説明

ハニカム構造体

【課題】本発明は、SCRシステムにおいて、NOxの浄化率を向上させることが可能なハニカム構造体を提供することを目的とする。
【解決手段】ハニカム構造体10は、ゼオライトと、無機バインダとを含み、複数の貫通孔12が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカムユニット11を有し、隔壁の厚さが0.10mm以上0.50mm以下であり、長手方向に垂直な断面を外周から中心Oに対して等間隔で2分割した場合に、隔壁の厚さは、中心側の領域Aよりも外周側の領域Bが大きく、長手方向に垂直な断面の開口率は、外周側の領域Bよりも中心側の領域Aが大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカム構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の排ガスを浄化するシステムの一つとして、アンモニアを用いて、NOxを窒素と水に還元するSCR(Selective Catalytic Reduction)システムが知られている(下記参照)。
【0003】
4NO+4NH+O→4N+6H
6NO+8NH→7N+12H
NO+NO+2NH→2N+3H
また、SCRシステムにおいて、アンモニアを吸着する材料として、ゼオライトが知られている。
【0004】
一方、特許文献1には、ハニカムユニットが無機粒子と、無機繊維及び/又はウィスカを含んでなり、無機粒子は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ムライト及びゼオライトからなる群より選択される一種以上であるハニカム構造体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第06/137149号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、主原料として、ゼオライトを用いたハニカム構造体をSCRシステムで使用すると、排ガスの大部分がハニカム構造体の中心部に流れるため、ハニカム構造体の外周部のゼオライトに吸着したアンモニアがNOxの浄化に有効に使用されず、NOxの浄化率が不十分となるという問題がある。これは、ハニカム構造体の中心部に排ガスが流れることにより、ハニカム構造体の中心部が高温になり、外周部が低温になるためと考えられる。したがって、NOxの還元反応のメカニズムが、温度によって異なると考えられ、具体的には、高温では、反応速度が拡散速度と比較して大きいため、ハニカム構造体の隔壁の内部まで排ガスが浸透せず、隔壁の内部のゼオライトに吸着したアンモニアがNOxの浄化に有効に使用されないと考えられる。
【0007】
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、SCRシステムにおいて、NOxの浄化率を向上させることが可能なハニカム構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のハニカム構造体は、ゼオライトと、無機バインダとを含み、複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカムユニットを有するハニカム構造体であって、隔壁の厚さが0.10mm以上0.50mm以下であり、長手方向に垂直な断面を外周から中心に対して等間隔で2分割した場合に、隔壁の厚さは、中心側の領域よりも外周側の領域が大きく、長手方向に垂直な断面の開口率は、外周側の領域よりも中心側の領域が大きい。
【0009】
また、上記の外周側の領域は、前記隔壁の厚さが0.15mm以上0.50mm以下であることが望ましい。
【0010】
また、上記の中心側の領域は、前記隔壁の厚さが0.10mm以上0.45mm以下であることが望ましい。
【0011】
また、上記の外周側の領域は、上記の開口率が35%以上65%以下であることが望ましい。
【0012】
また、上記の中心側の領域は、上記の開口率が55%以上75%以下であることが望ましい。
【0013】
また、上記のハニカムユニットは、見掛けの体積当たりの上記のゼオライトの含有量が230g/L以上270g/L以下であることが望ましい。
【0014】
また、上記のゼオライトは、β型ゼオライト、Y型ゼオライト、フェリエライト、ZSM−5型ゼオライト、モルデナイト、フォージサイト、ゼオライトA及びゼオライトLからなる群より選択される一種以上であることが望ましい。
【0015】
また、上記のゼオライトは、アルミナに対するシリカのモル比が30以上50以下であることが望ましい。
【0016】
また、上記のゼオライトは、Fe、Cu、Ni、Co、Zn、Mn、Ti、Ag及びVからなる群より選択される一種以上でイオン交換されていることが望ましい。
【0017】
また、上記のゼオライトは、二次粒子を含み、二次粒子の平均粒径が0.5μm以上10μm以下であることが望ましい。
【0018】
また、上記のハニカムユニットは、ゼオライトを除く無機粒子をさらに含有することが望ましく、ゼオライトを除く無機粒子は、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、セリア、ムライト及びこれらの前駆体からなる群より選択される一種以上であることが特に望ましい。
【0019】
また、上記の無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト及びアタパルジャイトからなる群より選択される一種以上に含まれる固形分であることが望ましい。
【0020】
また、上記のハニカムユニットは、無機繊維をさらに含むことが望ましく、無機繊維は、アルミナ、シリカ、炭化ケイ素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウム及びホウ酸アルミニウムからなる群より選択される一種以上であることが特に望ましい。
【0021】
また、上記のハニカム構造体は、複数の上記のハニカムユニットが接着層を介して接着されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、SCRシステムにおいて、NOxの浄化率を向上させることが可能なハニカム構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1A】本発明のハニカム構造体の一例を示す斜視図である。
【図1B】図1Aのハニカム構造体の長手方向に垂直な断面の拡大図である。
【図1C】図1Aのハニカム構造体の長手方向に垂直な断面を示す模式図である。
【図2A】本発明のハニカム構造体の長手方向に垂直な断面の他の例を示す模式図である。
【図2B】本発明のハニカム構造体の長手方向に垂直な断面のさらに他の例を示す模式図である。
【図3A】本発明のハニカム構造体の他の例を示す斜視図である。
【図3B】図3Aのハニカムユニットを示す斜視図である。
【図4】NOxの浄化率の測定方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明を実施するための形態を図面と共に説明する。
【0025】
本発明のハニカム構造体は、ゼオライトと、無機バインダとを含み、複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカムユニットを有するハニカム構造体であって、隔壁の厚さが0.10mm以上0.50mm以下であり、長手方向に垂直な断面を外周から中心に対して等間隔で2分割した場合に、隔壁の厚さは、中心側の領域よりも外周側の領域が大きく、長手方向に垂直な断面の開口率は、外周側の領域よりも中心側の領域が大きい。なお、本発明のハニカム構造体は、外周面に外周コート層が形成されていてもよく、中心側の領域及び外周側の領域は、ハニカム構造体が外周コート層を有する場合、外周コート層を除くハニカム構造体で規定され、ハニカム構造体が外周コート層を有さない場合、ハニカム構造体で規定される。
【0026】
図1A、図1B及び図1Cに、本発明のハニカム構造体の一例を示す。なお、図1A、図1B及び図1Cは、それぞれハニカム構造体10の斜視図、長手方向に垂直な断面の拡大図及び長手方向に垂直な断面を示す模式図である。ハニカム構造体10は、ゼオライトと、無機バインダとを含み、複数の貫通孔12が隔壁を隔てて長手方向に並設された単一のハニカムユニット11の外周面に外周コート層14が形成されている。このとき、隔壁の厚さが0.10〜0.50mmである。また、外周コート層14を除くハニカム構造体10の長手方向に垂直な断面を、外周から中心Oに対して等間隔で2分割した場合に、隔壁の厚さは、中心側の領域Aよりも外周側の領域Bが大きく、長手方向に垂直な断面の開口率は、外周側の領域Bよりも中心側の領域Aが大きい。なお、中心側の領域Aと外周側の領域Bの境界を境界線Cとする。このようなハニカム構造体10をSCRシステム(例えば、尿素SCRシステム)に適用すると、排ガスの大部分が流れるハニカム構造体10の中心側の領域Aの隔壁の内部のゼオライトに吸着したアンモニアをNOxの浄化に有効に使用することができる。このとき、高温となる中心側の領域Aでは、NOxが隔壁内を拡散する拡散速度よりも、ゼオライトに吸着したアンモニアとNOxの反応の反応速度が支配的になるため、隔壁の厚さが小さいことにより、隔壁の内部のゼオライトをNOxの浄化に有効に使用できると考えられる。さらに、中心側の領域Aでは、ハニカムユニット11の開口率が大きいため、圧力損失が大きくならない。その結果、NOxの浄化率を向上させることができると考えられる。一方、低温となる外周側の領域Bでは、ゼオライトに吸着したアンモニアとNOxの反応の反応速度よりも、NOxが隔壁内を拡散する拡散速度が支配的になるため、中心側の領域Aよりも、隔壁の厚さを大きくして、開口率を小さくすることにより、NOxの浄化率を向上させることができると考えられる。
【0027】
なお、隔壁の厚さが0.10mm未満であると、ハニカムユニット11の強度が低下し、0.50mmを超えると、排ガスが隔壁の内部まで浸透しにくくなって、ゼオライトがNOxの浄化に有効に使用されにくくなる。
【0028】
以下、ハニカム構造体10について、具体的に説明する。ハニカムユニット11には、境界線Cを介して、中心側の領域Aと外周側の領域Bが存在するが、境界線Cは、ハニカムユニット11の長手方向に垂直な断面において、中心Oと外周を結ぶ線分を二等分した点を結んだ線である。このため、境界線Cは、ハニカムユニット11の外周に対して、相似形となる。また、中心側の領域A及び外周側の領域Bにおいて、隔壁(境界線Cと交差する隔壁を除く)の厚さは一定である。このとき、境界線Cと交差する隔壁の厚さは、中心側の領域Aの隔壁の厚さである。
【0029】
なお、中心側の領域A及び外周側の領域Bの隔壁の厚さは、それぞれの領域において、境界線Cと交差しない隔壁から求めることができる。また、中心側の領域A及び外周側の領域Bの開口率は、それぞれの領域において、境界線Cと交差する貫通孔12及び隔壁を含まない領域から求めることができる。
【0030】
本発明のハニカム構造体は、それぞれ中心側の領域及び外周側の領域において、隔壁の厚さは、一定であってもよいし、連続的又は不連続的に変化してもよい。隔壁の厚さが中心側の領域内で変化する場合は、隔壁の内部のゼオライトをNOxの浄化に有効に使用するため、高温になりやすいハニカム構造体の中心に近い程、隔壁の厚さが小さいことが好ましい。また、隔壁の厚さが外周側の領域内で変化する場合は、隔壁の内部のゼオライトをNOxの浄化に有効に使用するため、低温になりやすいハニカム構造体の外周に近い程、隔壁の厚さが大きいことが好ましい。
【0031】
中心側の領域Aは、隔壁の厚さが0.10〜0.45mmであることが好ましく、0.15〜0.35mmがさらに好ましい。中心側の領域Aの隔壁の厚さが0.10mm未満であると、ハニカムユニット11の強度が低下することがあり、0.45mmを超えると、中心側の領域Aの隔壁の内部のゼオライトがNOxの浄化に有効に使用されないことがある。
【0032】
外周側の領域Bは、隔壁の厚さが0.15〜0.50mmであることが好ましく、0.20〜0.40mmがさらに好ましい。外周側の領域Bの隔壁の厚さが0.15mm未満であると、ハニカムユニット11の強度が低下することがあり、0.50mmを超えると、外周側の領域Bの隔壁の内部のゼオライトがNOxの浄化に有効に使用されないことがある。
【0033】
中心側の領域Aの隔壁の厚さに対する外周側の領域Bの隔壁の厚さの比が1.1〜2.0であることが好ましい。この比が1.1未満であると、中心側の領域Aの隔壁の内部のゼオライトがNOxの浄化に有効に使用されないことがあり、2.0を超えると、隔壁の厚さが変化する部分に応力が印加されて、ハニカムユニット11の強度が不十分となることがある。
【0034】
中心側の領域Aは、開口率が55〜75%であることが好ましい。中心側の領域Aの開口率が55%未満であると、圧力損失が大きくなって燃費が低下することがあり、75%を超えると、ハニカムユニット11の強度が不十分となることがある。
【0035】
外周側の領域Bは、開口率が35〜65%であることが好ましい。外周側の領域Bの開口率が35%未満であると、隔壁の内部のゼオライトがNOxの浄化に有効に使用されなかったり、圧力損失が大きくなったりすることがあり、65%を超えると、ハニカムユニット11の強度が不十分となることがある。
【0036】
中心側の領域Aの開口率に対する外周側の領域Bの開口率の比が0.6〜0.9であることが好ましい。この開口率の比が0.6未満であると、隔壁の厚さが変化する部分に応力が印加されて、ハニカムユニット11の強度が不十分となることがあり、0.9を超えると、中心側の領域Aの隔壁の内部のゼオライトがNOxの浄化に有効に使用されないことがある。
【0037】
ハニカムユニット11は、見掛けの体積当たりのゼオライトの含有量が230〜270g/Lであることが好ましい。なお、ハニカムユニットの見掛けの体積は、貫通孔を含む体積を意味とする。ハニカムユニット11の見掛けの体積当たりのゼオライトの含有量が230g/L未満であると、十分なNOxの浄化率を得るためにハニカムユニット11の見掛けの体積を大きくしなければならないことがあり、270g/Lを超えると、ハニカムユニット11の強度が不十分になることがある。
【0038】
ゼオライトとしては、特に限定されないが、β型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト、モルデナイト、フォージサイト、ゼオライトA、ゼオライトL等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0039】
また、ゼオライトは、アルミナに対するシリカのモル比が30〜50であることが好ましい。
【0040】
さらに、ゼオライトは、アンモニアの吸着能を大きくするために、イオン交換されていてもよい。イオン交換されるカチオン種としては、特に限定されないが、Fe、Cu、Ni、Co、Zn、Mn、Ti、Ag、V等が挙げられ、二種以上併用してもよい。イオン交換量は、1.0〜10.0重量%であることが好ましく、1.0〜5.0重量%が特に好ましい。イオン交換量が1.0重量%未満であると、イオン交換によるアンモニアの吸着能が不十分となることがあり、10.0重量%を超えると、熱を加えた際に、構造的に不安定になることがある。なお、ゼオライトをイオン交換する際には、カチオンを含有する水溶液中にゼオライトを浸漬すればよい。
【0041】
また、ゼオライトは、二次粒子を含むことが好ましく、ゼオライトの二次粒子の平均粒径が0.5〜10μmであることが好ましい。ゼオライトの二次粒子の平均粒径が0.5μm未満であると、無機バインダを多量に添加する必要があり、その結果、ハニカムユニット11を押出成形しにくくなることがあり、10μmを超えると、ゼオライトの比表面積が低下して、NOxの浄化率が低下することがある。
【0042】
さらに、ハニカムユニット11は、強度を向上させるために、ゼオライトを除く無機粒子をさらに含有してもよい。ゼオライトを除く無機粒子としては、特に限定されないが、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、セリア、ムライト及びこれらの前駆体等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、アルミナ、ジルコニアが特に好ましい。
【0043】
ゼオライトを除く無機粒子は、平均粒径が0.5〜10μmであることが好ましい。この平均粒径が0.5μm未満であると、無機バインダを多量に添加する必要があり、その結果、ハニカムユニット11を押出成形しにくくなることがあり、10μmを超えると、ハニカムユニット11の強度を向上させる効果が不十分になることがある。なお、ゼオライトを除く無機粒子は、二次粒子を含んでいてもよい。
【0044】
また、ゼオライトの二次粒子の平均粒径に対するゼオライトを除く無機粒子の二次粒子の平均粒径の比が1以下であることが好ましく、0.1〜1がさらに好ましい。この比が1を超えると、ハニカムユニット11の強度を向上させる効果が不十分になることがある。
【0045】
ハニカムユニット11は、ゼオライトを除く無機粒子の含有量が3〜30重量%であることが好ましく、5〜20重量%がさらに好ましい。この含有量が3重量%未満であると、ハニカムユニット11の強度を向上させる効果が不十分となることがあり、30重量%を超えると、ハニカムユニット11中のゼオライトの含有量が低下して、NOxの浄化率が低下することがある。
【0046】
無機バインダとしては、特に限定されないが、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト、アタパルジャイト等に含まれる固形分が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0047】
ハニカムユニット11は、無機バインダの含有量が5〜30重量%であることが好ましく、10〜20重量%がさらに好ましい。無機バインダの含有量が5重量%未満であると、ハニカムユニット11の強度が低下することがあり、30重量%を超えると、ハニカムユニット11の成形が困難になることがある。
【0048】
ハニカムユニット11は、強度を向上させるために、無機繊維をさらに含むことが好ましい。
【0049】
無機繊維としては、ハニカムユニット11の強度を向上させることが可能であれば、特に限定されないが、アルミナ、シリカ、炭化ケイ素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0050】
無機繊維は、アスペクト比が2〜1000であることが好ましく、5〜800がさらに好ましく、10〜500が特に好ましい。アスペクト比が2未満であると、ハニカムユニット11の強度を向上させる効果が小さくなることがある。一方、アスペクト比が1000を超えると、押出成形等の成形時に金型に目詰まり等が発生することがあり、また、成形時に無機繊維が折れて、ハニカムユニット11の強度を向上させる効果が小さくなることがある。
【0051】
ハニカムユニット11は、無機繊維の含有量が3〜50重量%であることが好ましく、3〜30重量%がさらに好ましく、5〜20重量%が特に好ましい。無機繊維の含有量が3重量%未満であると、ハニカムユニット11の強度を向上させる効果が小さくなることがあり、50重量%を超えると、ハニカムユニット11中のゼオライトの含有量が低下して、NOxの浄化率が低下することがある。
【0052】
ハニカムユニット11は、長手方向に垂直な断面の開口率が50〜65%であることが好ましい。開口率が50%未満であると、ゼオライトがNOxの浄化に有効に使用されなくなることがあり、65%を超えると、ハニカムユニット11の強度が不十分となることがある。
【0053】
ハニカムユニット11は、長手方向に垂直な断面の貫通孔12の密度が15.5〜124個/cmであることが好ましく、31〜93個/cmがさらに好ましい。貫通孔12の密度が15.5個/cm未満であると、排ガスとゼオライトが接触しにくくなって、ハニカムユニット11のNOx浄化能が低下することがあり、124個/cmを超えると、ハニカムユニット11の圧力損失が増大することがある。
【0054】
外周コート層14は、厚さが0.1〜2mmであることが好ましい。外周コート層14の厚さが0.1mm未満であると、ハニカム構造体10の強度を向上させる効果が不十分になることがあり、2mmを超えると、ハニカム構造体10の単位体積当たりのゼオライトの含有量が低下して、ハニカム構造体10のNOx浄化能が低下することがある。
【0055】
ハニカム構造体10は、円柱状であるが、本発明のハニカム構造体の形状としては、特に限定されず、略三角柱状(図2A参照)、楕円柱状(図2B参照)等が挙げられる。
【0056】
さらに、貫通孔12の形状は、四角柱状であるが、本発明において、貫通孔の形状としては、特に限定されず、三角柱状、六角柱状等が挙げられる。
【0057】
次に、ハニカム構造体10の製造方法の一例について説明する。まず、ゼオライト及び無機バインダを含み、必要に応じて、ゼオライトを除く無機粒子、無機繊維等をさらに含む原料ペーストを用いて押出成形等の成形を行い、複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された生の円柱状のハニカム成形体を作製する。これにより、焼成温度を低くしても、十分な強度を有する円柱状のハニカムユニット11が得られる。このとき、成形に用いる金型の構造を変化させて、例えば、ハニカムユニット11の隔壁の厚さ、貫通孔12の密度等を調整することにより、ハニカムユニット11の隔壁の厚さ及び開口率を調整することができる。
【0058】
なお、無機バインダは、原料ペースト中に、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト、アタパルジャイト等として添加されており、二種以上併用されていてもよい。
【0059】
また、原料ペーストには、有機バインダ、分散媒、成形助剤等を、必要に応じて、適宜添加してもよい。
【0060】
有機バインダとしては、特に限定されないが、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。なお、有機バインダの添加量は、ゼオライト、ゼオライトを除く無機粒子、無機繊維及び無機バインダの総量に対して、1〜10重量%であることが好ましい。
【0061】
分散媒としては、特に限定されないが、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0062】
成形助剤としては、特に限定されないが、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0063】
原料ペーストを調製する際には、混合混練することが好ましく、ミキサー、アトライタ等を用いて混合してもよく、ニーダー等を用いて混練してもよい。
【0064】
次に、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等の乾燥機を用いて、得られたハニカム成形体を乾燥する。
【0065】
さらに、得られたハニカム成形体を脱脂する。脱脂条件は、特に限定されず、成形体に含まれる有機物の種類や量によって適宜選択することができるが、400℃で2時間であることが好ましい。
【0066】
次に、得られたハニカム成形体を焼成することにより、円柱状のハニカムユニット11が得られる。焼成温度は、600〜1200℃であることが好ましく、600〜1000℃がさらに好ましい。焼成温度が600℃未満であると、焼結が進行しにくくなって、ハニカムユニット11の強度が低くなることがあり、1200℃を超えると、焼結が進行しすぎて、ゼオライトの反応サイトが減少することがある。
【0067】
次に、円柱状のハニカムユニット11の外周面に外周コート層用ペーストを塗布する。外周コート層用ペーストとしては、特に限定されないが、無機バインダ及び無機粒子の混合物、無機バインダ及び無機繊維の混合物、無機バインダ、無機粒子及び無機繊維の混合物等が挙げられる。
【0068】
また、外周コート層用ペーストは、有機バインダを含有してもよい。有機バインダとしては、特に限定されないが、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0069】
次に、外周コート層用ペーストが塗布されたハニカムユニット11を乾燥固化することにより、円柱状のハニカム構造体10が得られる。このとき、外周コート層用ペーストに有機バインダが含まれている場合は、脱脂することが好ましい。脱脂条件は、有機物の種類や量によって適宜選択することができるが、700℃で20分間であることが好ましい。
【0070】
図3A及び図3Bに、本発明のハニカム構造体の他の例を示す。なお、ハニカム構造体20は、複数の貫通孔12が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカムユニット11が接着層13を介して複数個接着されている以外は、ハニカム構造体10と同様である。
【0071】
ハニカムユニット11は、長手方向に垂直な断面の断面積が5〜50cmであることが好ましい。断面積が5cm未満であると、ハニカム構造体10の比表面積が低下すると共に、圧力損失が増大することがあり、断面積が50cmを超えると、ハニカムユニット11に発生する熱応力に対する強度が不十分になることがある。
【0072】
ハニカムユニット11を接着させる接着層13は、厚さが0.5〜2mmであることが好ましい。接着層13の厚さが0.5mm未満であると、接着強度が不十分になることがある。一方、接着層13の厚さが2mmを超えると、ハニカム構造体10の比表面積が低下すると共に、圧力損失が増大することがある。
【0073】
また、ハニカムユニット11は、四角柱状であるが、本発明において、ハニカムユニットの形状としては、特に限定されず、ハニカムユニット同士を接着しやすい形状であることが好ましく、例えば、六角柱状等が挙げられる。
【0074】
次に、ハニカム構造体20の製造方法の一例について説明する。まず、ハニカム構造体10と同様にして、四角柱状のハニカムユニット11を作製する。このとき、ハニカムユニット11としては、中心側の領域A用、外周側の領域B用及び境界線Cを含む領域用を作製することができるが、本発明においては、境界線Cを含む領域用として、中心側の領域A用のハニカムユニット11及び/又は外周側の領域B用のハニカムユニット11を用いてもよい。
【0075】
次に、ハニカムユニット11の外周面に接着層用ペーストを塗布して、ハニカムユニット11を順次接着させ、乾燥固化することにより、ハニカムユニット11の集合体を作製する。このとき、ハニカムユニット11の集合体を作製した後に、円柱状に切削加工し、研磨してもよい。また、断面が扇形状や正方形状に成形されたハニカムユニット11を接着させて円柱状のハニカムユニット11の集合体を作製してもよい。
【0076】
接着層用ペーストとしては、特に限定されないが、無機バインダ及び無機粒子の混合物、無機バインダ及び無機繊維の混合物、無機バインダ、無機粒子及び無機繊維の混合物等が挙げられる。
【0077】
また、接着層用ペーストは、有機バインダを含有してもよい。有機バインダとしては、特に限定されないが、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0078】
次に、円柱状のハニカムユニット11の集合体の外周面に外周コート層用ペーストを塗布する。外周コート層用ペーストは、特に限定されないが、接着層用ペーストと同じ材料を含有してもよいし、異なる材料を含有してもよい。また、外周コート層用ペーストは、接着層用ペーストと同一の組成であってもよい。
【0079】
次に、外周コート層用ペーストが塗布されたハニカムユニット11の集合体を乾燥固化することにより、円柱状のハニカム構造体20が得られる。このとき、接着層用ペースト及び/又は外周コート層用ペーストに有機バインダが含まれている場合は、脱脂することが好ましい。脱脂条件は、有機物の種類や量によって適宜選択することができるが、700℃で20分間であることが好ましい。
【0080】
なお、ハニカム構造体10及び20は、イオン交換されていないゼオライトを含む原料ペーストを用いてハニカム構造体を作製した後、カチオンを含有する水溶液にハニカム構造体を含浸させてゼオライトをイオン交換することにより作製してもよい。
【実施例】
【0081】
[実施例1]
まず、Cuで3重量%イオン交換された、平均粒径が2μm、シリカ/アルミナ比が40、比表面積が110m/gであるβ型ゼオライト2250g、無機バインダ含有成分としての、固形分20重量%のアルミナゾル2600g、無機粒子としての、平均粒径が2μmのγアルミナ550g、無機繊維としての、平均繊維径が6μm、平均繊維長が100μmのアルミナ繊維780g、有機バインダとしての、メチルセルロース410gを混合混練して、原料ペーストを得た。なお、ゼオライト粒子を硝酸銅水溶液に含浸させることにより、Cuでイオン交換した。また、ゼオライトのイオン交換量は、ICPS−8100(島津製作所社製)を用いて、IPC発光分析することにより求めた。次に、押出成形機を用いて、原料ペーストを押出成形し、生の円柱状のハニカム成形体を得た。そして、マイクロ波乾燥機及び熱風乾燥機を用いて、ハニカム成形体を乾燥させた後、400℃で5時間脱脂した。次に、700℃で5時間焼成し、直径143mm、長さ150mmの円柱状のハニカムユニット11を得た。得られたハニカムユニット11は、長手方向に垂直な断面の開口率が60%であり、見掛けの体積当たりのゼオライトの含有量が250g/Lであった。
【0082】
また、ハニカムユニット11は、中心側の領域Aの隔壁の厚さAが0.24m、開口率Xが63.8%、貫通孔の密度が70個/cmであり、外周側の領域Bの隔壁の厚さBが0.28m、開口率Yが58.8%、貫通孔の密度が70個/cmであった。このとき、隔壁の厚さAに対する隔壁の厚さBの比は1.17、開口率Xに対する開口率Yの比は0.92である(表1参照)。なお、中心側の領域A及び外周側の領域Bの境界である境界線Cは、ハニカムユニット11の長手方向に垂直な断面上の中心Oからの距離が71.5mmの円であり、境界線Cを含む隔壁の厚さは、中心側の領域Aの隔壁の厚さである。
【0083】
次に、無機粒子としての、平均粒径が2μmのγアルミナ29重量部、無機繊維としての、平均繊維径が6μm、平均繊維長が100μmのアルミナ繊維7重量部、無機バインダ含有成分としての、固形分20重量%のアルミナゾル34重量部、有機バインダとしての、メチルセルロース5重量部、水25重量部を混合混練して、外周コート層用ペーストを得た。
【0084】
さらに、ハニカムユニット11の外周面に、外周コート層14の厚さが0.4mmになるように外周コート層用ペーストを塗布した後、マイクロ波乾燥機及び熱風乾燥機を用いて、120℃で乾燥固化し、400℃で2時間脱脂して、直径143.8mm、長さ150mmの円柱状のハニカム構造体10を作製した。
【0085】
[実施例2、3、比較例1、2]
押出成型機の金型の構造を変化させた以外は、実施例1と同様にして、ハニカム構造体10を作製した(表1参照)。
【0086】
【表1】

[実施例4]
まず、Cuで3重量%イオン交換された、平均粒径が2μm、シリカ/アルミナ比が40、比表面積が110m/gであるβ型ゼオライト2600g、固形分20重量%のアルミナゾル2600g、平均繊維径が6μm、平均繊維長が100μmのアルミナ繊維780g、メチルセルロース410gを混合混練して、原料ペーストを得た。次に、押出成形機を用いて、原料ペーストを押出成形し、生のハニカム成形体を得た。そして、マイクロ波乾燥機及び熱風乾燥機を用いて、ハニカム成形体を乾燥させた後、400℃で5時間脱脂した。次に、700℃で5時間焼成し、直径143mm、高さ150mmの円柱状のハニカムユニット11を得た。得られたハニカムユニット11は、長手方向に垂直な断面の開口率が65%であり、ゼオライトの含有量が250g/Lであった。
【0087】
次に、実施例1と同様にして、ハニカムユニット11の外周面に、外周コート層14を形成して、ハニカム構造体10を作製した。得られたハニカム構造体10は、中心側の領域Aの隔壁の厚さAが0.22m、開口率Xが66.5%、貫通孔の密度が73個/cmであり、外周側の領域Bの隔壁の厚さBが0.25m、開口率Yが61.3%、貫通孔の密度が73個/cmであった。このとき、隔壁の厚さAに対する隔壁の厚さBの比は1.14、開口率Xに対する開口率Yの比は0.92である(表2参照)。
【0088】
[実施例5〜7、比較例3、4]
押出成型機の金型の構造を変化させた以外は、実施例4と同様にして、ハニカム構造体10を作製した(表2参照)。
【0089】
【表2】

[実施例8]
まず、Cuで3重量%イオン交換された、平均粒径が2μm、シリカ/アルミナ比が40、比表面積が110m/gであるβ型ゼオライト1900g、無機バインダ含有成分としての、固形分20重量%のアルミナゾル2600g、無機粒子としての、平均粒径が2μmのγアルミナ1100g、無機繊維としての、平均繊維径が6μm、平均繊維長が100μmのアルミナ繊維780g、有機バインダとしての、メチルセルロース410gを混合混練して、原料ペーストを得た。次に、押出成形機を用いて、原料ペーストを押出成形し、生のハニカム成形体を得た。そして、マイクロ波乾燥機及び熱風乾燥機を用いて、ハニカム成形体を乾燥させた後、400℃で5時間脱脂した。次に、700℃で5時間焼成し、直径143mm、高さ150mmの円柱状のハニカムユニット11を作製した。得られたハニカムユニット11は、長手方向に垂直な断面の開口率が55%であり、ゼオライトの含有量が250g/Lであった。
【0090】
次に、実施例1と同様にして、ハニカムユニット11の外周面に、外周コート層14を形成して、ハニカム構造体10を作製した。得られたハニカム構造体10は、中心側の領域Aの隔壁の厚さAが0.28m、開口率Xが56.9%、貫通孔の密度が78個/cmであり、外周側の領域Bの隔壁の厚さBが0.33m、開口率Yが50.3%、貫通孔の密度が78個/cmであった。このとき、隔壁の厚さAに対する隔壁の厚さBの比は1.18、開口率Xに対する開口率Yの比は0.88である(表3参照)。
【0091】
[実施例9、10、比較例5、6]
押出成型機の金型の構造を変化させた以外は、実施例8と同様にして、ハニカム構造体10を作製した(表3参照)。
【0092】
【表3】

[NOx浄化率の測定]
図4に示すように、ディーゼルエンジン(1.6L直噴エンジン)100を、排気管を介して、ディーゼル酸化触媒(DOC)200、ディーゼルパーティキュレートフィルタ(DPF)300、SCR400、ディーゼル酸化触媒(DOC)500を直列に接続した状態で、回転数3000rpm、トルク170N・mの条件で運転させ、SCR400の直前の排気管で尿素水を噴射した。このとき、MEXA−7500DEGR(HORIBA社製)を用いて、一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO)のSCR400への流入量及びSCR400からの流出量を測定し、式
(NOxの流入量−NOxの流出量)/(NOxの流入量)×100
で表されるNOx浄化率[%]を測定した(検出限界0.1ppm)。なお、DOC200、DPF300、SCR400及びDOC500としては、それぞれ直径143.8mm、長さ7.35mmのハニカム構造体(市販品)、直径143.8mm、長さ152.4mmのハニカム構造体(市販品)、実施例1〜10又は比較例1〜6のハニカム構造体及び直径143.8mm、長さ50.8mmのハニカム構造体(市販品)を、周囲にシール材(マット)を配置した状態で、金属容器(シェル)に収納したものを用いた。測定結果を表1〜3に示す。表1〜3より、実施例1〜10のハニカム構造体は、比較例1〜6のハニカム構造体よりもNOxの浄化率が優れることがわかる。
【0093】
以上のことから、ハニカム構造体10の長手方向に垂直な断面を外周から中心に対して等間隔で2分割した場合に、中心側の領域Aの隔壁の厚さよりも外周側の領域Bの隔壁の厚さが大きく、外周側の領域Bの開口率よりも中心側の領域Aの開口率が大きいことにより、ハニカム構造体10のNOxの浄化率を向上させることができることがわかる。
【符号の説明】
【0094】
10、20 ハニカム構造体
11 ハニカムユニット
12 貫通孔
13 接着層
14 外周コート層
O 中心
A 中心側の領域
B 外周側の領域
C 境界線
100 ディーゼルエンジン
200、500 DOC
300 DPF
400 SCR

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゼオライトと、無機バインダとを含み、複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカムユニットを有するハニカム構造体であって、
該隔壁の厚さが0.10mm以上0.50mm以下であり、
該長手方向に垂直な断面を外周から中心に対して等間隔で2分割した場合に、該隔壁の厚さは、中心側の領域よりも外周側の領域が大きく、該長手方向に垂直な断面の開口率は、外周側の領域よりも中心側の領域が大きいことを特徴とするハニカム構造体。
【請求項2】
前記外周側の領域は、前記隔壁の厚さが0.15mm以上0.50mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体。
【請求項3】
前記中心側の領域は、前記隔壁の厚さが0.10mm以上0.45mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
【請求項4】
前記外周側の領域は、前記開口率が35%以上65%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
【請求項5】
前記中心側の領域は、前記開口率が55%以上75%以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
【請求項6】
前記ハニカムユニットは、見掛けの体積当たりの前記ゼオライトの含有量が230g/L以上270g/L以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
【請求項7】
前記ゼオライトは、β型ゼオライト、Y型ゼオライト、フェリエライト、ZSM−5型ゼオライト、モルデナイト、フォージサイト、ゼオライトA及びゼオライトLからなる群より選択される一種以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
【請求項8】
前記ゼオライトは、アルミナに対するシリカのモル比が30以上50以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
【請求項9】
前記ゼオライトは、Fe、Cu、Ni、Co、Zn、Mn、Ti、Ag及びVからなる群より選択される一種以上でイオン交換されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
【請求項10】
前記ゼオライトは、二次粒子を含み、
該二次粒子の平均粒径が0.5μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
【請求項11】
前記ハニカムユニットは、ゼオライトを除く無機粒子をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
【請求項12】
前記ゼオライトを除く無機粒子は、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、セリア、ムライト及びこれらの前駆体からなる群より選択される一種以上であることを特徴とする請求項11に記載のハニカム構造体。
【請求項13】
前記無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト及びアタパルジャイトからなる群より選択される一種以上に含まれる固形分であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
【請求項14】
前記ハニカムユニットは、無機繊維をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
【請求項15】
前記無機繊維は、アルミナ、シリカ、炭化ケイ素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウム及びホウ酸アルミニウムからなる群より選択される一種以上であることを特徴とする請求項14に記載のハニカム構造体。
【請求項16】
複数の前記ハニカムユニットが接着層を介して接着されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載のハニカム構造体。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−279849(P2010−279849A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−117275(P2009−117275)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【Fターム(参考)】