説明

ハンズフリー通話装置

【課題】複数の近距離無線回線を適切に選択することで、ハンズフリー通話を適切に行えるようにする。
【解決手段】ハンズフリー通話装置1は、WiFiハンズフリー通話中にWiFi回線の電波状態が悪化すると、WiFi回線の電波状態が悪化したことをユーザに通知し、ユーザがWiFi回線からBT回線への切換操作を行うと、BT回線を接続してBTハンズフリー通話を開始した後に、電波状態が悪化したWiFi回線を切断してWiFiハンズフリー通話を終了する。通話相手機器14との間でハンズフリー通話を中断することなく継続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話相手機器との間でのハンズフリー通話を可能とする近距離無線回線を接続機器との間で接続するハンズフリー通話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車室内における携帯電話機の主たる用途としてハンズフリー通話がある。例えばBluetooth(登録商標)(以下、BTと称する)通信機能を有するハンズフリー通話装置が車両に搭載されており、BT通信機能を有する携帯電話機が当該車両の車室内に持込まれると、ハンズフリー通話装置と携帯電話機とが両者の間でBT回線を接続してハンズフリー・プロファイル(HFP)を接続し、ハンズフリー通話が可能となる構成が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−223288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、無線技術の進歩に伴い、無線方式が異なる複数の近距離無線回線を選択的に接続可能とする構成が考えられており、ハンズフリー通話装置においても、複数の近距離無線回線を選択的に接続可能とする構成が考えられている。その場合、複数の近距離無線回線をどのようにして選択して接続するかを決定しておかないと、複数の近距離無線回線を適切に選択することができず、ハンズフリー通話を適切に行えなくなる虞がある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の近距離無線回線を適切に選択することで、ハンズフリー通話を適切に行うことができるハンズフリー通話装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明によれば、制御手段は、通話相手機器との間で第1の近距離無線回線を介してハンズフリー通話中であるときに、第1の近距離無線回線の電波状態が第1の所定状態へと移行したことを電波状態判定手段が判定すると、第2の無線接続手段と第2の接続機器との間で第2の近距離無線回線を接続させて当該第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始した後に、第1の無線接続手段と第1の接続機器との間で接続中にある第1の近距離無線回線を切断させて当該第1の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を終了する。
【0007】
これにより、通話相手機器との間で第1の近距離無線回線を介してハンズフリー通話中であるときに、第1の近距離無線回線の電波状態が第1の所定状態(例えば音質や通信速度等の通話特性が低くなった状態)になると、第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始した後に、電波状態が第1の所定状態になった第1の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を終了することで、通話相手機器との間でハンズフリー通話を中断する(一旦終了して再開する)ことなく継続することができ、ハンズフリー通話を適切に行うことができる。
【0008】
請求項2に記載した発明によれば、制御手段は、通話相手機器との間で第1の近距離無線回線を介してハンズフリー通話中であるときに、第1の近距離無線回線が切断されたことを切断判定手段が判定すると、第2の無線接続手段と第2の接続機器との間で第2の近距離無線回線を接続させて当該第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始する。
【0009】
これにより、通話相手機器との間で第1の近距離無線回線を介してハンズフリー通話中であるときに、第1の近距離無線回線が切断されると、第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始することで、通話相手機器との間でハンズフリー通話を再開することができ、ハンズフリー通話を適切に行うことができる。
【0010】
請求項3に記載した発明によれば、制御手段は、通話相手機器との間で第2の近距離無線回線を介してハンズフリー通話中であるときに、第1の近距離無線回線の電波状態が第2の所定状態へと移行したことを電波状態判定手段が判定し且つ第1の無線接続手段と第1の接続機器との間で第1の近距離無線回線を接続可能な状況であることを接続可能判定手段が判定すると、第2の無線接続手段と第1の接続機器との間で第1の近距離無線回線を接続させて当該第1の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始した後に、第2の無線接続手段と第2の接続機器との間で接続中にある第2の近距離無線回線を切断させて当該第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を終了する。
【0011】
これにより、通話相手機器との間で第2の近距離無線回線を介してハンズフリー通話中であるときに、第1の近距離無線回線の電波状態が第2の所定状態(例えば音質や通信速度等の通話特性が向上した状態)になり且つ第1の接続機器との間で第1の近距離無線回線を接続可能な状況になると、電波状態が第2の所定状態になった第1の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始した後に、第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を終了することで、通話相手機器との間でハンズフリー通話を中断することなくハンズフリー通話を継続することができ、ハンズフリー通話を適切に行うことができる。
【0012】
請求項4に記載した発明によれば、制御手段は、通話相手機器との間で第1の近距離無線回線を介してハンズフリー通話中であるときに、第1の近距離無線回線が切断されたことを切断判定手段が判定すると、第2の無線接続手段と第2の接続機器との間で第2の近距離無線回線を接続させて当該第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始する。
【0013】
これにより、上記した請求項2に記載した発明と同様に、通話相手機器との間で第1の近距離無線回線を介してハンズフリー通話中であるときに、第1の近距離無線回線が切断されると、第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始することで、通話相手機器との間でハンズフリー通話を再開することができ、ハンズフリー通話を適切に行うことができる。
【0014】
請求項5に記載した発明によれば、制御手段は、通話相手機器との間で第2の近距離無線回線を介してハンズフリー通話中であるときに、第1の近距離無線回線の電波状態が第2の所定状態へと移行したことを電波状態判定手段が判定し且つ第1の無線接続手段と第1の接続機器との間で第1の近距離無線回線を接続可能な状況であることを接続可能判定手段が判定すると、第2の無線接続手段と第1の接続機器との間で第1の近距離無線回線を接続させて当該第1の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始した後に、第2の無線接続手段と第2の接続機器との間で接続中にある第2の近距離無線回線を切断させて当該第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を終了する。
【0015】
これにより、上記した請求項3に記載した発明と同様に、通話相手機器との間で第2の近距離無線回線を介してハンズフリー通話中であるときに、第1の近距離無線回線の電波状態が第2の所定状態(例えば音質や通信速度等の通話特性が向上した状態)になり且つ第1の接続機器との間で第1の近距離無線回線を接続可能な状況になると、電波状態が第2の所定状態になった第1の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始した後に、第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を終了することで、通話相手機器との間でハンズフリー通話を中断することなくハンズフリー通話を継続することができ、ハンズフリー通話を適切に行うことができる。
【0016】
請求項6に記載した発明によれば、制御手段は、第1の近距離無線回線から第2の近距離無線回線への接続切換を行うユーザの意思がある旨を判定したことを条件として、第2の無線接続手段と第2の接続機器との間で第2の近距離無線回線を接続させて当該第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始した後に、第1の無線接続手段と第1の接続機器との間で接続中にある第1の近距離無線回線を切断させて当該第1の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を終了する。
【0017】
これにより、電波状態が第1の所定状態になった第1の近距離無線回線を接続したままでハンズフリー通話を継続するか、第1の近距離無線回線から第2の近距離無線回線へと切換えてハンズフリー通話を継続するかをユーザが選択することができる。特に、第1の近距離無線回線を接続したままでハンズフリー通話を継続する場合と、第1の近距離無線回線から第2の近距離無線回線へと切換えてハンズフリー通話を継続する場合とで課金体系が異なる状況では、ユーザが課金を考慮した上で何れかを選択することができる。
【0018】
請求項7に記載した発明によれば、制御手段は、第2の近距離無線回線の接続を行うユーザの意思がある旨を判定したことを条件として、第2の無線接続手段と第2の接続機器との間で第2の近距離無線回線を接続させて当該第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始する。
【0019】
これにより、第1の近距離無線回線が切断されたことでハンズフリー通話を終了するか、第2の接続機器との間で第2の近距離無線回線を接続して通話相手機器との間でハンズフリー通話を再開するかをユーザが選択することができる。特に、第2の接続機器との間で第2の近距離無線回線を接続して通話相手機器との間でハンズフリー通話を再開する場合に課金が発生する状況では、ユーザが課金を考慮した上で何れかを選択することができる。
【0020】
請求項8に記載した発明によれば、制御手段は、第2の近距離無線回線から第1の近距離無線回線への接続切換を行うユーザの意思がある旨を判定したことを条件として、記第2の無線接続手段と第1の接続機器との間で第1の近距離無線回線を接続させて当該第1の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始した後に、第2の無線接続手段と第2の接続機器との間で接続中にある第2の近距離無線回線を切断させて当該第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を終了する。
【0021】
これにより、第2の近距離無線回線を接続したままでハンズフリー通話を継続するか、第2の近距離無線回線から電波状態が第2の所定状態になった第1の近距離無線回線へと切換えてハンズフリー通話を継続するかをユーザが選択することができる。特に、第2の近距離無線回線を接続したままでハンズフリー通話を継続する場合と、第2の近距離無線回線から第1の近距離無線回線へと切換えてハンズフリー通話を継続する場合とで課金体系が異なる状況では、ユーザが課金を考慮した上で何れかを選択することができる。
【0022】
請求項9に記載した発明によれば、接続可能判定手段は、ハンズフリー通話装置の位置と、第1の無線接続手段が第1の接続機器との間で第1の近距離無線回線を接続可能であるか否かを示す圏内地図とを照合した照合結果に基づいて、第1の無線接続手段と第1の接続機器との間で第1の近距離無線回線を接続可能な状況であるか否かを判定する。
【0023】
これにより、ハンズフリー通話装置の位置と圏内地図とを照合することで、第1の接続機器との間で第1の近距離無線回線を接続可能な状況であるか否かを判定することができる。
【0024】
請求項10に記載した発明によれば、第1の無線接続手段は、車室外の機器を第1の接続機器として第2の近距離無線回線よりも通話特性に優れた第1の近距離無線回線を接続し、第2の無線接続手段は、車室内の機器を第2の接続機器として第2の近距離無線回線を接続する。
【0025】
これにより、第2の近距離無線回線よりも通話特性に優れた第1の近距離無線回線の電波状態が第1の所定状態になったとしても、ハンズフリー通話を中断することなく、第1の近距離無線回線よりも通話特性に劣るが第2の近距離無線回線を接続してハンズフリー通話を継続することができ、又、第1の近距離無線回線の電波状態が第2の所定状態になり且つ第1の接続機器との間で第1の近距離無線回線を接続可能な状況になると、ハンズフリー通話を中断することなく、第2の近距離無線回線よりも通話特性に優れた第1の近距離無線回線を接続してハンズフリー通話を継続することができる。即ち、通話特性に優れた第1の近距離無線回線を接続可能な状況では、できるだけ第1の近距離無線回線を優先して接続することで、通話特性に優れたハンズフリー通話を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態を示す機能ブロック図
【図2】フローチャート(その1)
【図3】フローチャート(その2)
【図4】シーケンス図(その1)
【図5】シーケンス図(その2)
【図6】シーケンス図(その3)
【図7】WiFi回線からBT回線への切換問合画面を示す図
【図8】BT回線の接続問合画面を示す図
【図9】BT回線からWiFi回線への切換問合画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。尚、ここでは、WiFi(登録商標)通信機能及びBluetooth(登録商標)(以下、BTと称する)通信機能を有するハンズフリー通話装置が搭載されている車両の車室内に、BT通信機能を有するBT対応の携帯電話機が車室内に持込まれ、ハンズフリー通話装置と携帯電話機とがBT通信可能な状態にある場合を説明する。WiFiとは、通信規格である IEEE 802.11シリーズ(IEEE 802.11a/b/g/n等)を利用した無線機器間の相互接続性等について認証されたことを示す名称である。
【0028】
ハンズフリー通話装置1は、制御部2(本発明でいう制御手段、電波状態判定手段、切断判定手段、接続可能判定手段)と、WiFi接続部3(本発明でいう第1の無線接続手段)と、BT接続部4(本発明でいう第2の無線接続手段)と、通話音声処理部5と、記憶部6と、表示制御部7と、タッチ操作入力部8と、車両LANインタフェース(IF)部9とを備えて構成されている。
【0029】
制御部2は、周知のマイクロコンピュータからなるCPU、RAM、ROM及びI/Oバス等を有し、ハンズフリー通話装置1の通信動作やデータ管理動作等の動作全般を制御する。WiFi接続部3は、路側(車室外)に設置されているアクセスポイント10(本発明でいう第1の接続機器)やモバイルルータ11(本発明でいう第1の接続機器)との間でWiFiの通信規格に準じたWiFi回線(本発明でいう第1の近距離無線回線)を接続可能である。BT接続部4は、車室内に持込まれているBT対応の携帯電話機12との間でBTの通信規格に準じたBT回線(本発明でいう第2の近距離無線回線)を接続可能であり、BT回線を接続している上でBTの通信規格により定義されているハンズフリー・プロファイル(HFP)を接続可能である。ハンズフリー・プロファイルとはハンズフリー通話を実現するためのプロファイルである。
【0030】
BTは干渉を自動的に排除することができるAFH(Adaptive Frequency Hopping:適応型周波数ホッピング)技術を使用しており、WiFiに比べてリアルタイム性が重要な通話アプリケーションでは有利になると考えられている。尚、BT接続部4は、ハンズフリー・プロファイルの他に、電話帳データの転送を実現するフォンブック・アクセス・プロファイル(PBAP)、電子メールの転送を実現するメッセージ・アクセス・プロファイル(MAP)、各種データの転送を実現するシリアル・ポート・プロファイル(SPP)等のプロファイルを接続可能であっても良く、それら複数のプロファイルを同時接続(マルチ接続)可能であっても良い。これらプロファイルは機能毎に定義された通信プロトコルを意味している。
【0031】
アクセスポイント10やモバイルルータ11や携帯電話機12は、ハンズフリー通話装置1のハンズフリー通話の相手となり得る通話相手機器14との間で通信網13を介して広域電話回線を接続可能である。通信網13とは、携帯電話網、固定電話網、インターネット等を含む通信網である。通話相手機器14とは、電話機能を有する機器であり、固定電話や携帯電話機等である。
【0032】
通話音声処理部5には車室内にて例えばハンドルの近傍等のユーザが発した音声を集音し易い部位に配置されているマイクロホン15が接続されていると共に、ハンズフリー通話装置1の外部に配置されているオーディオアンプ16が接続されており、オーディオアンプ16には2個のスピーカ17,18が接続されている。又、オーディオアンプ16にはチューナーデッキ19も接続されている。オーディオアンプ16は、チューナーデッキ19が例えば音楽用記録媒体から再生した楽曲音やラジオ放送局から受信したラジオ番組を当該チューナーデッキ19から入力すると、それら入力した楽曲音やラジオ番組を増幅してスピーカ17,18から出力させる。
【0033】
記憶部6は、各種データを記憶可能に構成されており、例えば電話番号と登録名との対応を表す電話帳データ、ハンズフリー通話装置1からの発信動作又は当該ハンズフリー通話装置1との間でハンズフリー・プロファイルを接続している携帯電話機12からの発信動作に係る発信時刻と発信電話番号との対応を表す発信履歴データ、ハンズフリー通話装置1との間でハンズフリー・プロファイルを接続している携帯電話機12の着信動作に係る着信時刻と着信電話番号との対応を表す着信履歴データ等を記憶可能に構成されている。
【0034】
ディスプレイ装置20は、各種表示画面を表示する表示装置21と、表示画面上にタッチスイッチ等を形成するタッチ操作入力装置22とを備えて構成されている。表示制御部7は、制御部2から表示指令通知を入力すると、その入力した表示指令通知に基づいて表示装置21の表示動作を制御する。タッチ操作入力部8は、ユーザが表示画面上に形成されているタッチスイッチを操作したことに応じてタッチ操作入力装置22から操作検出通知を入力すると、その入力した操作検出通知を制御部2に出力し、制御部2は、タッチ操作入力部8から入力した操作検出通知を解析する。
【0035】
車両LANIF部9は、車両に搭載されているナビゲーションシステム23と車両LAN24を介して接続されている。ナビゲーションシステム23は、周知のナビゲーション機能を有しており、車両位置を特定する機能、道路地図を読出す機能、車両位置を道路地図上にマップマッチングする機能、目的地を設定する機能、車両位置から目的地までの経路を探索する機能、探索した経路にしたがって車両走行を案内する機能、車両位置や経路を描画する機能等を有している。
【0036】
上記した携帯電話機12は、自機の動作全般を制御する制御部と、通信網13との間で広域電話回線を接続して電話通信を行う電話通信部と、ハンズフリー通話装置1との間でBT回線を接続してBT通信を行うBT接続部と、ユーザが操作する各種キーが配列されてなるキー入力部と、各種表示画面を表示する表示部と、ユーザが発した音声を入力するマイクロホンと、通話相手機器14から通信網13を介して受信した音声を受話音声として出力するスピーカ等を備えて構成されている。
【0037】
携帯電話機12は、通話モードとしてハンドセット通話モードとハンズフリー通話モードとを選択的に切換える。携帯電話機12は、ハンドセット通話モードを設定している場合であれば、自機のマイクロホン及びスピーカを有効とし(音声経路を接続し)、通話相手機器14から広域電話回線を介して音声を受信すると、その受信した音声をスピーカから受話音声として出力すると共に、ユーザが発した音声をマイクロホンにより入力すると、その入力した音声を送話音声として広域電話回線を介して通話相手機器14へ送信する。携帯電話機12は、ハンズフリー通話モードを設定している場合であれば、自機のマイクロホン及びスピーカを無効とし(音声経路を切断し)、通話相手機器14から広域電話回線を介して音声を受信すると、その受信した音声をBT回線を介してハンズフリー通話装置1へ送信することで、その受信した音声をハンズフリー通話装置1に接続されているスピーカ17,18から受話音声として出力させると共に、ユーザが発した音声をハンズフリー通話装置1に接続されているマイクロホン15により入力し、その入力した音声を送話音声としてハンズフリー通話装置1からBT回線を介して受信すると、その受信した送話音声を広域電話回線を介して通話相手機器14へ送信する。
【0038】
上記した構成において、制御部2は、WiFi接続部3とアクセスポイント10やモバイルルータ11との間でWiFi回線を接続させることでWiFi回線を介してハンズフリー通話を行うことが可能であり、又、上記したようにBT接続部4と携帯電話機12との間でBT回線を接続させることでBT回線を介してハンズフリー通話を行うことが可能である。
【0039】
制御部2は、WiFi回線を介してハンズフリー通話を行うWiFiハンズフリー通話中であるときには、WiFi接続部3とアクセスポイント10やモバイルルータ11との間でWiFi回線を接続させていることで、通話相手機器14からアクセスポイント10やモバイルルータ11を経由してWiFi回線を介して音声をWiFi接続部3により受信すると、その受信した音声をハンズフリー通話装置1に接続されているスピーカ17,18から受話音声として出力させると共に、ユーザが発した音声をハンズフリー通話装置1に接続されているマイクロホン15により入力すると、その入力した音声を送話音声としてWiFi接続部3からWiFi回線を介してアクセスポイント10やモバイルルータ11を経由して通話相手機器14へ送信させる。
【0040】
一方、制御部2は、BT回線を介してハンズフリー通話を行うBTハンズフリー通話中であるときには、BT接続部4と携帯電話機12との間でBT回線を接続させていることで、通話相手機器14から携帯電話機12を経由してBT回線を介して音声をBT接続部4により受信すると、その受信した音声をハンズフリー通話装置1に接続されているスピーカ17,18から受話音声として出力させると共に、ユーザが発した音声をハンズフリー通話装置1に接続されているマイクロホン15により入力すると、その入力した音声を送話音声としてBT接続部4からBT回線を介して携帯電話機12を経由して通話相手機器14へ送信させる。尚、WiFiハンズフリー通話とBTハンズフリー通話とでは、前者の方が後者よりも音質、通信速度及び課金(通話料金コスト)の面で優れている。
【0041】
又、ナビゲーションシステム23は、WiFi通信の通信圏内と通信圏外との境界を示すWiFi通信圏内地図を例えば記録媒体(図示せず)から読出可能になっており、その読出したWiFi通信圏内地図をハンズフリー通話装置1へ出力する。この場合、制御部2は、ナビゲーションシステム23が特定した車両位置を当該ナビゲーションシステム23から入力すると共に、ナビゲーションシステム23が記録媒体から読出したWiFi通信圏内地図を当該ナビゲーションシステム23から入力すると、それら車両位置とWiFi通信圏内地図とを照合することで、ハンズフリー通話装置1のWiFi接続部3がWiFi回線を接続可能であるか否かを判定する。
【0042】
次に、上記した構成の作用について、図2乃至図9を参照して説明する。図2は、制御部2がWiFiハンズフリー通話中に行うWiFiハンズフリー通話中処理を示しており、図3は、制御部2がBTハンズフリー通話中に行うBTハンズフリー通話中処理を示している。以下、WiFiハンズフリー通話中処理及びBTハンズフリー通話中処理について順次説明する。尚、これ以降、WiFi接続部3とアクセスポイント10とが両者の間でWiFi回線を接続する場合を説明するが、WiFi接続部3とモバイルルータ11とが両者の間でWiFi回線を接続する場合も同様である。
【0043】
(1)WiFiハンズフリー通話中処理
ハンズフリー通話装置1において、制御部2は、WiFiハンズフリー通話中にあるときには、WiFi接続部3とアクセスポイント10との間でWiFi回線を接続させていると共に、アクセスポイント10と通話相手機器14との間で通信網13を介して広域電話回線を接続させている。
【0044】
制御部2は、WiFiハンズフリー通話中処理を開始すると、WiFi回線の電波状態が悪化したか否か(第1の所定状態へと移行したか否か)を判定すると共に、WiFi接続部3とアクセスポイント10との間で接続させているWiFi回線がユーザの意思とは関係なく切断(瞬断)されたか否かを判定する(ステップS1、S2)。具体的には、制御部2は、WiFi回線の電波状態が悪化したか否かを判定する場合には、例えばアクセスポイント10からWiFi回線を介してWiFi接続部3により受信した信号の受信電界強度(RSSI)や符号誤り率(BER)が所定値未満になったか否かを判定したり、アクセスポイント10からWiFi回線を介してWiFi接続部3により受信した信号の受信電界強度や符号誤り率が携帯電話機12からBT回線を介してBT接続部4により受信した信号の受信電界強度や符号誤り率よりも低くなったか否かを判定したりすることで、WiFi回線の電波状態が悪化したか否かを判定する。即ち、制御部2は、WiFi回線の電波状態を絶対的及び相対的の何れかにより判定することで、WiFi回線の電波状態が悪化したか否かを判定する。
【0045】
ここで、制御部2は、例えばアクセスポイント10からWiFi回線を介してWiFi接続部3により受信した信号の受信電界強度や符号誤り率が所定値未満になったと判定したり、アクセスポイント10からWiFi回線を介してWiFi接続部3により受信した信号の受信電界強度や符号誤り率が携帯電話機12からBT回線を介してBT接続部4により受信した信号の受信電界強度や符号誤り率よりも低くなったと判定したりし、WiFi回線の電波状態が悪化したと判定すると(ステップS1にて「YES」)、表示指令通知を表示制御部7へ出力し、図7に示すように、例えば「WiFi回線の電波状態が悪化しています。WiFi回線からBT回線へ切換えますか?」という問合メッセージ31a、「YES」スイッチ31b、「NO」スイッチ31cを含むWiFi回線からBT回線への切換問合画面31を表示装置21に表示させ(ステップS3)、WiFi回線からBT回線へ切換えてハンズフリー通話を継続するか否かをユーザに問合せる(選択させる)(ステップS4)。この場合、ユーザは、WiFi回線からBT回線へ切換える意思があれば、「YES」スイッチ31bを操作することになり、一方、WiFi回線からBT回線へ切換える意思がなければ、「NO」スイッチ31cを操作することになる。
【0046】
制御部2は、タッチ操作入力部8から操作検出通知を入力し、WiFi回線からBT回線への切換問合画面31にて「YES」スイッチ31bが操作されたと判定すると(ステップS4にて「YES」)、接続指令通知(BTの通信規格により定義されているATコマンド)をBT接続部4から携帯電話機12へ出力させ、ハンズフリー通話装置1の電話番号を発信先電話番号として携帯電話機12から通信網13へ発信させる。
【0047】
制御部2は、ハンズフリー通話装置1の電話番号を発信先電話番号として携帯電話機12から通信網13へ発信させたことに応じて、通信網13から携帯電話機12が着信し、携帯電話機12からの着信通知をBT接続部4により受信したと判定すると、BT接続部4と携帯電話機12との間でBT回線を接続させる(ステップS5)。次いで、制御部2は、携帯電話機12と通話相手機器14との間で通信網13を介して広域電話回線を接続させ、BT回線を介したハンズフリー通話を開始し、即ち、アクセスポイント10と携帯電話機12と通話相手機器14との3者を通信網13を介して接続させて3者通話状態を生成する(ステップS6)。
【0048】
次いで、制御部2は、切断指令通知をWiFi接続部3からアクセスポイント10へ出力させ、WiFi接続部3とアクセスポイント10との間で接続させているWiFi回線を切断させて3者通話状態を解除し、WiFi回線を介したハンズフリー通話を終了する一方、BT回線を介したハンズフリー通話を継続し、BTハンズフリー通話中へと移行する(ステップS7)。
【0049】
制御部2は、上記した一連の処理を行うことで、図4に示すように、ユーザがWiFi回線からBT回線へと切換える操作を行うと、WiFi回線を介したハンズフリー通話を終了する前にBT回線を介したハンズフリー通話を開始して3者通話状態を一旦生成し、その後にWiFi回線を介したハンズフリー通話を終了することで、通話相手機器14との間でハンズフリー通話を中断する(一旦終了して再開する)ことなく継続する。即ち、ユーザは、WiFiハンズフリー通話よりも通話特性が劣るがBTハンズフリー通話により、通話相手機器14との間でハンズフリー通話を継続することができる。
【0050】
又、制御部2は、WiFi接続部3とアクセスポイント10との間で接続させているWiFi回線が切断されたと判定すると(ステップS2にて「YES」)、表示指令通知を表示制御部7へ出力し、図8に示すように、例えば「WiFi回線が切断されました。BT回線を接続しますか?」という問合メッセージ32a、「YES」スイッチ32b、「NO」スイッチ32cを含むBT回線の接続問合画面32を表示装置21に表示させ(ステップS8)、BT回線を接続してハンズフリー通話を再開するか否かをユーザに問合せる(選択させる)(ステップS9)。この場合、ユーザは、ハンズフリー通話を再開する意思があれば、「YES」スイッチ32bを操作することになり、一方、ハンズフリー通話を再開する意思がなければ、「NO」スイッチ32cを操作することになる。
【0051】
制御部2は、タッチ操作入力部8から操作検出通知を入力し、BT接続問合画面32にて「YES」スイッチ32bが操作されたと判定すると(ステップS9にて「YES」)、接続指令通知(BTの通信規格により定義されているATコマンド)をBT接続部4から携帯電話機12へ出力させ、通話相手機器14の電話番号を発信先電話番号として携帯電話機12から通信網13へ発信させる。
【0052】
制御部2は、通話相手機器14の電話番号を発信先電話番号として携帯電話機12から通信網13へ発信させたことに応じて、通信網13から携帯電話機12が着信し、携帯電話機12からの着信通知をBT接続部4により受信したと判定すると、BT接続部4と携帯電話機12との間でBT回線を接続させる(ステップS10)。次いで、制御部2は、携帯電話機12と通話相手機器14との間で通信網13を介して広域電話回線を接続させ、BT回線を介したハンズフリー通話を開始し、BTハンズフリー通話中へと移行する(ステップS11)。
【0053】
制御部2は、上記した一連の処理を行うことで、図5に示すように、ユーザがBT回線を接続する操作を行うと、BT回線を接続し、BTハンズフリー通話を開始することで、切断されたハンズフリー通話を再開する。即ち、ユーザは、WiFiハンズフリー通話よりも通話特性が劣るがBTハンズフリー通話により、通話相手機器14との間でハンズフリー通話を再開することができる。
【0054】
(2)BTハンズフリー通話中処理
ハンズフリー通話装置1において、制御部2は、BTハンズフリー通話中にあるときには、BT接続部4と携帯電話機12との間でBT回線を接続させていると共に、携帯電話機12と通話相手機器14との間で通信網13を介して広域電話回線を接続させている。
【0055】
制御部2は、BTハンズフリー通話中処理を開始すると、ナビゲーションシステム23から現在の車両位置とWiFi通信圏内地図とを入力し、それら入力した現在の車両位置とWiFi通信圏内地図とを照合することで、現在の車両位置がWiFi通信圏内であるか否かを判定する(ステップS21)。
【0056】
制御部2は、現在の車両位置がWiFi通信圏内地図により示されるWiFi通信圏内に存在し、現在の車両位置がWiFi通信圏内であると判定すると(ステップS21にて「YES」)、WiFi回線の電波状態が良好になったか否か(第2の所定状態へと移行したか否か)を判定する(ステップS22)。具体的には、制御部2は、例えばアクセスポイント10からWiFi回線を介してWiFi接続部3により受信した信号の受信電界強度や符号誤り率が所定値以上になったか否かを判定したり、アクセスポイント10からWiFi回線を介してWiFi接続部3により受信した信号の受信電界強度や符号誤り率が携帯電話機12からBT回線を介してBT接続部4により受信した信号の受信電界強度や符号誤り率よりも高くなったか否かを判定したりすることで、WiFi回線の電波状態が悪化したか否かを判定する。即ち、制御部2は、WiFi回線の電波状態を絶対的及び相対的の何れかにより判定することで、WiFi回線の電波状態が良好になったか否かを判定する。
【0057】
ここで、制御部2は、例えばアクセスポイント10からWiFi回線を介してWiFi接続部3により受信した信号の受信電界強度や符号誤り率が所定値以上になったと判定したり、アクセスポイント10からWiFi回線を介してWiFi接続部3により受信した信号の受信電界強度や符号誤り率が携帯電話機12からBT回線を介してBT接続部4により受信した信号の受信電界強度や符号誤り率よりも高くなったと判定したりし、WiFi回線の電波状態が良好になったと判定すると(ステップS22にて「YES」)、ナビゲーションシステム23から現在の車両位置から目的地までの走行予定経路とWiFi通信圏内地図とを入力し、それら入力した走行予定経路とWiFi通信圏内地図とを照合することで、これから車両が走行する区域がWiFi通信圏内であるか否かを判定する(ステップS23)。
【0058】
制御部2は、走行予定経路がWiFi通信圏内地図により示されるWiFi通信圏内に存在し、これから車両が走行する区域がWiFi通信圏内であると判定すると(ステップS23にて「YES」)、表示指令通知を表示制御部7へ出力し、図9に示すように、例えば「WiFi通信圏内に入りました。BT回線からWiFi回線へ切換えますか?」という問合メッセージ33a、「YES」スイッチ33b、「NO」スイッチ33cを含むBT回線からWiFi回線への切換問合画面33を表示装置21に表示させ(ステップS3)、BT回線からWiFi回線へ切換えてハンズフリー通話を継続するか否かをユーザに問合せる(選択させる)(ステップS24)。この場合、ユーザは、BT回線からWiFi回線へ切換える意思があれば、「YES」スイッチ33bを操作することになり、一方、BT回線からWiFi回線へ切換える意思がなければ、「NO」スイッチ33cを操作することになる。
【0059】
制御部2は、タッチ操作入力部8から操作検出通知を入力し、BT回線からWiFi回線への切換問合画面33にて「YES」スイッチ33bが操作されたと判定すると(ステップS25にて「YES」)、接続指令通知をWiFi接続部3からアクセスポイント10へ出力させ、ハンズフリー通話装置1の電話番号を発信先電話番号としてアクセスポイント10から通信網13へ発信させる。
【0060】
制御部2は、ハンズフリー通話装置1の電話番号を発信先電話番号としてアクセスポイント10から通信網13へ発信させたことに応じて、通信網13からアクセスポイント10が着信し、アクセスポイント10からの着信通知をWiFi接続部3により受信したと判定すると、WiFi接続部3とアクセスポイント10との間でWiFi回線を接続させる(ステップS26)。次いで、制御部2は、アクセスポイント10と通話相手機器14との間で通信網13を介して広域電話回線を接続させ、WiFi回線を介したハンズフリー通話を開始し、即ち、アクセスポイント10と携帯電話機12と通話相手機器14との3者を通信網13を介して接続させて3者通話状態を生成する(ステップS27)。
【0061】
次いで、制御部2は、切断指令通知をBT接続部4から携帯電話機12へ出力させ、BT接続部4と携帯電話機12との間で接続させているBT回線を切断させて3者通話状態を解除し、BT回線を介したハンズフリー通話を終了する一方、WiFi回線を介したハンズフリー通話を継続し、WiFiハンズフリー通話中へと移行する(ステップS28)。
【0062】
尚、制御部2は、WiFi回線の電波状態が良好になったと判定したが(ステップS22にて「YES」)、これから車両が走行する区域がWiFi通信圏内であると判定しないと(WiFi通信圏外であると判定すると)(ステップS23にて「NO」)、BT回線からWiFi回線への切換問合画面33を表示装置21に表示させることはなく、BTハンズフリー通話中を継続する。
【0063】
制御部2は、上記した一連の処理を行うことで、図6に示すように、ユーザがBT回線からWiFi回線へと切換える操作を行うと、BT回線を介したハンズフリー通話を終了する前にWiFi回線を介したハンズフリー通話を開始して3者通話状態を一旦生成し、その後にBT回線を介したハンズフリー通話を終了することで、通話相手機器14との間でハンズフリー通話を中断することなく継続する。即ち、ユーザは、BTハンズフリー通話よりも通話特性が優れるWiFiハンズフリー通話により、通話相手機器14との間でハンズフリー通話を継続することができる。
【0064】
ところで、以上は、WiFi回線からBT回線へと切換えてハンズフリー通話を継続するか否かをユーザに問合せたり、BT回線を接続してハンズフリー通話を再開するか否かをユーザに問合せたり、BT回線からWiFi回線へと切換えてハンズフリー通話を継続するか否かをユーザに問合せたりし、ユーザが操作したことを条件として、WiFi回線からBT回線へと切換えたり、BT回線を接続したり、BT回線からWiFi回線へと切換えたりした場合を説明したが、必ずしもユーザに問合せる必要はなく、ユーザに問合せることなく無条件で、WiFi回線からBT回線へと切換えたり、BT回線を接続したり、BT回線からWiFi回線へと切換えたりしても良い。又、上記したWiFi回線からBT回線への切換問合画面31やBT回線の接続問合画面32やBT回線からWiFi回線への切換問合画面33を表示装置21に表示させるタイミング及びユーザの操作を受付けるタイミングとしては、車両の走行速度が運転に支障を来たさない程度の速度まで低下した期間や車両が例えば信号待ち等で停止している期間であることが望ましい。
【0065】
以上に説明したように本実施形態によれば、ハンズフリー通話装置1において、WiFiハンズフリー通話中にWiFi回線の電波状態が悪化すると、WiFi回線の電波状態が悪化したことをユーザに通知し、ユーザがWiFi回線からBT回線への切換操作を行うと、BT回線を接続してBTハンズフリー通話を開始した後に、電波状態が悪化したWiFi回線を切断してWiFiハンズフリー通話を終了するようにしたので、通話相手機器14との間でハンズフリー通話を中断することなく継続することができる。又、この場合、WiFi回線の電波状態が悪化したことをユーザに通知し、WiFi回線からBT回線へと切換えるか否かをユーザに問合せるようにしたので、WiFi回線からBT回線へと切換えるか否か、即ち、WiFiハンズフリー通話からBTハンズフリー通話へと切換えてハンズフリー通話を継続するか否かをユーザが選択することができる。
【0066】
又、WiFiハンズフリー通話中であるときにWiFi回線が切断されると、WiFi回線が切断されたことをユーザに通知し、ユーザがBT回線の接続操作を行うと、BT回線を接続してBTハンズフリー通話を開始するようにしたので、通話相手機器14との間でハンズフリー通話を再開することができる。又、この場合、WiFi回線が切断されたことをユーザに通知し、BT回線を接続するか否かをユーザに問合せるようにしたので、BT回線を接続するか否か、即ち、ハンズフリー通話を再開するか否かをユーザが選択することができる。
【0067】
又、BTハンズフリー通話中であるときにWiFi回線の電波状態が良好になると、WiFi回線の電波状態が良好になったことをユーザに通知し、ユーザがBT回線からWiFi回線への切換操作を行うと、WiFi回線を接続してWiFiハンズフリー通話を開始した後に、BT回線を切断してBTハンズフリー通話を終了するようにしたので、通話相手機器14との間でハンズフリー通話を中断することなく継続することができる。又、この場合、WiFi回線の電波状態が良好になったことをユーザに通知し、BT回線からWiFi回線へと切換えるか否かをユーザに問合せるようにしたので、BT回線からWiFi回線へと切換えるか否か、即ち、BTハンズフリー通話からWiFiハンズフリー通話へと切換えてハンズフリー通話を継続するか否かをユーザが選択することができる。
【0068】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
ハンズフリー通話装置1は、ナビゲーションシステム23が有するナビゲーション機能を有する構成であっても良い。
【0069】
ハンズフリー通話装置1がWiFiやBTに限らず他の通信規格に準じた近距離無線回線を接続する構成であっても良い。
制御部2が現在の車両位置や走行予定経路とWiFi通信圏内地図とを照合する構成に限らず、ナビゲーションシステム23が現在の車両位置や走行予定経路とWiFi通信圏内地図とを照合し、制御部2がナビゲーションシステム23から照合結果を入力する構成であっても良い。
【0070】
車両が新規の経路を走行する毎にWiFi通信圏内であるか否かを履歴として記憶し、その履歴を参照することで、これから車両が走行する区域がWiFi通信圏内であるか否かを判定するようにしても良い。
【0071】
これから車両が走行する区域がWiFi通信圏内であるか否かを判定する場合において、走行予定経路のうちWiFi通信圏内で連続する区間が所定距離以上である場合に限って、これから車両が走行する区域がWiFi通信圏内であると判定する一方、WiFi通信圏内であっても連続する区間が所定距離未満である場合には、これから車両が走行する区域がWiFi通信圏内でないと判定するようにしても良い。このように構成すれば、BT回線からWiFi回線へと切換えた直後にWiFi回線からBT回線へと再度切換えてしまうことを回避することができ、BTハンズフリー通話とWiFiハンズフリー通話とを頻繁に切換えてしまうことを回避することができる。
【0072】
又、これから車両が走行する区域がWiFi通信圏内であるか否かを判定することなく、現在の車両位置がWiFi通信圏内であると判定し、且つWiFi回線の電波状態が良好になったと判定した場合に、BT回線からWiFi回線への切換問合画面33を表示装置21に表示させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0073】
図面中、1はハンズフリー通話装置、2は制御部(制御手段、電波状態判定手段、切断判定手段、接続可能判定手段)、3はWiFi接続部(第1の無線接続手段)、4はBT接続部(第2の無線接続手段)、10はアクセスポイント(第1の接続機器)、11はモバイルルータ(第1の接続機器)、12は携帯電話機(第2の接続機器)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話相手機器との間でのハンズフリー通話を可能とする第1の近距離無線回線を第1の接続機器との間で接続可能な第1の無線接続手段と、
通話相手機器との間でのハンズフリー通話を可能とする前記第1の近距離無線回線とは別の第2の近距離無線回線を前記第1の接続機器とは別の第2の接続機器との間で接続可能な第2の無線接続手段と、
前記第1の近距離無線回線の接続及び切断を制御すると共に、前記第2の近距離無線回線の接続及び切断を制御する制御手段と、
前記第1の近距離無線回線の電波状態を判定する電波状態判定手段と、を備え、
前記制御手段は、通話相手機器との間で前記第1の近距離無線回線を介してハンズフリー通話中であるときに、前記第1の近距離無線回線の電波状態が第1の所定状態へと移行したことを前記電波状態判定手段が判定した場合に、前記第2の無線接続手段と前記第2の接続機器との間で前記第2の近距離無線回線を接続させて当該第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始した後に、前記第1の無線接続手段と前記第1の接続機器との間で接続中にある前記第1の近距離無線回線を切断させて当該第1の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を終了することを特徴とするハンズフリー通話装置。
【請求項2】
請求項1に記載したハンズフリー通話装置において、
接続中にある前記第1の近距離無線回線が切断されたか否かを判定する切断判定手段を備え、
前記制御手段は、通話相手機器との間で前記第1の近距離無線回線を介してハンズフリー通話中であるときに、前記第1の近距離無線回線が切断されたことを前記切断判定手段が判定した場合に、前記第2の無線接続手段と前記第2の接続機器との間で前記第2の近距離無線回線を接続させて当該第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始することを特徴とするハンズフリー通話装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載したハンズフリー通話装置において、
前記第1の無線接続手段と前記第1の接続機器との間で前記第1の近距離無線回線を接続可能な状況であるか否かを判定する接続可能判定手段を備え、
前記制御手段は、通話相手機器との間で前記第2の近距離無線回線を介してハンズフリー通話中であるときに、前記第1の近距離無線回線の電波状態が第2の所定状態へと移行したことを前記電波状態判定手段が判定し且つ前記第1の無線接続手段と前記第1の接続機器との間で前記第1の近距離無線回線を接続可能な状況であることを前記接続可能判定手段が判定した場合に、前記第2の無線接続手段と前記第1の接続機器との間で前記第1の近距離無線回線を接続させて当該第1の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始した後に、前記第2の無線接続手段と前記第2の接続機器との間で接続中にある前記第2の近距離無線回線を切断させて当該第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を終了することを特徴とするハンズフリー通話装置。
【請求項4】
通話相手機器との間でのハンズフリー通話を可能とする第1の近距離無線回線を第1の接続機器との間で接続可能な第1の無線接続手段と、
通話相手機器との間でのハンズフリー通話を可能とする前記第1の近距離無線回線とは別の第2の近距離無線回線を前記第1の接続機器とは別の第2の接続機器との間で接続可能な第2の無線接続手段と、
前記第1の近距離無線回線の接続及び切断を制御すると共に、前記第2の近距離無線回線の接続及び切断を制御する制御手段と、
接続中にある前記第1の近距離無線回線が切断されたか否かを判定する切断判定手段と、を備え、
前記制御手段は、通話相手機器との間で前記第1の近距離無線回線を介してハンズフリー通話中であるときに、前記第1の近距離無線回線が切断されたことを前記切断判定手段が判定した場合に、前記第2の無線接続手段と前記第2の接続機器との間で前記第2の近距離無線回線を接続させて当該第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始することを特徴とするハンズフリー通話装置。
【請求項5】
通話相手機器との間でのハンズフリー通話を可能とする第1の近距離無線回線を第1の接続機器との間で接続可能な第1の無線接続手段と、
通話相手機器との間でのハンズフリー通話を可能とする前記第1の近距離無線回線とは別の第2の近距離無線回線を前記第1の接続機器とは別の第2の接続機器との間で接続可能な第2の無線接続手段と、
前記第1の近距離無線回線の接続及び切断を制御すると共に、前記第2の近距離無線回線の接続及び切断を制御する制御手段と、
前記第1の近距離無線回線の電波状態を判定する電波状態判定手段と、
前記第1の無線接続手段と前記第1の接続機器との間で前記第1の近距離無線回線を接続可能な状況であるか否かを判定する接続可能判定手段と、を備え、
前記制御手段は、通話相手機器との間で前記第2の近距離無線回線を介してハンズフリー通話中であるときに、前記第1の近距離無線回線の電波状態が第2の所定状態へと移行したことを前記電波状態判定手段が判定し且つ前記第1の無線接続手段と前記第1の接続機器との間で前記第1の近距離無線回線を接続可能な状況であることを前記接続可能判定手段が判定した場合に、前記第2の無線接続手段と前記第1の接続機器との間で前記第1の近距離無線回線を接続させて当該第1の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始した後に、前記第2の無線接続手段と前記第2の接続機器との間で接続中にある前記第2の近距離無線回線を切断させて当該第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を終了することを特徴とするハンズフリー通話装置。
【請求項6】
請求項1乃至3の何れかに記載したハンズフリー通話装置において、
前記制御手段は、前記第1の近距離無線回線から前記第2の近距離無線回線への接続切換を行うユーザの意思がある旨を判定したことを条件として、前記第2の無線接続手段と前記第2の接続機器との間で前記第2の近距離無線回線を接続させて当該第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始した後に、前記第1の無線接続手段と前記第1の接続機器との間で接続中にある前記第1の近距離無線回線を切断させて当該第1の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を終了することを特徴とするハンズフリー通話装置。
【請求項7】
請求項2又は4に記載したハンズフリー通話装置において、
前記制御手段は、前記第2の近距離無線回線の接続を行うユーザの意思がある旨を判定したことを条件として、前記第2の無線接続手段と前記第2の接続機器との間で前記第2の近距離無線回線を接続させて当該第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始することを特徴とするハンズフリー通話装置。
【請求項8】
請求項3又は5の何れかに記載したハンズフリー通話装置において、
前記制御手段は、前記第2の近距離無線回線から前記第1の近距離無線回線への接続切換を行うユーザの意思がある旨を判定したことを条件として、前記第2の無線接続手段と前記第1の接続機器との間で前記第1の近距離無線回線を接続させて当該第1の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を開始した後に、前記第2の無線接続手段と前記第2の接続機器との間で接続中にある前記第2の近距離無線回線を切断させて当該第2の近距離無線回線を介したハンズフリー通話を終了することを特徴とするハンズフリー通話装置。
【請求項9】
請求項3、5又は8の何れかに記載したハンズフリー通話装置において、
前記接続可能判定手段は、ハンズフリー通話装置の位置と、前記第1の無線接続手段が前記第1の接続機器との間で前記第1の近距離無線回線を接続可能であるか否かを示す圏内地図とを照合した照合結果に基づいて、前記第1の無線接続手段と前記第1の接続機器との間で前記第1の近距離無線回線を接続可能な状況であるか否かを判定することを特徴とするハンズフリー通話装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れかに記載したハンズフリー通話装置において、
前記第1の無線接続手段は、車室外の機器を前記第1の接続機器として前記第2の近距離無線回線よりも通話特性に優れた前記第1の近距離無線回線を接続し、
前記第2の無線接続手段は、車室内の機器を前記第2の接続機器として前記第2の近距離無線回線を接続することを特徴とするハンズフリー通話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−204845(P2012−204845A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64363(P2011−64363)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】