説明

ノイズ対策部品

【課題】電子部品が備えるリードに対して簡単に固定可能で、その固定後にリードからの脱落を防止可能で、振動や衝撃からの保護も可能なノイズ対策部品を提供すること。
【解決手段】ノイズ対策部品1は、環状に形成された磁性体3と、磁性体3を内包するエラストマー部5とを備える。ノイズ対策部品1をリードに装着する際には、ノイズ対策部品1が備える導入路11にリードが導入される。このとき、リードをテーパー部17側から導入すれば、リードの先端をスムーズに導入路11内へと案内できる。リードが導入路11内を貫通すると、複数の凸部15は弾性変形してリードに圧接する。したがって、リードに沿って磁性体3が自重でずり落ちるのを抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品が備えるリードに装着されるノイズ対策部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器において利用されるノイズ対策技術として、電子部品が備えるリードに対しフェライトコアなどのノイズ対策部品を装着する技術が知られている。また、この種のノイズ対策部品をリードに対して固定するための技術としては、円錐状の案内筒をフェライトコアの貫通孔内に圧入して、案内筒をリード及びフェライトコアに圧接させて、リードとコアとを固定する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−111710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電源基板上に使用されているパワートランジスタやフィルムコンデンサのリードに、上述のようなノイズ対策部品を取り付けることがある。その場合、ノイズ対策部品をリードに挿入してから、そのリードを電源基板に挿入してはんだ付けが行われる。
【0005】
しかし、そのようなはんだ付け作業を行う際に、ノイズ対策部品がリードに対して固定されていないと、ノイズ対策部品がリードから脱落しやすくなる。そのため、ノイズ対策部品の脱落に留意しつつ、慎重にリードを電源基板に挿入せざるを得ず、また、そのような慎重な作業を行ってもノイズ対策部品の脱落を招くことはあり、非常に作業性が悪くなる、という問題があった。
【0006】
また、上記特許文献1に記載の技術を利用すれば、ノイズ対策部品をリードに固定することはできるが、パワートランジスタやフィルムコンデンサのリードに装着されるノイズ対策部品は、外形が数mm程度というきわめて小さい部品である。そのため、そのような小さい部品に対し、さらに小さな円錐状の案内筒を圧入する作業や、そのような小さな円錐状の案内筒にリードを通す作業を行うことはきわめて困難で、やはり非常に作業性が悪い、という問題があった。
【0007】
さらに、上記のような電源基板では、振動が伝わったり衝撃が加わったりすることがあるため、異音発生や破損を防ぐため、シリコーン系の接着剤などを使ってノイズ対策部品を電源基板に固定する対策が取られることがある。しかし、シリコーン系の接着剤は比較的高価であるため、原材料費がかさみ、さらに接着剤での固定作業を行う分だけ、作業コストも発生する、という問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、電子部品が備えるリードに対して簡単に固定可能で、その固定後にリードからの脱落を防止可能で、振動や衝撃からの保護も可能なノイズ対策部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、本発明において採用した構成について説明する。
請求項1に記載のノイズ対策部品は、貫通孔を有する磁性体と、前記磁性体に取り付けられており、電子部品のリードを前記貫通孔内へ導入した際に弾性変形して前記リードに圧接することにより、前記リードに沿って前記磁性体が自重でずり落ちるのを抑制可能なエラストマー部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
このように構成されたノイズ対策部品において、ノイズ対策部品が備える磁性体の貫通孔内へ電子部品のリードを導入すると、エラストマー部が弾性変形してリードに圧接する。そして、この状態になると、エラストマー部は、リードに沿って磁性体が自重でずり落ちるのを抑制する。
【0011】
したがって、このようなノイズ対策部品によれば、リードへの装着後に、そのリードをプリント配線板等へ挿入する際に、過度に慎重な作業を行わなくても、ノイズ対策部品がリードから脱落することはないので、良好な作業性を確保することができる。
【0012】
また、このノイズ対策部品は、磁性体とエラストマー部を備える構造になっており、磁性体の貫通孔の内部に磁性体とは別体の小さな部品を圧入するものではないので、磁性体よりも小さい別部品の取り扱いに手間取ることもない。
【0013】
さらに、リードが取り付けられたプリント配線板等に振動が伝わったり衝撃が加わったりしても、エラストマー部が存在することで振動や衝撃を吸収ないし緩和することができる。したがって、シリコーン系の接着剤などを使ってノイズ対策部品を電源基板に固定しなくても済み、その原材料費や接着剤での固定作業に要する作業コストも低減することができる。
【0014】
次に、請求項2に記載のノイズ対策部品は、請求項1に記載のノイズ対策部品において、前記エラストマー部は、前記磁性体を内包していることを特徴とする。
このように構成されたノイズ対策部品によれば、エラストマー部が磁性体を内包しているので、万一、磁性体に割れや欠けが生じたとしても、その欠片はエラストマー部の内部に保持される。したがって、磁性体の欠片が電子機器内で散らばることはなく、散らばった欠片が原因で二次的な障害を招くのを未然に防止することができる。
【0015】
次に、請求項3に記載のノイズ対策部品は、請求項1又は請求項2に記載のノイズ対策部品において、前記エラストマー部は、前記貫通孔内を貫通する位置に、前記リードが導入される導入路を有することを特徴とする。
【0016】
このように構成されたノイズ対策部品によれば、エラストマー部に形成された導入路に沿ってリードを導入するだけで、磁性体の貫通孔内を貫通する位置にリードを導入することができる。したがって、貫通孔内を貫通する導入路が形成されていないものに比べ、リードを容易に適切な位置に配置できる。
【0017】
なお、上記のような導入路が形成されていないものとしては、エラストマー部に有底の凹部が形成されていて、その凹部の底にリードを突き刺すと、リードが凹部の底を突き抜けることで、磁性体の貫通孔内を貫通する位置にリードを導入することができる、といったものを考え得る。
【0018】
次に、請求項4に記載のノイズ対策部品は、請求項3に記載のノイズ対策部品において、前記エラストマー部において、前記導入路をなす部分には、少なくとも前記導入路の一端にある開口から当該開口よりも前記導入路の他端寄りとなる位置に向かって、前記導入路を狭めるテーパーが付けられていることを特徴とする。
【0019】
このように構成されたノイズ対策部品によれば、少なくとも導入路の一端には、上述のようなテーパーが付けられているので、このテーパー部を利用して、リードをスムーズに導入路内へと導入することができる。
【0020】
なお、このようなテーパー部は、導入路の一端だけに設けられているだけでもよいが、導入路の両端に設けられていてもよい。ただし、導入路の一端だけに設けられている方が、導入路の両端に設けられている場合よりも、テーパー部の奥行き方向寸法をより長くすることが可能である。
【0021】
したがって、ノイズ対策部品が比較的小さい場合に、先端部がより鋭角となるテーパー部を形成したければ、導入路の一端だけにテーパー部を設けることで、テーパー部の奥行き方向寸法を確保すると好ましい。
【0022】
一方、導入路の両端にテーパー部を設ければ、導入路の両端どちらからでもリードを導入しやすくなる。したがって、このような機能を重視する場合には、導入路の両端にテーパー部を設けても好ましい。
【0023】
次に、請求項5に記載のノイズ対策部品は、請求項3又は請求項4に記載のノイズ対策部品において、前記エラストマー部において、前記導入路をなす部分には、前記導入路の中心に向かって突出する複数の凸部が形成されていて、当該凸部の先端が前記リードに圧接する部分とされていることを特徴とする。
【0024】
このように構成されたノイズ対策部品によれば、導入路をなす部分に設けられた凸部が、その先端でリードに圧接するので、導入路をなす内周面全体がリードに圧接する場合に比べ、リードに圧接する部分が変形しやすいものとなる。したがって、例えば、リードの径が変わっても、その径に追従して凸部が変形するので、より細いリードからより太いリードまで導入できるようになる。
【0025】
次に、請求項6に記載のノイズ対策部品は、請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載のノイズ対策部品において、前記凸部は、前記導入路の両端間にわたる範囲のうち、いずれか一方の端部よりも他方の端部の近くへ偏らせた位置に形成されていることを特徴とする。
【0026】
このように構成されたノイズ対策部品においては、エラストマー部の内部で磁性体が割れている場合に、導入路へリードを導入すると、リードと磁性体との間に凸部が存在する分だけ、導入路の他端側部分が一端側部分よりも外側へ押し広げられる。したがって、外観上、導入路の他端側部分が一端側部分よりも外側へ押し広げられているか否かにより、エラストマー部の内部で磁性体が割れているか否かを判断できるようになる。
【0027】
次に、請求項7に記載のノイズ対策部品は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のノイズ対策部品において、前記エラストマー部は、弾性変形して前記リードに圧接する状態となる際に、容積が減少する形態に変形する凹部を有することを特徴とする。
【0028】
このように構成されたノイズ対策部品によれば、エラストマー部が弾性変形してリードに圧接する状態となる際に、凹部の容積が減少する形態に変形する。したがって、同様の凹部を備えていない場合に比べ、エラストマー部を柔軟に変形させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】(a)はノイズ対策部品の平面図、(b)はノイズ対策部品の正面図、(c)はノイズ対策部品の右側面図、(d)はノイズ対策部品の底面図、(e)はノイズ対策部品のA−A線断面図。
【図2】(a)はノイズ対策部品の上面側が見える斜視図、(b)はノイズ対策部品の下面側が見える斜視図、(c)はノイズ対策部品の使用状態を示す正面図。
【図3】(a)〜(d)はノイズ対策部品の製造工程を示す説明図。
【図4】(a)〜(d)はノイズ対策部品の変形例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本発明の実施形態について一例を挙げて説明する。
図1(a)〜同図(e)及び図2(a)〜同図(b)に示すノイズ対策部品1は、環状に形成された磁性体3と、この磁性体3を内包するエラストマー部5とを備えている。磁性体3は、フェライトなどの磁性材料によって形成されたもので、その中心には貫通孔7が形成されている。
【0031】
なお、以下の説明では、貫通孔7の貫通方向を上下方向として説明を続ける。ただし、ここで規定する上下方向は、ノイズ対策部品1各部の相対的な位置関係を簡潔に説明するために便宜的に規定するものであって、ノイズ対策部品1を使用する際に、貫通孔7の貫通方向を常に上下方向に向けるべきことを意味するものではない。すなわち、ノイズ対策部品1の使用時には、貫通孔7の貫通方向がどのような方向に向けられても構わない。
【0032】
エラストマー部5は、合成ゴムあるいは熱可塑性エラストマーなどのゴム弾性を有するエラストマー材料によって形成されたもので、略円柱状に形成されるとともに、その略円柱状の部分を上端側から下端側へと貫通する導入路11と、略円柱状の部分の下端面に形成された複数(本実施形態では三つ)の凹部13とを備えている。
【0033】
導入路11は、磁性体3が有する貫通孔7内を貫通しており、導入路11の下端側内周には、導入路11の中心に向かって突出する複数(本実施形態では三つ)の凸部15が形成されている。各凸部15は、それぞれが凹部13と導入路11の中心との間に挟まれた位置にある。
【0034】
また、導入路11の上端側内周には、導入路11の上端にある開口から当該開口よりも導入路11の下端寄りとなる位置に向かって、導入路11を狭めるテーパーが付けられたテーパー部17が形成されている。
【0035】
なお、テーパー部17にも複数(本実施形態では四つ)の凸部19が形成されているが、テーパー部17においては、凸部19の先端及び凸部19間となる部分、どちらにも上述のようなテーパーが付けられている。
【0036】
以上のように構成されたノイズ対策部品1は、図2(c)に示すように、電子部品21(例えばフィルムコンデンサ)をプリント配線板23に実装する際に、電子部品21が備えるリード25に装着して使用される。
【0037】
ノイズ対策部品1をリード25に装着する際には、ノイズ対策部品1が備える導入路11にリード25が導入される。このとき、リード25は、テーパー部17側から導入されるため、テーパー部17がない場合に比べ、リード25の先端をスムーズに導入路11内へと案内することができる。
【0038】
そして、リード25は複数の凸部15の先端間にある空隙を通り抜けて、導入路11内を貫通する状態に至る。このとき、複数の凸部15は、リード25側から受ける力で遠心方向に向かって圧縮されて弾性変形し、その弾性変形に伴って生じる弾性復元力でリード25に圧接する。
【0039】
このとき、複数の凸部15は、遠心方向に向かって圧縮されることにより、圧縮方向については凸部15の寸法が小さくなるものの、周方向へは膨らむことができる状態にある。そのため、このような凸部15が設けてあれば、単なる円筒内周面でリード25の外周に圧接する場合に比べ、凸部15の先端については、遠心方向への変形量を大きくすることができる。
【0040】
しかも、複数の凹部13は、各凸部15を挟んで導入路11の中心とは反対側の位置に形成されている。そのため、凸部15が遠心方向に向かって強く圧縮された際には、凹部13は内周側が外周側へ近づく方向に潰れることで容積を減らし、これにより、凸部15が遠心方向に向かって弾性変形しやすい状態になる。すなわち、上記のような凹部13が設けてあることによっても、凸部15の先端は遠心方向への変形量が大きくなる。
【0041】
したがって、このような凸部15及び凹部13が設けてあることにより、凸部15の先端に囲まれる位置にリード25を導入するに当たっては、比較的小径のリード25から大径のリード25まで、幅広く受けいれることができる。
【0042】
以上のようにしてノイズ対策部品1がリード25に装着されると、複数の凸部15がリード25に圧接する状態となるので、ノイズ対策部品1は、リード25に沿って自重でずり落ちることがない状態となる。すなわち、このようなノイズ対策部品1により、リード25に沿って磁性体3が自重でずり落ちるのを抑制することができる。
【0043】
したがって、ノイズ対策部品1が装着されたリード25をプリント配線板23にはんだ付けする際には、ノイズ対策部品1の脱落に留意して慎重な作業を行わなくても済み、はんだ付け作業を行う際の作業性が良好なものとなる。
【0044】
また、このようなはんだ付け後、電子機器が使用される際に、プリント配線板23に振動や衝撃が伝わっても、磁性体3に伝わる振動や衝撃はエラストマー部5によって緩和されるので、磁性体3に割れや欠けが発生するのを抑制することができる。
【0045】
しかも、万一、磁性体3に割れや欠けが発生したとしても、磁性体3がエラストマー部5に内包されていれば、磁性体3の欠片がエラストマー部5の外部へ散らばることはない。したがって、仮に磁性体3に割れや欠けが発生したとしても、磁性体3の欠片が他の電子部品に悪影響を及ぼすのを未然に防ぐことができる。
【0046】
さらに、このようなノイズ対策部品1であれば、磁性体3とリード25の相対位置が変動しにくいので、ノイズ信号を減衰させる特性にも変動が生じにくく、ノイズ対策部品1を装着したことによるノイズ対策効果を安定的に発現させることができる。
【0047】
次に、以上説明したようなノイズ対策部品1の製造方法について、一例を説明する。ただし、この製造方法はあくまでも一例に過ぎず、別の製造方法で所期のノイズ対策部品1を製造してもよい。
【0048】
まず、以下に説明する製造方法においては、図3(a)に示すように、下側金型31に設けられた凸部31A上に、環状の磁性体3を設置する。この凸部31Aは、上述のテーパー部17を形成する部分であるため、磁性体3と当接する部分は錐状の形態になっている。そのため、このような錐状の凸部31Aに磁性体3を設置すれば、磁性体3の寸法公差が多少大きめであっても、比較的容易に磁性体3を最終製品のセンターに相当する位置に配置することができる。
【0049】
磁性体3を設置したら、図3(b)に示すように、下側金型31と上側金型33との間を閉じる。上側金型33には、上述の凹部13を形成するために、凸部33Aが設けられているが、この凸部33Aは、凸部31A上に設置された磁性体3が大きく傾いていると磁性体3に当接し、磁性体3の傾きを矯正する役割を果たす。
【0050】
そして、図3(c)に示すように、エラストマー部5を形成するための原料組成物を金型内(下側金型31と上側金型33が形成する内部空間内)に射出する。その後、所定の硬化時間が経過したら、図3(d)に示すように、下側金型31と上側金型33との間を開いて、最終製品であるノイズ対策部品1を取り出す。
【0051】
以上のような製造方法でノイズ対策部品1を製造すれば、磁性体3がエラストマー部5に内包された形態のノイズ対策部品1を製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
【0052】
例えば、上記実施形態で例示したノイズ対策部品1では、磁性体3全体がエラストマー部5に内包されていたが、図4(a)に例示するノイズ対策部品51が備えるエラストマー部53のように、磁性体3の一部が露出するものであってもよい。
【0053】
このようなノイズ対策部品51の場合、磁性体3が割れたときに欠片が散らばるのを防止する効果は低下するが、ノイズ対策部品51をリード25に自重でずり落ちないように装着できる点では、ノイズ対策部品1と何ら変わりない性能を発揮する。
【0054】
また、上記実施形態で例示したノイズ対策部品1では、磁性体3の貫通孔7の内側にエラストマー部5の一部が入り込んでいる事例を示したが、図4(b)に例示するノイズ対策部品61が備えるエラストマー部63のように、磁性体3の貫通孔7の内側にはエラストマー部63が入り込まない形態となっていてもよい。
【0055】
また、上記実施形態で例示したノイズ対策部品1では、エラストマー部5を貫通する導入路11が形成されていたが、図4(c)に例示するノイズ対策部品71が備えるエラストマー部73のように、導入路75がエラストマー部73を貫通していないものであってもよい。
【0056】
このようなものであっても、エラストマー部73の一部が薄肉に形成された薄肉部73Aとなっていれば、リード25を導入する際に、リード25で薄肉部73Aを突き破ることにより、ノイズ対策部品1と何ら変わりなく使用することが可能である。
【0057】
さらに、上記実施形態で例示したノイズ対策部品1では、エラストマー部5を貫通する導入路11の一端にテーパー部17が形成されていたが、図4(d)に例示するノイズ対策部品81が備えるエラストマー部83のように、導入路85の両端にテーパー部87A,87Bが設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1,51,61,71,81・・・ノイズ対策部品、3・・・磁性体、5,53,63,73,83・・・エラストマー部、7・・・貫通孔、11,75,85・・・導入路、13・・・凹部、15,19・・・凸部、17,87A,87B・・・テーパー部、21・・・電子部品、23・・・プリント配線板、25・・・リード、31・・・下側金型、33・・・上側金型、31A,33A・・・凸部、73A・・・薄肉部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔を有する磁性体と、
前記磁性体に取り付けられており、電子部品のリードを前記貫通孔内へ導入した際に弾性変形して前記リードに圧接することにより、前記リードに沿って前記磁性体が自重でずり落ちるのを抑制可能なエラストマー部と
を備えたことを特徴とするノイズ対策部品。
【請求項2】
前記エラストマー部は、前記磁性体を内包している
ことを特徴とする請求項1に記載のノイズ対策部品。
【請求項3】
前記エラストマー部は、前記貫通孔内を貫通する位置に、前記リードが導入される導入路を有する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のノイズ対策部品。
【請求項4】
前記エラストマー部において、前記導入路をなす部分には、少なくとも前記導入路の一端にある開口から当該開口よりも前記導入路の他端寄りとなる位置に向かって、前記導入路を狭めるテーパーが付けられている
ことを特徴とする請求項3に記載のノイズ対策部品。
【請求項5】
前記エラストマー部において、前記導入路をなす部分には、前記導入路の中心に向かって突出する複数の凸部が形成されていて、当該凸部の先端が前記リードに圧接する部分とされている
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のノイズ対策部品。
【請求項6】
前記凸部は、前記導入路の両端間にわたる範囲のうち、いずれか一方の端部よりも他方の端部の近くへ偏らせた位置に形成されている
ことを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載のノイズ対策部品。
【請求項7】
前記エラストマー部は、弾性変形して前記リードに圧接する状態となる際に、容積が減少する形態に変形する凹部を有する
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のノイズ対策部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−104556(P2012−104556A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249862(P2010−249862)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000242231)北川工業株式会社 (268)
【Fターム(参考)】