ハブの姿勢検出方法及びその装置
【課題】車両のハブに車輪を取付ける際のハブの傾き、中心及びハブボルトの方位の検出工数を低減できる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】距離計測部16をハブ26に臨ませる。距離計測部16を、矢印(3)のように、100mm/sの速度で移動させる。このとき、第1距離計31は破線で示すエリアPまでの距離を計測し、第2距離計32は破線で示すエリアQまでの距離を計測する。
【効果】基準位置からエリアP、Qまでの距離を計測する。ハブ面の全部ではなく、2つのエリアのみ距離計測するので、計測工数及び演算工数が低減できる。加えて、非接触のまま1回の走査で距離計測が完了するので、計測工数を低減できる。
【解決手段】距離計測部16をハブ26に臨ませる。距離計測部16を、矢印(3)のように、100mm/sの速度で移動させる。このとき、第1距離計31は破線で示すエリアPまでの距離を計測し、第2距離計32は破線で示すエリアQまでの距離を計測する。
【効果】基準位置からエリアP、Qまでの距離を計測する。ハブ面の全部ではなく、2つのエリアのみ距離計測するので、計測工数及び演算工数が低減できる。加えて、非接触のまま1回の走査で距離計測が完了するので、計測工数を低減できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のハブに車輪を取付ける際のハブの傾き、中心及びハブボルトの方位を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
量産車両の組立において、車両のハブに車輪を自動的に取付ける技術が実用に供されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平6−190661号公報(図2)
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図13は従来の技術の基本構成を説明する図であり、車輪取付装置101は、ロボット102と、このロボット102に設けられている第1視覚カメラ103、第2視覚カメラ104、レーザセンサ105、ナットランナ106、車輪クランプ107及びシリンダ108と、このシリンダ108に設けられているボールジョイント109と、このボールジョイント109に接続されているタッチ板110と、からなる。
また、111は車輪、112は車両のハブ、113はハブボルト、114はナットである。
【0004】
図14は従来の技術の基本原理を説明する作業フロー図であり、ステップ番号(以下STと略記する。)101で、測定開始位置に車体を搬入して測定を開始する。
ST102で、ロボットで第1視覚カメラをハブの前に移動し、ハブ面の中心位置を大まかに認識する。この認識情報に基づきロボットを作動させタッチ板をハブの前に移動させる(ST103)。シリンダを作動させタッチ板を前進させ、ハブボルトの先端に当接させる(ST104)と、ボールジョイントの作用でタッチ板はハブ面に平行になるように傾く。
【0005】
次に、レーザセンサでタッチ板までの距離を測定する(ST105)。この測定情報に基づきハブ面の傾きを算出し(ST106)、レーザセンサからハブ面までの距離を算出する(ST107)。ハブの前からタッチ板を退避させる(ST108)。
ロボットで第2視覚カメラの軸をハブ面の傾きに合わせ(ST109)、第2視覚カメラをハブボルトの前に移動させる(ST110)。第2視覚カメラでハブボルトまでの距離を測定する(ST111)。この測定情報に基づいてハブボルトの位置を算出する(ST112)。
【0006】
上記の従来技術には、次に述べる問題点が存在する。
第1に、タッチ板が必要であるため、姿勢検出装置が複雑化する。
第2に、ハブ面にタッチ板を当て、このタッチ板をレーザセンサで検出するため、ハブ面を直接的にレーザセンサで検出する場合に比べて、ハブの検出精度が悪くなる。
第3に、第1、第2視覚カメラを用いているが、カメラは画像処理に時間がかかり、車輪取付に係る生産性の低下を招く。
これらの問題点を解決することができるハブの姿勢検出技術が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した問題点を解決することができ、装置が簡単で、検出精度が良く、生産性の向上を図ることができるハブの姿勢検出技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、車両搬送ラインに沿って搬送される車両のハブに車輪を取付ける前に、前記ハブの傾き、中心及びハブボルトの方位を検出するハブの姿勢検出方法であって、前記ハブの正面をX線で4等分することで、前記ハブボルトのピッチ円を上下左右に分割し、上の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアPを特定すると共に下の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアQを特定するステップと、基準位置から前記エリアP、Qまでの距離を計測するステップと、前記エリアP、Qに含まれているハブボルト中心の座標を各々算出するステップと、得られた2つのハブボルト中心の座標に基づいてハブの中心座標を算出するステップと、前記距離を計測するステップで得られた距離のうち前記ハブボルトを含まない距離において、前記エリアP、Qから三角形の頂点を構成する3点の座標を取得するステップと、得られた3点の座標から、前記車両搬送ラインに沿った垂直面に対するハブの傾斜角を算出するステップと、この傾斜角で傾斜したハブにおいて、前記ハブの中心座標と前記ハブボルト中心の座標とからハブボルトの方位を算出するステップとからなることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、車両搬送ラインに沿って搬送される車両のハブに車輪を取付ける前に、ハブの傾き、中心及びハブボルトの方位を検出するハブの姿勢検出装置であって、ハブの正面をX線で4等分することで、ハブボルトのピッチ円を上下左右に分割して特定された、上の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアPまでの距離を測定する第1距離計及び下の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアQまでの距離を測定する第2距離計と、エリアP、Qに含まれているハブボルト中心の座標を各々算出するステップと、得られた2つのハブボルト中心の座標に基づいてハブの中心座標を算出するステップと、距離を計測するステップで得られた距離のうちハブボルトを含まない距離において、エリアP、Qから三角形の頂点を構成する3点の座標を取得するステップと、得られた3点の座標から、車両搬送ラインに沿った垂直面に対するハブの傾斜角を算出するステップと、この傾斜角で傾斜したハブにおいて、ハブの中心座標とハブボルト中心の座標とからハブボルトの方位を算出するステップとを実施する演算装置と、からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明は、距離を測定する距離計で基準位置からハブ面としてのエリアP、Qまでの距離を計測し、ハブボルト中心の座標、ハブの中心座標、ハブの傾斜角及びハブボルトの方位を算出する。ハブ面を直接的に距離計で計測するので、ハブの検出精度を良くできる。
【0011】
すなわち、画像処理に時間がかかるカメラは使用しないで、レーザセンサなどの距離計を使用する。距離を検出し演算するには時間はかからない。
したがって、本発明によれば、ハブ姿勢の検出工数を低減することができ、車輪取付に係る生産性が向上する。
【0012】
請求項2に係る発明では、ハブの姿勢検出装置は、エリアPまでの距離を測定する第1距離計及び横長矩形エリアQまでの距離を測定する第2距離計と、演算装置とからなる。ハブの姿勢検出装置は、2つの距離計と演算装置で構成されるので、装置の構造を簡単にできる。
加えて、距離の測定エリアを2つのエリアP、Qのみにしたので、距離情報の処理工数をいっそう低減することができ、車輪取付に係る生産性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るハブの姿勢検出装置の配置図であり、ハブの姿勢検出装置10は、車両11を搬送する車両搬送ライン12に沿って設けられたロボット13と、このロボット13の先端部に設けられナット14を締付けるナットランナ15と、ロボット13の先端部に設けられ距離を計測する距離計測部16と、ロボット13の動作を制御するロボット制御部17と、からなる。
【0014】
ハブの姿勢検出装置10でハブの姿勢(ハブの傾き、中心及びハブボルトの方位)が、検出できたら、この情報に基づいて、車輪供給装置20でハブへ車輪22を取付け、ナットランナ24でナットを締める。これで、ハブに車輪を固定することができる。
【0015】
そのための車輪供給装置20は、例えば、ロボット21と、ロボット21の先端部に設けられ車輪22を挟むクランプ23と、ナット14を仮締めするナットランナ24とからなる。本実施例では、ロボット21を、ロボット制御部17で制御するようにしたが、ロボット21のための専用の制御部を設けることは差し支えなく、専用の制御部なら、車輪供給装置20の構成要素となる。
【0016】
図2は図1の要部拡大図であり、ロボット13の先端に、関節25を介してナットランナ15が設けられ、このナットランナ15の軸に直交するように距離計測部16が配置されている。
ハブ26のハブボルト27にナット14を締付ける場合は、ナットランナ15がハブボルト27に臨むように関節25を動かす。ハブ面28までの距離を測定する場合は、矢印(1)のように、距離測定部16がハブ面28に臨むように関節25を動かす。矢印(2)のように関節25を動かすことで、再び、ハブボルト27にナットランナ15を臨ませることができる。
【0017】
図3は図2の3−3線断面図であり、距離計測部16は、ハブ面(図2の符号28)までの距離を計測する第1距離計31及び第2距離計32と、これらの距離計31、32で計測した距離情報に基づいて、ハブボルト(図2の符号27)中心の座標、ハブの中心座標、車両搬送ライン(図1の符号12)に沿った垂直面に対するハブの傾斜角及びハブボルトの方位を算出する演算装置33と、からなる。
【0018】
以上の構成からなるハブの姿勢検出装置による車両のハブの傾き、中心及びボルトの方位を検出する方法を次に述べる。
図4は第1、第2距離計でエリアP、Qまでの距離を計測するステップを説明する図であり、距離計測部16をハブ26に臨ませる。距離計測部16を、矢印(3)のように、例えば毎秒100mmの速度で移動させる。このとき、第1距離計31は破線で示すエリアPまでの距離を計測し、第2距離計32は破線で示すエリアQまでの距離を計測する。
なお、距離計はレーザセンサが好適である。レーザ光は直進性能に優れ、外乱に強いといる利点を有する。しかし、赤外線、ミリ波、超音波を利用した非接触式距離計であってもよく、種類は問わない。
【0019】
図5は各計測点を座標に換算するステップを説明する図であり、(a)に示すように、1つのライン上の各点までの距離を計測し、矢印(4)のように移動し、次のライン上の各点まで距離を計測する作業を繰り返す。1つのライン上には計測点が、例えば800点あり、1ラインの測定に、例えば15msecかかる。なお、隣接するラインの間隔は、例えば1.5mmである。
【0020】
(b)は(a)のラインbにおける、各計測点での距離計から距離を示すグラブである。(a)の1つのライン上の計測点番号1、2、…、n−1、nは、(b)に示すグラフの横軸の計測点番号に対応する。
グラフから、ラインbは計測点1〜nまで距離が一定であることが分かる。
【0021】
(c)は(a)のラインcにおける、各計測点での距離計から距離を示すグラブである。グラフから、ラインcはハブボルト27の部分で計測距離が小さくなっていることが分かる。
【0022】
ここで、距離計の位置(座標)が既知で、距離計からの距離が分かれば、距離計を基準とした各計測点の相対座標が求まる。さらに、基準位置からの第1、第2距離計の絶対座標は分かっているので、距離計の絶対座標に、上記の相対座標を加えることで、基準位置からの各計測点の絶対座標が求まる。
【0023】
図6は横長矩形エリアP、Qとハブの位置関係を説明する図であり、ハブ26の正面をX線34で4等分することで、ハブボルトのピッチ円35を上下左右に分割している。上の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアPと、下の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアQを特定する。エリアP、Q共に、横が例えば100mm、縦が例えば40mmである。
また、ハブの中心Cからピッチ円までの距離rは、最大で例えば57mmである。
ハブボルトが4本であれば、エリアP、Qそれぞれに、必ずハブボルトが1本入る。
【0024】
仮に、エリアPに2本のハブボルトが存在するときには、後述の図8で、余分にハブボルトの先端の面積を求め、面積の大きい方のハブボルトを選択する。これで、エリアPに1本のハブボルトが入っていることになる。エリアQも同様である。
【0025】
図7はハブの傾斜角を算出するステップを説明する図であり、エリアPからハブボルト27を含まない任意のE点を抽出する。エリアQからハブボルトを含まない任意のF点、G点を抽出する。E、F、G点からなる三角形の頂点を構成する3点の座標を取得し、車両搬送ライン(図1の符号12)に沿った垂直面に対するハブの傾斜角を算出することができる。このハブの傾斜角をφとする。
【0026】
図8はハブボルトの中心座標を算出するステップを説明する図であり、(a)に示すように、ハブボルト27の直径は、例えば12mmであり、隣接する測定ラインの間隔は1.5mmであるので、ハブボルト27の外形円上の座標を8ライン分取得できる。
そうすると、(b)に示すように、測定距離が大きく変化する点を検出し、これらの16箇所の座標からハブボルト27の外形円を求める。この円からハブボルトの中心座標を算出する。
【0027】
図9はハブの中心座標を算出するステップを説明する図であり、P点は図7に示すエリアP内にあるハブボルトPの中心座標であり、P(xp、yp、zp)と示す。Q点は図7に示すエリアQ内にあるハブボルトQの中心座標であり、Q(xq、yq、zq)と示す。
ハブボルトが4本であれば、ハブの中心座標Cは、P点とQ点の中間にあるので、ハブの中心座標Cは、((xp+xq)/2、(yp+yq)/2、(zp+zq)/2)となる。
【0028】
図10はハブボルトの方位を算出するステップを説明する図であり、36はハブの中心座標を通る水平線である。Pエリアのハブボルトの中心座標Pと、ハブの中心座標Cからtanθ=(yp−yq)/(xp−xq)の関係が成立する。この式より、ハブボルトの方位θを算出する。
【0029】
以上に説明した図4〜図10の原理を用いて行う検出作業のフローを次図で説明する。
図11は本発明のハブの姿勢検出方法のフロー図であり、ステップ番号(以下STと略記する。)01で、図1のロボット13により第1、第2距離計をハブに臨ませる。図4の要領で、ハブのエリアP、Qまでの距離を計測する(ST02)。図8の要領で、エリアP内のハブボルトPの中心座標(xp、yp、zp)を算出する(ST03)。図8の要領で、エリアQ内のハブボルトQの中心座標Q(xq、yq、zq)を算出する(ST04)。図9の要領で、2つハブボルトの中心座標からハブの中心座標(xc、yc、zc)を算出する(STO5)。
【0030】
ST06では、図7要領で、3点E、F、Gの座標を取得。図7の要領で、これらの3点E、F、Gからハブの傾斜角φを算出する(ST07)。次に、図10の要領で、ハブの平面上において、C点の座標(xc、yc、zc)とP点の座標(xp、yp、zp)からボルトPの方位角θを算出する(ST08)。
【0031】
ST09で、図1の車輪供給装置20で、ハブに車輪をセットする。図1のロボット制御部17はナットランナの軸の傾きをφに合せる(ST10)。ロボット制御部はナットランナの中心をハブの中心座標(xc、yc、zc)に指向させる(ST11)。ロボット制御部はナットランナの方位をθに合せる(ST12)。ナットランナでナットを締付ける(ST13)。
【0032】
以上は1個のハブ面に4本のハブボルトが設けられている例を説明した。次に、1個のハブ面に5本のハブボルトが設けられている例を説明する。
図12はハブボルトが5本の場合のエリアP、Qとハブボルトの関係を説明する図であり、ハブ26の正面を等分線37で5等分することで、ハブボルトのピッチ円35を分割している。上の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアPと、下の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアQを特定する。
【0033】
ハブボルトが5本の場合、エリアQ(またはエリアP)には、ハブボルトが2本入る。これら2本の内、ハブボルト27の中心がエリア中心線38に近い方、すなわち、Qエリアの右側のハブボルト27を抽出する。この抽出したQエリアのハブボルトQと、PエリアのハブボルトPから、ハブボルト27が72度間隔で配置されていることを考慮して、ハブ26の中心座標、ハブ26の傾斜角、ハブボルト27の方位を算出する。
【0034】
尚、本発明のハブの傾き中心及びハブボルトの方位を検出する技術は、実施の形態では車両のハブに適用したが、部材取付け面の傾き、取付け部の植込みボルト又は取付け穴の位置及び方位を検出するものであれば、一般の工業製品に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の車両のハブの傾き、中心及びボルトの方位を検出する技術は、車両への車輪取付けに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係るハブの姿勢検出装置の配置図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】第1、第2距離計でエリアP、Qまでの距離を計測するステップを説明する図である。
【図5】各計測点を座標に換算するステップを説明する図である。
【図6】横長矩形エリアP、Qとハブの位置関係を説明する図である。
【図7】ハブの傾斜角を算出するステップを説明する図である。
【図8】ハブボルトの中心座標を算出するステップを説明する図である。
【図9】ハブの中心座標を算出するステップを説明する図である。
【図10】ハブボルトの方位を算出するステップを説明する図である。
【図11】本発明のハブの姿勢検出方法のフロー図である。
【図12】ハブボルトが5本の場合のエリアP、Qとハブボルトの関係を説明する図である。
【図13】従来の技術の基本構成を説明する図である。
【図14】従来の技術の基本原理を説明する作業フロー図である。
【符号の説明】
【0037】
10…ハブの姿勢検出装置、11…車両、12…車両搬送ライン、22…車輪、26…ハブ、27…ハブボルト、31…第1距離計、32…第2距離計、33…演算装置、34…X線、35…ハブボルトのピッチ円、P…上の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリア、Q…下の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリア、C…ハブの中心座標。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のハブに車輪を取付ける際のハブの傾き、中心及びハブボルトの方位を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
量産車両の組立において、車両のハブに車輪を自動的に取付ける技術が実用に供されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平6−190661号公報(図2)
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図13は従来の技術の基本構成を説明する図であり、車輪取付装置101は、ロボット102と、このロボット102に設けられている第1視覚カメラ103、第2視覚カメラ104、レーザセンサ105、ナットランナ106、車輪クランプ107及びシリンダ108と、このシリンダ108に設けられているボールジョイント109と、このボールジョイント109に接続されているタッチ板110と、からなる。
また、111は車輪、112は車両のハブ、113はハブボルト、114はナットである。
【0004】
図14は従来の技術の基本原理を説明する作業フロー図であり、ステップ番号(以下STと略記する。)101で、測定開始位置に車体を搬入して測定を開始する。
ST102で、ロボットで第1視覚カメラをハブの前に移動し、ハブ面の中心位置を大まかに認識する。この認識情報に基づきロボットを作動させタッチ板をハブの前に移動させる(ST103)。シリンダを作動させタッチ板を前進させ、ハブボルトの先端に当接させる(ST104)と、ボールジョイントの作用でタッチ板はハブ面に平行になるように傾く。
【0005】
次に、レーザセンサでタッチ板までの距離を測定する(ST105)。この測定情報に基づきハブ面の傾きを算出し(ST106)、レーザセンサからハブ面までの距離を算出する(ST107)。ハブの前からタッチ板を退避させる(ST108)。
ロボットで第2視覚カメラの軸をハブ面の傾きに合わせ(ST109)、第2視覚カメラをハブボルトの前に移動させる(ST110)。第2視覚カメラでハブボルトまでの距離を測定する(ST111)。この測定情報に基づいてハブボルトの位置を算出する(ST112)。
【0006】
上記の従来技術には、次に述べる問題点が存在する。
第1に、タッチ板が必要であるため、姿勢検出装置が複雑化する。
第2に、ハブ面にタッチ板を当て、このタッチ板をレーザセンサで検出するため、ハブ面を直接的にレーザセンサで検出する場合に比べて、ハブの検出精度が悪くなる。
第3に、第1、第2視覚カメラを用いているが、カメラは画像処理に時間がかかり、車輪取付に係る生産性の低下を招く。
これらの問題点を解決することができるハブの姿勢検出技術が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した問題点を解決することができ、装置が簡単で、検出精度が良く、生産性の向上を図ることができるハブの姿勢検出技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、車両搬送ラインに沿って搬送される車両のハブに車輪を取付ける前に、前記ハブの傾き、中心及びハブボルトの方位を検出するハブの姿勢検出方法であって、前記ハブの正面をX線で4等分することで、前記ハブボルトのピッチ円を上下左右に分割し、上の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアPを特定すると共に下の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアQを特定するステップと、基準位置から前記エリアP、Qまでの距離を計測するステップと、前記エリアP、Qに含まれているハブボルト中心の座標を各々算出するステップと、得られた2つのハブボルト中心の座標に基づいてハブの中心座標を算出するステップと、前記距離を計測するステップで得られた距離のうち前記ハブボルトを含まない距離において、前記エリアP、Qから三角形の頂点を構成する3点の座標を取得するステップと、得られた3点の座標から、前記車両搬送ラインに沿った垂直面に対するハブの傾斜角を算出するステップと、この傾斜角で傾斜したハブにおいて、前記ハブの中心座標と前記ハブボルト中心の座標とからハブボルトの方位を算出するステップとからなることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、車両搬送ラインに沿って搬送される車両のハブに車輪を取付ける前に、ハブの傾き、中心及びハブボルトの方位を検出するハブの姿勢検出装置であって、ハブの正面をX線で4等分することで、ハブボルトのピッチ円を上下左右に分割して特定された、上の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアPまでの距離を測定する第1距離計及び下の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアQまでの距離を測定する第2距離計と、エリアP、Qに含まれているハブボルト中心の座標を各々算出するステップと、得られた2つのハブボルト中心の座標に基づいてハブの中心座標を算出するステップと、距離を計測するステップで得られた距離のうちハブボルトを含まない距離において、エリアP、Qから三角形の頂点を構成する3点の座標を取得するステップと、得られた3点の座標から、車両搬送ラインに沿った垂直面に対するハブの傾斜角を算出するステップと、この傾斜角で傾斜したハブにおいて、ハブの中心座標とハブボルト中心の座標とからハブボルトの方位を算出するステップとを実施する演算装置と、からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明は、距離を測定する距離計で基準位置からハブ面としてのエリアP、Qまでの距離を計測し、ハブボルト中心の座標、ハブの中心座標、ハブの傾斜角及びハブボルトの方位を算出する。ハブ面を直接的に距離計で計測するので、ハブの検出精度を良くできる。
【0011】
すなわち、画像処理に時間がかかるカメラは使用しないで、レーザセンサなどの距離計を使用する。距離を検出し演算するには時間はかからない。
したがって、本発明によれば、ハブ姿勢の検出工数を低減することができ、車輪取付に係る生産性が向上する。
【0012】
請求項2に係る発明では、ハブの姿勢検出装置は、エリアPまでの距離を測定する第1距離計及び横長矩形エリアQまでの距離を測定する第2距離計と、演算装置とからなる。ハブの姿勢検出装置は、2つの距離計と演算装置で構成されるので、装置の構造を簡単にできる。
加えて、距離の測定エリアを2つのエリアP、Qのみにしたので、距離情報の処理工数をいっそう低減することができ、車輪取付に係る生産性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るハブの姿勢検出装置の配置図であり、ハブの姿勢検出装置10は、車両11を搬送する車両搬送ライン12に沿って設けられたロボット13と、このロボット13の先端部に設けられナット14を締付けるナットランナ15と、ロボット13の先端部に設けられ距離を計測する距離計測部16と、ロボット13の動作を制御するロボット制御部17と、からなる。
【0014】
ハブの姿勢検出装置10でハブの姿勢(ハブの傾き、中心及びハブボルトの方位)が、検出できたら、この情報に基づいて、車輪供給装置20でハブへ車輪22を取付け、ナットランナ24でナットを締める。これで、ハブに車輪を固定することができる。
【0015】
そのための車輪供給装置20は、例えば、ロボット21と、ロボット21の先端部に設けられ車輪22を挟むクランプ23と、ナット14を仮締めするナットランナ24とからなる。本実施例では、ロボット21を、ロボット制御部17で制御するようにしたが、ロボット21のための専用の制御部を設けることは差し支えなく、専用の制御部なら、車輪供給装置20の構成要素となる。
【0016】
図2は図1の要部拡大図であり、ロボット13の先端に、関節25を介してナットランナ15が設けられ、このナットランナ15の軸に直交するように距離計測部16が配置されている。
ハブ26のハブボルト27にナット14を締付ける場合は、ナットランナ15がハブボルト27に臨むように関節25を動かす。ハブ面28までの距離を測定する場合は、矢印(1)のように、距離測定部16がハブ面28に臨むように関節25を動かす。矢印(2)のように関節25を動かすことで、再び、ハブボルト27にナットランナ15を臨ませることができる。
【0017】
図3は図2の3−3線断面図であり、距離計測部16は、ハブ面(図2の符号28)までの距離を計測する第1距離計31及び第2距離計32と、これらの距離計31、32で計測した距離情報に基づいて、ハブボルト(図2の符号27)中心の座標、ハブの中心座標、車両搬送ライン(図1の符号12)に沿った垂直面に対するハブの傾斜角及びハブボルトの方位を算出する演算装置33と、からなる。
【0018】
以上の構成からなるハブの姿勢検出装置による車両のハブの傾き、中心及びボルトの方位を検出する方法を次に述べる。
図4は第1、第2距離計でエリアP、Qまでの距離を計測するステップを説明する図であり、距離計測部16をハブ26に臨ませる。距離計測部16を、矢印(3)のように、例えば毎秒100mmの速度で移動させる。このとき、第1距離計31は破線で示すエリアPまでの距離を計測し、第2距離計32は破線で示すエリアQまでの距離を計測する。
なお、距離計はレーザセンサが好適である。レーザ光は直進性能に優れ、外乱に強いといる利点を有する。しかし、赤外線、ミリ波、超音波を利用した非接触式距離計であってもよく、種類は問わない。
【0019】
図5は各計測点を座標に換算するステップを説明する図であり、(a)に示すように、1つのライン上の各点までの距離を計測し、矢印(4)のように移動し、次のライン上の各点まで距離を計測する作業を繰り返す。1つのライン上には計測点が、例えば800点あり、1ラインの測定に、例えば15msecかかる。なお、隣接するラインの間隔は、例えば1.5mmである。
【0020】
(b)は(a)のラインbにおける、各計測点での距離計から距離を示すグラブである。(a)の1つのライン上の計測点番号1、2、…、n−1、nは、(b)に示すグラフの横軸の計測点番号に対応する。
グラフから、ラインbは計測点1〜nまで距離が一定であることが分かる。
【0021】
(c)は(a)のラインcにおける、各計測点での距離計から距離を示すグラブである。グラフから、ラインcはハブボルト27の部分で計測距離が小さくなっていることが分かる。
【0022】
ここで、距離計の位置(座標)が既知で、距離計からの距離が分かれば、距離計を基準とした各計測点の相対座標が求まる。さらに、基準位置からの第1、第2距離計の絶対座標は分かっているので、距離計の絶対座標に、上記の相対座標を加えることで、基準位置からの各計測点の絶対座標が求まる。
【0023】
図6は横長矩形エリアP、Qとハブの位置関係を説明する図であり、ハブ26の正面をX線34で4等分することで、ハブボルトのピッチ円35を上下左右に分割している。上の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアPと、下の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアQを特定する。エリアP、Q共に、横が例えば100mm、縦が例えば40mmである。
また、ハブの中心Cからピッチ円までの距離rは、最大で例えば57mmである。
ハブボルトが4本であれば、エリアP、Qそれぞれに、必ずハブボルトが1本入る。
【0024】
仮に、エリアPに2本のハブボルトが存在するときには、後述の図8で、余分にハブボルトの先端の面積を求め、面積の大きい方のハブボルトを選択する。これで、エリアPに1本のハブボルトが入っていることになる。エリアQも同様である。
【0025】
図7はハブの傾斜角を算出するステップを説明する図であり、エリアPからハブボルト27を含まない任意のE点を抽出する。エリアQからハブボルトを含まない任意のF点、G点を抽出する。E、F、G点からなる三角形の頂点を構成する3点の座標を取得し、車両搬送ライン(図1の符号12)に沿った垂直面に対するハブの傾斜角を算出することができる。このハブの傾斜角をφとする。
【0026】
図8はハブボルトの中心座標を算出するステップを説明する図であり、(a)に示すように、ハブボルト27の直径は、例えば12mmであり、隣接する測定ラインの間隔は1.5mmであるので、ハブボルト27の外形円上の座標を8ライン分取得できる。
そうすると、(b)に示すように、測定距離が大きく変化する点を検出し、これらの16箇所の座標からハブボルト27の外形円を求める。この円からハブボルトの中心座標を算出する。
【0027】
図9はハブの中心座標を算出するステップを説明する図であり、P点は図7に示すエリアP内にあるハブボルトPの中心座標であり、P(xp、yp、zp)と示す。Q点は図7に示すエリアQ内にあるハブボルトQの中心座標であり、Q(xq、yq、zq)と示す。
ハブボルトが4本であれば、ハブの中心座標Cは、P点とQ点の中間にあるので、ハブの中心座標Cは、((xp+xq)/2、(yp+yq)/2、(zp+zq)/2)となる。
【0028】
図10はハブボルトの方位を算出するステップを説明する図であり、36はハブの中心座標を通る水平線である。Pエリアのハブボルトの中心座標Pと、ハブの中心座標Cからtanθ=(yp−yq)/(xp−xq)の関係が成立する。この式より、ハブボルトの方位θを算出する。
【0029】
以上に説明した図4〜図10の原理を用いて行う検出作業のフローを次図で説明する。
図11は本発明のハブの姿勢検出方法のフロー図であり、ステップ番号(以下STと略記する。)01で、図1のロボット13により第1、第2距離計をハブに臨ませる。図4の要領で、ハブのエリアP、Qまでの距離を計測する(ST02)。図8の要領で、エリアP内のハブボルトPの中心座標(xp、yp、zp)を算出する(ST03)。図8の要領で、エリアQ内のハブボルトQの中心座標Q(xq、yq、zq)を算出する(ST04)。図9の要領で、2つハブボルトの中心座標からハブの中心座標(xc、yc、zc)を算出する(STO5)。
【0030】
ST06では、図7要領で、3点E、F、Gの座標を取得。図7の要領で、これらの3点E、F、Gからハブの傾斜角φを算出する(ST07)。次に、図10の要領で、ハブの平面上において、C点の座標(xc、yc、zc)とP点の座標(xp、yp、zp)からボルトPの方位角θを算出する(ST08)。
【0031】
ST09で、図1の車輪供給装置20で、ハブに車輪をセットする。図1のロボット制御部17はナットランナの軸の傾きをφに合せる(ST10)。ロボット制御部はナットランナの中心をハブの中心座標(xc、yc、zc)に指向させる(ST11)。ロボット制御部はナットランナの方位をθに合せる(ST12)。ナットランナでナットを締付ける(ST13)。
【0032】
以上は1個のハブ面に4本のハブボルトが設けられている例を説明した。次に、1個のハブ面に5本のハブボルトが設けられている例を説明する。
図12はハブボルトが5本の場合のエリアP、Qとハブボルトの関係を説明する図であり、ハブ26の正面を等分線37で5等分することで、ハブボルトのピッチ円35を分割している。上の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアPと、下の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアQを特定する。
【0033】
ハブボルトが5本の場合、エリアQ(またはエリアP)には、ハブボルトが2本入る。これら2本の内、ハブボルト27の中心がエリア中心線38に近い方、すなわち、Qエリアの右側のハブボルト27を抽出する。この抽出したQエリアのハブボルトQと、PエリアのハブボルトPから、ハブボルト27が72度間隔で配置されていることを考慮して、ハブ26の中心座標、ハブ26の傾斜角、ハブボルト27の方位を算出する。
【0034】
尚、本発明のハブの傾き中心及びハブボルトの方位を検出する技術は、実施の形態では車両のハブに適用したが、部材取付け面の傾き、取付け部の植込みボルト又は取付け穴の位置及び方位を検出するものであれば、一般の工業製品に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の車両のハブの傾き、中心及びボルトの方位を検出する技術は、車両への車輪取付けに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係るハブの姿勢検出装置の配置図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】第1、第2距離計でエリアP、Qまでの距離を計測するステップを説明する図である。
【図5】各計測点を座標に換算するステップを説明する図である。
【図6】横長矩形エリアP、Qとハブの位置関係を説明する図である。
【図7】ハブの傾斜角を算出するステップを説明する図である。
【図8】ハブボルトの中心座標を算出するステップを説明する図である。
【図9】ハブの中心座標を算出するステップを説明する図である。
【図10】ハブボルトの方位を算出するステップを説明する図である。
【図11】本発明のハブの姿勢検出方法のフロー図である。
【図12】ハブボルトが5本の場合のエリアP、Qとハブボルトの関係を説明する図である。
【図13】従来の技術の基本構成を説明する図である。
【図14】従来の技術の基本原理を説明する作業フロー図である。
【符号の説明】
【0037】
10…ハブの姿勢検出装置、11…車両、12…車両搬送ライン、22…車輪、26…ハブ、27…ハブボルト、31…第1距離計、32…第2距離計、33…演算装置、34…X線、35…ハブボルトのピッチ円、P…上の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリア、Q…下の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリア、C…ハブの中心座標。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両搬送ラインに沿って搬送される車両のハブに車輪を取付ける前に、前記ハブの傾き、中心及びハブボルトの方位を検出するハブの姿勢検出方法であって、
前記ハブの正面をX線で4等分することで、前記ハブボルトのピッチ円を上下左右に分割し、上の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアPを特定すると共に下の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアQを特定するステップと、
基準位置から前記エリアP、Qまでの距離を計測するステップと、
前記エリアP、Qに含まれているハブボルト中心の座標を各々算出するステップと、
得られた2つのハブボルト中心の座標に基づいてハブの中心座標を算出するステップと、
前記距離を計測するステップで得られた距離のうち前記ハブボルトを含まない距離において、前記エリアP、Qから三角形の頂点を構成する3点の座標を取得するステップと、
得られた3点の座標から、前記車両搬送ラインに沿った垂直面に対するハブの傾斜角を算出するステップと、
この傾斜角で傾斜したハブにおいて、前記ハブの中心座標と前記ハブボルト中心の座標とからハブボルトの方位を算出するステップとからなることを特徴とするハブの姿勢検出方法。
【請求項2】
車両搬送ラインに沿って搬送される車両のハブに車輪を取付ける前に、前記ハブの傾き、中心及びハブボルトの方位を検出するハブの姿勢検出装置であって、
前記ハブの正面をX線で4等分することで、前記ハブボルトのピッチ円を上下左右に分割して特定された、上の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアPまでの距離を測定する第1距離計及び下の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアQまでの距離を測定する第2距離計と、
前記エリアP、Qに含まれているハブボルト中心の座標を各々算出するステップと、得られた2つのハブボルト中心の座標に基づいてハブの中心座標を算出するステップと、前記距離を計測するステップで得られた距離のうち前記ハブボルトを含まない距離において、前記エリアP、Qから三角形の頂点を構成する3点の座標を取得するステップと、得られた3点の座標から、前記車両搬送ラインに沿った垂直面に対するハブの傾斜角を算出するステップと、この傾斜角で傾斜したハブにおいて、前記ハブの中心座標と前記ハブボルト中心の座標とからハブボルトの方位を算出するステップとを実施する演算装置と、
からなることを特徴とするハブの姿勢検出装置。
【請求項1】
車両搬送ラインに沿って搬送される車両のハブに車輪を取付ける前に、前記ハブの傾き、中心及びハブボルトの方位を検出するハブの姿勢検出方法であって、
前記ハブの正面をX線で4等分することで、前記ハブボルトのピッチ円を上下左右に分割し、上の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアPを特定すると共に下の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアQを特定するステップと、
基準位置から前記エリアP、Qまでの距離を計測するステップと、
前記エリアP、Qに含まれているハブボルト中心の座標を各々算出するステップと、
得られた2つのハブボルト中心の座標に基づいてハブの中心座標を算出するステップと、
前記距離を計測するステップで得られた距離のうち前記ハブボルトを含まない距離において、前記エリアP、Qから三角形の頂点を構成する3点の座標を取得するステップと、
得られた3点の座標から、前記車両搬送ラインに沿った垂直面に対するハブの傾斜角を算出するステップと、
この傾斜角で傾斜したハブにおいて、前記ハブの中心座標と前記ハブボルト中心の座標とからハブボルトの方位を算出するステップとからなることを特徴とするハブの姿勢検出方法。
【請求項2】
車両搬送ラインに沿って搬送される車両のハブに車輪を取付ける前に、前記ハブの傾き、中心及びハブボルトの方位を検出するハブの姿勢検出装置であって、
前記ハブの正面をX線で4等分することで、前記ハブボルトのピッチ円を上下左右に分割して特定された、上の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアPまでの距離を測定する第1距離計及び下の分割ピッチ円を内包する横長矩形エリアQまでの距離を測定する第2距離計と、
前記エリアP、Qに含まれているハブボルト中心の座標を各々算出するステップと、得られた2つのハブボルト中心の座標に基づいてハブの中心座標を算出するステップと、前記距離を計測するステップで得られた距離のうち前記ハブボルトを含まない距離において、前記エリアP、Qから三角形の頂点を構成する3点の座標を取得するステップと、得られた3点の座標から、前記車両搬送ラインに沿った垂直面に対するハブの傾斜角を算出するステップと、この傾斜角で傾斜したハブにおいて、前記ハブの中心座標と前記ハブボルト中心の座標とからハブボルトの方位を算出するステップとを実施する演算装置と、
からなることを特徴とするハブの姿勢検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−236780(P2009−236780A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−84965(P2008−84965)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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