴とする。本発明に係るネットワーク監視装置は、上記の発明において、前記トラヒック算出値を用いて前記閾値を作成する閾値作成部をさらに備え、前記輻輳判定部は、前記判定対象値および前記閾値作成部が作成したトラヒック算出値に基づいて、前記監視対象装置の輻輳を判定することを特徴とする。
【0011】
本発明に係るネットワーク監視装置は、上記の発明において、前記算出定義情報は、前記トラヒック算出値の算出対象となるトラヒックの取得日時に関する日時情報を含み、前記算出部は、前記算出定義情報で指定された日時情報に応じたトラヒック値を用いて前記トラヒック算出値を算出することを特徴とする。
【0012】
本発明に係るネットワーク監視方法は、監視対象装置から送られるトラヒック値に基づいて、前記監視対象装置の輻輳を判定するネットワーク監視方法において、前記監視対象装置から送られるトラヒック値を蓄積しておくトラヒック蓄積ステップと、蓄積しておいたトラヒック値から輻輳判定を行なう際に用いるトラヒック算出値を算出する算出ステップと、前記監視対象装置から送られるトラヒック値のうち輻輳判定の対象となるトラヒック値である判定対象値または輻輳判定の際の閾値に前記トラヒック算出値を用いて、前記判定対象値と前記閾値とを比較し、この比較結果に基づいて前記監視対象装置の輻輳を判定する輻輳判定ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、監視対象装置から送られるトラヒック値を蓄積して監視対象装置の輻輳を判定するので、簡易な構成で容易に監視対象装置の輻輳を判定することが可能になるという効果を奏する。
【0014】
また、本発明によれば、トラヒック算出値の算出方法が定義されているのでトラヒック算出値を容易に算出することが可能となるという効果を奏する。
【0015】
また、本発明によれば、トラヒック算出値を用いて輻輳判定の際の閾値を作成するので、簡易な構成で容易に閾値を設定することが可能になるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明によれば、トラヒックの取得日時に応じたトラヒック値を用いてトラヒック算出値を算出するので、時間帯に応じた適切な輻輳判定を容易に行なうことが可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るネットワーク監視装置およびネットワーク監視方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0018】
まず、本実施例に係る輻輳判定の概念について説明する。図1は、実施例1に係る輻輳判定の概念を説明するための説明図である。トラヒックの監視対象となる監視対象装置30は、複数の端末70と接続して各端末70との間で通信処理を行なう。監視対象装置30は、所定のタイミング(例えば1分毎)で、トラヒック値を含んだ情報をネットワーク監視装置10に送信する(1)。
【0019】
ネットワーク監視装置10では、監視対象装置30から送られてきたトラヒック値をトラヒック蓄積部24で蓄積しておく(2)。そして、このトラヒック値を用いて輻輳判定に使用する閾値を作成する(3)。
【0020】
ネットワーク監視装置10は、監視対象装置30から送られてきたトラヒック値のうち輻輳判定の対象となるトラヒック値と、作成した閾値と、を比較して監視対象装置30の輻輳判定を行なう(4)。そして、ネットワーク監視装置10は、輻輳判定の判定結果が輻輳の可能性大の場合に、輻輳に関する警告を行なう(5)。
【0021】
なお、ネットワーク監視装置10は、輻輳判定の対象となるトラヒック値として、蓄積しておいた複数のトラヒック値の平均値などを用いてもよい。このように本実施例では、監視対象装置30から送られるトラヒック値のうち輻輳判定の対象となるトラヒック値または輻輳判定の際の閾値に、蓄積しておいたトラヒック値を用いて輻輳を判定する。
【0022】
図2は、本発明の実施例1に係るネットワーク監視システムの構成を示すブロック図である。ネットワーク監視システム50は、ネットワーク監視装置10と、1〜複数の監視対象装置30と、を有している。
【0023】
監視対象装置30は、トラヒックの監視対象となる交換機などの装置であり、所定の通信ネットワークを介して種々の通信端末と接続する。各監視対象装置30は、ネットワーク監視装置10と接続しており、各監視対象装置30で取得したトラヒック値をバイナリファイルであるトラヒックファイル内に入れて所定のタイミングでネットワーク監視装置10に送信する。
【0024】
ネットワーク監視装置10は、各監視対象装置30からのトラヒックファイルから各監視対象装置30のトラヒック値を抽出し、抽出したトラヒック値に基づいて輻輳を判定する装置である。
【0025】
ネットワーク監視装置10は、トラヒック受信部2、トラヒック解析部3、トラヒック生成部4、トラヒック算出部(算出部)5、閾値作成部6、輻輳判定部7、警報表示部8、算出定義ファイル記憶部21、算出値記憶部22、閾値ファイル記憶部23、トラヒック蓄積部24を有している。
【0026】
トラヒック受信部2はトラヒック解析部3に接続し、トラヒック解析部3はトラヒック生成部4に接続し、トラヒック生成部4は、輻輳判定部7とトラヒック蓄積部24に接続している。また、トラヒック算出部5はトラヒック蓄積部24、算出定義ファイル記憶部21、算出値記憶部22に接続し、閾値作成部6は算出値記憶部22、閾値ファイル記憶部23に接続している。また、輻輳判定部7は、トラヒック生成部4、閾値ファイル記憶部23、警報表示部8に接続している。
【0027】
トラヒック受信部2は、各監視対象装置30から監視対象装置30毎のトラヒックファイル(トラヒック値など)を所定のタイミングで受信し、トラヒック解析部3に入力する。
【0028】
トラヒック解析部3は、トラヒックファイル内の何れの場所にトラヒックに関する項目(トラヒック値)が入っているかを解析するともに、トラヒックに関する項目を抽出する。トラヒック解析部3は、解析(抽出)したトラヒックに関する項目を、トラヒック値情報としてトラヒック生成部4に入力する。
【0029】
トラヒック生成部4は、トラヒック解析部3から送られてくるトラヒック値情報をXML(Extensible Markup Language)ファイルやCSV(Comma Separated Values)ファイルなどに置換することによって、トラヒック値情報をネットワーク監視装置10で取り扱い可能な形式に変換する。トラヒック生成部4は、置換によって生成したトラヒック値情報を輻輳判定部7とトラヒック蓄積部24とに入力する。トラヒック蓄積部24は、トラヒック生成部4からのトラヒック値情報を蓄積しておくメモリなどの記憶手段である。
【0030】
算出定義ファイル記憶部21は、トラヒック蓄積部24に一時蓄積されているトラヒック値情報内のトラヒック値(過去トラヒック値)の算出方法(例えば合算)を定義した算出定義ファイル(算出定義情報)210を記憶している。算出定義ファイル210では、例えば算出対象となっているトラヒック項目名(例えば発信呼数、パケット発信呼数などのトラヒックの種類)(項目情報)、トラヒック値を用いた算出値(以下、トラヒック算出値という)の算出方法(例えば過去のトラヒックの平均値)などが定義されている。
【0031】
トラヒック算出部5は、算出定義ファイル210で定義されているトラヒック項目名、トラヒック算出値の算出方法などをトラヒック蓄積部24から抽出し、トラヒック算出値の算出方法に基づいてトラヒック算出値を算出する。算出定義ファイル210に応じたトラヒック値の算出値は、監視対象装置30での輻輳を判定する際に用いられる値である。トラヒック算出部5は、トラヒック算出値を算出値記憶部22に記憶させる。算出値記憶部22は、トラヒック算出値を記憶するメモリなどの記憶手段である。
【0032】
閾値作成部6は、算出値記憶部22内のトラヒック算出値を用いて、輻輳判定する際の閾値を作成する。閾値作成部6は、例えば、トラヒック算出値に輻輳判定の基準となる値(輻輳基準値)を加算して輻輳判定に用いる閾値を作成する。閾値作成部6は、予め輻輳基準値を記憶しておく。閾値ファイル記憶部23は、閾値作成部6が作成した閾値と、輻輳判定に対応する警報内容とを対応付けた閾値ファイル230を記憶するメモリなどの記憶手段である。
【0033】
輻輳判定部7は、トラヒック生成部4から送られてくるトラヒック値情報のトラヒック値(現在のトラヒック値)(後述の通常トラヒック値)と、閾値ファイル記憶部23に記憶させておいた閾値ファイル230内の閾値を用いて、輻輳判定の対象となる項目毎に輻輳判定を行なう。輻輳判定部7は、輻輳判定の判定結果として警報の発生指示や回復(停止)指示を警報表示部8に送る。
【0034】
警報表示部8は、液晶モニタや警報ランプなどを含んで構成された表示手段であり、輻輳判定の判定結果に基づいた警告に関する情報を表示する。警報表示部8は、輻輳に関する警告表示として警報の発生や回復を示す情報とその内容を表示し、これにより輻輳に関する警告をユーザ(保守者)へ通知する。
【0035】
つぎに、本発明の実施例1に係るネットワーク監視装置の動作手順を説明する。図3は、本発明の実施例1に係るネットワーク監視装置の動作手順を示すシーケンス図である。ネットワーク監視システム50では、輻輳に関する情報表示要求として、各監視対象装置30が所定のタイミング(例えば1分毎や3分毎などの一定の周期)でネットワーク監視装置10へ、トラヒック値を含んだトラヒックファイルを送信する(S10)。
【0036】
ネットワーク監視装置10のトラヒック受信部2は、各監視対象装置30から監視対象装置30毎のトラヒックファイルを受信し、トラヒック解析部3に入力する。トラヒック解析部3は、トラヒックファイル内を解析してトラヒック値情報(トラヒック値など)を抽出する(S20)。トラヒック解析部3は、抽出したトラヒック値情報をトラヒック生成部4に入力する。
【0037】
トラヒック生成部4は、トラヒック解析部3から送られてくるトラヒック値情報をXMLファイルやCSVファイルなどに置換することによって、トラヒック値情報をネットワーク監視装置10で取り扱い可能な形式に変換する。これにより、トラヒック生成部4は、自装置用のトラヒック値情報を生成する(S30)。トラヒック生成部4は、XMLファイルやCSVファイルなどに置換したトラヒック値情報を輻輳判定部7とトラヒック蓄積部24とに入力する。ここでのトラヒック生成部4は、XMLファイルやCSVファイルなどに置換したトラヒック値情報を通常トラヒック値として輻輳判定部7とトラヒック蓄積部24に入力する。
【0038】
トラヒック蓄積部24は、トラヒック生成部4からのトラヒック値情報を蓄積しておく(S40)。ここでのトラヒック蓄積部24は、これまで蓄積しておいたトラヒック値情報に新たなトラヒック値情報を加えて記憶しておく。トラヒック蓄積部24は、例えば、これまでに記憶しておいたトラヒック値(過去トラヒック値)に通常トラヒック値を加えたものを、新たな過去トラヒック値(新たなトラヒック値情報)として記憶しておく。
【0039】
つぎに、トラヒック算出部5は、トラヒック蓄積部24のトラヒック値情報(過去トラヒック値)を参照する。トラヒック算出部5は、算出定義ファイル記憶部21内の算出定義ファイル210で定義されているトラヒック項目名、トラヒック算出値の算出方法などを、トラヒック蓄積部24のトラヒック値情報から抽出する。そして、トラヒック算出部5は、算出定義ファイル210で定義されているトラヒック算出値の算出方法を用いて、トラヒック値情報からトラヒック算出値を算出する。換言すると、トラヒック算出部5は、過去に受信したトラヒック値を元にトラヒック算出値を作成する。ここでのトラヒック算出部5は、トラヒック蓄積部24に格納されているトラヒック値のうち、算出定義ファイル210で定義されているトラヒック項目名に対応するトラヒック値を用いてトラヒック算出値を作成する(S50)。
【0040】
トラヒック算出部5は、算出したトラヒック算出値とトラヒック項目名とを対応付けて算出値記憶部22に格納させる。これにより、算出値記憶部22は、トラヒック算出部5が算出したトラヒック算出値を格納し記憶する(S60)。
【0041】
つぎに、閾値作成部6は、算出値記憶部22内のトラヒック算出値を参照する。閾値作成部6は、算出値記憶部22内のトラヒック算出値を用いて、輻輳判定する際の閾値を作成する。閾値作成部6は、例えば、トラヒック算出値に輻輳基準値を加算して閾値を作成する(S70)。
【0042】
ここで閾値の作成方法について説明する。閾値作成部6は、閾値作成部6が記憶しておく閾値算出テーブルを用いて閾値を作成する。図4は、閾値作成テーブルの構成の一例を示す図である。閾値作成テーブル60は、閾値の算出元となる「トラヒック算出値」、「輻輳基準値」、輻輳判定に対応する警報名(「警報名称」)がそれぞれ対応で付けられた情報テーブルである。
【0043】
「トラヒック算出値」は、算出値記憶部22が記憶しているトラヒック算出値であり、「輻輳基準値」は、閾値作成部6に予め設定されている輻輳基準値である。「警報名称」は、「トラヒック算出値」や「輻輳基準値」を用いて算出される閾値に対応する警告であり、算出された閾値を基準として表示(出力)される警報の内容である。「警報名称」は、「トラヒック算出値」の算出元となったトラヒック値情報のトラヒック項目名(発信呼数やパケット発信呼数)に対応している。
【0044】
閾値作成部6は、輻輳判定に用いる閾値を算出するため、「警報名称」(トラヒック項目)に対応するトラヒック算出値を算出値記憶部22から抽出する。そして、閾値作成部6は、抽出した「トラヒック算出値」と「輻輳基準値」とを加算して「閾値」を算出する。このように、閾値作成部6は、過去に受信したトラヒック値(トラヒック算出値)を元に閾値を作成するので、トラヒック値の変化の傾向に応じた閾値を作成することが可能となる。また、「輻輳基準値」を用いて閾値を作成するので、輻輳判定の種類(トラヒック項目など)に応じた適切な閾値を容易に設定することが可能となる。
【0045】
例えば、「トラヒック算出値」が980であり、「輻輳基準値」が500である場合、「閾値」は1480となる。ここでは、この閾値が発信呼数の増加に対する輻輳判定(警報)に用いられる場合を示している。
【0046】
閾値作成部6は、作成した閾値に対応する「警報名称」を閾値作成テーブル60から抽出するとともに、抽出した「警報名称」と「閾値」とを対応付ける。閾値作成部6は、「警報名称」と「閾値」とを対応付けたファイルを閾値ファイル230として閾値ファイル記憶部23に登録させる(S80)。
【0047】
なお、閾値作成部6が作成した閾値に対応するトラヒック項目名を算出値記憶部22から抽出し、抽出したトラヒック項目名に基づいて、閾値に応じた警報内容(発信呼数やパケット発信呼数などに関する警報)を設定してもよい。これにより、閾値ファイル記憶部23は、閾値作成テーブル60に「警報名称」が設定されていない場合であっても、閾値作成部6が作成した閾値と、輻輳判定に対応する警報内容とが対応付けられた閾値ファイル230を登録することが可能となる。
【0048】
つぎに、輻輳判定部7は、閾値ファイル記憶部23の閾値(閾値ファイル230)を参照する。輻輳判定部7は、トラヒック生成部4から送られてくるトラヒック値情報(通常トラヒック値)と、閾値ファイル記憶部23に記憶させておいた閾値とを比較して、輻輳判定の対象となるトラヒック項目毎(警報内容毎)に輻輳判定を行なう(S90)。なお、ここでの通常トラヒック値が特許請求の範囲に記載の判定対象値に対応している。
【0049】
輻輳判定部7は、輻輳状態でない時に、トラヒック値情報のトラヒック値が閾値よりも大きくなると、輻輳の可能性大を示す輻輳判定の判定結果を警報表示部8に送る。輻輳の可能性大の場合、輻輳判定部7は、警報の出力(発生)指示を警報表示部8に送る。
【0050】
一方、輻輳判定部7は、輻輳状態である時に、トラヒック値情報のトラヒック値が閾値よりも小さくなると、輻輳の可能性小を示す輻輳判定の判定結果を警報表示部8に送る。輻輳の可能性小の場合、輻輳判定部7は、警報の停止(回復)指示を警報表示部8に送る。警報表示部8は、輻輳判定部7からの指示に基づいて、輻輳に関する警告表示(発信呼数やパケット発信呼数などに関する警報)を行なう(S100)。
【0051】
上述してきたように、実施例1では、輻輳判定に用いる閾値をネットワーク監視システム(ネットワーク監視装置10は)で自動生成するので、輻輳判定に用いる閾値を事前に定義(設定)する必要がない。また、過去トラヒック値を元に輻輳判定に用いる閾値を算出するので、トラヒック値の傾向が変化し閾値との整合性がとれなくなった場合であっても、閾値を再定義する必要がなく、トラヒック値の傾向(変化)に応じた適切な閾値を算出することが可能となる。
【0052】
また、算出定義ファイル210に基づいてトラヒック算出値を算出するので、トラヒック算出値を容易に算出することが可能となる。また、算出定義ファイル210にトラヒック算出値の算出対象となっているトラヒック項目名を設定しているので、トラヒック項目名の変更や追加を容易に行なえるとともに、トラヒック項目名に応じたトラヒック算出値を容易に算出することが可能となる。
【0053】
これにより、監視対象装置30を輻輳判定する際の運用上での作業量が軽減される。したがって、簡易な構成で容易に監視対象装置のトラヒック値を監視して正確に輻輳を判定することが可能となる。
【実施例2】
【0054】
つぎに、図5〜図7を用いてこの発明の実施例2について説明する。実施例2では、トラヒック値の取得日時(日時情報)に基づいて所定の時間帯におけるトラヒック算出値を生成し閾値を作成する。なお、実施例2のネットワーク監視装置10は、図2に示した実施例1のネットワーク監視装置10と同様の構成を有しているので、重複する説明は省略する。
【0055】
本実施例では、各監視対象装置30からネットワーク監視装置10へ送られてくるトラヒックファイルに、トラヒック値やトラヒック値の取得日時などが含まれている。このため、トラヒック解析部3は、トラヒックファイル内の何れの場所にトラヒック値やトラヒック値の取得日時が入っているかを解析するともに、トラヒックに関する項目としてトラヒック値やトラヒック値の取得日時を抽出する。
【0056】
トラヒック解析部3は、解析(抽出)したトラヒックに関する項目を、トラヒック値情報としてトラヒック生成部4に入力する。ここでのトラヒック値情報は、トラヒック値に関する情報であり、各トラヒック値に対応する取得日時がトラヒック値に対応付けされている。
【0057】
また、本実施例での算出定義ファイル210では、算出対象となっているトラヒック項目名、算出対象となっているトラヒック値の取得日時(1日の毎時、所定曜日の所定時刻などの特定の時間帯)、トラヒック算出値の算出方法などが定義されている。
【0058】
ここでのトラヒック算出部5は、算出定義ファイル210で定義されているトラヒック値の取得日時および算出対象となっているトラヒック項目名に対応するトラヒック値をトラヒック蓄積部24から抽出してトラヒック算出値を算出する。
【0059】
つぎに、本発明の実施例2に係るネットワーク監視装置の動作手順を説明する。図5は、本発明の実施例2に係るネットワーク監視装置の動作手順を示すシーケンス図である。なお、実施例1と同様の動作手順を示す処理についてはその説明を省略する。
【0060】
トラヒック解析部3は、トラヒックファイル内を解析してトラヒック値情報(トラヒック値、トラヒック値の取得日時)を抽出すると、抽出したトラヒック値情報をトラヒック生成部4に入力する。
【0061】
トラヒック生成部4は、トラヒック解析部3から送られてくるトラヒック値情報をXMLファイルやCSVファイルなどに置換することによって、トラヒック値情報をネットワーク監視装置10で取り扱い可能な形式のトラヒック値情報に生成する(S110)。トラヒック生成部4は、XMLファイルやCSVファイルなどに置換したトラヒック値情報を輻輳判定部7とトラヒック蓄積部24とに入力する。
【0062】
トラヒック蓄積部24は、トラヒック生成部4からのトラヒック値情報を蓄積しておく(S120)。ここでのトラヒック蓄積部24は、これまで蓄積しておいたトラヒック値情報に新たなトラヒック値情報を加えて記憶しておく。
【0063】
つぎに、トラヒック算出部5は、トラヒック蓄積部24のトラヒック値情報(過去トラヒック値)を参照する。トラヒック算出部5は、算出定義ファイル記憶部21内の算出定義ファイル210で定義されているトラヒック値の取得日時、算出対象となっているトラヒック項目名、トラヒック算出値の算出方法などを、トラヒック蓄積部24のトラヒック値情報から抽出する。
【0064】
そして、トラヒック算出部5は、算出定義ファイル210で定義されているトラヒック算出値の算出方法を用いて、トラヒック値情報からトラヒック算出値を算出する。ここでのトラヒック算出部5は、トラヒック蓄積部24に格納されているトラヒック値のうち、算出定義ファイル210で定義されているトラヒック項目名に対応するトラヒック値であって、算出定義ファイル210で定義されているトラヒック値の取得日時に対応するトラヒック値を用いてトラヒック算出値を作成する。換言すると、トラヒック算出部5は、所定の日時毎(時間帯毎)のトラヒック算出値を算出する(S130)。
【0065】
トラヒック算出部5は、トラヒック算出値と、トラヒック項目名および取得日時と、を対応付けて算出値記憶部22に格納させる。これにより、算出値記憶部22は、トラヒック算出部5が算出したトラヒック算出値を格納し記憶する(S140)。
【0066】
ここで、トラヒック蓄積部24が蓄積するトラヒック値情報と、算出値記憶部22が記憶するトラヒック算出値の構成について説明する。図6および図7は、トラヒック値情報とトラヒック算出値の構成例を示す図である。
【0067】
図6および図7に示すように、トラヒック値情報51A,51Bは、トラヒック項目名に関する情報(「情報名」)、トラヒック値の取得時間に関する情報(「取得時間」)、実際のトラヒック値(「値」)、トラヒック項目名を識別する情報(「ID」)がそれぞれ対応付けされている。
【0068】
図6では、トラヒック値情報51Aのトラヒック項目が発信呼数である場合を示し、図7では、トラヒック値情報51Bのトラヒック項目がパケット発信呼数である場合を示している。また、図6では、1時間毎(同日)のトラヒック値でトラヒック値情報51Aを構成した場合を示し、図7では、1週間毎(同時刻)のトラヒック値でトラヒック値情報51Bを構成した場合を示している。
【0069】
トラヒック値情報51A,51Bに基づいて生成されたトラヒック算出値が、それぞれトラヒック算出値52A,52Bである。図6では、1日(毎時00分)の平均トラヒック値をトラヒック算出値52Aとした場合を示している。ここでは、2006年7月7日の平均トラヒック値がトラヒック算出値52Aとなっている。これにより、ネットワーク監視装置10では、監視対象装置30の毎時00分の発信呼数の傾向を知ることが可能となる。
【0070】
また、図7では、特定曜日の特定時間におけるトラヒック値の平均値をトラヒック算出値52Bとした場合を示している。ここでは、毎週日曜日の「09:00」におけるトラヒック値の平均値がトラヒック算出値52Bとなっている。これにより、ネットワーク監視装置10では、監視対象装置30の毎週日曜日AM9:00(午前9時)のパケット発信呼数の傾向を知ることが可能となる。
【0071】
このように、算出定義ファイル210での算出定義(取得日時)に基づいてトラヒック算出値を生成することができるので、ネットワーク監視装置10は、算出定義ファイル210での算出定義に応じた種々のトラヒック値の傾向を知ることが可能となる。
【0072】
つぎに、閾値作成部6は、算出値記憶部22内のトラヒック算出値を参照する。閾値作成部6は、算出値記憶部22内のトラヒック算出値を用いて、輻輳判定する際の閾値を作成する。閾値作成部6は、例えば、トラヒック算出値に輻輳基準値を加算して閾値を作成する(S150)。これにより、閾値作成部6は、取得日時に応じた過去トラヒック値を参照し、取得日時ごとの閾値を作成する。
【0073】
閾値作成部6は、作成した閾値に対応する「警報名称」を閾値作成テーブル60から抽出するとともに、抽出した「警報名称」と「閾値」とを対応付ける。また、閾値作成部6は、作成した閾値に対応する取得日時を算出値記憶部22から抽出する。閾値作成部6は、「閾値」と、「警報名称」および取得日時と、を対応付けたファイルを閾値ファイル230として閾値ファイル記憶部23に登録させる。これにより、閾値ファイル記憶部23は、閾値作成部6が作成した閾値と、輻輳判定に対応する警報内容およびトラヒック値の取得日時とが対応付けられた閾値ファイル230を登録し記憶する(S160)。
【0074】
つぎに、輻輳判定部7は、閾値ファイル記憶部23の閾値ファイル230を参照する。輻輳判定部7は、トラヒック生成部4から送られてくるトラヒック値情報(通常トラヒック値)の取得日時に対応する閾値(時間帯に応じた閾値を)を閾値ファイル記憶部23から抽出する。輻輳判定部7は、トラヒック生成部4から送られてくるトラヒック値情報のトラヒック値と、閾値ファイル記憶部23から抽出した閾値とを比較して、輻輳判定の対象となる項目毎(警報内容毎)に輻輳判定を行なう(S170)。これにより、輻輳判定部7にて、トラヒック値の取得日時(時間帯)に応じた閾値を参照することができ、時間特性に応じた輻輳判定が可能となる。
【0075】
輻輳判定部7は、輻輳状態でない時に、トラヒック値情報のトラヒック値が閾値よりも大きくなると、輻輳の可能性大を示す輻輳判定の判定結果を警報表示部8に送る。輻輳の可能性大の場合、輻輳判定部7は、警報の出力(発生)指示を警報表示部8に送る。
【0076】
一方、輻輳判定部7は、輻輳状態である時に、トラヒック値情報のトラヒック値が閾値よりも小さくなると、輻輳の可能性小を示す輻輳判定の判定結果を警報表示部8に送る。輻輳の可能性小の場合、輻輳判定部7は、警報の停止(回復)指示を警報表示部8に送る。警報表示部8は、輻輳判定部7からの指示に基づいて、輻輳に関する警告表示を行なう(S180)。
【0077】
なお、特定の日(イベントのある日)を考慮して輻輳判定を行なってもよい。例えば、クリスマス、バレンタインデー、元旦などの日には、発信呼数が増加するので、トラヒック値情報のトラヒック値が閾値よりも大きくなっても異常でないと判断する。また、特定の日に輻輳判定を行なう場合には、大きな値の輻輳基準値を用いることによって閾値を大きく設定してもよい。
【0078】
上述してきたように、実施例2では、算出定義ファイル210に基づき、種々のタイミング(時間帯、曜日など)で取得したトラヒック値を用いて閾値を作成するので、種々のタイミングにおける柔軟な閾値作成を容易に行なえる。また、日時特性に応じた輻輳判定が可能となる。また、時間だけでなく曜日特性などにも対応でき、柔軟な輻輳判定が可能となる。したがって、簡易な構成で容易に監視対象装置のトラヒック値を監視して正確に輻輳を判定することが可能となる。
【実施例3】
【0079】
つぎに、図8および図9を用いてこの発明の実施例3について説明する。実施例3では、蓄積しておいたトラヒック値に基づいて作成されたトラヒック算出値を輻輳の判定対象とし、このトラヒック算出値と閾値とを比較する。
【0080】
図8は、本発明の実施例3に係るネットワーク監視システムの構成を示すブロック図である。図8の各構成要素のうち図2に示す実施例1のネットワーク監視システム50と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
【0081】
本実施例のネットワーク監視装置10は、トラヒック受信部2、トラヒック解析部3、トラヒック生成部4、トラヒック算出部5、輻輳判定部7、警報表示部8、算出定義ファイル記憶部21、算出値記憶部22、閾値ファイル記憶部23、トラヒック蓄積部24を有している。
【0082】
トラヒック受信部2はトラヒック解析部3に接続し、トラヒック解析部3はトラヒック生成部4に接続し、トラヒック生成部4は、トラヒック蓄積部24に接続している。また、トラヒック算出部5はトラヒック蓄積部24、算出定義ファイル記憶部21、算出値記憶部22に接続し、輻輳判定部7は、算出値記憶部22、閾値ファイル記憶部23、警報表示部8に接続している。
【0083】
本実施例では、トラヒック算出部5が例えばトラヒック値の所定の時間帯や区間における平均値などを算出する。このトラヒック算出部5が算出したトラヒック算出値が、閾値と比較される通常トラヒック値(特許請求の範囲に記載の判定対象値)となる。ここでのトラヒック算出部5は、例えば最近10分間のトラヒック値の平均値などをトラヒック算出値として算出する。
【0084】
輻輳判定部7は、トラヒック算出部5が算出したトラヒック算出値と、予め閾値ファイル記憶部23に設定しておく閾値(固定値)とを比較して輻輳判定を行なう。また、本実施例では、「警報名称」と固定の「閾値」とを対応付けた閾値ファイル230を予め閾値ファイル記憶部23に登録しておく。
【0085】
つぎに、本発明の実施例3に係るネットワーク監視装置の動作手順を説明する。図9は、本発明の実施例3に係るネットワーク監視装置の動作手順を示すシーケンス図である。なお、実施例1や実施例2と同様の動作手順を示す処理についてはその説明を省略する。
【0086】
ネットワーク監視システム50では、輻輳に関する情報表示要求として、各監視対象装置30が所定のタイミングでネットワーク監視装置10へ、トラヒック値を含んだトラヒックファイルを送信する(S310)。
【0087】
ネットワーク監視装置10は、実施例1や実施例2での処理と同様に、トラヒックファイルの受信、トラヒックファイルの解析、トラヒック値情報の生成と蓄積、トラヒック算出値の算出と格納などを行なう。図9に示したS320〜S360の処理が、図3に示した実施例1のS20〜S60に対応する。また、図9に示したS330〜S360の処理が図5に示した実施例2のS110〜S140に対応する。
【0088】
なお、本実施例では、トラヒック算出部5で算出されたトラヒック算出値と予め固定で記憶しておく閾値とを比較して輻輳判定を行なうので、トラヒック生成部4から輻輳判定部7へ通常トラヒック値を送信する必要はない。また、閾値作成部6で閾値を作成する必要がないので、算出値記憶部22に格納させたトラヒック算出値を、閾値作成部6に送る必要はない。
【0089】
本実施例では、トラヒック算出部5は、例えば最近10分間のトラヒック値の平均値などをトラヒック算出値として算出(集約)する。そして、このトラヒック算出値を集約データとして算出値記憶部22に格納する(S360)。
【0090】
トラヒック算出値を算出値記憶部22に格納させた後(S360)、輻輳判定部7は、閾値ファイル記憶部23の閾値(閾値ファイル230)を参照する。輻輳判定部7は、閾値ファイル230内に設定されている固定の閾値を閾値ファイル230から抽出する。ここでの輻輳判定部7は、輻輳判定の対象となっているトラヒック項目名に対応する閾値を抽出する。
【0091】
また、輻輳判定部7は、トラヒック値の所定の時間帯における平均値など(輻輳判定の対象となるトラヒック算出値)を算出値記憶部22から抽出する。輻輳判定部7は、算出値記憶部22から抽出したトラヒック算出値と、閾値ファイル230から抽出した閾値を比較して、輻輳判定を行なう(S370)。
【0092】
輻輳判定部7は、輻輳状態でない時に、トラヒック値情報のトラヒック値が閾値よりも大きくなると、輻輳の可能性大を示す輻輳判定の判定結果を警報表示部8に送る。輻輳の可能性大の場合、輻輳判定部7は、警報の出力(発生)指示を警報表示部8に送る。
【0093】
一方、輻輳判定部7は、輻輳状態である時に、トラヒック値情報のトラヒック値が閾値よりも小さくなると、輻輳の可能性小を示す輻輳判定の判定結果を警報表示部8に送る。輻輳の可能性小の場合、輻輳判定部7は、警報の停止(回復)指示を警報表示部8に送る。警報表示部8は、輻輳判定部7からの指示に基づいて、輻輳に関する警告表示(発信呼数やパケット発信呼数などに関する警報)を行なう(S380)。
【0094】
なお、本実施例では、トラヒック値の所定の時間帯における平均値をトラヒック算出値としたが、所定の時間帯におけるトラヒック値の増加率、所定の時間帯におけるトラヒック値の合計値、過去のトラヒック値に対する特定時間帯のトラヒック値の標準偏差、所定の時間帯におけるトラヒック値のメジアン、所定の時間帯におけるトラヒック値の最大値や最小値などをトラヒック算出値としてもよい。これらの場合は、各トラヒック算出値に応じた閾値を設定しておく。
【0095】
また、本実施例では、固定の閾値を用いて輻輳判定を行なうこととしたが、実施例1,2と同様に閾値作成部6が過去のトラヒック算出値に基づいて種々の閾値を設定してもよい。
【0096】
上述してきたように、実施例3では、監視対象装置30からのトラヒック値をそのまま輻輳判定に使用するのではなく、算出処理によってデータを集約化(例えば平均化)して輻輳判定するので、突発的な閾値オーバーによる警報の多発を抑止することができる。したがって、適切な正しい必要とされる警報のみを保守者に表示することが可能となる。
【実施例4】
【0097】
つぎに、図10を用いてこの発明の実施例4について説明する。実施例4では、トラヒック値の送信元(監視対象装置30)毎にトラヒック算出値を生成し輻輳判定を行なう。なお、実施例4のネットワーク監視装置10は、図2に示した実施例1のネットワーク監視装置10と同様の構成を有しているので、重複する説明は省略する。
【0098】
本実施例では、各監視対象装置30からネットワーク監視装置10へ送られてくるトラヒックファイルに、トラヒック値やトラヒックファイルの送信元(監視対象装置30)を識別する識別情報(以下、送信元IDという)などが含まれている。このため、トラヒック解析部3は、トラヒックファイル内の何れの場所にトラヒック値やトラヒック値の取得日時が入っているかを解析するともに、トラヒックに関する項目としてトラヒック値や送信元IDを抽出する。
【0099】
トラヒック解析部3は、解析(抽出)したトラヒックに関する項目を、トラヒック値情報としてトラヒック生成部4に入力する。ここでのトラヒック値情報は、トラヒック値に関する情報であり、各トラヒック値に送信元IDがトラヒック値に対応付けされている。
【0100】
また、本実施例での算出定義ファイル210では、算出対象となっているトラヒック項目名、算出対象となっている送信元ID、トラヒック算出値の算出方法などが定義されている。
【0101】
ここでのトラヒック算出部5は、算出定義ファイル210で定義されている、算出対象の送信元IDに対応するトラヒック値で、トラヒック項目名に対応するトラヒック値をトラヒック蓄積部24から抽出してトラヒック算出値を算出する。
【0102】
つぎに、本発明の実施例2に係るネットワーク監視装置の動作手順を説明する。図10は、本発明の実施例4に係るネットワーク監視装置の動作手順を示すシーケンス図である。なお、実施例1と同様の動作手順を示す処理についてはその説明を省略する。
【0103】
ネットワーク監視システム50では、輻輳に関する情報表示要求として、各監視対象装置30が所定のタイミングでネットワーク監視装置10へ、トラヒック値を含んだトラヒックファイルを送信する(S410)。
【0104】
ネットワーク監視装置10のトラヒック受信部2は、各監視対象装置30から監視対象装置30毎のトラヒックファイルを受信し、トラヒック解析部3に入力する。トラヒック解析部3は、トラヒックファイル内を解析してトラヒック値情報(トラヒック値、送信元ID)を抽出すると(S420)、抽出したトラヒック値情報をトラヒック生成部4に入力する。
【0105】
トラヒック生成部4は、トラヒック解析部3から送られてくるトラヒック値情報をXMLファイルやCSVファイルなどに置換することによって、トラヒック値情報をネットワーク監視装置10で取り扱い可能な形式のトラヒック値情報に生成する(S430)。トラヒック生成部4は、XMLファイルやCSVファイルなどに置換したトラヒック値情報を輻輳判定部7とトラヒック蓄積部24とに入力する。
【0106】
トラヒック蓄積部24は、トラヒック生成部4からのトラヒック値情報を蓄積しておく(S440)。ここでのトラヒック蓄積部24は、これまで蓄積しておいたトラヒック値情報に新たなトラヒック値情報を加えて記憶しておく。
【0107】
つぎに、トラヒック算出部5は、トラヒック蓄積部24のトラヒック値情報(過去トラヒック値)を参照する。トラヒック算出部5は、算出定義ファイル記憶部21内の算出定義ファイル210で定義されている送信元ID、算出対象となっているトラヒック項目名、トラヒック算出値の算出方法などを、トラヒック蓄積部24のトラヒック値情報から抽出する。
【0108】
そして、トラヒック算出部5は、算出定義ファイル210で定義されているトラヒック算出値の算出方法を用いて、トラヒック値情報からトラヒック算出値を算出する。ここでのトラヒック算出部5は、トラヒック蓄積部24に格納されているトラヒック値のうち、算出定義ファイル210で定義されているトラヒック項目名に対応するトラヒック値であって、算出定義ファイル210で定義されている送信元ID(監視対象装置30)に対応するトラヒック値を用いてトラヒック算出値を作成する。換言すると、トラヒック算出部5は、送信元ID毎のトラヒック算出値を算出する(S450)。
【0109】
トラヒック算出部5は、トラヒック算出値と、トラヒック項目名および送信元IDと、を対応付けて算出値記憶部22に格納させる。これにより、算出値記憶部22は、トラヒック算出部5が算出したトラヒック算出値を格納し記憶する(S460)。
【0110】
このように、算出定義ファイル210での算出定義(送信元ID)に基づいてトラヒック算出値を生成することができるので、ネットワーク監視装置10は、算出定義ファイル210での算出定義に応じた種々のトラヒック値の傾向を知ることが可能となる。
【0111】
閾値作成部6は、算出値記憶部22内のトラヒック算出値を参照する。閾値作成部6は、算出値記憶部22内のトラヒック算出値を用いて、輻輳判定する際の閾値を作成する。閾値作成部6は、例えば、トラヒック算出値に輻輳基準値を加算して閾値を作成する。これにより、閾値作成部6は、送信元IDに応じた過去トラヒック値を参照し、送信元ID毎の閾値(監視対象装置毎に別ファイルとして定義された閾値)を作成する(S470)。
【0112】
閾値作成部6は、作成した閾値に対応する「警報名称」を閾値作成テーブル60から抽出するとともに、抽出した「警報名称」と「閾値」とを対応付ける。また、閾値作成部6は、作成した閾値に対応する送信元IDを算出値記憶部22から抽出する。閾値作成部6は、「閾値」と、「警報名称」および送信元IDと、を対応付けたファイルを閾値ファイル230として閾値ファイル記憶部23に登録させる。これにより、閾値ファイル記憶部23は、閾値作成部6が作成した閾値と、輻輳判定に対応する警報内容とが対応付けられた閾値ファイル230を登録し記憶する(S480)。
【0113】
つぎに、輻輳判定部7は、閾値ファイル記憶部23の閾値ファイル230を参照する。輻輳判定部7は、トラヒック生成部4から送られてくるトラヒック値情報(通常トラヒック値)の送信元IDに対応する閾値(監視対象装置30に応じた閾値を)を閾値ファイル記憶部23から抽出する。輻輳判定部7は、トラヒック生成部4から送られてくるトラヒック値情報のトラヒック値と、閾値ファイル記憶部23から抽出した閾値とを比較して、輻輳判定の対象となるトラヒック項目毎(警報内容毎)に輻輳判定を行なう(S490)。これにより、輻輳判定部7にて、トラヒック値の送信元IDに応じた閾値を参照することができ、監視対象装置30に対応した輻輳判定が可能となる。
【0114】
輻輳判定部7は、輻輳状態でない時に、トラヒック値情報のトラヒック値が閾値よりも大きくなると、輻輳の可能性大を示す輻輳判定の判定結果を警報表示部8に送る。輻輳の可能性大の場合、輻輳判定部7は、警報の出力(発生)指示を警報表示部8に送る。
【0115】
一方、輻輳判定部7は、輻輳状態である時に、トラヒック値情報のトラヒック値が閾値よりも小さくなると、輻輳の可能性小を示す輻輳判定の判定結果を警報表示部8に送る。輻輳の可能性小の場合、輻輳判定部7は、警報の停止(回復)指示を警報表示部8に送る。警報表示部8は、輻輳判定部7からの指示に基づいて、輻輳に関する警告表示を行なう(S500)。
【0116】
なお、本実施例では、送信元の監視対象装置30毎に輻輳判定を行なうこととしたが、送信元の監視対象装置30を所定のグループに分け、グループ毎に輻輳判定を行なってもよい。この場合、グループ毎の閾値を準備しておき、グループ毎の閾値とグループ毎のトラヒック値を比較することによってグループ毎の輻輳判定を行なう。また、各グループへは、各グループを識別するグループIDを設定しておく。
【0117】
このように、閾値を監視対象装置30毎に算出して設定するので、監視対象装置30の特性に応じた輻輳判定が可能となる。これにより、監視対象装置30の種別の違いに依存しない汎用的な運用を行える。また、監視対象装置30が増加した場合にも柔軟に対応することができる。
【0118】
上述してきたように、実施例4では、閾値を監視対象装置30毎に定義できるので、監視対象装置30の設置場所によってトラヒック量が異なる場合に、トラヒック量が多い場所に設置された監視対象装置30のみが輻輳判定さることはない。すなわち、同一監視対象装置において地域特性によるトラヒック値が異なる場合でも輻輳判定が可能となる。したがって、各監視対象装置30とその設置場所に応じた適切で正確な輻輳判定を行なうことが可能となる。
【実施例5】
【0119】
ところで、上記の実施例で説明したトラヒック算出値の算出、閾値の設定、輻輳判定を制御する各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータシステムを他の実施例として説明する。
【0120】
図11は、他の実施例に係るコンピュータシステムの構成を示すシステム構成図であり、図12は、このコンピュータシステムにおける本体部の構成を示すブロック図である。図11に示すように、このコンピュータシステム100は、本体部101と、本体部101からの指示によって表示画面102aに画像などの情報を表示するためのディスプレイ102と、このコンピュータシステム100に種々の情報を入力するためのキーボード103と、ディスプレイ102の表示画面102a上の任意の位置を指定するためのマウス104とを備える。
【0121】
また、このコンピュータシステム100における本体部101は、図12に示すように、CPU121と、RAM122と、ROM123と、ハードディスクドライブ(HDD)124と、CD−ROM109を受け入れるCD−ROMドライブ125と、フレキシブルディスク(FD)108を受け入れるFDドライブ126と、ディスプレイ102、キーボード103並びにマウス104を接続するI/Oインターフェース127と、ローカルエリアネットワークまたは広域エリアネットワーク(LAN/WAN)106に接続するLANインターフェース128とを備える。
【0122】
さらに、このコンピュータシステム100には、インターネットなどの公衆回線107に接続するためのモデム105が接続されるとともに、LANインターフェース128およびLAN/WAN106を介して、他のコンピュータシステム(PC)111、サーバ112並びにプリンタ113などが接続される。
【0123】
そして、このコンピュータシステム100は、所定の記録媒体に記録されたプログラムを読み出して実行することで上記した実施例と同様の機能を実現する。ここで、所定の記録媒体とは、フレキシブルディスク(FD)108、CD−ROM109、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」の他に、コンピュータシステム100の内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)124や、RAM122、ROM123などの「固定用の物理媒体」、さらに、モデム105を介して接続される公衆回線107や、他のコンピュータシステム111並びにサーバ112が接続されるLAN/WAN106などのように、プログラムの送信に際して短期にプログラムを保持する「通信媒体」など、コンピュータシステム100によって読み取り可能なプログラムを記録する、あらゆる記録媒体を含むものである。
【0124】
すなわち、この他の実施例でいうプログラムは、上記した「可搬用の物理媒体」、「固定用の物理媒体」、「通信媒体」などの記録媒体に、コンピュータ読み取り可能に記録されるものであり、コンピュータシステム100は、このような記録媒体からプログラムを読み出して実行することで上記した実施例と同様の機能を実現する。なお、この他の実施例でいうプログラムは、コンピュータシステム100によって実行されることに限定されるものではなく、他のコンピュータシステム111またはサーバ112がプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0125】
(付記1)監視対象装置から送られるトラヒック値に基づいて、前記監視対象装置の輻輳を判定するネットワーク監視装置において、
前記監視対象装置から送られるトラヒック値を蓄積しておくトラヒック蓄積部と、
前記トラヒック蓄積部に蓄積されたトラヒック値から輻輳判定を行なう際に用いるトラヒック算出値を算出する算出部と、
前記監視対象装置から送られるトラヒック値のうち輻輳判定の対象となるトラヒック値である判定対象値または輻輳判定の際の閾値に前記トラヒック算出値を用いて、前記判定対象値と前記閾値とを比較し、この比較結果に基づいて前記監視対象装置の輻輳を判定する輻輳判定部と、
を備えることを特徴とするネットワーク監視装置。
【0126】
(付記2)前記算出部は、前記トラヒック算出値の算出方法を定義した算出定義情報に基づいて、前記トラヒック算出値を算出することを特徴とする付記1に記載のネットワーク監視装置。
【0127】
(付記3)前記トラヒック算出値を用いて前記閾値を作成する閾値作成部をさらに備え、
前記輻輳判定部は、前記判定対象値および前記閾値作成部が作成したトラヒック算出値に基づいて、前記監視対象装置の輻輳を判定することを特徴とする付記1または2に記載のネットワーク監視装置。
【0128】
(付記4)前記算出定義情報は、前記トラヒック算出値の算出対象となるトラヒックの取得日時に関する日時情報を含み、
前記算出部は、前記算出定義情報で指定された日時情報に応じたトラヒック値を用いて前記トラヒック算出値を算出することを特徴とする付記1〜3のいずれか1つに記載のネットワーク監視装置。
【0129】
(付記5)前記算出定義情報は、前記トラヒック算出値の算出対象となる監視対象装置を識別する識別情報を含み、
前記算出部は、前記算出定義情報で指定された識別情報に応じたトラヒック値を用いて前記トラヒック算出値を算出することを特徴とする付記1〜4のいずれか1つに記載のネットワーク監視装置。
【0130】
(付記6)前記算出定義情報は、前記トラヒック算出値の算出対象となるトラヒック項目の種類に関する項目情報を含み、
前記算出部は、前記算出定義情報で指定された項目情報に応じたトラヒック値を用いて前記トラヒック算出値を算出することを特徴とする付記1〜5のいずれか1つに記載のネットワーク監視装置。
【0131】
(付記7)監視対象装置から送られるトラヒック値に基づいて、前記監視対象装置の輻輳を判定するネットワーク監視方法において、
前記監視対象装置から送られるトラヒック値を蓄積しておくトラヒック蓄積ステップと、
蓄積しておいたトラヒック値から輻輳判定を行なう際に用いるトラヒック算出値を算出する算出ステップと、
前記監視対象装置から送られるトラヒック値のうち輻輳判定の対象となるトラヒック値である判定対象値または輻輳判定の際の閾値に前記トラヒック算出値を用いて、前記判定対象値と前記閾値とを比較し、この比較結果に基づいて前記監視対象装置の輻輳を判定する輻輳判定ステップと、
を含むことを特徴とするネットワーク監視方法。
【0132】
(付記8) 監視対象装置から送られるトラヒック値に基づいて、前記監視対象装置の輻輳を判定するネットワーク監視方法をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記監視対象装置から送られるトラヒック値を蓄積しておくトラヒック蓄積ステップと、
蓄積しておいたトラヒック値から輻輳判定を行なう際に用いるトラヒック算出値を算出する算出ステップと、
前記監視対象装置から送られるトラヒック値のうち輻輳判定の対象となるトラヒック値である判定対象値または輻輳判定の際の閾値に前記トラヒック算出値を用いて、前記判定対象値と前記閾値とを比較し、この比較結果に基づいて前記監視対象装置の輻輳を判定する輻輳判定ステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0133】
以上のように、本発明に係るネットワーク監視装置およびネットワーク監視方法は、トラヒックの監視対象となる装置の輻輳判定に適している。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】実施例1に係る輻輳判定の概念を説明するための説明図である。
【図2】本発明の実施例1に係るネットワーク監視システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例1に係るネットワーク監視装置の動作手順を示すシーケンス図である。
【図4】閾値作成テーブルの構成の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施例2に係るネットワーク監視装置の動作手順を示すシーケンス図である。
【図6】トラヒック値情報とトラヒック算出値の構成例を示す図(1)である。
【図7】トラヒック値情報とトラヒック算出値の構成例を示す図(2)である。
【図8】本発明の実施例3に係るネットワーク監視システムの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施例3に係るネットワーク監視装置の動作手順を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の実施例4に係るネットワーク監視装置の動作手順を示すシーケンス図である。
【図11】他の実施例に係るコンピュータシステムの構成を示すシステム構成図である。
【図12】図11に示したコンピュータシステムにおける本体部の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0135】
2 トラヒック受信部
3 トラヒック解析部
4 トラヒック生成部
5 トラヒック算出部
6 閾値作成部
7 輻輳判定部
8 警報表示部
10 ネットワーク監視装置
21 算出定義ファイル記憶部
22 算出値記憶部
23 閾値ファイル記憶部
24 トラヒック蓄積部
30 監視対象装置
50 ネットワーク監視システム
60 閾値作成テーブル
70 端末
100 コンピュータシステム
101 本体部
102 ディスプレイ
102a 表示画面
103 キーボード
104 マウス
105 モデム
106 ローカルエリアネットワークまたは広域エリアネットワーク(LA
N/WAN)
107 公衆回線
108 フレキシブルディスク(FD)
109 CD−ROM
111 他のコンピュータシステム(PC)
112 サーバ
113 プリンタ
121 CPU
122 RAM
123 ROM
124 ハードディスクドライブ(HDD)
125 CD−ROMドライブ
126 FDドライブ
127 I/Oインターフェース
128 LANインタフェース
210 算出定義ファイル
230 閾値ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象装置から送られるトラヒック値に基づいて、前記監視対象装置の輻輳を判定するネットワーク監視装置において、
前記監視対象装置から送られるトラヒック値を蓄積しておくトラヒック蓄積部と、
前記トラヒック蓄積部に蓄積されたトラヒック値から輻輳判定を行なう際に用いるトラヒック算出値を算出する算出部と、
前記監視対象装置から送られるトラヒック値のうち輻輳判定の対象となるトラヒック値である判定対象値または輻輳判定の際の閾値に前記トラヒック算出値を用いて、前記判定対象値と前記閾値とを比較し、この比較結果に基づいて前記監視対象装置の輻輳を判定する輻輳判定部と、
を備えることを特徴とするネットワーク監視装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記トラヒック算出値の算出方法を定義した算出定義情報に基づいて、前記トラヒック算出値を算出することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク監視装置。
【請求項3】
前記トラヒック算出値を用いて前記閾値を作成する閾値作成部をさらに備え、
前記輻輳判定部は、前記判定対象値および前記閾値作成部が作成したトラヒック算出値に基づいて、前記監視対象装置の輻輳を判定することを特徴とする請求項1または2に記載のネットワーク監視装置。
【請求項4】
前記算出定義情報は、前記トラヒック算出値の算出対象となるトラヒックの取得日時に関する日時情報を含み、
前記算出部は、前記算出定義情報で指定された日時情報に応じたトラヒック値を用いて前記トラヒック算出値を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のネットワーク監視装置。
【請求項5】
監視対象装置から送られるトラヒック値に基づいて、前記監視対象装置の輻輳を判定するネットワーク監視方法において、
前記監視対象装置から送られるトラヒック値を蓄積しておくトラヒック蓄積ステップと、
蓄積しておいたトラヒック値から輻輳判定を行なう際に用いるトラヒック算出値を算出する算出ステップと、
前記監視対象装置から送られるトラヒック値のうち輻輳判定の対象となるトラヒック値である判定対象値または輻輳判定の際の閾値に前記トラヒック算出値を用いて、前記判定対象値と前記閾値とを比較し、この比較結果に基づいて前記監視対象装置の輻輳を判定する輻輳判定ステップと、
を含むことを特徴とするネットワーク監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−236307(P2008−236307A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−72197(P2007−72197)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】