説明

ハニカムフィルタ

【課題】入口開放セルの内表面を覆う表層の剥離を防止する。
【解決手段】ハニカムフィルタ10は、ディーゼルエンジンの排ガス中のPMをろ過する機能を持つディーゼル・パティキュレート・フィルタ(DPF)である。このハニカムフィルタ10は、ハニカム構造体12を主体とし、このハニカム構造体12の入口開放セル16の内表面に表層26を形成したものである。この表層26は、入口周辺領域28では膜厚がゼロである。入口周辺領域28には剥離渦が発生するが、この入口周辺領域28では表層26の膜厚がゼロのため入口周辺領域28で発生した剥離渦による剥離が起きず、剥離片が生じない。また、剥離片が生じないため、その剥離片による表層26全体の崩壊も起こらない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカムフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハニカムフィルタが知られている。このハニカムフィルタは、エンジンなどの燃焼機器から排出される排ガスに含まれる粒子状物質(パティキュレート・マター(PM))を排ガスから除去したあと大気へ放出するために用いられる。ハニカムフィルタは、多孔質隔壁によって区画された多数のセルを備えている。多数のセルには、入口が開放され出口が出口封止材により封止された入口開放セルと、入口が入口封止材により封止され出口が開放された出口開放セルとがあり、入口開放セルと出口開放セルとが隣接するように設けられている。燃焼機器からのPMを含む排ガスは、このハニカムフィルタの入口開放セルの入口から入口開放セルに流入したあと、多孔質隔壁を通過して隣接する出口開放セルに流入し、出口開放セルの出口から大気へ放出される。ここで、PMを含む排ガスは、入口開放セルから多孔質隔壁を通過して出口開放セルに流入するときにPMが多孔質隔壁に捕集されるため、出口開放セルに流入した排ガスは、PMを含まないクリーンな排ガスになる。
【0003】
こうしたハニカムフィルタでは、新品の状態でPMを捕集すると、PM捕集開始直後に急激に圧力損失が上昇し、燃焼機器の性能を低下させることがあった。具体的には、多孔質隔壁が新品の状態でPMの捕集を開始すると、まず、多孔質隔壁の細孔にPMが侵入して隔壁の内部でPMが捕集される深層濾過と、多孔質隔壁の表面でPMが捕集される表面濾過とが並行して起こる。その後、多孔質隔壁の表面にPMが堆積すると、それ以降はPMの堆積層がフィルタの役割を果たすケーク(cake)濾過に移行する。ここで、初期の深層濾過の過程では、多孔質隔壁の細孔にPMが堆積していくため、PM捕集開始直後に多孔質隔壁の実質的な気孔率が低下し、その結果、圧力損失の急上昇を招くのである。
【0004】
一方、特許文献1には、こうしたハニカムフィルタにおいて、入口開放セルの内表面に、多孔質隔壁よりも小さな孔を持つ表層を形成したものが開示されている。この場合、排ガス中のPMは、捕集開始直後から表層の表面で捕集されるため、多孔質隔壁の細孔に侵入することはない。このため、多孔質隔壁の実質的な気孔率が低下することはなく、上述したような圧力損失の急上昇を招くこともない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第2607898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、入口開放セルの内表面に表層を形成したハニカムフィルタをディーゼルエンジンの下流側に配置した状態でディーゼルエンジンを高速・高負荷で運転すると、表層の剥離が発生することがわかった。そして、ハニカムフィルタを使用し続けると、剥離が生じた部分を起点として、表層の全体が崩壊し、圧力損失の急上昇を招くという問題が生じた。その原因を解析したところ、入口開放セルの入口の周辺に排ガスの渦(剥離渦)が発生し、その剥離渦による負圧が表層の剥離を引き起こして剥離片が生じ、その剥離片が正常な表層に衝突して崩壊が進行すると推察された。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、入口開放セルの内表面を覆う表層の剥離を防止することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のハニカムフィルタは、
多孔質隔壁によって区画された多数のセルを備え、該多数のセルには、入口が開放され出口が出口封止材により封止された入口開放セルと、入口が入口封止材により封止され出口が開放された出口開放セルとがあり、前記入口開放セルと前記出口開放セルとが隣接するように設けられ、前記入口開放セルの内表面は前記多孔質隔壁よりも小さな細孔を持つ表層で覆われているハニカムフィルタであって、
前記入口開放セルの内表面のうち入口から、該内表面の背面にある前記入口封止材の長さだけ奥へ進んだ位置までの入口周辺領域では、前記表層の膜厚が実質的にゼロであるものである。
【0009】
このハニカムフィルタでは、PMを含む排ガスは、入口開放セルの入口から入口開放セルに流入したあと、表層及び多孔質隔壁をこの順に通過して隣接する出口開放セルに流入し、出口開放セルの出口から大気へ放出される。ここで、PMを含む排ガスは、捕集開始直後から表層の表面上で除去されるため、多孔質隔壁の細孔に侵入することはない。このため、多孔質隔壁の実質的な気孔率が低下することはなく、圧力損失の急上昇を招くこともない。また、入口開放セルの入口周辺領域の多孔質隔壁はまわりに出口開放セルの入口を封止する入口封止材が存在しているため、排ガスはほとんど通過できない。このため、入口周辺領域に剥離渦が発生するが、この入口周辺領域では表層の膜厚がゼロつまり表層が実質的に存在していないから入口周辺領域で発生した剥離渦による表層の剥離が起きず、剥離片が生じない。また、剥離片が生じないため、その剥離片が無事な表層に衝突することによる表層全体の崩壊も起こらない。このように、本発明のハニカムフィルタによれば、入口開放セルの内表面を覆う表層の剥離を防止することができる。
【0010】
本発明のハニカムフィルタにおいて、前記表層は、前記入口開放セルの内表面のうち前記入口周辺領域の終端から出口に向かって徐々に膜厚が厚くなるテーパ部を有していてもよい。こうすれば、入口開放セルに流入した排ガスは表層のテーパ部に当たるため、表層を剥離させることがない。なお、入口開放セルの入口周辺領域以外の領域では、排ガスが表層及び多孔質隔壁をこの順に通過するため、表層は排ガスによって多孔質隔壁へ押圧され、剥離しにくい。
【0011】
本発明のハニカムフィルタにおいて、多孔質隔壁及び表層の少なくとも一方には触媒が担持されていてもよい。つまり、触媒は多孔質隔壁のみに担持されていてもよいし、表層のみに担持されていてもよいし、多孔質隔壁と表層の両方に担持されていてもよい。触媒として酸化触媒を採用した場合には、捕集されたPMの酸化が促進されるためハニカムフィルタの再生が容易になる。
【0012】
また、本発明のハニカムフィルタを製造する方法の一例としては、
(a)多孔質隔壁によって区画された多数のセルを備え、該多数のセルには、入口が開放され出口が出口封止材により封止された入口開放セルと、入口が入口封止材により封止され出口が開放された出口開放セルとがあり、前記入口開放セルと前記出口開放セルとが隣接するように設けられたハニカム構造体を作製する工程と、
(b)工程(a)のあと、前記入口開放セルの内表面のうち入口から前記入口封止材の長さだけ奥へ進んだ位置までの入口周辺領域に保護膜を形成する工程と、
(c)工程(b)のあと、表層の原料を水に分散させたスラリーを前記入口開放セルの内表面に塗布する工程と、
(d)工程(c)のあと、前記ハニカム構造体の前記保護膜を除去する工程と、
を含む製造方法が挙げられる。
【0013】
この製造方法では、ハニカム構造体の入口開放セルの内表面のうち入口から入口封止材の長さだけ奥へ進んだ位置までの入口周辺領域に保護膜を作製し、その後、表層の原料を水に分散させたスラリーを入口開放セルの内表面に塗布する。入口開放セルの内表面のうち入口周辺領域以外の多孔質隔壁にはスラリーが付着するが、入口周辺領域の多孔質隔壁には保護膜が形成されているためスラリーが付着しない。ここで、保護膜がスラリーを付着しない性質を有していてもよいし、保護膜にスラリーが付着してもよい。いずれにしても、入口周辺領域の多孔質隔壁にはスラリーは付着しない。その後、保護膜を除去するため、入口周辺領域には表層は形成されない。したがって、この製造方法は、入口開放セルの内表面のうち入口周辺領域の表層の膜厚をゼロにするのに適した方法といえる。
【0014】
こうした製造方法において、工程(b)では、前記保護膜を熱分解可能な有機材料で作製し、工程(d)では、前記ハニカム構造体を前記保護膜が熱分解する温度で処理することにより前記保護膜を除去するようにしてもよい。こうすれば、保護膜を研削などにより除去する場合に比べて、容易に保護膜を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ハニカムフィルタ10の正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】表層の膜厚を決定する手順を示すSEM写真である。
【図4】表層の膜厚がゼロの一例を示すSEM写真である。
【図5】表層の膜厚がゼロの一例を示すSEM写真である。
【図6】表層の膜厚がゼロの一例を示すSEM写真である。
【図7】平均粒子径の測定方法を示す説明図である。
【図8】ハニカム構造体12に保護膜32を形成し表層スラリーを塗布する手順を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のハニカムフィルタの好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本実施形態のハニカムフィルタ10の正面図、図2は図1のA−A断面図である。
【0017】
ハニカムフィルタ10は、ディーゼルエンジンの排ガス中のPMをろ過する機能を持つディーゼル・パティキュレート・フィルタ(DPF)である。このハニカムフィルタ10は、ハニカム構造体12を主体とし、このハニカム構造体12の入口開放セル16の内表面に表層26を形成したものである。
【0018】
ハニカム構造体12は、多孔質隔壁24によって区画された多数のセル14を備えている。多孔質隔壁24の材料としては、強度、耐熱性の観点から、珪素−炭化珪素系複合材料、炭化珪素、コージェライト、アルミニウムチタネート、ムライト、窒化珪素及びサイアロンからなる群より選ばれたものが好ましく、特に、炭化珪素や珪素−炭化珪素系複合材料が好ましい。多孔質隔壁24の厚さは、200μm以上600μm未満であることが好ましい。多孔質隔壁24の厚さが厚いほど捕集効率が向上するが、初期の圧力損失は増加する。初期の圧力損失やPM堆積時の圧力損失、捕集効率のトレードオフを考慮すると、上述した数値範囲が好ましい。多孔質隔壁24の平均細孔径(水銀圧入法による)は、10μm以上60μm未満、気孔率は、40%以上65%未満であることが好ましい。ハニカム構造体12に形成された多数のセル14には、図2に示すように、入口16aが開放され出口16bが出口封止材18により封止された入口開放セル16と、入口20aが入口封止材22により封止され出口20bが開放された出口開放セル20とがある。これらの入口開放セル16と出口開放セル20とは、隣接するように交互に設けられている。セル密度は、15セル/cm2以上65セル/cm2未満であることが好ましい。
【0019】
表層26は、入口開放セル16の内表面を被覆する膜であり、多孔質隔壁24よりも小さな細孔を持っている。但し、入口開放セル16の内表面のうち入口周辺領域28は、表層26の膜厚がゼロとなっている。ここで、入口周辺領域28とは、入口開放セル16の入口16aから、出口開放セル20の入口20aを封止する入口封止材22の長さだけ奥へ進んだ位置までの領域である。また、表層26は、入口周辺領域28の終端から出口16bに向かって徐々に膜厚が厚くなるテーパ部26aを有している。表層26は、例えば、多孔質隔壁24で用いた原料粉末と、有機バインダ(ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど)と、結合材(コロイダルシリカなど)と、水とを混合してスラリーを調製し、このスラリーを塗布・乾燥したものとしてもよい。表層26の厚さは、多孔質隔壁24の厚さの0.5%以上30%未満であることが好ましい。この数値範囲内であれば、PM堆積時及びPMが堆積していない初期状態の圧力損失を低く抑え得るため好ましい。表層26のピーク細孔径は、多孔質隔壁24より小さく、2μm以上8μm未満であることが好ましい。ピーク細孔径が2μm未満ではPMが堆積していない初期の圧力損失が過大になるおそれがあり、8μmを超えると表層の捕集効率が悪化し、多孔質隔壁の細孔にPMが侵入するおそれがある。なお、表層26のピーク細孔径は、表層26が付いている多孔質隔壁24と付いていない多孔質隔壁24の細孔分布(水銀圧入法による)を測定し、その測定結果の差を表層26の細孔分布とみなし、そのピーク値として求めることができる。表層26の気孔率は、40%以上80%未満であることが好ましい。気孔率が40%以上であればPM堆積時の圧力損失低減の効果が大きくなるため好ましいが、80%以上になると膜の耐久性が低下するおそれがある。なお、堆積されるPMの酸化を促進するために、表層26に白金及びパラジウムの少なくとも一方を含む触媒を担持してもよい。
【0020】
ここで、入口周辺領域28では表層26の膜厚がゼロであるが、表層26の膜厚がゼロとは、表層26が全く存在していない場合のほか、次の場合も含む。すなわち、入口開放セル16の入口周辺領域28の断面の研磨面をSEMにて倍率200倍で観察したときのSEM画像(図3参照)で、表層26の最上端及び最下端をそれぞれ通過する線(入口開放セル16の軸方向と平行でSEM画像の画面の両側にわたる線)を引く。そして、最上端を通過する線上で表層26を構成する粒子(以下「表層構成粒子」という)のうち隣り合う2つの表層構成粒子が多孔質隔壁24を構成する粒子(その粒子の平均粒子径以上の大きさのもの)によって分断されている箇所又は表層構成粒子の平均粒子径の6倍以上の空間によって分断されている箇所には表層構成粒子が存在しないとみなす。その上で、最上端を通過する線上に占める表層構成粒子の割合(但し、隣り合う2つの表層構成粒子の間隔が表層構成粒子の平均粒径の4倍未満であればその間隔は表層構成粒子が存在する箇所とみなす)がトータルで線全体の50%以上になるか否かの判定を行う。そして、否定判定だった場合には、表層構成粒子の平均粒子径分だけ下に移動して線を引き直し、該引き直した線について再び同様の判定を行う、という作業を肯定判定になるまで繰り返す。そして、肯定判定されたときの線を表層26の上側境界線とする。また、最下端を通過する線についても同様の判定を行い、否定判定だった場合には、表層構成粒子の平均粒子径分だけ上に移動して線を引き直し、該引き直した線について再び同様の判定を行う、という作業を肯定判定になるまで繰り返し行い、肯定判定されたときの線を表層26の下側境界線とする。このようにして表層26の上側境界線と下側境界線とを決定したあと、両境界線の間の距離を表層26の膜厚と定義する。このため、上側境界線と下側境界線とが一致した場合のほか、上側境界線や下側境界線を決定できなかった場合や最上端を通過する線や最下線を通過する線を引くことができなかった場合なども、膜厚はゼロとなる。
【0021】
図4は、多孔質隔壁24の上に表層構成粒子が視認できないため、最上端を通過する線や最下線を通過する線を引くことができない。よって、表層26の膜厚はゼロとみなす。図5及び図6は、多孔質隔壁24の上に表層構成粒子が視認されるため、最上端を通過する線や最下線を通過する線を引くことができる。ここで、最上端を通過する線では表層構成粒子が平均粒子径の6倍以上の大きな空間によって分断されていたり多孔質隔壁24を構成する粒子(その粒子の平均粒子径以上の大きさのもの)によって大きく分断されていたりするため、上述した判定で否定判定され、表層構成粒子の平均粒子径分だけ下に移動して線を引き直し、その線について再び同様の判定を行うという作業を繰り返すことになる。しかし、引き直した線が最下端を通過する線又はその線より下方に至っても否定判定は覆らないため、結局、上側境界線を引くことができない。よって、表層26の膜厚はゼロとみなす。なお、平均粒子径は、SEM画像上で粒子を含むように線を引きその線に乗った粒子部分の長さの総和を線に乗った粒子の数で除した値を仮粒子径(例えば図7では(L1+L2+L3)/3)とし、この仮粒子径をそれぞれ異なる線を引いて3回算出し、それらの仮粒子径の平均値とした。
【0022】
次に、このようにして得られたハニカムフィルタ10の作用について説明する。本実施形態では、ハニカムフィルタ10を図示しないディーゼルエンジンの下流側に搭載し、PMを含む排ガスを浄化して大気へ放出する場合を例に挙げて説明する。図2の矢印は排ガスの流れを示す。ディーゼルエンジンからのPMを含む排ガスは、このハニカムフィルタ10の入口開放セル16の入口16aから入口開放セル16に流入したあと、表層26及び多孔質隔壁24をこの順に通過して隣接する出口開放セル20に流入し、出口開放セル20の出口20bから大気へ放出される。ここで、PMを含む排ガスは、入口開放セル16から表層26及び多孔質隔壁24を通過して出口開放セル20に流入するときにPMが捕集されるため、出口開放セル20に流入した排ガスは、PMを含まないクリーンな排ガスになる。また、排ガス中のPMは、捕集開始直後から表層26の表面で捕集されるため、多孔質隔壁24の細孔に侵入することはない(つまり深層濾過が起こらない)。このため、多孔質隔壁24の実質的な気孔率が低下することはなく、深層濾過による圧力損失の急上昇を招くこともない。更に、入口開放セル16の入口周辺領域28の多孔質隔壁24はまわりに出口開放セル20の入口20aを封止する入口封止材22が存在しているため、排ガスはこの入口周辺領域28の多孔質隔壁24をほとんど通過できない。このため、入口周辺領域28には剥離渦が発生するが、この入口周辺領域28では表層26の膜厚がゼロつまり表層26が実質的に存在していないから、入口周辺領域28で発生した剥離渦による表層26の剥離が起きず、剥離片が生じない。また、剥離片が生じないため、その剥離片の衝突による表層26全体の崩壊も起こらない。
【0023】
次に、ハニカムフィルタ10の製造例について図8を用いて説明する。ここでは、ハニカムフィルタ10を、(a)ハニカム構造体12の製造、(b)保護膜32の形成、(c)表層用スラリー34の塗布、(d)保護膜32の除去、という工程を経ることにより製造する手順を説明するが、特にこの手順に限定されるものではなく、結果的にハニカムフィルタ10が得られるのであれば別の手順を採用してもよい。
【0024】
(a)ハニカム構造体12の製造
多孔質隔壁24の材料として例示したものの原料を、有機バインダや界面活性剤、造孔剤などと混合・混練して坏土を得る。混合・混練する際には、例えば、ニーダーや真空土練機などを用いることができる。得られた坏土を、押出成形、射出成形、プレス成形などにより多数のセルを備えたハニカム成形体を作製する。このハニカム成形体の一方の面(入口面)に並ぶセルの開口を一つおきに封止材で封止し、他方の面(出口面)に並ぶセルの開口のうち先ほど封止しなかったセルの開口を封止材で封止する。封止方法は、特に限定されないが、例えば、ハニカム成形体を成形したときの原料を用いて封止用スラリーを調製して容器に貯留しておき、ハニカム成形体の入口面に、封止しようとするセルの開口に対向する箇所だけ穴があけられたマスクを被せ、マスクを被せた側を封止用スラリーに所定深さ(封止材の長さに相当)だけ浸漬し、封止しようとするセルの開口を封止材で封止する。なお、出口面についても、同様に処理すればよい。その後、封止材で封止したハニカム成形体を乾燥させる。乾燥手段は、特に限定されるものではなく、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥などを用いることができる。続いて、乾燥後のハニカム成形体を本焼成する前に仮焼する。仮焼とは、ハニカム成形体中の有機物(有機バインダ、造孔剤など)を燃焼させて除去する処理をいう。一般に有機バインダの燃焼温度は100〜300℃程度、造孔剤の燃焼温度は200〜800℃であるので、仮焼温度は200〜1000℃程度とすればよい。仮焼時間は、使用する有機物などに応じて適宜設定すればよいが、通常は1〜50時間程度である。仮焼後のハニカム成形体を焼成(本焼成)することによって、多数のセル14(入口開放セル16及び出口開放セル20)を備えたハニカム構造体12を得る(図8(a)参照)。本焼成の温度や時間は、成形原料の種類により適宜設定すればよい。なお、ここでは、押出成形によりハニカム構造体12と同型のハニカム成形体を作製するものとしたが、押出成形により断面四角形(例えば正方形)のハニカムセグメント成形体を作製し、上述した封止材による封止、乾燥、仮焼、本焼成を経てハニカムセグメントとし、複数のハニカムセグメントを接合材で接合して角柱状の積層体とし、この積層体から円筒体を切り出し、外周をコーティングしてハニカム構造体12としてもよい。
【0025】
(b)保護膜32の形成
ハニカム構造体12の入口開放セル16の内表面のうち、入口16aから出口開放セル20の入口封止材22の長さだけ奥へ進んだ位置までの領域である入口周辺領域28に保護膜32を形成する(図8(b)参照)。この保護膜32は、次の工程で表層26の原料を水に分散させた表層用スラリー34が入口周辺領域28に付着するのを防止するためのものである。このため、表層用スラリー34の付着を防止可能であれば、どのような材料でも構わない。但し、表層用スラリー34が水を含んでいることを考慮すれば、撥水性のものが好ましい。また、保護膜32の除去の容易さを考慮すると、熱分解可能な有機物であることが好ましい。こうしたことから、保護膜32の材料としては、蝋、高分子フィルム、フッ素樹脂などが好ましい。例えば、蝋を用いる場合には、予め容器内で蝋を溶かしておき、ハニカム構造体12の入口面を下にしてこの容器に入口周辺領域28に相当する深さだけ浸漬させたあと引き上げて蝋を塗布してもよいし、固形の蝋を用いて直接入口周辺領域28に塗布してもよい。
【0026】
(c)表層用スラリー34の塗布
表層26の原料を水に分散させた表層用スラリー34に、保護膜32を形成したハニカム構造体12を入口開放セル16の入口16aを下にして浸漬することにより入口開放セル16内を表層用スラリー34で充填する(図8(c)参照)。この場合、ハニカム構造体12の全体を表層用スラリー34に沈めてもよいが、出口開放セル20には表層用スラリー34を充填する必要はないため、表層用スラリー34の液面よりも出口開放セル20の出口20bがわずかに上になるように沈めてもよい。浸漬時間は、使用する表層用スラリー34の濃度などに応じて適宜設定すればよい。浸漬終了後、ハニカム構造体12を表層用スラリー34から引き上げ、入口面を上にして乾燥する。こうすることにより、塗布された表層用スラリー34は自重により入口周辺領域28の後端から奥へ向かってテーパが形成される。なお、表層用スラリー34を塗布するには、これ以外に、ハニカム構造体12の入口面を上にして掛け流し方式で表層用スラリー34を入口開放セル16に充填したあと出口面から吸引して濾液を排出したり、ハニカム構造体12の入口面を下にして圧送方式で入口開放セル16に表層用スラリー34を充填したあと入口面を上にして出口面から吸引して濾液を排出したりしてもよい。
【0027】
(d)保護膜32の除去
入口開放セル16の入口周辺領域28から保護膜32を除去する。保護膜32の除去は研削などにより物理的に行ってもよいが、保護膜32が熱分解可能な有機物の場合には、表層用スラリー34を塗布したハニカム構造体12を、その有機物の熱分解温度以上に熱処理すれば容易に保護膜32を除去することができる。なお、保護膜32の除去を物理的に行った場合には、入口周辺領域28に塗布された表層用スラリー34を多孔質隔壁表面に固着させて表層26にするために熱処理が必要であるが、保護膜32を熱分解により除去する場合には、保護膜32の除去と同時に表層用スラリー34も多孔質隔壁表面に固着されて表層26になるため、ハニカムフィルタ10の製造工程が簡素化される。
【0028】
(e)触媒の担持
保護膜32を除去したあとのハニカム構造体12に触媒を担持することにより、ハニカムフィルタ10が完成する。具体的には、触媒スラリーを調製し、ハニカム構造体12の出口面から触媒スラリーを吸引して出口開放セル20に流入させ、多孔質隔壁24に多くの触媒が存在するように担持する。なお、ハニカム構造体12の入口面から触媒スラリーを吸引して入口開放セル16に流入させ、表層26に多くの触媒が存在するように担持してもよいし、触媒スラリーを入口開放セル16及び出口開放セル20の両方に流入させ、多孔質隔壁24及び表層26の両方に触媒が存在するように担持してもよい。また、触媒は、多孔質隔壁24のみにコートされていてもよいし、表層26のみにコートされていてもよいし、多孔質隔壁24と表層の両方にコートされていてもよい。触媒としては、特に限定するものではないが、例えばPMの酸化を促進する酸化触媒が挙げられる。酸化触媒としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の貴金属が好適に用いられる。また、酸化触媒に加えて、他の触媒や浄化材が担持されていてもよい。他の触媒や浄化材としては、例えば、アルカリ金属(Li、Na、K、Cs等)やアルカリ土類金属(Ca、Ba、Sr等)からなるNOx吸蔵触媒、三元触媒、セリウム(Ce)及び/又はジルコニウム(Zr)の酸化物に代表される助触媒、HC(Hydro Carbon)吸着材等が挙げられる。更に、酸化触媒には、Ceとそれ以外の少なくとも1種の希土類金属、アルカリ土類金属、または遷移金属を含んでもよい。ここで、希土類金属としては、たとえば、Sm,Gd,Nd,Y,La,Pr等から選択される1種以上が挙げられ、アルカリ土類金属としては、たとえば、Mg,Ca,Sr,Ba等から選択される1種以上が挙げられ、遷移金属としては、たとえば、Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Sc,Ti,V,Cr等から選択される1種以上が挙げられる。触媒を担持する方法としては、上述した吸引法のほかに、従来公知の触媒担持方法を採用してもよい。あるいは、表層用スラリーを塗布する前に、触媒スラリーを多孔質隔壁24に塗布したあと乾燥、熱処理して多孔質隔壁24のみに触媒を担持してもよいし、表層用スラリーに触媒を添加したものを塗布したあと乾燥、熱処理して表層26のみに触媒を担持してもよい。なお、触媒の種類としては、ここで例示したものに限定されず、本発明の効果を奏することができるものであれば適用できる。
【0029】
以上説明した本実施形態のハニカムフィルタ10では、入口周辺領域28に剥離渦が発生するが、この入口周辺領域28では表層26の膜厚がゼロつまり表層26が実質的に存在していないから入口周辺領域28で発生した剥離渦による剥離が起きず、剥離片が生じない。また、剥離片が生じないため、その剥離片による表層26全体の崩壊も起こらない。このように、本実施形態のハニカムフィルタ10によれば、入口開放セル16の内表面を覆う表層26の剥離を防止することができる。また、表層26はテーパ部26aを有しているため、入口開放セル16に流入した排ガスはそのテーパ部26aに当たる。このため、表層26を剥離させることがない。なお、入口開放セル16の入口周辺領域28以外の領域では、排ガスが表層26及び多孔質隔壁24をこの順に通過するため、表層26は排ガスによって多孔質隔壁24へ押圧され、剥離しにくい。
【0030】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【実施例】
【0031】
[実施例1]
ハニカムフィルタを、(a)ハニカム構造体の製造、(b)保護膜の形成、(c)表層用スラリーの塗布、(d)保護膜の除去、(e)触媒の塗布という工程を経ることにより製造した。
【0032】
(a)ハニカム構造体の作製
ここでは、断面正方形のハニカムセグメント成形体を作製し、封止材による封止、乾燥、仮焼、本焼成を経てハニカムセグメントとし、複数のハニカムセグメントを接合材で接合して角柱状の積層体とし、この積層体から円筒体を切り出し、外周をコーティングしてハニカム構造体とした。
【0033】
ハニカムセグメントの原料として、まず、平均粒径32.6μmのSiC粉末80重量部と、平均粒径4μmの金属Si粉末20重量部とを混合し、これに有機バインダとしてメチルセルロース6重量部、界面活性剤2.5重量部、水24重量部を加え、均一に混合及び混練して成形用坏土を得た。この成形用坏土を押出成形し、マイクロ波及び熱風で乾燥して隔壁の厚さが310μm(12mil)、セル密度が約46.5セル/cm2(300セル/平方インチ)、断面が一辺35mmの正方形、長さが152mmのハニカムセグメント成形体を得た。このハニカムセグメント成形体の一方の面(入口面)に並ぶセルの開口を一つおきに封止材で封止した。また、もう一方の面(出口面)に並ぶセルの開口のうち、先ほど封止材で封止しなかったセルの開口を封止材で封止した。封止材は、ハニカムセグメント成形体と同材料で作製し、長さを5mmとした。次に、封止材を詰めたハニカム成形体を乾燥させた後、大気雰囲気中約400℃で脱脂し、その後、アルゴン雰囲気中約1450℃で焼成して、SiC粒子をSiで結合させた多孔質構造のハニカムセグメントを得た。このハニカムセグメントは、平均細孔径が15μm、気孔率が49.0%であった。
【0034】
一方、無機繊維としてのアルミノシリケート繊維、無機バインダとしてのコロイダルシリカ、粘土及び無機粒子としてのSiCを混合したものに更に水を加えて、ミキサーにて30分間混練を行い、ペースト状の接合材を得た。そして、この接合材をハニカムセグメントの外壁面に厚さ約1mmとなるようにコーティングして接合材層を形成し、この接合材層を介して別のハニカムセグメントを積層するという作業を繰り返し行うことで、縦4個、横4個の合計16個のハニカムセグメントからなる積層体を作製し、外部より圧力を加えて全体を接合させた後、140℃、2時間乾燥してハニカムセグメント接合体を得た。その後、ハニカムセグメント接合体の外周を円筒状に研削後、コーティング材を塗布し、700℃で2時間乾燥硬化させ、ハニカム構造体を得た。このハニカム構造体の多数のセルのうち、入口が封止材で封止され出口が開放されたセルが出口開放セル、入口が開放され出口が封止材で封止されたセルが入口開放セルである。
【0035】
(b)保護膜の形成
次に、ハニカム構造体の入口開放セルの内表面のうち、入口から出口開放セルの封止材の長さだけ奥へ進んだ位置までの入口周辺領域に蝋を塗布した。これにより、入口周辺領域は、蝋からなる保護膜で覆われた。
【0036】
(c)表層用スラリーの塗布
次に、表層を作製するための表層用スラリーを調製した。すなわち、水95重量部に有機バインダであるカルボキシメチルセルロース0.5重量部を溶かし、その水溶液に骨材粉末である平均粒径10μmのSiC粉末2.5重量部、結合材であるコロイダルシリカ溶液(固形分40%)5重量部をこの順に加えて撹拌し、表層用スラリーとした。そして、この表層用スラリーに、入口周辺領域が保護膜で覆われたハニカム構造体を入口側を下にして出口封止材の深さ分だけ残して浸漬し、その後、引き上げた。これにより、入口開放セルの内表面のうち保護膜で覆われた入口周辺領域以外の領域にスラリーがディップコーティングされた。
【0037】
(d)保護膜の除去
次に、ディップコーティング後のハニカム構造体を入口側を上にして乾燥した後、700℃、0.5時間熱処理することにより保護膜を炭酸ガスと水に分解して消失させ、同時に多孔質隔壁表面に表層を固着させた。
【0038】
(e)触媒の塗布
そして、得られたハニカムフィルタに触媒を担持した。触媒スラリーは、Ptを担持したγ−Al23触媒とCeO2粉末(助触媒)にAl23ゾルと水を添加して調製した。次いで、触媒スラリーを、ウォッシュコートにより、白金成分がハニカムフィルタに対し1.06g/L、全触媒成分が30g/Lとなるように担持した。触媒の担持は、ハニカムフィルタの排ガス流出側の端面から触媒スラリーをセル(排ガス流出側のセル)内に流入させ、隔壁に多くの触媒が存在するよう担持した。そして、120℃の温度で乾燥後、更に500℃3時間の熱処理を行うことにより、触媒を担持した実施例1のハニカムフィルタを得た。このハニカムフィルタの表層は、平均膜厚が38μm(入口周辺領域の平均膜厚は0μm)、平均細孔径が3.2μm、気孔率が48%であった。また、表層は、入口周辺領域の終端から出口に向かって膜厚が徐々に増加するテーパ部を有していた。
【0039】
[比較例1]
工程(b)を省略した以外は、実施例1と同様にしてハニカムフィルタを製造した。このハニカムフィルタの表層の平均膜厚は40μm(入口周辺領域の平均膜厚は5μm)であった。
【0040】
[評価]
実施例1,比較例1のハニカムフィルタにつき、以下の試験1〜試験4を実施し、試験前圧損と試験後圧損とを比較した。
(試験1)試験前圧損の測定
コモンレール式2.0Lディーゼルエンジンのターボチャージャー直下にハニカムフィルタを搭載し、エンジン回転数2000rpm、トルク50Nm一定でエンジンを運転し、ハニカムフィルタの単位容量あたりのスート堆積量が4g/Lになったときの圧力損失を測定し、これを試験前圧損とした。
(試験2)高回転・高負荷試験
次に、エンジン回転数4000rpm、トルク250Nmという高回転・高負荷で15分運転した。
(試験3)加熱加振試験
加熱加振試験として、ホットバイブレーション試験を実施した。即ち、ディーゼルエンジンからハニカムフィルタを取り外し、ハニカムフィルタに空気を流しながら、1000℃×20分、500℃×20分という熱サイクルで処理したあと、30Gの振動を100時間加え続けた。空気の総流量は2m3 とした。
(試験4)試験後圧損の測定
再びハニカムフィルタをディーゼルエンジンに搭載し、初期圧力損失を測定したときと同様にして圧力損失を測定し、これを試験後圧損とした。実施例1,比較例1の試験前圧損と試験後圧損の結果を表1に示す。なお、表1には、実施例1,比較例1のハニカムフィルタをそれぞれ3つ作製し、試験1〜試験4を3回繰り返したときの平均値を掲載した。
【0041】
【表1】

【0042】
(考察)
比較例1のハニカムフィルタでは、試験2において、入口周辺領域の表層が剥離渦の発生により剥離し、その剥離片が下流へ流れていき、試験3において、その剥離片が入口周辺領域より下流側の表層に衝突し削ることで、表層全体を崩壊させたと考えられる。そのため、試験4において、表層が機能せず、表層を有さない従来の多孔質隔壁と同等の圧損上昇挙動を示すようになったと考えられる。一方、実施例1のハニカムフィルタでは、試験2において、剥離渦が発生する入口周辺領域に表層が形成されていないため剥離が生じず、高回転・高負荷試験及び加熱加振試験の実施前と実施後において圧損の変化が見られなかった。
【0043】
また、実施例1及び比較例1のハニカムフィルタにつき、試験1〜4の終了後に電気炉にて堆積スートを焼き飛ばし、その後入口側を下向きにして出口端面をたたいたところ、比較例1では表層を構成していたSiC粒子が出てきたのに対し、実施例1ではそのような粉末は出てこなかった。
【0044】
なお、上述した実施例1では、多孔質隔壁を珪素−炭化珪素系複合材料で作製したが、コージェライトで作製する場合については特開2008−272664号公報や実用新案登録第2607898号公報を参考にして上述した実施例1と同様の手順で作製することができる。
【符号の説明】
【0045】
10 ハニカムフィルタ、12 ハニカム構造体、14 セル、16 入口開放セル、16a 入口、16b 出口、18 出口封止材、20 出口開放セル、20a 入口、20b 出口、22 入口封止材、24 多孔質隔壁、26 表層、26a テーパ部、28 入口周辺領域、32 保護膜、34 表層用スラリー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質隔壁によって区画された多数のセルを備え、該多数のセルには、入口が開放され出口が出口封止材により封止された入口開放セルと、入口が入口封止材により封止され出口が開放された出口開放セルとがあり、前記入口開放セルと前記出口開放セルとが隣接するように設けられ、前記入口開放セルの内表面は前記多孔質隔壁よりも小さな細孔を持つ表層で覆われているハニカムフィルタであって、
前記入口開放セルの内表面のうち入口から、該内表面の背面にある前記入口封止材の長さだけ奥へ進んだ位置までの入口周辺領域では、前記表層の膜厚が実質的にゼロである、
ハニカムフィルタ。
【請求項2】
前記表層は、前記入口開放セルの内表面のうち前記入口周辺領域の終端から出口に向かって徐々に膜厚が厚くなるテーパ部を有している、
請求項1に記載のハニカムフィルタ。
【請求項3】
前記多孔質隔壁及び前記表層の少なくとも一方には触媒が担持されている、
請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−234317(P2010−234317A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86986(P2009−86986)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】